(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】表示装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20240704BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240704BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
G09G3/20 612G
G09G5/00 510X
G09G3/20 611F
B60R11/02 C
(21)【出願番号】P 2020169028
(22)【出願日】2020-10-06
【審査請求日】2023-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鍜治本 晋明
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-047940(JP,A)
【文献】特開2010-134009(JP,A)
【文献】特開2012-093296(JP,A)
【文献】特開2007-210473(JP,A)
【文献】特開2020-064100(JP,A)
【文献】特開2007-121988(JP,A)
【文献】特開平08-030247(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0343831(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00-5/42
G09G 3/20
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力端子と、
外部から提供される映像信号に基づく映像を表示する表示部と、
前記複数の入力端子のうちどの入力端子に前記映像信号が入力されているかを検出する検出部と、
電源電圧をモニタし、前記電源電圧が閾値を下回ったときに前記表示部を消灯させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づき前記閾値を切り換える、表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記閾値の数値がそれぞれ異なる複数の判定回路と、前記表示部の消灯制御を行うマイコンと、含み、
前記複数の判定回路はそれぞれ、前記電源電圧をモニタし、前記電源電圧が前記閾値を下回ったか否かを判定し、
前記マイコンは、前記複数の判定回路の判定結果のうちどの判定結果を用いるかを前記検出部の検出結果に基づき決定する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、マイコンを含み、
前記電源電圧は、前記マイコンのAD入力ポートに入力され、
前記マイコンは、前記電源電圧をAD変換してモニタする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記電源電圧をモニタし、前記電源電圧が前記閾値を下回ったか否かを判定する判定回路と、
前記判定回路の判定結果に基づき前記表示部を消灯させるマイコンと、
を含み、
前記判定回路は、前記閾値を切り換え可能である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記閾値の初期値を前記閾値の切り換え候補のうちの最大値に設定する、請求項1~4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
複数の入力端子と、外部から提供される映像信号に基づく映像を表示する表示部と、を備える表示装置の制御方法であって、
前記複数の入力端子のうちどの入力端子に前記映像信号が入力されているかを検出する検出工程と、
電源電圧をモニタし、前記電源電圧が閾値を下回ったときに前記表示部を消灯させる消灯工程と、
を備え、
前記消灯工程は、前記検出工程の検出結果に基づき前記閾値を切り換える切替工程を含む、制御方法。
【請求項7】
前記複数の入力端子は、前記表示装置が搭載される車両の車種によって決まるいずれかに、前記外部から提供される映像信号が入力されるものである、請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の後部座席に座る搭乗者に映像及び音声を提供するリアシートエンターテインメントシステム(RSE)が開発されている(例えば特許文献1参照)。リアシートエンターテインメントシステムは、車両の天井部材から垂下した状態で視聴可能な表示装置と、車両内に設けられたスピーカとを含む。
【0003】
リアシートエンターテインメントシステムの表示装置においては、入力される映像信号及び許容できる電源電圧の仕様が、当該表示装置を搭載する車両の車種によって異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
入力される映像信号及び許容できる電源電圧の仕様にしか対応できない表示装置を設計する場合、入力される映像信号及び許容できる電源電圧の仕様が異なる毎に表示装置を個別に設計する必要がある。
【0006】
入力される映像信号及び許容できる電源電圧の仕様が異なっても、異なる仕様それぞれに対応できる表示装置を共通化設計することができれば、製造工数、管理費等を削減することができる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みて、入力される映像信号及び許容できる電源電圧の仕様が異なっても、異なる仕様それぞれに対応できる表示装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る表示装置は、複数の入力端子と、外部から提供される映像信号に基づく映像を表示する表示部と、前記複数の入力端子のうちどの入力端子に前記映像信号が入力されているかを検出する検出部と、電源電圧をモニタし、前記電源電圧が閾値を下回ったときに前記表示部を消灯させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づき前記閾値を切り換える構成(第1の構成)である。
【0009】
上記第1の構成の表示装置において、前記制御部は、前記閾値の数値がそれぞれ異なる複数の判定回路と、前記表示部の消灯制御を行うマイコンと、含み、前記複数の判定回路はそれぞれ、前記電源電圧をモニタし、前記電源電圧が前記閾値を下回ったか否かを判定し、前記マイコンは、前記複数の判定回路の判定結果のうちどの判定結果を用いるかを前記検出部の検出結果に基づき決定する構成(第2の構成)であってもよい。
【0010】
上記第1の構成の表示装置において、前記制御部は、マイコンを含み、前記電源電圧は、前記マイコンのAD入力ポートに入力され、前記マイコンは、前記電源電圧をAD変換してモニタする構成(第3の構成)であってもよい。
【0011】
上記第1の構成の表示装置において、前記制御部は、前記電源電圧をモニタし、前記電源電圧が前記閾値を下回ったか否かを判定する判定回路と、前記判定回路の判定結果に基づき前記表示部を消灯させるマイコンと、を含み、前記判定回路は、前記閾値を切り換え可能である構成(第4の構成)であってもよい。
【0012】
上記第1~第4いずれかの構成の表示装置において、前記制御部は、前記閾値の初期値を前記閾値の切り換え候補のうちの最大値に設定する構成(第5の構成)であってもよい。
【0013】
本発明に係る制御方法は、複数の入力端子と、外部から提供される映像信号に基づく映像を表示する表示部と、を備える表示装置の制御方法であって、前記複数の入力端子のうちどの入力端子に前記映像信号が入力されているかを検出する検出工程と、電源電圧をモニタし、前記電源電圧が閾値を下回ったときに前記表示部を消灯させる消灯工程と、を備え、前記消灯工程は、前記検出工程の検出結果に基づき前記閾値を切り換える切替工程を含む構成(第6の構成)である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る表示装置及びその制御方法によると、入力される映像信号及び許容できる電源電圧の仕様が異なっても、異なる仕様それぞれに対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態に係る表示装置の取り付け例を示す図
【
図4】実施形態に係る表示装置の第1概略構成例を示す図
【
図5】実施形態に係る表示装置の第2概略構成例を示す図
【
図6】実施形態に係る表示装置の第3概略構成例を示す図
【
図7】実施形態に係る表示装置の動作例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
実施形態に係る表示装置1は、車両に搭載される。
図1は、表示装置1の取り付け例を示す図である。
図1に示す例では、表示装置1は、車両の天井に取り付けられ、車両の後部座席に座る搭乗者に映像を提供する。
【0018】
表示装置1は、車両の天井に固定されるベース部2と、ベース部2に対して開閉可能な筐体3と、ベース部2と筐体3との間に設けられるヒンジ4(
図2参照)と、を備える。筐体3には、表示部が組み込まれている。本実施形態では、
図2のように、表示部の表示画面5が筐体3の内側面に設けられており、ベース部2に対して筐体3を閉じた場合(開閉角度θを0°にした場合)に表示部の表示画面5が隠れる。一方、本実施形態とは異なり、
図3に示す変形例に係る表示装置1’のように、表示部の表示画面5を筐体3の外側面に設け、ベース部2に対して筐体3を閉じた場合(開閉角度θを0°にした場合)に表示部の表示画面5が露出するようにしてもよい。
【0019】
<表示装置の第1概略構成例>
図4は、表示装置1の第1概略構成例を示す図である。第1概略構成例の表示装置1は、マイコン11と、映像IC12と、表示部13と、駆動機構14と、検出部15と、第1判定IC16Aと、第2判定IC16Bと、第1入力端子T1と、第2入力端子T2と、を備える。
【0020】
マイコン11は、表示装置1全体に対する制御を行う。詳細には、マイコン11は、演算処理を行うことで各種の制御機能を実現するCPU(Central Processing Unit)と、演算処理の作業領域となるRAM(Random Access Memory)と、各種のデータを記憶する不揮発性メモリと、を備える。
【0021】
マイコン11は、第1PWM(Pulse Width Modulation)駆動信号S1を生成する。具体的には、マイコン11は、リモコン送信機等の操作装置から送信される電動TILTの指示を受信すると、第1PWM駆動信号S1を生成する。第1PWM駆動信号S1は、駆動機構14に供給される。また、マイコン11は、第2PWM駆動信号S2を生成する。具体的には、マイコン11は、映像IC12から表示部13が映像信号S3を受け取っていることをSPI(Serial Peripheral Interface)通信により表示部13から通知されると、表示装置1の周辺照度を検知する照度センサの出力信号に基づくオンデューティの第2PWM駆動信号S2を生成する。第2PWM駆動信号S2は表示部13に供給される。
【0022】
映像IC12は、表示装置1の外部から提供される映像信号を第1入力端子T1及び第1検出IC15A経由又は第2入力端子T2及び第2検出IC15B経由で受け取ると、受け取った映像信号に対して各種の映像処理を施して得られる映像信号S3を表示部13に供給する。映像IC12は、表示装置1の外部から第1入力端子T1及び第1検出IC15A経由又は第2入力端子T2及び第2検出IC15B経由で提供される映像信号に、マイコン11から提供されるOSD(On Screen Display)信号を重畳する映像処理を施すことができる。また、映像IC12は、マイコン11から提供されるOSD信号のみを映像信号S3として表示部13に供給することもできる。映像IC12から表示部13に供給される映像信号S3の形式は特に限定されないが、本実施形態ではLVDS(Low Voltage Differential Signaling)形式の映像信号とする。また、第1検出IC15Aから映像IC12に供給される映像信号及び第2検出IC15Bから映像IC12に供給される映像信号も本実施形態ではLVDS形式の映像信号とする。
【0023】
表示部13は、映像信号S3に基づく映像を表示する。表示部13は、表示駆動IC13Aと、表示パネル13Bと、を備える。表示パネル13Bの前面が、表示部13の表示画面5となる。
【0024】
表示駆動IC13Aは、映像信号S3のRGBデータに基づき表示部13の各画素値を設定し、第2PWM駆動信号S2のオンデューティに基づき表示部13の輝度を設定し、これらの設定に基づき表示パネル13Bを駆動する。また、表示駆動IC13Aは、映像信号S3を受け取っている間、映像IC12から映像信号を受け取っていることをSPI通信によりマイコン11に通知する。
【0025】
表示パネル13Bは、OLED(Organic Light Emitting Diode)等の自発光タイプの表示パネルである。なお、本実施形態とは異なり、表示パネル13Bを非自発光タイプの表示パネルとする場合、表示パネルに光を照射するバックライトを設け、表示駆動IC13Aが表示部13の各画素値の設定に基づき表示パネルを駆動し、表示部13の輝度設定に基づきバックライトを駆動すればよい。
【0026】
駆動機構14は、表示部13の傾きを可変する。具体的には、駆動機構14は、ベース部2に対して筐体3を回転させて、ベース部2に対する表示部13の傾きを可変する。駆動機構14は、モータ駆動IC14Aと、回転アクチュエータ14Bと、を備える。回転アクチュエータ14Bは、モータ14Cを含む。モータ駆動IC14Aは、第1PWM駆動信号S1のオンデューティに基づく回転速度でモータ14Cを駆動させる。回転アクチュエータ14Bは、モータ14Cの回転速度に応じた表示部13の移動速度でベース部2に対して筐体3を回転させる。
【0027】
なお、表示装置1から駆動機構14を取り除き、ベース部2に対する筐体3の開閉を手動で行うようにしてもよい。
【0028】
検知部15は、第1入力端子T1及び第2入力端子T2のうちどの入力端子に映像信号が入力されているかを検出する。検知部15は、第1検出IC15A及び第2検出IC15Bを備える。
【0029】
第1検出IC15Aは、第1入力端子T1と映像IC12との間に設けられ、第1入力端子T1に映像信号が入力されているときに第1入力端子T1に映像信号が入力されていることをマイコン11に通知する。
【0030】
第2検出IC15Bは、第2入力端子T2と映像IC12との間に設けられ、第2入力端子T2に映像信号が入力されているときに第2入力端子T2に映像信号が入力されていることをマイコン11に通知する。
【0031】
なお、第1仕様の映像信号を出力する外部装置の出力端子は第1入力端子T1に接続され、第2仕様の映像信号を出力する外部装置の出力端子は第2入力端子T2に接続される。車両には、第1仕様の映像信号を出力する外部装置又は第2仕様の映像信号を出力する外部装置のいずれか一方が搭載される。
【0032】
第1判定IC16A及び第2判定IC16Bとマイコン11とによって構成される制御部は、電源電圧であるバッテリの出力電圧VBATをモニタし、バッテリの出力電圧VBATが閾値を下回ったときに表示部13を消灯させる。
【0033】
当該制御部は、検出部15の検出結果に基づき閾値を切り換える。第1判定IC16Aは、閾値THの数値が電圧V1であって、バッテリの出力電圧VBATをモニタし、バッテリの出力電圧VBATが閾値を下回ったか否かを判定する。第2判定IC16Bは、閾値THの数値が電圧V2(<V1)であって、バッテリの出力電圧VBATをモニタし、バッテリの出力電圧VBATが閾値を下回ったか否かを判定する。
【0034】
マイコン11は、第1入力端子T1に映像信号が入力されているという通知を第1検出IC15Aから受け取っている場合には第1判定IC16Aの判定結果を用い、第2入力端子T2に映像信号が入力されているという通知を第2検出IC15Bから受け取っている場合には第2判定IC16Bの判定結果を用いる。そして、マイコン11は、バッテリの出力電圧VBATが閾値を下回ったときに表示部13を消灯させる。具体的には、マイコン11は、バッテリの出力電圧VBATが閾値を下回ったときに第2PWM駆動信号のオンデューティを0%にする。
【0035】
第1概略構成例の表示装置1では、閾値THの数値がそれぞれ異なる第1判定IC16A及び第2判定IC16Bを設けているので、閾値の切り換えに関するマイコン11の処理を検出部15の検出結果に基づく第1判定IC16Aの判定結果又は第2判定IC16Bの判定結果の選択だけにすることができる。つまり、第1概略構成例の表示装置1では、閾値の切り換えに関するマイコン11の負荷を抑えることができる。
【0036】
<表示装置の第2概略構成例>
図5は、表示装置1の第2概略構成例を示す図である。第2概略構成例の表示装置1は、第1判定IC16A及び第2判定IC16Bを備えない点で第1概略構成例の表示装置1と異なる。
【0037】
バッテリの出力電圧VBATは、マイコン11のAD入力ポートP1に供給される。マイコン11は、AD入力ポートP1に入力されるアナログ電圧であるバッテリの出力電圧VBATをAD変換してモニタする。そして、マイコン11は、第1入力端子T1に映像信号が入力されているという通知を第1検出IC15Aから受け取っている場合には閾値THの数値を電圧V1とし、第2入力端子T2に映像信号が入力されているという通知を第2検出IC15Bから受け取っている場合には閾値THの数値を電圧V2(<V1)とする。さらに、マイコン11は、バッテリの出力電圧VBATが閾値THを下回ったか否かを判定し、バッテリの出力電圧VBATが閾値THを下回ったときに表示部13を消灯させる。
【0038】
第2概略構成例の表示装置1では、バッテリの出力電圧VBATが閾値THを下回ったか否かをマイコン11が判定するので、バッテリの出力電圧VBATが閾値THを下回ったか否かを判定する専用回路が不要になる。つまり、第2概略構成例の表示装置1では、部品点数を抑えることができる。
【0039】
<表示装置の第3概略構成例>
図6は、表示装置1の第3概略構成例を示す図である。第3概略構成例の表示装置1は、第1判定IC16A及び第2判定IC16Bの代わりに判定IC16を備える点で第1概略構成例の表示装置1と異なる。
【0040】
判定IC16は、バッテリの出力電圧VBATが閾値THを下回ったか否かを判定する。判定IC16は、閾値THを切り換え可能である。具体的には、判定IC16は、マイコン11の指示に従って、閾値THの数値を電圧V1、電圧V2(<V1)のいずれかに切り換える。
【0041】
マイコン11は、第1入力端子T1に映像信号が入力されているという通知を第1検出IC15Aから受け取っている場合には閾値THの数値を電圧V1に切り換えることを判定IC16に指示する。また、第2入力端子T2に映像信号が入力されているという通知を第2検出IC15Bから受け取っている場合には閾値THの数値を電圧V2に切り換えることを判定IC16に指示する。
【0042】
第3概略構成例の表示装置1では、判定IC16が閾値THを切り換え可能であるので、バッテリの出力電圧VBATが閾値THを下回ったか否かを判定する専用回路の個数を抑えることができる。
【0043】
<表示装置の動作例>
図7は、表示装置1の動作例を示すフローチャートである。バッテリと表示装置1との間に設けられるDC/DCコンバータの出力電圧の表示装置1への供給が開始されると、表示装置1が起動して、
図7に示すフロー動作が開始される。
【0044】
なお、表示装置1は、第1仕様の映像信号を出力する外部装置を搭載する車両には、昇圧機能を有さないDC/DCコンバータが搭載され、第2仕様の映像信号を出力する外部装置を搭載する車両には、昇圧機能を有するDC/DCコンバータが搭載されることを想定した構成である。つまり、表示装置1は、第2仕様の映像信号を入力している場合には、第1仕様の映像信号を入力している場合に比べて、バッテリの出力電圧VBATがより低い値まで正常に映像表示が行えるため、バッテリの出力電圧VBATがより低い値になるまで表示部13を消灯させない。
【0045】
たとえ第1仕様の映像信号を出力する外部装置とともに車両に搭載される場合であっても、起動時に表示部13が異常な映像表示を行うことを防止するために、
図7に示すフロー動作の開始時に閾値THは電圧V1に設定される。すなわち、マイコン11を含む制御部は、閾値THの初期値(表示装置1の起動直後における閾値THの数値)を閾値THの切り換え候補のうちの最大値に設定する。
【0046】
表示部13は、表示装置1の起動完了後に映像IC12から映像信号S3を受け取っていれば、映像信号S3に基づく映像を表示する。すなわち、表示装置1の起動完了後に表示部13が映像IC12から映像信号S3を受け取っていれば、表示部13は点灯する。
【0047】
また、表示装置1の起動完了後、マイコン11を含む制御部は、バッテリの出力電圧VBATが閾値THを下回ったか否かを判定する(ステップS10)。
【0048】
バッテリの出力電圧VBATが閾値THを下回った場合(ステップS10のYES)、マイコン11は表示部13を消灯させ(ステップS20)、その後ステップS30に進む。なお、ステップS20を実行した後、マイコン11を含む制御部は、バッテリの出力電圧VBATをモニタし、バッテリの出力電圧VBATが消灯解除用閾値TH’(>TH)を上回ったら表示部13の消灯を解除して表示部13を点灯させる。
【0049】
バッテリの出力電圧VBATが閾値THを下回らなかった場合(ステップS10のNO)、ステップS20をスキップしてステップS30に進む。
【0050】
ステップS30では、マイコン11は、検出部15の検出結果に基づき、第1入力端子T1に映像信号が入力されているか否かを確認する。すなわち、マイコン11は、第1入力端子T1に映像信号が入力されているという通知を第1検出IC15Aから受け取っているか否かを確認する。
【0051】
第1入力端子T1に映像信号が入力されている場合(ステップS30のYES)、マイコン11を含む制御部は、閾値THの数値を電圧V1にし(ステップS40)、その後ステップS10に戻る。
【0052】
第1入力端子T1に映像信号が入力されていない場合(ステップS30のNO)、ステップS50に進む。
【0053】
ステップS50では、マイコン11は、検出部15の検出結果に基づき、第2入力端子T2に映像信号が入力されているか否かを確認する。すなわち、マイコン11は、第2入力端子T2に映像信号が入力されているという通知を第2検出IC15Bから受け取っているか否かを確認する。
【0054】
第2入力端子T2に映像信号が入力されている場合(ステップS50のYES)、マイコン11を含む制御部は、閾値THの数値を電圧V2にし(ステップS60)、その後ステップS10に戻る。
【0055】
第2入力端子T2に映像信号が入力されていない場合(ステップS50のNO)、マイコン11は、表示部13の表示画面を
図8に示す表示画面にするためのOSD信号を生成し、当該OSD信号を映像IC12に供給する。映像IC12は、当該OSD信号を映像信号S3として表示部13に供給し(ステップS70)、その後ステップS10に戻る。
図8に示す表示画面は、「No Signal」という文字部分のみが白色画素であり、残りの部分が黒色画素である。
【0056】
上述した
図7に示すフロー動作によると、表示装置1に入力される映像信号が第1仕様である場合に、許容できるバッテリの出力電圧V
BATの下限値を電圧V1に設定することができ、表示装置1に入力される映像信号が第2仕様である場合に、許容できるバッテリの出力電圧V
BATの下限値を電圧V2に設定することができる。すなわち、上述した
図7に示すフロー動作によると、表示装置1に入力される映像信号及び許容できる電源電圧の仕様が異なっても、表示装置1は異なる仕様それぞれに対応できる。これにより、表示装置1に入力される映像信号及び許容できる電源電圧の仕様が異なっても、表示装置1を共通化設計することができる。したがって、表示装置1の製造工数、管理費等を削減することができる。
【0057】
<変形例>
上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【0058】
上述した実施形態では、表示装置1に入力される映像信号及び許容できる電源電圧の仕様が2種類であったが、3種類以上であってもよい。例えば、表示装置1に入力される映像信号及び許容できる電源電圧の仕様が4種類である場合には、表示装置の外部から提供される映像信号を入力する入力端子を4つ設けるとよい。
【符号の説明】
【0059】
1、1’ 表示装置
11 マイコン
13 表示部
15 検出部
15A 第1検出IC
15B 第2検出IC
16A 第1判定IC
16B 第2判定IC
P1 AD入力ポート
T1 第1入力端子
P2 第2入力端子