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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】乗降判定装置および乗降判定方法
(51)【国際特許分類】
   B60N 5/00 20060101AFI20240704BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240704BHJP
   G06T 7/20 20170101ALI20240704BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20240704BHJP
【FI】
B60N5/00
G06T7/00 660Z
G06T7/20 300A
B60N2/90
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020190445
(22)【出願日】2020-11-16
(65)【公開番号】P2022079320
(43)【公開日】2022-05-26
【審査請求日】2023-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加茂 麻由
(72)【発明者】
【氏名】片岡 智春
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼上 斉
【審査官】永冨 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-103521(JP,A)
【文献】特開2014-219913(JP,A)
【文献】特開2013-025523(JP,A)
【文献】特開2005-235104(JP,A)
【文献】特開2007-272877(JP,A)
【文献】特開2013-162268(JP,A)
【文献】特開平11-175782(JP,A)
【文献】米国特許第04528679(US,A)
【文献】独国特許出願公開第102016107675(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 5/00
G06T 7/00
G06T 7/20
B60N 2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を有する乗降判定装置であって、
前記制御部は、
乗り物の乗降口であって、かつ、前記乗り物の中に設けられるカメラによって撮像された、前記乗り物の乗降口付近に存在する人物の撮像画像に基づいて、前記人物の頭の位置および顔の大きさを検出し、
前記人物の頭の位置が前記人物の移動前後において相対的に上がった後に、前記人物の顔の大きさが前記人物の移動前後において相対的に大きくなった場合、前記人物が前記乗り物に乗車したと判定し、
前記人物の頭の位置が前記人物の移動前後において相対的に上がった後に、前記人物の頭の位置が前記人物の移動前後において相対的に下がり、かつ、前記人物の顔の大きさが前記人物の移動前後において相対的に小さくなった場合、前記人物は前記乗り物に乗車していないと判定する、
降判定装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記人物の頭の位置が前記人物の移動前後において相対的に下がった場合、前記人物が前記乗り物から降車したと判定する
求項1に記載の乗降判定装置。
【請求項3】
乗り物に乗降する人物の撮像画像に基づいて、前記人物の頭の位置および顔の大きさを検出し、
乗降する前記人物の前記頭の位置が上がった後に下がり、かつ、前記顔の大きさが小さくなった場合、前記人物は前記乗り物に乗車していないと判定する制御部を有する、
乗降判定装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記人物の前記頭の位置が上がった後に、前記顔の大きさが大きくなった場合、前記人物が前記乗り物に乗車したと判定する、
請求項3に記載の乗降判定装置。
【請求項5】
前記制御部は、
乗降する前記人物の前記頭の位置が下がった場合、前記人物が前記乗り物から降車したと判定する
求項3または4に記載の乗降判定装置。
【請求項6】
乗り物の乗降口であって、かつ、前記乗り物の中に設けられるカメラによって撮像された、前記乗り物の乗降口付近に存在する人物の撮像画像に基づいて、前記人物の頭の位置および顔の大きさを検出し、
前記人物の頭の位置が前記人物の移動前後において相対的に上がった後に、前記人物の顔の大きさが前記人物の移動前後において相対的に大きくなった場合、前記人物が前記乗り物に乗車したと判定し、
前記人物の頭の位置が前記人物の移動前後において相対的に上がった後に、前記人物の頭の位置が前記人物の移動前後において相対的に下がり、かつ、前記人物の顔の大きさが前記人物の移動前後において相対的に小さくなった場合、前記人物は前記乗り物に乗車していないと判定する、
乗降判定装置が行う乗降判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗降判定装置および乗降判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばバスなどの乗り物において、乗降した乗客の人数を算出する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。従来技術にあっては、乗り口および降り口にそれぞれカメラが設置され、かかるカメラによって撮像された乗客の撮像画像を用いて乗客の人数(乗客数)を算出するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-219913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した撮像画像には、例えば乗り物の乗り口の外側に立っているだけで実際には乗車しない人物などが写り込むことがある。従来技術にあっては、かかる人物を乗り物に乗車する乗客として誤判定するおそれがあり、改善の余地があった。なお、乗り物の降り口側でも、実際には降車しない乗客を乗り物から降車したと誤判定することが起こりうる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、乗り物の乗降口付近に存在する人物の乗り物に対する乗降を精度よく判定することができる乗降判定装置および乗降判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、乗降判定装置において、検出部と、判定部とを備える。検出部は、乗り物の乗降口付近に存在する人物の頭の位置を検出する。判定部は、前記検出部によって検出された前記人物の頭の位置に基づいて前記人物の前記乗り物に対する乗降を判定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、乗り物の乗降口付近に存在する人物の乗り物に対する乗降を精度よく判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る乗降判定方法の概要を示す図である。
図2図2は、バス端末装置を備えた情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、乗り口端末装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、乗車者情報の一例を示す図である。
図5A図5Aは、乗車の判定処理を説明するための図である。
図5B図5Bは、乗車の判定処理を説明するための図である。
図6図6は、降り口端末装置の構成例を示すブロック図である。
図7図7は、降車者情報の一例を示す図である。
図8図8は、管理サーバの構成例を示すブロック図である。
図9図9は、情報処理システムが実行する処理シーケンスの一例を示す図である。
図10図10は、変形例に係る降り口端末装置の構成例を示すブロック図である。
図11図11は、降車の判定処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する乗降判定装置および乗降判定方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
<乗降判定装置による乗降判定方法の概要>
以下では先ず、実施形態に係る乗降判定装置による乗降判定方法の概要について図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係る乗降判定方法の概要を示す図である。
【0011】
実施形態に係る乗降判定方法は、例えば乗り物の乗降口付近に存在する人物の乗り物に対する乗降の判定などを行うことができる。上記した乗降口は、乗り物の乗り口2aおよび降り口2bの一方あるいは両方を含むものとする。なお、以下では、乗降判定方法が、例えば乗り物の乗り口2a付近に存在する人物の乗り物に対する乗車の判定を行う場合を例に挙げて説明する。
【0012】
また、ここでは乗り物の一例としてバス1を挙げて説明するが、乗り物の種類はこれに限定されるものではない。すなわち、乗り物は、例えば鉄道車両や航空機、船舶などその他の種類の乗り物であってもよい。
【0013】
図1に示すように、バス1には、バス端末装置10が搭載され、かかるバス端末装置10が乗降判定装置として機能する。具体的に説明すると、バス端末装置10は、乗り口端末装置10aと、降り口端末装置10bとを備える。
【0014】
乗り口端末装置10aは、バス1の乗り口2aに設置される。乗り口端末装置10aは、第1カメラ11aを備える。例えば、第1カメラ11aは、バス1の乗り口2aであって、かつ、バス1の中(バス車内)に設けられる。第1カメラ11aは、乗り口2a付近に存在する人物Pの撮像画像Aを撮像する。なお、図1では、最初に撮像された人物Pを実線で示し、その後人物Pが移動した後に撮像された人物Pを破線で示している。
【0015】
乗り口端末装置10aは、第1カメラ11aから撮像画像Aを取得し、撮像画像Aから乗り口2a付近に存在する人物Pの頭Paの位置を検出する(ステップS1)。次いで、乗り口端末装置10aは、検出された人物Pの頭Paの位置に基づいて人物Pのバス1に対する乗車を判定する(ステップS2)。これにより、乗り口端末装置10aは、人物Pのバス1に対する乗車を精度よく判定することができる。
【0016】
詳しく説明すると、例えば人物Pがバス1の車外から車内に入って乗車する場合、バス1の乗り口2aにある段差3を上る必要があるため、人物Pの頭Paの位置は、人物Pの移動前後で相対的に上がる。そこで、本実施形態に係る乗り口端末装置10aにあっては、人物Pの頭Paの位置が、矢印Dで示すように、人物Pの移動前後において相対的に上がった場合、人物Pがバス1に乗車したと判定するようにした。
【0017】
これにより、乗り口端末装置10aは、人物Pのバス1に対する乗車を精度よく判定することができる。言い換えると、乗り口端末装置10aは、例えばバス1の乗り口2aの外側に立っているだけで実際には乗車しない人物が撮像画像に写り込んだ場合であっても、人物の頭の位置は相対的に上がらないため、バス1に乗車したと判定しない。これにより、乗り口端末装置10aは、乗り口2aの外側に立っているだけの人物をバス1に乗車する乗客として誤判定してしまうことを抑制することができる。
【0018】
なお、本実施形態にあっては、乗り口端末装置10aによって人物Pがバス1に乗車したと判定した場合、人物Pは乗車者となることから、かかる乗車者(人物P)が撮像された撮像画像を乗車者撮像画像として、乗客数の算出などの処理に利用する。
【0019】
なお、降り口端末装置10bは、バス1の降り口2bに設置される。降り口端末装置10bは、第2カメラ11bを備える。例えば、第2カメラ11bは、バス1の降り口2bであって、かつ、バス1の中(バス車内)に設けられる。
【0020】
<情報処理システムの構成>
次に、実施形態に係るバス端末装置(乗降判定装置)10を備えた情報処理システムの構成について、図2を用いて説明する。図2は、バス端末装置10を備えた情報処理システム100の構成例を示すブロック図である。
【0021】
図2に示すように、情報処理システム100は、上記したバス端末装置10と、管理サーバ200と、バス事業者端末装置300と、ユーザ端末装置400とを含み、これらはインターネット網などの通信ネットワークNを介して通信可能に接続される。
【0022】
バス端末装置10は、上記したように、乗り口端末装置10aおよび降り口端末装置10bを備える。乗り口端末装置10aと降り口端末装置10bとは、例えばWi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信を介して通信可能に接続されるが、これに限られず、近距離無線通信に加えて、あるいは代えて通信ネットワークNなどを介して通信可能に接続されてもよい。なお、乗り口端末装置10aの詳細な構成については、図3等を用いて後述する。また、降り口端末装置10bの詳細な構成については、図6等を用いて後述する。
【0023】
管理サーバ200は、バス端末装置10から送信される乗車者情報や降車者情報(いずれも後述)、バス1の乗客数の情報を含む乗客情報などを管理するサーバ装置である。管理サーバ200は、乗客情報などをバス事業者端末装置300へ提供することができる。また、管理サーバ200は、バス1の乗客数の情報に基づいてバス1の混雑度を算出し、算出された混雑度を示す混雑度情報をユーザ端末装置400へ提供することができる。なお、管理サーバ200の詳細な構成については、図8を用いて後述する。
【0024】
バス事業者端末装置300は、バス1を運行するバス事業者が使用する端末装置である。バス事業者端末装置300としては、例えばPC(Personal Computer)、スマートフォンやタブレット端末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。かかるバス事業者端末装置300には、管理サーバ200から乗客情報などが送信されて表示される。これにより、バス事業者は、例えば乗客情報などに応じたバス1の運行計画を立てることが可能になる。
【0025】
ユーザ端末装置400は、バス1を利用するユーザ、正確にはバス1をこれから利用するユーザが使用する端末装置である。なお、ユーザ端末装置400としては、例えばスマートフォンやタブレット端末、PCなどを用いることができるが、これに限定されるものではない。かかるユーザ端末装置400には、管理サーバ200からバス1の混雑度情報が送信されて表示される。これにより、ユーザは、例えばバス1の混雑度を乗車前に確認することが可能になる。なお、図2では、図示の簡略化のため、ユーザ端末装置400を2つ示したが、これに限られず、1つであっても3つ以上であってもよい。
【0026】
<乗り口端末装置の構成>
次いで、乗り口端末装置10aの構成について図3等を参照して説明する。図3は、乗り口端末装置10aの構成例を示すブロック図である。なお、図3を含む各ブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0027】
換言すれば、図3等のブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0028】
図3に示すように、乗り口端末装置10aは、第1カメラ11aと、測位部12aと、制御部20aと、記憶部30aとを備える。なお、乗り口端末装置10aとしては、スマートフォンやタブレット端末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0029】
第1カメラ11aは、例えばレンズと、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子とを備えるカメラである。第1カメラ11aは、バス1の乗り口2a(図1参照)であって、かつ、バス1の中(バス車内)に設けられる。詳しくは、第1カメラ11aは、少なくとも乗り口2aから乗車する乗車者(乗客)の顔を含む範囲をバス車内から撮像可能な位置に設けられる。第1カメラ11aは、乗り口2a付近に存在する人物(乗車者を含む)の撮像画像を撮像し、撮像された撮像画像を制御部20aへ出力する。
【0030】
測位部12aは、バス1の位置情報(例えば、緯度および経度)を取得する。例えば、測位部12aは、GPS(Global Positioning System)衛星から送出される電波を受信し、受信した電波に基づいてバス1の位置情報を取得し、取得された位置情報を制御部20aへ出力する。なお、測位部12aは、バス1が停留所に停止しているときに取得されたバス1の位置情報を、バス1が停止している停留所の位置情報として出力してもよい。
【0031】
制御部20aは、取得部21aと、検出部22aと、判定部23aと、登録部24aと、出力部25aとを備え、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0032】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部20aの取得部21a、検出部22a、判定部23a、登録部24aおよび出力部25aとして機能する。
【0033】
また、制御部20aの取得部21a、検出部22a、判定部23a、登録部24aおよび出力部25aの少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0034】
また、記憶部30aは、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部30aには、乗車者情報31aおよび各種プログラムなどが記憶される。
【0035】
乗車者情報31aは、乗車者に関する情報である。ここで、図4を用いて、乗車者情報31aについて説明する。図4は、乗車者情報31aの一例を示す図である。図4に示すように、乗車者情報31aには、「乗車者ID」、「乗車者画像」、「特徴点」、「性別」、「年齢」、「年齢層」および「乗車した停留所」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0036】
「乗車者ID」は、乗車者を識別する識別情報である。「乗車者画像」は、乗車者撮像画像の情報である。乗車者撮像画像は、上記したように、乗り口端末装置10aによって、乗り口2a付近に存在する人物がバス1に乗車したと判定された場合に、かかる人物(乗車者)が写っている撮像画像である。なお、図4に示す例では、便宜上、「乗車者画像」を「画像E01」といったように抽象的な記載とするが、「画像E01」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報についても抽象的に記載する場合がある。
【0037】
「特徴点」は、乗車者撮像画像に写った乗車者の顔の特徴点情報であり、顔情報の一例である。特徴点情報には、例えば乗車者撮像画像に写った乗車者の顔における目(目頭、目尻など)、鼻や口などの特徴点の位置などが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0038】
「性別」は、乗車者撮像画像に写った乗車者の性別を示す情報である。「年齢」は、乗車者撮像画像に写った乗車者の年齢を示す情報であり、「年齢層」は、かかる乗車者の年齢層を示す情報である。なお、上記した性別や年齢、年齢層などの情報は、乗車者の属性情報の一例である。「乗車した停留所」は、乗車者が乗車した停留所を示す情報である。
【0039】
図4に示す例では、乗車者ID「P01」で識別される乗車者のデータは、乗車者画像が「画像E01」、特徴点が「特徴点F01」、性別が「男性」、年齢が「年齢G01」、年齢層が「大人」、乗車した停留所が「停留所H01」であることを示している。
【0040】
図3の説明に戻ると、制御部20aの取得部21aは、第1カメラ11aから、バス1の乗り口2a付近に存在する人物(乗車者を含む)の撮像画像を取得する。例えば、取得部21aは、バス1が停留所で停止しているときに撮像画像を取得するが、取得のタイミングはこれに限定されるものではない。取得部21aは、取得された撮像画像を検出部22aへ出力する。
【0041】
検出部22aは、撮像画像に基づいて、バス1の乗り口2a付近に存在する人物の頭の位置を検出する。なお、頭の位置は、任意に設定可能であり、例えば頭全体の位置、頭の中心位置、頭の上端の位置や下端の位置など頭の種々の部位に設定可能である。さらに、検出部22aは、撮像画像に基づいて、バス1の乗り口2a付近に存在する人物の顔の大きさを検出する。検出部22aは、検出された頭の位置を示す情報および顔の大きさを示す情報を判定部23aへ出力する。
【0042】
また、検出部22aは、撮像画像に写っている人物が乗車者であった場合、撮像画像である乗車者撮像画像から乗車者の顔情報(詳しくは顔の特徴点情報)を検出する。例えば、検出部22aは、乗車者撮像画像から、目(目頭、目尻など)、鼻や口、輪郭などの特徴点を抽出し、抽出された特徴点の位置を特徴点情報として検出する。
【0043】
検出部22aは、乗車者撮像画像から乗車者の性別や年齢、年齢層などの属性情報を検出する。なお、特徴点情報および属性情報の検出手法は、任意に設定可能である。検出部22aは、検出された特徴点情報および属性情報を登録部24aへ出力する。
【0044】
判定部23aは、撮像画像に写った人物のバス1に対する乗車を判定する。この乗車の判定処理について、図5Aおよび図5Bを参照しつつ説明する。図5Aおよび図5Bは、乗車の判定処理を説明するための図である。
【0045】
なお、図5Aでは、撮像画像A1を示し、図5Bでは、撮像画像A1より後に撮像された撮像画像A2を示している。また、図5Aでは、図1と同様、最初に撮像された人物Pを実線で示し、その後人物Pが移動した後に撮像された人物Pを破線で示している。図5Bでは、図5Aにおいて破線で示されていた人物Pが、さらに移動した後に撮像された人物Pを一点鎖線あるいは二点鎖線で示している。
【0046】
図5Aに示すように、判定部23aは、検出された人物Pの頭Paの位置に基づいて人物Pのバス1に対する乗車を判定する。例えば、判定部23aは、人物Pの頭Paの位置が、矢印D1で示すように、人物Pの移動前後において相対的に上がった場合、人物Pがバス1に乗車したと判定するようにした。これにより、本実施形態にあっては、人物Pのバス1に対する乗車を精度よく判定することができることは、既に述べた通りである。
【0047】
例えば、判定部23aは、実線で示す人物Pの移動前の頭Paの位置が、所定値以上上がって、破線で示す人物Pの移動後の頭Paの位置になった場合、人物Pがバス1に乗車したと判定してもよい。ここで、所定値は、例えばバス1が停車している路面から段差3(図1参照)までの高さに応じて設定される。これにより、人物Pが段差3を上ってバス1に乗車したことを精度よく判定することが可能になる。なお、上記では、所定値が段差3の高さに応じて設定されるようにしたが、これは例示であって限定されるものではなく、任意の値に設定されてもよい。
【0048】
また、図5Bに示すように、判定部23aは、破線で示される人物Pのように、頭Paの位置が人物の移動前後において相対的に上がった後に、一点鎖線で示される人物Pのように、顔の大きさが人物Pの移動前後において相対的に大きくなった場合、人物Pがバス1に乗車したと判定してもよい(矢印D2参照)。
【0049】
このように、顔の大きさが人物Pの移動前後において相対的に大きくなったということは、人物Pがバス1の中に設けられた第1カメラ11aに近づき、バス1に乗車したことを示していることから、判定部23aは、人物Pのバス1に対する乗車をより精度よく判定することができる。
【0050】
なお、判定部23aは、人物Pの顔の大きさが人物Pの移動前後において相対的に大きくなった後、さらに人物Pが撮像画像A2からフェードアウトした場合に、人物Pがバス1に乗車したと判定してもよい。
【0051】
一方、判定部23aは、破線で示される人物Pのように、頭Paの位置が人物の移動前後において相対的に上がった後に、二点鎖線で示される人物Pのように、頭の位置が人物の移動前後において相対的に下がり、かつ、人物Pの顔の大きさが人物Pの移動前後において相対的に小さくなった場合、人物Pはバス1に乗車していないと判定してもよい(矢印D3参照)。
【0052】
これにより、バス1に乗車しない人物Pを乗車者(乗客)として誤判定してしまうことを抑制することができる。すなわち、二点鎖線で示される人物Pの動作は、例えばバス1の車内に一旦入ったものの、バス1の行先が所望する行先と違っていたなどの理由でバス1から降りるような動作である。
【0053】
判定部23aは、かかる動作を行った人物Pについてバス1に乗車していないと判定することから、バス1の車内に一旦入ったものの、実際にはバス1に乗車しない人物Pを乗車者(乗客)として誤判定してしまうことを抑制することができる。
【0054】
図3の説明を続けると、判定部23aは、判定結果を登録部24aに出力する。登録部24aは、乗り口2a付近に存在する人物がバス1に乗車したと判定された場合に、かかる人物(乗車者)が写っている撮像画像を乗車者撮像画像とする。そして、登録部24aは、乗車者撮像画像を含む各種の情報(特徴点情報や属性情報)を記憶部30aに乗車者情報31a(図4参照)として登録する。このとき、登録部24aは、測位部12aのバス1の位置情報に基づいて、乗車者撮像画像が撮像された停留所、すなわち、乗車者が乗車した停留所の情報を乗車者情報31aに付加してもよい。
【0055】
出力部25aは、記憶部30aにアクセスし、乗車者情報31aを降り口端末装置10bへ出力する。これにより、本実施形態に係る乗り口端末装置10aにあっては、実際に乗車した乗車者に即した乗車者情報31a、すなわち正確な乗車者情報31aを降り口端末装置10bへ出力することができる。
【0056】
なお、出力部25aは、バス1が停留所を出発してから次の停留所に到着するまでの間に出力処理を実行するが、出力のタイミングはこれに限定されるものではない。
【0057】
<降り口端末装置の構成>
次いで、降り口端末装置10bの構成について図6等を参照して説明する。図6は、降り口端末装置10bの構成例を示すブロック図である。
【0058】
図6に示すように、降り口端末装置10bは、第2カメラ11bと、測位部12bと、制御部20bと、記憶部30bとを備える。なお、降り口端末装置10bとしては、スマートフォンやタブレット端末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0059】
第2カメラ11bは、例えばレンズと、CCDやCMOSなどの撮像素子とを備えるカメラである。第2カメラ11bは、バス1の降り口2b(図1参照)であって、かつ、バス1の中(バス車内)に設けられる。詳しくは、第2カメラ11bは、少なくとも降り口2bから降車する降車者(乗客)の顔を含む範囲をバス車内から撮像可能な位置に設けられる。第2カメラ11bは、降車者の降車者撮像画像を撮像し、撮像された降車者撮像画像を制御部20bへ出力する。
【0060】
測位部12bは、例えばGPS衛星から送出される電波に基づいてバス1の位置情報を取得し、取得された位置情報を制御部20bへ出力する。なお、測位部12bは、バス1が停留所に停止しているときに取得されたバス1の位置情報を、バス1が停止している停留所の位置情報として出力してもよい。
【0061】
制御部20bは、取得部21bと、検出部22bと、登録部23bと、照合部24bと、算出部25bと、送信部26bとを備え、例えば、CPU、ROM、RAM、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0062】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部20bの取得部21b、検出部22b、登録部23b、照合部24b、算出部25bおよび送信部26bとして機能する。
【0063】
また、制御部20bの取得部21b、検出部22b、登録部23b、照合部24b、算出部25bおよび送信部26bの少なくともいずれか一部または全部をASICやFPGA等のハードウェアで構成することもできる。
【0064】
また、記憶部30bは、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部30bには、乗車者情報31b、降車者情報32b、乗降カウンタ33bおよび各種プログラムなどが記憶される。
【0065】
乗車者情報31bは、乗り口端末装置10aから出力された乗車者情報31aと同じ情報であるため、ここでの説明を省略する(図4参照)。
【0066】
降車者情報32bは、降車者に関する情報である。ここで、図7を用いて、降車者情報32bについて説明する。図7は、降車者情報32bの一例を示す図である。図7に示すように、降車者情報32bには、「降車者ID」、「降車者画像」、「特徴点」、「性別」、「年齢」、「年齢層」、「降車した停留所」および「照合結果」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0067】
「降車者ID」は、降車者を識別する識別情報である。「降車者画像」は、降車者撮像画像の情報である。「特徴点」は、顔の特徴点情報である。かかる特徴点情報には、例えば降車者撮像画像に写った降車者の顔における目、鼻や口などの特徴点の位置などが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0068】
「性別」は、降車者撮像画像に写った降車者の性別を示す情報である。「年齢」は、降車者撮像画像に写った降車者の年齢を示す情報であり、「年齢層」は、かかる降車者の年齢層を示す情報である。
【0069】
「降車した停留所」は、降車者が乗車した停留所を示す情報である。「照合結果」は、後述する照合部24bによって乗車者情報31bと降車者情報32bとが照合されたときの照合結果を示す情報である。「照合結果」には、例えば降車者情報32bと一致した乗車者情報31bの乗車者IDに関する情報が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0070】
図7に示す例では、降車者ID「Q01」で識別される降車者のデータは、降車者画像が「画像E11」、特徴点が「特徴点F01」、性別が「男性」、年齢が「年齢G01」、年齢層が「大人」、降車した停留所が「停留所H11」、照合結果が「乗車者ID[P01]と一致」であることを示している。
【0071】
図6の説明に戻ると、乗降カウンタ33bは、バス1の現在の乗客数をカウントするカウンタである。
【0072】
制御部20bの取得部21bは、第2カメラ11bから、バス1から降車する人物(降車者)が撮像された降車者撮像画像を取得する。例えば、取得部21bは、バス1が停留所で停止しているときに降車者撮像画像を取得するが、取得のタイミングはこれに限定されるものではない。取得部21bは、取得された降車者撮像画像を検出部22bへ出力する。
【0073】
また、取得部21bは、乗り口端末装置10aから出力された乗車者情報を取得し、記憶部30bに乗車者情報31b(図4参照)として登録する。
【0074】
検出部22bは、降車者撮像画像から降車者の顔情報(詳しくは顔の特徴点情報)を検出する。例えば、検出部22bは、降車者撮像画像から、目、鼻や口、輪郭などの特徴点を抽出し、抽出された特徴点の位置を特徴点情報として検出する。
【0075】
検出部22bは、降車者撮像画像から降車者の性別や年齢、年齢層などの属性情報を検出する。検出部22bは、検出された特徴点情報および属性情報を降車者撮像画像とともに、登録部23bへ出力する。
【0076】
登録部23bは、降車者撮像画像、特徴点情報および属性情報を含む各種の情報を記憶部30bに降車者情報32b(図7参照)として登録する。このとき、登録部23bは、測位部12bのバス1の位置情報に基づいて、降車者撮像画像が撮像された停留所、すなわち、降車者が降車した停留所の情報を降車者情報32bに付加してもよい。
【0077】
照合部24bは、乗車者情報31bと降車者情報32bとを照合する。例えば、照合部24bは、記憶部30bの乗車者情報31bと降車者情報32bにアクセスし、降車者の特徴点情報や属性情報が、乗車者の特徴点情報や属性情報と一致あるいは略一致するか否かの照合を行う。照合部24bは、降車者の特徴点情報等が乗車者の特徴点情報等と一致あるいは略一致する場合、かかる照合結果を、降車者情報32b(図7参照)の「照合結果」に登録する。ここでは、照合部24bは、降車者ID「Q01」の降車者の特徴点情報や属性情報が、乗車者ID「P01」の情報の特徴点情報や属性情報と一致したことを示している。
【0078】
算出部25bは、乗車者情報31bと降車者情報32bとに基づいてバス1の乗客数を算出する。例えば、算出部25bは、乗車者情報31bに乗車者の顔情報や属性情報が新たに登録されたときに乗車者の人数を1人加算する、詳しくは乗降カウンタ33bをインクリメントする。
【0079】
また、算出部25bは、降車者情報32bに、乗車者の特徴点情報や属性情報と一致あるいは略一致する降車者の情報が登録された場合に、かかる特徴点情報等の乗客がバス1から降車したと推定し、乗車者の人数から降車者を1人減算して得た値をバス1の現在の乗客数として算出する、詳しくは乗降カウンタ33bをデクリメントする。
【0080】
このように、算出部25bは、正確な乗車者情報31bを用いることから、バス1の乗客数を精度よく算出することができる。なお、算出部25bは、バス1が停留所を出発して次の停留所に到着するまでの間に算出処理を実行するが、算出のタイミングはこれに限定されるものではない。
【0081】
送信部26bは、乗車者情報31bや降車者情報32bの一部あるいは全部と、乗降カウンタ33bの値であるバス1の乗客数の情報とを含む乗客情報を、管理サーバ200へ送信する。
【0082】
なお、送信部26bは、バス1が停留所を出発して算出部25bでの算出処理等が完了してから次の停留所に到着するまでの間に送信処理を実行するが、送信のタイミングはこれに限定されるものではない。
【0083】
<管理サーバの構成>
次いで、管理サーバ200の構成について図8を参照して説明する。図8は、管理サーバ200の構成例を示すブロック図である。
【0084】
図8に示すように、管理サーバ200は、通信部201と、制御部210と、記憶部220とを備える。通信部201は、通信ネットワークNに双方向通信可能に接続する通信インターフェイスであり、バス端末装置10やバス事業者端末装置300、ユーザ端末装置400等との間で情報の送受信を行う。
【0085】
制御部210は、取得部211と、混雑度算出部212と、提供部213とを備え、例えば、CPU、ROM、RAM、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0086】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部210の取得部211、混雑度算出部212および提供部213として機能する。
【0087】
また、制御部210の取得部211、混雑度算出部212および提供部213の少なくともいずれか一部または全部をASICやFPGA等のハードウェアで構成することもできる。
【0088】
また、記憶部220は、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部220には、乗客情報221、バス情報222および各種プログラムなどが記憶される。
【0089】
乗客情報221は、降り口端末装置10bから送信された、バス1の乗客に関する情報である。乗客情報221には、上記したように、乗車者情報31bや降車者情報32bの一部あるいは全部と、乗降カウンタ33bの値であるバス1の乗客数の情報とが含まれる。
【0090】
バス情報222は、バス1に関する情報である。バス情報222には、例えばバス1の定員を示す定員情報などが含まれるが、これに限られず、バス1の運行計画情報などその他の情報が含まれてもよい。なお、バス情報222は、予め記憶部220に記憶されるが、これに限定されるものではなく、例えばバス事業者端末装置300など外部端末から送信されて記憶部220に記憶されてもよい。
【0091】
制御部210の取得部211は、降り口端末装置10bから送信された情報を取得し、取得された情報を記憶部220に乗客情報221として記憶させる。
【0092】
混雑度算出部212は、バス1の混雑度、詳しくはバス1の現在の混雑度を算出する。混雑度は、バス1の混雑状況の度合いを示す指標値であり、例えばバス1の定員に対する乗客数等に応じた数段階のレベルで示される値である。
【0093】
例えば、混雑度算出部212は、乗客情報221に含まれるバス1の現在の乗客数の情報と、バス情報222に含まれるバス1の定員情報とに基づいて、バス1の現在の混雑度を算出する。混雑度算出部212は、算出された混雑度を示す混雑度情報を提供部213へ出力する。
【0094】
提供部213は、かかる混雑度情報を通信部201を介して、例えばユーザ端末装置400やバス事業者端末装置300へ提供することができる。また、提供部213は、乗客情報221を通信部201を介して、例えばバス事業者端末装置300へ提供することができる。
【0095】
<実施形態に係る情報処理システムの制御処理>
次に、実施形態に係るバス端末装置10を含む情報処理システム100が実行する処理手順について、図9を用いて説明する。図9は、実施形態に係るバス端末装置10を含む情報処理システム100が実行する処理シーケンスの一例を示す図である。
【0096】
図9に示すように、先ず乗り口端末装置10aは、第1カメラ11aから、バス1の乗り口2a付近に存在する人物の撮像画像を取得する(ステップS10)。次いで、乗り口端末装置10aは、撮像画像に写った人物の頭の位置に基づいて人物のバス1に対する乗車を判定する(ステップS11)。
【0097】
乗り口端末装置10aは、バス1に乗車したと判定された人物が写った撮像画像(乗車者撮像画像)を含む乗車者情報を記憶部30aに登録する(ステップS12)。そして、乗り口端末装置10aは、乗車者情報を降り口端末装置10bへ出力する(ステップS13)。
【0098】
降り口端末装置10bは、第2カメラ11bから降車者撮像画像を取得する(ステップS14)。次いで、降り口端末装置10bは、降車者撮像画像を含む降車者情報を記憶部30bに登録する(ステップS15)。ここで、記憶部30bには、以前の処理で乗り口端末装置10aから出力された乗車者情報が登録されているものとする。
【0099】
次いで、降り口端末装置10bは、乗車者情報と降車者情報とを照合する(ステップS16)。例えば、降り口端末装置10bは、降車者情報における降車者の特徴点情報や属性情報が、乗車者情報における乗車者の特徴点情報や属性情報と一致あるいは略一致するか否かの照合を行う。
【0100】
降り口端末装置10bは、乗車者情報、降車者情報および照合結果などに基づいて、バス1の乗客数を算出する(ステップS17)。また、降り口端末装置10bは、乗り口端末装置10aから乗車者情報が新たに出力された場合、記憶部30bの乗車者情報を更新する(ステップS18)。
【0101】
そして、降り口端末装置10bは、乗車者情報や降車者情報、バス1の乗客数などを含む乗客情報を管理サーバ200へ送信する(ステップS19)。
【0102】
管理サーバ200は、バス1の乗客数の情報などに基づいてバス1の混雑度を算出する(ステップS20)。そして、管理サーバ200は、混雑度情報や乗客情報などを、バス事業者端末装置300やユーザ端末装置400へ提供する(ステップS21)。
【0103】
上述してきたように、実施形態に係るバス端末装置10(乗降判定装置の一例)は、検出部22aと、判定部23aとを備える。検出部22aは、バス1の乗降口(乗り口2a)付近に存在する人物の頭の位置を検出する。判定部23aは、検出部22aによって検出された人物の頭の位置に基づいて人物の乗り物に対する乗降を判定する。これにより、実施形態にあっては、乗り物の乗降口付近に存在する人物の乗り物に対する乗降を精度よく判定することができる。
【0104】
<変形例>
次に、変形例について説明する。変形例では、降り口端末装置10bが、例えばバス1の降り口2b(図1参照)付近に存在する人物の乗り物からの降車の判定を行うようにした。
【0105】
図10は、変形例に係る降り口端末装置10bの構成例を示すブロック図である。なお、以下においては、実施形態と共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0106】
図10に示すように、変形例に係る降り口端末装置10bの制御部20bは、判定部27bをさらに備える。
【0107】
制御部20bの取得部21bは、第2カメラ11bから、バス1の降り口2b付近に存在する人物(降車者を含む)の撮像画像を取得する。取得部21bは、取得された撮像画像を検出部22bへ出力する。
【0108】
検出部22bは、撮像画像に基づいて、バス1の降り口2b付近に存在する人物の頭の位置を検出する。検出部22bは、検出された頭の位置を示す情報を判定部27bへ出力する。
【0109】
判定部27bは、撮像画像に写った人物のバス1からの降車を判定する。この降車の判定処理について、図11を参照しつつ説明する。図11は、降車の判定処理を説明するための図である。なお、図11では、撮像画像B1を示し、最初に撮像された人物Pを実線で示し、その後人物Pが移動した後に撮像された人物Pを破線で示している。
【0110】
図11に示すように、判定部27bは、検出された人物Pの頭Pbの位置に基づいて人物Pのバス1からの降車を判定する。例えば、判定部27bは、人物Pの頭Pbの位置が、矢印D4で示すように、人物Pの移動前後において相対的に下がった場合、人物Pがバス1から降車したと判定するようにした。これにより、変形例にあっては、人物Pのバス1からの降車を精度よく判定することができる。
【0111】
詳しく説明すると、例えば人物Pがバス1の車内から車外に降りて降車する場合、バス1の降り口2bにある段差4(図1参照)を下りる必要があるため、人物Pの頭Pbの位置は、人物Pの移動前後で相対的に下がる。そこで、変形例に係る降り口端末装置10bにあっては、人物Pの頭Pbの位置が、人物Pの移動前後において相対的に下がった場合、人物Pがバス1から降車したと判定するようにした。
【0112】
これにより、変形例に係る降り口端末装置10bは、人物Pのバス1からの降車を精度よく判定することができる。言い換えると、降り口端末装置10bは、例えば降り口2b付近に立っているだけで実際には降車しない人物が撮像画像に写り込んだ場合であっても、人物の頭の位置は相対的に下がらないため、バス1から降車したと判定しない。これにより、降り口端末装置10bは、降り口2b付近に立っているだけの人物をバス1から降車する降車者として誤判定してしまうことを抑制することができる。
【0113】
例えば、判定部27bは、実線で示す人物Pの移動前の頭Pbの位置が、第2所定値以上下がって、破線で示す人物Pの移動後の頭Pbの位置になった場合、人物Pがバス1から降車したと判定してもよい。ここで、第2所定値は、例えばバス1が停車している路面から段差4(図1参照)までの高さに応じて設定される。これにより、人物Pが段差4を下りてバス1から降車したことを精度よく判定することが可能になる。なお、上記では、第2所定値が段差4の高さに応じて設定されるようにしたが、これは例示であって限定されるものではなく、任意の値に設定されてもよい。
【0114】
なお、登録部23bは、降り口2b付近に存在する人物がバス1から降車したと判定された場合に、かかる人物(降車者)が写っている撮像画像を降車者撮像画像とする。そして、登録部24aは、降車者撮像画像を含む各種の情報(特徴点情報や属性情報)を記憶部30bに降車者情報32bとして登録する。
【0115】
なお、上記した変形例では、判定部27bは、人物の頭の位置に基づいて人物の降車を判定するようにしたが、これに限定されるものではなく、頭の位置に加え、あるいは代えて人物の顔の大きさに基づいて人物の降車を判定してもよい。すなわち、図示は省略するが、判定部27bは、頭の位置が人物の移動前後において相対的に下がった後に、顔の大きさが人物の移動前後において相対的に小さくなった場合、人物がバス1に降車したと判定してもよい。このように、顔の大きさが人物の移動前後において相対的に小さくなったということは、人物がバス1の中に設けられた第2カメラ11bから離れ、バス1から降車したことを示していることから、判定部27bは、人物のバス1からの降車をより精度よく判定することができる。
【0116】
なお、バス端末装置10は、上記した乗車の判定および降車の判定の両方を行ってもよいし、いずれか一方を行ってもよい。
【0117】
なお、上記した実施形態および変形例において、乗り口端末装置10a、降り口端末装置10bおよび管理サーバ200がそれぞれ、各種の処理を行うようにしたが、各種の処理が行われる装置は、上記に限定されるものではない。
【0118】
すなわち、乗り口端末装置10aで行われる処理の一部あるいは全部が、降り口端末装置10bあるいは管理サーバ200で行われるようにしてもよい。また、降り口端末装置10bで行われる処理の一部あるいは全部が、乗り口端末装置10aあるいは管理サーバ200で行われるようにしてもよい。また、管理サーバ200で行われる処理の一部あるいは全部が、乗り口端末装置10aあるいは降り口端末装置10bで行われるようにしてもよい。
【0119】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0120】
1 バス
10 バス端末装置
10a 乗り口端末装置
10b 降り口端末装置
11a 第1カメラ
11b 第2カメラ
22a 検出部
23a 判定部
100 情報処理システム
200 管理サーバ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11