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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】フィルタ枠及びフィルタユニット
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/00 20220101AFI20240704BHJP
【FI】
B01D46/00 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020090034
(22)【出願日】2020-05-22
(65)【公開番号】P2021183320
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】592169459
【氏名又は名称】株式会社忍足研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 司
(72)【発明者】
【氏名】鳴戸 宏太郎
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-160917(JP,U)
【文献】特開2002-239325(JP,A)
【文献】特開2009-154055(JP,A)
【文献】特開昭52-061791(JP,A)
【文献】実開昭60-054305(JP,U)
【文献】実開平05-067311(JP,U)
【文献】特開2016-064396(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0093422(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/90
B01D 24/00-35/05
B01D 35/10-37/04
F24F 7/04-7/06
F24F 8/00-8/99
B60H 1/00-3/06
H01F 7/00-7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ろ材を収納可能なフィルタ枠であって、
前記ろ材を保持する枠体と、
磁石を有する、棒状の磁着部材と、
を備え、
前記枠体は、前記磁着部材を収納可能な収納部を有し、
前記収納部は、前記枠体の枠の少なくとも1つの枠の内部が中空であることにより構成されており、
前記磁着部材は前記収納部に挿入でき、また、前記磁着部材は前記収納部から抜き出すことができ、
前記収納部に収納された前記磁着部材によって磁着可能である、
フィルタ枠。
【請求項2】
前記磁石が、ヨークを備える、
請求項1に記載のフィルタ枠。
【請求項3】
前記枠体は、矩形であり、
前記枠体は、前記枠体の少なくとも1辺の枠に、他の前記枠体と連結可能な連結部を有しており、
前記磁着部材は、その少なくとも一方の端部に、他の前記磁着部材と連結可能な連結部を有する、
請求項1又は2に記載のフィルタ枠。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルタ枠と、
前記枠体に収納された前記ろ材と、
を備える、フィルタユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ枠及びフィルタユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、外気を建物の内部に取り込む際、外部から塵埃及び虫等が侵入することを防ぐために、フィルタユニットが用いられている。フィルタユニットは、ろ材及びこれを収納するフィルタ枠等から構成されている。
【0003】
フィルタユニットは、例えば、建物の内部と外部を連通する配管又はダクトの内部に設けられたフィルタケーシングに固定される。そして、フィルタケーシングには、フィルタユニットを支持するフィルタレール等が設けられている。フィルタユニットをフィルタレールに挿入して、フィルタユニットをフィルタレールによって支持することにより、フィルタケーシングにフィルタユニットが固定される。
【0004】
そして、塵埃及び虫等が建物の内部に侵入することを防ぐために、フィルタユニット及びフィルタケーシングの間に隙間が生じないよう、フィルタユニットには高い気密性を維持してフィルタケーシングに固定できることが要求される。
【0005】
この要求に応えるため、ネジ、ボルト、又はカム機構等の支持手段によってフィルタユニットをフィルタレールに強固に固定する方法がとられている。しかし、この方法は、ネジ、ボルト、及びカム機構の脱着作業が煩雑であるという問題がある。特に、狭小な配管及びダクトの内部にフィルタユニットを取り付ける際には、この取り付けに多大な作業負担を要し、かかる問題が一層顕著となる。このようなことから、ネジ、ボルト、及びカム機構等の支持手段によらずに脱着できるフィルタ枠が求められている。
【0006】
このようなフィルタユニットに関するものとして、例えば、特許文献1には、フィルタ枠の挿入・引抜方向へ延びて空気流通方向上流側となる縁部に、フィルタレールに吸着可能なマグネットシートを貼り付けるとともに、このマグネットシートが貼り付けられていないフィルタ枠の空気流通方向上流側の縁部に、マグネットシートと同じ厚さを有してフィルタレールに面接触する圧調整シートを貼り付けたフィルタ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2014-091065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に開示されているフィルタ装置は、フィルタユニットをフィルタレールに支持する手段として、磁着部材としてシート状であるマグネットシートを用いる。通常、フィルタレール及びフィルタユニットの寸法形状はかなり大きいため、マグネットシートの面積も大面積であり、その磁力はかなり強いものとなる。そのため、フィルタユニットの脱着、搬送、及び整備等に多大な作業負担を要し、容易でないといった問題を有する。さらに、フィルタレールにフィルタユニットを挿入・引抜する際、マグネットシートの磁力を遮断する目的で、薄板をフィルタレールとフィルタ枠との間に差し込む必要がある。このように、特許文献1に開示されているフィルタ装置は、着脱作業等が簡便ではないという問題を少なくとも有する。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、フィルタケーシングに強固に固定でき、高い気密性を維持することができ、かつ、フィルタケーシングへの着脱作業が簡便なフィルタ枠、及びこれを用いたフィルタユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上述した目的を達成するために鋭意検討した結果、ろ材を収納可能なフィルタ枠について、ろ材を保持する枠体と、磁石を有する棒状の磁着部材とを備え、この枠体に磁着部材を収納可能な収納部を設け、収納部に収納された磁着部材によって磁着可能とすることに知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0012】
(1)
ろ材を収納可能なフィルタ枠であって、前記ろ材を保持する枠体と、磁石を有する、棒状の磁着部材と、を備え、前記枠体は、前記磁着部材を収納可能な収納部を有し、前記収納部に収納された前記磁着部材によって磁着可能である、フィルタ枠である。
(2)
前記磁石が、ヨークを備える、(1)のフィルタ枠である。
(3)
前記枠体は、矩形であり、前記枠体は、前記枠体の少なくとも1辺の枠に、他の前記枠体と連結可能な連結部を有しており、前記磁着部材は、その少なくとも一方の端部に、他の前記磁着部材と連結可能な連結部を有する、(1)又は(2)のフィルタ枠である。
(4)
(1)~(3)のいずれかのフィルタ枠と、前記枠体に収納された前記ろ材と、を備える、フィルタユニットである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、フィルタケーシングに強固に固定でき、高い気密性を維持することができ、かつ、フィルタケーシングへの着脱作業が簡便なフィルタ枠、及びこれを用いたフィルタユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本実施形態に係るフィルタ枠の一例の斜視図である。
図2図2は、本実施形態に係るフィルタ枠の一例の正面図である。
図3図3は、図2におけるC-C線に沿う断面図である。
図4図4は、本実施形態に係るフィルタ枠の一例の側面図である。
図5図5は、本実施形態における枠体の正面斜視図である。
図6図6は、本実施形態における枠体の背面斜視図である。
図7図7は、本実施形態における磁着部材の斜視図である。
図8図8は、図7におけるE-E線に沿う断面図である。
図9図9は、本実施形態に係るフィルタユニットの一例の斜視図である。
図10図10は、本実施形態に係るフィルタユニットの連結構造の一例を説明する概略図である。
図11図11は、図10の連結構造の部分拡大図である。
図12図12は、本実施形態に係るフィルタユニットの連結方法の一例を説明する概略図である。
図13図13は、本実施形態に係るフィルタユニットの連結方法の一例を説明する概略図である。
図14図14は、本実施形態に係るフィルユニットの連結構造の別の一例を説明する概略図である。
図15図15は、本実施形態に係るフィルタユニットをフィルタケーシングに設置する一例を説明する模式図である。
図16図16は、図15における設置機構を説明する断面模式図である。
図17図17は、本実施形態に係るフィルタユニットがフィルタケーシングに設置された別の一例の斜視図である。
図18図18は、図17のフィルタケーシングを具備するダクトの設置状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
【0016】
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0017】
さらに、本明細書において、「略」を付した用語は、当業者の技術常識の範囲内でその「略」を除いた用語の意味を示すものであり、「略」を除いた意味自体をも含むものとする。
【0018】
図1は、本実施形態に係るフィルタ枠の一例の斜視図である。図2は、本実施形態に係るフィルタ枠の一例の正面図である。図3は、図2におけるC-C線に沿う断面図である。図4は、本実施形態に係るフィルタ枠の一例の側面図である。
【0019】
本実施形態に係るフィルタ枠1は、ろ材30を収納可能なフィルタ枠1であって、ろ材30を保持する枠体10と、磁石22を有する、棒状の磁着部材20と、を備え、枠体10は、磁着部材20を収納可能な収納部11を有する。そして、フィルタ枠1は、後述するように、収納部11に収納された磁着部材20により磁着可能である。
【0020】
通常、フィルタケーシングのフィルタレール等は、鉄や鋼板等の強磁性を有する金属製である。そして、磁着部材20は磁石22を有しているため、かかるフィルタケーシングのフィルタレール等に引き付けられる。その結果、収納部11に磁着部材20を収納してなるフィルタ枠1もまた、フィルタケーシングのフィルタレール等に引き付けられる。このような作用により、フィルタ枠1をフィルタケーシング等に固定することができる(ただし、本実施形態の作用はこれらに限定されない。)。なお、磁着部材20の磁力が及ぶ対象は、主にフィルタレールであるが、フィルタレールのみに限定されるものではない。例えば、フィルタレール周辺の領域及び部材(例えば、フィルタケーシングのガイドや、その他の密着面等)も包含される場合がある。
【0021】
また、本実施形態では、磁着部材20によってフィルタ枠1がフィルタケーシングのフィルタレール等に固定されることを、磁着と称する。例えば、磁着部材20が有する磁石22の磁力が働くことにより、磁着部材20によってフィルタ枠1がフィルタケーシングのフィルタレール等へ磁着させることが可能となる。
【0022】
枠体10は、収納部11を有する。収納部11の形状及び大きさは、磁着部材20を収納可能であればよく、特に限定されない。フィルタ枠1の構造の省スペース化及び取り扱い性の観点から、収納部11は、枠体10の枠(フレーム)の内部が中空であることにより構成されることが好ましい。収納部11がこのような中空構造であることにより、磁着部材20を枠体10の内部に挿入することができ、収納部11に磁着部材20をコンパクトに収納することができる(例えば、図3及び図4参照)。
【0023】
また、枠体10における収納部11が設けられている位置も適宜調整可能であるが、図1に図示するように、枠体10においてろ材30を収納可能な空間Sの側面に収納部11を有する枠体10であることが好ましい。このような態様の枠体10を用いることで、フィルタケーシングのフィルタレール等に接触する側の主面(周面)が平坦なフィルタ枠1を実現でき、フィルタ枠1をフィルタケーシングに一層強固に装着できる。
【0024】
そして、枠体10が矩形の場合、少なくとも1つの枠に収納部11が設けられていればよいが、フィルタ枠1をフィルタケーシングに一層強固に装着する観点から、枠体10を構成する枠のうち、対向する一対の枠(例えば、上下の枠)にそれぞれ収納部11が設けられていることが好ましい。
【0025】
例えば、特許文献1等の従来技術のように、シート状の磁着部材(例えば、マグネットシート)を、フィルタケーシングとフィルタユニットの接触面に貼り付けることによって、フィルタケーシングにフィルタユニットを磁着させる構造である場合、マグネットシート全面から強い磁力が生じる。そのため、作業者がフィルタケーシングからフィルタユニットを取り外すには、強い力が必要となり作業負担が大きいという問題がある。
【0026】
また、フィルタユニットを搬送及び保管する際に、フィルタユニット同士を積層することがあるが、このような場合、磁着部材がシート状であったり、フィルタケーシングの接触面全域に貼り付ける構造等であったりすると、互いに強い磁力が作用する。そのため、作業者は、この強い磁力以上の力をもってフィルタユニットを取り扱う必要があり、搬送時の作業負担が大きいという問題もある。
【0027】
しかしながら、本実施形態に係るフィルタ枠1の磁着部材20は、棒状であるので、フィルタレール31,41(例えば、図15図16図17参照)との接触領域にのみ磁力が作用するよう制御することができる。よって、フィルタ枠1のフィルタレールからの取り外しが簡便である。また、磁着部材20を枠体10から分離できる構造であるので、フィルタ枠1を搬送及び保管する際の作業負担が大幅に軽減される。例えば、本実施形態において、枠体10から磁着部材20を取り外して搬送する場合、枠体10には磁力が作用しない。このような観点から、本実施形態に係るフィルタ枠1は、取り扱い性及び搬送性等に優れるという利点も有する。
【0028】
なお、図1図4は、1箇所の収納部11に1本の磁着部材20が収納され、その磁着部材20に別なる磁着部材20が連結された状態を示しているが、本実施形態に係るフィルタ枠1の部品点数はこれらに限定されない。例えば、1体の枠体10と、当該枠体10が備える収納部11の数と同数の磁着部材20と、をフィルタ枠1の構成部品としてもよい。例えば、図1~4は、枠体本体14に2箇所の収納部11が設けられた枠体10を示しているが、フィルタ枠1は、1体の枠体10と2体(この場合、枠体10に設けられた収納部11と同数)の磁着部材20とから構成されるものとしてもよい。
【0029】
以下、枠体10及び磁着部材20について詳しく説明する。
【0030】
図5は、本実施形態における枠体の正面斜視図であり、図6は、本実施形態における枠体の背面斜視図である。
【0031】
枠体10は、枠体本体14と枠体カバー15とを有し、左右の両枠にそれぞれ連結部12が設けられている。すなわち、枠の1つ(第一の枠)に第一の連結部12が、この枠と対向する枠(第二の枠)に第二の連結部12が、それぞれ設けられている。そして、第一の連結部12が設けられた第一の枠の側面に、緩衝材16が設けられている。
【0032】
枠体10が矩形である場合、枠体10の少なくとも1辺の枠に、他の枠体10と連結可能な連結部12を有することが好ましい。連結部12を介して、2体以上のフィルタ枠1を連結して、矩形の連結体とすることができる。さらに、枠体10が矩形である場合、収納部11が設けられた枠(上枠及び下枠)と略垂直に位置する1対の枠(左枠及び右枠)に、連結部12がそれぞれ設けられていることが好ましい。これにより、連結体の左右方向(水平方向)の長さを、枠体10の単位長の任意の整数倍に延伸することができる。その結果、設置対象である配管及びダクト等のフィルタケーシングの寸法形状に合致する、好適な矩形の連結体とすることができる。
【0033】
また、枠体10の連結部12の連結構造は、他の枠体10と連結可能な構造とすることができる。その態様は特に限定されないが、枠体10は、枠体10の第一の枠の側面に形成された連結ロッド121と、第一の枠と対向する第二の枠の側面に形成されたフック122と、を備えることが好ましい。フック122が、他の枠体10の連結ロッド121と係止することにより、他の枠体10と連結することができる。すなわち、連結ロッド121は第一の連結部12として、フック122は第二の連結部12として、それぞれ機能する。
【0034】
枠体10は、屋内側(下流側;矢印B参照)に配置される面(図6参照)の周面にシール材13が配置されていることが好ましい。シール材13を有することにより、フィルタケーシングに設置した際に、下流側の気密性を高めることができる。気密性の観点から、シール材13は、枠体10(枠体本体14)の四周に配置されていることが好ましい(図6参照)。シール材13としては、例えば、ゴムパッキン等が挙げられる。
【0035】
また、枠体10は、一体であってもよいが、2以上の部品から構成されていてもよい。例えば、枠体10は、別体である枠体本体14及び枠体カバー15により構成されていてもよい。枠体本体14及び枠体カバー15を接合することによって、上述した中空構造の収納部11を構成するとともに、ろ材30を枠体本体14及び枠体カバー15により挟持することができる。なお、図示はしないが、枠体本体14及び枠体カバー15は、例えば、互いに嵌合可能又は係合可能な構造とすることができる。
【0036】
また、枠体10の収納部11が、枠体10の枠の中空により構成される場合、収納部11の内表面の少なくとも一部がコーティング層によって被覆されていることが好ましい。後述するように、磁着部材20を収納部11に挿入する際、磁着部材20の磁力が作用するため、収納部11の表面と磁着部材20の表面とが当接して摩擦力が発生する。コーティング層によって磁着部材20の表面を被覆することにより、かかる摩擦力を低減させることができる。
【0037】
具体的には、収納部11の開口近傍の表面がコーティング層によって被覆されていることが好ましく、後述する磁着部材20の外表面と当接する表面がコーティング層によって被覆されていることがより好ましい。コーティング層の材料は、特に限定されないが、例えば、フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン等)、二硫化モリブテン、グラファイト等が挙げられる。
【0038】
図7は、本実施形態における磁着部材の斜視図であり、図8は、図7におけるE-E線に沿う断面図である。
【0039】
図7に図示されている磁着部材20の躯体は、左右の側面201,202、上面203、及び連結部21が設けられた端部から構成されている。そして、磁石22は、磁着部材20の上面203の裏面に配置されている。磁着部材20の磁石22は、磁着部材20の長手方向の全面に配置されていてもよいし、長手方向の一部に配置されていてもよい。また、2以上の磁石22を、磁着部材20の長手方向に沿って、所定の間隔で連続配置されていてもよい。
【0040】
磁着部材20は、その少なくとも一方の端部に、他の磁着部材20と連結可能な連結部21を有することが好ましい。これにより、2以上の磁着部材20を連結することができる。連結部21を有する磁着部材20は、必要に応じて、他の磁着部材20と連結又は分離させることができる。これにより、取り扱い性が一層簡便になる。また、後述するように、フィルタ枠1を複数連結した場合、磁着部材20も複数連結し、これらをフィルタ枠1の収納部11の全長にわたって配置することにより、フィルタ枠1の連結体を一層強固にフィルタレール等に磁着させることができる。
【0041】
磁着部材20の連結部21の連結構造は、他の磁着部材20と連結可能な構造であればよく、特に限定されない。磁着部材20は、磁着部材20の一方の端部に形成された、連結腕211である第一の連結部21と、磁着部材20の他方の端部に形成された、連結腕211を収納する連結腕収納部212である第二の連結部21と、を備えることが好ましい。連結腕211が、他の磁着部材20の連結腕収納部212に収納されることにより、他の磁着部材20と連結させることができる。
【0042】
連結腕211及び連結腕収納部212の形状は、互いに連結可能な形状であればよく、特に限定されないが、連結腕211の形状は略H字状、略T字状、又は略L字状とすることができる。これらの中でも、略H字状であることが好ましい。かかる形状であることにより、連結腕211が連結腕収納部212に収納された状態(連結状態)において、連結腕211及び連結腕収納部212の連結状態を維持しつつ、連結腕211を一定の自由度をもって回動させることができる。これにより、磁着部材20の連結、運搬、及び保管時等の取り扱い性が一層簡便になるとともに、磁着部材20を収納部11に容易に挿入することができる。
【0043】
なお、ここでは連結腕211及び連結腕収納部212を備えた磁着部材20の態様を例示しているが、チェーン又は紐等によって互いの端部同士を連結可能とした磁着部材20であってもよい。
【0044】
磁着部材20は、その長手方向に沿って、端部に向けて先細りとなるようテーパーが付けられていることが好ましい。特に、磁着部材20の連結部21の表面が、長手方向に沿って、端部に向けて先細りとなるようテーパーが付けられていることがより好ましい。このようなテーパー形状であることによって、収納部11を構成する中空に挿入することが容易となる。具体的には、磁着部材20を枠体10の収納部11に挿入する際、磁石22の磁力が作用して、磁着部材20の表面が収納部11の表面と当接して摩擦力が発生する。しかし、磁着部材20の長手方向における構造が、挿入方向(矢印H参照)に向けて先細りとなるテーパー形状であることによって、円滑に収納部11に挿入することができ、かかる摩擦力を低減することができる。
【0045】
さらに、収納部11への挿入時の摩擦力を低減する観点から、磁着部材20は、その表面の少なくとも一部がコーティング層によって被覆されていることが好ましい。具体的には、磁着部材20のテーパーが付けられている表面がコーティング層によって被覆されていることが好ましく、収納部11の内表面と当接する表面がコーティング層によって被覆されていることがより好ましい。コーティング層の材料は、特に限定されないが、例えば、フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン等)、二硫化モリブテン、グラファイト等が挙げられる。さらに、必要に応じて、磁着部材20に表面改質の処理を施してもよい。
【0046】
図8に示すように、磁着部材20が有する磁石22がヨーク23を備えている場合、ヨーク23によって磁石22の磁力が主として働く方向(磁力の方向性)を制御できるとともに、当該方向へ作用する磁束密度を増加できる。その結果、本構成を満たす磁着部材20によって、フィルタ枠1をフィルタケーシングのフィルタレール等に一層効果的に磁着できる。
【0047】
なお、ここでいうヨーク23とは、「ギャップ」とも呼ばれる、強磁性の金属で形成可能な磁石22の一部を覆う、板状、深皿状、又はトレー状等の形状を有する部材を指す。
【0048】
例えば、図8では、磁石22の矢印G側にヨーク23が設けられていることによって、磁石22の磁力は主として矢印F側方向に働くものとなり、また、矢印F側方向へ働く磁束密度が増加している。そのため、図8に図示する状態のまま磁着部材20を収納部11に収納してなるフィルタ枠1は、矢印F側に存在するフィルタケーシングのフィルタレール等へ一層強固に磁着できる。
【0049】
なお、磁着部材20が棒状であると、ヨーク23をこのように配置することができるので、磁力の方向性を効果的に制御することができる。
【0050】
磁着部材20は、その長手方向に垂直な断面形状が多角形であることが好ましい。磁着部材20の長手方向に垂直な断面形状としては、例えば、三角形、矩形、及び五角形以上の多角形等が挙げられる。これらの中でも、磁着部材20の取り扱い性、及び磁着部材20の収納部11への挿入し易さ等の観点から、矩形であることが好ましい。
【0051】
また、磁石22としてネオジウム磁石等を用いる場合、ネオジウム磁石の防錆の観点から、磁石22を上面203の裏面に配置し、その側面201,202及びヨーク23によって磁石22を被覆することが好ましい。これにより、磁力の方向性を効果的に制御するだけでなく、磁石22に対する湿気の侵入を抑制することもできる。
【0052】
例えば、図3において、ヨーク23は屋外側(上流側;矢印A参照)に配置されている。これにより屋内側(下流側;矢印B参照)には十分な磁力を有する一方、屋外側への磁力を抑制することができる。その結果、フィルタ枠1を強固に固定することができる一方、フィルタ枠1を取り外す際には容易にこれを取り外すことができる。
【0053】
磁着部材20の長手方向の長さと、枠体10の枠のうち、収納部11が設けられた枠の長さとが、略同一であることが好ましい。これにより、磁着部材20の単位長と、枠体10の単位長が略同一であることから、フィルタ枠1の連結作業、取り付け、運搬、及び保管等が一層簡便となる。
【0054】
また、磁石22及びヨーク23以外の磁着部材20の部材について、その材料は特に限定されず、例えば、アルミニウム、ステンレス、樹脂等の非磁性体を用いることができる。これにより磁性の影響を緩和できる。アルミニウム、ステンレス等は、特に限定されず、アルミニウム合金、ステンレス合金等の公知のものを用いることもできる。
【0055】
図9は、本実施形態に係るフィルタユニットの一例の斜視図である。
【0056】
フィルタユニット2は、上述したフィルタ枠1と、フィルタ枠1の枠体10の空間Sに配置されたろ材30と、を有している。そして、枠体10の上下の枠に配置された収納部11に、それぞれ磁着部材20が挿入されようとしている状態を示している。磁着部材20は、ヨーク23が屋外側(上流側;矢印A参照)に向けて配置されている。そして、枠体10のシール材13は、枠体10の屋内側(下流側;矢印B参照)の周面に配置されている。なお、フィルタユニット2は、「フィルタエレメント」等と呼ばれることもあり、複数のフィルタユニット2を連結した連結体の構成単位となるものである。
【0057】
ろ材30は、枠体10の空間Sに収納される。例えば、枠体10が、枠体本体14及び枠体カバー15の別体により構成される場合、枠体本体14と枠体カバー15とによって、空間Sに配置されたろ材30を挟持することによって、ろ材30が枠体10の空間Sに収納される。
【0058】
ろ材30の種類は、特に限定されず、使用目的に応じて公知のろ材を選択することができる。ろ材の種類としては、例えば、粗塵用フィルタ、ULPA(Ultra Low Penetration Airfilter)フィルタ、HEPA(High Efficiency Particulate Airfilter)フィルタ、MEPA(Medium Efficiency Particulate Airfilter)フィルタ、及び化学吸着フィルタ等からなる群より選択される少なくとも1種を選択することができる。
【0059】
また、ろ材30は、メインフィルタ用のろ材でもよいし、プレフィルタ用のろ材であってもよい。例えば、メインフィルタのろ材として、上述したULPAフィルタ、HEPAフィルタ、MEPAフィルタ、化学吸着フィルタ等を用いることができる。また、プレフィルタのろ材として、上述した粗塵用フィルタ等を用いることができる。ろ材30としては、上述したフィルタ1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0060】
続いて、複数のフィルタユニットを連結する構造について、詳しく説明する。
【0061】
図10は、本実施形態に係るフィルタユニットの連結構造の一例を説明する概略図であり、図11は、図10の連結構造の部分拡大図である。
【0062】
まず、2体のフィルタユニット2の枠体10を連結する構造について説明する。図10及び図11は、説明の便宜上、枠体10の連結領域を断面視した状態を示している。まず、一方の枠体10の側面に設けられた連結ロッド121に、多能の枠体10の側面に設けられたフック122を係止させる。
【0063】
フック122の形状は、特に限定されないが、係止強度等の観点から、J字型のフック122であることが好ましい。J字型であることにより、連結ロッド121に対するフック122の係止方向を限定することができ、連結ロッド121からフック122を外れにくくすることができる。例えば、2体の枠体10が連結されている場合、J字型であるフック122を、その開放端(例えば、図11の下方向)に向けて所定の角度(例えば、30度~90度、好ましくは30度~60度)以上に折り曲げることにより、2体の枠体10を容易に分離することができる。
【0064】
一方、2体の枠体10の連結角度が所定の角度(例えば、30度~90度、好ましくは30度~60度)以下になると、フック122は、その回転方向(連結ロッド121の周方向)と上下方向(連結ロッド121の軸方向)にしか動かないので、連結状態を安定に維持できる。さらに、フック122の回転方向と上下方向の動きについては、フィルタレールのレール溝にフィルタユニット2が収納されると自ずと規制されるから、フィルタレールから連結ロッド121又はフック122が脱落することを防止できる。
【0065】
そして、一方の枠体10及び他方の枠体10の間に配置された緩衝材16は、2体の枠体10の連結角度が略水平(すなわち、略180度)に近づくにつれて、押圧される。これにより、隣接するフィルタ枠1同士の気密性を一層向上させることができる。気密性を一層向上させる観点から、緩衝材16は、スポンジ、パッキン、スポンジパッキン等の弾性体であることが好ましい。
【0066】
図12は、本実施形態に係るフィルタユニットの連結方法の一例を説明する概略図である。図13は、本実施形態に係るフィルタユニットの連結方法の一例を説明する概略図である。
【0067】
次に、2体のフィルタユニット2の枠体10を接続した後に、磁着部材20を挿入する場合について説明する。図12及び図13は、説明の便宜上、収納部11の一部を断面視した状態を示している。
【0068】
まず、ろ材30が収納された枠体10を2体準備する。そして、一方の枠体10の第一の連結部12と、他方の枠体10の第二の連結部12とを連結して、枠体10の連結体とする。この2体の枠体10の連結角度は略180度であり、2体の枠体10の収納部11が略一直線となるように連結されている。そして、連結している2体の枠体10における、一方の枠体10の収納部11を通過してもう一方の枠体10の収納部11内へと、磁着部材20は連続的に移動できる。
【0069】
次に、一方の磁着部材20の連結腕211(第一の連結部12、例えば、図7参照)と、他方の磁着部材20の連結腕収納部212(第二の連結部12、例えば、図7参照)とを連結して、磁着部材20の連結体とする。連結腕211が略T字状であることから、磁着部材20が互いに回転可動である。そして、一定の角度(例えば、90度、好ましくは45度、より好ましくは30度)以下に折り曲げることによって、2本の磁着部材20を容易に分離することができる。これら2本の磁着部材20の連結体を、一方の収納部11の開口から、他方の収納部11の端部に向けて(挿入方向:矢印H参照)に向けて挿入する。
【0070】
続いて、他方の収納部11の端部に向けて挿入された磁着部材20は、1体目の枠体10から2体目の枠体10に乗り移り(図13参照)、最終的には2体のフィルタ枠1の収納部11に完全に収納される。
【0071】
図14は、本実施形態に係るフィルタユニットの連結構造の別の一例を説明する概略図である。
【0072】
枠体10の連結部12は、枠体10の第一の枠の側面に形成されたインナーメンバー123と、第一の枠と対向する第二の枠の側面に形成されたアウターメンバー124と、を備え、インナーメンバー123が、他の枠体10のアウターメンバー124と係合することにより、他の枠体10と連結されるスライド構造であってもよい。例えば、一方の枠体10のインナーメンバー123を、他方の枠体10のアウターメンバー124にスライド挿入することにより、2体の枠体10を接続する。
【0073】
そして、緩衝材16が枠体10の周面に設けられている場合、2体の枠体10の緩衝材16は略同じ高さとなるよう互いに接続され、気密性を維持することができる。
【0074】
インナーメンバー123は、スライド構造を構成するメンバーのうち、スライド断面視において、アウターメンバー124の内側に配置され、移動側のメンバーとして使用される。そして、アウターメンバー124は、スライド構造を構成するメンバーのうち、スライド断面視において、インナーメンバー123の外側に配置され、固定側のメンバーとして使用される。なお、インナーメンバー123は「内側スライド」等と、アウターメンバー124は「外側スライド」等と、それぞれ呼ばれることもある。
【0075】
インナーメンバー123は、アウターメンバー124からの脱落防止の観点から、その断面視において内側から外側に向けて略L字状であることが好ましい。例えば、図14において、インナーメンバー123の左右の突起がそれぞれ略L字状であり、内側から外側に向けて延設されている。これにより、アウターメンバー124のレールに挿入された際に脱落することを防止することができる。
【0076】
また、スライド構造としては、上述したアウターメンバー124及びインナーメンバー123から構成される2メンバースライド構造に限定されず、3メンバー以上のスライド構造であってもよい。
【0077】
また、図示はしないが、上述したスライド構造は、必要に応じて、スライドロック機能等を設けてもよい。例えば、スライドを全閉したときに、その状態を保持するキャッチ等を設けてもよい。しかし、このようなスライドロック機能等を設けない場合であっても、連結されたフィルタ枠1を、後述するフィルタレールのレール溝に収まると規制されるので、フィルタレールからフィルタ枠1が脱落することを防止できる。
【0078】
枠体10の連結部12の連結構造は、上述した態様に限定されず、その用途等に応じて、他の連結構造を採用することもできる。
【0079】
本実施形態に係るフィルタユニットをフィルタケーシングに設置する場合について、以下詳しく説明する。
【0080】
図15は、本実施形態に係るフィルタユニットをフィルタケーシングに設置する一例を説明する模式図であり、図16は、図15における設置機構を説明する断面模式図である。
【0081】
本実施形態に係るフィルタユニット2をフィルタケーシング3に設置する場合、まず、フィルタユニット2のシール材13が屋内側(下流側;矢印B参照)に向けて配置されるように、2体の枠体10の連結体を挿入開口32から挿入し、フィルタレール31のレール上をスライドさせる(図16参照)。続いて、2本の連結された磁着部材20を、枠体10の収納部11の開口から挿入する(矢印H参照)。なお、フィルタケーシング3は、例えば、建物の内部に配置された送風機等や配管等の内部に設けることができる。
【0082】
本実施形態に係るフィルタユニット2をフィルタケーシング3から取り外す場合、まず、枠体10の収納部11の開口から磁着部材20を抜き出す。続いて、ろ材30が収納された枠体10を、フィルタケーシング3のフィルタレール31から抜き出せばよい。
【0083】
例えば、ビル等の建物の空調設備に用いる場合、第1段目のフィルタとしてプレフィルタを用いる。この場合、外部から塵埃や虫の侵入を防ぐために、気密性が高いフィルタである必要がある。このような気密性を維持するために、従来は、ネジ、ボルト、又はカム機構等の支持手段によって、フィルタケーシング3のフィルタレール31に強固に支持させていた。
【0084】
しかし、本実施形態に係るフィルタユニット2は、フィルタレール31に沿って磁着部材20を配置させることができ、フィルタレール31が設けられた上下の支持部分(レール溝)の全長にわたって、フィルタユニット2を強固に磁着させることができる。
【0085】
そして、既存のフィルタレール31の構造であっても使用することができるので、既存の空調設備であっても用いることができる。例えば、フィルタレール31が供えられたフィルタケーシング3は、通常、建物内にビルトインされている。そのため、従来のフィルタケーシングに新たな固定部材を後付けすることは困難であるのが実情である。そのため、既存のフィルタケーシング及びフィルタレールをそのまま使用できることが望まれている。この点、本実施形態に係るフィルタ枠1及びフィルタユニット2は、従来のフィルタケーシングのフィルタレールに対しても、上述した簡便な方法で脱着することができるという利点も有する。
【0086】
さらに、上述したように、1体のフィルタユニット2を構成単位として、フィルタユニット2の枠体10の連結部12を介することによって、複数のフィルタユニット2を連結することができる。これにより、設置対象である配管及びダクト等のフィルタケーシング3の寸法形状に応じて、適宜好適な矩形の連結体とすることができる。
【0087】
図17は、本実施形態に係るフィルタユニットがフィルタケーシングに設置された別の一例の斜視図であり、図18は、図17のフィルタケーシングを具備するダクトの設置状態を示す斜視図である。
【0088】
本実施形態によれば、2体以上のフィルタユニット2を連結した連結体とすることもできる。例えば、図17に示すように、矩形のフィルタユニット2を5体連結した連結体として、これをフィルタレール41に挿入し、横長のフィルタケーシング4に設置する。本実施形態に係るフィルタユニット2は、例えば、図18に示すように、建物の壁5に設けられたダクト7の内部に取り付けることができる。
【0089】
図18は、建物の壁5を介して、建物の外部に雨除けフード6を設け、建物の内部にダクト7及びフィルタケーシング4が設けられた空調設備を示している。このフィルタケーシング4は、図17に示す、5体のフィルタユニット2の連結体が設置されたフィルタケーシング4である。
【0090】
例えば、外気は雨除けフード6から建物の内部に取り込まれる(矢印I参照)。そして、フィルタケーシング4の内部に設置されたフィルタユニット2のろ材30によって、外気の粉塵及び虫等の侵入を防ぐことができる。そして、外気はダクト7から建物の内部に送気される(矢印J参照)。
【0091】
ここではフィルタユニット2の使用例の一例として、外気を取り込むためのダクト7に用いる場合について説明したが、かかる使用例に限定されない。例えば、図示はしないが、本実施形態に係るフィルタユニット2は、建物の内気を外部に排出するためのダクトに用いることもできる。また、一般居住用建物等の配管及びダクト等のみならず、工業用クリーンルーム、手術室及び無菌治療室等の医療施設、食品製造工場、医薬品製造工場、研究施設等の配管及びダクト等にも用いることができる。
【符号の説明】
【0092】
1:フィルタ枠、2:フィルタユニット、3,4:フィルタケーシング、5:建物の壁、6:雨除けフード、7:ダクト、10:枠体、11:収納部、12:枠体の連結部、13:シール材、14:枠体本体、15:枠体カバー、16:緩衝材、20:磁着部材、21:磁着部材の連結部、22:磁石、23:ヨーク、30:ろ材、31,41:フィルタレール(ケーシングレール)、32:挿入開口、121:連結ロッド(枠体の第一の連結部)、122:フック(枠体の第二の連結部)、123:インナーメンバー、124:アウターメンバー、201,202:側面、203:上面、211:連結腕(磁着部材の第一の連結部)、212:連結腕収納部(磁着部材の第二の連結部)、A,B,C,D,E,F,G,H,I,J:矢印、S:空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
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図16
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図18