(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】災害対応ランドリーシステム及びランドリー機器稼働方法
(51)【国際特許分類】
D06F 95/00 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
D06F95/00
(21)【出願番号】P 2021115740
(22)【出願日】2021-07-13
(62)【分割の表示】P 2020047294の分割
【原出願日】2020-03-18
【審査請求日】2023-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2019157394
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】517164556
【氏名又は名称】株式会社TOSEI
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【氏名又は名称】井上 正則
(72)【発明者】
【氏名】野村 雅和
(72)【発明者】
【氏名】植松 正稔
(72)【発明者】
【氏名】森田 祐規子
(72)【発明者】
【氏名】松永 理佳
【審査官】高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-051600(JP,A)
【文献】特開平09-002132(JP,A)
【文献】特開2005-224018(JP,A)
【文献】特開2006-240342(JP,A)
【文献】特開2011-092395(JP,A)
【文献】特開2013-228041(JP,A)
【文献】実開昭55-028340(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 95/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力インフラが機能を停止した場合であっても稼働可能な災害対応ランドリーシステムであって、
ガス貯蔵部に貯蔵されたガスを燃焼させることにより衣類を乾燥させる機能を有する少なくとも1つ以上のランドリー機器と、
前記ガス貯蔵部に貯蔵されたガスを燃料として電力を出力する発電機と、
前記ランドリー機器の電力源を、前記電力インフラ、または前記発電機のいずれかに切り替える電源切替部と
を備える災害対応ランドリーシステム。
【請求項2】
電源用コネクタを接続可能に構成され、前記発電機と電気接続される電力供給部を更に備える請求項1に記載の災害対応ランドリーシステム。
【請求項3】
電力インフラが機能を停止した場合であっても稼働可能なランドリー機器稼働方法であって、
ガス貯蔵部に貯蔵されたガスを燃焼させることによって少なくとも1つ以上のランドリー機器により衣類を乾燥させ、
前記ガス貯蔵部に貯蔵されたガスを燃料として発電機により電力を出力し、
前記電力インフラが停止された場合、前記ランドリー機器の電力源を、前記電力インフラから前記発電機に切り替えることを特徴とするランドリー機器稼働方法。
【請求項4】
前記発電機は、残量が所定量以下であるガス貯蔵部に貯蔵されたガスを燃料として電力を出力することを特徴とする請求項3に記載のランドリー機器稼働方法。
【請求項5】
電力インフラと水道インフラとのうち少なくとも一方が機能を停止した場合であっても稼働可能な災害対応ランドリーシステムであって、
ガス貯蔵部に貯蔵されたガスを燃焼させることにより衣類を乾燥させる機能を有する少なくとも1つ以上の乾燥機と、
前記水道インフラにより供給される水を貯水する貯水タンクと、
前記水道インフラまたは前記貯水タンクにより供給される水により衣類を洗浄する機能を有する少なくとも1つ以上の洗濯機と、
前記ガス貯蔵部に貯蔵されたガスを燃焼させることにより衣類を乾燥させる機能と前記水道インフラまたは前記貯水タンクにより供給される水により衣類を洗浄する機能とを有する少なくとも1つ以上の洗濯乾燥機と、
前記ガス貯蔵部に貯蔵されたガスを燃料として電力を出力する発電機と、
前記乾燥機、前記洗濯乾燥機及び前記洗濯機の電力源を、前記電力インフラ、または前記発電機のいずれかに切り替える電源切替部と
を備える災害対応ランドリーシステム。
【請求項6】
電力インフラと水道インフラとのうち少なくとも一方が機能を停止した場合であっても稼働可能なランドリー機器稼働方法であって、
ガス貯蔵部に貯蔵されたガスを燃焼させることによって少なくとも1つ以上の乾燥機及び少なくとも1つ以上の洗濯乾燥機により衣類を乾燥させ、
前記水道インフラにより供給される水を貯水タンクに貯水し、
水により衣類を洗浄する少なくとも1つ以上の洗濯機及び前記洗濯乾燥機と前記水道インフラ及び前記貯水タンクと流体接続し、
前記水道インフラが停止された場合、前記貯水タンクに貯水された水を前記洗濯機及び前記洗濯乾燥機に供給し、
前記ガス貯蔵部に貯蔵されたガスを燃料として発電機により電力を出力し、
前記電力インフラが停止された場合、前記乾燥機、前記洗濯乾燥機及び前記洗濯機の電力源を、前記電力インフラから前記発電機に切り替えることを特徴とするランドリー機器稼働方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、災害に対応するコインランドリー設備に関する。
【背景技術】
【0002】
コインランドリーは、店舗内に設置した洗濯乾燥機などのランドリー機器を利用者に提供する。利用者は、衣類や布団などの洗濯物を持参し、利用料金を支払って洗濯を行う。コインランドリーは、一般的に無人営業であるため、精算を自動化する精算システムが導入されている。利用者は、各ランドリー機器ごとに設けられている精算機に現金を投入して、セルフ方式でランドリー機器を利用する。精算機は、現金の他に、ICカードなどの電子マネーによる精算も可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明が解決しようとする課題は、被災者がランドリー機器を利用することをより容易にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のランドリーシステムは、電力インフラが機能を停止した場合であっても稼働可能な災害対応ランドリーシステムであって、ガス貯蔵部に貯蔵されたガスを燃焼させることにより衣類を乾燥させる機能を有する少なくとも1つ以上のランドリー機器と、前記ガス貯蔵部に貯蔵されたガスを燃料として電力を出力する発電機と、前記ランドリー機器の電力源を、前記電力インフラ、または前記発電機のいずれかに切り替える電源切替部とを備える。
【0006】
実施形態のランドリーシステムは、水道インフラが機能を停止した場合であっても稼働可能な災害対応ランドリーシステムであって、前記水道インフラにより供給される水を貯水する貯水タンクと、前記水道インフラまたは前記貯水タンクにより供給される水により衣類を洗浄する機能を有する少なくとも1つ以上のランドリー機器とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係るランドリーシステムを導入したランドリー施設の概略平面図である。
【
図2】第1の実施形態に係るランドリーシステムの全体構成を示す概略図である。
【
図3】第1の実施形態に係る精算システムのハードウェア構成を示す概略図である。
【
図4】第1の実施形態に係る精算機のハードウェア構成を示す正面図である。
【
図5】第1の実施形態に係る精算機の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】第1の実施形態に係るモード切替処理の動作を示すフローチャートである。
【
図7】第1の実施形態に係る有料モード処理の動作を示すフローチャートである。
【
図8】第1の実施形態に係る無料モード処理の動作を示すフローチャートである。
【
図9】第2の実施形態に係る精算機の機能構成を示すブロック図である。
【
図10】第2の実施形態に係るモード切替処理の動作を示すフローチャートである。
【
図11】第3の実施形態に係る精算機の機能構成を示すブロック図である。
【
図12】第3の実施形態に係るモード切替処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の詳細について説明する。
【0009】
<第1の実施形態>
(ランドリーシステム)
まず、本実施形態に係るランドリーシステムを導入したランドリー施設の概要及びランドリーシステムの全体構成について説明する。
図1は、ランドリーシステムを導入したランドリー施設の概略平面図である。
図2は、ランドリーシステムの全体構成を示す概略図である。
【0010】
図1に示すランドリー施設Fは、
図2に示すようなランドリーシステム1が導入される。ランドリーシステム1は、複数のランドリー機器10、精算機11、制御装置12、発電機13、電源切替部14、電力供給部15、給湯器16、シャワー設備17、ガス供給部18を備える。
【0011】
ランドリー機器10は、例えば、洗濯機、乾燥機、洗濯乾燥機、靴洗浄機、圧縮パック機等である。本実施形態においては、ランドリー機器10は、衣類を洗濯し乾燥させる洗濯乾燥機とし、衣類を洗浄及び乾燥させるための内部空間が区画され、この内部空間を閉鎖するとともに衣類を投入または衣類を取り出し可能に内部空間を開放する扉部10aを備えるものとする。
【0012】
ランドリー施設Fは、その内部が店舗区画DとバックヤードBとに区分されており、複数のランドリー機器10は、店舗区画Dから利用可能且つバックヤードBから電力、水、ガスを供給可能に設置される。ランドリー施設Fの利用者は、外部と店舗区画Dとを行き来可能に形成された出入口D1を介して店舗区画Dへ入り、ランドリー機器10のうち空いているものを選択し、持参した衣類等の洗濯物を投入して洗濯及び乾燥を行う。また、ランドリー施設Fにおいては、精算機11、電力供給部15、シャワー設備17、ガス供給部18が、店舗区画Dから利用者により利用可能に設置される。
【0013】
ランドリー機器10は、電力会社により電力インフラEを介して供給される電力により動作し、水道局により水道インフラWを介して供給される水と、バックヤードBにおいて供給される洗剤とによって衣類を洗浄し、ランドリー施設F近傍に設置されるLP(Liquefied Petroleum)ガスタンクGにより供給されるガスによって衣類を乾燥させる。水道インフラWによって供給される水は、ランドリー施設F近傍に設置される貯水タンクTを介してランドリー機器10に供給され、貯水タンクTには一定量以上の水が常時貯水されるものとし、水道インフラWが停止する非常時には、貯水タンクTに貯水された水が供給される。
【0014】
精算機11は、利用者が各ランドリー機器10の利用料金を精算するための機器であり、利用者は、操作ガイダンスに従って洗濯・乾燥メニューを選択し、集中精算機11で利用料金を精算することによって、ランドリー機器10に所望の洗濯・乾燥メニューによる洗濯・乾燥を実行させる。制御装置12は、例えばケーブルハーネスを通じて精算機11と通信可能に接続されるとともに、各ランドリー機器10と有線通信または無線通信可能に接続され、更に、インターネットを介してランドリー施設F外の装置との通信を行う。
【0015】
発電機13は、LPガスタンクGから供給されるガスを用いた発電を行う。電源切替部14は、電力インフラEによる電力供給である通常電源と、発電機13による電力供給である非常電源とを切り替える。ランドリー機器10、精算機11、制御装置12、電力供給部15への電力供給は、電源切替部14を介してなされる。ここで、電力供給部15は、コンセント、USB(登録商標)給電ポートなどを備える。電力インフラEが停止する非常時においては、非常電源に切り替えられることで、ランドリー機器10、精算機11、制御装置12が動作し、電力供給部15による電力利用が可能となる。また、電力供給部15によれば、災害によって電力インフラEが停止するような状況においても、スマートフォンなどのバッテリーにより動作する電子機器を利用者が充電することができる。
【0016】
給湯器16は、LPガスタンクGにより供給されるガスを燃焼させることによって貯水タンクTにより供給される水を熱して、シャワー設備17に温水を供給する。シャワー設備17は、利用者が体を洗浄するための設備であり、シャワーと排水溝とが設置される。これら給湯器16及びシャワー設備17によれば、災害よって水道インフラWが停止するような状況においても、利用者が体を洗浄することができる。
【0017】
ガス供給部18は、LPガスタンクGから供給されるガスを、ガスコンロGCのようなガス機器により利用可能に供給するための供給口である。ガスコンロGCは、通常時においてはバックヤードBに格納され、非常時においてランドリー施設Fの管理者によって、ガス供給部18と接続され、店舗区画Dにおいて利用可能に設置される。なお、ガス供給部18は、管理者以外の者がガスを利用可能とする操作を行なえないように構成されることが望ましい。このガス供給部18によれば、災害によってガスインフラが停止した場合であっても、ガスコンロGCを接続して炊き出しなどを行うことができる。
【0018】
店舗区画DとバックヤードBとを仕切る壁部に設けられたドアD2は、ランドリ―施設Fの管理者が有する鍵によって施錠されており、管理者のみがバックヤードBに出入りすることができる。各種インフラが停止する非常時において、管理者は、電源切替部14により非常電源に切り替えるとともに発電機13を稼働させる。また、水は貯水タンクTから供給され、ガスは通常時と同様にLPガスタンクGから供給される。これによって、非常時においてもランドリー施設Fを稼働させることができる。
【0019】
(精算システム)
精算システムについて説明する。
図3は、精算システムのハードウェア構成を示す概略図である。
図4は、精算機のハードウェア構成を示す正面図である。
【0020】
図2,3に示すように、精算システムSは、精算機11と制御装置12により構成される。
図3,4に示すように、精算機11は、ハードウェアとして、制御部110、表示部111、スピーカ112、紙幣入金部113a、硬貨入金部113b、釣銭出金部113c、IC(Integrated Circuit)カードリーダライタ114、プリンタ115、バーコードリーダ116を備える。
【0021】
制御部110は、精算機11の全体動作を制御するものであり、例えば回路基板上に配置されたCPU(Central Processing Unit)110a,ROM(Read Only Memory)110b,RAM(Random Access Memory)110cを備える。ROM110bは、CPU110aが実行するプログラム及び各種制御条件などの情報を格納する。RAM110cは、ランドリー機器の稼働状況や使用済プリペイドカードの回収枚数などの情報を一時的に格納する。CPU110aは、プログラム及び各種制御条件をROM110bから読み出して、精算機11の全体動作を制御するともに、後述する各種機能を実行する。
【0022】
表示部111は、利用者と管理者とを含む操作者に対してGUI(Graphical User Interface)を表示するとともに、操作者によるGUI操作を取得する。表示部111は、ディスプレイ111aとタッチパッド111bとを有するタッチパネルディスプレイであり、精算機11による処理の選択肢を含む操作メニューを利用者が指でタッチして選択できるようになっている。操作メニューには、洗濯・乾燥等のランドリーメニュー、利用料金を支払う精算メニュー、管理者のみが操作可能な管理メニューなどがある。
【0023】
スピーカ112は、操作者への音声ガイダンスや報知音を発するものであり、スピーカ112からは、表示部111に表示される操作ガイダンスを読むか又は補助する音声が出力される。なお、表示部111に表示される操作ガイダンス及びスピーカ112から出力される音声ガイダンスは、表示部111としてのタッチパネルディスプレイを通じて、各種言語をも選択できるようになっている。
【0024】
紙幣入金部113a、硬貨入金部113b、釣銭出金部113cは、いずれもランドリー機器10の利用料金に対する現金精算を行うためのものである。利用者は、表示部111に表示される利用料金に応じた現金を紙幣入金部113a、硬貨入金部113bから投入し、投入された現金に対する釣銭がある場合には釣銭出金部113cから釣銭が払い出される。
【0025】
ICカードリーダライタ114は、ランドリー機器10の利用料金に対するICカード精算を行うためのものである。利用者は、ICカード精算に際して、ICカードリーダライタ114の読取り面にICカードを接触させる。例えばクレジットカードの場合、ICカードリーダライタ114は、ICカードの記憶部(例えばICチップや磁気装置など)から各種情報を読み取り、この各種情報は、図示しない中継装置を介してクレジット信販会社の管理システムに照会される。
【0026】
プリンタ115は、現金やICカード等によって精算した利用料金と利用明細などを記載したレシートを印刷して、レシート取出口115a(釣銭出金部113cと兼用)から出力する(
図4参照)。プリンタ115は、ロール状の感熱記録用紙、用紙に印字等する印刷ヘッド、及び印刷を終えた用紙をロールからカットするカッターなどによって構成される。
【0027】
制御装置12は、ケーブルハーネスを通じて精算機11と通信可能に接続され、各ランドリー機器10を制御する管理コントローラ121と、インターネットを介して外部との通信を行うための通信ポート122とを備える。
【0028】
管理コントローラ121は、有線又は無線による通信が可能なように各ランドリー機器10と接続され、稼働中又は未使用(空き)の情報を各ランドリー機器10から受信して、ランドリー施設F内のランドリー機器10の稼働状態を管理する。また、管理コントローラ121は、利用者が選択した選択メニューの情報などを精算機11から受信し、それを該当するランドリー機器10に送信する。また、利用者の安全及び盗難防止のため、ランドリー機器10の扉部10aの施錠及び開錠を制御する信号を送信する。
【0029】
通信ポート122には、例えばルータやモデムなどの情報通信機器123を通じてインターネット網90に接続される。そしてインターネット網90を通じて、他のランドリー施設に設置された精算システムS1,S2などと通信可能に接続される。
【0030】
(機能構成)
次に、精算機の機能構成及び動作について説明する。
図5は、精算機の機能構成を示すブロック図である。
【0031】
図5に示すように、精算機11は、制御部110により実行される機能として、モード切替部81、有料モード処理部82、無料モード処理部83を備える。モード切替部81は、後述するモード切替処理により、精算機11を常態時に対応した動作を行う有料モードまたは非常態時に対応した動作を行う無料モードに切り替える。有料モード処理部82は、後述する有料モード処理により、精算が完了した場合にランドリー機器10を動作させる。無料モード処理部83は、後述する無料モード処理により、精算をすることなくランドリー機器10を動作させる。
【0032】
(モード切替処理)
モード切替処理の動作について説明する。
図6は、モード切替処理の動作を示すフローチャートである。なお、
図6においては、ランドリー施設の管理者が各種操作を行う管理メニューが予め表示されているものとする。
【0033】
図6に示すように、モード切替部81は、管理メニューにおいて、精算機11の操作者が管理者であることを確認するため、管理者を認証する認証情報が正当であるか否かを判定する(S101)。ここで、モード切替部81は、例えば、予め管理者により設定されたパスワードと、タッチパネルディスプレイである表示部111へのタッチ操作により入力されたパスワードとが一致するか否かを判定する。
【0034】
認証情報が正当である場合(S101,YES)、モード切替部81は、精算機11を有料モードにより動作させる有料モードボタンと、精算機11を無料モードにより動作させる無料モードボタンとを含むモード選択画面を表示し(S102)、無料モードボタンが選択されたか否かを判定する(S103)。
【0035】
無料モードボタンが選択された場合(S103,YES)、後述する無料モード処理が実行される(S104)。
【0036】
一方、有料モードボタンが選択された場合(S103,NO)、後述する有料モード処理が実行される(S105)。
【0037】
(有料モード処理)
有料モード処理の動作について説明する。
図7は、有料モード処理の動作を示すフローチャートである。
【0038】
図7に示すように、有料モード処理部82は、複数のランドリー機器10のうち、稼働中でないランドリー機器10を選択する画面を表示し、いずれかのランドリー機器10が選択されたか否かを判定する(S201)。
【0039】
ランドリー機器10が選択された場合(S201,YES)、有料モード処理部82は、ランドリー機器10の運転態様(コース内容)が異なる複数のコースを含むコース選択画面を表示し(S202)、いずれかのコースが選択された否かを判定する(S203)。
【0040】
コースが選択された場合(S203,YES)、有料モード処理部82は、選択されたコースに応じた利用料金を表示し(S204)、表示した利用料金が精算されたか否かを判定する(S205)。
【0041】
利用料金が精算された場合(S205,YES)、有料モード処理部82は、選択されたランドリー機器10に対して選択されたコースに応じた運転動作を開始させる(S206)。
【0042】
一方、利用料金が精算されない場合(S205,NO)、有料モード処理部82は、再度、表示した利用料金が精算されたか否かを判定する(S205)。
【0043】
また、ステップS203において、コースが選択されない場合(S203,NO)、有料モード処理部82は、再度、コースが選択されたか否かを判定する(S203)。
【0044】
また、ステップS201において、ランドリー機器10が選択されない場合(S201,NO)、有料モード処理部82は、再度、ランドリー機器10が選択されたか否かを判定する(S201)。
【0045】
(無料モード処理)
無料モード処理の動作について説明する。
図8は、無料モード処理の動作を示すフローチャートである。
【0046】
図8に示すように、無料モード処理部83は、複数のランドリー機器10のうち、稼働中でないランドリー機器10を選択する画面を表示し、いずれかのランドリー機器10が選択されたか否かを判定する(S301)。
【0047】
ランドリー機器10が選択された場合(S301,YES)、無料モード処理部83は、ランドリー機器10の運転態様(コース内容)が異なる複数のコースを含むコース選択画面を表示し(S302)、いずれかのコースが選択された否かを判定する(S303)。ここで、無料モード処理部83は、有料モード処理部82とは含まれるコースが異なるコース選択画面を表示するようにしても良い。例えば、無料モードにおいては、有料モードと比較して、水、電力、ガスの消費量がより少なくなるようなコースを含むようにしても良い。
【0048】
コースが選択された場合(S303,YES)、無料モード処理部83は、選択されたランドリー機器10に対して選択されたコースに応じた運転動作を開始させる(S304)。
【0049】
一方、コースが選択されない場合(S303,NO)、無料モード処理部83は、再度、コースが選択されたか否かを判定する(S303)。
【0050】
また、ステップS301において、ランドリー機器10が選択されない場合(S301,NO)、無料モード処理部83は、再度、ランドリー機器10が選択されたか否かを判定する(S301)。
【0051】
このように、精算機11が精算後にランドリー機器10を稼働させる有料モードと精算することなくランドリ―機器10を稼働させる無料モードの2つのモードに切り替え可能とし、各種インフラが停止するような災害時に管理者が精算機11を無料モードに切り替えることによって、ランドリー施設Fを容易に被災者に無償開放することができる。
【0052】
なお、上述した実施形態においては、ランドリー機器10と精算機11とを異なる装置としたが、精算機11が各ランドリー機器10に内蔵されるようにしても良い。この場合、ランドリー機器10に内蔵される精算機11に関する設定を行うための制御パネルを、管理者が有する鍵を用いてのみアクセス可能にランドリー機器10に格納し、この制御パネルの操作により有料モードと無料モードのいずれかを選択可能とすることが望ましい。また、このようなランドリー機器10にタッチパネルが設けられていない場合には、無料モード時においては、コースを選択するためのコース選択ボタンを押下することによってランドリー機器10に動作運転をさせるようにすると良い。また、運転態様が選択不能であるためコース選択ボタンが設けられないランドリー機器10については、無料動作ボタンを別途設け、無料モード時においては、無料動作ボタンを押下することによってランドリー機器10に動作運転させるようにすると良い。
【0053】
また、無料モード時において、ランドリー施設F内において、一時的に精算機11による精算が可能なICカードや磁気カードが配布されるようにしても良い。例えば、このようなカードが格納する格納部をランドリー施設F内に設置し、無料モード時に格納部に格納されたカードを取り出し可能とすることが考えられる。
【0054】
また、ガスタンクGは、ガス残量が所定量以下となると圧力が低下するため、ガスタンクG内にガスが残存している状態で使用済みとして交換されることとなる。よって、このような使用済みのガスタンクGに残存したガスを集約し、非常時に用いるようにしても良い。
【0055】
<第2の実施形態>
本実施形態に係るランドリーシステムは、精算機の機能構成が第1の実施形態とは異なる。
図9は、精算機の機能構成を示すブロック図である。
図10は、モード切替処理の動作を示すフローチャートである。
【0056】
図9に示すように、本実施形態に係る精算機11aは、無料モード処理部83に代えて、低料金モード処理部84を機能として備える点において第1の実施形態とは異なる。また、モード切替部81は、常態時に対応した動作を行う有料モードと非常態時に対応した動作を行う低料金モードとを切り替える点において第1の実施形態とは異なる。
【0057】
図10に示すように、本実施形態に係るモード切替処理は、ステップS102、ステップS103、ステップS104の動作に代えて、ステップS102a、ステップS103a、ステップS104aの動作を行う点において、第1の実施形態とは異なる。
【0058】
ステップS102aにおいて、モード切替部81は、精算機11aを有料モードにより動作させる有料モードボタンと、精算機11aを低料金モードにより動作させる低料金モードボタンとを含むモード選択画面を表示する。
【0059】
また、ステップS103aにおいて、モード切替部81は、低料金モードボタンが選択された否かを判定し、低料金モードボタンが選択された場合には、低料金モード処理部84によって低料金モード処理が実行される(S104a)。
【0060】
低料金モード処理は、有料モード処理と略同様の動作を実行するが、ステップS204における利用料金の表示において、有料モード処理よりも低い料金を精算料金として表示する点が第1の実施形態とは異なる。
【0061】
<第3の実施形態>
本実施形態に係るランドリーシステムは、精算機の機能構成が第1の実施形態とは異なる。
図11は、精算機の機能構成を示すブロック図である。
図12は、モード切替処理の動作を示すフローチャートである。
【0062】
図11に示すように、本実施形態に係る精算機11bは、モード切替部81に代えて、モード切替部81aを備える点、また、このモード切替部81aによるモード切替処理の動作において第1の実施形態とは異なる。
【0063】
図12に示すように、まず、モード切替部81aは、ランドリー施設Fが存在する地域が非常態にあることを示す非常態情報を取得したか否かを判定する(S101a)。非常態情報としては、例えば、気象庁により発信される緊急地震速報や電力インフラEへの電力の供給が停止されたことを示す情報などが挙げられる。
【0064】
非常態情報を取得した場合(S101a,YES)、無料モード処理が実行され(S104)、一方、非常態情報を取得しない場合(S101a,NO)、有料モード処理が実行される(S105)。
【0065】
このように、非常態情報に基づいて有料モードと無料モードとを切り替えることによって、管理者が操作することなく、ランドリー施設Fを災害などの非常態に対応させることができる。
【0066】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
1 ランドリーシステム
11 精算機
81 モード切替部
82 有料モード処理部(常態モード処理部)
83 無料モード処理部(非常態モード処理部)
84 低料金モード処理部(非常態モード処理部)