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特許7514782連結会計システム、連結会計方法、及び連結会計プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】連結会計システム、連結会計方法、及び連結会計プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20240704BHJP
【FI】
G06Q40/12 420
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021025653
(22)【出願日】2021-02-19
(65)【公開番号】P2022127480
(43)【公開日】2022-08-31
【審査請求日】2023-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢野 雅之
(72)【発明者】
【氏名】福田 宏希
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-230582(JP,A)
【文献】特開2017-182786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備えた連結会計システムであって、
前記制御部は、
連結会社毎に、相手連結会社を登録した取引先特定マスタと、
連結会社毎に、相手連結会社、相殺グループ、総勘定科目を登録した会社間取引相殺対象科目マスタと、
連結会社毎に、変換元総勘定科目、変換先総勘定科目を登録した科目変換マスタと、
連結決算期毎に、連結会社、変換元総勘定科目、変換先総勘定科目、連結相手会社、調整後金額を含む会社間取引データと、
にアクセス可能に構成されており、
連結会社及び相殺グループを指定する指定手段と、
指定された連結会社をキーとして、前記取引先特定マスタから相手連結会社を取得して相手会社リストを生成し、また、指定された連結会社及び相殺グループをキーとして、前記会社間取引相殺対象科目マスタから総勘定科目を取得し、取得した総勘定科目を変換先総勘定科目として、当該変換先総勘定科目と指定された連結会社をキーとして、前記科目変換マスタから変換元総勘定科目を取得し、取得した変換先総勘定科目と変換元総勘定科目を含む会社間取引対象科目リストを生成するリスト生成手段と、
前記相手会社リストと前記会社間取引対象科目リストの全ての組み合わせを表示対象リストとして生成し、生成した表示対象リストをベースとして、会社間取引データを結合して表示データリストを生成する表示データリスト生成手段と、
表示部に調整入力画面を表示し、当該調整入力画面において、前記相手会社リストの連結相手会社を行、前記会社間取引対象科目リストの総勘定科目を列、前記表示データリストの調整後金額を対応するセルに、マトリクス形式で表示する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする連結会計システム。
【請求項2】
前記表示データリスト生成手段は、表示データリストについて、前記会社間取引相殺対象科目マスタ及び前記科目変換マスタに該当するデータがある場合は、入力対象フラグ=True、前記会社間取引相殺対象科目マスタ及び前記科目変換マスタに該当するデータがない場合は、入力対象フラグ=Falseとし、
前記表示制御手段は、前記調整入力画面において、入力対象フラグ=Trueの場合のみセルの入力を許可することを特徴とする請求項1に記載の連結会計システム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記調整入力画面において、入力可能なセルに対して、所定の操作に応じて金額調整用のダイアログ画面を表示することを特徴とする請求項2に記載の連結会計システム。
【請求項4】
前記指定手段は、さらに、連結決算期を指定し、
前記表示データリスト生成手段は、生成した表示対象リストをベースとして、指定される連結決算期の会社間取引データを結合して表示データリストを生成することを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の連結会計システム。
【請求項5】
前記制御部は、さらに、
連結会社毎に、データ種別と、連結科目又は個社科目の科目入力方法を関連づけて登録した入力方法設定マスタにアクセス可能に構成されており、
前記表示制御手段は、
前記入力方法設定マスタの設定に応じて、前記調整入力画面において、前記列について、変換元総勘定科目と変換先総勘定科目の表示を切り替えることを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の連結会計システム。
【請求項6】
制御部を備えた情報処理装置で実行される連結会計方法であって、
前記制御部は、
連結会社毎に、相手連結会社を登録した取引先特定マスタと、
連結会社毎に、相手連結会社、相殺グループ、総勘定科目を登録した会社間取引相殺対象科目マスタと、
連結会社毎に、変換元総勘定科目、変換先総勘定科目を登録した科目変換マスタと、
連結決算期毎に、連結会社、変換元総勘定科目、変換先総勘定科目、連結相手会社、調整後金額を含む会社間取引データと、
にアクセス可能に構成されており、
前記制御部において実行される、
連結会社及び相殺グループを指定する指定工程と、
指定された連結会社をキーとして、前記取引先特定マスタから相手連結会社を取得して相手会社リストを生成し、また、指定された連結会社及び相殺グループをキーとして、前記会社間取引相殺対象科目マスタから総勘定科目を取得し、取得した総勘定科目を変換先総勘定科目として、当該変換先総勘定科目と指定された連結会社をキーとして、前記科目変換マスタから変換元総勘定科目を取得し、取得した変換先総勘定科目と当該変換元総勘定科目を含む会社間取引対象科目リストを生成するリスト生成工程と、
前記相手会社リストと前記会社間取引対象科目リストの全ての組み合わせを表示対象リストとして生成し、生成した表示対象リストをベースとして、会社間取引データを結合して表示データリストを生成する表示データリスト作成工程と、
表示部に調整入力画面を表示し、当該調整入力画面において、前記相手会社リストの連結相手会社を行、前記会社間取引対象科目リストの総勘定科目を列、前記表示データリストの調整後金額を対応するセルに、マトリクス形式で表示する表示制御工程と、
を含むことを特徴とする連結会計方法。
【請求項7】
制御部を備えた情報処理装置に実行させるための連結会計プログラムであって、
前記制御部は、
連結会社毎に、相手連結会社を登録した取引先特定マスタと、
連結会社毎に、相手連結会社、相殺グループ、総勘定科目を登録した会社間取引相殺対象科目マスタと、
連結会社毎に、変換元総勘定科目、変換先総勘定科目を登録した科目変換マスタと、
連結決算期毎に、連結会社、変換元総勘定科目、変換先総勘定科目、連結相手会社、調整後金額を含む会社間取引データと、
にアクセス可能に構成されており、
前記制御部において実行される、
連結会社及び相殺グループを指定する指定工程と、
指定された連結会社をキーとして、前記取引先特定マスタから相手連結会社を取得して相手会社リストを生成し、また、指定された連結会社及び相殺グループをキーとして、前記会社間取引相殺対象科目マスタから総勘定科目を取得し、取得した総勘定科目を変換先総勘定科目として、当該変換先総勘定科目と指定された連結会社をキーとして、前記科目変換マスタから変換元総勘定科目を取得し、取得した変換先総勘定科目と変換元総勘定科目を含む会社間取引対象科目リストを生成するリスト生成工程と、
前記相手会社リストと前記会社間取引対象科目リストの全ての組み合わせを表示対象リストとして生成し、生成した表示対象リストをベースとして、会社間取引データを結合して表示データリストを生成する表示データリスト作成工程と、
表示部に調整入力画面を表示し、当該調整入力画面において、前記相手会社リストの連結相手会社を行、前記会社間取引対象科目リストの総勘定科目を列、前記表示データリストの調整後金額を対応するセルに、マトリクス形式で表示する表示制御工程と、
を実行させるための連結会計プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結会計システム、連結会計方法、及び連結会計プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、連結会計システムにおいて、個社会計システムで作成された財務会計情報を基にして、連結決算情報を開示するための調整業務がある。連結会計の会社間取引に関するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-327212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1においては、連結会計の会社間取引の個社会計情報の修正時に、調整入力画面で一覧性を担保しつつ必要な項目のみを表示して、入力間違いを防止し、連結作業を正確かつ効率化することに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、連結会計の会社間取引の個社会計情報の修正時に、調整入力画面で一覧性を担保しつつ必要な項目のみを表示して、入力間違いを防止し、連結作業を正確かつ効率化することが可能な連結会計システム、連結会計方法、及び連結会計プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る連結会計システムは、制御部を備えた連結会計システムであって、前記制御部は、連結会社毎に、相手連結会社を登録した取引先特定マスタと、連結会社毎に、相手連結会社、相殺グループ、総勘定科目を登録した会社間取引相殺対象科目マスタと、連結会社毎に、変換元総勘定科目、変換先総勘定科目を登録した科目変換マスタと、連結決算期毎に、連結会社、変換元総勘定科目、変換先総勘定科目、連結相手会社、調整後金額を含む会社間取引データと、にアクセス可能に構成されており、連結会社及び相殺グループを指定する指定手段と、指定された連結会社をキーとして、前記取引先特定マスタから相手連結会社を取得して相手会社リストを生成し、また、指定された連結会社及び相殺グループをキーとして、前記会社間取引相殺対象科目マスタから総勘定科目を取得し、取得した総勘定科目を変換先総勘定科目として、当該変換先総勘定科目と指定された連結会社をキーとして、前記科目変換マスタから変換元総勘定科目を取得し、取得した変換先勘定科目と当該変換元勘定科目を含む会社間取引対象リストを生成するリスト生成手段と、前記相手会社リストと前記会社間取引対象リストの全ての組み合わせを表示対象リストとして生成し、生成した表示対象リストをベースとして、会社間取引データを結合して表示データリストを生成する表示データリスト生成手段と、表示部に入力画面を表示し、当該入力画面において、前記相手会社リストの連結相手会社を行、前記会社間取引対象科目リストの総勘定科目を列、前記表示データリストの調整後金額を対応するセルに、マトリクス形式で表示する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記表示データリスト生成手段は、前記表示対象リストについて、前記会社間取引相殺対象科目マスタ及び前記科目変換マスタに該当するデータがある場合は、入力対象フラグ=True、前記会社間取引相殺対象科目マスタ及び前記科目変換マスタに該当するデータがない場合は、入力対象フラグ=Falseとし、前記表示制御手段は、前記調整入力画面において、入力対象フラグ=Trueの場合のみセルの入力を許可することにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記表示制御手段は、前記入力画面において、入力可能なセルに対して、所定の操作に応じて金額調整用のダイアログ画面を表示することにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記指定手段は、さらに、連結決算期を指定し、前記表示データリスト生成手段は、生成した表示対象リストをベースとして、指定される連結決算期の会社間取引データを結合して表示データリストを生成することにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、連結会社毎に、データ種別と、連結科目又は個社科目の科目入力方法を関連づけて登録した入力方法設定マスタにアクセス可能に構成されており、前記表示制御手段は、前記入力方法設定マスタの設定に応じて、前記行について、変換元総勘定科目と変換先総勘定科目の表示を切り替えることにしてもよい。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置で実行される連結会計方法であって、前記制御部は、連結会社毎に、相手連結会社を登録した取引先特定マスタと、連結会社毎に、相手連結会社、相殺グループ、総勘定科目を登録した会社間取引相殺対象科目マスタと、連結会社毎に、変換元総勘定科目、変換先総勘定科目を登録した科目変換マスタと、連結決算期毎に、連結会社、変換元総勘定科目、変換先総勘定科目、連結相手会社、調整後金額を含む会社間取引データと、にアクセス可能に構成されており、前記制御部において実行される、連結会社及び相殺グループを指定する指定工程と、指定された連結会社をキーとして、前記取引先特定マスタから相手連結会社を取得して相手会社リストを生成し、また、指定された連結会社及び相殺グループをキーとして、前記会社間取引相殺対象科目マスタから総勘定科目を取得し、取得した総勘定科目を変換先総勘定科目として、当該変換先総勘定科目と指定された連結会社をキーとして、前記科目変換マスタから変換元総勘定科目を取得し、取得した変換先総勘定科目と当該変換先総勘定科目を含む会社間取引対象リストを生成するリスト生成工程と、前記相手会社リストと前記会社間取引対象リストの全ての組み合わせを表示対象リストとして生成し、生成した表示対象リストをベースとして、会社間取引データを結合して表示データリストを生成する表示データリスト作成工程と、表示部に入力画面を表示し、当該入力画面において、前記相手会社リストの連結相手会社を行、前記会社間取引対象科目リストの総勘定科目を列、前記表示データリストの調整後金額を対応するセルに、マトリクス形式で表示する表示制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置に実行させるための連結会計プログラムであって、前記制御部は、連結会社毎に、相手連結会社を登録した取引先特定マスタと、連結会社毎に、相手連結会社、相殺グループ、総勘定科目を登録した会社間取引相殺対象科目マスタと、連結会社毎に、変換元総勘定科目、変換先総勘定科目を登録した科目変換マスタと、連結決算期毎に、連結会社、変換元総勘定科目、変換先総勘定科目、連結相手会社、調整後金額を含む会社間取引データと、にアクセス可能に構成されており、前記制御部において実行される、連結会社及び相殺グループを指定する指定工程と、指定された連結会社をキーとして、前記取引先特定マスタから相手連結会社を取得して相手会社リストを生成し、また、指定された連結会社及び相殺グループをキーとして、前記会社間取引相殺対象科目マスタから総勘定科目を取得し、取得した総勘定科目を変換先総勘定科目として、当該変換先総勘定科目と指定された連結会社をキーとして、前記科目変換マスタから変換元総勘定科目を取得し、取得した変換先勘定科目と当該変換先勘定科目を含む会社間取引対象リストを生成するリスト生成工程と、前記相手会社リストと前記会社間取引対象リストの全ての組み合わせを表示対象リストとして生成し、生成した表示対象リストをベースとして、会社間取引データを結合して表示データリストを生成する表示データリスト作成工程と、表示部に入力画面を表示し、当該入力画面において、前記相手会社リストの連結相手会社を行、前記会社間取引対象科目リストの総勘定科目を列、前記表示データリストの調整後金額を対応するセルに、マトリクス形式で表示する表示制御工程と、を実行させるための連結会計プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、連結会計の会社間取引の個社会計情報の修正時に、調整入力画面で一覧性を担保しつつ必要な項目のみを表示して、入力間違いを防止し、連結作業を正確かつ効率化することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、従来の会社間取引調整入力画面の例を示す図である。
図2図2は、本実施の形態の会社間取引調整入力画面の例を示す図である。
図3図3は、本実施の形態の会社間取引調整入力画面の例を示す図である。
図4図4は、従来のCF増減表調整入力画面の例を示す図である。
図5図5は、本実施の形態のCF増減表調整入力画面の例を示す図である。
図6図6は、本実施の形態のCF増減表調整入力画面の例を示す図である。
図7図7は、本実施形態における連結会計システムの構成の一例を示すブロック図である。
図8図8は、入力方法設定マスタの構成例を示す図である。
図9図9は、科目変換マスタの構成例を示す図である。
図10図10は、会社間取引相殺対象科目マスタの構成例を示す図である。
図11図11は、取引先特定マスタの構成例を示す図である。
図12図12は、CF増減表定義マスタの構成例を示す図である。
図13図13は、会社間取引データの構成例を示す図である。
図14図14は、データテーブルに格納されるCF増減表データの構成例を示す図である。
図15図15は、本実施の形態に係る連結会計システムの制御部により実行される会社間取引表示処理の全体の処理の流れの概略を説明するためのフローを示す図である。
図16図16は、本実施の形態に係る連結会計システムの制御部により実行される会社間取引表示処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図17図17は、本実施の形態に係る連結会計システムの制御部により実行される会社間取引表示処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図18図18は、本実施の形態に係る連結会計システムの制御部により実行される会社間取引表示処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図19図19は、本実施の形態に係る連結会計システムの制御部により実行されるCF増減表表示処理の全体の処理の流れの概略を説明するためのフローを示す図である。
図20図20は、本実施の形態に係る連結会計システムの制御部により実行されるCF増減表表示処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図21図21は、本実施の形態に係る連結会計システムの制御部により実行されるCF増減表表示処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図22図22は、本実施の形態に係る連結会計システムの制御部により実行されるCF増減表表示処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
まず、図1図6を参照して、本発明の概要を説明する。連結会計システムにおいて、個社会計システムで作成された財務会計情報を基にして、連結決算情報を開示するための調整業務がある。
【0017】
このような連結会計の調整業務は、複数のグループ会社を跨がる又は会社間の相殺を行うため、子会社担当者で行うことは難しく、従来は親会社担当者が行っていたが、会社数が多い大規模な企業グループでは、親会社担当者の負荷が課題となっていた。
【0018】
このため、子会社担当者が把握可能な1社で完結する調整入力は子会社担当者に行ってもらうことで、業務負荷の分散と決算効率化をしたいというニーズがあったが、連結調整で入力できるデータと調整項目のルールは会社に応じて異なることがあり、連結業務に精通していない子会社担当者の場合、間違った入力をする可能性があるなど、正確な管理をするための課題があった。
【0019】
連結対象の会社によって入力可能な項目が異なる場合、一括修正画面のレイアウトが異なるため、操作性が悪く、間違った入力をする可能性があった。これは、使用科目が多い場合に行数が増え、金額の入力チェックを行う作業が煩雑になっていた。
【0020】
本実施の形態では、各子会社データ入力時に、連結業務の知識をあまり持っていない子会社担当者は間違って入力をするリスクが高いことから、必要最低限の項目に入力可否、表示可否を制御することでミスを防止し、連結業務をスムーズに行うことができると考えた。
【0021】
本実施の形態では、子会社会計情報から連結会計システムにデータを収集・変換するために必要なマスタ設定を画面の表示・入力制御に使用するためにデータの加工・保持方法を工夫することにより、ルールに基づいた正確な画面制御を行うことが可能となった。具体的には、連結会計の所定のデータ種別(例えば、会社間取引やキャッシュフロー増減表)の縦・横型のマトリクス入力を可能とし、かつ列・行の組み合わせごとの入力可否を制御する仕組みを構築した。
【0022】
すなわち、本実施の形態では、連結会計の個社会計情報の修正時、所定の項目(例えば、会社間取引相殺、CF増減項目等)の複数項目一括修正画面で表形式で一覧性を担保しつつ、連結調整上入力不要・不可項目をセル/列単位で制御することにより、例えば、子会社担当者による入力間違いを防止し、連結作業を正確かつ効率化を可能とした。
【0023】
このように、本実施の形態では、連結会計の個社会計システムからのデータ収集・調整に必要なマスタを組み合わせて制御することにより、一覧性と表示・入力可否制御の双方を実現している。これにより、間違った入力を防止することが可能である。また、設定により連結科目/個社科目の表示を切り替えることも可能で、個社会計担当者が把握可能な科目で調整業務を行うことができ、業務効率化と正確性の双方を実現することができる。
【0024】
以下、連結会計の(1)会社間取引と(2)キャッシュフロー(以下「CF」と称する)増減表を例に挙げて説明する。
【0025】
(会社間取引)
従来、連結会計の会社間取引は、親会社担当者がまとめて行う必要があり、業務負荷が高かった。また、会社間取引の相殺仕訳形式の入力で一覧性が悪く、金額の入力やチェックを行う作業が煩雑になっていた。また、取引相手会社、セグメント、科目単位で相殺対象が変わるため、連結処理やグループ間取引の経験・知識が求められ、入力ミスや確認負荷の増加につながっていた。
【0026】
図1は、会社間取引調整入力画面の従来技術の例を示す図である。図1においては、借方連結会社をA社、相殺グループを費用・収益、貸方連結会社をB社、C社、D社、E社、総勘定科目を売上高とした場合の例を示しており、仕訳形式で表示されている。しかしながら、図1に示す例では、全社分(A社、B社、C社、D社、E社)を連結担当者が調整する必要がある。また、仕訳形式で詳細な入力が可能な一方、一覧性が悪い。会社毎に発生する勘定科目を把握する必要がある。
【0027】
そこで、本実施の形態では、連結会計の会社間取引の縦(相手会社・セグメント)×横(科目)のマトリクス型入力を可能とし、かつ連結会社別に列・行の組み合わせ毎の入力可否を制御する仕組みを構築した。また、本実施の形態では、連結会計システムで、連結調整上入力不要・不可項目を既存のデータ収集用マスタを用いてセル単位で制御することにより、子会社担当者による入力間違いを防止し、連結作業を正確かつ効率化を可能とした。また、調整単位を連結科目/個社科目の切替により、連結会社毎に異なる科目体系にも柔軟な制御を対応可能とした。
【0028】
図2及び図3は、本実施の形態の会社間取引調整入力画面の例を示す図である。図2に示す例では、連結会社をA社、相殺グループを費用・収益、相手方連結会社をB社、C社、D社、E社、総勘定科目を売上高、売上原価とした場合の例を示している。図2に示すように、A社の会社間取引相殺対象の科目のみを表示し、連結科目/個社科目の切替が可能となっており、A社の会社間取引相殺対象の相手会社のみ表示し、A社の会社間取引相殺対象の相手会社・科目の有効な組み合わせのみ入力可能としている。図3は、連結会社をB社とした場合の例を示している。
【0029】
(キャッシュフロー増減表)
従来、連結会計のキャッシュフロー増減表は、親会社担当者がまとめて行う必要があり、業務負荷が高かった。また、連結会社ごとに入力が必要・不要な項目の判定ができず、誤入力を防止する仕組みがなかった。CF科目、CF項目の組み合わせ毎に入力要否が変わるため、連結処理の知識・経験が求められ、入力ミスや確認の負荷が増大していた。
【0030】
図4は、キャッシュフロー増減表調整入力画面の従来技術の例を示す図である。図4に示す例では、CF科目を固定資産、総勘定科目を機械装置、建物、ソフトウェア、連結会社をA社、B社、C社、D社、E社とした場合の例を示している。しかしながら、図4に示す従来技術では、全社分を連結担当者が調整する必要があり、また、会社毎に発生する勘定科目を把握する必要がある。
【0031】
本実施の形態では、連結会計のキャッシュフロー増減表の縦(CF科目)×横(CF項目)のマトリクス型入力を可能とし、かつ連結会社別に列・行の組み合わせ毎の入力可否を制御する仕組みを構築した。また、連結会計システムで、連結調整上入力不要・不可項目を既存のデータ収集用マスタを用いてセル位で制御することにより、子会社担当者による入力間違いを防止し、連結作業を正確かつ効率化を可能とした。また、調整単位を連結科目/個社科目の切替により、連結会社毎に異なる科目体系にも柔軟な制御を対応可能とした。
【0032】
図5は、本実施の形態のキャッシュフロー増減表調整入力画面の例を示す図である。図5に示す例では、CF科目(増減表)を固定資産、総勘定科目を機械装置、建物、ソフトウェアとした場合の例を示している。同図に示すように、A社のキャッシュフロー対象科目のみ表示、連結科目/個社科目の切替が可能となっており、キャッシュフロー対象科目とCF項目の有効な組み合わせのみ表示入力可能となっている。図6は、連結会社をB社とした場合の例を示している。
【0033】
[2.構成]
本実施形態に係る連結会計システム100の構成の一例について、図7を参照して説明する。図7は、本実施形態における連結会計システム100の構成の一例を示すブロック図である。
【0034】
図7に示すように、連結会計システム100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、連結会計システム100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0035】
連結会計システム100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。連結会計システム100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0036】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、連結会計システム100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、連結会計システム100と、サーバ200や個社会計システム400・・・とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。個社会計システム400・・は、連結対象の各社の会計システムである。個社会計システム400・・・では、自社についての会社間取引データやCF増減表データを作成する。
【0037】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0038】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、入力方法設定マスタ106aと、科目変換マスタ106bと、会社間取引相殺対象科目マスタ106cと、取引先特定マスタ106dと、CF増減表定義マスタ106eと、データテーブル106fとを備えている。
【0039】
図8は、入力方法設定マスタ106aの構成例を示す図である。図9は、科目変換マスタ106bの構成例を示す図である。図10は、会社間取引相殺対象科目マスタ106cの構成例を示す図である。図11は、取引先特定マスタ106dの構成例を示す図である。図12は、CF増減表定義マスタ106eの構成例を示す図である。図13は、データテーブル106fに格納される会社間取引データの構成例を示す図である。図14は、データテーブル106fに格納されるCF増減表データの構成例を示す図である。
【0040】
入力方法設定マスタ106aは、連結上にデータ収集・変換後の調整を連結科目/連結セグメントで行うか、個社科目/個社セグメントで行うかを設定するためのマスタである。入力方法設定マスタ106aは、図8に示すように、連結会社、データ種別、科目入力方法(例えば、「0:個社科目(=変換元の勘定科目)」、「1:連結科目(=連結用に変換した変換先の勘定科目)」のデータを関連づけて登録するテーブル等で構成することができる。通常、科目入力方法及びセグメント入力方法は会社毎にいずれかに統一するが、別々の粒度を設定することも可能となっている。
【0041】
例えば、同図に示す例では、3行目は、連結会社「A社」、データ種別「会社間取引」、科目入力方法「0:個社科目」となっているので、会社間取引調整入力画面では、列に、個社科目(変換元の勘定科目)を表示する。また、4行目は、連結会社「A社」、データ種別「キャッシュフロー」、科目入力方法「0:個社科目」となっているので、CF増減表調整入力画面では、行に、個社科目(変換先の勘定科目)を表示する。
【0042】
科目変換マスタ106bは、個社科目情報から連結科目情報に変換するためのルールを設定するためのマスタである。科目変換マスタ106bは、図9に示すように、連結会社、変換元総勘定科目、変換先総勘定科目のデータを関連づけて登録するためのテーブル等で構成することができる。
【0043】
会社間取引相殺対象科目マスタ106cは、会社間取引の相殺対象の科目を管理するためのマスタである。会社間取引相殺対象科目マスタ106cは、図10に示すように、連結会社、相手会社、相殺グループ、総勘定科目のデータを関連づけて登録するテーブル等で構成することができる。
【0044】
取引先特定マスタ106dは、個社の取引先情報から、内部取引の相手連結会社を特定・変換するためのルールを設定するためのマスタである。取引先特定マスタ106dは、図11に示すように、連結会社、取引先コード、相手連結会社のデータを関連づけて登録するテーブル等で構成することができる。
【0045】
CF増減表定義マスタ106eは、キャッシュフロー増減表の抽出対象科目と表示レイアウトを管理するためのマスタである。CF増減表定義マスタは、図12に示すように、増減表NO、CF項目、CF総勘定科目のデータを関連づけて登録するテーブル等で構成することができる。
【0046】
データテーブル106fは、会社間取引データやCF増減データ等の各種データを格納するためのファイルである。会社間取引データは、図13に示すように、連結決算期、連結会社、変換元総勘定科目、変換先総勘定科目、相手連結会社、調整額、調整後金額のデータを含んでいてもよい。
【0047】
CF増減データは、図14に示すように、連結決算期、連結会社、増減表NO、CF項目、変換元CF総勘定科目、CF総勘定科目、調整額、調整後金額のデータを含んでいてもよい。
【0048】
図7に戻り、制御部102は、連結会計システム100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0049】
制御部102は、記憶部106に格納されている入力方法設定マスタ106a、科目変換マスタ106b、会社間取引相殺対象科目マスタ106c、取引先特定マスタ106d、CF増減表定義マスタ106e、データテーブル106fにアクセス可能に構成されている。なお、これらのマスタ群やデータテーブル106fは、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0050】
制御部102は、例えば、会社間取引表示処理やCF増減表表示処理等を実行する。制御部102は、機能概念的に、マスタメンテ部102aと、データ取得部102bと、指定部102cと、リスト生成部102dと、表示データリスト生成部102eと、画面表示制御部102fと、を備えている。
【0051】
マスタメンテ部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータによる入力装置112の操作に応じて、入力方法設定マスタ106a、科目変換マスタ106b、会社間取引相殺対象科目マスタ106c、取引先特定マスタ106d、CF増減表定義マスタ106eに対するデータの入力・追加・変更等の設定を行うためのものである。
【0052】
データ取得部102bは、個社会計システム400・・・から各社の会社間取引データやCF増減表データを取得して、データテーブル106fに格納する。
【0053】
画面表示制御部102fは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、メニュー画面、会社間取引調整入力画面(「調整入力画面」とも称する)、CF増減表調整入力画面(「調整修正入力画面」とも称する)等)の表示及びその入力を制御する。
【0054】
以下、指定部102c、リスト生成部102d、表示データリスト生成部102e、画面表示制御部102fの処理を会社間取引表示処理とCF増減表表示処理で分けて説明する。
【0055】
(会社間取引表示処理)
指定部102cは、会社間取引表示処理において、例えば、モニタ114に表示される会社間取引調整入力画面上でのオペレータによる入力装置112の操作に応じて、連結会社や相殺グループを指定する。また、指定部102cは、会社間取引調整入力画面上でのオペレータによる入力装置112の操作に応じて、連結決算期を指定してもよい。
【0056】
リスト生成部102dは、会社間取引表示処理において、指定された連結会社をキーとして、取引先特定マスタ106dから相手連結会社を取得して相手会社リストを生成し、また、指定された連結会社及び相殺グループをキーとして、会社間取引相殺対象科目マスタ106cから総勘定科目を取得し、取得した総勘定科目を変換先総勘定科目として、当該変換先総勘定科目と指定された連結会社をキーとして、科目変換マスタ106bから変換元総勘定科目を取得し、取得した変換先勘定科目と変換元勘定科目を含む会社間取引対象リストを生成する。
【0057】
表示データリスト生成部102eは、会社間取引表示処理において、相手会社リストと会社間取引対象リストの全ての組み合わせを表示対象リストとして生成し、生成した表示対象リストをベースとして、会社間取引データを結合して表示データリストを生成する。この場合、表示データリスト生成部102eは、指定部102cで指定される連結決算期の会社間取引データを結合してもよい。
【0058】
この場合、表示データリスト生成部102eは、表示データリストについて、会社間取引相殺対象科目マスタ106c及び科目変換マスタ106bに該当するデータがある場合は、入力対象フラグ=True、会社間取引相殺対象科目マスタ106c及び科目変換マスタ106bに該当するデータがない場合は、入力対象フラグ=Falseに設定してもよい。
【0059】
画面表示制御部102fは、会社間取引表示処理において、会社間取引調整入力画面上で、相手会社リストの連結相手会社を行、会社間取引対象科目リストの総勘定科目を列、表示データリストの調整後金額を対応するセルに表示する。
【0060】
この場合、画面表示制御部102fは、会社間取引調整入力画面において、表示データリストの入力対象フラグ=Trueの場合のみセルの入力を許可することにしてもよい。
【0061】
また、画面表示制御部102fは、会社間取引調整入力画面において、入力可能なセルに対して、所定の操作(例えば、オペレータによる入力装置112のマウス等によるダブルクリック等)に応じて金額調整用のダイアログ画面を表示することにしてもよい。
【0062】
また、画面表示制御部102fは、会社間取引調整入力画面において、入力方法設定マスタ106aの設定に応じて、列について、変換元総勘定科目と変換先総勘定科目の表示を切り替える。
【0063】
(CF増減表表示処理)
指定部102cは、CF増減表表示処理において、例えば、モニタ114に表示されるCF増減表調整入力画面上でのオペレータによる入力装置112の操作に応じて、連結会社や増減表を指定する。また、指定部102cは、CF増減表入力画面上でのオペレータによる入力装置112の操作に応じて、連結決算期を指定してもよい。
【0064】
リスト生成部102dは、CF増減表表示処理において、指定された増減表をキーとして、CF増減表定義マスタ106eからCF項目を取得して、CF項目リストを生成し、また、指定された増減表をキーとして、CF増減表定義マスタ106eからCF総勘定科目を取得し、取得したCF総勘定科目を変換先総勘定科目として、当該変換先総勘定科目と指定された連結会社をキーとして、科目変換マスタ106bから変換元総勘定科目を取得し、取得した変換先総勘定科目と変換元総勘定科目を含むCF科目リストを生成する。
【0065】
表示データリスト生成部102eは、CF増減表表示処理において、CF項目リストとCF科目リストの全ての組み合わせを表示対象リストとして生成し、生成した表示対象リストをベースとして、CF増減データを結合して表示データリストを生成する。この場合、表示データリスト生成部102eは、指定部102cで指定される連結決算期のCF増減データを結合してもよい。
【0066】
また、表示データリスト生成部102eは、表示データリストについて、CF増減表定義マスタ106e及び科目変換マスタ106bに該当するデータがある場合は、入力対象フラグ=True、CF増減表定義マスタ106e及び科目変換マスタ106bに該当するデータがない場合は、入力対象フラグ=Falseに設定してもよい。
【0067】
画面表示制御部102fは、CF増減表表示処理において、CF増減表調整入力画面上で、CF科目リストの総勘定科目を行、CF項目リストのCF項目を列、表示データリストの調整後金額を対応するセルにマトリクス形式で表示する。
【0068】
この場合、画面表示制御部102fは、CF増減表調整入力画面において、表示データリストの入力対象フラグ=Trueの場合のみセルの入力を許可することにしてもよい。
【0069】
また、画面表示制御部102fは、CF増減表調整入力画面において、入力可能なセルに対して、所定の操作(例えば、オペレータによる入力装置112のマウス等によるダブルクリック等)に応じて金額調整用のダイアログ画面を表示することにしてもよい。
【0070】
また、画面表示制御部102fは、CF増減表調整入力画面において、入力方法設定マスタ106aの設定に応じて、列について、変換元総勘定科目と変換先総勘定科目の表示を切り替える。
【0071】
[3.具体例]
図7図22を参照して、本実施の形態に係る連結会計システム100の制御部102における処理の具体例を説明する。
【0072】
(3-1.会社間取引表示処理)
(全体の処理の概略)
図15を参照して、本実施の形態に係る連結会計システム100の制御部102により実行される会社間取引表示処理の全体の処理の流れの概略を説明する。図15は、本実施の形態に係る連結会計システム100の制御部102により実行される会社間取引表示処理の全体の処理の流れの概略を説明するためのフローを示す図である。制御部102は、例えば、モニタ114に表示される不図示のメニュー画面で会社間取引表示処理が選択された場合に、会社間取引表示処理を実行する。
【0073】
図15において、画面表示制御部102fは、例えば、モニタ114に表示される不図示のメニュー画面で会社間取引表示処理が選択された場合に、モニタ114に会社間取引調整入力画面を表示する(ステップS11)。
【0074】
指定部102cは、会社間取引調整入力画面上でのオペレータによる入力装置112の操作に応じて、連結会社及び相殺グループを指定する(ステップS12)。また、指定部102cは、会社間取引調整入力画面上でのオペレータによる入力装置112の操作に応じて、連結決算期を指定してもよい。
【0075】
リスト生成部102dは、指定された連結会社をキーとして、取引先特定マスタ106dから相手連結会社を取得して相手会社リストを生成する(ステップS13)。
【0076】
リスト生成部102dは、指定された連結会社及び相殺グループをキーとして、会社間取引相殺対象科目マスタ106c及び科目変換マスタ106bを参照して、会社間取引対象リストを生成する(ステップS14)。具体的には、リスト生成部102dは、指定された連結会社及び相殺グループをキーとして、会社間取引相殺対象科目マスタ106cから総勘定科目を取得し、取得した総勘定科目を変換先総勘定科目として、当該変換先総勘定科目と指定された連結会社をキーとして、科目変換マスタ106bから変換元総勘定科目を取得し、変換先総勘定科目と変換元総勘定科目を含む会社間取引対象リストを生成する。
【0077】
表示データリスト生成部102eは、相手会社リストと会社間取引対象リストの全ての組み合わせを表示対象リストとして生成する(ステップS15)。
【0078】
表示データリスト生成部102eは、生成した表示対象リストをベースとして、会社間取引データを結合して表示データリストを生成する(ステップS16)。この場合、表示データリスト生成部102eは、指定部102cで指定される連結決算期の会社間取引データを結合してもよい。
【0079】
この場合、表示データリスト生成部102eは、表示データリストについて、会社間取引相殺対象科目マスタ106c及び科目変換マスタ106bに該当するデータがある場合は、入力対象フラグ=True、会社間取引相殺対象科目マスタ106c及び科目変換マスタ106bに該当するデータがない場合は、入力対象フラグ=Falseに設定してもよい。
【0080】
画面表示制御部102fは、会社間取引調整入力画面上で、相手会社リストの連結相手会社を行、会社間取引対象科目リストの総勘定科目を列、表示データリストの調整後金額を対応するセルにマトリクス形式で表示する(ステップS17)。
【0081】
この場合、画面表示制御部102fは、会社間取引調整入力画面において、表示データリストの入力対象フラグ=Trueの場合のみセルの入力を許可することにしてもよい。
【0082】
また、画面表示制御部102fは、会社間取引調整入力画面において、入力可能なセルに対して、所定の操作(例えば、オペレータによる入力装置112のマウス等によるダブルクリック等)に応じて金額調整用のダイアログ画面を表示することにしてもよい。
【0083】
また、画面表示制御部102fは、会社間取引調整入力画面において、入力方法設定マスタ106aの設定に応じて、列について、変換元総勘定科目と変換先総勘定科目の表示を切り替えてもよい。
【0084】
(サンプルデータ)
次に、図16図18を参照して、会社間取引調整表示処理の具体例を説明する。図17図18は、会社間取引表示処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【0085】
画面表示制御部102fは、例えば、モニタ114に表示される不図示のメニュー画面で、会社間取引調整表示処理が選択された場合には、会社間取引調整入力画面を表示する。
【0086】
図18は、会社間取引調整入力画面500の表示例を示している。会社間取引調整入力画面500の例では、連結決算期、連結会社、相殺グループ等の抽出条件を指定(入力)する欄と、抽出条件に合致するデータの表示を指示するための表示ボタンを備えたヘッダエリアと、抽出条件に合致するデータがマトリクス形式で表示される明細表示エリアと、表示されているデータを登録するための登録ボタンと、終了ボタンを備えている。オペレータは、明細表示エリアの各セルの金額の修正入力が可能となっている。登録ボタンが押されると、表示されているデータが会社間取引調整データとしてデータテーブル106fに登録される。
【0087】
以下の例では、会社間取引調整入力画面500において、連結決算期「2020年3月」、連結会社「A社」、相殺グループ「費用・収益」が指定されて、表示ボタンが押された後の動作を説明する。
【0088】
図17(A)は、取引先特定マスタ106dの例を示している。同図に示す取引先特定マスタ106dの例では、1行目は、連結会社「A社」、取引先コード「取引先1」、相手連結会社「B社」、2行目は、連結会社「A社」、取引先コード「取引先2」、相手連結会社「C社」、3行目は、連結会社「A社」、取引先コード「取引先3」、相手連結会社「D社」となっている。
【0089】
リスト生成部102dは、指定された連結会社「A社」をキーとして、取引先特定マスタ106dから相手連結会社「B社、C社、D社、E社」を取得して、図17(D)に示すような相手連結会社を含む相手会社リストを生成する。この場合、重複レコードは除外する。
【0090】
図17(B)は、会社間取引相殺対象科目マスタ106cのデータ例を示す図である。同図に示す会社間取引相殺対象科目マスタ106cの例では、1行目は、連結会社「A社」、相手会社「B社」、相殺グループ「費用・収益」、総勘定科目「売上高」、2行目は、連結会社「A社」、相手会社「C社」、相殺グループ「費用・収益」、総勘定科目「売上高」、3行目は、連結会社「A社」、相手会社「D社」、相殺グループ「費用・収益」、総勘定科目「売上高」となっている。
【0091】
図17(C)は、科目変換マスタ106bのデータ例を示す図である。同図に示す科目変換マスタ106bの例では、1行目は、連結会社「A社」、変換元総勘定科目「商品売上高」、変換先総勘定科目「売上高」、2行目は、連結会社「A社」、変換元総勘定科目「商品売上原価」、変換先総勘定科目「売上原価」、3行目は、連結会社「A社」、変換元総勘定科目「機械装置」、変換先総勘定科目「機械装置」、4行目は、連結会社「A社」、変換元総勘定科目「建物」、変換先総勘定科目「建物」となっている。
【0092】
リスト生成部102dは、指定された連結会社「A会社」及び相殺グループ「費用・収益」をキーとして、会社間取引相殺対象科目マスタ106cから総勘定科目「売上高、売上原価」を取得し、取得した総勘定科目を変換先総勘定科目として、当該変換先総勘定科目と指定された連結会社「A会社」をキーとして、科目変換マスタ106bから変換元総勘定科目「商品売上高、商品売上原価」を取得し、取得した変換先勘定科目「売上高、売上原価」と当該変換先勘定科目「商品売上高、商品売上原価」を含む、図17(E)に示すような会社間取引対象リストを生成する。この場合、重複レコードは除外する。
【0093】
表示データリスト生成部102eは、相手会社リストと会社間取引対象リストの全てを組み合わせた図17(F)に示すような、相手連結会社、変換先総勘定科目、変換元総勘定科目を含む表示対象リストを生成する。
【0094】
図16(D)は、会社間取引データの例を示す図である。同図に示す例では、1行目は、連結決算期「2020年3月期」、連結会社「A社」、変換元総勘定科目「商品売上高」、変換先総勘定科目「売上高」、相手会社「B社」、調整額「70,000」、調整後金額「1,070,000」、2行目は、連結決算期「2020年3月期」、連結会社「A社」、変換元総勘定科目「商品売上高」、変換先総勘定科目「売上高」、相手会社「C社」、調整額「30,000」、調整後金額「1,530,000」、3行目は、連結決算期「2020年3月期」、連結会社「A社」、変換元総勘定科目「商品売上高」、変換先総勘定科目「売上高」、相手会社「D社」、調整額「0」、調整後金額「2,000,000」となっている。
【0095】
表示データリスト生成部102eは、生成した図16(A)に示す表示対象リストをベースとして、指定される連結決算期「2020年3月期」の会社間取引データを結合して、図16(E)に示すような表示データリストを生成する。表示データリストは、表示対象リストの項目(相手連結会社、変換先総勘定科目、変換元総勘定科目)に、入力対象フラグと、会社間取引データの指定される連結決算期の調整額と調整後金額の項目を追加したものとなっている。
【0096】
入力対象フラグは、表示対象リストの相手連結会社及び変換先総勘定科目(総勘定科目)について、図16(B)に示す会社間取引相殺対象科目マスタ106c及び科目変換マスタ106bに該当するデータがある場合は、入力対象フラグ=True、該当するデータがない場合は、入力対象フラグ=Falseに設定する。例えば、表示データリストにおいて、1行目の相手連結会社「B社」、変換先総勘定科目「売上高」については、会社間取引相殺対象科目マスタ106c及び科目変換マスタ106bに該当するデータがあるので、入力対象フラグ=Trueを設定する。また、2行目の相手連結会社「B社」、変換先総勘定科目「売上原価」については、会社間取引相殺対象科目マスタ106cに該当するデータがないので、入力対象フラグ=Falseを設定する。
【0097】
図18において、画面表示制御部102fは、会社間取引調整入力画面500の明細表示エリアに、相手会社リストの連結相手会社を行、会社間取引対象科目リストの総勘定科目を列、表示データリストの調整後金額を対応するセルに、マトリクス形式で表示する。また、画面表示制御部102fは、会社間取引調整入力画面500において、入力方法設定マスタ106aの設定に応じて、列について、変換元総勘定科目と変換先総勘定科目の表示を切り替える。例えば、図8に示す入力方法設定マスタ106aの3行目は、連結会社「A社」、データ種別「会社間取引」、科目入力方法「0:個社科目」となっているので、変換元総勘定科目を表示する。明細表示エリアでは、セルの調整額及び調整後金額を入力(修正)可能に構成されている。調整額が修正されると、調整後金額が自動で修正される。
【0098】
画面表示制御部102fは、会社間取引調整入力画面500において、表示データリストの入力対象フラグ=Trueの場合のみセルの入力を許可する。同図に示す例では、B社/C社に対しては商品売上高の入力可能であるが、D社/E社に対しては、商品売上高/商品売上原価が入力可能となっている。
【0099】
また、画面表示制御部102fは、会社間取引調整入力画面500において、入力可能なセルに対して、所定の操作(例えば、オペレータによる入力装置112のマウス等によるダブルクリック等)に応じて、例えば、金額調整用の調整ダイアログ画面501を表示する。調整ダイアログ画面501では、相手会社、総勘定科目、収集金額、調整額、調整後金額が表示され、調整額及び調整後金額の修正(調整)が可能となっている。金額を修正した後、不図示の反映ボタンを押すと、対応するセルの金額が修正される。このように、セルの金額の修正は、直接修正してもよいし、調整ダイアログ画面501で修正してもよい。
【0100】
このように、会社間取引調整入力画面500では、会社間取引相殺対象科目マスタ106cで条件に該当しない科目は表示自体されず、また、表示対象のうち、相手連結会社と勘定科目の組み合わせで許可されたもののみが入力可能と判定されるので、会社間取引調整入力画面500で一覧性を担保しつつ必要な項目のみを表示して、入力間違いを防止し、連結作業を正確かつ効率化することが可能となる。これにより、例えば、子会社担当者でも簡単に修正することができる。
【0101】
以上説明したように、本実施の形態では、連結会社及び相殺グループを指定する指定部102cと、指定された連結会社をキーとして、取引先特定マスタ106dから相手連結会社を取得して相手会社リストを生成し、また、指定された連結会社及び相殺グループをキーとして、会社間取引相殺対象科目マスタ106cから総勘定科目を取得し、取得した総勘定科目を変換先総勘定科目として、当該変換先総勘定科目と指定された連結会社をキーとして、科目変換マスタ106bから変換元総勘定科目を取得し、取得した変換先総勘定科目と変換元総勘定科目を含む会社間取引対象リストを生成するリスト生成部102dと、相手会社リストと会社間取引対象リストの全ての組み合わせを表示対象リストとして生成し、生成した表示対象リストをベースとして、会社間取引データを結合して表示データリストを生成する表示データリスト生成部102eと、モニタ114に調整入力画面を表示し、当該調整入力画面において、相手会社リストの連結相手会社を行、会社間取引対象科目リストの総勘定科目を列、表示データリストの調整後金額を対応するセルに、マトリクス形式で表示する画面表示制御部102fと、を備えているので、連結会計の会社間取引の個社会計情報の修正時に、調整入力画面において、一覧性を担保しつつ必要な項目のみを表示して、入力間違いを防止し、連結作業を正確かつ効率化することが可能となる。
【0102】
(3-2.CF増減表表示処理)
(全体の処理の概略)
図19を参照して、本実施の形態に係る連結会計システム100の制御部102により実行されるCF増減表表示処理の全体の処理の流れの概略を説明する。図19は、本実施の形態に係る連結会計システム100の制御部102により実行されるCF増減表表示処理の全体の処理の流れの概略を説明するためのフローを示す図である。制御部102は、例えば、モニタ114に表示される不図示のメニュー画面でCF増減表表示処理が選択された場合に、CF増減表表示処理を実行する。
【0103】
図19において、画面表示制御部102fは、例えば、モニタ114に表示される不図示のメニュー画面でCF増減表表示処理が選択された場合に、モニタ114にCF増減表調整入力画面を表示する(ステップS21)。
【0104】
指定部102cは、CF増減表調整入力画面上でのオペレータによる入力装置112の操作に応じて、連結会社及び増減表を指定する(ステップS22)。また、指定部102cは、CF増減表調整入力画面上でのオペレータによる入力装置112の操作に応じて、連結決算期を指定してもよい。
【0105】
リスト生成部102dは、指定された増減表をキーとして、CF増減表定義マスタ106eを参照して、CF項目を取得してCF項目リストを生成する(ステップS23)。
【0106】
リスト生成部102dは、指定された連結会社及び増減表をキーとして、CF増減表定義マスタ106e及び科目変換マスタ106bを参照して、CF科目リストを生成する(ステップS24)。具体的には、リスト生成部102dは、指定された増減表をキーとして、CF増減表定義マスタ106eからCF総勘定科目を取得し、取得したCF総勘定科目を変換先総勘定科目として、当該変換先総勘定科目と指定された連結会社をキーとして、科目変換マスタ106Dから変換元総勘定科目を取得し、取得した変換先総勘定科目と変換元総勘定科目を含むCF科目リストを生成する。
【0107】
表示データリスト生成部102eは、CF項目リストとCF科目リストの全ての組み合わせを表示対象リストとして生成する(ステップS25)。
【0108】
表示データリスト生成部102eは、生成した表示対象リストをベースとして、CF増減データを結合して表示データリストを生成する(ステップS26)。この場合、表示データリスト生成部102eは、指定部102cで指定される連結決算期のCF増減データを結合してもよい。
【0109】
また、表示データリスト生成部102eは、表示データについて、CF増減表定義マスタ106e及び科目変換マスタ106bに該当するデータがある場合は、入力対象フラグ=True、CF増減表定義マスタ106e及び科目変換マスタ106bに該当するデータがない場合は、入力対象フラグ=Falseに設定してもよい。
【0110】
画面表示制御部102fは、CF増減表調整入力画面上で、CF科目リストの勘定科目を行、CF項目リストのCF項目を列、表示データリストの調整後金額を対応するセルにマトリクス形式で表示する(ステップS27)。
【0111】
この場合、画面表示制御部102fは、CF増減表調整入力画面において、表示データリストの入力対象フラグ=Trueの場合のみセルの入力を許可することにしてもよい。
【0112】
また、画面表示制御部102fは、CF増減表調整入力画面において、入力可能なセルに対して、所定の操作(例えば、オペレータによる入力装置112のマウス等によるダブルクリック等)に応じて金額調整用のダイアログ画面を表示することにしてもよい。
【0113】
また、画面表示制御部102fは、CF増減表調整入力画面において、入力方法設定マスタ106aの設定に応じて、行について、変換元総勘定科目と変換先総勘定科目の表示を切り替えてもよい。
【0114】
(サンプルデータ)
次に、図20図22を参照して、CF増減表表示処理の具体例を説明する。図20図22は、CF増減表表示処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【0115】
画面表示制御部102fは、例えば、モニタ114に表示される不図示のメニュー画面で、CF増減表表示処理が選択された場合には、CF増減表調整入力画面を表示する。
【0116】
図22は、CF増減表調整入力画面600の表示例を示している。CF増減表調整入力画面600の例では、連結決算期、連結会社、増減表NO等の抽出条件を指定(入力)する欄と、抽出条件に合致するデータの表示を指示するための表示ボタンを備えたヘッダエリアと、抽出条件に合致するデータがマトリクス形式で表示される明細表示エリアと、明細表示エリアのデータを登録するための登録ボタンと、終了ボタンを備えている。オペレータは、明細表示エリアの各セルの金額の修正入力が可能となっている。登録ボタンが押されると、表示されているデータがCF増減表調整データとしてデータテーブル106fに登録される。
【0117】
以下の例では、CF増減表調整入力画面600において、連結決算期「2020年3月期」、連結会社「A社」、増減表NO「固定資産」が指定されて、表示ボタンが押された後の動作を説明する。
【0118】
図20(A)は、CF増減表定義マスタ106eの例を示している。同図に示すCF増減表定義マスタ106eの例では、1行目は、増減表NO「固定資産」、CF項目「有形固定資産の取得による支出」、CF総勘定科目「建物」、2行目は、増減表NO「固定資産」、CF項目「有形固定資産の売却による収入」、CF総勘定科目「建物」、3行目は、増減表NO「固定資産」、CF項目「有形固定資産の取得による支出」、CF総勘定科目「機械装置」となっている。
【0119】
リスト生成部102dは、指定された増減表NO「固定資産」をキーとして、CF増減表定義マスタ106eからCF項目リスト「有形固定資産の取得による支出、有形固定資産の売却による収入、無形固定資産の取得による支出、無形固定資産の売却による収入」を取得して、図20(D)に示すようなCF項目を含むCF項目リストを生成する。この場合、重複レコードは除外する。
【0120】
図20(B)は、科目変換マスタ106bのデータ例を示す図である。同図に示す科目変換マスタ106bの例では、1行目は、連結会社「A社」、変換元総勘定科目「商品売上高」、変換先総勘定科目「売上高」、2行目は、連結会社「A社」、変換元総勘定科目「商品売上原価」、変換先総勘定科目「売上原価」、3行目は、連結会社「A社」、変換元総勘定科目「機械装置」、変換先総勘定科目「機械装置」、4行目は、連結会社「A社」、変換元総勘定科目「建物」、変換先総勘定科目「建物」となっている。
【0121】
リスト生成部102dは、指定された増減表「固定資産」をキーとして、CF増減表定義マスタ106eからCF総勘定科目「建物、機械装置、ソフトウェア、特許権」を取得し、取得したCF総勘定科目を変換先総勘定科目として、当該変換先総勘定科目と指定された連結会社「A社」をキーとして、科目変換マスタ106bから変換元総勘定科目「機械装置、建物、ソフトウェア」を取得し、変換先勘定科目「機械装置、建物、ソフトウェア」と取得した変換元勘定科目「機械装置、建物、ソフトウェア」を含む、図20(D)に示すようなCF科目リストを生成する。この場合、重複レコードは除外する。
【0122】
表示データリスト生成部102eは、CF項目リストとCF科目リストの全てを組み合わせた図20(E)に示すような、CF項目、変換先総勘定科目、変換元総勘定科目を含む、表示対象リストを生成する。
【0123】
図21(D)は、CF増減データのデータ例を示す図である。同図に示すCF増減データの例では、1行目は、連結決算期「2020年3月期」、連結会社「A社」、増減表NO「固定資産」、CF項目「有形固定資産の取得による支出」、変換元CF総勘定科目「機械装置」、CF総勘定科目「機械装置」、調整額「0」、調整後金額「-1,000,000」、2行目は、連結決算期「2020年3月期」、連結会社「B社」、増減表NO「固定資産」、CF項目「有形固定資産の取得による支出」、変換元CF総勘定科目「工事建物」、CF総勘定科目「建物」、調整額「0」、調整後金額「-500,000,000」、3行目は、連結決算期「2020年3月期」、連結会社「B社」、増減表NO「固定資産」、CF項目「有形固定資産の売却による収入」、変換元CF総勘定科目「製造装置」、CF総勘定科目「機械装置」、調整額「0」、調整後金額「150,000,000」となっている。
【0124】
表示データリスト生成部102eは、生成した図21(A)に示す表示対象リストをベースとして、指定される連結決算期「2020年3月期」のCF増減データを結合して、図21(E)に示すような表示データリストを生成する。表示データリストは、表示対象リストの項目(CF項目、変換先総勘定科目、変換元総勘定科目)に、入力対象フラグと、CF増減データの指定される連結決算期の調整額と調整後金額の項目を追加したものとなっている。
【0125】
入力対象フラグは、図21(B)に示すCF増減表定義マスタ106e及び図21(C)に示す科目変換マスタ106bに該当するデータがある場合は、入力対象フラグ=True、該当するデータがない場合は、入力対象フラグ=Falseに設定する。例えば、表示データリストにおいて、1行目のCF項目「有形固定資産の取得による支出」、変換元総勘定科目「機械装置」、変換先総勘定科目「機械建設」については、CF増減表定義マスタ106eの3行目と科目変換マスタ106bの3行目に該当するデータがあるので、入力対象フラグ=Trueを設定する。また、3行目のCF項目「有形固定資産の取得による支出」、変換元総勘定科目「ソフトウェア」、変換先総勘定科目「ソフトウェア」については、CF増減表定義マスタ106eに該当するデータがないので、入力対象フラグ=Falseを設定する。
【0126】
図22において、画面表示制御部102fは、CF増減表調整入力画面600の明細表示エリアに、CF科目リストの総勘定科目を行、CF項目リストのCF項目を列、表示データリストの調整後金額を対応するセルに、マトリクス形式で表示する。また、画面表示制御部102fは、CF増減表調整入力画面600において、入力方法設定マスタ106aの設定に応じて、行について、変換元総勘定科目と変換先総勘定科目の表示を切り替える。例えば、図8に示す入力方法設定マスタ106aの4行目は、連結会社「A社」、データ種別「キャッシュフロー」、科目入力方法「0:個社科目」となっているので、変換元総勘定科目を表示する。明細表示エリアでは、セルの調整額及び調整後金額を入力(修正)可能に構成されている。調整額が修正されると、調整後金額が自動で修正される。
【0127】
画面表示制御部102fは、CF増減表調整入力画面600において、表示データリストの入力対象フラグ=Trueの場合のみセルの入力を許可する。同図に示す例では、機械装置/建物に対しては有形固定資産の取得による支出/有形固定資産の売却による収入が、ソフトウェアに対しては無形固定資産の取得による支出/無形固定資産の売却による収入が入力可能となっている。
【0128】
また、画面表示制御部102fは、CF増減表調整入力画面600において、入力可能なセルに対して、所定の操作(例えば、オペレータによる入力装置112のマウス等によるダブルクリック等)に応じて、例えば、金額調整用の調整ダイアログ画面(不図示)を表示する。調整ダイアログ画面では、総勘定科目、CF項目、調整額、調整後金額が表示され、調整額及び調整後金額の修正(調整)が可能となっている。金額を修正した後、不図示の反映ボタンを押すと、対応するセルの金額が修正される。このように、セルの金額の修正は、直接修正してもよいし、調整ダイアログ画面で修正してもよい。
【0129】
このように、CF増減表調整入力画面600では、CF増減表定義マスタ106eで条件に該当しないCF項目は表示自体されず、また、表示対象のうち、総勘定科目とCF項目の組み合わせで許可されたもののみが入力可能と判定されるので、CF増減表調整入力画面600で一覧性を担保しつつ必要な項目のみを表示して、入力間違いを防止し、連結作業を正確かつ効率化することが可能となる。これにより、例えば、子会社担当者でも簡単に修正することが可能となる。
【0130】
以上説明したように、本実施の形態によれば、連結会社及び増減表を指定する指定部102cと、指定された増減表をキーとして、CF増減表定義マスタ106eからCF項目を取得して、CF項目リストを生成し、また、指定された増減表をキーとして、CF増減表定義マスタ106eからCF総勘定科目を取得し、取得したCF総勘定科目を変換先総勘定科目として、当該変換先総勘定科目と指定された連結会社をキーとして、科目変換マスタ106bから変換元総勘定科目を取得し、取得した変換先勘定科目と変換元勘定科目を含むCF科目リストを生成するリスト生成部102dと、CF項目リストとCF科目リストの全ての組み合わせを表示対象リストとして生成し、表示対象リストをベースとして、CF増減データを結合して表示データリストを生成する表示データリスト生成部102eと、モニタ114に調整入力画面を表示し、当該調整入力画面において、CF科目リストの総勘定科目を行、CF項目リストのCF項目を列、表示データリストの調整後金額を対応するセルにマトリクス形式で表示する画面表示制御部102fと、を備えているので、連結会計のCF増減表の個社会計情報の修正時に、調整入力画面において、一覧性を担保しつつ必要な項目のみを表示して、入力間違いを防止し、連結作業を正確かつ効率化することが可能となる。
【0131】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0132】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0133】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0134】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0135】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0136】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0137】
また、連結会計システム100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0138】
例えば、連結会計システム100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて連結会計システム100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
【0139】
また、このコンピュータプログラムは、連結会計システム100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0140】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0141】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0142】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0143】
また、連結会計システム100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、連結会計システム100は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0144】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0145】
100 連結会計システム
102 制御部
102a マスタメンテ部
102b データ取得部
102c 指定部
102d リスト生成部
102e 表示データリスト生成部
102f 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 入力方法設定マスタ
106b 科目変換マスタ
106c 会社間取引相殺対象科目マスタ
106d 取引先特定マスタ
106e CF増減表定義マスタ
106f データテーブル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
400 個社会計システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
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