(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】外壁材の横ズレ防止構造
(51)【国際特許分類】
E04F 13/08 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
E04F13/08 101Q
E04F13/08 101B
(21)【出願番号】P 2020096993
(22)【出願日】2020-06-03
【審査請求日】2023-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】305003542
【氏名又は名称】旭トステム外装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】浅見 英昭
【審査官】荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-011559(JP,A)
【文献】特開2009-024403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/00-13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の出隅部に配置される外壁材と、
建物躯体に前記外壁材を固定する固定部材と、
前記固定部材とは別部材により構成される
横ズレ防止部材であって、前記外壁材の横方向の前記出隅部側の端面に対向して配置されることで前記外壁材の横ズレを防止する端面対向部
と、前記横ズレ防止部材の上部側に配置され下端部が前記外壁材の上端部の位置に配置される上部側板部と、前記上部側板部の下端部から水平方向に突出すると共に前記外壁材の上端部の上面に当接して配置される第1落下防止部と、前記横ズレ防止部材の下部側に配置され上端部が前記外壁材の上端部に配置される下部側板部と、前記下部側板部の上端部から水平方向に突出すると共に前記外壁材の上端部の上面に当接して配置される第2落下防止部と、を有する横ズレ防止部材と、を備え
、
前記端面対向部、前記上部側板部、前記第1落下防止部、前記下部側板部及び前記第2落下防止部は、前記横ズレ防止部材に一体形成される、外壁材の横ズレ防止構造。
【請求項2】
前記横ズレ防止部材は、前記外壁材と前記建物躯体との間に配置される上下方向延在板を更に有する、請求項
1に記載の外壁材の横ズレ防止構造。
【請求項3】
前記横ズレ防止部材は、前記上下方向延在板から前記外壁材側に突出する突出部を更に有する、請求項
2に記載の外壁材の横ズレ防止構造。
【請求項4】
複数の前記外壁材が上下方向に連続して配置されており、
下側に配置される前記外壁材の横ズレを防止する前記横ズレ防止部材の前記端面対向部の上端は、上側に配置される前記外壁材の下端よりも下方に位置するように配置される、請求項1~
3のいずれかに記載の外壁材の横ズレ防止構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外壁材の横ズレ防止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外壁材を建物躯体に取り付ける技術において、地震などにより建物が揺れた場合において外壁材が横ズレを起こしにくいように、建物躯体に外壁材を固定する固定金具に、外壁材の横ズレ防止の機能を付加した技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、横ズレ防止の機能を付加した固定金具を建物の出隅部に取り付ける場合に、固定金具の端部が外壁材の外部に飛び出す可能性がある。固定金具の端部が外部に飛び出した場合には、固定金具を建物に納めるための構成が複雑になる。そのため、簡易な構成で、出隅部に配置される外壁材の横ズレを防止できる構造が求められている。
【0005】
本開示は、簡易な構成で、出隅部に配置される外壁材の横ズレを防止できる外壁材の横ズレ防止構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、建物の出隅部に配置される外壁材と、建物躯体に前記外壁材を固定する固定部材と、前記固定部材とは別部材により構成されると共に、前記外壁材の横方向の前記出隅部側の端面に対向して配置されることで前記外壁材の横ズレを防止する端面対向部を有する横ズレ防止部材と、を備える、外壁材の横ズレ防止構造に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態における外壁材の横ズレ防止構造を示す図である。
【
図2】固定金具により固定された外壁材が配置される出隅部に横ズレ防止金具を取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図3】上下に連続する2つの外壁材のうち下側の外壁材に横ズレ防止金具を取り付けた場合の取り付け状態を示す図である。
【
図4】外壁材が配置される出隅部に横ズレ防止金具を取り付けた状態を示す平面図である。
【
図5】外壁材が配置される出隅部に横ズレ防止金具を取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図6】外壁材が配置される出隅部から横ズレ防止金具を取り外した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、外壁材2の横ズレ防止構造1は、複数の外壁材2が取り付けられた建物11の出隅部10において、外壁材2の横ズレを防止する構造である。
【0009】
横ズレ防止構造1は、
図1~
図3に示すように、複数の外壁材2と、複数のスペーサー3と、出隅ジョイナー4と、複数の固定金具5(固定部材)と、複数の横ズレ防止金具6(横ズレ防止部材)と、を備える。なお、
図2においては、上下方向に連続して配置される2つの外壁材2のうち、下側に配置される外壁材2を図示しており、上側に配置される外壁材2の図示を省略している。
【0010】
複数の外壁材2は、
図1及び
図2に示すように、建物11の出隅部10に配置される。複数の外壁材2は、厚みを有して形成され、上下方向に幅を有すると共に、横方向に延びる。外壁材2は、長手方向が横方向に延びる長尺状のいわゆるサイディングパネルである。複数の外壁材2は、建物躯体としての柱100の角部を挟んで直交して形成される一の面101及び他の面102に平行に配置され、横方向の端部同士が互いに建物11の出隅部10側に延びている。外壁材2は、
図3に示すように、建物11の出隅部10において、上下方向に連続して複数配置される。本実施形態においては、複数の外壁材2は、例えば、シーリング材を使用しないシーリングレス工法を用いて、柱100に取り付けられている。
【0011】
複数の外壁材2は、
図3に示すように、それぞれ、下端に形成される下端合いじゃくり部21と、上端に形成される上端合いじゃくり部22と、を有する。外壁材2が上下に連続して配置された場合に、上側に配置される外壁材2の下端合いじゃくり部21と下側に配置される外壁材2の上端合いじゃくり部22とは、2つの外壁材2を上下に連続して配置するように組み合わされる。
【0012】
下端合いじゃくり部21は、
図3に示すように、外壁材2の下端において裏面2b側が切り欠かれた形状に形成される。下端合いじゃくり部21は、外壁材2の下端において、表面2a側に形成される下端側表面側下方延在部211と、裏面2b側に形成され下端側表面側下方延在部211の下部よりも上方側に位置する下端側裏面側下方突出部212と、を有する。
【0013】
下端側表面側下方延在部211は、外壁材2の表面2a側において、下方に延びて形成される。下端側表面側下方延在部211の下端部には、表面側下端部211aが形成される。表面側下端部211aは、上端合いじゃくり部22の上端側表面側上方延在部222の表面側上端部222aに当接して配置される。
【0014】
下端側裏面側下方突出部212は、外壁材2の裏面2b側において、下端側表面側下方延在部211よりも短い長さで下方に突出して形成される。下端側裏面側下方突出部212の下端部には、裏面側下端部212aが形成される。裏面側下端部212aは、上端合いじゃくり部22の上端側裏面側上方延在部221の裏面側上端部221aに対向して配置される。
【0015】
上端合いじゃくり部22は、
図3に示すように、外壁材2の上端において表面2a側が切り欠かれた形状に形成される。上端合いじゃくり部22は、外壁材2の上端部において、裏面2b側に形成される上端側裏面側上方延在部221と、表面2a側に形成され上端側裏面側上方延在部221の上部よりも下方側に位置する上端側表面側上方延在部222と、を有する。
【0016】
上端側裏面側上方延在部221は、上端合いじゃくり部22の裏面2b側において、上方に延びて形成される。上端側裏面側上方延在部221の上端部には、裏面側上端部221aが形成される。裏面側上端部221aは、下端合いじゃくり部21の下端側裏面側下方突出部212の裏面側下端部212aに対向して配置される。裏面側上端部221aの上面には、横ズレ防止金具6を取り付ける際に、横ズレ防止金具6の第1落下防止突出片64(後述)及び第2落下防止突出片65(後述)が当接して配置される(
図2参照)。
【0017】
上端側表面側上方延在部222は、
図3に示すように、上端合いじゃくり部22の表面2a側において、上端側裏面側上方延在部221よりも短い長さで上方に延びて形成される。上端側表面側上方延在部222の上端部には、表面側上端部222aが形成される。表面側上端部222aは、下端合いじゃくり部21の下端側表面側下方延在部211の表面側下端部211aに当接して配置される。
【0018】
出隅ジョイナー4は、
図1に示すように、建物11の出隅部10に配置される。出隅ジョイナー4は、例えば、一枚の金属板を折り曲げ加工して形成される。出隅ジョイナー4は、外壁材2の出隅部10側の端部を覆うように形成される。出隅ジョイナー4は、建物躯体としての柱100の角部に沿って上下に延びて形成され、スペーサー3を介して柱100に取り付けられる。
【0019】
スペーサー3は、
図1に示すように、柱100の角部を挟んで直交して形成される一の面101及び他の面102に沿って配置される。スペーサー3の一面は、柱100の一の面101及び他の面102に固定される。スペーサー3の他面には、出隅ジョイナー4が固定される。
【0020】
出隅ジョイナー4は、一対の固定板部41と、一対の水返し部42と、連結部43と、一対のL字突出部44と、を有する。
【0021】
一対の固定板部41は、それぞれ、柱100の角部から柱100の対角線の延長線上の外側に所定距離離間した位置から、柱100の一の面101又は他の面102に平行に延びて形成される。一対の固定板部41は、互いが直交して配置されることで、全体としてL字状に形成される。一対の固定板部41は、それぞれ、柱100の一の面101及び他の面102に固定されたスペーサー3に固定される。一対の固定板部41は、柱100に固定されたスペーサー3に固定されることで、柱100に固定される。
【0022】
一対の水返し部42は、それぞれ、固定板部41における建物11の出隅部10と反対側の端部に配置される。水返し部42は、固定板部41における建物11の出隅部10と反対側の端部が、建物11の出隅部10側に戻るように折り返されて形成される。
【0023】
連結部43は、柱100の出隅部10において、一対の固定板部41のL字部分の角部から、柱100の対角線の延長線上の外側に所定長さ延びる板状に形成される。連結部43は、一対の固定板部41のL字部分の角部と一対のL字突出部44とを連結する。
【0024】
一対のL字突出部44は、それぞれ、外壁材2側が開放する平面視でL字状の板状に形成される。一対のL字突出部44は、それぞれ、連結部43の外側の端部に接続され、柱100の一の面101側又は他の面102側に配置される。
【0025】
一対のL字突出部44は、それぞれ、第1延在板441と、第2延在板442と、を有する。第1延在板441は、連結部43の外側の端部から、柱100の一の面101及び他の面102から離れる側に所定長さ延びる。第2延在板442は、第1延在板441の外側の端部から、柱100の一の面101又は他の面102に平行に所定長さ延びる。
【0026】
複数の固定金具5は、それぞれ、外壁材2をスペーサー3に固定する。これにより、複数の固定金具5は、それぞれ、スペーサー3を介して、外壁材2を柱100に固定する。固定金具5は、柱100の一の面101又は他の面102の横方向の途中の位置において、外壁材2を保持した状態で、ねじによってスペーサー3に固定されることで、外壁材2をスペーサー3に固定する。
【0027】
複数の横ズレ防止金具6は、それぞれ、固定金具5により固定された外壁材2の横ズレを防止する。横ズレ防止金具6は、
図1及び
図2に示すように、固定金具5とは別部材により構成される。
【0028】
複数の横ズレ防止金具6は、建物11の出隅部10において、それぞれ、建物11の出隅部10を挟んで、柱100の一の面101側又は柱100の他の面102側に配置される。柱100の一の面101側に配置される横ズレ防止金具6と柱100の他の面102側に配置される横ズレ防止金具6とは、互いが、左右対称の形状に形成される。横ズレ防止金具6は、
図1及び
図2に示すように、出隅ジョイナー4及びスペーサー3にねじによって固定される。
【0029】
本実施形態においては、柱100の一の面101側に配置される横ズレ防止金具6について説明する。柱100の他の面102側に配置される横ズレ防止金具6は、柱100の一の面101側に配置される横ズレ防止金具6と対称形状である点以外については同様の構成である。そのため、本実施形態においては、柱100の一の面101側に配置される横ズレ防止金具6について説明し、柱100の他の面102側に配置される横ズレ防止金具6の説明を省略する。
【0030】
横ズレ防止金具6は、
図4~
図6に示すように、上下方向に延びる平板状の基板部61(上下方向延在板)と、基板部61の出隅部10側の端部の下部において柱100と反対側に折り曲げて形成された折り曲げ板部62と、折り曲げ板部62の基板部61と反対側の端部を基板部61と平行になるように出隅部10側に折り曲げて形成した支持板部63と、第1落下防止突出片64(落下防止部)と、第2落下防止突出片65(落下防止部)と、横ズレ防止端面対向片66(端面対向部)と、傾き防止突出片67(突出部)と、を有する。
【0031】
基板部61は、
図4及び
図5に示すように、柱100の一の面101に平行に上下方向に延びる板状に形成される。基板部61は、外壁材2と柱100との間に配置される。本実施形態においては、基板部61は、外壁材2と出隅ジョイナー4の固定板部41との間に配置されることで、外壁材2と柱100との間に配置される。
【0032】
基板部61は、
図5及び
図6に示すように、上部において出隅部10と反対側に延びる上部延在片611を有する。上部延在片611の下端には、第1落下防止突出片64が形成される。第1落下防止突出片64は、上部延在片611の下端部から柱100と反対側に水平に突出する板状に形成される。第1落下防止突出片64は、横ズレ防止金具6を柱100に取り付ける際に、外壁材2の上端合いじゃくり部22の上端側裏面側上方延在部221の裏面側上端部221aの上面に当接して配置される。
【0033】
基板部61の出隅部10と反対側の下部は、上部延在片611の下方において方形状に切り欠かれる。
図4~
図6に示すように、基板部61の出隅部10と反対側の下方の切り欠かれた部分の下端には、板状の傾き防止突出片67が形成される。傾き防止突出片67は、基板部61における出隅部10と反対側の下端から、柱100と反対側の外壁材2側に突出すると共に、上下方向に延びる板状に形成される。
【0034】
折り曲げ板部62及び支持板部63は、
図5及び
図6に示すように、基板部61の下部に配置される。支持板部63の上端には、第2落下防止突出片65が形成される。第2落下防止突出片65は、支持板部63の上端から柱100と反対側に水平に突出する板状に形成される。第2落下防止突出片65は、第1落下防止突出片64と同じ高さに形成される。第2落下防止突出片65は、横ズレ防止金具6を柱100に取り付ける際に、外壁材2の上端合いじゃくり部22の上端側裏面側上方延在部221の裏面側上端部221aの上面に当接して配置される。
【0035】
支持板部63の出隅部10側の端部の下部には、
図5及び
図6に示すように、横ズレ防止端面対向片66が形成される。横ズレ防止端面対向片66は、支持板部63の出隅部10側の端部の下部から、柱100と反対側に延びる板状に形成される。横ズレ防止端面対向片66は、外壁材2の横方向の出隅部10側の端面23に対向して配置される。これにより、横ズレ防止端面対向片66は、外壁材2の横ズレを防止する。横ズレ防止端面対向片66は、外壁材2の横方向の出隅部10側の端面23に接触して配置されていてもよいし、外壁材2の横方向の出隅部10側の端面23から離間して配置されていてもよい。
【0036】
図3に示すように、下側に配置される外壁材2の横ズレを防止する横ズレ防止金具6の横ズレ防止端面対向片66の上端661は、上側に配置される外壁材2の下端側表面側下方延在部211の表面側下端部211aよりも下方に位置するように配置される。これにより、下側の外壁材2を固定して横ズレ防止金具6を取り付けた後に上側の外壁材2を固定する場合に、横ズレ防止金具6の横ズレ防止端面対向片66が、上側の外壁材2に干渉することを抑制できる。
【0037】
次に、外壁材2の横ズレ防止構造1の施工方法について説明する。まず、建物11の出隅部10において、出隅ジョイナー4(
図1参照)を、柱100の一の面101に固定されたスペーサー3及び他の面102に固定されたスペーサー3にねじにより固定する。
【0038】
続けて、固定金具5を用いて、外壁材2を、柱100に固定されたスペーサー3に固定する。本実施形態においては、まず、上下に並んで配置される外壁材2のうち、下側に配置される外壁材2を、固定金具5により、柱100に固定されたスペーサー3に固定する。
【0039】
次に、
図6に示す状態から、横ズレ防止金具6の基板部61を出隅ジョイナー4の固定板部41と外壁材2との間に挿入するように、横ズレ防止金具6を上方側から下方側に移動させる。そして、
図5に示すように、第1落下防止突出片64及び第2落下防止突出片65を、外壁材2の上端合いじゃくり部22の上端側裏面側上方延在部221の裏面側上端部221aに当接させて配置した状態で、
図2に示すように、横ズレ防止金具6をスペーサー3にねじで固定する。これにより、横ズレ防止金具6を柱100に固定する。
【0040】
横ズレ防止金具6を柱100に固定することで、横ズレ防止端面対向片612は、外壁材2の出隅部10側の端面23に対向して配置される。これにより、横ズレ防止金具6は、外壁材2の横ズレを防止できる。特に、例えば、本実施形態のように、シーリング材を使用しないシーリングレス工法を用いて外壁材2を柱100に固定する場合には、地震などにより建物が揺れた場合に外壁材2の横ズレが生じる可能性が高くなるため、横ズレ防止金具6の横ズレ防止端面対向片612により外壁材2の横ズレを防止することは効果的である。
【0041】
続けて、下側の外壁材2の横ズレを防止する横ズレ防止金具6を柱100に固定した後に、上側の外壁材2を、固定金具5により、柱100に固定されたスペーサー3に固定する。そして、下側の外壁材2の横ズレを防止する横ズレ防止金具6を柱100に固定する。これらの作業を繰り返し行うことで、建物11の柱100に固定された複数の外壁材2の横ズレを防止する複数の横ズレ防止金具6を柱100に固定できる。
【0042】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態の外壁材2の横ズレ防止構造1は、建物11の出隅部10に配置される外壁材2と、柱100に外壁材2を固定する固定金具5と、固定金具5とは別部材により構成されると共に外壁材2の横方向の出隅部10側の端面23に対向して配置されることで外壁材2の横ズレを防止する横ズレ防止端面対向片66を有する横ズレ防止金具6と、を備える。
【0043】
これにより、横ズレ防止端面対向片66により、外壁材2の横ズレを効果的に防止できる。また、横ズレ防止金具6を固定金具5と別部材で構成したため、外壁材2を固定金具5で固定した後に、横ズレ防止金具6を後付けで取り付けることができる。そのため、簡易な構成で、出隅部10に配置される外壁材2の横ズレを防止できる。また、外壁材2を固定した後に、横ズレ防止金具6を取り付けることができるため、外壁材2の横方向の端部の切断による端部の長さのバラツキがあっても、外壁材2の横方向の長さに合わせて、横ズレ防止金具6を取り付けることができる。
【0044】
本実施形態においては、横ズレ防止金具6は、外壁材2の下端側表面側下方延在部211の表面側下端部211aの上面に当接して配置される第1落下防止突出片64及び第2落下防止突出片65を更に有する。これにより、横ズレ防止金具6を取り付ける際に、横ズレ防止金具6が落下することが防止された状態で、横ズレ防止金具6を柱100に固定できる。また、横ズレ防止金具6を外壁材2の上端部に仮置きした状態で、横ズレ防止金具6を柱100に固定できるため、横ズレ防止金具6を柱100に固定する施工作業を容易に行うことができる。
【0045】
本実施形態においては、横ズレ防止金具6は、外壁材2と柱100との間に配置される基板部61を更に有する。そのため、基板部61を外壁材2と柱100との間に基板部61を挿入することで、外壁材2を固定金具5で固定した後に、横ズレ防止金具6を容易に取り付けることができる。
【0046】
本実施形態においては、横ズレ防止金具6は、基板部61から外壁材2側に突出する傾き防止突出片67を更に有する。これにより、横ズレ防止金具6を取り付ける際に、横ズレ防止金具6を出隅ジョイナー4と外壁材2との間に挿入する場合に、傾き防止突出片67が出隅ジョイナー4と外壁材2との間に配置されるため、横ズレ防止金具6が外壁材2に対して傾くことを防止できる。
【0047】
本実施形態においては、下側に配置される外壁材2の横ズレを防止する横ズレ防止金具6の横ズレ防止端面対向片66の上端は、上側に配置される外壁材2の下端よりも下方に位置するように配置される。これにより、下側の外壁材2を固定して横ズレ防止金具6を取り付けた後に上側の外壁材2を固定する場合に、横ズレ防止金具6の横ズレ防止端面対向片66が、上側の外壁材2に干渉することを抑制できる。よって、下側の外壁材2の横ズレを防止する横ズレ防止金具6を取り付けた場合においても、横ズレ防止金具6が邪魔にならずに、上側の外壁材2を取り付けることができる。
【0048】
なお、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。
【0049】
例えば、前記実施形態においては、落下防止部として、第1落下防止突出片64及び第2落下防止突出片65の2つを設けたが、これに限定されない。落下防止部を、第1落下防止突出片64及び第2落下防止突出片65のいずれか一方のみで構成してもよいし、3つ以上の部材で構成してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 外壁材の横ズレ防止構造、2 外壁材、5 固定金具(固定部材)、6 横ズレ防止金具(横ズレ防止部材)、10 出隅部、11 建物、23 端面、61 基板部(上下方向延在板)、64 第1落下防止突出片(落下防止部)、65 第2落下防止突出片(落下防止部)、66 横ズレ防止端面対向片(端面対向部)、67 傾き防止突出片(突出部)、100 柱(建物躯体)