(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20240704BHJP
B65D 33/20 20060101ALI20240704BHJP
B65D 77/20 20060101ALI20240704BHJP
B65D 77/36 20060101ALI20240704BHJP
A47K 7/00 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
B65D83/08 B
B65D33/20
B65D77/20 J
B65D77/36
A47K7/00 H
(21)【出願番号】P 2020148299
(22)【出願日】2020-09-03
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】出水 敏博
(72)【発明者】
【氏名】巽 衣理奈
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 友由樹
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-292639(JP,A)
【文献】特開2013-193791(JP,A)
【文献】実開平07-000881(JP,U)
【文献】特表平10-509675(JP,A)
【文献】特開2004-275508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
B65D 33/20
B65D 77/20
B65D 77/36
A47K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を包装するとともに、前記内容物を取り出すための取出領域を有する包装袋と、
前記包装袋の外表面のうち前記取出領域に重なる部位に貼着されており、前記包装袋を補強する補強シートであって、前記取出領域の少なくとも一部を露出させる開口部を有する前記補強シートと、
前記補強シートの表面に貼着されており、前記開口部を通じて前記取出領域が露出するように前記補強シートから剥離されることと、前記取出領域が覆われるように前記補強シートに再貼着されることと、が可能なフラップシートと、を備え、
前記取出領域は、
前記内容物を取り出すための主取出部と、
前記主取出部の端部に形成されており、前記包装袋から取り出される前記内容物に対して抵抗を付与する抵抗付与端部と、を有し、
前記開口部は、
前記主取出部を露出させる開口と、
前記包装袋から前記内容物が取り出される際に前記抵抗付与端部がめくれ上がるのを規制する規制部と、を有する、包装体。
【請求項2】
前記主取出部は、前記内容物を取り出すための取出口で構成されており、
前記取出口は、当該取出口を通じて取り出される前記内容物を前記抵抗付与端部に向けて誘導する一対の誘導部を有し、
前記一対の誘導部は、前記抵抗付与端部に向かうにしたがって次第に互いに近づく形状を有する、請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記補強シートは、
補強シート層と、
前記補強シート層の裏面に設けられており、前記補強シート層と前記包装袋とを接着する接着層と、を有し、
前記規制部の前記包装袋への接着力は、前記補強シートのうち前記規制部を除く部位の前記包装袋への接着力よりも小さい、請求項1又は2に記載の包装体。
【請求項4】
内容物を包装するとともに、前記内容物を取り出すための取出口を有する包装袋と、
前記取出口と同じかそれよりも一回り大きな形状を有する開口を有し、前記開口が前記取出口を包囲するように前記包装袋の外表面に貼着され
たベースシートと、
前記ベースシートに連結されており、前記包装袋を補強する補強シートであって、前記取出口の一部を露出させる開口部を有する前記補強シートと、
前記ベースシートに連結されており、前記開口部を通じて前記取出口が露出するように前記補強シートから剥離されることと、前記取出口が覆われるように前記補強シートに再貼着されることと、が可能なフラップシートと、を備え、
前記補強シートは、前記ベースシートに貼着されることが可能であるとともに、前記フラップシートに貼着されることと前記フラップシートから剥離されることとが可能であり、
前記フラップシートは、前記ベースシートに貼着されることと前記ベースシートから剥離されることとが可能であるとともに、前記補強シートに貼着されることと前記補強シートから剥離されることとが可能であり、
前記開口部は、
前記取出口の内側に形成されており、前記取出口よりも小さな小開口と、
前記小開口の端部に形成されており、前記小開口及び前記取出口を通じて前記包装袋から取り出される前記内容物に対して抵抗を付与する抵抗付与端部と、を有する、包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェットティッシュ等の内容物を包装する包装体が知られている。例えば、特表平10-509675号公報には、2つの主要表面及び端部壁を有し、濡れタオルを収容する本体と、シール部材と、を備える再シールが可能なパックが開示されている。一方の主要表面には、濡れタオルの取り出し口が設けられている。シール部材は、取り出し口を覆うように一方の主要表面に接着されている。シール部材は、一方の主要表面から剥離されることによって取り出し口を露出させ、一方の主要表面に再接着されることによって取り出し口を閉鎖する。取り出し口は、主要開口部と、主要開口部の端部から延びるスリットと、スリットの端部に形成された小開口部と、を有している。このパックから濡れタオルを取り出す際、ユーザーは、主要開口部から濡れタオルの端部を掴み、この端部がスリットを経由して小開口部に向かう方向に当該端部を引っ張る。このとき、小開口部は、ユーザーが引っ張った濡れタオルに引き続く濡れタオルに対して抵抗力を示すため、ユーザーが引っ張った濡れタオルは、当該濡れタオルとこれに引き続く濡れタオルとの境界に形成されたミシン目に沿って分離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特表平10-509675号公報に記載されるパックでは、ユーザーが濡れタオルを取り出す際、主要表面のうちスリット及び小開口部の周囲の部位が捲れ上がり、ユーザーが引っ張っている濡れタオルとこれに引き続く濡れタオルとが一緒に取り出されることがある。
【0005】
本発明の目的は、取り出されている内容物とともにこれに引き続く内容物が一緒に取り出されることを抑制可能な包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一局面に従った包装体は、内容物を包装するとともに、前記内容物を取り出すための取出領域を有する包装袋と、前記包装袋の外表面のうち前記取出領域に重なる部位に貼着されており、前記包装袋を補強する補強シートであって、前記取出領域の少なくとも一部を露出させる開口部を有する前記補強シートと、前記補強シートの表面に貼着されており、前記開口部を通じて前記取出領域が露出するように前記補強シートから剥離されることと、前記取出領域が覆われるように前記補強シートに再貼着されることと、が可能なフラップシートと、を備え、前記取出領域は、前記内容物を取り出すための主取出部と、前記主取出部の端部に形成されており、前記包装袋から取り出される前記内容物に対して抵抗を付与する抵抗付与端部と、を有し、前記開口部は、前記主取出部を露出させる開口と、前記包装袋から前記内容物が取り出される際に前記抵抗付与端部がめくれ上がるのを規制する規制部と、を有する。
【0007】
この包装体は、包装袋を補強する補強シートを有し、この補強シートが、包装袋から内容物が取り出される際に抵抗付与端部がめくれ上がるのを規制する規制部を有しているため、取り出されている内容物とともにこれに引き続く内容物が一緒に取り出されることが有効に抑制される。
【0008】
また、前記主取出部は、前記内容物を取り出すための取出口で構成されており、前記取出口は、当該取出口を通じて取り出される前記内容物を前記抵抗付与端部に向けて誘導する一対の誘導部を有し、前記一対の誘導部は、前記抵抗付与端部に向かうにしたがって次第に互いに近づく形状を有することが好ましい。
【0009】
このようにすれば、取出口を通じて取り出された内容物が抵抗付与端部に誘導されるため、取り出されている内容物とともにこれに引き続く内容物が一緒に取り出されることがより確実に抑制される。
【0010】
また、前記補強シートは、補強シート層と、前記補強シート層の裏面に設けられており、前記補強シート層と前記包装袋とを接着する接着層と、を有し、前記規制部の前記包装袋への接着力は、前記補強シートのうち前記規制部を除く部位の前記包装袋への接着力よりも小さいことが好ましい。
【0011】
このようにすれば、内容物に接着剤が付着することが抑制される。
【0012】
また、この発明の他の一局面に従った包装体は、内容物を包装するとともに、前記内容物を取り出すための取出口を有する包装袋と、前記包装袋の外表面のうち前記取出口に重なる部位に貼着されており、前記包装袋を補強する補強シートであって、前記取出口の一部を露出させる開口部を有する前記補強シートと、前記補強シートの表面に貼着されており、前記開口部を通じて前記取出口が露出するように前記補強シートから剥離されることと、前記取出口が覆われるように前記補強シートに再貼着されることと、が可能なフラップシートと、を備え、前記開口部は、前記取出口の内側に形成されており、前記取出口よりも小さな小開口と、前記小開口の端部に形成されており、前記小開口及び前記取出口を通じて前記包装袋から取り出される前記内容物に対して抵抗を付与する抵抗付与端部と、を有する。
【0013】
この包装体においても、取り出されている内容物とともにこれに引き続く内容物が一緒に取り出されることが有効に抑制される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、取り出されている内容物とともにこれに引き続く内容物が一緒に取り出されることを抑制可能な包装体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態の包装体の斜視図である。
【
図2】包装袋の取出領域と補強シートとを示す平面図である。
【
図3】
図2におけるIII-III線での断面図である。
【
図4】取出領域及び補強シートの変形例を示す平面図である。
【
図5】取出領域及び補強シートの変形例を示す平面図である。
【
図6】取出領域及び補強シートの変形例を示す平面図である。
【
図7】取出領域及び補強シートの変形例を示す平面図である。
【
図8】取出領域及び補強シートの変形例を示す平面図である。
【
図9】取出領域及び補強シートの変形例を示す平面図である。
【
図10】取出領域及び補強シートの変形例を示す平面図である。
【
図11】取出領域及び補強シートの変形例を示す平面図である。
【
図12】取出領域及び補強シートの変形例を示す平面図である。
【
図13】本発明の第2実施形態の包装体の取出口と補強シートとを示す平面図である。
【
図14】取出口及び補強シートの変形例を示す平面図である。
【
図15】本発明の第3実施形態の包装体のフラップユニットの斜視図である。
【
図16】補強シートがベースシート上に積層した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の包装体の斜視図である。この包装体10は、ウェットティッシュ等の内容物の包装に好ましく適用される。内容物は、複数枚のシートが1枚ずつ折り畳まれた状態で積層されることによって構成されている。
【0018】
図1に示されるように、包装体10は、包装袋100と、フラップユニット150と、を備えている。
【0019】
包装袋100は、内容物を包装している。包装袋100は、水を透過させない柔軟なシートからなる。包装袋100は、内容物を取り出すための取出領域110を有している。取出領域110は、一方向(
図2における左右方向)に長く延びる形状を有している。取出領域110については、後述する。
【0020】
フラップユニット150は、包装袋100に貼着可能なユニットである。
図1に示されるように、フラップユニット150は、包装袋100に貼着されている。
図1及び
図2に示されるように、フラップユニット150は、補強シート200と、フラップシート300と、を備えている。
【0021】
補強シート200は、包装袋100を補強するシートである。補強シート200は、包装袋100の剛性よりも高い剛性を有している。また、補強シート200は、フラップシート300の剛性よりも高い剛性を有している。補強シート200は、包装袋100の外表面100Sのうち取出領域110に重なる部位に貼着されている。補強シート200は、取出領域110の少なくとも一部を露出させる開口部210を有している。
【0022】
フラップシート300は、補強シート200の表面に貼着されている。フラップシート300は、開口部210を通じて取出領域110が露出するように補強シート200から剥離されることと、取出領域110が覆われるように補強シート200に再貼着されることと、が可能である。本実施形態では、フラップシート300のうち前記一方向における一方側の端部が補強シート200に貼着されており、前記一方向におけるフラップシート300の他方側の端部を一方側の端部に向けて移動させることによってフラップシート300を補強シート200から剥離させることが可能である。フラップシート300の一方側の端部は、補強シート200の表面から剥離困難に貼着されていることが好ましい。フラップシート300の前記一方側の端部には、例えば、フラップシート300の剥離を止めるためのストッパー用切込み線が形成されている(図示せず)。フラップシート300の前記他方側の端部には、摘まみ部310が形成されている。フラップシート300は、密封性に優れた材料からなることが好ましい。フラップシート300は、軟包材で形成されてもよい。フラップシート300の外形は、補強シート200の外形と同じに設定されており、補強シート200上にフラップシート300が重なるように配置されている。ただし、フラップシート300は、補強シート200よりも一回り小さな外形に形成されてもよい。補強シート200の剛性がフラップシート300の剛性よりも高いため、フラップシート300は、補強シート200に対して隙間なく貼着可能である。なお、
図2では、フラップシート300の図示は省略されている。
【0023】
ここで、取出領域110について説明する。取出領域110は、主取出部112と、抵抗付与端部114と、を有している。
【0024】
主取出部112は、内容物を取り出すための部位である。主取出部112は、一方向に長く延びる形状を有している。本実施形態では、主取出部112は、内容物を取り出すための取出口(以下、「取出口112」と表記する。)で構成されている。換言すれば、主取出部112は、内容物の一部を包装袋100の外部に露出させる開口で構成されている。
【0025】
取出口112は、一対の誘導部112aを有している。一対の誘導部112aは、取出口112を通じて取り出される内容物を抵抗付与端部114に向けて誘導する。一対の誘導部112aは、抵抗付与端部114に向かうにしたがって次第に互いに近づく形状を有している。一対の誘導部112aは、直線状に形成されている。
【0026】
抵抗付与端部114は、主取出部112の端部に形成されている。具体的に、抵抗付与端部114は、フラップシート300が補強シート200から剥離される向きとは反対向き(
図2における右向き)における主取出部112の先端部(右側の端部)に形成されている。抵抗付与端部114は、包装袋100から取り出される内容物に対して抵抗を付与する。抵抗付与端部114は、前記一方向に沿って延びる形状を有している。前記一方向及び包装袋100の厚み方向の双方と直交する直交方向(
図2における上下方向であり、以下、単に直交方向という)における抵抗付与端部114の寸法は、同方向における主取出部112の前記先端部の寸法よりも小さい。本実施形態では、抵抗付与端部114は、包装袋100に設けられたスリットで構成されている。なお、抵抗付与端部114は、主取出部112のうち前記先端部以外の部位に形成されてもよい。また、抵抗付与端部114は、フラップシート300が補強シート200から剥離される向きに対して交差する方向に延びる形状に形成されてもよい。
【0027】
補強シート200の開口部210は、開口212と、規制部214と、を有している。
【0028】
開口212は、主取出部112を露出させる。開口212は、主取出部112よりも一回り大きな形状を有し、主取出部112を包囲するように配置されている。開口212は、抵抗付与端部114と重なっている。
【0029】
規制部214は、包装袋100から内容物が取り出される際に抵抗付与端部114がめくれ上がるのを規制する。規制部214は、開口部210のうち抵抗付与端部114の周囲の部位と重なる部位で構成されている。直交方向における規制部214の寸法は、同方向における開口212の寸法よりも小さい。本実施形態では、補強シート200のうち抵抗付与端部114と重なる部位にスリット210Sが設けられている。
【0030】
図3に示されるように、補強シート200は、補強シート層200Aと、接着層200Bと、を有している。
【0031】
接着層200Bは、補強シート層200Aの裏面に設けられており、補強シート層200Aと包装袋100とを接着している。規制部214の包装袋100への接着力は、補強シート200のうち規制部214を除く部位の包装袋100への接着力よりも小さい。本実施形態では、接着層200Bは、補強シート層200Aのうち規制部214を除く部位の裏面に設けられている。なお、
図2では、接着層200Bが設けられていない領域Rが斜線で示されている。ただし、接着層200Bが補強シート層200Aの裏面の全域に設けられるとともに、接着層200Bの裏面のうち領域Rに対応する部位に紫外線硬化型インキ等からなるマスキング層が設けられてもよい。マスキング層は、接着層200Bの接着力を隠蔽する。
【0032】
次に、包装袋100からの内容物の取り出し方について説明する。
【0033】
まず、使用者は、前記一方向におけるフラップシート300の他方側の端部に形成された摘まみ部310を摘まみ、当該摘まみ部310を一方側の端部に向けて移動させる。これにより、補強シート200からフラップシート300が剥離され、取出領域110が露出する。
【0034】
次に、使用者は、主取出部112(本実施形態では取出口112)から内容物を摘まんで取り出す。そうすると、取り出されている内容物は、一対の誘導部112aによる誘導を受けることによって抵抗付与端部114(本実施形態ではスリット)に向かう。
【0035】
そのまま使用者が内容物を取り出す操作を継続すると、その内容物は、抵抗付与端部114から抵抗を受ける。このとき、抵抗付与端部114には、内容物を取り出す方向の力が作用するものの、補強シート200の規制部214が抵抗付与端部114のめくれ上がりを規制するため、抵抗付与端部114から内容物に対して有効に抵抗が付与され続ける。この抵抗は、使用者によって取り出されている内容物とこれに引き続く内容物との分離に寄与する。よって、使用者によって取り出されている内容物とともにこれに引き続く内容物が一緒に取り出されることが有効に抑制される。
【0036】
また、接着層200Bは、補強シート層200Aのうち規制部214を除く部位の裏面に設けられているため、換言すれば、接着層200Bは、規制部214の裏面には設けられていないため、内容物が取り出される際に当該内容物に接着剤が付着することが抑制される。
【0037】
なお、この実施形態において、
図4で示されるように、規制部214は、主取出部112から離間するにしたがって次第に直交方向における寸法が小さくなる形状に形成されてもよい。
【0038】
また、
図5に示されるように、取出領域110は、直交方向に互いに離間した位置に形成された一対の抵抗付与端部114を有していてもよい。この場合、各抵抗付与端部114に対応する位置に規制部214が設けられる。この例では、開口部210のうち一対の規制部214間の部位は、主取出部112に向かう方向に凸となるように湾曲する形状に形成されている。
【0039】
また、
図6に示されるように、取出領域110は、一方向における主取出部112の両端に形成された一対の抵抗付与端部114を有していてもよい。
【0040】
また、
図7に示されるように、開口212のうち直交方向に誘導部112aと対向する部位は、規制部214に向かうにしたがって次第に互いに近づく形状に形成されてもよい。
【0041】
また、
図8に示されるように、抵抗付与端部114は、主取出部112につながるスリット114aと、スリット114aの端部に設けられた小孔114bと、を有していてもよい。
【0042】
また、
図9及び
図10に示されるように、取出領域110は、一方向における主取出部112の両端に形成された一対の抵抗付与端部114と、直交方向における主取出部112の両端に形成された一対の抵抗付与端部114と、を有していてもよい。
図9に示される例では、主取出部112は、一方向の両端及び直交方向の両端に頂点を有する四角形に形成されている。
図10に示される例では、主取出部112は、円形に形成されている。
【0043】
また、
図11及び
図12に示されるように、主取出部112は、スリットで構成されてもよい。
図11に示される例では、一方向における主取出部112の両端に抵抗付与端部114が形成されている。これらの例では、包装袋100の主取出部112はスリットで構成されているが、補強シート200の開口部210が、開口212と規制部214とを有しているため、包装袋100の主取出部112がめくれ上がりやすく、抵抗付与端部114がめくり上がりにくい。したがって、使用者によって取り出されている内容物とともにこれに引き続く内容物が一緒に取り出されることが有効に抑制される。
【0044】
また、上記実施形態において、包装袋100の取出領域110及び補強シート200の開口部210は、予め形成されていてもよいし、フラップシート300の剥離時に形成されてもよい。例えば、フラップシート300の剥離時に、取出領域110を閉塞していたフィルム及び開口部210を閉塞していたフィルムの双方がフラップシート300の裏面に貼着することで除去されてもよい。あるいは、取出領域110が予め形成されており、フラップシート300の剥離時に、開口部210を閉塞していたフィルムが除去されてもよい。もしくは、開口部210が予め形成されており、フラップシート300の剥離時に、取出領域110を閉塞していたフィルムが除去されてもよい。
【0045】
また、取出領域110及び開口部210は、予め形成されていてもよいし、無端環状の切込み線、ミシン目線、ハーフカット線に形成されてもよいし、U字状などの平面視有端の直線、非直線状の切込み線、ミシン目線、ハーフカット線に形成されてもよい。なお、取出領域110及び開口部210は、これら例示したものを適宜組み合わせて構成される。
【0046】
(第2実施形態)
次に、
図13を参照しながら、本発明の第2実施形態の包装体10について説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同じ構造、作用及び効果の説明は繰り返さない。
【0047】
この実施形態では、包装袋100に取出口112が設けられている。つまり、この実施形態では、主取出部が取出口112で構成されている。補強シート200の開口部210は、小開口216と、抵抗付与端部218と、を有している。
【0048】
小開口216は、取出口112の内側に形成されており、取出口112よりも小さな形状を有している。小開口216は、一対の誘導部216aを有している。一対の誘導部216aは、取出口112を通じて取り出される内容物を抵抗付与端部218に向けて誘導する。一対の誘導部216aは、抵抗付与端部218に向かうにしたがって次第に互いに近づく形状を有している。一対の誘導部216aは、直線状に形成されている。
【0049】
抵抗付与端部218は、小開口216の端部に形成されており、小開口216及び取出口112を通じて包装袋100から取り出される内容物に対して抵抗を付与する。本実施形態では、抵抗付与端部218は、スリットで構成されている。このスリットは、包装袋100のうち取出口112の外側の部位と重なる部位に至るように延びる形状を有している。なお、抵抗付与端部218は、スリットに限られない。
【0050】
補強シート200の接着層200Bは、補強シート層200Aのうち取出口112の外側で、かつ、抵抗付与端部218を構成するスリットの周囲の部位を除く部位に設けられている。なお、
図13では、接着層200Bが設けられていない領域Rが斜線で示されている。
【0051】
以上に説明したこの実施形態は、抵抗付与端部218が剛性の高い補強シート200により形成されている。よって、この実施形態においても、使用者によって取り出されている内容物とともにこれに引き続く内容物が一緒に取り出されることが有効に抑制される。
【0052】
なお、この実施形態において、
図14で示されるように、開口部210は、包装袋100のうち取出口112の外側の部位と重なる部位を有していてもよい。
図14の例では、一方向における小開口216の両端及び直交方向における小開口216の両端に抵抗付与端部218が設けられている。
【0053】
また、この実施形態においても、第1実施形態と同様に、取出領域110が予め形成されており、フラップシート300の剥離時に、開口部210を閉塞していたフィルムが除去されてもよい。
【0054】
(第3実施形態)
続いて、
図15及び
図16を参照しながら、本発明の第3実施形態の包装体10について説明する。なお、第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同じ構造、作用及び効果の説明は繰り返さない。
【0055】
この実施形態では、フラップユニット150は、補強シート200とフラップシート300とを連結するベースシート400をさらに備えている。また、この実施形態においても、第2実施形態と同様に、包装袋100に取出口112が設けられている。
【0056】
ベースシート400は、補強シート200、ベースシート400及びフラップシート300がこの順に一方向に並ぶように補強シート200とフラップシート300との間に配置されている。補強シート200は、ベースシート400に重なるように当該補強シート200とベースシート400との境界部で折り曲げられることが可能である。フラップシート300は、ベースシート400に重なるように当該フラップシート300とベースシート400との境界部で折り曲げられることが可能である。なお、
図15では、補強シート200の接着層200Bにドット模様が施されており、接着層200Bの設けられていない領域Rに斜線が施されている。
【0057】
ベースシート400は、開口410を有している。開口410は、包装袋100の取出口112と同じかそれよりも一回り大きな形状に形成される。ベースシート400は、開口410が取出口112を包囲するように、その裏面の接着層を介して包装袋100の外表面100Sに貼着される。
【0058】
このフラップユニット150は、使用前は、ベースシート400上にフラップシート300が積層され、フラップシート300上に補強シート200が積層されるように折り畳まれている。なお、フラップシート300は、その裏面の接着層を介してベースシート400上に剥離可能に貼着されており、補強シート200は、その裏面の接着層を介してフラップシート300上に剥離可能に貼着されている。
【0059】
このフラップユニット150を備える包装体10から内容物を取り出す際、使用者は、補強シート200及びフラップシート300をこの順に剥がす。このとき、包装袋100の取出口112を閉塞していたフィルム101がフラップシート300の裏面に貼着する。このため、この包装体10では、包装袋100にフラップユニット150が貼着される前に包装袋100からフィルム101を除去することが不要である。
【0060】
続いて、使用者は、
図16に示されるように、ベースシート400上に補強シート200を積層させる。これにより、開口部210が開口410上に重なる。なお、開口部210の機能は、第2実施形態のそれと同様である。この例では、小開口216の四隅に、一方向に延びる抵抗付与端部218が設けられている。なお、フラップシート300は、その裏面の接着層を介して補強シート200上に剥離可能に貼着される。
【0061】
以上に説明したように、ベースシート400を有するフラップユニット150においても、使用者によって取り出されている内容物とともにこれに引き続く内容物が一緒に取り出されることが有効に抑制される。
【0062】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0063】
10 包装体、100 包装袋、100S 外表面、110 取出領域、112 主取出部、取出口、112a 誘導部、114 抵抗付与端部、150 フラップユニット、150、200 補強シート、200A 補強シート層、200B 接着層、210 開口部、212 開口、214 規制部、216 小開口、218 抵抗付与端部、300 フラップシート、310 摘まみ部、400 ベースシート。