(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】固体電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 10/617 20140101AFI20240704BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240704BHJP
H01M 10/6554 20140101ALI20240704BHJP
H01M 10/633 20140101ALI20240704BHJP
H01M 10/658 20140101ALI20240704BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240704BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20240704BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20240704BHJP
【FI】
H01M10/617
H01M10/613
H01M10/6554
H01M10/633
H01M10/658
H01M10/48 301
H01M10/6563
H01M10/6568
(21)【出願番号】P 2020083480
(22)【出願日】2020-05-11
【審査請求日】2023-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】矢口 竜也
(72)【発明者】
【氏名】池田 修久
(72)【発明者】
【氏名】小高 敏和
(72)【発明者】
【氏名】青谷 幸一郎
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-160502(JP,A)
【文献】特開2020-024886(JP,A)
【文献】特表2017-529646(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/617
H01M 10/613
H01M 10/6554
H01M 10/633
H01M 50/50
H01M 10/658
H01M 10/48
H01M 10/6563
H01M 10/6568
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極に金属リチウムを含む全固体電池からなる複数の電池ユニットと、
各前記電池ユニット間を電気的に接続する接続部材と、
前記接続部材の電気抵抗及び熱伝達抵抗の少なくとも一方を変化させて前記接続部材の温度を調節する抵抗可変手段と、を備
え、
各前記電池ユニット間は複数の前記接続部材により接続され、
前記抵抗可変手段は、前記接続部材と前記電池ユニットとの電気的接続状態を切り替える少なくとも1つの第1のスイッチを含み、
前記第1のスイッチの切り替えにより、前記電池ユニットに電気的に接続する前記接続部材の本数が変わり、前記接続部材の電気抵抗が変化する、
固体電池システム。
【請求項2】
請求項
1に記載の固体電池システムであって、
少なくとも1つの前記接続部材は、他の前記接続部材と長さ及び断面積の少なくとも一方が異なり、
前記第1のスイッチの切り替えにより、前記電池ユニットに電気的に接続する前記接続部材の長さ及び断面積の少なくとも一方が変わり、前記接続部材の電気抵抗が変化する、
固体電池システム。
【請求項3】
請求項1
または2に記載の固体電池システムであって、
前記抵抗可変手段は、前記接続部材に接続し、前記接続部材よりも表面積が大きい放熱部材と、
前記接続部材と前記放熱部材との接触及び非接触状態を切り替える第2のスイッチと、を含み、
前記第2のスイッチの切り替えにより、前記接続部材の放熱面積を変化し、前記接続部材の熱伝達抵抗が変化する、
固体電池システム。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれか一つに記載の固体電池システムであって、
前記抵抗可変手段は、
前記接続部材表面を被覆する断熱部材と、
前記断熱部材の位置を切り替え、前記断熱部材が前記接続部材表面を被覆する面積を変える第3のスイッチと、を含み、
前記第3のスイッチの切り替えにより、前記接続部材の放熱面積が変化し、熱伝達抵抗が変化する、
固体電池システム。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか一つに記載の固体電池システムであって、
熱媒体を用いて前記接続部材と熱交換する熱交換装置と、
前記熱媒体の温度を調節する熱媒体温度調節部と、をさらに備える、
固体電池システム。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか一つに記載の固体電池システムであって、
前記電池ユニットが電力を供給する外部負荷と前記電池ユニットとの間に設けられる抵抗可変部材をさらに備える、
固体電池システム。
【請求項7】
請求項1から
6のいずれか一つに記載の固体電池システムであって、
前記電池ユニットにおける前記接続部材が接続する部分近傍の第1の温度を検出する第1温度センサと、
前記電池ユニットにおける前記接続部材が接続する部分から離れた部位の第2の温度を検出する第2温度センサと、
前記接続部材の温度を検出する第3温度センサと、
前記抵抗可変手段を制御するコントローラと、をさらに備え、
前記コントローラは、
前記第1の温度が前記第2の温度よりも大きく且つその温度差が所定の第1の閾値以上の場合、前記接続部材の温度が前記第1の温度以下になるように、前記抵抗可変手段により前記接続部材の電気抵抗及び熱伝達抵抗の少なくとも一方を変化させ、
前記第2の温度が前記第1の温度よりも大きく且つその温度差が所定の第1の閾値以上の場合、前記接続部材の温度が前記第1の温度以上になるように、前記抵抗可変手段により前記接続部材の電気抵抗及び熱伝達抵抗の少なくとも一方を変化させ、
前記第1の温度と前記第2の温度との差の絶対値が所定の第1の閾値より小さい場合は、前記接続部材の温度が前記第1の温度または前記第2の温度になるように、前記抵抗可変手段により前記接続部材の電気抵抗及び熱伝達抵抗の少なくとも一方を変化させる、
固体電池システム。
【請求項8】
請求項5に記載の固体電池システムであって、
前記電池ユニットにおける前記接続部材が接続する部分近傍の第1の温度を検出する第1温度センサと、
前記電池ユニットにおける前記接続部材が接続する部分から離れた部位の第2の温度を検出する第2温度センサと、
前記接続部材の温度を検出する第3温度センサと、
前記熱媒体温度調節部を制御するコントローラと、をさらに備え、
前記コントローラは、
前記第1の温度が前記第2の温度よりも大きく且つその温度差が所定の第1の閾値以上の場合、前記接続部材の温度が前記第1の温度以下になるように、前記熱媒体温度調節部により前記熱媒体の温度を変化させ、
前記第2の温度が前記第1の温度よりも大きく且つその温度差が所定の第1の閾値以上の場合、前記接続部材の温度が前記第1の温度以上になるように、前記熱媒体温度調節部により前記熱媒体の温度を変化させ、
前記第1の温度と前記第2の温度との差の絶対値が所定の第1の閾値より小さい場合は、前記接続部材の温度が前記第1の温度または前記第2の温度になるように、前記熱媒体温度調節部により前記熱媒体の温度を変化させる、
固体電池システム。
【請求項9】
請求項
7または
8に記載の固体電池システムであって、
前記接続部材に流れる電流値を調整する電流調整部をさらに備え、
前記コントローラは、前記電流調整部を制御し、
前記コントローラは、
前記第1の温度が前記第2の温度よりも大きく且つその温度差が所定の第1の閾値以上の場合、前記接続部材の温度が前記第1の温度以下になるように、前記電流調整部により前記接続部材の電流値を小さくし、
前記第2の温度が前記第1の温度よりも大きく且つその温度差が所定の第1の閾値以上の場合、前記接続部材の温度が前記第1の温度以上になるように、前記電流調整部により前記接続部材の電流値を大きくし、
前記第1の温度と前記第2の温度との差の絶対値が所定の第1の閾値より小さい場合は、前記接続部材の温度が前記第1の温度または前記第2の温度になるように、前記電流調整部により前記接続部材の電流値を制御する、
固定電池システム。
【請求項10】
請求項
7または
8に記載の固体電池システムであって、
前記接続部材に流れる電流値を調節する電流調整部をさらに備え、
前記コントローラは、前記電流調整部を制御し、
前記コントローラは、前記第1の温度が前記第2の温度よりも大きく且つその温度差が前記第1の閾値より大きい所定の第2の閾値以上の場合、前記接続部材の電気抵抗及び熱伝達抵抗の少なくとも一方を変化させること、または熱媒体の温度を変化させること、に加え、前記電流調整部により前記接続部材の電流値を小さくする、
固体電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の単位電池を構成するセルと、セル同士を電気的に接続するバスバーとをケース内に収納した電池パックが開示されている。この電池パックでは、内部送風機を用いて、ケース内に風を循環させて、電池を冷却している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、固体電解質を用いる固体電池は、液系の電池に比べ耐熱性が高く、高温で使用できるため、急速充電性能に優れている。しかしながら、急速充電する場合、大電流が充放電されるため、固体電池の集電体に電気接続するバスバー(接続部材)が発熱する。これにより、バスバーと集電体に温度差が生じ、温度差によりバスバーの熱が集電体に伝わることで、バスバーに近い部位とバスバーから離れた部位との間で集電体内に温度差が生じる。このように集電体内に温度分布が生じると、固体電池の電池反応が不均一になる虞がある。特に、負極にリチウム金属(Li)を含む固体電池においては、リチウム金属(Li)は温度感度が高いため、温度分布による電池反応への影響が大きい。
【0005】
固体電池に対し、特許文献1のように、送風機の送風により温度制御を行っても、バスバーからの伝熱により生じる集電体内の温度分布を均一にすることは難しい。また、送風してから固体電池の温度が冷却されるまでに時間がかかる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みたものであり、固体電池の集電体内に温度分布の不均一が生じることを抑制できる固体電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、負極に金属リチウムを含む全固体電池からなる複数の電池ユニットを含む固体電池システムが提供される。この固体電池システムは、各電池ユニット間を電気的に接続する接続部材と、接続部材の電気抵抗及び熱伝達抵抗の少なくとも一方を変化させて接続部材の温度を調節する抵抗可変手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の固体電池システムによれば、接続部材の電気抵抗及び熱伝達抵抗の少なくとも一方を変化させる抵抗可変手段を備える。これにより、接続部材の発熱量や放熱量を制御することができ、接続部材の温度を任意に調節することができる。従って、固体電池と接続部材間との間の熱移動を制御することができ、固体電池の集電体内に温度分布の不均一が生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、各実施形態に共通する固体電池システムの主要構成を示す概略構成図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態による固体電池システムにおける電池ユニットとバスバーとの接続を示す概略構成図である。
【
図3】
図3は、一般的な固体電池システムにおける電池ユニットとバスバーとの接続を示す概略構成図である。
【
図4】
図4は、バスバーに電流が流れた後、所定時間経過後における電池ユニットの温度分布を示すグラフである。
【
図5a】
図5aは、バスバーの温度制御を説明する模式図である。
【
図5b】
図5bは、バスバーの温度制御を説明する模式図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態による固体電池システムにおけるバスバーの温度制御を説明するフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1実施形態の第1変形例による固体電池システムにおける電池ユニットとバスバーとの接続を示す概略構成図である。
【
図8a】
図8aは、第1実施形態の第1変形例によるバスバーの温度制御を説明する模式図である。
【
図8b】
図8bは、第1実施形態の第1変形例によるバスバーの温度制御を説明する模式図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態の第2変形例による固体電池システムにおける電池ユニットとバスバーとの接続を示す概略構成図である。
【
図10a】
図10aは、第1実施形態の第2変形例によるバスバーの温度制御を説明する模式図である。
【
図10b】
図10bは、第1実施形態の第2変形例によるバスバーの温度制御を説明する模式図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態の第2変形例による固体電池システムにおけるバスバーの温度制御を説明するフローチャートである。
【
図12】
図12は、第1実施形態の第3変形例による固体電池システムにおける電池ユニットとバスバーとの接続を示す概略構成図である。
【
図13a】
図13aは、第1実施形態の第3変形例によるバスバーの温度制御を説明する模式図である。
【
図13b】
図13bは、第1実施形態の第3変形例によるバスバーの温度制御を説明する模式図である。
【
図13c】
図13cは、第1実施形態の第3変形例によるバスバーの温度制御を説明する模式図である。
【
図14】
図14は、第2実施形態による固体電池システムにおける電池ユニットとバスバーとの接続を示す概略構成図である。
【
図15a】
図15aは、第2実施形態によるバスバーの温度制御を説明する模式図である。
【
図15b】
図15bは、第2実施形態によるバスバーの温度制御を説明する模式図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態による固体電池システムにおけるバスバーの温度制御を説明するフローチャートである。
【
図17】
図17は、第2実施形態の変形例による固体電池システムにおける電池ユニットとバスバーとの接続を示す概略構成図である。
【
図18】
図18は、第2実施形態の変形例によるバスバーの温度制御を説明する模式図である。
【
図19】
図19は、第3実施形態による固体電池システムにおける電池ユニットとバスバーとの接続を示す概略構成図である。
【
図20】
図20は、第3実施形態による固体電池システムにおけるバスバーの温度制御を説明するフローチャートである。
【
図21】
図21は、第4実施形態による固体電池システムにおけるバスバーの温度制御を説明するフローチャートである。
【
図22】
図22は、第5実施形態による固体電池システムにおけるバスバーの温度制御を説明するフローチャートである。
【
図23】
図23は、第5実施形態の変形例による固体電池システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、各実施形態に共通する固体電池システム100の主要構成を示す概略構成図である。
【0012】
図1に示すように、固体電池システム100は、固体電池(二次電池)1、温度センサ2、電流センサ3、電流調整部4、外部電源5、コントローラ6等から構成される。
【0013】
固体電池1は、例えば全固体リチウムイオン二次電池であり、複数の電池ユニット10から構成される。電池ユニット10は、1または複数の全固体電池セルから構成され、全固体電池セルの負極には金属リチウムを含む。各全固体電池セルの電極には、それぞれ集電体11(
図2参照)が圧着されている。また、各電池ユニット10間は、集電体11がバスバー20(
図2参照)により接続されている。なお、電池ユニット10とバスバー20の接続の詳細については後述する。
【0014】
温度センサ2は、電池ユニット10と、各電池ユニット10間を接続するバスバー20とに設けられ、電池ユニット10と、バスバー20の温度を検知する。温度センサ2により検知された温度は、信号としてコントローラ6に送信される。
【0015】
電流センサ3は、例えば電流計であり、固体電池1の充電時には電流調整部4から固体電池1に供給される電力の電流値を測定し、放電時には固体電池1から電流調整部4に供給される電力の電流値を測定する。測定された電流値は、信号としてコントローラ6に送信される。なお、電流センサ3の設置位置は、固体電池1の充放電時の電流を測定できる位置であれば特に限定されない。
【0016】
電流調整部4は、固体電池1の充放電時の電流を調整する。電流調整部4は、固体電池1の充電時には、外部電源5から固体電池1に供給される電力の電流を調整し、放電時には、固体電池1から外部電源5に放出される電力の電流を調整する。なお、電流調整部4は、コントローラ6によって制御される。
【0017】
外部電源5は、商用電源または他の二次電池等(図示しない)に接続されており、固体電池1に電力を供給する。外部電源5は直流を出力し、固体電池1の充電に必要な電圧値及び電流値で、電力を固体電池1に供給する。また、外部電源5は電力回生機能が備えられており、固体電池1からの放電があった場合、直流を交流に変換し、商用電源に回生する、または直流の放電電力を、他の二次電池等に蓄電させることができる。なお、外部電源5は、コントローラ6によって制御される。
【0018】
コントローラ6は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RΑM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたコンピュータで構成され、固体電池システム100の統合的な制御を行う。コントローラ6は、例えば、後述する抵抗可変手段30を制御して、バスバー20の温度を制御する。また、コントローラ6は、特定のプログラムを実行することにより、固体電池システム100の制御のための処理を実行する。
【0019】
図2は、第1実施形態による固体電池システム100における電池ユニット10とバスバー(接続部材)20との接続を示す概略構成図であり、隣接する2つの電池ユニット10と、これら2つの電池ユニット10を接続するバスバー20とを示している。
【0020】
前述のとおり、電池ユニット10は、1または複数の全固体電池セルから構成され、各全固体電池セルの電極には、それぞれ集電体11が圧着されている。
【0021】
図2に示すように、各電池ユニット10間は、集電体11が複数(例えば3本)のバスバー20により電気的に接続されている。複数のバスバー20のうち、第1のバスバー201は直接電池ユニット10に接続され、第1、第2のバスバー201、202は一端が接続切替スイッチ(第1のスイッチ)30を介して電池ユニット10に接続されている。
【0022】
なお、電池ユニット10におけるバスバー20が接続する部分近傍、電池ユニット10におけるバスバー20が接続する部分から離れた部位、及びバスバー20には、それぞれ不図示の温度センサ2(第1~第3温度センサ)が備えられている。各温度センサ2により検出された温度の情報は、コントローラ6に送信される。
【0023】
接続切替スイッチ(第1のスイッチ)30は例えば電磁スイッチであり、バスバー20と電池ユニット10との電気的な接続と切り離しとを切替可能に構成されている。なお、接続切替スイッチ30の電気的接続状態は、コントローラ6により制御される。
【0024】
図3は、一般的な固体電池システム100’における電池ユニット10’とバスバー20’との接続を示す概略構成図であり、
図4は、バスバー20’に電流が流れた後、所定時間経過後における電池ユニット10’(集電体11’)の温度分布を示す図である。
【0025】
図3に示すように、一般的な固体電池システム100’においては、隣接する電池ユニット10’間が一つのバスバー20’によって電気的に接続されている。
【0026】
ここで、電池ユニット10’への充電が開始され、バスバー20’に電流が流れると、バスバー20’が発熱し、バスバー20’と電池ユニット10’(集電体11’)との間に温度差が生じ、バスバー20’から電池ユニット10’への熱の授受が起こる。これにより、
図4に示すように、電池ユニット10’ではバスバー20’からの距離が近い部位ほど温度が高くなる。従って、電池ユニット10’内におけるバスバー20’が接続する部分近傍の温度と、バスバー20’が接続する部分から離れた部位の温度との間に温度差ΔT’が生じる。このように電池ユニット10’内の温度分布が不均一になると、電池反応が不均一になる虞がある。特に、負極にリチウム金属(Li)を含む固体電池においては、リチウム金属(Li)の温度感度が高いため、バスバー20’との熱授受の影響を極めて強く受ける。例えば、電池ユニット10’内の温度差が大きいと、部位によって充電中のリチウムの析出量に差が生じ、負極が固体電解質から剥離し易くなってしまう。
【0027】
そこで本実施形態では、バスバー20の電流通過断面積を可変にすることで、バスバー20の電気抵抗を変化させてバスバー20の温度を調節することとした。具体的には、前述のとおり、各電池ユニット10間を複数のバスバー20により接続し、バスバー20と電池ユニット10との間の電気的接続状態を接続切替スイッチ30により切り替え可能とした。
【0028】
図5a及び
図5bは、本実施形態におけるバスバーの温度制御を説明する模式図である。
【0029】
図5a及び
図5bに示すように、隣接する電池ユニット10間は、第1~第3のバスバー201,202,203により接続されている。また、第1、第2のバスバー202,203と電池ユニット10との間にはそれぞれ第1、第2の接続切替スイッチ301,302が介在している。
【0030】
電池ユニット10への充電が開始される前は、
図5aに示すように、隣接する電池ユニット10間は第3のバスバー203によって電気的に接続されている。一方、第1、第2の接続切替スイッチ301,302はいずれもオフに設定されており、第1、第2のバスバー201,202は、電池ユニット10と電気的に切断されている。
【0031】
この状態で、電池ユニット10への充電が開始され、第3のバスバー203に電流が流れると、第3のバスバー203が発熱し、第3のバスバー203の温度が上昇する。第3のバスバー203と電池ユニット10との間で温度差が生じると、第3のバスバー203から電池ユニット10への熱の授受が起こる。これにより、電池ユニット10におけるバスバー20が接続する部分近傍の温度(第1の温度)とバスバー20が接続する部分から離れた部位の温度(第2の温度)との間に温度差ΔTが生じる。
【0032】
ここで、バスバー20の発熱量Hはバスバー20の電流Iと、バスバー20の電気抵抗(部材電気抵抗)Rとによって以下の式(1)から決定される。
【数1】
【0033】
また、バスバー20の電気抵抗Rは、以下の式(2)により決定される。なお、式(2)において、σはバスバー20の電気伝導度、L
Iはバスバー20における電流通過長さ、S
Iはバスバー20における電流通過断面積である。
【数2】
【0034】
第1のバスバー201に電流が流れ、バスバー20近傍の温度(第1の温度)が、バスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)よりも所定の閾値ΔT
th以上大きくなると、
図5bに示すように、第1、第2の接続切替スイッチ301,302はオンにされる。これにより、第1~第3のバスバー201,202,203は、いずれも電池ユニット10と電気的に接続した状態となる。即ち、バスバー20全体としての電流通過断面積が大きくなり、式(2)から、バスバー20の電気抵抗Rが低下する。従って、バスバー20の発熱量Hが低下し、電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)よりもバスバー20の温度(第3の温度)が低くなる。このため、電池ユニット10からバスバー20へと熱の授受が起こり、電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)が低下し、第1の温度と第2の温度との差が小さくなる。即ち、電池ユニット10の温度分布が均一化されていく。このように、接続切替スイッチ30がオンにされることで、バスバー20の発熱により電池ユニット10の温度分布が不均一になることが抑制される。
【0035】
一方、バスバー20近傍の温度(第1の温度)が、バスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)よりも所定の閾値ΔTth以上小さくなると、第1、第2の接続切替スイッチ301,302の一方または両方がオフに切り替えられる。これにより、バスバー20全体としての電流通過断面積が小さくなり、バスバー20の電気抵抗Rが上昇する。従って、バスバー20の発熱量Hが増加し、電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)よりもバスバー20の温度(第3の温度)が高くなる。このため、バスバー20から電池ユニット10へと熱の授受が起こり、電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)が上昇し、第1の温度と第2の温度との差が小さくなる。即ち、電池ユニット10の温度分布が均一化されていく。このように、第1の温度が第2の温度よりも小さい場合は、接続切替スイッチ30がオフにされることで、電池ユニット10の温度分布の不均一が改善される。
【0036】
なお、バスバー20近傍の温度(第1の温度)と、バスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)とが等温である場合、またはその温度差ΔTが所定の閾値ΔTthよりも小さい場合は、バスバー20の温度(第3の温度)が第1の温度に近づくように接続切替スイッチ30が調節される。例えば、バスバー20の温度(第3の温度)が、バスバー20近傍の温度(第1の温度)よりも小さい場合は、接続切替スイッチ30はオフに切り替えられる。これにより、バスバー20の電流通過断面積が小さくなるため、バスバー20の電気抵抗Rが上昇し、バスバー20の温度が上昇する。一方、バスバー20の温度(第3の温度)が、バスバー20近傍の温度(第1の温度)よりも大きい場合は、接続切替スイッチ30がオンに切り替えられる。これにより、電流通過断面積が大きくなり、バスバー20の電気抵抗Rが低下し、バスバー20の温度が減少する。
【0037】
このように、接続切替スイッチ30は、電池ユニット10に電気的に接続するバスバー20の本数を切り替えることでバスバー20の電気抵抗を変化させる(電気)抵抗可変手段として機能する。接続切替スイッチ30によりバスバー20の電気抵抗を変化させることで、バスバー20の温度を制御することができる。
【0038】
図6は、第1実施形態による固体電池システム100におけるバスバー20の温度制御を説明するフローチャートである。なお、以下の制御はいずれもコントローラ6により所定時間ごとに繰り返し実行される。
【0039】
固体電池システム100が起動している場合、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を開始する。ステップS101において、コントローラ6は、電池ユニット10におけるバスバー20が接続する部分近傍の温度(第1の温度)、電池ユニット10におけるバスバー20が接続する部分から離れた部位の温度(第2の温度)、バスバー20の温度(第3の温度)を取得する。
【0040】
ステップS102において、コントローラ6は、電池ユニットにおけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)とバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)との温度差ΔTが0または所定の閾値ΔTthよりも小さいか否かを判断する。なお、温度差ΔTとは、温度差の絶対値のことを言う(以下同様)。また、バスバー20から離れた部位とは、好ましくは電池ユニット10におけるバスバーが接続する部分から最も遠い位置であるが、必ずしもこれに限られない。バスバー20の発熱により、電池ユニット10内の温度が不均一になった場合に、第1及び第2温度センサにより温度の不均一を確認できる程度にバスバー20から離れた部位であればよい。また、所定の閾値ΔTthは、電池ユニット10内の温度の不均一により電池反応が不均一になるような値よりも小さな値に設定され、実験等により決定することができる。また、所定の閾値ΔTthは、第2温度センサの設置位置も考慮される。例えば、第1温度センサと第2温度センサとの距離がより近い場合、第1温度センサと第2温度センサとの距離がより遠い場合に比べ第1の温度と第2の温度との差が小さくなるため、所定の閾値ΔTthはより小さい値に設定される。
【0041】
ステップS102において、第1の温度と第2の温度との温度差ΔTが0または所定の閾値ΔTthよりも小さい場合、電池ユニット10内の温度分布は略均一である。この場合、コントローラ6は、ステップS103の処理を実行する。一方、ステップS102において、第1の温度と第2の温度との温度差ΔTが所定の閾値ΔTth以上である場合、コントローラ6は、ステップS107の処理を実行する。
【0042】
なお、ステップS102においては、現在の第1の温度と第2の温度との温度差ΔTに加え、所定時間経過後の第1の温度と第2の温度との温度差ΔTを推定し、推定値が所定の閾値ΔTthよりも小さいか否かを判断するようにしてもよい。
【0043】
ステップS103において、コントローラ6は、バスバー20の温度(第3の温度)が、電池ユニットにおけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)と等しいか否かを判断する。第3の温度と第1の温度とが略等しい場合、バスバー20及び電池ユニット10内の温度は略均一であるため、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0044】
一方、ステップS103において、第3の温度と第1の温度とが等しくない場合、コントローラ6は、ステップS104の処理を実行する。
【0045】
ステップS104において、コントローラ6は、バスバー20の温度(第3の温度)が、電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)よりも高いか否かを判断する。第3の温度が第1の温度よりも高い場合、コントローラ6は、ステップS105の処理を実行する。一方、第3の温度が第1の温度よりも低い場合、コントローラ6は、ステップS106の処理を実行する。
【0046】
ステップS105において、コントローラ6は、接続切替スイッチ30をオンにして、バスバー20の電流通過断面積を増加させる。これにより、バスバー20の電気抵抗Rが低下し、バスバー20の温度(第3の温度)が低下する。従って、バスバー20の温度が電池ユニット10の温度に近づいていき、バスバー20の温度と電池ユニット10の温度とが略均一になる。なお、第1、第2の接続切替スイッチ301,302のいずれもオンにするか、一方のみをオンにするかは、第3の温度と第1の温度のとの温度差がどの程度であるかに基づき決定される。例えば、温度差が大きい場合、第1、第2の接続切替スイッチ301,302の両方をオンにして、バスバー20の電流通過断面積をより増加させる。これにより、バスバー20の電気抵抗Rはより低下し、バスバー20の温度がより低下する。一方、第3の温度と第1の温度のとの温度差が小さい場合、第1、第2の接続切替スイッチ301,302の一方のみをオンにして、両方をオンにした場合よりもバスバー20の電流通過断面積を小さくする。これにより、接続切替スイッチ30をすべてオンにした場合よりもバスバー20の電気抵抗Rの低下量は少なくなり、バスバー20の温度低下は小さくなる。
【0047】
ステップS105において、接続切替スイッチ30をオンにして、バスバー20の電流通過断面積を増加させると、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0048】
ステップS104において、第3の温度が第1の温度よりも低い場合、コントローラ6は、ステップS106において、接続切替スイッチ30をオフにして、バスバー20の電流通過断面積を減少させる。これにより、バスバー20の電気抵抗Rが増加し、バスバー20の温度(第3の温度)が上昇する。従って、バスバー20の温度が電池ユニット10の温度に近づいていき、バスバー20の温度と電池ユニット10の温度とが略均一になる。ステップS106において、第1、第2の接続切替スイッチ301,302のいずれもオフにするか、一方のみをオフにするかは、第3の温度と第1の温度のとの温度差がどの程度であるかに基づき決定する。なお、接続切替スイッチ30がオフの状態にある場合、通常、バスバー20の温度(第3の温度)が電池ユニット10の温度よりも低くなることはない。従って、ステップS104において第3の温度が第1の温度よりも低い場合とは、通常、今回より前の温度制御サイクルにおいて接続切替スイッチ30がオンにされ、バスバー20の温度が電池ユニット10の温度よりも低くなった場合である。即ち、ステップS106の処理を実行する前、通常は、接続切替スイッチ30はオンの状態である。
【0049】
ステップS106において、接続切替スイッチ30をオフにして、バスバー20の電流通過断面積を減少させると、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0050】
次に、ステップS102において、第1の温度と第2の温度との温度差ΔTが所定の閾値ΔTth以上である場合、コントローラ6は、ステップS107おいて、第1の温度が第2の温度よりも高いか否かを判断する。電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)がバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)よりも高い場合、コントローラ6は、ステップS108の処理を実行する。一方、バスバー20近傍の温度(第1の温度)がバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)よりも低い場合、コントローラ6は、ステップS109の処理を実行する。
【0051】
第1の温度が第2の温度よりも高い場合、ステップS108において、コントローラ6は、接続切替スイッチ30をオンにして、バスバー20の電流通過断面積を増加させる。これにより、バスバー20の電気抵抗Rが低下し、バスバー20の温度(第3の温度)が低下する。従って、バスバー20の温度(第3の温度)が電池ユニット10の温度よりも低くなり、電池ユニット10からバスバー20への熱の授受が起こるため、電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)が低下する。よって、バスバー20近傍の温度(第1の温度)がバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)に近づき、電池ユニット10内の温度分布が均一化される。
【0052】
ステップS108において、接続切替スイッチ30をオンにして、バスバー20の電流通過断面積を増加させると、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0053】
一方、ステップS107において、第1の温度が第2の温度より低い場合、コントローラ6は、ステップS109において、接続切替スイッチ30をオフにして、バスバー20の電流通過断面積を減少させる。これにより、バスバー20の電気抵抗Rが増加し、バスバー20の温度(第3の温度)が上昇する。従って、バスバー20の温度(第3の温度)が電池ユニット10の温度よりも高くなり、バスバー20から電池ユニットへの熱の授受が起こるため、電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)が上昇する。よって、バスバー20近傍の温度(第1の温度)がバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)に近づき、電池ユニット10内の温度分布が均一化される。なお、第1、第2の接続切替スイッチ301,302のいずれもオフにするか、一方のみをオフにするかは、第1の温度と第2の温度のとの温度差がどの程度であるかに基づき決定される。また、接続切替スイッチ30がオフの状態にある場合、通常、バスバー20近傍の温度(第1の温度)がバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)よりも低くなることはない。従って、ステップS107において第1の温度が第2の温度よりも低い場合とは、通常、今回より前の温度制御サイクルにおいて接続切替スイッチ30がオンにされ、第1の温度が第2の温度よりも低くなった場合である。即ち、ステップS109の処理を実行する前、通常は、接続切替スイッチ30はオンの状態である。
【0054】
ステップS109において、接続切替スイッチ30をオフにして、バスバー20の電流通過断面積を減少させると、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0055】
上記した第1実施形態の固体電池システム100によれば、以下の効果を得ることができる。
【0056】
固体電池システム100は、各電池ユニット10間を電気的に接続するバスバー(接続部材)20と、バスバー(接続部材)20と電池ユニット10との電気的接続状態を切り替える接続切替スイッチ(抵抗可変手段、第1のスイッチ)30と、を備える。接続切替スイッチ(抵抗可変手段)30により、バスバー(接続部材)20と電池ユニット10との電気的接続状態が切り替わることで、バスバー(接続部材)20の電気抵抗が変化する。従って、接続切替スイッチ(抵抗可変手段、第1のスイッチ)30により、バスバー(接続部材)20の発熱量を制御することができ、バスバー(接続部材)20の温度を任意に調節することができる。よって、電池ユニット10とバスバー(接続部材)20との間の熱移動を制御することができ、電池ユニット10(集電体11)内に温度分布の不均一が生じることを抑制できる。
【0057】
固体電池システム100は、各電池ユニット10間が複数のバスバー(接続部材)20により接続される。また、固体電池システム100は、バスバー(接続部材)20と電池ユニット10との電気的接続状態を切り替える接続切替スイッチ(抵抗可変手段、第1のスイッチ)30を備える。そして、接続切替スイッチ(抵抗可変手段、第1のスイッチ)30の切り替えにより、電池ユニット10に電気的に接続するバスバー(接続部材)20の本数が変わり、バスバー(接続部材)20の電気抵抗が変化する。従って、接続切替スイッチ(抵抗可変手段、第1のスイッチ)30により、バスバー(接続部材)20の発熱量を制御することができ、バスバー(接続部材)20の温度を任意に調節することができる。よって、電池ユニット10とバスバー(接続部材)20との間の熱移動を制御することができ、電池ユニット10(集電体11)内に温度分布の不均一が生じることを抑制できる。
【0058】
なお、本実施形態においては、接続切替スイッチ30を用いて、バスバー20の電気抵抗を変化させているが、バスバー20の電気抵抗を変化させる方法はこれに限られず、如何なる方法を用いてもよい。
【0059】
また、本実施形態においては、バスバー20の本数を3本、接続切替スイッチ30の個数を2つとしたが、バスバー20の本数と接続切替スイッチ30の個数はこれに限られない。少なくとも2本のバスバー20と、少なくとも1つの接続切替スイッチ30を備えていれば、本実施形態の効果を得ることができる。即ち、例えば、バスバー20を2本、接続切替スイッチ30を1つ備える構成であってもよく、また、バスバー20を4本以上、接続切替スイッチ30を3つ以上備える構成であってもよい。
【0060】
また、本実施形態においては、第1のバスバー201は直接電池ユニット10に接続され、第2、第3のバスバー202、203は一端が接続切替スイッチ30を介して電池ユニット10に接続される構成としたがこれに限られない。例えば、すべてのバスバー20が接続切替スイッチ30を介して電池ユニット10に接続されていてもよい。また、一つのバスバー20のみが接続切替スイッチ30を介して電池ユニット10に接続され、その他のバスバー20は直接電池ユニット10に接続されていてもよい。
【0061】
また、本実施形態においては、初期状態において、複数の接続切替スイッチ30は、いずれもオフに設定されているものとしたが、必ずしもこれに限られない。例えば、初期状態において、一部の接続切替スイッチ30をオン、一部の接続切替スイッチ30をオフに設定してもよい。
【0062】
(第1実施形態の第1変形例)
図7は、第1実施形態の第1変形例による固体電池システム100における電池ユニット10とバスバー(接続部材)20aとの接続を示す概略構成図である。本変形例では、各電池ユニット10間を、断面積が異なる複数のバスバー20aによって接続している点が第1実施形態と異なる。
【0063】
図7に示すように、隣接する電池ユニット10間は、第1のバスバー201aと、第1のバスバー201aよりも断面積(幅方向の長さ)が大きい第2のバスバー202aとにより接続されている。各バスバー201a,202aの一端と電池ユニット10との間にはそれぞれ第1、第2の接続切替スイッチ301a,302aが介在している。
【0064】
図8a及び
図8bは、本変形例におけるバスバーの温度制御を説明する模式図である。
【0065】
電池ユニット10への充電が開始される前は、
図8aに示すように、第1の接続切替スイッチ301aはオンに設定されており、隣接する電池ユニット10a間は第1のバスバー201aによって電気的に接続されている。一方、第2の接続切替スイッチ302aはオフに設定されており、第2のバスバー202aは、電池ユニット10と電気的に切り離されている。
【0066】
この状態で、電池ユニット10への充電が開始され、第1のバスバー201aに電流が流れると、第1実施形態と同様に、第1のバスバー201aの温度が上昇し、電池ユニット10におけるバスバー20a近傍とバスバー20aから離れた部位とで温度差が生じる。この温度差が所定の閾値ΔT
thより大きくなると、
図8bに示すように、第2の接続切替スイッチ302aはオンに切り替わり、第1の接続切替スイッチ301aはオフに切り替わる。第2のバスバー202aは、第1のバスバー201aよりも断面積(幅方向の長さ)が大きいため、バスバー20a全体としての断面積が大きくなり、バスバー20aの電気抵抗が小さくなる。従って、バスバー20aの温度が低下し、電池ユニット10におけるバスバー20a近傍とバスバー20aから離れた部位との温度差は小さくなる。即ち、電池ユニット10内における温度分布の不均一が改善される。
【0067】
なお、バスバー20a近傍とバスバー20aから離れた部位との温度差がより大きい場合は、第1の接続切替スイッチ301aはオンのまま維持される。これにより、第1及び第2のバスバー201a,202aがいずれも電池ユニット10に電気的に接続され、バスバー20a全体としての電流通過断面積がより大きくなり、バスバー20aの電気抵抗はより小さくなる。従って、バスバー20aの温度は、より低下する。
【0068】
一方、バスバー20a近傍の温度がバスバー20aから離れた部位の温度よりも低くなった場合等のように、バスバー20aの温度を上昇させたい場合には、第1の接続切替スイッチ301aはオンに切り替えられ、第2の接続切替スイッチ302aはオフに切り替えられる(
図8aの状態)。これにより、バスバー20aの電流通過断面積が小さくなり、バスバー20aの電気抵抗が大きくなるため、バスバー20aの温度が上昇する。
【0069】
このように、本変形例においても、接続切替スイッチ30aのオン、オフを切り替えることで、バスバー20aの電流通過断面積を変化させて、バスバー20aの電気抵抗を変化させることができる。従って、接続切替スイッチ(抵抗可変手段、第1のスイッチ)30aにより、バスバー20aの温度を任意に調節することができる。
【0070】
なお、本変形例では、各電池ユニット10a間を、断面積が異なる2本のバスバー201a,202aによって接続しているが、断面積が異なる複数のバスバー20aを備えていればバスバー20aの本数はこれに限られない。例えば、各電池ユニット10a間を、断面積が異なる3本のバスバー20aによって接続し、各バスバー20aの一端と電池ユニット10aとの間に接続切替スイッチ30aを設けてもよい。
【0071】
(第1実施形態の第2変形例)
図9は、第1実施形態の第2変形例による固体電池システム100における電池ユニット10とバスバー20bとの接続を示す概略構成図である。本変形例では、各電池ユニット10間を、長さが異なる複数のバスバー20bによって接続している点が第1実施形態と異なる。
【0072】
図9に示すように、隣接する電池ユニット10間は、屈折した形状を有する第1のバスバー201bと、直線形状をした第2のバスバー202bとにより接続されている。屈折形状を有する第1のバスバー201bは、直性形状の第2のバスバー202bに比べて、長手方向の経路長が長い。また、各バスバー201b,202bの一端と電池ユニット10との間にはそれぞれ第1、第2の接続切替スイッチ301b,302bが介在している。
【0073】
図10a及び
図10bは、本変形例におけるバスバーの温度制御を説明する模式図である。
【0074】
電池ユニット10への充電が開始される前は、
図10aに示すように、第1の接続切替スイッチ301bはオンに設定されており、隣接する電池ユニット10b間は第1のバスバー201bによって電気的に接続されている。一方、第2の接続切替スイッチ302bはオフに設定されており、第2のバスバー202bは、電池ユニット10と電気的に切り離されている。
【0075】
この状態で、第1のバスバー201bに電流が流れると、第1のバスバー201bの温度が上昇し、電池ユニット10におけるバスバー20b近傍とバスバー20bから離れた部位とで温度差が生じる。この温度差が所定の閾値ΔT
thより大きくなると、
図10bに示すように、第2の接続切替スイッチ302bはオンに切り替わり、第1の接続切替スイッチ301bはオフに切り替わる。第2のバスバー202bは、第1のバスバー201bよりも短いため、バスバー20bの電流通過長さが短くなり、バスバー20bの電気抵抗が小さくなる。従って、バスバー20bの温度が電池ユニット10の温度よりも低下し、電池ユニット10からバスバー20bへの熱の授受が起こり、電池ユニット10におけるバスバー20b近傍の温度が低下する。よって、バスバー20b近傍とバスバー20bから離れた部位との温度差が小さくなり、電池ユニット10内における温度分布の不均一が改善される。
【0076】
一方、バスバー20b近傍の温度がバスバー20bから離れた部位の温度よりも低くなった場合等のように、バスバー20bの温度を上昇させたい場合、第1の接続切替スイッチ301bはオンに切り替えられ、第2の接続切替スイッチ302bはオフに切り替えられる(
図10aの状態)。これにより、バスバー20bの電流通過長さが長くなり、バスバー20bの電気抵抗が大きくなるため、バスバー20bの温度が上昇する。
【0077】
このように、本変形例においては、接続切替スイッチ30bのオン、オフを切り替えることで、バスバー20bの電流通過長さを変化させて、バスバー20bの電気抵抗を変化させている。これにより、バスバー20bの温度を任意に調節することができる。
【0078】
図11は、第1実施形態の第2変形例による固体電池システム100におけるバスバー20bの温度制御を説明するフローチャートである。
【0079】
ステップS101~S104は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。なお、第1実施形態におけるバスバー20、接続切替スイッチ30は、本変形例ではそれぞれバスバー20b、接続切替スイッチ30bに読み替える。
【0080】
ステップS104において、バスバー20の温度(第3の温度)が、電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)よりも高い場合、コントローラ6は、ステップS105’の処理を実行する。
【0081】
ステップS105’において、コントローラ6は、第1の接続切替スイッチ301bをオフに、第2の接続切替スイッチ302bをオンに切り替え、バスバー20bの電流通過長さを短くする。これにより、バスバー20bの電気抵抗Rが低下し、バスバー20bの温度(第3の温度)が低下するため、バスバー20bの温度が電池ユニット10bの温度に近づく。従って、バスバー20bの温度と電池ユニット10の温度とが略均一になる。
【0082】
ステップS105’において、接続切替スイッチ30bの切り替えによりバスバー20bの電流通過長さを短くすると、コントローラ6は、バスバー20bの温度制御を終了する。
【0083】
一方、ステップS104において、第3の温度が第1の温度よりも低い場合、コントローラ6は、ステップS106’の処理を実行する。
【0084】
ステップS106’において、コントローラ6は、第1の接続切替スイッチ301bをオンに、第2の接続切替スイッチ302bをオフに切り替えて、バスバー20bの電流通過長さを長くする。これにより、バスバー20bの電気抵抗Rが増加し、バスバー20bの温度(第3の温度)が上昇するため、バスバー20bの温度が電池ユニット10の温度に近づく。従って、バスバー20bの温度と電池ユニット10の温度とが略均一になる。なお、第2の接続切替スイッチ302bがオンの状態にある場合、通常は、バスバー20bの温度(第3の温度)が電池ユニット10bの温度よりも低くなることはない。従って、ステップS104において第3の温度が第1の温度よりも低い場合とは、通常、今回より前の温度制御サイクルにおいて第1の接続切替スイッチ301bがオフ、第2の接続切替スイッチ302bがオンに切り替えられた場合である。即ち、ステップS106’の処理を実行する前、通常は、第1の接続切替スイッチ301bはオフ、第2の接続切替スイッチ302bはオンの状態である。
【0085】
ステップS106’において、接続切替スイッチ30bの切り替えによりバスバー20bの電流通過長さを長くすると、コントローラ6は、バスバー20bの温度制御を終了する。
【0086】
次に、ステップS102において、バスバー20b近傍の温度(第1の温度)とバスバー20bから離れた部位の温度(第2の温度)との温度差ΔTが所定の閾値ΔTth以上である場合、第1実施形態と同様に、コントローラ6は、ステップS107の処理を実行する。
【0087】
ステップS107において、コントローラ6は、第1の温度が第2の温度よりも高いか否かを判断し、第1の温度が第2の温度よりも高い場合、ステップS108’の処理を、第1の温度が第2の温度よりも低い場合、ステップS109’の処理を実行する。
【0088】
ステップS108’において、コントローラ6は、第1の接続切替スイッチ301bをオフに、第2の接続切替スイッチ302bをオンに切り替え、バスバー20bの電流通過長さを短くする。これにより、バスバー20bの電気抵抗Rが低下するため、バスバー20bの温度(第3の温度)が電池ユニット10bにおけるバスバー20b近傍の温度(第1の温度)よりも低下する。従って、電池ユニット10bからバスバー20bへの熱の授受が起こり、電池ユニット10bにおけるバスバー20b近傍の温度(第1の温度)が低下する。従って、バスバー20b近傍の温度(第1の温度)がバスバー20bから離れた部位の温度(第2の温度)に近づき、電池ユニット10b内の温度分布が均一化される。
【0089】
ステップS108’において、接続切替スイッチ30bの切り替えによりバスバー20bの電流通過長さを短くすると、コントローラ6は、バスバー20bの温度制御を終了する。
【0090】
一方、ステップS107において、第1の温度が第2の温度より低い場合、コントローラ6は、ステップS109’において、第1の接続切替スイッチ301bをオンに、第2の接続切替スイッチ302bをオフに切り替え、バスバー20bの電流通過長さを長くする。これにより、バスバー20bの電気抵抗Rが増加するため、バスバー20bの温度(第3の温度)が電池ユニット10bにおけるバスバー20b近傍の温度(第1の温度)よりも上昇する。従って、バスバー20bから電池ユニット10への熱の授受が起こり、電池ユニット10bにおけるバスバー20b近傍の温度(第1の温度)が上昇する。よって、バスバー20b近傍の温度(第1の温度)がバスバー20bから離れた部位の温度(第2の温度)に近づき、電池ユニット10内の温度分布が均一化される。なお、第1の接続切替スイッチ301bがオンの状態にある場合、通常、バスバー20b近傍の温度(第1の温度)がバスバー20bから離れた部位の温度(第2の温度)よりも低くなることはない。従って、ステップS107において第1の温度が第2の温度よりも低い場合とは、通常、今回より前の温度制御サイクルにおいて第1の接続切替スイッチ301bがオフ、第2の接続切替スイッチ302bがオンに切り替えられた場合である。即ち、ステップS109’の処理を実行する前、通常は、第1の接続切替スイッチ301bはオフ、第2の接続切替スイッチ302bはオンの状態である。
【0091】
ステップS109’において、接続切替スイッチ30bの切り替えによりバスバー20bの電流通過長さを長くすると、コントローラ6は、バスバー20bの温度制御を終了する。
【0092】
なお、本変形例では、各電池ユニット10b間を、長さが異なる2本のバスバー201b,202bによって接続しているが、長さが異なる複数のバスバー20bによって接続していればバスバー20bの本数はこれに限られない。例えば、各電池ユニット10b間を、長さが異なる3本のバスバー20bによって接続し、各バスバー20bの一端と電池ユニット10bとの間に接続切替スイッチ30bを設けてもよい。
【0093】
(第1実施形態の第3変形例)
図12は、第1実施形態の第3変形例による固体電池システム100における電池ユニット10とバスバー20cとの接続を示す概略構成図である。本変形例では、隣接するバスバー20c間を電気的に接続するバスバー20cを備える点が第1実施形態と異なる。
【0094】
図12に示すように、固体電池システム100は、各電池ユニット10間を接続する複数のバスバー20cと、各電池ユニット10間を接続するとともに、隣接するバスバー20c間を接続するバスバー20cとを備える。
【0095】
各電池ユニット10間を接続する複数のバスバー20cは、第1~第5のバスバー201c,202c,203c,204c,205cを含む。第4のバスバー204cの一端は第1のバスバー201cの一端と接続し、第4のバスバー204cの他端は第2のバスバー202cの一端と接続している。第5のバスバー205cの一端は第2のバスバー202cの他端と接続し、第5のバスバー205cの他端は第3のバスバー203cの一端と接続している。このように、第1のバスバー201cと第2のバスバー202cとは第4のバスバー204cにより、第2のバスバー202cと第3のバスバー203cとは第5のバスバー205cにより接続されている。
【0096】
また、第1のバスバー201cと第4のバスバー204cとが接続する箇所、第2のバスバー202cと第4のバスバー204cとが接続する箇所には、それぞれバスバー間接続切替スイッチ31c(第1~第2のバスバー間接続切替スイッチ311c,312c)が介在している。同様に、第2のバスバー202cと第5のバスバー205cとが接続する箇所、第3のバスバー203cと第5のバスバー205cとが接続する箇所には、それぞれバスバー間接続切替スイッチ31c(第3~第4のバスバー間接続切替スイッチ313c,314c)が介在している。バスバー間接続切替スイッチ(抵抗可変手段、第1のスイッチ)31cは、バスバー20c間の電気的接続及び切り離しを切り替え可能に構成されている。
【0097】
一方、第1、第2のバスバー201c,202cの両端及び第3のバスバー203cの一端は、接続切替スイッチ30c(第1~第5の接続切替スイッチ301c,302c,303c,304c,305c)を介して電池ユニット10に接続している。接続切替スイッチ(抵抗可変手段、第1のスイッチ)30cは、バスバー20cと電池ユニット10との間の電気的接続及び切り離しを切り替え可能に構成されている。
【0098】
図13a及び
図13bは、本変形例におけるバスバーの温度制御を説明する模式図である。
【0099】
電池ユニット10への充電が開始される前は、第1の接続切替スイッチ301cはオンに設定され、その他の接続切替スイッチ302c~305cはいずれもオフに設定されている。また、バスバー間接続切替スイッチ31cはいずれもオンに設定されている。即ち、隣接する電池ユニット10間は、第1~第5のバスバー201c,202c,203c,204c,205cを介して電気的に接続されている。
【0100】
この状態で電池ユニット10への充電が開始され、バスバー20cに電流が流れると、
図13aに示すように、電流は第1、第4、第2、第5、第3のバスバー201c,204c,202c,205c,203cの順にバスバー20cを通過する。
【0101】
バスバー20cに電流が流れると、バスバー20cの発熱により、バスバー20cの温度が電池ユニット10の温度よりも上昇し、バスバー20cから電池ユニット10への熱の授受が起こる。これにより、電池ユニット10におけるバスバー20c近傍の温度が上昇し、バスバー20c近傍の温度(第1の温度)とバスバー20cから離れた部位の温度(第2の温度)とで温度差ΔTが生じる。この温度差ΔTが所定の閾値ΔT
thより大きくなると、バスバー20cの電流通過長さが短くなるように接続切替スイッチ30c及びバスバー間接続切替スイッチ31cのオン、オフが切り替えられる。例えば、第1~第4の接続切替スイッチ301c,302c,303c,304cと、すべてのバスバー間接続切替スイッチ31cがオフに切り替えられ、第5の接続切替スイッチ305cがオンに切り替えられる。これにより、
図13bに示すように、電流は第3のバスバー203cのみを通過する。即ち、バスバー20cの電流通過長さが短くなり、バスバー20cの電気抵抗が小さくなる。従って、バスバー20cの温度(第3の温度)が電池ユニット10におけるバスバー20c近傍の温度(第1の温度)よりも低下し、電池ユニット10からバスバー20cへの熱の授受が起こる。これにより、電池ユニット10におけるバスバー20c近傍の温度(第1の温度)が低下し、第1の温度と第2の温度との温度差ΔTは小さくなる。よって、電池ユニット10内における温度分布の不均一が抑制される。
【0102】
なお、電流通過断面積が増加するように接続切替スイッチ30c及びバスバー間接続切替スイッチ31cのオン、オフを切り替えることで、バスバー20cの温度を低下させることもできる。例えば、接続切替スイッチ30c(301c~305c)をいずれもオンに、バスバー間接続切替スイッチ31c(311c~314c)をいずれもオフに切り替えれば、
図13cに示すように、電池ユニット10間は第1~第3のバスバー201c,202c,203cにより電気的に接続される。これにより、第1実施形態と同様に、電流通過断面積が増加し、バスバー20cの電気抵抗Rが低下するため、バスバー20cの温度がさらに低下する。
【0103】
一方、第1の温度が第2の温度よりも低くなった場合等のように、バスバー20cの温度を上昇させたい場合には、バスバー20cの電流通過長さが長くなるように接続切替スイッチ30c及びバスバー間接続切替スイッチ31cのオン、オフが切り替えられる。例えば、第1の接続切替スイッチ301c及びすべてのバスバー間接続切替スイッチ31cがオンに切り替えられ、接続切替スイッチ302c~305cはいずれもオフに切り替えられる。これにより、電流は、第1、第4、第2、第5、第3のバスバー201c,204c,202c,205c,203cを通過するため(
図13aの状態)、バスバー20cの電流通過長さが長くなる。従って、バスバー20cの電気抵抗Rが大きくなるため、バスバー20cの温度が上昇する。なお、電流通過断面積を減少させるように接続切替スイッチ30c及びバスバー間接続切替スイッチ31cのオン、オフを切り替えて、バスバー20cの温度を上昇させてもよい。
【0104】
このように、本変形例においては、接続切替スイッチ30c及びバスバー間接続切替スイッチ31cのオン、オフを切り替えることで、バスバー20cの長さ及び断面積の少なくとも一方を変化させて、バスバー20cの電気抵抗を変化させることができる。これにより、バスバー20cの温度を任意に調節することができる。
【0105】
なお、本変形例では、各電池ユニット10間を接続する3本のバスバー20c(201c,202c,203c)と、バスバー20c間を接続する2本のバスバー20c(204c,205c)を備える構成としたが、バスバー20cの本数はこれに限られない。また、接続切替スイッチ30cを5個、バスバー間接続切替スイッチ31cを4個備える構成としたが、接続切替スイッチ30c及びバスバー間接続切替スイッチ31cの個数はこれに限られない。
【0106】
(第2実施形態)
図14及び
図15を参照して、第2実施形態の固体電池システム100を説明する。なお、第1実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0107】
図14は、第2実施形態による固体電池システム100における電池ユニット10とバスバー20との接続を示す概略構成図である。
図15a、
図15bは、本実施形態によるバスバーの温度制御を説明する模式図であり、
図14のA-A線に沿った断面図である。本実施形態では、バスバー(接続部材)20に接続する放熱プレート(放熱部材)40を備える点が他の実施形態と異なる。
【0108】
図14に示すように、バスバー20上には、バスバー20に接続する放熱プレート40が設置されている。
図14及び
図15a、
図15bに示すように、放熱プレート40は、複数のフィン401を備えており、放熱プレート40の表面積は、バスバー20の表面積よりも大きい。また、放熱プレート40の一端には、接続切替スイッチ(抵抗可変手段、第2のスイッチ)30Aが設置されている。
【0109】
接続切替スイッチ30Aは、バスバー20と放熱プレート40との物理的な接触及び非接触状態を切り替え可能に構成されている。
【0110】
電池ユニット10への充電が開始され、バスバー20に電流が流れると、バスバー20の発熱量が増加し、バスバー20の温度が電池ユニット10の温度よりも上昇する。これにより、バスバー20から電池ユニット10への熱の授受が起こり、電池ユニット10におけるバスバー20が接続する部分近傍の温度(第1の温度)が上昇する。バスバー20近傍の温度(第1の温度)が、バスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)よりも所定の閾値ΔT
th以上大きくなると、
図15aに示すように、接続切替スイッチ30Aは、バスバー20と放熱プレート40とが物理的に接触するように切り替えられる。これにより、放熱プレート40を介したバスバー20の放熱面積(部材表面積)Aが増加する。ここで、バスバー20の吸熱量Qは、以下の式(3)により表される。なお、式(3)において、T
hは熱媒体温度、Tはバスバー20の温度(部材温度)、R
hは熱伝達抵抗を示している。
【数3】
【0111】
また、バスバー20の熱伝達抵抗R
hは以下の式(4)により表される。なお、式(4)において、λは熱伝達率、Aはバスバー20の放熱面積(部材表面積)を示している。
【数4】
【0112】
式(3)及び式(4)のとおり、バスバー20の放熱面積(部材表面積)Aが増加するとバスバー20の熱伝達抵抗Rhが低下し、熱媒体温度Thはバスバー20の温度(部材温度)Tよりも低いので、バスバー20の放熱量が増加(バスバー20の吸熱量Qが減少)する。従って、バスバー20の温度Tが電池ユニット10の温度よりも低下し、電池ユニット10からバスバー20への熱の授受が起こる。これにより、電池ユニット10におけるバスバー20が接続する部分近傍の温度(第1の温度)が低下し、電池ユニット10内の温度分布が不均一になることが抑制される。
【0113】
なお、
図15aでは、バスバー20と放熱プレート40とを完全に接触させているが、一部を接触させてもよい。バスバー20と放熱プレート40とをどの程度接触させるかは、電池ユニット10におけるバスバー近傍の温度(第1の温度)とバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)との温度差に基づいて決定される。
【0114】
一方、第1の温度が、第2の温度よりも所定の閾値ΔT
th以上小さくなると、
図15bに示すように、接続切替スイッチ30Aは、バスバー20と放熱プレート40とが物理的に非接触状態になるように切り替えられる。これにより、バスバー20の放熱面積(部材表面積)Aが減少し、バスバー20の熱伝達抵抗R
hが上昇するため、バスバー20の放熱量が減少(バスバー20の吸熱量Qが増加)する。従って、バスバー20の温度(第3の温度)が上昇し、バスバー20から電池ユニット10への熱の授受が起こり、バスバー20が接続する部分近傍の温度(第1の温度)が上昇する。よって、第1の温度と第2の温度との差が小さくなり、電池ユニット10の温度分布が均一化されていく。
【0115】
なお、第1の温度と第2の温度とが等温、または温度差ΔTが所定の閾値ΔTthよりも小さい場合は、バスバー20の温度(第3の温度)が第1の温度に近づくように接続切替スイッチ30Aが切り替えられる。例えば、バスバー20の温度(第3の温度)が、電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)よりも小さい場合は、接続切替スイッチ30Aはバスバー20の放熱面積Aが小さくなるように切り替えられる。これにより、バスバー20の熱伝達抵抗が上昇し、バスバー20の温度が上昇する。一方、バスバー20の温度(第3の温度)が、バスバー20近傍の温度(第1の温度)よりも大きい場合は、接続切替スイッチ30Aはバスバー20の放熱面積が大きくなるように切り替えられる。これにより、バスバー20の熱伝達抵抗Rhが低下し、バスバー20の温度が低下する。
【0116】
このように、接続切替スイッチ30Aは、放熱プレート40とバスバー20との接触、非接触状態を切り替えることでバスバー20の熱伝達抵抗Rhを変化させる(熱)抵抗可変手段として機能する。接続切替スイッチ30Aによりバスバー20の熱伝達抵抗Rhを変化させることで、バスバー20の温度を制御することができる。
【0117】
図16は、第2実施形態による固体電池システム100におけるバスバー20の温度制御を説明するフローチャートである。
【0118】
ステップS101~S104は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0119】
ステップS104において、バスバー20の温度(第3の温度)が、電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)よりも高い場合、コントローラ6は、ステップS205の処理を実行する。
【0120】
ステップS205において、コントローラ6は、バスバー20の放熱面積Aが大きくなるように、接続切替スイッチ30Aを切り替える。即ち、バスバー20と放熱プレート40との接触面積を大きくする。これにより、バスバー20の熱伝達抵抗Rhが低下し、バスバー20の温度(第3の温度)が低下するため、バスバー20の温度が電池ユニット10の温度に近づき、バスバー20の温度と電池ユニット10の温度とが略均一になる。
【0121】
ステップS205において、接続切替スイッチ30Aの切り替えによりバスバー20の放熱面積Aを大きくすると、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0122】
一方、ステップS104において、第3の温度が第1の温度よりも低い場合、コントローラ6は、ステップS206の処理を実行する。
【0123】
ステップS206において、コントローラ6は、バスバー20の放熱面積Aが小さくなるように、接続切替スイッチ30Aを切り替える。即ち、バスバー20と放熱プレート40との接触面積を小さくする。これにより、バスバー20の熱伝達抵抗Rhが増加し、バスバー20の温度(第3の温度)が上昇するため、バスバー20の温度が電池ユニット10の温度に近づき、バスバー20の温度と電池ユニット10の温度とが略均一になる。
【0124】
ステップS206において、接続切替スイッチ30Aの切り替えによりバスバー20の放熱面積Aを小さくすると、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0125】
次に、ステップS102において、バスバー20近傍の温度(第1の温度)とバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)との温度差ΔTが所定の閾値ΔTth以上である場合、第1実施形態と同様に、コントローラ6は、ステップS107の処理を実行する。
【0126】
ステップS107において、コントローラ6は、第1の温度が第2の温度よりも高いか否かを判断し、第1の温度が第2の温度よりも高い場合、ステップS208の処理を、第1の温度が第2の温度よりも低い場合、ステップS209の処理を実行する。
【0127】
ステップS208において、コントローラ6は、バスバー20の放熱面積Aが大きくなるように、接続切替スイッチ30Aを切り替える。即ち、バスバー20と放熱プレート40との接触面積を大きくする。これにより、バスバー20の熱伝達抵抗Rhが低下し、バスバー20の温度(第3の温度)が電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)よりも低下する。従って、電池ユニット10からバスバー20への熱の授受が起こり、電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)が低下する。従って、バスバー20近傍の温度(第1の温度)がバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)に近づき、電池ユニット10内の温度分布が均一化される。
【0128】
ステップS208において、接続切替スイッチ30Aの切り替えによりバスバー20の放熱面積Aを大きくすると、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0129】
一方、ステップS107において、第1の温度が第2の温度より低い場合、コントローラ6は、ステップS209において、バスバー20の放熱面積Aが小さくなるように、接続切替スイッチ30Aを切り替える。即ち、バスバー20と放熱プレート40との接触面積を小さくする。これにより、バスバー20の熱伝達抵抗Rhが増加し、バスバー20の温度(第3の温度)が電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)よりも上昇する。従って、バスバー20から電池ユニット10への熱の授受が起こり、電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)が上昇する。従って、バスバー20近傍の温度(第1の温度)がバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)に近づき、電池ユニット10内の温度分布が均一化される。
【0130】
ステップS209において、接続切替スイッチ30Aの切り替えによりバスバー20の放熱面積Aを小さくすると、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0131】
上記した第2実施形態の固体電池システム100によれば、以下の効果を得ることができる。
【0132】
固体電池システム100は、各電池ユニット10間を電気的に接続するバスバー(接続部材)20と、バスバー(接続部材)20の熱伝達抵抗Rhを変化させる接続切替スイッチ30A(抵抗可変手段、第2のスイッチ)と、を備える。接続切替スイッチ(抵抗可変手段、第2のスイッチ)30Aにより、バスバー(接続部材)20の放熱面積Aが切り替わることで、バスバー(接続部材)20の熱伝達抵抗Rhが変化する。従って、接続切替スイッチ(抵抗可変手段、第2のスイッチ)30Aにより、バスバー(接続部材)20の放熱量を制御することができ、バスバー(接続部材)20の温度を任意に調節することができる。よって、電池ユニット10とバスバー(接続部材)20との間の熱移動を制御することができ、電池ユニット10(集電体11)内に温度分布の不均一が生じることを抑制できる。
【0133】
固体電池システム100は、バスバー(接続部材)20よりも表面積が大きい放熱プレート(放熱部材)40と、バスバー(接続部材)20と放熱プレート(放熱部材)40との接触及び非接触状態を切り替える接続切替スイッチ(抵抗可変手段、第2のスイッチ)30Aを備える。そして、接続切替スイッチ(抵抗可変手段、第2のスイッチ)30Aの切り替えにより、バスバー(接続部材)20と放熱プレート(放熱部材)40との接触及び非接触状態が切り替わり、バスバー(接続部材)20の熱伝達抵抗Rhが変化する。従って、接続切替スイッチ(抵抗可変手段、第2のスイッチ)30Aにより、バスバー(接続部材)20の放熱量を制御することができ、バスバー(接続部材)20の温度を任意に調節することができる。よって、電池ユニット10とバスバー(接続部材)20との間の熱移動を制御することができ、電池ユニット10(集電体11)内に温度分布の不均一が生じることを抑制できる。
【0134】
なお、本実施形態においては、接続切替スイッチ30Aを用いて、バスバー20の熱伝達抵抗Rhを変化させているが、バスバー20の熱伝達抵抗Rhを変化させる方法はこれに限られず、如何なる方法を用いてもよい。
【0135】
(第2実施形態の変形例)
図17は、第2実施形態の変形例による固体電池システム100における電池ユニット10とバスバー20との接続を示す概略構成図である。本変形例では、バスバー20の表面を被覆する断熱部材50を備える点が他の実施形態と異なる。
【0136】
図17に示すように、バスバー20上には、バスバー20の表面を被覆する断熱部材50が設置されている。断熱部材50は、位置切替スイッチ(第3のスイッチ)30Bを介して電池ユニット10に接続している。バスバー20の表面は凹状の溝51が形成され、断熱部材50は、当該溝51内に設置されている。
【0137】
図17に示すように、位置切替スイッチ30Bは、バスバー20と電池ユニット10とを跨いでバスバー20と電池ユニット10に固定される固定部301Bと、固定部301Bと断熱部材50とを接続するとともに、伸縮可能に構成された位置切替部302Bとを備える。位置切替スイッチ30B(位置切替部302B)の伸縮はコントローラ6により制御される。
【0138】
位置切替部302Bが伸長すると、
図18に示すように、断熱部材50は、バスバー20上から外れる方向にスライド移動し、バスバー20を被覆する面積が小さくなる。一方、位置切替部302Bが収縮すると、断熱部材50は、バスバー20上にスライド移動し、バスバーを被覆する面積が大きくなる(
図17の状態)。このように、断熱部材50は、位置切替スイッチ30Bにより位置が切り替えられるように構成されている。
【0139】
電池ユニット10への充電が開始され、バスバー20に電流が流れると、バスバー20の発熱量が増加し、バスバー20の温度が電池ユニット10の温度より上昇し、バスバー20から電池ユニット10への熱の授受が起こる。これにより、電池ユニット10におけるバスバー20が接続する部分の温度(第1の温度)が上昇する。バスバー20近傍の温度(第1の温度)がバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)よりも所定の閾値ΔT
th以上大きくなると、
図18に示すように、位置切替スイッチ30Bは、断熱部材50によるバスバー20の被覆面積が小さくなるように断熱部材50を移動させる。これにより、バスバー20の放熱面積(部材表面積)Aが大きくなり、バスバー20の熱伝達抵抗R
hが低下するため、バスバー20の放熱量が増加(吸熱量Qが減少)する。従って、バスバー20の温度が低下し、電池ユニット10からバスバー20への熱の授受がおこり、電池ユニット10におけるバスバー20が接続する部分近傍の温度(第1の温度)が低下する。よって、電池ユニット10内の温度分布が不均一になることが抑制される。
【0140】
なお、断熱部材50をどの程度移動させるか、即ちバスバー20の放熱面積Aをどの程度大きくするかは、電池ユニット10におけるバスバー近傍の温度(第1の温度)とバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)との温度差に基づいて決定される。
【0141】
一方、第1の温度が第2の温度よりも所定の閾値ΔT
th以上小さくなると、
図17に示すように、位置切替スイッチ30Bは、断熱部材50によるバスバー20の被覆面積が大きくなるように断熱部材50を移動させる。これにより、バスバー20の放熱面積(部材表面積)Aが小さくなり、バスバー20の熱伝達抵抗R
hが増加するため、バスバー20の放熱量が減少(吸熱量Qが増加)する。従って、バスバー20の温度が第1の温度よりも上昇し、バスバー20から電池ユニット10への熱の授受が起こり、第1の温度が上昇する。よって、第1の温度と第2の温度との差が小さくなり、電池ユニット10の温度分布が均一化される。
【0142】
なお、バスバー20近傍の温度(第1の温度)と、バスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)とが等温、または温度差ΔTが所定の閾値ΔTthよりも小さい場合は、バスバー20の温度(第3の温度)が第1の温度に近づくように位置切替スイッチ30Bが制御される。例えば、バスバー20の温度(第3の温度)が、バスバー20近傍の温度(第1の温度)よりも小さい場合は、位置切替スイッチ30Bにより、バスバー20の放熱面積Aが小さくなる方向に断熱部材50の位置が切り替えられる。これにより、バスバー20の熱伝達抵抗Rhが上昇し、バスバー20の温度が上昇する。一方、バスバー20の温度(第3の温度)が、バスバー20近傍の温度(第1の温度)よりも大きい場合は、位置切替スイッチ30Bにより、バスバー20の放熱面積Aが大きくなる方向に断熱部材50の位置が切り替えられる。これにより、バスバー20の熱伝達抵抗Rhが低下し、バスバー20の温度が低下する。
【0143】
このように、位置切替スイッチ30Bと断熱部材50とは、バスバー20の熱伝達抵抗を変化させる(熱)抵抗可変手段として機能する。位置切替スイッチ30B及び断熱部材50により、バスバー20の熱伝達抵抗を変化させることで、バスバー20の温度を制御することができる。即ち、本変形例によっても、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0144】
(第3実施形態)
図19及び
図20を参照して、第3実施形態の固体電池システム100を説明する。なお、他の実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0145】
図19は、第3実施形態による固体電池システム100における電池ユニット10とバスバー20との接続を示す概略構成図である。本実施形態では、熱交換装置60による熱交換によってバスバー(接続部材)20の温度を制御する点が他の実施形態と異なる。
【0146】
図19に示すように、バスバー20上には、熱媒体61を用いてバスバー20と熱交換可能な熱交換装置60が設置されている。
【0147】
熱媒体61は、固体、液体、気体のいずれのものを用いてもよく、熱媒体61の温度は、コントローラ6からの指令を受けた熱媒体温度調節部62により制御される。
【0148】
電池ユニット10への充電が開始され、バスバー20に電流が流れると、バスバー20の発熱量Hが増加し、バスバー20の温度が電池ユニット10よりも上昇する。これにより、バスバー20から電池ユニット10への熱の授受が起こり、電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)が上昇する。バスバー20近傍の温度(第1の温度)がバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)よりも所定の閾値ΔTth以上大きくなると、熱媒体温度調節部62により熱媒体61がバスバー20の温度よりも低くなるように制御される。これにより、熱交換装置60を介して熱媒体61とバスバー20との間で熱交換が起こり、前記の式(3)のとおり、バスバー20の放熱量が増加(吸熱量Qが減少)する。従って、バスバー20の温度Tが電池ユニット10よりも低下し、電池ユニット10からバスバー20への熱の授受が起こる。よって、第1の温度が低下し、電池ユニット10内の温度分布が不均一になることが抑制される。
【0149】
なお、熱媒体61の温度をどの程度冷却するかは、電池ユニット10におけるバスバー近傍の温度(第1の温度)とバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)との温度差に基づいて決定される。
【0150】
一方、第1の温度が、第2の温度よりも所定の閾値ΔTth以上小さくなると、熱媒体温度調節部62により熱媒体61がバスバー20の温度よりも高くなるように制御される。これにより、熱交換装置60を介して熱媒体61とバスバー20との間での熱交換が起こり、バスバー20の温度が第1の温度よりも上昇する。従って、バスバー20から電池ユニット10への熱の授受が起こり、第1の温度が上昇し、電池ユニット10内の温度分布が均一化される。
【0151】
なお、第1の温度と第2の温度とが等温、またはその温度差ΔTが所定の閾値ΔTthよりも小さい場合は、バスバー20の温度(第3の温度)が第1の温度に近づくように熱媒体61の温度が制御される。例えば、バスバー20の温度(第3の温度)が、バスバー20近傍の温度(第1の温度)よりも小さい場合は、熱媒体61がバスバー20の温度よりも高くなるように制御される。これにより、バスバー20の温度が上昇する。一方、バスバー20の温度(第3の温度)が、バスバー20近傍の温度(第1の温度)よりも大きい場合は、熱媒体61がバスバー20の温度よりも低くなるように制御される。これにより、バスバー20の温度が低下する。
【0152】
このように、熱媒体61の温度を制御することによっても、バスバー20の温度を制御することができる。
【0153】
図20は、第3実施形態による固体電池システム100におけるバスバー20の温度制御を説明するフローチャートである。
【0154】
ステップS101~S104は第1及び第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0155】
ステップS104において、バスバー20の温度(第3の温度)が、電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)よりも高い場合、コントローラ6は、ステップS305の処理を実行する。
【0156】
ステップS305において、コントローラ6は、熱媒体61の温度をバスバー20の温度よりも低くなるように制御する。これにより、バスバー20の温度(第3の温度)が低下するため、バスバー20の温度が電池ユニット10の温度に近づき、バスバー20の温度と電池ユニット10の温度とが略均一になる。
【0157】
ステップS305において、熱媒体61の温度をバスバー20の温度よりも低く制御すると、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0158】
一方、ステップS104において、第3の温度が第1の温度よりも低い場合、コントローラ6は、ステップS306の処理を実行する。
【0159】
ステップS306において、コントローラ6は、熱媒体61の温度をバスバー20の温度よりも高くなるように制御する。これにより、バスバー20の温度(第3の温度)が上昇するため、バスバー20の温度が電池ユニット10の温度に近づき、バスバー20の温度と電池ユニット10の温度とが略均一になる。
【0160】
ステップS306において、熱媒体61の温度をバスバー20の温度よりも高く制御すると、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0161】
次に、ステップS102において、バスバー20近傍の温度(第1の温度)とバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)との温度差ΔTが所定の閾値ΔTth以上である場合、第1実施形態と同様に、コントローラ6は、ステップS107の処理を実行する。
【0162】
ステップS107において、コントローラ6は、第1の温度が第2の温度よりも高いか否かを判断し、第1の温度が第2の温度よりも高い場合、ステップS308の処理を、第1の温度が第2の温度よりも低い場合、ステップS309の処理を実行する。
【0163】
ステップS308において、コントローラ6は、熱媒体61の温度をバスバー20の温度よりも低くなるように制御する。これにより、バスバー20の温度(第3の温度)が第1の温度よりも低下するため、電池ユニット10からバスバー20への熱の授受が起こる。従って、電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)が低下する。よって、バスバー20近傍の温度(第1の温度)がバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)に近づき、電池ユニット10内の温度分布が均一化される。
【0164】
ステップS308において、熱媒体61の温度をバスバー20の温度よりも低く制御すると、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0165】
一方、ステップS107において、第1の温度が第2の温度より低い場合、コントローラ6は、ステップS309において、熱媒体61の温度をバスバー20の温度よりも高くなるように制御する。これにより、バスバー20の温度(第3の温度)が第1の温度よりも上昇し、バスバー20から電池ユニット10への熱の授受が起こる。従って、電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)が上昇する。よって、バスバー20近傍の温度(第1の温度)がバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)に近づき、電池ユニット10内の温度分布が均一化される。
【0166】
ステップS309において、熱媒体61の温度をバスバー20の温度よりも高く制御すると、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0167】
上記した第3実施形態の固体電池システム100によれば、以下の効果を得ることができる。
【0168】
固体電池システム100は、熱媒体61を用いてバスバー(接続部材)20と熱交換する熱交換装置60と、熱媒体61の温度を調節する熱媒体温度調節部62とを備える。このため、熱媒体61の温度を制御することで、バスバー(接続部材)20の温度を調節することができ、電池ユニット10とバスバー(接続部材)20との間の熱移動を制御することができる。従って、電池ユニット10(集電体11)内に温度分布の不均一が生じることを抑制できる。
【0169】
(第4実施形態)
図21を参照して、第4実施形態の固体電池システム100を説明する。なお、他の実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0170】
図21は、第4実施形態による固体電池システムにおけるバスバーの温度制御を説明するフローチャートである。本変形例では、バスバー(接続部材)20の電流通過断面積に加え、バスバー20を通過する電流の大きさを制御してバスバー20の温度を調節する点が第1実施形態と異なる。
【0171】
ステップS101~S105及びステップS107~S108は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0172】
電池ユニット10内における温度差ΔTは閾値ΔTthよりも小さいが、バスバー20の温度(第3の温度)が電池ユニット10の温度よりも高い場合、コントローラ6は、バスバー20の電流通過断面積を増加させるように接続切替スイッチ30を制御する(ステップS105)。また、バスバー20近傍の温度(第1の温度)がバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)よりも閾値ΔTth以上高い場合、コントローラ6は、バスバー20の電流通過断面積を増加させるように接続切替スイッチ30を制御する(ステップS108)。
【0173】
しかしながら、バスバー20の電流通過断面積を最大にしても(即ち、
図5bに示すように、すべての接続切替スイッチ30をオンにする)、バスバー20の温度(第3の温度)や電池ユニット10内におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)が、所望の温度まで低下しない場合もあり得る。このような場合、これ以上バスバー20の電流通過断面積を増加させることができないため、接続切替スイッチ30により、バスバー20の温度をより低下させることができない。そこで、本変形例では、バスバー20を通過する電流の大きさを制御するステップをさらに含むこととした。
【0174】
ステップS105またはステップS108において、バスバー20の電流通過断面積を増加させると、コントローラ6は、ステップS410の処理を実行する。
【0175】
ステップS410において、コントローラ6は、第3の温度が第1の温度よりも高いか否か、及び第1の温度が第2の温度よりも閾値ΔTth以上高いか否かを判断する。
【0176】
ステップ410において、第3の温度と第1の温度が略等しく、且つ第1の温度と第2の温度との温度差ΔTが閾値ΔTthよりも小さい場合、電池ユニット10とバスバー20の温度、及び電池ユニット10内の温度分布は略均一化されている。従って、この場合コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0177】
一方、ステップ410において、第3の温度が第1の温度よりも高い、または第1の温度が第2の温度よりも閾値ΔTth以上高い場合、コントローラ6は、ステップS411において、バスバー20の電流通過断面積が最大(即ち、すべての接続切替スイッチ30がオンである)か否かを判断する。ステップ411において、バスバー20の電流通過断面積が最大であり、これ以上バスバー20の断面積を増加させることができない場合、コントローラ6は、ステップS412の処理を実行する。一方、バスバー20の電流通過断面積が最大ではなく、さらに断面積を増加させる余地がある場合、コントローラ6は、ステップS105(またはステップS108)の処理を実行し、バスバー20の電流通過断面積を増加させる。
【0178】
電流通過断面積を増加させる余地がない場合、ステップS412において、コントローラ6は、電流調整部4を制御して、バスバー20の電流値を小さくする。これにより、バスバー20の発熱量Hが減少し、バスバー20の温度(第3の温度)が第1の温度よりも低下する。従って、第3の温度は第1の温度に近づく、または電池ユニット10からバスバー20への熱の授受により第1の温度が低下し、第1の温度が第2の温度に近づく。即ち、電池ユニット10とバスバー20の温度、及び電池ユニット10内の温度分布が均一化されていく。なお、電流値をどの程度まで小さくするかは、第3の温度と第1の温度との温度差及び第1の温度と第2の温度のとの温度差に基づいて決定することができる。
【0179】
ステップ412において、バスバー20の電流の値を小さくすると、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0180】
なお、ステップS104において、バスバー20の温度が、電池ユニット10の温度よりも低い場合のステップS106におけるの処理、及び第1の温度が第2の温度よりも低い場合のステップS109における処理は、第1実施形態と同様であるため省略する。
【0181】
上記した第4実施形態の固体電池システム100によれば、以下の効果を得ることができる。
【0182】
固体電池システム100においては、バスバー(接続部材)20の電流通過断面積を最大にしても、バスバー20と電池ユニット10、及び電池ユニット10内の温度分布が不均一である場合、バスバー20の電流値を小さくする。このように、電流通過断面積の大きさを変えることでバスバー(接続部材)20の温度を制御できないような場合には,バスバー(接続部材)20の電流値を制御することで、バスバー(接続部材)20の温度を制御する。これにより、バスバー(接続部材)20の温度をより確実に制御することができる。
【0183】
なお、本実施形態では、バスバー20の電流通過断面積を増加させるステップS105、S108の処理後に、バスバー20の電流値を制御することとしたが、電流通過断面積を増加させる処理と電流値を減少させる処理とを同時に行うようにしてもよい。例えば、所定の閾値(第1の閾値)ΔTthよりも大きい所定の第2の閾値Δth2を設け、第1の温度が第2の温度よりも第2の閾値Δth2以上に高い場合には、バスバー20の電流通過断面積を増加させる処理と同時にバスバー20の電流値を減少させる処理を行うようにしてもよい。
【0184】
また、本実施形態では、バスバー20の電流通過断面積を増加させる処理(第1実施形態)に加えてバスバー20の電流値を制御することとしたが、バスバー20の電流通過長さを変える処理(第1実施形態の第2変形例)に加えてバスバー20の電流値を制御してもよい。即ち、第1実施形態の第2変形例における
図11におけるステップS105、S108の処理において、バスバー20の電流通過長さを最短にした後に、バスバー20の電流値を小さくするように制御してもよい。
【0185】
同様に、バスバー20の放熱面積を増加させる処理(第2実施形態、第2実施形態の変形例)に加えてバスバー20の電流値を制御してもよい。即ち、第2実施形態における
図16のステップS205、S208の処理において、バスバー20の放熱面積Aを最大にした後に、バスバー20の電流値を小さくするように制御してもよい。
【0186】
また、同様に、熱交換装置60によりバスバー20の温度を低下させる処理(第3実施形態)に加えてバスバー20の電流値を制御してもよい。例えば、所定の閾値(第1の閾値)ΔTthよりも大きい所定の第2の閾値Δth2を設け、第1の温度が第2の温度よりも第2の閾値Δth2以上に高い場合には、熱媒体61の温度を低下させるとともに、バスバー20の電流値を減少させるようにしてもよい。
【0187】
(第5実施形態)
図22を参照して、第5実施形態の固体電池システム100を説明する。なお、他の実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0188】
図22は、第5実施形態による固体電池システム100におけるバスバー(接続部材)20の温度制御を説明するフローチャートである。本実施形態では、バスバー20の電流値を制御してバスバー20の温度を調節する点が他の実施形態と異なる。
【0189】
ステップS101~S104は他の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0190】
ステップS104において、バスバー20の温度(第3の温度)が、電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)よりも高い場合、コントローラ6は、ステップS505の処理を実行する。
【0191】
ステップS505において、コントローラ6は、電流調整部4によりバスバー20の電流が小さくなるように制御する。これにより、前記の式(1)のとおり、バスバー20の発熱量が減少し、バスバー20の温度(第3の温度)が低下する。従って、バスバー20の温度が電池ユニット10の温度に近づき、バスバー20の温度と電池ユニット10の温度とが略均一になる。なお、電流をどの程度小さくするかは、バスバー20の温度と電池ユニット10との温度差に基づいて決定される。
【0192】
ステップS505において、バスバー20の電流を小さくすると、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0193】
一方、ステップS104において、第3の温度が第1の温度よりも低い場合、コントローラ6は、ステップS506の処理を実行する。
【0194】
ステップS506において、コントローラ6は、電流調整部4によりバスバー20の電流が大きくなるように制御する。これにより、式(1)のとおり、バスバー20の発熱量が増加し、バスバー20の温度(第3の温度)が上昇する。従って、バスバー20の温度が電池ユニット10の温度に近づいていき、バスバー20の温度と電池ユニット10の温度とが略均一になる。なお、電流をどの程度大きくするかは、バスバー20の温度と電池ユニット10との温度差に基づいて決定される。
【0195】
ステップS506において、バスバー20の電流を大きくすると、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0196】
次に、ステップS102において、バスバー20近傍の温度(第1の温度)とバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)との温度差ΔTが所定の閾値ΔTth以上である場合、第1実施形態と同様に、コントローラ6は、ステップS107の処理を実行する。
【0197】
ステップS107において、コントローラ6は、第1の温度が第2の温度よりも高いか否かを判断し、第1の温度が第2の温度よりも高い場合、ステップS508の処理を、第1の温度が第2の温度よりも低い場合、ステップS509の処理を実行する。
【0198】
ステップS508において、コントローラ6は、電流調整部4によりバスバー20の電流が小さくなるように制御する。これにより、バスバー20の温度(第3の温度)が第1の温度よりも低下するため、電池ユニット10からバスバー20への熱の授受が起こり、第1の温度が低下する。従って、バスバー20近傍の温度(第1の温度)がバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)に近づき、電池ユニット10内の温度分布が均一化される。なお、電流をどの程度小さくするかは、第1の温度と第2の温度との温度差ΔTに基づいて決定される。
【0199】
ステップS508において、バスバー20の電流を小さくすると、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0200】
一方、ステップS107において、第1の温度が第2の温度より低い場合、コントローラ6は、ステップS509において、電流調整部4によりバスバー20の電流が大きくなるように制御する。これにより、バスバー20の温度(第3の温度)が第1の温度よりも上昇するため、バスバー20から電池ユニット10への熱の授受が起こり、第1の温度が上昇する。従って、バスバー20近傍の温度(第1の温度)がバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)に近づき、電池ユニット10内の温度分布が均一化される。なお、電流をどの程度大きくするかは、第1の温度と第2の温度との温度差ΔTに基づいて決定される。
【0201】
ステップS509において、バスバー20の電流を大きくすると、コントローラ6は、バスバー20の温度制御を終了する。
【0202】
上記した第5実施形態の固体電池システム100によれば、以下の効果を得ることができる。
【0203】
固体電池システム100は、電流調整部4により、バスバー(接続部材)20の電流値を制御する。これにより、バスバー(接続部材)20の発熱量を制御することができ、バスバー(接続部材)20の温度を調節することができる。よって、電池ユニット10とバスバー(接続部材)20との間の熱移動を制御することができ、電池ユニット10(集電体11)内に温度分布の不均一が生じることを抑制できる。
【0204】
(第5実施形態の変形例)
図23は、第5実施形態の変形例による固体電池システム100の概略構成図である。本変形例では、電池ユニット10が電力を供給する外部負荷70と電池ユニット10との間に抵抗可変部材80を設けた点が他の実施形態と異なる。
【0205】
図23に示すように、複数の電池ユニット10から成る固体電池1は、外部負荷70に電気的に接続している。外部負荷70から、電力供給が要求された場合、固体電池1から外部負荷70へと電力が供給される。
【0206】
ここで、電池ユニット10におけるバスバー20近傍の温度(第1の温度)がバスバー20から離れた部位の温度(第2の温度)よりも小さいためにバスバー20の電流を大きくする必要がある場合、外部負荷70からの要求電力が小さいと、バスバー20に必要な電流を流せない虞がある。そこで、本変形例では、外部負荷70と電池ユニット10との間に抵抗を可変な抵抗可変部材80を備えることとした。
【0207】
図23に示すように、抵抗可変部材80は、外部負荷70と電池ユニット10との間に、外部負荷70と並列に配置される。抵抗可変部材80の抵抗値は、コントローラ6により制御される。
【0208】
電池ユニット10の温度分布を均一化するためにバスバー20の電流を大きくした場合において、その電流が外部負荷70による要求電力を超えている場合、抵抗可変部材80の抵抗値が調整され、電池ユニット10からの電流は分流される。これにより、外部負荷70に過度な電力が供給されることなく、バスバー20に必要な量の電流を流すことができる。
【0209】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0210】
上記した各実施形態は、それぞれ単独の実施形態として説明したが、適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0211】
1 固体電池
2 温度センサ
3 電流センサ
4 電流調整部
5 外部電源
6 コントローラ
10 電池ユニット
20 バスバー(接続部材)
30 接続切替スイッチ(抵抗可変手段、第1のスイッチ)
30A 接続切替スイッチ(抵抗可変手段、第2のスイッチ)
30B 位置切替スイッチ(抵抗可変手段、第3のスイッチ)
40 放熱プレート(放熱部材)
50 断熱部材(抵抗可変手段)
60 熱交換装置
70 外部負荷
80 抵抗可変部材
100 固体電池システム