(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御方法及び監視システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/01 20060101AFI20240704BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20240704BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
G08G1/01 A
G08G1/04 C
H04N7/18 D
H04N7/18 U
H04N7/18 K
(21)【出願番号】P 2021003715
(22)【出願日】2021-01-13
【審査請求日】2023-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱岡 達哉
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 英明
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-045032(JP,A)
【文献】特開2001-344591(JP,A)
【文献】特開2007-274248(JP,A)
【文献】特開2009-139756(JP,A)
【文献】特開2009-237945(JP,A)
【文献】特開2018-120409(JP,A)
【文献】特開2019-008528(JP,A)
【文献】特開2020-004015(JP,A)
【文献】特開2021-170337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
H04N 7/18
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G09B 23/00 - 29/14
G06T 1/00 - 1/40
G06T 3/00 - 5/50
G06T 11/60 - 13/80
G06T 17/05
G06T 19/00 - 19/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両によって撮影された
画像を撮影された時刻および位置情報とともに収集し、
収集した複数の車両分の前記画像を、時刻と位置を軸として、前記複数の車両から得た同じ日時に存在する画像を並べるとともに、前記複数の車両ごとに対応する位置の変化を表示する表示制御装置。
【請求項2】
前記
表示制御装置は、前記車両によって撮影された動画像のフレームと前記車両の位置を示す座標と、を収集し、
前記フレームの撮影日時と前記位置情報の取得日時を基に、前記フレームと前記位置情報とを紐付け
る請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御装置は、マップマッチングにより前記位置情報及び前記画像と道路上の位置とをマッチング
し、
マッチングの結果を基に、指定された道路上の位置に対応する画像を選別
し、
選別された画像を表
示する請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示
制御装置は、前記画像の撮影日時に対応する第1の軸、及
びマッチングされた道路上の位置に対応する第2の軸を持つ座標平面に前記画像を配置した画面を表
示する請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示
制御装置は、あらかじめ設定された間隔で前記画像を前記座標平面の前記第1の軸に対して配置した画面を表
示する請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示
制御装置は、あらかじめ設定された間隔で前記画像を前記座標平面の前記第2の軸に対して配置した画面を表
示する請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項7】
表示制御装置によって実行される表示制御方法であって、
複数の車両によって撮影された
画像を撮影された時刻および位置情報とともに収集し、
収集した複数の車両分の前記画像を、時刻と位置を軸として、前記複数の車両から得た同じ日時に存在する画像を並べるとともに、前記複数の車両ごとに対応する位置の変化を表示する表示制御方法。
【請求項8】
複数の車両のそれぞれに搭載された車載装置と、表示制御装置と、を有する監視システムであって、
前記車載装置は、
前記車両の周辺の画像を撮影するカメラ
を有し、
位置情報を取得
し、
前記画像と位置情報を前記表示制御装置に送信
し、
前記表示制御装置は、
前記
車載装置によって送信された前記画像
を撮影された時刻および位置情報とともに収集し、
収集した複数の車両分の前記画像を、時刻と位置を軸として、前記複数の車両から得た同じ日時に存在する画像を並べるとともに、前記複数の車両ごとに対応する位置の変化を表示する監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示制御方法及び監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路を走行中の異なる複数の車両からアップロードされた映像における同じ時刻のフレームを、同じ画面で表示及び確認ができる技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、特定の時刻に特定の場所を撮影したフレームを容易に得ることは困難である。例えば、従来の技術では、特定の時刻に特定の場所を撮影したフレームを得るためには、時刻ごとに合成フレームをシークする必要があり、容易ではない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、特定の時刻に特定の場所を撮影したフレームを容易に得ることができる表示制御装置及び表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る表示制御装置は、収集部と、紐付け部と、表示制御部と、を有する。収集部は、複数の車両によって撮影された複数の画像と、車両の位置情報と、を収集する。紐付け部は、複数の画像のそれぞれと位置情報のそれぞれとを紐付ける。表示制御部は、紐付け部による紐付けに従い、画像及び位置情報を対応付けて画面に表示させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、特定の時刻に特定の場所を撮影したフレームを容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る監視システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、各時刻における画像の撮影について説明する図である。
【
図4】
図4は、撮影する車両の入れ替わりについて説明する図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る表示制御装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する表示制御装置、表示制御方法及び監視システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
まず、
図1を用いて、実施形態に係る表示制御装置を含む監視システムについて説明する。
図1は、実施形態に係る監視システムの構成例を示す図である。
【0011】
監視システム1は、表示制御装置10及び車載装置20を有する。表示制御装置10と車載装置20は、例えばインターネットを介してデータの通信を行うことができる。表示制御装置10は、車載装置20に対するセンターとして機能する。
【0012】
車載装置20は、車両に搭載される。車載装置20は、ドライブレコーダ及びスマートフォン等であってもよい。車載装置20は、画像を撮影する機能及び位置情報を取得する機能を持つものとする。
【0013】
また、車載装置20は車両に搭載される。また、車載装置20の数は、図示のものに限られない。
【0014】
表示制御装置10は、車載装置20から画像及び位置情報を収集する。また、表示制御装置10は、収集した情報を基に生成したUI(User Interface)を画面に表示させる。
【0015】
図2は、UIの例を示す図である。
図2に示すように、UIは、時間を縦軸とし、場所を横軸とする座標平面を含む。
【0016】
座標平面には、表示制御装置10が収集した画像が配置される。例えば、画像は、車載装置20によって撮影された動画像(映像)の所定のフレームである。
【0017】
以降、座標平面に配置される画像をサムネイルと呼ぶ場合がある。また、サムネイルの縦軸及び横軸における間隔は、間引き間隔としてあらかじめ設定可能であるものとする。
【0018】
座標平面は、UIが表示される画面に対するスクロール操作等により縦軸方向又は横軸方向に移動可能であるものとする。これにより、過去のサムネイル及び異なる場所のサムネイル等を画面に表示することができる。
【0019】
図2で説明したUIが得られるまでの処理を、表示制御装置10の各部の詳細とともに説明する。
【0020】
表示制御装置10は、収集部101と、紐付け部102と、マッチング部103と、選別部104と、表示制御部105と、を有する。
【0021】
収集部101は、複数の車両によって撮影された複数の画像と、車両の位置情報と、を収集する。収集部101は、収集した収集データ151を紐付け部102に受け渡す。
【0022】
例えば、収集部101は、車両によって撮影された動画像のフレームと車両の位置を示す座標と、を収集する。例えば、車両の位置を示す座標はGPSにより取得される。
【0023】
紐付け部102は、複数の画像のそれぞれと位置情報のそれぞれとを紐付ける。例えば、紐付け部102は、フレームの撮影日時と位置情報の取得日時を基に、フレームと位置情報とを紐付ける。
【0024】
このような、紐付け部102の処理により、それぞれに位置情報及び時刻が付与されたフレームが得られる。紐付け部102は、位置情報及び時刻を付与した各フレームをマッチング部103に受け渡す。
【0025】
マッチング部103は、マップマッチングにより位置情報及び画像と道路上の位置とをマッチングする。
【0026】
選別部104は、マッチング部103によるマッチングの結果を基に、指定された道路上の位置に対応する画像を選別する。
【0027】
例えば、選別部104は、指定された道路上の位置に対応するフレームを選別する。これにより、ユーザは、位置情報を直接指定することなく、道路に関する情報を指定することで、所望するフレームを得ることができる。
【0028】
例えば、選別部104は、地点又は範囲の指定を受け付けることができる。指定された地点及び範囲は、設定情報152に含まれるものとする。選別部104は、設定情報152から指定された地点及び範囲を取得する。
【0029】
ユーザが事故現場の画像(フレーム)を観測する場合、事故が発生した地点を指定することが考えられる。このとき、選別部104は、マップマッチングによりマッチングされた道路情報を基に、指定された地点に対応するフレームを選別することができる。
【0030】
また、渋滞調査等の目的で、ユーザがある地点の周辺のフレームを観測する場合、例えば、所定の地点の前後10m以内のような範囲を指定することが考えられる。
【0031】
また、ユーザは、高速道路の所定のパーキングエリアの周辺、所定のパーキングエリアから所定のインターチェンジまで、高速道路の上り方向のみ、といった範囲の指定をすることも考えられる。
【0032】
このような場合であっても、選別部104は、マップマッチングによりマッチングされた道路情報を基に、指定された範囲に対応する全てのフレームを選別することができる。
【0033】
表示制御部105は、紐付け部102による紐付けに従い、画像及び位置情報を対応付けて画面に表示させる。
【0034】
このように、画像と位置情報を紐付けた結果を表示することにより、特定の時刻に特定の場所を撮影したフレームを容易に得ることが可能になる。なお、時刻は画像又は位置情報に対応付けられているものとする。
【0035】
例えば、表示制御部105は、
図2のように、画像の撮影日時に対応する第1の軸、及びマッチング部103によってマッチングされた道路上の位置に対応する第2の軸を持つ座標平面に画像を配置した画面を表示させる。
【0036】
このように、表示制御装置10によって
図2のようなUIが提供されることにより、ユーザは直感的かつ網羅的に情報を把握することが可能になる。
【0037】
なお、縦軸及び横軸の関係は
図2に示すものに限られない。
図2では、第1の軸が縦軸であり、第2の軸が横軸に相当する。一方で、第1の軸が横軸あり、第2の軸が縦軸であってもよい。
【0038】
表示制御部105は、選別部104によって選別された画像を表示させる。このように、表示制御装置10は、ユーザが指定した条件に従って画像を表示させることができるため、ユーザは道路の特定の場所の状況をリアルタイムに監視することができる。
【0039】
表示制御部105は、あらかじめ設定された間隔で画像を座標平面の第1の軸に対して配置した画面を表示させる。第1の軸は、
図2の縦軸(時間経過)に相当する。また、間隔は、例えば3秒間隔といった具体的な数値で設定されていてもよい。
【0040】
また、表示制御部105は、あらかじめ設定された間隔で画像を座標平面の第2の軸に対して配置した画面を表示させる。第2の軸は、
図2の横軸(道路の場所)に相当する。また、間隔は、例えば10m間隔といった具体的な数値で設定されていてもよい。
【0041】
ユーザは、各軸に対する画像の表示間隔(間引き間隔)を設定することにより、所望する範囲及びスケールで画像を監視することができるようになる。
【0042】
表示する際の間隔は、間引き時間間隔間引き距離間隔としてあらかじめ設定情報152に含まれているものとする。表示制御部105は、表示間隔に関する情報を設定情報152から取得することができる。
【0043】
図1に示すように、車載装置20は、カメラ201、取得部202及び送信部203を有する。
【0044】
カメラ201は、車両の周辺を撮影する。カメラ201は、常に撮影を行ってもよいし、表示制御装置10から指示された場所において撮影を行ってもよい。取得部202は、GPS等を利用して各時刻における現在地の位置情報を取得する。
【0045】
送信部203は、カメラ201によって撮影された画像、及び取得部202によって取得された位置情報を表示制御装置10に送信する。
【0046】
ここで、
図3を用いて、車載装置20を搭載した車両による画像の撮影について説明する。
図3は、各時刻における画像の撮影について説明する図である。
【0047】
図3に示すように、時刻t
1に場所L1において、衝突事故が発生したものとする。このとき、車両V1は、場所L1を撮影範囲に捉えている。
【0048】
時間が経過し、時刻t2(t2>t1)では、車両V1は場所L1の付近を通過してしまっている。一方、時刻t2では、車両V1の後方に位置する車両V2が場所L1を撮影範囲に捉えている。
【0049】
図2に示す画像F1は、時刻t
1に車両V1の車載装置によって撮影されたものである。また、画像F2は、時刻t
2に車両V2の車載装置によって撮影されたものである。
【0050】
このように、表示制御装置10によって提供されるUIによれば、複数の車両によって撮影された同一の場所の画像を、時間経過に従って並べて表示することができる。
【0051】
これにより、例えばユーザは、衝突事故が起きた場所から渋滞が発生している場所までの画像を確認していくことにより、衝突事故と渋滞の関連を調査することができる。
【0052】
ここで、
図2に示すように、同じ場所であっても、撮影する車両が変化する場合がある。
図2の例では、車両V4の映像と車両V5の映像が入れ替わっている。
【0053】
図4は、撮影する車両の入れ替わりについて説明する図である。
図2では、
図4の上下に走っている道路が撮影対象の道路であるものとする。
【0054】
図4に示すように、撮影対象の道路にあるT字路において、車両V4は撮影対象と異なる道路へ進み、代わりに車両V5が撮影対象の道路に進入している。
【0055】
このように、撮影する車両が途中で入れ替わった場合であっても、表示制御装置10は撮影対象の道路の画像を引き続き表示することができる。
【0056】
図5は、実施形態に係る表示制御装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図5に示すように、まず、収集部101は、車載装置から画像及び位置情報を収集する(ステップS101)。
【0057】
次に、紐付け部102は、取得した情報を紐付ける(ステップS102)。ここで、マッチング部103は、位置情報を基にマップマッチングを行う(ステップS103)。
【0058】
続いて、選別部104は、道路設定情報を基に表示対象フレームの選別する(ステップS104)。そして、表示制御部105は、間引きに関する情報を基に選別したフレームを座標平面に配置する(ステップS105)。
【0059】
さらに、表示制御部105は、フレームを配置した座標平面を表示するUIを出力する(ステップS106)。なお、表示制御部105によって出力されたUIは、ディスプレイ等に表示される。
【0060】
上述してきたように、表示制御装置10は、収集部101と、紐付け部102と、表示制御部105と、を有する。収集部101は、複数の車両によって撮影された複数の画像と、車両の位置情報と、を収集する。紐付け部102は、複数の画像のそれぞれと位置情報のそれぞれとを紐付ける。表示制御部105は、紐付け部102による紐付けに従い、画像及び位置情報を対応付けて画面に表示させる。
【0061】
このように、画像と位置情報を紐付けた結果を表示することにより、特定の時刻に特定の場所を撮影したフレームを容易に得ることが可能になる。
【0062】
従来、高速道路の渋滞時等に原因調査や解消状態を調べるために、路肩の道路監視カメラが用いられる場合がある。一方で、従来の方法には、監視カメラ範囲外が監視できないという問題がある。
【0063】
本実施形態では、道路を通行する複数の車両に搭載されたカメラによって撮影された映像を、監視カメラの映像の代用として用いることで、監視カメラが特定の地点に置かれているかのような監視を行うことが可能になる。
【0064】
なお、表示制御装置10の各機能は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、入出力ポート等を有するコンピュータや各種の回路により実現される。
【0065】
また、表示制御装置10は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して上記したプログラムや各種情報を取得することとしてもよい。
【0066】
コンピュータのCPUは、例えばROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、収集部101、紐付け部102、マッチング部103、選別部104及び表示制御部105として機能する。
【0067】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細及び代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 監視システム
10 表示制御装置
20 車載装置
101 収集部
102 紐付け部
103 マッチング部
104 選別部
105 表示制御部
151 収集データ
152 設定情報
201 カメラ
202 取得部
203 送信部