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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、判定方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240704BHJP
   G06Q 30/0203 20230101ALI20240704BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/0203
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020137903
(22)【出願日】2020-08-18
(65)【公開番号】P2022034214
(43)【公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-06-12
(73)【特許権者】
【識別番号】316016852
【氏名又は名称】株式会社マクロミル
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】城戸 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】裘 明慧
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 賢治
【審査官】山本 俊介
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-086601(JP,A)
【文献】特開2018-112826(JP,A)
【文献】特開2018-169862(JP,A)
【文献】特開2017-033167(JP,A)
【文献】特開2020-112857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが有する電子機器におけるアプリケーションの起動を表す起動情報であって、第1のアプリケーションと第2のアプリケーションを含む複数のアプリケーションの起動情報を取得する取得手段と、
前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションとの前記ユーザの起動情報に基づき、前記第1のアプリケーションに関するアンケートの対象者に前記ユーザを選択するか否かを判定する判定手段と、
を有し、
前記判定手段は、
前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションとの前記ユーザの起動情報に基づき、アプリケーションの利用者としての前記ユーザの種別を分類して、
前記ユーザの種別の分類結果が特定の分類結果に合致する場合には、前記第1のアプリケーションに関するアンケートの対象者として前記ユーザを選択する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記起動情報は、ユーザがアプリケーションを前面表示して利用した期間を示す情報である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定手段は、所定の期間において前記第1のアプリケーションを起動していないユーザと分類され、かつ、前記第2のアプリケーションの起動情報に基づく所定の条件を満たすユーザと分類されたユーザを、前記第1のアプリケーションに関するアンケートの対象者として選択すると判定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定手段は、所定の期間において前記第1のアプリケーションを起動しておらず、かつ前記所定の期間の前に前記第1のアプリケーションを起動しているユーザと分類され、かつ、前記第2のアプリケーションの起動情報に基づく所定の条件を満たすユーザと分類されたユーザを、前記第1のアプリケーションに関するアンケートの対象者に選択すると判定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定手段は、所定の期間において所定回数以上または所定時間以上、前記第1のアプリケーションを起動しているユーザと分類され、かつ、前記第2のアプリケーションの起動情報に基づく所定の条件を満たすユーザと分類されたユーザを、前記第1のアプリケーションに関するアンケートの対象者に選択すると判定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記所定の条件とは、前記所定の期間において前記第2のアプリケーションを起動しているという条件である、
ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記所定の条件とは、前記所定の期間において所定回数以上または所定時間以上、前記第2のアプリケーションを起動しているという条件である、
ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記所定の条件とは、前記所定の期間において前記第2のアプリケーションを起動していないという条件である、
ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記所定の条件とは、前記所定の期間において前記第2のアプリケーションを起動しておらず、かつ前記所定の期間の前に前記第2のアプリケーションを起動しているという条件である、
ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記取得手段は、前記第1のアプリケーションが前面表示された第1の時刻を前記電子機器から取得した場合には、前記第1の時刻から、当該第1の時刻の後の最も直近に前記複数のアプリケーションのうちの他のアプリケーションが前面表示された第2の時刻までの期間を、前記第1のアプリケーションの起動情報として取得する、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記取得手段は、前記第1の時刻から前記第2の時刻までの時間が所定の閾値以下である場合には、前記第1の時刻から前記第2の時刻までの期間を前記第1のアプリケーションの起動情報として取得しない、
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記取得手段は、前記第1の時刻から前記第2の時刻までにユーザ操作がないことを示す情報を取得した場合には、前記第1の時刻から、ユーザ操作がないことを示す情報が示す時刻までの期間を、前記第1のアプリケーションの起動情報として取得する、
ことを特徴とする請求項10または11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記複数のアプリケーションそれぞれの、前面表示の時刻と起動していた時間とアプリケーションの名称とアプリケーションの種類とを少なくとも対応付けたリストを出力する出力手段をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションは、同一の種別のアプリケーションである、
ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
アプリケーションが電子機器において前面表示された時刻に基づき、ユーザにおける前記電子機器での第1のアプリケーションの起動情報を取得する取得手段と、
前記ユーザの前記第1のアプリケーションの起動情報に基づき、前記第1のアプリケーションに関するアンケートの対象者に前記ユーザを選択するか否かを判定する判定手段と、
を有し、
前記判定手段は、
前記第1のアプリケーションの起動情報に基づき、前記第1のアプリケーションの利用者としての前記ユーザの種別を分類して、
前記ユーザの種別の分類結果が特定の分類結果に合致する場合には、前記第1のアプリケーションに関するアンケートの対象者として前記ユーザを選択する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項16】
前記判定手段は、前記起動情報に加えて、前記ユーザのデモグラフィックに基づき、前記ユーザの種別を分類する、
ことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記デモグラフィックは、前記ユーザの年齢、性別、移住地、および職業の少なくともいずれかを含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
情報処理装置が実行する判定方法であって、
ユーザが有する電子機器におけるアプリケーションの起動を表す起動情報であって、第1のアプリケーションと第2のアプリケーションを含む複数のアプリケーションの起動情報を取得する取得ステップと、
前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションとの前記ユーザの起動情報に基づき、前記第1のアプリケーションに関するアンケートの対象者に前記ユーザを選択するか否かを判定する判定ステップと、
を有し、
前記判定ステップでは、
前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションとの前記ユーザの起動情報に基づき、アプリケーションの利用者としての前記ユーザの種別を分類して、
前記ユーザの種別の分類結果が特定の分類結果に合致する場合には、前記第1のアプリケーションに関するアンケートの対象者として前記ユーザを選択する、
ことを特徴とする判定方法。
【請求項19】
情報処理装置が実行する判定方法であって、
アプリケーションが電子機器において前面表示された時刻に基づき、ユーザにおける前記電子機器での第1のアプリケーションの起動情報を取得する取得ステップと、
前記ユーザの前記第1のアプリケーションの起動情報に基づき、前記第1のアプリケーションに関するアンケートの対象者に前記ユーザを選択するか否かを判定する判定ステップと、
を有し、
前記判定ステップでは、
前記第1のアプリケーションの起動情報に基づき、前記第1のアプリケーションの利用者としての前記ユーザの種別を分類して、
前記ユーザの種別の分類結果が特定の分類結果に合致する場合には、前記第1のアプリケーションに関するアンケートの対象者として前記ユーザを選択する、
ことを特徴とする判定方法。
【請求項20】
請求項18または19に記載の判定方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンケートの対象者を判定する情報処理装置、判定方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アプリケーションに関するアンケートを実施するにあたり、アンケートの対象者を無作為に選ぶことや、当該アプリケーションを利用しているユーザをアンケートの対象者として選択することなどが行われている。
【0003】
特許文献1では、調査対象または調査目的によって居住地域、年代、性別を特定し、特定された条件の範囲内からランダムに抽出したユーザにアンケート調査の告知をして、告知に対して協力意向があれば当該ユーザをアンケートの対象者とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-185008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、居住地域、年代、性別によってアンケートの対象者を選択しているのにすぎないため、例えば、アプリケーションを多く利用する人(ヘビーユーザ)をアンケートの対象者とすることができない。つまり、従来の技術では、アンケートを実施する者の所望するようなアンケートの対象者を選択することができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、アンケートを実施する者の所望するようなアンケートの対象者を選択することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用する。
【0008】
本発明の1つの態様は、
ユーザが有する電子機器におけるアプリケーションの起動を表す起動情報であって、第1のアプリケーションと第2のアプリケーションを含む複数のアプリケーションの起動情報を取得する取得手段と、
前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションとの前記ユーザの起動情報に基づき、前記第1のアプリケーションに関するアンケートの対象者に前記ユーザを選択するか否かを判定する判定手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置である。
【0009】
このような構成によれば、アンケートの対象のアプリケーションと、それ以外のアプリケーションの起動情報に基づき、アンケートの対象者が選択できる。このため、アンケートの対象のアプリケーションのみの起動情報を用いる場合よりも、アンケートを実施する者が所望するユーザをアンケートの対象者に選択することができる。
【0010】
上述の情報処理装置において、前記起動情報は、ユーザがアプリケーションを前面表示
して利用した期間を示す情報であってもよい。これによれば、ユーザが意図してアプリケーションを利用した期間以外の期間(例えば、電子機器においてアプリケーションが背面表示されている期間)を、アプリケーションを起動している期間として捉えてしまうことを防げる。このため、当該起動情報を用いれば、より適切なユーザをアンケートの対象者として選択することができる。
【0011】
上述の情報処理装置において、前記判定手段は、所定の期間において前記第1のアプリケーションを起動していないユーザであって、前記第2のアプリケーションの起動情報に基づく所定の条件を満たすユーザであれば、前記第1のアプリケーションに関するアンケートの対象者として選択すると判定してもよい。これによれば、例えば、アンケートの対象者を、第1のアプリケーションを利用したことのないユーザ(未利用ユーザ)に絞ることができる。
【0012】
上述の情報処理装置において、前記判定手段は、所定の期間において前記第1のアプリケーションを起動しておらず、かつ前記所定の期間の前に前記第1のアプリケーションを起動しているユーザであって、前記第2のアプリケーションの起動情報に基づく所定の条件を満たすユーザであれば、前記第1のアプリケーションに関するアンケートの対象者に選択すると判定してもよい。これによれば、アンケートの対象者を、例えば、第1のアプリケーションを現在利用していないが、過去に利用していたユーザ(離反者)に絞ることができる。
【0013】
上述の情報処理装置において、前記判定手段は、所定の期間において所定回数以上または所定時間以上、前記第1のアプリケーションを起動しているユーザであって、前記第2のアプリケーションの起動情報に基づく所定の条件を満たすユーザであれば、前記第1のアプリケーションに関するアンケートの対象者に選択すると判定してもよい。これによれば、アンケートの対象者を、例えば、第1のアプリケーションを頻繁に利用しているユーザ(ヘビーユーザ)に絞ることができる。
【0014】
上述の情報処理装置において、前記所定の条件とは、前記所定の期間において前記第2のアプリケーションを起動しているという条件であってもよい。これによれば、例えば、アンケートの対象者を、第2のアプリケーションを利用したことのあるユーザに絞ることができる。
【0015】
上記の情報処理装置において、前記所定の条件とは、前記所定の期間において所定回数以上または所定時間以上、前記第2のアプリケーションを起動しているという条件であってもよい。これによれば、アンケートの対象者を、例えば、第2のアプリケーションを頻繁に利用しているユーザ(ヘビーユーザ)に絞ることができる。
【0016】
上記の情報処理装置において、前記所定の条件とは、前記所定の期間において前記第2のアプリケーションを起動していないという条件であってもよい。これによれば、例えば、アンケートの対象者を、第2のアプリケーションを利用したことのないユーザ(未利用ユーザ)に絞ることができる。
【0017】
上記の情報処理装置において、前記所定の条件とは、前記所定の期間において前記第2のアプリケーションを起動しておらず、かつ前記所定の期間の前に前記第2のアプリケーションを起動しているという条件であってもよい。これによれば、アンケートの対象者を、第2のアプリケーションを現在利用してないが、過去に利用していたユーザ(離反者)に絞ることができる。
【0018】
上記の情報処理装置において、前記取得手段は、前記第1のアプリケーションが前面表
示された第1の時刻を前記電子機器から取得した場合には、前記第1の時刻から、当該第1の時刻の後の最も直近に前記複数のアプリケーションのうちの他のアプリケーションが前面表示された第2の時刻までの期間を、前記第1のアプリケーションの起動情報として取得してもよい。これによれば、ユーザが第1のアプリケーションを起動していた期間を容易に取得することができる。また、前面表示されていた期間を起動情報として取得されるため、第1のアプリケーションが背面に表示されており、実際にはユーザが第1のアプリケーションを操作していなかった期間が起動情報に含まれる可能性を抑制できる。このため、適切な起動情報を取得できるため、より適切にアンケートの対象者を選択することができる。
【0019】
上記の情報処理装置において、前記取得手段は、前記第1の時刻から前記第2の時刻までの時間が所定の閾値以下である場合には、前記第1の時刻から前記第2の時刻までの期間を前記第1のアプリケーションの起動情報として取得しなくてもよい。これによれば、第1のアプリケーションがPUSH通知されることなどで、ユーザが意図せず前面表示された場合に、当該前面表示された期間がユーザの意図により利用(操作)していた期間を示す起動情報として取得されることを防ぐことができる。このため、適切な起動情報を取得できるため、より適切にアンケートの対象者を選択することができる。
【0020】
上記の情報処理装置において、前記取得手段は、前記第1の時刻から前記第2の時刻までにユーザ操作がないことを示す情報を取得した場合には、前記第1の時刻から、ユーザ操作がないことを示す情報が示す時刻までの期間を、前記第1のアプリケーションの起動情報として取得してもよい。これによれば、ユーザが第1のアプリケーションを前面表示した状態で、電子機器を放置してしまった場合に、必要以上に長く第1のアプリケーションの起動があったことを示す起動情報が取得されてしまうことを防ぐことができる。このため、適切な起動情報を取得できるため、より適切にアンケートの対象者を選択することができる。
【0021】
上記の情報処理装置において、前記複数のアプリケーションそれぞれの、前面表示の時刻と起動していた時間とアプリケーションの名称とアプリケーションの種類とを少なくとも対応付けたリストを出力する出力手段をさらに有していてもよい。これによれば、例えば、アンケートを実施する者が、リストを参照することによって、第1のアプリケーションを含む複数のアプリケーションの利用状況を把握することができる。このため、第1のアプリケーションと他のアプリケーションとの利用状況の比較が容易にできるので、例えば、第1のアプリケーションの販売戦略や開発戦略などにリストの情報を用いることができる。
【0022】
上記の情報処理装置において、前記第1のアプリケーションと前記第2のアプリケーションは、同一の種別のアプリケーションであってもよい。これによれば、関連性が高い2つのアプリケーションについて、2つのアプリケーションの起動情報に基づいて共通点や差異点を容易に比較(把握)できるので、適切なアンケートの対象者を選択できる。
【0023】
本発明の1つの態様は、
アプリケーションが電子機器において前面表示された時刻に基づき、ユーザにおける前記電子機器での第1のアプリケーションの起動情報を取得する取得手段と、
前記ユーザの前記第1のアプリケーションの起動情報に基づき、前記第1のアプリケーションに関するアンケートの対象者に前記ユーザを選択するか否かを判定する判定手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置である。
【0024】
このような構成によれば、前面表示された時刻に応じた起動情報に基づき、アンケート
の対象者を選択できるため、利用者のアプリケーションの利用状況に応じて適切なユーザをアンケートの対象者に選択することができる。
【0025】
本発明の1つの態様は、
ユーザが有する電子機器におけるアプリケーションの起動を表す起動情報を取得する取得手段と、
複数のアプリケーションそれぞれの、前面表示の時刻と起動していた時間とアプリケーションの名称とアプリケーションの種類とを少なくとも対応付けたリストを出力する出力手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置である。
【0026】
このような構成によれば、アンケートを実施する者がリストを参照することによって、複数のアプリケーションの利用状況を容易に把握することができる。このため、アンケートを実施する者は、複数のアプリケーションの利用状況に基づき、アンケートの対象者を適切に選択することができる。
【0027】
本発明は、上記手段の少なくとも一部を有する制御装置として捉えてもよいし、処理装置や処理システムとして捉えてもよい。また、本発明は、上記処理の少なくとも一部を含む判定方法、情報処理装置の制御方法、として捉えてもよい。また、本発明は、かかる方法を実現するためのプログラムやそのプログラムを非一時的に記録した記録媒体として捉えることもできる。なお、上記手段および処理の各々は可能な限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、アンケートを実施する者の所望するようなアンケートの対象者を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、情報処理システムの構成図である。
図2図2Aおよび図2Bは、電子機器のアプリケーションを説明する図である。
図3図3は、電子機器のPUSH通知を説明する図である。
図4図4A図4Cは、イベントログを説明する図である。
図5図5は、アンケートの対象者の選択処理を示すフローチャートである。
図6図6は、起動情報の取得処理を示すフローチャートである。
図7図7は、ユーザの分類処理を示すフローチャートである。
図8図8は、提供事業者に出力するリストを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
<実施形態1>
本実施形態では、情報処理システムは、スマートフォンなどの電子機器におけるアプリケーションの起動情報に基づいて、当該電子機器を有するユーザをアンケートの対象者に選択するか否かを判定する。ここで、情報処理システムは、アプリケーションの起動情報に基づいて、例えば、ヘビーユーザ(アプリケーションを多く利用するユーザ)と離反者(過去にアプリケーションを使用していたが現在は使用していないユーザ)と未利用者(アプリケーションを利用したことのないユーザ)のいずれの種別にユーザが該当するかを判定する。そして、情報処理システムは、アンケートの実施者がアンケートの対象者にしたい種別に合致するユーザを、アンケートの対象者として選択する。なお、本実施形態では、起動情報とは、ユーザが有する電子機器におけるアプリケーションの起動を表す情報であって、より好ましくは、ユーザがアプリケーションを前面表示して利用(操作)した期間を示す情報である。ここで、通常、電子機器の画面において複数のアプリケーション
が表示されて(順次、起動されて)いても、最も前面に表示されたアプリケーションにしかユーザの操作が及ばない。このため、最も前面に1つのアプリケーションが表示された期間は、このアプリケーション以外のアプリケーションが利用(操作)されていない期間である。また、「アプリケーションを起動している」とは、「アプリケーションを前面表示して利用(操作)している」ことである。
【0031】
[情報処理システムの構成]
図1が示す構成図を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明する。情報処理システム1は、情報処理装置10と複数の電子機器20を有する。情報処理装置10と、複数の電子機器20のそれぞれとは、ネットワーク30を介して互いに通信可能である。
【0032】
情報処理装置10は、PC(パーソナルコンピュータ)、サーバなどである。情報処理装置10は、電子機器20における複数のアプリケーションの起動情報に基づき、電子機器20を有するユーザをアンケートの対象者に選択するか否かを判定する。情報処理装置10は、アンケートの対象者に選択したユーザの電子機器20に、アンケートを送信する。
【0033】
電子機器20は、スマートフォン、タブレット端末、PC(パーソナルコンピュータ)、スマートスピーカなどの電子機器である。電子機器20のユーザは、情報処理装置10からアンケートが送信されると、電子機器20を用いて当該アンケートに回答することができる。また、電子機器20は、複数のアプリケーション(ソフトウェア)を有する(電子機器20には、複数のアプリケーションがインストールされている)。なお、本実施形態では、電子機器20は、図2Aに示すように、画像を表示する表示部200と、表示部200に設けられたタッチパネル200aとを有するスマートフォンである。
【0034】
図2Aは、電子機器20の表示部200に表示されたホーム画面を示す。ホーム画面では、表示された複数のアプリケーションの中から、ユーザは、任意に起動させるアプリケーションを選択することができる。図2Aに示すように、電子機器20は、アイコン201~212に示すような様々な種類のアプリケーションを有する。なお、本実施形態では、ホーム画面が表示されている状態とは、ホーム画面を表示するためのアプリケーションが起動されている状態である。
【0035】
図2Aに示すような画面が表示されている状態で、表示部200(タッチパネル200a)におけるアイコン201~212のいずれかをユーザがタッチ(タップ)すると、タッチされたアイコンが示すアプリケーションが起動して前面表示される。例えば、アイコン205がタッチされると、図2Bに示すように、ゲームのアプリケーションが起動して前面表示される。ここで、前面表示とは、電子機器20(表示部200)の画面において最も前面に表示されることをいう。
【0036】
なお、アプリケーションの前面表示は、PUSH通知(ポップアップ通知)と呼ばれる表示を含む。PUSH通知は、例えば、予めユーザが設定した時刻に到達するという条件や、所定の情報(天気情報やニュースの情報など)をネットワークから電子機器20が取得したという条件が満たされると実行される。例えば、図2Bに示すようなゲームのアプリケーションが前面表示された場合に、天気のアプリケーションがPUSH通知されると、図3に示すように天気のアプリケーションが領域220に前面表示される。なお、PUSH通知がされると、前面表示されている領域220をユーザがタッチしない場合には、表示部200における領域220以外の領域をユーザがタッチした後すぐに、または、PUSH通知から予め定められた期間経過後に、PUSH通知は解除される。つまり、図2Bに示すようなゲームのアプリケーションが前面表示された状態に戻る。また、前面表示
されている領域220をユーザがタッチすると、天気のアプリケーションが表示部200の全域に表示されるような形式で、天気のアプリケーションが前面表示される(前面表示の状態が継続する)。
【0037】
電子機器20は、ユーザが電子機器20を操作するたび、または、予め定められた時間だけユーザ操作がされていない状態が継続すると、電子機器20の状態を示すイベントログを生成する。このために、電子機器20には、電子機器20の状態を示すイベントログを生成するためのSDK(Software Development Kit)が導入されている。ここで、イベントログは、図4Aに示すように、アプリケーション名とアプリケーションの種別とイベント名とイベント時刻との情報を含む。アプリケーションの種別は、アプリケーションの機能を説明する情報であり、例えば、メール、電話、動画、ゲーム、音楽、写真などがある。イベント名は、イベントログを生成する際に生じていたイベントの名称を示す。イベントには、上述した前面表示(前面表示の開始)、前面表示の解除、予め定められた時間の操作なし、その他アプリケーションごとの画面遷移などが含まれる。
【0038】
例えば、10時に、ABC動画を前面表示する操作がされた場合には、図4Bに示すようにアプリケーション名として「ABC動画」を示し、アプリケーションの種別として「動画」を示し、イベント名として「前面表示」を示し、イベント時刻として「2020/12/1 10:00:00」を示すイベントログ(前面表示ログ)が生成される。また、例えば、10時50分から10分間、ユーザ操作が何もされていない場合には、図4Cに示すようにアプリケーション名として「NULL(何も存在しない)」を示し、アプリケーションの種別として「NULL」を示し、イベント名として「操作なし」を示し、イベント時刻として「2020/12/1 11:00:00」を示すイベントログ(空白ログ)が生成される。なお、空白ログでは、イベント名も「NULL」によって示されてもよい。
【0039】
電子機器20は、生成したイベントログを、ネットワーク30を介して、情報処理装置10に送信する。なお、電子機器20は、イベントログを生成するたびに、情報処理装置10にイベントログを送信してもよいし、1日ごとなどの期間ごとにまとめて当該期間における全てのイベントログを送信してもよい。
【0040】
ここで、情報処理装置10や電子機器20は、構成の全部または一部を、ASICやFPGAなどで構成してもよいし、クラウドコンピューティングや分散コンピューティングにより実現してもよい。
【0041】
[情報処理装置の構成]
図1を参照して、情報処理装置10の内部構成について説明する。情報処理装置10は、制御部101、記憶部102、入力部103、起動情報取得部104、判定部105、出力部106を有する。
【0042】
制御部101は、情報処理装置10の各機能部を制御する。制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。制御部101は、記憶部102に記憶するプログラムを実行することによって、各機能部を制御することで後述する各フローチャートの処理を実現する。
【0043】
記憶部102は、複数の電子機器20から送信されたイベントログなどを記憶する記憶媒体である。記憶部102は、制御部101が実行するためのプログラム(コンピュータが読み取り可能なプログラム)を、非一時的に記憶する記憶媒体を含む。記憶部102は、RAM、ROM、ハードディスクなどの複数の記憶部材(記録部材)を含んでいてよい
【0044】
入力部103は、ネットワーク30を介して、電子機器20からイベントログを取得する。つまり、入力部103は、イベントごとの、イベント名と、イベント時刻と、イベントが発生したアプリケーション名(アプリケーションの名称)と、イベントが発生したアプリケーションの種別との情報を取得する。
【0045】
起動情報取得部104は、イベントログから、複数のアプリケーションそれぞれの起動情報(起動期間)を取得する。なお、起動情報の取得処理(取得方法)は、図6のフローチャートを用いて詳細に後述する。
【0046】
判定部105は、複数のアプリケーションの起動情報に基づき、複数の種別(ヘビーユーザや未利用者)のうちユーザがいずれに該当するかを分類して、当該ユーザの種別に応じてアンケートの対象者に選択するか否かを判定する。具体的には、判定部105は、アンケート実施者が所望する種別に、ユーザが該当する場合には、当該ユーザをアンケートの対象者として選択する。なお、ユーザの分類処理(分類方法)は、図7のフローチャートを用いて詳細に後述する。
【0047】
出力部106は、アンケートの対象者として選択したユーザに対してアンケートを出力する。なお、アンケートは、予め、情報処理装置10の管理者によって記憶部102に記憶されている。
【0048】
[アンケートの対象者の選択処理]
図5を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10が実行するアンケートの対象者の選択処理について説明する。図5は、アンケートの対象者の選択処理を示すフローチャートである。図5のフローチャートの処理は、記憶部102に記憶されたプログラムを制御部101が読み出して実行することよって実現される。また、図5のフローチャートの各処理は、制御部101がプログラムに応じて各機能部を制御することによって実現される。なお、本フローチャートでは、1つの電子機器20を有するユーザを、アンケートの対象者に選択するか否かを判定するフローについて説明するため、本フローチャートでのイベントログや起動情報などの情報は1つの電子機器20に関する情報であるとして説明する。
【0049】
ステップS1001において、入力部103は、イベントログを取得する。入力部103は、電子機器20からイベントログを取得してもよいし、電子機器20から取得したイベントログを記憶部102に予め記憶しておき、ステップS1001において記憶部102から当該イベントログを取得してもよい。なお、ステップS1001において取得されるイベントログは、SDKが導入されてから現在までのログや、過去1年分や半年分のログなどの長期にわたるログであるとよい。
【0050】
ステップS1002において、起動情報取得部104は、上記の過去1年分などの期間のイベントログに基づき、当該期間の複数のアプリケーションの起動情報を取得する。なお、起動情報の詳細な取得方法については、図6のフローチャートを用いて後述する。
【0051】
ステップS1003において、判定部105は、アンケート対象のアプリケーションである第1のアプリケーション(第1AP)について、第1APの起動情報に基づき、ユーザ(イベントログを取得した電子機器20のユーザ)を複数の種別のいずれかに分類する。具体的には、判定部105は、離反者、ヘビーユーザ、未利用者、一般利用者のいずれかの種別に、ユーザを分類する。
【0052】
ここで、本実施形態では、離反者とは、以前はアプリケーションを利用していたが、現在は当該アプリケーションを利用していないユーザである。ヘビーユーザとは、平均的なアプリケーションの利用者(一般利用者)と比較して、多くの時間や回数、現在、当該アプリケーションを利用しているユーザである。未利用者とは、アプリケーションを利用したことのないユーザ、または、当該アプリケーションを利用したことを示すログがないユーザである。一般利用者とは、現在、アプリケーションを利用しているユーザであって、ヘビーユーザではないユーザである。なお、判定部105は、上記の4つの種別に限らず、起動情報に基づき、他の種別にユーザを分類してもよい。例えば、情報処理装置10は、夜の時間帯に多く利用する利用者、朝の時間帯に多く利用する利用者、全時間帯において平均的に利用する利用者などの利用時間帯に応じた種別にユーザを分類してもよい。また、ユーザの詳細な分類方法は、図7のフローチャートを用いて後述する。
【0053】
ステップS1004において、判定部105は、第1のアプリケーション(第1AP)とは異なる第2のアプリケーション(第2AP)について、第2APの起動情報に基づき、ステップS1003と同様に、ユーザを複数の種別のいずれかに分類する。
【0054】
ここで、第1APと第2APとは、同一または類似の(関連する)種別のアプリケーションであるとよい。ここで、アプリケーションの種別の情報は、図4Aおよび図4Bに示すように、イベントログに含まれている。従って、判定部105は、イベントログを参照することによって、各アプリケーションの種別を把握することができる。このため、判定部105は、イベントログを参照して、第1APと同一の種別(同種)や類似の種別の第2APを選択することができる。例えば、第1APと第2APとは、ともにゲームのアプリケーションであると想定する。この場合には、第1APについてユーザが離反者であり、第2APについてユーザがヘビーユーザであれば、ゲームには興味を失っていないものの第1APを離反したユーザであると推定してアンケートを実施することができる。なお、第1APと第2APとは、同一の事業者が提供しているアプリケーションであってもよいし、互いに異なる事業者が提供しているアプリケーションであってもよい。第1APと第2APとが互いに異なる事業者が提供しているアプリケーションであれば、他の事業者のアプリケーションと比較するようなアンケートが有効的に実施可能になる。
【0055】
また、第2APは、情報処理装置10の管理者が予め決定したアプリケーションであってもよい。さらに、判定部105が、起動情報に基づいて、電子機器20が有するアプリケーションの中から第2APを選択してもよい。この場合、第2APは、電子機器20が有する第1APと同種または類似のアプリケーションのうち、最も起動時間が長いまたは最も起動回数が多いアプリケーションであってもよい。または、電子機器20が有する第1APと同種または類似のアプリケーションのうち、最古の前面表示した時刻が第1APの最古の前面表示した時刻と最も近いアプリケーションであってもよい。これによれば、同時期に使用を開始した2つのアプリケーションの利用状況を比較できる。
【0056】
ステップS1005において、判定部105は、第1APについての分類結果と第2APについての分類結果とに基づき、ユーザをアンケートの対象者に選択するか否かを判定する。ここで、情報処理装置10の管理者は、事前に、アンケート対象とするユーザの種別を事前に設定しておく。例えば、管理者は、第1APについてヘビーユーザであり、第2APについてもヘビーユーザである種別のユーザをアンケートの対象者として選択するように設定しておく。これによって、判定部105は、事前に設定された種別に、ユーザが該当すれば、当該ユーザをアンケートの対象者に選択すると判定することができる。ユーザがアンケートの対象者に選択されると判定した場合には、ステップS1006に進み、そうでない場合には本フローチャートの処理が終了する。
【0057】
ここで、例えば、第1APと第2APとが同一の種別のアプリケーションであれば、ユ
ーザの種別に応じて下記の(1)~(9)のように、ユーザの特徴を推定することができるため、有効的なアンケートが実施可能になる。
【0058】
(1)第1APについてヘビーユーザであり、第2APについてヘビーユーザであれば、ユーザは、第1APと同種の多くのアプリケーションを同時に多くの時間利用している可能性がある。このため、このようなユーザには、例えば、第1APの種別における他のアプリケーションと第1APとの、利用してみて感じた差などをアンケートとして問うことが有効的である。
【0059】
(2)第1APについてヘビーユーザであり、第2APについて離反者であれば、ユーザは、第1APの種別について興味を有しており、他のアプリケーションから第1APに興味が移ったユーザであると可能性がある。このようなユーザは、今後、第1APから同種のアプリケーションに利用を移行する可能性がある。このため、例えば、このようなユーザには、第1APの種別のアプリケーションについて、利用することを辞めるきっかけなどをアンケートとして問うことが有効的である。
【0060】
(3)第1APについてヘビーユーザであり、第2APについて未利用者であれば、ユーザは、第1APの種別のうち、第1APに特に興味があるユーザである可能性がある。つまり、第1APの種別には興味が薄いものの、第1APのみを使用している可能性がある。このため、このようなユーザには、例えば、第1APを多く利用している理由などをアンケートとして問うことが有効的である。
【0061】
(4)第1APについて離反者であり、第2APについてヘビーユーザであれば、ユーザは、第1APの種別について興味を有しており、第1APから他のアプリケーションに興味が移ったユーザである可能性がある。このため、このようなユーザには、例えば、第1APを利用することを辞めようと思ったきっかけなどをアンケートとして問うことが有効的である。
【0062】
(5)第1APについて離反者であり、第2APについて離反者であれば、ユーザは、第1APの種別について興味を有しており、当該種別におけるに興味の移り変わりが早いユーザである可能性がある。このため、このようなユーザには、例えば、第1APの種別における、現在興味のあるアプリケーションなどをアンケートとして問うことが有効的である。
【0063】
(6)第1APについて離反者であり、第2APについて未利用者であれば、ユーザは、第1APの種別について興味を有していないにも関わらず、第1APを一時的に使用して離反した可能性がある。このため、このようなユーザには、第1APを利用しようと思ったきっかけや、利用を辞めた理由をアンケートとして問うことが有効的である。
【0064】
(7)第1APについて未利用者であり、第2APについてヘビーユーザであれば、当該ユーザは、第1APの種別について興味があるものの、第1APを知らない可能性がある。このため、このようなユーザには、第1APの種別のアプリケーションの情報を普段どのように得ているのかなどをアンケートとして問うことが有効的である。
【0065】
(8)第1APについて未利用者であり、第2APについて離反者であれば、ユーザは、第1APの種別について興味を有していないにも関わらず、第2APを一時的に使用して離反した可能性がある。このため、このようなユーザには、第1APを利用しようとは思わずに他のアプリケーションを利用しようと思った理由や、その利用を辞めた理由をアンケートとして問うことが有効的である。
【0066】
(9)第1APについて未利用者であり、第2APについて未利用者であれば、第1APの種別のアプリケーションに興味のない可能性ある。このため、例えば、第1APの種別のアプリケーションにおいて、どのようなアプリケーションであれば利用を始めたいかなどをアンケートとして問うことが有効的である。
【0067】
ステップS1006において、出力部106は、第1APについてのアンケートを電子機器20に出力する。なお、アンケートを電子機器20に出力することに限らず、ユーザをアンケートの対象者と選択した旨(通知)を電子機器20に出力してもよい。
【0068】
(起動情報の取得処理;ステップS1002)
以下では、図6に示すフローチャートを用いて、ステップS1002にて行われる起動情報の取得処理を説明する。なお、以下では、一例として、第1AP(第1のアプリケーション)の起動情報を取得するための処理を説明するが、他のアプリケーションの起動情報も同様の方法によって取得することができる。
【0069】
ステップS2001において、起動情報取得部104は、ステップS1001にて入力部103が取得したイベントログの中に、第1APの前面表示ログ(イベント名が前面表示であるイベントログ)が含まれているか否かを判定する。第1APの前面表示ログが含まれていると判定される場合にはステップS2003に進み、そうでない場合にはステップS2002に進む。
【0070】
ステップS2002において、起動情報取得部104は、第1APの起動がないことを示す起動情報を取得する。つまり、本実施形態では、起動情報取得部104は、電子機器20が有していないアプリケーション(電子機器20にインストールされていないアプリケーション)についても起動情報を取得することができる。
【0071】
ステップS2003において、起動情報取得部104は、ステップS1001にて入力部103が取得したイベントログから、第1APの前面表示ログを取得する。そして、起動情報取得部104は、第1APの表示ログの次に前面表示された他のアプリケーション(第1AP以外のアプリケーション)の当該前面表示を示す前面表示ログを取得する。つまり、起動情報取得部104は、第1AP以外のアプリケーションの前面表示ログのうち、第1APの表示ログが示す時刻(第1の時刻)の後の最も直近の時刻(第2の時刻)を示す前面表示ログを取得する。
【0072】
ステップS2004において、起動情報取得部104は、第1の時刻(第1APが前面表示された時刻)のから第2の時刻(他のアプリケーションが前面表示された時刻)までの時間が、所定の閾値以下であるか否かを判定する。つまり、起動情報取得部104は、第1APが前面表示にされてから第1APが前面表示されなくなるまでの時間が、所定の閾値以下であるか否かを判定している。ここで、第1APが前面表示にされてから第1APが前面表示されなくなるまでの時間が、所定の閾値(例えば、2秒程度)以下であれば、第1APがPUSH通知によって前面表示された可能性が高い。つまり、ユーザの意図に反して、第1APが前面表示された可能性が高い。当該時間が所定の閾値以下である場合にはステップS2005に進み、そうでない場合にはステップS2006に進む。
【0073】
ステップS2005において、起動情報取得部104は、ステップS2003にて取得した前面表示ログについての起動情報は取得しない。つまり、ステップS2005において、起動情報取得部104は、何も実行しないともいえる。この処理によれば、PUSH通知によって、ユーザの意図に反してアプリケーションを前面表示されてしまった場合に、当該アプリケーションの起動情報が取得されてしまうことを防ぐことができる。
【0074】
ステップS2006において、起動情報取得部104は、第1の時刻(第1APが前面表示された時刻)から、第2の時刻(他のアプリケーションが前面表示された時刻)までの期間において、空白ログが存在するか否かを判定する。空白ログが存在する場合にはステップS2007に進み、そうでない場合にはステップS2008に進む。
【0075】
ステップS2007において、起動情報取得部104は、第1の時刻(第1APの前面表示ログが示す時刻)から空白ログの示す時刻までの期間を、起動情報として取得する。空白ログは、所定の期間において電子機器20の操作がないことを示すログである。このため、ステップS2006において空白ログが取得されているという事実は、空白ログ以降の期間では、ユーザが第1APを操作していないことを示す。このため、本実施形態では、起動情報取得部104は、確実に操作のない期間を排除して、起動情報を取得することができる。
【0076】
ステップS2008において、起動情報取得部104は、第1APが前面表示された時刻(第1の時刻)から、その後の最も直近に他のアプリケーションが前面表示された時刻(第2の時刻)までの期間を、起動情報として取得する。
【0077】
なお、空白ログを取得できないような電子機器20については、ステップS2006の判定がされることなく、ステップS2004NOであれば、ステップS2008の処理が実行されてもよい。
【0078】
なお、ステップS2001において、入力部103が取得したイベントログの中に、複数の第1APの前面表示ログが含まれている場合には、それぞれの前面表示ログについてステップS2003~ステップS2008の処理が実行される。つまり、入力部103が取得したイベントログの中に、複数の第1APの前面表示ログが含まれている場合には、起動情報取得部104は、第1APの複数の起動情報を取得する可能性がある。
【0079】
(ユーザの分類処理;ステップS1003,S1004)
以下では、図7のフローチャートを用いて、ユーザの種別を分類するための処理を説明する。なお、ステップS1003の処理とステップS1004の処理とは同様であるため、以下では、1つアプリケーション(対象APと称する)について、ユーザの種別を分類する処理について説明する。
【0080】
ステップS3001において、判定部105は、対象APの起動情報に基づき、対象APをユーザが起動したことがあるか否かを判定する。ここで、上述したように、起動情報は、1年分や半年分、または、SDKが導入されてからのイベントログに基づく情報であるため、判定部105は、イベントログが取得されていた期間においてユーザが対象APを起動したことがあるか否かを判定する。対象APを起動したことがないと判定された場合にはステップS3007に進み、そうでない場合にはステップS3002に進む。
【0081】
ステップS3002において、判定部105は、対象APの起動情報に基づき、第1の期間において、所定回数または所定時間以上、対象APを起動しているか否かを判定する。ここで、第1の期間とは、直近の期間であり、例えば、直近の1か月や3か月である。また、所定回数とは、第1の期間が1か月であれば、例えば、1日5回に相当する150回である。所定時間とは、第1の期間が1か月であれば、例えば、1日1時間に相当する30時間である。なお、第1の期間と所定回数と所定時間とのそれぞれは、ユーザが任意に設定することができる。第1の期間において、所定回数または所定時間以上、対象APを起動していると判定される場合にはステップS3006に進み、そうでない場合にはステップS3003に進む。
【0082】
ステップS3003において、判定部105は、対象APの起動情報に基づき、第1の期間においてユーザが対象APを起動しておらず、第1の期間よりも前の第2の期間においてユーザが対象APを起動しているか否かを判定する。ここで、第2の期間は、イベントログが取得された期間のうち、第1の期間を除いた期間である。第1の期間においてユーザが対象APを起動しておらず、第2の期間においてユーザが対象APを起動していると判定される場合にはステップS3004に進み、そうでない場合にはステップS3005に進む。
【0083】
ステップS3004において、判定部105は、対象APについてユーザが離反者であると分類する。
【0084】
ステップS3005において、判定部105は、対象APについてユーザが一般利用者であると分類する。
【0085】
ステップS3006において、判定部105は、対象APについてユーザがヘビーユーザであると分類する。
【0086】
ステップS3007において、判定部105は、対象APについてユーザが未利用者であると分類する。
【0087】
このように、本実施形態では、アプリケーションの起動情報に基づき、ユーザの種別を分類して、アンケートの実施者が所望する種別に分類結果に合致する場合には、当該ユーザをアンケートの対象者に選択する。これによって、より適切なユーザを、アンケートの対象者に選択することができる。また、本実施形態では、アンケートの対象のアプリケーション(第1AP)に加えて、他のアプリケーション(第2AP)の起動情報に基づき、ユーザをアンケート対象に選択するか否かを判定している。このため、さらに細かくユーザを分類することが可能になるので、適切なユーザをアンケートの対象者に選択することができる。つまり、本実施形態によれば、アンケートを実施する者の所望するようなアンケートの対象者を選択することができる。
【0088】
(その他の実施形態)
なお、実施形態1では、情報処理装置10は、アンケートの対象のアプリケーション(第1AP)と他のアプリケーション(第2AP)との2つのアプリケーションについてユーザの種別を分類して、アンケートの対象者に選択するか否かを判定した。しかし、これに限らず、情報処理装置10は、第1APについてのみ、ユーザの種別を分類して、その分類結果に応じて、アンケートの対象者に選択するか否かを判定してもよい。つまり、ステップS1004の処理が実施されなくてもよい。
【0089】
また、情報処理装置10は、第1APと、2以上の他のアプリケーションについてユーザの種別を分類して、アンケートの対象者を選択してもよい。つまり、情報処理装置10は、第1APと第2APに加えて、第3のアプリケーションや第4のアプリケーションについてもユーザの種別を分類して、アンケートの対象者を選択してもよい。
【0090】
実施形態1では、情報処理装置10は、第1APと第2APとについてユーザの種別を分類したが、第1APと第2APとの所定の期間における起動時間または起動回数を比較することで、ユーザをアンケートの対象者として選択するか否かを判定してもよい。例えば、情報処理装置10は、或るユーザについて所定の期間における第1APの起動時間が第2APの起動時間よりも長ければ、当該ユーザをアンケートの対象者として選択してもよい。つまり、情報処理装置10は、ユーザの種別を分類することなく、第1APの起動時間または起動情報と、第2APの起動時間または起動情報とに基づいて、ユーザをアン
ケートの対象者として選択するか否かを判定してもよい。
【0091】
実施形態1では、情報処理装置10は、第1APと第2APとの両方についてユーザの種別を分類したが、いずれか一方のアプリケーションの種別を分類するだけでもよい。例えば、情報処理装置10は、第1APについてのユーザの種別の分類結果と、電子機器20が有する複数のアプリケーションのうち所定の期間に起動されている第1APと同種のアプリケーションがあるか否かの結果とに応じて、アンケートの対象者としてユーザを選択するか否かを判定する。一例として、第1APがゲームのアプリケーションである場合に、情報処理装置10は、第1APについてユーザが未利用者であって、電子機器20において所定の期間に他のゲームのアプリケーションのうちいずれかが起動されていれば、当該ユーザをアンケートの対象者として選択する。また、第1APが音楽のアプリケーションである場合に、情報処理装置10は、第1APについてユーザが未利用者であって、電子機器20において所定の期間に他のいずれの音楽のアプリケーションの起動もなければ、当該ユーザをアンケートの対象者として選択してもよい。さらに、情報処理装置10は、第1APについてユーザがヘビーユーザであって、所定の期間における電子機器20の全てのアプリケーションの起動時間の合計が予め定められた時間より長ければ、当該ユーザをアンケートの対象者として選択してもよい。
【0092】
また、情報処理装置10は、ユーザをアンケートの対象者に選択するか否かの判定について、起動情報によるユーザの分類とともに、起動情報以外の情報に基づいてもよい。起動情報以外の情報とは、例えば、ユーザの年齢、性別、移住地、職業、第1APのために使用した金額(課金額)などである。例えば、情報処理装置10は、年齢が10代であり、性別が男であり、第1APについてヘビーユーザであるユーザであれば、アンケート対象として選択するなどとしてもよい。
【0093】
さらに、出力部106は、複数のアプリケーションの起動情報に基づき、図8に示すようなリストを生成して、第1APの提供事業者に当該リストを出力(提供)してもよい。ここで、図8に示すリストでは、1行に、アプリケーションの操作開始日(前面表示の日にち)、操作開始時刻(前面表示の時刻)と、起動時間(起動情報が示す期間の長さ)と、アプリケーションの名称と、アプリケーションの種別とを対応付けて示す。これによれば、リストには、第1AP以外の他のアプリケーションについて起動時間や操作開始時刻が記載されている。このため、第1APの提供事業者は、リストを参照して、第1APと他のAPとの起動状態を比較して、第1APについてのアンケートの対象者を任意に選択することができる。従って、上述のような情報処理装置が起動情報に基づきアンケートの対象者を選択するのではなく、リストを参照することによって、提供事業者が適切なアンケートの対象者を任意に選択することもできる。なお、情報処理装置が起動情報に基づき選択したアンケートの対象者の候補の中から、さらに、リストを参照することによって、提供事業者が適切なアンケートの対象者を任意に選択してもよい。
【0094】
なお、リストには、これらの情報に限らず、アプリケーションの提供事業者名やアプリケーションの最古の前面表示時刻(起動時刻)なども対応付けられていてもよい。このようなリストが、アプリケーションの提供事業者に提供されることによって、当該提供事業者は、自社が提供しているアプリケーションの使用状態と他のアプリケーションの使用状態とを容易に比較することができる。このため、提供事業者は、アンケートの対象者の選択に加えて、今後のアプリケーションの開発や販売営業の戦略に役立ていることができる。
【0095】
なお、本発明は、上述した実施形態に限らず、任意に変形可能である。例えば、情報処理装置が起動情報を取得するのではなく、電子機器が起動情報を取得して情報処理装置に送信もよい。また、情報処理装置は、イベントログから起動情報を取得する必要はなく、
各アプリケーションが独自に計測している起動時間を取得して当該アプリケーションの起動情報としてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1:情報処理システム、10:情報処理装置、20:電子機器、30:ネットワーク、
101;制御部、102:記憶部、103:入力部、104:起動情報取得部、
105:判定部、106:出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8