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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20240704BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
G01C21/34
G09B29/00
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2018236760
(22)【出願日】2018-12-18
(65)【公開番号】P2020098161
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】米虫 崇
(72)【発明者】
【氏名】竹田 和弘
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-117848(JP,A)
【文献】特開2009-019920(JP,A)
【文献】国際公開第2011/067842(WO,A1)
【文献】特開2012-159413(JP,A)
【文献】特開2012-113516(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0170212(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/34
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車の状態、前記人力駆動車の搭乗者、および、前記人力駆動車の環境の少なくとも1つに関する第1情報を入力するように構成される入力部と、
前記入力部から入力される前記第1情報に応じて、前記人力駆動車の推奨走行条件に関する第2情報を作成するように構成される人工知能処理部と、を含み、
前記人力駆動車は、複数のアシストモードに応じて車両の推進を補助する電気モータを含み、
前記複数のアシストモードは、人力駆動力に対するアシスト力の比率が異なり、
前記推奨走行条件は、推奨走行距離、推奨走行速度、推奨走行時間、推奨ケイデンス、推奨人力駆動力、および、前記アシストモードのうちの推奨アシストモードを含み、
前記第2情報は、前記推奨走行距離、前記推奨走行速度、前記推奨走行時間、前記推奨ケイデンス、前記推奨人力駆動力、および、前記推奨アシストモードによる走行に適した推奨走行ルートである、情報処理装置。
【請求項2】
前記人工知能処理部によって作成された前記第2情報を出力する出力部をさらに含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力部は、表示装置およびスピーカの少なくとも1つを含む、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記人力駆動車の状態、前記搭乗者、および、前記人力駆動車の環境の少なくとも1つに関する情報は、前記人力駆動車の走行状態および前記搭乗者の状態の少なくとも1つに関する情報を含み、
前記入力部には、前記人力駆動車の走行状態および前記人力駆動車の前記搭乗者の状態の少なくとも1つを検出する検出部が電気的に接続される、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記人力駆動車の走行状態は、走行時間、走行速度、走行距離、走行ケイデンス、および、走行ルートの少なくとも1つを含む、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
記搭乗者の状態は、人力駆動力、疲労の状態、および、消費エネルギの少なくとも1つを含む、請求項またはに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記人工知能処理部は、前記第1情報の履歴に応じて前記第2情報を作成する、請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1情報の履歴を記憶する第1記憶部をさらに含む、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記入力部に入力された前記第1情報の履歴を通信によって取得し、取得した前記第1情報の履歴を前記人工知能処理部に送信する第1通信部をさらに含む、請求項またはに記載の情報処理装置。
【請求項10】
図情報を記憶する第2記憶部をさらに含み、
前記人工知能処理部は、前記第2記憶部に記憶される地図情報に応じて、前記推奨走行ルートを作成する、請求項1から9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第1情報は、前記人力駆動車の環境に関する情報を含み、
前記人力駆動車の環境に関する情報は、天候情報、地図情報、および、交通情報の少なくとも1つを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記入力部は、前記人力駆動車の環境に関する情報を通信によって外部の装置から取得し、取得した前記人力駆動車の環境に関する情報を前記人工知能処理部に送信する第2通信部をさらに含む、請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記地図情報は、道路に関する情報を含む、請求項11または12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記第1情報は、前記搭乗者に関する情報を含み、
記搭乗者に関する情報は、前記搭乗者の運動の目標に関する情報を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記人力駆動車の状態、前記搭乗者、および、前記人力駆動車の環境の少なくとも1つに関する情報は、前記人力駆動車の位置情報、前記搭乗者が走行を開始する時刻の情報、および、前記搭乗者が走行したい距離の情報の少なくとも1つを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
記入力部は、外部の装置から予め定める走行ルートに関する情報を取得するように構成され、
前記人工知能処理部は、前記外部の装置から取得した前記予め定める走行ルートに関する情報に応じて、前記推奨走行ルートを作成する、請求項1から15のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
記入力部は、外部の装置から複数の予め定める走行ルートに関する情報を取得するように構成され、
前記人工知能処理部は、前記外部の装置から取得した前記複数の予め定める走行ルートに関する情報から1つの予め定める走行ルートを選択することによって、前記推奨走行ルートを作成する、請求項1から15のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記人工知能処理部は、前記人力駆動車に設けられるように構成される、請求項1から17のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記人工知能処理部は、パーソナルコンピュータまたはインターネットに接続されているサーバに含まれる、請求項1から17のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載されている情報処理装置では、人力駆動車の最高速度を記憶する。ユーザは、記憶した最高速度のうちの1つを目標速度として設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-17459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている情報処理装置では、ユーザが選択した条件がそのまま人力駆動車の走行条件になるだけであり、ユーザビリティに向上の余地がある。
本発明の目的の1つは、ユーザビリティに貢献できる情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う情報処理装置は、人力駆動車の状態、前記人力駆動車の搭乗者、および、前記人力駆動車の環境の少なくとも1つに関する第1情報を入力するように構成される入力部と、前記入力部から入力される前記第1情報に応じて、前記人力駆動車の推奨走行条件に関する第2情報を作成するように構成される人工知能処理部と、を含む。
第1側面の情報処理装置によれば、人力駆動車の状態、人力駆動車の搭乗者、および、人力駆動車の環境の少なくとも1つに関する第1情報から、人力駆動車の推奨走行条件に関する第2情報を人工知能処理部によって好適に作成できる。このため、ユーザビリティに貢献できる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面の情報処理装置において、前記推奨走行条件は、推奨走行ルート、推奨走行距離、推奨走行速度、推奨走行時間、推奨ケイデンス、推奨人力駆動力、および、推奨アシストモードの少なくとも1つを含む。
第2側面の情報処理装置によれば、推奨走行ルート、推奨走行距離、推奨走行速度、推奨走行時間、推奨ケイデンス、推奨人力駆動力、および、推奨アシストモードの少なくとも1つに関する第2情報を人工知能処理部によって好適に作成できる。
【0007】
本開示の第1または第2側面に従う第3側面の情報処理装置において、前記人工知能処理部によって作成された前記第2情報を出力する出力部をさらに含む。
第3側面の情報処理装置によれば、第2情報を出力部から出力できる。
【0008】
本開示の第3側面に従う第4側面の情報処理装置において、前記出力部は、表示装置およびスピーカの少なくとも1つを含む。
第4側面の情報処理装置によれば、第2情報を画像として表示装置に表示させたり、第2情報を音声としてスピーカから出力させたりできる。
【0009】
本開示の第1~第4側面のいずれか1つに従う第5側面の情報処理装置において、前記人力駆動車の状態、前記人力駆動車の搭乗者、および、前記人力駆動車の環境の少なくとも1つに関する情報は、前記人力駆動車の走行状態および前記人力駆動車の搭乗者の状態の少なくとも1つに関する情報を含み、前記入力部には、前記人力駆動車の走行状態および前記人力駆動車の前記搭乗者の状態の少なくとも1つを検出する検出部が電気的に接続される。
第5側面の情報処理装置によれば、検出部によって検出された人力駆動車の走行状態および人力駆動車の搭乗者の状態の少なくとも1つに応じた第2情報を作成できる。
【0010】
本開示の第5側面に従う第6側面の情報処理装置において、前記人力駆動車の走行状態は、走行時間、走行速度、走行距離、走行ケイデンス、および、走行ルートの少なくとも1つを含む。
第6側面の情報処理装置によれば、人力駆動車の走行時間、走行速度、走行距離、走行ケイデンス、および、走行ルートの少なくとも1つに応じた第2情報を作成できる。
【0011】
本開示の第5または第6側面に従う第7側面の情報処理装置において、前記人力駆動車の搭乗者の状態は、人力駆動力、疲労の状態、および、消費エネルギの少なくとも1つを含む。
第7側面の情報処理装置によれば、人力駆動車の搭乗者の人力駆動力、疲労の状態、および、消費エネルギの少なくとも1つに応じた第2情報を作成できる。
【0012】
本開示の第1~第7側面のいずれか1つに従う第8側面の情報処理装置において、前記人工知能処理部は、前記第1情報の履歴に応じて前記第2情報を作成する。
第8側面の情報処理装置によれば、第1情報の履歴に応じた第2情報を作成できる。
【0013】
本開示の第8側面に従う第9側面の情報処理装置において、前記第1情報の履歴を記憶する第1記憶部をさらに含む。
第9側面の情報処理装置によれば、第1記憶部によって記憶された第1情報の履歴に応じた第2情報を作成できる。
【0014】
本開示の第8または第9側面に従う第10側面の情報処理装置において、前記入力部に入力された前記第1情報の履歴を通信によって取得し、取得した前記第1情報の履歴を前記人工知能処理部に送信する第1通信部をさらに含む。
第10側面の情報処理装置によれば、第1通信部によって取得した第1情報の履歴に応じて、第2情報を作成できる。
【0015】
本開示の第2側面に従う第11側面の情報処理装置において、地図情報を記憶する第2記憶部をさらに含み、前記人工知能処理部は、前記第2記憶部に記憶される地図情報に応じて、前記推奨走行ルートを作成する。
第11側面の情報処理装置によれば、第2記憶部に記憶される地図情報に応じて、好適に推奨走行ルートを作成できる。
【0016】
本開示の第1~第11側面のいずれか1つに従う第12側面の情報処理装置において、前記第1情報は、前記人力駆動車の環境に関する情報を含み、前記人力駆動車の環境に関する情報は、天候情報、地図情報、および、交通情報の少なくとも1つを含む。
第12側面の情報処理装置によれば、天候情報、地図情報、および、交通情報の少なくとも1つに応じて、第2情報を作成できる。
【0017】
本開示の第12側面に従う第13側面の情報処理装置において、前記入力部は、前記人力駆動車の環境に関する情報を通信によって外部の装置から取得し、取得した前記人力駆動車の環境に関する情報を前記人工知能処理部に送信する第2通信部をさらに含む。
第13側面の情報処理装置によれば、第2通信部によって取得した人力駆動車の走行環境に関する情報に応じて、第2情報を作成できる。
【0018】
本開示の第12または第13側面に従う第14側面の情報処理装置において、前記地図情報は、道路に関する情報を含む。
第14側面の情報処理装置によれば、道路に関する情報を含む地図情報に応じて、第2情報を作成できる。
【0019】
本開示の第1~第14側面のいずれか1つに従う第15側面の情報処理装置において、前記第1情報は、前記人力駆動車の搭乗者に関する情報を含み、前記人力駆動車の搭乗者に関する情報は、前記搭乗者の運動の目標に関する情報を含む。
第15側面の情報処理装置によれば、搭乗者の運動の目標に関する情報に応じて、第2情報を作成できる。
【0020】
本開示の第1~第15側面のいずれか1つに従う第16側面の情報処理装置において、前記人力駆動車の状態、前記人力駆動車の搭乗者、および、前記人力駆動車の環境の少なくとも1つに関する情報は、前記人力駆動車の位置情報、前記搭乗者が走行を開始する時刻の情報、および、前記搭乗者が走行したい距離の情報の少なくとも1つを含む。
第16側面の情報処理装置によれば、人力駆動車の位置情報、搭乗者が走行を開始する時刻の情報、および、搭乗者が走行したい距離の情報の少なくとも1つに応じて、第2情報を作成できる。
【0021】
本開示の第2側面に従う第17側面の情報処理装置において、前記入力部は、外部の装置から予め定める走行ルートに関する情報を取得するように構成され、前記人工知能処理部は、前記外部の装置から取得した前記予め定める走行ルートに関する情報に応じて、前記推奨走行ルートを作成する。
第17側面の情報処理装置によれば、外部の装置から取得した予め定める走行ルートに関する情報に応じて、推奨走行ルートを作成できる。
【0022】
本開示の第2側面に従う第18側面の情報処理装置において、前記入力部は、外部の装置から複数の予め定める走行ルートに関する情報を取得するように構成され、前記人工知能処理部は、前記外部の装置から取得した前記複数の予め定める走行ルートに関する情報から1つの予め定める走行ルートを選択することによって、前記推奨走行ルートを作成する。
第18側面の情報処理装置によれば、外部の装置から取得した複数の予め定める走行ルートに関する情報から1つの予め定める走行ルートを選択することによって、推奨走行ルートを作成できる。
【0023】
本開示の第1~第18側面のいずれか1つに従う第19側面の情報処理装置において、前記人工知能処理部は、前記人力駆動車に設けられるように構成される。
第19側面の情報処理装置によれば、ユーザが簡便に第2情報を把握できる。
【0024】
本開示の第1~第18側面のいずれか1つに従う第20側面の情報処理装置において、前記人工知能処理部は、パーソナルコンピュータまたはインターネットに接続されているサーバに含まれる。
第20側面の情報処理装置によれば、第2情報の作成に関する処理速度を高速化させやすい。
【発明の効果】
【0025】
本開示の情報処理装置は、ユーザビリティに貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施形態の情報処理装置を含む情報処理システムの電気的な構成を示すブロック図。
図2図1の検出部を模式的に示すブロック図。
図3図1の人工知能処理部によって実行される学習モデルを作成する処理のフローチャート。
図4図3とは異なる処理によって学習モデルを作成する処理のフローチャート。
図5図1の人工知能処理部によって実行される第1情報に応じて第2情報を作成する処理のフローチャート。
図6】第2実施形態の情報処理装置を含む情報処理システムの電気的な構成を示すブロック図。
図7】第1変形例の情報処理装置を含む情報処理システムの電気的な構成を示すブロック図。
図8】第2変形例の情報処理装置を含む情報処理システムの電気的な構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、その選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、その選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
(第1実施形態)
図1から図5を参照して、第1実施形態の情報処理装置20について説明する。情報処理装置20は、人力駆動車10に関する情報処理を行う。人力駆動車10は、少なくとも人力駆動力によって駆動することができる車である。人力駆動車10は、車輪の数が限定されず、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する車も含む。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車、ならびに、電動自転車(E-bike)を含む。電動自転車は、電気モータによって車両の推進を補助する電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を、自転車として説明する。
【0028】
情報処理装置20は、入力部22と、人工知能処理部24と、を含む。入力部22は、人力駆動車10の状態、人力駆動車10の搭乗者、および、人力駆動車10の環境の少なくとも1つに関する第1情報を入力するように構成される。人工知能処理部24は、入力部22から入力される第1情報に応じて、人力駆動車10の推奨走行条件に関する第2情報を作成するように構成される。
【0029】
人工知能処理部24は、人力駆動車10に設けられるように構成される。この場合、情報処理装置20は、情報処理装置20は、スマートフォンを含む。情報処理装置20は、スマートフォンに代えてまたは加えて、タブレット型コンピュータ、および、サイクルコンピュータの少なくとも1つを含んでいてもよい。この場合、人工知能処理部24は、情報処理装置20が含むスマートフォン、タブレット型コンピュータ、および、サイクルコンピュータの少なくとも1つのハウジングに設けられる。情報処理装置20および人力駆動車10の少なくとも1つは、情報処理装置20を人力駆動車10に取り付けるための取付部を含む。取付部は、情報処理装置20を人力駆動車10に着脱可能に取り付ける。人工知能処理部24は、人力駆動車10に着脱不能に設けられていてもよい。
【0030】
人工知能処理部24は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置24Aを含む。演算処理装置24Aは、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。演算処理装置24Aは、CPUまたはMPUに加えて、GPU(Graphics Processing Unit)を含んでいる。演算処理装置24Aは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでいてもよい。人工知能処理部24は、1または複数の演算処理装置を含んでいてもよい。人工知能処理部24は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置24Aを含んでいてもよい。
【0031】
人工知能処理部24は、記憶部24Bをさらに含む。記憶部24Bは、予め定められる制御プログラムP1、学習プログラムP2、および、学習モデルM1を記憶する。記憶部24Bには、各種の処理に用いられる情報が記憶される。記憶部24Bは、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。人工知能処理部24は、学習プログラムP2に基づき、入力された第1情報に応じて第2情報を作成するための学習モデルM1を学習アルゴリズムによって更新させる。学習アルゴリズムは、機械学習、深層学習、または、深層強化学習を含む。学習アルゴリズムは、例えば、教師あり学習、教師なし学習、および、強化学習の少なくとも1つを含む。学習アルゴリズムは、人工知能の分野に属する手法を用いて学習モデルM1を更新させるように構成されていれば、本明細書に記載されている手法以外の手法を用いてもよい。学習モデルM1を更新させるための学習処理は、好ましくは、GPUによって行われる。学習アルゴリズムは、ニューラルネットワーク(NN:Neural Network)を用いてもよい。学習アルゴリズムは、リカレントニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network)を用いてもよい。
【0032】
人工知能処理部24は、学習モードと制御モードとで動作する。人工知能処理部24は、学習モードで動作する場合、学習プログラムP2に基づき、学習アルゴリズムによって学習モデルM1を作成し、更新する作成部として機能する。人工知能処理部24は、制御モードで動作する場合、制御プログラムP1に基づき、入力部22によって取得した入力情報を、学習モデルM1を用いて処理することによって出力される出力情報を出力させる制御部として機能する。
【0033】
一例では、人力駆動車10の状態、人力駆動車10の搭乗者、および、人力駆動車10の環境の少なくとも1つに関する情報は、人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の搭乗者の状態の少なくとも1つに関する情報を含む。入力部22には、人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の搭乗者の状態の少なくとも1つを検出する検出部12が電気的に接続される。
【0034】
検出部12は、人力駆動車10に設けられてもよい。人力駆動車10には、好ましくは、検出部12と電気的に接続される制御部14および通信部16がさらに設けられる。制御部14は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。制御部14は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御部14は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。制御部14は、検出部12の出力を通信部16によって入力部22に送信させる。検出部12は、検出部12の出力が直接に入力部22に入力されるように、入力部22に電気的に接続されてもよい。この場合、例えば、入力部22は、検出部12に接続される電気ケーブルが接続可能なポートを含む。検出部12は、情報処理装置20に設けられてもよく、人力駆動車10の搭乗者に設けられてもよい。
【0035】
入力部22は、好ましくは、人力駆動車10の通信部16と通信可能な通信部26を含む。人力駆動車10の通信部16と、入力部22の通信部26とは、無線通信および有線通信の少なくとも1つによって電気的に接続される。入力部22の通信部26は、例えば、人力駆動車10の通信部16を介して、検出部12の検出した情報を取得する。人力駆動車10の通信部16と、入力部22の通信部26とが行う無線通信の規格の一例は、ANT+(登録商標)またはBluetooth(登録商標)である。
【0036】
一例では、人力駆動車10の走行状態は、走行時間、走行速度、走行距離、走行ケイデンス、および、走行ルートの少なくとも1つを含む。走行時間は、例えば、1回のトリップにおける走行時間の累積値、および、1日における走行時間の累積値の少なくとも1つを含む。走行速度は、例えば、所定周期ごとに検出される走行速度、および、所定期間における走行速度の平均値の少なくとも1つを含む。走行距離は、例えば、1回のトリップにおける走行距離の累積値、および、1日における総走行距離の累積値の少なくとも1つを含む。走行ケイデンスは、例えば、所定周期ごとに検出される走行ケイデンス、および、所定期間における走行ケイデンスの平均値の少なくとも1つを含む。走行ルートは、1回のトリップにおける走行ルート、および、1日における走行ルートの少なくとも1つを含む。走行ルートは、走行路の道路勾配、カーブ、および、人力駆動車10の走行可能なレーンの少なくとも1つに関する情報を含んでいてもよい。
【0037】
一例では、人力駆動車10の搭乗者の状態は、人力駆動力、疲労の状態、および、消費エネルギの少なくとも1つを含む。人力駆動力は、例えば、所定周期ごとに検出される人力駆動力、所定期間における人力駆動力の平均値、1回のトリップにおける人力駆動力の累積値、および、1日における人力駆動力の累積値の少なくとも1つを含む。疲労の状態は、例えば、心拍数を含む。消費エネルギは、例えば、所定周期ごとに検出される人力駆動力の仕事率、所定期間における人力駆動力の仕事率の平均値、1回のトリップにおける人力駆動力の仕事率の累積値、および、1日における人力駆動力の仕事率の累積値の少なくとも1つを含む。
【0038】
一例では、第1情報は、人力駆動車10の搭乗者に関する情報を含む。人力駆動車10の搭乗者に関する情報は、搭乗者の運動の目標に関する情報を含む。搭乗者の運動の目標に関する情報は、例えば、一日または所定日数における目標体重、一日または所定日数における目標消費エネルギ、および、人力駆動車10での目標走行時間の少なくとも1つを含む。
【0039】
第1情報が搭乗者の運動の目標に関する情報を含む場合、好ましくは、入力部22にはユーザの操作によって情報が入力される。入力部22は、好ましくは、ユーザが操作可能な操作部28を含む。操作部28は、タッチパネル、ボタン、および、キーボードの少なくとも1つを含む。ユーザは、情報処理装置20に第1情報を入力するためのアプリケーションが実行された状態で、操作部28を介して自身の設定した運動の搭乗者の目標に関する情報を入力する。第1情報が搭乗者の運動の目標に関する情報を含む場合、入力部22には運動の目標に関する情報を設定する演算部からの情報が入力されるようにしてもよい。この場合、演算部は、予めインターフェース部等を介してユーザによって入力された搭乗者に関する情報、例えば、体重、年齢、および、希望するトレーニング強度等に関する情報から、搭乗者の運動の目標に関する情報を設定し、入力部22に出力する。演算部は、情報処理装置20に含まれてもよく、外部の装置Pに含まれてもよい。
【0040】
一例では、人力駆動車10の状態、人力駆動車10の搭乗者、および、人力駆動車10の環境の少なくとも1つに関する情報は、人力駆動車10の位置情報、搭乗者が走行を開始する時刻の情報、および、搭乗者が走行したい距離の情報の少なくとも1つを含む。人力駆動車10の位置情報は、例えば、人力駆動車10の現在地点、および、人力駆動車10の走行を開始する地点、および、人力駆動車10の走行が開始された地点の少なくとも1つを含む。
【0041】
第1情報が人力駆動車10の位置情報、搭乗者が走行を開始する時刻の情報、および、搭乗者が走行したい距離の情報の少なくとも1つを含む場合、好ましくは、入力部22にはユーザが操作可能なインターフェース部からの情報が入力される。ユーザは、情報処理装置20に第1情報を入力するためのアプリケーションが実行された状態で、操作部28を介して人力駆動車10の位置情報、搭乗者が走行を開始する時刻の情報、および、搭乗者が走行したい距離の情報の少なくとも1つを入力する。
【0042】
表1は、第1情報の例を示す。第1情報は、表1に示す複数の情報を含んでいてもよい。
【0043】
【表1】
【0044】
検出部12は、人力駆動車10または搭乗者に設けられる。表2は、人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の搭乗者の少なくとも1つに関する情報と、検出部12との組み合わせの例を示す。検出部12は、時計12A、車速センサ12B、クランク回転センサ12C、GPS(global positioning system)装置12D、トルクセンサ12E、および、心拍センサ12Fの少なくとも1つを含む。時計12AおよびGPS装置12Dの少なくとも1つは、情報処理装置20に設けられてもよい。この場合、時計12AおよびGPS装置12Dは、入力部22に接続される。
【0045】
【表2】
【0046】
時計12Aは時刻を検出する。
車速センサ12Bは、人力駆動車10の車輪の回転速度に関する情報を検出する。車速センサ12Bは、車輪の回転速度に応じた信号を出力する。車輪の回転速度に基づいて人力駆動車の車速が演算できる。車速センサ12Bは、好ましくは、リードスイッチを構成する磁性体リード、または、ホール素子を含む。車速センサは、人力駆動車10のフレームのチェーンステイに取り付けられ、後輪に取り付けられる磁石を検出する構成としてもよく、フロントフォークに設けられ、前輪に取り付けられる磁石を検出する構成としてもよい。
【0047】
クランク回転センサ12Cは、クランクの回転速度に関する情報を検出する。クランク回転センサ12Cは、人力駆動車10のフレームまたはモータが設けられるハウジングに取り付けられる。クランク回転センサ12Cは、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成される。周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石が、クランク軸、クランク軸に連動して回転する部材、または、クランク軸からフロントスプロケットまでの間の動力伝達経路に設けられる。クランク回転センサ12Cは、クランクの回転速度に応じた信号を出力する。磁石は、クランク軸からフロントスプロケットまでの人力駆動力の動力伝達経路において、クランク軸と一体に回転する部材に設けられてもよい。例えば、磁石は、クランク軸とフロントスプロケットとの間にワンウェイクラッチが設けられない場合、フロントスプロケットに設けられてもよい。クランク回転センサは、磁気センサに代えて光学センサ、加速度センサ、またはトルクセンサなどを含んでいてもよい。
【0048】
GPS装置12Dは、GPS情報を取得する。GPS装置12Dは、GPS受信部によって取得したGPS情報と、予め記録されている地図情報とに応じて、人力駆動車10の地図上の位置を検出してもよい。
【0049】
トルクセンサ12Eは、クランクに入力される人力駆動力のトルクに関する情報を検出する。トルクセンサ12Eは、例えば、動力伝達経路にワンウェイクラッチが設けられる場合、ワンウェイクラッチよりも動力伝達経路の上流側に設けられる。トルクセンサ12Eは、歪センサ、磁歪センサ、または圧力センサなどを含む。歪センサは、例えば歪ゲージを含む。トルクセンサ12Eは、動力伝達経路に含まれる部材、または、動力伝達経路に含まれる部材の近傍に設けられる。動力伝達経路に含まれる部材は、例えば、クランク軸、クランクアーム、または、ペダルである。トルクセンサ12Eは、無線または有線の通信部を含んでいてもよい。
【0050】
心拍センサ12Fは、搭乗者の心拍に関する情報を検出する。搭乗者の心拍に関する情報は、搭乗者の心拍数に関する情報を含む。心拍センサ12Fは、例えば、搭乗者の身体または人力駆動車10のハンドルバーに装着可能に構成される。心拍センサ12Fは、無線または有線の通信部を含んでいてもよい。心拍センサ12Fの通信部は、例えば人力駆動車10に設けられるサイクルコンピュータと通信可能に構成されてもよい。心拍センサ12Fによって検出される心拍に関する情報は、サイクルコンピュータに表示されるようにしてもよい。
【0051】
好ましくは、人工知能処理部24は、第1情報の履歴に応じて第2情報を作成する。情報処理装置20は、第1情報の履歴を記憶する第1記憶部30をさらに含む。第1記憶部30は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。第1記憶部30は、人工知能処理部24に含まれていてもよい。この場合、第1記憶部30は、記憶部24Bに含まれていてもよい。
【0052】
一例では、第1情報は、人力駆動車10の環境に関する情報を含む。人力駆動車10の環境に関する情報は、天候情報、地図情報、および、交通情報の少なくとも1つを含む。この場合、入力部22は、好ましくは、人力駆動車10の環境に関する情報を通信によって外部の装置Pから取得し、取得した人力駆動車10の環境に関する情報を人工知能処理部24に送信する第2通信部32をさらに含む。
【0053】
外部の装置Pは、例えば、所定のサーバを含む。この場合、第2通信部32は、インターネットと接続可能に構成され、インターネットを介して外部の装置Pから人力駆動車10の環境に関する情報を取得する。第2通信部32は、インターネットと接続するための無線通信部を含んでいてもよい。
【0054】
天候情報は、気温、湿度、風向き、風速、および、雨雲の少なくとも1つに関する情報を含む。地図情報は、道路に関する情報を含む。道路に関する情報は、道路地図、路面勾配、および、道路の種類の少なくとも1つに関する情報を含む。交通情報は、道路の渋滞に関する情報、および、通行止めに関する情報の少なくとも1を含む。第2通信部32は、インターネット等を通じて、適切なサーバから天候情報、地図情報、および、交通情報の少なくとも1つを取得する。
【0055】
第1情報が人力駆動車10の環境に関する情報を含む場合、人工知能処理部24は、人力駆動車10が過去に走行した時点の人力駆動車10の環境に関する情報および人力駆動車10が走行予定の時点の人力駆動車10の環境に関する情報の少なくとも1つに応じて第2情報を作成する。
【0056】
情報処理装置20は、人工知能処理部24によって作成された第2情報を出力する出力部34をさらに含む。一例では、出力部34は、表示装置36およびスピーカ38の少なくとも1つを含む。操作部28がタッチパネルを含む場合、表示装置36は、タッチパネルと一体であってもよい。
【0057】
推奨走行条件は、推奨走行ルート、推奨走行距離、推奨走行速度、推奨走行時間、推奨ケイデンス、推奨人力駆動力、および、推奨アシストモードの少なくとも1つを含む。
【0058】
推奨走行ルートは、例えば、表示装置36に地図によって表示される。推奨走行距離、推奨走行速度、推奨走行時間、推奨ケイデンス、推奨人力駆動力、および、推奨アシストモードに関する情報は、例えば、表示装置36に文字によって表示される。アシストモードは、予め定める条件において、人力駆動力に対するアシスト力の比率が異なる複数のアシストモードを含む。推奨走行距離、推奨走行速度、推奨走行時間、推奨ケイデンス、推奨人力駆動力、および、推奨アシストモードに関する情報は、例えば、スピーカ38から音声によって出力される。推奨走行ルートに関する情報として、走行ルートの名称等が表示装置36に文字によって表示されてもよく、スピーカ38から音声によって出力されてもよい。走行ルートの一般名称等は、道路の名称およびコース名等を含む。
【0059】
表3は、第2情報の例と、出力部34を介したユーザへの提示方法との組み合わせを示す。第2情報は、表3に示す複数の情報を含んでいてもよい。この場合、出力部34に出力される第2情報は、推奨走行ルート、推奨走行距離、推奨走行速度、推奨走行時間、推奨ケイデンス、推奨人力駆動力、および、推奨アシストモードに関する情報の少なくとも2つが組み合わせられていてもよい。例えば、第2情報は、推奨走行ルートの区間ごとに、推奨される推奨走行速度、推奨ケイデンス、推奨人力駆動力、および、推奨アシストモードが組み合わせられる。組み合わせられた情報は、例えば、表示装置36に組み合わせられて表示される。
【0060】
【表3】
【0061】
人工知能処理部24は、推奨走行ルート、推奨走行距離、推奨走行速度、推奨走行時間、推奨ケイデンス、推奨人力駆動力、および、推奨アシストモードに関する情報のうちの少なくとも1つの情報に応じて、他の情報を作成することもできる。例えば、人工知能処理部24は、推奨走行距離、推奨走行速度、推奨走行時間、推奨ケイデンス、推奨人力駆動力、および、推奨アシストモードによる走行に適した推奨走行ルートを作成する。
【0062】
入力部22は、外部の装置Pから予め定める走行ルートに関する情報を取得するように構成されてもよい。この場合、人工知能処理部24は、外部の装置Pから取得した予め定める走行ルートに関する情報に応じて、推奨走行ルートを作成する。
【0063】
予め定める走行ルートに関する情報は、例えば、他のユーザ等によって作成された走行ルートを含む。この場合、人工知能処理部24は、例えば、他のユーザ等によって作成された予め定める走行ルートを、第1情報に応じてカスタマイズすることによって推奨走行ルートを作成する。
【0064】
入力部22は、外部の装置Pから複数の予め定める走行ルートに関する情報を取得するように構成されてもよい。この場合、人工知能処理部24は、外部の装置Pから取得した複数の予め定める走行ルートに関する情報から1つの予め定める走行ルートを選択することによって、推奨走行ルートを作成する。
【0065】
複数の予め定める走行ルートに関する情報は、例えば、他のユーザ等によって作成された走行ルートを含む。この場合、人工知能処理部24は、例えば、他のユーザ等によって作成された予め定める複数の走行ルートから、第1情報に応じてユーザに適した走行ルートを選択することによって推奨走行ルートに関する情報を作成する。
【0066】
図3を参照して、第1情報に応じて第2情報を作成するための学習モデルM1を作成する学習モードにおける処理について説明する。図3は、教師なし学習の場合における処理を示す。人工知能処理部24は、人工知能処理部24に電力が供給されて、図3に示すフローチャートのステップS11に移行する。
【0067】
人工知能処理部24は、ステップS11において学習モードが設定されているか否かを判定する。人工知能処理部24は、例えば、ユーザの操作部28の操作によって学習モードが設定されている場合、ステップS12に移行する。人工知能処理部24は、学習モードが設定されていない場合、処理を終了する。人工知能処理部24は、ステップS12において、第1情報の履歴に応じて学習プログラムP2を実行して学習モデルM1を作成し、処理を終了する。人工知能処理部24は、作成した学習モデルM1を記憶部24Bに記憶する。人工知能処理部24は、既に記憶部24Bに学習済みの学習モデルM1が記憶されている場合、記憶部24Bに記憶されている学習済みの学習モデルM1を更新する。
【0068】
図4を参照して、第1情報に応じて第2情報を作成するための学習モデルM1を作成する学習モードにおける他の処理について説明する。図4は、強化学習の場合における処理を示す。人工知能処理部24は、人工知能処理部24に電力が供給されて、図4に示すフローチャートのステップS21に移行する。
【0069】
人工知能処理部24は、ステップS21において学習モードが設定されているか否かを判定する。人工知能処理部24は、例えば、ユーザの操作部28の操作によって学習モードが設定されている場合、ステップS22に移行し、学習モードが設定されていない場合、処理を終了する。
【0070】
人工知能処理部24は、ステップS22において、第1情報の履歴に応じて学習プログラムを実行して学習モデルM1を作成し、ステップS23に移行する。人工知能処理部24は、ステップS23において第2情報の作成要求があるか否かを判定する。人工知能処理部24は、例えば、ユーザが操作部28に第2情報を要求する操作を行った場合、第2情報の作成要求があると判定する。人工知能処理部24は、第2情報の作成要求がない場合、処理を終了する。人工知能処理部24は、第2情報の作成要求がある場合、ステップS24に移行する。
【0071】
人工知能処理部24は、ステップS24において第1情報と学習モデルM1とを用いて、第2情報を作成して、ステップS25に移行する。人工知能処理部24は、ステップS25において、作成された第2情報を出力部34から出力して、ステップS26に移行する。
【0072】
人工知能処理部24は、ステップS26において、ステップS24において作成された第2情報が操作部28を介して評価されたか否かを判定する。人工知能処理部24は、ステップS26において、作成された第2情報が評価された場合、ステップS27に移行する。人工知能処理部24は、作成された第2情報が評価されない場合、ステップS27に移行しない。人工知能処理部24は、予め定める時間、作成された第2情報が評価されない場合、ステップS26における判定の結果をNOとする。人工知能処理部24は、ステップS26においてNOの場合、処理を終了する。
【0073】
人工知能処理部24は、ステップS27において、第2情報の評価に応じて、学習モデルM1を更新して、処理を終了し、予め定める周期後にステップS21から処理を開始する。
【0074】
図5を参照して、第1情報に応じて第2情報を作成する制御モードにおける処理について説明する。人工知能処理部24は、人工知能処理部24に電力が供給されると、処理を開始して図2に示すフローチャートのステップS31に移行する。
【0075】
人工知能処理部24は、ステップS31において制御モードが設定されているか否かを判定する。人工知能処理部24は、例えば、ユーザが操作部28によって制御モードが設定されている場合、ステップS32に移行し、制御モードが設定されていない場合、処理を終了する。
【0076】
人工知能処理部24は、ステップS32において第2情報の作成要求があるか否かを判定する。人工知能処理部24は、例えば、ユーザが操作部28に第2情報を要求する操作を行った場合、第2情報の作成要求があると判定する。人工知能処理部24は、第2情報の作成要求がない場合、処理を終了する。人工知能処理部24は、第2情報の作成要求がある場合、ステップS33に移行する。
【0077】
人工知能処理部24は、ステップS33において、第1情報の履歴に応じて作成した学習モデルM1と、第1情報とを用いて第2情報を作成し、ステップS34に移行する。人工知能処理部24は、ステップS34において、作成された第2情報を出力部34から出力し、処理を終了する。
【0078】
人工知能処理部24は、例えば、搭乗者の目的や好みに応じたトレーニングメニューを作成する。情報処理装置20は、人工知能処理部24によって第1情報に応じた第2情報を作成するため、予め定めるアルゴリズムを用いる場合よりも、よりユーザに好適な第2情報を作成できる。
【0079】
(第2実施形態)
図6を参照して、第2実施形態の情報処理装置20Aについて説明する。第2実施形態の情報処理装置20Aは、人工知能処理部24がサーバSに含まれる点が異なる点以外は、第1実施形態の情報処理装置20と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0080】
人工知能処理部24は、パーソナルコンピュータまたはインターネットに接続されているサーバSに含まれる。情報処理装置20Aは、サーバSおよびインターフェース部Fを含んで構成される。インターフェース部Fは、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、および、サイクルコンピュータの少なくとも1つを含む。情報処理装置20Aは、入力部22および人工知能処理部24を含む。情報処理装置20Aは、操作部28、第1記憶部30、および、出力部34をさらに含む。
【0081】
入力部22は、好ましくは、サーバSに含まれる。入力部22は、インターフェース部Fに含まれていてもよい。この場合、第1情報は、インターフェース部Fを介してサーバSに入力される。
【0082】
人工知能処理部24は、サーバSに含まれる。人工知能処理部24は、1つのサーバSに含まれていてもよく、複数のサーバSに含まれていてもよい。第1記憶部30は、サーバSに含まれる。第1記憶部30は、1つのサーバSに含まれていてもよく、複数のサーバSに含まれていてもよい。第1記憶部30は、人工知能処理部24とは異なるサーバSに含まれていてもよい。
【0083】
外部の装置Pは、サーバSに含まれていてもよく、サーバSとは異なるサーバであってもよい。外部の装置Pが、サーバSに含まれる場合、第2通信部32は省略することができる。
【0084】
(変形例)
実施形態に関する説明は、本発明に従う情報処理装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う情報処理装置は、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0085】
図7に示されるとおり、情報処理装置20,20Aは、入力部22に入力された第1情報の履歴を通信によって取得し、取得した第1情報の履歴を人工知能処理部24に送信する第1通信部40をさらに含んでいてもよい。人力駆動車10の通信部16と、第1通信部40とは、無線通信および有線通信の少なくとも1つによって電気的に接続される。入力部22の通信部26は、第1通信部40を介して、第1情報の履歴を取得する。人力駆動車10の通信部16と、第1通信部40とが行う無線通信の規格の一例は、ANT+またはBluetoothである。この変形例では、第1記憶部30を省略することもできる。この変形例では、人力駆動車10は、第1情報の履歴を記憶する記憶部18をさらに含む。記憶部18は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。制御部14は、通信部16を介して記憶部18に記憶される第1情報の履歴を情報処理装置20,20Aの通信部26に送信する。
【0086】
・推奨走行条件が推奨走行ルートを含む場合、図8に示されるように情報処理装置20,20Aは、地図情報を記憶する第2記憶部42をさらに含んでもよい。第2記憶部42は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。この場合、人工知能処理部24は、第2記憶部42に記憶される地図情報に応じて、推奨走行ルートを作成する。この変形例では、第2通信部32を省略することもできる。情報処理装置20,20Aが第2記憶部42を含む場合、第2記憶部42に記憶される地図情報は、第2通信部32を介して外部の装置Pから取得された地図情報に更新可能に第2記憶部42記憶されるようにしてもよい。
【0087】
・入力部22は、検出部12と電気的に接続されていなくてもよい。この場合も、人工知能処理部24は、操作部28によって入力された第1情報に応じて第2情報を作成することができる。
【0088】
・記憶部24Bに学習済みの学習モデルM1が記憶されている場合、学習プログラムP2は省略されてもよい。この場合、人工知能処理部24は制御モードのみで動作する。
【符号の説明】
【0089】
10…人力駆動車、12…検出部、20,20A…情報処理装置、22…入力部、24…人工知能処理部、30…第1記憶部、32…第2通信部、34…出力部、36…表示装置、38…スピーカ、40…第1通信部、42…第2記憶部、P…外部の装置、S…サーバ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8