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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】衛生洗浄装置及び便器装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
E03D9/08 Z
E03D9/08 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020179493
(22)【出願日】2020-10-27
(65)【公開番号】P2022070431
(43)【公開日】2022-05-13
【審査請求日】2023-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 佑司
(72)【発明者】
【氏名】冨田 勝紀
(72)【発明者】
【氏名】山本 健太郎
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-083087(JP,A)
【文献】特開2020-122284(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03540133(EP,A1)
【文献】特開2017-014703(JP,A)
【文献】特開2017-066636(JP,A)
【文献】特開2019-196644(JP,A)
【文献】特開2013-028902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/00 - 9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器の後部に配置される機能部に設けられ人体洗浄機能を有する衛生洗浄装置であって、
格納位置と進出位置とに進退可能に構成される洗浄ノズルと、
前記洗浄ノズルよりも左右方向の外側の位置において前記機能部の前側に形成される開放部分を開閉するシャッター部と、
前記シャッター部の裏面を洗浄するシャッター裏面洗浄部と、を備え
前記シャッター裏面洗浄部は、複数の吐水口を有し、
前記複数の吐水口は、前記シャッター部の左右方向の中央側における裏面を洗浄する中央側吐水口と、前記シャッター部の左右方向の両方の外側における裏面を洗浄する外側吐水口と、を有する、衛生洗浄装置。
【請求項2】
前記シャッター部の後方に配置される温風乾燥装置を備える、請求項に記載の衛生洗浄装置。
【請求項3】
前記シャッター裏面洗浄部は、前記洗浄ノズルが格納位置に位置し、前記シャッター部が閉じた場合に、前記シャッター部の裏面を洗浄する、請求項1又は2に記載の衛生洗浄装置。
【請求項4】
便器と、
前記便器の後部に配置されベース部材を有する機能部と、
請求項1~のいずれかに記載の衛生洗浄装置と、を備え、
前記ベース部材は、閉位置に位置した前記シャッター部の裏面に向けて前記シャッター裏面洗浄部が洗浄水を吐水することで、前記シャッター部の裏面に当たった洗浄水を溜めることが可能なベース凹部を有する、便器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、衛生洗浄装置及びこれを備えた便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、進退可能な洗浄ノズルと、洗浄ノズルの前方側開口を開閉するシャッター部と、を備える衛生洗浄装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の衛生洗浄装置は、可動する洗浄ノズルを用いて、洗浄ノズルの進出時に、洗浄ノズルの吐水口から吐水される洗浄水により、使用者の局部を洗浄する動作を行い、洗浄ノズルの格納時に、洗浄ノズルの吐水口から吐水される洗浄水により、シャッター部の裏面を洗浄する動作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-28902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の衛生洗浄装置においては、洗浄ノズルから吐水される洗浄水によりシャッター部の裏面を洗浄するため、シャッター部の裏面の左右方向において、洗浄ノズルが配置される部分以外の洗浄を行うことができない。シャッター部の裏面における洗浄ノズルが配置される以外の部分を洗浄できることが求められている。
【0005】
本開示は、洗浄ノズルの前方側開口部を開閉可能なシャッター部を備え、シャッター部の裏面における洗浄ノズルが配置される以外の部分の洗浄を容易に行うことができる衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、便器の後部に配置される機能部に設けられ人体洗浄機能を有する衛生洗浄装置であって、格納位置と進出位置とに進退可能に構成される洗浄ノズルと、前記洗浄ノズルよりも左右方向の外側の位置において前記機能部の前側に形成される開放部分を開閉するシャッター部と、前記シャッター部の裏面を洗浄するシャッター裏面洗浄部と、を備える、衛生洗浄装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る便器装置の斜視図である。
図2】機能部を正面側から見た図である。
図3】シャッター裏面洗浄部を示す正面図である。
図4】シャッター裏面洗浄部を正面側から見た斜視図である。
図5】シャッター裏面洗浄部を斜め下方側から見た斜視図である。
図6】洗浄ノズルが進出位置に位置する場合を示す斜視図である。
図7】洗浄ノズルが進出位置に位置する場合を示す正面図である。
図8】衛生洗浄装置の洗浄水回路を示す図である。
図9図3のA-A線断面図である。
図10図3のB-B線断面図である。
図11】洗浄ノズルが進出位置に位置する場合のシャッター裏面中央側洗浄部との位置関係を示す断面図である。
図12図3のC-C線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
便器装置1の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明において、便座(図示省略)に着座した使用者から見た場合の前後の向きを前後方向Yとする。便座に着座した使用者から見た場合の左右の向きを左右方向Xとする。便器2が設置される床面に対する鉛直方向に沿う上下の向きを上下方向Zとする。図9図10図12に示す断面は、図3に示すA-A線~C-C線それぞれにおいて、前後方向Y及び上下方向Zに沿って切断した断面を、左右方向Xに見た断面である。
【0009】
図1に示すように、本実施形態に係る便器装置1は、便器2と、便座(図示省略)と、便蓋3と、機能部4と、を備える。便器2は、上方に向けて開口して形成される。便器2は、例えば陶器製及び樹脂製の何れかである。便座(図示省略)及び便蓋3は、便器2の上方において、便器2に対して回転可能に取り付けられる。
【0010】
便器2は、図1及び図2に示すように、便鉢21と、上面部22と、便器凹部23と、外周壁部24と、を有する。便鉢21は、便器2の前側に配置される。便鉢21は、上部に開口211を有する。外周壁部24は、便鉢21の外面や配管等の外側を囲む。
【0011】
便器凹部23は、便鉢21の開口211の後部側の周縁に沿って配置され、上面部22の上面から凹んで形成される。便器凹部23は、図2に示すように、底面231と、一対の側壁232と、後壁233(図9図10図12参照)と、を有する。本実施形態においては、便器2の上面部22の上面も、便器2の便器凹部23の底面231も、便器2の上面である。
【0012】
機能部4は、図1に示すように、便器2の後部に配置される。機能部4は、便器2において、後側の大部分が便器2の上面部22の後側の部分に配置された状態で、前側の一部が便器凹部23の上部及び便鉢21の後方側の上方に配置される。機能部4は、機能部凸部42を有する。機能部凸部42は、機能部4の前側において、機能部4の下方に突出して形成される。機能部凸部42は、便器2における便器凹部23以外の上面部22に機能部4が設置された場合に、便器2の便器凹部23に配置される。
【0013】
機能部4は、少なくとも、使用者の局部を洗浄する衛生洗浄装置5を含んで構成される。機能部4は、図1及び図2に示すように、衛生洗浄装置5を含んで構成される機能部品と、ベースプレート41(ベース部材)と、機能部の外形を覆うカバー部材411と、を備える。ベースプレート41には、機能部4の機能部品の少なくとも一部が配置される。
【0014】
機能部品は、各種機能や他の部材との位置関係などを考慮して、ベースプレート41やその他の設置位置に設置される。機能部品は、例えば、便座(図示省略)の保温装置や、洗浄タンクを備えた便器洗浄装置や、使用者の局部を洗浄する衛生洗浄装置5(図3参照)や、ホースや、電源ユニットや、制御回路基板や、便座及び便蓋3を電動で開閉させる電動開閉ユニットや、バルブユニットや、各種配管等である。
【0015】
衛生洗浄装置5は、人体洗浄機能を有し、図3図5に示すように、進退可能な一対の洗浄ノズル51と、洗浄ノズル51の前方側開口を開閉するシャッター部52と、ノズル洗浄部53と、シャッター洗浄機構6と、温風乾燥装置54と、洗浄制御部55(図8参照)と、を有する。図4及び図5では、シャッター部52の図示を省略している。
【0016】
一対の洗浄ノズル51は、機能部4の前側における左右方向Xの中央において、左右方向Xに離れて配置される。一対の洗浄ノズル51は、それぞれ、人体の局部を洗浄する肛門洗浄やビデ洗浄に用いられる。洗浄ノズル51は、先端側の上部に設けられたノズル吐水口51a(図6参照)により人体に向けて洗浄水を吐水する。
【0017】
一対の洗浄ノズル51は、それぞれ、図3図5に示す格納位置と、図6及び図7に示す進出位置と、に進退可能である。洗浄ノズル51の格納位置は、洗浄ノズル51をシャッター部52の内部側に格納する位置である。洗浄ノズル51の進出位置は、使用者の局部を洗浄するために前方側に進出した位置である。洗浄ノズル51の裏側には、図6及び図7に示すように、ノズル駆動機構511のラック512が設けられている。
【0018】
ノズル駆動機構511は、図6及び図7に示すように、長尺状のラック512と、ピニオン(図示省略)と、モータ(図示省略)と、を備える。ピニオンは、ラック512に噛み合っており、モータの駆動により回転される。洗浄ノズル51は、ノズル駆動機構511によって斜め下方に進出することで、その先端が、シャッター部52の裏面(内面)を押すように構成される。
【0019】
シャッター部52は、機能部凸部42の前側において、左右方向Xの中央に配置される。シャッター部52は、便器2の左右方向X(横方向)に延びる板状に形成される。シャッター部52は、閉位置に位置する場合に、前側から後側に向かうに従って下る下り傾斜の平面状に形成される(図9等参照)。
【0020】
シャッター部52は、図6に示すように、機能部4の前側に配置された機能部前面枠43の上部枠431に設けられた左右方向Xに延びる回転軸を中心に回転可能に構成される。機能部前面枠43は、ベースプレート41に固定される。機能部前面枠43には、洗浄ノズル51の前方開口部を構成する開口部432(前方開口部)が形成される。開口部432は、機能部4の前側に形成される開放部分である。
【0021】
シャッター部52は、洗浄ノズル51が進退することにより、裏面が洗浄ノズル51に押されることで、洗浄ノズル51の前方に形成される機能部前面枠43の開口部432を開閉する。シャッター部52は、閉位置に位置する場合に、機能部前面枠43の開口部432に配置される。
【0022】
本実施形態においては、シャッター部52を、一体の部材により構成して、洗浄ノズル51及び温風乾燥装置54(後述)の前方に配置した。しかし、これに限定されない。シャッター部を、別体の2部材(洗浄ノズル51用のシャッター部、温風乾燥装置54用のシャッター部)により構成してもよい。
【0023】
温風乾燥装置54は、図3に示すように、閉位置に位置するシャッター部52の後方において、左右方向Xの一方側の外側に配置される。温風乾燥装置54は、温風吹出口541を有する。温風吹出口541は、機能部前面枠43の開口部432の後方において、上方に向けて開口して形成される。温風乾燥装置54は、例えば、衛生洗浄装置5の洗浄動作後の所定のタイミングにおいて、シャッター部52が開いている状態で温風吹出口541から人体に向けて温風を送風したり、シャッター部52の閉じている状態で洗浄後のシャッター部52の裏面に温風を送風したりして水滴を吹き飛ばすことができる。
【0024】
衛生洗浄装置5は、図8に示すように、シャッター部52の表面側及び裏面側を洗浄するための洗浄水が流通する洗浄水回路56を有する。洗浄水回路56は、ノズル洗浄部53及びシャッター洗浄機構6に洗浄水を供給する。本実施形態においては、洗浄には、除菌水(銀イオン水、次亜塩素酸)、高温水、泡洗浄などによる洗浄も含まれる。
【0025】
洗浄水回路56は、図8に示すように、衛生洗浄装置5に洗浄水を供給する洗浄水供給流路L1と、シャッター上部側洗浄流路L2と、シャッター裏面中央側洗浄流路L3と、シャッター裏面外側洗浄流路L4と、を有する。洗浄水回路56は、ノズル洗浄部53、シャッター前面洗浄部61、シャッター裏面洗浄部62(シャッター裏面中央側洗浄部63、シャッター裏面外側洗浄部64)、開閉バルブ561a、561b、561cを含んで構成され、衛生洗浄装置5の各洗浄動作を実行する洗浄部を構成する。
【0026】
シャッター上部側洗浄流路L2、シャッター裏面中央側洗浄流路L3及びシャッター裏面外側洗浄流路L4は、洗浄水供給流路L1の下流側において分岐する流路である。シャッター上部側洗浄流路L2、シャッター裏面中央側洗浄流路L3及びシャッター裏面外側洗浄流路L4は、例えば、ゴム製のホースにより構成される。
【0027】
シャッター上部側洗浄流路L2は、上流側の端部が、洗浄水供給流路L1の下流側の端部に接続され、下流側の端部が、シャッター上部貯留部441に接続される。シャッター上部貯留部441は、シャッター前面洗浄部61に供給するための洗浄水を一時的に貯留する。シャッター上部貯留部441は、機能部前面枠43の上部枠431の内部において、左右方向Xに延びる。
【0028】
シャッター上部貯留部441は、機能部前面枠43の上部枠431の下方の前側において、シャッター前面洗浄部61(後述)のスリット吐水口611に連通すると共に、ノズル洗浄部53(後述)の3つのノズル洗浄吐水口531に連通する。シャッター上部貯留部441に貯留された洗浄水は、シャッター前面洗浄部61のスリット吐水口611から吐水されると共に、ノズル洗浄部53の3つのノズル洗浄吐水口531から吐水される。
【0029】
シャッター裏面中央側洗浄流路L3は、上流側の端部が、洗浄水供給流路L1の下流側の端部に接続され、下流側の端部が、シャッター下部中央側貯留部442に接続される。シャッター下部中央側貯留部442は、シャッター裏面中央側洗浄部63に供給するための洗浄水を一時的に貯留する。シャッター下部中央側貯留部442は、機能部4の左右方向Xの中央において、洗浄ノズル51の下方に配置される機能部前面枠43の下部枠433(図4参照)から後部に突出する後部突出部434に形成される。シャッター下部中央側貯留部442は、閉位置に位置するシャッター部52の後部に配置される。
【0030】
シャッター下部中央側貯留部442は、前方側において、シャッター裏面中央側洗浄部63(後述)の複数の下部中央側吐水口631に連通する。シャッター下部中央側貯留部442に貯留された洗浄水は、シャッター裏面中央側洗浄部63の複数の下部中央側吐水口631から吐水される。
【0031】
シャッター裏面外側洗浄流路L4は、上流側の上流側洗浄流路L41と、上流側洗浄流路の下流側端部から分岐する2つの下流側洗浄流路L42と、を有する。2つの下流側洗浄流路L42は、下流側の端部が、左右方向Xに離れて配置される2つのシャッター下部外側貯留部443それぞれに接続される。2つのシャッター下部外側貯留部443は、それぞれ、シャッター下部中央側貯留部442の左右方向Xの外側の一方側及び他方側に配置される。
【0032】
2つのシャッター下部外側貯留部443は、それぞれ、シャッター裏面外側洗浄部64(後述)の複数の下部外側吐水口641と連通する。シャッター下部外側貯留部443に貯留された洗浄水は、シャッター裏面外側洗浄部64の複数の下部外側吐水口641から吐水される。
【0033】
シャッター上部側洗浄流路L2、シャッター裏面中央側洗浄流路L3及びシャッター裏面外側洗浄流路L4の途中には、各流路を開閉する開閉バルブ561a、561b、561cが配置される。洗浄水回路56の回路構成は本実施形態には限定されない。洗浄水回路56は、1つの回路で構成してもよいし、複数の回路に切替弁などを設けて構成してもよい。
【0034】
開閉バルブ561a、561b、561cの開閉動作は、後述する洗浄制御部55により制御される。洗浄制御部55が開閉バルブ561a、561b、561cの開閉動作を制御することにより、ノズル洗浄部53、シャッター前面洗浄部61、シャッター裏面洗浄部62(シャッター裏面中央側洗浄部63、シャッター裏面外側洗浄部64)は、洗浄水を吐水できる。
【0035】
本実施形態においては、ノズル洗浄部53及びシャッター前面洗浄部61に供給される洗浄水は、いずれも、シャッター上部貯留部441に一旦貯留した洗浄水を用いる。シャッター上部貯留部441に貯留された洗浄水は、同じタイミングで、ノズル洗浄部53及びシャッター前面洗浄部61から吐水される。ノズル洗浄部53及びシャッター前面洗浄部61の吐水タイミングと、シャッター裏面中央側洗浄部63の吐水タイミング、シャッター裏面外側洗浄部64の吐水タイミングとは、それぞれ、独立した吐水タイミングとすることができる。本実施形態では、ノズル洗浄部53及びシャッター前面洗浄部61の吐水のタイミングを同じタイミングとした。しかし、これに限定されない。ノズル洗浄部53及びシャッター前面洗浄部61を別々のタイミングで吐水できるように、ノズル洗浄部53及びシャッター前面洗浄部61に洗浄水を供給する流路を、別々の流路で構成して、別々のタイミングで吐水するように制御してもよい。
【0036】
ノズル洗浄部53は、図3及び図5に示すように、シャッター部52の上部側の左右方向Xの中央において、機能部前面枠43の上部枠431の下面に設けられる。ノズル洗浄部53は、3つのノズル洗浄吐水口531を有する。ノズル洗浄部53は、3つのノズル洗浄吐水口531から洗浄水を吐水して、洗浄ノズル51を洗浄する。
【0037】
3つのノズル洗浄吐水口531は、それぞれ、2つの洗浄ノズル51の上方において、下方に向けて開口する。3つのノズル洗浄吐水口531は、機能部前面枠43の上部枠431の下面に、左右方向Xに並んで配置される。ノズル洗浄吐水口531の数は限定されない。
【0038】
3つのノズル洗浄吐水口531は、それぞれ、洗浄水を下方に向けて吐水する。ノズル洗浄吐水口531は、図5及び図9に示すように、導入部531aと、絞り部531bと、拡散部531cと、を有する。機能部前面枠43の上部枠431の内部には、図8及び図9に示すように、左右方向Xに延びるシャッター上部貯留部441が形成される。シャッター上部貯留部441には、シャッター上部側洗浄流路L2を介して、洗浄水が供給される。
【0039】
ノズル洗浄吐水口531の導入部531aには、シャッター上部貯留部441に一旦貯留された洗浄水が導入される。ノズル洗浄吐水口531において、導入部531aに導入された洗浄水は、絞り部531bにより絞られて、絞り部531bに絞られた洗浄水は、拡散部531cにおいて拡散されて、勢いよく下方に吐水される。
【0040】
以上のノズル洗浄部53は、洗浄ノズル51の進出状態において、洗浄ノズル51を洗浄できる。洗浄ノズル51の進出状態には、洗浄ノズル51が局部洗浄動作を実行する進出位置に位置する場合はもちろん、洗浄ノズル51が格納位置から進出位置に移動する途中の状態や、洗浄ノズル51が進出位置から格納位置に戻る途中の状態が含まれる。
【0041】
ノズル洗浄部53の下方には、図3に示すように、シャッター裏面中央側洗浄部63(後述)の下部中央側吐水口631が配置される。これにより、例えば、ノズル洗浄部53は、所定のタイミングにおいて、下方に配置されるシャッター裏面中央側洗浄部63の下部中央側吐水口631に向けて洗浄水を吐水することにより、ノズル洗浄部53から吐水された洗浄水をシャッター裏面中央側洗浄部63の2つの下部中央側吐水口631に直接当てることで、シャッター裏面中央側洗浄部63の2つの下部中央側吐水口631を洗浄できる。ノズル洗浄部53は、所定のタイミングにおいて、例えば、洗浄水を下方に向けて吐水することでベースプレート41に洗浄水を溜めて、ベースプレート41に溜まった洗浄水により、シャッター裏面中央側洗浄部63の2つの下部中央側吐水口631を洗浄することができる。
【0042】
シャッター洗浄機構6は、図4及び図5に示すように、シャッター前面洗浄部61と、シャッター裏面洗浄部62と、を備える。
【0043】
シャッター前面洗浄部61は、図5及び図9に示すように、シャッター部52の前面側を洗浄する。シャッター前面洗浄部61は、シャッター部52を閉じた状態で、シャッター部52の前面の上方側からシャッター部52の前面に沿って洗浄水を吐水する。シャッター前面洗浄部61は、左右方向Xに延びるスリット状のスリット吐水口611を有する。
【0044】
スリット吐水口611は、シャッター部52の上部側の左右方向Xの中央において、機能部前面枠43の上部枠431の下部に設けられる。スリット吐水口611は、下方に向けてスリット状に開口する。スリット吐水口611は、ノズル洗浄部53の3つのノズル洗浄吐水口531よりも前側におけるシャッター部52の上部において、シャッター部52の左右方向Xに延びる。
【0045】
スリット吐水口611の左右方向Xの長さは、シャッター部52の前面の左右方向Xの領域を洗浄できる長さで形成される。本実施形態においては、例えば、スリット吐水口611の左右方向Xの長さは、シャッター部52の左右方向Xの長さよりも少し短く形成されている。スリット吐水口611の左右方向Xの長さは、これに限定されない。スリット吐水口611の左右方向Xの長さは、シャッター部52の左右方向Xの長さと同程度に形成されていてもよいし、シャッター部52の左右方向Xの長さよりも長く形成されていてもよい。
【0046】
本実施形態においては、シャッター前面洗浄部61を、左右方向Xに延びるスリット状のスリット吐水口611から洗浄水を吐水するように構成した。しかし、これに限定されない。シャッター前面洗浄部61を、左右方向Xに並んで配置される複数の吐水口により構成してもよい。
【0047】
シャッター裏面洗浄部62は、図3に示すように、シャッター裏面中央側洗浄部63(シャッター裏面洗浄部)と、一対のシャッター裏面外側洗浄部64と、を備える。
【0048】
シャッター裏面中央側洗浄部63は、機能部4の前側の下部において、左右方向Xの中央に配置される。シャッター裏面中央側洗浄部63は、シャッター部52の裏面の左右方向Xの中央側を洗浄する。シャッター裏面中央側洗浄部63は、機能部4における可動しない機能部前面枠43(固定部)に設けられる。機能部前面枠43は、ベースプレート41に対して可動せずに、機能部4に固定されている固定部である。
【0049】
シャッター裏面中央側洗浄部63は、図3及び図4に示すように、機能部4の左右方向Xの中央において、洗浄ノズル51の下方に配置される。シャッター裏面中央側洗浄部63は、2つの下部中央側吐水口631を有する。2つの下部中央側吐水口631は、機能部4の左右方向Xの中央において、左右方向Xに離れて配置される。
【0050】
2つの下部中央側吐水口631は、図4及び図10に示すように、それぞれ、2つの洗浄ノズル51のうちの対応する一方の洗浄ノズル51の下方において、前方に向けて開口する。下部中央側吐水口631は、洗浄水を、水平方向に対して、前方における斜め下方に向けて吐水する。これにより、下部中央側吐水口631から吐水される洗浄水が、便器2の外側に飛び出すことを抑制できる。仮にシャッター部52が外れた場合などに、洗浄水が便器2の外側に飛び出すことを抑制できる。下部中央側吐水口631の開口の向きは、限定されない。例えば、下部外側吐水口641は、前方における水平に開口して、洗浄水を水平に吐水してもよい。
【0051】
2つの下部中央側吐水口631は、シャッター部52が閉じた場合に、シャッター部52の左右方向Xの中央側において、シャッター部52の後方に配置される。2つの下部中央側吐水口631は、シャッター部52が開いた場合に、シャッター部52の左右方向Xの中央側において、前方側の外部に露出して、使用者が見やすい位置に配置される。これにより、使用者は、シャッター部52を開くことにより、2つの下部中央側吐水口631を容易に清掃できる。
【0052】
下部中央側吐水口631は、図4及び図10に示すように、導入部631aと、絞り部631bと、拡散部631cと、を有する。機能部4の左右方向Xの中央には、洗浄ノズル51の下方において、図8及び図10に示すように、シャッター下部中央側貯留部442が形成される。シャッター下部中央側貯留部442には、シャッター裏面中央側洗浄流路L3を介して、洗浄水が供給される。
【0053】
下部中央側吐水口631の導入部631aには、シャッター下部中央側貯留部442に一旦貯留された洗浄水が導入される。下部中央側吐水口631において、導入部631aに導入された洗浄水は、絞り部631bにより絞られて、絞り部631bにより絞られた洗浄水は、拡散部631cにおいて拡散されて、勢いよく前方の斜め下方に吐水される。
【0054】
以上のシャッター裏面中央側洗浄部63は、洗浄ノズル51が格納位置に位置してシャッター部52が閉じた場合に、シャッター部52の裏面に向けて洗浄水を吐水する。これに加えて、シャッター裏面中央側洗浄部63は、図11に示すように、洗浄ノズル51の進出状態において、洗浄ノズル51の裏側を洗浄できる。洗浄ノズル51の裏側とは、洗浄ノズル51を便器装置1の前方から見た場合の裏側であって、洗浄ノズル51の後部側を意味する。洗浄ノズル51の裏側を洗浄することには、洗浄ノズル51の裏側の面を洗浄することと、洗浄ノズル51の裏側に設けられた各種部品を洗浄することとが含まれる。本実施形態においては、シャッター裏面中央側洗浄部63は、例えば、洗浄ノズル51の裏側に設けられたラック512を洗浄できる。
【0055】
本実施形態においては、洗浄ノズル51の進出状態には、洗浄ノズル51が局部洗浄動作を実行する進出位置に位置する場合はもちろん、洗浄ノズル51が格納位置から進出位置に移動する途中の状態や、洗浄ノズル51が進出位置から格納位置に戻る途中の状態が含まれる。
【0056】
一対のシャッター裏面外側洗浄部64は、図3及び図4に示すように、機能部4の前側の下部において、シャッター裏面中央側洗浄部63を挟んで、シャッター裏面中央側洗浄部63の左右方向Xの両側に配置される。一対のシャッター裏面外側洗浄部64は、左右方向Xにおいて、シャッター部52の裏面における洗浄ノズル51が配置される部分以外の部分に配置される。本実施形態においては、左右方向Xにおいてシャッター部52の裏面における洗浄ノズル51が配置される部分以外の部分は、シャッター部52の裏面における左右方向Xの外側の部分である。一対のシャッター裏面外側洗浄部64は、洗浄ノズル51よりも左右方向Xの外側の位置において、機能部前面枠43の開口部432を開閉するシャッター部52の一部分の裏面を洗浄する。一対のシャッター裏面外側洗浄部64は、それぞれ、機能部4の可動しない部分に固定される。
【0057】
一対のシャッター裏面外側洗浄部64は、図4及び図5に示すように、それぞれ、2つの下部外側吐水口641を有する。2つの下部外側吐水口641は、機能部4の左右方向Xの中央を挟んだ外側それぞれにおいて、左右方向Xに離れて配置される。
【0058】
2つの下部外側吐水口641は、それぞれ、シャッター部52の後方の左右方向Xの外側において、前方に向けて水平に開口する。下部外側吐水口641は、洗浄水を、前方に吐水する。下部外側吐水口641の開口の向きは、限定されない。下部外側吐水口641は、洗浄水を、水平方向に対して、前方における斜め下方に向けて吐水してもよい。仮にシャッター部52が外れた場合などに、洗浄水が便器2の外側に飛び出すことを抑制できる。
【0059】
2つの下部外側吐水口641は、シャッター部52が閉じた場合に、シャッター部52の左右方向Xの外側において、シャッター部52の後方に配置される。2つの下部外側吐水口641は、シャッター部52が開いた場合に、シャッター部52の左右方向Xの外側において、前方側の外部に露出して、使用者が見やすい位置に配置される。これにより、使用者は、シャッター部52を開くことにより、2つの下部外側吐水口641を容易に清掃できる。
【0060】
下部外側吐水口641は、図4及び図12に示すように、導入部641aと、絞り部641bと、拡散部641cと、を有する。機能部4の左右方向Xの外側において、図8及び図12に示すように、シャッター下部外側貯留部443が形成される。シャッター下部外側貯留部443には、シャッター裏面外側洗浄流路L4を介して、洗浄水が供給される。
【0061】
下部外側吐水口641の導入部641aには、シャッター下部外側貯留部443に一旦貯留された洗浄水が導入される。下部外側吐水口641において、導入部641aに導入された洗浄水は、絞り部641bにより絞られて、絞り部641bにより絞られた洗浄水は、拡散部641cにおいて拡散されて、勢いよく前方に吐水される。
【0062】
以上の一対のシャッター裏面外側洗浄部64は、洗浄ノズル51が格納位置に位置すると共にシャッター部52が閉じた場合に、シャッター部52の裏面の左右方向Xの外側に洗浄水を吐水する。これにより、一対のシャッター裏面外側洗浄部64は、シャッター部52の裏面における左右方向Xの外側の部分を洗浄できる。
【0063】
本実施形態においては、ノズル洗浄部53から吐水された洗浄水をベースプレート41に溜めて、シャッター裏面中央側洗浄部63の2つの下部中央側吐水口631を洗浄することができるとした。しかし、これに限定されない。ノズル洗浄部53から吐水された洗浄水だけでなく、例えば、シャッター洗浄機構6(シャッター前面洗浄部61と、シャッター裏面洗浄部62)から吐水された洗浄水などのいずれかの洗浄水をベースプレート41などに溜めて、ベースプレート41などに溜められた洗浄水により、シャッター裏面中央側洗浄部63の2つの下部中央側吐水口631を洗浄することができる。同様に、例えば、ノズル洗浄部53から吐水された洗浄水やシャッター洗浄機構6(シャッター前面洗浄部61と、シャッター裏面洗浄部62)から吐水された洗浄水などのいずれかの洗浄水をベースプレート41などに溜めて、ベースプレート41などに溜められた洗浄水により、シャッター裏面外側洗浄部64の下部外側吐水口641を洗浄することができる。
【0064】
例えば、一対のシャッター裏面外側洗浄部64は、閉位置に位置したシャッター部52の裏面に向けて洗浄水を吐水することにより、シャッター部52の裏面に当たった洗浄水を、ベースプレート41のベース凹部412(図12参照)に溜めることができる。ベース凹部412は、一時的に洗浄水を溜めることができるだけで、排水可能な構造である。ベース凹部412に入る水量が排出される水量よりも多くなるように構成されることで、ベース凹部412は、洗浄水を一時的に溜めることができる。
【0065】
図12に示すように、ベースプレート41のベース凹部412は、ベースプレート41の前方側において、下部に凹んで形成される。これにより、シャッター裏面外側洗浄部64により吐水される洗浄水を除菌水(銀イオン水、次亜塩素酸)とした場合に、シャッター部52の裏面に当たった除菌水(銀イオン水、次亜塩素酸)を、ベース凹部412に溜めて、ベース凹部412に溜まった除菌水(銀イオン水、次亜塩素酸)により、機能部4の内部や、シャッター裏面外側洗浄部64の下部外側吐水口641を除菌できる。
【0066】
洗浄制御部55は、図8に示すように、衛生洗浄装置5の各洗浄動作を制御する。洗浄制御部55は、衛生洗浄装置5の洗浄に関する制御を実行するように、洗浄水回路56を制御する。洗浄制御部55は、衛生洗浄装置5の各洗浄動作後に、温風を出すように温風乾燥装置54を制御する。
【0067】
洗浄水回路56は、洗浄動作として、例えば、ノズル洗浄部53により洗浄ノズル51を洗浄するノズル上部側洗浄動作と、シャッター前面洗浄部61によりシャッター部52の前面を洗浄するシャッター前面洗浄動作と、シャッター裏面中央側洗浄部63によりシャッター部52の裏面における左右方向Xの中央側の部分を洗浄するシャッター裏面中央側洗浄動作と、シャッター裏面中央側洗浄部63により洗浄ノズル51の裏側を洗浄するノズル裏側洗浄動作と、シャッター裏面外側洗浄部64によりシャッター部52の裏面における左右方向Xの外側の部分を洗浄するシャッター裏面外側洗浄動作と、を実行するように、開閉バルブ561a、561b、561c(洗浄水回路56)を制御する。これにより、洗浄ノズル51及びシャッター部52を洗浄することができる。
【0068】
洗浄制御部55は、ノズル洗浄部53による洗浄ノズル51の局部洗浄動作の実行後(終了後)に、洗浄ノズル51が進出位置から格納位置に移動する途中の進出状態においてノズル上部側洗浄動作及びノズル裏側洗浄動作を実行し、ノズル上部側洗浄動作及びノズル裏側洗浄動作の実行後に、洗浄ノズル51の格納後にシャッター裏面中央側洗浄動作を実行し、その後、シャッター裏面外側洗浄動作を実行するように、開閉バルブ561a、561b、561c(洗浄水回路56)を制御する。これにより、シャッター部52において、左右方向Xの中央から外側に洗浄できるため、汚れが残りにくい順番で洗浄動作を実行できる。
【0069】
ノズル洗浄部53による洗浄ノズル51の局部洗浄動作の終了後に、シャッター裏面中央側洗浄部63によるノズル裏側洗浄動作や、シャッター裏面中央側洗浄部63によるシャッター裏面中央側洗浄動作を実行するため、一番汚れやすいノズル洗浄部53による洗浄ノズル51の局部洗浄動作の終了後に、ノズル裏側洗浄動作やシャッター裏面中央側洗浄動作を実行できる。本実施形態においては、ノズル洗浄部53による洗浄ノズル51の局部洗浄動作の終了後に、ノズル裏側洗浄動作及びシャッター裏面中央側洗浄動作の両方を実行している。しかし、これに限定されない。ノズル洗浄部53による洗浄ノズル51の局部洗浄動作の終了後に、ノズル裏側洗浄動作及びシャッター裏面中央側洗浄動作の何れか一方を実行してもよい。
【0070】
洗浄制御部55は、ノズル上部側洗浄動作とノズル裏側洗浄動作とを同じタイミングで実行するように、開閉バルブ561a、561b、561c(洗浄水回路56)を制御する。これにより、ノズル上部側洗浄動作により洗浄ノズル51の上部を洗浄できると共に、洗浄ノズル51の裏側に回り込んだ汚れもノズル裏側洗浄動作により洗い流すことができるため、ベースプレート41の内部の上面に汚れを残らないようにすることができる。
【0071】
洗浄制御部55は、図8に示すように、汚水の水位の上昇を検知する水位検知センサ45の検知信号に基づいて、洗浄動作を制御できる。水位検知センサ45の実際の図示は省略する。水位検知センサ45は、例えば機能部4の機能部凸部42の下面に設置されることで、水位が上昇した場合に、便器2の詰まりを検知できる。水位検知センサ45を設置する場所や設置する高さは、これに限定されない。水位検知センサ45を設置する場所は、他の場所でもよい。
【0072】
洗浄制御部55は、汚水の水位が上昇して水位検知センサ45により便器2の詰まりが検知された後に、汚水の水位が低下したことが検知された場合に、洗浄動作(ノズル上部側洗浄動作、シャッター前面洗浄動作、シャッター裏面中央側洗浄動作、ノズル裏側洗浄動作、シャッター裏面外側洗浄動作)を実行するように、開閉バルブ561a、561b、561c(洗浄水回路56)を制御する。便器2の詰まりが生じて、便器2の詰まりにより汚水の水位が上昇して機能部4の下部が汚水に浸かってしまっても、便器2の詰まりが解消した場合に、洗浄動作(ノズル上部側洗浄動作、シャッター前面洗浄動作、シャッター裏面中央側洗浄動作、ノズル裏側洗浄動作、シャッター裏面外側洗浄動作)を行うことで、浸水した際の汚れが付着した部位を洗浄することができる。
【0073】
洗浄制御部55は、衛生洗浄装置5の局部洗浄動作中において、シャッター裏面中央側洗浄動作及びシャッター裏面外側洗浄動作を実行するように、開閉バルブ561a、561b、561c(洗浄水回路56)を制御する。これにより、シャッター裏面中央側洗浄部63及びによりシャッター裏面中央側洗浄部63から吐水される洗浄水により、局部洗浄動作による洗浄の際の飛沫がベースプレート41の内部に入り込むことを防止できる。
【0074】
洗浄制御部55は、所定のタイミングにおいて、ノズル洗浄部53から吐水された洗浄水により、シャッター裏面中央側洗浄部63の2つの下部中央側吐水口631を洗浄する動作を実行するように、開閉バルブ561a、561b、561c(洗浄水回路56)を制御する。具体的には、ノズル洗浄部53は、所定のタイミングにおいて、下方に配置されるシャッター裏面中央側洗浄部63の下部中央側吐水口631に向けて洗浄水を吐水することにより、ノズル洗浄部53から吐水された洗浄水をシャッター裏面中央側洗浄部63の2つの下部中央側吐水口631に直接当てることで、シャッター裏面中央側洗浄部63の2つの下部中央側吐水口631を洗浄できる。ノズル洗浄部53は、所定のタイミングにおいて、例えば、洗浄水を下方に向けて吐水することでベースプレート41に洗浄水を溜めて、ベースプレート41に溜まった洗浄水により、シャッター裏面中央側洗浄部63の2つの下部中央側吐水口631を洗浄することができる。
【0075】
洗浄制御部55は、図8に示すように、人体センサ46により便器2の前側に人が立ったことが検知された場合に、洗浄ノズル51を所定距離前進させてシャッター部52を少し押し開いた状態で、シャッター裏洗浄動作(シャッター裏面中央側洗浄動作、シャッター裏面外側洗浄動作)を実行するように開閉バルブ561a、561b、561c(洗浄水回路56)を制御する。これにより、男性が立って便器装置1を使用する場合に、シャッター裏面中央側洗浄部63からの吐水される洗浄水及びシャッター裏面外側洗浄部64から吐水される洗浄水により、尿の飛沫がベースプレート41の内部に浸入することを抑制できる。
【0076】
洗浄制御部55は、洗浄ノズル51が格納位置に位置した状態において、シャッター部52の裏面を洗浄するシャッター裏洗浄動作(シャッター裏面中央側洗浄部63によるシャッター裏面中央側洗浄動作、シャッター裏面外側洗浄部64によるシャッター裏面外側洗浄動作)を実行するように、開閉バルブ561a、561b、561c(洗浄水回路56)を制御する。これにより、洗浄ノズル51が格納位置に位置した状態において、シャッター部52の裏面を洗浄するシャッター裏洗浄動作(シャッター裏面中央側洗浄部63によるシャッター裏面中央側洗浄動作、シャッター裏面外側洗浄部64によるシャッター裏面外側洗浄動作)を実行することで、洗浄時において、洗浄水の飛沫を外に飛び跳ね難くすることができる。
【0077】
洗浄制御部55は、使用者が便器2に着座していない時に、シャッター部52の裏面を洗浄するシャッター裏洗浄動作(シャッター裏面中央側洗浄部63によるシャッター裏面中央側洗浄動作、シャッター裏面外側洗浄部64によるシャッター裏面外側洗浄動作)を実行するように、開閉バルブ561a、561b、561c(洗浄水回路56)を制御する。これにより、使用者が便器2に着座していない時に、シャッター部52の裏面を洗浄するシャッター裏洗浄動作(シャッター裏面中央側洗浄部63によるシャッター裏面中央側洗浄動作、シャッター裏面外側洗浄部64によるシャッター裏面外側洗浄動作)を実行することで、洗浄時において、洗浄水の飛沫を使用者に掛かり難くすることができる。
【0078】
洗浄制御部55は、シャッター裏面洗浄の実行後に、温風を出すように温風乾燥装置54を制御する。これにより、洗浄動作(ノズル上部側洗浄動作、シャッター前面洗浄動作、シャッター裏面中央側洗浄動作、ノズル裏側洗浄動作、シャッター裏面外側洗浄動作)の実行後に、シャッター部52の裏面の水滴を吹き飛ばして除去することができる。
【0079】
以上説明した本実施形態の衛生洗浄装置5によれば、以下のような効果を奏する。
【0080】
本実施形態の衛生洗浄装置5は、便器2の後部に配置される機能部4に設けられ人体洗浄機能を有する衛生洗浄装置5であって、格納位置と進出位置とに進退可能に構成される洗浄ノズル51と、洗浄ノズル51よりも左右方向Xの外側の位置において開口部432を開閉するシャッター部52と、シャッター部52の裏面を洗浄するシャッター裏面外側洗浄部64と、を備える。これにより、シャッター裏面外側洗浄部64により、シャッター部52の左右方向Xにおいて、シャッター部52の裏面の左右方向Xの外側の部分を容易に洗浄することができる。
【0081】
本実施形態においては、シャッター裏面外側洗浄部64は、複数の下部外側吐水口641を有する。そのため、複数の下部外側吐水口641を左右方向に並べて配置することで、シャッター部52の裏面の左右方向の外側において、左右方向の広範囲を洗浄することができる。
【0082】
本実施形態においては、シャッター部52の後方に配置される温風乾燥装置54を備える。これにより、温風乾燥装置54は、例えば、衛生洗浄装置5の洗浄動作後の所定のタイミングにおいて、シャッター部52が開いている状態で温風吹出口541から人体に向けて温風を送風したり、シャッター部52の閉じている状態においてシャッター部52の裏面の洗浄後にシャッター部52の裏面に温風を送風して水滴を吹き飛ばすことができる。
【0083】
本実施形態においては、シャッター裏面外側洗浄部64は、洗浄ノズル51が格納位置に位置すると共にシャッター部52が閉じた場合に、シャッター部52の裏面を洗浄する。これにより、シャッター裏面外側洗浄部64は、洗浄ノズル51及びシャッター部52が停止した状態でシャッター部52の裏面を洗浄できるため、シャッター部52の裏面を容易に洗浄できる。
【0084】
本実施形態においては、便器2と、便器2の後部に配置されベースプレート41を有する機能部4と、衛生洗浄装置5と、を備え、ベースプレート41は、閉位置に位置したシャッター部52の裏面に向けてシャッター裏面外側洗浄部64が洗浄水を吐水することで、シャッター部52の裏面に当たった洗浄水を溜めることが可能なベース凹部412を有する。これにより、シャッター裏面外側洗浄部64により吐水される洗浄水を除菌水(銀イオン水、次亜塩素酸)とした場合に、シャッター部52の裏面に当たった除菌水(銀イオン水、次亜塩素酸)を、ベース凹部412に溜めて、ベース凹部412に溜まった除菌水(銀イオン水、次亜塩素酸)により、機能部4の内部や、シャッター裏面外側洗浄部64の下部外側吐水口641を除菌できる。
【0085】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0086】
例えば、前記実施形態においては、シャッター裏面中央側洗浄部63の複数の下部中央側吐水口631及び一対のシャッター裏面外側洗浄部64の複数の下部外側吐水口641が配置された左右方向Xの位置においては、図10及び図12に示すように、前後方向Yに沿って切断した断面において、便器2の便器凹部23の底面231が、シャッター部52まで延びておらず、シャッター裏面中央側洗浄部63の複数の下部中央側吐水口631及び一対のシャッター裏面外側洗浄部64の複数の下部外側吐水口641まで延びていない。しかし、これに限定されない。
【0087】
例えば、便器2の便器凹部23の底面231の位置を前方に延ばしたり、機能部凸部42の位置を変更したりすることで、シャッター部52の下方に便器2の陶器の部分を配置することができる。これにより、便器2の上面(上面部22の上面、便器凹部23の底面231)の少なくとも一部は、シャッター裏面中央側洗浄部63の下部中央側吐水口631の下方に配置される。この状態で、シャッター部52の表面や裏面を洗浄した場合に、シャッター部52の下部から落下する洗浄水を、便器2の陶器の部分で受けることができる。よって、便器2の陶器の部分で洗浄水を受けることで、洗浄水の落下音を低減できると共に、洗浄水の飛沫を低減できる。
【0088】
前記実施形態においては、シャッター裏面中央側洗浄部63を、機能部前面枠43(固定部)に設けた。しかし、これに限定されない。シャッター裏面中央側洗浄部63を、機能部前面枠43に設けなくてもよく、機能部4における可動しない固定部に設ければよい。機能部4における可動しない固定部としては、例えば、前記実施形態のベースプレート41(ベース部材)でもよい。
【0089】
前記実施形態においては、シャッター部52を一部材で構成した。しかし、これに限定されない。洗浄ノズル51の前側に配置される洗浄ノズル用シャッターとは別体で、洗浄ノズル51の左右方向Xの外側の位置において機能部4の前側の開放部分を開閉するシャッターを設けてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 便器装置、2 便器、4 機能部、5 衛生洗浄装置、41 ベースプレート(ベース部材)、51 洗浄ノズル、52 シャッター部、54 温風乾燥装置、64 シャッター裏面外側洗浄部(シャッター裏面洗浄部)、412 ベース凹部、432 開口部(前方開口部)、641 下部外側吐水口(吐水口)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12