(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】テールアルメ工法用目地材およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
E02D 29/02 20060101AFI20240704BHJP
C09K 3/10 20060101ALI20240704BHJP
C08L 101/12 20060101ALI20240704BHJP
C08J 5/04 20060101ALI20240704BHJP
B29C 70/40 20060101ALI20240704BHJP
D04H 1/541 20120101ALI20240704BHJP
【FI】
E02D29/02 302
C09K3/10 N
C08L101/12
C08J5/04 CFD
B29C70/40
D04H1/541
(21)【出願番号】P 2020002567
(22)【出願日】2020-01-10
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】592197315
【氏名又は名称】ユニチカトレーディング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川元 宏之
(72)【発明者】
【氏名】寺田 圭太
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-084715(JP,A)
【文献】特開2007-162409(JP,A)
【文献】特開2003-321847(JP,A)
【文献】特開2008-002262(JP,A)
【文献】特開平08-209514(JP,A)
【文献】国際公開第2011/099611(WO,A1)
【文献】特開平07-003599(JP,A)
【文献】特開2010-138531(JP,A)
【文献】登録実用新案第3147964(JP,U)
【文献】特開2019-127722(JP,A)
【文献】特開平10-180735(JP,A)
【文献】特開2005-015941(JP,A)
【文献】特開2002-069969(JP,A)
【文献】特開2010-101106(JP,A)
【文献】特開2000-336525(JP,A)
【文献】特開平10-088460(JP,A)
【文献】特開2015-183499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 29/02
C09K 3/10
C08L 101/12
C08J 5/04
B29C 70/40
D04H 1/541
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯成分がポリエステルであるとともに、鞘成分が、前記芯成分のポリエステルよりも低融点の共重合ポリエステルである芯鞘型複合短繊維を構成繊維とする短繊維成形体にて形成され、
前記短繊維成形体は、
前記共重合ポリエステルによって繊維同士が熱接着された状態で圧縮成形されたものであって、目付が5~9kg/m
2、厚みが10~30mmであることを特徴とするテールアルメ工法用目地材。
【請求項2】
互いに融点差を有する複数種類の重合体により構成され少なくとも低融点重合体が繊維表面に露出した複合長繊維を構成繊維とするか、または、高融点重合体により形成される高融点長繊維と、低融点重合体により形成される低融点長繊維とを含む混合体を構成繊維とする長繊維成形体にて形成され、
前記長繊維成形体は、低融点重合体によって繊維同士が熱接着された状態で圧縮成形されたものであって、目付が5~9kg/m
2、厚みが10~30mmであることを特徴とするテールアルメ工法用目地材。
【請求項3】
互いに融点差を有する複数種類の重合体により構成され少なくとも低融点重合体が繊維表面に露出した複合短繊維を構成繊維とするか、または、高融点重合体により形成される高融点短繊維と、低融点重合体により形成される低融点短繊維とを含む混合体を構成繊維とする短繊維成形体にて形成された第1の層と、
互いに融点差を有する複数種類の重合体により構成され少なくとも低融点重合体が繊維表面に露出した複合長繊維を構成繊維とするか、または、高融点重合体により形成される高融点長繊維と、低融点重合体により形成される低融点長繊維とを含む混合体を構成繊維とする長繊維成形体にて形成された第2の層とが積層された目地材であって、
前記複合短繊維または前記低融点短繊維を形成する低融点重合体によって短繊維同士が熱接着されるとともに、前記複合長繊維または前記低融点長繊維を形成する低融点重合体によって長繊維同士が熱接着された状態で、加熱圧縮成形の状態となっているものであり、かつ
目付が5~9kg/m
2、厚みが10~30mmであることを特徴とするテールアルメ工法用目地材。
【請求項4】
複合短繊維は、芯成分がポリエステルであるとともに、鞘成分が、前記芯成分のポリエステルよりも低融点の共重合ポリエステルである芯鞘型複合短繊維であることを特徴とする
請求項3記載のテールアルメ工法用目地材。
【請求項5】
複合長繊維は、芯成分がポリエステルであるとともに、鞘成分が、前記芯成分のポリエステルよりも低融点の共重合ポリエステルである芯鞘型複合長繊維であることを特徴とする請求項2または3記載のテールアルメ工法用目地材。
【請求項6】
長繊維成形体は、構成繊維同士が互いに三次元的に交絡していることを特徴とする請求項2、3、5のいずれか1項記載のテールアルメ工法用目地材。
【請求項7】
芯成分がポリエステルであるとともに、鞘成分が、前記芯成分のポリエステルよりも低融点の共重合ポリエステルである芯鞘型複合短繊維を構成繊維とする短繊維不織ウェブを用い、
前記短繊維不織ウェブに加熱圧縮処理を施すことによって、前記短繊維不織ウェブにおける
共重合ポリエステルによって繊維同士を熱接着させた状態で圧縮成形させることで、目付が5~9kg/m
2、厚みが10~30mmの目地材を得ることを特徴とするテールアルメ工法用目地材の製造方法。
【請求項8】
互いに融点差を有する複数種類の重合体により構成され少なくとも低融点重合体が繊維表面に露出した複合長繊維を構成繊維とするか、または、高融点重合体により形成される高融点長繊維と、低融点重合体により形成される低融点長繊維とを含む混合体を構成繊維とする長繊維不織ウェブを用い、
前記長繊維不織ウェブに加熱圧縮処理を施すことによって、前記長繊維不織ウェブにおける低融点重合体によって繊維同士を熱接着させた状態で圧縮成形させることで、目付が5~9kg/m
2、厚みが10~30mmの目地材を得ることを特徴とするテールアルメ工法用目地材の製造方法。
【請求項9】
互いに融点差を有する複数種類の重合体により構成され少なくとも低融点重合体が繊維表面に露出した複合短繊維を構成繊維とするか、または、高融点重合体により形成される高融点短繊維と、低融点重合体により形成される低融点短繊維とを含む混合体を構成繊維とする短繊維不織ウェブにて形成された第1の層と、
互いに融点差を有する複数種類の重合体により構成され少なくとも低融点重合体が繊維表面に露出した複合長繊維を構成繊維とするか、または、高融点重合体により形成される高融点長繊維と、低融点重合体により形成される低融点長繊維とを含む混合体を構成繊維とする長繊維不織ウェブにて形成された第2の層とを積み重ね、
第1の層と第2の層とを積み重ねたものに加熱圧縮処理を施すことで、前記複合短繊維または前記低融点短繊維を形成する低融点重合体によって前記短繊維不織ウェブの繊維同士を熱接着させるとともに、前記複合長繊維または前記低融点長繊維を形成する低融点重合体によって前記長繊維不織ウェブの繊維同士を熱接着させた状態で、成形体化と積層一体化とを行い、
それによって、目付が5~9kg/m
2、厚みが10~30mmの目地材を得ることを特徴とするテールアルメ工法用目地材の製造方法。
【請求項10】
複合短繊維として、芯成分がポリエステルであるとともに、鞘成分が、前記芯成分のポリエステルよりも低融点の共重合ポリエステルである芯鞘型複合短繊維を用いることを特徴とする
請求項9記載のテールアルメ工法用目地材の製造方法。
【請求項11】
複合長繊維として、芯成分がポリエステルであるとともに、鞘成分が、前記芯成分のポリエステルよりも低融点の共重合ポリエステルである芯鞘型複合長繊維を用いることを特徴とする請求項8または9記載のテールアルメ工法用目地材の製造方法。
【請求項12】
長繊維不織ウェブの構成繊維同士を互いに三次元的に交絡させることを特徴とする請求項8、9、11のいずれか1項記載のテールアルメ工法用目地材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテールアルメ工法用目地材およびその製造方法に関し、補強土(テールアルメ)壁工法の壁面材に用いられるコンクリートスキン同士の隙間に使用されるテールアルメ工法用目地材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の目地材として、コルクが多用されている。しかし、コルクは透水性がないため、設置にあたり、透水部分としての空間を断続的に設けならなければならないという問題点がある。さらに上記の空間からの土砂の流出を抑制するため、コルク製の目地材の表面に、透水性は有するが土砂の流出を抑制することができる不織布を取り付けなければならないといった、構造上および作業上の問題点が存在する。またコルクは限られた天然資材であるといった問題点も有する。
【0003】
その一方で、コルク以外の材料を用いた目地材が開発されている。たとえば特許文献1には、コンクリート擁壁を構築するための多数のパネル壁のうちの上下に隣接するパネル壁同士の間の目地空間部に介在される目地材であって、ゴムと補強用の繊維材料とを混練したものが記載されている。
【0004】
しかしながら、ゴム資材も透水性がないため、設置にあたりコルクの場合と同様に透水部分としての空間を断続的に設けならなければならず、さらにこの空間からの土砂の流出を抑制するために目地材の表面に不織布を取り付けなければならないといった構造上および作業上の問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、このような問題点を解決して、所望の圧縮特性を有するとともに、透水性を有し、かつ設置時の作業性の向上も図ることができるテールアルメ工法用目地材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するため、本発明の第1のテールアルメ工法用目地材は、
芯成分がポリエステルであるとともに、鞘成分が、前記芯成分のポリエステルよりも低融点の共重合ポリエステルである芯鞘型複合短繊維を構成繊維とする短繊維成形体にて形成され、
前記短繊維成形体は、前記共重合ポリエステルによって繊維同士が熱接着された状態で圧縮成形されたものであって、目付が5~9kg/m2、厚さが10~30mmであることを特徴とする。
【0008】
本発明の第2のテールアルメ工法用目地材は、
互いに融点差を有する複数種類の重合体により構成され少なくとも低融点重合体が繊維表面に露出した複合長繊維を構成繊維とするか、または、高融点重合体により形成される高融点長繊維と、低融点重合体により形成される低融点長繊維とを含む混合体を構成繊維とする長繊維成形体にて形成され、
前記長繊維成形体は、低融点重合体によって繊維同士が熱接着された状態で圧縮成形されたものであって、目付が5~9kg/m2、厚さが10~30mmであることを特徴とする。
【0009】
本発明の第3のテールアルメ工法用目地材は、
互いに融点差を有する複数種類の重合体により構成され少なくとも低融点重合体が繊維表面に露出した複合短繊維を構成繊維とするか、または、高融点重合体により形成される高融点短繊維と、低融点重合体により形成される低融点短繊維とを含む混合体を構成繊維とする短繊維成形体にて形成された第1の層と、
互いに融点差を有する複数種類の重合体により構成され少なくとも低融点重合体が繊維表面に露出した複合長繊維を構成繊維とするか、または、高融点重合体により形成される高融点長繊維と、低融点重合体により形成される低融点長繊維とを含む混合体を構成繊維とする長繊維不織布にて形成された第2の層とが積層され、
前記複合短繊維または前記低融点短繊維を形成する低融点重合体によって短繊維同士が熱接着されるとともに、前記複合長繊維または前記低融点長繊維を形成する低融点重合体によって長繊維同士が熱接着された状態で、加熱圧縮成形の状態となっているものであり、かつ
目付が5~9kg/m2、厚さが10~30mmであることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、上記した第3のテールアルメ工法用目地材において、複合短繊維は、芯成分がポリエステルであるとともに、鞘成分が、前記芯成分のポリエステルよりも低融点の共重合ポリエステルである芯鞘型複合短繊維であることが好適である。
【0011】
本発明によれば、上記した第2または第3のテールアルメ工法用目地材において、複合長繊維は、芯成分がポリエステルであるとともに、鞘成分が、前記芯成分のポリエステルよりも低融点の共重合ポリエステルである芯鞘型複合長繊維であることが好適である。
【0012】
また本発明によれば、上記した第2または第3のテールアルメ工法用目地材において、長繊維不織布は、構成繊維同士が互いに三次元的に交絡していることが好適である。
【0013】
本発明の第1のテールアルメ工法用目地材の製造方法は、
芯成分がポリエステルであるとともに、鞘成分が、前記芯成分のポリエステルよりも低融点の共重合ポリエステルである芯鞘型複合短繊維を構成繊維とする短繊維不織ウェブを用い、
前記短繊維不織ウェブに加熱圧縮処理を施すことによって、前記短繊維不織ウェブにおける共重合ポリエステルによって繊維同士を熱接着させた状態で圧縮成形させることで、目付が5~9kg/m2、厚さが10~30mmの目地材を得ることを特徴とする。
【0014】
本発明の第2のテールアルメ工法用目地材の製造方法は、
互いに融点差を有する複数種類の重合体により構成され少なくとも低融点重合体が繊維表面に露出した複合長繊維を構成繊維とするか、または、高融点重合体により形成される高融点長繊維と、低融点重合体により形成される低融点長繊維とを含む混合体を構成繊維とする長繊維不織ウェブを用い、
前記長繊維不織ウェブに加熱圧縮処理を施すことによって、前記長繊維不織ウェブにおける低融点重合体によって繊維同士を熱接着させた状態で圧縮成形させることで、目付が5~9kg/m2、厚さが10~30mmの目地材を得ることを特徴とする。
【0015】
本発明の第3のテールアルメ工法用目地材の製造方法は、
互いに融点差を有する複数種類の重合体により構成され少なくとも低融点重合体が繊維表面に露出した複合短繊維を構成繊維とするか、または、高融点重合体により形成される高融点短繊維と、低融点重合体により形成される低融点短繊維とを含む混合体を構成繊維とする短繊維不織ウェブにて形成された第1の層と、
互いに融点差を有する複数種類の重合体により構成され少なくとも低融点重合体が繊維表面に露出した複合長繊維を構成繊維とするか、または、高融点重合体により形成される高融点長繊維と、低融点重合体により形成される低融点長繊維とを含む混合体を構成繊維とする長繊維不織ウェブにて形成された第2の層とを積み重ね、
第1の層と第2の層とを積み重ねたものに加熱圧縮処理を施すことで、前記複合短繊維または前記低融点短繊維を形成する低融点重合体によって前記短繊維不織ウェブの繊維同士を熱接着させるとともに、前記複合長繊維または前記低融点長繊維を形成する低融点重合体によって前記長繊維不織ウェブの繊維同士を熱接着させた状態で、成形体化と積層一体化とを行い、
それによって、目付が5~9kg/m2、厚さが10~30mmの目地材を得ることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、上記した第3のテールアルメ工法用目地材の製造方法において、複合短繊維として、芯成分がポリエステルであるとともに、鞘成分が、前記芯成分のポリエステルよりも低融点の共重合ポリエステルである芯鞘型複合短繊維を用いることが好適である。
【0017】
本発明によれば、上記した第2または第3のテールアルメ工法用目地材の製造方法において、複合長繊維として、芯成分がポリエステルであるとともに、鞘成分が、前記芯成分のポリエステルよりも低融点の共重合ポリエステルである芯鞘型複合長繊維を用いることが好適である。
【0018】
本発明によれば、上記した第2または第3のテールアルメ工法用目地材の製造方法において、長繊維不織ウェブの構成繊維同士を互いに三次元的に交絡させることが好適である。
【発明の効果】
【0019】
本発明のテールアルメ工法用目地材によれば、特定の繊維を構成繊維とする不織ウェブを加熱圧縮した特定の繊維成形体から構成されていることにより、補強土壁工法などにおける施工時の上下の壁面材同士の直接の接触による損傷を抑制し、鉛直方向に積み上げられる壁面材同士の間の緩衝材の役目を呈するとともに、壁面材の重量による圧縮力を吸収し、しかも、繊維にて形成されているために透水性を有しており、したがって目地部に配するだけでよく後処理などが不要であるために施工性に優れる。
【0020】
本発明のテールアルメ工法用目地材の製造方法によれば、上記した特定のテールアルメ工法用目地材を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1のテールアルメ工法用目地材]
<短繊維成形体にて形成されたもの>
短繊維にて構成される成形体は、互いに融点差を有する複数種類の重合体により形成された複合短繊維を構成繊維とするか、または、高融点重合体により形成される高融点短繊維と、低融点重合体により形成される低融点短繊維とを含む混合体を構成繊維とする。
【0022】
まず、互いに融点差を有する複数種類の重合体により形成された複合短繊維を構成繊維とする場合について説明する。この複合短繊維は、少なくとも低融点の重合体が繊維の表面に存在することが必要である。複合形態としては、高融点の重合体が芯部に配されるとともに、それよりも低融点の重合体が鞘部に配された芯鞘型複合形態や、横断面半月状の高融点の重合体と、それよりも低融点の重合体とが横断面において半周ずつ存在するサイドバイサイド型複合形態や、その他の複合形態を挙げることができる。なお、本発明において、複合形態を採用する場合は、芯鞘型複合形態が好ましく用いられる。
【0023】
芯鞘型複合繊維の場合の芯成分と鞘成分との質量割合は、芯成分:鞘成分=0.3~4:1程度が好適である。芯成分の質量割合が低すぎると、加熱圧縮のために熱を受けたときの形態保持性が低下する傾向となり、また、最終的に得られる目地材の強度や剛性が低下する傾向が生じる。反対に、芯成分の質量割合が高すぎると、加熱圧縮による成形時に一体化されにくく、また得られる成形体の密度が高くならずに変形しやすい傾向となり、さらには、表面に毛羽立ちが生じやすくなる。芯成分と鞘成分は、同心に配置されていてもよいし、偏心して配置されていてもよい。しかしながら、偏心に配置されていると、加熱圧縮による成形時に収縮が生じやすくなるため、同心に配置されている方が好ましい。
【0024】
この複合短繊維においては、高融点の重合体が高融点ポリエステルであり、それよりも低融点の重合体が低融点ポリエステルであることが好ましい。その場合において、高融点ポリエステルの融点は250~280℃程度であり、低融点ポリエステルの融点は110℃~240℃程度である。
【0025】
このようなものの例として、高融点の重合体がエチレングリコールとテレフタル酸の共重合体すなわちポリエステルにて形成され、低融点の重合体がエチレングリコールとアジピン酸とテレフタル酸を含む共重合体すなわち共重合ポリエステルにて形成されたものであることが好適である。あるいは、これに代えて、低融点の重合体がエチレングリコールとイソフタル酸とテレフタル酸を含む共重合ポリエステルにて形成されたものであることも好適である。詳細には、高融点の重合体は、エチレングリコールをジオール成分とし、テレフタル酸をジカルボン酸成分として脱水縮合して得られるポリエステルである。なお、ジカルボン酸成分として、ごく少量のイソフタル酸等の他のジカルボン酸成分が混合されていてもよい。この場合の高融点の重合体の融点は約260℃であり、そのガラス転移点は約70~80℃である。低融点の重合体は、上記の第1番目の例の場合は、エチレングリコールをジオール成分とし、アジピン酸とテレフタル酸をジカルボン酸成分として脱水縮合して得られる共重合ポリエステルである。ジカルボン酸成分であるアジピン酸とテレフタル酸との混合割合は任意であるが、アジピン酸:テレフタル酸=1:1~10(モル比)程度が好適である。ジオール成分として、少量のジエチレングリコールが混合されてもよく、その場合のジエチレングリコールの混合量は、ジオール成分中に0.5~5.0モル%程度である。またさらに、ジカルボン酸成分として、少量のイソフタル酸が混合されているのが好ましい。その場合のイソフタル酸の混合量は、ジカルボン酸成分中に2.0~5.0モル%程度である。この共重合体の融点は約200℃であり、そのガラス転移点は約40~50℃である。また、別の低融点の重合体は、すなわち上記の第2番目の例の場合は、エチレングリコールをジオール成分とし、イソフタル酸とテレフタル酸をジカルボン酸成分として脱水縮合して得られる共重合ポリエステルである。ジカルボン酸成分であるイソフタル酸とテレフタル酸との混合割合は任意であるが、イソフタル酸:テレフタル酸=1:1.5~12(モル比)程度が好適である。ジオール成分として、少量のジエチレングリコールが混合されてもよく、その場合のジエチレングリコールの混合量は、ジオール成分中に0.5~5.0モル%程度である。この共重合体の融点(明確な融点を示さない場合は軟化点を融点とみなす)は110℃~230℃である。
【0026】
次に、短繊維成形体が、高融点重合体により形成される高融点短繊維と、低融点重合体により形成される低融点短繊維とを含む混合体を構成繊維とする場合について、説明する。この混合体は、一方が高融点重合体によって構成される繊維(高融点短繊維)であり、他方が低融点重合体によって構成される繊維(低融点短繊維)である。
【0027】
上記した複合短繊維のごとく、高融点短繊維を構成する高融点重合体は高融点ポリエステルであり、低融点短繊維を構成する低融点重合体は低融点ポリエステルであることが好ましく、その場合において、高融点ポリエステルの融点は250~280℃程度であり、低融点ポリエステルの融点は110℃~240℃程度である。また、高融点ポリエステルについて、具体的には、上記した複合短繊維に用いる高融点ポリエステルと同様で、エチレングリコールとテレフタル酸の共重合体すなわちポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、低融点ポリエステルについて、具体的には、上記した複合短繊維に用いる低融点ポリエステルと同様で、エチレングリコールとアジピン酸とテレフタル酸を含む共重合体すなわち共重合ポリエステルにて形成されたもの、あるいは、エチレングリコールとイソフタル酸とテレフタル酸を含む共重合ポリエステルにて形成されたものが好ましい。
【0028】
短繊維成形体において高融点短繊維と低融点短繊維との混合比(質量比)は、高融点短繊維/低融点短繊維=70/30~40/60が好ましい。短繊維成形体中の高融点短繊維の質量割合が低すぎると、加熱圧縮のために熱を受けたときの形態保持性が低下する傾向となり、また、最終的に得られる目地材の強度や剛性が低下する傾向が生じる。また、高融点短繊維の質量割合が高すぎると、加熱圧縮による成形時に一体化されにくく、また得られる成形体の密度が高くならずに変形しやすい傾向となり、さらには、表面に毛羽立ちが生じやすくなる。
【0029】
なお、高融点短繊維と低融点短繊維とから構成される成形体において、上記した低融点重合体が鞘部を構成し、高融点重合体が芯部を構成してなる芯鞘型複合短繊維を低融点短繊維として用いてもよい。
【0030】
短繊維成形体の製造方法について説明する。すなわち、互いに融点差を有する複数種類の重合体により形成された複合短繊維が芯鞘型複合短繊維である場合において、この芯鞘型複合短繊維は、芯成分となるポリエステルと、鞘成分となる共重合ポリエステルとを、複合紡糸孔を持つ紡糸装置に供給して、溶融紡糸するという公知の方法で得ることができる。また、高融点短繊維と低融点短繊維とは、それぞれ準備する。
【0031】
そして、得られた短繊維をいわゆるカード法によって開繊及び集積することにより、短繊維不織ウェブを形成することができる。また、高融点短繊維と低融点短繊維とは、それぞれ所望の混合比となるように計量して混合し、カード法により開繊・集積して短繊維不織ウェブを形成する。
【0032】
このときの短繊維の繊度は、任意である。しかしながら、後述する圧縮をともなう熱成形により剛性に優れた成形体を得るには、芯鞘型複合短繊維を構成繊維とする成形体においては、その繊度が7デシテックス以上であるのが好ましい。なお、繊度の上限は30デシテックス程度とする。高融点短繊維と低融点短繊維とを含む混合体の場合は、高融点短繊維は、その繊度が7デシテックス以上であることが好ましく、その上限は30デシテックス程度とする。また、所望により繊度の異なる複数の高融点短繊維を用いてもよい。低融点短繊維は、高融点短繊維よりも繊度が小さいことが好ましく、2~7デシテックスがよい。低融点短繊維の繊度を、高融点短繊維よりも小さくする理由は、繊度を小さくすることにより、相対的に低融点短繊維の本数が多くなり、成形体中に構成繊維同士の接着領域が多くなることから、強固で均一な接着領域を形成させることができるためである。
【0033】
また、短繊維不織ウェブの目付は、剛性に優れた加熱圧縮成形体とするためには5kg/m2以上であるのが好ましい。なお、短繊維不織ウェブは、複数枚のウェブを重ねて5kg/m2以上としてもよい。
【0034】
短繊維不織ウェブに加熱圧縮が施されることで、所望の不織布が形成される。高融点の重合体が高融点ポリエステルであり、それよりも低融点の重合体が低融点ポリエステルである場合において、加熱圧縮時の加熱温度の範囲は120~220℃程度である。圧縮時の加圧力は、圧縮の程度により任意に選択することが良い。また、加熱圧縮する時間は、5~60秒程度で十分である。以上の加熱圧縮を施した後、室温中に放置して冷却する。このようにすると、たとえば成形体の構成繊維が芯鞘型のポリエステル複合繊維である場合には、鞘成分が溶融固化することで、芯鞘型複合繊維相互間が緊密に接着され、空隙が極端に減少し、剛性のあるプラスチック様のポリエステル短繊維成形体が得られる。
【0035】
加熱圧縮処理された短繊維成形体は、目付が5~9kg/m2、厚さが10~30mmであることで、目地材に適したものとなる。目付が5kg/m2未満、厚さが10mm未満だと、例えば使用時のコンクリートパネルの重量負荷による変形が大きくなってしまう。目付が9kg/m2を越えると、所望の透水性が得難くなる。たとえば目付が9kg/m2の不織布は、目付が4.5kg/m2の不織布を2枚重ねて上記の加熱圧縮処理を施したり、目付が3kg/m2の不織布を3枚重ねて上記の加熱圧縮処理を施したりすることで、簡単に得ることができる。
【0036】
[第2のテールアルメ工法用目地材]
<長繊維成形体にて形成されたもの>
長繊維成形体は、互いに融点差を有する複数種類の重合体により構成され少なくとも低融点の重合体が繊維表面に露出した複合長繊維を構成繊維とするか、または、高融点重合体により形成される高融点長繊維と、低融点重合体により形成される低融点長繊維とを含む混合体を構成繊維とする。
【0037】
複合長繊維の複合形態は、上記した複合短繊維の場合と同様である。複合形態が芯鞘型の複合形態である場合、すなわち成形体の構成繊維が芯鞘型複合長繊維である場合は、短繊維を用いた場合に比べて剛性の高い目地材を得ることができる。
【0038】
長繊維成形体が、高融点長繊維と低融点長繊維とを含む混合体を構成繊維とする場合は、上記した短繊維成形体において、高融点短繊維と低融点短繊維とを含む混合体を構成繊維とする場合と同様の高融点重合体および低融点重合体から構成される繊維を用いるとよい。これらの短繊維と長繊維とは、繊維長が異なるものであり、短繊維の場合は、特定の繊維長を有するものであるが、長繊維は連続繊維である。この長繊維成形体が、高融点長繊維と低融点長繊維とを含む混合体を構成繊維とする場合も、短繊維を用いた場合に比べて、剛性の高い目地材を得ることができる。
【0039】
長繊維不織ウェブは、いわゆるスパンボンド法により得られる長繊維不織ウェブを用いるのが好ましい。すなわち、溶融紡糸して得られた長繊維を、直ちにシート状に集積して、長繊維不織ウェブを得ることができる。長繊維不織ウェブの目付は、5kg/m2以上が好ましい。長繊維ウェブの目付が低すぎると、目地材に所望の圧縮特性を付与し難くなる。また、長繊維ウェブの目付が高すぎると、透水性を阻害しやすくなる。なお、長繊維不織ウェブは、複数枚のウェブを重ねて5kg/m2以上としてもよい。
【0040】
長繊維不織ウェブを用いたときの、その後の加熱圧縮処理や目付や厚さについては、上述の短繊維成形体の製造方法と同様である。
【0041】
長繊維不織ウェブは、長繊維が堆積してなるだけのものであってもよいが、長繊維相互間が交絡してなるものでもよい。交絡してなるものは、不織ウェブの段階でより繊維間が緻密であるため、剛性が向上する。交絡は、ニードルパンチ処理を施すことが好ましく、ニードルパンチ処理としては、長繊維相互間が接着されていない状態でニードルパンチを施してもよいし、芯鞘型複合長繊維相互間が接着された状態でニードルパンチを施してもよい。前者の方法であれば、繊維相互間が接着されていないため、ニードルパンチを施した際の繊維へのダメージが少なく、糸切れ等による強度低下が起こりにくいため好ましい。また、後者の方法であれば、繊維相互間が接着された状態の繊維ウェブであるため、取扱いやすく、搬送しやすい。ニードルパンチは周知の方法で行われ、これによって、長繊維相互間が三次元的に交絡され、緻密なものとなる。。なお、長繊維相互間が接着されていた場合であっても、ニードルパンチによってこの接着は破壊され、長繊維相互間が三次元的に交絡される。パンチ密度は、10本以上/cm2であるのが好ましい。
【0042】
[第3のテールアルメ工法用目地材]
<短繊維成形体と長繊維成形体との積層体にて形成されたもの>
上述の短繊維成形体と長繊維成形体とが積層一体化されたものである。その製法としては、これらの短繊維成形体と長繊維成形体とを重ねたうえで、加熱圧縮により一体化する手法を例示することができる。あるいは、上述の短繊維不織ウェブと長繊維不織ウェブとを重ねたうえで加熱圧縮することで、成形体化と積層一体化とを一度に実施することができる。その際の加熱条件や、圧縮条件すなわち加圧条件は、上述した成形体化のときと同様とすることができる。なお、より良好に積層一体化するためには、不織ウェブの状態で重ねたうえ加熱圧縮する方法が好ましい。
【0043】
積層の形態としては、短繊維成形体層と長繊維成形体層とが2層構造となっている積層体を例示することができる。また、長繊維成形体層の上下両面にそれぞれ短繊維成形体層が積層された3層構造の積層体にて目地材を構成することもできるし、それ以上の任意の多層構造とすることもできる。
【0044】
いずれにせよ、得られた積層構造の目地材は、上述の場合と同様に、目付が5~9kg/m2、厚さが10~30mmであることが必要である。
【0045】
本発明のテールアルメ工法用目地材は、上記のような各種の態様で構成することが可能であるが、いずれの場合も、目地材へ所定の圧縮荷重が加わったときの圧縮後の厚さは、一定限度以上を保持することができる。その圧縮強さも、目地材に求められる性能を十分に満足することができる。圧縮荷重が加わったときには、その圧縮荷重にもとづき前方などへのはみ出しが生じる可能性があるが、所定の荷重下におけるはみ出しを一定量以下に制限することもできる。
【0046】
また本発明のテールアルメ工法用目地材は、剛性を有するプラスチック様の成形体であるが、不織ウェブを構成材料としているために、成形体中には細かな空隙を有し、したがって所要の透水性能を発揮することができる。たとえば、上記した10~30mmの厚さに形成されたときに、その面方向の透水係数すなわちその厚さと垂直な方向の透水係数を0.01cm/秒以上とすることができる。なお、テールアルメ水平目地材として機能するためには、面方向の透水係数は0.01cm/秒以上といわれている。
【実施例】
【0047】
以下に実施例、比較例を挙げ、本発明について説明する。
【0048】
試料を構成する短繊維不織ウェブおよび長繊維不織ウェブは、次のものを準備した。
【0049】
すなわち、短繊維不織ウェブとしては、詳細には、高融点短繊維として繊度の異なる2種の繊維、すなわち、ポリエチレンテレフタレートにて形成された高融点ポリエステル短繊維(繊維長:64mm、単繊維繊度:17デシテックス)と、ポリエチレンテレフタレートにて形成された高融点ポリエステル短繊維(繊維長:64mm、単繊維繊度:20デシテックス)を準備し、低融点短繊維としては、テレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコールとが共重合された共重合ポリエステルからなる全融着タイプの低融点ポリエステル短繊維(繊維長:51mm、単繊維繊度4.4デシテックス、融点110℃)を準備した。そして、17T64mm高融点ポリエステル短繊維/20T64mm高融点ポリエステル短繊維/低融点ポリエステル短繊維=30/30/40(質量比)の混率で、カード機に通し、不織ウェブを得た後、ニードルパンチ処理を施して、目付1.2kg/m2の短繊維不織ウェブを準備した。
【0050】
長繊維不織ウェブとしては、芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がテレフタル酸、アジピン酸、イソフタル酸、エチレングリコールから構成される共重合ポリエステル(融点200℃)が配された芯鞘型複合長繊維(単繊維繊度:3.3デシテックス)が堆積し、構成繊維同士がニードルパンチ処理によって交絡してなるスパンボンド不織ウェブ(目付1.2kg/m2)を準備した。
【0051】
実施例1
上記した短繊維不織ウェブを5枚積層し、厚みを規制して、温度210℃の条件で高圧で加熱圧縮加工を行い、厚さ20mm、目付6.0kg/m2の実施例1のテールアルメ工法用目地材を得た。得られた目地材は、剛性を有するプラスチック様の成形体であり、厚み方向に両手で強く押さえたところ、全く変形がみられず、非常に硬いものであった。
【0052】
実施例2
上記した長繊維不織ウェブを2枚積層し、その上に、上記した短繊維不織ウェブを5枚積層し、厚みを規制して、温度210℃の条件で高圧で加熱圧縮加工を行い、厚さ21mm、目付8.4kg/m2の実施例2のテールアルメ工法用目地材を得た。得られた目地材は、剛性を有するプラスチック様の成形体であり、厚み方向に両手で強く押さえたところ、全く変形がみられず、非常に硬いものであった。
【0053】
実施例3
上記した長繊維不織ウェブを6枚積層し、厚みを規制して、温度210℃の条件で高圧で加熱圧縮加工を行い、厚さ19mm、目付7.2kg/m2の実施例3のテールアルメ工法用目地材を得た。得られた目地材は、剛性を有するプラスチック様の成形体であり、厚み方向に両手で強く押さえたところ、全く変形がみられず、非常に硬いものであった。
【0054】
比較例1
上記した短繊維不織ウェブを3枚積層し、厚みを規制して、温度210℃の条件で高圧で加熱圧縮加工を行い、厚さ18mm、目付3.6kg/m2の短繊維成形体を得た。得られた短繊維成形体を厚み方向に両手で強く押さえたところ、わずかに変形がみられたことから、圧縮強さに劣るものであり、本発明が目的とするものではなく、目地材としての所望の圧縮特性を有するものではないと判断した。
【0055】
得られた実施例の目地材について、各種特性を測定した。なお、各種の特性値は、それぞれ下記のようにして求めた。なお、比較例の短繊維成形体は、所望の圧縮特性を有しないと判断したため、下の各種特性の測定は行っていない。
【0056】
(1)圧縮強さ(kPa)
22cm×22cmの試料を準備し、試料との接触部分が直径20cmの円盤状に形成された荷重測定器を用い、速度10mm/minで試料を圧縮し、厚み方向に5%圧縮となったときの試験装置の読みを圧縮強さとした。
【0057】
(2)圧縮荷重を受ける前および受けたときの厚さ(mm)
JIS L1908の2kPaの試験に準じて、試料の初期厚さを求めるとともに、この初期厚さから、試験圧力時の試験装置の変位量を引き算することで、試験圧力時の試料の厚さを求めた。
【0058】
(3)はみ出し量(mm)
縦×横が50×50mmの直方体形状の試料を準備し、この試料を厚さ方向に見たときの3辺の端面を固定的に保持した状態とするとともに、残りの1辺を開放状態とした。そして、試料の厚さ方向に所定の荷重(200kPa、300kPa)を加えたときの、開放部におけるはみ出し量を、ノギスを用いて測定した。
【0059】
(4)面方向の透水係数
ISO 12958に準拠して測定した。詳細には、縦×横が10cm×30cmの試料を準備して試験装置にセットし、拘束圧を200kPaとして、動水勾配1(試料長30cm、水頭差30cm)、集水時間60秒の条件で試験を実施した。
面方向の透水係数は、流量、通水長、水頭差、試料の幅寸法、試験時間、試験時の水温に対する水の粘性による補正係数を用いて算出した。
【0060】
測定結果を表1に示す。
【0061】
【0062】
実施例1~3の目地材は圧縮強さがあり、はみ出し量も少なく、良好な透水性を有していたものであった。
【0063】
なお、実施例3は、圧縮強さは未測定であるが、圧縮荷重を受けたときの厚さの結果からみても、最も変形量が小さいため、圧縮強さについても非常に大きいものであると考える。