(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】インラインフィルタを伴う試薬マニホールド
(51)【国際特許分類】
G01N 35/10 20060101AFI20240704BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20240704BHJP
B01D 29/90 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
G01N35/10 A
C12M1/34 A
B01D29/42 501A
(21)【出願番号】P 2021554689
(86)(22)【出願日】2020-03-11
(86)【国際出願番号】 US2020022008
(87)【国際公開番号】W WO2020185844
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-03-10
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510005889
【氏名又は名称】ベックマン コールター, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Beckman Coulter, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 S. Kraemer Boulevard, Brea, CA 92821, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ワトキンス, ニコラス エヴェレット
(72)【発明者】
【氏名】マウラー, ギャリック アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ミルソン, リチャード
(72)【発明者】
【氏名】クエンコ, フレデリック ルピサン
(72)【発明者】
【氏名】グライナー, クリストファー ダラス
【審査官】鴨志田 健太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/044532(WO,A1)
【文献】実開昭62-199675(JP,U)
【文献】特開平10-137557(JP,A)
【文献】特開昭61-014573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00 - 35/10
C12M 1/34
B01D 29/42
B01J 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル試験器具において使用するために適合されるマニホールドシステムであって、前記マニホールドシステムは、
(a)マニホールドであって、
(i)瓶受容器であって、前記瓶受容器は、
試薬の瓶が
前記瓶受容器内に設置されると、
前記瓶を空気取入チャネルおよび試薬出口チャネルと結合するように適合される、瓶受容器と、
(ii)前記マニホールドによって画定され、空気チャネルボアを備える
前記空気取入チャネルであって、前記空気取入チャネルは、接続される空気源から前記瓶への空気の流動を可能にするように適合される、
前記空気取入チャネルと、
(iii)前記マニホールドによって画定され、試薬チャネルボアを備える
前記試薬出口チャネルであって、前記試薬出口チャネルは、前記瓶から前記サンプル試験器具の試薬分配器アセンブリへの試薬の流動を可能にするように適合される、
前記試薬出口チャネルと
を備える、マニホールドと、
(b)前記空気チャネルボア内に除去可能に配置される空気ガスケットであって、前記空気ガスケットは、前記瓶への空気の流動をシールおよび制御するように適合される、空気ガスケットと、
(c)前記試薬チャネルボア内に除去可能に配置される試薬ガスケットであって、前記試薬ガスケットは、前記瓶からの試薬の流動をシールおよび制御するように適合される、試薬ガスケットと、
(d)フィルタであって、前記フィルタは、前記試薬ガスケットと前記試薬分配器アセンブリとの間の前記試薬チャネルボア内に除去可能に配置され、微粒子が前記試薬出口チャネルを通して前記試薬分配器アセンブリに向かって通過することを防止するように適合される、フィルタと
を備える、マニホールドシステム。
【請求項2】
前記試薬チャネルボア内に除去可能に配置され、前記フィルタに近接する保定部分をさらに備え、
(a)前記保定部分は、前記試薬チャネルボア内に摩擦嵌合し、前記フィルタを定位置に保持するように適合され、
(b)前記保定部分は、前記フィルタと前記試薬ガスケットとの間に配置される、
請求項1に記載のマニホールドシステム。
【請求項3】
前記保定部分は、前記試薬チャネルボア内に摩擦嵌合する力が、
(a)前記試薬ガスケットが、前記試薬チャネルボアから除去されるとき、および
(b)前記試薬出口チャネルが、微粒子を前記フィルタから取り除くために液体で水洗されるとき、
前記フィルタが変位されることを防止するために十分であるように適合される、請求項2に記載のマニホールドシステム。
【請求項4】
(a)前記試薬チャネルボアは、第1の色を備え、
(b)前記保定部分は、第2の色を備え、
(c)前記第2の色は、前記第1の色と対比する、
請求項2に記載のマニホールドシステム。
【請求項5】
前記空気チャネルボア内には、フィルタが配置されない、請求項1に記載のマニホールドシステム。
【請求項6】
前記試薬ガスケットは、
(a)外部部分上に位置付けられる限定器であって、前記限定器は、前記試薬チャネルボアより大きい直径を備え、前記試薬チャネルボアの中への前記試薬ガスケットの過挿入を防止する、限定器と、
(b)前記外部部分上に位置付けられ、シールを前記外部部分と前記瓶との間に生成するように適合される蛇腹シールと、
(c)内部部分であって、前記内部部分は、前記試薬チャネルボアの中への挿入を可能にする前記試薬チャネルボアに対応する直径を備え、前記内部部分は、シールを前記内部部分と前記試薬チャネルボアとの間に生成するように適合される半径方向シールのセットを備える、内部部分と
を備える、請求項1に記載のマニホールドシステム。
【請求項7】
前記試薬ガスケットは、50Aの硬度を有するエラストマ材料を備える、請求項
6に記載のマニホールドシステム。
【請求項8】
前記内部部分と前記試薬チャネルボアとの間の
前記シールの強度は、前記瓶と前記蛇腹シールの接触によって実質的に影響されない、請求項
6に記載のマニホールドシステム。
【請求項9】
前記蛇腹シールは、前記試薬ガスケットが前記試薬チャネルボアの中に上下逆に挿入されることを防止する前記試薬チャネルボアより大きい直径である、請求項
6に記載のマニホールドシステム。
【請求項10】
前記試薬ガスケットは、前記瓶内に含有される試薬に基づいて選択された材料を備え、前記材料は、
(a)前記試薬が、アルファ-ナフトールを備える第1の試薬タイプであるとき、
(i)フルオロシリコーン、または
(ii)ポリプロピレンの熱可塑性マトリクス内の完全に動的に加硫処理されたエチレンプロピレンジエンモノマー
を備え、
(b)前記試薬が、アルファ-ナフトールを備えない第2の試薬タイプであるとき、
(i)パーフルオロエラストマ、
(ii)エチレン、テトラフルオロエチレン、およびパーフルオロメチルビニルエーテルのテトラポリマー、
(iii)高度にフッ素化されたフルオロカーボン、
(iv)テトラフルオロエチレンプロピレン、
(v)フルオロエラストマ、または
(vi)クロロスルホン化ポリエチレン
を備える、請求項1に記載のマニホールドシステム。
【請求項11】
前記フィルタは、
(a)約50%~約70%の多孔率、
(b)約50μm~約160μmの厚さ、
(c)メッシュ、または
(d)PEEKプラスチックメッシュ
のうちの1つ以上のものを備える、請求項1に記載のマニホールドシステム。
【請求項12】
方法であって、
(a)マニホールドを瓶ホルダアセンブリ上に配設することであって、前記マニホールドは、
(i)瓶受容器であって、前記瓶受容器は、
試薬の瓶が
前記瓶受容器内に設置されると、
前記瓶を空気取入チャネルおよび試薬出口チャネルと結合するように適合される、瓶受容器と、
(ii)前記マニホールドによって画定され、空気チャネルボアを備える
前記空気取入チャネルであって、前記空気取入チャネルは、接続される空気源から前記瓶への空気の流動を可能にするように適合される、
前記空気取入チャネルと、
(iii)前記マニホールドによって画定され、試薬チャネルボアを備える
前記試薬出口チャネルであって、前記試薬出口チャネルは、前記瓶からサンプル試験器具の試薬分配器アセンブリへの試薬の流動を可能にするように適合される、
前記試薬出口チャネルと
を備える、ことと、
(b)フィルタを前記試薬チャネルボア内に除去可能に配設することであって、前記フィルタは、微粒子が前記試薬出口チャネルを通して試薬分配器アセンブリに向かって通過することを防止するように適合される、ことと、
(c)空気ガスケットを前記空気チャネルボア内に除去可能に配設することであって、前記空気ガスケットは、前記瓶への空気の流動をシールおよび制御するように適合される、ことと、
(d)試薬ガスケットを前記試薬チャネルボア内に除去可能に配設することであって、前記試薬ガスケットは、前記瓶からの試薬の流動をシールおよび制御するように適合される、ことと
を含む、方法。
【請求項13】
前記試薬ガスケットを配設する前、かつ前記フィルタを配設した後に、保定部分を前記試薬チャネルボア内に除去可能に配設することをさらに含み、前記保定部分は、前記試薬チャネルボア内に摩擦嵌合し、前記フィルタを定位置に保持するように適合される、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記保定部分の第2の色と対比する前記マニホールドの第1の色に基づいて、前記保定部分の配設を視覚的に確認することをさらに含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記試薬ガスケットを前記試薬チャネルボア内に除去可能に配設することは、
(a)
前記試薬ガスケットの内部部分が、
(i)前記試薬チャネルボアの中への挿入を可能にする前記試薬チャネルボアに対応する直径と、
(ii)シールを前記内部部分と前記試薬チャネルボアとの間に生成するように適合される半径方向シールのセットと
を備えることに基づいて、
前記内部部分を識別することと、
(b)前記試薬ガスケットの外部部分上に位置付けられる限定器が、前記マニホールドに接触するまで、前記内部部分を前記試薬チャネルボアの中に挿入することであって、前記限定器は、前記試薬チャネルボアの中への前記試薬ガスケットの過挿入を防止する前記試薬チャネルボアより大きい直径を備える、ことと
を含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項16】
前記試薬ガスケットの蛇腹シールが前記瓶に対してシールするように、
前記瓶を前記瓶受容器内に位置付けることによって、前記
瓶を前記マニホールドと結合することをさらに含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記瓶の瓶ハンドルを動作させ、前記瓶を定位置に係止し、下向き力を前記蛇腹シールに対して生成することをさらに含み、前記瓶ハンドルの動作は、前記内部部分と前記試薬チャネルボアとの間の
前記シールの強度に実質的に影響を及ぼさない、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
試薬ガスケットを前記試薬チャネルボア内に除去可能に配設することは、前記
瓶の試薬と対応する前記試薬ガスケットの材料に基づいて、前記試薬ガスケットを選択することを含み、
(a)前記試薬が、アルファ-ナフトールを備える第1の試薬タイプであるとき、前記材料は、
(i)フルオロシリコーン、または
(ii)ポリプロピレンの熱可塑性マトリクス内の完全に動的に加硫処理されたエチレンプロピレンジエンモノマー
を備え、
(b)前記試薬が、アルファ-ナフトールを備えない第2の試薬タイプであるとき、前記材料は、
(i)パーフルオロエラストマ、
(ii)エチレン、テトラフルオロエチレン、およびパーフルオロメチルビニルエーテルのテトラポリマー、
(iii)高度にフッ素化されたフルオロカーボン、
(iv)テトラフルオロエチレンプロピレン、
(v)フルオロエラストマ、または
(vi)クロロスルホン化ポリエチレン
を備える、請求項
12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本願は、「Reagent Manifold With In-Line Filter」と題され、2019年3月14日にUSPTOに出願された、以前に出願された仮特許出願第62/818,461号に関連する。その出願の内容は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
患者診断および療法に関連する種々のタイプの試験が、患者の微生物または「病原菌」の分析によって実施されることができる。病原菌は、単細胞または多細胞であり得る、細菌、菌類、またはウイルス等の微視的生命有機体である。患者の微生物を含有する生物学的サンプルが、患者の感染部、体液、または膿瘍から採取され得、患者の治療を補助するために、試験パネルまたはアレイ内に設置され、種々の試薬と組み合わせられ、培養され、分析され得る。自動化された生化学分析装置または生物学的試験システムが、手動動作を使用する分析と比較して、患者サンプルの分析を促進し、アッセイ結果の正確度および信頼性を改良し、種々の抗菌剤の有効性を決定することを補助するような医療施設および他の機関の必要性を満たすために開発されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
自動化された生物学的試験システムの使用可能性および信頼性を改善するために、必要な保守の合間の時間周期または使用量を増加させる、エンドユーザが、構成要素または材料を取り替えることを可能にする、またはユーザが、基本的清浄および保守タスクを実施することを可能にする、1つ以上の特徴を有する、システムを実装することが有利であり得る。このように、自動化された生物学的試験システムの性能および正確度は、多数回の使用を通して、外部技術者または頻繁な修理要請に依拠せずに、高レベルに維持され得る。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
サンプル試験器具において使用するために適合されるマニホールドシステムであって、前記マニホールドシステムは、
(a)マニホールドであって、
(i)瓶受容器であって、前記瓶受容器は、瓶が瓶受容器内に設置されると、試薬の瓶を空気取入チャネルおよび試薬出口チャネルと結合するように適合される、瓶受容器と、
(ii)前記マニホールドによって画定され、空気チャネルボアを備える空気取入チャネルであって、前記空気取入チャネルは、接続される空気源から前記瓶への空気の流動を可能にするように適合される、空気取入チャネルと、
(iii)前記マニホールドによって画定され、試薬チャネルボアを備える試薬出口チャネルであって、前記試薬出口チャネルは、前記瓶から前記サンプル試験器具の試薬分配器アセンブリへの試薬の流動を可能にするように適合される、試薬出口チャネルと
を備える、マニホールドと、
(b)前記空気チャネルボア内に除去可能に配置される空気ガスケットであって、前記空気ガスケットは、前記瓶への空気の流動をシールおよび制御するように適合される、空気ガスケットと、
(c)前記試薬チャネルボア内に除去可能に配置される試薬ガスケットであって、前記試薬ガスケットは、前記瓶からの試薬の流動をシールおよび制御するように適合される、試薬ガスケットと、
(d)フィルタであって、前記フィルタは、前記試薬ガスケットと前記試薬分配器アセンブリとの間の前記試薬チャネルボア内に除去可能に配置され、微粒子が前記試薬出口チャネルを通して前記試薬分配器アセンブリに向かって通過することを防止するように適合される、フィルタと
を備える、マニホールドシステム。
(項目2)
前記試薬チャネルボア内に除去可能に配置され、前記フィルタに近接する保定部分をさらに備え、
(a)前記保定部分は、前記試薬チャネルボア内に摩擦嵌合し、前記フィルタを定位置に保持するように適合され、
(b)前記保定部分は、前記フィルタと前記試薬ガスケットとの間に配置される、
項目1に記載のマニホールドシステム。
(項目3)
前記保定部分は、前記試薬チャネルボア内に摩擦嵌合する力が、
(a)前記試薬ガスケットが、前記試薬チャネルボアから除去されるとき、および
(b)前記試薬出口チャネルが、微粒子を前記フィルタから取り除くために液体で水洗されるとき、
前記フィルタが変位されることを防止するために十分であるように適合される、項目2に記載のマニホールドシステム。
(項目4)
(a)前記試薬チャネルボアは、第1の色を備え、
(b)前記保定部分は、第2の色を備え、
(c)前記第2の色は、前記第1の色と対比する、
項目2に記載のマニホールドシステム。
(項目5)
前記フィルタと試薬受容器との間に位置付けられる第2の保定部分をさらに備え、第2の保定リングは、前記試薬チャネルボア内に摩擦嵌合するように適合される、項目2に記載のマニホールドシステム。
(項目6)
前記空気チャネルボア内には、フィルタが配置されない、項目1に記載のマニホールドシステム。
(項目7)
前記試薬ガスケットは、
(a)外部部分上に位置付けられる限定器であって、前記限定器は、前記試薬チャネルボアより大きい直径を備え、前記試薬チャネルボアの中への前記試薬ガスケットの過挿入を防止する、限定器と、
(b)前記外部部分上に位置付けられ、シールを前記外部部分と前記瓶との間に生成するように適合される蛇腹シールと、
(c)内部部分であって、前記内部部分は、前記試薬チャネルボアの中への挿入を可能にする前記試薬チャネルボアに対応する直径を備え、前記内部部分は、シールを前記内部部分と前記試薬チャネルボアとの間に生成するように適合される半径方向シールのセットを備える、内部部分と
を備える、項目1に記載のマニホールドシステム。
(項目8)
前記試薬ガスケットは、50Aの硬度を有するエラストマ材料を備える、項目7に記載のマニホールドシステム。
(項目9)
前記内部部分と前記試薬チャネルボアとの間のシールの強度は、前記瓶と前記蛇腹シールの接触によって実質的に影響されない、項目7に記載のマニホールドシステム。
(項目10)
前記蛇腹シールは、前記試薬ガスケットが前記試薬チャネルボアの中に上下逆に挿入されることを防止する前記試薬チャネルボアより大きい直径である、項目7に記載のマニホールドシステム。
(項目11)
前記試薬ガスケットは、前記瓶内に含有される試薬に基づいて選択された材料を備え、前記材料は、
(a)前記試薬が、アルファ-ナフトールを備える第1の試薬タイプであるとき、
(i)フルオロシリコーン、または
(ii)ポリプロピレンの熱可塑性マトリクス内の完全に動的に加硫処理されたエチレンプロピレンジエンモノマー、
(b)前記試薬が、アルファ-ナフトールを備えない第2の試薬タイプであるとき、
(i)パーフルオロエラストマ、
(ii)エチレン、テトラフルオロエチレン、およびパーフルオロメチルビニルエーテルのテトラポリマー、
(iii)高度にフッ素化されたフルオロカーボン、
(iv)テトラフルオロエチレンプロピレン、
(v)フルオロエラストマ、または
(vi)クロロスルホン化ポリエチレン
を備える、項目1に記載のマニホールドシステム。
(項目12)
前記フィルタは、
(a)約50%~約70%の多孔率、
(b)約50μm~約160μmの厚さ、
(c)メッシュ、または
(d)PEEKプラスチックメッシュ
のうちの1つ以上のものを備える、項目1に記載のマニホールドシステム。
(項目13)
方法であって、
(a)マニホールドを瓶ホルダアセンブリ上に配設することであって、前記マニホールドは、
(i)瓶受容器であって、前記瓶受容器は、瓶が瓶受容器内に設置されると、試薬の瓶を空気取入チャネルおよび試薬出口チャネルと結合するように適合される、瓶受容器と、
(ii)前記マニホールドによって画定され、空気チャネルボアを備える空気取入チャネルであって、前記空気取入チャネルは、接続される空気源から前記瓶への空気の流動を可能にするように適合される、空気取入チャネルと、
(iii)前記マニホールドによって画定され、試薬チャネルボアを備える試薬出口チャネルであって、前記試薬出口チャネルは、前記瓶からサンプル試験器具の試薬分配器アセンブリへの試薬の流動を可能にするように適合される、試薬出口チャネルと
を備える、ことと、
(b)フィルタを前記試薬チャネルボア内に除去可能に配設することであって、前記フィルタは、微粒子が前記試薬出口チャネルを通して試薬分配器アセンブリに向かって通過することを防止するように適合される、ことと、
(c)空気ガスケットを前記空気チャネルボア内に除去可能に配設することであって、前記空気ガスケットは、前記瓶への空気の流動をシールおよび制御するように適合される、ことと、
(d)試薬ガスケットを前記試薬チャネルボア内に除去可能に配設することであって、前記試薬ガスケットは、前記瓶からの試薬の流動をシールおよび制御するように適合される、ことと
を含む、方法。
(項目14)
前記試薬ガスケットを配設する前、かつ前記フィルタを配設した後に、保定部分を前記試薬チャネルボア内に除去可能に配設することをさらに含み、前記保定部分は、前記試薬チャネルボア内に摩擦嵌合し、前記フィルタを定位置に保持するように適合される、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記保定部分の第2の色と対比する前記マニホールドの第1の色に基づいて、前記保定部分の配設を視覚的に確認することをさらに含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記試薬ガスケットを前記試薬チャネルボア内に除去可能に配設することは、
(a)前記内部部分が、
(i)前記試薬チャネルボアの中への挿入を可能にする前記試薬チャネルボアに対応する直径と、
(ii)シールを前記内部部分と前記試薬チャネルボアとの間に生成するように適合される半径方向シールのセットと
を備えることに基づいて、前記試薬ガスケットの内部部分を識別することと、
(b)前記試薬ガスケットの外部部分上に位置付けられる限定器が、前記マニホールドに接触するまで、前記内部部分を前記試薬チャネルボアの中に挿入することであって、前記限定器は、前記試薬チャネルボアの中への前記試薬ガスケットの過挿入を防止する前記試薬チャネルボアより大きい直径を備える、ことと
を含む、項目13に記載の方法。
(項目17)
前記試薬ガスケットの蛇腹シールが前記瓶に対してシールするように、瓶を前記瓶受容器内に位置付けることによって、前記試薬の瓶を前記マニホールドと結合することをさらに含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記瓶の瓶ハンドルを動作させ、前記瓶を定位置に係止し、下向き力を前記蛇腹シールに対して生成することをさらに含み、前記瓶ハンドルの動作は、前記内部部分と前記試薬チャネルボアとの間のシールの強度に実質的に影響を及ぼさない、項目17に記載の方法。
(項目19)
試薬ガスケットを前記試薬チャネルボア内に除去可能に配設することは、前記試薬瓶の試薬と対応する前記試薬ガスケットの材料に基づいて、前記試薬ガスケットを選択することを含み、
(a)前記試薬が、アルファ-ナフトールを備える第1の試薬タイプであるとき、前記材料は、
(i)フルオロシリコーン、または
(ii)ポリプロピレンの熱可塑性マトリクス内の完全に動的に加硫処理されたエチレンプロピレンジエンモノマー
を備え、
(b)前記試薬が、アルファ-ナフトールを備えない第2の試薬タイプであるとき、前記材料は、
(i)パーフルオロエラストマ、
(ii)エチレン、テトラフルオロエチレン、およびパーフルオロメチルビニルエーテルのテトラポリマー、
(iii)高度にフッ素化されたフルオロカーボン、
(iv)テトラフルオロエチレンプロピレン、
(v)フルオロエラストマ、または
(vi)クロロスルホン化ポリエチレン
を備える、項目13に記載の方法。
(項目20)
マニホールドシールおよび濾過システムであって、
(a)フィルタであって、
(i)マニホールドの試薬チャネルボア内に除去可能に配置され、
(ii)微粒子が前記マニホールドを通して試薬分配器アセンブリに向かって通過することを防止する
ように適合される、フィルタと、
(b)保定部分であって、
(i)前記試薬チャネルボア内に除去可能に配置され、
(ii)前記試薬チャネルボア内に摩擦嵌合し、前記フィルタを定位置に保持する
ように適合される、保定部分と、
(c)試薬ガスケットであって、
(i)外部部分上に位置付けられる限定器であって、前記限定器は、前記試薬チャネルボアより大きい直径を備え、前記試薬チャネルボアの中への前記試薬ガスケットの過挿入を防止する、限定器と、
(ii)前記外部部分上に位置付けられ、シールを前記外部部分と前記マニホールドと結合される試薬の瓶との間に生成するように適合される蛇腹シールと、
(iii)前記試薬チャネルボアの中への挿入を可能にする前記試薬チャネルボアに対応する直径を備える内部部分であって、前記内部部分は、シールを前記内部部分と前記試薬チャネルボアとの間に生成するように適合される半径方向シールのセットを備える、内部部分と
を備える、試薬ガスケットと
を備える、マニホールドシールおよび濾過システム。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本明細書は、本発明を特に指示し、明確に請求する請求項で終了するが、本発明は、同様の参照番号が同一の要素を識別する、付随の図面と併せて検討されるある実施例の以下の説明からより深く理解されるであろうと考えられる。
【0005】
【
図1】
図1は、生物学的試験システムの例示的瓶ホルダアセンブリの正面斜視図を描写する。
【0006】
【
図2】
図2は、
図1の瓶ホルダアセンブリの背面斜視図を描写する。
【0007】
【
図3】
図3は、
図1の瓶ホルダアセンブリの例示的試薬マニホールドを描写する。
【0008】
【
図4】
図4は、
図3の試薬マニホールドと併用可能な例示的試薬瓶を描写する。
【0009】
【
図5】
図5は、
図3の試薬マニホールドと併用可能な例示的ガスケットを描写する。
【0010】
【
図6】
図6は、
図5のガスケット等の例示的ガスケットのセットを伴う、
図3の試薬マニホールドの断面図を描写する。
【0011】
【
図7A】
図7Aは、
図3の試薬マニホールドと併用可能な例示的保定リングの上下図を描写する。
【0012】
【0013】
【
図8A】
図8Aは、
図3の試薬マニホールドと併用可能な例示的フィルタの上下図を描写する。
【0014】
【0015】
【
図9】
図9は、
図3の試薬マニホールドの分解図を描写し、ガスケットと、保定リングと、フィルタとを含む、マニホールドシールおよび濾過システムを示す。
【0016】
【
図10】
図10は、
図3の試薬マニホールドを清浄および保守するために実施され得る、ステップの例示的セットのフローチャートを描写する。
【0017】
【
図11】
図11は、
図1の瓶ホルダアセンブリから生物学的試験システムへの試薬の例示的流動を図示する、概略図を描写する。
【0018】
【
図12】
図12は、マニホールド内に配設される
図9のマニホールドシールおよび濾過システムを示す、概略図を描写する。
【0019】
図面は、いかようにも限定であるように意図されず、本発明の種々の実施形態が、必ずしも図面に描写されるわけではないものを含む、種々の他の方法で実行され得ることが考慮される。本明細書に組み込まれ、その一部を形成する付随の図面は、本発明のいくつかの側面を図示し、説明とともに、本発明の原理を解説する役割を果たすが、しかしながら、本発明は、示される精密な配列に限定されないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のある実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するように使用されるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、側面、実施形態、および利点が、例証として、本発明を実行するために考慮される最良の形態のうちの1つである、以下の説明から当業者に明白となるであろう。認識されるであろうように、本発明は、全て本発明から逸脱することなく、他の異なる明白な側面が可能である。故に、図面および説明は、制限ではなく、本質的に例証として見なされるべきである。
【0021】
本明細書に説明される教示、表現、バージョン、実施例等のうちのいずれか1つ以上のものは、本明細書に説明される他の教示、表現、バージョン、実施例等のうちのいずれか1つ以上のものと組み合わせられ得ることを理解されたい。以下に説明される教示、表現、バージョン、実施例等は、したがって、相互に対して孤立して見なされるべきではない。本明細書の教示が組み合わせられ得る種々の好適な方法が、本明細書の教示に照らして当業者に容易に明白となるであろう。そのような修正および変形例は、請求項の範囲内に含まれることが意図される。
【0022】
I.例示的試薬マニホールド
【0023】
ここで図に目を向けると、
図1および2は、生物学的試験システムの例示的瓶ホルダアセンブリ(10)の正面および背面斜視図を描写する。瓶ホルダアセンブリ(10)は、試薬瓶(20)を受容および保持し、生物学的サンプルの試験の間、必要に応じて、試薬を試薬瓶(20)から抽出するように適合される。単一生物学的試験システムは、瓶ホルダアセンブリ(10)等の1つ以上の瓶ホルダアセンブリを有してもよく、各アセンブリは、特定の試薬を生物学的試験システムに提供するように構成される。1つ以上の瓶ホルダアセンブリは、温度制御される、湿度制御される、または別様に、環境的にシールされる、生物学的試験システムの引き出しまたは他の面積内に配設されてもよい。1つ以上の瓶ホルダアセンブリはそれぞれ、生物学的試験システムの試薬分配器アセンブリ(図示せず)と結合されてもよく、これは、要求に応じて、瓶ホルダアセンブリのうちの1つ以上のものからの試薬を受容してもよく、試薬を、試薬または試薬と生物学的サンプルを組み合わせるように動作可能である、生物学的試験システムのデバイスに指向してもよい。
【0024】
瓶ホルダアセンブリ(10)は、試薬瓶(20)のリザーバ(106)を受容するように定寸および成形される、瓶スロット(104)を含む。アセンブリケース(102)が、瓶スロット(104)に取り付けられ、試薬マニホールド(200)が、アセンブリケース(102)上に配設されてもよい。アセンブリケース(102)は、試薬マニホールド(200)を保持し、また、電力、データ、および流体接続が、瓶ホルダアセンブリ(10)から試薬分配器アセンブリまたは生物学的試験システムの他の部分に進行するためのルートを提供する。瓶(20)が、瓶スロット(104)内に設置されると、瓶キャップ(108)が、上方の定位置に誘導され、試薬マニホールド(200)と結合され、試薬を受容するために、試薬マニホールド(200)と試薬瓶(20)との間にシールされた結合を提供する。瓶ホルダアセンブリ(10)から除去された試薬瓶(20)を示す、
図4を参照すると、瓶ハンドル(110)が、降下位置に見られ得る。瓶ハンドル(110)は、上昇位置から
図4に示される降下位置に瓶キャップ(108)を中心として回転されることができる。瓶ハンドル(110)は、試薬瓶(20)を瓶スロット(104)内に設置することに先立って、示される降下位置から上昇位置に約90度回転されてもよい。試薬瓶(20)が、瓶スロット(104)内にある間、瓶ハンドル(110)は、示される降下位置に戻され、スロット付き軸(109)を瓶スロット(104)の垂直部分と緊密に係合させ、試薬瓶を試薬マニホールド(200)に対して定位置に保持させる。
【0025】
図3は、
図1の瓶ホルダアセンブリ(10)の例示的試薬マニホールド(200)を描写する。試薬マニホールド(200)は、試薬瓶(20)が瓶ホルダアセンブリ(10)内に設置されると、瓶キャップ(108)の下面を受容するように定寸および成形される、瓶受容器(202)と、溢流保護部(204)とを含む。瓶受容器(202)は、その上に空気取入チャネル開口部(206a)および試薬出口チャネル開口部(208a)が、試薬瓶(20)が配設されると、瓶キャップ(108)の対応するチャネルと結合するように位置付けられる、平坦表面を有する。空気取入チャネルは、空気取入チャネル開口部(206a)から、試薬マニホールド(200)を通して通過し、空気取入チャネル開口部(206b)で終端する。試薬出口チャネルは、試薬出口チャネル開口部(208a)から、試薬マニホールド(200)を通して通過し、試薬出口チャネル開口部(208b)で終端する。
【0026】
試薬マニホールド(200)は、空気弁(210)および試薬弁(212)と結合するように適合される。空気弁(210)は、空気取入チャネルを通る空気の流動を制御する(例えば、防止する、または可変率で可能にする)ように選択的に動作可能である一方、試薬弁(212)は、試薬出口チャネルを通る試薬の流動を制御する(例えば、防止する、または可変率で可能にする)ように選択的に動作可能である。瓶ホルダアセンブリ(10)の動作の間、加圧された空気が、空気取入チャネルを通して試薬瓶(20)に提供されてもよい一方、試薬は、試薬瓶(20)の加圧の結果として、試薬出口チャネルを通して、試薬瓶(20)から抽出されてもよい。リザーバ(106)および瓶キャップ(108)は、加圧の結果として、リザーバからの試薬の制御された抽出を可能にするように構成される、内部構成要素(図示せず)を含む。一実施例として、これは、試薬弁(212)を動作させ、試薬出口チャネルを閉鎖させ、空気弁(210)を動作させ、空気取入チャネルを開放し、試薬瓶(20)の所望の圧力(例えば、抽出されることが所望される試薬の量に対応する)に到達するまで、取り付けられた空気源(例えば、酸素タンク、酸素ポンプ)から加圧された空気を空気取入チャネルに提供し、次いで、各弁の状態を逆転させ、試薬が試薬出口チャネルから流動することを可能にすることを含んでもよい。
【0027】
さらなる実施例として、
図11を参照すると、本図は、瓶ホルダアセンブリ(10)から生物学的試験システムへの試薬の例示的流動を図示する、概略図を描写する。加圧された空気が、空気源(614)から空気取入チャネル(608)に提供され、試薬マニホールド(200)を通して、試薬マニホールド(200)の瓶受容器(202)表面に接触する、瓶キャップ(108)の下面部分上に位置付けられる、瓶キャップ空気取入口(604)の中に通過してもよい。瓶キャップ空気取入口(604)は、加圧された空気が、リザーバ(106)の中に通過することを可能にし、これ自体は、試薬流体の対応する量を、瓶受容器(202)表面に接触する、瓶キャップ(108)の下面部分上に位置付けられる、瓶キャップ試薬出口(606)を通して押動させるように構成される。瓶キャップ試薬出口(606)を通して押動される、試薬流体は、試薬出口チャネル(610)によって受容され、試薬マニホールド(20)を通して通過し、試験システム試薬受容器(612)によって受容される。試験システム試薬受容器(612)は、例えば、上記に説明される試薬分配器アセンブリであってもよく、これは、ホースまたは流体移送の他の接続ケーブルを介して、試薬出口チャネル(610)に結合されてもよい。
【0028】
II.例示的マニホールドガスケット
【0029】
加圧された空気および試薬は、使用の間、試薬マニホールド(200)と試薬瓶(20)との間で交換されるため、試薬マニホールド(200)と試薬瓶(20)との間のシールを維持することに寄与する一方、依然として、ユーザが、空になると、試薬瓶(20)を容易に変更することを可能にする、1つ以上の特徴を伴う、瓶ホルダアセンブリ(10)を実装することが有利であり得る。実施例として、
図5は、1つ以上のそのような特徴を含む、試薬マニホールド(200)と併用可能な例示的ガスケット(300)を描写する。
【0030】
ガスケット(300)は、蛇腹シール(302)と、限定器(304)と、半径方向シール(306a、306b)のセットとを含む。ガスケット(300)は、シールを補助するために、ガスケット(300)の構成要素のある程度の可撓性を可能にする、種々の特性のポリマーを含む、多様な材料から生成されてもよい。
図6は、試薬マニホールド(200)と併用時のガスケット(301a、301b)のセットの断面図を描写する。試薬マニホールド(200)の断面図では、空気チャネルボア(216)が、空気取入チャネル開口部(206a)に近接して見られ得、試薬チャネルボア(214)が、試薬出口チャネル開口部(208a)に近接して見られ得る。
【0031】
ガスケット(300)に類似する、ガスケット(301a)は、ガスケット(301a)が、ある程度の労力を用いて、試薬チャネルボア(214)の中に除去可能に挿入され得るように、試薬チャネルボア(214)の直径に対応する直径を有する、下側部分を有する。ガスケット(300)に類似する、ガスケット(301b)は、ガスケット(301b)が、ある程度の労力を用いて、空気チャネルボア(216)の中に除去可能に挿入され得るように、空気チャネルボア(216)の直径に対応する直径を有する、下側部分を有する。
【0032】
ガスケット(300)が、試薬マニホールド(200)のボア内に配設される、例えば、ガスケット(301b)が、空気チャネルボア(216)内に配設されると、ボアとのガスケット(300)の対応する(例えば、実質的に類似する、若干大きい、または若干満たない)直径、ガスケット(300)の可撓性材料、および半径方向シール(306a)等の1つ以上の半径方向シールの組み合わせが、圧力関連漏出を防止または実質的に軽減しながら、加圧された空気および試薬マニホールド(200)を通して搬送される試薬流体に耐えるために十分なシールをガスケット(300)と試薬マニホールド(200)との間に生成する。
【0033】
蛇腹シール(302)は、試薬瓶(20)が、瓶ホルダアセンブリ(10)内に配設され、試薬マニホールド(200)に対して保持されると、瓶キャップ(108)の対応するチャネル(例えば、瓶キャップ空気取入口(604)、瓶キャップ試薬出口(606))に対して位置付けられ、シールするように成形される。
図4に見られる、瓶ハンドル(110)が降下位置(104)にあるときの瓶スロット(104)内への試薬瓶(20)の嵌合は、下向き圧力を蛇腹シール(302)に対して瓶キャップ(108)に生成し、圧力関連漏出を防止または実質的に軽減しながら、加圧された空気および試薬瓶(20)から搬送される試薬流体に耐えるために十分なシールを試薬マニホールド(200)と試薬瓶(20)との間にもたらす。
【0034】
蛇腹シール(302)は、試薬瓶(20)が定位置に係止されると、瓶キャップ(108)から下向き力を受容するが、ガスケット(300)のいくつかの実装では、本力は、ガスケット(300)の外部部分(例えば、ボアの外側に留まる、ガスケット(300)の部分)からガスケット(300)の内部部分(例えば、ボア内にある、ガスケット(300)の部分)に伝達し得ない。そのような実装では、係止される瓶キャップ(108)からの下向き力は、ガスケット(300)と試薬マニホールド(200)との間のシールを維持することに実質的に寄与し得ない。そのような実装では、蛇腹シール(302)と1つ以上の半径方向シール(306a、306b)の組み合わせが、ガスケット(300)を各接触する構成要素に対してシールする際に有利であり得る。
【0035】
ガスケット(300)の他の特徴は、限定器(304)を含み、これは、ガスケットの内部部分と外部部分との間に位置付けられる。ガスケットの内部部分は、その中に挿入される、試薬マニホールド(200)のボアに対応して定寸されるが、限定器(304)は、対応するボアより大きいまたは実質的により大きい、直径を有し、ボアの中へのガスケット(300)の過挿入を防止するように定寸される。実施例として、ガスケット(300)は、種々の可撓性エラストマ材料とともに実装され得るため、任意の挿入限定特徴を欠いているガスケットは、ユーザによって、配設の間、ガスケットの外部部分をボアの中に強制的に変形させ得、これは、外部部分の蛇腹シールが、試薬瓶(20)に対してシールすることが不可能となる結果をもたらし得る。
【0036】
付加的特徴として、ガスケット(300)の外部部分上の蛇腹シール(302)はまた、その中に配設されるべき対応するボアより大きいまたはより実質的に大きい直径を有するように実装されてもよい。このように、ユーザは、ガスケット(300)を対応するボア内に上下逆に配設することを防止され得る。実施例として、蛇腹シール(302)が、ガスケット(300)の内部部分に類似する直径を有するように実装される場合、ユーザは、誤って、蛇腹シール(302)が先導した状態で、ガスケット(300)をボアの中に配設し得、これは、試薬マニホールド(300)、試薬瓶(20)、または両方に対してシールすることが不可能な結果をもたらし得る。
【0037】
試薬瓶(20)内に含有される、試薬は、変動し得、ヒトおよび非有機材料の両方にとって危険となり得る。実施例として、いくつかの試薬タイプへのガスケット(300)の繰り返される暴露は、ガスケット(300)が、萎縮、硬質化、乾燥、または別様に、劣化する結果をもたらし、シール能力の漸次的損失をもたらし得る。説明されているように、生物学的試験システムは、瓶ホルダアセンブリ(10)等の複数の(例えば、10以上の)瓶ホルダアセンブリを有してもよく、それぞれ、異なるタイプの試薬を供給する。各試薬タイプは、異なる属性およびガスケット(300)の材料への影響を有し得るため、ガスケット(300)自体が、種々の材料で実装され、それぞれ、特定の試薬タイプに対してよりロバスト、より予測可能、または別様に、より高性能となることができる。ガスケット材料は、使用の持続時間に基づいて(例えば、各試薬タイプと、その材料がその試薬タイプに対して最も耐久性があるガスケットを合致させる)、または予測可能保守または取替時間間隔を提供する(例えば、試薬タイプ毎にガスケットが、類似する使用可能寿命を有し、特定のシステムのための全てのガスケットが、同時に取り替えられ得るように、ガスケット材料を選択する)ように、またはコスト等の他の計測値に基づいて、選択されてもよい。
【0038】
実施例として、硬度50Aのエチレンプロピレンジエンメチレンゴムから形成される、ガスケットは、全ての試薬タイプとの容認可能なシール能力および使用可能寿命を提供することが見出されている。アルファ-ナフトールを含有する、試薬タイプに関して、フルオロシリコーンまたはポリプロピレンの熱可塑性マトリクス内の完全に動的に加硫処理されたエチレンプロピレンジエンモノマーから形成される、ガスケットは、シール能力および使用可能寿命において、いくつかの利点を提供することが見出されている。アルファ-ナフトールを含有しない、試薬タイプに関して、パーフルオロエラストマ、エチレン、テトラフルオロエチレン、およびパーフルオロメチルビニルエーテルのテトラポリマー、高度にフッ素化されたフルオロカーボン、テトラフルオロエチレンプロピレン、フルオロエラストマ、またはクロロスルホン化ポリエチレンから形成される、ガスケットは、シール能力および使用可能寿命において、いくつかの利点を提供することが見出されている。
【0039】
III.例示的試薬チャネルフィルタ
【0040】
いくつかの試薬タイプは、蒸発、空気への暴露、または他の条件の結果として、後続試験の間、試薬出口チャネル(610)を通して通過し得る、結晶または他の小微粒子を形成し得る。試薬瓶(20)の取替は、さらなる微粒子を周囲環境からまたは瓶キャップ(108)の接触部分上に導入し得る。試薬出口チャネル(610)を通して通過する微粒子は、試薬弁(212)、他のポンプまたは弁、または試薬分配器アセンブリの構成要素等の下流構成要素の性能を損傷または低減させ得る。結果として、試薬出口チャネル(610)から退出することに先立って、流出する試薬を濾過することが有利であり得る。
【0041】
図7A-7Bおよび8A-8Bは、微粒子と関連付けられるリスクを防止または軽減するために試薬マニホールド(200)と併用され得る、保定リング(400)およびフィルタ(402)を示す。
図7Aおよび7Bは、保定リング(400)を示し、これは、保定リング(400)が、配設されると、ボア内に摩擦嵌合し得るように、ボア(例えば、試薬チャネルボア(214)、空気チャネルボア(216))の直径に対応する直径(406)を有し得る。
図8Aおよび8Bは、フィルタ(402)を示し、これは、濾過構成要素(412)を含み、ボアの直径に対応する直径(410)を有し、配設されると、摩擦嵌合を提供する。保定リング(400)の内径(404)は、フィルタ(402)の内径(408)に対応し得る。保定リング(400)の厚さ(405)およびフィルタ(402)の厚さ(407)は、ボアの深度およびガスケット(300)の全長に基づいて変動され得、加圧された空気または液体の結果の変形を防止するために所望のレベルの剛性を提供するように変動され得る。
【0042】
濾過構成要素(412)は、メッシュ材料、プラスチックメッシュ材料、織布のメッシュ材料、またはPEEKプラスチック材料等、1つ以上の特性を有する、フィルタ層または複数の層であってもよい。フィルタ開口部サイズは、例えば、約50~約150マイクロメートルであってもよく、100マイクロメートルの開口部は、微粒子濾過の有利なレベルを提供する。フィルタ厚は、例えば、約30~70マイクロメートルであってもよく、50マイクロメートルの厚さは、濾過および流率を平衡するための有利な厚さを提供する。フィルタ多孔率は、例えば、約50%~約70%開放面積であってもよく、58%の多孔率は、濾過および流率を平衡するための有利な多孔率を提供する。
【0043】
図9は、試薬マニホールド(200)の分解図を描写し、マニホールドシールおよび濾過システム(700)を示し、これは、ガスケット(300)と、保定リング(400)と、フィルタ(402)とを順に含み、試薬チャネルボア(214)から除去されている一方、
図12は、試薬チャネルボア(214)内に除去可能に配設または配置される、マニホールドシールおよび濾過システム(700)の概略図を描写する。フィルタ(402)が、最初に、試薬チャネルボア(214)の中に挿入され、その直径(410)に起因して、滑合または若干の摩擦嵌合を有し得る。保定リング(400)が、次いで、試薬チャネルボア(214)の中に挿入され、その直径(404)に起因して、ボア内への強摩擦嵌合を有し得る。ガスケット(300)が、次いで、試薬チャネルボア(214)の中に挿入され、ガスケット直径、ガスケット材料、および1つ以上の半径方向シール(306a、306b)に起因して、シールをガスケット(300)とボア壁との間に提供し得る。保定リング(400)は、フィルタ(402)をボア内の定位置に保持し得、フィルタ(402)がボアから非意図的に除去され、濾過された微粒子を脱落させ、システムを通して通過することを可能にし得ることを防止し得る。保定リング(400)がなければ、フィルタ(402)の非意図的除去が、例えば、ガスケット(300)を除去するとき(例えば、流体または乾燥された微粒子が、ガスケット(300)をフィルタ(402)に粘着させる場合等)、フィルタ(402)を清浄するとき(例えば、清浄流体が、システムを通して逆転される場合等)、および他の類似状況において生じ得る。
【0044】
図12を参照すると、瓶キャップ(108)の一部が、ガスケット(300)の蛇腹シール(302)と接触し、それに対してシールされ、加圧された試薬が、漏出せずに、試薬瓶(20)から、試薬チャネル出口(610)を通して、試薬分配器アセンブリまたは生物学的試験システムの別のデバイス上に流動し得るように、瓶キャップ試薬出口(606)をガスケット(300)内で整合させるように見られ得る。限定器(304)が、瓶受容器(202)と接触し、ガスケット(300)の挿入を所望の深度に限定するように見られ得、半径方向シール(例えば、半径方向シール(306a)、半径方向シール(306b))が、試薬チャネルボア(214)の内壁内に着座され、それに対してシールされるように見られ得る。
図12は、試薬チャネルボア(214)内に配設される、マニホールドシールおよび濾過システム(700)の例証であって、実際の使用では、半径方向シールおよびガスケット(300)の他の挿入される部分は、
図12に図示されるものと異なるレベルの圧縮または陥凹を有し、可変レベルの接触をガスケット(300)と試薬チャネルボア(214)との間にもたらしてもよいことを理解されたい。
【0045】
いくつかの実装は、第1の色を有するボアに関する材料または仕上げを選択し、第2の色を有する保定リング(400)に関する材料または仕上げを選択し、視覚的コントラストを提供するように、第1の色および第2の色を選択することを含んでもよい。このように、試薬チャネルボア(214)の視覚的観察は、保守および点検の間、保定リング(400)の適切な設置を確認し得る。いくつかの実装は、フィルタ(402)を一対の保定リング(400)間に狭入させ得、これはさらに、通常使用または清浄の間、フィルタ(402)の移動を隔離し得る。試薬が試薬マニホールド(200)を通して辿る経路に起因して、
図11の文脈に説明されるように、空気チャネルボア(216)内のフィルタ等のフィルタを設置する必要がない場合があり、したがって、試薬マニホールド(200)のいくつかの実装は、試薬チャネルボア(214)内に単一フィルタのみを含んでもよい。
【0046】
IV.例示的マニホールド保守方法
【0047】
本明細書に開示される特徴のうちの1つ以上のものを実装することは、有利なこととして、生物学的試験システムのロバスト性および性能を増加させ得、エンドユーザが、訓練された技術者に依拠する代わりに、保守および構成要素取替タスクを実施することを可能にし得る。実施例として、瓶ホルダアセンブリ(10)は、ユーザが、空の試薬瓶を取り替えることを可能にする一方、ガスケット(300)およびフィルタ(402)は、瓶取替に関連する微粒子移送およびシール関連漏出を防止する。ガスケット(300)自体も、適切なシールを可能にするであろう、多くの材料がまた、試薬暴露に起因して経時的に劣化するであろうため、除去可能および取替可能である。同様に、保定リング(400)は、ガスケット(300)取替の間、フィルタ(402)が変位されることを防止する。付加的実施例として、
図9に示されるもの等の実装は、後の不適切なシールに関連するリスクを最小限にしながら、ユーザが、微粒子をフィルタ(402)から水洗および清浄することを可能にする。実施例として、
図10は、試薬マニホールド(200)を清浄および保守するために実施され得る、ステップ(500)の例示的セットのフローチャートを描写する。
【0048】
保守が、必要とされるとき(例えば、構成される保守時間間隔に基づいて、または減少された試薬の流動に基づいて、試薬瓶(20)が、取り替えられているとき)、ユーザは、試薬瓶(20)を瓶ホルダアセンブリ(10)から除去し得る(ブロック502)。試薬出口チャネル(610)が、次いで、試薬瓶(20)の除去の結果として、ユーザによって手動で、または自動的にのいずれかで、排水され得る(ブロック504)。ユーザは、一端における試薬受容器ホース(例えば、システム試薬受容器(612))を接続解除し得る(ブロック506)一方、他端を試薬出口チャネル(610)に取り付けられたままにし、清浄流体をホースに提供し得る(ブロック508)(例えば、開放端を清浄流体の容器内に浸漬する、清浄流体の容器を開放端に取り付ける)。試薬マニホールド(200)を水洗するために適切な清浄流体は、例えば、水分、イソプロピルアルコール、水溶性洗剤、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0049】
流体は、次いで、試薬出口チャネル(610)を通して逆水洗され(ブロック510)、流体をフィルタ(402)を通して逆方向に流動させ、微粒子をフィルタから洗浄し、それを試薬出口チャネル(610)から退出させ、瓶受容器(202)から離れるように流動させ得、溢流保護部(204)は、瓶ホルダアセンブリ(10)の背面に向かう流体の流動を防止する。試薬出口チャネル(610)の逆水洗(ブロック510)は、清浄流体のポンプまたは加圧された容器を使用して、試薬チャネル出口開口部(208b)側からそれを通して液体を押進させることによって、または注射器または他の取入ツールをガスケット(300)の中に挿入し、負圧を生成し、試薬チャネル出口開口部(208a)側からそれを通して液体を引動させることによって、実施されてもよい。
【0050】
ユーザは、次いで、注射器、ポンプ、または他の加圧ツールを使用して、試薬チャネル出口開口部(208a)側からの試薬出口チャネル(610)を通した水分または他の液体の流動を提供することによって、試薬チャネルを水洗し、試薬マニホールド(200)に対するガスケット(300)シールを試験してもよい(ブロック512)。シールは、接続解除されたホース端部が遮断されているかどうかかわらず、種々の圧力における水洗によって試験されてもよく(ブロック512)、ガスケット(300)の縁の周囲からの任意の液体漏出(例えば、限定器(304)の真下から)は、ガスケット(300)または別の構成要素がさらなる保守または取替の必要があることを示す。ユーザは、次いで、結晶微粒子に関するフィルタ(402)の点検、劣化または磨耗に関するガスケット(300)の点検、適切な位置付けおよび順序を確実にするための保定リング(400)およびフィルタ(402)の点検、または他の類似タスクを含め、試薬出口チャネル(610)の構成要素を点検してもよい(ブロック514)。ガスケット(300)、フィルタ(402)、または他の構成要素の取替は、試薬瓶(420)内に含有される試薬のために適切な特定の材料を有するガスケットを選択すること、試薬瓶(420)内に含有される試薬のために適切な特定の材料、多孔率、孔サイズ、または他の特性を有するフィルタを選択すること、または両方を含んでもよい。点検され、再び組み立てられた試薬出口チャネル(610)を用いることで、ユーザは、次いで、試薬瓶(20)を瓶ホルダアセンブリ(10)の中に戻し、瓶ハンドル(110)を使用して、それを定位置に係止してもよい(ブロック516)。
【0051】
V.例示的組み合わせ
【0052】
以下の実施例は、本明細書の教示が組み合わせられる、または適用され得る、種々の非包括的方法に関する。以下の実施例は、本願の任意の時点で、または本願の後続出願において提示され得る任意の請求項の範囲を制限するように意図されないことを理解されたい。いかなる放棄も、意図されない。以下の実施例は、単に、例証目的としてしか提供されていない。本明細書の種々の教示は、多数の他の方法で配列および適用され得ることが考慮される。また、いくつかの変形例は、下記の実施例において言及されるある特徴を省略し得ることも考慮される。したがって、下記に言及される側面または特徴のいずれも、別様に明示的にそのように示されない限り、後日、本発明者によって、または本発明者の権利相続人によって、不可欠と見なされるべきではない。下記に言及されるものを超える付加的特徴を含む任意の請求項が、本願に、または本願に関連する後続出願に提示される場合、それらの付加的特徴は、特許性に関連するいずれかの理由から追加されたと見なされないものとする。
【実施例】
【0053】
(実施例1)
【0054】
サンプル試験器具において使用するために適合される、マニホールドシステムであって、マニホールドであって、瓶が瓶受容器内に設置されると、試薬の瓶を空気取入チャネルおよび試薬出口チャネルと結合するように適合される、瓶受容器と、マニホールドによって画定され、空気チャネルボアを備える、空気取入チャネルであって、接続される空気源から瓶への空気の流動を可能にするように適合される、空気取入チャネルと、マニホールドによって画定され、試薬チャネルボアを備える、試薬出口チャネルであって、瓶からサンプル試験器具の試薬分配器アセンブリへの試薬の流動を可能にするように適合される、試薬出口チャネルとを備える、マニホールドと、空気チャネルボア内に除去可能に配置される、空気ガスケットであって、瓶への空気の流動をシールおよび制御するように適合される、空気ガスケットと、試薬チャネルボア内に除去可能に配置される、試薬ガスケットであって、瓶からの試薬の流動をシールおよび制御するように適合される、試薬ガスケットと、試薬ガスケットと試薬分配器アセンブリとの間の試薬チャネルボア内に除去可能に配置され、微粒子が試薬出口チャネルを通して試薬分配器アセンブリに向かって通過することを防止するように適合される、フィルタとを備える、マニホールドシステム。
【0055】
(実施例2)
【0056】
試薬チャネルボア内に除去可能に配置され、フィルタに近接する、保定部分をさらに備え、保定部分は、試薬チャネルボア内に摩擦嵌合し、フィルタを定位置に保持するように適合され、保定部分は、フィルタと試薬ガスケットとの間に配置される、実施例1に記載のマニホールドシステム。
【0057】
(実施例3)
【0058】
保定部分は、試薬ガスケットが、試薬チャネルボアから除去されるとき、および試薬出口チャネルが、微粒子をフィルタから取り除くために液体で水洗されるとき、試薬チャネルボア内に摩擦嵌合する力が、フィルタが変位されることを防止するために十分であるように適合される、実施例2に記載のマニホールドシステム。
【0059】
(実施例4)
【0060】
試薬チャネルボアは、第1の色を備え、保定部分は、第2の色を備え、第2の色は、第1の色と対比する、実施例2-3のうちの任意の1つ以上のものに記載のマニホールドシステム。
【0061】
(実施例5)
【0062】
フィルタと試薬受容器との間に位置付けられる、第2の保定部分をさらに備え、第2の保定リングは、試薬チャネルボア内に摩擦嵌合するように適合される、実施例2-4のうちの任意の1つ以上のものに記載のマニホールドシステム。
【0063】
(実施例6)
【0064】
空気チャネルボア内には、フィルタが配置されない、実施例1-5のうちの任意の1つ以上のものに記載のマニホールドシステム。
【0065】
(実施例7)
【0066】
試薬ガスケットは、外部部分上に位置付けられる、限定器であって、試薬チャネルボアより大きい直径を備え、試薬チャネルボアの中への試薬ガスケットの過挿入を防止する、限定器と、外部部分上に位置付けられ、シールを外部部分と瓶との間に生成するように適合される、蛇腹シールと、試薬チャネルボアの中への挿入を可能にするために、試薬チャネルボアに対応する直径を備える、内部部分であって、シールを内部部分と試薬チャネルボアとの間に生成するように適合される、半径方向シールのセットを備える、内部部分とを備える、実施例1-6のうちの任意の1つ以上のものに記載のマニホールドシステム。
【0067】
(実施例8)
【0068】
試薬ガスケットは、50Aの硬度を有する、エラストマ材料を備える、実施例7に記載のマニホールドシステム。
【0069】
(実施例9)
【0070】
内部部分と試薬チャネルボアとの間のシールの強度は、瓶と蛇腹シールの接触によって実質的に影響されない、実施例7-8のうちの任意の1つ以上のものに記載のマニホールドシステム。
【0071】
(実施例10)
【0072】
蛇腹シールは、試薬ガスケットが試薬チャネルボアの中に上下逆に挿入されることを防止するために、試薬チャネルボアより大きい直径である、実施例7-9のうちの任意の1つ以上のものに記載のマニホールドシステム。
【0073】
(実施例11)
【0074】
試薬ガスケットは、瓶内に含有される試薬に基づいて選択された材料を備え、材料は、試薬が、アルファ-ナフトールを備える、第1の試薬タイプであるとき、フルオロシリコーン、またはポリプロピレンの熱可塑性マトリクス内の完全に動的に加硫処理されたエチレンプロピレンジエンモノマー、試薬が、アルファ-ナフトールを備えない、第2の試薬タイプであるとき、パーフルオロエラストマ、エチレン、テトラフルオロエチレン、およびパーフルオロメチルビニルエーテルのテトラポリマー、高度にフッ素化されたフルオロカーボン、テトラフルオロエチレンプロピレン、フルオロエラストマ、またはクロロスルホン化ポリエチレンを備える、実施例1-10のうちの任意の1つ以上のものに記載のマニホールドシステム。
【0075】
(実施例12)
【0076】
フィルタは、約50%~約70%の多孔率、約50μm~約160μmの厚さ、メッシュ、またはPEEKプラスチックメッシュのうちの1つ以上のものを備える、実施例1-11のうちの任意の1つ以上のものに記載のマニホールドシステム。
【0077】
(実施例13)
【0078】
方法であって、マニホールドを瓶ホルダアセンブリ上に配設するステップであって、マニホールドは、瓶が瓶受容器内に設置されると、試薬の瓶を空気取入チャネルおよび試薬出口チャネルと結合するように適合される、瓶受容器と、マニホールドによって画定され、空気チャネルボアを備える、空気取入チャネルであって、接続される空気源から瓶への空気の流動を可能にするように適合される、空気取入チャネルと、マニホールドによって画定され、試薬チャネルボアを備える、試薬出口チャネルであって、瓶からサンプル試験器具の試薬分配器アセンブリへの試薬の流動を可能にするように適合される、試薬出口チャネルとを備える、ステップと、フィルタを試薬チャネルボア内に除去可能に配設するステップであって、フィルタは、微粒子が試薬出口チャネルを通して試薬分配器アセンブリに向かって通過することを防止するように適合される、ステップと、空気ガスケットを空気チャネルボア内に除去可能に配設するステップであって、空気ガスケットは、瓶への空気の流動をシールおよび制御するように適合される、ステップと、試薬ガスケットを試薬チャネルボア内に除去可能に配設するステップであって、試薬ガスケットは、瓶からの試薬の流動をシールおよび制御するように適合される、ステップとを含む、方法。
【0079】
(実施例14)
【0080】
試薬ガスケットを配設する前、かつフィルタを配設後、保定部分を試薬チャネルボア内に除去可能に配設するステップをさらに含み、保定部分は、試薬チャネルボア内に摩擦嵌合し、フィルタを定位置に保持するように適合される、実施例13に記載の方法。
【0081】
(実施例15)
【0082】
保定部分の第2の色と対比するマニホールドの第1の色に基づいて、保定部分の配設を視覚的に確認するステップをさらに含む、実施例14に記載の方法。
【0083】
(実施例16)
【0084】
試薬ガスケットを試薬チャネルボア内に除去可能に配設するステップは、試薬ガスケットの内部部分を、内部部分が、試薬チャネルボアの中への挿入を可能にするために、試薬チャネルボアに対応する直径と、シールを内部部分と試薬チャネルボアとの間に生成するように適合される、半径方向シールのセットとを備えることに基づいて、識別するステップと、試薬ガスケットの外部部分上に位置付けられる、限定器が、マニホールドに接触するまで、内部部分を試薬チャネルボアの中に挿入するステップであって、限定器は、試薬チャネルボアの中への試薬ガスケットの過挿入を防止するために、試薬チャネルボアより大きい直径を備える、ステップとを含む、実施例13-15のうちの任意の1つ以上のものに記載の方法。
【0085】
(実施例17)
【0086】
試薬ガスケットの蛇腹シールが瓶に対してシールするように、瓶を瓶受容器内に位置付けることによって、試薬の瓶をマニホールドと結合するステップをさらに含む、実施例16に記載の方法。
【0087】
(実施例18)
【0088】
瓶の瓶ハンドルを動作させ、瓶を定位置に係止し、蛇腹シールに対して下向き力を生成するステップをさらに含み、瓶ハンドルの動作は、内部部分と試薬チャネルボアとの間のシールの強度に実質的に影響を及ぼさない、実施例17に記載の方法。
【0089】
(実施例19)
【0090】
試薬ガスケットを試薬チャネルボア内に除去可能に配設するステップは、試薬瓶の試薬と対応する試薬ガスケットの材料に基づいて、試薬ガスケットを選択するステップを含み、試薬が、アルファ-ナフトールを備える、第1の試薬タイプであるとき、材料は、フルオロシリコーン、またはポリプロピレンの熱可塑性マトリクス内の完全に動的に加硫処理されたエチレンプロピレンジエンモノマーを備え、試薬が、アルファ-ナフトールを備えない、第2の試薬タイプであるとき、材料は、パーフルオロエラストマ、エチレン、テトラフルオロエチレン、およびパーフルオロメチルビニルエーテルのテトラポリマー、高度にフッ素化されたフルオロカーボン、テトラフルオロエチレンプロピレン、フルオロエラストマ、またはクロロスルホン化ポリエチレンを備える、実施例13-18のうちの任意の1つ以上のものに記載の方法。
【0091】
(実施例20)
【0092】
マニホールドシールおよび濾過システムであって、マニホールドの試薬チャネルボア内に除去可能に配置され、微粒子がマニホールドを通して試薬分配器アセンブリに向かって通過することを防止するように適合される、フィルタと、試薬チャネルボア内に除去可能に配置され、試薬チャネルボア内に摩擦嵌合し、フィルタを定位置に保持するように適合される、保定部分と、試薬ガスケットであって、外部部分上に位置付けられる、限定器であって、試薬チャネルボアより大きい直径を備え、試薬チャネルボアの中への試薬ガスケットの過挿入を防止する、限定器と、外部部分上に位置付けられ、シールを外部部分とマニホールドと結合される試薬の瓶との間に生成するように適合される、蛇腹シールと、試薬チャネルボアの中への挿入を可能にするために、試薬チャネルボアに対応する直径を備える、内部部分であって、シールを内部部分と試薬チャネルボアとの間に生成するように適合される、半径方向シールのセットを備える、内部部分とを備える、試薬ガスケットとを備える、システム。
【0093】
VI.その他
【0094】
本明細書に説明される実施例のうちのいずれかは、上記に説明されるものに加えて、またはその代わりに、種々の他の特徴を含み得ることを理解されたい。実施例にすぎないが、本明細書に説明される実施例のうちのいずれかはまた、参照することによって本明細書に組み込まれる種々の参考文献のうちのいずれかに開示される種々の特徴のうちの1つ以上のものを含んでもよい。
【0095】
本明細書に説明される教示、表現、実施形態、実施例等のうちのいずれか1つ以上のものは、本明細書に説明される他の教示、表現、実施形態、実施例等のうちのいずれか1つ以上のものと組み合わせられ得ることを理解されたい。上記に説明される教示、表現、実施形態、実施例等は、したがって、相互に対して孤立して見なされるべきではない。本明細書の教示が組み合わせられ得る種々の好適な方法が、本明細書の教示に照らして当業者に容易に明白となるであろう。そのような修正および変形例は、請求項の範囲内に含まれることが意図される。
【0096】
参照することによって本明細書に組み込まれると考えられる、任意の特許、刊行物、または他の開示資料が、全体または部分的に、組み込まれる資料が本開示に記載される既存の定義、文言、または他の開示資料と矛盾しない範囲においてのみ本明細書に組み込まれることを理解されたい。したがって、必要な範囲で、本明細書に明示的に記載されるような開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる任意の矛盾する資料に優先する。参照することによって本明細書に組み込まれると考えられるが、本明細書に記載される既存の定義、文言、または他の開示資料と矛盾する任意の資料またはその一部は、その組み込まれる資料と既存の開示資料との間にいかなる矛盾も生じない範囲においてのみ組み込まれるであろう。
【0097】
本発明の種々のバージョンを示し、説明したが、本明細書に説明される方法およびシステムのさらなる適合が、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な修正によって遂行され得る。そのような潜在的修正のうちのいくつかが、言及され、その他は、当業者に明白となるであろう。例えば、上記に議論される実施例、バージョン、幾何学形状、材料、寸法、比率、ステップ、および同等物は、例証的であり、要求されない。故に、本発明の範囲は、以下の請求項の観点から考慮されるべきであり、本明細書および図面に示され、説明される構造および動作の詳細に限定されないように理解される。