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特許7514812在庫調整装置、在庫調整方法及び在庫調整プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】在庫調整装置、在庫調整方法及び在庫調整プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20240704BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240704BHJP
【FI】
G06Q10/087
G06Q30/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021174848
(22)【出願日】2021-10-26
(65)【公開番号】P2023064517
(43)【公開日】2023-05-11
【審査請求日】2024-05-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 広一
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-256386(JP,A)
【文献】特表2018-533807(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0339199(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の複数の販路毎に、在庫可能な商品数を示す基準数を設定する基準数設定部と、
各前記販路の前記基準数の合計数に対する、前記販路毎の前記基準数の割合である基準割合を、前記販路毎に算出する基準割合算出部と、
前記販路からの前記商品の入庫要求数である受注数を、前記販路の現在の在庫数から減算処理して算出した出荷可能数を、前記販路毎に算出する出荷可能数算出部と、
各前記販路の前記出荷可能数の合計数に対して、前記販路毎の前記基準割合を乗算処理した基準在庫数をそれぞれ算出する基準在庫数算出部と、
前記基準在庫数から前記出荷可能数を減算処理することで、前記基準在庫数に対する前記出荷可能数の不足分を、前記販路毎に算出する不足分算出部と、
前記基準在庫数に対する前記出荷可能数の不足が生じている販路に対して、他の販路から所定数の前記商品を移動させるための移動データを生成する移動データ生成部と、
を有する在庫調整装置。
【請求項2】
前記出荷可能数算出部の代わりに、各前記販路の現在在庫数を検出する現在在庫数検出部を備え、
前記基準在庫数算出部は、各前記販路の前記現在在庫数の合計数に対して、前記販路毎の前記基準割合を乗算処理した基準在庫数をそれぞれ算出し、
前記不足分算出部は、前記基準在庫数から前記現在在庫数を減算処理することで、前記基準在庫数に対する前記現在在庫数の不足分を、前記販路毎に算出し、
前記移動データ生成部は、前記基準在庫数に対する前記現在在庫数の不足が生じている販路に対して、他の販路から所定数の前記商品を移動させるための移動データを生成すること
を特徴とする請求項1に記載の在庫調整装置。
【請求項3】
前記移動データ生成部は、前記販路の一つであり、前記商品の倉庫となっているセンター倉庫から、他の前記販路に前記商品を移動するための前記移動データを生成すること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の在庫調整装置。
【請求項4】
前記移動データ生成部は、前記基準在庫数に対する前記出荷可能数の不足分が生じていない前記販路から、前記基準在庫数に対する前記出荷可能数の不足分が生じている販路に対して前記商品を移動するための前記移動データを生成すること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の在庫調整装置。
【請求項5】
前記移動データ生成部は、前記不足分に相当する数の前記商品を移動させるための移動データを生成すること
を特徴とする請求項1から請求項4のうち、いずれか一項に記載の在庫調整装置。
【請求項6】
前記移動データの作成を可能とする時間帯を設定する作成時間帯設定部と、
前記移動データの作成指示を検出する作成指示検出部と、をさらに備え、
前記移動データ生成部は、前記作成指示検出部で前記移動データの作成指示が検出された時刻が、前記作成時間帯設定部で設定された時間帯の時刻である場合に、前記移動データを生成すること
を特徴とする請求項1から請求項5のうち、いずれか一項に記載の在庫調整装置。
【請求項7】
基準割合算出部が、商品の複数の販路毎に、在庫可能な商品数を示す基準数を設定する基準数設定ステップと、
基準割合算出部が、各前記販路の前記基準数の合計数に対する、前記販路毎の前記基準数の割合である基準割合を、前記販路毎に算出する基準割合算出ステップと、
出荷可能数算出部が、前記販路からの前記商品の入庫要求数である受注数を、前記販路の現在の在庫数から減算処理して算出した出荷可能数を、前記販路毎に算出する出荷可能数算出ステップと、
基準在庫数算出部が、各前記販路の前記出荷可能数の合計数に対して、前記販路毎の前記基準割合を乗算処理した基準在庫数をそれぞれ算出する基準在庫数算出ステップと、
不足分算出部が、前記基準在庫数から前記出荷可能数を減算処理することで、前記基準在庫数に対する前記出荷可能数の不足分を、前記販路毎に算出する不足分算出ステップと、
移動データ生成部が、前記基準在庫数に対する前記出荷可能数の不足が生じている販路に対して、他の販路から所定数の前記商品を移動させるための移動データを生成する移動データ生成ステップと、
を有する在庫調整方法。
【請求項8】
前記出荷可能数算出ステップの代わりに、現在在庫数検出部が、各前記販路の現在在庫数を検出する現在在庫数検出ステップを備え、
前記基準在庫数算出ステップでは、前記基準在庫数算出部が、各前記販路の前記現在在庫数の合計数に対して、前記販路毎の前記基準割合を乗算処理した基準在庫数をそれぞれ算出し、
前記不足分算出ステップでは、前記不足分算出部が、前記基準在庫数から前記現在在庫数を減算処理することで、前記基準在庫数に対する前記現在在庫数の不足分を、前記販路毎に算出し、
前記移動データ生成ステップでは、前記移動データ生成部が、前記基準在庫数に対する前記現在在庫数の不足が生じている販路に対して、他の販路から所定数の前記商品を移動させるための移動データを生成すること
を特徴とする請求項7に記載の在庫調整方法。
【請求項9】
コンピュータを、
商品の複数の販路毎に、在庫可能な商品数を示す基準数を設定する基準数設定部と、
各前記販路の前記基準数の合計数に対する、前記販路毎の前記基準数の割合である基準割合を、前記販路毎に算出する基準割合算出部と、
前記販路からの前記商品の入庫要求数である受注数を、前記販路の現在の在庫数から減算処理して算出した出荷可能数を、前記販路毎に算出する出荷可能数算出部と、
各前記販路の前記出荷可能数の合計数に対して、前記販路毎の前記基準割合を乗算処理した基準在庫数をそれぞれ算出する基準在庫数算出部と、
前記基準在庫数から前記出荷可能数を減算処理することで、前記基準在庫数に対する前記出荷可能数の不足分を、前記販路毎に算出する不足分算出部と、
前記基準在庫数に対する前記出荷可能数の不足が生じている販路に対して、他の販路から所定数の前記商品を移動させるための移動データを生成する移動データ生成部として機能させること、
を特徴とする在庫調整プログラム。
【請求項10】
前記コンピュータを、
前記出荷可能数算出部の代わりに、各前記販路の現在在庫数を検出する現在在庫数検出部として機能させ、
前記基準在庫数算出部は、各前記販路の前記現在在庫数の合計数に対して、前記販路毎の前記基準割合を乗算処理した基準在庫数をそれぞれ算出し、
前記不足分算出部は、前記基準在庫数から前記現在在庫数を減算処理することで、前記基準在庫数に対する前記現在在庫数の不足分を、前記販路毎に算出し、
前記移動データ生成部は、前記基準在庫数に対する前記現在在庫数の不足が生じている販路に対して、他の販路から所定数の前記商品を移動させるための移動データを生成すること
を特徴とする請求項9に記載の在庫調整プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在庫調整装置、在庫調整方法及び在庫調整プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、流通小売業では、例えば実際の店舗、又は、インターネット上で商品を販売するウェブサイトであるECサイト(EC:Electronic Commerce:(ネットショップ)等の販路毎に区別して商品の在庫を管理する。具体的には、従来は、手配依頼(受注)があった販路に対して、依頼された数分の商品を、センター倉庫から手配依頼があった販路に搬送する。このため、各販路の在庫数は、結果的な在庫数で管理されている場合が多い。
【0003】
特許文献1(特開2019-087203号公報)には、在庫状態を好適に判定することを目的とした在庫状態判定装置が開示されている。この在庫状態判定装置は、サーバ装置が、出版物の返品数などの情報を含む出版物ごとの在庫データを出版社端末から受信する。また、サーバ装置は、受信した在庫データに基づき、指定された出版物の在庫状態が適正在庫、注意在庫、過剰在庫のいずれに該当するか判定する。そして、サーバ装置は、在庫状態に関する判定結果を示した表示情報を出版社端末に送信する。このような在庫状態判定装置は、在庫状態に関する判定結果を表示することで、在庫状態を好適に判定可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-087203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来は、商品の配送が依頼された順に、依頼された数分の商品を販路に配送していた。このため、先に商品の配送を依頼した販路に過剰の在庫が生じ、各販路間で在庫が不均衡となる問題があった。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、各販路に対して均衡を保った状態の在庫割当を可能とする在庫調整装置、在庫調整方法及び在庫調整プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る在庫調整装置は、商品の複数の販路毎に、在庫可能な商品数を示す基準数を設定する基準数設定部と、各販路の基準数の合計数に対する、販路毎の基準数の割合である基準割合を、販路毎に算出する基準割合算出部と、販路からの商品の入庫要求数である受注数を、販路の現在の在庫数から減算処理して算出した出荷可能数を、販路毎に算出する出荷可能数算出部と、各販路の出荷可能数の合計数に対して、販路毎の基準割合を乗算処理した基準在庫数をそれぞれ算出する基準在庫数算出部と、基準在庫数から出荷可能数を減算処理することで、基準在庫数に対する出荷可能数の不足分を、販路毎に算出する不足分算出部と、基準在庫数に対する出荷可能数の不足が生じている販路に対して、他の販路から所定数の商品を移動させるための移動データを生成する移動データ生成部と、を有する。
【0008】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る在庫調整方法は、基準割合算出部が、商品の複数の販路毎に、在庫可能な商品数を示す基準数を設定する基準数設定ステップと、基準割合算出部が、各販路の基準数の合計数に対する、販路毎の基準数の割合である基準割合を、販路毎に算出する基準割合算出ステップと、出荷可能数算出部が、販路からの商品の入庫要求数である受注数を、販路の現在の在庫数から減算処理して算出した出荷可能数を、販路毎に算出する出荷可能数算出ステップと、基準在庫数算出部が、各販路の出荷可能数の合計数に対して、販路毎の前記基準割合を乗算処理した基準在庫数をそれぞれ算出する基準在庫数算出ステップと、不足分算出部が、基準在庫数から出荷可能数を減算処理することで、基準在庫数に対する出荷可能数の不足分を、販路毎に算出する不足分算出ステップと、移動データ生成部が、基準在庫数に対する出荷可能数の不足が生じている販路に対して、他の販路から所定数の商品を移動させるための移動データを生成する移動データ生成ステップと、を有する。
【0009】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る在庫調整プログラムは、コンピュータを、商品の複数の販路毎に、在庫可能な商品数を示す基準数を設定する基準数設定部と、各販路の基準数の合計数に対する、販路毎の基準数の割合である基準割合を、販路毎に算出する基準割合算出部と、販路からの商品の入庫要求数である受注数を、販路の現在の在庫数から減算処理して算出した出荷可能数を、販路毎に算出する出荷可能数算出部と、各販路の出荷可能数の合計数に対して、販路毎の基準割合を乗算処理した基準在庫数をそれぞれ算出する基準在庫数算出部と、基準在庫数から出荷可能数を減算処理することで、基準在庫数に対する出荷可能数の不足分を、販路毎に算出する不足分算出部と、基準在庫数に対する出荷可能数の不足が生じている販路に対して、他の販路から所定数の商品を移動させるための移動データを生成する移動データ生成部として機能させること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、各販路に対して均衡を保った状態の在庫割当を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施の形態の在庫調整装置のブロック図である。
図2図2は、実施の形態の在庫調整装置の動作の概要を示す図である。
図3図3は、倉庫基準数量マスタの概要を示す図である。
図4図4は、実施の形態の在庫調整装置の移動データの作成処理の概要を示す図である。
図5図5は、実施の形態の在庫調整装置の移動データの作成動作の流れを示すフローチャートである。
図6図6は、各販路の在庫調整前の在庫状態の一例を示す図である。
図7図7は、倉庫基準数量マスタの設定画面の一例を示す図である。
図8図8は、倉庫基準数量マスタの設定例を説明するための図である。
図9図9は、移動データの作成を指示する移動データ作成処理画面の一例を示す図である。
図10図10は、各販路の在庫の基準割合の算出動作を説明するための図である。
図11図11は、各販路に対する商品の出荷可能数の算出動作を説明するための図である。
図12図12は、各販路からの商品の受注データの一例を示す図である。
図13図13は、各販路の基準在庫数の算出動作を説明するための図である。
図14図14は、各販路に対する商品の移動データの生成動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した実施の形態となる在庫調整装置を、図面に基づいて詳細に説明する。実施の形態の在庫調整装置は、一つの販売網を形成する例えば店舗、自社EC(Electronic Commerce:ネットショップ)、ショッピングモール、卸問屋等の複数の販路(チャネル)における商品の在庫の調整を行う在庫調整装置となっている。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
[ハードウェア構成]
図1は、実施の形態の在庫調整装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この在庫調整装置1としては、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ装置の他、ノート型のパーソナルコンピュータ装置又はタブレット型のパーソナルコンピュータ装置を用いることができる。また、在庫調整装置1としては、PDA(Personal Digital Assistants)装置又はスマートフォン等携帯型情報処理装置を用いることができる。このような在庫調整装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。
【0014】
入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)を用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置及びマウス装置、及びマイクロホン装置の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置を用いることができる。
【0015】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2は、各販路の商品の在庫基準数が設定される倉庫基準数量マスタ11を備えている。また、記憶部2には、各販路の在庫調整を行うための在庫調整プログラム、各販路間の商品の移動を指示する移動データを生成する時間帯を示す作成時間帯データ、及び、この時間帯に作成される移動データが記憶されている。さらに、記憶部2には、各販路の現在の在庫数が記憶された現在庫テーブル、及び、各販路からの商品の受注データが記憶されている。
【0016】
[機能構成]
制御部3は、記憶部2に記憶されている在庫調整プログラムを実行することで、基準数設定部21、作成時間設定部22、作成指示検出部23、基準割合算出部24、出荷可能数算出部25、基準在庫数算出部26、不足分算出部27、移動データ生成部28及び表示制御部29の各機能を実現する。
【0017】
基準数設定部21は、倉庫基準数量マスタ11に対して各販路の商品の在庫基準数を設定する。作成時間設定部22は、商品の在庫調整を行うための移動データを生成する時間帯を設定する。作成指示検出部23は、移動データの生成を指示する業務オペレータ等の操作を検出する。基準割合算出部24は、倉庫基準数量マスタ11に設定された各販路の基準数に基づいて、各販路に対する在庫割当比率(基準割合)を算出する。
【0018】
出荷可能数算出部25は、各販路の現在庫の出荷可能数(実在庫-受注残数)を算出する。基準在庫数算出部26は、基準割合に基づいて、各販路の基準在庫数を算出する。不足分算出部27は、基準在庫数及び出荷可能数に基づいて、在庫数の不足分を算出する。移動データ生成部28は、作成時間設定部22により設定された時間帯に、各販路間の商品の移動を指示する移動データを生成する。表示制御部29は、倉庫基準数量マスタ11に対する在庫基準数の設定画面、及び、移動データの作成指示画面等を出力装置7に表示する。
【0019】
[各販路の在庫調整の概要]
図2は、実施の形態の在庫調整装置1における各販路間の商品の在庫調整動作の概要を示す図である。一例ではあるが、この図2の例の場合、センター倉庫、直営ECサイト、及び、ショッピングモール(モール)がそれぞれ「販路」となっており、一つの販売網を形成している。販売する商品は、一旦、センター倉庫に入荷し、以下に説明する在庫調整装置1の在庫割当処理に対応する数の商品が、センター倉庫から直営ECサイトの倉庫及びショッピングモール(モール)の倉庫に配送される。
【0020】
この販路網を有する企業は、直営ECサイトの倉庫の在庫数を、自社ECサイトを介して顧客に公開し、また、ショッピングモールの倉庫の在庫数(モール用在庫)を、百貨店サイトを介して顧客に公開する。
【0021】
在庫調整装置1は、各販路に対する在庫割当処理を行う際に、例えば売上予算等の一定基準に基づいて各販路間で移動する商品の数を決定する。これにより、販路毎にバランスのとれた在庫割当が可能となっている。
【0022】
図3は、倉庫基準数量マスタ11に設定される各販路の基準数の概要を示す図である。この図3に示すように、倉庫基準数量マスタ11には、商品グループ名及び商品名と共に、各販路に対する在庫の基準数が設定される。この図3の例は、商品グループ名として「A100:小麦粉」が設定され、商品名として「A10001:小麦粉(薄力粉)」が設定された例である。また、この図3の例は、モール倉庫基準数として「1,000,000個」が設定され、EC倉庫基準数として「2,000,000個」が設定され、センター倉庫基準数として「7,000,000個」が設定された例である。
【0023】
図4は、各販路間で商品を移動するための移動データの作成処理の概要を示す図である。在庫調整装置1は、まず、図4(a)に示すように、商品基準数量マスタ11で設定された基準数に基づいて、各販路の基準割合を算出する。また、在庫調整装置1は、各販路の実在庫数から受注数を減算処理した出荷可能数と、この出荷可能数に基準割合を乗算処理した基準在庫数とを比較する。そして、在庫調整装置1は、基準在庫数が出荷可能数よりも多い販路から、基準在庫数が出荷可能数よりも少ない販路に対して商品の移動を指示する移動データを生成する。
【0024】
図4(b)の例は、1列目のパターンが、基準在庫数が出荷可能数よりも少ない販路が存在しない「基準割れなし」のパターンを示している。この場合、各販路間の商品移動はないため、移動データは生成されない。
【0025】
これに対して、図4(b)の2列目のパターンは、EC倉庫の基準在庫数が「20個」で、出荷可能数が「10個」であり、出荷可能数が基準在庫数を下回っている例(比率割れ)を示している。この場合、在庫調整装置1は、EC倉庫の不足分となる10個の商品を、基準在庫数が出荷可能数よりも多い販路であるセンター倉庫からEC倉庫に移動するための移動データを生成する。
【0026】
また、図4(b)の3列目のパターンは、モール倉庫の基準在庫数が「40個」で、出荷可能数が「10個」であり、出荷可能数が基準在庫数を下回っている例(比率割れ)を示している。この場合、在庫調整装置1は、モール倉庫の不足分となる30個の商品を、基準在庫数が出荷可能数よりも多い販路であるセンター倉庫からEC倉庫に移動するための移動データを生成する。
【0027】
また、図4(b)の4列目のパターンは、EC倉庫の基準在庫数が「20個」で、出荷可能数が「10個」であり、出荷可能数が基準在庫数を下回っている例(比率割れ)を示している。また、図4(b)の4列目のパターンは、モール倉庫の基準在庫数が「40個」で、出荷可能数が「20個」であり、出荷可能数が基準在庫数を下回っている例(比率割れ)を示している。この場合、在庫調整装置1は、EC倉庫及びモール倉庫の不足分となる計30個の商品を、基準在庫数が出荷可能数よりも多い販路であるセンター倉庫からEC倉庫(10個移動)及びモール倉庫(20個移動)に移動するための移動データを生成する。
【0028】
[各販路の在庫調整動作の詳細]
以下、このような在庫調整装置1の在庫調整動作を詳細に説明する。図5は、在庫調整装置1の在庫調整動作の流れを示すフローチャートである。在庫調整装置1の制御部3は、記憶部2に記憶されている在庫調整プログラムに基づいて、この図5のフローチャートのステップS1から順に処理を実行する。
【0029】
なお、一例ではあるが、この時点において、各販路(各倉庫)の在庫状態は、図6に示すように、EC倉庫の出荷可能数が基準在庫数よりも10個少ない状態で在庫割れを生じているとする。このEC倉庫の在庫割れは、基準在庫数が出荷可能数よりも30個多いセンター倉庫からEC倉庫に10個の商品を移動することで解消される。在庫調整装置1は、以下のように動作することで、センター倉庫からEC倉庫に10個の商品を移動する移動データを生成する。
【0030】
すなわち、まず、ステップS1では、業務オペレータが、商品又は商品グループ毎に、販路毎(倉庫毎)の商品の在庫の基準数量を、倉庫基準数量マスタ11に設定する。具体的には、倉庫基準数量マスタ11に対する基準数量の設定を行う場合、業務オペレータは、入力装置6を操作して、倉庫基準数量マスタ11の設定画面の表示を指定する。この表示指定がされると、表示制御部29は、例えば図7に示すような倉庫基準数量マスタ11の設定画面を出力装置7に表示制御する。
【0031】
この図7に示すように、倉庫基準数量マスタ11の設定画面には、新規の設定又は過去の設定の変更かを選択する選択欄と、商品グループコード、商品コード及び倉庫コードの入力欄(又は選択欄)と、基準数量の入力欄(又は選択欄)とが設けられている。業務オペレータは、入力装置6を操作して新規の設定又は過去の設定の変更かを選択すると共に、所望の商品グループコード、商品コード及び倉庫コードを設定する。また業務オペレータは、売上予算等に基づいて基準数量を設定する。
【0032】
この図7の例は、業務オペレータにより「新規」の設定が選択され、商品グループとして小麦粉を示す「A100」の商品グループが設定された例である。また、この図7の例は、商品コードとして小麦粉(薄力粉)を示す「A10001」の商品コードが設定され、倉庫コードとしてEC倉庫を示す「S001」の倉庫コードが設定された例である。そして、図7の例は、このEC倉庫に対する小麦粉の基準となる在庫数である基準数量として、「1000000個」が設定された例である。
【0033】
このように業務オペレータは、販路の倉庫毎に商品グループコード、商品コード、倉庫コード及び基準数量を設定操作する。これにより、倉庫基準数量マスタ11には、図8に示すように、所望の商品グループ及び商品の各倉庫(販路)に対して、所望の基準数量が設定される。図8の例は、小麦粉を示すA100の商品グループ及び小麦粉(薄力粉)を示すA10001の商品の基準数量として、S001のEC倉庫に対しては「1,000,000個」が設定され、S002のモール倉庫に対しては「2,000,000個」が設定され、S003のセンター倉庫に対しては「7,000,000個」が設定された例である。
【0034】
次に、図5のフローチャートのステップS2では、作成指示検出部23が、業務オペレータが入力装置6を介して行う移動データの作成指示操作の有無を判別する。具体的には、業務オペレータは、移動データを作成する場合、入力装置6を介して、移動データの作成を指示する移動データ作成処理画面の表示操作を行う。この表示操作が行われると、表示制御部29は、例えば図9に示す移動データ作成処理画面を出力装置7に表示制御する。一例として、移動データ作成処理画面には、図9に示すように、移動データの作成を行うタイミングで操作するキーを示す表示が行われる。
【0035】
図9の例は、移動データの作成を開始する場合は、入力装置6の「F10」のファンクションキーを操作することを示している(F10:実行)。このため、作成指示検出部23は、ステップS2において、この「F10」のファンクションキーが操作されたか否かを判別する。作成指示検出部23により、移動データの作成指示操作が検出されると(ステップS2:Yes)、移動データ生成部28は、ステップS3において、現在、移動データ作成可能な時間帯であるか否かを判別する。
【0036】
すなわち、各販路間で商品の移動を指示する移動データの作成は、各販路の在庫状況が確定する夜間等の非営業時間内に行うことが好ましい。このため、実施の形態の在庫調整装置1では、作成時間設定部22により、例えば午前12時~午前5時等のように、移動データの作成を行う時間帯が予め設定されており、これが作成時間帯データとして記憶部2に記憶されている。このため、移動データの作成指示操作が検出されると、移動データ生成部28は、図示しないタイマによりカウントされている現在時刻が、作成時間帯データで示される移動データを作成する時間帯内であるか否かを判別する。
【0037】
現在時刻が、移動データを作成する時間帯内ではない場合(ステップS3:No)、在庫調整装置1は、移動データの作成は行わない。
【0038】
これに対して、現在時刻が移動データを作成する時間帯内であると判別された場合(ステップS3:Yes)、ステップS4に処理が進み、基準割合算出部24が、商品基準数量マスタ11で設定した基準数に基づいて、倉庫毎(販路毎)に基準割合を算出する。
【0039】
具体的には、図10は、各販路の基準割合の一例を示す図である。この例の場合、販路としては、EC倉庫、モール倉庫及びセンター倉庫が存在する。そして、図8を用いて説明したように、各販路の基準数は、EC倉庫が「1,000,000」に、モール倉庫が「2,000,000」に、センター倉庫が「7,000,000」に設定されている。
【0040】
基準割合算出部24は、全体の基準数の合計で各販路の基準数を除算処理した値を基準割合(%)として算出する。すなわち、EC倉庫の基準割合を算出する場合、「1÷(1+2+7)」の演算を行うことで、「0.1(10%)」の基準割合を算出する。同様に、モール倉庫の基準割合を算出する場合、「2÷(1+2+7)」の演算を行うことで、「0.2(20%)」の基準割合を算出する。同様に、センター倉庫の基準割合を算出する場合、「7÷(1+2+7)」の演算を行うことで、「0.7(70%)」の基準割合を算出する。
【0041】
このように各販路の基準割合を算出すると、図5のフローチャートのステップS5に処理が進み、出荷可能数算出部25が、各販路の現在庫の出荷可能数を算出する。図11は、各販路の出荷可能数の算出動作を説明するための図である。図11(a)は、各販路の実際の在庫数である実在庫数が記憶されている現在庫テーブルの模式図である。この図11(a)の例の場合、EC倉庫、モール倉庫及びセンター倉庫の実在庫数は、それぞれ150個となっている。
【0042】
これに対して、図12は、各販路からの受注データの一例を示している。この図12の例は、EC倉庫から140個の注文があり、モール倉庫から70個の注文があり、センター倉庫から40個の注文があった例である。在庫調整装置1は、この受注データ(受注数)を、記憶部2に、一旦、記憶する。
【0043】
出荷可能数算出部25は、図11(b)に示すように、「実在庫数-受注数」の演算を行うことで、販路毎に出荷可能数を算出する。具体的には、出荷可能数算出部25は、「150(実在庫数)-140(受注数)=10」の演算を行うことで、EC倉庫の出荷可能数を算出する。また、出荷可能数算出部25は、「150(実在庫数)-70(受注数)=80」の演算を行うことで、モール倉庫の出荷可能数を算出する。また、出荷可能数算出部25は、「150(実在庫数)-40(受注数)=110」の演算を行うことで、センター倉庫の出荷可能数を算出する。
【0044】
次に、図5のフローチャートのステップS6では、基準在庫数算出部26が、各販路の基準となる在庫数(基準在庫数)を算出する。図13は、基準在庫数の算出動作を説明するための図である。この図13に示すように、基準在庫数算出部26は、図11(b)を用いて説明した各販路の出荷可能数の合計数に、各販路の基準割合(図10参照)を乗算処理することで、各販路の基準在庫数を算出する。
【0045】
具体的には、基準在庫数算出部26は、各販路の出荷可能数の合計数である200個に、EC倉庫の基準割合である10%(=0.1)を乗算処理することで、EC倉庫の基準在庫数として、20個の基準在庫数を算出する。また、基準在庫数算出部26は、各販路の出荷可能数の合計数である200個に、モール倉庫の基準割合である20%(=0.2)を乗算処理することで、モール倉庫の基準在庫数として、40個の基準在庫数を算出する。また、基準在庫数算出部26は、各販路の出荷可能数の合計数である200個に、センター倉庫の基準割合である70%(=0.7)を乗算処理することで、センター倉庫の基準在庫数として、140個の基準在庫数を算出する。
【0046】
次に、図5のフローチャートのステップS7では、不足分算出部27が、ステップS5で算出した出荷可能数と、ステップS6で算出した基準在庫数とを、販路毎に比較する。ここで、一例ではあるが、センター倉庫からEC倉庫、又は、センター倉庫からモール倉庫に商品の補充(移動)が行われるものとする。この場合、不足分算出部27は、EC倉庫の出荷可能数が基準在庫数未満であるか否かを判別すると共に、モール倉庫の出荷可能数が基準在庫数未満であるか否かを判別する。
【0047】
EC倉庫の出荷可能数が基準在庫数以上であり、また、モール倉庫の出荷可能数が基準在庫数以上であった場合、EC倉庫及びモール倉庫には、在庫の不足分は生じていないことを意味する。このため、ステップS8でNoと判別され、処理がステップS2に戻り、上述のように所定の時間帯に移動データの作成指示操作を検出した場合に移動データを作成する動作を繰り返し実行する。
【0048】
これに対して、図14(a)は、EC倉庫における、出荷可能数と基準在庫数との差(不足分)、及び、モール倉庫における、出荷可能数と基準在庫数との差(不足分)を示す図である。この図14(a)の例の場合、EC倉庫の基準在庫数が20個であるのに対して、出荷可能数は10個となっている。この場合、不足分算出部27は、EC倉庫の在庫に10個分の不足が生じているものと判別する。これに対して、モール倉庫の基準在庫数が40個であるのに対して、出荷可能数は80個数となっている。この場合、不足分算出部27は、モール倉庫の在庫に40個の余裕があるものと判別する。
【0049】
次に、各販路のうち、出荷可能数が基準在庫数未満となっている販路が検出されると(ステップS8:Yes)、ステップS9に処理が進む。
【0050】
ステップS9では、移動データ生成部28が、出荷可能数が基準在庫数未満となっている販路に対して、センター倉庫から不足分の補充を行う移動データを生成する。具体的には、上述の例は、EC倉庫の在庫に10個分の不足が生じている例である。この場合、移動データ生成部28は、図14(b)に示すように、商品名、移動数、移動元倉庫(販路)及び移動先倉庫(販路)の各情報を備える移動データを生成する。すなわち、この例の場合、移動データ生成部28は、商品名が「A10001:小麦粉(薄力粉)」、移動数が「10個」、移動元倉庫(販路)が「S003:センター倉庫」、移動先倉庫(販路)が「S001:EC倉庫」の移動データを生成する。
【0051】
なお、この例では、不足分に相当する数の商品の移動を行うこととしたが、例えば10個の商品の不足が生じている場合に、8個の商品の移動を行う等のように、不足分に近い数の商品の移動を行うようにしてもよいし、不足分の半分の商品移動を行うようにしてもよい。
【0052】
ステップS9で移動データが作成されると、処理がステップS2に戻り、上述のように所定の時間帯に移動データの作成指示操作を検出した際に、移動データが作成される動作が繰り返し実行される。
【0053】
また、作成された移動データは、例えば翌朝の営業開始時等に、業務オペレータの操作に応じて、表示制御部29により出力装置7に表示される。これにより、表示された移動データに基づいて、在庫調整装置1の業務オペレータから、センター倉庫の業務オペレータに対して、EC倉庫に対する商品の補充依頼が行われ、センター倉庫から不足分の商品がEC倉庫に補充されることとなる。
【0054】
なお、この例では、センター倉庫からEC倉庫又はモール倉庫に商品の補充を行うこととしたが、例えばEC倉庫からセンター倉庫に商品の補充を行い、又は、モール倉庫からEC倉庫に商品の補充を行う等のように、任意の販路間で商品の補充を行ってもよい。
【0055】
[実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、実施の形態の在庫調整装置1は、各販路間の商品の移動データを生成する際に、例えば売上予算等の一定基準に従って各販路の在庫割当を行う。これにより、販路毎にバランスのとれた在庫割当を行うことができ、各販路に対する在庫数の自動割当を行うことができる。換言すると、各販路に対して均衡を保った状態の在庫割当を行うことができる。
【0056】
また、一定基準による在庫の自動割当を行うことができるため、在庫調整により業務オペレータ等に掛かる負荷を軽減することができる、
【0057】
また、「基準数」ではなく「基準比率」に基づいて、各販路に対する在庫割当を行うことで、現時点の在庫状況を考慮した在庫割当を行うことができる。このため、在庫割れ等による商品販売の機会損失を極力防止することができる。
【0058】
[変形例]
上述の実施の形態の説明では、各販路の実在庫数から受注数を減算処理した出荷可能数と(図11図12参照)、出荷可能数に各販路の基準割合を乗算処理した基準在庫数(図13参照)を比較して、出荷可能数が基準在庫数未満であった場合に移動データを生成することとした(図14参照)。
【0059】
しかし、業態や取扱品によっては現在庫を基準とした算出方式で移動データを生成してもよい。この場合、図1に示す現在在庫数検出部30が、現在庫テーブルから各販路の現在庫を検出する。
【0060】
基準在庫数算出部26は、各販路の現在在庫数の合計数に対して、販路毎の基準割合を乗算処理した基準在庫数をそれぞれ算出する。不足分算出部は、基準在庫数から現在在庫数を減算処理することで、基準在庫数に対する現在在庫数の不足分を、販路毎に算出する。そして、移動データ生成部が、基準在庫数に対する現在在庫数の不足が生じている販路に対して、他の販路から所定数の商品を移動させるための移動データを生成する。これにより、上述と同様の効果を得ることができる。
【0061】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0062】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0063】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0064】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0065】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0066】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0067】
また、業務支援システムに関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0068】
例えば、在庫調整装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて在庫調整装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0069】
また、この在庫調整装置1の在庫調整プログラムは、在庫調整装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0070】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための在庫調整プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0071】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した在庫調整装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0072】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0073】
また、在庫調整装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0074】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、商品等の在庫管理業務に有用である。
【符号の説明】
【0076】
1 在庫調整装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 倉庫基準数量マスタ
21 基準数設定部
22 作成時間設定部
23 作成指示検出部
24 基準割合算出部
25 出荷可能数算出部
26 基準在庫数算出部
27 不足分算出部
28 移動データ生成部
29 表示制御部
30 現在在庫数検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14