(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】防災システム
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20240704BHJP
G08B 27/00 20060101ALI20240704BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20240704BHJP
H04M 11/04 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
G08B17/00 C
G08B27/00 Z
G08B25/10 D
H04M11/04
(21)【出願番号】P 2020136148
(22)【出願日】2020-08-12
【審査請求日】2023-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】増田 誠良
(72)【発明者】
【氏名】今井 大貴
【審査官】松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-052880(JP,A)
【文献】特開2018-106693(JP,A)
【文献】特開2017-092548(JP,A)
【文献】特開2017-068369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00
G08B 27/00
G08B 25/10
H04M 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者に携帯される複数の携帯端末と、
少なくとも前記複数の携帯端末に関する情報が記録されている管理装置と、
少なくとも火災の予兆が発生した場所を特定する火災報知設備と、を備える防災システムにおいて、
前記管理装置は、
火災の予兆が発生した場所を示す予兆場所情報を前記火災報知設備から受信した場合に、受信した当該予兆場所情報に基づいて、前記複数の携帯端末の内の前記予兆場所情報が示す場所に予め関連付けられている第1携帯端末に対して火災の予兆が発生したことを示す火災予兆情報を送信し、
前記火災予兆情報を送信した後に、前記複数の携帯端末側から送信される所定情報を受信した場合に、前記複数の携帯端末の内の予め定められている第2携帯端末に対して消火を指示する情報を送信する、
防災システム。
【請求項2】
前記第2携帯端末は、前記複数の携帯端末の内の初期消火を担当する利用者に携帯される携帯端末であり、
前記管理装置は、前記火災予兆情報を送信した後に、出火を確認したことを示す情報を前記所定情報として受信した場合に、第1消火設備による消火を指示する情報を前記第2携帯端末に送信する、
請求項1に記載の防災システム。
【請求項3】
前記管理装置は、前記第1消火設備による消火を指示する情報を送信した後に、前記第1消火設備による消火が困難であることを示す情報を受信した場合に、第2消火設備による消火を指示する情報を第2携帯端末に送信する、
請求項2に記載の防災システム。
【請求項4】
前記第1消火設備は消火器であり、前記第2消火設備は消火栓装置である、
請求項3に記載の防災システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、火災発生時の火災報知システムによる、施設の在館者への周知方法はベル(例えば、特許文献1参照)等による周知が行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、非火災報による混乱を避けることから、施設の全館への一斉周知は火災レベル判定後に行われるため、防災センター外にいる施設の関係者(例えば、ホテル施設における当該ホテルの従業員等)への周知も一斉周知と同様のタイミングとなっていたために、関係者への早期周知が要望されており、防災性を向上させる点において改善の余地があった。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、防災性を向上させることが可能となる防災システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の防災システムは、複数の利用者に携帯される複数の携帯端末と、少なくとも前記複数の携帯端末に関する情報が記録されている管理装置と、少なくとも火災の予兆が発生した場所を特定する火災報知設備と、を備える防災システムにおいて、前記管理装置は、火災の予兆が発生した場所を示す予兆場所情報を前記火災報知設備から受信した場合に、受信した当該予兆場所情報に基づいて、前記複数の携帯端末の内の前記予兆場所情報が示す場所に予め関連付けられている第1携帯端末に対して火災の予兆が発生したことを示す火災予兆情報を送信し、前記火災予兆情報を送信した後に、前記複数の携帯端末側から送信される所定情報を受信した場合に、前記複数の携帯端末の内の予め定められている第2携帯端末に対して消火を指示する情報を送信する。
【0007】
また、請求項2に記載の防災システムは、請求項1に記載の防災システムにおいて、前記第2携帯端末は、前記複数の携帯端末の内の初期消火を担当する利用者に携帯される携帯端末であり、前記管理装置は、前記火災予兆情報を送信した後に、出火を確認したことを示す情報を前記所定情報として受信した場合に、第1消火設備による消火を指示する情報を前記第2携帯端末に送信する。
【0008】
また、請求項3に記載の防災システムは、請求項2に記載の防災システムにおいて、前記管理装置は、前記第1消火設備による消火を指示する情報を送信した後に、前記第1消火設備による消火が困難であることを示す情報を受信した場合に、第2消火設備による消火を指示する情報を第2携帯端末に送信する。
【0009】
また、請求項4に記載の防災システムは、請求項3に記載の防災システムにおいて、前記第1消火設備は消火器であり、前記第2消火設備は消火栓装置である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の防災システムによれば、複数の携帯端末の内の予兆場所情報が示す場所に予め関連付けられている第1携帯端末に対して火災の予兆が発生したことを示す火災予兆情報を送信し、また、複数の携帯端末の内の予め定められている第2携帯端末に対して消火を指示する情報を送信することにより、例えば、火災が燃え広がる前の早期の段階で、一部のユーザ(例えば、防災システムが適用される施設の管理側又は運営側の関係者等)に対して火災の予兆を知らせることができ、また、消火にあたらせることができるので、防災性を向上させることが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の防災システムによれば、第1消火設備による消火を指示する情報を送信することにより、例えば、消火設備を具体的に知らせることができるので、消火設備の選択に迷って消火活動の初動が遅れてしまうことを防止することが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の防災システムによれば、第1消火設備による消火が困難であることを示す情報を受信した場合に、第2消火設備による消火を指示する情報を送信することにより、例えば、火災の鎮火のために適切な設備を用いて消火活動にあたらせることができるので、防災性を向上させることが可能となる。
【0013】
請求項4に記載の防災システムによれば、第1消火設備は消火器であり、第2消火設備は消火栓装置であることにより、例えば、火災の広がりに応じて適切な設備を用いて消火活動にあたらせることができるので、防災性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施の形態に係る防災システムが適用されるホテルの建物を示す図である。
【
図3】防災システムの機能を示すブロック図である。
【
図4】各端末装置に格納されている端末ID及びグループIDを例示した図である。
【
図7】チャットグループ特定情報を例示した図である。
【
図8】通知先グループ特定情報を例示した図である。
【
図10】グループチャット表示画面を例示した図である。
【
図13】グループチャット表示画面を例示した図である。
【
図14】グループチャット表示画面を例示した図である。
【
図15】グループチャット表示画面を例示した図である。
【
図16】グループチャット表示画面を例示した図である。
【
図17】グループチャット表示画面を例示した図である。
【
図19】グループチャット表示画面を例示した図である。
【
図20】火災レベル判定関連処理のフローチャートである。
【
図21】グループチャット表示画面を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る防災システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0016】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、本実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態は、概略的に、防災システムに関するものである。
【0017】
「防災システム」とは、防災のために用いられるシステムであり、具体的には、防災に関する情報を出力するための装置であり、例えば、携帯端末と、管理装置と、火災報知設備とを備える。
【0018】
「携帯端末」とは、利用者(つまり、携帯端末のユーザ)によって携帯される装置であり、例えば、スマートフォン、及びタブレット端末等のコンピュータを含む概念である。
【0019】
「管理装置」とは、少なくとも複数の携帯端末に関する情報が記録されている装置であり、具体的には、火災の予兆が発生した場所を示す予兆場所情報を火災報知設備から受信した場合に、受信した当該予兆場所情報に基づいて、複数の携帯端末の内の予兆場所情報が示す場所に予め関連付けられている第1携帯端末に対して火災の予兆が発生したことを示す火災予兆情報を送信し、火災予兆情報を送信した後に、複数の携帯端末側から送信される所定情報を受信した場合に、複数の携帯端末の内の予め定められている第2携帯端末に対して消火を指示する情報を送信する装置等を含む概念である。
【0020】
「複数の携帯端末に関する情報」とは、例えば、対象施設に関する場所と、当該場所に関連付けられている携帯端末とを示す第1情報、あるいは、対象施設で火災(火災の予兆を含む)が発生した場合に初期消火を担当するユーザが携帯する携帯端末を示す第2情報等を含む概念である。なお、「当該場所に関連付けられている携帯端末」とは、例えば、関連付けられている対象施設の場所で火災(火災の予兆を含む)が発生した場合に、当該火災(火災の予兆を含む)が発生したことを通知する対象となるユーザが携帯する携帯端末等を含む概念である。
【0021】
なお、「火災の予兆」とは、例えば、火災検知器が検出する所定の物理量(つまり、一例としては、感知器が検出する煙の濃度等)が火災発生の条件を満たす状態に近づいている状態であり、例えば比較的大規模な燃焼現象が発生するきざしであり、一例としては、消防隊員に通報するまでもなく、対象施設内に関するユーザによって消火可能とされる規模の燃焼現象である場合や、例えばタバコ等の煙や粉塵、湯気等により実際の火災ではない場合を含むものと解釈してもよい。また、「火災」とは、例えば、前述の火災の予兆に対応する燃焼現象よりも大規模な燃焼現象であり、一例としては、消防隊員へ通報して当該消防隊員による消火が必要とされる規模の燃焼現象であるものと解釈してもよい。なお、ここで記載の「火災の予兆」及び「火災」の定義は、一例であり、本実施の形態の記載に対応する限りにおいて、公知の定義を含む他の定義を適用してもよい(他の各用語の定義も同様に解釈してもよい)。
【0022】
「第1携帯端末」とは、例えば、複数の携帯端末の内の1個以上の携帯端末であり、火災の予兆が発生した場所に予め関連付けられている携帯端末を示す概念である。「第2携帯端末」とは、例えば、複数の携帯端末の内の1個以上の携帯端末であり、初期消火を担当するユーザに携帯される携帯端末を示す概念である。
【0023】
「所定情報」とは、予め定められた情報であり、例えば、出火を確認したことを示す情報を含み、一例としては、「出火」、「火事」等の予め定められた単語に対応する情報等を含む概念である。
【0024】
「対象施設」とは、防災システムが適用される施設であり、例えば、ホテル、ショッピングセンター、及び学校等の任意の施設を含む概念である。
【0025】
前述の「管理装置」は、例えば、火災予兆情報を送信した後に、出火を確認したことを示す情報を所定情報として受信した場合に、第1消火設備による消火を指示する情報を第2携帯端末に送信する装置を含む概念であり、また、第1消火設備による消火を指示する情報を送信した後に、第1消火設備による消火が困難であることを示す情報を受信した場合に、第2消火設備による消火を指示する情報を第2携帯端末に送信する手段等を含む概念である。
【0026】
「第1消火設備」とは、消火を行うための設備であり、具体的には、前述のユーザが扱って消火を行うことが可能な設備であり、第2消火設備よりも容易に扱うことが可能な設備であり、例えば、消火器等を含む概念である。「第2消火設備」とは、消火を行うための設備であり、具体的には、前述のユーザが扱って消火を行うことが可能な設備であり、例えば、消火栓装置等を含む概念である。
【0027】
「火災報知設備」とは、少なくとも火災の予兆が発生した場所を特定する設備である。
【0028】
そして、以下に示す実施の形態では、防災システムが適用される対象施設がホテルである場合について説明する。
【0029】
[実施の形態の具体的内容]
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0030】
(構成)
まず、本実施の形態に係る防災システムの構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る防災システムが適用されるホテルの建物を示す図であり、また、
図2は、
図1の建物の2階の一部の平面図であり、
図3は、防災システムの機能を示すブロック図である。
【0031】
図1及び
図3の防災システム100は、少なくとも、
図1の建物における火災に関する防災を行うためのシステムであり、具体的には、当該建物内の領域、あるいは、建物外の領域(
図1では説明の便宜上、不図示であるが、ホテルの駐車場等)における火災に関する防災を行うためのシステムである。当該建物は、例えば、ホテル施設であり、また、当該建物の2階部分には、
図2に示すように、複数の階段(第1階段~第3階段等)、複数の客室(1号室~5号室等)、及び複数の廊下(第1廊下~第3廊下等)が設けられている。なお、
図2において、感知器2は説明の便宜上、丸印で図示されており、複数設けられているが、これらの感知器2の内の感知器201及び感知器202のみに符号が付されている。
【0032】
図1及び
図3の防災システム100は、例えば、端末装置1、感知器2、防災受信機3、防災報知サーバ4(
図3)、及び情報共有サーバ5(
図3)を備える。
【0033】
(構成-端末装置)
図1及び
図3の端末装置1は、前述の携帯端末であり、ホテルの従業員であるユーザ(利用者)によって携帯される装置であり、例えば、スマートフォンである。
【0034】
なお、
図1の建物のホテルの従業員であるユーザは、多数名存在するが、本実施の形態では、
図1の「A1」~「A7」(便宜上の記載)が各ユーザの氏名を示し、当該ユーザである「A1」~「A7」に着目して説明する。また、これらの各ユーザの職種については、
図1に記載されているように、「A1」がフロント担当であり、また、「A2」及び「A3」がベルスタッフであり、また、「A4」がクローク担当であり、また、「A5」が2階の清掃係であり、また、「A6」が2階の設備係であり、また、「A7」が3階の設備係である場合について説明する。
【0035】
端末装置1は、例えば、これらの各ユーザに携帯される端末装置101~107を含む。各端末装置1は、
図3に示すように、例えば、通信部11、タッチパッド12、ディスプレイ13、記録部14、及び制御部15を備える。
【0036】
(構成-端末装置-通信部)
図3の通信部11は、外部装置(例えば、情報共有サーバ5)との間で通信するための通信手段である。この通信部11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の通信回路等を用いて構成することができる。
【0037】
(構成-端末装置-タッチパッド)
図3のタッチパッド12は、ユーザの指等で押圧されることにより、当該ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。このタッチパッド12の具体的な構成は任意であるが、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のものを用いることができる。
【0038】
(構成-端末装置-ディスプレイ)
図3のディスプレイ13は、制御部15の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。このディスプレイ13の具体的な構成は任意であるが、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いることができる。なお、上記のタッチパッド12とディスプレイ13と相互に重畳させてタッチパネルとして一体形成しても構わない。
【0039】
(構成-端末装置-記録部)
図3の記録部14は、端末装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのフラッシュメモリを用いて構成されている。ただし、フラッシュメモリに代えてあるいはフラッシュメモリと共に、ハードディスク、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(他の装置の記録部も同様とする)。
【0040】
記録部14には、例えば、端末識別情報(以下、識別情報を「ID」と称する)、及びグループIDが格納されている。
図4は、各端末装置に格納されている端末ID及びグループIDを例示した図である。この
図4においては、項目「端末装置」の欄に記載されている端末装置1の記録部14に記録されている端末ID及びグループIDが、当該項目「端末装置」の欄に関連付けられている項目「端末ID」及び項目「グループID」の欄に図示されている端末ID及びグループIDであることが示されている。つまり、例えば、
図4においては、端末装置101(
図1)の記録部14に記録されている端末IDが「IDt001」であり、また、当該端末装置101の記録部14に記録されているグループIDが「IDg001」~「IDg007」等であること等が示されている。
【0041】
図3の「端末ID」とは、端末装置1を一意に識別するための情報である。そして、
図1の端末装置101~107の記録部14には、
図4に示すように、「IDt001」~「IDt007」が格納されている。
【0042】
図3の「グループID」とは、各端末装置1のユーザが所属するチャットグループを一意に識別する情報である。「チャットグループ」とは、端末装置1を用いてテキスト情報又は音声情報にて相互にコミュニケーションをとる対象のユーザが属するグループを示す概念であり、いわゆるグループチャットを行うユーザが属するグループを示す概念である。この「チャットグループ」の生成手法は任意であるが、例えば、各ユーザの職種(前述のフロント、ベルスタッフ等)又は緊急時に担当する仕事(例えば、出火時の初期消火を行う仕事等)を含む任意の概念を基準に予め定められていることとする。なお、具体的なチャットグループについては、後述する。そして、
図1の端末装置101~107の記録部14には、
図4に示すように、「IDg001」~「IDg008」等が格納されている。なお、この「IDg001」~「IDg008」が識別するチャットグループについても、後述する。
【0043】
(構成-端末装置-制御部)
図3の制御部15は、端末装置1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(他の装置の制御部も同様とする)。特に、実施の形態に係るプログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して端末装置1にインストールされることで、制御部15の各部を実質的に構成する(他の装置の制御部も同様とする)。なお、制御部15によって行われる処理については、後述する。
【0044】
(構成-感知器)
図1~
図3の感知器2は、自己が設置されている区画(領域)における、火災の予兆又は火災発生を検出して報知する機器であり、各階の各区画に設けられており、また、伝送回線L1(
図1)を介して防災受信機3側に通信可能に接続されており、例えば、
図2に示すのように、建物の2階の客室である1号室に設置されている感知器201、及び当該、建物の2階の客室である2号室に設置されている感知器202等を含む。なお、感知器2については、公知の無線通信の技術を用いて、伝送回線L1を介さずに、無線通信にて防災受信機3側と通信可能としてもよい。
【0045】
この感知器2の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、不図示である通信部、記録部、及び制御部を備えている。そして、感知器2の記録部には、自己を一意に識別するための設備IDが格納されており、特に、感知器201、202の記録部には、設備IDとして「IDd201」~「IDd202」が格納されていることとする。
【0046】
(構成-防災受信機)
図1及び
図3の防災受信機3は、感知器2側から受信する各種信号に基づいて、防災に関する各種処理を行う装置である。この防災受信機3の具体的な構成は任意であるが、例えば、不図示である通信部、記録部、及び制御部を備えている。そして、この防災受信機3の具体的な構成は、公知の構成を適用することができるので、詳細の説明を省略する。
【0047】
(構成-防災報知サーバ)
図3の防災報知サーバ4は、前述の火災報知設備である。防災報知サーバ4は、例えば、
図1の建物内又は当該建物の外部の任意の位置(例えば、防災センター又はデータセンター等)に設けられる装置であり、例えば、単体で動作するコンピュータとして構成してもよいし、あるいは、複数台のコンピュータを用いて構成されるいわゆるクラウドコンピュータとして構成してもよい(情報共有サーバ5も同様である)。
【0048】
防災報知サーバ4は、
図3に示すように、例えば、通信部41、記録部42、及び制御部43を備える。
【0049】
(構成-防災報知サーバ-通信部)
図3の通信部41は、外部装置(例えば、防災受信機3、及び情報共有サーバ5)との間で通信するための通信手段である。この通信部41の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の通信回路等を用いて構成することができる。
【0050】
(構成-防災報知サーバ-記録部)
図3の記録部42は、防災報知サーバ4の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、設備情報が格納されている。
【0051】
(構成-防災報知サーバ-記録部-設備情報)
「設備情報」とは、防災システム100に含まれる各装置である各設備(本実施の形態の場合、感知器2)を特定する情報である。
図5は、設備情報を例示した図である。この設備情報は、例えば、
図5に示すように、項目「設備ID」に対応する情報と、項目「設備種別情報」に対応する情報と、項目「設置場所情報」に対応する情報とが相互に関連付けられている。
【0052】
項目「設備ID」に対応する情報とは、設備である感知器2を一意に識別するための前述の設備IDである。この設備IDは任意であるが、例えば、
図2の感知器201~202を一意に識別する「IDd201」~「IDd202」等が格納されている。項目「設備種別情報」に対応する情報は、設備の種別を特定する設備種別情報である(
図5では、感知器2の種別を特定する「感知器」等である)。項目「設置場所情報」に対応する情報は、各設備が設置されている場所を特定する設置場所情報である(
図5では、建物の2階の客室である1号室(
図2)を示す「2階客室(1号室)」、及び建物の2階の客室である2号室(
図2)を示す「2階客室(2号室)」、
図1の建物に設けられているレストランを示す「レストラン」、ロビーを示す「ロビー」、当該建物の周辺に設けられているホテルの駐車場を示す「駐車場」等)。
【0053】
そして、このような設備情報の最上段の情報(「IDd201」、「感知器」、及び「2階客室(1号室)」の組み合わせの情報)については、「設備ID」=「ID201」が識別する感知器201(
図2)の種別が「設備種別情報」が示す「感知器」であること、及び当該感知器201が設置されている場所が「設置場所情報」が示す「2階客室(1号室)」(つまり、建物の2階の客室である1号室)であることが示されている。
【0054】
なお、このような設備情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、任意の手法(例えば、メモリスティック等の記録媒体を用いて情報を入力する手法、あるいは、管理者が自己の端末から情報を送信して入力する手法等)を用い防災報知サーバ4に情報を入力した場合に、制御部43が当該情報に基づいて、設備情報を格納することとする(特記する場合を除いて、後述する各情報についても同様とする)。
【0055】
(構成-防災報知サーバ-制御部)
図3の制御部43は、防災報知サーバ4を制御する制御手段である。なお、制御部43によって行われる処理については、後述する。
【0056】
(構成-情報共有サーバ)
図3の情報共有サーバ5は、前述の管理装置であり、少なくとも、複数のユーザ相互間においてグループチャットを行うための装置である。なお、この情報共有サーバ5における、グループチャットに関する機能は公知の技術を含む任意の技術を用いて実現することができるので、本願に特徴的な部分のみ詳細に説明し、他の部分については概略のみ説明する。
【0057】
情報共有サーバ5は、
図3に示すように、例えば、通信部51、記録部52、及び制御部53を備える。
【0058】
(構成-情報共有サーバ-通信部)
図3の通信部51は、外部装置(例えば、端末装置1、及び防災報知サーバ4)との間で通信するための通信手段である。この通信部51の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の通信回路等を用いて構成することができる。
【0059】
(構成-情報共有サーバ-記録部)
図3の記録部52は、情報共有サーバ5の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、ユーザ情報、チャットグループ特定情報、通知先グループ特定情報、及びチャット履歴情報が格納されている。
【0060】
(構成-情報共有サーバ-記録部-ユーザ情報)
「ユーザ情報」とは、ユーザを特定する情報であり、例えば、防災システム100が適用されるホテルの従業員を特定する情報である。
図6は、ユーザ情報を例示した図である。このユーザ情報は、例えば、
図6に示すように、項目「氏名情報」に対応する情報と、項目「職種情報」に対応する情報と、項目「端末ID」に対応する情報とが相互に関連付けられている。
【0061】
項目「氏名情報」に対応する情報とは、ユーザの氏名を示す氏名情報である(
図6では、便宜上の記載であり、前述したように、
図1に図示されている「A1」等)。項目「職種情報」に対応する情報とは、ユーザの職種を示す職種情報である(
図6では、前述したように、フロント担当の職種を示す「フロント」等)。項目「端末ID」に対応する情報は、ユーザに携帯されている端末装置1を一意に識別する端末IDである(
図6では、前述の「IDt001」等)。
【0062】
そして、このようなユーザ情報の最上段の情報(「A1」、「フロント」、及び「IDt001」の組み合わせの情報)については、「A1」という氏名のユーザの職種が「職種情報」=「フロント」が示すフロント担当であり、当該「A1」という氏名のユーザに携帯される端末装置101の端末IDが「IDt001」であること(つまり、当該A1」という氏名のユーザに携帯される端末装置1が、「IDt001」が識別する端末装置101であること)が示されている。
【0063】
(構成-情報共有サーバ-記録部-チャットグループ特定情報)
「チャットグループ特定情報」とは、前述のチャットグループを特定する情報である。
図7は、チャットグループ特定情報を例示した図である。このチャットグループ特定情報は、例えば、
図7に示すように、項目「グループID」に対応する情報と、項目「グループ名情報」に対応する情報と、項目「職種情報」に対応する情報と、項目「端末ID」に対応する情報とが相互に関連付けられている。
【0064】
項目「グループID」に対応する情報は、チャットグループを一意に識別するグループIDである(
図7では、「IDg001」等)。項目「グループ名」に対応する情報は、チャットグループの名称を特定するグループ名情報である(
図7では、「フロントグループ」等)。項目「職種情報」に対応する情報は、チャットグループに所属するユーザの職種を示す職種情報である(
図7では、「フロント」等)。なお、
図7の職種情報としては、全ての職種を示す「全」と、チャットグループに所属するユーザが職種によって定められているわけではないことを示す(つまり、チャットグループに所属するユーザの職種が任意であることを示す)「任意」も格納されている。項目「端末ID」に対応する情報は、チャットグループに所属するユーザに携帯される端末装置1を一意に識別する端末IDである(
図7では、「IDt001」等)。なお、
図7の端末IDとしては、防災システム100に含まれる全ての端末装置1の端末IDを示す「全」も格納されている。
【0065】
そして、このようなチャットグループ特定情報の最上段の情報(「IDg001」、「フロントグループ」、「フロント、ベルスタッフ、クローク」、及び「IDt001,IDt002,IDt003,IDt004,…」の組み合わせの情報)については、「IDg001」が識別するチャットグループの名称が「フロントグループ」であることが示されており、また、当該「フロントグループ」に所属するユーザの職種が、「フロント」が示すフロント担当と、「ベルスタッフ」が示すベルスタッフと、「クローク」が示すクローク担当であることが示されており、また、当該「フロントグループ」に所属するユーザに携帯される端末装置1を一意に識別する端末IDが、「IDt001」(つまり、フロント担当である「A1」に携帯される端末装置101の端末ID)と、「IDt002」(つまり、ベルスタッフである「A2」に携帯される端末装置102の端末ID)と、「IDt003」(つまり、ベルスタッフである「A3」に携帯される端末装置103の端末ID)と、「IDt004」(つまり、クローク担当「A4」に携帯される端末装置104の端末ID)等であることが示されている。
【0066】
また、このようなチャットグループ特定情報の最下段の情報(「IDg008」、「初期消火グループ」、「任意」、及び「IDt002,IDt004,…」の組み合わせの情報)については、「IDg008」が識別するチャットグループの名称が「初期消火グループ」であることが示されており、また、当該「初期消火グループ」に所属するユーザの職種が任意であることを示しており、また、「初期消火グループ」に所属するユーザに携帯される端末装置1を一意に識別する端末IDが、「IDt002」(つまり、ベルスタッフである「A2」に携帯される端末装置102の端末ID)と、「IDt004」(つまり、クローク担当「A4」に携帯される端末装置104の端末ID)等であることが示されている。
【0067】
なお、最下段の情報(「IDg008」、「初期消火グループ」、「任意」、及び「IDt002,IDt004,…」の組み合わせの情報)の内の「端末ID」=「IDt002,IDt004,…」については、「対象施設で火災(火災の予兆を含む)が発生した場合に初期消火を担当するユーザが携帯する携帯端末を示す第2情報」に対応するものと解釈してもよい。
【0068】
なお、このようなチャットグループ特定情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、「グループ名情報」=「従業員全員」及び「初期消火グループ」以外のチャットグループについては、各ユーザの通常業務において情報を相互に共有することが望ましい職種のユーザ同士が同じグループになるように各グループを生成して、生成したグループに関する情報を情報共有サーバ5に入力することにより、格納されることとしてもよい。また、「グループ名情報」=「従業員全員」のチャットグループについては、
図7の下から2段目に図示されている情報を格納するための情報を情報共有サーバ5に入力することにより、格納されることとしてもよい。また、「グループ名情報」=「初期消火グループ」のチャットグループについては、初期消火を担当するユーザに携帯される端末装置1の端末IDを情報共有サーバ5に入力することにより、格納されることとしてもよい。
【0069】
(構成-情報共有サーバ-記録部-通知先グループ特定情報)
「通知先グループ特定情報」とは、火災に関する情報を通知する対象となるユーザが属するチャットグループを特定する情報である。
図8は、通知先グループ特定情報を例示した図である。この通知先グループ特定情報は、例えば、
図8に示すように、項目「火災発生場所情報」に対応する情報と、項目「グループID」に対応する情報とが相互に関連付けられている。
【0070】
項目「火災発生場所情報」に対応する情報は、火災の予兆又は火災が発生する場所を示す火災発生場所情報である。この火災発生場所情報としては、任意の情報を用いることができ、例えば、感知器2が設置されている区画を特定する情報を用いることができるが、本実施の形態では、
図5の設置場所情報に対応する情報を用いる場合について説明する。
図8では、
図1の建物に設けられているレストランを示す「レストラン」、ロビーを示す「ロビー」、当該建物の周辺に設けられているホテルの駐車場を示す「駐車場」、及び
図2の建物の2階の客室(つまり、2階の1号室~5号室等)を示す「2階客室」等が図示されている。項目「グループID」に対応する情報は、火災に関する情報を通知する対象となるユーザが属するチャットグループを一意に識別するグループIDである(
図8では、前述の「IDg001」等)。
【0071】
そして、このような通知先グループ特定情報の最上段の情報(「レストラン、ロビー」、及び「IDg001,IDg002,IDg004」の組み合わせの情報)については、火災の予兆又は火災が発生した場所が「レストラン」又は「ロビー」である場合に、火災に関する情報を通知する対象となるユーザが属するチャットグループを一意に識別するグループIDが「IDg001」、「IDg002」、及び「IDg004」であることが示されている。
【0072】
なお、この
図8の通知先グループ特定情報において、火災発生場所情報(つまり、感知器2が設置されている区画を特定する情報)と、グループIDとが相互に関連付けられており、また、前述の
図7のチャットグループ特定情報において、グループIDと、端末IDとが相互に関連付けられているので、
図8の通知先グループ特定情報及び
図7のチャットグループ特定情報において、火災発生場所情報と端末IDとが相互に関連付けられているので、この
図8の通知先グループ特定情報及び
図7のチャットグループ特定情報は、「対象施設に関する場所と、当該場所に関連付けられている携帯端末とを示す第1情報」に対応するものと解釈してもよい。
【0073】
(構成-情報共有サーバ-記録部-チャット履歴情報)
「チャット履歴情報」とは、グループチャットにおいて各チャットグループ内で共有された情報の履歴を特定する情報である。
図9は、チャット履歴情報を例示した図である。このチャット履歴情報は、例えば、
図9に示すように、項目「グループID」に対応する情報と、項目「グループ名情報」に対応する情報と、項目「チャット情報」に対応する情報とが相互に関連付けられている。なお、項目「グループID」に対応する情報、及び項目「グループ名情報」に対応する情報は、
図7の同一名称の情報と同様である。
【0074】
項目「チャット情報」に対応する情報は、チャットグループに属するユーザに共有された情報の履歴を示す情報である。このチャット情報は任意であるが、例えば、情報が共有された日時を示す情報、情報の共有主体を特定するための情報、及び共有された情報が相互に関連付けられている情報を用いる場合について説明する。
図9では、情報が共有された日時である07月01日14時00分を示す「07011400」、情報の共有主体である
図1の「A1」であるユーザに携帯されている端末装置101の端末IDである「IDt001」、及び共有された情報である「GG様到着されました、2階は清掃完了ですか?」が相互に関連付けられている「07011400-IDt001-GG様到着されました、2階は清掃完了ですか?」等が図示されている。なお、ここでの「GG」は便宜上の記載であり、ホテルを訪れた顧客の氏名であることとする。また、チャット情報については、各ユーザが情報を入力することにより格納される場合と、(各ユーザ側からの情報の入力ではなく)情報共有サーバ5の制御部53によって、後述する各処理において自動的に格納される場合が想定されるが、「情報の共有主体を特定するための情報」については、前者の場合(つまり、チャット情報については、各ユーザが情報を入力することにより格納される場合)は、前述のように端末IDを用いることとし、後者の場合(つまり、動的に格納される場合)は、「N」を用いることとする。
【0075】
そして、このようなチャット履歴情報の「グループID」=「IDg005」に関連付けられている最上段の情報(「IDg005」、「客室グループ(2F)」、及び「07011400-IDt001-GG様到着されました、2階は清掃完了ですか?」の組み合わせの情報)については、「IDg005」が識別するチャットグループの名称が「客室グループ(2F)」であることが示されており、また、当該「客室グループ(2F)」のチャットグループのグループチャットにおいて、「07011400」が示す07月01日14時00分に情報を入力したことが示されており、また、情報を入力したユーザの端末装置1の端末IDが「IDt001」であることが示されており(つまり、「IDt001」が示する端末装置105を携帯するユーザである「A1」が情報を入力したことが示されており)、また、入力された情報が「GG様到着されました、2階は清掃完了ですか?」であることが示されている。
【0076】
なお、このようなチャット履歴情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、グループID及びグループ名情報については、
図7の同一名称の情報が格納されていることとし、チャット情報については、後述する予兆関連処理、火災関連処理、火災レベル判定関連処理、及びチャット処理を実行することにより、格納されることとする。
【0077】
(構成-情報共有サーバ-制御部)
図3の制御部53は、情報共有サーバ5を制御する制御手段である。なお、制御部53によって行われる処理については、後述する。
【0078】
(処理)
次に、このように構成される防災システム100によって実行されるチャット処理、予兆関連処理、火災関連処理、及び火災レベル判定関連処理について説明する。
【0079】
なお、
図1の端末装置101~107の記録部14(
図3)に、グループIDとして端末装置101~107を携帯する各ユーザが所属するチャットグループを識別するグループIDが任意の手法で格納されていることとして説明する。このグループIDを格納する手法としては、例えば、端末装置1の初期設定時に、情報共有サーバ5の制御部53が、
図7のチャットグループ特定情報を参照して、各端末IDに関連付けられているグループIDを特定し、特定したグループIDを各端末装置1に送信することとし、各端末装置1の制御部15が、この送信されたグループIDに基づいて格納することとしてもよいし、あるいは、タッチパッド12を介して情報を入力することにより格納することとしてもよい。ここでは、各端末装置1の記録部14に
図4に例示されているグループIDが格納されていることとして説明する。
【0080】
(処理-チャット処理)
まず、チャット処理について説明する。「チャット処理」とは、チャットグループ内でグループチャットを行うための処理であり、具体的には、チャットグループ内で情報を共有する処理である。このチャット処理としては、グループチャットを行うための公知の処理技術を適用することができるので、概要のみ説明する。「チャット処理」は、例えば、チャット情報格納処理、及びチャット情報表示処理を含む。
【0081】
(処理-チャット処理-チャット情報格納処理)
「チャット情報格納処理」とは、各ユーザから端末装置1に入力された情報に基づいて、
図9のチャット情報を格納する処理である。
【0082】
まず、ユーザが、タッチパッド12を介して行う所定操作により、情報を共有するチャットグループとして、端末装置1の記録部14に格納されているグループIDが識別するチャットグループを1個選択した上で、任意の手法で、当該選択した1個のチャットグループ内で共有する情報を入力した場合に、端末装置1の制御部15は、自己の記録部14に格納されている端末IDを取得し、また、前述の選択されたチャットグループを識別するグループIDを取得し、また、前述の入力された情報を取得した上で、取得した端末ID、グループID、及び入力された情報を含む情報(以下、「端末側格納用情報」)を情報共有サーバ5に送信する。なお、チャットグループ内で共有する情報を入力する手法は任意であり、例えば、タッチパッド12を介してテキスト情報を入力してもよいし、あるいは、端末装置1に対してマイク等の収音手段が設けられていることとし、当該収音手段を介して音声情報入力してもよいが、本実施の形態では、テキスト情報を入力する場合について説明する。
【0083】
ここでは、例えば、
図1のフロント担当である「A1」が、端末装置101のタッチパッド12を介して行う所定操作により、情報を共有するチャットグループとして、端末装置101の記録部14に格納されている「グループID」=「IDg001,IDg002,IDg003,IDg004,IDg005,IDg006,IDg007,…」の内の「IDg005」が識別する「客室グループ(2F)」のチャットグループを選択した上で、当該選択した「客室グループ(2F)」内で共有する情報として、「GG様到着されました、2階は清掃完了ですか?」をタッチパッド12を介して入力した場合に、端末装置1の制御部15は、自己の記録部14に格納されている「端末ID」=「IDt001」を取得し、また、前述の選択されたチャットグループを識別する「グループID」=「IDg005」を取得し、また、前述の「入力された情報」=「GG様到着されました、2階は清掃完了ですか?」を取得した上で、取得したこれらの情報を含む「端末側格納用情報」を情報共有サーバ5に送信する。
【0084】
一方、情報共有サーバ5の制御部53は、端末装置1から送信された「端末側格納用情報」を受信し、任意の手法(例えば、情報共有サーバ5に設けられているタイマ等の計時手段の計時結果を参照して特定する手法等)で現在の日時を特定した上で、特定した現在の日時、及び前述の受信した「端末側格納用情報」に基づいて、
図9のチャット履歴情報におけるチャット情報を格納する。詳細には、
図9のチャット履歴情報において、前述の受信した「端末側格納用情報」に含まれているグループIDと同じグループIDに関連付けられているチャット情報として、前述の特定した現在の日時を示す情報、前述の受信した「端末側格納用情報」に含まれている「端末ID」、及び前述の受信した「端末側格納用情報」に含まれている「入力された情報」を相互に関連付けた情報を、チャット情報として格納する。
【0085】
ここでは、例えば、現在の日時として07月01日14時00分を特定した場合、
図9のチャット履歴情報において、受信した「端末側格納用情報」に含まれている「グループID」=「IDg005」と同じグループIDに関連付けられているチャット情報として、前述の特定した現在の日時である07月01日14時00分を示す「07011400」、前述の受信した「端末側格納用情報」に含まれている「端末ID」=「IDt001」、及び「端末側格納用情報」に含まれている「入力された情報」=「GG様到着されました、2階は清掃完了ですか?」を相互に関連付けた情報である「07011400-IDt001-GG様到着されました、2階は清掃完了ですか?」(
図9の具体的に図示されているチャット情報の最上段の情報)を、チャット情報として格納する。これにて、「チャット情報格納処理」を終了する。
【0086】
(処理-チャット処理-チャット情報表示処理)
「チャット情報表示処理」とは、
図9のチャット履歴情報のチャット情報に対応する情報を端末装置1に表示するための処理である。
【0087】
図10は、グループチャット表示画面を例示した図である。「グループチャット表示画面」とは、グループチャットにおいて各チャットグループ内で共有された情報を表示する画面であり、例えば、端末装置1のディスプレイ13に表示される画面であり、一例としては、グループ名表示欄61、及び本文表示欄62を有する。グループ名表示欄61とは、チャットグループの名称を表示する欄であり、また、本文表示欄62とは、チャットグループ内で共有された情報を表示する欄である。
【0088】
まず、ユーザが、タッチパッド12を介して行う所定操作により、情報を表示するチャットグループとして、端末装置1の記録部14に格納されているグループIDが識別するチャットグループを1個選択した場合、端末装置1の制御部15は、自己の記録部14に格納されている端末IDを取得し、また、前述の選択されたチャットグループを識別するグループIDを取得した上で、取得した端末ID及びグループIDを含む情報(以下、「端末側要求用情報」)を情報共有サーバ5に送信する。
【0089】
ここでは、例えば、
図1の2階清掃係である「A5」が、端末装置105のタッチパッド12を介して行う所定操作により、情報を表示するチャットグループとして、端末装置105の記録部14に格納されている「グループID」=「IDg003,IDg005,IDg007,…」の内の「IDg005」が識別する「客室グループ(2F)」のチャットグループを1個選択した場合、端末装置105の制御部15は、自己の記録部14に格納されている「端末ID」=「IDt005」を取得し、また、前述の選択されたチャットグループを識別する「グループID」=「IDg005」を取得した上で、取得した「端末ID」=「IDt005」及び「グループID」=「IDg005」を含む「端末側要求用情報」を情報共有サーバ5に送信する。
【0090】
一方、情報共有サーバ5の制御部53は、端末装置1から送信された「端末側要求用情報」を受信し、
図9のチャット履歴情報を参照して、前述の受信した「端末側要求用情報」に含まれているグループIDと同じグループIDに関連付けられているグループ名情報及びチャット情報を取得し、取得したグループ名情報及びチャット情報に基づいて、
図10のグループチャット表示画面を表示するための画面情報を生成し、生成した画面情報、及び前述の受信した「端末側要求用情報」に含まれている端末IDを含む情報(以下、「サーバ側応答用情報」)を端末装置1に送信する。
【0091】
ここでは、例えば、
図9の「グループID」=「IDg005」に関連付けられているチャット情報として「07011400-IDt001-GG様到着されました、2階は清掃完了ですか?」のみが格納されている場合について説明する。この場合、情報共有サーバ5の制御部53は、端末装置1から送信された「端末側要求用情報」を受信し、
図9のチャット履歴情報を参照して、前述の受信した「端末側要求用情報」に含まれている「グループID」=「IDg005」と同じグループIDに関連付けられている「グループ名情報」=「客室グループ(2F)」及び「チャット情報」=「07011400-IDt001-GG様到着されました、2階は清掃完了ですか?」を取得し、取得したグループ名情報及びチャット情報に基づいて、
図10のグループチャット表示画面を表示するための画面情報を生成し、生成した画面情報、及び前述の受信した「端末側要求用情報」に含まれている「端末ID」=「IDt005」を含む「サーバ側応答用情報」を端末装置1に送信する。
【0092】
なお、画面情報の生成手法は任意であるが、例えば、前述の取得したグループ名情報に特定されるグループの名称が
図10のグループ名表示欄61に表示され、また、前述の取得したチャット情報に対応する情報が本文表示欄62に表示される画面情報を生成する。本文表示欄62についてより詳細には、例えば、
図6のユーザ情報を参照して、前述の取得したチャット情報に含まれている「端末ID」と同じ端末IDに関連付けられている氏名情報及び職種情報を特定した上で、特定した氏名情報及び職種情報、前述の取得したチャット情報に含まれている「情報が共有された日時を示す情報」が示す日時、及び前述の取得したチャット情報に含まれている「共有された情報」が表示される画面情報を生成する。なお、前述の取得したチャット情報に「端末ID」ではなく、前述の「N」が格納されている場合、氏名情報及び職種情報を特定できないので、当該氏名情報及び職種情報が省略される画面情報を生成する。
【0093】
ここでは、例えば、前述の取得した「グループ名情報」=「客室グループ(2F)」に特定されるグループの名称が
図10のグループ名表示欄61に表示され、また、前述の取得したチャット情報に対応する情報が本文表示欄62に表示される画面情報を生成する。本文表示欄62についてより詳細には、例えば、
図6のユーザ情報を参照して、前述の取得した「チャット情報」=「07011400-IDt001-GG様到着されました、2階は清掃完了ですか?」に含まれている「端末ID」=「IDt001」と同じ端末IDに関連付けられている「氏名情報」=「A1」及び「職種情報」=「フロント」を特定した上で、特定した「氏名情報」=「A1」及び「職種情報」=「フロント」、前述の取得したチャット情報に含まれている「情報が共有された日時を示す情報」である「07011400」が示す「7/11 14:00」、及び前述の取得したチャット情報に含まれている「共有された情報」=「GG様到着されました、2階は清掃完了ですか?」が表示される画面情報を生成する。
【0094】
一方、端末装置1の記録部14は、情報共有サーバ5から送信された「サーバ側応答用情報」を受信し、受信した「サーバ側応答用情報」に含まれている端末IDと、自己の記録部14に記録されている端末IDとが相互に合致する場合、自己への「サーバ側応答用情報」であるものとして、当該受信した「サーバ側応答用情報」に含まれる画面情報に基づいて、グループチャット表示画面を生成してディスプレイ13に表示する。
【0095】
ここでは、例えば、端末装置105の記録部14は、情報共有サーバ5から送信された「サーバ側応答用情報」を受信し、受信した「サーバ側応答用情報」に含まれている「端末ID」=「IDt005」と、自己の記録部14に記録されている「端末ID」=「IDt005」とが相互に合致するので、自己への「サーバ側応答用情報」であるものとして、当該受信した「サーバ側応答用情報」に含まれる画面情報に基づいて、
図10に示すグループチャット表示画面を生成してディスプレイ13に表示する。これにて、チャット情報表示処理を終了する。
【0096】
(処理-予兆関連処理)
次に、予兆関連処理について説明する。
図11は、予兆関連処理のフローチャートであり(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)、
図12は、
図1の建物の2階の一部の平面図である。「予兆関連処理」とは、概略的には、防災システム100の各装置によって行われる処理であり、例えば、火災の予兆が発生した場合の防災に関する処理である。この予兆関連処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、防災システム100の各装置の電源をオンした場合に、繰り返し実行が開始されることとし、当該予兆関連処理の実行が開始したところから説明する(後述する他の処理も同様とする)。ここでは、例えば、
図12に示すように、建物の2階における客室である1号室で出火した場合を例示して説明する(後述する他の処理も同様とする)。また、各ステップで行われる装置相互間の通信は通信部を介して行われるが、この通信の具体的な手法等については公知の手法を適用できるので、その説明を省略する。
【0097】
図11のSA1において防災受信機3の制御部(不図示)は、火災の予兆が発生したか否かを判定する。具体的には任意であるが、例えば、
図1~
図3の感知器2が以下に示すように構成されており、当該感知器2から送信される信号に基づいて判定する。
【0098】
詳細には、感知器2が煙の濃度に基づいて火災の予兆又は火災の発生を検出するいわゆる煙感知器として構成されていることとし、また、当該感知器2の記録部(不図示)に、予兆検出用閾値及び火災検出用閾値が格納されていることとする。「予兆検出用閾値」とは、火災の予兆を検出するために用いられる閾値であり、例えば、感知器2が測定した煙の濃度と比較される値である。「火災検出用閾値」とは、火災を検出するために用いられる閾値であり、例えば、感知器2が測定した煙の濃度と比較される値であり、前述の「予兆検出用閾値」よりも大きな値に設定されている。そして、感知器2は、例えば、以下のように動作することとする。
【0099】
具体的には、感知器2の制御部(不図示)は、自己が測定した煙の濃度と記録部に格納されている「予兆検出用閾値」とを比較し、測定した煙の濃度が「予兆検出用閾値」よりも低い場合に、火災の予兆が発生していないものと判定し、一方、測定した煙の濃度が「予兆検出用閾値」以上になった場合に、火災の予兆が発生したものと判定した上で(つまり、火災の予兆が発生したことを検出した上で)、自己の記録部に記録されている設備IDを取得し、取得した設備IDを含む感知器側予兆信号(火災の予兆が発生したことを示す信号)を生成して防災受信機3に送信する。
【0100】
また、感知器2の制御部(不図示)は、自己が測定した煙の濃度と記録部に格納されている「火災検出用閾値」とを比較し、測定した煙の濃度が「火災検出用閾値」よりも低い場合に、火災が発生していないものと判定し、一方、測定した煙の濃度が「火災検出用閾値」以上になった場合に、火災が発生したものと判定した上で(つまり、火災が発生したことを検出した上で)、自己の記録部に記録されている設備IDを取得し、取得した設備IDを含む感知器側火災信号(火災が発生したことを示す信号)を生成して防災受信機3に送信する。
【0101】
SA1の処理についてより詳細には、防災受信機3の制御部は、感知器2から感知器側予兆信号を受信していない場合、火災の予兆が発生していないものと判定し(SA1のNO)、火災の予兆が発生したものと判定するまで、繰り返しSA1を実行する。また、感知器2から感知器側予兆信号を受信した場合、火災の予兆が発生したものと判定し(SA1のYES)、SA2に移行する。
【0102】
ここでは、例えば、
図12に示すように、2階の客室である1号室にて出火した場合、当該1号室内での煙の濃度が徐々に増加することになり、感知器201で測定した煙の濃度が当該感知器201の記録部に記録されている「予兆検出用閾値」以上になった場合に、感知器201は、火災の予兆が発生したものと判定した上で、自己の記録部に記録されている「設備ID」=「IDd201」を取得し、取得した「設備ID」=「IDd201」を含む感知器側予兆信号を生成して防災受信機3に送信する。そして、防災受信機3の制御部は、感知器201から感知器側予兆信号を受信し、火災の予兆が発生したものと判定する(SA1のYES)。
【0103】
図11のSA2において防災受信機3の制御部(不図示)は、SA1で受信した感知器側予兆信号に含まれる設備IDを取得し、取得した設備IDを含む受信機側予兆信号(火災の予兆が発生したことを示す信号)を生成し、生成した受信機側予兆信号を防災報知サーバ4に送信する。
【0104】
ここでは、例えば、SA1で受信した感知器側予兆信号に含まれる「設備ID」=「IDd201」を取得し、取得した「設備ID」=「IDd201」を含む受信機側予兆信号を生成して防災報知サーバ4に送信する。
【0105】
一方、
図11のSB1において防災報知サーバ4の制御部43は、SA2で送信された受信機側予兆信号を受信する。
【0106】
ここでは、例えば、「設備ID」=「IDd201」を含む受信機側予兆信号を受信する。
【0107】
図11のSB2において防災報知サーバ4の制御部43は、火災の予兆が発生した場所(つまり、予兆場所)を特定する。具体的には任意であるが、例えば、
図5の設備情報を参照して、SB1で受信した受信機側予兆信号に含まれている設備IDと同じ設備IDに関連付けられている設置場所情報を特定し、当該特定した設置場所情報が示す場所を予兆場所として特定する。
【0108】
ここでは、例えば、
図5の設備情報を参照して、SB1で受信した受信機側予兆信号に含まれている「設備ID」=「IDd201」と同じ設備IDに関連付けられている「設置場所情報」=「2階客室(1号室)」を特定し、当該特定した「設置場所情報」=「2階客室(1号室)」が示す場所である「建物の2階の客室である1号室」を予兆場所として特定する。
【0109】
図11のSB3において防災報知サーバ4の制御部43は、SB2で特定した予兆場所を示す予兆場所情報を含む予兆場所信号(火災の予兆が発生したこと、及び当該火災の予兆が発生した場所を示す信号)を情報共有サーバ5に送信する。
【0110】
ここでは、例えば、前述のSB2において「建物の2階の客室である1号室」を予兆場所として特定したので、SB3においては、「建物の2階の客室である1号室」を示す予兆場所情報として「予兆場所情報」=「2階客室(1号室)」を含む予兆場所信号を情報共有サーバ5に送信する。
【0111】
一方、
図11のSC1において情報共有サーバ5の制御部53は、SB3で送信された予兆場所信号を受信する。
【0112】
ここでは、例えば、「予兆場所情報」=「2階客室(1号室)」を含む予兆場所信号を受信する。
【0113】
図11のSC2において情報共有サーバ5の制御部53は、火災の予兆が発生したことを、予兆場所に関連するチャットグループに属するユーザに通知する。具体的には任意であるが、例えば、
図9のチャット履歴情報におけるチャット情報の格納、及び当該チャット情報を格納した旨の通知を行う。
【0114】
<チャット情報の格納>
まず、チャット情報の格納については、
図8の通知先グループ特定情報を参照して、SC1で受信した予兆場所信号に含まれている予兆場所情報と同じ場所を示している火災発生場所情報に関連付けられているグループIDを特定し、また、任意の手法で現在の日時を特定した上で、
図9のチャット履歴情報において、前述の特定したグループIDと同じグループIDに関連付けられているチャット情報として、前述の特定した現在の日時を示す情報、前述の「N」、及び火災の予兆が発生したことを示す火災予兆情報を相互に関連付けた情報を、チャット情報として格納する。
【0115】
なお、SC1で受信した予兆場所信号に含まれている予兆場所情報が「2階客室(1号室)」等の2階の客室における具体的な部屋番号まで示す情報である場合、
図8に示す「火災発生場所情報」=「2階客室」のように、当該部屋を含む包括的な情報が同じ場所を示していることとして処理を行う。
【0116】
また、チャット情報として格納する火災予兆情報は任意であるが、例えば、予兆場所を示す情報(例えば、SC1で受信した予兆場所信号に含まれている予兆場所情報)と、火災の予兆が発生したので予兆場所での出火の確認を促す情報(例えば、「火災の恐れ、確認して下さい」等のメッセージ情報)を用いることとする。
【0117】
ここでは、例えば、
図8の通知先グループ特定情報を参照して、SC1で受信した予兆場所信号に含まれている「予兆場所情報」=「2階客室(1号室)」と同じ場所を示している火災発生場所情報である「2階客室」に関連付けられている「グループID」=「IDg005」を特定し、また、任意の手法で現在の日時として例えば「07月01日18時00分」を特定した上で、
図9のチャット履歴情報において、前述の特定したグループIDと同じグループIDに関連付けられているチャット情報として、「07011800-N-2階客室(1号室)で火災の恐れ、確認して下さい」を格納する。なお、このチャット情報として格納する火災予兆情報である「2階客室(1号室)で火災の恐れ、確認して下さい」については、予兆場所を示す情報である「2階客室(1号室)」(つまり、SC1で受信した予兆場所信号に含まれている予兆場所情報)と、火災の予兆が発生したので予兆場所での出火の確認を促す情報(つまり、「火災の恐れ、確認して下さい」等のメッセージ情報)が含まれることになる。
【0118】
<チャット情報を格納した旨の通知>
次に、チャット情報を格納した旨の通知については、「<チャット情報の格納>」の場合と同様にして、
図8の通知先グループ特定情報を参照して、SC1で受信した予兆場所信号に含まれている予兆場所情報と同じ場所を示している火災発生場所情報に関連付けられているグループIDを特定した上で、当該特定したグループIDを含むプッシュ通知信号(チャット情報として新たな情報が格納されて共有されたことを示す信号)を端末装置1に送信する。
【0119】
ここでは、例えば、
図8の通知先グループ特定情報を参照して、SC1で受信した予兆場所信号に含まれている「予兆場所情報」=「2階客室(1号室)」と同じ場所を示している火災発生場所情報である「2階客室」に関連付けられている「グループID」=「IDg005」を特定した上で、当該特定した「グループID」=「IDg005」を含むプッシュ通知信号(チャット情報として新たな情報が格納されて共有されたことを示す信号)を端末装置1に送信する。
【0120】
一方、端末装置1の制御部15は、プッシュ通知信号を受信した場合に、受信したプッシュ通知信号に含まれるグループIDと、自己の記録部14に記録されているグループIDとを比較し、受信したプッシュ通知信号に含まれるグループIDが、自己の記録部14に記録されている何れかのグループIDと合致する場合、プッシュ通知情報(チャット情報として新たな情報が格納されて共有されたことを示す情報)をディスプレイ13に表示する。なお、ここでのプッシュ通知は任意であるが、例えば、受信したプッシュ通知信号に含まれるグループIDが識別するチャットグループを示す情報を含むテキスト情報又は画像情報等をディスプレイ13に表示することにより、チャット情報として新たな情報が格納されて共有されたチャットグループをユーザに通知してもよい。また、このプッシュ通知情報の表示と共に、端末装置1のバイブレーション機能をオンしたり、端末装置1の不図示のスピーカを介して所定の通知音又は通知音声を出力したりして、チャット情報として新たな情報が格納されて共有されたことユーザに通知してもよい。
【0121】
ここでは、例えば、端末装置101~107の制御部15は、「グループID」=「IDg005」を含むプッシュ通知信号を受信した場合に、受信したプッシュ通知信号に含まれる「グループID」=「IDg005」と、自己の記録部14に記録されているグループID(
図4)とを比較するが、端末装置101、105、106は、受信したプッシュ通知信号に含まれる「グループID」=「IDg005」と同じグループIDが、自己の記録部14に記録されているので、プッシュ通知情報をディスプレイ13に表示する。なお、この場合、受信したプッシュ通知信号に含まれる「グループID」=「IDg005」が識別するチャットグループを示す情報として「客室グループ(2F)」というテキスト情報も表示して通知する。なお、端末装置102~104、107は、受信したプッシュ通知信号に含まれる「グループID」=「IDg005」と同じグループIDが、自己の記録部14に記録されていないので、プッシュ通知情報を表示しないことになる。
【0122】
図13は、グループチャット表示画面を例示した図である。前述のプッシュ通知情報を視認した端末装置1のユーザが、チャット情報として新たな情報が格納されて共有されたこと、及び新たな情報が格納されて共有されたチャットグループを認識し、「チャット情報表示処理」で説明したように、タッチパッド12を介して行う所定操作により、情報を表示するチャットグループとして、前述の新たな情報が格納されて共有されたチャットグループを選択した場合、端末装置1の制御部15は、前述のように「端末側要求用情報」及び「サーバ側応答用情報」に関する通信を行った上で、例えば
図13のグループチャット表示画面をディスプレイ13に表示する。
【0123】
ここでは、例えば、前述のプッシュ通知情報を視認した端末装置105のユーザである2階清掃係である「A5」が、チャット情報として新たな情報が格納されて共有されたこと、及び新たな情報が格納されて共有されたチャットグループが「客室グループ(2F)」であることを認識し、「チャット情報表示処理」で説明したように、タッチパッド12を介して行う所定操作により、情報を表示するチャットグループとして、端末装置105の記録部14に格納されている「グループID」=「IDg003,IDg005,IDg007,…」の内の「IDg005」が識別する「客室グループ(2F)」のチャットグループを1個選択した場合、端末装置105の制御部15は、「端末ID」=「IDt005」及び「グループID」=「IDg005」を含む「端末側要求用情報」を情報共有サーバ5に送信する。
【0124】
一方、情報共有サーバ5の制御部53は、端末装置1から送信された「端末側要求用情報」を受信し、
図9のチャット履歴情報を参照して、前述の受信した「端末側要求用情報」に含まれている「グループID」=「IDg005」と同じグループIDに関連付けられている「グループ名情報」=「客室グループ(2F)」、「チャット情報」=「07011400-IDt001-GG様到着されました、2階は清掃完了ですか?」、「07011401-IDt005-清掃完了しております」、及び「07011800-N-2階客室(1号室)で火災の恐れ、確認して下さい」を取得し、取得したグループ名情報及びチャット情報に基づいて、
図13のグループチャット表示画面を表示するための画面情報を生成し、生成した画面情報、及び前述の受信した「端末側要求用情報」に含まれている「端末ID」=「IDt005」を含む「サーバ側応答用情報」を送信することにより、端末装置105のディスプレイ13に
図13のグループチャット表示画面を表示する。なお、グループチャット表示画面においては、実際には、タッチパッド12を介して所定操作(例えば、スワイプ等)を行うことにより、「07011400-IDt001-GG様到着されました、2階は清掃完了ですか?」に対応する情報(
図10参照)、及び「07011401-IDt005-清掃完了しております」も表示されることになるが、初期の画面においては、直近に格納されたチャット情報に対応する情報が見やすい位置(例えば、画面における上方寄りの位置等)に表示されることとしてもよい。
【0125】
なお、前述のプッシュ通知情報を視認した端末装置101、106のユーザであるフロント担当の「A1」及び2階設備係の「A6」が、「A5」と同様な操作を行った場合、
図13のグループチャット表示画面が端末装置101、106に表示される。なお、ここでの端末装置101、105、106が「第1携帯端末」に対応するものと解釈してもよい。
【0126】
図11のSC3において情報共有サーバ5の制御部53は、消火器での消火の指示を行うか否かを判定する。具体的には任意であるが、例えば、前述の「チャット情報格納処理」において各ユーザが入力した情報が、
図9のチャット履歴情報におけるチャット情報に格納されるので、すなわち、ホテルの従業員が出火に関する情報を入力した場合に当該チャット情報に出火に関する情報が格納される点を考慮して、チャット情報を監視して以下の処理を行う。なお、ここでの監視対象となるチャット情報は任意であり、例えば、全てのチャット情報を監視してもよいし、あるいは、SC2において火災の予兆が発生したことを通知したユーザが属するチャットグループに関連付けられているチャット情報を監視してもよいが、本実施の形態では、後者の場合を例示して説明する。
【0127】
詳細には、情報共有サーバ5の制御部53は、
図9のチャット履歴情報を参照して、SC2の「<チャット情報の格納>」においてチャット情報を格納したグループIDを特定し(つまり、「<チャット情報の格納>」において特定したグループIDを特定し)、当該特定したグループIDが識別するチャットグループを監視対象となるチャットグループとして特定する。次に、
図9のチャット履歴情報における、前述の特定した監視対象となるチャットグループを識別するグループIDに関連付けられているチャット情報を監視して、SC2の「<チャット情報の格納>」においてチャット情報を格納した後に、出火を確認したことを示す情報(本実施の形態では、例えば、「出火」又は「火事」の単語を含む情報)が格納されたか否かを判定する。そして、出火を確認したことを示す情報が格納されていないものと判定した場合、感知器2による誤報等の可能性があり実際には出火していないものとして、消火器による消火の指示は行わないものと判定し(SC3のNO)、消火器による消火の指示を行うものと判定するまで、繰り返しSC3を実行する。なお、この場合、SC2の「<チャット情報の格納>」においてチャット情報を格納した時から、所定時間(例えば、10分~20分等)以内に、消火器による消火の指示を行うものと判定しない場合、処理を終了してもよい。一方、出火を確認したことを示す情報が格納されたものと判定した場合、実際に出火しているものとして、消火器による消火の指示を行うものと判定し(SC3のYES)、SC4に移行する。
【0128】
ここでは、例えば、ユーザである2階設備係の「A6」が、SC2で表示された
図13のグループチャット表示画面を視認した上で、
図12の2階の客室である1号室を訪れて出火を確認した上で、タッチパッド12を介して行う所定操作により、情報を共有するチャットグループとして、
図13のグループチャット表示画面に対応するチャットグループである「客室グループ(2F)」(つまり、端末装置106の記録部14に格納されている「グループID」=「IDg004,IDg005,IDg007,…」の内の「IDg005」が識別する「客室グループ(2F)」)を選択した上で、「客室グループ(2F)」で共有する情報として「出火を確認しました」を入力した場合、端末装置106の制御部15は、「端末ID」=「IDt006」、「グループID」=「IDg005」、及び「入力された情報」=「出火を確認しました」を含む「端末側格納用情報」を情報共有サーバ5に送信する。
【0129】
一方、情報共有サーバ5の制御部53は、端末装置1から送信された「端末側格納用情報」を受信し、任意の手法で現在の日時として例えば「07月01日18時05分」を特定した上で、特定した現在の日時、及び前述の受信した「端末側格納用情報」に基づいて、
図9のチャット履歴情報における「チャット情報」=「07011805-IDt006-出火を確認しました」を格納する。
【0130】
この場合、
図11のSC3において情報共有サーバ5の制御部53は、
図9のチャット履歴情報を参照して、SC2の「<チャット情報の格納>」においてチャット情報を格納した「グループID」=「IDg005」を特定し、当該特定したグループIDが識別する「客室グループ(2F)」のチャットグループを監視対象となるチャットグループとして特定する。次に、
図9のチャット履歴情報における、前述の特定した監視対象となる「客室グループ(2F)」のチャットグループを識別する「グループID」=「IDg005」に関連付けられているチャット情報を監視するが、SC2の「<チャット情報の格納>」において「チャット情報」=「07011800-N-2階客室(1号室)で火災の恐れ、確認して下さい」を格納した後に、「チャット情報」=「07011805-IDt006-出火を確認しました」が格納されており、当該チャット情報には「出火」の単語が含まれているので、出火を確認したことを示す情報が格納されたものと判定した上で、消火器による消火の指示を行うものと判定する(SC3のYES)。
【0131】
図14は、グループチャット表示画面を例示した図である。なお、
図9のチャット履歴情報のチャット情報として「07011805-IDt006-出火を確認しました」が格納された後に、「客室グループ(2F)」のチャットグループに属するユーザが、情報を表示するチャットグループとして「客室グループ(2F)」を選択した場合、前述の「チャット情報表示処理」が実行されて、当該ユーザに携帯される端末装置1のディスプレイ13に、「07011805-IDt006-出火を確認しました」に対応する情報を含む
図14のグループチャット表示画面が表示されることになる。
【0132】
図11のSC4において情報共有サーバ5の制御部53は、消火器での消火の指示を、初期消火グループに対応するチャットグループに属するユーザに通知する。具体的には任意であるが、例えば、SC2の場合と同様にして、
図9のチャット履歴情報におけるチャット情報の格納、及び当該チャット情報を格納した旨の通知を行う。
【0133】
<チャット情報の格納>
まず、チャット情報の格納については、
図7のチャットグループ特定情報を参照して、「初期消火グループ」を識別するグループIDを特定し、また、任意の手法で現在の日時を特定した上で、
図9のチャット履歴情報において、前述の特定したグループIDと同じグループIDに関連付けられているチャット情報として、前述の特定した現在の日時を示す情報、前述の「N」、及び消火器での消火を指示する消火器消火指示情報を相互に関連付けた情報を、チャット情報として格納する。
【0134】
なお、チャット情報として格納する消火器消火指示情報は任意であるが、例えば、SC2で説明した火災予兆情報と同様にして、予兆場所を示す情報(例えば、SC1で受信した予兆場所信号に含まれている予兆場所情報)を含む情報を用いることとする。
【0135】
ここでは、例えば、
図7のチャットグループ特定情報を参照して、「初期消火グループ」を識別する「グループID」=「IDg008」を特定し、また、任意の手法で現在の日時として例えば「07月01日18時05分」を特定した上で、
図9のチャット履歴情報において、前述の特定した「グループID」=「IDg008」と同じグループIDに関連付けられているチャット情報として、「07011805-N-2階客室(1号室)の火災を、消火器で消火して下さい」を格納する。なお、このチャット情報として格納する消火器消火指示情報である「2階客室(1号室)の火災を、消火器で消火して下さい」については、予兆場所を示す情報である「2階客室(1号室)」(つまり、SC1で受信した予兆場所信号に含まれている予兆場所情報)が含まれることになる。
【0136】
<チャット情報を格納した旨の通知>
次に、チャット情報を格納した旨の通知については、「<チャット情報の格納>」の場合と同様にして、
図7のチャットグループ特定情報を参照して、「初期消火グループ」を識別するグループIDを特定した上で、当該特定したグループIDを含むプッシュ通知信号を端末装置1に送信する。
【0137】
ここでは、例えば、
図7のチャットグループ特定情報を参照して、「初期消火グループ」を識別する「グループID」=「IDg008」を特定した上で、当該特定した「グループID」=「IDg008」を含むプッシュ通知信号を端末装置1に送信する。
【0138】
一方、端末装置1の制御部15は、プッシュ通知信号を受信した場合に、SC2で説明した処理と同様な処理を行って、プッシュ通知情報を適宜ディスプレイ13に表示し、また、SC2で説明した場合と同様にして、プッシュ通知信号に含まれるグループIDが識別するチャットグループを示す情報の表示等も行う。
【0139】
ここでは、例えば、端末装置101~107は、「グループID」=「IDg008」を含むプッシュ通知信号を受信するが、
図4に示すように、端末装置102、104にのみ「グループID」=「IDg008」が格納されているので、端末装置102、104は、プッシュ通知情報をディスプレイ13に表示し、プッシュ通知信号に含まれる「グループID」=「IDg008」が識別するチャットグループを示す情報として「初期消火グループ」というテキスト情報も表示して通知する。
【0140】
図15は、グループチャット表示画面を例示した図である。前述のプッシュ通知情報を視認した端末装置1のユーザが、チャット情報として新たな情報が格納されて共有されたこと、及び新たな情報が格納されて共有されたチャットグループを認識し、「チャット情報表示処理」で説明したように、タッチパッド12を介して行う所定操作により、情報を表示するチャットグループとして、前述の新たな情報が格納されて共有されたチャットグループを選択した場合、端末装置1の制御部15は、前述のように「端末側要求用情報」及び「サーバ側応答用情報」に関する通信を行った上で、例えば
図15のグループチャット表示画面をディスプレイ13に表示する。
【0141】
ここでは、例えば、前述のプッシュ通知情報を視認した端末装置104のユーザであるクローク担当の「A4」が、チャット情報として新たな情報が格納されて共有されたこと、及び新たな情報が格納されて共有されたチャットグループが「初期消火グループ」であることを認識し、「チャット情報表示処理」で説明したように、タッチパッド12を介して行う所定操作により、情報を表示するチャットグループとして、端末装置104の記録部14に格納されている「グループID」=「IDg001,IDg007,IDg008,…」の内の「IDg008」が識別する「初期消火グループ」のチャットグループを1個選択した場合、端末装置104の制御部15は、「端末ID」=「IDt004」及び「グループID」=「IDg008」を含む「端末側要求用情報」を情報共有サーバ5に送信する。
【0142】
ここでは、例えば、
図9の「グループID」=「IDg008」に関連付けられているチャット情報として「07011805-N-2階客室(1号室)の火災を、消火器で消火して下さい」のみが格納されている場合について説明する。この場合、情報共有サーバ5の制御部53は、端末装置1から送信された「端末側要求用情報」を受信し、
図9のチャット履歴情報を参照して、前述の受信した「端末側要求用情報」に含まれている「グループID」=「IDg008」と同じグループIDに関連付けられている「グループ名情報」=「初期消火グループ」及び「チャット情報」=「07011805-N-2階客室(1号室)の火災を、消火器で消火して下さい」を取得し、取得したグループ名情報及びチャット情報に基づいて、
図15のグループチャット表示画面を表示するための画面情報を生成し、生成した画面情報、及び前述の受信した「端末側要求用情報」に含まれている「端末ID」=「IDt004」を含む「サーバ側応答用情報」を送信することにより、端末装置104のディスプレイ13に
図15のグループチャット表示画面を表示する。
【0143】
なお、前述のプッシュ通知情報を視認した端末装置102のユーザであるベルスタッフの「A2」が、「A4」と同様な操作を行った場合、
図15のグループチャット表示画面が端末装置102に表示される。
【0144】
そして、この場合、初期消火グループに属するユーザである「A2」及び「A4」は、
図15のグループチャット表示画面を視認することにより、2階の客室である1号室にて消火器で消火する必要があることを認識し、
図12に図示されている2階の客室である1号室に訪れて、消火器を用いて消火を行うことになる。
【0145】
図11のSC5において情報共有サーバ5の制御部53は、消火栓での消火の指示を行うか否かを判定する。具体的には任意であるが、例えば、前述の「チャット情報格納処理」において各ユーザが入力した情報が、
図9のチャット履歴情報におけるチャット情報に格納されるので、すなわち、ホテルの従業員(例えば、初期消火グループに属するユーザ等)が消火に関する情報を入力した場合に当該チャット情報に消火に関する情報が格納される点を考慮して、チャット情報を監視して以下の処理を行う。なお、ここでの監視対象となるチャット情報は任意であり、例えば、全てのチャット情報を監視してもよいし、あるいは、SC4において消火器での消火の指示を通知したユーザが属するチャットグループに関連付けられているチャット情報を監視してもよいが、本実施の形態では、後者の場合を例示して説明する。
【0146】
詳細には、情報共有サーバ5の制御部53は、
図9のチャット履歴情報を参照して、SC4の「<チャット情報の格納>」においてチャット情報を格納したグループIDを特定し(つまり、「<チャット情報の格納>」において特定したグループIDを特定し)、当該特定したグループIDが識別するチャットグループを監視対象となるチャットグループとして特定する。次に、
図9のチャット履歴情報における、前述の特定した監視対象となるチャットグループを識別するグループIDに関連付けられているチャット情報を監視して、SC4の「<チャット情報の格納>」においてチャット情報を格納した後に、消火器による消火が困難であることを示す情報(本実施の形態では、例えば、「困難」又は「難しい」の単語を含む情報)が格納されたか否かを判定する。そして、消火が困難であることを示す情報が格納されていないものと判定した場合、消火栓による消火の指示は行わないものと判定し(SC5のNO)、消火栓による消火の指示を行うものと判定するまで、繰り返しSC5を実行する。なお、この場合、SC5の「<チャット情報の格納>」においてチャット情報を格納した時から、所定時間(例えば、20分~30分等)以内に、消火栓による消火の指示を行うものと判定しない場合、消火器に消火で鎮火したものとして、処理を終了してもよい。また、消火が困難であることを示す情報が格納されたものと判定した場合、消火器での消火が不十分であり鎮火していないものとして、消火栓による消火の指示を行うものと判定し(SC5のYES)、SC6に移行する。
【0147】
ここでは、例えば、ユーザであるクローク担当の「A4」が、
図12の2階の客室である1号室に訪れて、消火器での消火活動を行ったにも関わらず、鎮火しなかった場合、タッチパッド12を介して行う所定操作により、情報を共有するチャットグループとして、
図15のグループチャット表示画面に対応するチャットグループである「初期消火グループ」を選択した上で、「初期消火グループ」で共有する情報として「消火困難です」を入力した場合、端末装置104の制御部15は、「端末ID」=「IDt004」、「グループID」=「IDg008」、及び「入力された情報」=「消火困難です」を含む「端末側格納用情報」を情報共有サーバ5に送信する。
【0148】
一方、情報共有サーバ5の制御部53は、端末装置1から送信された「端末側格納用情報」を受信し、任意の手法で現在の日時として例えば「07月01日18時10分」を特定した上で、特定した現在の日時、及び前述の受信した「端末側格納用情報」に基づいて、
図9のチャット履歴情報における「チャット情報」=「07011810-IDt004-消火困難です」を格納する。
【0149】
この場合、
図11のSC5において情報共有サーバ5の制御部53は、
図9のチャット履歴情報を参照して、SC4の「<チャット情報の格納>」においてチャット情報を格納した「グループID」=「IDg008」を特定し、当該特定したグループIDが識別する「初期消火グループ」のチャットグループを監視対象となるチャットグループとして特定する。次に、
図9のチャット履歴情報における、前述の特定した監視対象となる「初期消火グループ」のチャットグループを識別する「グループID」=「IDg008」に関連付けられているチャット情報を監視するが、SC4の「<チャット情報の格納>」において「チャット情報」=「07011805-N-2階客室(1号室)の火災を、消火器で消火して下さい」を格納した後に、「チャット情報」=「07011810-IDt004-消火困難です」が格納されており、当該チャット情報には「困難」の単語が含まれているので、消火が困難であることを示す情報が格納されたものと判定した上で、消火栓による消火の指示を行うものと判定する(SC5のYES)。
【0150】
図16は、グループチャット表示画面を例示した図である。なお、
図9のチャット履歴情報のチャット情報として「07011810-IDt004-消火困難です」が格納された後に、「初期消火グループ」のチャットグループに属するユーザが、情報を表示するチャットグループとして「初期消火グループ」を選択した場合、前述の「チャット情報表示処理」が実行されて、当該ユーザに携帯される端末装置1のディスプレイ13に、「07011810-IDt004-消火困難です」に対応する情報を含む
図16のグループチャット表示画面が表示されることになる。
【0151】
図11のSC6において情報共有サーバ5の制御部53は、消火栓での消火の指示を、初期消火グループに対応するチャットグループに属するユーザに通知する。具体的には任意であり、SC4の処理と同様であり、
図9のチャット履歴情報におけるチャット情報の格納、及び当該チャット情報を格納した旨の通知を行う。
【0152】
<チャット情報の格納>
まず、チャット情報の格納については、
図7のチャットグループ特定情報を参照して、「初期消火グループ」を識別するグループIDを特定し、また、任意の手法で現在の日時を特定した上で、
図9のチャット履歴情報において、前述の特定したグループIDと同じグループIDに関連付けられているチャット情報として、前述の特定した現在の日時を示す情報、前述の「N」、及び消火栓での消火を指示する消火栓消火指示情報を相互に関連付けた情報を、チャット情報として格納する。
【0153】
ここでは、例えば、
図7のチャットグループ特定情報を参照して、「初期消火グループ」を識別する「グループID」=「IDg008」を特定し、また、任意の手法で現在の日時として例えば「07月01日18時10分」を特定した上で、
図9のチャット履歴情報において、前述の特定した「グループID」=「IDg008」と同じグループIDに関連付けられているチャット情報として、「07011810-N-2階客室(1号室)の火災を、消火栓で消火して下さい」を格納する。
【0154】
<チャット情報を格納した旨の通知>
次に、チャット情報を格納した旨の通知については、SC4の「<チャット情報を格納した旨の通知>」と同様な処理を行うことにより、端末装置102、104が、プッシュ通知情報をディスプレイ13に表示し、プッシュ通知信号に含まれる「グループID」=「IDg008」が識別するチャットグループを示す情報として「初期消火グループ」というテキスト情報も表示して通知する。
【0155】
図17は、グループチャット表示画面を例示した図である。前述のプッシュ通知情報を視認した端末装置1のユーザが、「チャット情報表示処理」で説明したように、タッチパッド12を介して行う所定操作により、情報を表示するチャットグループとして、前述の新たな情報が格納されて共有されたチャットグループを選択した場合、端末装置1の制御部15は、前述のように「端末側要求用情報」及び「サーバ側応答用情報」に関する通信を行った上で、例えば
図17のグループチャット表示画面をディスプレイ13に表示する。
【0156】
ここでは、例えば、前述のプッシュ通知情報を視認した端末装置104のユーザであるクローク担当の「A4」が、「チャット情報表示処理」で説明したように、タッチパッド12を介して行う所定操作により、情報を表示するチャットグループとして、「初期消火グループ」のチャットグループを1個選択した場合、端末装置104の制御部15は、「端末ID」=「IDt004」及び「グループID」=「IDg008」を含む「端末側要求用情報」を情報共有サーバ5に送信する。
【0157】
一方、情報共有サーバ5の制御部53は、端末装置1から送信された「端末側要求用情報」を受信し、
図9のチャット履歴情報を参照して、前述の受信した「端末側要求用情報」に含まれている「グループID」=「IDg008」と同じグループIDに関連付けられている「グループ名情報」=「初期消火グループ」、及び「チャット情報」=「07011805-N-2階客室(1号室)の火災を、消火器で消火して下さい」、「07011810-IDt004-消火困難です」、及び「07011810-N-2階客室(1号室)の火災を、消火栓で消火して下さい」を取得し、取得したグループ名情報及びチャット情報に基づいて、
図17のグループチャット表示画面を表示するための画面情報を生成し、生成した画面情報、及び前述の受信した「端末側要求用情報」に含まれている「端末ID」=「IDt004」を含む「サーバ側応答用情報」を送信することにより、端末装置104のディスプレイ13に
図17のグループチャット表示画面を表示する。
【0158】
なお、前述のプッシュ通知情報を視認した端末装置102のユーザであるベルスタッフの「A2」が、「A4」と同様な操作を行った場合、
図17のグループチャット表示画面が端末装置102に表示される。
【0159】
そして、この場合、初期消火グループに属するユーザである「A2」及び「A4」は、
図17のグループチャット表示画面を視認することにより、2階の客室である1号室にて消火栓で消火する必要があることを認識し、
図12に図示されている2階の客室である1号室に訪れて、消火栓を用いて消火を行うことになる。これにて、予兆関連処理を終了する。
【0160】
(処理-火災関連処理)
次に、火災関連処理について説明する。
図18は、火災関連処理のフローチャートであり、
図19は、グループチャット表示画面を例示した図である。「火災関連処理」とは、概略的には、防災システム100の各装置によって行われる処理であり、例えば、火災が発生した場合の防災に関する処理である。
【0161】
図18のSD1において防災受信機3の制御部(不図示)は、火災が発生したか否かを判定する。具体的には任意であるが、例えば、前述の感知器側火災信号の受信に基づいて判定する。詳細には、防災受信機3の制御部は、感知器2から感知器側火災信号を受信していない場合、火災が発生していないものと判定し(SD1のNO)、火災が発生したものと判定するまで、繰り返しSD1を実行する。また、感知器2から感知器側火災信号を受信した場合、火災が発生したものと判定し(SD1のYES)、SD2に移行する。
【0162】
ここでは、例えば、
図12に示すように、2階の客室である1号室にて出火した場合、当該1号室内での煙の濃度が徐々に増加することになり、感知器201で測定した煙の濃度が当該感知器201の記録部に記録されている「火災検出用閾値」以上になった場合に、感知器201は、火災が発生したものと判定した上で、自己の記録部に記録されている「設備ID」=「IDd201」を取得し、取得した「設備ID」=「IDd201」を含む感知器側火災信号を生成して防災受信機3に送信する。そして、防災受信機3の制御部は、感知器201から感知器側火災信号を受信し、火災が発生したものと判定する(SD1のYES)。
【0163】
図18のSD2において防災受信機3の制御部(不図示)は、SD1で受信した感知器側火災信号に含まれる設備IDを取得し、取得した設備IDを含む受信機側火災信号(火災が発生したことを示す信号)を生成し、生成した受信機側火災信号を防災報知サーバ4に送信する。
【0164】
ここでは、例えば、SD1で受信した感知器側火災信号に含まれる「設備ID」=「IDd201」を取得し、取得した「設備ID」=「IDd201」を含む受信機側火災信号を生成して防災報知サーバ4に送信する。
【0165】
一方、
図18のSE1において防災報知サーバ4の制御部43は、SD2で送信された受信機側火災信号を受信する。
【0166】
ここでは、例えば、「設備ID」=「IDd201」を含む受信機側火災信号を受信する。
【0167】
図18のSE2において防災報知サーバ4の制御部43は、火災が発生した場所(つまり、火災場所)を特定する。具体的には任意であるが、例えば、
図11のSB2の場合と同様にして、火災場所を特定する。
【0168】
ここでは、例えば、
図5の設備情報を参照して、SE1で受信した受信機側火災信号に含まれている「設備ID」=「IDd201」と同じ設備IDに関連付けられている「設置場所情報」=「2階客室(1号室)」を特定し、当該「設置場所情報」=「2階客室(1号室)」が示す場所である「建物の2階の客室である1号室」を火災場所として特定する。
【0169】
図18のSE3において防災報知サーバ4の制御部43は、SE2で特定した発生場所を示す発生場所情報を含む発生場所信号(火災が発生したこと、及び当該火災の発生した場所を示す信号)を情報共有サーバ5に送信する。
【0170】
ここでは、例えば、前述のSE2において「建物の2階の客室である1号室」を発生場所として特定したので、SE3においては、「建物の2階の客室である1号室」を示す発生場所情報として「発生場所情報」=「2階客室(1号室)」を含む発生場所信号を情報共有サーバ5に送信する。
【0171】
一方、
図18のSF1において情報共有サーバ5の制御部53は、SE3で送信された発生場所信号を受信する。
【0172】
ここでは、例えば、「発生場所情報」=「2階客室(1号室)」を含む発生場所信号を受信する。
【0173】
図18のSF2において情報共有サーバ5の制御部53は、火災が発生したことを、発生場所に関連するチャットグループに属するユーザに通知する。具体的には任意であるが、
図11のSC2と同様にして、例えば、
図9のチャット履歴情報におけるチャット情報の格納、及び当該チャット情報を格納した旨の通知を行う。ここでの処理は、
図11のSC2と同様であるので、具体例のみ説明する。
【0174】
<チャット情報の格納>
【0175】
ここでは、例えば、
図8の通知先グループ特定情報を参照して、SF1で受信した発生場所信号に含まれている「発生場所情報」=「2階客室(1号室)」と同じ場所を示している火災発生場所情報である「2階客室」に関連付けられている「グループID」=「IDg005」を特定し、また、任意の手法で現在の日時として例えば「07月01日18時40分」を特定した上で、
図9のチャット履歴情報において、前述の特定したグループIDと同じグループIDに関連付けられているチャット情報として、「07011840-N-2階客室(1号室)で火災発生、119番通報してください」を格納する。
【0176】
<チャット情報を格納した旨の通知>
ここでは、例えば、
図8の通知先グループ特定情報を参照して、SF1で受信した発生場所信号に含まれている「発生場所情報」=「2階客室(1号室)」と同じ場所を示している火災発生場所情報である「2階客室」に関連付けられている「グループID」=「IDg005」を特定した上で、当該特定した「グループID」=「IDg005」を含むプッシュ通知信号(チャット情報として新たな情報が格納されて共有されたことを示す信号)を端末装置1に送信することにより、端末装置101、105、106にプッシュ通知情報を表示する。
【0177】
一方、例えば、前述のプッシュ通知情報を視認した端末装置105のユーザである2階清掃係の「A5」が、タッチパッド12を介して行う所定操作により、情報を表示するチャットグループとして、「客室グループ(2F)」のチャットグループを1個選択した場合、
図19のグループチャット表示画面がディスプレイ13に表示されることになる。これにて、火災関連処理を終了する。
【0178】
(処理-火災レベル判定関連処理)
次に、火災レベル判定関連処理について説明する。
図20は、火災レベル判定関連処理のフローチャートであり、
図21は、グループチャット表示画面を例示した図である。「火災レベル判定関連処理」とは、概略的には、防災システム100の各装置によって行われる処理であり、例えば、火災が火災レベル判定された場合の防災に関する処理である。
【0179】
図20のSG1において防災受信機3の制御部(不図示)は、火災の発生を火災レベル判定するか否かを判定する。具体的には任意であるが、例えば、所定の火災レベル判定条件に該当したか否かに基づいて判定する。「所定の火災レベル判定条件」とは、火災を火災レベル判定するものと判定するための条件であり、公知の条件を適用することができるが、本実施の形態では、第1~第3火災レベル判定条件を用いる場合について説明する。「第1火災レベル判定条件」は、例えば、複数の感知器2から感知器側火災信号を受信することであり、「第2火災レベル判定条件」は、例えば、建物に設けられている不図示であり公知の火災発信機のボタンがユーザによって押下されたことを示す信号を火災発信機側から受信したことで、「第3火災レベル判定条件」は、例えば、防災受信機3に設けられている不図示であり公知の火災レベル判定ボタンがユーザによって押下されたことを示す情報を受け付けたことである。詳細には、防災受信機3の制御部は、第1~第3火災レベル判定条件の何れの条件にも該当していない場合、火災の発生を火災レベル判定しないものと判定し(SG1のNO)、火災の発生を断するものと判定するまで、繰り返しSG1を実行する。また、第1~第3火災レベル判定条件の内の少なくとも1個の条件に該当した場合、火災の発生を火災レベル判定するものと判定し(SG1のYES)、SG2に移行する。
【0180】
ここでは、例えば、
図12に示すように、2階の客室である1号室にて出火した火災が2号室まで燃え広がった場合において、感知器201、202で測定した煙の濃度が当該感知器201、202の記録部に記録されている「火災検出用閾値」以上になった場合、感知器201、202は、火災が発生したものと判定した上で、前述の場合と同様にして、感知器側火災信号を生成して防災受信機3に送信する。そして、防災受信機3の制御部は、感知器201、202から感知器側火災信号を受信し、「第1火災レベル判定条件」に該当することになるので、火災の発生を火災レベル判定するものと判定する(SG1のYES)。
【0181】
図20のSG2において防災受信機3の制御部(不図示)は、受信機側火災レベル判定信号(火災の発生を火災レベル判定したことを示す信号)を生成し、生成した受信機側火災レベル判定信号を防災報知サーバ4に送信する。なお、この場合、防災受信機3は、従来と同様にして、地区ベルの発報や非常放送等により火災の報知を行ってもよい。
【0182】
一方、
図20のSH1において防災報知サーバ4の制御部43は、SG2で送信された受信機側火災レベル判定信号を受信する。
【0183】
図20のSH2において防災報知サーバ4の制御部43は、火災レベル判定信号(受信機側火災レベル判定信号と同様な情報を示す信号であり、すなわち、火災の発生を火災レベル判定したことを示す信号)を情報共有サーバ5に送信する。
【0184】
一方、
図20のSI1において情報共有サーバ5の制御部53は、SH2で送信された火災レベル判定信号を受信する。
【0185】
図20のSI2において情報共有サーバ5の制御部53は、火災の発生を火災レベル判定したことを、「従業員全員」に対応するチャットグループに属する全てのユーザに通知する。具体的には任意であるが、
図11のSC4と同様にして、例えば、
図9のチャット履歴情報におけるチャット情報の格納、及び当該チャット情報を格納した旨の通知を行う。ここでの処理は、概略的には
図11のSC4と同様であるので、具体例のみ説明する。
【0186】
<チャット情報の格納>
【0187】
ここでは、例えば、
図7のチャットグループ特定情報を参照して、「従業員全員」を識別する「グループID」=「IDg007」を特定し、また、任意の手法で現在の日時として例えば「07月01日19時00分」を特定した上で、
図9のチャット履歴情報において、前述の特定した「グループID」=「IDg007」と同じグループIDに関連付けられているチャット情報として、「07011900-N-建物で火災が発生、避難誘導して下さい」を格納する。
【0188】
<チャット情報を格納した旨の通知>
【0189】
ここでは、例えば、
図7のチャットグループ特定情報を参照して、「従業員全員」を識別する「グループID」=「IDg007」を特定した上で、当該特定した「グループID」=「IDg007」を含むプッシュ通知信号を端末装置1に送信することにより、端末装置101~107にプッシュ通知情報を表示する。
【0190】
一方、例えば、前述のプッシュ通知情報を視認した端末装置101~107のユーザが、タッチパッド12を介して行う所定操作により、情報を表示するチャットグループとして、「従業員全員」のチャットグループを1個選択した場合、
図21のグループチャット表示画面がディスプレイ13に表示されることになる。これにて、火災レベル判定関連処理を終了する。
【0191】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、複数の端末装置1の内の予兆場所情報が示す場所に予め関連付けられている端末装置1(第1携帯端末)に対して火災の予兆が発生したことを示す火災予兆情報を送信し、また、複数の端末装置1の内の予め定められている端末装置1(第2携帯端末)に対して消火を指示する情報を送信することにより、例えば、火災が燃え広がる前の早期の段階で、一部のユーザ(例えば、防災システム100が適用される施設の管理側又は運営側の関係者である従業員)に対して火災の予兆を知らせることができ、また、消火にあたらせることができるので、防災性を向上させることが可能となる。
【0192】
また、消火器による消火を指示する情報を送信することにより、例えば、消火設備である消火器を具体的に知らせることができるので、消火設備の選択に迷って消火活動の初動が遅れてしまうことを防止することが可能となる。
【0193】
また、消火器による消火が困難であることを示す情報を受信した場合に、消火栓による消火を指示する情報を送信することにより、例えば、火災の鎮火のために適切な設備を用いて消火活動にあたらせることができるので、防災性を向上させることが可能となる。
【0194】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0195】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の詳細に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
【0196】
(分散や統合について)
また、上述した構成は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、防災報知サーバ4の機能を防災受信機3に組み込んでもよい。この場合、防災報知サーバ4の機能が組み込まれた防災受信機3が、「火災報知設備」に対応するものと解釈してもよい。
【0197】
(情報の通知について)
また、上記実施の形態では、
図11のSC2において、「<チャット情報の格納>」及び「<チャット情報を格納した旨の通知>」の各処理を行った上で、ユーザが、タッチパッド12を介して行う所定操作により、情報を表示するチャットグループを選択した場合に、グループチャット表示画面を表示する場合について説明したが、これに限らない。例えば、ユーザによる所定操作に関わらず、端末装置1のディスプレイ13にグループチャット表示画面を表示するように構成してもよい。
【0198】
具体的には任意であるが、例えば、SC2の「<チャット情報の格納>」及び「<チャット情報を格納した旨の通知>」の後に、プッシュ通知信号を受信した端末装置1の制御部15が、受信したプッシュ通知信号に含まれるグループIDと、自己の記録部14に記録されているグループIDとを比較し、受信したプッシュ通知信号に含まれるグループIDが、自己の記録部14に記録されている何れかのグループIDと合致する場合、プッシュ通知情報を表示する代わり、あるいは、プッシュ通知情報を表示する共に、以下の処理を行うように構成してもよい。具体的には、前述の受信したプッシュ通知信号に含まれるグループIDを取得し、また、自己の記録部14に記録されている端末IDを取得した上で、取得したグループID及び端末IDを含む「端末側要求用情報」を情報共有サーバ5に送信することにより、「チャット情報表示処理」で説明した場合と同様にして、「サーバ側応答用情報」を受信し、受信した「サーバ側応答用情報」に基づいて、グループチャット表示画面を生成してディスプレイ13に表示する。このように処理することにより、ユーザによる所定操作に関わらず、火災予兆情報等を自動的に表示することが可能となる。なお、ここで説明した技術を、
図11のSC4、SC6、
図18のSF2、及び
図20のSG2に適用して、各ステップにおいて、端末装置1側に各情報を自動的に表示するように構成してもよい。
【0199】
(その他の特徴について)
また、感知器2が火災の予兆又は火災の発生を検出するものとしているが、これに限らない。感知器2は防災受信機3に検出した所定の物理量を送信し、防災受信機3が受信した所定の物理量に基づいて火災の予兆又は火災の発生を検出するようにしてもよい。
【0200】
また、情報共有サーバ5は次段階のグループチャットに通知を行う際、前段階のグループチャットのログのうち、当該火災に関する情報共有サーバ5の通知から指示の判定とみなしたメッセージまでのメッセージを含むログを次段階のグループチャットに表示させるようにしてもよい。例えば、
図15の通りに「初期消火グループ」のグループチャット表示画面に「2階客室(1号室)の火災を、消火器で消火して下さい」と表示する際、その前段に「2階客室(1号室)で火災の恐れ、確認して下さい」乃至「出火を確認しました」のメッセージを前段階のグループチャットのログとして表示するようにしてもよい。
【0201】
また、ある物件に係るチャットグループのメッセージは、複数又は全て管理者によってログを確認可能としてもよい。管理者はある火災に関連する複数のチャットグループにまたがるメッセージを横断して取得可能としてもよい。例えば、情報共有サーバ5で火災の予兆の発生ごとに一意に特定する情報を格納し、情報共有サーバ5の通知から指示の判定とみなしたメッセージまでのメッセージについて当該一意に特定する情報を付与することで複数のチャットグループにまたがるメッセージを横断して取得可能とするようにしてもよい。
【0202】
(特徴について)
また、上記実施の形態の特徴及び変形例の特徴を任意に組み合わせてもよい。
【0203】
(付記)
付記1の防災システムは、複数の利用者に携帯される複数の携帯端末と、少なくとも前記複数の携帯端末に関する情報が記録されている管理装置と、少なくとも火災の予兆が発生した場所を特定する火災報知設備と、を備える防災システムにおいて、前記管理装置は、火災の予兆が発生した場所を示す予兆場所情報を前記火災報知設備から受信した場合に、受信した当該予兆場所情報に基づいて、前記複数の携帯端末の内の前記予兆場所情報が示す場所に予め関連付けられている第1携帯端末に対して火災の予兆が発生したことを示す火災予兆情報を送信し、前記火災予兆情報を送信した後に、前記複数の携帯端末側から送信される所定情報を受信した場合に、前記複数の携帯端末の内の予め定められている第2携帯端末に対して消火を指示する情報を送信する。
【0204】
付記2の防災システムは、付記1に記載の防災システムにおいて、前記第2携帯端末は、前記複数の携帯端末の内の初期消火を担当する利用者に携帯される携帯端末であり、前記管理装置は、前記火災予兆情報を送信した後に、出火を確認したことを示す情報を前記所定情報として受信した場合に、第1消火設備による消火を指示する情報を前記第2携帯端末に送信する。
【0205】
付記3の防災システムは、付記2に記載の防災システムにおいて、前記管理装置は、前記第1消火設備による消火を指示する情報を送信した後に、前記第1消火設備による消火が困難であることを示す情報を受信した場合に、第2消火設備による消火を指示する情報を第2携帯端末に送信する。
【0206】
付記4の防災システムは、付記3に記載の防災システムにおいて、前記第1消火設備は消火器であり、前記第2消火設備は消火栓装置である。
【0207】
(付記の効果)
付記1に記載の防災システムによれば、複数の携帯端末の内の予兆場所情報が示す場所に予め関連付けられている第1携帯端末に対して火災の予兆が発生したことを示す火災予兆情報を送信し、また、複数の携帯端末の内の予め定められている第2携帯端末に対して消火を指示する情報を送信することにより、例えば、火災が燃え広がる前の早期の段階で、一部のユーザ(例えば、防災システムが適用される施設の管理側又は運営側の関係者等)に対して火災の予兆を知らせることができ、また、消火にあたらせることができるので、防災性を向上させることが可能となる。
【0208】
付記2に記載の防災システムによれば、第1消火設備による消火を指示する情報を送信することにより、例えば、消火設備を具体的に知らせることができるので、消火設備の選択に迷って消火活動の初動が遅れてしまうことを防止することが可能となる。
【0209】
付記3に記載の防災システムによれば、第1消火設備による消火が困難であることを示す情報を受信した場合に、第2消火設備による消火を指示する情報を送信することにより、例えば、火災の鎮火のために適切な設備を用いて消火活動にあたらせることができるので、防災性を向上させることが可能となる。
【0210】
付記4に記載の防災システムによれば、第1消火設備は消火器であり、第2消火設備は消火栓装置であることにより、例えば、火災の広がりに応じて適切な設備を用いて消火活動にあたらせることができるので、防災性を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0211】
1 端末装置
2 感知器
3 防災受信機
4 防災報知サーバ
5 情報共有サーバ
11 通信部
12 タッチパッド
13 ディスプレイ
14 記録部
15 制御部
41 通信部
42 記録部
43 制御部
51 通信部
52 記録部
53 制御部
61 グループ名表示欄
62 本文表示欄
100 防災システム
101 端末装置
102 端末装置
103 端末装置
104 端末装置
105 端末装置
106 端末装置
107 端末装置
201 感知器
202 感知器
L1 伝送回線