(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20240704BHJP
F25D 23/02 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
F25D23/00 307
F25D23/02 A
(21)【出願番号】P 2020141866
(22)【出願日】2020-08-25
【審査請求日】2023-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】尾渡 謙児
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-140345(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0098083(US,A1)
【文献】特開2017-146039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
F25D 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫本体と、
外部機器が接続される外部機器接続部と、
前記冷蔵庫本体に設けられた貯蔵室と、
前記貯蔵室の開口を開閉する扉と、
前記扉に設けられ、前記扉を開く際に使用者の手指が掛けられる手掛け部と、
を備え、
前記外部機器接続部は、前記冷蔵庫本体の上面
の前部のうち前記扉が前記貯蔵室の開口を閉塞した閉扉状態において前記手掛け部に対向する対向位置に設けられている冷蔵庫。
【請求項2】
前記外部機器接続部と前記手掛け部との間に空間部が設けられている請求項
1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記空間部は、底面を有し、その底面が前記外部機器接続部から前記手掛け部に向かって下降傾斜している請求項
2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記外部機器接続部に前記外部機器を接続する接続部材を固定する固定部を備える請求項1から
3の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記外部機器接続部の周囲に突出部を備える請求項1から
4の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、外部機器を接続可能なUSBコネクタを備える冷蔵庫が考えられている。この冷蔵庫によれば、USBコネクタに外部機器を接続することで、冷蔵庫から給電しながら外部機器を動作させることができ、外部機器のバッテリ残量を気にすることなく動作させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のように外部機器を接続可能な冷蔵庫においては、接続した外部機器を安定的に置けるようにすることで、使い勝手の一層の向上を図ることができる。
【0005】
そこで、本実施形態は、外部機器を接続可能な冷蔵庫について、接続した外部機器を安定的に置くことができるようにした構成を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る冷蔵庫は、冷蔵庫本体と、外部機器が接続される外部機器接続部と、前記冷蔵庫本体に設けられた貯蔵室と、前記貯蔵室の開口を開閉する扉と、前記扉に設けられ、前記扉を開く際に使用者の手指が掛けられる手掛け部と、を備え、前記外部機器接続部は、前記冷蔵庫本体の上面の前部のうち前記扉が前記貯蔵室の開口を閉塞した閉扉状態において前記手掛け部に対向する対向位置に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る冷蔵庫の構成例を概略的に示す斜視図
【
図2】第1実施形態に係る冷蔵庫の上部の構成例を拡大して概略的に示す斜視図
【
図3】第1実施形態に係るUSB接続部およびその周辺部分の構成例を拡大して概略的に示す斜視図
【
図4】第1実施形態に係るUSB接続部およびその周辺部分の構成例を拡大して概略的に示す縦断側面図
【
図5】第1実施形態に係るケーブル支持部の構成例を概略的に示す平面図
【
図6】第2実施形態に係る冷蔵庫の構成例を概略的に示す平面図
【
図7】第3実施形態に係る冷蔵庫の構成例を概略的に示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、冷蔵庫に係る複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1に例示する冷蔵庫10は、その外郭を構成する矩形箱状の断熱箱体11の内部に、食品類が貯蔵される複数の貯蔵室を備えている。この場合、冷蔵庫10は、断熱箱体11の上面の高さが一般的な使用者の頭の位置よりも低い冷蔵庫、いわゆる小型冷蔵庫である。
【0010】
断熱箱体11は、冷蔵庫10の本体部を構成する冷蔵庫本体の一例であり、内箱と外箱との間に真空断熱パネルや発泡ウレタンなどの断熱材を備えた構成である。また、断熱箱体11の上面11aは、平坦な面状をなしている。また、断熱箱体11の上面11aの縁部には、上面11aよりも僅かに上方に突出する塁状部11bが設けられている。この場合、塁状部11bは、断熱箱体11の上面11aの左右の両辺および後辺にわたって連続して設けられている。また、塁状部11bの上面は、平坦な面状をなしている。
【0011】
また、断熱箱体11には、例えば食品類などの貯蔵物を収容する貯蔵室として、冷蔵温度帯に維持される冷蔵室、および、冷凍温度帯に維持される冷凍室が設けられている。冷蔵室の前面開口部は、左右方向に回動する冷蔵室扉12によって開閉可能となっている。この場合、冷蔵室扉12は、冷蔵庫10の正面側から見て右側の端部に回動軸を有しており、
図1に例示する矢印D1,D2方向に回動可能に構成されている。一方、冷蔵室の下方に設けられている冷凍室は、引き出し式の冷凍室扉13によって開閉可能となっている。冷凍室扉13は、
図1に例示する矢印E1,E2方向つまり冷蔵庫10の前後方向に沿って引き出し可能に構成されている。
【0012】
また、
図2にも例示するように、冷蔵室扉12には、手掛け部14が設けられている。この場合、手掛け部14は、冷蔵室を閉塞した閉塞状態にある冷蔵室扉12を冷蔵庫10の正面側から見て、当該冷蔵室扉12の左部の上部に位置して設けられている。つまり、手掛け部14は、冷蔵室扉12の回動自由端の上部に位置して設けられている。使用者は、冷蔵室扉12を開く際には、この手掛け部14に手指を掛けることにより、当該冷蔵室扉12を容易に開くことができる。
【0013】
また、冷蔵庫10は、USB接続部20を備えている。USB接続部20は、外部機器100が接続される外部機器接続部の一例である。
図2に例示するように、USB接続部20には、各種の外部機器100を例えばケーブル101を介して接続可能である。ケーブル101は、USB接続部20に外部機器100を接続するための接続部材の一例である。USB接続部20に接続される外部機器100としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯端末、小型扇風機、USBメモリなど、USB規格に準拠した様々な機器が考えられる。
【0014】
本実施形態では、USB接続部20は、断熱箱体11の上面11aに設けられている。より具体的に説明すると、USB接続部20は、断熱箱体11の上面11aの前部に設けられている。さらに具体的に説明すると、USB接続部20は、冷蔵室扉12が冷蔵室の前面開口部を閉塞した閉扉状態において、当該冷蔵室扉12の手掛け部14に対向する対向位置に設けられている。つまり、USB接続部20は、断熱箱体11の上面11aの前部の左部に位置して設けられている。また、USB接続部20の上面は、平坦な面状をなしており、断熱箱体11の塁状部11bの上面とほぼ或いは完全に同じ高さとなっている。
【0015】
また、
図3に例示するように、USB接続部20の前部には、ほぼ矩形状に窪む空間部21が設けられている。この空間部21は、冷蔵室扉12が冷蔵室の前面開口部を閉塞した閉扉状態において、USB接続部20と手掛け部14との間に、上方に開放した矩形状の空間を形成する。また、
図4に例示するように、空間部21は底面21aを有しており、その底面21aは、USB接続部20から手掛け部14に向かって僅かに下降傾斜している。この場合、空間部21の底面21aは、水平面に対して所定角度α、この場合、1度程の角度を有して下降傾斜している。
【0016】
また、
図3に例示するように、USB接続部20の前部には、空間部21の側方に位置して、ケーブル支持部22が設けられている。ケーブル支持部22は、固定部の一例であり、この場合、空間部21を形成する側壁部、この場合、冷蔵庫10の正面側から見て右側の側壁部の上部に位置して設けられている。また、ケーブル支持部22は、空間部21を形成する側壁部の上部のうち前後方向の中央部に位置して設けられている。
【0017】
図5に例示するように、ケーブル支持部22は、空間部21を形成する側壁部の上部を左右方向に貫通する貫通部22a内に、上方に突出する突起22bを備えた構成となっている。突起22bは、貫通部22a内の中央部に位置しており、ケーブル101がケーブル支持部22に嵌め込まれる際には、ケーブル101とは反対側、つまり、
図5に例示する矢印T側に若干撓むことが可能となっている。これにより、ケーブル101を無理なくケーブル支持部22内に固定できるとともに、若干撓んだ突起22bの復帰力を利用してケーブル101を、容易に抜けない程度に適度に押さえることができる。
【0018】
また、
図3に例示するように、USB接続部20は、外部機器100、或いは、ケーブル101のコネクタが接続される接続口20aを有している。この場合、接続口20aは、空間部21側つまり冷蔵庫10の前方に指向した状態で開口している。そして、この接続口20aの周囲には、突出部23が設けられている。突出部23は、少なくともUSB接続部20の接続口20aの上部および左右の両側部を囲むようにして、空間部21側つまり冷蔵庫10の前方に向かって突出している。
【0019】
以上に例示した冷蔵庫10によれば、USB接続部20は、断熱箱体11の上面11aに設けられている。この構成によれば、外部機器100を接続可能な冷蔵庫10について、接続した外部機器100を断熱箱体11の上面11aに安定的に置くことができる。よって、接続した外部機器100が例えば落下したりUSB接続部20から意図せず抜けたりすることを回避することができ、使い勝手の向上を図ることができる。
【0020】
また、冷蔵庫10によれば、USB接続部20は、断熱箱体11の上面11aの前部に設けられている。この構成によれば、使用者は、冷蔵庫10の前側からUSB接続部20に対し外部機器100の接続を行うことができ、その接続作業を容易に行うことができる。よって、一層使い勝手の良い構成を提供することができる。
【0021】
また、冷蔵庫10によれば、USB接続部20は、冷蔵室扉12が冷蔵室の開口を閉塞した閉扉状態において、手掛け部14に対向する対向位置に設けられている。この構成によれば、USB接続部20の冷蔵室扉12側に手掛け部14によるスペースを確保できるから、そのスペースを利用して、USB接続部20に対する外部機器100の接続を一層容易に行うことができる。
【0022】
また、冷蔵庫10によれば、さらに、USB接続部20と手掛け部14との間に空間部21が設けられている。この構成によれば、さらに空間部21を利用して、USB接続部20に対する外部機器100の接続を一層容易に行うことができる。つまり、USB接続部20の前部に空間部21と手掛け部14とによる比較的大きなスペースを確保できるから、そのスペースを利用して、USB接続部20に対する外部機器100の接続を一層容易に行うことができる。
【0023】
また、冷蔵庫10によれば、空間部21は、底面21aを有し、その底面21aがUSB接続部20から手掛け部14に向かって下降傾斜している。この構成によれば、仮に空間部21内に液体が入り込んだとしても、その液体を空間部21の底面21aに沿わせて手掛け部14側つまりUSB接続部20とは反対側に導くことができる。よって、USB接続部20に液体が浸入してしまうことを抑制することができる。
【0024】
また、冷蔵庫10によれば、USB接続部20の接続口20aの周囲に突出部23を備えている。この構成によれば、USB接続部20の接続口20aに対する液体の浸入、特に、上方や左右の両側部からUSB接続部20の接続口20aへの液体の浸入を、突出部23によって効果的に抑制することができる。また、突出部23は、空間部21側に突出しているから、その突出部23によって液体を空間部21の底面21a側に導くことができ、USB接続部20の接続口20aに液体が一層浸入しにくい構成を実現することができる。
【0025】
また、冷蔵庫10によれば、USB接続部20に外部機器100を接続するケーブル101を固定するケーブル支持部22を備えている。この構成によれば、ケーブル101をケーブル支持部22によって安定的に保持することができ、ケーブル101が断熱箱体11の前面と冷蔵室扉12の裏面との間に挟み込まれてしまうことを回避することができる。
【0026】
(第2実施形態)
図6に例示するように、第2実施形態では、USB接続部20は、冷蔵室扉12が冷蔵室の開口を閉塞した閉扉状態において手掛け部14に対向しない非対向位置に設けられている。具体的には、USB接続部20は、断熱箱体11の上面11aの前部の右部に位置して設けられている。なお、この場合、ケーブル支持部22は、空間部21の左側、つまり、断熱箱体11の左右方向における中央側に位置して設けられている。
【0027】
この構成によっても、外部機器100を接続可能な冷蔵庫10について、接続した外部機器100を断熱箱体11の上面11aに安定的に置くことができ、使い勝手の向上を図ることができる。
【0028】
また、USB接続部20が手掛け部14に対向していないことから、例えば、使用者が手掛け部14に手指を掛ける際に、その手指がケーブル101に引っ掛かってしまうことを回避することができ、意図せずケーブル101が抜けてしまうような事態の発生を抑制することができる。
【0029】
(第3実施形態)
図7に例示するように、第3実施形態では、USB接続部20は、断熱箱体11の上面11aの後部に設けられている。この場合、USB接続部20は、断熱箱体11の上面11aの後部の左部に位置して設けられている。また、USB接続部20は、その接続口20aを冷蔵庫10の後方に指向させた状態で設けられている。なお、この場合、ケーブル支持部22は、空間部21の右側、つまり、断熱箱体11の左右方向における中央側に位置して設けられている。
【0030】
この構成によっても、外部機器100を接続可能な冷蔵庫10について、接続した外部機器100を断熱箱体11の上面11aに安定的に置くことができ、使い勝手の向上を図ることができる。
【0031】
また、USB接続部20と外部機器100とを接続するケーブル101を断熱箱体11の上面11aの後部に配置できるから、そのケーブル101が断熱箱体11の前面と冷蔵室扉12の裏面との間に挟み込まれてしまうことを一層確実に回避することができる。また、断熱箱体11の上面11aの前部側に比較的広い平坦な面を確保できるから、その部分に例えば電子レンジなどを設置することができ、例えば、冷蔵庫10から取り出した食品類をそのまま電子レンジに投入できるなど、使い勝手の一層の向上を図ることができる。
【0032】
(その他の実施形態)
なお、本実施形態は、上述した複数の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更や拡張を行うことができる。例えば、冷蔵庫10は、上述した複数の実施形態を適宜組み合わせた構成としてもよい。
【0033】
また、USB接続部20は、その接続口20aを冷蔵庫10の左方あるいは右方に指向させた状態で断熱箱体11の上面11aの前部あるいは後部に設けてもよい。また、本実施形態は、いわゆる小型冷蔵庫に限定されるものではなく、断熱箱体の上面の高さが一般的な使用者の頭の位置よりも高い冷蔵庫、いわゆる大型冷蔵庫に適用することも可能である。
【0034】
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
図面中、10は冷蔵庫、11は断熱箱体(冷蔵庫本体)、12は冷蔵室扉(扉)、14は手掛け部、20はUSB接続部(外部機器接続部)、21は空間部、21aは空間部の底面、22はケーブル支持部(固定部)、23は突出部、100は外部機器、101はケーブル(接続部材)を示す。