IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ TOWA株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-加工装置及び加工品の製造方法 図1
  • 特許-加工装置及び加工品の製造方法 図2
  • 特許-加工装置及び加工品の製造方法 図3
  • 特許-加工装置及び加工品の製造方法 図4
  • 特許-加工装置及び加工品の製造方法 図5
  • 特許-加工装置及び加工品の製造方法 図6
  • 特許-加工装置及び加工品の製造方法 図7
  • 特許-加工装置及び加工品の製造方法 図8
  • 特許-加工装置及び加工品の製造方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】加工装置及び加工品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/08 20140101AFI20240704BHJP
   B23K 26/10 20060101ALI20240704BHJP
   B23K 26/382 20140101ALI20240704BHJP
   B65H 16/00 20060101ALI20240704BHJP
   B65H 18/00 20060101ALI20240704BHJP
   B65H 20/16 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
B23K26/10
B23K26/382
B65H16/00
B65H18/00
B65H20/16
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020190654
(22)【出願日】2020-11-17
(65)【公開番号】P2022079834
(43)【公開日】2022-05-27
【審査請求日】2022-12-05
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(72)【発明者】
【氏名】木村 光
(72)【発明者】
【氏名】水間 敬太
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-090271(JP,A)
【文献】特開平07-308881(JP,A)
【文献】特開平05-169386(JP,A)
【文献】特開昭57-156187(JP,A)
【文献】国際公開第2010/021025(WO,A1)
【文献】特開平11-058061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00-26/70
B65H 16/00
B65H 18/00
B65H 20/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの下側に配置される第一保持部と、
前記ワークの上側に配置される第二保持部と、
前記第一保持部及び前記第二保持部によって前記ワークを挟むように、前記第一保持部及び前記第二保持部を移動させる共通のアクチュエータと、
前記第一保持部の下側への移動を規制する第一規制部と、
前記第二保持部の下側への移動を規制する第二規制部と、
を具備し、
前記アクチュエータは、前記第一保持部の下側に固定され、
前記第一保持部及び前記第二保持部によって前記ワークを挟んでいる場合、前記第一規制部は、前記第一保持部の下側への移動は規制しておらず、かつ、前記第二規制部は、前記第二保持部の下側への移動を規制しており、
前記アクチュエータは、前記ワークの保持を解除する場合、前記第一保持部から前記第二保持部を離し、
前記第一保持部及び前記第二保持部によって前記ワークを挟んでいる場合にて、前記アクチュエータが前記第一保持部から前記第二保持部を離したとき、前記第一規制部が前記第一保持部の下側への移動を規制するまで前記第一保持部が下降し、その後、前記第二保持部は上昇し、前記第二規制部の規制が解除される、
ワーク保持機構と、
前記ワーク保持機構により保持された前記ワークを加工する加工機構と、
ロール状に巻かれた前記ワークを引き出して前記ワーク保持機構へと搬送すると共に、前記加工機構によって加工された前記ワークをロール状に巻き取る搬送機構と、
を具備する加工装置。
【請求項2】
前記アクチュエータは、前記第一保持部に前記第二保持部を近づける、
請求項1に記載の加工装置
【請求項3】
前記第一保持部及び前記第二保持部は、前記第一保持部及び前記第二保持部の移動方向から見て矩形状に形成され、
前記第一規制部及び前記第二規制部は、少なくとも前記第一保持部及び前記第二保持部の各角部に配置されている、
請求項1又は請求項2に記載の加工装置
【請求項4】
前記第一保持部及び前記第二保持部は、前記第一保持部及び前記第二保持部の移動方向から見て矩形状に形成され、
前記アクチュエータは、少なくとも前記第一保持部及び前記第二保持部の1組の対角部に配置されている、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の加工装置
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の加工装置を用いて、前記ワークを加工する、
加工品の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工装置及び加工品の製造方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板を支持するベースと、基板をベースに対して押さえつけるクランパーと、クランパーを昇降させるエアシリンダと、を備えた基板保持装置が開示されている。この基板保持装置では、エアシリンダを作動させることで、クランパーをベースに対して昇降させ、クランパーとベースとの間で基板を保持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-33973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているような基板保持装置において、クランパーだけでなくベースも昇降させようとした場合、ベースを昇降させるためのアクチュエータ(エアシリンダ)を別途設ける必要がある。そのため、部品点数が増加し、装置の構造が複雑化するおそれや、コストが増加するおそれがある。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、ワークを保持するための2つの保持部を移動可能としながらも、構造の複雑化を抑制することが可能な加工装置及び加工品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、この課題を解決するため、本発明に係る加工装置は、ワークの下側に配置される第一保持部と、前記ワークの上側に配置される第二保持部と、前記第一保持部及び前記第二保持部によって前記ワークを挟むように、前記第一保持部及び前記第二保持部を移動させる共通のアクチュエータと、前記第一保持部の下側への移動を規制する第一規制部と、前記第二保持部の下側への移動を規制する第二規制部と、を具備し、前記アクチュエータは、前記第一保持部の下側に固定され、前記第一保持部及び前記第二保持部によって前記ワークを挟んでいる場合、前記第一規制部は、前記第一保持部の下側への移動は規制しておらず、かつ、前記第二規制部は、前記第二保持部の下側への移動を規制しており、前記アクチュエータは、前記ワークの保持を解除する場合、前記第一保持部から前記第二保持部を離し、前記第一保持部及び前記第二保持部によって前記ワークを挟んでいる場合にて、前記アクチュエータが前記第一保持部から前記第二保持部を離したとき、前記第一規制部が前記第一保持部の下側への移動を規制するまで前記第一保持部が下降し、その後、前記第二保持部は上昇し、前記第二規制部の規制が解除される、ワーク保持機構と、前記ワーク保持機構により保持された前記ワークを加工する加工機構と、ロール状に巻かれた前記ワークを引き出して前記ワーク保持機構へと搬送すると共に、前記加工機構によって加工された前記ワークをロール状に巻き取る搬送機構と、を具備するものである。
【0008】
また本発明に係る加工品の製造方法は、前記加工装置を用いて、前記ワークを加工するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、構造の複雑化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】レーザ加工装置の全体的な構成を示す側面模式図。
図2】保持機構を示す正面断面図(左側はフィルムを保持していない状態、右側はフィルムを保持している状態)。
図3】保持機構(特に下側保持部)を示す平面図。
図4】保持機構を示す側面図。
図5】ストッパ機構及びアクチュエータの構成を示す側面断面図。
図6】(a)フィルムを保持していない状態の保持機構を示す側面図。(b)上側保持部が下降した状態の保持機構を示す側面図。
図7】フィルムを保持している状態の保持機構を示す側面図。
図8】(a)複数の孔が形成されたフィルムを示す平面模式図。(b)レーザ光の軌跡を示す模式図。(c)フィルムに形成された孔の形状を示す模式図。
図9】(a)フィルムを挟む部分を示した平面模式図。(b)フィルムを挟む部分の変形例を示した平面模式図。(c)フィルムを挟む部分の変形例を示した平面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下で説明する本実施形態に係るレーザ加工装置1は、ワーク(加工対象物)であるフィルムFを加工するためのものである。まず、加工対象となるフィルムFについて説明する。
【0012】
本実施形態では、レーザ加工装置1による加工対象となるフィルムFとして、樹脂成形装置で用いられるリリースフィルムを想定している。このリリースフィルムとしては、例えばポリスチレン系フィルム、PET系フィルム、ポリメチルペンテン系フィルム等を用いることができる。リリースフィルムは、樹脂成形装置において樹脂が成形型に付着しないように、成形型の表面に吸着されて保持される。
【0013】
ここで、リリースフィルムを吸着保持した成形型に、さらに樹脂成形の対象となるウェーハ等を吸着保持するためには、リリースフィルムに空気が通過できる程度の孔を形成する必要がある。本実施形態に係るレーザ加工装置1は、このようなリリースフィルムを得るために、フィルムFに複数の孔F1(図8参照)を形成する(孔開け加工を行う)ものである。
【0014】
<レーザ加工装置1の全体構成>
次に、図1を用いて、本実施形態に係るレーザ加工装置1の構成について説明する。なお以下では、図中に示した矢印U、矢印D、矢印L、矢印R、矢印F及び矢印Bで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、左方向、右方向、前方向及び後方向と定義して説明を行う。
【0015】
レーザ加工装置1は、主として巻出し機構10、巻取り機構20、保持機構100、上側集塵機構30、下側集塵機構40及びレーザ機構50を具備する。
【0016】
<巻出し機構10>
巻出し機構10は、ロール状に巻かれたフィルムFを後述する保持機構100へと供給するものである。巻出し機構10は、主として巻出しローラ11、ガイドローラ12及びイオナイザ13を具備する。
【0017】
巻出しローラ11は、ロール状に巻かれたフィルムFを支持するものである。巻出しローラ11は円柱状に形成され、軸線を水平(図1の紙面奥行き方向)に向けて配置される。巻出しローラ11には、加工される前のフィルムFが巻き付けられる。巻出しローラ11には図示せぬ駆動源(モータ等)が設けられる。前記駆動源によって巻出しローラ11に適宜の回転力を付与することで、巻出しローラ11から引き出されたフィルムFに対して適宜の張力(テンション)を付与することができる。
【0018】
ガイドローラ12は、巻出しローラ11から引き出されたフィルムFを保持機構100へと案内するものである。ガイドローラ12は円柱状に形成され、軸線を水平(図1の紙面奥行き方向)に向けて配置される。ガイドローラ12は、3つ設けられる。巻出しローラ11から引き出されたフィルムFは、3つのガイドローラ12に順次巻き掛けられる。フィルムFは、3つのガイドローラ12によって適宜の張力を付与されると共に、適宜の方向へと向きを変えながら案内される。
【0019】
イオナイザ13は、フィルムFの静電気を除去するものである。イオナイザ13は、フィルムFの静電気をイオンで中和することができる。イオナイザ13は、ガイドローラ12によって案内されるフィルムFの通過経路の中途部に配置される。
【0020】
<巻取り機構20>
巻取り機構20は、レーザ機構50による加工が終了したフィルムFを巻取るものである。巻取り機構20は、主として巻取りローラ21、ガイドローラ22、送りローラ23、粘着ローラ24及びイオナイザ25を具備する。
【0021】
巻取りローラ21は、フィルムFをロール状に巻き取るものである。巻取りローラ21は円柱状に形成され、軸線を水平(図1の紙面奥行き方向)に向けて配置される。巻取りローラ21には、加工が終了したフィルムFが巻き付けられる。巻取りローラ21には図示せぬ駆動源(モータ等)が設けられる。前記駆動源によって巻取りローラ21に適宜の回転力を付与することで、巻取りローラ21に巻き取られるフィルムFに対して適宜の張力を付与することができる。
【0022】
ガイドローラ22は、レーザ機構50による加工が終了した(保持機構100を通過した)フィルムFを巻取りローラ21へと案内するものである。ガイドローラ22は円柱状に形成され、軸線を水平(図1の紙面奥行き方向)に向けて配置される。ガイドローラ22は、3つ設けられる。レーザ機構50による加工が終了したフィルムFは、3つのガイドローラ22及び後述する送りローラ23に順次巻き掛けられる。フィルムFは、3つのガイドローラ22及び後述する送りローラ23によって適宜の張力を付与されると共に、適宜の方向へと向きを変えながら、巻取りローラ21へと案内される。
【0023】
送りローラ23は、フィルムFを巻出しローラ11から巻取りローラ21に向かうように送るものである。送りローラ23は円柱状に形成され、軸線を水平(図1の紙面奥行き方向)に向けて配置される。送りローラ23には、巻き掛けられたフィルムFが送りローラ23に対して滑らないように、送りローラ23との間でフィルムFを挟みこむ滑り防止ローラ23aが設けられる。滑り防止ローラ23aは、例えばゴム等の弾性を有する素材により形成される。送りローラ23には図示せぬ駆動源(モータ等)が設けられる。前記駆動源によって送りローラ23を回転させることで、フィルムFを巻出しローラ11から巻取りローラ21に向かって送ることができる。
【0024】
粘着ローラ24は、加工が終了したフィルムFに付着したゴミや加工屑(コンタミ)を除去するものである。粘着ローラ24は円柱状に形成され、軸線を水平(図1の紙面奥行き方向)に向けて配置される。粘着ローラ24は、2つ設けられる。粘着ローラ24は、ガイドローラ22及び送りローラ23との間でフィルムFを挟みこむようにそれぞれ配置される。
【0025】
イオナイザ25は、フィルムFの静電気を除去するものである。イオナイザ25は、フィルムFの静電気をイオンで中和することができる。イオナイザ25は、ガイドローラ22及び送りローラ23によって案内されるフィルムFの通過経路の中途部に配置される。
【0026】
なお、フィルムFの静電気を除去するための機器は、上述のイオナイザ13及びイオナイザ25に限るものではない。例えば、フィルムFの表面に接触させることで静電気を除去することが可能な除電ブラシ等を用いることも可能である。
【0027】
<保持機構100>
保持機構100は、フィルムFの加工を行う際に、フィルムFを挟んで保持するものである。保持機構100は、下側保持部120と上側保持部130によってフィルムFを上下から挟むことで、フィルムFを保持することができる。なお、保持機構100の具体的な構成については後述する。
【0028】
<上側集塵機構30>
上側集塵機構30は、フィルムFを加工する際に発生するヒュームや粒子状物質等を回収するものである。上側集塵機構30は、主として上側筐体31及び上側ダクト32を具備する。
【0029】
上側筐体31は、保持機構100(より具体的には、後述する上側保持部130の上面)を上方から覆うものである。上側筐体31は、中空の箱状に形成される。上側筐体31は、保持機構100のすぐ上方に配置される。上側筐体31の下面(上側保持部130と対向する部分)は開口されている。
【0030】
上側ダクト32は、上側筐体31の内部と外部とを連通するものである。上側ダクト32は、筒状に形成される。上側ダクト32は、上側筐体31の上部に設けられる。上側ダクト32は、図示せぬファンに接続される。前記ファンを駆動させることで、上側ダクト32を介して上側筐体31内の空気を排出することができる。
【0031】
<下側集塵機構40>
下側集塵機構40は、フィルムFを加工する際に発生するヒュームや粒子状物質等を回収するものである。下側集塵機構40は、主として下側筐体41及び下側ダクト42を具備する。
【0032】
下側筐体41は、保持機構100(より具体的には、後述する下側保持部120の下面)を下方から覆うものである。下側筐体41は、中空の箱状に形成される。下側筐体41は、保持機構100のすぐ下方に配置される。下側筐体41の上面(下側保持部120と対向する部分)は開口されている。下側筐体41は、下側保持部120に固定される。
【0033】
下側ダクト42は、下側筐体41の内部と外部とを連通するものである。下側ダクト42は、筒状に形成される。下側ダクト42は、下側筐体41の底部に設けられる。下側ダクト42は、図示せぬファンに接続される。前記ファンを駆動させることで、下側ダクト42を介して下側筐体41内の空気を排出することができる。
【0034】
<レーザ機構50>
レーザ機構50は、レーザ光を用いてフィルムFを加工するものである。レーザ機構50は、主として加工ヘッド51を具備する。
【0035】
加工ヘッド51は、レーザ光を照射するものである。加工ヘッド51は、上側筐体31の上部に設けられる。加工ヘッド51は、図示せぬ発振装置により発振されたレーザ光を下方に向かって照射することができる。加工ヘッド51は、レーザ光の照射方向を任意に変更することができる。加工ヘッド51から照射されたレーザ光は、上側筐体31の内部を介して保持機構100により保持されたフィルムFへと照射される。このようにレーザ光をフィルムFに照射することで、フィルムFを加工することができる。
【0036】
レーザ機構50で用いるレーザとしては、例えばUVレーザ、COレーザ等、種々のレーザを用いることが可能である。
【0037】
なお、上述のレーザ加工装置1の各部の動作は、CPU等の演算処理部、RAMやROM等の記憶部等を具備する制御部(不図示)によって制御される。
【0038】
<レーザ加工装置1による加工方法>
次に、上述の如く構成されたレーザ加工装置1を用いてフィルムFを加工する方法(孔F1の開いたフィルムFの製造方法)について説明する。
【0039】
送りローラ23が側面視(図1参照)時計回りに回転すると、ガイドローラ12等により案内されながら、巻出しローラ11から巻取りローラ21に向かってフィルムFが移動する。具体的には、巻出しローラ11から引き出されたフィルムFは、保持機構100の下側保持部120及び上側保持部130の間を右方に向かって通過し、巻取りローラ21に巻き取られる。
【0040】
この際、巻出しローラ11から引き出されたフィルムFは、保持機構100に到達する前に、イオナイザ13によって静電気が除去される。フィルムFの加工すべき部位(後述する加工対象範囲P(図3参照))が保持機構100に到達すると、送りローラ23が停止され、フィルムFの移動が停止される。その後、保持機構100(下側保持部120と上側保持部130)によってフィルムFが上下から挟まれて保持される。このようにフィルムFを保持することで、振動や空気の影響によってフィルムFが揺れたり皺が生じたりするのを防止することができる。
【0041】
保持機構100によってフィルムFが保持された状態で、上側集塵機構30及び下側集塵機構40が作動され、レーザ機構50によるフィルムFの孔開け加工が行われる。これによって、ヒューム等を回収しながらフィルムFに複数の孔F1を形成することができる。
【0042】
保持機構100によって保持された部位の加工が終了すると、下側保持部120と上側保持部130がフィルムFから離れるように上下に移動し、フィルムFの保持が解除される。この状態で再度送りローラ23が回転し、フィルムFが巻取りローラ21に向かって移動する。
【0043】
レーザ機構50により加工されたフィルムFは、巻取りローラ21に到達する前に、イオナイザ25によって静電気が除去されると共に、粘着ローラ24によってコンタミが除去される。その後、フィルムFは巻取りローラ21に巻き取られる。
【0044】
このようなフィルムFの一定距離の移動と、レーザ機構50による加工を繰り返し行うことで、複数の孔F1が形成されたロール状のフィルムFを製造することができる。
【0045】
<保持機構100の具体的構成>
次に、図2から図5を用いて、保持機構100の構成について説明する。
【0046】
上述の如く、保持機構100は、フィルムFの加工を行う際に、フィルムFを挟んで保持するものである。保持機構100は、主としてベース部110、下側保持部120、上側保持部130、上側ストッパ機構140、下側ストッパ機構150及びアクチュエータ160を具備する。
【0047】
図2に示すベース部110は、保持機構100を構成する各部材(後述する上側保持部130等)を支持するものである。ベース部110は直方体状に形成され、床面に載置される。
【0048】
図2から図4に示す下側保持部120は、フィルムFの下面に接触可能な部材である。下側保持部120は、平面視矩形の枠状に形成される。具体的には、下側保持部120は、平面視矩形板状の部材の中央部分に、矩形状の開口部121を設けることにより形成される。開口部121の前後幅は、フィルムFの前後幅より若干小さく形成される。
【0049】
下側保持部120の上面には、スポンジ122が設けられる。スポンジ122は、弾性を有する部材である。スポンジ122は、開口部121を全周に亘って囲むように配置される。これによってスポンジ122は、平面視において矩形枠状に配置される。
【0050】
図2及び図4に示す上側保持部130は、フィルムFの上面に接触可能な部材である。上側保持部130は、概ね下側保持部120と同様の形状(平面視矩形の枠状)に形成される。すなわち、上側保持部130は、平面視矩形板状の部材の中央部分に、矩形状の開口部131を設けることにより形成される。開口部131は、下側保持部120の開口部121よりも一回り小さく形成される。具体的には、開口部131の前後幅及び左右幅は、それぞれ開口部121の前後幅及び左右幅よりも若干小さく形成される(図2の拡大部分参照)。
【0051】
上側保持部130は、下側保持部120の上方に配置される。上側保持部130は、外形が、平面視において下側保持部120の外形と一致するように配置される。このように、上側保持部130は下側保持部120と上下に対向するように配置される。
【0052】
図2から図5に示す上側ストッパ機構140は、下側保持部120及び上側保持部130を上下に案内すると共に、上側保持部130の下方への移動を所定の位置で規制するものである。図5に示すように、上側ストッパ機構140は、主として下側ブシュ141、上側ブシュ142、可動軸143及びストッパ144を具備する。
【0053】
下側ブシュ141は、ベース部110に固定されて、後述する可動軸143を案内するものである。下側ブシュ141は円筒状に形成され、軸線を垂直方法に向けて配置される。下側ブシュ141の下部は、ベース部110を上下に貫通するように形成された孔部111に挿入された状態で固定される。
【0054】
上側ブシュ142は、下側保持部120に固定されて、後述する可動軸143を案内するものである。上側ブシュ142は円筒状に形成され、軸線を垂直方法に向けて配置される。上側ブシュ142は、下側ブシュ141と同軸上に配置される。上側ブシュ142は、下側保持部120を上下に貫通するように形成された孔部123に挿入された状態で固定される。
【0055】
可動軸143は、下側保持部120及び上側保持部130を上下に案内するものである。可動軸143は円柱状に形成され、軸線を垂直方向に向けて配置される。可動軸143は、下側ブシュ141及び上側ブシュ142に挿入される。可動軸143は、下側ブシュ141及び上側ブシュ142の軸線方向に沿って移動することができる。可動軸143の上端部は、上側保持部130に固定される。
【0056】
ストッパ144は、可動軸143の下方への移動を所定の位置で規制するものである。ストッパ144は、上下方向において下側ブシュ141と上側ブシュ142の間に配置される。ストッパ144は、可動軸143に外側から嵌め合わされることで、可動軸143に固定される。これによってストッパ144は、可動軸143の外周面から可動軸143の径方向外側に突出するように配置される。
【0057】
このように構成された上側ストッパ機構140は、図3に示すように、平面視矩形状に形成された下側保持部120の4つの角部(四隅)にそれぞれ設けられる。
【0058】
図2から図5に示す下側ストッパ機構150は、下側保持部120の下方への移動を所定の位置で規制するものである。図5に示すように、下側ストッパ機構150は、主として固定軸151及びストッパ152を具備する。
【0059】
固定軸151は、後述するストッパ152と接触するものである。固定軸151は円柱状に形成され、軸線を垂直方向に向けて配置される。固定軸151の下端部は、ベース部110の上面に固定される。固定軸151は、ベース部110から上方に向かって突出するように配置される。
【0060】
ストッパ152は、下側保持部120の下方への移動を所定の位置で規制するものである。ストッパ152は円柱状に形成され、軸線を垂直方向に向けて配置される。ストッパ152は、固定軸151と同軸上に配置される。ストッパ152は、下側保持部120の下面に固定される。ストッパ152は、下側保持部120から下方に向かって突出するように配置される。
【0061】
このように構成された下側ストッパ機構150は、図3に示すように、平面視矩形状に形成された下側保持部120の4つの角部(四隅)にそれぞれ設けられる。
【0062】
図2から図5に示すアクチュエータ160は、下側保持部120及び上側保持部130を上下に移動させるものである。アクチュエータ160は、エアシリンダにより構成される。図5に示すように、アクチュエータ160は、主としてシリンダ本体161及びロッド162を具備する。
【0063】
シリンダ本体161は、後述するロッド162を伸縮可能に支持するものである。シリンダ本体161は、下側保持部120の下面に固定される。
【0064】
ロッド162は、シリンダ本体161に対して摺動(伸縮)可能なものである。ロッド162は円柱状に形成され、軸線を垂直方向に向けて配置される。ロッド162は、シリンダ本体161から上方に突出するように配置される。ロッド162は、下側保持部120を上下に貫通するように形成された孔部124に挿入され、下側保持部120よりも上方に突出するように配置される。ロッド162の上端部は、上側保持部130に固定される。シリンダ本体161にエアを適宜供給することによって、ロッド162をシリンダ本体161に対して上下に摺動させることができる。なお、ロッド162は必ずしも上側保持部130に固定する必要はなく、例えばロッド162の上端を上側保持部130に固定することなく、下方から接触させた状態とすることも可能である。
【0065】
このように下側保持部120に固定されて一方向に伸縮するロッド162を有するアクチュエータ160を用いて、上側保持部130を下側保持部120に対して近づく方向又は離れる方向に相対的に移動させることができる。またこのアクチュエータ160の動作によって、下側保持部120及び上側保持部130をそれぞれ上下に移動させることができる。なお、アクチュエータ160を用いた動作の詳細については後述する。
【0066】
このように構成されたアクチュエータ160は、図3に示すように、平面視矩形状に形成された下側保持部120の1組の対角部(右前及び左後の角部)にそれぞれ設けられる。
【0067】
このようにして、下側保持部120の1組の対角部(右前及び左後の角部)には、それぞれ上側ストッパ機構140、下側ストッパ機構150及びアクチュエータ160が配置される。この対角部に配置された上側ストッパ機構140、下側ストッパ機構150及びアクチュエータ160は、互いに近づくように前後に並んで配置される。また下側保持部120の他方の1組の対角部(左前及び右後の角部)には、それぞれ上側ストッパ機構140及び下側ストッパ機構150が配置される。この対角部に配置された上側ストッパ機構140及び下側ストッパ機構150は、互いに近づくように前後に並んで配置される。
【0068】
<保持機構100の動作>
このように構成された保持機構100は、前述のように下側保持部120と上側保持部130によってフィルムFを上下から挟んで保持することができる。以下では図2図3図6及び図7を用いて保持機構100の動作について説明する。
【0069】
まず、保持機構100によってフィルムFを挟んで保持する場合の動作について説明する。なお、図6及び図7では、フィルムFを挟む場合に各部が動く様子を二点鎖線で示している。
【0070】
図6(a)には、保持機構100がフィルムFを保持していない状態を示している。この状態では、アクチュエータ160のロッド162が伸長し、下側保持部120及び上側保持部130はフィルムFから上下にそれぞれ離れている。
【0071】
図6(a)に示す状態からアクチュエータ160のロッド162を収縮させると、図6(b)に示すように、ロッド162と共に上側保持部130が下方へと移動する。これによって上側保持部130がフィルムFに上方から近づく。
【0072】
また、上側保持部130と共に可動軸143も下方へと移動する。可動軸143が所定の位置まで下方へと移動すると、可動軸143に固定されたストッパ144が下側ブシュ141と接触する。これによって、上側保持部130の下方への移動が規制される。
【0073】
図6(b)に示す状態からアクチュエータ160のロッド162をさらに収縮させると、上側保持部130の移動が規制されているため、図7に示すように、上側保持部130ではなく、シリンダ本体161が固定されている下側保持部120が上方へと移動する。これによって下側保持部120がフィルムFに下方から近づく。
【0074】
下側保持部120が上方へと移動することによって、下側保持部120(より詳細には、下側保持部120に設けられたスポンジ122)と上側保持部130との間にフィルムFが挟まれる。この際、スポンジ122が適宜変形することで、フィルムFをより確実に保持することができる。
【0075】
このように、共通のアクチュエータ160を動作させる(ロッド162を収縮させる)ことで、上側保持部130及び下側保持部120を順次移動させ、フィルムFを保持することができる。この状態では、フィルムFのうち、スポンジ122に沿う矩形状の部分S(図3のハッチング部分)が、下側保持部120(スポンジ122)と上側保持部130とによって挟み込まれて保持される。このようにしてフィルムFが挟み込まれた部分の内側の範囲(矩形状の範囲)が、レーザ機構50による加工対象となる(以下、この範囲を加工対象範囲Pと称する)。保持機構100によって加工対象範囲Pの周囲に亘る部分Sを挟んで保持することで、振動や空気の影響によって加工対象範囲PのフィルムFが揺れたり皺が生じたりするのを防止することができる。
【0076】
なお、図2に示すように、上側保持部130の開口部131が下側保持部120の開口部121よりも小さく形成されているため、下側保持部120に設けられたスポンジ122が、上側保持部130によって上方から覆われるように配置されることになる。これによって、フィルムFが加工される際に、上方から照射されるレーザ光がスポンジ122に照射されるのを防止することができ、スポンジ122の損傷を防止することができる。
【0077】
次に、保持機構100によるフィルムFの保持を解除する場合の動作について説明する。
【0078】
図7に示す状態からアクチュエータ160のロッド162を伸長させると、シリンダ本体161が下方へと移動する。これによって、シリンダ本体161が固定されている下側保持部120もフィルムFから離れて下方へと移動する。
【0079】
下側保持部120が所定の位置まで下方へと移動すると、図6(b)に示すように、下側保持部120に固定されたストッパ152が固定軸151と接触する。これによって、下側保持部120の下方への移動が規制される。
【0080】
図6(b)に示す状態からアクチュエータ160のロッド162をさらに伸長させると、下側保持部120の移動が規制されているため、図6(a)に示すように、下側保持部120ではなく、ロッド162が固定されている上側保持部130が上方へと移動する。これによって上側保持部130がフィルムFから離れて上方へと移動する。
【0081】
このように、共通のアクチュエータ160を動作させる(ロッド162を伸長させる)ことで、上側保持部130及び下側保持部120を順次移動させ、フィルムFの保持を解除することができる。この状態では、送りローラ23(図1参照)を回転させることで、フィルムFを巻取りローラ21に向かって移動させることができる。特に上側保持部130及び下側保持部120をそれぞれ上下に(フィルムFから離れるように)移動させることで、フィルムFが移動する際に上側保持部130及び下側保持部120に擦れるのを防止することができる。
【0082】
<孔F1の形状>
次に、レーザ機構50によってフィルムFに形成される孔F1の形状について説明する。
【0083】
図8(a)に示すように、本実施形態では、フィルムFの加工対象範囲Pに複数の孔F1を形成する。図8(a)は、フィルムFが円形のウェーハに用いられることを想定して、円形の範囲内に複数の孔F1を形成した例を示している。
【0084】
孔F1を形成する場合、レーザ機構50は、図8(b)に示すように、一直線状の軌跡Tに沿ってレーザ光を照射する。これによって、図8(c)に示すように、概ね一定の幅を有する長孔状の孔F1をフィルムFに形成することができる。本実施形態では、幅Aが0.2~1.0mm、長さBが1.0~2.5mmとなるように、孔F1を形成している。
【0085】
このように本実施形態では、孔F1をくり抜くように環状(例えば円形状)にレーザ光を照射するのではなく、一直線状にレーザ光を照射することによって、加工したフィルムFの残りかすがフィルムFに付着するのを抑制することができる。
【0086】
なお、孔F1の形状は上述のものに限らず、任意の形状とすることが可能である。例えば、上記孔F1の寸法は一例であり、任意に変更することが可能である。また、一直線状ではなく、例えば円形のような屈曲した線状(曲線状)の軌跡Tに沿ってレーザ光を照射して孔F1を形成することも可能である。なお、上述のようにフィルムFの残りかすの付着を抑制する観点から、端部同士が接続されていない線状の軌跡Tに沿ってレーザ光を照射することが望ましい。
【0087】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想の範囲内で適宜の変更が可能である。
【0088】
例えば本実施形態では、図2に示すように、フィルムFを確実に挟むために下側保持部120にスポンジ122を設けた例を示したが、下側保持部120に設けるのはスポンジ122に限らず、弾性を有する部材(例えばゴム等)であればよい。
【0089】
また本実施形態では、下側保持部120にスポンジ122を設けた例を示したが、下側保持部120ではなく上側保持部130に設けることや、下側保持部120及び上側保持部130の両方に設けることも可能である。また必ずしもスポンジ122を設ける必要はなく、下側保持部120及び上側保持部130で直接フィルムFを挟むように構成することも可能である。
【0090】
また本実施形態では、図3及び図9(a)に示すように、保持機構100によって、フィルムFの加工対象範囲Pの周囲に亘る部分Sを挟んで保持する例を示したが、フィルムFを挟む部分はこれに限るものではない。例えば図9(b)に示すように、フィルムFの加工対象範囲Pの側方の部分Sを挟んで保持することも可能である。特に図9(b)には、フィルムFの加工対象範囲Pの両側(フィルムFの搬送方向に対する幅方向(前後方向)の両端部)を挟んで保持する例を示している。なお、図9(b)の例に限らず、フィルムFの加工対象範囲Pの片側(一側方)だけを挟んで保持するように構成することも可能である。
【0091】
また図9(c)に示すように、フィルムFの複数の部分Sを挟んで保持することも可能である。このように、少なくともフィルムFの搬送方向(搬送機構によって張力が加わる方向)に対する幅方向の両端部を挟んで保持することで、振動や空気の影響によって加工対象範囲PのフィルムFが揺れたり皺が生じたりするのを防止することができる。
【0092】
また本実施形態では、図5に示すように、アクチュエータ160(シリンダ本体161)は下側保持部120に固定されるものとしたが、アクチュエータ160の配置はこれに限るものではなく、例えば上側保持部130にシリンダ本体161を固定すると共に、ロッド162を下側保持部120に連結することも可能である。
【0093】
また本実施形態では、アクチュエータ160としてエアシリンダを用いる例を示したが、アクチュエータ160としてはその他種々の方式(例えば、電動シリンダ、油圧シリンダ等)を用いることが可能である。
【0094】
また本実施形態では、図3に示すように、上側ストッパ機構140及び下側ストッパ機構150は下側保持部120の角部にそれぞれ設けられ、アクチュエータ160は下側保持部120の1組の対角部にそれぞれ設けられるものとしたが、上側ストッパ機構140等の配置はこれに限るものではなく、保持機構100の各部の大きさ、形状等に応じて、任意の位置に配置することが可能である。
【0095】
また本実施形態では、保持機構100によって保持したフィルムFをレーザ機構50によって加工する例を示したが、加工方法はこれに限るものではなく、種々の加工方法を採用することが可能である。例えば、保持機構100によって保持したフィルムFを、切削工具を用いて加工したり、水圧(ウォータージェット)により加工したり、プラズマを用いて加工したりする(すなわち、大気圧/真空プラズマ処理装置に適用する)ことも可能である。
【0096】
また本実施形態では、レーザ加工装置1の加工対象物(ワーク)としてフィルムFを例示したが、フィルムFに限らずその他種々の加工対象物を用いることが可能である。例えば、金属、ゴム、紙、布地等、種々の加工対象物に対して加工を行うことが可能である。
【0097】
またレーザ加工装置1に、本実施形態に例示した機構以外の他の機構を設けることも可能である。例えば加工に伴って有毒ガスが発生する場合(フッ素系のフィルムFを加工する場合等)には、排ガス処理装置を別途設けることも可能である。
【0098】
以上の如く、本実施形態に係る保持機構100(ワーク保持機構)は、
フィルムF(ワーク)の一方側に配置される下側保持部120(第一保持部)と、
前記フィルムFの他方側に配置される上側保持部130(第二保持部)と、
前記下側保持部120及び前記上側保持部130によって前記フィルムFを挟むように、前記下側保持部120及び前記上側保持部130を移動させる共通のアクチュエータ160と、
を具備するものである。
このように構成することにより、構造の複雑化を抑制することができる。すなわち、共通のアクチュエータ160で2つの保持部を移動させることができるため、構造の複雑化を抑制し、ひいては部品点数やコストの増加を抑制することができる。
【0099】
また、前記アクチュエータ160は、前記下側保持部120又は前記上側保持部130のいずれか一方に固定されるものである。
このように構成することにより、構造の簡素化を図ることができる。すなわち、下側保持部120を用いてアクチュエータ160を支持することができるため、アクチュエータ160を支持するための構造の簡素化を図ることができる。
【0100】
また、前記アクチュエータ160は、前記下側保持部120及び前記上側保持部130を互いに近づく方向及び離れる方向に移動させることが可能であり、
前記下側保持部120が前記上側保持部130に対して離れる方向に移動するのを所定の位置で規制する下側ストッパ機構150(第一規制部)と、
前記上側保持部130が前記下側保持部120に対して近づく方向に移動するのを所定の位置で規制する上側ストッパ機構140(第二規制部)と、
をさらに具備するものである。
このように構成することにより、構造の簡素化を図ることができる。すなわち、2つの規制部によって2つの保持部の移動を適宜規制することで、共通のアクチュエータ160で2つの保持部の移動を行うことができ、ひいては構造の簡素化を図ることができる。
【0101】
また、前記下側保持部120及び前記上側保持部130は、前記下側保持部120及び前記上側保持部130の移動方向から見て矩形状に形成され、
前記下側ストッパ機構150及び前記上側ストッパ機構140は、少なくとも前記下側保持部120及び前記上側保持部130の各角部に配置されているものである。
このように構成することにより、下側保持部120及び上側保持部130の移動を安定して規制することができる。
【0102】
また、前記下側保持部120及び前記上側保持部130は、前記下側保持部120及び前記上側保持部130の移動方向から見て矩形状に形成され、
前記アクチュエータ160は、少なくとも前記下側保持部120及び前記上側保持部130の1組の対角部に配置されているものである。
このように構成することにより、下側保持部120及び上側保持部130を安定して移動させることができる。
【0103】
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1(加工装置)は、
前記保持機構100と、
前記保持機構100により保持された前記フィルムFを加工するレーザ機構50(加工機構)と、
を具備するものである。
このように構成することにより、構造の複雑化を抑制することができる。
【0104】
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1は、
ロール状に巻かれた前記フィルムFを引き出して前記保持機構100へと搬送すると共に、前記レーザ機構50によって加工された前記フィルムFをロール状に巻き取る搬送機構(巻出し機構10及び巻取り機構20)をさらに具備するものである。
このように構成することにより、ロール状のフィルムFを安定して加工することができる。
【0105】
また、本実施形態に係る加工品の製造方法は、
前記レーザ加工装置1を用いて、前記フィルムFを加工するものである。
このように構成することにより、構造の複雑化を抑制することができる。
【符号の説明】
【0106】
1 レーザ加工装置
10 巻出し機構
20 巻取り機構
30 上側集塵機構
40 下側集塵機構
50 レーザ機構
100 保持機構
120 下側保持部
130 上側保持部
140 上側ストッパ機構
150 下側ストッパ機構
160 アクチュエータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9