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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】半導体レーザ装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/0239 20210101AFI20240704BHJP
   H01S 5/042 20060101ALI20240704BHJP
   G01S 7/484 20060101ALN20240704BHJP
【FI】
H01S5/0239
H01S5/042 630
G01S7/484
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2021533901
(86)(22)【出願日】2020-07-02
(86)【国際出願番号】 JP2020025941
(87)【国際公開番号】W WO2021014917
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-05-10
(31)【優先権主張番号】P 2019135356
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山口 敦司
(72)【発明者】
【氏名】坂本 晃輝
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-511128(JP,A)
【文献】特表2018-525826(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0278011(US,A1)
【文献】特開2005-332983(JP,A)
【文献】特開2008-066511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子に直列接続され、制御電極、第1駆動電極、及び第2駆動電極を有し、前記制御電極に印加される電圧に応じて前記半導体レーザ素子に流れる電流を制御するスイッチング素子と、
前記半導体レーザ素子及び前記スイッチング素子に並列接続されるコンデンサと、
前記コンデンサの第1端子が接続されている第1駆動用導電部と、
前記第1駆動用導電部と離間して配置されている第2駆動用導電部と、
前記第1駆動用導電部と前記第2駆動電極とを接続している第1駆動用接続部材と、
前記第2駆動用導電部と前記第2駆動電極とを接続している第2駆動用接続部材と、
を備える
半導体レーザ装置。
【請求項2】
前記半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ装置の端子を構成する端子用導電部を備え、
前記端子用導電部は、
前記半導体レーザ装置に電力を供給する電源の負極に接続するための第1端子用導電部と、
前記スイッチング素子の前記制御電極に電圧を印加するドライバ回路のうちの入力電極に接続するための第2端子用導電部と、を備え、
前記第1駆動用導電部は、前記第1端子用導電部と電気的に接続されており、
前記第2駆動用導電部は、前記第2端子用導電部と電気的に接続されている
請求項1に記載の半導体レーザ装置。
【請求項3】
前記半導体レーザ素子、前記スイッチング素子、及び前記第2駆動用導電部は、前記半導体レーザ装置の平面視において、所定の第1方向に配列されており、
前記第1駆動用導電部は、前記平面視において、前記スイッチング素子に対して前記第1方向と直交する第2方向に配列されている
請求項1又は2に記載の半導体レーザ装置。
【請求項4】
前記第1方向において、前記第2駆動用導電部は、前記スイッチング素子に対して前記半導体レーザ素子とは反対側に配置されている
請求項3に記載の半導体レーザ装置。
【請求項5】
前記半導体レーザ素子は、前記第2方向の中央部に配置されている
請求項3又は4に記載の半導体レーザ装置。
【請求項6】
前記コンデンサは、前記第1方向において前記スイッチング素子に対して前記半導体レーザ素子寄りに配置されている
請求項3~5のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項7】
前記コンデンサは、複数個設けられている
請求項1~6のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項8】
前記コンデンサは、複数個設けられ、かつ、前記スイッチング素子の前記第2方向の両側に配置されており、
前記第1駆動用導電部は、前記スイッチング素子の前記第2方向の両側に配置されている
請求項3~6のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項9】
前記半導体レーザ素子は、複数個設けられ、かつ前記第2方向に配列されている
請求項3~6のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項10】
前記第2方向に隣り合う前記半導体レーザ素子の電極は、素子接続部材によって互いに電気的に接続されている
請求項9に記載の半導体レーザ装置。
【請求項11】
前記半導体レーザ素子は、前記第2方向に配列された複数の半導体発光層を有し、
前記複数の半導体発光層は、1つの電極によって互いに接続されている
請求項3~6のいずれか一項または請求項8もしくは9に記載の半導体レーザ装置。
【請求項12】
前記スイッチング素子の前記第1駆動電極が接続されている第3駆動用導電部を有し、
前記第3駆動用導電部には、前記半導体レーザ素子が接続されている
請求項1~11のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項13】
前記コンデンサの第2端子が接続されている第4駆動用導電部を有し、
前記半導体レーザ装置の平面視において、前記半導体レーザ素子、前記スイッチング素子、及び前記第2駆動用導電部は、所定の第1方向に配列されており、
前記第4駆動用導電部は、前記第1駆動用導電部に対して前記第1方向に配列されている
請求項1~12のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項14】
前記半導体レーザ装置は、
前記第1駆動用導電部及び前記第2駆動用導電部のそれぞれと離間して配置され、前記制御電極と電気的に接続される制御用導電部と、
前記制御電極と前記制御用導電部とを接続する制御用接続部材と、
を備え、
前記制御用接続部材と前記第2駆動用接続部材とは隣り合っている
請求項1~13のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項15】
前記制御用導電部と前記第2駆動用導電部とは隣り合っている
請求項14に記載の半導体レーザ装置。
【請求項16】
前記半導体レーザ装置は、基板主面と、前記基板主面と垂直な方向において前記基板主面とは反対側を向く基板裏面とを有する支持基板を備え、
前記基板主面には、少なくとも前記第1駆動用導電部が形成されており、
前記基板裏面には、前記半導体レーザ装置の端子を構成する端子用導電部が形成されている
請求項1~15のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項17】
前記端子用導電部は、
前記半導体レーザ装置に電力を供給する電源の負極に接続するための第1端子用導電部と、
前記スイッチング素子の前記制御電極に電圧を印加するドライバ回路のうちの入力電極に接続するための第2端子用導電部と、
前記スイッチング素子の前記第1駆動電極に接続するための第3端子用導電部と、
を備え、
前記第1端子用導電部は、前記第3端子用導電部と離間して配置されている
請求項16に記載の半導体レーザ装置。
【請求項18】
前記半導体レーザ装置は、前記スイッチング素子の前記第1駆動電極が接続されている第3駆動用導電部を備え、
前記端子用導電部は、前記第3駆動用導電部と電気的に接続されている第3端子用導電部を有し、
前記第1端子用導電部と前記第3端子用導電部とは一体化されている
請求項17に記載の半導体レーザ装置。
【請求項19】
前記第1駆動用導電部及び前記第2駆動用導電部と前記端子用導電部とを導通させる連絡部を有する
請求項16~18のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項20】
前記半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ素子、前記スイッチング素子、前記コンデンサ、前記第1駆動用導電部、前記第2駆動用導電部、前記第1駆動用接続部材、及び前記第2駆動用接続部材を封止するとともに前記半導体レーザ素子のレーザ光を透過する部分を有する封止部材を備える
請求項1~19のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項21】
半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子に直列接続され、制御電極、第1駆動電極、及び第2駆動電極を有し、前記制御電極に印加される電圧に応じて前記半導体レーザ素子に流れる電流を制御するスイッチング素子と、
前記半導体レーザ素子及び前記スイッチング素子に並列接続されているコンデンサと、
前記コンデンサの第1端子が接続されている第1駆動用導電部と、
前記スイッチング素子の前記制御電極に電圧を印加するドライバ回路と、
前記第1駆動用導電部と前記第2駆動電極とを接続している第1駆動用接続部材と、
前記ドライバ回路と前記第2駆動電極とを接続している第2駆動用接続部材と、
を備える
半導体レーザ装置。
【請求項22】
前記半導体レーザ素子及び前記スイッチング素子は、前記半導体レーザ装置の平面視において、所定の第1方向に配列されており、
前記第1駆動用導電部は、前記スイッチング素子に対して前記平面視において前記第1方向と直交する第2方向に配列されており、
前記ドライバ回路は、前記第1方向において前記スイッチング素子に対して前記半導体レーザ素子が配置されている側とは反対側に配置されている
請求項21に記載の半導体レーザ装置。
【請求項23】
前記半導体レーザ素子及び前記スイッチング素子は、前記半導体レーザ装置の平面視において、所定の第1方向に配列されており、
前記第1駆動用導電部は、前記スイッチング素子に対して前記平面視において前記第1方向と直交する第2方向に配列されており、
前記ドライバ回路は、前記第2方向において前記スイッチング素子に対して前記第1駆動用導電部が配置されている側とは反対側に配置されている
請求項21に記載の半導体レーザ装置。
【請求項24】
前記第2駆動用接続部材は、前記第2駆動電極のうちの前記ドライバ回路側に接続されている
請求項2123のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項25】
前記ドライバ回路は、互いに反対側を向く主面及び裏面を有するチップとして形成されており、
前記主面には、前記第2駆動用接続部材が接続されている入力電極と、前記制御電極と電気的に接続されている出力電極とが形成されており、
前記制御電極と前記出力電極とは、制御用接続部材によって接続されており、
前記主面に対して垂直な方向からみて、前記入力電極及び前記出力電極は、隣り合っている
請求項2124のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項26】
前記半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ素子、前記スイッチング素子、前記コンデンサ、前記第1駆動用導電部、前記ドライバ回路、前記第1駆動用接続部材、及び前記第2駆動用接続部材を封止するとともに前記半導体レーザ素子のレーザ光を透過する部分を有する封止部材を備える
請求項2125のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項27】
前記第1駆動用接続部材及び前記第2駆動用接続部材はそれぞれ、ワイヤからなる
請求項1~26のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項28】
前記第1駆動用接続部材は、複数本のワイヤからなり、
前記第2駆動用接続部材は、1本のワイヤからなる
請求項27に記載の半導体レーザ装置。
【請求項29】
前記第1駆動用接続部材の線径と前記第2駆動用接続部材の線径とは互いに等しい
請求項27又は28に記載の半導体レーザ装置。
【請求項30】
前記スイッチング素子は、互いに反対側を向く素子主面及び素子裏面を有し、
前記第2駆動電極及び前記制御電極はそれぞれ、前記素子主面に形成されており、
前記第1駆動電極は、前記素子裏面に形成されている
請求項1~29のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項31】
前記スイッチング素子は、互いに反対側を向く素子主面及び素子裏面を有し、
前記第1駆動電極、前記第2駆動電極、及び前記制御電極はそれぞれ、前記素子主面に形成されている
請求項1~29のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項32】
前記半導体レーザ素子及び前記スイッチング素子は、前記半導体レーザ装置の平面視において、所定の第1方向に配列されており、
前記第駆動電極は、前記第1方向において、前記素子主面における前記半導体レーザ素子側に配置されており、
前記第駆動電極及び前記制御電極は、前記第1方向において、前記素子主面における前記半導体レーザ素子側とは反対側に配置されている
請求項31に記載の半導体レーザ装置。
【請求項33】
前記半導体レーザ装置は、
前記第1駆動用導電部が形成されている基板主面と、厚さ方向において前記基板主面とは反対側を向く基板裏面と、前記基板主面と前記基板裏面との前記厚さ方向の間に設けられ、前記基板主面と前記基板裏面とに交差する方向に延びる基板側面を有する支持基板と、
前記基板裏面に形成され、前記半導体レーザ装置の端子を構成する端子用導電部と、
前記第1駆動用導電部と前記端子用導電部とを接続している連絡部と、
を有し、
前記基板側面には、前記基板側面から内方に凹む凹部が設けられており、
前記連絡部は、前記凹部に設けられている
請求項1~32のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項34】
前記半導体レーザ素子は、10ns以下のパルス幅のレーザ光を出射可能である
請求項1~33のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体レーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等に用いられる3次元距離計測として、計測対象物に対してレーザ光を出射して、計測対象物によって反射された反射光に基づいて計測対象物までの距離を計測する技術が知られている。この技術が適用されたレーザ距離計測装置として、LiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)を用いたシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-128432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、LiDARの光源として用いられる半導体レーザ装置は、レーザダイオードと、レーザダイオードに直列接続されたトランジスタとを備え、トランジスタのオンオフの切り替えによって、パルス幅が数十ns以下のレーザ光を出射する。パルス幅が数十ns以下である場合、レーザダイオードを流れる電流の時間変化率が高まり、半導体レーザ装置内のインダクタンスに起因する逆起電圧が増大する場合がある。そしてその逆起電圧がトランジスタのゲート電圧に影響を及ぼす場合がある。なお、このような問題は、トランジスタに限られず、他のスイッチング素子が用いられた場合も同様に、インダクタンスに起因する逆起電圧がスイッチング素子の制御電極に印加される制御電圧に影響を及ぼす場合がある。
【0005】
本開示の目的は、インダクタンスに起因する逆起電圧がスイッチング素子の制御電圧に及ぼす影響を低減できる半導体レーザ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による半導体レーザ装置は、半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子に直列接続され、制御電極、第1駆動電極、及び第2駆動電極を有し、前記制御電極に印加される電圧に応じて前記半導体レーザ素子に流れる電流を制御するスイッチング素子と、前記半導体レーザ素子及び前記スイッチング素子に並列接続されるコンデンサと、前記コンデンサの第1端子が接続されている第1駆動用導電部と、前記第1駆動用導電部と離間して配置されている第2駆動用導電部と、前記第1駆動用導電部と前記第2駆動電極とを接続している第1駆動用接続部材と、前記第2駆動用導電部と前記第2駆動電極とを接続している第2駆動用接続部材と、を備える。
【0007】
この構成によれば、スイッチング素子の第2駆動電極から第1駆動用接続部材を介して第1駆動用導電部に流れる電流の第1経路と、スイッチング素子の第2駆動電極から第2駆動用接続部材を介して第2駆動用導電部に流れる電流の第2経路とが個別に形成される。これにより、第1経路の電流の変動が第2経路に影響を及ぼすことが低減される。すなわち、第2経路において、第1駆動用接続部材のインダクタンスの影響を受け難くなる。したがって、第2経路において、第1駆動用接続部材のインダクタンスに起因する逆起電圧が、スイッチング素子の制御電圧に及ぼす影響を低減できる。
【0008】
本開示の一態様による半導体レーザ装置は、半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子に直列接続され、制御電極、第1駆動電極、及び第2駆動電極を有し、前記制御電極に印加される電圧に応じて前記半導体レーザ素子に流れる電流を制御するスイッチング素子と、前記半導体レーザ素子及び前記スイッチング素子に並列接続されているコンデンサと、前記コンデンサの第1端子が接続されている第1駆動用導電部と、を備える。前記第1駆動用導電部は、前記コンデンサの第1端子が接続されている第1端部と、前記第1駆動用導電部が延びる方向において前記第1端部とは反対側に設けられている第2端部と、を有する。半導体レーザ装置は、前記第1駆動用導電部のうちの前記コンデンサの前記第1端子に近い側と、前記第2駆動電極とを接続している第1駆動用接続部材と、前記第1駆動用導電部のうちの前記コンデンサの前記第1端子よりも前記第2端部に近い側と、前記第2駆動電極とを接続している第2駆動用接続部材と、をさらに備える。
【0009】
この構成によれば、スイッチング素子の第2駆動電極から第1駆動用接続部材を介して第1駆動用導電部のうちのコンデンサの第1端子に近い側に流れる電流の第1経路と、スイッチング素子の第2駆動電極から第2駆動用接続部材を介して第1駆動用導電部のうちの制御電極に近い側に流れる電流の第2経路とが個別に形成される。これにより、第1経路の電流の変動が第2経路に影響を及ぼすことが低減される。すなわち、第2経路において、第1駆動用接続部材のインダクタンスの影響を受け難くなる。したがって、第2経路において、第1駆動用接続部材のインダクタンスに起因する逆起電圧が、スイッチング素子の制御電圧に及ぼす影響を低減できる。
【0010】
本開示の一態様による半導体レーザ装置は、半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子に直列接続され、制御電極、第1駆動電極、及び第2駆動電極を有し、前記制御電極に印加される電圧に応じて前記半導体レーザ素子に流れる電流を制御するスイッチング素子と、前記半導体レーザ素子及び前記スイッチング素子に並列接続されるコンデンサと、前記コンデンサの第1端子が接続されている第1駆動用導電部と、前記スイッチング素子の前記制御電極に電圧を印加するドライバ回路と、前記第1駆動用導電部と前記第2駆動電極とを接続する第1駆動用接続部材と、前記ドライバ回路と前記第2駆動電極とを接続する第2駆動用接続部材と、を備える。
【0011】
この構成によれば、スイッチング素子の第2駆動電極から第1駆動用接続部材を介して第1駆動用導電部に流れる電流の第1経路と、スイッチング素子の第2駆動電極から第2駆動用接続部材を介してドライバ回路に流れる電流の第2経路とが個別に形成される。これにより、第1経路の電流の変動が第2経路に影響を及ぼすことが低減される。すなわち、第2経路において、第1駆動用接続部材のインダクタンスの影響を受け難くなる。したがって、第2経路において、第1駆動用接続部材のインダクタンスに起因する逆起電圧が、スイッチング素子の制御電圧に及ぼす影響を低減できる。
【発明の効果】
【0012】
上記半導体レーザ装置によれば、インダクタンスに起因する逆起電圧が、スイッチング素子の制御電圧に及ぼす影響を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態の半導体レーザ装置が適用されたレーザシステムの模式的な回路図。
図2】第1実施形態の半導体レーザ装置について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図3】第1実施形態の半導体レーザ装置の裏面図。
図4図2の4-4線に沿った断面図。
図5図2の5-5線に沿った断面図。
図6図2の6-6線に沿った断面図。
図7図2の7-7線に沿った断面図。
図8図2の8-8線に沿った断面図。
図9】第1実施形態の半導体レーザ素子の模式的な素子断面構造を示す断面図。
図10】第1実施形態の半導体レーザ素子の模式的な平面図。
図11】比較例の半導体レーザ装置が適用されたレーザシステムの模式的な回路図。
図12】比較例の半導体レーザ装置について、半導体レーザ素子に流れる電流及びスイッチング素子のゲート電極に印加される電圧の推移を示すグラフ。
図13】比較例の半導体レーザ装置について、寄生インダクタンスの起電圧の推移を示すグラフ。
図14】第1実施形態の半導体レーザ装置がレーザシステムに用いられた場合の接続構成を説明するための模式図。
図15】第1実施形態の半導体レーザ装置が適用されたレーザシステムの模式的な回路図。
図16】第1実施形態の半導体レーザ装置について、半導体レーザ素子に流れる電流及びスイッチング素子のゲート電極に印加される電圧の推移を示すグラフ。
図17】第1実施形態の半導体レーザ装置の変更例について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図18図17の半導体レーザ装置の裏面図。
図19】第1実施形態の半導体レーザ装置の変更例について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図20】第1実施形態の半導体レーザ装置の変更例について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図21図20の半導体レーザ装置の半導体レーザ素子の模式的な素子断面構造を示す断面図。
図22】第1実施形態の半導体レーザ装置の変更例について、半導体レーザ装置の裏面図。
図23】第1実施形態の半導体レーザ装置の変更例について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図24図23の半導体レーザ装置の裏面図。
図25図23の25-25線に沿った断面図。
図26】第2実施形態の半導体レーザ装置について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図27図26の半導体レーザ装置の裏面図。
図28】第3実施形態の半導体レーザ装置について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図29図28の半導体レーザ装置の裏面図。
図30】第3実施形態の半導体レーザ装置の変更例について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図31】第3実施形態の半導体レーザ装置の変更例について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図32】第3実施形態の半導体レーザ装置の変更例について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図33】第4実施形態の半導体レーザ装置について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図34図33の半導体レーザ装置の裏面図。
図35】第4実施形態の半導体レーザ装置の変更例について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図36図35の半導体レーザ装置の裏面図。
図37】第4実施形態の半導体レーザ装置の変更例について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図38】第4実施形態の半導体レーザ装置の変更例について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図39図38の半導体レーザ装置の裏面図。
図40】第4実施形態の半導体レーザ装置の変更例について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図41】第4実施形態の半導体レーザ装置の変更例について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図42】第4実施形態の半導体レーザ装置の変更例について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図43】第4実施形態の半導体レーザ装置の変更例について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図44】第5実施形態の半導体レーザ装置について、封止部材を取り除き、半導体レーザ装置の内部構成を示す平面図。
図45図44の半導体レーザ装置の裏面図。
図46】第5実施形態の半導体レーザ装置がレーザシステムに用いられた場合の接続構成を説明するための模式図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、半導体レーザ装置の実施形態について図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、技術的思想を具体化するための構成や方法を例示するものであり、各構成部品の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに限定するものではない。以下の実施形態は、種々の変更を加えることができる。
【0015】
[第1実施形態]
図1図16を参照して、第1実施形態の半導体レーザ装置について説明する。
(半導体レーザ装置及びレーザシステムの回路構成)
図1に示すように、図1の破線で囲まれた部分によって構成される半導体レーザ装置1Aは、3次元距離計測の一例であるLiDARのパルスレーザ光源として用いられる。図1では、LiDARとしてのレーザシステム100に半導体レーザ装置1Aが用いられた構成を示している。半導体レーザ装置1Aは、半導体レーザ素子10と、スイッチング素子20と、コンデンサ30と、複数の端子40とを備える。図1では、半導体レーザ装置1Aは、5個の端子40を備える。なお、半導体レーザ装置1Aは、2次元距離計測用のレーザシステムに用いられてもよい。また、端子40の個数は任意に変更可能である。
【0016】
レーザシステム100は、電源110、電流制限抵抗120、ダイオード130、及びドライバ回路140を備える。電源110は、正極111及び負極112を有する電源であって、半導体レーザ素子10に電力を供給する。電流制限抵抗120は、電源110の正極111と半導体レーザ素子10との間に設けられ、電源110から半導体レーザ素子10に流れる電流を制限する。ダイオード130は、アノード電極131及びカソード電極132を有し、半導体レーザ素子10と逆並列接続され、半導体レーザ素子10への逆流を防止する。図1のレーザシステム100では、ダイオード130として、ショットキーバリアダイオードが用いられている。ドライバ回路140は、出力電極141及び入力電極142を有し、スイッチング素子20のオンオフを制御する制御信号をスイッチング素子20に出力する。
【0017】
半導体レーザ素子10は、半導体レーザ装置1Aの光源であり、例えばパルスレーザダイオードが用いられている。半導体レーザ素子10の材料としては、例えばGaAs(ヒ化ガリウム)が用いられている。半導体レーザ素子10は、アノード電極11、及びカソード電極12を備える。スイッチング素子20は、半導体レーザ素子10への電流をオンオフするための素子である。半導体レーザ素子10は、例えば、発振波長が905nm、光出力が75W以上、及びパルス幅が数十ns以下の仕様のものが用いられている。好ましくは、半導体レーザ素子10は、光出力が150W以上、及びパルス幅が10ns以下の仕様のものが用いられる。さらに好ましくは、半導体レーザ素子10は、パルス幅が5ns以下の仕様のものが用いられる。
【0018】
スイッチング素子20は、例えばSi(シリコン)やSiC(炭化シリコン)、又はGaN(窒化ガリウム)等からなるトランジスタが用いられている。スイッチング素子20がGaNやSiCからなる場合、スイッチングの高速化に適している。本実施形態では、スイッチング素子20は、SiからなるN型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect-Transistor)が用いられている。スイッチング素子20は、第1駆動電極の一例であるドレイン電極21、第2駆動電極の一例であるソース電極22、及び、制御電極の一例であるゲート電極23を備える。
【0019】
コンデンサ30は、半導体レーザ素子10に通電する電流となるべき電荷を一時的に蓄積するためのコンデンサバンクを構成している。コンデンサ30は、例えばスイッチング素子20がオフ状態のときに蓄電し、スイッチング素子20がオン状態のときに半導体レーザ素子10に放電する。コンデンサ30の個数は、1個又は複数個であってもよい。例えば、コンデンサ30の容量及び個数は、半導体レーザ素子10の出力に応じて設定される。コンデンサ30は、第1端子31及び第2端子32を有する。
【0020】
図1に示すとおり、半導体レーザ素子10とスイッチング素子20とは直列接続されている。具体的には、半導体レーザ素子10のカソード電極12とスイッチング素子20のドレイン電極21とが電気的に接続されている。半導体レーザ素子10のアノード電極11は、第1電源端子41に電気的に接続されている。スイッチング素子20のソース電極22は、第2電源端子42に電気的に接続されている。ダイオード130のアノード電極131は、半導体レーザ素子10のカソード電極12とスイッチング素子20のドレイン電極21との間のノードNに電気的に接続されている。
【0021】
コンデンサ30は、半導体レーザ素子10及びスイッチング素子20と並列接続されている。具体的には、コンデンサ30の第1端子31がスイッチング素子20のソース電極22に電気的に接続されており、コンデンサ30の第2端子32が半導体レーザ素子10のアノード電極11に電気的に接続されている。
【0022】
複数の端子40は、第1電源端子41、第2電源端子42、制御端子43、ダイオード接続端子44、及びドライバ接続端子45を有する。図1に示すとおり、第1電源端子41は、電源110の正極111及びダイオード130のカソード電極132と電気的に接続されている。また、第1電源端子41は、半導体レーザ素子10のアノード電極11及びコンデンサ30の第2端子32と電気的に接続されている。第2電源端子42は、電源110の負極112と電気的に接続される。また、第2電源端子42は、スイッチング素子20のソース電極22とコンデンサ30の第1端子31と電気的に接続されている。制御端子43は、ドライバ回路140の出力電極141と接続されている。ダイオード接続端子44は、ダイオード130のアノード電極131に接続されている。またダイオード接続端子44は、半導体レーザ素子10のカソード電極12とスイッチング素子20のドレイン電極21との間のノードNに接続されている。このため、ダイオード接続端子44を介してダイオード130のアノード電極131と半導体レーザ素子10のカソード電極12とが電気的に接続されている。ドライバ接続端子45は、ドライバ回路140の入力電極142に電気的に接続されている。
【0023】
このような構成のレーザシステム100では、次のように動作する。すなわち、ドライバ回路140の制御信号によってスイッチング素子20がオフ状態にされると、電源110によってコンデンサ30が蓄電される。そしてドライバ回路140の制御信号によってスイッチング素子20がオン状態にされると、コンデンサ30が放電することによって半導体レーザ素子10に電流が流れる。これにより、半導体レーザ素子10はパルスレーザ光を出力する。
【0024】
(半導体レーザ装置の構成)
半導体レーザ装置1Aは、モジュール化されている。すなわち、半導体レーザ装置1Aは、半導体レーザ素子10、スイッチング素子20、及びコンデンサ30が1つのパッケージに収容された構成である。以下、このような半導体レーザ装置1Aの詳細な構成について説明する。
【0025】
半導体レーザ装置1Aは、半導体レーザ素子10、スイッチング素子20、及びコンデンサ30を支持し、パッケージの一部を構成する支持基板50と、半導体レーザ素子10、スイッチング素子20、及びコンデンサ30を封止し、パッケージの一部を構成する封止部材90とを備える。本実施形態では、支持基板50及び封止部材90によって半導体レーザ装置1Aのパッケージが構成されている。また、半導体レーザ装置1Aは、コンデンサ30として、2個のコンデンサ30A,30Bを有する。
【0026】
支持基板50は、半導体レーザ素子10、スイッチング素子20、及びコンデンサ30(30A,30B)の導電経路を構成するとともに半導体レーザ素子10、スイッチング素子20、及びコンデンサ30を支持している。支持基板50は、基材51及び導電部60を有する。
【0027】
基材51は、電気絶縁性を有する材料からなる。一例では、基材51は、エポキシ樹脂やセラミックスからなる。本実施形態では、基材51を構成する材料として、ガラスエポキシ樹脂を用いている。基材51は、基材主面51a、基材裏面51b、第1基材側面51c、第2基材側面51d、第3基材側面51e、及び第4基材側面51fを有する。以降の説明において、基材51の厚さ方向を「厚さ方向Z」とし、厚さ方向Zと直交する方向において互いに直交する方向を「横方向X」及び「縦方向Y」とする。なお、縦方向Yは第1方向に相当し、横方向Xは第2方向に相当する。
【0028】
基材主面51a及び基材裏面51bは、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く面である。第1基材側面51c、第2基材側面51d、第3基材側面51e、及び第4基材側面51fはそれぞれ、基材主面51a及び基材裏面51bの厚さ方向Zの間に設けられ、基材主面51a及び基材裏面51bと交差する方向に延びる面である。第1基材側面51c及び第2基材側面51dは互いに反対側を向き、第3基材側面51e及び第4基材側面51fは互いに反対側を向いている。本実施形態では、第1基材側面51c及び第2基材側面51dは、縦方向Yにおいて互いに反対側を向き、横方向Xに沿って延びている。第3基材側面51e及び第4基材側面51fは、横方向Xにおいて互いに反対側を向き、縦方向Yに沿って延びている。
【0029】
半導体レーザ装置1Aの平面視(以下、単に「平面視」という)における基材51の形状は、矩形状である。本実施形態では、平面視における基材51の形状は、第1基材側面51c及び第2基材側面51dが長辺方向となり、第3基材側面51e及び第4基材側面51fが短辺方向となる矩形状である。
【0030】
導電部60は、基材51に設けられ、半導体レーザ素子10、スイッチング素子20、及びコンデンサ30への導電経路を構成している。導電部60の材料は、特に限定されないが、例えばCu(銅)、Ni(ニッケル)、Ti(チタン)、Au(金)等の金属が用いられている。また、導電部60は、その形成方法は特に限定されないが、例えばめっきによって形成されている。導電部60は、駆動用導電部としての主面側導電部60A、端子用導電部としての裏面側導電部60B、及び連絡部60Cを有する。
【0031】
主面側導電部60Aは、基材51の基材主面51aに形成されている。主面側導電部60Aは、一対の第1駆動用導電部61A,61B、第2駆動用導電部62、第3駆動用導電部63、一対の第4駆動用導電部64A,64B、及び制御用導電部65を有する。
【0032】
一対の第1駆動用導電部61A,61Bは、基材主面51aのうちの横方向Xの両端部かつ縦方向Yの中央部に配置されている。第1駆動用導電部61Aは、平面視において、基材主面51aのうちの第3基材側面51e寄りの部分に第3基材側面51eと横方向Xに間隔をあけて配置されている。第1駆動用導電部61Bは、平面視において、基材主面51aのうちの第4基材側面51f寄りの部分に第4基材側面51fと横方向Xに間隔をあけて配置されている。平面視における各第1駆動用導電部61A,61Bの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。本実施形態では、平面視における第1駆動用導電部61A,61Bの形状は互いに同じ形状である。なお、平面視における第1駆動用導電部61A,61Bの形状はそれぞれ任意に変更可能である。例えば、平面視における第1駆動用導電部61Aの形状が平面視における第1駆動用導電部61Bの形状と異なってもよい。
【0033】
第3駆動用導電部63は、基材主面51aのうちの一対の第1駆動用導電部61A,61Bの横方向Xの間の部分に配置されている。平面視における第3駆動用導電部63の形状は、凸状である。第3駆動用導電部63は、一対の第1駆動用導電部61A,61Bに挟まれた部分であるスイッチング素子実装部63aと、スイッチング素子実装部63aから縦方向Yに突出している半導体レーザ素子実装部63bとに区分できる。
【0034】
スイッチング素子実装部63aは、縦方向Yにおいて基材主面51aのうちの第2基材側面51d寄りの部分に配置されている。スイッチング素子実装部63aは、横方向Xにおいて一対の第1駆動用導電部61A,61Bと間隔をあけて配置されている。平面視におけるスイッチング素子実装部63aの形状は、正方形である。スイッチング素子実装部63aの横方向Xの大きさは、一対の第1駆動用導電部61A,61Bのそれぞれの横方向Xの大きさよりも大きい。スイッチング素子実装部63aの縦方向Yの大きさは、特に限定されないが、本実施形態では、一対の第1駆動用導電部61A,61Bのそれぞれの縦方向Yの大きさと等しい。ここで、スイッチング素子実装部63aの縦方向Yの大きさと一対の第1駆動用導電部61A,61Bの縦方向Yの大きさとの差が一対の第1駆動用導電部61A,61Bの縦方向Yの大きさの5%以内であれば、スイッチング素子実装部63aの縦方向Yの大きさが一対の第1駆動用導電部61A,61Bの縦方向Yの大きさと等しいと言える。
【0035】
スイッチング素子実装部63aには、スイッチング素子20が実装されている。図2及び図4に示すように、スイッチング素子20は、平板状に形成されている。スイッチング素子20は、SiやSiC等の半導体材料からなる素子本体24を有する。素子本体24は、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く素子主面24a及び素子裏面24bを有する。素子主面24aは、半導体レーザ素子10のレーザ素子主面10aと同じ側を向く面である。素子裏面24bは、レーザ素子裏面10bと同じ側を向く面である。
【0036】
素子主面24aには、ソース電極22及びゲート電極23が形成されている。ソース電極22は、素子主面24aの大部分にわたり形成されている。平面視におけるソース電極22の形状は、第2基材側面51d側に向けて開口する凹形状である。本実施形態では、ソース電極22は、平面視において縦方向Yに凹む凹部22aが形成されている。凹部22aは、ソース電極22の第2基材側面51d寄りの端部かつ横方向Xの中央部に形成されている。凹部22aには、ゲート電極23が形成されている。
【0037】
素子裏面24bには、ドレイン電極21が形成されている。ドレイン電極21は、例えば素子裏面24bの全体にわたり形成されている。このように、本実施形態のスイッチング素子20は、いわゆる縦型構造のトランジスタである。
【0038】
半導体レーザ素子実装部63bは、スイッチング素子実装部63aの縦方向Yの第1基材側面51c寄りの端部、かつ、スイッチング素子実装部63aの横方向Xの中央部に配置されている。平面視における半導体レーザ素子実装部63bの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。半導体レーザ素子実装部63bの横方向Xの大きさは、スイッチング素子実装部63aの横方向Xの大きさよりも小さい。また半導体レーザ素子実装部63bの横方向Xの大きさは、一対の第1駆動用導電部61A,61Bの横方向Xの大きさよりも小さい。半導体レーザ素子実装部63bの縦方向Yの大きさは、スイッチング素子実装部63aの縦方向Yの大きさよりも小さい。また半導体レーザ素子実装部63bの縦方向Yの大きさは、一対の第1駆動用導電部61A,61Bの縦方向Yの大きさよりも小さい。
【0039】
半導体レーザ素子実装部63bには、半導体レーザ素子10が実装されている。図2及び図4に示すように、半導体レーザ素子10は、平板状に形成されている。平面視における半導体レーザ素子10の形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。半導体レーザ素子10は、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向くレーザ素子主面10a及びレーザ素子裏面10bを有する。本実施形態では、レーザ素子主面10aにはアノード電極11が形成され、レーザ素子裏面10bにはカソード電極12が形成されている。
【0040】
なお、平面視におけるスイッチング素子実装部63aの形状は任意に変更可能である。例えば、平面視におけるスイッチング素子実装部63aの形状が横方向X及び縦方向Yの一方が長辺方向となり、横方向X及び縦方向Yの他方が短辺方向となる矩形状であってもよい。また、平面視における半導体レーザ素子実装部63bの形状は任意に変更可能である。例えば、平面視における半導体レーザ素子実装部63bの形状は正方形であってもよいし、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状であってもよい。
【0041】
一対の第4駆動用導電部64A,64Bはそれぞれ、縦方向Yにおいて基材主面51aのうちの第1基材側面51c寄りの端部に配置されている。一対の第4駆動用導電部64A,64Bは、第1基材側面51cから縦方向Yに離間して配置されている。第4駆動用導電部64Aは、基材主面51aのうちの第3基材側面51e寄りの端部に配置されている。第4駆動用導電部64Aは、第3基材側面51eと横方向Xに離間して配置されている。第4駆動用導電部64Bは、基材主面51aのうちの第4基材側面51f寄りの端部に配置されている。第4駆動用導電部64Bは、第4基材側面51fと横方向Xに離間して配置されている。一対の第4駆動用導電部64A,64Bは、横方向Xにおいて半導体レーザ素子実装部63bの両側に半導体レーザ素子実装部63bと横方向Xに間隔をあけて配置されている。縦方向Yからみて、第4駆動用導電部64Aは、第1駆動用導電部61Aと重なるように配置されている。また、縦方向Yからみて、第4駆動用導電部64Aのうちの半導体レーザ素子実装部63b寄りの端部は、スイッチング素子実装部63aのうちの第3基材側面51e寄りの端部と重なるように配置されている。縦方向Yからみて、第4駆動用導電部64Bは、第1駆動用導電部61Bと重なるように配置されている。また、縦方向Yからみて、第4駆動用導電部64Bのうちの半導体レーザ素子実装部63b寄りの端部は、スイッチング素子実装部63aのうちの第4基材側面51f寄りの端部と重なるように配置されている。横方向Xからみて、一対の第4駆動用導電部64A,64Bは、半導体レーザ素子実装部63bと重なるように配置されている。
【0042】
平面視における一対の第4駆動用導電部64A,64Bの形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。一対の第4駆動用導電部64A,64Bの横方向Xの大きさは、一対の第1駆動用導電部61A,61Bの横方向Xの大きさよりも大きい。一対の第4駆動用導電部64A,64Bの縦方向Yの大きさは、一対の第1駆動用導電部61A,61Bの縦方向Yの大きさよりも小さい。また、一対の第4駆動用導電部64A,64Bの縦方向Yの大きさは、半導体レーザ素子実装部63bの縦方向Yの大きさよりも小さい。本実施形態では、平面視における第4駆動用導電部64A,64Bの形状は互いに同じ形状である。なお、平面視における第4駆動用導電部64A,64Bの形状はそれぞれ任意に変更可能である。例えば、平面視における第4駆動用導電部64Aの形状が平面視における第4駆動用導電部64Bの形状と異なってもよい。
【0043】
第2駆動用導電部62及び制御用導電部65はそれぞれ、縦方向Yにおいて基材主面51aのうちの第2基材側面51d寄りの端部に配置されている。第2駆動用導電部62及び制御用導電部65は、横方向Xにおいて互いに離間した状態で横方向Xに沿って配列されている。第2駆動用導電部62及び制御用導電部65はそれぞれ、第2基材側面51dと縦方向Yに離間して配置されている。第2駆動用導電部62は、横方向Xにおいて基材主面51aのうちの第4基材側面51f寄りの端部に配置されている。第2駆動用導電部62は、第4基材側面51fと横方向Xに離間して配置されている。制御用導電部65は、横方向Xにおいて基材主面51aのうちの第3基材側面51e寄りの端部に配置されている。制御用導電部65は、第3基材側面51eと横方向Xに離間して配置されている。
【0044】
平面視における第2駆動用導電部62の形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。第2駆動用導電部62の縦方向Yの大きさは、一対の第1駆動用導電部61A,61B及びスイッチング素子実装部63aの縦方向Yの大きさよりも小さい。第2駆動用導電部62の横方向Xの大きさは、一対の第1駆動用導電部61A,61Bの横方向Xの大きさよりも大きい。第2駆動用導電部62の横方向Xの大きさは、一対の第4駆動用導電部64A,64Bの横方向Xの大きさよりも大きい。なお、平面視における第2駆動用導電部62の形状は任意に変更可能である。一例では、平面視における第2駆動用導電部62の形状は正方形であってもよいし、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状であってもよい。
【0045】
平面視における制御用導電部65の形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。制御用導電部65の縦方向Yの大きさは、一対の第1駆動用導電部61A,61Bの縦方向Yの大きさよりも小さい。制御用導電部65の横方向Xの大きさは、一対の第1駆動用導電部61A,61Bの横方向Xの大きさよりも大きい。制御用導電部65の横方向Xの大きさは、一対の第4駆動用導電部64A,64Bの横方向Xの大きさよりも大きい。なお、平面視における制御用導電部65の形状は任意に変更可能である。一例では、平面視における制御用導電部65の形状は正方形であってもよいし、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状であってもよい。
【0046】
縦方向Yからみて、第2駆動用導電部62は、第1駆動用導電部61B及び第4駆動用導電部64Bと、スイッチング素子実装部63aのうちの第4基材側面51f寄りの端部とに重なるように配置されている。縦方向Yからみて、制御用導電部65は、第1駆動用導電部61A及び第4駆動用導電部64Aと、スイッチング素子実装部63aのうちの第3基材側面51e寄りの端部とに重なるように配置されている。
【0047】
図3に示すように、裏面側導電部60Bは、基材51の基材裏面51b上に形成されている。裏面側導電部60Bは、一対の第1端子用導電部66A,66B、第2端子用導電部67、第3端子用導電部68、一対の第4端子用導電部69A,69B、及び制御端子用導電部70を有する。このように、本実施形態では、半導体レーザ装置1Aは、表面実装型のパッケージである。
【0048】
裏面側導電部60Bは、半導体レーザ装置1Aを配線基板(図示略)等に実装する際の端子、すなわち図1の複数の端子40として用いられる。図1及び図3に示すように、一対の第1端子用導電部66A,66Bは第2電源端子42を構成し、第2端子用導電部67はドライバ接続端子45を構成し、第3端子用導電部68はダイオード接続端子44を構成し、第4端子用導電部69A,69Bは第1電源端子41を構成している。
【0049】
図3に示すように、一対の第1端子用導電部66A,66Bは、基材裏面51bのうちの横方向Xの両端部かつ縦方向Yの中央部に配置されている。第1端子用導電部66Aは、平面視において、基材裏面51bのうちの第3基材側面51e寄りの部分に第3基材側面51eと横方向Xに間隔をあけて配置されている。第1端子用導電部66Bは、平面視において、基材裏面51bのうちの第4基材側面51f寄りの部分に第4基材側面51fと横方向Xに間隔をあけて配置されている。厚さ方向Zからみて、第1端子用導電部66Aは、第1駆動用導電部61Aと重なるように配置されている。
【0050】
平面視における各第1端子用導電部66A,66Bの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。第1端子用導電部66A,66Bの横方向Xの大きさは、第1駆動用導電部61A,61Bの横方向Xの大きさよりも小さい。第1端子用導電部66A,66Bの縦方向Yの大きさは、第1駆動用導電部61A,61Bの縦方向Yの大きさよりも小さい。本実施形態では、平面視における第1端子用導電部66A,66Bの形状は互いに同じ形状である。なお、平面視における第1端子用導電部66A,66Bの形状はそれぞれ任意に変更可能である。例えば、平面視における第1端子用導電部66Aの形状が平面視における第1端子用導電部66Bの形状と異なってもよい。
【0051】
第3端子用導電部68は、基材裏面51bのうちの一対の第1端子用導電部66A,66Bの横方向Xの間の部分に配置されている。第3端子用導電部68は、縦方向Yにおいて基材裏面51bのうちの第1基材側面51c寄りに配置されている。厚さ方向Zからみて、第3端子用導電部68は、第3駆動用導電部63と重なるように配置されている。
【0052】
平面視における第3端子用導電部68の形状は、縦方向Yが長辺方向であり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。便宜上、第3端子用導電部68は、境界線Lbによって、厚さ方向Zにおいて、第3駆動用導電部63のスイッチング素子実装部63aと重なる第1端子部68aと、半導体レーザ素子実装部63bと重なる第2端子部68bとに区分する。
【0053】
第1端子部68aの横方向Xの大きさは、スイッチング素子実装部63aの横方向Xの大きさよりも小さい。第1端子部68aの縦方向Yの大きさは、スイッチング素子実装部63aの縦方向Yの大きさよりも小さい。第2端子部68bの横方向Xの大きさは、半導体レーザ素子実装部63bの横方向Xの大きさよりも大きい。第2端子部68bの縦方向Yの大きさは、半導体レーザ素子実装部63bの縦方向Yの大きさと等しい。図6に示すように、第2端子部68bは、厚さ方向Zにおいて第4駆動用導電部64A,64Bと重なるように形成されている。
【0054】
図3に示すように、一対の第4端子用導電部69A,69Bはそれぞれ、縦方向Yにおいて基材裏面51bのうちの第1基材側面51c寄りの端部に配置されている。一対の第4端子用導電部69A,69Bは、第1基材側面51cから縦方向Yに離間して配置されている。第4端子用導電部69Aは、基材裏面51bのうちの第3基材側面51e寄りの端部に配置されている。第4端子用導電部69Aは、第3基材側面51eと横方向Xに離間して配置されている。第4端子用導電部69Bは、基材裏面51bのうちの第4基材側面51f寄りの端部に配置されている。第4端子用導電部69Bは、第4基材側面51fと横方向Xに離間して配置されている。一対の第4端子用導電部69A,69Bは、横方向Xにおいて第2端子部68bの両側に第2端子部68bと横方向Xに間隔をあけて配置されている。縦方向Yからみて、第4端子用導電部69Aは、第1端子用導電部66Aと重なるように配置されている。縦方向Yからみて、第4端子用導電部69Bは、第1端子用導電部66Bと重なるように配置されている。横方向Xからみて、一対の第4端子用導電部69A,69Bは、第2端子部68bと重なるように配置されている。厚さ方向Zからみて、第4端子用導電部69Aは第4駆動用導電部64Aと重なるように配置され、第4端子用導電部69Bは第4駆動用導電部64Bと重なるように配置されている。
【0055】
平面視における一対の第4端子用導電部69A,69Bの形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。一対の第4端子用導電部69A,69Bの横方向Xの大きさは、一対の第1端子用導電部66A,66Bの横方向Xの大きさよりも大きい。一対の第4端子用導電部69A,69Bの横方向Xの大きさは、一対の第4駆動用導電部64A,64Bの横方向Xの大きさよりも小さい。一対の第4端子用導電部69A,69Bの縦方向Yの大きさは、一対の第1端子用導電部66A,66Bの縦方向Yの大きさよりも小さい。一対の第4端子用導電部69A,69Bの縦方向Yの大きさは、一対の第4駆動用導電部64A,64Bの縦方向Yの大きさと等しい。ここで、一対の第4端子用導電部69A,69Bの縦方向Yの大きさと一対の第4駆動用導電部64A,64Bの縦方向Yの大きさとの差が、例えば一対の第4駆動用導電部64A,64Bの5%以内であれば、一対の第4端子用導電部69A,69Bの縦方向Yの大きさが一対の第4駆動用導電部64A,64Bの縦方向Yの大きさと等しいと言える。本実施形態では、平面視における第4端子用導電部69A,69Bの形状は互いに同じ形状である。なお、平面視における第4端子用導電部69A,69Bの形状はそれぞれ任意に変更可能である。例えば、平面視における第4端子用導電部69Aの形状が平面視における第4端子用導電部69Bの形状と異なってもよい。
【0056】
第2端子用導電部67及び制御端子用導電部70はそれぞれ、縦方向Yにおいて基材裏面51bのうちの第2基材側面51d寄りの端部に配置されている。第2端子用導電部67及び制御端子用導電部70は、横方向Xにおいて互いに離間した状態で横方向Xに沿って配列されている。第2端子用導電部67及び制御端子用導電部70はそれぞれ、第2基材側面51dと縦方向Yに離間して配置されている。
【0057】
第2端子用導電部67は、横方向Xにおいて基材裏面51bのうちの第4基材側面51f寄りの端部に配置されている。第2端子用導電部67は、第4基材側面51fと横方向Xに離間して配置されている。縦方向Yからみて、第2端子用導電部67は、第1端子用導電部66B及び第4端子用導電部69Bと、第3端子用導電部68のうちの第4基材側面51f寄りの端部とに重なるように配置されている。厚さ方向Zからみて、第2端子用導電部67は、図2に示す第2駆動用導電部62と重なるように配置されている。
【0058】
平面視における第2端子用導電部67の形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。第2駆動用導電部62の縦方向Yの大きさは、一対の第1端子用導電部66A,66B及び第3端子用導電部68の縦方向Yの大きさよりも小さい。第2端子用導電部67の横方向Xの大きさは、一対の第1端子用導電部66A,66Bの横方向Xの大きさよりも大きい。第2端子用導電部67の横方向Xの大きさは、一対の第4端子用導電部69A,69Bの横方向Xの大きさよりも大きい。なお、平面視における第2駆動用導電部62の形状は任意に変更可能である。一例では、平面視における第2駆動用導電部62の形状は正方形であってもよいし、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状であってもよい。
【0059】
制御端子用導電部70は、横方向Xにおいて基材裏面51bのうちの第3基材側面51e寄りの端部に配置されている。制御端子用導電部70は、第3基材側面51eと横方向Xに離間して配置されている。縦方向Yからみて、制御端子用導電部70は、第1端子用導電部66A及び第4端子用導電部69Aと、第3端子用導電部68のうちの第3基材側面51e寄りの端部とに重なるように配置されている。厚さ方向Zからみて、制御端子用導電部70は、制御用導電部65と重なるように配置されている。
【0060】
平面視における制御端子用導電部70の形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。制御端子用導電部70の縦方向Yの大きさは、一対の第1端子用導電部66A,66Bの縦方向Yの大きさよりも小さい。制御端子用導電部70の横方向Xの大きさは、一対の第1端子用導電部66A,66Bの横方向Xの大きさよりも大きい。制御端子用導電部70の横方向Xの大きさは、一対の第4端子用導電部69A,69Bの横方向Xの大きさよりも大きい。なお、平面視における制御端子用導電部70の形状は任意に変更可能である。一例では、平面視における制御端子用導電部70の形状は正方形であってもよいし、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状であってもよい。
【0061】
図2及び図3から分かるとおり、第1駆動用導電部61Aと第4駆動用導電部64Aとの縦方向Yの隙間Gs1、及び第1駆動用導電部61Bと第4駆動用導電部64Bとの縦方向Yの隙間Gs1は、第1端子用導電部66Aと第4端子用導電部69Aとの縦方向Yの隙間Gr1、及び第1端子用導電部66Bと第4端子用導電部69Bとの縦方向Yの隙間Gr1よりも小さい。換言すれば、隙間Gr1は、隙間Gs1よりも大きい。また、第1駆動用導電部61A,61Bと第3駆動用導電部63との横方向Xの隙間Gs2は、第1端子用導電部66A,66Bと第3端子用導電部68との横方向Xの隙間Gr2よりも小さい。換言すれば、隙間Gr2は、隙間Gs2よりも大きい。また、第1駆動用導電部61A,61B及び第3駆動用導電部63のスイッチング素子実装部63aと第2駆動用導電部62との縦方向Yの隙間Gs3は、第1端子用導電部66A及び第3端子用導電部68の第1端子部68aと第2端子用導電部67との縦方向Yの隙間Gr3よりも小さい。換言すれば、隙間Gr3は、隙間Gs3よりも大きい。第4駆動用導電部64A,64Bと第3駆動用導電部63の半導体レーザ素子実装部63bとの横方向Xの隙間Gs4は、第4端子用導電部69A,69Bと第3端子用導電部68の第2端子部68bとの横方向Xの隙間Gr4よりも小さい。換言すれば、隙間Gr4は、隙間Gs4よりも大きい。第1駆動用導電部61B及び第3駆動用導電部63のスイッチング素子実装部63aと制御用導電部65との縦方向Yの隙間Gs5は、第1端子用導電部66B及び第3端子用導電部68の第1端子部68aと制御端子用導電部70との縦方向Yの隙間Gr5よりも小さい。換言すると、隙間Gr5は、隙間Gs5よりも大きい。また、第2駆動用導電部62と制御用導電部65との横方向Xの隙間Gs6は、第2端子用導電部67と制御端子用導電部70との横方向Xの隙間Gr6と等しい。ここで、隙間Gs6と隙間Gr6との差が例えば隙間Gs6の5%以内であれば、隙間Gs6は隙間Gr6と等しいと言える。なお、隙間Gr6は、隙間Gs6よりも大きくてもよい。
【0062】
図2図5図7、及び図8に示すように、連絡部60Cは、複数個設けられ、主面側導電部60Aと裏面側導電部60Bとを繋いでいる。各連絡部60Cは、同一構造であり、スルーホール71と、スルーホール71に埋め込まれた導体部72とによって構成されている。スルーホール71は、厚さ方向Zに基材51を貫通する貫通孔52を構成する内周面の全体にわたり形成された金属膜71aによって構成されている。金属膜71aの基材51の基材主面51a寄りの端部は主面側導電部60Aに繋がっており、金属膜71aの基材51の基材裏面51b寄りの端部は裏面側導電部60Bに繋がっている。本実施形態では、金属膜71aを構成する材料は、主面側導電部60A及び裏面側導電部60Bを構成する材料と同じである。導体部72を構成する材料としては、例えば金属材料であり、本実施形態ではCu(銅)が用いられている。
【0063】
図3に示すように、連絡部60Cは、複数の第1駆動用連絡部73A,73B、複数の第2駆動用連絡部74、複数の第3駆動用連絡部75、複数の第4駆動用連絡部76A,76B、及び複数の制御用連絡部77を有する。本実施形態では、複数の第1駆動用連絡部73、複数の第2駆動用連絡部74、複数の第3駆動用連絡部75、複数の第4駆動用連絡部76、及び複数の制御用連絡部77を構成するスルーホール71(例えば図4参照)の外径及び内径は互いに等しい。
【0064】
図2図4に示すように、複数の第3駆動用連絡部75は、第3駆動用導電部63と第3端子用導電部68とを接続している。複数の第3駆動用連絡部75は、複数(本実施形態では9個)のスイッチング素子側連絡部75a、1個の半導体レーザ素子側連絡部75b、及び1個の中間連絡部75cを含む。なお、スイッチング素子側連絡部75a、半導体レーザ素子側連絡部75b、及び中間連絡部75cのそれぞれの個数は、上記の個数に限定されず、任意に変更可能である。
【0065】
複数のスイッチング素子側連絡部75aは、第3駆動用導電部63のスイッチング素子実装部63aに設けられている。9個のスイッチング素子側連絡部75aのうちの8個は、厚さ方向Zからみて、スイッチング素子20のソース電極22と重なる位置に設けられている。厚さ方向Zからみて、残りの1個のスイッチング素子側連絡部75aは、スイッチング素子20のゲート電極23と重なる位置に設けられている。厚さ方向Zからみて、9個のスイッチング素子側連絡部75aは、スイッチング素子20のドレイン電極21と重なる位置に設けられている。
【0066】
半導体レーザ素子側連絡部75bは、第3駆動用導電部63の半導体レーザ素子実装部63bに設けられている。厚さ方向Zからみて、半導体レーザ素子側連絡部75bは、半導体レーザ素子10と重なる位置に設けられている。
【0067】
中間連絡部75cは、第3駆動用導電部63のスイッチング素子実装部63aと半導体レーザ素子実装部63bとの境界部(図2及び図3の境界線Lb)を跨ぐように設けられている。すなわち、中間連絡部75cは、半導体レーザ素子側連絡部75bとスイッチング素子側連絡部75aとの縦方向Yの間に位置している。換言すると、中間連絡部75cは、半導体レーザ素子10とスイッチング素子20との縦方向Yの間に位置している。
【0068】
図2図3、及び図5に示すように、複数(本実施形態では2個)の第1駆動用連絡部73Aは、第1駆動用導電部61Aと第1端子用導電部66Aとを接続している。複数の第1駆動用連絡部73Aは、縦方向Yに間隔をあけて配列されている。各第1駆動用連絡部73Aは、横方向Xにおいて第1駆動用導電部61A及び第1端子用導電部66Aのうちの第3基材側面51e寄りに配置されている。各第1駆動用連絡部73Aは、縦方向Yにおいてコンデンサ30Aよりも第2駆動用導電部62(第2端子用導電部67)側に配置されている。
【0069】
複数(本実施形態では2個)の第1駆動用連絡部73Bは、第1駆動用導電部61Bと第1端子用導電部66Bとを接続している。複数の第1駆動用連絡部73Bは、縦方向Yにおいて、複数の第1駆動用連絡部73Aと揃うように縦方向Yに間隔をあけて配列されている。各第1駆動用連絡部73Bは、横方向Xにおいて第1駆動用導電部61B及び第1端子用導電部66Bのうちの第4基材側面51f寄りに配置されている。各第1駆動用連絡部73Bは、縦方向Yにおいてコンデンサ30Bよりも制御用導電部65(制御端子用導電部70)側に配置されている。なお、第1駆動用連絡部73A,73Bの個数は上記個数に限られず、任意に変更可能である。
【0070】
図2図3、及び図6に示すように、第4駆動用連絡部76Aは、第4駆動用導電部64Aと第4駆動用連絡部76Aとを接続している。縦方向Yからみて、第4駆動用連絡部76Aは、コンデンサ30Aと重なる位置に設けられている。第4駆動用連絡部76Aは、縦方向Yにおいて第4駆動用導電部64Aのうちのコンデンサ30Aよりも第1基材側面51c側に位置している。
【0071】
第4駆動用連絡部76Bは、第4駆動用導電部64Bと第4駆動用連絡部76Bとを接続している。縦方向Yからみて、第4駆動用連絡部76Aは、コンデンサ30Bと重なる位置に設けられている。第4駆動用連絡部76Bは、縦方向Yにおいて第4駆動用導電部64Bのうちのコンデンサ30Bよりも第1基材側面51c側に位置している。なお、第4駆動用連絡部76A,76Bはそれぞれ複数個設けられてもよい。
【0072】
図2図3、及び図8に示すように、複数(本実施形態では3個)の第2駆動用連絡部74はそれぞれ、第2駆動用導電部62と第2端子用導電部67とを接続している。複数の第2駆動用連絡部74は、横方向Xに間隔をあけて配列されている。3個の第2駆動用連絡部74のうちの最も第3基材側面51e寄りの第2駆動用連絡部74と第2駆動用導電部62のうちの第3基材側面51e寄りの端縁との横方向Xの間の距離Dx2は、3個の第2駆動用連絡部74のうちの最も第4基材側面51f寄りの第2駆動用連絡部74と第2駆動用導電部62のうちの第4基材側面51f寄りの端縁との横方向Xの間の距離Dx1よりも大きい。なお、第2駆動用連絡部74の個数は、上記個数に限られず、任意に変更可能である。
【0073】
複数(本実施形態では3個)の制御用連絡部77はそれぞれ、制御用導電部65と制御端子用導電部70とを接続している。複数の制御用連絡部77は、横方向Xに間隔をあけて配列されている。3個の制御用連絡部77のうちの最も第4基材側面51f寄りの制御用連絡部77と制御用導電部65のうちの第4基材側面51f寄りの端縁との横方向Xの間の距離Dx4は、3個の制御用連絡部77のうちの最も第3基材側面51e寄りの制御用連絡部77と制御用導電部65のうちの第3基材側面51e寄りの端縁との横方向Xの間の距離Dx3よりも大きい。なお、制御用連絡部77の個数は、上記個数に限られず、任意に変更可能である。
【0074】
次に、半導体レーザ素子10、スイッチング素子20、コンデンサ30A,30Bと導電部60との接続構造について説明する。
コンデンサ30Aは、第1駆動用導電部61Aと第4駆動用導電部64Aとに接続されている。コンデンサ30Aは、第1駆動用導電部61Aと第4駆動用導電部64Aとの縦方向Yの隙間を跨ぐように配置されている。本実施形態では、コンデンサ30Aは、第1端子31と第2端子32とが縦方向Yに沿って配列されるように配置されている。コンデンサ30Aの第1端子31は、第1駆動用導電部61AにAgペースト又は半田等の導電性接合材によって接合されている。コンデンサ30Aの第2端子32は、第4駆動用導電部64Aに導電性接合材によって接合されている。第2端子32は、縦方向Yにおいて第4駆動用導電部64Aのうちの第4駆動用連絡部76Aよりも第1駆動用導電部61Aに近い部分に配置されている。
【0075】
コンデンサ30Bは、第1駆動用導電部61Bと第4駆動用導電部64Bとに接続されている。コンデンサ30Bは、第1駆動用導電部61Bと第4駆動用導電部64Bとの縦方向Yの隙間を跨ぐように配置されている。本実施形態では、コンデンサ30Bは、第1端子31と第2端子32とが縦方向Yに沿って配列されるように配置されている。コンデンサ30Bの第1端子31は、第1駆動用導電部61Bに導電性接合材によって接合されている。コンデンサ30Bの第2端子32は、第4駆動用導電部64Bに導電性接合材によって接合されている。第2端子32は、縦方向Yにおいて第4駆動用導電部64Bのうちの第4駆動用連絡部76Bよりも第1駆動用導電部61Bに近い部分に配置されている。
【0076】
図2及び図4に示すように、半導体レーザ素子10は、第3駆動用導電部63にAg(銀)ペースト又は半田等の導電性接合材によって接合されている。具体的には、半導体レーザ素子10は、第3駆動用導電部63の半導体レーザ素子実装部63bのうちの中間連絡部75cよりも第1基材側面51cの近くに配置されている。横方向Xからみて、半導体レーザ素子10は、第4駆動用導電部64A,64Bと重なっており、さらにコンデンサ30A,30Bの第2端子32と重なっている。半導体レーザ素子10は、カソード電極12が厚さ方向Zにおいて第3駆動用導電部63側に向くように配置されている。そして半導体レーザ素子10のカソード電極12は、導電性接合材によって第3駆動用導電部63に接合されている。
【0077】
スイッチング素子20は、第3駆動用導電部63にAgペースト又は半田等の導電性接合材によって接合されている。具体的には、半導体レーザ素子10は、第3駆動用導電部63のスイッチング素子実装部63aのうちの中間連絡部75cよりも第2基材側面51dの近くに実装されている。横方向Xからみて、スイッチング素子20は、第1駆動用導電部61A,61Bと重なっており、さらにコンデンサ30A,30Bの第1端子31と重なっている。スイッチング素子20は、ドレイン電極21が厚さ方向Zにおいて第3駆動用導電部63側に向くように配置されている。そしてドレイン電極21は、導電性接合材によって第3駆動用導電部63に接合されている。このように、第3駆動用導電部63を介してドレイン電極21と半導体レーザ素子10のカソード電極12とが電気的に接続されている。
【0078】
図2に示すとおり、半導体レーザ素子10のアノード電極11と、スイッチング素子20のソース電極22及びゲート電極23とはそれぞれ、厚さ方向Zにおいて支持基板50側とは反対側を向いている。これらアノード電極11、ソース電極22、及びゲート電極23は、接続部材80を介して第1駆動用導電部61A,61B、第2駆動用導電部62、第4駆動用導電部64A,64B、及び制御用導電部65に電気的に接続されている。
【0079】
接続部材80は、第1駆動用接続部材81,82、第2駆動用接続部材83、制御用接続部材84、及びレーザ用接続部材85,86を含む。接続部材80は、例えばAu(金)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)等の金属からなるワイヤである。本実施形態では、接続部材80はワイヤボンディングによって形成される。
【0080】
第1駆動用接続部材81は、ソース電極22と第1駆動用導電部61Aとを接続している。第1駆動用接続部材81の本数は特に限定されないが、本実施形態では、3本である。3本の第1駆動用接続部材81は、縦方向Yに間隔をあけて配列されている。第1駆動用接続部材81は、第1端部81a及び第2端部81bを有する。第1端部81aは、ソース電極22に接合されている。第2端部81bは、第1駆動用導電部61Aに接合されている。3本の第1駆動用接続部材81の第1端部81aはそれぞれ、縦方向Yにおいてソース電極22のうちのゲート電極23よりも半導体レーザ素子10の近く、かつ横方向Xにおいてゲート電極23よりも第1駆動用導電部61Aの近くに配置されている。3本の第1駆動用接続部材81の第2端部81bはそれぞれ、縦方向Yにおいて第1駆動用導電部61Aのうちのコンデンサ30Aよりも制御用導電部65の近く、かつ横方向Xにおいて第1駆動用連絡部73Aよりもスイッチング素子20の近くに配置されている。縦方向Yからみて、第2端部81bは、コンデンサ30Aの横方向Xの中央部よりもスイッチング素子20に近い部分と重なるように配置されている。
【0081】
第1駆動用接続部材82は、ソース電極22と第1駆動用導電部61Bとを接続している。第1駆動用接続部材82の本数は特に限定されないが、本実施形態では、3本である。すなわち、第1駆動用接続部材82の本数は、第1駆動用接続部材81の本数と等しい。3本の第1駆動用接続部材82は、縦方向Yに間隔をあけて配列されている。第1駆動用接続部材82は、第1端部82a及び第2端部82bを有する。第1端部82aは、ソース電極22に接合されている。第2端部82bは、第1駆動用導電部61Bに接合されている。3本の第1駆動用接続部材82の第1端部82aはそれぞれ、縦方向Yにおいてソース電極22のうちのゲート電極23よりも半導体レーザ素子10の近く、かつ横方向Xにおいてゲート電極23よりも第1駆動用導電部61Bの近くに配置されている。3本の第1駆動用接続部材82の第2端部82bはそれぞれ、縦方向Yにおいて第1駆動用導電部61Bのうちのコンデンサ30Bよりも第2駆動用導電部62の近く、かつ横方向Xにおいて第1駆動用連絡部73Bよりもスイッチング素子20の近くに配置されている。縦方向Yからみて、第2端部82bは、コンデンサ30Bの横方向Xの中央部よりもスイッチング素子20に近い部分と重なるように配置されている。
【0082】
第2駆動用接続部材83は、ソース電極22と第2駆動用導電部62とを接続している。第2駆動用接続部材83の本数は特に限定されないが、本実施形態では、1本である。第2駆動用接続部材83は、3本の第1駆動用接続部材81よりも第2基材側面51d側に配置されている。第2駆動用接続部材83は、第1端部83a及び第2端部83bを有する。第1端部83aは、ソース電極22に接合されている。第2端部83bは、第2駆動用導電部62に接合されている。第1端部83aは、ソース電極22のうちの縦方向Yの第2駆動用導電部62寄りの端部に配置されている。第2端部83bは、第2駆動用導電部62のうちの縦方向Yのスイッチング素子20寄りの端部、かつ縦方向Yからみて、第2駆動用導電部62のうちのソース電極22と重なっている部分に配置されている。本実施形態では、第2端部83bは、第2駆動用導電部62のうちの3個の第2駆動用連絡部74よりも制御用導電部65に近い部分に配置されている。
【0083】
制御用接続部材84は、ゲート電極23と制御用導電部65とを接続している。制御用接続部材84の本数は特に限定されないが、本実施形態では、1本である。制御用接続部材84は、第1端部84a及び第2端部84bを有する。第1端部84aは、ゲート電極23に接合されている。第2端部84bは、制御用導電部65のうちの横方向Xの第2駆動用導電部62寄りの端部に配置されている。本実施形態では、第2端部84bは、制御用導電部65のうちの3個の制御用連絡部77よりも第2駆動用導電部62に近い部分に配置されている。
【0084】
レーザ用接続部材85は、半導体レーザ素子10のアノード電極11と第4駆動用導電部64Aとを接続している。レーザ用接続部材85の本数は特に限定されないが、本実施形態では、2本である。2本のレーザ用接続部材85は、縦方向Yに間隔をあけて配列されている。各レーザ用接続部材85は、第1端部85a及び第2端部85bを有する。第1端部85aは、アノード電極11に接続されている。詳細には、第1端部85aは、アノード電極11の横方向Xの中央部に配置されている。第2端部85bは、第4駆動用導電部64Aに接続されている。詳細には、第2端部85bは、横方向Xにおいて第4駆動用導電部64Aのうちの第4駆動用導電部64Aの横方向Xの中央部よりも半導体レーザ素子10に近い部分に配置されている。
【0085】
レーザ用接続部材86は、アノード電極11と第4駆動用導電部64Bとを接続している。レーザ用接続部材86の本数は特に限定されないが、本実施形態では、2本である。2本のレーザ用接続部材86は、縦方向Yに間隔をあけて配列されている。各レーザ用接続部材86は、第1端部86a及び第2端部86bを有する。第1端部86aは、アノード電極11に接続されている。詳細には、第1端部86aは、アノード電極11の横方向Xの中央部に配置されている。平面視において、レーザ用接続部材85の第1端部85aとレーザ用接続部材86の第1端部86aとが縦方向Yにおいて交互に配列されている。第2端部86bは、第4駆動用導電部64Bに接続されている。詳細には、第2端部86bは、横方向Xにおいて第4駆動用導電部64Bのうちの第4駆動用導電部64Bの横方向Xの中央部よりも半導体レーザ素子10に近い部分に配置されている。
【0086】
図4図8に示すように、封止部材90は、厚さ方向Zにおいて支持基板50の基材51の基材主面51aに積層されている。封止部材90は、半導体レーザ素子10のパルスレーザ光を透過するとともに、主面側導電部60A、半導体レーザ素子10、スイッチング素子20、コンデンサ30、及び接続部材80をそれぞれ封止している。すなわち、封止部材90は、半導体レーザ素子10のパルスレーザ光が出力される部分は透明又は半透明となるように構成されている。封止部材90においてパルスレーザ光が出力される部分以外の部分は、透明又は半透明でなくてもよい。このように、封止部材90は、透明又は半透明な部分と、光が透過しない部分との2種類の部材構成であってもよい。本実施形態では、全体が透明又は半透明になるように構成されている。封止部材90を構成する材料は、例えば、透明なエポキシ樹脂やシリコーン樹脂からなる。
【0087】
封止部材90は、封止主面91、第1封止側面92、第2封止側面93、第3封止側面94、及び第4封止側面95を有する。封止主面91は、厚さ方向Zにおいて封止部材90のうちの支持基板50とは反対側を向く面である。すなわち封止主面91は、スイッチング素子20の素子主面24aと同じ方向を向く面である。各封止側面92~95は、封止主面91と支持基板50との厚さ方向Zの間に形成される面であり、封止主面91と交差する方向に延びる面である。第1封止側面92及び第2封止側面93は、縦方向Yにおいて互いに反対側を向く面である。第1封止側面92は、縦方向Yにおいて基材51の第1基材側面51cと同じ方向を向く面である。第2封止側面93は、縦方向Yにおいて基材51の第2基材側面51dと同じ方向を向く面である。第3封止側面94及び第4封止側面95は、横方向Xにおいて互いに反対側を向く面である。第3封止側面94は、横方向Xにおいて基材51の第3基材側面51eと同じ方向を向く面である。第4封止側面95は、横方向Xにおいて基材の第4基材側面51fと同じ方向を向く面である。本実施形態では、半導体レーザ素子10からのレーザ光Lは、封止部材90の第1封止側面92から出射される。また本実施形態では、封止部材90の第1封止側面92は、平坦かつ平滑な面である。これにより、レーザ光Lの散乱を抑制でき、レーザ光の出射効率を高めることができる。
【0088】
次に、半導体レーザ素子10の詳細な構成の一例について説明する。
図9及び図10に示すように、半導体レーザ素子10は、基板13と、基板13に厚さ方向Zに積層されたメサ型の半導体発光層14とを備える。半導体発光層14は、発光部に相当する。
【0089】
基板13は、GaAs(ヒ化ガリウム)を含むn型の半導体基板からなる。n型不純物としては、Si(シリコン)、Te(テルル)、及びSe(セレン)の少なくとも1種を含む。
【0090】
半導体発光層14は、レーザ光Lを生成する。半導体発光層14は、0.7μm以上2.5μm以下のピーク波長を有するレーザ光Lを生成する。つまり、半導体発光層14は、近赤外領域のレーザ光Lを生成する。好ましくは、半導体発光層14は、800nm以上1000nm以下のピーク波長を有するレーザ光Lを生成する。つまり、半導体発光層14は、赤外領域のレーザ光Lを生成する。半導体発光層14は、n型バッファ層14a、第1発光ユニット層14b、第1トンネル接合層14c、第2発光ユニット層14d、第2トンネル接合層14e、第3発光ユニット層14f、及びp型コンタクト層14gを含むメサ構造15を有する。
【0091】
n型バッファ層14aは、基板13上に積層されている。n型バッファ層14aは、GaAsを含む。n型バッファ層14aは、n型不純物としてのSi、Te、及びSeの少なくとも1種を含む。n型バッファ層14aのn型不純物濃度は、例えば1×1018cm-3以上1×1019cm-3以下である。
【0092】
各発光ユニット層14b,14d,14fは、正孔及び電子の結合によってレーザ光Lを生成する。第1発光ユニット層14b、第2発光ユニット層14d、及び第3発光ユニット層14fは、この順にn型バッファ層14a上に積層されている。図10の白抜き矢印で示すように、各発光ユニット層14b,14d,14fからは、横方向Xに沿ってレーザ光が出射される。
【0093】
積層方向に隣り合う発光ユニットの間には、第1トンネル接合層14c及び第2トンネル接合層14eが介在している。具体的には、第1トンネル接合層14cは第1発光ユニット層14bと第2発光ユニット層14dとの間に介在し、第2トンネル接合層14eは第2発光ユニット層14dと第3発光ユニット層14fとの間に介在している。各トンネル接合層14c,14eは、トンネル効果に起因するトンネル電流を生成し、そのトンネル電流は各発光ユニット層14b,14d,14fに流れる。
【0094】
p型コンタクト層14gは、第3発光ユニット層14f上に形成されている。p型コンタクト層14gは、GaAsを含む。p型コンタクト層14gは、p型不純物として、C(炭素)を含む。
【0095】
半導体発光層14は、絶縁層16によって被覆されている。絶縁層16は、膜状に形成されている。絶縁層16は、Si(窒化シリコン)又はSi0、SiO等の酸化シリコンを含んでいてもよい。本実施形態では、絶縁層16は、窒化シリコンを含む。絶縁層16においてメサ構造15の頂部を覆う部分には、半導体発光層14を露出するコンタクト開口部16aが形成されている。コンタクト開口部16aには、コンタクト電極17が形成されている。コンタクト電極17は、半導体発光層14と電気的に接続されている。コンタクト電極17は、コンタクト開口部16aから絶縁層16上に引き出されている。コンタクト電極17上には、アノード電極11(図4及び図6参照)が形成されている。なお、基板13の厚さ方向において、基板13に対してメサ構造とは反対側の基板裏面にはカソード電極12(図4及び図6参照)が形成されている。
【0096】
(作用)
次に、本実施形態の半導体レーザ装置1Aの作用について説明する。
図11は、比較例の半導体レーザ装置1Xをレーザシステム100に適用した場合の模式的な回路図を示している。比較例の半導体レーザ装置1Xは、本実施形態の半導体レーザ装置1Aと比較知れ、回路上、ドライバ回路140の入力電極142が電源110の負極、及びコンデンサ30に接続されている点が異なる。
【0097】
図12は、比較例の半導体レーザ装置1Xが適用されたレーザシステム100を駆動した場合の半導体レーザ素子10に流れる電流の推移と、スイッチング素子20のゲート電極23に印加される電圧の推移とを示したグラフである。図13は、比較例の半導体レーザ装置1Xが適用されたレーザシステム100を駆動した場合の第1駆動用接続部材81,82に印加される電圧の推移を示したグラフである。
【0098】
図11に示すように、比較例の半導体レーザ装置1Xが適用されたレーザシステム100の電源110から半導体レーザ装置1Xに電力を供給する場合、スイッチング素子20がオフ状態の場合にコンデンサ30に蓄電され、スイッチング素子20がオン状態の場合にコンデンサ30に蓄電された電荷が半導体レーザ素子10及びスイッチング素子20に流れる。ここで、例えばパルス幅が10nsとなる短いパルス幅でレーザ光を出射する場合、半導体レーザ素子10に流れる電流の立ち上りが急峻となる。このため、半導体レーザ装置1Xの寄生インダクタンスに大きな起電圧が発生する。これにより、スイッチング素子20にも大きなパルス電流が流れ、ソース電極22とコンデンサ30(30A,30B)の第1端子31との間のインダクタンス、すなわち第1駆動用接続部材81,82に起因する寄生インダクタンスに起電圧VLsが発生する。この場合、ドライバ回路140の入力電極142と出力電極141との間の電圧Vgでスイッチング素子20のゲート電極23を印加しようとしても、起電圧VLsによって、実際のゲート電極23に印加される電圧Vgs(制御電圧)は、Vg-VLsの電圧となってしまう。このような電圧Vgsの低下によってスイッチング素子20のオン抵抗が十分に下がらない状態でコンデンサ30の電荷が半導体レーザ素子10及びスイッチング素子20に流れるため、半導体レーザ素子10に流れる電流ILDが小さくなる。すなわち、図12及び図13に示すように、時刻t1から時刻t2までの間において電圧Vgsが立ち上がるときにゲート電流が流れることで起電圧VLsが発生し、時刻t2から時刻t3までの間においてゲート電流が安定する領域で起電圧VLsが一旦降下する。そして時刻t3から時刻t4までの急峻な電流ILDが立ち上がるときに起電圧VLsが大きく上昇し、これによって、時刻t3から時刻t4までの間において電圧Vgsが大きく低下してしまう。その結果、電流ILDのピーク値が大きくならない。
【0099】
この点に鑑み、本実施形態では、図14に示すように、レーザシステム100に半導体レーザ装置1Aを適用する場合、電源110の正極111が第4端子用導電部69A及び第4駆動用連絡部76A(ともに図3参照)を介して第4駆動用導電部64Aに接続され、電源110の負極112が第1端子用導電部66A及び第1駆動用連絡部73A(ともに図3参照)を介して第1駆動用導電部61Aに接続されている。またドライバ回路140の出力電極141が制御端子用導電部70及び制御用連絡部77(ともに図3参照)を介して制御用導電部65に接続され、入力電極142が第2端子用導電部67及び第2駆動用連絡部74(ともに図3参照)を介して第2駆動用導電部62に接続されている。このような接続構成によれば、図15に示すように、電源110から半導体レーザ装置1Aに電力を供給する場合、スイッチング素子20がオフ状態の場合にコンデンサ30A,30Bに蓄電され、スイッチング素子20がオン状態の場合にコンデンサ30A,30Bに蓄電された電荷が半導体レーザ素子10及びスイッチング素子20に流れる。より詳細には、コンデンサ30Aに蓄電された電荷に基づく電流が半導体レーザ素子10及びスイッチング素子20に流れる第1駆動用ループと、コンデンサ30Bに蓄電された電荷に基づく電流が半導体レーザ素子10及びスイッチング素子20に流れる第2駆動用ループとが個別に形成される。具体的には、第1駆動用ループでは、コンデンサ30Aの第2端子32、第4駆動用導電部64A、レーザ用接続部材85、半導体レーザ素子10のアノード電極11、カソード電極12、第3駆動用導電部63、スイッチング素子20のドレイン電極21、ソース電極22、第1駆動用接続部材81、及びコンデンサ30Aの第1端子31の順に電流が流れる。第2駆動用ループでは、コンデンサ30Aの第2端子32、第4駆動用導電部64B、レーザ用接続部材86、半導体レーザ素子10のアノード電極11、カソード電極12、第3駆動用導電部63、スイッチング素子20のドレイン電極21、ソース電極22、第1駆動用接続部材82、及びコンデンサ30Bの第1端子31の順に電流が流れる。そして、スイッチング素子20のソース電極22から第1駆動用導電部61Aを介して電源110の負極に電流が流れる。
【0100】
一方、ドライバ回路140の入力電極142と出力電極141との間に電圧Vgが生じることによってスイッチング素子20のゲート電極23にゲート・ソース間電圧である電圧Vgsが印加される。具体的には、ドライバ回路140とスイッチング素子20との間には、ドライバ回路140の出力電極141、制御端子用導電部70、制御用連絡部77、制御用導電部65、制御用接続部材84、ゲート電極23、ソース電極22、第2駆動用接続部材83、第2駆動用導電部62、第2駆動用連絡部74、第2端子用導電部67、及び入力電極142の順に電流が流れる制御ループが形成される。このように、第1駆動用ループ及び第2駆動用ループとは独立して、入力電極142とソース電極22とが電気的に接続されるため、ゲート電極23に印加される電圧Vgsは、入力電極142に繋がるソース電極22の電位に基づいて生成される。
【0101】
このように、電源110と半導体レーザ素子10及びスイッチング素子20との間の電流の第1駆動用ループ及び第2駆動用ループと、ドライバ回路140とスイッチング素子20との間の電流の制御用ループとが個別に形成されるため、ドライバ回路140の入力電極142に印加される電圧Vg及びゲート電極23に印加される電圧Vgsがそれぞれ、第1駆動用ループ及び第2駆動用ループによる影響を受け難くなる。すなわち、第2駆動用接続部材83が入力電極142とソース電極22とを電気的に接続するため、ドライバ回路140が第1駆動用接続部材81,82に起因する寄生インダクタンスLsによる起電圧VLsの影響を受け難くなる。
【0102】
このため、図15に示すように、電圧Vgsは、比較例の半導体レーザ装置1Xの電圧Vgsよりも速やかに立ち上がるとともに起電圧VLsによる電圧低下も殆ど生じていない。このため、本実施形態の半導体レーザ素子10に流れる電流ILDのピーク値は、比較例の半導体レーザ装置1Xの半導体レーザ素子10に流れる電流ILDのピーク値よりも大きくなる。また、電流ILDの立ち上りも急峻になる。加えて、本実施形態では、電圧Vgsが速やかに立ち上り、電圧Vgsの大きな低下もないため、本実施形態の電流ILDのパルス幅PWは、比較例の半導体レーザ装置1Xの電流ILDのパルス幅PWよりも小さくなる。
【0103】
(効果)
本実施形態の半導体レーザ装置1Aによれば、以下の効果が得られる。
(1-1)半導体レーザ装置1Aは、スイッチング素子20のソース電極22と第1駆動用導電部61A,61Bとを接続する第1駆動用接続部材81,82と、ソース電極22と第2駆動用導電部62とを接続する第2駆動用接続部材83とを備える。この構成によれば、スイッチング素子20のソース電極22から第1駆動用接続部材81,82を介して第1駆動用導電部61A,61Bに流れる電流の第1経路である第1駆動用ループ及び第2駆動用ループと、ソース電極22から第2駆動用接続部材83を介して第2駆動用導電部62に流れる電流の第2経路である制御用ループとが個別に形成される。したがって、第1駆動用ループ及び第2駆動用ループの電流の変動が制御用ループに影響を及ぼすことが低減される。すなわち、制御用ループにおいて、第1駆動用接続部材81,82のインダクタンスの影響を受け難くなる。したがって、制御用ループにおいて、第1駆動用接続部材81,82のインダクタンスに起因する逆起電圧(起電圧VLs)が、スイッチング素子20のゲート電極23に印加される電圧Vgsに及ぼす影響を低減できる。
【0104】
(1-2)縦方向Yにおいて、第2駆動用導電部62は、スイッチング素子20に対して半導体レーザ素子10とは反対側に配置されている。この構成によれば、制御用ループを第1駆動用ループ及び第2駆動用ループから遠い位置に形成することができる。したがって、制御用ループが第1駆動用ループ及び第2駆動用ループから影響をより受け難くなる。
【0105】
(1-3)半導体レーザ装置1Aは、コンデンサ30A,30Bを備える。この構成によれば、1個のコンデンサと比較して、コンデンサ30A,30Bを並列に接続することでコンデンサ30A,30Bの寄生インダクタンスによる影響を低減することができ、よりピークが大きくパルス幅の小さい電流を半導体レーザ素子10に流すことができる。このため、出力の高い半導体レーザ素子10を適用できる。
【0106】
(1-4)コンデンサ30A,30Bが縦方向Yにおいてスイッチング素子20に対して半導体レーザ素子10寄りに配置されている。この構成によれば、第1駆動用ループ及び第2駆動用ループを制御用ループから遠い位置に形成することができる。したがって、制御用ループが第1駆動用ループ及び第2駆動用ループから影響をより受け難くなる。加えて、第1駆動用ループ及び第2駆動用ループにおける電流経路の長さが短くなるため、半導体レーザ装置1Aのインダクタンスを低減できる。
【0107】
(1-5)コンデンサ30A,30Bがスイッチング素子20の横方向Xの両側に配置され、第1駆動用導電部61A,61Bがスイッチング素子20の横方向Xの両側に配置されている。第1駆動用接続部材81がスイッチング素子20のソース電極22と第1駆動用導電部61Aとを接続し、第1駆動用接続部材82がソース電極22と第1駆動用導電部61Bとを接続している。この構成によれば、電流の経路として、駆動用ループとして第1駆動用ループ及び第2駆動用ループの2つの駆動用ループが形成される。したがって、1つの駆動用ループと比較して、第1駆動用ループ及び第2駆動用ループの長さが短くなるとともに、第1駆動用ループと第2駆動用ループとの電流のバランスを取ることができる。
【0108】
(1-6)半導体レーザ装置1Aは、スイッチング素子20のドレイン電極21と半導体レーザ素子10のカソード電極12とを接続する第3駆動用導電部63を備える。この構成によれば、第3駆動用導電部63によってドレイン電極21とカソード電極12とを最短距離で接続できるとともに、ワイヤと比較して第3駆動用導電部63の断面積を大きく取ることができる。したがって、カソード電極12とドレイン電極21との間のインダクタンスを低減できる。
【0109】
(1-7)横方向Xにおいて制御用導電部65と第2駆動用導電部62とは隣り合っている。この構成によれば、制御用ループを構成する電流経路を小さくすることができるため、制御用ループにおけるインダクタンスを低減できる。
【0110】
また、第2駆動用導電部62は、複数の第1駆動用接続部材82のうちのコンデンサ30A,30Bに最も近い第1駆動用接続部材82よりも制御用導電部65の近くとなるように配置されている。この構成によれば、制御用ループが第2駆動用ループの影響を受け難くなる。
【0111】
(1-8)第1駆動用接続部材81,82はそれぞれ、複数本のワイヤからなる。この構成によれば、第1駆動用導電部61Aとスイッチング素子20のソース電極22との間のインダクタンス、及び第1駆動用導電部61Bとソース電極22との間のインダクタンスをそれぞれ低減できる。
【0112】
(1-9)第1駆動用接続部材81,82の線径と第2駆動用接続部材83の線径とは互いに等しい。この構成によれば、第1駆動用接続部材81,82及び第2駆動用接続部材83をそれぞれワイヤボンディングによって形成する場合、線材を変更しなくてもよくなる。したがって、第1駆動用接続部材81,82及び第2駆動用接続部材83を形成する工程を簡素化できる。
【0113】
(1-10)第1駆動用接続部材81,82の線径、第2駆動用接続部材83の線径、及びレーザ用接続部材85,86の線径は互いに等しい。この構成によれば、各駆動用接続部材81~83及びレーザ用接続部材85,86をそれぞれワイヤボンディングによって形成する場合、線材を変更しなくてもよくなる。したがって、各駆動用接続部材81~83及びレーザ用接続部材85,86を形成する工程を簡素化できる。
【0114】
(1-11)第1駆動用接続部材81,82の線径、第2駆動用接続部材83の線径、制御用接続部材84の線径、及びレーザ用接続部材85,86の線径は互いに等しい。この構成によれば、各接続部材81~86をそれぞれワイヤボンディングによって形成する場合、線材を変更しなくてもよくなる。したがって、各接続部材81~86を形成する工程を簡素化できる。
【0115】
(1-12)第4駆動用導電部64A,64Bにおける半導体レーザ素子10寄りの端部は、平面視において半導体レーザ素子10に近接している。レーザ用接続部材85は第4駆動用導電部64Aにおける半導体レーザ素子10寄りの端部に接合され、レーザ用接続部材86は第4駆動用導電部64Bにおける半導体レーザ素子10寄りの端部に接合されている。この構成によれば、レーザ用接続部材85,86の長さを短くすることができるため、レーザ用接続部材85,86に起因するインダクタンスを低減できる。
【0116】
(1-13)支持基板50の基材51の基材裏面51bの隣り合う裏面側導電部60Bの間の隙間が、基材主面51aの隣り合う主面側導電部60Aの間の隙間よりも大きい。これにより、配線基板に実装したときに半田等の導電性接合部材が隣り合う裏面側導電部60Bを繋ぐように形成されることが抑制される。このため、短絡が生じ難くなる。
【0117】
また換言すると、基材主面51aの隣り合う主面側導電部60Aの間の隙間が基材裏面51bの隣り合う裏面側導電部60Bの間の隙間よりも小さい。これにより、スイッチング素子20と第1駆動用導電部61A,61Bとを接続する第1駆動用接続部材81,82の長さを短くできる。また、スイッチング素子20と第2駆動用導電部62とを接続する第1駆動用接続部材82の長さを短くできる。また、スイッチング素子20と制御用導電部65とを接続する制御用接続部材84の長さを短くできる。また、半導体レーザ素子10と第4駆動用導電部64A,64Bとを接続するレーザ用接続部材85,86の長さを短くできる。したがって、各接続部材81~86に起因するインダクタンスを低減できる。加えて、制御用接続部材84の長さが短くなることによって、ドライバ回路140からの信号にノイズが発生し難くなる。
【0118】
(1-14)半導体レーザ素子10は、基材51の横方向Xの中央部に配置されている。この構成によれば、半導体レーザ素子10の支持基板50に対する横方向Xの偏りがなくなるため、配線基板の配線パターンを半導体レーザ素子10の上記偏りを考慮せずに設計できる。したがって、半導体レーザ装置1Aの使い勝手がよくなる。
【0119】
(1-15)半導体レーザ素子10は、10ns以下のパルス幅のレーザ光を出射可能である。この構成によれば、半導体レーザ装置1Aが用いられた2次元又は3次元距離計測の精度を高めることができる。
【0120】
一方、このような半導体レーザ素子10では、パルス幅が短いため、半導体レーザ素子10に流れる電流ILDの時間的な変化が急峻になり易い。すなわち、スイッチング素子20のゲート電極23に印加される電圧Vgに対するコンデンサ30A,30Bの第1端子31とスイッチング素子20のソース電極22との間のインダクタンスLsの影響が大きくなる。しかし、本実施形態では、上述のように、第1駆動用ループ及び第2駆動用ループと制御用ループとが個別に形成されることにより、電圧Vgに対するインダクタンスLsの影響が低減されるため、半導体レーザ素子10に流れる電流ILDを大きくすることができる。
【0121】
[第1実施形態の変更例]
第1実施形態の半導体レーザ装置1Aは例えば以下のように変更できる。以下の各変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、組み合せることができる。なお、以下の変更例において、第1実施形態と共通する部分については、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0122】
・第1実施形態では、半導体レーザ装置1Aは、1個の半導体レーザ素子10を備える構成であったが、半導体レーザ素子10の個数は特に限定されず、任意に変更可能である。すなわち、半導体レーザ装置1Aは、複数の半導体レーザ素子10を備えてもよい。一例では、図17に示すように、半導体レーザ装置1Aは、2個の半導体レーザ素子10A,10Bを備える。
【0123】
図17に示すとおり、平面視における第3駆動用導電部63及び第4駆動用導電部64A,64Bの形状がそれぞれ、第1実施形態の第3駆動用導電部63及び第4駆動用導電部64A,64Bと異なる。具体的には、半導体レーザ素子10A,10Bを載置するため、第3駆動用導電部63の半導体レーザ素子実装部63bの横方向Xの大きさを大きくしている。一方、半導体レーザ素子実装部63bの横方向Xの大きさを大きくすることに伴い、第4駆動用導電部64A,64Bの横方向Xの大きさを小さくしている。これにより、半導体レーザ素子10A,10Bを備える半導体レーザ装置1Aの大型化を抑制できる。
【0124】
半導体レーザ素子10A,10Bはそれぞれ、半導体レーザ素子実装部63bに導電性接合材によって実装されている。半導体レーザ素子10A,10Bは、縦方向Yにおいて互いに揃った状態で横方向Xに間隔をあけて配列されている。半導体レーザ素子10A,10Bはそれぞれ、カソード電極12(図17では図示略)が半導体レーザ素子実装部63bに対面するように配置されている。このため、半導体レーザ素子10A,10Bのカソード電極12は、半導体レーザ素子実装部63bに電気的に接続されている。すなわち、半導体レーザ素子10Aのカソード電極12と半導体レーザ素子10Bのカソード電極12とが電気的に接続されている。
【0125】
半導体レーザ素子10Aは、横方向Xにおいて半導体レーザ素子実装部63bのうちの第4駆動用導電部64A側に配置されている。半導体レーザ素子10Aのアノード電極11と第4駆動用導電部64Aとは、4本のレーザ用接続部材85によって電気的に接続されている。4本のレーザ用接続部材85は、縦方向Yに間隔をあけて配列されている。
【0126】
半導体レーザ素子10Bは、横方向Xにおいて半導体レーザ素子実装部63bのうちの第4駆動用導電部64B側に配置されている。半導体レーザ素子10Bのアノード電極11と第4駆動用導電部64Bとは、4本のレーザ用接続部材86によって電気的に接続されている。4本のレーザ用接続部材86は、縦方向Yに間隔をあけて配列されている。
【0127】
図18に示すように、厚さ方向Zからみた裏面側導電部60Bの形状、すなわち厚さ方向Zからみた各端子用導電部66A,66B、67,68,69A,69B,70の形状は、第1実施形態の厚さ方向Zからみた各端子用導電部66A,66B、67,68,69A,69B,70の形状と同じである。
【0128】
一方、連絡部60Cとして第3駆動用連絡部75の個数及び配置態様が第1実施形態の第3駆動用連絡部75と異なる。具体的には、スイッチング素子側連絡部75aの個数が第1実施形態のスイッチング素子側連絡部75aの個数よりも少ない。図18では、スイッチング素子側連絡部75aは、厚さ方向Zにおいてスイッチング素子20と重なる位置に4個設けられている。半導体レーザ素子側連絡部75bの個数が第1実施形態の半導体レーザ素子側連絡部75bの個数よりも多い。図18では、半導体レーザ素子側連絡部75bは、厚さ方向Zにおいて半導体レーザ素子10Aと重なる位置、及び厚さ方向Zにおいて半導体レーザ素子10Bと重なる位置にそれぞれ設けられている。
【0129】
このように、図17及び図18に示すような複数の半導体レーザ素子10を備える半導体レーザ装置1Aによれば、半導体レーザ装置1Aから出射されるレーザ光の強度が高くなる。
【0130】
図17の変更例において、図19に示すように、半導体レーザ素子10Aのアノード電極11と半導体レーザ素子10Bのアノード電極11とを接続する素子接続部材87を追加してもよい。素子接続部材87は、例えばAu(金)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)等の金属からなるワイヤである。素子接続部材87はワイヤボンディングによって形成される。素子接続部材87の本数は、特に限定されないが、図19では1本である。素子接続部材87の線径は、特に限定されないが、例えばレーザ用接続部材85,86の線径と等しい。ここで、素子接続部材87の線径とレーザ用接続部材85,86の線径との差が例えばレーザ用接続部材85,86の線径の5%以内であれば、素子接続部材87の線径がレーザ用接続部材85,86の線径と等しいと言える。なお、図19に示す半導体レーザ装置1Aの裏面側導電部60Bの構成及び形状は、図18に示す変更例の半導体レーザ装置1Aの裏面側導電部60Bと同じである。
【0131】
図19に示す半導体レーザ装置1Aによれば、素子接続部材87によって半導体レーザ素子10Aのアノード電極11と半導体レーザ素子10Bのアノード電極11とを接続しているため、半導体レーザ素子10A,10Bを介して第4駆動用導電部64A,64Bが電気的に接続される。これにより、電源110の正極を半導体レーザ装置1Aに接続する際に第4駆動用導電部64Aのみに電源110の正極を接続すればよくなるため、電源110と半導体レーザ装置1Aとの接続構造を簡素化できる。
【0132】
図17の変更例において、半導体レーザ装置1Aは、横方向Xに並んで配列されている複数の半導体発光層14と、複数の半導体発光層14を接続する1つの電極とを有する半導体レーザ素子を備えてもよい。一例では、図20に示すように、半導体レーザ装置1Aは、2個の半導体発光層14A,14B(図21参照)を有する半導体レーザ素子10Cを備えてもよい。図20に示すとおり、平面視における半導体レーザ素子10Cの形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。半導体レーザ素子10Cの横方向Xの大きさは、第1実施形態の半導体レーザ素子10の横方向Xの大きさよりも大きい。
【0133】
図21に示すように、半導体レーザ素子10Cは、基板13と、基板13上において横方向Xに並べられた半導体発光層14A,14Bとを有する。半導体発光層14A,14Bは、第1実施形態の半導体発光層14と同様の構成である。絶縁層16は、半導体発光層14A,14Bの両方を覆っている。絶縁層16における半導体発光層14Aの頂部にはコンタクト開口部16bが形成され、絶縁層16における半導体発光層14Bの頂部にはコンタクト開口部16cが形成されている。コンタクト開口部16bは半導体発光層14Aを露出し、コンタクト開口部16cは半導体発光層14Bを露出している。コンタクト開口部16b,16cには、コンタクト電極17が形成されている。コンタクト電極17は、コンタクト開口部16bからコンタクト開口部16cまでにわたり絶縁層16上に形成されている。このため、コンタクト電極17は、半導体発光層14A,14Bの両方と電気的に接続されている。すなわち、コンタクト電極17は、複数の半導体発光層14を接続する1つの電極に相当する。コンタクト電極17上には、アノード電極11(図20参照)が形成されている。
【0134】
図20及び図21に示す半導体レーザ装置1Aによれば、図17図19に示す半導体レーザ装置1Aと比較して、半導体レーザ素子が1チップとなり、2つの半導体レーザ素子のアノード電極同士を接続する接続部材も不要となるため、半導体レーザ装置1Aの構成を簡素化できる。
【0135】
・裏面側導電部60Bの構成は任意に変更可能である。一例では、裏面側導電部60Bは、第1端子用導電部66Bと第3端子用導電部68とを一体化してもよい。例えば、図22に示すように、半導体レーザ装置1Aは、第1端子用導電部66B、第3端子用導電部68、及び第4端子用導電部69B(ともに図3参照)を一体化した端子用導電部78を備えてもよい。この場合、平面視における端子用導電部78の形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。なお、平面視における端子用導電部78の形状は任意に変更可能である。例えば、平面視における端子用導電部78の形状は正方形であってもよい。平面視における端子用導電部78の面積は、第1実施形態の平面視における第1端子用導電部66B、第3端子用導電部68、及び第4端子用導電部69Bの面積の合計よりも大きい。このため、端子用導電部78による半導体レーザ装置1Aの放熱性能が向上する。
【0136】
また、端子用導電部78は、第3端子用導電部68と第1端子用導電部66B及び第4端子用導電部69Bとを電気的に接続した構成となるため、第1駆動用連絡部73B及び第4駆動用連絡部76B(ともに図3参照)をそれぞれ省略できる。したがって、半導体レーザ装置1Aの構成を簡素化できる。なお、端子用導電部78と第1駆動用導電部61Bとを繋ぐような第1駆動用連絡部73Bと、端子用導電部78と第4駆動用導電部64Bとを繋ぐような第4駆動用連絡部76Bとを追加してもよい。
【0137】
・主面側導電部60Aと裏面側導電部60Bとを繋ぐ構成は、スルーホール71に限られない。例えば、図23及び図24に示すように、連絡部60Cの一部に代えて、側面連絡部60Dが設けられてもよい。側面連絡部60Dが基材51の第2基材側面51d,第3基材側面51e、及び第4基材側面51fにそれぞれ形成されている。この場合、主面側導電部60A及び裏面側導電部60Bと基材51との配置態様が異なる。
【0138】
具体的には、第2駆動用導電部62及び制御用導電部65と、第2端子用導電部67及び制御端子用導電部70との配置構成がそれぞれ異なる。より詳細には、横方向Xからみて、第2駆動用導電部62及び制御用導電部65はそれぞれ、第3駆動用導電部63に重なっている。第2駆動用導電部62は、横方向Xにおいて第3駆動用導電部63よりも第4基材側面51fの近くに配置されている。制御用導電部65は、横方向Xにおいて第3駆動用導電部63よりも第3基材側面51eの近くに配置されている。第2端子用導電部67は、厚さ方向Zにおいて第2駆動用導電部62と重なるように配置されている。制御端子用導電部70は、厚さ方向Zにおいて制御用導電部65と重なるように配置されている。このように、横方向Xからみて、第2端子用導電部67及び制御端子用導電部70はそれぞれ、第3端子用導電部68と重なっている。第2端子用導電部67は、横方向Xにおいて第3端子用導電部68よりも第4基材側面51fの近くに配置されている。制御端子用導電部70は、横方向Xにおいて第3端子用導電部68よりも第3基材側面51eの近くに配置されている。
【0139】
加えて、主面側導電部60A及び裏面側導電部60Bがそれぞれ第2基材側面51d、第3基材側面51e、及び第4基材側面51fのそれぞれに繋がるように延びている。より詳細には、第1駆動用導電部61A、第4駆動用導電部64A、及び制御用導電部65がそれぞれ第3基材側面51eに繋がっている。第1駆動用導電部61B、第2駆動用導電部62、及び第4駆動用導電部64Bがそれぞれ第4基材側面51fに繋がっている。第3駆動用導電部63が第2基材側面51dに繋がっている。また第1端子用導電部66A、第4端子用導電部69A、及び制御端子用導電部70がそれぞれ第3基材側面51eに繋がっている。第1端子用導電部66B、第2端子用導電部67、及び第4端子用導電部69Bがそれぞれ第4基材側面51fに繋がっている。第3端子用導電部68が第2基材側面51dに繋がっている。
【0140】
第2基材側面51dにおける第3駆動用導電部63及び第3端子用導電部68が配置される部分には、凹部53A,53Bが設けられている。平面視において、凹部53A,53Bはそれぞれ、第2基材側面51dから第1基材側面51cに向けて湾曲状に凹んでいる。凹部53A,53Bは、横方向Xにおいて間隔をあけて配列されている。
【0141】
第3基材側面51eには、凹部54A,54B,54Cが設けられている。平面視において、凹部54A,54B,54Cはそれぞれ、第3基材側面51eから第4基材側面51fに向けて湾曲状に凹んでいる。凹部54A,54B,54Cは、縦方向Yにおいて間隔をあけて配列されている。凹部54Aは、基材51において第1駆動用導電部61A及び第1端子用導電部66Aが配置されている部分に設けられている。凹部54Bは、基材51において制御用導電部65及び制御端子用導電部70が配置されている部分に設けられている。凹部54Cは、基材51において第4駆動用導電部64A及び第4端子用導電部69Aが配置されている部分に設けられている。
【0142】
第4基材側面51fには、凹部55A,55B,55Cが設けられている。平面視において、凹部55A,55B,55Cはそれぞれ、第4基材側面51fから第3基材側面51eに向けて湾曲状に凹んでいる。凹部55A,55B,55Cは、縦方向Yにおいて間隔をあけて配列されている。横方向Xからみて、凹部55Aは凹部54Aと重なる位置に設けられ、凹部55Bは凹部54Bと重なる位置に設けられ、凹部55Cは凹部54Cと重なる位置に設けられている。凹部55Aは、基材51において第1駆動用導電部61B及び第1端子用導電部66Bが配置されている部分に設けられている。凹部55Bは、基材51において第2駆動用導電部62及び第2端子用導電部67が配置されている部分に設けられている。凹部55Cは、基材51において第4駆動用導電部64B及び第4端子用導電部69Bが配置されている部分に設けられている。
【0143】
凹部53A,53B,54A~54C,55A~55Cはそれぞれ、基材51の基材主面51aから基材裏面51bまでにわたり形成されている。また、凹部53A,53B,54A~54C,55A~55Cの形状及び大きさは、互いに等しい。
【0144】
側面連絡部60Dは、凹部53A,53B,54A~54C,55A~55Cのそれぞれに設けられている。側面連絡部60Dは、凹部53A,53B,54A~54C,55A~55Cをそれぞれ構成する内側面に沿って形成されている。側面連絡部60Dは、側面連絡部76A~76Hを含む。図25に示すように、側面連絡部76C,76Fはそれぞれ、金属膜76aによって構成されている。図面は省略するが、側面連絡部76A,76B,76D,76E,76G,76Hはそれぞれ、側面連絡部76C,76Fと同様に金属膜76aによって構成されている。金属膜76aの基材51の基材主面51a寄りの端部は主面側導電部60Aに繋がっており、金属膜76aの基材51の基材裏面51b寄りの端部は裏面側導電部60Bに繋がっている。本実施形態では、金属膜76aを構成する材料は、主面側導電部60A及び裏面側導電部60Bを構成する材料と同じである。
【0145】
図23及び図24に示すように、側面連絡部76Aは、凹部53Aに設けられており、第3駆動用導電部63と第3端子用導電部68とを繋いでいる。側面連絡部76Bは、凹部53Bに設けられており、第3駆動用導電部63と第3端子用導電部68とを繋いでいる。側面連絡部76Cは、凹部54Aに設けられており、第1駆動用導電部61Aと第1端子用導電部66Aとを繋いでいる。側面連絡部76Dは、凹部54Bに設けられており、第2駆動用導電部62と第2端子用導電部67とを繋いでいる。側面連絡部76Eは、凹部54Cに設けられており、第4駆動用導電部64Aと第4端子用導電部69Aとを繋いでいる。側面連絡部76Fは、凹部55Aに設けられており、第1駆動用導電部61Bと第1端子用導電部66Bとを繋いでいる。側面連絡部76Gは、凹部55Bに設けられており、制御用導電部65と制御端子用導電部70とを繋いでいる。側面連絡部76Hは、凹部55Cに設けられており、第4駆動用導電部64Bと第4端子用導電部69Bとを繋いでいる。
【0146】
この構成によれば、半導体レーザ装置1Aを配線基板等に例えば半田によって接合される場合、半田フィレットが側面連絡部60Dに形成される。このため、作業者が側面連絡部60Dに形成された半田フィレットを視認することによって、半導体レーザ装置1Aの接合状態を確認できる。
【0147】
また、図23及び図24に示す変更例の半導体レーザ装置1Aでは、側面連絡部76C,76Fを設けたことによって第1駆動用連絡部73A,73B(図3参照)が省略され、側面連絡部76Bを設けたことによって第2駆動用連絡部74(図3参照)が省略され、側面連絡部76E,76Hが設けられたことによって第4駆動用連絡部76A,76B(図3参照)が省略され、側面連絡部76Gが設けられたことによって制御用連絡部77(図3参照)が省略されている。
【0148】
なお、第1駆動用連絡部73A,73B、第2駆動用連絡部74、第4駆動用連絡部76A,76B、及び制御用連絡部77の少なくとも1つを図23及び図24に示す変更例の半導体レーザ装置1Aに追加してもよい。
【0149】
・第1駆動用導電部61Aと第4駆動用導電部64Aとに接合されるコンデンサ30Aの個数と、第1駆動用導電部61Bと第4駆動用導電部64Bとに接合されるコンデンサ30Bの個数とはそれぞれ任意に変更可能である。コンデンサ30A,30Bはそれぞれ、複数個設けられていてもよい。また、コンデンサ30A,30Bの個数は、例えば半導体レーザ素子10の出力に応じて設定してもよい。
【0150】
[第2実施形態]
図26及び図27を参照して、第2実施形態の半導体レーザ装置1Bについて説明する。本実施形態の半導体レーザ装置1Bは、第1実施形態の半導体レーザ装置1Aと比較して、導電部60の構成と、半導体レーザ素子10、スイッチング素子20、及びコンデンサ30A,30Bの配置構成とが異なる。本実施形態では、便宜上、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0151】
図26に示すように、本実施形態の半導体レーザ装置1Bでは、半導体レーザ素子10及びスイッチング素子20が支持基板50の横方向Xの中央部に配置されておらず、支持基板50の横方向Xの中央部よりも第4基材側面51f側に偏寄して配置されている。また本実施形態の半導体レーザ装置1Bでは、コンデンサ30A,30Bがスイッチング素子20の両側に配置されておらず、横方向Xにおいてスイッチング素子20に対して第3基材側面51e側に配置されている。このような半導体レーザ素子10、スイッチング素子20、及びコンデンサ30A,30Bの配置構成に対して導電部60の構成が第1実施形態の導電部60の構成と異なる。
【0152】
具体的には、主面側導電部60Aは、第1駆動用導電部61、第2駆動用導電部62、第3駆動用導電部63、第4駆動用導電部64、及び制御用導電部65を有する。すなわち、第1駆動用導電部61及び第4駆動用導電部64がそれぞれ1つである。
【0153】
第1駆動用導電部61は、横方向Xにおいて基材51のうちの第3基材側面51e寄りの部分に配置されている。第1駆動用導電部61は、縦方向Yにおいて基材51の第2基材側面51d寄りの部分に配置されている。すなわち、第1駆動用導電部61は、その縦方向Yの中央部が基材51の縦方向Yの中央部よりも第2基材側面51dの近くに位置するように基材51に配置されている。平面視における第1駆動用導電部61の形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。
【0154】
第4駆動用導電部64は、横方向Xにおいて基材51のうちの第3基材側面51e寄りの部分、かつ縦方向Yにおいて基材51のうちの第1基材側面51c寄りの部分に配置されている。平面視における第4駆動用導電部64の形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。縦方向Yからみて、第4駆動用導電部64は第1駆動用導電部61と重なっている。第4駆動用導電部64の横方向Xの大きさは、第1駆動用導電部61の横方向Xの大きさよりも大きい。
【0155】
第1駆動用導電部61及び第4駆動用導電部64には、コンデンサ30A,30BがAgペースト又は半田等の導電性接合材によって接合されている。コンデンサ30A,30Bは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに間隔をあけて隣り合うように配列されている。コンデンサ30A,30Bのそれぞれの第1端子31は、縦方向Yにおいて第1駆動用導電部61のうちの第4駆動用導電部64寄りの端部に配置されている。コンデンサ30A,30Bのそれぞれの第2端子32は、縦方向Yにおいて第4駆動用導電部64のうちの第1駆動用導電部61寄りの端部に配置されている。
【0156】
第3駆動用導電部63は、横方向Xにおいて基材51のうちの第4基材側面51f寄りの部分に配置されている。第3駆動用導電部63は、縦方向Yにおいて基材51のうちの第1基材側面51c寄りに配置されている。すなわち、第3駆動用導電部63は、その縦方向Yの中央部が基材51の縦方向Yの中央部よりも第1基材側面51cの近くに位置するように基材51に配置されている。第3駆動用導電部63は、スイッチング素子実装部63aと半導体レーザ素子実装部63bとに区分できる。スイッチング素子実装部63aと半導体レーザ素子実装部63bとは縦方向Yに並んでいる。半導体レーザ素子実装部63bは、第3駆動用導電部63のうちの縦方向Yの第1基材側面51c寄りの部分である。平面視における半導体レーザ素子実装部63bの形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。スイッチング素子実装部63aは、半導体レーザ素子実装部63bよりも第2基材側面51dに近い。平面視におけるスイッチング素子実装部63aの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。スイッチング素子実装部63aの横方向Xの大きさは、半導体レーザ素子実装部63bの横方向Xの大きさよりも大きい。半導体レーザ素子実装部63bは、スイッチング素子実装部63aに対して第4基材側面51f寄りに位置している。このため、第3駆動用導電部63のうちの半導体レーザ素子実装部63bの横方向Xの隣には、切欠部63cが形成されている。切欠部63cの一部には、第4駆動用導電部64のうちの第4基材側面51f寄りの端部が入り込んでいる。
【0157】
半導体レーザ素子実装部63bには、半導体レーザ素子10がAgペースト又は半田等の導電性接合材によって接合されている。半導体レーザ素子10は、半導体レーザ素子実装部63bのうちの横方向Xの第4駆動用導電部64寄りの端部に配置されている。半導体レーザ素子10は、そのカソード電極12(図26では図示略)が半導体レーザ素子実装部63b側に向くように配置されている。このため、カソード電極12は、導電性接合材を介して半導体レーザ素子実装部63b(第3駆動用導電部63)に電気的に接続されている。半導体レーザ素子10のアノード電極11は、厚さ方向Zにおいて第3駆動用導電部63とは反対側を向いている。アノード電極11と第4駆動用導電部64とは、複数(本実施形態では4本)のレーザ用接続部材85によって電気的に接続されている。4本のレーザ用接続部材85は、縦方向Yに間隔をおいて配列されている。各レーザ用接続部材85は、第1端部85a及び第2端部85bを有する。第1端部85aは、アノード電極11に接合されている。具体的には、第1端部85aは、アノード電極11のうちの横方向Xの中央部に接合されている。第2端部85bは、第4駆動用導電部64に接合されている。具体的には、第2端部85bは、第4駆動用導電部64のうちの半導体レーザ素子実装部63b寄りの端部に接合されている。
【0158】
スイッチング素子実装部63aには、スイッチング素子20が導電性接合材によって接合されている。スイッチング素子20のドレイン電極21(図26では図示略)が厚さ方向Zにおいて第3駆動用導電部63側を向く状態でスイッチング素子20がスイッチング素子実装部63aに接合されている。このため、導電性接合材を介して、ドレイン電極21は第3駆動用導電部63に電気的に接続されている。このように、第3駆動用導電部63を介してドレイン電極21と半導体レーザ素子10のカソード電極12とが電気的に接続されている。
【0159】
本実施形態のスイッチング素子20は、ソース電極22及びゲート電極23の形状及び配置が第1実施形態のスイッチング素子20のソース電極22及びゲート電極23とは異なる。詳細には、ソース電極22のうちの第2基材側面51d寄りかつ第4基材側面51f寄りには切欠部25が形成されている。切欠部25には、ゲート電極23が形成されている。このように、ゲート電極23は、スイッチング素子20の素子主面24aのうちの第2基材側面51d寄りかつ第4基材側面51f寄りの端部に位置している。
【0160】
第2駆動用導電部62及び制御用導電部65はそれぞれ、縦方向Yにおいて第3駆動用導電部63よりも第2基材側面51dの近くに配置されている。第2駆動用導電部62及び制御用導電部65はそれぞれ、横方向Xにおいて第1駆動用導電部61よりも第4基材側面51fの近くに配置されている。第2駆動用導電部62及び制御用導電部65は、縦方向Yにおいて揃った状態で横方向Xにおいて間隔をあけて配列されている。
【0161】
ソース電極22と第1駆動用導電部61とは、複数(本実施形態では3本)の第1駆動用接続部材81によって電気的に接続されている。3本の第1駆動用接続部材81は、縦方向Yにおいて間隔をあけて配列されている。ソース電極22と第2駆動用導電部62とは、第2駆動用接続部材83によって電気的に接続されている。ゲート電極23と制御用導電部65とは制御用接続部材84によって電気的に接続されている。なお、第1駆動用接続部材81の本数は任意に変更可能である。例えば、第1駆動用接続部材81の本数を半導体レーザ素子10の出力に応じて設定してもよい。
【0162】
図27に示すように、裏面側導電部60Bは、第1端子用導電部66A,66B、第2端子用導電部67、第3端子用導電部68A,68B、第4端子用導電部69、及び制御端子用導電部70を有する。
【0163】
第1端子用導電部66A,66Bは、縦方向Yにおいて間隔をあけて配列されている。第1端子用導電部66A,66Bは、厚さ方向Zにおいて第1駆動用導電部61と重なる位置に配置されている。平面視における第1端子用導電部66Aの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。第1端子用導電部66Bは、第1端子用導電部66Aよりも第2基材側面51dの近くに配置されている。平面視における第1端子用導電部66Bの形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。第1端子用導電部66Bの縦方向Yの大きさは、第1端子用導電部66Aの縦方向Yの大きさよりも小さい。
【0164】
第2端子用導電部67は、厚さ方向Zにおいて第2駆動用導電部62と重なる位置に配置されている。第2端子用導電部67は、縦方向Yにおいて第1端子用導電部66Bと揃った状態で横方向Xに間隔をあけて配置されている。
【0165】
第3端子用導電部68A,68Bは、縦方向Yにおいて間隔をあけて配列されている。第3端子用導電部68A,68Bは、厚さ方向Zにおいて第3駆動用導電部63と重なる位置に配置されている。平面視における第3端子用導電部68Aの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。平面視における第3端子用導電部68Bの形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。第3端子用導電部68Bの縦方向Yの大きさは、第3端子用導電部68Aの縦方向Yの大きさよりも小さい。
【0166】
第4端子用導電部69は、縦方向Yにおいて第3端子用導電部68Bと揃った状態で横方向Xに間隔をあけて配置されている。第4端子用導電部69は、第3端子用導電部68Bよりも第3基材側面51eの近くに配置されている。第4端子用導電部69は、横方向Xにおいて第1端子用導電部66A,66Bと揃った状態で第1端子用導電部66Aと縦方向Yに間隔をあけて配置されている。第4端子用導電部69は、縦方向Yにおいて第1端子用導電部66Aに対して第1基材側面51c側に配置されている。厚さ方向Zにおいて、第4端子用導電部69は、第4駆動用導電部64と重なる位置に配置されている。
【0167】
制御端子用導電部70は、縦方向Yにおいて第2端子用導電部67と揃った状態で横方向Xに間隔をあけて配置されている。制御端子用導電部70は、横方向Xにおいて第2端子用導電部67よりも第4基材側面51fの近くに配置されている。厚さ方向Zにおいて、制御端子用導電部70は、制御用導電部65と重なる位置に配置されている。
【0168】
図26及び図27に示すように、連絡部60Cは、第1駆動用連絡部73A,73B、第2駆動用連絡部74、第3駆動用連絡部75A,75B、第4駆動用連絡部76、及び制御用連絡部77を有する。各連絡部73A,73B,74,75A,75B,76,77は、第1実施形態と同様に、スルーホール71及び導体部72(図26及び図27では図示略)を有する。
【0169】
第1駆動用連絡部73Aは、第1駆動用導電部61と第1端子用導電部66Aとを繋いでいる。第1駆動用連絡部73Aの個数は特に限定されないが、本実施形態では、第1駆動用連絡部73Aは4個設けられている。
【0170】
第1駆動用連絡部73Bは、第1駆動用導電部61と第1端子用導電部66Bとを繋いでいる。第1駆動用連絡部73Bの個数は特に限定されないが、本実施形態では、第1駆動用連絡部73Bは2個設けられている。
【0171】
第2駆動用連絡部74は、第2駆動用導電部62と第2端子用導電部67とを繋いでいる。
第3駆動用連絡部75Aは、第3駆動用導電部63のスイッチング素子実装部63aと第3端子用導電部68Aとを繋いでいる。第3駆動用連絡部75Aの個数は特に限定されないが、本実施形態では、第3駆動用連絡部75Aは9個設けられている。
【0172】
第3駆動用連絡部75Bは、第3駆動用導電部63の半導体レーザ素子実装部63bと第3端子用導電部68Bとを繋いでいる。第3駆動用連絡部75Bの個数は特に限定されないが、本実施形態では、第3駆動用連絡部75Bは2個設けられている。第3駆動用連絡部75Bのうちの1個は、厚さ方向Zにおいて半導体レーザ素子10と重なる位置に設けられている。
【0173】
(作用)
次に、本実施形態の半導体レーザ装置1Bの作用について説明する。
レーザシステム100に半導体レーザ装置1Bを適用する場合、電源110の正極111が第4駆動用導電部64に接続され、電源110の負極112が第1駆動用導電部61に接続されている。またドライバ回路140の出力電極141が制御用導電部65に接続され、入力電極142が第2駆動用導電部62に接続されている。このように、電源110から半導体レーザ装置1Bに電流を供給する場合、スイッチング素子20がオフ状態の場合にコンデンサ30A,30Bに蓄電され、スイッチング素子20がオン状態の場合にコンデンサ30A,30Bに蓄電された電荷が半導体レーザ素子10及びスイッチング素子20に流れる。これにより、半導体レーザ素子10及びスイッチング素子20に電流が流れる。そして、スイッチング素子20のソース電極22から第1駆動用導電部61を介して電源110の負極に電流が流れる。より詳細には、コンデンサ30A,30Bにそれぞれ蓄電された電荷に基づく電流が半導体レーザ素子10及びスイッチング素子20に流れる駆動用ループが形成される。具体的には、駆動用ループでは、コンデンサ30A,30Bの第2端子32、第4駆動用導電部64、レーザ用接続部材85、半導体レーザ素子10のアノード電極11、カソード電極12、第3駆動用導電部63、スイッチング素子20のドレイン電極21、ソース電極22、第1駆動用接続部材81、及びコンデンサ30A,30Bの第1端子31の順に電流が流れる。
【0174】
一方、ドライバ回路140の入力電極142と出力電極141との間に電圧Vgが生じることによってスイッチング素子20のゲート電極23にゲート・ソース間電圧である電圧Vgsが印加される。具体的には、ドライバ回路140とスイッチング素子20との間には、ドライバ回路140の出力電極141、制御端子用導電部70、制御用連絡部77、制御用導電部65、制御用接続部材84、ゲート電極23、ソース電極22、第2駆動用接続部材83、第2駆動用導電部62、第2駆動用連絡部74、第2端子用導電部67、及び入力電極142の順に電流が流れる制御ループが形成される。このように、第1駆動用ループ及び第2駆動用ループとは独立して、入力電極142とソース電極22とが電気的に接続されるため、ゲート電極23に印加される電圧Vgsは、入力電極142に繋がるソース電極22の電位に基づいて生成される。
【0175】
このように、電源110と半導体レーザ素子10及びスイッチング素子20との間の電流の駆動用ループと、ドライバ回路140とスイッチング素子20との間の電流の制御用ループとが個別に形成されるため、ドライバ回路140の入力電極142に印加される電圧Vg及びゲート電極23に印加される電圧Vgsがそれぞれ、駆動用ループによる影響を受け難い。したがって、本実施形態の半導体レーザ装置1Bによれば、第1実施形態の効果と同様の効果が得られる。
【0176】
[第2実施形態の変更例]
第2実施形態の半導体レーザ装置1Bは例えば以下のように変更できる。以下の各変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、組み合せることができる。なお、以下の変更例において、第2実施形態と共通する部分については、第2実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0177】
・第2駆動用導電部62と制御用導電部65とを入れ替えてもよい。これに伴い、第2端子用導電部67及び制御端子用導電部70も同様に入れ替える。またスイッチング素子20のソース電極22の切欠部25の位置をソース電極22のうちの第2基材側面51d寄りかつ第3基材側面51e寄りに変更する。この場合、ゲート電極23は、スイッチング素子20の素子主面24aのうちの第2基材側面51d寄りかつ第3基材側面51e寄りに位置している。
【0178】
・第1端子用導電部66A,66Bに代えて、第1端子用導電部66Aと第1端子用導電部66Bとを一体化した端子用導電部を基材裏面51bに形成してもよい。
・第3端子用導電部68A,68Bに代えて、第3端子用導電部68Aと第3端子用導電部68Bとを一体化した端子用導電部を基材裏面51bに形成してもよい。
【0179】
[第3実施形態]
図28及び図29を参照して、第3実施形態の半導体レーザ装置1Cについて説明する。本実施形態の半導体レーザ装置1Cは、第2実施形態の半導体レーザ装置1Bと比較して、導電部60の一部の形状、及びスイッチング素子20Aの電極の配置構成が主に異なる。本実施形態では、便宜上、第2実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0180】
図28に示すように、第1駆動用導電部61の縦方向Yの大きさは、第2実施形態の第1駆動用導電部61の縦方向Yの大きさよりも小さい。第2駆動用導電部62は、縦方向Yからみて、第1駆動用導電部61と、第3駆動用導電部63のうちの第1駆動用導電部61寄りの端部とに重なるように配置されている。第2駆動用導電部62の横方向Xの大きさは、第2実施形態の第2駆動用導電部62の横方向Xの大きさよりも大きい。制御用導電部65の横方向Xの大きさは、第2実施形態の制御用導電部65の横方向Xの大きさよりも大きい。
【0181】
図29に示すように、第2端子用導電部67は、縦方向Yからみて、第1端子用導電部66Aと重なり、かつ第3端子用導電部68のうちの第1端子用導電部66A寄りの端部と重なるように配置されている。第2端子用導電部67の横方向Xの大きさは、第2実施形態の第2端子用導電部67の横方向Xの大きさよりも大きい。制御端子用導電部70の横方向Xの大きさは、第2実施形態の制御端子用導電部70の横方向Xの大きさよりも大きい。
【0182】
図28及び図29に示すように、本実施形態では、第1端子用導電部66B及び第1駆動用連絡部73Bが省略されている。また第2駆動用連絡部74が3個設けられ、制御用連絡部77が2個設けられている。3個の第2駆動用連絡部74は、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに間隔をあけて配列されている。2個の制御用連絡部77は、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに間隔をあけて配列されている。
【0183】
図28に示すように、スイッチング素子20Aは、第3駆動用導電部63のスイッチング素子実装部63aに接合材によって接合されている。本実施形態の接合材は、導電性接合材に限定されず、絶縁性の接合材を用いることもできる。平面視におけるスイッチング素子20Aの形状は、例えば横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。
【0184】
スイッチング素子20Aは、例えばSi(シリコン)やSiC(炭化シリコン)、又はGaN(窒化ガリウム)等からなるトランジスタが用いられている。スイッチング素子20AがSiCからなる場合、スイッチングの高速化に適している。本実施形態では、スイッチング素子20Aは、SiからなるN型のMOSFETが用いられている。
【0185】
スイッチング素子20Aは、厚さ方向Zにおいて支持基板50の基材51の基材主面51aと同じ方向を向く素子主面24aを有する。素子主面24aには、ドレイン電極21、ソース電極22、及びゲート電極23がそれぞれ形成されている。すなわち本実施形態では、図示しない素子裏面には、ドレイン電極21が形成されていない。このように、本実施形態のスイッチング素子20Aは、いわゆる横型構造のトランジスタである。
【0186】
ドレイン電極21とソース電極22及びゲート電極23とは縦方向Yに間隔をあけて配置されている。ドレイン電極21は、縦方向Yにおいて素子主面24aのうちの半導体レーザ素子10寄りの部分に形成されている。ドレイン電極21は、第3駆動用接続部材88によって第3駆動用導電部63と電気的に接続されている。本実施形態では、3本の第3駆動用接続部材88がドレイン電極21と第3駆動用導電部63とを接続している。3本の第3駆動用接続部材88は、横方向Xに間隔をあけて配列されている。第3駆動用接続部材88は、第1端部88a及び第2端部88bを有する。
【0187】
各第3駆動用接続部材88の第1端部88aは、ドレイン電極21に接続されている。これら第1端部88aは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに間隔をあけて配列されている。各第3駆動用接続部材88の第2端部88bは、縦方向Yにおいて、第3駆動用導電部63のスイッチング素子実装部63aのうちの半導体レーザ素子実装部63b寄りの端部に配置されている。これら第2端部88bは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに間隔をあけて配列されている。
【0188】
ソース電極22及びゲート電極23は、縦方向Yにおいて揃った状態で横方向Xに間隔をあけて配列されている。ソース電極22は、横方向Xにおいてゲート電極23に対して第1駆動用導電部61側に配置されている。
【0189】
ソース電極22は、第1駆動用接続部材81によって第1駆動用導電部61と電気的に接続されている。本実施形態では、2本の第1駆動用接続部材81がソース電極22と第1駆動用導電部61とを接続している。またソース電極22は、第2駆動用接続部材83によって第2駆動用導電部62と電気的に接続されている。本実施形態では、1本の第2駆動用接続部材83がソース電極22と第2駆動用導電部62とを接続している。
【0190】
2本の第1駆動用接続部材81のうちのソース電極22に接続された第1端部81aはそれぞれ、第2駆動用接続部材83のうちのソース電極22に接続された第1端部83aよりもゲート電極23の近くに配置されている。換言すると、第1端部83aは、第1端部81aよりも第1駆動用導電部61(第2駆動用導電部62)の近くに配置されている。
【0191】
2本の第1駆動用接続部材81のうちの第1駆動用導電部61に接続された第2端部81bは、縦方向Yにおいてコンデンサ30A,30Bの第1端子31と第1駆動用連絡部73との間に配置されている。第2駆動用接続部材83のうちの第2駆動用導電部62に接続された第2端部83bは、横方向Xにおいて第2駆動用導電部62のうちの制御用導電部65寄りの端部に配置されている。図28に示すとおり、第2駆動用接続部材83の長さは、第1駆動用接続部材81の長さよりも短い。第2駆動用接続部材83が短く形成できるため、第2駆動用接続部材83に起因するインダクタンスを低減できる。また、本実施形態の半導体レーザ装置1Cによれば、第2実施形態の効果と同様の効果が得られる。
【0192】
[第3実施形態の変更例]
第3実施形態の半導体レーザ装置1Cは例えば以下のように変更できる。以下の各変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、組み合せることができる。なお、以下の変更例において、第1実施形態及び第2実施形態と共通する部分については、第1実施形態及び第2実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0193】
図30に示すように、第3駆動用導電部63のスイッチング素子実装部63a及び半導体レーザ素子実装部63bを縦方向Yに離間して配置してもよい。この場合、第3駆動用接続部材88の第2端部88bは、半導体レーザ素子実装部63bに配置されている。これにより、半導体レーザ素子10のカソード電極12(図30では図示略)とスイッチング素子20Aのドレイン電極21とが電気的に接続される。
【0194】
・第3実施形態の半導体レーザ装置1Cは、第2実施形態の半導体レーザ装置1Bの構成を前提として、半導体レーザ装置1Bのスイッチング素子20をスイッチング素子20Aに置き換えた構成であったが、これに限られない。第3実施形態の半導体レーザ装置1Cは、図31に示すように、第1実施形態の半導体レーザ装置1Aの構成を前提として、半導体レーザ装置1Aのスイッチング素子20をスイッチング素子20Aに置き換えた構成であってもよい。図31の半導体レーザ装置1Cのスイッチング素子20Aは、素子主面24aに形成されたドレイン電極21、第1ソース電極22A、第2ソース電極22B、及びゲート電極23を有する。
【0195】
ドレイン電極21と、第1ソース電極22A、第2ソース電極22B、及びゲート電極23とは縦方向Yに間隔をあけて配置されている。ドレイン電極21は、縦方向Yにおいて素子主面24aのうちの半導体レーザ素子10寄りの部分に形成されている。ドレイン電極21は、第3駆動用接続部材88によって第3駆動用導電部63と電気的に接続されている。図31では、3本の第3駆動用接続部材88がドレイン電極21と第3駆動用導電部63とを接続している。3本の第3駆動用接続部材88は、横方向Xに間隔をあけて配列されている。各第3駆動用接続部材88の第1端部88aは、ドレイン電極21に接続されている。これら第1端部88aは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに間隔をあけて配列されている。各第3駆動用接続部材88の第2端部88bは、縦方向Yにおいて、第3駆動用導電部63のスイッチング素子実装部63aのうちの半導体レーザ素子実装部63b寄りの端部に配置されている。これら第2端部88bは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに間隔をあけて配列されている。
【0196】
第1ソース電極22A、第2ソース電極22B、及びゲート電極23は、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに間隔をあけて配列されている。ゲート電極23は、第1ソース電極22Aと第2ソース電極22Bとの横方向Xの間に配置されている。第1ソース電極22Aは、ゲート電極23に対して第1駆動用導電部61A側に配置されている。第2ソース電極22Bは、ゲート電極23に対して第1駆動用導電部61B側に配置されている。
【0197】
第1ソース電極22Aは、第1駆動用接続部材81によって第1駆動用導電部61Aと電気的に接続されている。第2ソース電極22Bは、第1駆動用接続部材82によって第1駆動用導電部61Bと電気的に接続され、第2駆動用接続部材83によって第2駆動用導電部62と電気的に接続されている。第2駆動用接続部材83の第2端部83bは、第2駆動用導電部62のうちの縦方向Yからみて第2ソース電極22Bと重なる部分に配置されている。このため、第2駆動用接続部材83の長さを短くできる。ゲート電極23は、制御用接続部材84によって制御用導電部65に接続されている。このような構成によっても、第1駆動用接続部材81,82と第2駆動用接続部材83とが分かれて形成されているため、第1実施形態の効果と同様の効果が得られる。
【0198】
図31の半導体レーザ装置1Cにおいて、スイッチング素子20Aのソース電極の構成を図32に示すスイッチング素子20Aのソース電極の構成に変更できる。具体的には、図32の半導体レーザ装置1Cのスイッチング素子20Aは、ソース電極として、第1ソース電極22A、第2ソース電極22B、及び第3ソース電極22Cを有する。各ソース電極22A~22C及びゲート電極23は、縦方向Yにおいてスイッチング素子20Aの素子主面24aのうちの第2基材側面51d寄りの端部に配置されている。各ソース電極22A~22C及びゲート電極23は、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに間隔をあけて配列されている。
【0199】
第1ソース電極22Aは、横方向Xにおいて各ソース電極22B,22C及びゲート電極23よりも第1駆動用導電部61Aの近くに配置されている。第2ソース電極22Bは、横方向Xにおいて各ソース電極22A,22C及びゲート電極23よりも第1駆動用導電部61Bの近くに配置されている。このように、第3ソース電極22C及びゲート電極23は、横方向Xにおいて第1ソース電極22Aと第2ソース電極22Bとの間に配置されている。第3ソース電極22Cは、ゲート電極23に対して第2ソース電極22B側に配置されている。
【0200】
第1ソース電極22Aは、第1駆動用接続部材81によって第1駆動用導電部61Aに接続されている。第2ソース電極22Bは、第1駆動用接続部材82によって第1駆動用導電部61Bに接続されている。第3ソース電極22Cは、第2駆動用接続部材83によって第2駆動用導電部62に接続されている。第2駆動用接続部材83の第2端部83bは、横方向Xにおいて第2駆動用導電部62のうちの制御用導電部65寄りの端部に配置されている。これにより、横方向Xにおいて第3ソース電極22Cと第2端部83bとの位置が近づくため、第2駆動用接続部材83の長さを短くできる。ゲート電極23は、制御用接続部材84によって制御用導電部65に接続されている。制御用接続部材84の第2端部84bは、横方向Xにおいて制御用導電部65のうちの第2駆動用導電部62寄りの端部に接続されている。これにより、横方向Xにおいてゲート電極23と第2端部84bとの位置が近づくため、制御用接続部材84の長さを短くできる。図32の半導体レーザ装置1Cによれば、第1実施形態の効果と同様の効果が得られる。
【0201】
図31及び図32の半導体レーザ装置1Cにおいて、第3駆動用導電部63の形状は任意に変更可能である。一例では、第3駆動用導電部63のスイッチング素子実装部63a及び半導体レーザ素子実装部63bを縦方向Yに離間して配置してもよい。この場合、第3駆動用接続部材88の第2端部88bは、半導体レーザ素子実装部63bに配置されている。これにより、半導体レーザ素子10のカソード電極12とスイッチング素子20Aのドレイン電極21とが電気的に接続される。
【0202】
[第4実施形態]
図33及び図34を参照して、第4実施形態の半導体レーザ装置1Dについて説明する。本実施形態の半導体レーザ装置1Dは、第1実施形態の半導体レーザ装置1Aと比較して、ドライバ回路140が内蔵された点が異なる。本実施形態では、便宜上、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0203】
図33に示すように、本実施形態の支持基板50の基材51の平面視における形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。本実施形態では、第1駆動用導電部61A,61B及び第3駆動用導電部63が縦方向Yにおいて基材51の第1基材側面51c寄りに配置されている。すなわち第1駆動用導電部61A,61B及び第3駆動用導電部63の縦方向Yの中央部が基材51の縦方向Yの中央部よりも第1基材側面51cの近くに位置している。また本実施形態では、導電部60は、主面側導電部60Aから第2駆動用導電部62及び制御用導電部65(ともに図2参照)が省略され、裏面側導電部60Bから第2端子用導電部67、及び制御端子用導電部70(ともに図3参照)が省略された構成である。
【0204】
基材51の基材主面51aのうちの第1駆動用導電部61A,61B及び第3駆動用導電部63よりも第2基材側面51dに近い部分には、主面側導電部60Aとして、ドライバ回路実装部150、第1電源用導電部151、第2電源用導電部152、信号用導電部153、及び基準電圧用導電部154が形成されている。
【0205】
ドライバ回路実装部150は、縦方向Yからみて、第3駆動用導電部63と重なる位置に配置されている。平面視におけるドライバ回路実装部150の形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。ドライバ回路実装部150の横方向Xの両側には、第1電源用導電部151、第2電源用導電部152、信号用導電部153、及び基準電圧用導電部154が配置されている。より詳細には、横方向Xにおいてドライバ回路実装部150に対して第3基材側面51e側には、第1電源用導電部151及び第2電源用導電部152が配置され、ドライバ回路実装部150に対して第4基材側面51f側には、信号用導電部153及び基準電圧用導電部154が配置されている。
【0206】
第1電源用導電部151及び第2電源用導電部152は、横方向Xに揃った状態で縦方向Yに間隔をあけて配列されている。縦方向Yからみて、第1電源用導電部151及び第2電源用導電部152はそれぞれ、第1駆動用導電部61Aと重なる位置に配置されている。第1電源用導電部151は、縦方向Yにおいて第2電源用導電部152に対して第1駆動用導電部61A側に配置されている。
【0207】
信号用導電部153及び基準電圧用導電部154は、横方向Xに揃った状態で縦方向Yに間隔をあけて配列されている。縦方向Yからみて、信号用導電部153及び基準電圧用導電部154は、横方向Xに揃った状態で縦方向Yに間隔をあけて配列されている。縦方向Yからみて、信号用導電部153及び基準電圧用導電部154はそれぞれ、第1駆動用導電部61Bと重なる位置に配置されている。信号用導電部153は、縦方向Yにおいて基準電圧用導電部154に対して第1駆動用導電部61B側に配置されている。
【0208】
平面視における第1電源用導電部151、第2電源用導電部152、信号用導電部153、及び基準電圧用導電部154の形状はそれぞれ、正方形である。なお、平面視における第1電源用導電部151、第2電源用導電部152、信号用導電部153、及び基準電圧用導電部154の形状はそれぞれ任意に変更可能である。一例では、平面視における第1電源用導電部151、第2電源用導電部152、信号用導電部153、及び基準電圧用導電部154の形状は、縦方向Y及び横方向Xの一方が長辺方向となり、縦方向Y及び横方向Xの他方が短辺方向となる矩形状であってもよい。平面視における第1電源用導電部151、第2電源用導電部152、信号用導電部153、及び基準電圧用導電部154の形状の少なくとも1つは、他の形状と異なってもよい。
【0209】
ドライバ回路実装部150には、ドライバ回路140が実装されている。本実施形態では、ドライバ回路140は、例えばドライバ回路140を構成するトランジスタ等の電子部品が封止部材143によって封止されたチップとして構成されている。本実施形態では、封止部材143は樹脂材料によって電子部品の全体を覆うように構成されているが、封止部材143の具体的な構成は特に限定されない。平面視におけるドライバ回路140の形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。
【0210】
封止部材143は、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く封止主面143a及び封止裏面(図示略)を有する。封止主面143aは、スイッチング素子20の素子主面24aと厚さ方向Zにおいて同じ方向を向いている。封止裏面は、スイッチング素子20の素子裏面24bと厚さ方向Zにおいて同じ方向を向いている。封止主面143aには、複数の電極144が露出している。複数の電極144は、第1電源電極144a、第2電源電極144b、出力電極144c、入力電極144d、信号電極144e、及び基準電圧出力電極144fを有する。
【0211】
第1電源電極144aは、図示しない制御電源の正極に電気的に接続される電極であり、例えば第1電源電圧(Vcc)が印加される電極である。第1電源電極144aは、横方向Xにおいて封止主面143aのうちの第3基材側面51e寄りの端部、かつ縦方向Yにおいて封止主面143aのうちのスイッチング素子20寄りの端部に配置されている。
【0212】
第2電源電極144bは、制御電源の負極に電気的に接続される電極であり、例えば第1電源電圧(Vcc)よりも低い第2電源電圧(GND)が印加される電極である。第2電源電極144bは、横方向Xにおいて封止主面143aのうちの第3基材側面51e寄りの端部、かつ縦方向Yにおいて封止主面143aのうちの第2基材側面51d寄りの端部に配置されている。
【0213】
出力電極144cは、スイッチング素子20のゲート電極23にゲート電圧を印加するための電極である。出力電極144cは、封止主面143aのうちの横方向Xの中央部、かつ縦方向Yにおいて封止主面143aのうちのスイッチング素子20寄りの端部に配置されている。縦方向Yからみて、出力電極144cは、スイッチング素子20のゲート電極23と重なる位置に配置されている。
【0214】
入力電極144dは、スイッチング素子20のソース電極22と電気的に接続するための電極である。入力電極144dは、横方向Xにおいて封止主面143aのうちの第4基材側面51f寄りの端部、かつ縦方向Yにおいて封止主面143aのうちのスイッチング素子20寄りの端部に配置されている。縦方向Yからみて、入力電極144dは、スイッチング素子20のソース電極22と重なる位置に配置されている。
【0215】
信号電極144eは、半導体レーザ装置1Dの外部に設けられたゲート信号生成回路(図示略)からゲート信号が入力される電極である。信号電極144eは、横方向Xにおいて封止主面143aのうちの第4基材側面51f寄りの端部、かつ封止主面143aの縦方向Yの中央部に配置されている。
【0216】
基準電圧出力電極144fは、例えば制御電源から印加された第1電源電圧を基準電圧(例えば2.5V)に変圧して出力するための電極である。この場合、ドライバ回路140の内部には、基準電圧を生成するためのレギュレータが設けられている。基準電圧出力電極144fは、横方向Xにおいて封止主面143aのうちの第4基材側面51f寄りの端部、かつ縦方向Yにおいて封止主面143aのうちの第2基材側面51d寄りの端部に配置されている。
【0217】
ドライバ回路140は、複数のドライバ用接続部材160によってスイッチング素子20や主面側導電部60Aと電気的に接続されている。複数のドライバ用接続部材160は、第1ドライバ用接続部材161、第2ドライバ用接続部材162、第3ドライバ用接続部材163、第4ドライバ用接続部材164、第5ドライバ用接続部材165、及び第6ドライバ用接続部材166を有する。これらドライバ用接続部材161~165は、例えば第1駆動用接続部材81,82及びレーザ用接続部材85,86と同一の材料が用いられている。各ドライバ用接続部材161~165は、例えばAu(金)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)等の金属からなるワイヤである。本実施形態では、各ドライバ用接続部材161~165はワイヤボンディングによって形成される。各ドライバ用接続部材161~165の線径は、第1駆動用接続部材81,82及びレーザ用接続部材85,86の線径と等しい。ここで、各ドライバ用接続部材161~165の線径と第1駆動用接続部材81,82及びレーザ用接続部材85,86の線径との最大のずれ量が、例えば第1駆動用接続部材81の線径の5%以内であれば、各ドライバ用接続部材161~165の線径が第1駆動用接続部材81,82及びレーザ用接続部材85,86の線径と等しいと言える。
【0218】
第1ドライバ用接続部材161は、第1電源電極144aと第1電源用導電部151とを接続している。第2ドライバ用接続部材162は、第2電源電極144bと第2電源用導電部152とを接続している。第3ドライバ用接続部材163は、信号電極144eと信号用導電部153とを接続している。第4ドライバ用接続部材164は、基準電圧出力電極144fと基準電圧用導電部154とを接続している。第5ドライバ用接続部材165は、出力電極144cとスイッチング素子20のゲート電極23とを接続している。このため、第5ドライバ用接続部材165は、ドライバ回路とスイッチング素子の制御電極とを接続する制御用接続部材に相当する。第6ドライバ用接続部材166は、入力電極144dとスイッチング素子20のソース電極22とを接続している。このため、第6ドライバ用接続部材166は、ドライバ回路とスイッチング素子の第2駆動電極とを接続する第2駆動用接続部材に相当する。第6ドライバ用接続部材166は、第1端部166a及び第2端部166bを有する。第1端部166aはソース電極22に接続され、第2端部166bは入力電極144dに接続されている。第1端部166aは、縦方向Yからみてソース電極22のうちの入力電極144dと重なる部分、かつ縦方向Yにおいてソース電極22のうちの入力電極144d寄りの端部に接続されている。
【0219】
図34に示すように、裏面側導電部60Bは、ドライバ端子用導電部155、第1電源端子用導電部156、第2電源端子用導電部157、信号端子用導電部158、及び基準電圧端子用導電部159を有する。
【0220】
図33及び図34に示すように、ドライバ端子用導電部155は、厚さ方向Zからみて、基材51の基材裏面51bにおけるドライバ回路実装部150と重なる部分に配置されている。ドライバ端子用導電部155の形状及びサイズは、ドライバ回路実装部150の形状及びサイズと同じである。第1電源端子用導電部156は、厚さ方向Zからみて、基材裏面51bにおける第1電源用導電部151と重なる部分に配置されている。第1電源端子用導電部156の形状及びサイズは、第1電源用導電部151の形状及びサイズと同じである。第2電源端子用導電部157は、厚さ方向Zからみて、基材裏面51bにおける第2電源用導電部152と重なる部分に配置されている。第2電源端子用導電部157の形状及びサイズは、第2電源用導電部152の形状及びサイズと同じである。信号端子用導電部158は、厚さ方向Zからみて、基材裏面51bにおける信号用導電部153と重なる部分に配置されている。信号端子用導電部158の形状及びサイズは、信号用導電部153の形状及びサイズと同じである。基準電圧端子用導電部159は、厚さ方向Zからみて、基材裏面51bにおける基準電圧用導電部154と重なる部分に配置されている。基準電圧端子用導電部159の形状及びサイズは、基準電圧用導電部154の形状及びサイズと同じである。
【0221】
図34に示すとおり、横方向Xにおけるドライバ端子用導電部155と各電源端子用導電部156,157との間の隙間Gr7の大きさは、横方向Xにおける第3端子用導電部68と第1端子用導電部66Aとの間の隙間Gr2の大きさよりも小さい。また横方向Xにおけるドライバ端子用導電部155と信号端子用導電部158及び基準電圧端子用導電部159との間の隙間Gr8の大きさは、横方向Xにおける第3端子用導電部68と第1端子用導電部66Bとの間の隙間Gr2の大きさよりも小さい。また、隙間Gr7及び隙間Gr8の大きさはそれぞれ、縦方向Yにおけるドライバ端子用導電部155と第3端子用導電部68との間の隙間Gr9の大きさよりも小さい。
【0222】
図33及び図34に示すように、連絡部60Cは、複数(本実施形態では4個)のドライバ用連絡部170、第1電源用連絡部171、第2電源用連絡部172、信号用連絡部173、及び基準電圧用連絡部174を有する。これら連絡部170~174は、他の連絡部と同様にスルーホール71及び導体部72(図33及び図34ではともに図示略)を有する。
【0223】
4個のドライバ用連絡部170は、基材51においてドライバ回路実装部150とドライバ端子用導電部155とに厚さ方向Zに重なる部分に設けられている。各ドライバ用連絡部170は、ドライバ回路実装部150とドライバ端子用導電部155とを繋いでいる。
【0224】
第1電源用連絡部171は、基材51において第1電源用導電部151と第1電源端子用導電部156とに厚さ方向Zに重なる部分に設けられている。第1電源用連絡部171は、第1電源用導電部151と第1電源端子用導電部156とを繋いでいる。
【0225】
第2電源用連絡部172は、基材51において第2電源用導電部152と第2電源端子用導電部157とに厚さ方向Zに重なる部分に設けられている。第2電源用連絡部172は、第2電源用導電部152と第2電源端子用導電部157とを繋いでいる。
【0226】
信号用連絡部173は、基材51において信号用導電部153と信号端子用導電部158とに厚さ方向Zに重なる部分に設けられている。信号用連絡部173は、信号用導電部153と信号端子用導電部158とを繋いでいる。
【0227】
基準電圧用連絡部174は、基材51において基準電圧用導電部154と基準電圧端子用導電部159とに厚さ方向Zに重なる部分に設けられている。基準電圧用連絡部174は、基準電圧用導電部154と基準電圧端子用導電部159とを繋いでいる。
【0228】
なお、これら連絡部170~174の個数はそれぞれ任意に変更可能である。半導体レーザ装置1Dは、これら連絡部170~174をそれぞれ少なくとも1個有していればよい。またドライバ回路実装部150(ドライバ端子用導電部155)に対するドライバ用連絡部170の配置位置、第1電源用導電部151(第1電源端子用導電部156)に対する第1電源用連絡部171の配置位置、第2電源用導電部152(第2電源端子用導電部157)に対する第2電源用連絡部172の配置位置、信号用導電部153(信号端子用導電部158)に対する信号用連絡部173の配置位置、及び基準電圧用導電部154(基準電圧端子用導電部159)に対する基準電圧用連絡部174の配置位置はそれぞれ任意に変更可能である。
【0229】
本実施形態の半導体レーザ装置1Dによれば、第1実施形態の効果に加え、以下の効果が得られる。
(4-1)半導体レーザ装置1Dは、ドライバ回路140を備える。この構成によれば、スイッチング素子20のソース電極22から第1駆動用接続部材81,82を介して第1駆動用導電部61A,61Bに流れる電流の第1経路である第1駆動用ループ及び第2駆動用ループと、ソース電極22から第6ドライバ用接続部材166を介してドライバ回路140に流れる電流の第2経路である制御用ループとが個別に形成される。これにより、第1駆動用ループ及び第2駆動用ループの電流の変動が制御用ループに影響を及ぼすことが低減される。すなわち、制御用ループにおいて、第1駆動用接続部材81,82のインダクタンスの影響を受け難くなる。したがって、制御用ループにおいて、第1駆動用接続部材81,82のインダクタンスに起因する逆起電圧が、スイッチング素子20のゲート電極23に印加される電圧Vgsに及ぼす影響を低減できる。
【0230】
加えて、ドライバ回路140が半導体レーザ装置1Dに内蔵されることによって、スイッチング素子20のソース電極22とドライバ回路140の入力電極142との間の距離、及びスイッチング素子20のゲート電極23とドライバ回路140の出力電極141との間の距離がそれぞれ短くなる。したがって、制御用ループにおけるインダクタンスを低減できる。
【0231】
(4-2)ドライバ回路140は、縦方向Yにおいてスイッチング素子20に対して半導体レーザ素子10とは反対側に配置されている。この構成によれば、第1駆動用ループ及び第2駆動用ループに対して制御用ループを遠くに形成できるため、第1駆動用ループ及び第2駆動用ループのインダクタンスの影響を制御用ループが受け難くなる。
【0232】
(4-3)スイッチング素子20のゲート電極23は、ドライバ回路140寄りに配置されている。この構成によれば、ゲート電極23とドライバ回路140の出力電極141との間の距離を短くできる。したがって、制御用ループにおけるインダクタンスを低減できる。
【0233】
(4-4)第6ドライバ用接続部材166は、スイッチング素子20のソース電極22のうちの縦方向Yのドライバ回路140寄りの端部に接続されている。この構成によれば、第6ドライバ用接続部材166の長さを短くできるため、制御用ループにおけるインダクタンスを低減できる。
【0234】
[第4実施形態の変更例]
第4実施形態の半導体レーザ装置1Dは例えば以下のように変更できる。以下の各変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、組み合せることができる。なお、以下の変更例において、第1~第4実施形態と共通する部分については、第1~第4実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0235】
・第4実施形態の半導体レーザ装置1Dは、第1実施形態の半導体レーザ装置1Aの構成を前提として、半導体レーザ装置1Aにドライバ回路140を内蔵した構成であったが、これに限られない。例えば、半導体レーザ装置1Dは、第2実施形態の半導体レーザ装置1B又は第3実施形態の半導体レーザ装置1Cの構成を前提として、半導体レーザ装置1B,1Cにドライバ回路140を内蔵した構成としてもよい。
【0236】
図35及び図36は、第2実施形態の半導体レーザ装置1Bにドライバ回路140を内蔵した半導体レーザ装置1Dの構成の第1例を示している。図35に示すように、本実施形態の支持基板50の基材51の平面視における形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。本実施形態では、第1駆動用導電部61及び第3駆動用導電部63が縦方向Yにおいて基材51の第1基材側面51c寄りに配置されている。すなわち第1駆動用導電部61及び第3駆動用導電部63の縦方向Yの中央部が基材51の縦方向Yの中央部よりも第1基材側面51cの近くに位置している。また本実施形態では、導電部60は、主面側導電部60Aから第2駆動用導電部62及び制御用導電部65が省略され、裏面側導電部60Bから第2端子用導電部67、及び制御端子用導電部70(ともに図3参照)が省略された構成である。
【0237】
基材51の基材主面51aのうちの第1駆動用導電部61及び第3駆動用導電部63よりも第2基材側面51dに近い部分には、ドライバ回路実装部150、第1電源用導電部151、第2電源用導電部152、信号用導電部153、及び基準電圧用導電部154が形成されている。ドライバ回路実装部150及び各導電部151~154の形状や配置は、第4実施形態のドライバ回路実装部150及び各導電部151~154と同じであるため、説明を省略する。
【0238】
ドライバ回路実装部150に実装されたドライバ回路140は、第4実施形態のドライバ回路140と比較して、出力電極144c及び入力電極144dの配置構成のみが異なる。出力電極144cは、横方向Xにおいて封止部材143の封止主面143aのうちの第4基材側面51f寄りの端部、かつ縦方向Yにおいて封止主面143aのうちのスイッチング素子20寄りの端部に配置されている。縦方向Yからみて、出力電極144cは、スイッチング素子20のソース電極22と重なる位置に配置されている。出力電極144cは、スイッチング素子20のゲート電極23よりも第3基材側面51eの近くに配置されている。入力電極144dは、封止主面143aの横方向Xの中央部よりも第4基材側面51f寄りの部分、かつ縦方向Yにおいて封止主面143aのうちのスイッチング素子20寄りの端部に配置されている。横方向Xにおける入力電極144dと出力電極144cとの間の距離は、横方向Xにおける入力電極144dと第1電源電極144aとの間の距離よりも小さい。縦方向Yからみて、入力電極144dは、その一部がソース電極22と重なるように配置されている。
【0239】
第1~第4ドライバ用接続部材161~164の接続態様は、第4実施形態の第1~第4ドライバ用接続部材161~164の接続態様と同じである。第5ドライバ用接続部材165は、出力電極144cとゲート電極23とを繋いでいる。このため、平面視において、第5ドライバ用接続部材165は、出力電極144cからゲート電極23に向かうにつれて第4基材側面51f側に斜めに延びている。第6ドライバ用接続部材166は、入力電極144dとソース電極22とを繋いでいる。第6ドライバ用接続部材166は、ソース電極22のうちの縦方向Yのドライバ回路140寄りの端部に接続されている。また図35に示すとおり、第6ドライバ用接続部材166の長さは、第5ドライバ用接続部材165の長さよりも短い。
【0240】
図36に示すように、裏面側導電部60Bは、第1端子用導電部66、第3端子用導電部68、第4端子用導電部69、ドライバ端子用導電部155、第1電源端子用導電部156、第2電源端子用導電部157、信号端子用導電部158、及び基準電圧端子用導電部159を有する。なお、ドライバ端子用導電部155、第1電源端子用導電部156、第2電源端子用導電部157、信号端子用導電部158、及び基準電圧端子用導電部159の構成や配置は、第4実施形態と同じであるため、説明を省略する。
【0241】
第1端子用導電部66は、基材裏面51bにおいて第1駆動用導電部61と厚さ方向Zに重なる部分に配置されている。第1端子用導電部66の縦方向Yの大きさは、第1駆動用導電部61の縦方向Yの大きさよりも小さい。
【0242】
第4端子用導電部69は、基材裏面51bにおいて第4駆動用導電部64と厚さ方向Zに重なる部分に配置されている。第4端子用導電部69は、縦方向からみて、第1端子用導電部66と重なる位置に配置されている。第4端子用導電部69の横方向Xの大きさは、第4駆動用導電部64の横方向Xの大きさよりも小さい。
【0243】
第3端子用導電部68は、基材裏面51bにおいて第3駆動用導電部63と厚さ方向Zに重なる部分に配置されている。第3端子用導電部68の横方向Xの大きさは、第3駆動用導電部63の横方向Xの大きさよりも小さい。本実施形態の第3端子用導電部68は、第2実施形態の半導体レーザ装置1Bの第3端子用導電部68A,68Bを一体化して形成されている。
【0244】
図35及び図36に示すように、連絡部60Cは、第1駆動用連絡部73、第3駆動用連絡部75A,75B、第4駆動用連絡部76、ドライバ用連絡部170、第1電源用連絡部171、第2電源用連絡部172、信号用連絡部173、及び基準電圧用連絡部174を有する。ドライバ用連絡部170、第1電源用連絡部171、第2電源用連絡部172、信号用連絡部173、及び基準電圧用連絡部174の構成や配置は、第4実施形態と同じであるため、説明を省略する。
【0245】
第1駆動用連絡部73は、第1駆動用導電部61と第1端子用導電部66とを繋いでいる。図35及び図36では、4個の第1駆動用連絡部73が縦方向Yにおいて第1駆動用導電部61及び第1端子用導電部66のうちの第2基材側面51d側に配置されている。
【0246】
第3駆動用連絡部75Aは、スイッチング素子実装部63aに設けられている。第3駆動用連絡部75Bは、半導体レーザ素子実装部63bに設けられている。本実施形態では、第3駆動用連絡部75Aが9個設けられ、第3駆動用連絡部75Bが2個設けられている。各第3駆動用連絡部75Aは、スイッチング素子実装部63aと第3端子用導電部68とを繋いでいる。各第3駆動用連絡部75Bは、半導体レーザ素子実装部63bと第3端子用導電部68とを繋いでいる。このように、ドライバ回路140を内蔵することによって、第4実施形態の効果と同様の効果が得られる。
【0247】
図37は、図35の半導体レーザ装置1Dに対してスイッチング素子20の素子主面24aに形成された電極が異なる構成を示している。図37のスイッチング素子20の素子主面24aには、第1ソース電極22A、第2ソース電極22B、及びゲート電極23が形成されている。
【0248】
第1ソース電極22Aは、素子主面24aの大部分にわたり形成されている。第1ソース電極22Aには切欠部25が形成されている。切欠部25は、縦方向Yにおいて第1ソース電極22Aのうちのドライバ回路140寄りの端部、かつ横方向Xにおいて第1駆動用導電部61寄りの部分に形成されている。切欠部25には、第2ソース電極22B及びゲート電極23が配置されている。
【0249】
第2ソース電極22B及びゲート電極23は、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに間隔をあけて配列されている。第2ソース電極22Bは、横方向Xにおいてゲート電極23に対して第1駆動用導電部61側に配置されている。第2ソース電極22Bは、縦方向Yからみて、その一部が入力電極144dと重なる位置に配置されている。ゲート電極23は、縦方向Yからみて、その一部が出力電極144cと重なる位置に配置されている。この構成によれば、ゲート電極23と出力電極144cとを接続する第5ドライバ用接続部材165の長さ、及び第2ソース電極22Bと入力電極144dとを接続する第6ドライバ用接続部材166の長さをそれぞれ短くできる。
【0250】
図38及び図39は、第2実施形態の半導体レーザ装置1Bにドライバ回路140を内蔵した半導体レーザ装置1Dの構成の第2例を示している。図38に示すように、本実施形態の支持基板50の基材51の平面視における形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。本実施形態では、第4実施形態と比較して、横方向Xにおける第3駆動用導電部63と基材51の第3基材側面51eとの間の距離が大きい。また本実施形態では、導電部60は、主面側導電部60Aから第2駆動用導電部62及び制御用導電部65が省略され、裏面側導電部60Bから第2端子用導電部67、及び制御端子用導電部70(ともに図34参照)が省略された構成である。
【0251】
第3駆動用導電部63は、基材主面51aの横方向Xの中央部に配置されている。ドライバ回路実装部150、第1電源用導電部151、第2電源用導電部152、信号用導電部153、基準電圧用導電部154はそれぞれ、横方向Xにおいて第3駆動用導電部63に対して第1駆動用導電部61とは反対側(第4基材側面51f側)に配置されている。平面視におけるドライバ回路実装部150の形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。
【0252】
第1電源用導電部151及び第2電源用導電部152はそれぞれ、縦方向Yにおいてドライバ回路実装部150よりも第1基材側面51cの近くに配置されている。第1電源用導電部151及び第2電源用導電部152は、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに間隔をあけて配列されている。縦方向Yからみて、第1電源用導電部151及び第2電源用導電部152はそれぞれ、ドライバ回路実装部150と重なる位置に配置されている。第1電源用導電部151は、横方向Xにおいて第2電源用導電部152に対して第3駆動用導電部63側に配置されている。
【0253】
信号用導電部153及び基準電圧用導電部154はそれぞれ、縦方向Yにおいてドライバ回路実装部150よりも第2基材側面51dの近くに配置されている。信号用導電部153及び基準電圧用導電部154は、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに間隔をあけて配列されている。縦方向Yからみて、信号用導電部153及び基準電圧用導電部154はそれぞれ、ドライバ回路実装部150と重なる位置に配置されている。信号用導電部153は、横方向Xにおいて基準電圧用導電部154に対して第3駆動用導電部63側に配置されている。
【0254】
ドライバ回路実装部150には、ドライバ回路140が実装されている。図38のドライバ回路140は、図35のドライバ回路140と比較して、ドライバ回路実装部150への配置方向が異なる。具体的には、図38のドライバ回路140は、基材主面51aと垂直な方向からみて、図35のドライバ回路140を時計回り方向に90度回転させた配置態様である。このため、各ドライバ用接続部材161~165の接続態様は、図35の各ドライバ用接続部材161~165の接続態様と概ね同じである。第6ドライバ用接続部材166の第1端部166aは、ソース電極22のうちの横方向Xにおける入力電極144d寄りの端部に接続されている。
【0255】
図39に示すように、横方向Xにおいて第3端子用導電部68よりも第4基材側面51f側には、ドライバ端子用導電部155、第1電源端子用導電部156、第2電源端子用導電部157、信号端子用導電部158、及び基準電圧端子用導電部159が配置されている。
【0256】
ドライバ端子用導電部155は、厚さ方向Zからみて、基材51の基材裏面51bにおけるドライバ回路実装部150と重なる部分に配置されている。ドライバ端子用導電部155の形状及びサイズは、ドライバ回路実装部150の形状及びサイズと同じである。第1電源端子用導電部156は、厚さ方向Zからみて、基材裏面51bにおける第1電源用導電部151と重なる部分に配置されている。第1電源端子用導電部156の形状及びサイズは、第1電源用導電部151の形状及びサイズと同じである。第2電源端子用導電部157は、厚さ方向Zからみて、基材裏面51bにおける第2電源用導電部152と重なる部分に配置されている。第2電源端子用導電部157の形状及びサイズは、第2電源用導電部152の形状及びサイズと同じである。信号端子用導電部158は、厚さ方向Zからみて、基材裏面51bにおける信号用導電部153と重なる部分に配置されている。信号端子用導電部158の形状及びサイズは、信号用導電部153の形状及びサイズと同じである。基準電圧端子用導電部159は、厚さ方向Zからみて、基材裏面51bにおける基準電圧用導電部154と重なる部分に配置されている。基準電圧端子用導電部159の形状及びサイズは、基準電圧用導電部154の形状及びサイズと同じである。
【0257】
このような構成によれば、半導体レーザ素子10が基材51の横方向Xの中央部に位置している。このため、半導体レーザ素子10の支持基板50に対する横方向Xの偏りがなくなるため、配線基板の配線パターンを半導体レーザ素子10の上記偏りを考慮せずに設計できる。したがって、半導体レーザ装置1Dの使い勝手がよくなる。
【0258】
図40は、第1実施形態の半導体レーザ装置1Aを前提として、半導体レーザ装置1Aのスイッチング素子20を第3実施形態の半導体レーザ装置1Cの横型構造のスイッチング素子20Aに置き換えた構成に、ドライバ回路140を内蔵した半導体レーザ装置1Dの構成を示している。
【0259】
図40に示すように、スイッチング素子20Aの第1ソース電極22A、第2ソース電極22B、及びゲート電極23はそれぞれ、素子主面24aのうちのドライバ回路140寄りの端部に形成されている。第1ソース電極22Aは、縦方向Yからみて、ドライバ回路140の第1電源電極144a及び第2電源電極144bと重なっている。第2ソース電極22Bは、縦方向Yからみて、ドライバ回路140の入力電極144d、信号電極144e、及び基準電圧出力電極144fと重なっている。ゲート電極23は、縦方向Yからみて、ドライバ回路140の出力電極144cと重なっている。
【0260】
各ドライバ用接続部材161~165の接続態様は、第4実施形態の各ドライバ用接続部材161~165の接続態様と同じである。第6ドライバ用接続部材166は、ドライバ回路140の入力電極144dとスイッチング素子20Aの第2ソース電極22Bとを接続している。なお、裏面側導電部60Bの構成は、第4実施形態の裏面側導電部60Bの構成と同じである。図40に示す半導体レーザ装置1Dによれば、第4実施形態の効果と同様の効果が得られる。
【0261】
図40に示す半導体レーザ装置1Dにおいて、半導体レーザ素子10の個数は任意に変更可能である。一例では、図41に示すように、上記図40の半導体レーザ装置1Dにおいて、2個の半導体レーザ素子10A,10Bを設けた構成に変更できる。この場合、第3駆動用導電部63及び第4駆動用導電部64A,64Bの形状、半導体レーザ素子10A,10Bの配置態様、及びレーザ用接続部材85,86の接続態様はそれぞれ、図17に示す変更例の半導体レーザ装置1Aと同じである。また図示していないが裏面側導電部60Bの第3端子用導電部68及び第4端子用導電部69A,69Bの形状及び配置態様は、図18に示す変更例の半導体レーザ装置1Aと同じである。
【0262】
図41に示す半導体レーザ装置1Dにおいて、図42に示すように、2個の半導体レーザ素子10A,10Bのアノード電極11同士を素子接続部材87で接続した構成としてもよい。
【0263】
図41及び図42に示す半導体レーザ装置1Dにおいて、図43に示すように、半導体レーザ素子10A,10Bに代えて、図20及び図21に示す半導体レーザ素子10Cを用いてもよい。
【0264】
・第4実施形態及びその変更例の半導体レーザ装置1Dでは、ドライバ回路140が支持基板50の基材51の基材主面51aに実装されていたが、これに限定されない。例えば、ドライバ回路140を支持基板50の内部に埋め込む構造であってもよい。この構成によれば、厚さ方向Zにおいてスイッチング素子20とドライバ回路140とが並んで配置されることによって、半導体レーザ装置1Dを横方向X又は縦方向Yに小型化できる。
【0265】
・第4実施形態及びその変更例の半導体レーザ装置1Dにおいて、各ドライバ用接続部材161~166の線径は、他の接続部材80の線径と異なってもよい。また、各ドライバ用接続部材161~166を構成する材料は、他の接続部材80を構成する材料と異なってもよい。
【0266】
[第5実施形態]
図44図46を参照して、第5実施形態の半導体レーザ装置1Eについて説明する。本実施形態の半導体レーザ装置1Eは、第2実施形態の半導体レーザ装置1Bと比較して、導電部60の一部の形状が主に異なる。本実施形態では、便宜上、第2実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0267】
図44に示すように、半導体レーザ装置1Eは、主面側導電部60Aとして、第1駆動用導電部61、第3駆動用導電部63、第4駆動用導電部64、及び制御用導電部65を有する。すなわち、半導体レーザ装置1Eは、第2駆動用導電部62を有していない。
【0268】
支持基板50の基材51の縦方向Yの大きさが第2実施形態の基材51の縦方向Yの大きさよりも大きい。基材51の横方向Xの大きさは、第2実施形態の基材51の横方向Xの大きさと等しい。このため、平面視における基材51の縦横比が第2実施形態の基材51の縦横比と異なる。
【0269】
第1駆動用導電部61、第3駆動用導電部63、及び第4駆動用導電部64の配置態様は、第2実施形態と同様である。第1駆動用導電部61の縦方向Yの大きさは、第2実施形態の第1駆動用導電部61の縦方向Yの大きさよりも大きい。第3駆動用導電部63の縦方向Yの大きさは、第2実施形態の第3駆動用導電部63の縦方向Yの大きさよりも大きい。より詳細には、スイッチング素子実装部63aの縦方向Yの大きさは、第2実施形態のスイッチング素子実装部63aの縦方向Yの大きさよりも大きい。また、本実施形態では、第1駆動用導電部61の縦方向Yの両端部を第1端部61a及び第2端部61bとする。第1端部61aは、第1駆動用導電部61のうちの第1基材側面51c寄りの端部であって、コンデンサ30A,30Bの第1端子31が接続される端部である。第2端部61bは、第1駆動用導電部61のうちの第2基材側面51d寄りの端部である。
【0270】
制御用導電部65は、第3駆動用導電部63よりも第2基材側面51dの近くに配置されている。平面視における制御用導電部65の形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。制御用導電部65の横方向Xの大きさは、第2実施形態の制御用導電部65の横方向Xの大きさよりも大きい。
【0271】
図45に示すように、半導体レーザ装置1Eは、裏面側導電部60Bとして、第1端子用導電部66A,66B、第3端子用導電部68A,68B、第4端子用導電部69、及び制御端子用導電部70を有する。すなわち、半導体レーザ装置1Eは、第2端子用導電部67を有していない。本実施形態では、第1端子用導電部66A,66B、第3端子用導電部68A,68B、及び第4端子用導電部69の配置態様は、第2実施形態と同じである。第3端子用導電部68A,68Bのそれぞれの横方向Xの大きさは、第2実施形態の第3端子用導電部68A,68Bのそれぞれの横方向Xの大きさよりも小さい。第3端子用導電部68Aの縦方向Yの大きさは、第2実施形態の第3端子用導電部68Aの縦方向Yの大きさよりも大きい。
【0272】
制御端子用導電部70は、厚さ方向Zにおいて制御用導電部65と重なる位置に配置されている。制御端子用導電部70の横方向Xの大きさは、第2実施形態の制御端子用導電部70の横方向Xの大きさよりも大きい。
【0273】
本実施形態の半導体レーザ装置1Eは、連絡部60Cとして、第1駆動用連絡部73A,73B、第3駆動用連絡部75A,75B、第4駆動用連絡部76、及び制御用連絡部77を有する。すなわち、半導体レーザ装置1Eは、第2駆動用連絡部74を有していない。本実施形態では、第1駆動用連絡部73A,73B、第3駆動用連絡部75A,75B、及び第4駆動用連絡部76の配置態様は第2実施形態と同じである。本実施形態では、第2実施形態とは異なり、4個の第3駆動用連絡部75A及び2個の制御用連絡部77が設けられている。4個の第3駆動用連絡部75Aは、互いに横方向X及び縦方向Yに離間して配列されている。2個の制御用連絡部77は、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに間隔をあけて配列されている。
【0274】
図44に示すように、第3駆動用導電部63のスイッチング素子実装部63aに実装されたスイッチング素子20の縦方向Yの大きさは、第2実施形態のスイッチング素子20の縦方向Yの大きさよりも大きい。
【0275】
本実施形態では、第1駆動用接続部材81のソース電極22及び第1駆動用導電部61の接続位置が第2実施形態の第1駆動用接続部材81のソース電極22及び第1駆動用導電部61の接続位置と異なる。具体的には、3本の第1駆動用接続部材81を、便宜上、第1駆動用接続部材81A,81B,81Cとする。第1駆動用接続部材81Aは、3本の第1駆動用接続部材81A~81Cのうちのコンデンサ30A,30Bに最も近い接続部材である。第1駆動用接続部材81Cは、3本の第1駆動用接続部材81A~81Cのうちのコンデンサ30A,30Bに最も遠い接続部材である。第1駆動用接続部材81Bは、縦方向Yにおいて第1駆動用接続部材81Aと第1駆動用接続部材81Bとの間に配置されている。
【0276】
第1駆動用接続部材81Aにおいてソース電極22に接続された第1端部81axは、ソース電極22のうちのソース電極22の縦方向Yの中央部よりも第1基材側面51c寄りの部分に配置されている。第1駆動用接続部材81Aにおいて第1駆動用導電部61に接続された第2端部81bxは、第1駆動用導電部61のうちの第1駆動用導電部61の縦方向Yの中央部よりも第1基材側面51cに近い部分に配置されている。より詳細には、第2端部81bxは、第1駆動用導電部61に形成された4個の第1駆動用連絡部73よりも第1基材側面51cに近い部分に配置されている。第2端部81bxは、縦方向Yにおいて第1端部81axよりも第2基材側面51dの近くに位置している。このため、第1駆動用接続部材81Aは、平面視において、第1端部81axから第2端部81bxに向かうにつれて第2基材側面51d側に向けて延びている。
【0277】
第1駆動用接続部材81Bにおいてソース電極22に接続された第1端部81ayは、ソース電極22のうちのソース電極22の縦方向Yの中央部よりも第1基材側面51cに近くかつ第1端部81axよりも中央部に近い部分に配置されている。第1駆動用接続部材81Bにおいて第1駆動用導電部61に接続された第2端部81byは、第1駆動用導電部61のうちの第1駆動用導電部61の縦方向Yの中央部よりも第1基材側面51cに近くかつ第1端部81axよりも中央部に近い部分に配置されている。より詳細には、第2端部81byは、4個の第1駆動用連絡部73の縦方向Yの間に配置されている。第2端部81byは、縦方向Yにおいて第1端部81ayよりも第2基材側面51dの近くに位置している。このため、第1駆動用接続部材81Bは、平面視において、第1端部81ayから第2端部81byに向かうにつれて第2基材側面51d側に向けて延びている。
【0278】
第1駆動用接続部材81Cにおいてソース電極22に接続された第1端部81azは、ソース電極22のうちのソース電極22の縦方向Yの中央部よりも第2基材側面51dに近い部分に配置されている。具体的には、第1端部81azは、ソース電極22のうちの切欠部25と横方向Xに隣り合う部分に接続されている。第1駆動用接続部材81Cにおいて第1駆動用導電部61に接続された第2端部81bzは、第1駆動用導電部61のうちの第1駆動用導電部61の縦方向Yの中央部よりも第2基材側面51dの近くに配置されている。より詳細には、第1駆動用導電部61のうちの第2基材側面51d寄りの端縁61cと第2端部81bzとの縦方向Yの間の距離DY1は、コンデンサ30Bの第1端子31と第2端部81bzとの縦方向Yの間の距離DY2よりも小さい。また第2端部81bzは、横方向Xにおいて第1駆動用導電部61のうちのスイッチング素子20寄りの部分に接続されている。
【0279】
第2端部81bzは、縦方向Yにおいて第1端部81azよりも第2基材側面51dの近くに位置している。このため、第1駆動用接続部材81Cは、平面視において、第1端部81azから第2端部81bzに向かうにつれて第2基材側面51d側に向けて延びている。第1端部81azと第2端部81bzとの縦方向Yの間の距離DYCは、第1駆動用接続部材81Aの第1端部81axと第2端部81bxとの縦方向Yの間の距離DYAよりも大きい。また距離DYCは、第1駆動用接続部材81Bの第1端部81ayと第2端部81byとの縦方向Yの間の距離DYBよりも大きい。
【0280】
図44から分かるとおり、第1駆動用接続部材81Aの第2端部81bxは、第1駆動用接続部材81B,81Cの第2端部81by,81bzよりもコンデンサ30A,30Bの近くに位置している。このため、第1駆動用接続部材81Aは、複数の駆動用接続部材のうちのコンデンサ30A,30Bに近い側の駆動用接続部材と言える。換言すると、第1駆動用接続部材81Aは、駆動用導電部(第1駆動用導電部61)のうちのコンデンサ30A,30Bの第1端子31に近い側と、第2駆動電極(スイッチング素子20のソース電極22)とを接続する第1駆動用接続部材であると言える。また、第1駆動用接続部材81Cの第2端部81bzは、第1駆動用接続部材81A,81Cの第2端部81bx,81byよりもコンデンサ30A,30Bから遠くに位置している。第2端部81bzは、コンデンサ30A,30Bの第1端子31よりも第1駆動用導電部61の端縁61cの近くに配置されている。このため、第1駆動用接続部材81Cは、複数の駆動用接続部材のうちのコンデンサ30A,30Bから遠い側の駆動用接続部材と言える。換言すると、第1駆動用接続部材81Cは、駆動用導電部(第1駆動用導電部61)のうちのコンデンサ30A,30Bの第1端子31よりも第2端部(端縁61c)に近い側と、第2駆動電極(スイッチング素子20のソース電極22)とを接続する第2駆動用接続部材であると言える。
【0281】
図46は、本実施形態の半導体レーザ装置1Eをレーザシステム100に適用した場合の模式図を示している。図46に示すように、電源110の正極111は、第4端子用導電部69及び第4駆動用連絡部76(ともに図45参照)を介して第4駆動用導電部64に接続されている。また電源110の負極112は、第1端子用導電部66A及び第1駆動用連絡部73A(ともに図45参照)を介して第1駆動用導電部61に接続されている。図45では、負極112は、第1端子用導電部66Aのうちの縦方向Yの中央部よりもコンデンサ30A,30Bに近い部分に接続されている。また、ドライバ回路140の出力電極141は、制御端子用導電部70及び制御用連絡部77(ともに図45参照)を介して制御用導電部65に接続されている。ドライバ回路140の入力電極142は、第1端子用導電部66B及び第1駆動用連絡部73B(ともに図45参照)を介して第1駆動用導電部61に接続されている。このように、入力電極142は、第1駆動用導電部61のうちの第2基材側面51d寄りの端部に電気的に接続されている。ドライバ回路140の出力電極141は、制御用導電部65及び制御用接続部材84を介してゲート電極23に電気的に接続されている。ドライバ回路140の入力電極142は、第1駆動用導電部61及び第1駆動用接続部材81Cを介してソース電極22に電気的に接続されている。
【0282】
レーザシステム100を駆動した場合、電源110の正極111、半導体レーザ素子10のアノード電極11、カソード電極12、スイッチング素子20のドレイン電極21、ソース電極22、第1駆動用接続部材81A、及び電源110の負極112の順に電流が流れる駆動用電流ループが形成される。また、ドライバ回路140の出力電極141、制御用導電部65、制御用接続部材84、ソース電極22、第1駆動用接続部材81C、第1駆動用導電部61、及び入力電極142の順に電流が流れる制御用電流ループが形成される。これら電流ループは、互いに独立して形成されている。
【0283】
本実施形態の半導体レーザ装置1Eによれば、以下の効果が得られる。
(5-1)半導体レーザ装置1Eは、スイッチング素子20のソース電極22と第1駆動用導電部61のうちのコンデンサ30A,30Bの第1端子31に近い側に接続される第1駆動用接続部材81Aと、ソース電極22と第1駆動用導電部61のうちのコンデンサ30A,30Bの第1端子31よりもゲート電極23に近い側とを接続する第1駆動用接続部材81Cとを備える。この構成によれば、スイッチング素子20のソース電極22から第1駆動用接続部材81Aを介して第1駆動用導電部61のうちのコンデンサ30A,30Bの第1端子31に近い側に流れる電流の第1経路である駆動用ループと、ソース電極22から第1駆動用接続部材81Cを介して第1駆動用導電部61のうちのゲート電極23に近い側に流れる電流の第2経路である制御用ループとが個別に形成される。これにより、駆動用ループの電流の変動が制御用ループに影響を及ぼすことが低減される。すなわち、制御用ループにおいて、第1駆動用接続部材81のインダクタンスの影響を受け難くなる。したがって、制御用ループにおいて、第1駆動用接続部材81Aのインダクタンスに起因する逆起電圧が、スイッチング素子20のゲート電極23に印加される電圧Vgsに及ぼす影響を低減できる。
【0284】
(5-2)半導体レーザ素子10は、10ns以下のパルス幅のレーザ光を出射可能である。この構成によれば、パルス幅が短くなるにつれて、駆動用ループにおいて電流が流れることが可能な電流経路のうちの最短の経路を形成するため、スイッチング素子20のソース電極22からコンデンサ30A,30Bに最も近い第1駆動用接続部材81Aを介して電流が流れる。このため、コンデンサ30A,30Bから遠い第1駆動用接続部材81Cに対する駆動用ループの影響が低減される。
【0285】
[第5実施形態の変更例]
・第5実施形態では、第2実施形態の半導体レーザ装置1Bの構成を前提として、導電部60の形状を第2実施形態の導電部60と異ならせた構成であったが、これに限られない。例えば、第1実施形態及び第3実施形態の半導体レーザ装置1A,1Cの構成を前提としてもよい。第1実施形態の半導体レーザ装置1Aの構成を前提とする場合、及び第3実施形態の半導体レーザ装置1Cの構成を前提とする場合では、例えば第1駆動用導電部61Bと第2駆動用導電部62とを一体化する。この構成によれば、第5実施形態の効果と同様の効果が得られる。
【0286】
[各実施形態に共通の変更例]
上記各実施形態は本開示に関する半導体レーザ装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に関する半導体レーザ装置は、上記各実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、上記各実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、又は上記各実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下の変更例において、上記各実施形態と共通する部分については、上記各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0287】
・上記各実施形態では、支持基板50の基材51の基材主面51aにコンデンサ30A,30Bが実装されていたが、コンデンサ30A,30Bの位置はこれに限定されない。例えば、コンデンサ30A,30Bは、支持基板50の内部に埋め込む構造であってもよい。
【0288】
・上記各実施形態では、連絡部60Cの構成がスルーホール71内に導体部72が埋め込まれる構成であったが、連絡部60Cの構成はこれに限定されない。複数の連絡部60Cの少なくとも1つが導体部72に代えて絶縁性の材料がスルーホール71内に埋め込まれる構成であってもよい。
【0289】
・上記各実施形態では、第1駆動用接続部材81,82の線径、第2駆動用接続部材83の線径、制御用接続部材84の線径、及びレーザ用接続部材85,86の線径が互いに等しいが、これに限定されない。第1駆動用接続部材81,82の線径、第2駆動用接続部材83の線径、制御用接続部材84の線径、及びレーザ用接続部材85,86の線径を個別に設定してもよい。例えば、制御用接続部材84の線径を各駆動用接続部材81~83及びレーザ用接続部材85,86の線径よりも小さくしてもよい。
【0290】
・上記各実施形態では、第1駆動用接続部材81,82、第2駆動用接続部材83、制御用接続部材84、及びレーザ用接続部材85,86を構成する材料は共通であったが、これに限定されない。例えば、制御用接続部材84の材料が各駆動用接続部材81~83及びレーザ用接続部材85,86の材料と異なってもよい。
【0291】
・上記各実施形態では、レーザシステム100のダイオード130が半導体装置1A~1Eの外部に設けられているが、これに限られない。半導体装置1A~1Eは、ダイオード130を内蔵するように構成してもよい。
【0292】
上記実施形態および上記変更例から把握することができる技術的思想について以下に記載する。
(付記1)
半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子に直列接続され、制御電極、第1駆動電極、及び第2駆動電極を有し、前記制御電極に印加される電圧に応じて前記半導体レーザ素子に流れる電流を制御するスイッチング素子と、
前記半導体レーザ素子及び前記スイッチング素子に並列接続されるコンデンサと、
前記コンデンサの第1端子が接続されている第1駆動用導電部と、
前記第1駆動用導電部と離間して配置されている第2駆動用導電部と、
前記第1駆動用導電部と前記第2駆動電極とを接続している第1駆動用接続部材と、
前記第2駆動用導電部と前記第2駆動電極とを接続している第2駆動用接続部材と、
を備える
半導体レーザ装置。
【0293】
(付記2)
前記半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ装置の端子を構成する端子用導電部を備え、
前記端子用導電部は、
前記半導体レーザ装置に電力を供給する電源の負極に接続するための第1端子用導電部と、
前記スイッチング素子の前記制御電極に電圧を印加するドライバ回路のうちの入力電極に接続するための第2端子用導電部と、
を備え、
前記第1駆動用導電部は、前記第1端子用導電部と電気的に接続されており、
前記第2駆動用導電部は、前記第2端子用導電部と電気的に接続されている
付記1に記載の半導体レーザ装置。
【0294】
(付記3)
前記半導体レーザ素子、前記スイッチング素子、及び前記第2駆動用導電部は、前記半導体レーザ装置の平面視において、所定の第1方向に配列されており、
前記第1駆動用導電部は、前記平面視において、前記スイッチング素子に対して前記第1方向と直交する第2方向に配列されている
付記1又は2に記載の半導体レーザ装置。
【0295】
(付記4)
前記第1方向において、前記第2駆動用導電部は、前記スイッチング素子に対して前記半導体レーザ素子とは反対側に配置されている
付記3に記載の半導体レーザ装置。
【0296】
(付記5)
前記半導体レーザ素子は、前記第2方向の中央部に配置されている
付記3又は4に記載の半導体レーザ装置。
【0297】
(付記6)
前記コンデンサは、前記第1方向において前記スイッチング素子に対して前記半導体レーザ素子寄りに配置されている
付記3~5のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【0298】
(付記7)
前記コンデンサは、複数個設けられている
付記1~6のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【0299】
(付記8)
前記コンデンサは、複数個設けられ、かつ、前記スイッチング素子の前記第2方向の両側に配置されており、
前記第1駆動用導電部は、前記スイッチング素子の前記第2方向の両側に配置されている
付記3~6のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【0300】
(付記9)
前記半導体レーザ素子は、複数個設けられ、かつ前記第2方向に配列されている
付記3~6のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【0301】
(付記10)
前記第2方向に隣り合う前記半導体レーザ素子の電極は、素子接続部材によって互いに電気的に接続されている
付記9に記載の半導体レーザ装置。
【0302】
(付記11)
前記半導体レーザ素子は、前記第2方向に配列された複数の半導体発光層を有し、
前記複数の半導体発光層は、1つの電極によって互いに接続されている
付記3~6のいずれか一項または付記8もしくは9に記載の半導体レーザ装置。
【0303】
(付記12)
前記スイッチング素子の前記第1駆動電極が接続されている第3駆動用導電部を有し、
前記第3駆動用導電部には、前記半導体レーザ素子が接続されている
付記1~11のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【0304】
(付記13)
前記コンデンサの第2端子が接続されている第4駆動用導電部を有し、
前記半導体レーザ装置の平面視において、前記半導体レーザ素子、前記スイッチング素子、及び前記第2駆動用導電部は、所定の第1方向に配列されており、
前記第4駆動用導電部は、前記第1駆動用導電部に対して前記第1方向に配列されている
付記1~12のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【0305】
(付記14)
前記半導体レーザ装置は、
前記第1駆動用導電部及び前記第2駆動用導電部のそれぞれと離間して配置され、前記制御電極と電気的に接続される制御用導電部と、
前記制御電極と前記制御用導電部とを接続する制御用接続部材と、
を備え、
前記制御用接続部材と前記第2駆動用接続部材とは隣り合っている
付記1~13のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【0306】
(付記15)
前記制御用導電部と前記第2駆動用導電部とは隣り合っている
付記14に記載の半導体レーザ装置。
【0307】
(付記16)
前記半導体レーザ装置は、基板主面と、前記基板主面と垂直な方向において前記基板主面とは反対側を向く基板裏面とを有する支持基板を備え、
前記基板主面には、少なくとも前記第1駆動用導電部が形成されており、
前記基板裏面には、前記半導体レーザ装置の端子を構成する端子用導電部が形成されている
付記1~15のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【0308】
(付記17)
前記端子用導電部は、
前記半導体レーザ装置に電力を供給する電源の負極に接続するための第1端子用導電部と、
前記スイッチング素子の前記制御電極に電圧を印加するドライバ回路のうちの入力電極に接続するための第2端子用導電部と、
前記スイッチング素子の前記第1駆動電極に接続するための第3端子用導電部と、
を備え、
前記第1端子用導電部は、前記第3端子用導電部と離間して配置されている
付記16に記載の半導体レーザ装置。
【0309】
(付記18)
前記半導体レーザ装置は、前記スイッチング素子の前記第1駆動電極が接続されている第3駆動用導電部を備え、
前記端子用導電部は、前記第3駆動用導電部と電気的に接続されている第3端子用導電部を有し、
前記第1端子用導電部と前記第3端子用導電部とは一体化されている
付記17に記載の半導体レーザ装置。
【0310】
(付記19)
前記第1駆動用導電部及び前記第2駆動用導電部と前記端子用導電部とを導通させる連絡部を有する
付記16~18のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【0311】
(付記20)
前記半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ素子、前記スイッチング素子、前記コンデンサ、前記第1駆動用導電部、前記第2駆動用導電部、前記第1駆動用接続部材、及び前記第2駆動用接続部材を封止するとともに前記半導体レーザ素子のレーザ光を透過する部分を有する封止部材を備える
付記1~19のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【0312】
(付記21)
半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子に直列接続され、制御電極、第1駆動電極、及び第2駆動電極を有し、前記制御電極に印加される電圧に応じて前記半導体レーザ素子に流れる電流を制御するスイッチング素子と、
前記半導体レーザ素子及び前記スイッチング素子に並列接続されているコンデンサと、
前記コンデンサの第1端子が接続されている第1駆動用導電部と、
を備え、
前記第1駆動用導電部は、前記コンデンサの第1端子が接続されている第1端部と、前記第1駆動用導電部が延びる方向において前記第1端部とは反対側に設けられている第2端部と、を有し、
前記第1駆動用導電部のうちの前記コンデンサの前記第1端子に近い側と、前記第2駆動電極とを接続している第1駆動用接続部材と、
前記第1駆動用導電部のうちの前記コンデンサの前記第1端子よりも前記第2端部に近い側と、前記第2駆動電極とを接続している第2駆動用接続部材と、
を備える
半導体レーザ装置。
【0313】
(付記22)
前記半導体レーザ素子は、互いに反対側を向く素子主面及び素子裏面を有し、
前記第2駆動電極及び前記制御電極はそれぞれ、前記素子主面に形成されており、
前記制御電極は、前記第2駆動電極に対して前記第1駆動用導電部から遠い側に配置されている
付記21に記載の半導体レーザ装置。
【0314】
(付記23)
前記第2駆動用接続部材が前記第2駆動電極に接続されている位置は、前記第2駆動電極のうちの前記第1駆動用接続部材が前記第2駆動電極に接続されている位置よりも前記制御電極に近い側である
付記21又は22に記載の半導体レーザ装置。
【0315】
(付記24)
前記半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ素子、前記スイッチング素子、前記コンデンサ、前記第1駆動用導電部、前記第1駆動用接続部材、及び前記第2駆動用接続部材を封止するとともに前記半導体レーザ素子のレーザ光を透過する部分を有する封止部材を備える
付記21~23のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【0316】
(付記25)
半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子に直列接続され、制御電極、第1駆動電極、及び第2駆動電極を有し、前記制御電極に印加される電圧に応じて前記半導体レーザ素子に流れる電流を制御するスイッチング素子と、
前記半導体レーザ素子及び前記スイッチング素子に並列接続されているコンデンサと、
前記コンデンサの第1端子が接続されている第1駆動用導電部と、
前記スイッチング素子の前記制御電極に電圧を印加するドライバ回路と、
前記第1駆動用導電部と前記第2駆動電極とを接続している第1駆動用接続部材と、
前記ドライバ回路と前記第2駆動電極とを接続している第2駆動用接続部材と、
を備える
半導体レーザ装置。
【0317】
(付記26)
前記半導体レーザ素子及び前記スイッチング素子は、前記半導体レーザ装置の平面視において、所定の第1方向に配列されており、
前記第1駆動用導電部は、前記スイッチング素子に対して前記平面視において前記第1方向と直交する第2方向に配列されており、
前記ドライバ回路は、前記第1方向において前記スイッチング素子に対して前記半導体レーザ素子が配置されている側とは反対側に配置されている
付記25に記載の半導体レーザ装置。
【0318】
(付記27)
前記半導体レーザ素子及び前記スイッチング素子は、前記半導体レーザ装置の平面視において、所定の第1方向に配列されており、
前記第1駆動用導電部は、前記スイッチング素子に対して前記平面視において前記第1方向と直交する第2方向に配列されており、
前記ドライバ回路は、前記第2方向において前記スイッチング素子に対して前記第1駆動用導電部が配置されている側とは反対側に配置されている
付記25に記載の半導体レーザ装置。
【0319】
(付記28)
前記第2駆動用接続部材は、前記第2駆動電極のうちの前記ドライバ回路側に接続されている
付記25~27のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【0320】
(付記29)
前記ドライバ回路は、互いに反対側を向く主面及び裏面を有するチップとして形成されており、
前記主面には、前記第2駆動用接続部材が接続されている入力電極と、前記制御電極と電気的に接続されている出力電極とが形成されており、
前記制御電極と前記出力電極とは、制御用接続部材によって接続されており、
前記主面に対して垂直な方向からみて、前記入力電極及び前記出力電極は、隣り合っている
付記25~28のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【0321】
(付記30)
前記半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ素子、前記スイッチング素子、前記コンデンサ、前記第1駆動用導電部、前記ドライバ回路、前記第1駆動用接続部材、及び前記第2駆動用接続部材を封止するとともに前記半導体レーザ素子のレーザ光を透過する部分を有する封止部材を備える
付記25~29のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【0322】
(付記31)
前記第1駆動用接続部材及び前記第2駆動用接続部材はそれぞれ、ワイヤからなる
付記1~30のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【0323】
(付記32)
前記第1駆動用接続部材は、複数本のワイヤからなり、
前記第2駆動用接続部材は、1本のワイヤからなる
付記31に記載の半導体レーザ装置。
【0324】
(付記33)
前記第1駆動用接続部材の線径と前記第2駆動用接続部材の線径とは互いに等しい
付記31又は32に記載の半導体レーザ装置。
【0325】
(付記34)
前記スイッチング素子は、互いに反対側を向く素子主面及び素子裏面を有し、
前記第2駆動電極及び前記制御電極はそれぞれ、前記素子主面に形成されており、
前記第1駆動電極は、前記素子裏面に形成されている
付記1~33のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【0326】
(付記35)
前記スイッチング素子は、互いに反対側を向く素子主面及び素子裏面を有し、
前記第1駆動電極、前記第2駆動電極、及び前記制御電極はそれぞれ、前記素子主面に形成されている
付記1~33のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【0327】
(付記36)
前記半導体レーザ素子及び前記スイッチング素子は、前記半導体レーザ装置の平面視において、所定の第1方向に配列されており、
前記第駆動電極は、前記第1方向において、前記素子主面における前記半導体レーザ素子側に配置されており、
前記第駆動電極及び前記制御電極は、前記第1方向において、前記素子主面における前記半導体レーザ素子側とは反対側に配置されている
付記35に記載の半導体レーザ装置。
【0328】
(付記37)
前記半導体レーザ装置は、
前記第1駆動用導電部が形成されている基板主面と、厚さ方向において前記基板主面とは反対側を向く基板裏面と、前記基板主面と前記基板裏面との前記厚さ方向の間に設けられ、前記基板主面と前記基板裏面とに交差する方向に延びる基板側面を有する支持基板と、
前記基板裏面に形成され、前記半導体レーザ装置の端子を構成する端子用導電部と、
前記第1駆動用導電部と前記端子用導電部とを接続している連絡部と、を有し、
前記基板側面には、前記基板側面から内方に凹む凹部が設けられており、
前記連絡部は、前記凹部に設けられている
付記1~36のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【0329】
(付記38)
前記半導体レーザ素子は、10ns以下のパルス幅のレーザ光を出射可能である
付記1~37のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
【符号の説明】
【0330】
1A,1B,1C,1D,1E…半導体レーザ装置
10,10A,10B,10C…半導体レーザ素子
14,14A,14B…半導体発光層
17…コンタクト電極(1つの電極)
20,20A…スイッチング素子
21…ドレイン電極(第1駆動電極)
22,22A,22B…ソース電極(第2駆動電極)
23…ゲート電極(制御電極)
24a…素子主面
24b…素子裏面
30,30A,30B…コンデンサ
31…第1端子
32…第2端子
42…第2電源端子(電源の負極に接続するための電源端子)
45…ドライバ接続端子(接続端子)
50…支持基板
51…基材
51a…基材主面(基板主面)
51b…基材裏面(基板裏面)
51c…第1基材側面(基板側面)
51d…第2基材側面(基板側面)
51e…第3基材側面(基板側面)
51f…第4基材側面(基板側面)
53A,53B…凹部
54A,54B,54C…凹部
55A,55B,55C…凹部
60…導電部
60B…裏面側導電部(端子用導電部)
60C…連絡部
60D…側面連絡部(連絡部)
61,61A,61B…第1駆動用導電部
61a…第1端部
61b…第2端部
62…第2駆動用導電部
63…第3駆動用導電部
64,64A,64B…第4駆動用導電部
65…制御用導電部
66,66A,66B…第1端子用導電部
67…第2端子用導電部
68,68A,68B…第3端子用導電部
81,81A,81B,82…第1駆動用接続部材
81C…第1駆動用接続部材(第2駆動用接続部材)
83…第2駆動用接続部材
84…制御用接続部材
87…素子接続部材
90…封止部材
110…電源
111…正極
112…負極
140…ドライバ回路
141…出力電極
142…入力電極
143…封止部材
143a…封止主面(ドライバ回路の主面)
144c…出力電極
144d…入力電極
X…横方向(第2方向)
Y…縦方向(第1方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
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図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
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図46