(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
F24F 1/46 20110101AFI20240704BHJP
F24F 3/14 20060101ALI20240704BHJP
F24F 6/00 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
F24F1/46
F24F3/14
F24F6/00 301
(21)【出願番号】P 2021130241
(22)【出願日】2021-08-06
【審査請求日】2021-12-15
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】松本 幸子
(72)【発明者】
【氏名】村上 智哉
(72)【発明者】
【氏名】渕上 博
【合議体】
【審判長】鈴木 充
【審判官】水野 治彦
【審判官】村山 美保
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-77083(JP,A)
【文献】特開2015-75252(JP,A)
【文献】特開2006-44780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外熱交換器(44)を含む室外空調ユニット(4)と、
空気を加湿し、加湿した空気を室内に供給する加湿ユニット(6)と、
前記室外熱交換器の上面に沿った第1
面が形成されている発泡部材(73a)と、を備え、
前記加湿ユニットは、
吸着ロータ(61)と、前記吸着ロータに向かって流れる室外空気を加熱するヒータ(62)と、室内機との間における空気流れを発生させる吸排気ファン(64)と、室外空気が前記吸着ロータへ向かう気流を発生させる吸着ファン(65)と、前記吸着ファンを駆動させるモータ(65m)と、底部(69e)を含む第1ケーシング(69)
と、を有し、
前記室外熱交換器は、複数の伝熱管(44a)と、複数の伝熱フィン(44b)とを有し、
前記加湿ユニットと前記室外空調ユニットが固定された状態において、前記室外熱交換器の上面と前記底部との間に、前記発泡部材が配置さ
れ、
前記発泡部材は、衝撃が加わって前記室外熱交換器と前記加湿ユニットが衝突したときの前記伝熱フィンの損傷を防止するために、前記室外熱交換器の上面に載せられた部材である、
空気調和装置(10、100)。
【請求項2】
前記伝熱フィンは、長手方向が鉛直方向に延び、
前記室外熱交換器の上面は、複数の前記伝熱フィンの上端によって形成されている、
請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記発泡部材の第1面の、複数の前記伝熱フィンが並ぶ方向の長さ(L)が、3mm以上である、
請求項2に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記室外熱交換器のフィンピッチ(d)は2mm以下である、
請求項
3に記載の空気調和装置。
【請求項5】
前記加湿ユニットの重量が5kg以上である、
請求項1から
4のいずれかに記載の空気調和装置。
【請求項6】
前記室外空調ユニットは、
第1側板(47c)と、前記第1側板と反対側に位置する第2側板(47d)とを含む第2ケーシング(47)、
を含み、
前記加湿ユニットは、前記第1側板および前記第2側板に固定され、
前記発泡部材の前記第1面は、上面視において前記第1側板と前記第2側板との間に位置する前記室外熱交換器の上面の一部、に載っている、
請求項1から
5のいずれかに記載の空気調和装置。
【請求項7】
前記室外空調ユニットは、電装品箱(51)をさらに含み、
前記加湿ユニットと前記室外空調ユニットが固定された状態において、前記電装品箱の上面と前記底部とが対向している、
請求項
1に記載の空気調和装置。
【請求項8】
前記発泡部材は、前記室外熱交換器の上面の一部に載せられた部材である、
請求項1から7のいずれかに記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加湿ユニットを備えた空気調和装置において、加湿ユニットの板状の脚が室外熱交換器の伝熱フィンの上端に載っている(特許文献1(特開2021-38911号公報))。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来は、加湿ユニットの板状の脚が室外熱交換器の伝熱フィンの上端に載っているため、室外熱交換器と加湿ユニットが衝撃などで衝突することによって、室外熱交換器の伝熱フィンが加湿ユニットの脚によって損傷し、空気の通りが妨げられて熱交換率が低下する場合があるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点の空気調和装置は、室外空調ユニットと、加湿ユニットと、支持部材と、を備える。室外空調ユニットは、室外熱交換器を含む。加湿ユニットは、空気を加湿し、加湿した空気を室内に供給する。支持部材は、室外熱交換器の上面に沿った第1面が形成されている。支持部材を介して、加湿ユニットが室外熱交換器に支持される。
【0005】
この空気調和装置では、室外熱交換器の伝熱フィンの損傷を抑制することができる。
【0006】
第2観点の空気調和装置は、第1観点の装置であって、室外熱交換器は、複数の伝熱管と、複数の伝熱フィンとを有する。伝熱フィンは、長手方向が鉛直方向に延びる。室外熱交換器の上面は、複数の伝熱フィンの上端によって形成されている。
【0007】
この空気調和装置では、室外熱交換器の上端に支持部材を介して加湿ユニットが載るので、高さ方向でコンパクトにすることができる。
【0008】
第3観点の空気調和装置は、第1観点又は第2観点の装置であって、加湿ユニットは、底部を含む第1ケーシングを有する。支持部材が、第1ケーシングの底部と一体化されている。
【0009】
この空気調和装置では、支持部材を介して、加湿ユニットが安定して室外熱交換器に支持されることができる。
【0010】
第4観点の空気調和装置は、第3観点の装置であって、支持部材は、断面がL字状の部材である。支持部材は、脚部と、支持部と、を有する。脚部は、底部から室外熱交換器の上面に対して鉛直方向に延びる。支持部は、脚部の下端から水平方向に延び第1面が下面である。
【0011】
この空気調和装置では、室外熱交換器の上面に対して鉛直方向に延びる脚部の下端から、水平方向に延びる支持部の第1面で、支持部材が室外熱交換器の上面に着地することで、支持部材によって室外熱交換器の伝熱フィンが損傷することを防ぐことができる。
【0012】
第5観点の空気調和装置は、第1観点又は第2観点の装置であって、支持部材が、室外熱交換器の上面に載せられた発泡部材である。
【0013】
この空気調和装置では、支持部材を軽量にすることができる。
【0014】
第6観点の空気調和装置は、第1観点又は第2観点の装置であって、室外空調ユニットは、ファンモータと、ファンモータを支持するファンモータ支持台と、をさらに含む。支持部材は、室外熱交換器の上面に載る金属製の板状部材であり、且つ、ファンモータ支持台の一部である。
【0015】
この空気調和装置では、支持部材を介して、加湿ユニットが安定して室外熱交換器に支持されることができる。
【0016】
第7観点の空気調和装置は、第2観点の装置であって、支持部材の第1面の、複数の伝熱フィンが並ぶ方向の長さが、3mm以上である。
【0017】
この空気調和装置では、支持部材が室外熱交換器の複数の伝熱フィンの上端に載ることができる。
【0018】
第8観点の空気調和装置は、第7観点の装置であって、室外熱交換器のフィンピッチは2mm以下である。
【0019】
この空気調和装置では、2mm以下のフィンピッチと3mm以上の第1面との組み合わせにより、支持部材が室外熱交換器の複数の伝熱フィンの上端に載ることができる。
【0020】
第9観点の空気調和装置は、第1観点から第8観点のいずれかの装置であって、加湿ユニットの重量が5kg以上である。
【0021】
この空気調和装置では、支持部材を介して、重量が5kg以上の加湿ユニットが支持されることができる。
【0022】
第10観点の空気調和装置は、第1観点から第9観点のいずれかの装置であって、室外空調ユニットは、第1側板と、第1側板と反対側に位置する第2側板とを含む第2ケーシング、を含む。加湿ユニットは、第1側板および第2側板に固定される。支持部材の第1面は、上面視において第1側板と第2側板との間に位置する室外熱交換器の上面の一部、に載っている。
【0023】
この空気調和装置では、加湿ユニットは室外空調ユニットの第2ケーシングの第1側板および第2側板に固定されているので、支持部材の第1面から室外熱交換器の上面に対してかかる加湿ユニットの荷重を軽減できる。
【0024】
第11観点の空気調和装置は、第1観点又は第5観点の装置であって、室外空調ユニットは、電装品箱をさらに含む。加湿ユニットは、さらに、電装品箱の上面に支持されている。
【0025】
この空気調和装置では、加湿ユニットが室外熱交換器の上面に加えて、電装品箱の上面に支持されることで、室外熱交換器の上面にかかる加湿ユニットの荷重を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】空気調和装置の構成の一例を示す概念図である。
【
図2】空気調和装置が有する冷媒回路と空気流路とを説明するための図である。
【
図3】
図1の室外機と加湿器の構成例を示す分解斜視図である。
【
図5】加湿器のケーシングを底面側から見た図である。
【
図7A】室外機の内部を側面から見た概略図である。
【
図8】室外機の内部と加湿器を正面から見た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(1)空調調和装置10の全体構成
本実施形態に係る空気調和装置10は、室内機2と室外機(室外空調ユニット)4と加湿器(加湿ユニット6)とを備えている。室内機2と室外機4とは、冷媒連絡管11,12で接続されている。室内機2と室外機4と冷媒連絡管11,12とは冷媒回路13を構成している。室内機2と室外機4は、制御部8により制御される。冷媒回路13では、例えば、冷房運転、暖房運転及び加湿運転の際に、蒸気圧縮式冷凍サイクルが繰り返される。
【0028】
空気調和装置10の室内機2は、部屋RMに設置され(
図1参照)、部屋RMの中(室内)の空気調和を行う。
【0029】
空気調和装置10の室外機4は、部屋RMの外側に配置されている。室外機4は、第1側板47cと、第1側板47cと反対側に位置する第2側板47dとを含むケーシング(第2ケーシング)47、を含む。室外機4は、ファンモータ48と、ファンモータ48を支持するファンモータ支持台49と、電装品箱51と、を含む。本実施形態に係る室外機4には、支持部材71を介して、加湿器6が一体化されている。
図1に示されている加湿器6は、部屋RMの中(室内)に水分を供給して、室内の湿度を上げる加湿を行う。
【0030】
(2)詳細構成
(2-1)室外機4
室外機4は、
図2に示されているように、圧縮機41と四方弁42とアキュムレータ43と室外熱交換器44と室外膨張弁45と室外ファン46とケーシング47とを備えている。圧縮機41と四方弁42とアキュムレータ43と室外熱交換器44と室外膨張弁45と室外ファン46とは、ケーシング47の中に収納されている。ケーシング47は、室外の空気を吸い込む吸込口47a(
図2参照)と、熱交換後の空気を吹き出す吹出口47b(
図1及び
図2参照)とを有する。吸込口47aは、ケーシング47の後側に配置されている。また、室外の空気を吸い込む吸込口は、第2側板47にも配置されている(図示せず)。室外機4は、室内機2に熱エネルギーを供給する熱源ユニットとして機能する。
【0031】
圧縮機41は、ガス冷媒を吸入して圧縮して吐出する。
【0032】
四方弁42は、4つのポートを有している。四方弁42の第1ポートP1は、圧縮機41の吐出口に接続されている。四方弁42の第2ポートP2は、室外熱交換器44の一方の出入口に接続されている。四方弁42の第3ポートP3は、アキュムレータ43に接続されている。四方弁42の第4ポートP4は、室内熱交換器21の一方の出入口に接続されている。
【0033】
アキュムレータ43は、四方弁42の第3ポートP3と圧縮機41の吸入口との間に接続されている。室外熱交換器44は、他方の出入口を室外膨張弁45の一方の出入口に接続している。室外熱交換器44は、一方の出入口または他方の出入口から内部に流入した冷媒と、室外の空気との間で熱交換を行う。室外膨張弁45は、他方の出入口を室内熱交換器21の他方の出入口に接続している。
【0034】
室外熱交換器44は、
図4に示すように、複数の伝熱管44aと、複数の伝熱フィン44bとを有する。伝熱フィン44bは、長手方向が鉛直方向に延びる。室外熱交換器44の上面は、複数の伝熱フィン44bの上端によって形成されている。室外熱交換器44のフィンピッチdは2mm以下である。具体的には本実施形態では、室外熱交換器44のフィンピッチdは1.2mmである(
図4及び
図6参照)。
【0035】
冷媒回路13には、圧縮機41と、四方弁42と、アキュムレータ43と、室外熱交換器44と、室外膨張弁45と、室内熱交換器21とが含まれている。冷媒回路13には、冷媒が循環している。
【0036】
蒸気圧縮式冷凍サイクルでは、冷媒が圧縮機41で圧縮されて昇温され、その後、室外熱交換器44または室内熱交換器21で冷媒が放熱する。また、蒸気圧縮式冷凍サイクルでは、室外膨張弁45で冷媒が減圧膨張され、その後、室内熱交換器21または室外熱交換器44で冷媒が吸熱する。アキュムレータ43では、圧縮機41に吸入される冷媒の気液分離が行われる。四方弁42は、冷媒回路13における冷媒の流れの向きを切り換える。
【0037】
(2-2)加湿器6
加湿器6は、支持部材71を介して、室外機4と一体化されている。加湿器6は、室外の空気から水分を取り入れる。加湿器6は、取り入れた水分を室外の空気に付与することで高湿度の空気を生成する。加湿器6は、この高湿度の空気を室内機2に送る。空気調和装置10は、加湿時に、室内機2において、加湿器6から送られてきた高湿度の空気と室内の空気とを混合する。室内機2は、高湿度の空気が混合された空気を部屋RMの中(室内)に吹き出すことで、室内を加湿する。加湿器6は、制御部8により制御される。
【0038】
加湿器6は、
図3に示されているように、吸着ロータ61と、ヒータ62と、切換ダンパ63と、吸排気ファン64と、吸着ファン65と、ダクト66と、ケーシング(第1ケーシング)69とを備えている。また、加湿器6は、吸排気ホース68を備えている。
【0039】
加湿器6のケーシング69は、支持部材71を介して、室外機4のケーシング47の天面側に取り付けられて一体化されている。加湿器6の重量は5kg以上である。
【0040】
加湿器6は、ケーシング69に、吸着用空気吹出口69aと吸着用空気取入口69bと加湿用空気取入口69cとを有している。
【0041】
吸着ロータ61は、例えば、ハニカム構造を持つ円盤状の調湿ロータである。セラミックロータは、例えば、吸着剤を焼成することにより形成できる。吸着剤は、接触する空気中の水分を吸着する性質を有している。また、吸着剤は、加熱されることによって吸着した水分を脱離するという性質を有している。このような吸着剤には、例えば、ゼオライト、シリカゲル及びアルミナがある。吸着ロータ61は、モータにより駆動されて、回転する。
【0042】
ヒータ62は、加湿用空気取入口69cと切換ダンパ63との間に配置されている。加湿用空気取入口69cから取り入れられた室外の空気は、ヒータ62を通過した後、さらに吸着ロータ61を通過して切換ダンパ63に到達する。ヒータ62で加熱された空気が吸着ロータ61を通過する際に、吸着ロータ61から水分が脱離して、吸着ロータ61から加熱された空気に水分が供給される。ヒータ62は、出力を変化させることができ、ヒータ62を通過した空気の温度を出力に応じて変化させることができる。吸着ロータ61は、特定の温度範囲内では、吸着ロータ61を通過する空気の温度が高いほど脱離する水分量が多くなる傾向がある。
【0043】
切換ダンパ63は、第1出入口63aと第2出入口63bとを持っている。切換ダンパ63は、吸排気ファン64が駆動しているときに空気を吸い込む空気の入口を、第1出入口63aとするか又は第2出入口63bとするかを切り換えることができる。空気の入口を第1出入口63aとする場合には、
図2に実線で示された矢印の向きに、室外の空気が、加湿用空気取入口69cから、吸着ロータ61、ヒータ62、吸着ロータ61、第1出入口63a、吸排気ファン64、第2出入口63b、ダクト66、吸排気ホース68、室内機2の順に流れる。空気の入口を第2出入口63bとするように切り換えると、逆に、
図2に破線で示された矢印の向きに、室内機2から、吸排気ホース68、ダクト66、第2出入口63b、吸排気ファン64、第1出入口63a、吸着ロータ61、ヒータ62、吸着ロータ61、加湿用空気取入口69cの順に空気が流れる。
【0044】
吸排気ファン64は、切換ダンパ63の第1出入口63aと第2出入口63bとの間に配置されている。吸排気ファン64は、第1出入口63aから第2出入口63bまたは第2出入口63bから第1出入口63aに向う空気の流れを発生させる。
【0045】
吸排気ホース68は、一方端をダクト66に接続し、他方端を室内機2に接続している。このような構成により、吸排気ホース68と部屋RMとは室内機2を介して連通している。
【0046】
吸着ファン65は、吸着用空気取入口69a、69bから吸着用空気吹出口69dに続く通路に配置されている。この通路には、吸着ロータ61が掛かるように吸着ロータ61が配置されている。吸着ファン65により吸着用空気取入口69a、69bから吸着用空気吹出口69dに向う気流が発生すると、吸着ロータ61を通過する室外の空気から吸着ロータ61への水分の吸着が生じる。吸着ファン65は、モータ65mにより駆動させる。
【0047】
制御部8は、室外制御板82により、吸着ロータ61の回転数、切換ダンパ63の切り換え、吸排気ファン64及び吸着ファン65のオンオフ、及びヒータ62の出力を制御することができる。
【0048】
(2-3)支持部材
加湿器6は、支持部材71を介して、室外熱交換器44に支持される。加湿器6のケーシング69を底面側から見た図を
図5に示す。支持部材71が、加湿器6のケーシング69の底部69eと一体化されている。
【0049】
支持部材71は、室外熱交換器44の上面に沿った第1面71cが形成されている。
図5に示すように、加湿器6のケーシング69の底面69e側から見ると、支持部材71は、支持部材71の一組の第1面71cが、室外熱交換器44に載る位置に配置されている。
【0050】
支持部材71の一例を
図6に示す。支持部材71は、断面がL字状の部材である。支持部材71は、脚部71aと、支持部71bと、を有する。脚部71aは、加湿器6のケーシング69の底部69eから室外熱交換器44の上面に対して鉛直方向に延びる。支持部71bは、脚部71aの下端から水平方向に延び第1面71cが下面である。
【0051】
支持部材71の第1面71cの、複数の伝熱フィン44bが並ぶ方向の長さLが、3mm以上である。具体的には、本実施形態では、支持部材71の第1面71cの、複数の伝熱フィン44bが並ぶ方向の長さLが、6mmである(
図6参照)。
【0052】
(3)空気調和装置10の動作
(3-1)冷房運転
冷房運転は、周知の運転なので詳細な説明は省略する。
【0053】
(3-2)暖房運転
暖房運転は、周知の運転なので詳細な説明は省略する。
【0054】
(3-3)加湿運転
加湿運転は、吸着ファン65を駆動させ且つ吸着ロータ61を回転させる。吸着ファン65の駆動によって吸着ロータ61を室外の空気が通過することで、吸着ロータ61には、室外空気の水分が吸着する。水分が吸着した箇所は、吸着ロータ61の回転によって、ヒータ62によって加熱された空気が通過する場所に移動する。その結果、水分が吸着した箇所から加熱された空気へと水分の脱離が生じる。このようにして、高湿度になった空気が、吸排気ファン64により、吸排気ホース68及び室内機2を通して部屋RMに送られる。
【0055】
(4)特徴
(4-1)
本実施形態に係る空気調和装置10では、室外機4と、加湿器6と、支持部材71と、を備える。室外機4は、室外熱交換器44を含む。加湿器6は、空気を加湿し、加湿した空気を室内に供給する。支持部材71は、室外熱交換器44の上面に沿った第1面71cが形成されている。支持部材71を介して、加湿器6が室外熱交換器44に支持される。
【0056】
従来、加湿器の板状の脚が室外熱交換器の伝熱フィンの上端に載っているため、室外熱交換器と加湿ユニットが衝撃などで衝突することによって、室外熱交換器の伝熱フィンが加湿器の脚によって損傷し、空気の通りが妨げられて熱交換率が低下する場合がある。
【0057】
本実施形態では、加湿器の設置面(加湿器のケーシングの底面)の板状の脚による突起を解消し、支持部材71に面を形成した。
【0058】
この空気調和装置10では、室外熱交換器44の上面に沿った第1面71cが形成された支持部材71を介して、加湿器6が室外熱交換器44に支持されるようにしたので、室外熱交換器44の伝熱フィン44bの損傷を抑制することができる。
【0059】
(4-2)
本実施形態に係る空気調和装置10では、室外熱交換器44は、複数の伝熱管44aと、複数の伝熱フィン44bとを有する。伝熱フィン44bは、長手方向が鉛直方向に延びる。室外熱交換器44の上面は、複数の伝熱フィン44bの上端によって形成されている。
【0060】
この空気調和装置10では、室外熱交換器44の上端に支持部材71を介して加湿器6が載るので、高さ方向でコンパクトにすることができる。
【0061】
(4-3)
本実施形態に係る空気調和装置10では、加湿器6は、底部69eを含むケーシング69を有する。支持部材71が、ケーシング69の底部と一体化されている。
【0062】
この空気調和装置10では、支持部材71を介して、加湿器6が安定して室外熱交換器44に支持されることができる。
【0063】
(4-4)
本実施形態に係る空気調和装置10では、支持部材71は、断面がL字状の部材である。支持部材71は、脚部71aと、支持部71bと、を有する。脚部71aは、加湿器6のケーシング69の底部69eから室外熱交換器44の上面に対して鉛直方向に延びる。支持部71bは、脚部71aの下端から水平方向に延び第1面71cが下面である。
【0064】
この空気調和装置10では、室外熱交換器44の上面に対して鉛直方向に延びる脚部71aの下端から、水平方向に延びる支持部71bの第1面71cで、支持部材71が室外熱交換器44の上面に着地することで、支持部材71によって室外熱交換器44の伝熱フィン44bが損傷することを防ぐことができる。
【0065】
(4-5)
本実施形態に係る空気調和装置10では、支持部材71の第1面71cの、複数の伝熱フィン44bが並ぶ方向の長さLが、3mm以上である。
【0066】
この空気調和装置10では、支持部材71が室外熱交換器44の複数の伝熱フィン44bの上端に載ることができる。
【0067】
(4-6)
本実施形態に係る空気調和装置10では、室外熱交換器44のフィンピッチdは2mm以下である。
【0068】
この空気調和装置10では、2mm以下のフィンピッチdと3mm以上の第1面71cとの組み合わせにより、支持部材71が室外熱交換器44の複数の伝熱フィン44bの上端に載ることができる。
図6から明らかなように、本実施形態では、具体的には1.2mmのフィンピッチdと6mmの第1面71cとの組み合わせにより、支持部材71の第1面71cは4~5本の伝熱フィン44bの上端に載ることができる。
【0069】
(4-7)
本実施形態に係る空気調和装置10では、加湿器6の重量が5kg以上である。
【0070】
この空気調和装置10では、支持部材71を介して、重量が5kg以上の加湿器6が支持されることができる。
【0071】
(5)変形例
(5-1)変形例1A
上記実施形態では、支持部材71は、断面がL字状の部材である場合について説明したが、これに限るものではない。支持部材は、室外熱交換器44の上面に載る金属製の板状部材49aであり、且つ、ファンモータ支持台49の一部であってもよい。
【0072】
変形例1Aの空気調和装置100の室外機4の内部を側面から見た概略図を
図7Aに示す。ファンモータ支持台49は、室外機4のケーシング47の底面47e上に設置されている。ファンモータ支持台49の一部である金属製の板状部材49aは、室外熱交換器44の上面に載っている。
【0073】
図7Bに示すように、変形例1Aの空気調和装置100では、脚81が加湿器6のケーシング69の底面69eと一体化されている。脚81は、金属製の板状部材49aであり、且つ、ファンモータ支持台49の一部である支持部材を介して、室内熱交換器44の上面に載っている。脚81以外の構成は、本実施形態で説明した空気調和装置10と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0074】
変形例1Aの空気調和装置100では、金属製の板状部材49aであり、且つ、ファンモータ支持台49の一部である支持部材を介して、加湿器6が安定して室外熱交換器44に支持されることができる。
【0075】
(5-2)変形例1B
上記実施形態では、支持部材71を介して加湿器6が室外熱交換器44に支持されている場合について説明したが、これに限るものではない。加湿器6は、支持部材71を介して室外熱交換器44に支持され、さらに電装品箱51の上面に支持されるようにしてもよい。
【0076】
変形例1Bでは、加湿器6が室外熱交換器44の上面に加えて、電装品箱51の上面に支持されることで、室外熱交換器44の上面にかかる加湿器6の荷重を軽減することができる。
【0077】
(5-3)変形例1C
上記実施形態では、支持部材71を介して加湿器6が室外熱交換器44に支持されている場合について説明したが、これに限るものではない。支持部材が、室外熱交換器44の上面に載せられた発泡部材73aでもよい。
【0078】
変形例1Cでは、
図8に示すように、加湿器6は、発泡部材73aを介して、室外熱交換器44の上面に載せられる。これにより、支持部材を軽量にすることができる。
【0079】
また、加湿器6は、発泡部材73aを介して室内熱交換器44に支持され、さらに発泡部材73bを介して電装品箱51の上面に支持されるようにしてもよい。
【0080】
(5-4)変形例1D
上記実施形態では、支持部材71の支持部71bが、脚部71aの下端から外側に水平方向に延びる場合に説明したが、
図9に示すように、支持部材72の支持部72bが、脚部72aの下端から内側に水平方向に延びるようにしてもよい。
【0081】
(5-5)変形例1E
加湿部6は、室外機4のケーシング47の第1側板47cおよび第2側板47dに固定され、支持部材71の第1面71cは、上面視において第1側板47cと第2側板47dとの間に位置する室外熱交換器44の上面の一部、に載るようにしてもよい。
【0082】
変形例1Eでは、加湿器6は室外機4のケーシング47の第1側板47cおよび第2側板47dに固定されているので、支持部材71の第1面71cから室外熱交換器44の上面に対してかかる加湿器6の荷重を軽減できる。
【0083】
(5-6)変形例1F
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0084】
2 室内機
4 室外機(室外空調ユニット)
47 ケーシング(第2ケーシング)
47c 第1側板
47d 第2側板
6 加湿器(加湿ユニット)
69 ケーシング(第1ケーシング)
69e 底部
71、72 支持部材
71a、72a 脚部
71b、72b 支持部
71c、72c 第1面
73a 発泡部材(支持部材)
73b 発泡部材
10、100 空気調和装置
44 室外熱交換器
44a 伝熱管
44b 伝熱フィン
48 ファンモータ
49 ファンモータ支持台
49a 板状部材(支持部材)
51 電装品箱
【先行技術文献】
【特許文献】
【0085】