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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】便器
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/02 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
E03D11/02
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020170265
(22)【出願日】2020-10-08
(65)【公開番号】P2022062331
(43)【公開日】2022-04-20
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】作埜 絢子
(72)【発明者】
【氏名】中村 亮介
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-141317(JP,A)
【文献】実開昭56-125468(JP,U)
【文献】特開2008-095396(JP,A)
【文献】特開2017-223039(JP,A)
【文献】特開2017-089282(JP,A)
【文献】特開2008-240437(JP,A)
【文献】特開2000-096692(JP,A)
【文献】特開2001-098620(JP,A)
【文献】特開2013-087519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/00 - 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器本体と、
前記便器本体の後方において機能部を覆う後カバーと、を備え、
前記後カバーは、電源コード及び給水ホースの少なくとも一方の位置決めをする位置決め部が設けられており、
前記後カバーは、切り欠き部と、前記切り欠き部に立設された立壁と、を有し、
前記位置決め部は、前記立壁に設けられたフック状の部材である便器。
【請求項2】
前記位置決め部は、前記後カバーにおいて外部に露出した位置に設けられている請求項1に記載の便器。
【請求項3】
前記位置決め部は、前記後カバーにおいて下端部に設けられている請求項1から請求項2までのいずれか一項に記載の便器。
【請求項4】
前記位置決め部は、前記後カバーにおいて左右方向中央部に設けられている請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の便器。
【請求項5】
前記後カバーは、前記電源コード及び前記給水ホースの少なくとも一方の一部分が収容される凹部を有している請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の便器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、便器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、便器洗浄装置が設けられた便器が開示されている。この便器は、便器本体の後方において便器洗浄装置を覆う後カバーを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-087519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
便器本体の後方には、便器洗浄装置等に給電する電源コード、及び便器洗浄装置等に洗浄水を給水する給水ホース等が配置される。電源コード及び給水ホースは意図せず他の部品の間に入り込みやすく、電源コード及び給水ホースと他の部品との干渉を抑制する技術が求められている。しかし、特許文献1においては、電源コード及び給水ホースと他の部品との干渉を抑制することについては何ら検討されていない。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、電源コード及び給水ホースの少なくとも一方と他の部品との干渉を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の便器は、便器本体と、前記便器本体の後方において機能部を覆う後カバーと、を備え、前記後カバーは、電源コード及び給水ホースの少なくとも一方の位置決めをする位置決め部が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1に係る便器を示す側面図である。
図2】便器の後面図である。
図3図2から後カバーを外した状態の図である。
図4】後カバーを斜め前方から見た斜視図である。
図5図2のA-A線に対応した断面図である。
図6】位置決め部及び電源コードを示す後面図である。
図7図2のB-B線に対応した断面図である。
図8】前カバーを組み付ける様子を後方から見た図である。
図9】前カバーを組み付ける様子を斜め前方から見た図である。
図10】保護部の側面図である。
図11】他の実施形態に係る位置決め部及び給水ホースを示す後面図である。
【0008】
実施形態1の便器10は、図1に示すように、便器本体11、便器洗浄装置30、後カバー40、及び前カバー50を備えている。以下、各構成部材において、前後方向、左右方向、上下方向は、便器10に着座した状態の着座者から見て前後方向、左右方向、上下方向を夫々示すものとする。各図において、上下方向を矢印UP及びDWで示し、前後方向を矢印FR及びBWで示し、左右方向を矢印L及びRで示す。
【0009】
便器本体11は、図示しない便鉢部及び便器排水路13を有している。便器排水路13の下流端は、便器本体11の後部において、左右方向中央部に開口している。便器排水路13は、接続部材14によって、便器本体11に対して左方に位置する図示しない排水管に連通される。接続部材14は、便器排水路13から左方に曲がって延びた連結管である。便器本体11の上部には、便座装置20が取り付けられている。
【0010】
便座装置20は、便座ボックス21、図示しない便座、及び便蓋27を備えている。便座ボックス21は、図8に示すカバー本体22及びベース部材23を有し、内部に図示しない各種装置を収容している。各種装置は、例えば、局部洗浄装置、温風乾燥装置、脱臭装置、便座・便蓋開閉装置、人体検知装置及びこれらの装置を制御する制御装置等である。ベース部材23は、便器本体11の後部上面にボルト締め等によって固定されている。
【0011】
便器洗浄装置30は、図1及び図3に示すように、便器10の後側上部に設けられている。便器洗浄装置30は、洗浄水供給路31A,31B、図示しない開閉弁、定流量弁、逆止弁、及び蓄圧装置32等を備えている。図1に示す洗浄水供給路31A及び開閉弁は、便座ボックス21内に配置されている。定流量弁及び逆止弁は、バルブケース33内に設けられている。バルブケース33は、ベース部材23から下方に突出する形で配置されている。バルブケース33は、機能部の一例である。蓄圧装置32は、洗浄水供給路31A,31B内を流れる洗浄水に蓄圧装置32から排出された蓄圧水の水勢を加える。蓄圧装置32は機能部の他の例である。蓄圧装置32は、左右方向に伸びた略円柱体であり、ベース部材23に対して吊り下げ保持されている。蓄圧装置32は、連結管34Aによって、開閉弁よりも上流側の洗浄水供給路に接続されている。連結管34Aは、下方に向けて突出する形で水抜き栓34が設けられている。蓄圧装置32とバルブケース33は、ベース部材23よりも下方において左右に並んで配置されている。
【0012】
便座装置20及び便器洗浄装置30は、図2及び図3に示す電源コード35から給電されている。電源コード35は、便座ボックス21における後端部から下方に導かれ、蓄圧装置32とバルブケース33の間付近を通って、後カバー40から下方に引き出されている。後カバー40から引き出された電源コード35は、壁面Wに設けられた図示しないコンセントに接続される。
【0013】
後カバー40は、図1から図3までに示すように、便器本体11の後方においてバルブケース33及び蓄圧装置32を後方から覆っている。後カバー40は、ベース部材23に対して固定されている。詳細には、後カバー40の上端部は、右端部においてベース部材23に掛け止めされている。後カバー40の上端部は、中央部においてベース部材23にねじ止めされている。便器10は、後カバー40の直下に接続部材14が配置されている。後カバー40の下端部41は、接続部材14の外周面との間に所定の隙間を有して円弧状に形成されている。所定の隙間は、後カバー40と接続部材14が干渉しないように、接続部材14の組み付け誤差等に応じて設定されている。
【0014】
後カバー40は、図4に示すように、後壁部40A、左壁部40B、右壁部40C、及び下壁部40Dを有している。後壁部40Aは、左右に延びた略長方形状をなし、便座ボックス21の下方において便器10の後面を構成する。図1に示す便器10の設置状態において、後壁部40Aは壁面Wと対向して配置される。後壁部40Aの前面には、前カバー50に対して固定される突出部42及び後側ねじ止め部43が設けられている。左壁部40B及び右壁部40Cは、後壁部40Aにおける左右の端部から前方に立ち上がる形で設けられている。左壁部40B及び右壁部40Cは、それぞれ左右に突出する台座部44,44が設けられている。台座部44は、図1に示すサイドカバー15を取り付けるための取付面を有している。後カバー40に台座部44,44が設けられる構成では、サイドカバー15の裏面に台座部を設けた場合のように台座部に起因するヒケが便器10の外観に現れない。このため、便器10の外観品質を向上できる。台座部44,44の取付面には、面ファスナ等の図示しない取付具が配置されている。この構成によれば、台座部44,44を目印にして、取付具を確実に正規の位置に取り付けることができる。
【0015】
後カバー40は、図4から図6までに示すように、電源コード35の位置決めをする位置決め部45が設けられている。位置決め部45は、後カバー40において外部に露出した位置に設けられている。具体的には、後カバー40は、切り欠き部46と、切り欠き部46の縁部から前方に立ち上がる立壁47とを有している。切り欠き部46は、後カバー40の下端部41を切り欠く形で形成されている。位置決め部45は、立壁47から切り欠き部46内に突出する形で設けられ、切り欠き部46から後方及び下方に露出している。換言すれば、位置決め部45は、後カバー40の外周縁から後カバー40の中央側に控えた位置において外部に露出している。立壁47は、切り欠き部46の左縁に設けられている。切り欠き部46の右縁にも立壁が設けられている。切り欠き部46の上縁は、立壁47よりも低い庇状に形成され、前面が曲面状をなしている。この構成によれば、電源コード35が切り欠き部46の上縁に接触した場合であっても、電源コード35が傷つきにくい。
【0016】
位置決め部45は、少なくとも電源コード35の前面に接触する。具体的には、位置決め部45は、フック状をなし、電源コード35の前面と右面に接触する。位置決め部45は、電源コード35の前方への移動を規制して、電源コード35がベース部材23の下側に回り込むことを抑制する。電源コード35の左面は立壁47に接触する。電源コード35の後面は、位置決め部45よりも上側において切り欠き部46の上縁に接触する。後カバー40は、位置決め部45、立壁47、及び切り欠き部46の上縁によって、電源コード35の前後左右への移動を規制する。本開示において、電源コード35が位置決め部45等に接触するとは、常時において電源コード35が位置決め部45等に接触する構成に限定されない。電源コード35は、便座装置20の取り付け作業時や電源コード35に外力が作用した場合に、位置決め部45等に接触してもよい。
【0017】
位置決め部45は、図2に示すように、後カバー40において下端部41に設けられている。電源コード35は、位置決め部45から下方に引き出され、コンセント側に向けて引き回されている。位置決め部45は、後カバー40において左右方向中央部CPに設けられている。中央部CPは、後カバー40の左右の寸法を1とした場合に、左端から1/4以上3/4以下の寸法の範囲とすることができる。詳細には、位置決め部45は、下端部41において円弧状に形成された領域の右側端部に設けられている。
【0018】
後カバー40は、図4及び図7に示すように、電源コード35の一部分が収容される凹部48を有している。凹部48は、後壁部40Aの前面に開口して、上下に延びた溝状に形成されている。つまり、凹部48は、蓄圧装置32及びバルブケース33側に向けて開口している。凹部48は、蓄圧装置32の直ぐ後方において蓄圧装置32の直径部分と重なる位置及びその近傍に形成されている。凹部48の後面において最も後側に位置する部位は、便器10において最も後側に位置する部位よりも前方に配置されている。この構成によれば、凹部48を形成したことに起因して、便器10において最も後側に位置する部位と壁面Wとの間の距離が狭まるおそれがない。
【0019】
前カバー50は、図1及び図3に示すように、便器本体11の後方において蓄圧装置32を前方から覆っている。前カバー50と後カバー40は、互いに組み付けられてベース部材23よりも下方において蓄圧装置32を収容する空間を形成する。
【0020】
前カバー50は、図8及び図9に示すように、ベース部材23に対して固定されている。詳細には、前カバー50は、ベース部材23に掛け止めされる掛け止め部51と、ベース部材23にねじ止めされる前側ねじ止め部52とを有している。掛け止め部51は、左方に向けて突出する十字リブ状をなしている。掛け止め部51の先端は、左右の角部と下側の角部が面取りされている。掛け止め部51は、ベース部材23に設けられた箱型の挿入部24に挿入されている。前側ねじ止め部52は、ベース部材23に設けられたベースねじ穴部25にねじを介して締結されている。前側ねじ止め部52の前面には、ベースねじ穴部25の右面に接触する突起部53が設けられている。突起部53はベースねじ穴部25の右面に接触して、掛け止め部51の挿入部24に対する挿入位置を規定するとともに、挿入部24と掛け止め部51との間のクリアランスに起因するがたつきを防止する。
【0021】
前カバー50は、図8に示すように、後カバー40に設けられた突出部42及び後側ねじ止め部43が固定される嵌合部54及び前側ねじ穴部55が設けられている。嵌合部54は後方に突出した箱型である。前側ねじ穴部55は、台座の座面にボス状のねじ穴を有する構成である。嵌合部54及び前側ねじ穴部55の間には、左右に延びた補強リブ56が設けられている。図3に示すように、前カバー50に対して蓄圧装置32が組み付けられた状態において、補強リブ56と蓄圧装置32の外周面の間に手指を挿入するための隙間57が形成されている。この構成によれば、前カバー50に対する蓄圧装置32の組み付け性を向上できる。
【0022】
後カバー40及び前カバー50は、図1及び図10に示すように、水抜き栓34を保護する保護部60を構成する。保護部60は、後カバー40において下方に突出した後側突出部49と、前カバー50において下方に突出した前側突出部59とを有している。後側突出部49及び前側突出部59は、図10に示すように便座装置20を床置きした際に水抜き栓34が床面Fに接触しないように、水抜き栓34の前後において便座装置20を支持する。図1に示すように便座装置20を便器本体11に取り付けた状態において、後側突出部49の下端は、水抜き栓34の下端よりも上方に位置している。この構成によれば、後側突出部49と、後側突出部49の直下に配置された接続部材14との干渉を避けることができる。便座装置20を便器本体11に取り付けた状態において、前側突出部59の下端は、水抜き栓34の下端よりも下方に位置している。つまり、保護部60は、後側突出部49の下端位置を上方に控えつつ、接続部材14との干渉の虞がない前カバー50に前側突出部59を設けることによって、水抜き栓34を十分に保護することができる。
【0023】
便座装置20に対する前カバー50及び後カバー40の取り付け方法について説明する。便座装置20に対する前カバー50及び後カバー40の取り付けは、便座装置20が便器本体11に載置される前に行われる。
【0024】
まず、作業者は、図8及び図9に示すように、前カバー50をベース部材23に対して右方から近づけて、挿入部24に掛け止め部51を挿入するとともに、ベースねじ穴部25と前側ねじ止め部52の位置を整合させる。そして、前側ねじ止め部52をベースねじ穴部25にねじ止めする。次に、作業者は、前カバー50に対して後カバー40を後方から近づけて、嵌合部54に突出部42を挿入するとともに、前側ねじ穴部55と後側ねじ止め部43の位置を整合させる。後側ねじ止め部43を前側ねじ穴部55にねじ止めするとともに、後カバー40をベース部材23に固定する。そして、電源コード35を位置決め部45の後方に移動させ、位置決め部45に引っ掛ける。以上により、便座装置20に対する前カバー50及び後カバー40の取り付けが完了する。
【0025】
蓄圧装置32を備えた便器10の施工方法について説明する。施工者は、前カバー50及び後カバー40が取り付けられた便座装置20から後カバー40を取り外す。次に、施工者は、図示しない吊下げ金具によって蓄圧装置32をベース部材23に取り付ける。この際、電源コード35は蓄圧装置32よりも後方に通される。施工者は、先に説明した取り付け方法と同様にして、後カバー40を便座装置20に対して再度取り付け、電源コード35を位置決め部45に引っ掛ける。この状態では、電源コード35の一部が凹部48に収容される。
【0026】
施工者は、便器本体11を設置する。次に、施工者は、前カバー50、蓄圧装置32、及び後カバー40が取り付けられた便座装置20を便器本体11に対して取り付ける。具体的には、施工者は、便座装置20の前方に立って便座装置20を手に持ち、便座装置20を便器本体11に載置する。この過程で、図1に示す下方に向けて開口した便座装置20側の洗浄水供給路31Aが、上方に向けて開口した便器本体11側の洗浄水供給路31Bに連通される。洗浄水供給路31A,31Bは、便座装置20を手に持った施工者から見えにくい位置にある。
【0027】
便座装置20を便器本体11に載置する際に便座装置20を前傾姿勢にすると、電源コード35には自重によってベース部材23の下方に回り込む方向への力が作用する。このため、仮に、位置決め部45が設けられていない構成では、電源コード35が前方に移動して、便座装置20側の洗浄水供給路31Aと便器本体11側の洗浄水供給路31Bとの間に噛み込むことが懸念される。本実施形態では、電源コード35にベース部材23の下方に回り込む方向への力が作用した場合であっても、位置決め部45によって電源コード35の前方への移動が規制される。このため、便座装置20側の洗浄水供給路31Aと便器本体11側の洗浄水供給路31Bとの間に電源コード35が噛み込みにくく、便座装置20を載置する際の作業性がよい。施工者は、便座装置20を便器本体11に載置した後、ボルト締め等によって便座装置20を便器本体11に対して固定する。施工者は、後カバー40から引き出された電源コード35をコンセントに接続する。以上により、便器10の施工が完了する。
【0028】
上記のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
【0029】
本実施形態の便器10は、便器本体11と、便器本体11の後方において蓄圧装置32及びバルブケース33を覆う後カバー40と、を備えている。後カバー40は、電源コード35の位置決めをする位置決め部45が設けられている。この便器10によれば、後カバー40に設けられた位置決め部45によって電源コード35の位置を規定し、電源コード35と他の部品との干渉を抑制することができる。このため、便座装置20を便器本体11に取り付ける際に、便座装置20側の洗浄水供給路31Aと便器本体11側の洗浄水供給路31Bの間等に、意図せず電源コード35が噛み込むことを抑制できる。さらに、便座装置20の便器本体11への取り付け状態においても、電源コード35を正規の位置から引き出して、電源コード35と接続部材14等の他の部品との干渉を抑制することができる。
【0030】
本実施形態の位置決め部45は、後カバー40において外部に露出した位置に設けられている。この構成によれば、位置決め部45によって、電源コード35が便器10から外部に引き出される位置を規定することができる。このため、便器10から外部に引き出された電源コード35をコンセントまで引き回す際に、電源コード35が引っ張られて、意図せず蓄圧装置32及びバルブケース33等と干渉することを抑制できる。位置決め部45が外部に露出した構成によれば、位置決め部45がアンダーカット形状とならず、位置決め部45を容易に形成することができる。
【0031】
本実施形態の位置決め部45は、後カバー40において下端部41に設けられている。この構成によれば、コンセントの位置に応じて、図6に示すように電源コード35を左右に引き回しやすい。
【0032】
本実施形態の位置決め部45は、後カバー40において左右方向中央部CPに設けられている。この構成によれば、便器本体11に対して左右のいずれ側に配置されたコンセントに対しても電源コード35を接続しやすい。位置決め部45が左右方向中央部CPに設けられた構成によれば、便器本体11の前方から電源コード35の引き出し位置が見えにくい。このため、電源コード35の引き出し位置が見えることに起因して、ユーザに雑然とした印象を与えることを抑制できる。
【0033】
本実施形態の後カバー40は、電源コード35の一部分が収容される凹部48を有している。この構成によれば、蓄圧装置32及びバルブケース33を避けてと電源コード35を凹部48内に収容することができ、電源コード35が蓄圧装置32及びバルブケース33と干渉しにくい。
【0034】
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
【0035】
図11に示す位置決め部145は、給水ホース135の位置決めをする。給水ホース135としては、便器洗浄装置に中水を給水するためのホース等を例示できる。
【0036】
位置決め部の位置は、限定されない。位置決め部は、例えば、後壁部の前面に設けられてもよい。位置決め部は、後壁部の外周縁から外側に突出する形で設けられてもよい。位置決め部は、後カバーの右端部及び左端部のいずれか一方に設けられてもよい。
【0037】
後カバーの形状は変更可能である。後カバーは電源コードの一部分が収容される凹部を有しておらず、後壁部が平板状をなしていてもよい。後カバーの下端部は、接続部材の外周面との距離が確保される場合において直線状に形成されていてもよい。
【0038】
位置決め部の形状、電源コードの位置を決める態様は限定されない。例えば、位置決め部は、一対の壁部によって構成され、一対の壁部の間に電源コードが圧入される態様でもよい。
【0039】
機能部は蓄圧装置及びバルブケースに限定されない。機能部は、給水ホースの一部や便器本体における排水路等であってもよい。便器は、供給される洗浄水の水圧が十分である場合には、蓄圧装置を備えなくてもよい。
【符号の説明】
【0040】
10…便器、11…便器本体、32…蓄圧装置、機能部、33…バルブケース、機能部、35…電源コード、40…後カバー、41…下端部、45,145…位置決め部、48…凹部、135…給水ホース、CP…中央部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11