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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】ムラ補正ドライバ
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240704BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
G09G5/00 X
G09G5/00 550C
G09G5/00 550H
G09G5/00 550X
H04N5/66 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019234793
(22)【出願日】2019-12-25
(65)【公開番号】P2020106839
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】10-2018-0169627
(32)【優先日】2018-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517232084
【氏名又は名称】エルエックス セミコン カンパニー, リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】キ テク キム
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ヤン パク
(72)【発明者】
【氏名】ドー ファ ジャン
(72)【発明者】
【氏名】スン ワン ユウ
(72)【発明者】
【氏名】ド ヨン キム
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-510573(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0247432(US,A1)
【文献】特開2011-209639(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0184671(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0284794(US,A1)
【文献】特開2015-222332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T1/00-1/40
3/00-5/50
G09G3/00-3/08
3/12-3/26
3/30-5/42
H04N5/66-5/74
13/00-17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルに対するムラブロックの位置値と前記ムラブロックに対する係数値とを含むムラ補正データを格納するムラメモリと、
ディスプレイデータと前記ムラ補正データとを受信し、前記ムラブロックの位置値に対応する第1ディスプレイデータを、前記ムラブロックの係数値を適用した二次式のムラ補正式の第1入力値にセットし、前記第1入力値に対応した前記ムラ補正式の解を、前記第1ディスプレイデータに対する第1補正ディスプレイデータとして生成し、前記ムラブロックの位置値及び前記第1補正ディスプレイデータを含む前記ディスプレイデータを出力するムラ補正部とを備え、
前記ムラメモリが、
前記ディスプレイパネルの階調毎の検出映像をブロック単位で明るさ値を判断した結果、ムラがあると判断された前記ムラブロックの位置値を格納し、
前記ムラブロックの階調毎の測定値を前記ムラ補正式を用いて前記ディスプレイパネルの全ブロックの階調毎の平均画素明るさ値に補正するための前記ムラ補正式の係数の係数値を格納するムラ補正ドライバ。
【請求項2】
前記ムラメモリが、前記ムラ補正式の係数のうち、最も高い次数の第1係数を他の係数と比較してアダプティブレンジビット(Adaptive Range Bits)を含むように格納する請求項1に記載のムラ補正ドライバ。
【請求項3】
前記ムラ補正部が、ムラ補正値aX+bX+cとムラ測定値Xとの和で表現される前記ムラ補正式をセットし、前記ムラ補正式の係数である前記a、b、cに前記ムラブロックの係数値を入力し、前記Xに前記第1入力値を入力する請求項1に記載のムラ補正ドライバ。
【請求項4】
前記ムラ補正部が、
アダプティブレンジビットと基本レンジビットとを含むように前記係数aをセットし、
前記係数bおよび係数cは、前記基本レンジビットを含み、メモリマップの全体ビットから前記係数aを表現するビットを除いて残りのビットにセットし、
前記アダプティブレンジビットの値は、前記基本レンジビットの表現範囲を外れる前記ムラブロックの明るさ値に最も近似する前記係数aを含む表現範囲に相当する値を有するようにセットされる請求項3に記載のムラ補正ドライバ。
【請求項5】
前記ムラメモリが、前記ディスプレイパネルに対するムラ画素の位置値と前記ムラ画素に対する係数値とを含むムラ画素補正データをさらに格納し、
前記ムラ補正部が、前記ムラ画素補正データをさらに受信し、前記ムラ画素の位置値に対応する第2ディスプレイデータを、前記ムラ画素に対する係数値を適用した二次式のムラ画素補正式の第2入力値にセットし、前記第2入力値に対応した前記ムラ画素補正式の解を、前記第2ディスプレイデータに対する第2補正ディスプレイデータとして生成し、前記ムラ画素の位置値及び前記第2補正ディスプレイデータを含む前記ディスプレイデータを出力する請求項1に記載のムラ補正ドライバ。
【請求項6】
前記ムラ補正部が、
前記第2補正ディスプレイデータを用いて前記ムラ画素に対する補正を行い、前記第1補正ディスプレイデータを用いて前記ムラブロックに対する補正を行う請求項5に記載のムラ補正ドライバ。
【請求項7】
表示明るさ値制御のための制御信号を受信し、前記制御信号に対応する制御値を前記ムラ補正部に提供する表示明るさ値制御部を備え、
前記ムラ補正部が、前記第1入力値と前記制御値とを演算した第3入力値をセットし、前記ムラ補正式を前記第3入力値に対する式に変更し、前記第3入力値に対応した前記ムラ補正式の解を、前記第1ディスプレイデータに対する第1補正ディスプレイデータとして生成する請求項1に記載のムラ補正ドライバ。
【請求項8】
前記ムラ補正部が、前記第1入力値に前記制御値を加算するか、乗算して前記第3入力値を生成する請求項7に記載のムラ補正ドライバ。
【請求項9】
前記ムラ補正部が、
前記ムラ補正データを受信し、前記第1入力値に対する前記ムラ補正式を前記ムラブロックの係数値を適用してセットするムラ補正式セット部と、
前記第1入力値と表示明るさ値制御のための前記制御値とを演算する前記第3入力値をセットし、前記ムラ補正式を第3入力値に対する式に変更する入力値調整部と、
前記第3入力値に対応した前記ムラ補正式の解を、前記第1ディスプレイデータに対する第1補正ディスプレイデータとして生成し、前記ムラブロックの位置値及び前記第1補正ディスプレイデータを含む前記ディスプレイデータを出力する補正出力部とを備える請求項8に記載のムラ補正ドライバ。
【請求項10】
ディスプレイパネルに対するムラブロックの位置値と前記ムラブロックに対する係数値とを含むムラ補正データを格納するムラメモリと、
表示明るさ値制御のための制御信号を受信し、前記制御信号に対応する制御値を提供する表示明るさ値制御部と、
前記ムラ補正データを受信し、前記ムラブロックの位置値に対応する第1ディスプレイデータを、前記ムラブロックの係数値を適用したムラ補正式の第1入力値にセットするムラ補正式セット部と、
前記第1入力値と前記制御値とを演算した第3入力値をセットし、前記ムラ補正式を前記第3入力値に対する式に変更する入力値調整部と、
前記第3入力値に対応した前記ムラ補正式の解を、前記第1ディスプレイデータに対する第1補正ディスプレイデータとして生成し、前記ムラブロックの位置値及び前記第1補正ディスプレイデータを含むディスプレイデータを出力する補正出力部とを備え、
前記ムラメモリが、
前記ディスプレイパネルの階調毎の検出映像をブロック単位で明るさ値を判断した結果、ムラがあると判断された前記ムラブロックの位置値を格納し、
前記ムラブロックの階調毎の測定値を前記ムラ補正式を用いて前記ディスプレイパネルの全ブロックの階調毎の平均画素明るさ値に補正するための前記ムラ補正式の係数の係数値を格納するムラ補正ドライバ。
【請求項11】
前記ムラメモリが、前記ムラ補正式の係数のうち、最も高い次数の第1係数を他の係数と比較してアダプティブレンジビット(Adaptive Range Bits)を含むように格納する請求項10に記載のムラ補正ドライバ。
【請求項12】
前記ムラ補正式セット部は、ムラ補正値aX2+bX+cとムラ測定値Xとの和で表現される前記ムラ補正式をセットし、前記ムラ補正式の係数である前記a、b、cに前記ムラブロックの係数値を入力し、前記Xは前記第1入力値である請求項10に記載のムラ補正ドライバ。
【請求項13】
前記ムラ補正式セット部が、
アダプティブレンジビットと基本レンジビットとを含むように前記係数aをセットし、
前記係数bおよび係数cは、前記基本レンジビットを含み、メモリマップの全体ビットから前記係数aを表現するビットを除いて残りのビットにセットし、
前記アダプティブレンジビットの値は、前記基本レンジビットの表現範囲を外れる前記ムラブロックの明るさ値に最も近似する前記係数aを含む表現範囲に相当する値を有するようにセットされる請求項12に記載のムラ補正ドライバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ムラ補正システムに関し、より詳細には、ディスプレイパネルを撮影した検出映像から検出したムラを補正するムラ補正ドライバに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、LCDパネルやOLEDパネルがディスプレイパネルとして多く用いられている。
前記ディスプレイパネルには製造工程上のエラーなどの理由からムラ(Mura)が発生しうる。ムラとは、ディスプレイ映像に画素(Pixel)または一部領域の斑状に不均一な輝度を有するものを意味する。ムラが発生することをムラ不良という。
ムラ不良は、ディスプレイパネルが改善された画質を有するために検出および補正される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、二次式のムラ補正式を用いて、明るさ値に基づいて検出されたディスプレイパネルのムラブロックまたはムラ画素の明るさ値を補正するムラ補正ドライバを提供することを目的とする。
また、本発明は、ムラブロックの明るさ値の表現範囲を可変するアダプティブレンジ(Adaptive Range)をムラ補正式の係数に適用して、ムラブロックの明るさ値を係数の基本レンジビットの表現範囲以上に補正できるムラ補正ドライバを提供することを他の目的とする。
【0004】
さらに、本発明は、ムラ補正式の入力値に表示明るさ値(DBV)制御のための制御値を適用することにより、ムラ補正で発生しうるエラーを解消できるムラ補正ドライバを提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のムラ補正ドライバは、ディスプレイパネルに対するムラブロックの位置値と前記ムラブロックに対する係数値とを含むムラ補正データを格納するムラメモリと、ディスプレイデータと前記ムラ補正データとを受信し、前記ムラブロックの位置値に対応する第1ディスプレイデータを、前記ムラブロックの係数値を適用した二次式のムラ補正式の第1入力値にセットし、前記第1入力値に対応した前記ムラ補正式の解を、前記第1ディスプレイデータに対する第1補正ディスプレイデータとして生成し、前記ムラブロックの位置値に前記第1補正ディスプレイデータを含む前記ディスプレイデータを出力するムラ補正部とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明のムラ補正ドライバは、ディスプレイパネルに対するムラブロックの位置値と前記ムラブロックに対する係数値とを含むムラ補正データを格納するムラメモリと、表示明るさ値制御のための制御信号を受信し、前記制御信号に対応する制御値を提供する表示明るさ値制御部と、前記ムラ補正データを受信し、第1入力値に対するムラ補正式を前記ムラブロックの係数値を適用してセットするムラ補正式セット部と、前記第1入力値と前記制御値とを演算する前記第3入力値をセットし、前記ムラ補正式を第3入力値に対する式に変更する入力値調整部と、ディスプレイデータのうち、前記ムラブロックの位置値に対応する第1ディスプレイデータを前記第1入力値に入力することによる前記第3入力値に対応した前記ムラ補正式の解を、前記第1ディスプレイデータに対する第1補正ディスプレイデータとして生成し、前記ムラブロックの位置値に前記第1補正ディスプレイデータを含む前記ディスプレイデータを出力する補正出力部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、明るさ値に基づいて検出されたディスプレイパネルのムラブロックまたはムラ画素の明るさ値を二次式のムラ補正式を用いて補正することにより、ディスプレイパネルの画質改善を図ることができる効果がある。
【0008】
また、本発明は、ムラブロックの明るさの表現範囲を可変するアダプティブレンジ(Adaptive Range)をムラ補正式の係数に適用することにより、ムラブロックの明るさ値を係数の基本レンジビットの表現範囲以上に補正できるので、ディスプレイパネルの画質をより効果的に改善することができる。
【0009】
さらに、本発明は、ムラ補正式の入力値に表示明るさ値制御のための制御値を適用することにより、二次式のムラ補正式とアダプティブレンジを係数に適用したムラ補正で発生しうるエラーを効果的に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明のムラ補正システムの好ましい実施例を示すブロック図である。
図2A】テスト映像を例示した図である。
図2B】テスト映像を例示した図である。
図3図1のムラ補正装置の実施例を例示したブロック図である。
図4】階調毎のテスト映像に対応する検出映像を例示した図である。
図5】検出映像におけるムラブロックを分析する方法を説明するための図である。
図6】階調毎の前記ムラブロックの測定値、ムラ補正値およびディスプレイパネルの平均画素明るさ値の関係を例示したグラフである。
図7】アダプティブレンジを適用してムラ補正式の係数値を格納することを例示したメモリマップである。
図8】一般的な係数値を格納することを例示したメモリマップである。
図9】ムラブロックの明るさ値の表現範囲を可変して必要な実係数を求める方法を説明する図である。
図10】ブロックにおけるムラ画素を検出する方法を説明するための図である。
図11図1のドライバの実施例を示すブロック図である。
図12図11のムラ補正部を例示したブロック図である。
図13】DBV制御を適用したムラ補正値の変化を例示したグラフである。
図14】オフセット制御を適用したムラ補正値の変化を例示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。本明細書および特許請求の範囲に使われた用語は、通常的であるか、または辞書の意味に限定されて解釈されず、本発明の技術的事項に符合する意味と概念で解釈されなければならない。
本明細書に記載の実施例と図面に示された構成は本発明の好ましい実施例であり、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点でこれらを代替可能な多様な均等物と変形例があり得る。
【0012】
製造工程上のエラーなどの理由から、ディスプレイ映像に画素または斑状のムラ(Mura)が発生する。ディスプレイパネルの前記ムラ不良は、ディスプレイパネルに表示されるテスト映像を正確に検出し、検出映像からムラを分析し、ムラを分析した結果で補正することにより解消できる。
【0013】
このために、本発明のムラ補正システムの実施例は、図1のように例示される。
図1を参照すれば、ムラ補正システムは、ディスプレイパネル10に階調毎のテスト映像を提供するテスト映像供給部20と、ディスプレイパネル10に表示されるテスト映像を撮影し、撮影した検出映像を提供する映像検出部30と、検出映像を分析して映像検出部30が正確な検出映像を取得するための校正情報を提供するカメラ校正部40と、検出映像に対するムラ分析を行い、ムラ分析に対応するムラ補正データを生成するムラ補正装置100とを備える。そして、ムラ補正装置100は、ムラ補正データをドライバ200に提供するように構成される。
【0014】
上記構成において、ディスプレイパネル10は、最近、LCDパネルやOLEDパネルなどが用いられる。
テスト映像供給部20は、図2Aおよび図2Bのようなテスト映像を提供することができる。図2Aは、ホワイトの小さい四角形パターンがマトリクス構造に形成されたものを例示し、図2Bは、ブラックの大きい四角形パターンがマトリクス構造に形成されたものを例示する。
【0015】
テスト映像は、図2Aおよび図2Bとは異なり、ディスプレイパネル10の大きさや形状などに応じて多様に適用可能である。つまり、テスト映像は、ディスプレイパネル10の大きさや形状などに応じてパターンの形状、パターンの大きさ、パターンの配列状態またはパターンの数などが決定可能であり、テスト映像に含まれるパターンも、四角形だけでなく、多様な形状が適用可能であり、単独または複合的に形成される。
【0016】
テスト映像供給部20は、映像検出部30の撮影状態を校正するためのテスト映像と、ディスプレイパネル10のムラ分析のためのテスト映像とを異なって提供することができ、撮影状態を校正するためのテスト映像は、映像の大きさ、映像の回転程度(傾き、Rotation)および映像の歪みを分析しやすいパターンを有するように構成され、ムラ分析のためのテスト映像は、階調毎のディスプレイパネル10の画素の明るさ値を得やすいように構成される。本発明の実施例の説明において、2つの場合ともテスト映像と通称する。
【0017】
ディスプレイパネル10は、テスト映像供給部20から供給されるテスト映像、つまりテスト映像データを受信し、テスト映像データによってマトリクス形態に配列された画素を駆動させ、画素の駆動によってテスト映像を表示することができる。
【0018】
映像検出部30は、イメージセンサを用いるカメラと理解され、ムラを分析するために、ディスプレイパネル10に表示されるテスト映像を撮影して検出映像を取得する。映像検出部30の撮影状態は、ディスプレイパネル10の形状や大きさに応じて多様に設定可能である。そして、映像検出部30は、撮影した検出映像、つまり検出映像データをカメラ校正部40およびムラ補正装置100に提供することができる。ここで、検出映像を表現する検出映像データは、校正部40およびムラ補正装置100で受信可能な多様なプロトコルに対応するフォーマットで伝送される。以下、説明において、検出映像は、検出映像データと理解される。
【0019】
カメラ校正部40は、図2のようなテスト映像を撮影した検出映像を分析した結果に基づいて撮影状態を校正するための校正情報を別途の表示装置(図示せず)に表示するか、校正情報を映像検出部30にフィードバックするように構成される。
【0020】
カメラ校正部40が別途の表示装置に校正情報を表示する場合、使用者が校正情報を確認し、マニュアルで映像検出部30の撮影状態を校正することができる。もし、映像検出部30がフィードバックされた校正情報を参照して自動的に撮影状態を校正できるように構成された場合、カメラ校正部40が校正情報を映像検出部30にフィードバックすることで撮影状態の校正が自動的に行われる。
【0021】
ムラ分析は、映像検出部30で撮影した検出映像を用いる。そのため、映像検出部30の撮影状態のセッティングがムラ分析の結果に多くの影響を及ぼしうる。
本発明は、カメラ校正部40を用いることにより、検出映像がテスト映像の本来の値を保持することができず、大きさの変化、回転および歪みを有する場合を客観的に判断して映像検出部30の撮影状態を校正し、前記校正によって映像検出部30により発生しうる誤差を低減することができる。
一方、ムラ補正装置100は、映像検出部30から検出映像を受信し、検出映像に対するムラ分析およびムラ補正データの生成を行う。
【0022】
ムラ補正装置100は、図3のように例示され、図3にて、検出映像はV_DATAで表示し、ムラ補正データはC_DATAで表示する。
ムラ補正装置100は、検出映像V_DATAに対する前処理動作を行う映像受信部110と、ノイズ減衰フィルタ120とを備え、前処理された検出映像V_DATAのムラ補正のためにムラ補正部130を備える。
【0023】
映像受信部110は、外部の映像検出部30から伝送される検出映像V_DATAを受信し、ノイズ減衰フィルタ120に伝達するためのインタフェースパーツである。
そして、ノイズ減衰フィルタ120は、検出映像V_DATAに対するノイズをフィルタリングするためのものである。
【0024】
映像検出部30から提供される検出映像V_DATAは、イメージセンサの電気的な特性によって雑音(Noise)を有する。この雑音は、ムラ分析の際、エラー偏差を増加させる要因として作用しうる。
【0025】
そのため、イメージセンサの電気的な特性による雑音は、検出映像V_DATAでフィルタリングされなければならず、このために、ノイズ減衰フィルタ120は、ローパスフィルタ(Low Pass Filter)を用いて構成される。ローパスフィルタは、ガウシアンフィルタ、平均フィルタ、メディアン(Median)フィルタ(中間値フィルタ)などを通称するものと理解される。
【0026】
検出映像V_DATAは、前記前処理のための映像受信部110およびノイズ減衰フィルタ120を経由した後、ムラ補正部130に入力される。
ムラ補正部130は、ノイズ減衰フィルタ120からノイズの減衰された検出映像V_DATAを受信し、複数の画素を含むブロック単位で各検出映像V_DATAを明るさ値で判別してムラ(Mura)のあるムラブロックを検出する。そして、ムラ補正部130は、階調毎のムラブロックの測定値をディスプレイパネル10の平均画素明るさ値に補正するための二次式であるムラ補正式の係数の係数値を生成する。この時、ムラ補正部130は、ムラ補正式の係数のうち、第1係数、例えば、最も高い次数の係数は、ムラブロックの明るさの表現範囲を可変するアダプティブレンジビット(Adaptive Range Bits)を含むようにセットされる。アダプティブレンジビットは、ムラブロックに対するムラ測定値とムラ補正値との和を前記平均画素明るさ値に近似させるために、第1係数の係数値をセットするためのものである。そして、ムラ補正部130は、ムラブロックの位置値とムラ補正式の係数の係数値とを含むムラ補正データを生成する。
【0027】
このために、ムラ補正部130は、ムラブロック検出部140と、係数生成部142と、ムラ画素検出部150と、係数生成部152と、メモリ160と、出力部170とを備える。
ムラブロック検出部140は、ノイズ減衰フィルタ120からノイズの減衰された検出映像V_DATAを受信し、複数の画素を含むブロック単位で各検出映像を明るさ値で判別してムラ(Mura)のあるムラブロックを検出する。
【0028】
例えば、検出映像V_DATAは、図4のように、異なる階調値を有するフレーム単位A、B、C...Dで映像検出部30から提供されてもよいし、ムラブロック検出部140は、各フレーム単位に対してブロック単位でムラブロックを検出する。図4は、18階調(gray level)、48階調(gray level)、100階調(gray level)および150階調(gray level)のフレームを検出映像V_DATAで表現するものと理解される。
【0029】
例えば、図5のように、各フレームの検出映像V_DATAは、マトリクス状に配列された複数のブロックに区分され、各ブロックは、マトリクス状に配列された複数の画素を含む。図5にて、符号B11、B12...B23は、各ブロックを区分して表示するためのものであり、符号P11、P12...P44は、各画素を区分して表示するためのものである。
【0030】
図5のブロック単位でムラブロックが判断され、ムラブロックは、ディスプレイパネル10の検出映像V_DATAの階調毎の平均明るさ値に基づいて判断される。例えば、ブロックは、含まれている画素の明るさによって算出された平均明るさ値を有することができる。そして、ブロックのうち、ディスプレイパネル10の階調毎の平均明るさ値による標準偏差を予め設定されたレベル以上外れる平均明るさ値を有するブロックがムラブロックと判断される。
【0031】
ムラブロック検出部140は、ムラブロックと判断されたムラブロックの位置値を生成する。この時、ムラブロックの位置値は、例えば、ムラブロックに含まれた画素のうち特定の1つの位置値として指定される。より具体的には、図5のブロックB23がムラブロックであり、ブロックB23の画素P11の座標が(5,9)の場合、ムラブロックの位置値は(5,9)と指定される。
【0032】
ムラブロック検出部140は、ムラブロックの位置値とブロックに対する検出映像V_DATAを含むデータを係数生成部142に出力し、検出映像V_DATAに対するブロックの情報(位置情報および検出映像V_DATAを含む情報)をムラ画素検出部150に出力する。
【0033】
係数生成部142は、階調毎のムラブロックの測定値をディスプレイパネル10の階調毎の平均画素明るさ値に補正するための二次式であるムラ補正式の係数の係数値を生成し、ムラブロックの位置値とムラ補正式の係数の係数値とをメモリ160に格納する。ムラブロックの位置値とムラ補正式の係数の係数値とは互いにジョイン(Join)されるようにメモリ160に格納され、ムラ補正データと定義することができる。
【0034】
本発明の実施例において、ムラブロックに対するムラ補正は、ドライバ200で行われる。ムラ補正のためには、階調毎のムラブロックの明るさ値を正確に表現できる近似式、つまりムラ補正式が必要である。ムラ補正式が定められる場合、ムラ補正は、階調毎のムラ補正式の係数の係数値さえ決定されれば正確に行われる。
【0035】
本発明の実施例において、ムラ補正装置100は、ムラブロックのムラ補正のためのムラ補正式の係数値をムラ補正データとして生成し、ドライバ200は、ムラ補正式による演算を行うアルゴリズムを有し、ムラ補正装置100から提供された係数値が適用されたムラ補正式に入力値(ディスプレイデータ)を適用することにより、ディスプレイデータに対応して改善された画質で画面をディスプレイ可能な駆動信号をディスプレイパネル10に提供することができる。
【0036】
本発明は、階調毎のムラブロックの明るさ値をディスプレイパネルの平均画素値に最大限近似させるために、二次式のムラ補正式を用いるように実施される。そのため、ムラ補正装置100は、二次式であるムラ補正式の係数の係数値を生成し、ドライバ200は、係数の係数値をムラ補正式に適用し、入力値(ディスプレイデータ)をムラ補正式によって補正し、補正されたディスプレイデータに対応する駆動信号を出力する。
【0037】
ムラ補正式は、図6を参照して説明する。図6にて、カーブCMは階調毎のディスプレイパネルの平均画素値を示し、カーブCAは階調毎のムラ補正値を示し、カーブCBは階調毎のムラ測定値を示す。
Y=aX+bX+c+X (1)
【0038】
数式(1)中、階調毎のムラ補正値はaX+bX+cで表現され、階調毎のムラ測定値はXで表現され、階調毎のディスプレイパネルの平均画素値はYで表現される。数式(1)中、Xは階調毎のムラの測定値、つまり階調の階調値であり、ムラ補正式の各次数の係数はa、bおよびcで表現される。
【0039】
本発明による実施例として、ムラ補正式の各次数の係数値は、図7のようなメモリマップを用いて格納される。ムラ補正式の係数は、メモリマップによる格納容量範囲内でセットされる。
一般的な場合、ムラ補正式の各次数の係数値は、例えば、8ビットで表現されるように設定可能であり、図8のようなメモリマップを用いて格納される。図8にて、PGAは係数aの係数値を表現するビットであり、PGBは係数bの係数値を表現するビットであり、PGCは係数cの係数値を表現するビットである。
【0040】
階調毎のムラブロックの明るさ値が大きな変化がなければ、係数a、b、cの係数値は、図8のように例示された8ビットで十分に表現することができる。しかし、階調毎のムラブロックの明るさ値の変化が大きければ、係数a、b、cの係数値は8ビットでは十分に表現し難い。
【0041】
本発明の実施例は、これを解消すべく、係数のうち、指定された1つ以上の係数に対してアダプティブレンジを適用してセットするように構成される。例えば、本発明の実施例は、前記図8の問題点を解消すべく、図7のように、係数のうち、最も高い次数の係数aをアダプティブレンジ(Adaptive Range)を適用してセットするように構成される。
【0042】
図7を参照すれば、係数のうち、最も高い次数の係数aは、アダプティブレンジビットARと基本レンジビットGAとを含むようにセットされ、残りの係数b、cは、基本レンジビットGB、GCを含むようにセットされる。係数a、b、cの基本レンジビットGA、GB、GCは、同じビット数を有するようにセットされることが好ましい。ここで、アダプティブレンジビットARは3ビットとして例示し、基本レンジビットGA、GB、GCは7ビットとして例示する。
【0043】
また、各係数の基本レンジビットGA、GB、GCは、異なるビット数を有するようにセットされる。つまり、係数aの基本レンジビットGAはm1個、係数bの基本レンジビットGBはm2個、係数cの基本レンジビットGCはm3個にセットされ、アダプティブレンジビットARはn個にセットされる。ここで、m1、m2、m3、nは自然数である。
【0044】
つまり、メモリマップの全体容量はm1+m2+m3+nビットであり、全体容量から係数aに割当てられたm1+nビットを除した残りのビットは、係数bと係数cの基本レンジビットGB、GCを表現するために割当てられる。例えば、係数aは、2ビット(n=2)のアダプティブレンジビットARと7ビット(m1=7)の基本レンジビットGAとを有するようにセットされ、係数bは、7ビット(m2=7)の基本レンジビットGBを有するようにセットされ、係数cは、8ビット(m3=8)の基本レンジビットGCを有するようにセットされる。
【0045】
前記アダプティブレンジビットARは、ムラブロックに対するムラ測定値とムラ補正値との和が平均画素明るさ値に近似するように、ムラブロックの明るさの表現範囲を可変するためのものである。ここで、アダプティブレンジビットARの値の変更によって決定されるムラブロックの明るさ表現範囲は、解像度および明るさ値の範囲を含む。つまり、アダプティブレンジビットARの変更は、ムラブロックの明るさ表現範囲、ムラブロックの解像度および明るさ値の範囲を変更する。
【0046】
本発明の実施例は、アダプティブレンジビットARの変更によって係数aを可変することができる。つまり、ムラブロックの明るさ値の変化が大きくて、係数a、b、cの基本レンジビットのセッティングでムラ補正式の値がディスプレイパネルの平均画素値に到達しない場合、アダプティブレンジビットARの変更によって係数aの係数値を可変することができる。アダプティブレンジビットARのセッティングによって、係数aは、ムラブロックの明るさの表現範囲のうち、実際に必要な係数値に最も近似する係数値を有することができる。
【0047】
アダプティブレンジが適用された本発明のムラ補正式の係数aをセットする方法を、図9を参照して説明する。
係数aは、アダプティブレンジビットARと基本レンジビットGAによって表現される。アダプティブレンジビットARが3ビットの場合、係数aは、Range0~Range7のように8段階の表現範囲に相当する値を有することができる。
【0048】
図9は、ムラブロックの明るさの表現範囲がRange0、Range1およびRange2に変化することを例示し、ムラブロックの明るさの表現範囲は、Range0が最も狭く、Range2が最も広い。
【0049】
アダプティブレンジビットARが高い値を有するほど、ムラブロックの明るさの表現範囲は広くなる。つまり、ムラブロックの明るさ値の範囲は広くなり、解像度は低くなる。
表1は、256階調を表現するための係数aのアダプティブレンジビットARの変化に関するものである。
【0050】
【表1】
【0051】
表1にて、係数aのアダプティブレンジビットARが3ビットの場合、アダプティブレンジビットARの値が(000)は0で表示され、図9のRange0に相当し、アダプティブレンジビットARの値が(001)は1で表示され、図9のRange1に相当し、アダプティブレンジビットARの値が(010)は2で表示され、図9のRange2に相当する。表1のように、アダプティブレンジビットARの値が変化することによるRange0、Range1およびRange2の表現範囲、明るさ値の範囲および解像度は、アダプティブレンジビットARの値が高いほど変化する。
【0052】
上記において、Range0は、係数aの基本レンジビットGAとして表現できる最大に相当する。
もし、係数aが表現範囲Range0に設定され、平均画素明るさ値に近似するために実際に必要な係数値REFが、図9のように表現範囲Range0を外れる場合、誤差F1が発生する。
【0053】
この誤差F1を解消するために、本発明の実施例は、アダプティブレンジビットARの値を可変することができる。
アダプティブレンジビットARが2の値を有する場合、実際に必要な係数値REFで表現できる平均画素明るさ値は、表現範囲Range2に含まれる。しかし、実際に必要な係数値REFで表現できる平均画素明るさ値は、Range2の階調値で表現できる値のうち最も近似した値の間に誤差F2が発生する。
【0054】
アダプティブレンジビットARが1の値を有する場合、実際に必要な係数値REFで表現できる平均画素明るさ値は、表現範囲Range1に含まれる。そして、実際に必要な係数値REFで表現できる平均画素明るさ値は、表現範囲Range1の最大値(+MAX)に一致する。
【0055】
図9および表1の場合、本発明の実施例は、アダプティブレンジビットARの値を1にセットすることができ、係数aは、1に相当するアダプティブレンジビットARの値と基本レンジビットGAの最大値とを組み合わせた係数値を有することができる。
【0056】
本発明の実施例は、図9および表1で説明された方法の通り、ムラ補正式の係数aをセットすることができる。
もし、アダプティブレンジビットARの可変に対応する表現範囲のうち、所望の係数値REFに正確に一致する値が存在しない場合、係数aは、最も近似した値が存在する表現範囲に相当するアダプティブレンジビットARの値と基本レンジビットGAの最大値とを組み合わせた係数値を有することができる。
【0057】
上述のように、係数生成部142は、基本レンジビットGA、GB、GCとして、まず、ムラ補正式の係数a、b、cの係数値を決定する。この時、ディスプレイパネル10の階調毎の平均画素明るさ値がムラ補正式による値の範囲を外れる場合、最も高い次数の係数aのアダプティブレンジビットARは、実際に必要な係数値REFが平均画素明るさ値に最も近似する値を有するものにセットされる。
【0058】
係数生成部142は、上記のようにムラブロックに対するムラ補正式の係数の係数値を生成すると、ムラブロックの位置値とムラ補正式の係数の係数値とをムラ補正データとしてメモリ160に格納する。この時、ムラブロックの位置値とムラ補正式の係数の係数値は、メモリ160にルックアップテーブル形態で格納され、ムラブロックの位置値がインデックスとして活用され、ムラブロックの位置値でムラ補正式の係数の係数値を読み出し(read)可能に互いにジョイン(Join)される。
【0059】
ムラ補正部130は、上記のように、ムラブロック検出部140によってムラブロックを検出してムラブロックの位置値を生成し、係数生成部142によってムラ補正式の係数の係数値を生成する。
その後、ムラブロック検出部140は、検出映像V_DATAをフレーム単位またはブロック単位でムラ画素検出部150に出力することができる。この時、ムラブロック検出部140は、一般ブロックとムラブロックの検出映像V_DATAに対するブロックの情報(位置情報および検出映像V_DATAを含む情報)をムラ画素検出部150に出力する。
【0060】
ムラ画素は、ディフェクト(Defect)を有する画素を意味し、製造工程上のエラーなどの理由から、画素サイズの点状ムラを意味する。
ムラ画素は、検出映像V_DATAのブロック単位で判断される。ムラ画素は、ディスプレイパネル10の平均画素明るさ値と隣接した画素の明るさ値に基づいて検出される。
【0061】
より具体的には、白点ムラ、黒点ムラおよび黒白点ムラのようなムラ画素の明るさ値が、平均画素明るさ値、隣接した画素の明るさ値または平均画素明るさ値と隣接した画素の明るさ値などに基づいて設定された基準値以上の場合、当該画素は、ムラ画素として検出される。
【0062】
例えば、図10のように、ブロックB23は、マトリクス状に配列された複数の画素を含む。
図10のブロックB23で基準値以上の明るさ値を有する画素がムラ画素と判断され、図10は、画素P33がムラ画素と判断されたものを例示する。
【0063】
ムラ画素検出部150は、ムラ画素に対する位置値を生成し、図10の場合、画素P11の座標が(5,9)の場合、ムラ画素P33の座標(7,11)が位置値として生成される。
ムラ画素検出部150は、ムラ画素の位置値とムラ画素に対する検出映像V_DATAを含むデータを係数生成部152に出力し、ムラブロック検出部140から伝達されたムラブロックの位置値と自ら生成したムラ画素の位置値とを出力部170に出力することができる。
【0064】
係数生成部152は、階調毎の前記ムラ画素の測定値を平均画素明るさ値に補正するための二次式であるムラ画素補正式の係数の係数値を生成し、ムラ画素の位置値とムラ画素補正式の係数の係数値とを含むムラ画素補正データを生成し、ムラ画素補正データをメモリ160に出力する。
【0065】
本発明の実施例において、ムラ画素に対するムラ補正は、ドライバ200で行われる。ムラ画素に対するムラ補正も、ムラブロックと同様に、階調毎のムラ画素の明るさ値を正確に表現できる近似式、つまりムラ画素補正式が必要である。ムラ画素補正式が定められる場合、ムラ画素に対するムラ補正は、階調毎のムラ画素補正式の係数の係数値さえ決定されれば正確に行われる。
【0066】
本発明の実施例において、ムラ補正装置100は、ムラ画素のムラ補正のためのムラ画素補正式の係数値をムラ画素補正データとして生成し、ドライバ200は、ムラ画素補正式による演算を行うアルゴリズムを有し、ムラ補正装置100から提供された係数値が適用されたムラ画素補正式に入力値(ディスプレイデータ)を適用することにより、改善された画質でムラ画素をディスプレイ可能な駆動信号をディスプレイパネル10に提供することができる。
【0067】
本発明は、階調毎のムラ画素の明るさ値をディスプレイパネルの平均画素値に最大限近似させるために、二次式のムラ画素補正式を用いるように実施される。そのため、ムラ補正装置100は、二次式であるムラ画素補正式の係数の係数値を生成し、ドライバ200は、係数の係数値をムラ画素補正式に適用し、入力値(ディスプレイデータ)をムラ画素補正式によって補正し、ムラ画素に補正されたディスプレイデータに対応する駆動信号を出力する。
【0068】
この時、ムラ画素のためのムラ画素補正式の係数の係数値は、ムラ補正式の係数の係数値と同一の方法で生成される。
そして、ムラ画素補正式の係数のうち、最も高い次数の係数aをアダプティブレンジ(Adaptive Range)を適用してセットすることも、ムラ補正式と同一の方法で構成される。
【0069】
ムラ画素に対するムラ画素補正式の最も高い次数の係数は、ムラ画素に対するムラ測定値とムラ補正値との和が平均画素明るさ値に近似するように、ムラ画素の明るさの表現範囲を可変するアダプティブレンジビット(Adaptive Range Bits)を含むようにセットされる。
【0070】
そして、以上の通り、ムラ補正式とムラ画素補正式の係数は、同一のフォーマットを有し、同一の方法でセットされる。そのため、ムラ画素補正式の係数の係数値を生成する方法の具体的な説明は省略する。
【0071】
上述により、メモリ160は、係数生成部142から提供されるムラブロックの位置値とムラ補正式の係数の係数値とを含むムラ補正データと、ムラ画素の位置値とムラ画素補正式の係数の係数値とを含むムラ画素補正データとを格納することができる。
【0072】
出力部170は、ムラブロック検出部140によるムラブロック検出とムラ画素検出部150によるムラ画素検出が完了すると、ムラブロック検出部140から伝達されるムラブロックの位置値に対応するムラ補正データと、ムラ画素検出部150から伝達されるムラ画素の位置値に対応するムラ画素補正データとをメモリ160から受信し、ムラ補正データとムラ画素補正データとをドライバ200に提供する。
【0073】
ドライバ200は、ムラ補正データとムラ画素補正データとを内部に構成されたフラッシュメモリのような格納場所に格納する。
上記の方法によりテストされたディスプレイパネル10は、ムラ補正データとムラ画素補正データとを内部に格納したドライバ200とセットに製作可能であり、ドライバ200は、ムラブロックまたはムラ画素に対するディスプレイデータをムラ補正データおよびムラ画素補正データを用いて補正することができる。
【0074】
その結果、ディスプレイパネル10は、前記ディスプレイデータの補正によって改善される画質で画面をディスプレイすることができる。
より具体的には、ドライバ200の実施例は、図11を参照して説明される。以下、ドライバ200は、ムラ補正ドライバと理解される。
【0075】
ドライバ200は、ムラメモリ210と、ムラ補正部220と、表示明るさ値(Display Brightness Value、以下、「DBV」という)制御部240とを備えるように構成される。ここで、ドライバ200は、タイミングコントローラ230および信号駆動部250を備えるように構成されたものを実施例として例示する。本発明は、ムラメモリ210、ムラ補正部220およびDBV制御部240がディスプレイデータのムラ補正のための多様なアプリケーションに実施可能であり、前記アプリケーションは、タイミングコントローラ230および信号駆動部250を備えなくてもよい。
【0076】
ここで、信号駆動部250は、データラッチ260と、デジタルアナログコンバータ(Digital Analog Converter、以下、「DAC」という)と、ガンマ部280と、駆動回路290とを備えることができる。
【0077】
そして、タイミングコントローラ230は、ムラブロックおよびムラ画素のムラ補正が行われたムラ補正部220のディスプレイデータを受信する。タイミングコントローラ230は、信号伝送のためのディスプレイデータのプロトコル変更のような内部プロセスを経た後、信号駆動部250のデータラッチ260にディスプレイデータを提供するように構成される。
【0078】
信号駆動部250は、ディスプレイデータを受信し、ディスプレイデータに対応するソース信号Soutを駆動回路290に連結されたディスプレイパネル10に提供する構成を有する。
このうち、データラッチ260は、ディスプレイパネルの1つのラインに相当するディスプレイデータを同時に処理するために、ラッチする複数のラッチ素子を備えるように構成される。
【0079】
ガンマ部280は、階調毎のガンマ電圧をDAC270に提供するように構成される。
DAC270は、データラッチ260のディスプレイデータを受信し、ガンマ部280のガンマ電圧のうち、ディスプレイデータに相当する階調のガンマ電圧を選択し、選択された駆動電圧を駆動回路290に出力するように構成される。
【0080】
駆動回路290は、DAC270の出力を駆動してソース信号Soutとして出力するための出力バッファである。駆動回路290のソース信号Soutは、ディスプレイパネル10に提供される。
本発明のドライバ200の実施例は、ディスプレイデータに含まれたムラブロックの明るさ値を二次式のムラ補正式を用いて補正し、このために、ムラメモリ210と、ムラ補正部220とを備える。ドライバ200は、ディスプレイデータに含まれたムラ画素の明るさ値を二次式のムラ画素補正式を用いて補正することができ、ムラ画素の補正にもメモリ210とムラ補正部220とが用いられる。
【0081】
ここで、ムラメモリ210は、ディスプレイパネル10に対するムラブロックの位置値とムラブロックに対する係数値とを含むムラ補正データと、ディスプレイパネル10に対するムラ画素の位置値とムラ画素に対する係数値とを含むムラ画素補正データとを格納する。ムラメモリ210のムラ補正データC_DATAは、上述したムラ補正装置100から提供されるものと理解され、ムラ画素補正データと理解される。
【0082】
ここで、ムラブロックとムラブロックの位置値、ムラ画素とムラ画素の位置値は、図5を参照して説明されたところから理解される。そして、ムラ補正式およびその係数の係数値と、ムラ画素補正式およびその係数の係数値は、図6図9を参照して説明されたところから理解される。
【0083】
図5のようなムラ補正式の係数のうち、最も高い次数の係数であるaは、上述のように、他の係数と比較してアダプティブレンジビットARをさらに含む。
ドライバ200は、前記ムラメモリ210のムラブロックの位置値とムラ補正データを用いてムラブロックに対するムラ補正を行うことができる。また、ドライバ200は、前記ムラメモリ210のムラ画素の位置値とムラ画素補正データを用いてムラ画素に対するムラ補正を行うことができる。
まず、ドライバ200のムラブロックに対するムラ補正のための構成および動作を説明する。
【0084】
ムラ補正部220は、ムラメモリ210のムラ補正データC_DATAとディスプレイデータD_DATAとを受信する。ここで、ディスプレイデータD_DATAは、外部データソースから画面の表示のためにドライバ200に提供されるものと理解される。
【0085】
そして、ムラ補正部220は、ディスプレイデータD_DATAのうち、ムラブロックの位置値に対応するディスプレイデータ(第1ディスプレイデータ)をムラ補正式の第1入力値Xにセットする。前記ムラ補正式は、ムラブロックに対するムラ補正データC_DATAの係数値を適用したものである。この時、ムラ補正式は、数式(1)のようにY=aX+bX+c+Xとして理解される。
【0086】
ムラ補正部220は、ムラ補正式の係数のうち、係数aは、図7のようにアダプティブレンジビットARと基本レンジビットGAとを含むようにセットされ、残りの係数b、cは、図7のように基本レンジビットGB、GCを含むようにセットされる。アダプティブレンジビットARは、基本レンジビットGA、GB、GCの表現範囲を可変して、実際に必要な係数値aに最も近似する値を有する表現範囲に相当する値を有するようにセットされる。
【0087】
ムラ補正部220は、第1入力値Xに対応したムラ補正式の解を、第1ディスプレイデータに対する第1補正ディスプレイデータとして生成し、ムラブロックの位置値に第1補正ディスプレイデータを含むディスプレイデータをタイミングコントローラ230に出力する。
【0088】
一方、ムラ補正部220は、図11のように、DBV制御機能のためにDBV制御部240と連結される。
DBV制御部240は、DBV制御のための制御信号DBV_Cを受信し、制御信号DBV_Cに対応する制御値X0をムラ補正部220に提供する。制御信号DBV_Cは、ムラ補正で発生しうるエラーを解消するために、ドライバ200の外部から提供される電気的信号であり、一定の範囲内にレベルが変動する値を有することができる。制御値X0は、制御信号DBV_Cのレベルに対応する値を有することができる。ムラ補正部220の制御値X0に対応した動作は、図12を参照して後述する。
【0089】
ムラ補正部220は、ムラブロックに対するムラ補正とDBV制御を行うために、図12のように構成される。
図12を参照すれば、ムラ補正部220は、ムラ補正式セット部310と、入力値調整部320と、補正出力部330とを備える。
【0090】
ムラ補正式セット部310は、ムラ補正データC_DATAを受信し、第1入力値Xに対するムラ補正式をムラブロックの係数値を適用してセットする。この時、ムラ補正式は、数式1のようにY=aX+bX+c+Xとして理解される。
【0091】
そして、入力値調整部320は、第1入力値XとDBV制御のための制御値X0とを演算する第3入力値X1をセットし、ムラ補正式を第3入力値X1に対する式に変更する。つまり、第3入力値X1はX1=X-X0として理解され、ムラ補正式はY=aX1+bX1+c+X1のように第3入力値X1に対する式に変更される。
【0092】
この時、第1入力値Xと制御値X0との演算は、第1入力値Xに制御値X0を加算するか、乗算するかのいずれかが選択されてもよいし、本発明の実施例において、演算は、第1入力値Xにネガティブ制御値-X0を加算するものと理解される。
【0093】
そして、補正出力部330は、ディスプレイデータD_DATAのうち、ムラブロックの第1ディスプレイデータを第1入力値Xに代入してセットされる第3入力値に対応したムラ補正式の解を、第1ディスプレイデータに対する第1補正ディスプレイデータとして生成し、ムラブロックの位置値に第1補正ディスプレイデータを含むディスプレイデータT_DATAを出力する。
【0094】
例えば、係数aの値が0.1、係数bの値が1、係数cの値が0と仮定し、第1入力値Xが100の場合、ムラ補正式のムラ補正値は0.1(100)+1(100)+0になり、この時、ムラ補正値は1100になる。
【0095】
前記の場合、DBVによって入力値が5だけ暗くなる場合、この時、第3入力値X1はX1=100-5=95として演算され、ムラ補正式のムラ補正値は0.1(95)+1(95)+0になり、この時、ムラ補正値は997.5になる。
【0096】
前記のように、本発明により、ムラ補正式のムラ補正値は、図13のように変形可能であり、それによって、ムラ補正による明るさ値Yも、入力値が暗くなった分だけ変更可能である。
しかし、一般的なオフセット(Offset)制御を適用する場合、ムラ補正式Y=aX1+bX1+c+X1においてc値のみ変更する。この場合、ムラ補正式のムラ補正値は、図14のように変形可能である。
【0097】
前記オフセット制御において入力値が5だけ暗くなる場合、ムラ補正式のムラ補正値は0.1(100)+1(100)+(0-5)になり、この時、ムラ補正値は1095になる。つまり、一般的なオフセット制御の場合、ムラ補正による明るさ値Yが、入力値が暗くなったこととムラ補正値の変化とは相応しない。
【0098】
上述した図13および図14の対比から分かるように、本発明の実施例は、DBV制御によって二次式のムラ補正式とアダプティブレンジを係数に適用したムラ補正で発生しうるエラーを正確に補正することができる。
【0099】
一方、ドライバ200のムラ画素に対するムラ補正は、ムラメモリ210のムラ画素の位置値とムラ画素補正データを用いる点を除き、上述したムラブロックに対するムラ補正と実質的に同一の方法で行われる。
【0100】
つまり、ムラ補正部220は、ムラ画素補正データを受信し、ムラ画素の位置値に対応するディスプレイデータ(第2ディスプレイデータ)を、ムラ画素に対する係数値を適用した二次式のムラ画素補正式の第2入力値Xにセットする。前記ムラ画素補正式は、ムラ画素に対するムラ画素補正データの係数値を適用したものである。この時、ムラ画素補正式は、数式(1)のようにY=aX+bX+c+Xとして理解される。
【0101】
そして、ムラ補正部220は、第2入力値に対応したムラ画素補正式の解を、第2ディスプレイデータに対する第2補正ディスプレイデータとして生成し、ディスプレイデータのムラ画素の位置値に第2補正ディスプレイデータを含むディスプレイデータをタイミングコントローラ230に出力する。
【0102】
また、本発明の実施例は、前記ムラ画素に対する第1ムラ補正と、ムラブロックに対する第2ムラ補正を順次に行うことができる。
この場合、ムラ補正部220は、ムラ画素に対する第1ムラ補正を行って、第2ディスプレイデータに対する第2補正ディスプレイデータとしてディスプレイデータを補正し、その後、ムラブロックに対する第2ムラ補正を行う。
【0103】
ムラ補正部220は、第2ムラ補正によって、第1ディスプレイデータに対する第1補正ディスプレイデータとしてディスプレイデータを補正し、第1ムラ補正と第2ムラ補正を完了したディスプレイデータをタイミングコントローラ230に出力する。
【0104】
上述により、本発明は、ディスプレイパネルのムラブロックまたはムラ画素の明るさ値を二次式のムラ補正式を用いて補正することにより、良質の画質を有するようにディスプレイパネルを駆動することができる。
【0105】
また、本発明は、アダプティブレンジをムラ補正式の係数に適用することにより、ムラブロックの明るさの表現範囲を可変することができ、その結果、ムラブロックの明るさ値を係数の基本レンジビットの表現範囲以上に補正できるので、ディスプレイパネルの画質をより効果的に改善することができる。
さらに、本発明は、DBV制御によってムラ補正で発生しうるエラーを効果的に解消することができる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14