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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】手洗器ユニットの組立セット
(51)【国際特許分類】
   A47K 17/00 20060101AFI20240704BHJP
   E03D 11/00 20060101ALI20240704BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
A47K17/00
E03D11/00 A
E03D9/00 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020184575
(22)【出願日】2020-11-04
(65)【公開番号】P2022074491
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田畑 卓真
(72)【発明者】
【氏名】曽我部 伸雄
(72)【発明者】
【氏名】中村 貴司
(72)【発明者】
【氏名】三輪 正義
(72)【発明者】
【氏名】石田 泰裕
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-160658(JP,A)
【文献】特開2018-108181(JP,A)
【文献】特開平09-276177(JP,A)
【文献】特開平08-322753(JP,A)
【文献】特開2001-299603(JP,A)
【文献】特開2002-223966(JP,A)
【文献】特開2005-264543(JP,A)
【文献】特開2004-089729(JP,A)
【文献】特開2015-097685(JP,A)
【文献】特開平07-222657(JP,A)
【文献】TOTO 住宅&パブリックカタログ 2020,日本,2020年01月,第70-73頁,オンライン,URL<https://www.catalabo.org/iportal/CatalogViewInterfaceStartUpAction.do?method=startUp&mode=PAGE&volumeID=CATALABO&catalogId=65857010000&pageGroupId=36&designID=link&catalogCategoryId=&keyword=>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K13/00-17/02
E03D 1/00-13/00
A47K10/00-10/14
A47K10/18-10/48
A47K 1/00- 1/14
A47K 3/02- 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ室の壁に取り付けられる手洗器ユニットの組立セットであって、
鉢部を備える手洗器本体と、
前記手洗器本体の隣に配置されるカウンタと、
前記手洗器本体の上方に配置されるバックパネルと、
複数種類以上の紙巻器と、を備え、
前記手洗器本体、前記カウンタ、及び、前記バックパネルのうちの1つの部材である第1部材を複数種類備えており、
前記手洗器本体、前記カウンタ、及び、前記バックパネルのうちの1つの部材であって、前記第1部材と異なる部材を第2部材とすると、前記複数種類の前記第1部材のそれぞれは、前記第2部材との互いの位置関係を決定する位置決め部を備え、
前記第1部材は、前記カウンタであり、
前記複数種類の前記カウンタは、前記手洗器本体に向かって左側に配置される種類の左用カウンタと、前記手洗器本体に向かって右側に配置される種類の右用カウンタと、を含み、
前記複数種類の前記紙巻器は、前記左用カウンタの下方に取り付けられる左用紙巻器と、前記右用カウンタの下方に取り付けられる右用紙巻器と、を含み、
前記左用紙巻器は、ロールペーパを前記手洗器本体に向かって左側から取付け可能であり、
前記右用紙巻器は、前記ロールペーパを前記手洗器本体に向かって右側から取付け可能である、洗面器ユニットの組立セット。
【請求項2】
トイレ室の壁に取り付けられる手洗器ユニットの組立セットであって、
鉢部を備える手洗器本体と、
前記手洗器本体の隣に配置される1種類以上のカウンタと、
前記手洗器本体の上方に配置されるバックパネルと、
1種類以上の紙巻器と、を備え、
前記手洗器本体、前記カウンタ、及び、前記バックパネルのうちの1つの部材である第1部材を複数種類備えており、
前記手洗器本体、前記カウンタ、及び、前記バックパネルのうちの1つの部材であって、前記第1部材と異なる部材を第2部材とすると、前記複数種類の前記第1部材のそれぞれは、前記第2部材との互いの位置関係を決定する位置決め部を備え、
前記1種類以上の前記紙巻器のそれぞれは、前記1種類以上の前記カウンタのいずれの種類の前記カウンタに対しても、前記カウンタの下方に固定され、
前記1種類以上の前記紙巻器のうちの少なくとも1種類の特定の紙巻器と、前記1種類以上の前記カウンタのうちの少なくとも1種類の特定のカウンタと、は、前記特定の紙巻器と前記特定のカウンタとの位置を調整可能に構成されている、洗面器ユニットの組立セット。
【請求項3】
前記第2部材を複数種類備えており、
前記複数種類の前記第1部材のそれぞれの前記位置決め部は、前記複数種類の前記第2部材のいずれに対しても、当該第2部材との互いの位置関係を決定する、請求項1又は2に記載の洗面器ユニットの組立セット。
【請求項4】
前記第1部材は、前記カウンタであり、
前記複数種類の前記カウンタは、前記手洗器本体に向かって左側に配置される種類の左用カウンタと、前記手洗器本体に向かって右側に配置される種類の右用カウンタと、を含む、請求項に記載の洗面器ユニットの組立セット。
【請求項5】
前記第1部材は、前記カウンタであり、
前記複数種類の前記カウンタは、前記手洗器本体に向かって左側に配置される種類の左用カウンタと、前記手洗器本体に向かって右側に配置される種類の右用カウンタと、を含み、
前記1種類以上の紙巻器は、複数種類の紙巻器を含み、
前記複数種類の紙巻器は、前記左用カウンタの下方に取り付けられる左用紙巻器と、前記右用カウンタの下方に取り付けられる右用紙巻器と、を含み、
前記左用紙巻器は、ロールペーパを前記手洗器本体に向かって左側から取付け可能であり、
前記右用紙巻器は、前記ロールペーパを前記手洗器本体に向かって右側から取付け可能である、請求項に記載の洗面器ユニットの組立セット。
【請求項6】
前記特定のカウンタは、複数個所の取付部であって、それぞれが1個以上のねじ穴を含む前記複数個所の取付部を備え、
前記特定の紙巻器は、前記複数個所の取付部のいずれの箇所の取付部に含まれる1個以上のねじ穴に重なり合うねじ穴を備える、請求項2又は5に記載の洗面器ユニットの組立セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、手洗器ユニットを組み立てるための組立セットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、手洗器と、カウンタと、を備える手洗器ユニットが開示されている。カウンタは、手洗器に隣接して配置されている。手洗器は、トイレ室において、手洗器に向かって左端の壁に隣接して配置されている。手洗器の右側にはカウンタが隣接して配置されている。カウンタは、トイレ室において、手洗器に向かって右端の壁に取り付けられているコーナーキャビネットまで延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-67880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トイレ室の広さ及びトイレ室でのトイレと手洗器ユニットとの配置は、トイレと手洗器の使い勝手を考慮しつつ、トイレ室が配置される住宅等の広さ、トイレ室の位置等によって設計される。本明細書は、トイレ室内の設計の自由度を高める技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する技術は、手洗器ユニットの組立セットに関する。トイレ室の壁に取り付けられる手洗器ユニットの組立セットは、鉢部を備える手洗器本体と、前記手洗器本体の隣に配置されるカウンタと、前記手洗器本体の上方に配置されるバックパネルと、を備え、前記手洗器本体、前記カウンタ、及び、前記バックパネルのうちの1つの部材である第1部材を複数種類備えており、前記手洗器本体、前記カウンタ、及び、前記バックパネルのうちの1つの部材であって、前記第1部材と異なる部材を第2部材とすると、前記複数種類の前記第1部材のそれぞれは、前記第2部材との互いの位置関係を決定する位置決め部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態のトイレ室内の手洗器ユニットの正面図を示す。
図2】第1実施形態のトイレ室内の手洗器ユニットの側面斜視図を示す。
図3】第1実施形態の手洗器ユニットの部品の種類を説明する表を示す。
図4】第1実施形態の手洗器ユニットの部品の種類を説明する表を示す。
図5】第1実施形態のトイレ室内の手洗器ユニットの平面図を示す。
図6】第1実施形態の手洗器ユニットのトイレ側の側面図を示す。
図7】第1実施形態の手洗器本体とブラケットとの底面斜視図を示す。
図8】第1実施形態のブラケットとタオル掛け部材との上面斜視図を示す。
図9】第1実施形態のタオル掛け部材の取付部の縦断面図を示す。
図10】第1実施形態の手洗器本体とタオル掛け部材との側面図を示す。
図11】第1実施形態のトイレ室内の手洗器ユニットの正面図を示す。
図12】第1実施形態のカウンタの底面図を示す。
図13】第2実施形態の手洗器ユニットの正面図を示す。
図14】第2実施形態の手洗器ユニットの上面斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1実施形態)
図1に示すように、手洗器ユニット10は、例えば住宅、事務所等のトイレ4が設置されるトイレ室2内に施工される。手洗器ユニット10は、トイレ室2の側壁100に固定される。トイレ室2の側壁100とは、トイレ4の利用者がトイレ4の便器ボウル8に座った状態での左右に立設される壁をいう。この実施形態では、トイレ室2の側壁100に手洗器ユニット10が取り付けられる例を示している。手洗器ユニット10は、側壁100以外の壁に取り付けられてもよい。本実施形態では、手洗器ユニット10の利用者が手洗器ユニット10に向かう方向を「奥」、利用者側を「手前」、利用者の右手側を「右」、左手側を「左」、上側を「上」、及び下側を「下」と規定する。トイレ4の利用者がトイレ4の便器ボウル8に座った状態での前後方向は、本実施形態の左右方向と一致する。
【0008】
手洗器ユニット10は、トイレ室2においてトイレ4を利用した利用者が手を洗うために利用される。手洗器ユニット10は、手洗器本体18と、カウンタ14と、バックパネル12と、紙巻器16と、水栓20と、タオル掛け部材22と、ブラケット24と、給水管32と、排水管30と、を備える。
【0009】
図3及び図4に示すように、手洗器ユニット10は、複数種類の手洗器本体18と、複数種類のカウンタ14と、複数種類のバックパネル12と、複数種類の紙巻器16と、複数種類の水栓20と、複数種類の給排水管30、32と、を備える手洗器ユニット10の組立セットの中から、利用者の好み、施工条件等に合わせて、1種類の手洗器本体18と、1種類のカウンタ14と、1種類のバックパネル12と、1種類の紙巻器16と、1種類の水栓20と、1種類のタオル掛け部材22と、1種類の給排水管30、32と、を組み合わせて組み立てられる。手洗器ユニット10の組立セットは、1種類以上のミラーを備えていてもよいし、ミラーが選択されてもされなくてもよい。同様に、複数種類の手洗器本体18と、複数種類のカウンタ14と、複数種類のバックパネル12と、複数種類の紙巻器16と、複数種類の水栓20と、複数種類の給排水管30、32と、のうち、少なくとも1個の部品が選択され、他の部品は選択されなくてもよい。
【0010】
(手洗器ユニット10の具体的な構成)
以下では、手洗器ユニット10の組立セットの中から、1種類の手洗器本体18と、1種類のカウンタ14と、1種類のバックパネル12と、1種類の紙巻器16と、1種類の水栓20と、1種類のタオル掛け部材22と、1種類の給排水管30、32と、を組み合わせて構成される例示的な手洗器ユニット10を説明する。
【0011】
手洗器本体18は、陶器等で作製されている。手洗器本体18は、樹脂製であってもよい。図5に示すように、手洗器本体18は、手前側の2個の角部が丸まった長方形状を有する。手洗器本体18は、鉢部18aと、水栓配置部18cと、を備える。水栓配置部18cは、手洗器本体18の右端部に配置されている。水栓配置部18cは、平坦な上面を有する。水栓配置部18cには、水栓20が取り付けられている。水栓20は、給水管32に連結されている。水栓20は、給水管32を介して供給される水を吐出する。水栓20から吐出される水は、水栓配置部18cの左側に隣接する鉢部18aで受け止められる。鉢部18aは、下方に向かって窪んだ形状を有する。鉢部18aの最下位置には、排水孔18bが形成されている。水栓20から吐出される水は、鉢部18aに案内されて、排水孔18bから、排水管30に案内される。鉢部18aから流出される水は、排水管30を介して下水道に案内される。
【0012】
図10に示すように、手洗器本体18は、手前側の正面部に、側面視で下方から上方に向かって手前側に傾斜する傾斜面18sを有する。手洗器本体18では、傾斜面18sの上端縁18eが最も手前側に位置している。手洗器本体18の鉢部18aは、上端側において、利用者が手を洗う際に、飛び散る水滴を受け取る機能を果たすための最低限の寸法を要する。手洗器本体18に傾斜面18sを配置することによって、鉢部18aの上端側の寸法を確保しつつ、手洗器本体18の寸法を低減することができる。これにより、トイレ室2の利用者の圧迫感を緩和することができる。
【0013】
手洗器本体18は、ブラケット24を介して側壁100に固定されている。ブラケット24は、手洗器本体18の底面に固定されている。ブラケット24は、ステンレス等の金属製である。図7に示すように、ブラケット24は、手洗器本体18の底面に取り付けられる平板部分24cと、平板部分24cの奥側の端縁から垂直下方に延びる平板状の取付部分24aと、平板部分24cと取付部分24aとの位置関係を維持するための補強部分24bと、を備える。補強部分24bは、平板部分24cと取付部分24aとのそれぞれに対して、垂直な平板形状を有する。平板部分24cは、手洗器本体18の排水孔18bから下方に延びるネジ部18dに、ナット24dを締め付けることによって、手洗器本体18とナット24dとに挟まれて手洗器本体18に固定されている。取付部分24aは、螺子等の締結具を介して、側壁100に固定される。
【0014】
ブラケット24には、タオル掛け部材22が固定されている。図8に示すように、タオル掛け部材22は、タオル掛けバー22aと、一対の取付部22bと、を備える。タオル掛けバー22aは、詳細は後述するように、延伸部22dと支持部22eで構成されている。一対の取付部22bのそれぞれは、手洗器本体18の下方に配置されており、ブラケット24に固定されている。一対の取付部22bは、互いに同一構成を有する。取付部22bは、ブラケット24の手前側の端よりも奥側に配置されている。取付部22bは、奥側に向かって延びている。図9に示すように、取付部22bは、内部に円筒形状の開口を有する。取付部22bの開口には、タオル掛けバー22aが挿入されている。タオル掛けバー22aの奥側の端部は、螺子22cによって取付部22bに取り付けられている。
【0015】
図10に示すように、タオル掛けバー22aは、一対の取付部22bのそれぞれの手前側の端から、手洗器本体18の手前側の下端を越えて、手前側に延びている延伸部22dを有する。タオル掛けバー22aの延伸部22dは、手洗器本体18の手前側の下端よりも手前側で上方に湾曲して支持部22eまで延びている。タオル掛けバー22aは、水平面に対して角度βだけ、上方に湾曲している。角度βは、傾斜面18sの水平面に対する角度αとほぼ等しい。角度αに対して角度βが±5度の範囲内にあるとき、角度βは角度αとほぼ等しいといえる。傾斜面18sとタオル掛けバー22aとの角度を揃えることによって、見栄えをよくすることができる。なお、角度βは、水平方向に対して0度以上であってもよいし、角度α以下であってもよい。角度βを角度α以下にすることによって、タオル掛けバー22aと傾斜面18sとの隙間が小さくなりすぎて、タオルを掛け難くなる事態を回避することができる。
【0016】
図1に示すように、タオル掛けバー22aは、手洗器本体18の傾斜面18sよりも手前側に左右方向に水平に延びる支持部22eを備える。タオル掛けバー22aは、支持部22eに掛けられるタオルを、支持することができる。
【0017】
手洗器本体18の左側には、カウンタ14が配置されている。カウンタ14は、平板形状を有する。カウンタ14は、樹脂製である。カウンタ14は、セラミック製であってよい。カウンタ14は、平坦な上面を有する。変形例では、カウンタ14に、ハンドソープのボトル、石鹸等を配置可能な窪みを有していてもよい。カウンタ14は、手洗器ユニット10を利用する際に利用する手洗い用の石鹸等を載置することができる。カウンタ14には、携帯端末等の利用者の所有物を配置してもよい。図5に示すように、カウンタ14は、手洗器本体18とは反対側の端部、即ち左側の手前側の角部が丸まっている長方形状を有する。
【0018】
カウンタ14は、手洗器本体18の左端縁に、コーキングを挟んで配置されている。カウンタ14と手洗器本体18とは、カウンタ14の右端縁14fと、手洗器本体18の左端縁18fと、が互いに対向することによって、位置決めされている。カウンタ14の右端縁14fと手洗器本体18の左端縁18fとのそれぞれが、位置決め部と言うことができる。左右方向において、カウンタ14の長さL2は、手洗器本体18長さL3よりも短い。左右方向において、カウンタ14の長さL2は、鉢部18aの長さL3’よりも短くてもよい。左右方向は、トイレ4を利用している利用者から見ると、前後方向と言うことができる。図1に示すように、カウンタ14は、カウンタ14の上端縁14hが手洗器本体18の上端縁18hと同一高さに並ぶように配置される。
【0019】
カウンタ14の上方には、バックパネル12が配置されている。バックパネル12は、カウンタ14の上方から手洗器本体18の上方まで延びている。バックパネル12の左右方向の長さは、長さL2と長さL3の合計の長さに等しい。バックパネル12は、正面視で、長方形状を有する。バックパネル12は、側壁100に取り付けられている。バックパネル12は、側壁100に固定される本体部12aと、本体部12aに着脱可能に嵌め込まれているパネル部12bと、を備える。本体部12aは、パネル部12bの端縁に沿った枠を備える。本体部12aは、カウンタ14の奥側の上端縁14hと手洗器本体18の奥側の上端縁18hとに、コーキングを挟んで配置されている。本体部12aは、下端縁12cが、カウンタ14の上端縁14hと手洗器本体18の上端縁18hの上に配置されることによって、カウンタ14及び手洗器本体18に対して位置決めされる。本体部12aの下端縁12cと、カウンタ14の上端縁14hと、手洗器本体18の上端縁18hと、は、それぞれ位置決め部と言うことができる。パネル部12bは、長方形の平板形状を有する。パネル部12bは、本体部12aの枠に係合することによって、本体部12aに取り付けられる。バックパネル12は、本体部12aを側壁100に固定し、パネル部12bを取り換えることによって、置換可能である。
【0020】
カウンタ14の下面には、紙巻器16が配置されている。紙巻器16は、カウンタ14の下面に、螺子を介して固定されている。図6に示すように、紙巻器16は、カバー部16aと、支持バー16bと、を備える。支持バー16bは、長方形状の枠のうち、トイレ4側が開放された形状を有する。支持バー16bは、カウンタ14の下面から右方向に延び、右端で下方に湾曲して下方に向かって延び、下端において左側に湾曲して左側に延びている。支持バー16bは、トイレ4側が開放されており、左側からロールペーパを挿入可能な隙間を有する。支持バー16bの右端は、閉じられており、ロールペーパが落下しないように構成されている。これにより、紙巻器16と手洗器本体18との距離が短い場合であっても、紙巻器16にロールペーパをセットすることができる。
【0021】
カバー部16aは、支持バー16bに揺動可能に配置されている。カバー部16aは、支持バー16bに取り付けられるロールペーパを覆う。
【0022】
図6で示すように、紙巻器16では、カバー部16aの下端縁16eが、最も手前側に位置する。カウンタ14では、端縁14eが、最も手前側に位置する。手洗器本体18では、上端縁18eが、最も手前側に位置する。紙巻器16の側壁100からの最大出寸法L4、即ち側壁100と下端縁16eとの距離L4と、カウンタ14の側壁100からの最大出寸法L5、即ち側壁100と端縁14eとの距離L5と、手洗器本体18の側壁100からの最大出寸法L6、即ち側壁100と上端縁18eとの距離L6と、を比較すると、最大で寸法L6が最も長く、最大出寸法L4、最大出寸法L5の順で短い。
【0023】
手洗器ユニット10は、図3及び図4に示すように、複数種類の手洗器本体18と、複数種類のカウンタ14と、複数種類のバックパネル12と、複数種類の紙巻器16と、複数種類の水栓20と、複数種類の給排水管30、32と、選択的に取り付け可能な複数種類のミラーと、から選択された部材を組み立てて構成する。
【0024】
図3に示す手洗器本体18では、水栓配置部18cが鉢部18aの右側に配置される種類と、水栓配置部18cが鉢部18aの左側に配置される種類と、が準備されている。手洗器本体18では、さらに、鉢部18aと水栓配置部18cとの少なくともいずれかの寸法が図1に示される手洗器本体18の寸法と異なる種類が準備されていてもよい。カウンタ14は、手洗器本体18の左端縁18fに対して位置決めされる右端縁14fを備える種類と、手洗器本体18の右端縁に対して位置決めされる左端縁を備える種類と、が準備されている。図11に示すように、手洗器本体18の右端縁に対して位置決めされる左端縁を備える種類のカウンタ14を選択することによって、手洗器ユニット10の右側にトイレ4を配置する構成を採用することができる。
【0025】
バックパネル12では、タイルの色が異なる複数種類が準備されている。バックパネル12では、さらに、パネル部12bのデザインがそれぞれに異なる1種類以上のバックパネル12が準備されていてもよい。これにより、バックパネル12を、トイレ室2のデザインによって選択することができる。バックパネル12では、左右方向の長さが異なる種類が準備されていてもよい。この構成では、バックパネル12を、カウンタ14上及び手洗器本体18上のいずれかに配置することを選択することもできる。バックパネル12は、パネル部12bのみ選択可能であってもよい。
【0026】
複数種類の手洗器本体18のそれぞれは、複数種類のカウンタ14と、複数種類のバックパネル12と、のそれぞれに対して、互いに位置決め可能な位置決め部を有する。複数種類のカウンタ14のそれぞれは、複数種類の手洗器本体18と、複数種類のバックパネル12と、のそれぞれに対して、互いに位置決め可能な位置決め部を有する。複数種類のバックパネル12のそれぞれは、複数種類の手洗器本体18と、複数種類のカウンタ14と、のそれぞれに対して、互いに位置決め可能な位置決め部を有する。この構成によれば、複数種類の手洗器本体18と、複数種類のカウンタ14と、複数種類のバックパネル12と、のうち、いずれの組み合わせを選択した場合であっても、手洗器本体18とカウンタ14とバックパネル12とを適切に配置することができる。変形例では、複数種類の手洗器本体18と、複数種類のカウンタ14と、複数種類のバックパネル12と、のうちの少なくとも1つは、位置決め部を有していなくてもよい。
【0027】
図4に示すように、紙巻器16では、支持バー16bがロールペーパを左端から挿入可能な種類と、右端から挿入可能な種類と、が準備されている。紙巻器16では、カバー部16aが配置されている種類と、配置されていない種類と、が準備されていてもよい。これら例示された紙巻器16の種類に代えて、異なる形状や構造の紙巻器16が準備されてもよい。これら例示された紙巻器16の種類に加えて、異なる形状や構造の紙巻器16が準備されてもよい。ミラーでは、様々な外形の種類を有するミラーが準備されていてもよい。給排水管30、32では、給排水管30、32の両者がトイレ室2の床から延びる種類と、給排水管30、32の両者が側壁100から延びる種類と、給排水管30、32のいずれか一方がトイレ室2の床から延びて他方が側壁100から延びる種類と、が準備されている。水栓20では、左側に給水口が延びている種類と、右側に給水口が延びている種類と、給水口が異なる種類と、が準備されている。
【0028】
(手洗器ユニットとトイレとの位置関係)
トイレ室2に配置されるトイレ4は、便蓋6と、便器ボウル8と、を備える。図5に示すように、便器ボウル8は、排水孔8aを有する。排水孔8aは、封水が正常に溜まっているときの水面よりも下流側の便器ボウル8の部分をいう。手洗器ユニット10は、トイレ4に座った状態で、利用者の左手に位置する。カウンタ14の左端縁14g、即ち、トイレ4側の端縁14gは、排水孔8aよりも右側、即ち、トイレ4に座った状態の利用者から見て前方に位置する。左端縁14gは、便器ボウル8の前後方向の半分の位置よりも右側に位置してもよい。この構成によれば、トイレ4に座った利用者が手洗器ユニット10から感じる圧迫感が和らげられる。手洗器ユニット10のトイレ4側の端縁14gが、便器ボウル8の排水孔8aに重なる位置まで延びていると、トイレ4に座った利用者の腕回りにカウンタ14が配置される。特に、図2に示すように、トイレ室2の幅が狭い場合には、カウンタ14によって、利用者の動きが制限される。上記の構成によれば、手洗器ユニット10によって利用者の動きが制限されることを抑制することができる。
【0029】
左端縁14gは、便器ボウル8の手洗器ユニット10側の端部8eよりも右側に位置する。この手洗器ユニット10では、手洗器ユニット10を正面視した場合に、カウンタ14がトイレ4の上方の位置まで延びていない。換言すると、このような構成のカウンタ14は、トイレ4に座った利用者に接触するような位置まで延びていない、ということができる。手洗器ユニット10によると、トイレ4に座った利用者が手洗器ユニット10から感じる圧迫感が大幅に和らげられる。
【0030】
図11に示す手洗器ユニット10がトイレ4に座った状態で利用者の右手に位置する場合でも同様である。
【0031】
図3に示すように、複数種類の手洗器本体18と複数種類のカウンタ14とのいずれの組み合わせを選択したとしても、少なくともカウンタ14の左端縁14gは、排水孔8aよりも右側に位置する。変形例では、複数種類の手洗器本体18と複数種類のカウンタ14との中に、カウンタ14の左端縁14gが、排水孔8aよりも左側に位置する組み合わせとなる種類の手洗器本体18とカウンタ14とが準備されていてもよい。
【0032】
(カウンタへの紙巻器の取付方法)
図12に示すように、カウンタ14の底面には、複数の取付部14a、14b、14cを備える。複数の取付部14a、14b、14cは、互いに同一形状を有する。各取付部14a、14b、14cは、4つのねじ穴を備える。図4に示すように、紙巻器16は、上端に各取付部14a、14b、14cに対応する4つのねじ穴16dを備える。紙巻器16は、複数の取付部14a、14b、14cのいずれかの取付部に、螺子を介して取り付けられる。この構成によれば、トイレ4と手洗器ユニット10との位置関係に応じて、紙巻器16の左右方向の位置を調整することができる。この結果、利用者が紙巻器16に配置されるロールペーパをスムーズに取り出し可能な位置に、紙巻器16を取り付けることができる。図3に示す複数種類のカウンタ14のうち、2種類以上のカウンタ14が、複数の取付部14a、14b、14cを備えていてもよい。
【0033】
変形例では、図4に示すように、紙巻器16が、4つのねじ穴16dを1セットとして、複数のねじ穴セットを備えていてもよい。紙巻器16は、複数のねじ穴セットのうちの1つのねじ穴セットの4つのねじ穴16dを、カウンタ14の複数の取付部14a、14b、14cのうちの1つの取付部に合わせて、取り付けられてもよい。この場合、カウンタ14は、複数の取付部14a、14b、14cを備えていてもよいし、1個の取付部14aを備えていてもよい。
【0034】
(効果)
手洗器ユニット10は、手洗器本体18の下方にキャビネットが設けられていないので、手洗器本体18の下方の空間がトイレ室2に開放されている。手洗器本体18の下方にキャビネットが設けられている場合に比較して、利用者が手洗器ユニット10から感じる圧迫感が和らげられる。特に、トイレ室2が狭小な空間の場合には、圧迫感を軽減することができる。
【0035】
手洗器ユニット10では、バックパネル12は、カウンタ14の上方に位置するトイレ室2の側壁100の少なくとも一部を被覆する。これにより、カウンタ14の上方に位置する側壁100の被水が抑えられる。バックパネル12は、トイレ室2の前後方向におけるカウンタ14の一方の端部から他方の端部にまで、即ち、カウンタ14の左右方向の全体に対応してカウンタ14の上方に配置されていてもよい。換言すると、バックパネル12は被水が想定される範囲に配置されることから、カウンタ14は被水が想定される範囲に収まる程度に短い、ということができる。手洗器ユニット10は、カウンタ14が短く、全体がコンパクトに構成されていることから、利用者が手洗器ユニット10から感じる圧迫感が和らげられる。
【0036】
バックパネル12は、手洗器本体18の上方に配置されている。手洗器本体18の上方に位置する側壁100の被水が抑えられる。バックパネル12は、手洗器本体18の左右方向の全体に亘って配置されていなくてもよい。この場合、バックパネル12は、少なくとも鉢部18aの上方に配置されていてもよいし、水栓20の周辺に配置されていてもよい。
【0037】
紙巻器16は、カウンタ14の下方に配置されている。これにより、手洗器ユニット10の左右方向の寸法を大きくすることなく、紙巻器16を配置することができる。これにより、手洗器ユニット10をコンパクトに維持しつつ、紙巻器16を配置することができる。
【0038】
紙巻器16の側壁100からの最大出寸法L4と、カウンタ14の側壁100からの最大出寸法L5と、手洗器本体18の側壁100からの最大出寸法L6と、を比較すると、最大で寸法L6が最も長く、最大出寸法L5、最大出寸法L4の順で短い。手洗器本体18では、利用者が手を洗う際に、飛び散る水滴を受け取る機能を果たすための最低限の寸法が確保される。紙巻器16の最大出寸法L4とカウンタ14の最大出寸法L5と、を、手洗器本体18の最大出寸法L6よりも小さくすることによって、手洗器ユニット10を小型化し、圧迫感を和らげることができる。
【0039】
カウンタ14の左右方向の長さL2は、手洗器本体18の左右方向の長さL3よりも短い。手洗器本体18の寸法を確保しつつ、手洗器ユニット10を小型化し、圧迫感を和らげることができる。
【0040】
タオル掛け部材22は、手洗器本体18の下方に配置される取付部22bによって手洗器本体18の下方のブラケット24に取り付けられる。タオル掛け部材22を取り付けるための取付部22bを、手洗器本体18の手前側、左右側面及び上方に配置せずに済む。これにより、手洗器ユニット10を小型化し、圧迫感を和らげることができる。
【0041】
タオル掛け部材22のタオル掛けバー22aは、手洗器本体18の傾斜面18sよりも手前側に左右方向に水平に延びる支持部22eを有する。支持部22eにタオルを掛けると、タオルは、給排水管30、32の手前側に配置される。これにより、タオルが支持部22eに支持されているときに、給排水管30、32の少なくとも一部をタオルによって隠すことができる。
【0042】
(第2実施形態)
図14に示すように、本実施形態の手洗器ユニット210は、手洗器ユニット10と同様のカウンタ14と、手洗器本体18と、水栓20と、給排水管30、32と、を備える。手洗器ユニット10と比較して、手洗器ユニット210では、バックパネル212と、紙巻器216と、タオル掛け部材222と、のそれぞれが、バックパネル12と、紙巻器16と、タオル掛け部材22と、のそれぞれと異なる。
【0043】
バックパネル212は、カウンタ14及び手洗器本体18の側壁100側に配置されている。カウンタ14と手洗器本体18とは、バックパネル212に固定されている。カウンタ14と手洗器本体18とは、バックパネル212を介して、側壁100に取り付けられている。カウンタ14と手洗器本体18とは、バックパネル212に対して位置決めされている。カウンタ14が当接しているバックパネル212の部分が、カウンタ14に対するバックパネル212の位置決め部であり、バックパネル212が当接しているカウンタ14の部分が、バックパネル212に対するカウンタ14の位置決め部である。手洗器本体18が当接しているバックパネル212の部分が、手洗器本体18に対するバックパネル212の位置決め部であり、バックパネル212が当接している手洗器本体18の部分が、バックパネル212に対する手洗器本体18の位置決め部である。バックパネル212は、カウンタ14及び手洗器本体18の上方から下方まで延びている。
【0044】
タオル掛け部材222は、手洗器本体18の右側に配置されているバックパネル212から手洗器本体18と隙間を有して手洗器本体18の側面に沿って、カウンタ14まで延びている。
【0045】
カウンタ14は、手洗器本体18の上端よりも下方に配置されている。紙巻器216は、支持バー16bと同様の支持バー216bを備える。紙巻器216は、カバー部16aに対応する構成を有していない。
【0046】
本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明した。これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0047】
(変形例)
(1)手洗器ユニット10では、手洗器本体18とカウンタ14とが一体で構成されていてもよい。手洗器本体18とカウンタ14とは、樹脂成形によって一体的に作製されていてもよい。手洗器本体18とカウンタ14とバックパネル12とは、一体で構成されていてもよい。
【0048】
(2)手洗器本体18とカウンタ14とは、コーキング材等を介さずに、直接的に接触して配置してもよい。バックパネル12は、手洗器本体18とカウンタ14との少なくとも一方に対して、直接的に接触していてよい。
【0049】
本明細書および図面のすくなくとも何れかに説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。本明細書および図面のすくなくとも何れかに例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0050】
2:トイレ室 4:トイレ 6:便蓋 8:便器ボウル 10:手洗器ユニット 12:バックパネル 14:カウンタ 16:紙巻器 18:手洗器本体 18a:鉢部 18b:排水孔 18s:傾斜面 20:水栓 22:タオル掛け部材 22a:タオル掛けバー 22b:取付部 22d:延伸部 22e:支持部 24:ブラケット 30:排水管 32:給水管 100:側壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
図10
図11
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図14