(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】分割払契約審査装置、分割払契約審査方法、および、分割払契約審査プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/03 20230101AFI20240704BHJP
【FI】
G06Q40/03
(21)【出願番号】P 2020169333
(22)【出願日】2020-10-06
【審査請求日】2023-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水谷 憲
(72)【発明者】
【氏名】三牧 暖子
(72)【発明者】
【氏名】長木 慎弥
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-175737(JP,A)
【文献】特開2021-163391(JP,A)
【文献】特開2005-196267(JP,A)
【文献】経済産業省 商務・サービスグループ 商取引監督課,割賦販売小委員会報告書の概要 当面の制度化に向けた整理と今後の課題~テクノロジー社会における割賦販売法制のあり方~,第314回 消費者委員会本会議 配布資料,[online],2020年04月01日,第12-20ページ,[検索日2024.03.18], Internet<URL: https://web.archive.org/web/20200410044327/https://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2020/314/doc/20200124_shiryou1.pdf>
【文献】反社に貸し付け 後絶たず 預保などの債権買い取り 元本85億円,[online],東京新聞,2019年11月13日,[検索日2024.03.18], Internet<URL:https://www.tokyo-np.co.jp/article/18828>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた分割払契約審査装置であって、
前記記憶部は、
割賦販売法に基づく指定信用情報機関の法令審査基準を満たす分割払契約の申込データを記憶する申込記憶手段と、
前記分割払契約に対する定性的評価のための
、異動件数、総残高および/もしくは自社延滞を判定項目とする自社審査基準を設定した自社審査基準マスタを記憶する自社審査基準記憶手段と、
を備え、
前記制御部は、
前記自社審査基準マスタに基づいて、前記申込データに対する定性的評価結果を取得する定性的評価結果取得手段、
を備えたことを特徴とする分割払契約審査装置。
【請求項2】
前記記憶部は、
前記分割払契約に対する定量的評価のためのスコアリング基準を設定したスコアリング基準マスタを記憶するスコアリング基準記憶手段、
を更に備え、
前記制御部は、
前記スコアリング基準マスタに基づいて、前記申込データに対する定量的評価結果を取得する定量的評価結果取得手段
と、
前記定性的評価結果、および、前記定量的評価結果に基づいて、前記申込データに対する総合判定結果を取得する総合判定結果取得手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の分割払契約審査装置。
【請求項3】
前記
総合判定結果取得手段は、
前記定性的評価結果が合格または判定保留である前記申込データに対する前記定量的評価結果
に基づいて、前記申込データに対する前記総合判定結果を取得することを特徴とする請求項2に記載の分割払契約審査装置。
【請求項4】
前記
総合判定結果取得手段は、
前記定性的評価結果が合格または判定保留であり、且つ、前記定量的評価結果が合格または判定保留である前記申込データに対する
前記総合判定結果を取得す
ることを特徴とする請求項
3に記載の分割払契約審査装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記総合判定結果が判定保留である前記申込データに対する最終判断データを入力させるように表示させる最終判断入力制御手段と、
前記最終判断データが入力された場合、当該最終判断データを前記申込データに対する審査結果として取得する審査結果取得手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項
2から4のいずれか一つに記載の分割払契約審査装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記総合判定結果が合
格の場合、
合格を前記申込データに対する審査結果として取得
し、前記総合判定結果が不合格の場合、不合格を前記申込データに対する審査結果として取得する審査結果取得手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項
2から4のいずれか一つに記載の分割払契約審査装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記定性的評価結果が不合格の場合、
不合格を前記申込データに対する審査結果として取得し、前記定量的評価結果が不合格の場合、
不合格を前記申込データに対する審査結果として取得する審査結果取得手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項
2から4のいずれか一つに記載の分割払契約審査装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記定性的評価結果、前記定量的評価結果、および/または、前記総合判定結果の表示領域を含む、前記審査結果の結果確認画面を表示させる結果確認表示手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項
5から
7のいずれか一つに記載の分割払契約審査装置。
【請求項9】
前記記憶部は、
審査項目
の項目内容および算出方法を紐付けて設定した審査項目マスタを記憶する審査項目記憶手段、
を更に備え、
前記制御部は、
前記審査項目マスタに設定された前記審査項目
の項目内容を前記判定項目とした審査内容を取得し、当該審査内容および評価結果を紐付けた前記自社審査基準を前記自社審査基準マスタに設定するマスタ設定手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1から
8のいずれか一つに記載の分割払契約審査装置。
【請求項10】
記憶部と制御部とを備えた分割払契約審査装置に実行させるための分割払契約審査方法であって、
前記記憶部は、
割賦販売法に基づく指定信用情報機関の法令審査基準を満たす分割払契約の申込データを記憶する申込記憶手段と、
前記分割払契約に対する定性的評価のための
、異動件数、総残高および/もしくは自社延滞を判定項目とする自社審査基準を設定した自社審査基準マスタを記憶する自社審査基準記憶手段と、
を備え、
前記制御部で実行させる、
前記自社審査基準マスタに基づいて、前記申込データに対する定性的評価結果を取得する定性的評価結果取得ステップ、
を含むことを特徴とする分割払契約審査方法。
【請求項11】
記憶部と制御部とを備えた分割払契約審査装置に実行させるための分割払契約審査プログラムであって、
前記記憶部は、
割賦販売法に基づく指定信用情報機関の法令審査基準を満たす分割払契約の申込データを記憶する申込記憶手段と、
前記分割払契約に対する定性的評価のための
、異動件数、総残高および/もしくは自社延滞を判定項目とする自社審査基準を設定した自社審査基準マスタを記憶する自社審査基準記憶手段と、
を備え、
前記制御部において、
前記自社審査基準マスタに基づいて、前記申込データに対する定性的評価結果を取得する定性的評価結果取得ステップ、
を実行させるための分割払契約審査プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分割払契約審査装置、分割払契約審査方法、および、分割払契約審査プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、割賦払い申込に対して、予め決められた定量的な与信基準にしたがって点数化(スコアリング)することで、審査を自動化する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、スコアリングだけの定量的な審査のため、実際には不適切な分割払契約(信用購入あっせん)の申込が審査を通過してしまうという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、法令審査を合格した分割払契約の申込に対して、自社基準の定性的評価による審査を実行することで、審査精度の向上を図ることができる分割払契約審査装置、分割払契約審査方法、および、分割払契約審査プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る分割払契約審査装置は、記憶部と制御部とを備えた分割払契約審査装置であって、前記記憶部は、割賦販売法に基づく指定信用情報機関の法令審査基準を満たす分割払契約の申込データを記憶する申込記憶手段と、前記分割払契約に対する定性的評価のための自社審査基準を設定した自社審査基準マスタを記憶する自社審査基準記憶手段と、を備え、前記制御部は、前記自社審査基準マスタに基づいて、前記申込データに対する定性的評価結果を取得する定性的評価結果取得手段、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る分割払契約審査装置において、前記記憶部は、前記分割払契約に対する定量的評価のためのスコアリング基準を設定したスコアリング基準マスタを記憶するスコアリング基準記憶手段、を更に備え、前記制御部は、前記スコアリング基準マスタに基づいて、前記申込データに対する定量的評価結果を取得する定量的評価結果取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る分割払契約審査装置において、前記制御部は、前記定性的評価結果、および、前記定量的評価結果に基づいて、前記申込データに対する総合判定結果を取得する総合判定結果取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る分割払契約審査装置において、前記定量的評価結果取得手段は、前記スコアリング基準マスタに基づいて、前記定性的評価結果が合格または判定保留である前記申込データに対する前記定量的評価結果を取得することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る分割払契約審査装置において、前記制御部は、前記定量的評価結果が合格または判定保留である前記申込データに対する総合判定結果を取得する総合判定結果取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る分割払契約審査装置において、前記制御部は、前記総合判定結果が判定保留である前記申込データに対する最終判断データを入力させるように表示させる最終判断入力制御手段と、前記最終判断データが入力された場合、当該最終判断データを前記申込データに対する審査結果として取得する審査結果取得手段と、を更に備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る分割払契約審査装置において、前記制御部は、前記総合判定結果が合格または不合格の場合、当該総合判定結果を前記申込データに対する審査結果として取得する審査結果取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る分割払契約審査装置において、前記制御部は、前記定性的評価結果が不合格の場合、当該定性的評価結果を前記申込データに対する審査結果として取得し、前記定量的評価結果が不合格の場合、当該定量的評価結果を前記申込データに対する審査結果として取得する審査結果取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る分割払契約審査装置において、前記制御部は、前記定性的評価結果、前記定量的評価結果、および/または、前記総合判定結果の表示領域を含む、前記審査結果の結果確認画面を表示させる結果確認表示手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る分割払契約審査装置において、前記記憶部は、審査項目および算出方法を紐付けて設定した審査項目マスタを記憶する審査項目記憶手段、を更に備え、前記制御部は、前記審査項目マスタに設定された前記審査項目を組み合わせて、審査内容および評価結果を紐付けた前記自社審査基準を前記自社審査基準マスタに設定するマスタ設定手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る分割払契約審査方法は、記憶部と制御部とを備えた分割払契約審査装置に実行させるための分割払契約審査方法であって、前記記憶部は、割賦販売法に基づく指定信用情報機関の法令審査基準を満たす分割払契約の申込データを記憶する申込記憶手段と、前記分割払契約に対する定性的評価のための自社審査基準を設定した自社審査基準マスタを記憶する自社審査基準記憶手段と、を備え、前記制御部で実行させる、前記自社審査基準マスタに基づいて、前記申込データに対する定性的評価結果を取得する定性的評価結果取得ステップ、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る分割払契約審査プログラムは、記憶部と制御部とを備えた分割払契約審査装置に実行させるための分割払契約審査プログラムであって、前記記憶部は、割賦販売法に基づく指定信用情報機関の法令審査基準を満たす分割払契約の申込データを記憶する申込記憶手段と、前記分割払契約に対する定性的評価のための自社審査基準を設定した自社審査基準マスタを記憶する自社審査基準記憶手段と、を備え、前記制御部において、前記自社審査基準マスタに基づいて、前記申込データに対する定性的評価結果を取得する定性的評価結果取得ステップ、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、スコアリングだけだと審査を通る可能性のある分割払契約の申込を効率的に抽出することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、分割払契約の審査業務において、自社基準審査機能とスコアリング機能とを組み合わせた総合判定結果の判断を自動で行うことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、自社基準審査の基準、スコアリングの基準、および、総合判定の判断基準をマスタにて汎用的に設定することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、自社基準審査とスコアリング機能とを組み合わせた総合判定を行うことで、今まで以上に自動判断領域を増やし審査スピードの向上、および、審査精度向上を可能とすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、法令審査をパスした審査対象から、自社基準審査およびスコアリング審査にて自社基準でNGとなる対象を自動で判断して足切りすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、自社基準審査、スコアリング審査および総合判定を自動審査に組み込むことにより、審査の大部分を全自動で行うことが可能となり、総合判定で判定保留となった分割払契約の申込のみに対して、人が最終判断を下せばいいため、審査担当者の判断に委ねられる対象を減らすことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本実施形態における分割払契約審査処理の概要の一例を示すフロー図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における分割払契約審査装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における分割払契約審査装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、本実施形態における分割払契約審査処理の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における分割払契約審査処理の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態における結果確認画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態におけるマスタ設定の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0021】
[1.概要]
まず、
図1を参照して、本発明の概要を説明する。
図1は、本実施形態における分割払契約審査処理の概要の一例を示すフロー図である。
【0022】
従来、分割払契約の申込に対して、予め決められた定量的基準にしたがってスコアリングを行うことで、申込について自動審査を実行していたが、定性的に不適切な申込が審査を通過してしまうことがあった。
【0023】
そこで、本実施形態においては、
図1に示すように、分割払契約の申込があった場合、割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関(CIC)にて申込データに対する法令審査が実行され、法令審査を合格した申込データに対して、定性的な評価を下す自社基準審査が実行され、自社基準審査を合格した申込データに対して、定量的な評価を下すスコアリング審査が実行され、スコアリング審査を合格した申込データに対して、全項目のトータルの点数を評価する総合判定が実行され、合否が明確な申込データについてはそのまま審査結果の回答がされ、総合判定の判定保留と判定された申込データについては審査担当者の判断に委ねられる仕組みを提供している。
【0024】
ここで、本実施形態における自社基準審査は、定性的な評価であり、基本的には、申込顧客が該当した場合に、審査自体NG(×)となるような判断条件が設定され、NGとまでいかないが要注意であるとして、人が詳細な審査をする必要がある条件(△)が設定されてもよい。また、本実施形態におけるスコアリング審査は、定量的な評価であり、自社基準審査を通過した場合でも、最終的にNGにすべき対象が判断される自社基準審査の補助的な審査となっており、マスタ設定された条件および点数に基づいて、審査条件ごとに点数がつけられ、全項目のトータルの点数で審査NGが判断されてもよい。また、本実施形態における総合判定は、自社基準審査の結果およびスコアリング審査の結果を基に行う最終的な審査結果の判定であり、最終的な審査結果がマスタにて設定されてもよい。
【0025】
[2.構成]
本実施形態に係る分割払契約審査装置100の構成の一例について、
図2を参照して説明する。
図2は、本実施形態における分割払契約審査装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
図2に示すように、分割払契約審査装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、分割払契約審査装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0027】
分割払契約審査装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。分割払契約審査装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0028】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、分割払契約審査装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、分割払契約審査装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0029】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、審査項目マスタ106aと自社審査基準マスタ106bとスコアリング基準マスタ106cと申込データベース106dとを備えている。
【0030】
審査項目マスタ106aは、審査項目および算出方法を紐付けて設定したマスタである。
【0031】
自社審査基準マスタ106bは、分割払契約に対する定性的評価のための自社審査基準を設定したマスタである。ここで、自社審査基準マスタ106bは、レコード識別子(例えば、No等)、審査内容、判断項目、符号、比較項目および/または評価結果等が紐付けて設定されていてもよい。
【0032】
スコアリング基準マスタ106cは、分割払契約に対する定量的評価のためのスコアリング基準を設定したマスタである。ここで、スコアリング基準マスタ106cは、レコード識別子(例えば、No等)、審査内容、判断項目、符号、比較項目および/またはスコア(得点)等が紐付けて設定されていてもよい。
【0033】
申込データベース106dは、分割払契約の申込データを記憶する。ここで、申込データベース106dは、割賦販売法に基づく指定信用情報機関の法令審査基準を満たす分割払契約の申込データを記憶していてもよい。また、申込データベース106dは、申込データに対する定性的評価結果、申込データに対する定量的評価結果、申込データに対する総合判定結果、申込データに対する最終判断データ、および/または、申込データに対する審査結果等をきおくしていてもよい。
【0034】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0035】
制御部102は、分割払契約審査装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、マスタ設定部102aと定性的評価結果取得部102bと定量的評価結果取得部102cと総合判定結果取得部102dと最終判断入力制御部102eと審査結果取得部102fと結果確認表示部102gとを備えている。
【0036】
マスタ設定部102aは、審査項目マスタ106aに基づいて、自社審査基準マスタ106b、および/または、スコアリング基準マスタ106cを設定する。ここで、マスタ設定部102aは、審査項目マスタ106aに設定された審査項目を組み合わせて、審査内容および評価結果を紐付けた自社審査基準を自社審査基準マスタ106bに設定してもよい。また、マスタ設定部102aは、審査項目マスタ106aに設定された審査項目を組み合わせて、審査内容およびスコアを紐付けたスコアリング基準をスコアリング基準マスタ106cに設定してもよい。
【0037】
定性的評価結果取得部102bは、分割払契約の申込データに対する定性的評価結果を取得する。ここで、定性的評価結果取得部102bは、自社審査基準マスタ106bに基づいて、分割払契約の申込データに対する定性的評価結果を取得してもよい。また、定性的評価結果取得部102bは、分割払契約の申込データに対する定性的評価結果を申込データベース106dに登録してもよい。
【0038】
定量的評価結果取得部102cは、分割払契約の申込データに対する定量的評価結果を取得する。ここで、定量的評価結果取得部102cは、スコアリング基準マスタ106cに基づいて、分割払契約の申込データに対する定量的評価結果を取得してもよい。また、定量的評価結果取得部102cは、スコアリング基準マスタ106cに基づいて、定性的評価結果が合格または判定保留である分割払契約の申込データに対する定量的評価結果を取得してもよい。また、定量的評価結果取得部102cは、分割払契約の申込データに対する定量的評価結果を申込データベース106dに登録してもよい。
【0039】
総合判定結果取得部102dは、分割払契約の申込データに対する総合判定結果を取得する。ここで、総合判定結果取得部102dは、分割払契約の申込データに対する定性的評価結果および定量的評価結果に基づいて、分割払契約の申込データに対する総合判定結果を取得してもよい。また、総合判定結果取得部102dは、定性的評価結果が合格または判定保留であり、且つ、定量的評価結果が合格または判定保留である分割払契約の申込データに対する総合判定結果を取得してもよい。また、総合判定結果取得部102dは、分割払契約の申込データに対する総合判定結果を申込データベース106dに登録してもよい。
【0040】
最終判断入力制御部102eは、分割払契約の申込データに対する最終判断データを入力させるように表示させる。ここで、最終判断入力制御部102eは、総合判定結果が判定保留である分割払契約の申込データに対する最終判断データを入力させるように表示させてもよい。
【0041】
審査結果取得部102fは、分割払契約の申込データに対する審査結果を取得する。ここで、審査結果取得部102fは、分割払契約の申込データに対する最終判断データが入力された場合、当該最終判断データを申込データに対する審査結果として取得してもよい。また、審査結果取得部102fは、分割払契約の申込データに対する総合判定結果が合格または不合格の場合、当該総合判定結果を申込データに対する審査結果として取得してもよい。また、審査結果取得部102fは、分割払契約の申込データに対する定性的評価結果が不合格の場合、当該定性的評価結果を申込データに対する審査結果として取得し、分割払契約の申込データに対する定量的評価結果が不合格の場合、当該定量的評価結果を申込データに対する審査結果として取得してもよい。また、審査結果取得部102fは、分割払契約の申込データに対する最終判断データ、および/または、審査結果を申込データベース106dに登録してもよい。
【0042】
結果確認表示部102gは、分割払契約の申込データに対する審査結果の結果確認画面を表示させる。ここで、結果確認表示部102gは、分割払契約の申込データに対する定性的評価結果、定量的評価結果、および/または、総合判定結果の表示領域を含む、分割払契約の申込データに対する審査結果の結果確認画面を表示させてもよい。
【0043】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図3から
図7を参照して説明する。
【0044】
[分割払契約審査処理]
ここで、
図3を参照して、本実施形態における分割払契約審査処理の一例について説明する。
図3は、本実施形態における分割払契約審査装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0045】
図3に示すように、制御部102は、割賦販売法に基づく指定信用情報機関の法令審査を合格した分割払契約の申込データを取得し、当該申込データを申込データベース106dに登録する(ステップSA-1)。
【0046】
そして、定性的評価結果取得部102bは、自社審査基準マスタ106bに基づいて、分割払契約の申込データに対する定性的評価結果を取得し、当該定性的評価結果を申込データベース106dに登録する(ステップSA-2)。
【0047】
そして、定量的評価結果取得部102cは、分割払契約の申込データに対する定性的評価結果が不合格であるか否かを判定する(ステップSA-3)。
【0048】
そして、定量的評価結果取得部102cは、分割払契約の申込データに対する定性的評価結果が不合格であると判定した場合(ステップSA-3:Yes)、処理をステップSA-9に移行させる。
【0049】
そして、定量的評価結果取得部102cは、分割払契約の申込データに対する定性的評価結果が不合格ではない(合格または判定保留)と判定した場合(ステップSA-3:No)、処理をステップSA-4に移行させる。
【0050】
そして、定量的評価結果取得部102cは、スコアリング基準マスタ106cに基づいて、分割払契約の申込データに対する定量的評価結果を取得し、当該定量的評価結果を申込データベース106dに登録する(ステップSA-4)。
【0051】
そして、総合判定結果取得部102dは、分割払契約の申込データに対する定量的評価結果が不合格であるか否かを判定する(ステップSA-5)。
【0052】
そして、総合判定結果取得部102dは、分割払契約の申込データに対する定量的評価結果が不合格であると判定した場合(ステップSA-5:Yes)、処理をステップSA-9に移行させる。
【0053】
一方、総合判定結果取得部102dは、分割払契約の申込データに対する定量的評価結果が不合格ではない(合格または判定保留)と判定した場合(ステップSA-5:No)、処理をステップSA-6に移行させる。
【0054】
そして、総合判定結果取得部102dは、分割払契約の申込データに対する総合判定結果を取得し、当該総合判定結果を申込データベース106dに登録する(ステップSA-6)。
【0055】
そして、最終判断入力制御部102eは、分割払契約の申込データに対する総合判定結果が判定保留であるか否かを判定する(ステップSA-7)。
【0056】
そして、最終判断入力制御部102eは、分割払契約の申込データに対する総合判定結果が判定保留ではない(合格または不合格)と判定した場合(ステップSA-7:No)、処理をステップSA-9に移行させる。
【0057】
一方、最終判断入力制御部102eは、分割払契約の申込データに対する総合判定結果が判定保留であると判定した場合(ステップSA-7:Yes)、処理をステップSA-8に移行させる。
【0058】
そして、最終判断入力制御部102eは、分割払契約の申込データに対する最終判断データをユーザに入力装置112を介して入力させるように最終判断入力画面を出力装置114に表示させる(ステップSA-8)。
【0059】
そして、審査結果取得部102fは、分割払契約の申込データに対する定性的評価結果、定量的評価結果、総合判定結果、または、最終判断データに基づいて、分割払契約の申込データに対する審査結果を取得し、審査結果を申込データベース106dに登録する(ステップSA-9)。
【0060】
そして、結果確認表示部102gは、分割払契約の申込データに対する定性的評価結果、定量的評価結果、および/または、総合判定結果の表示領域を含む、分割払契約の申込データに対する審査結果の結果確認画面を表示させ(ステップSA-10)、処理を終了する。
【0061】
ここで、
図4および
図5を参照して、本実施形態における分割払契約審査処理の一例について説明する。
図4および
図5は、本実施形態における分割払契約審査処理の一例を示す図である。
【0062】
図4に示すように、本実施形態においては、審査項目マスタ106a内に存在する審査項目を組み合わせて、審査内容および判定を紐付けた自社審査基準が自社審査基準マスタ106bに設定され、審査内容および得点を紐付けたスコアリング基準がスコアリング基準マスタ106cに設定されてもよい。そして、
図4に示すように、本実施形態においては、分割払契約の申込データに対する定性的評価により自社審査基準結果が取得され、分割払契約の申込データに対する定量的評価によりスコアリング結果が取得され、自社審査基準結果およびスコアリング結果の総合判定から総合判定結果が取得されてもよい。
【0063】
例えば、
図5に示すように、本実施形態においては、自社審査基準に基づく分割払契約の申込データに対する自社基準審査の結果と、スコアリング基準に基づく当該申込データに対するスコアリング結果を組み合わせた、総合判定結果が取得され、総合判定結果が判定保留のもののみ審査担当者の判断対象となってもよい。
【0064】
また、
図6を参照して、本実施形態における結果確認画面の一例について説明する。
図6は、本実施形態における結果確認画面の一例を示す図である。
【0065】
図6に示すように、本実施形態においては、分割払契約の申込データに対する自社基準審査結果、スコアリング得点、スコアリング結果、および、総合判定結果の表示を含む結果確認画面であってもよい。
【0066】
また、
図7を参照して、本実施形態におけるマスタ設定の一例について説明する。
図7は、本実施形態におけるマスタ設定の一例を示す図である。
【0067】
図7に示すように、本実施形態においては、審査項目マスタ106aに設定された審査項目の内容が、自社審査基準マスタ106bにて自社審査基準の判定項目として設定されてもよい。
【0068】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0069】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0070】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0071】
また、分割払契約審査装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0072】
例えば、分割払契約審査装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて分割払契約審査装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0073】
また、このコンピュータプログラムは、分割払契約審査装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0074】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0075】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0076】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0077】
また、分割払契約審査装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、分割払契約審査装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0078】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、信販業界およびクレジットカード業界等を含む金融業界において有用である。
【符号の説明】
【0080】
100 分割払契約審査装置
102 制御部
102a マスタ設定部
102b 定性的評価結果取得部
102c 定量的評価結果取得部
102d 総合判定結果取得部
102e 最終判断入力制御部
102f 審査結果取得部
102g 結果確認表示部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 審査項目マスタ
106b 自社審査基準マスタ
106c スコアリング基準マスタ
106d 申込データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク