IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社NTTドコモの特許一覧

<>
  • 特許-判定装置 図1
  • 特許-判定装置 図2
  • 特許-判定装置 図3
  • 特許-判定装置 図4
  • 特許-判定装置 図5
  • 特許-判定装置 図6
  • 特許-判定装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】判定装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0242 20230101AFI20240704BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240704BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20240704BHJP
【FI】
G06Q30/0242
G06Q50/10
G16Y40/60
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020175934
(22)【出願日】2020-10-20
(65)【公開番号】P2022067298
(43)【公開日】2022-05-06
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】泉澤 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】山口 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】勝間田 優樹
(72)【発明者】
【氏名】中村 佑輔
(72)【発明者】
【氏名】山田 曉
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-027488(JP,A)
【文献】特許第6735401(JP,B1)
【文献】特開2019-186695(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16Y 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の目的地への移動を促す促進情報が通知されたユーザの行動履歴を示す履歴情報を取得する取得部と、
前記履歴情報に基づいて、前記ユーザが前記促進情報の通知を受けた通知位置から前記目的地までの前記ユーザの移動態様を判別し、前記移動態様に応じて前記ユーザが前記促進情報の影響を受けたか否かを判定する判定部と、
を備え
前記判定部は、前記移動態様として、前記ユーザが前記通知位置から前記目的地まで寄り道することなく移動したか否かを判別し、前記ユーザが前記通知位置から前記目的地まで寄り道することなく移動した場合に、前記ユーザが前記促進情報の影響を受けたと判定し、
前記履歴情報は、前記ユーザが所持する携帯端末が接続したアクセスポイントの履歴を示す情報であり、
前記判定部は、前記通知位置から前記目的地までに前記携帯端末が接続した前記アクセスポイントの接続数に応じて、前記ユーザが前記通知位置から前記目的地まで寄り道することなく移動したか否かを判別する、判定装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記接続数が第1閾値よりも小さい場合に、前記ユーザが前記通知位置から前記目的地まで寄り道することなく移動したと判別する、請求項に記載の判定装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記通知位置と前記目的地との距離が大きいほど、前記第1閾値を大きい値に設定する、請求項に記載の判定装置。
【請求項4】
所定の目的地への移動を促す促進情報が通知されたユーザの行動履歴を示す履歴情報を取得する取得部と、
前記履歴情報に基づいて、前記ユーザが前記促進情報の通知を受けた通知位置から前記目的地までの前記ユーザの移動態様を判別し、前記移動態様に応じて前記ユーザが前記促進情報の影響を受けたか否かを判定する判定部と、
を備え
前記判定部は、前記移動態様として、前記ユーザが前記通知位置から前記目的地まで寄り道することなく移動したか否かを判別し、前記ユーザが前記通知位置から前記目的地まで寄り道することなく移動した場合に、前記ユーザが前記促進情報の影響を受けたと判定し、
前記履歴情報は、前記ユーザが所持する携帯端末がアクセスポイントへの接続を開始した時刻を示す開始時刻情報を含み、
前記判定部は、前記ユーザに前記促進情報が通知された時刻から、前記目的地に設けられている前記アクセスポイントへの接続を開始した時刻までの経過時間に応じて、前記ユーザが前記通知位置から前記目的地まで寄り道することなく移動したか否かを判別する、判定装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記経過時間が第2閾値よりも小さい場合に、前記ユーザが前記通知位置から前記目的地まで寄り道することなく移動したと判別する、請求項に記載の判定装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記通知位置と前記目的地との距離が大きいほど、前記第2閾値を大きい値に設定する、請求項に記載の判定装置。
【請求項7】
前記促進情報の影響を受けたユーザのユーザ情報を収集する収集部を更に備える、請求項1~請求項のいずれか一項に記載の判定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルサイネージ等を介して、ユーザの行動変容を促すための情報を配信する配信システムが知られている。例えば、特許文献1には、情報端末が所定のアクセスポイントに接続すると、別のアクセスポイントが設置された場所(店舗等)への訪問を促す訪問促進情報を情報端末に配信し、情報端末の接続情報に基づいて、訪問促進情報の効果を評価する配信システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-119280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の配信システムにおいては、訪問促進情報に対応するアクセスポイントに情報端末が接続したことにより、訪問促進情報が訪問を促す場所に当該情報端末を保有するユーザが訪問したと判断される。しかしながら、実際に訪問したユーザの中には、訪問するつもりはなかったが訪問促進情報によって行動を変容させたユーザもいれば、訪問促進情報の影響を受けずにたまたま訪問したユーザもいる。したがって、行動変容の判定手法には改善の余地がある。
【0005】
本開示は、行動変容の判定精度を向上させることが可能な判定装置を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る判定装置は、所定の目的地への移動を促す促進情報が通知されたユーザの行動履歴を示す履歴情報を取得する取得部と、履歴情報に基づいて、ユーザが促進情報の通知を受けた通知位置から目的地までのユーザの移動態様を判別し、移動態様に応じてユーザが促進情報の影響を受けたか否かを判定する判定部と、を備える。
【0007】
この判定装置においては、通知位置から目的地までのユーザの移動態様に応じて、ユーザが促進情報の影響を受けたか否かが判定される。例えば、寄り道することなく通知位置から目的地に移動したユーザは、促進情報の影響を受けたと考えることができる。一方、途中で他の場所に立ち寄ってから目的地に移動したユーザは、促進情報の影響を受けてないと考えることができる。したがって、上記移動態様に応じてユーザが促進情報の影響を受けたか否かを判定することにより、目的地に移動したユーザのうち、促進情報の影響を受けたユーザを特定することができる。その結果、行動変容の判定精度を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、行動変容の判定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る判定装置を含む配信システムの概略構成図である。
図2図2は、図1に示される通信管理装置に格納されている接続情報の一例を示す図である。
図3図3は、図1に示されるユーザ情報DB(database)に格納されているユーザ情報の一例を示す図である。
図4図4は、図1に示される判定装置の機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、図1に示される判定装置が行う判定方法の一連の処理を示すフローチャートである。
図6図6は、図5に示される判定処理を詳細に示すフローチャートである。
図7図7は、図1に示される判定装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1図3を参照して、一実施形態に係る判定装置を含む配信システムの構成を説明する。図1は、一実施形態に係る判定装置を含む配信システムの概略構成図である。図2は、図1に示される通信管理装置に格納されている接続情報の一例を示す図である。図3は、図1に示されるユーザ情報DB(database)に格納されているユーザ情報の一例を示す図である。図1に示される配信システム1は、後述の促進情報を配信し、ユーザに所定の目的地へ移動することを促すシステムである。促進情報は、所定の目的地への移動を促すための情報である。
【0012】
配信システム1は、1以上の携帯端末2と、デジタルサイネージ3と、複数のアクセスポイント4と、通信管理装置5と、ユーザ情報DB6と、判定装置10と、を含む。携帯端末2、及びデジタルサイネージ3は、アクセスポイント4を介してネットワークNWに通信可能に接続される。アクセスポイント4と、通信管理装置5と、ユーザ情報DB6と、判定装置10とは、ネットワークNWを介して互いに通信可能に構成されている。ネットワークNWは、有線及び無線のいずれで構成されてもよい。ネットワークNWの例としては、移動体通信網、インターネット、及びWAN(Wide Area Network)が挙げられる。ネットワークNWは、ローカルネットワークでもよい。
【0013】
携帯端末2は、ユーザによって用いられ、ユーザが携帯可能な通信端末である。携帯端末2の例としては、スマートフォン、タブレット端末、及びスマートウォッチ等のウェアラブル端末が挙げられる。携帯端末2は、アクセスポイント4と無線通信を行う機能を備えている。携帯端末2は、アクセスポイント4に対して無線LAN(Local Area Network)への接続要求を送信し、アクセスポイント4から接続を許可する接続応答を受信すると、アクセスポイント4を介した通信が可能となる。
【0014】
デジタルサイネージ3は、映像及び文字等の情報を表示する表示装置である。デジタルサイネージ3は、例えば、促進情報を表示する。促進情報の例としては、デジタルサイネージ3の周辺施設への訪問を促す情報、及び交通機関の利用を促す情報が挙げられる。促進情報は、例えば、画像及びメッセージを含むコンテンツである。コンテンツに含まれる画像は、静止画像でもよく、動画像でもよい。一例として、デジタルサイネージ3には、「今なら、A店舗が空いています。」、及び「もうすぐ○○行きのバスが発車します。」といったメッセージが表示される。デジタルサイネージ3は、不特定のユーザ(通行人)に視聴されることを想定して設置される。デジタルサイネージ3の設置場所の例としては、デパート等の店内(屋内)、屋外、及び駅等の公共交通施設の構内が挙げられる。
【0015】
アクセスポイント4は、携帯端末2及びデジタルサイネージ3をネットワークNWに通信可能に接続する装置である。アクセスポイント4は、無線LANのアクセスポイントであり、例えば、Wi-Fiアクセスポイントである。1つのアクセスポイント4は、デジタルサイネージ3の近傍に設置されており、デジタルサイネージ3をネットワークNWに通信可能に接続している。アクセスポイント4は、レストラン、カフェ、及びコンビニエンスストアといった店舗、バス及び電車等の公共交通機関、並びに、ホテル等の施設に設置されている。
【0016】
アクセスポイント4は、アクセスポイント4から出力されている電波が届く範囲内に位置する携帯端末2及びデジタルサイネージ3と無線で通信を行う。アクセスポイント4は、携帯端末2から接続要求を受信すると、通信管理装置5に認証要求を送信する。アクセスポイント4は、通信管理装置5から認証要求に対し認証結果を受信すると、接続要求を送信した携帯端末2に認証結果に応じた接続応答を送信する。
【0017】
通信管理装置5は、無線通信を管理する装置である。通信管理装置5は、例えば、RADIUS(Remote Authentication Dial-In User Service)サーバ等の認証サーバである。通信管理装置5は、アクセスポイント4から認証要求を受信すると、接続要求を行った携帯端末2の認証を行う。通信管理装置5は、認証可否を示す認証結果をアクセスポイント4に送信する。通信管理装置5は、各携帯端末2の接続情報を管理テーブルで管理している。接続情報は、各携帯端末2の接続履歴を示す情報である。
【0018】
図2に示されるように、接続情報は、端末ID(identifier)と、接続先アクセスポイント情報(以下、「接続先AP情報」という。)と、接続開始時刻情報(開始時刻情報)と、接続終了時刻情報と、接続時間情報と、を含む。端末IDは、携帯端末2を一意に識別可能な識別情報である。接続先AP情報は、端末IDによって識別される携帯端末2が接続したアクセスポイント4を示す情報である。接続開始時刻情報は、端末IDによって識別される携帯端末2が、接続先AP情報によって示されるアクセスポイント4への接続を開始した時刻(接続開始時刻)を示す情報である。言い換えると、接続開始時刻は、端末IDによって識別される携帯端末2が、接続先AP情報によって示されるアクセスポイント4を介した通信を開始した時刻である。
【0019】
接続終了時刻情報は、端末IDによって識別される携帯端末2が、接続先AP情報によって示されるアクセスポイント4への接続を終了した時刻(接続終了時刻)を示す情報である。言い換えると、接続終了時刻は、端末IDによって識別される携帯端末2が、接続先AP情報によって示されるアクセスポイント4を介した通信を終了した時刻である。接続時間情報は、端末IDによって識別される携帯端末2が、接続先AP情報によって示されるアクセスポイント4に接続していた時間(接続時間)である。言い換えると、接続時間は、端末IDによって識別される携帯端末2が、接続先AP情報によって示されるアクセスポイント4を介した通信を行っていた時間であり、接続開始時刻から接続終了時刻までの時間である。
【0020】
通信管理装置5は、携帯端末2の認証を行い、接続を許可する認証結果をアクセスポイント4に送信する際に、当該携帯端末2を識別する端末IDと、アクセスポイント4を示す接続先AP情報と、接続開始時刻情報と、を含む新たなレコードを管理テーブルに追加する。接続開始時刻は、例えば、認証結果をアクセスポイント4に送信した時刻である。通信管理装置5は、アクセスポイント4又は不図示のWLC(Wireless LAN Controller)等から当該携帯端末2との通信(接続)が終了した旨の通知を受信すると、当該レコードの接続終了時刻情報及び接続時間情報を設定する。接続終了時刻は、例えば、上記通知を受信した時刻である。
【0021】
ユーザ情報DB6は、各ユーザのユーザ情報(プロファイル情報)を格納するデータベースである。ユーザ情報は、ユーザに関する情報である。図3に示されるように、ユーザ情報は、例えば、ユーザIDと、端末IDと、性別と、年代(年齢)と、居住地と、サービス利用回数と、を含む。ユーザIDは、ユーザを一意に識別可能な情報である。端末IDは、ユーザIDによって識別されるユーザが所持(使用)している携帯端末2を示す。サービス利用回数は、例えば、所定のサービスを利用した回数を示す。サービス利用回数は、1月当たりの利用回数でもよい。ユーザ情報は、図3に示される情報をすべて含んでいなくてもよく、更に他の情報を含んでいてもよい。ユーザ情報は、例えば、ユーザによって予め設定されている。
【0022】
判定装置10は、携帯端末2を所持するユーザが、促進情報の影響を受けて行動変容させたか否かを判定する装置である。以下、促進情報の影響を受けて行動変容させたことを、単に「促進情報の影響を受けた」と表現する場合がある。判定装置10は、例えば、サーバ等の情報処理装置によって構成される。
【0023】
図4を参照して、判定装置10の機能構成を説明する。図4は、図1に示される判定装置の機能構成を示すブロック図である。図4に示されるように、判定装置10は、機能的には、配信部11と、取得部12と、判定部13と、収集部14と、出力部15と、を備えている。後述の判定方法の説明において、各機能部の機能(動作)を詳細に説明するので、ここでは各機能部の機能を簡単に説明する。
【0024】
配信部11は、促進情報を配信する機能部である。促進情報は、例えば、管理者によって設定される。配信部11は、デジタルサイネージ3又は所定のユーザが所持する携帯端末2に促進情報を配信する。
【0025】
取得部12は、履歴情報を取得する機能部である。履歴情報は、促進情報の通知を受けたユーザの行動履歴を示す情報である。取得部12は、促進情報の通知を受けたユーザが所持する携帯端末2の接続情報を履歴情報として通信管理装置5から取得する。
【0026】
判定部13は、ユーザが促進情報の影響を受けたか否かを判定する機能部である。具体的には、判定部13は、履歴情報に基づいて、通知位置から目的地までのユーザの移動態様を判別し、移動態様に応じてユーザが促進情報の影響を受けたか否かを判定する。通知位置は、ユーザが促進情報の通知を受けた位置である。判定部13は、例えば、移動態様として、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かを判別する。判定部13は、例えば、通知位置から目的地までに携帯端末2が接続したアクセスポイント4の数に応じて、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かを判別する。判定部13は、通知位置から目的地までの移動に要した時間に応じて、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かを判別してもよい。
【0027】
判定部13は、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく(最短経路で)移動した場合に、ユーザが促進情報の影響を受けて目的地に移動したと判定する。判定部13は、ユーザが途中で寄り道をして通知位置から目的地まで移動した場合に、ユーザが促進情報の影響を受けることなく目的地に移動したと判定する。
【0028】
収集部14は、促進情報の影響を受けたユーザのユーザ情報を収集する機能部である。収集部14は、ユーザ情報DB6に格納されているユーザ情報の中から、促進情報の影響を受けたユーザのユーザ情報を取得する。
【0029】
出力部15は、促進情報の影響を受けたユーザのユーザ情報を出力する機能部である。出力部15は、例えば、外部のサーバに上記ユーザ情報を出力する。
【0030】
次に、図5及び図6を参照して、判定装置10が行う判定方法を説明する。図5は、図1に示される判定装置が行う判定方法の一連の処理を示すフローチャートである。図6は、図5に示される判定処理を詳細に示すフローチャートである。図5に示される一連の処理は、ユーザを所望の目的地に移動させたい場合に開始される。図5に示される一連の処理は、予め定められたタイミングで開始されてもよい。
【0031】
図5に示されるように、まず、配信部11が促進情報を配信する(ステップS11)。配信部11は、例えば、デジタルサイネージ3に促進情報を配信する。そして、デジタルサイネージ3は、促進情報を受信すると促進情報を表示する。配信部11は、特定の携帯端末2に促進情報を配信してもよい。さらに、配信部11は、促進情報を識別可能な識別情報を収集部14に出力する。
【0032】
続いて、取得部12は、促進情報の通知を受けた(促進情報が配信された)ユーザの履歴情報を取得する(ステップS12)。ステップS11においてデジタルサイネージ3に促進情報が配信された場合には、デジタルサイネージ3に促進情報が表示されている間に、デジタルサイネージ3のアクセスポイント4に接続した携帯端末2を所持するユーザは、促進情報の通知を受けたとみなされる。デジタルサイネージ3に促進情報が表示されている間にデジタルサイネージ3のアクセスポイント4に接続した携帯端末2のうち、デジタルサイネージ3のアクセスポイント4への接続時間が予め定められた時間以上である携帯端末2を所持するユーザが、促進情報の通知を受けたとみなされてもよい。ステップS11において特定の携帯端末2に促進情報が配信された場合には、当該携帯端末2を所持するユーザは、促進情報の通知を受けたとみなされる。
【0033】
取得部12は、例えば、促進情報の通知を受けたとみなされたユーザが所持する携帯端末2の接続情報を履歴情報として通信管理装置5から取得する。取得部12は、促進情報の通知を受けたとみなされたユーザが所持する携帯端末2の接続情報のうち、促進情報が通知された時点以降のレコードを履歴情報として取得してもよい。そして、取得部12は、履歴情報を判定部13に出力する。
【0034】
続いて、判定部13は、取得部12から履歴情報を受け取ると、ユーザが促進情報の影響を受けたか否かを判定する判定処理を行う(ステップS13)。ステップS13の判定処理においては、図6に示されるように、まず判定部13が、ユーザが目的地に移動したか否かを判定する(ステップS31)。ユーザが目的地に移動した場合には、ユーザが所持する携帯端末2は、目的地に設置されているアクセスポイント4(以下、「目的地アクセスポイント」と称する場合がある。)に接続したと考えられる。そこで、判定部13は、目的地アクセスポイントへの接続を示すレコードが履歴情報に含まれているか否かによって、ユーザが目的地に移動したか否かを判定する。
【0035】
目的地アクセスポイントへの接続を示すレコードが履歴情報に含まれている場合、判定部13は、ユーザが目的地に移動したと判定し(ステップS31;YES)、ユーザの移動態様を判別する(ステップS32)。具体的には、判定部13は、移動態様として、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かを判別する。
【0036】
判定部13は、例えば、通知位置から目的地までにユーザが所持する携帯端末2が接続したアクセスポイント4の数(以下、「接続数」という。)に応じて、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かを判別する。ステップS11においてデジタルサイネージ3に促進情報が配信された場合には、判定部13は、履歴情報に基づいて、携帯端末2がデジタルサイネージ3のアクセスポイント4に接続されてから、目的地アクセスポイントに接続されるまでの間に接続されたアクセスポイント4の数を接続数として算出する。この接続数には、デジタルサイネージ3のアクセスポイント4及び目的地アクセスポイントが含まれていてもよく、含まれていなくてもよい。
【0037】
ステップS11において特定の携帯端末2に促進情報が配信された場合には、判定部13は、履歴情報に基づいて、促進情報が配信されてから、目的地アクセスポイントに接続されるまでの間に接続されたアクセスポイント4の数を接続数として算出する。この接続数には、促進情報が配信されたときに携帯端末2が接続しているアクセスポイント4及び目的地アクセスポイントが含まれていてもよく、含まれていなくてもよい。
【0038】
そして、判定部13は、接続数と第1閾値とを比較し、比較結果に応じてユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かを判別する。第1閾値は、例えば、通知位置から目的地までの最短経路に沿って移動した場合に、携帯端末2が接続するアクセスポイント4の数に基づいて設定される。判定部13は、接続数が第1閾値よりも小さい場合に、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したと判別し(ステップS32;YES)、当該ユーザを促進情報の影響を受けたユーザとして特定する(ステップS33)。ステップS33において、判定部13は、例えば、促進情報の影響を受けたユーザが所持する携帯端末2の端末IDを、当該ユーザを特定するための情報として取得する。
【0039】
一方、判定部13は、接続数が第1閾値よりも大きい場合に、ユーザが途中で寄り道して通知位置から目的地に移動したと判別し(ステップS32;NO)、当該ユーザを促進情報の影響を受けなかった(行動変容させなかった)ユーザとして特定する(ステップS34)。ステップS34において、判定部13は、例えば、促進情報の影響を受けなかったユーザが所持する携帯端末2の端末IDを、当該ユーザを特定するための情報として取得する。接続数が第1閾値と等しい場合には、判定部13は、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したと判別してもよいし、ユーザが途中で寄り道して通知位置から目的地に移動したと判別してもよい。なお、判定部13は、通知位置と目的地との距離が大きいほど、第1閾値を大きい値に設定してもよい。
【0040】
判定部13は、通知位置から目的地までの移動に要した時間(以下、「移動時間」という。)に応じて、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かを判別してもよい。具体的には、判定部13は、ユーザに促進情報が通知された時刻から、ユーザが所持する携帯端末2が目的地アクセスポイントへの接続を開始した時刻までの経過時間を、移動時間として算出してもよい。ユーザに促進情報が通知された時刻は、例えば、促進情報が配信された時刻である。
【0041】
そして、判定部13は、移動時間と第2閾値とを比較し、比較結果に応じてユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かを判別する。第2閾値は、例えば、通知位置から目的地までの最短経路に沿って移動した場合に要する時間に基づいて設定される。判定部13は、移動時間が第2閾値よりも小さい場合に、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したと判別し(ステップS32;YES)、当該ユーザを促進情報の影響を受けたユーザとして特定する(ステップS33)。
【0042】
一方、判定部13は、移動時間が第2閾値よりも大きい場合に、ユーザが途中で寄り道して通知位置から目的地に移動したと判別し(ステップS32;NO)、当該ユーザを促進情報の影響を受けなかったユーザとして特定する(ステップS34)。移動時間が第2閾値と等しい場合には、判定部13は、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したと判別してもよいし、ユーザが途中で寄り道して通知位置から目的地に移動したと判別してもよい。なお、判定部13は、通知位置と目的地との距離が大きいほど、第2閾値を大きい値に設定してもよい。
【0043】
判定部13は、接続数と移動時間とに応じて、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かを判別してもよい。判定部13は、例えば、接続数が第1閾値よりも小さく、かつ、移動時間が第2閾値よりも小さい場合に、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したと判別してもよい。判定部13は、接続数が第1閾値よりも小さいか、移動時間が第2閾値よりも小さい場合に、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したと判別してもよい。
【0044】
ステップS31において、目的地アクセスポイントへの接続を示すレコードが履歴情報に含まれていない場合、判定部13は、ユーザが目的地に移動していないと判定し(ステップS31;NO)、当該ユーザを促進情報の影響を受けなかったユーザとして特定する(ステップS34)。そして、判定部13は、判定結果(促進情報の影響を受けたか否か)とともにユーザを特定するための情報を収集部14に出力する。
【0045】
続いて、収集部14は、配信部11から促進情報の識別情報を受け取り、判定部13から判定結果及びユーザを特定するための情報を受け取ると、促進情報の影響を受けたユーザのユーザ情報を収集する(ステップS14)。例えば、収集部14は、ユーザ情報DB6に格納されているユーザ情報の中から、ステップS13において促進情報の影響を受けたと判定されたユーザが所持する携帯端末2を識別する端末IDを含むユーザ情報を収集する。収集部14は、ユーザ情報DB6に格納されているユーザ情報の中から、促進情報の影響を受けたと判定されたユーザのユーザIDを含むユーザ情報を収集してもよい。なお、収集部14は、促進情報の影響を受けなかったユーザのユーザ情報を収集してもよい。そして、収集部14は、促進情報の識別情報とともにユーザ情報を出力部15に出力する。
【0046】
続いて、出力部15は、促進情報の識別情報及びユーザ情報を出力する(ステップS15)。出力部15は、例えば、促進情報の識別情報及びユーザ情報を外部のサーバに出力する。外部のサーバは、例えば、促進情報の識別情報及びユーザ情報に基づいて、どのようなユーザが行動変容させたかの分析を行う。
【0047】
以上により、判定方法の一連の処理が終了する。なお、ステップS34は、省略されてもよい。
【0048】
以上説明した判定装置10においては、通知位置から目的地までのユーザの移動態様に応じて、ユーザが促進情報の影響を受けたか否かが判定される。例えば、寄り道することなく通知位置から目的地に移動したユーザは、促進情報の影響を受けたと考えることができる。一方、途中で他の場所に立ち寄ってから目的地に移動したユーザは、促進情報の影響を受けてないと考えることができる。したがって、上記移動態様に応じてユーザが促進情報の影響を受けたか否かを判定することにより、目的地に移動したユーザのうち、促進情報の影響を受けたユーザを特定することができる。その結果、行動変容の判定精度を向上させることが可能となる。
【0049】
具体的には、判定部13は、移動態様として、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かを判別し、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動した場合に、ユーザが促進情報の影響を受けたと判定する。この構成によれば、目的地に移動したユーザのうちの、促進情報の影響を受けたユーザを特定することができるので、行動変容の判定精度を向上させることが可能となる。
【0050】
通知位置から目的地までにユーザが所持する携帯端末2が接続したアクセスポイントの数(接続数)が多くなるにつれて、ユーザが他の場所に立ち寄った可能性が高くなる。反対に、接続数が少なくなるにつれて、ユーザが他の場所に立ち寄った可能性は低くなる。したがって、判定部13は、接続数に応じて、当該ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かを判別する。具体的には、判定部13は、接続数が第1閾値よりも小さい場合に、携帯端末2を所持するユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したと判別する。上述のように、接続数によって、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かの移動態様を判別することができるので、第1閾値を適切な値に設定することによって、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かを精度良く判定することが可能となる。
【0051】
ユーザが通知位置から目的地に寄り道することなく移動した場合、ユーザが所持する携帯端末2が接続するアクセスポイント4の数は、通知位置と目的地との間の距離に応じて変化し得る。つまり、通知位置から目的地までの経路に沿って設けられているアクセスポイント4の数は、通知位置と目的地との距離が大きくなるにつれて増加する。これに対し、判定部13は、通知位置と目的地との距離が大きいほど、第1閾値を大きい値に設定する。この構成によれば、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かの判別精度を向上させることができる。その結果、行動変容の判定精度を更に向上させることが可能となる。
【0052】
ユーザに促進情報が通知された時刻から、目的地アクセスポイントへの接続を開始した時刻までの経過時間が長くなるにつれて、ユーザが他の場所に立ち寄った可能性が高くなる。反対に、上記経過時間が短くなるにつれて、ユーザが他の場所に立ち寄った可能性は低くなる。したがって、判定部13は、上記経過時間に応じて、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かを判別してもよい。具体的には、判定部13は、上記経過時間が第2閾値よりも小さい場合に、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したと判別する。上述のように、経過時間によって、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かの移動態様を判別することができるので、第2閾値を適切な値に設定することによって、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かを精度良く判定することが可能となる。
【0053】
ユーザが通知位置から目的地に寄り道することなく移動した場合、ユーザに促進情報が通知されてから目的地に到着するまでの時間は、通知位置と目的地との間の距離に応じて変化し得る。つまり、上記時間は、通知位置と目的地との距離が大きくなるにつれて増加する。これに対し、判定部13は、通知位置と目的地との距離が大きいほど、第2閾値を大きい値に設定する。この構成によれば、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かの判別精度を向上させることができる。その結果、行動変容の判定精度を更に向上させることが可能となる。
【0054】
判定装置10は、収集部14を備えている。この構成によれば、アンケート等を行うことなく、促進情報の影響を受けたユーザのユーザ情報、及び促進情報の影響を受けなかったユーザのユーザ情報を効率的に収集することができる。
【0055】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されない。
【0056】
判定装置10は、物理的又は論理的に結合した1つの装置によって構成されていてもよく、互いに物理的又は論理的に分離している複数の装置によって構成されてもよい。例えば、判定装置10は、クラウドコンピューティングのようにネットワーク上に分散された複数のコンピュータによって実現されてもよい。以上のように、判定装置10の構成は、判定装置10の機能を実現し得るいかなる構成をも含み得る。
【0057】
通信管理装置5、ユーザ情報DB6、及び判定装置10のうちの少なくとも2つは、一体に構成されていてもよい。
【0058】
外部の配信サーバ等によって促進情報が配信されてもよい。この場合、判定装置10は、配信部11を備えていなくてもよい。出力部15は、判定部13による判定結果を外部のサーバ等に出力してもよい。この場合、判定装置10は、収集部14を備えていなくてもよい。判定装置10は、判定部13による判定結果又は収集部14によって収集されたユーザ情報を内部のメモリに格納してもよい。この場合、判定装置10は、出力部15を備えていなくてもよい。
【0059】
判定部13は、携帯端末2がデジタルサイネージ3のアクセスポイント4に接続されてから、目的地アクセスポイントに接続されるまでの間に接続されたアクセスポイント4の順序に応じて、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かを判別してもよい。例えば、判定部13は、上記順序と、予め定められたアクセスポイント4の順序との類似度を算出し、類似度が予め設定された類似閾値よりも大きい場合に、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したと判別してもよい。なお、判定部13は、接続数、移動時間、及び類似度の2つ以上を組み合わせて、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かを判別してもよい。
【0060】
通知位置から目的地までにユーザが所持する携帯端末2が接続したアクセスポイントの数(接続数)に応じて、当該ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かが判別される場合、履歴情報は、ユーザが所持する携帯端末2が接続したアクセスポイントの履歴を示す情報であればよく、接続開始時刻情報、接続終了時刻情報、及び接続時間情報の少なくともいずれかを含まなくてもよい。
【0061】
通知位置から目的地までの移動時間に応じて、ユーザが通知位置から目的地まで寄り道することなく移動したか否かが判別される場合、履歴情報は、接続開始時刻情報を含んでいればよく、接続終了時刻情報及び接続時間情報を含まなくてもよい。
【0062】
履歴情報は、接続情報に限られず、ユーザが所持する携帯端末2の位置情報の履歴を示す情報であってもよい。
【0063】
第1閾値及び第2閾値は、予め定められた固定値であってもよい。第1閾値及び第2閾値は、判定装置10の管理者によって設定されてもよい。
【0064】
なお、上記実施形態の説明に用いられたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0065】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、及び割り振り(assigning)などがあるが、これらの機能に限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)又は送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0066】
例えば、本開示の一実施形態における判定装置10は、本開示の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図7は、本開示の一実施形態に係る判定装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の判定装置10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0067】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、及びユニットなどに読み替えることができる。判定装置10のハードウェア構成は、図に示された各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0068】
判定装置10における各機能は、プロセッサ1001及びメモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0069】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、及びレジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の判定装置10の各機能は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0070】
プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、及びデータなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明された動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、判定装置10の各機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0071】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、及びRAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、又はメインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る判定方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0072】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、及び磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバ、その他の適切な媒体であってもよい。
【0073】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、又は通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の配信部11、取得部12、収集部14、及び出力部15などは、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0074】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0075】
プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0076】
判定装置10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0077】
情報の通知は、本開示において説明された態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。
【0078】
本開示において説明された各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明された方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示された特定の順序に限定されない。
【0079】
情報等は、上位レイヤから下位レイヤへ、又は下位レイヤから上位レイヤへ出力され得る。情報等は、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0080】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理されてもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0081】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0082】
本開示において説明された各態様/実施形態は単独で用いられてもよいし、組み合わせて用いられてもよいし、実行に伴って切り替えて用いられてもよい。所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗黙的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって)行われてもよい。
【0083】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明された実施形態に限定されないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施されることができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に対して何ら制限的な意味を有しない。
【0084】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0085】
ソフトウェア、命令、及び情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0086】
本開示において説明された情報、及び信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0087】
なお、本開示において説明された用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えられてもよい。
【0088】
本開示において使用される「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0089】
本開示において説明された情報、及びパラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0090】
上述したパラメータに使用される名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示した数式等と異なる場合もある。
【0091】
本開示で使用される「判断(determining)」、及び「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、又は「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0092】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的に行われてもよく、論理的に行われてもよく、或いはこれらの組み合わせで実現されてもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用される場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0093】
本開示において使用される「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0094】
本開示において使用される「第1の」、及び「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、及び何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことのいずれも意味しない。
【0095】
上記の各装置の構成における「部」は、「回路」、又は「デバイス」等に置き換えられてもよい。
【0096】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0097】
本開示において、例えば、英語での「a」,「an」及び「the」のように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0098】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、及び「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1…配信システム、2…携帯端末、3…デジタルサイネージ、4…アクセスポイント、5…通信管理装置、6…ユーザ情報DB、10…判定装置、11…配信部、12…取得部、13…判定部、14…収集部、15…出力部、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…ストレージ、1004…通信装置、1005…入力装置、1006…出力装置、1007…バス、NW…ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7