(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】工作機械システム内での通信のための方法およびそのための通信システム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/414 20060101AFI20240704BHJP
G05B 19/05 20060101ALI20240704BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
G05B19/414 R
G05B19/414 Q
G05B19/05 L
H04L12/28 100F
H04L12/28 200Z
(21)【出願番号】P 2021564941
(86)(22)【出願日】2020-04-21
(86)【国際出願番号】 EP2020061084
(87)【国際公開番号】W WO2020224949
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-02-22
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520333435
【氏名又は名称】エービー サンドビック コロマント
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ホルムストレーム, テンネルス
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-285605(JP,A)
【文献】特開2002-062913(JP,A)
【文献】特開平09-265312(JP,A)
【文献】実開平02-080814(JP,U)
【文献】特開2015-215669(JP,A)
【文献】米国特許第04888726(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/00 - 19/46
H04L 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械システム(10)内での通信のための方法であって、前記工作機械システム(10)は数値制御NC(104)および制御ノード(100)を備え、前記制御ノード(100)および前記NC(104)は互いにデータ信号を交換するように構成される方法において、
-
肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示をする肯定応答指示
であって、データ信号の固有部分であり、前記工作機械システムの通信に使用されるプロトコルに依存しない、肯定応答指示を含むアクション要求(200)を含むデータ信号を前記制御ノード(100)から前記NC(104)に送信することと、
- 受け取った前記アクション要求に基づいて、前記工作機械システム(10)内で実施されるべきアクションを前記NC(104)内でトリガすることと、
- 前記肯定応答指示によって要求されると、前記NC(104)から前記制御ノード(100)に肯定応答ACKデータ信号(300)を送ることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記工作機械システム(10)がプログラマブル論理コントローラ(PLC)(102)をさらに備え、前記プログラマブル論理コントローラ(PLC)(102)が、前記制御ノード(100)と前記NC(104)の間でデータ信号を中継するように構成されたインタフェースを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記肯定応答ACKデータ信号が、前記アクションがアクティブであることを示すデータを含み、前記方法が、
- 前記肯定応答ACKデータ信号(300)を受け取った後、前記制御ノード(100)において前記アクション要求(200)をリセットすること
をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
- 前記肯定応答指示が前記肯定応答ACKデータ信号(201)を要求していない場合、所定の期間の後、前記制御ノード(100)において前記アクション要求(200)をリセットすること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記制御ノード(100)および前記NC(104)が状態要求を交換するようにさらに構成され、
前記状態要求が、
- 前記工作機械システムに接続された切削工具の動作状態の変化パラメータ
- 前記切削工具の動作状態
- 工作機械の動作状態
のうちの少なくとも1つに関連する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
数値制御NC(104)と、
制御ノード(100)と
を備え、前記制御ノード(100)および前記NC(104)は互いにデータ信号を交換するように構成される工作機械システム(10)であって、
- 前記制御ノード(100)に、
肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示をする肯定応答指示
であって、データ信号の固有部分であり、前記工作機械システムの通信に使用されるプロトコルに依存しない、肯定応答指示を含むアクション要求を含むデータ信号を前記NC(104)に送信させ、
- 前記NC(104)に、受け取った前記アクション要求(200)に基づいて、前記工作機械システム内で実施されるべきアクションをトリガさせ、
- 前記肯定応答指示によって要求されると、前記NC(104)に、肯定応答ACKデータ信号(300)を前記制御ノード(100)に送らせる
ように構成される、
工作機械システム(10)。
【請求項7】
前記制御ノード(100)および前記NC(104)が状態要求を交換するようにさらに構成され、
前記状態要求が、
- 前記工作機械システムに接続された切削工具の動作状態の変化パラメータ
- 前記切削工具の動作状態
- 工作機械の動作状態
のうちの少なくとも1つに関連する、請求項
6に記載の工作機械システム。
【請求項8】
制御ノード(100)で実施される、工作機械システム(10)内で数値制御NC(104)と通信するための方法であって、
- 肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示
であって、データ信号の固有部分であり、前記工作機械システムの通信に使用されるプロトコルに依存しない、指示を含む第1のデータ信号を前記NC(104)に送信するステップと、
- 前記第1のデータ信号(200)が肯定応答を要求している場合、前記NC(104)から肯定応答ACKデータ信号(300)を受け取るステップと、
- 前記肯定応答ACKデータ信号が前記制御ノードによって受け取られている場合、または前記第1のデータ信号が肯定応答を要求していない場合、所定の期間の後に第2のデータ信号を前記NC(104)に送信するステップと
を含む、方法。
【請求項9】
数値制御NC(104)で実施される、工作機械システム(10)内で制御ノード(100)と通信するための方法であって、
- 肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示
であって、データ信号の固有部分であり、前記工作機械システムの通信に使用されるプロトコルに依存しない、指示を含む第1のデータ信号を前記制御ノード(100)から受け取るステップと、
- 前記第1のデータ信号が肯定応答を要求している場合、肯定応答ACKデータ信号を前記制御ノード(100)に送るステップと、
- 前記制御ノード(100)から第2のデータ信号を受け取るステップと
を含む、方法。
【請求項10】
プログラマブル論理コントローラで実施される、工作機械システム(10)内での通信のための方法であって、前記工作機械システム(10)は、前記プログラマブル論理コントローラPLC(102)、数値制御NC(104)および制御ノード(100)を備え、前記PLC(102)は、前記制御ノード(100)と前記NC(104)の間でデータ信号を中継するように構成されたインタフェースを備える方法において、
- 肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示
であって、データ信号の固有部分であり、前記工作機械システムの通信に使用されるプロトコルに依存しない、指示を含むデータ信号を送りノードから受け取るステップと、
- 前記データ信号を受取りノードに中継するステップと、前記データ信号が肯定応答を要求している場合、
- 前記受取りノードから肯定応答ACKデータ信号(201)を受け取るステップと、
- 前記肯定応答ACKデータ信号を前記送りノードに中継するステップと
を含み、前記送りノードが前記制御ノード(100)である場合、前記受取りノードは前記NC(104)であり、また、前記送りノードが前記NC(104)である場合、前記受取りノードは前記制御ノード(100)である、方法。
【請求項11】
工作機械システム(10)内で数値制御NC(104)と通信するための制御ノード(100)であって、送信ユニット(1001)および受信ユニット(1003)を使用して構成される制御ノード(100)において、
前記送信ユニット(1001)は、肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示
であって、データ信号の固有部分であり、前記工作機械システムの通信に使用されるプロトコルに依存しない、指示を含む第1のデータ信号を前記NC(104)に送信するように構成され、
前記受信ユニット(1003)は、前記第1のデータ信号(200)が肯定応答を要求している場合、前記NC(104)から肯定応答ACKデータ信号(300)を受け取るように構成され、
前記送信ユニット(1001)は、前記肯定応答ACKデータ信号が前記制御ノードによって受け取られている場合、または前記第1のデータ信号が肯定応答を要求していない場合、所定の期間の後に第2のデータ信号を前記NC(104)に送信するようにさらに構成される、
制御ノード(100)。
【請求項12】
工作機械システム(10)内で制御ノード(100)と通信するための数値制御NC(104)であって、NC送信ユニット(1041)およびNC受信ユニット(1043)を使用して構成される数値制御NC(104)において、
前記NC受信ユニット(1043)は、肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示
であって、データ信号の固有部分であり、前記工作機械システムの通信に使用されるプロトコルに依存しない、指示を含む第1のデータ信号を前記制御ノード(100)から受け取るように構成され、
前記NC送信ユニット(1041)は、前記第1のデータ信号が肯定応答を要求している場合、肯定応答ACKデータ信号を前記制御ノード(100)に送るように構成され、
前記NC受信ユニット(1043)は、第2のデータ信号を前記制御ノード(100)から受け取るようにさらに構成される、
数値制御NC(104)。
【請求項13】
工作機械システム(10)内での通信のためのプログラマブル論理コントローラPLC(102)であって、前記工作機械システム(10)は、前記プログラマブル論理コントローラPLC(102)、数値制御NC(104)および制御ノード(100)を備え、前記PLC(102)は、PLC受信ユニット(1021)、および前記制御ノード(100)と前記NC(104)の間でデータ信号を中継するように構成されたインタフェースを使用して構成されるプログラマブル論理コントローラPLC(102)において、
前記PLC受信ユニット(1021)は、肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示
であって、データ信号の固有部分であり、前記工作機械システムの通信に使用されるプロトコルに依存しない、指示を含むデータ信号を送りノードから受け取るように構成され、
前記インタフェースは前記データ信号を受取りノードに中継するように構成され、また、前記データ信号が肯定応答を要求している場合、
前記PLC受信ユニット(1021)は、肯定応答ACKデータ信号(201)を前記受取りノードから受け取るようにさらに構成され、
前記インタフェースは、前記肯定応答ACKデータ信号を前記送りノードに中継するようにさらに構成され、
前記送りノードが前記制御ノード(100)である場合、前記受取りノードは前記NC(104)であり、また、前記送りノードが前記NC(104)である場合、前記受取りノードは前記制御ノード(100)である、
プログラマブル論理コントローラPLC(102)。
【請求項14】
コンピュータ上で実行されると、請求項1から
5のいずれか一項に記載の方法を実施するコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、工作機械システム内での通信のための方法、およびその方法を実施するための通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ数値制御(CNC)は、アディティブとサブトラクティブの両方の製造のために造られた工作機械を制御するために広く使用されており、穿孔、フライス加工、丸削り、リーマ通し、ねじ切りまたは研削などの操作は一般的である。CNC機械は、厳密な仕様に合致するよう、プログラムされた命令に従って、手動オペレータを必要とすることなく、材料、例えば金属、プラスチック、木、セラミックまたは合成物、等々を変える。一般にCNCは、数値プログラムされた動きを制御する少なくとも1つの数値制御(NC)、および論理に基づく機能を制御する1つのプログラマブル論理コントローラ(PLC)を備えている。
【0003】
今日、CNCシステムにおいては、機械部品の設計およびその製造プログラムは高度に自動化されている。CADソフトウェアを使用して部品の機械的寸法が定義され、次にコンピュータ支援製造(CAM)ソフトウェアによって製造指示に翻訳される。結果として得られた指示書は、「御処理プロセッサ」ソフトウェアによって、コンポーネントを製造する特定の機械のために必要な特定のコマンドに変換され、次にCNC機械にロードされる。要約すると、CNC機械は、動力化された操縦可能な工具と、しばしば、動力化された操縦可能なワークピースとを組み合わせ、それらはいずれもNCによって、特定の入力命令に従って制御される。命令は、典型的には、図形コンピュータ支援製造(CAM)ソフトウェアによって生成され、かつ、逐次プログラムとしてNCの中で実行されるG-コードの形態でCNC機械に引き渡される。
【0004】
NCとPLCの間の通信は、主として工作機械システム内に置かれている。通信は、例えばPROFINET、Ethernet/IPまたはプロセスフィールドバス(PROFIBUS)などの有線または無線時間感応ネットワーク(TSN)上で確立される。例としてPROFIBUSは、複数のマスタを許容するための追加トークンリングプロトコルを有するマスタ-スレーブ型プロトコルである。すべてのデバイスはスタートアップシーケンスを通り抜け、その間にそれらのすべてのデバイスがネットワークに「加わる」。個々のスレーブはフェールセーフタイマを維持している。マスタが特定の時間限度内にスレーブに話しかけない場合、スレーブは安全状態に入り、その場合、マスタは、さらなるデータ交換が生じ得る前にもう一度スタートアップシーケンスを通り抜けなければならない。これは、マスタ内のウォッチドッグタイマと相俟って、すべての通信が特定の時間値でバスサイクル毎に生じることを保証する。したがってPROFIBUS上で送られたパケットが、送信側が気づくことなく失われることはあり得ない。したがってPROFIBUS上で確立された通信は安全保護のための機構を有している。しかしながら技術の発展およびユーザのニーズの変化により、通信を工作機械システムの外部に拡張する必要がある。このような場合、今日の通信システムはそのニーズに合致し得ない。通信データの安全保護も同じく考慮すべき重要な面である。
【発明の概要】
【0005】
本開示の目的は、上で概要を示した課題および問題のうちの少なくともいくつかに対処することである。本開示の目的の1つは、工作機械システム内での通信のための方法およびシステムを提供することである。
【0006】
別の目的は、制御ノード、および制御ノードで実施される、工作機械システム内でNCと通信するための方法を提供することである。
【0007】
さらに別の目的は、NC、およびNCで実施される、工作機械システム内で制御ノードと通信するための方法を提供することである。
【0008】
さらに別の目的は、プログラマブル論理コントローラ、およびプログラマブル論理コントローラで実施される、工作機械システム内での通信のための方法を提供することである。
【0009】
さらに別の目的は、コンピュータ上で実行されると、工作機械システム内での通信のための方法を実施するコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラム製品を提供することである。
【0010】
上記の目的は、添付の特許請求の範囲による方法およびシステムによって完全に、または部分的に達成される。特徴および態様は、本開示の添付の特許請求の範囲、以下の説明および添付の図面に示されている。
【0011】
第1の態様によれば、工作機械システム内での通信のための方法が提供され、工作機械システムは数値制御(NC)および制御ノードを備え、制御ノードおよびNCは互いにデータ信号を交換するように構成され、方法は、肯定応答指示を含むアクション要求を含むデータ信号を制御ノードからNCに送信するステップと、受け取ったアクション要求に基づいて、工作機械システム内で実施されるべきアクションをNC内でトリガするステップと、肯定応答指示によって要求されると、NCから制御ノードに肯定応答ACKデータ信号を送るステップとを含む。
【0012】
本明細書において使用されている「データ信号」は、送信されるべき実際のデータまたは情報を担っている信号または信号の一部あるいは複数の信号を意味している。言い換えると、この表現は、使用されるプロトコルの種類には無関係の信号または信号の一部あるいは複数の信号を意味している。
【0013】
したがって肯定応答指示は、アクション要求に含まれているデータ信号自体に包含されており、また、その固有部分である。したがって肯定応答指示は使用される特定のプロトコルに依存せず、また、データ信号が異なるプロトコルを使用して異なるネットワークを介して送信される場合であっても、肯定応答指示が「失われる」ことはない。したがって通信が工作機械システムの外部に拡張されても安全保護および信頼性が保持される。
【0014】
例示的実施形態では、工作機械システムはプログラマブル論理コントローラ(PLC)を備えており、プログラマブル論理コントローラ(PLC)は、制御ノードとNCの間でデータ信号を中継するように構成されたインタフェースを備えている。
【0015】
別の例示的実施形態では、肯定応答ACKデータ信号は、アクションがアクティブであることを示すデータを含み、方法は、肯定応答ACKデータ信号を受け取った後、制御ノードにおいてアクション要求をリセットするステップをさらに含む。
【0016】
さらに別の例示的実施形態では、方法は、肯定応答指示が肯定応答ACKデータ信号を要求していない場合、所定の期間の後にアクション要求をリセットするステップをさらに含む。
【0017】
さらに別の例示的実施形態では、アクション要求は、実施されるべきアクションを識別するアクションタイプ、およびそのアクションが実行されるべき方法を教えるアクション値を含み、方法は、アクションタイプを設定する前にそのアクション値を設定するステップをさらに含む。
【0018】
さらに別の例示的実施形態では、制御ノードおよびNCは、状態要求を交換するようにさらに構成される。
【0019】
さらに別の例示的実施形態では、状態要求は、工作機械システムに接続された切削工具の動作状態の変化パラメータ、切削工具の動作状態または工作機械の動作状態のうちの少なくとも1つに関連している。
【0020】
第2の態様によれば、NCと、制御ノードとを備える工作機械システムが提供され、制御ノードおよびNCは互いにデータ信号を交換するように構成され、工作機械システムは、制御ノードに、肯定応答指示を含むアクション要求を含むデータ信号をNCに送信させ、NCに、受け取ったアクション要求に基づいて、工作機械システム内で実施されるべきアクションをトリガさせ、また、NCに、肯定応答指示によって要求されると、肯定応答ACKデータ信号を制御ノードに送らせるように構成される。
【0021】
例示的実施形態では、アクション要求は、実施されるべきアクションを識別するアクションタイプ、およびそのアクションが実行されるべき方法を教えるアクション値を含み、アクション値はアクションタイプに先立って設定される。
【0022】
別の例示的実施形態では、データ信号は状態要求をさらに含む。
【0023】
さらに別の例示的実施形態では、状態要求は、工作機械システムに接続された切削工具の動作状態の変化パラメータ、切削工具の動作状態または工作機械の動作状態のうちの少なくとも1つに関連している。
【0024】
第3の態様によれば、制御ノードで実施される、工作機械システム内で数値制御NCと通信するための方法であって、肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示を含む第1のデータ信号をNCに送信するステップと、第1のデータ信号が肯定応答を要求している場合、NCから肯定応答ACKデータ信号を受け取るステップと、肯定応答ACKデータ信号が制御ノードによって受け取られている場合、または第1のデータ信号が肯定応答を要求していない場合、所定の期間の後に第2のデータ信号をNCに送信するステップとを含む方法が提供される。
【0025】
第4の態様によれば、数値制御NCで実施される、工作機械システム内で制御ノードと通信するための方法であって、肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示を含む第1のデータ信号を制御ノードから受け取るステップと、第1のデータ信号が肯定応答を要求している場合、肯定応答ACKデータ信号を制御ノードに送るステップと、制御ノードから第2のデータ信号を受け取るステップとを含む方法が提供される。
【0026】
第5の態様によれば、プログラマブル論理コントローラ(PLC)で実施される、工作機械システム内での通信のための方法であって、工作機械システムは、プログラマブル論理コントローラPLC、数値制御NCおよび制御ノードを備え、PLCは、制御ノードとNCの間でデータ信号を中継するように構成されたインタフェースを備え、肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示を含むデータ信号を送りノードから受け取るステップと、データ信号を受取りノードに中継するステップと、データ信号が肯定応答を要求している場合、受取りノードから肯定応答ACKデータ信号を受け取るステップと、肯定応答ACKデータ信号を送りノードに中継するステップとを含み、送りノードが制御ノードである場合、受取りノードはNCであり、また、送りノードがNCである場合、受取りノードは制御ノードである、方法が提供される。
【0027】
第6の態様によれば、工作機械システム内で数値制御NCと通信するための制御ノードが提供され、制御ノードは送信ユニットおよび受信ユニットを使用して構成され、送信ユニットは、肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示を含む第1のデータ信号をNCに送信するように構成され、受信ユニットは、第1のデータ信号が肯定応答を要求している場合、NCから肯定応答ACKデータ信号を受け取るように構成され、また、送信ユニットは、肯定応答ACKデータ信号が制御ノードによって受け取られている場合、または第1のデータ信号が肯定応答を要求していない場合、所定の期間の後に第2のデータ信号をNCに送信するようにさらに構成される。
【0028】
第7の態様によれば、工作機械システム内で制御ノードと通信するための数値制御NCが提供され、NCはNC送信ユニットおよびNC受信ユニットを使用して構成され、NC受信ユニットは、肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示を含む第1のデータ信号を制御ノードから受け取るように構成され、NC送信ユニットは、第1のデータ信号が肯定応答を要求している場合、肯定応答ACKデータ信号を制御ノードに送るように構成され、また、NC受信ユニットは、第2のデータ信号を制御ノードから受け取るようにさらに構成される。
【0029】
第8の態様によれば、工作機械システム内での通信のためのプログラマブル論理コントローラPLCが提供され、工作機械システムは、プログラマブル論理コントローラPLC、数値制御NCおよび制御ノードを備え、PLCは、PLC受信ユニット、および制御ノードとNCの間でデータ信号を中継するように構成されたインタフェースを使用して構成され、PLC受信ユニットは、肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示を含むデータ信号を送りノードから受け取るように構成され、インタフェースはデータ信号を受取りノードに中継するように構成され、また、データ信号が肯定応答を要求している場合、PLC受信ユニットは、肯定応答ACKデータ信号を受取りノードから受け取るようにさらに構成され、また、インタフェースは、肯定応答ACKデータ信号を送りノードに中継するようにさらに構成され、送りノードが制御ノードである場合、受取りノードはNCであり、また、送りノードがNCである場合、受取りノードは制御ノードである。
【0030】
第9の態様によれば、コンピュータ上で実行されると、上記による方法を実施するコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【0031】
本開示は、データ信号を失う危険を伴うことなく、制御ノードとNCの間の通信をCNC制御工作機械の外部に拡張するための解決法を提供する。さらに、NC、PLCおよび制御ノード間の強化された接続性が同じく提供され、さらには最終顧客のためのプラグアンドプレイ環境も可能である。本開示は、一般環境および個別化可能環境における顧客価値をもたらし、とてつもない柔軟性を提供する。別の利点は、工作機械システムにおけるNCは、制御ノードからのデータ信号を従来のシステムよりはるかに速く処理することができ、また、システムの効率が著しく改善されたことである。
【0032】
本開示のいくつかの態様は、以下の図面を参照してより良好に理解され得る。図面では、同様の参照数表示は、いくつかの図全体にわたって対応する部品を示している。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】工作機械システムの概要を示すブロック図である。
【
図2】制御ノードとNCの間の通信を示す図である。
【
図3A】システムによって実施される例示的方法のフローチャートである。
【
図3B】システムによって実施される例示的方法のフローチャートである。
【
図3C】システムによって実施される例示的方法のフローチャートである。
【
図4】システムによって実施される例示的方法を示すフローチャートである。
【
図5】NCに対する割込みがないACKアクション要求の線図である。
【
図6】「TO NC ACK ACTION」のサブルーチンを示すフローチャートである。
【
図7】アクション要求およびアクション肯定応答の例示的構造を示す図である。
【
図8】PLCに対するACKアクション要求の線図である。
【
図9】「TO PLC ACK ACTION」のサブルーチンを示すフローチャートである。
【
図10】PLCからのACKアクション要求の線図である。
【
図11】「FROM PLC ACK ACTION」のサブルーチンを示すフローチャートである。
【
図12】NCからのACKアクション要求の線図である。
【
図13】「FROM NC ACK ACTION」のサブルーチンを示すフローチャートである。
【
図14】NCに対する割込みがないNot ACKアクション要求の線図である。
【
図15】「TO NC NOT ACK ACTION」のサブルーチンを示すフローチャートである。
【
図16】PLCからのNot ACKアクション要求の線図である。
【
図17】「FROM PLC NOT ACK ACTION」のサブルーチンを示すフローチャートである。
【
図18】NCからのNot ACKアクション要求の線図である。
【
図19】「FROM NC NOT ACK ACTION」のサブルーチンを示すフローチャートである。
【
図20】PLCに対するNot ACKアクション要求の線図である。
【
図21】「TO PLC NOT ACK ACTION」のサブルーチンを示すフローチャートである。
【
図22】NCに対する割込みがあるNOT ACKアクション要求の線図である。
【
図23】「TO NC+INT NOT ACK ACTION」のサブルーチンを示すフローチャートである。
【
図24】NCに対する割込みがあるACKアクション要求の線図である。
【
図25A】「TO NC+INT ACK ACTION」のサブルーチンを示すフローチャートである。
【
図25B】「TO NC+INT ACK ACTION」のサブルーチンを示すフローチャートである。
【
図26】連続的にNCに送られ、また、連続的にNCから送られる実時間データの線図である。
【
図27】制御ノードで実施される方法を示す図である。
【
図28】数値ノードで実施される方法を示す図である。
【
図29】プログラマブル論理コントローラで実施される方法を示す図である。
【
図30】さらに可能な実施形態による制御ノードをより詳細に示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、例示的実施形態を示す、工作機械システム10の非制限の概要を示したものである。工作機械はフライス加工機械、穿孔機械、等々であってもよい。本明細書における工作機械は、サブトラクティブ製造およびアディティブ製造の両方のための機械を包含している。システム10は、データ信号を送信するための送信ユニット1001およびデータ信号を受信するための受信ユニット1003を備えた制御ノード100を備えている。制御ノード100は、局所工作機械システムの内部に物理的に配置することができ、あるいは局所工作機械システムに遠隔接続することも可能である。制御ノード100は、例えば局所コンピュータ、サーバ、中央配置サーバ、クラウド-ベースサーバ、仮想コンピュータ、等々であってもよい。工作機械システム10は、以下、本開示においては工作機械または機械とも呼ばれているCNC機械12をさらに備えている。機械は、データ信号を受け取るためのPLC受信ユニット1021、データ信号を中継するための中継ユニット1023を備えたプログラマブル論理コントローラ(PLC)102と、データ信号を送信するためのNC送信ユニット1041およびデータ信号を受け取るためのNC受信ユニット1043を備えた数値制御(NC)104とを備えている。制御ノード100は、NC104に対する肯定応答指示を有するアクション要求を含むデータ信号を送信するように構成されており、NC104は、受け取ったアクション要求に基づいて、工作機械システム内で実施されるべきアクションをトリガするように構成されており、また、NC104は、肯定応答指示によって要求されている場合、肯定応答ACKデータ信号を制御ノード100に送るように構成されている。制御ノード100と工作機械システム10の間の接続は、有線接続であっても、あるいは無線接続であってもよい。他の実施形態では、制御ノード100と工作機械システム10の間の通信は、IEEE 802.3、等々によるイーサネット、あるいは802.11、等々によるWiFi、ブルートゥース、TCP/IP(転送制御プロトコル/インターネット/プロトコル)に基づいていてもよく、他の適切なフォーマットに対する制限はない。
【0035】
肯定応答指示は様々な方法で達成することができる。例えば指示はアクション要求の一部として実現することができ、例えばデータ信号の総データセット内の1ビットを使用して、アクション要求が肯定応答を要求しているか否かを指示することができる。しかしながら肯定応答指示は、肯定応答を要求していないアクション要求(Not ACKアクション)に関連するデータ信号と比較して、肯定応答を要求しているアクション要求(ACKアクション)に関連するデータ信号のための総データセット内の異なるオフセットおよび/または範囲を使用することによって単純に実現することも可能である。すなわちACKアクションのためのデータは、Not ACKアクションのためのデータと比較して、データ信号の総データセット内の異なる位置に置くことができる。したがって定義済みセットのバイトをACKアクションのために確保しておくことができ、また、別の定義済みセットのバイトをNot ACKアクションのために確保しておくことができる。したがって肯定応答指示は、アクション要求のデータが例えばACK信号のために特に割り当てられた1つまたは複数のセットまたは範囲のバイトまたはビット内のデータ信号の総データセット内の特定の位置に置かれているかどうかを参照することができる。
【0036】
図2は、制御ノード100とNC104の間の例示的通信を示したものである。制御ノード100とNC104の間の通信は双方向である。制御ノード100とNC104の間で送られるデータ信号は経路指定ユニット106を介して中継される。経路指定ユニット106は、PLC、ルータ、工作機械中継器を備えたデバイス、等々などの経路指定の機能を有する任意のタイプのデバイスであってもよい。本開示においては、PLCは、データ信号を中継するための例として使用されている。
【0037】
表1と共に
図3A、
図3Bおよび
図3Cを参照すると、システムによって実施される例示的方法のフローチャート概説が示されている。PLCインタフェースを介して交換される異なるタイプのデータ信号が存在しており、それらは、それらの用途および特性によって等級に分割される。いくつかのデータ信号は、スピンドル速度などの実時間情報と呼ばれることになる純粋な情報担体として働くことになり、一方、他のデータ信号は、アクションと呼ばれることになる明確な専用タスク情報を示す。アクションは、PLC102、NC104または制御ノード100のいずれかでプロセスを開始するために使用されるものである。データ信号等級仕様は、機械へのデータ信号を意味する入力と、機械から送られたデータ信号を意味する出力との間を区別することができる、データ信号の方向を同じく含む。例えばデータ信号は、短い説明と共に例示の表1に挙げられているように、例えば3つの入力等級と3つの出力等級の合計6つの異なるデータ信号等級に分割される。
【0038】
例示実施形態においては、機械のためのアクションデータ信号およびいくつかの実時間データ信号は、機械の中で操作することができる工具キャリアの数によって定義される。個々の工具キャリアは、対応するセットのデータ信号を有するチャネルとして定義することができる。チャネル毎に個々のアクションデータ信号のうちの1つを存在させることができ、また、実時間データ信号は、例えば実際の工具チップ送り速度であってもよい。いくつかの実時間データ信号は、機械の軸の数によって定義される。個々の軸は、対応するセットのデータ信号、すなわち軸毎に個々の関連する実時間データ信号のうちの1つを有している。
【0039】
アクション要求を送る2つの方法、すなわちアクションがアクティブであることの肯定応答がある場合、またはない場合の2つの方法が存在している。アクションがアクティブである場合の応答を得ること、また、そのアクティブアクションが終了するまで同じチャネル上でのさらなるアクション要求を防止することが要求される場合、アクション要求はACKデータ信号を使用して送られる。そうではない場合、アクション要求はNot ACKデータ信号を使用して送られる。これらのデータ信号等級については、以下でさらに説明される。説明の便宜上、機械から送られるデータ信号、または機械に送られるデータ信号は、説明においてはNCおよびPLCの中に明記されている。
【0040】
例えばPLCインタフェースを介して送られる、アクションがアクティブである場合に肯定応答しないアクション要求は、Not ACKアクション要求、すなわち非肯定応答アクション要求と呼ばれる。非肯定応答アクション要求の送りは、オフ-遅延と呼ばれる期間の間、アクションタイプの値およびアクション値をNot ACKデータ信号の範囲に設定することによって実施することができる。いくつかの実施形態では、受信側がデータ信号を読み取る高い確率を確実に有するよう、オフ-遅延期間は250msである。何らかのさらなるアクション要求を送ることができる前に、例として200msの期間の間、先行するアクション要求をゼロにリセットしなければならない。
【0041】
Not ACKデータ信号は、それらがサポートされているか、あるいは範囲内であるかどうかについては検証されず、また、アクションタイプおよび値は、アクション要求のオフ-遅延の後にドロップされる。したがってサポートされていないアクションタイプまたは範囲外のアクション値は、すべて、処理されることなく同じくドロップされる。
【0042】
Not ACKデータ信号等級のアクションタイプは異なるグループに区分化される。これらのグループは、そのアクション要求が機械からのデータ信号に対してどこから送られたものであるか、また、そのアクション要求が機械へのデータ信号に対してどこへ向けられたものであるかを定義する。これらのグループ内には、2つの個別の範囲、すなわち1つは確保されたアクションタイプのための範囲、1つは確保されていないアクションタイプのための範囲が存在している。アクションタイプグループの例示的リストについては表2を参照されたい。
【0043】
例えばPLCインタフェースを介して送られる、アクションがアクティブである場合に肯定応答を要求するアクション要求はACKアクションと呼ばれる。肯定応答データ信号すなわちACKデータ信号は、対応するアクション要求内のアクションタイプと同じ内容を有している。
【0044】
PLCインタフェースは、機械への、および機械からの両方のすべてのACKアクションデータ信号中のアクション要求の検証を要求する。サポートされていないアクションタイプを有するアクション要求が受け取られると、サポートされていないアクションに対して、受け取ったアクションタイプを肯定応答として設定する通常の挙動の代わりに、肯定応答データ信号が誤りアクションタイプに設定される(例えば0x600000001)。アクション要求が範囲外のアクション値を保持している場合、範囲外のアクション値に対して、肯定応答データ信号が誤りアクションタイプに設定される(例えば0x600000002)。機械上で誤りが検出されると、機械は直ちに停止してその誤りを記録しなければならない。誤りが制御ノード100内で検出されると、制御ノード100はサービスを停止してその誤りを記録することになる。
【0045】
ACKデータ信号等級のアクションタイプは異なるグループに区分化される。これらのグループは、そのアクション要求が機械からのデータ信号に対してどこから送られたものであるか、また、そのアクション要求が機械へのデータ信号に対してどこへ向けられたものであるかを定義する。これらのグループ内には、2つの個別の範囲、すなわち1つは確保されたアクションタイプのための範囲、1つは確保されていないアクションタイプのための範囲が存在している。アクションタイプグループの例示的リストについては表3を参照されたい。リストでは、機械に対するアクション要求に使用されているのはCNC+INTERRUPTだけである。
【0046】
データ信号をさらに明確に説明するために、機械からのアクションデータ信号の例示的リストが表4に示されている。
【0047】
誤ったアクション値がアクション要求と共に送られることを回避するために、例えばアクション要求に含まれている2つのデータ信号(すなわちアクションタイプおよびアクション値)が対として受け取られるよう、ある要求事項を適用することができる。アクションタイプに先立ってアクション値を設定し、次に、アクションタイプが設定されると直ちにアクション要求が送られることにより、安全保護をさらに強化することができる。
【0048】
さらに、機械に送られるアクションデータ信号の例示的リストが表5に示されている。
【0049】
誤ったアクション値がアクション要求と共に送られることを回避するために、例えばアクション要求に含まれている2つのデータ信号(すなわちアクションタイプおよびアクション値)が対として受け取られるよう、ある要求事項を適用することができる。アクションタイプに先立ってアクション値を設定し、次に、アクションタイプが設定されると直ちにアクション要求がPLCによって処理されることにより、安全保護をさらに強化することができる。
【0050】
PLCインタフェースのためのPLCプログラムは、
図3A、
図3B、
図3Cのフローチャートに示されているように実行される。S1600でPLCがパワーオンされ、スキャンサイクルが開始されると、S1602でスキャンサイクル毎にPLCワーキングメモリに対して入力データ信号がスキャンされ、更新される。このステップにおける一例は、ACKまたはNOT ACK信号に関するあらゆるアクティビティに無関係に、速度、送りおよび軸位置をスキャンサイクル毎に書き換えるために、PLCは実時間入力を受け取る。別の例は、PLCは、スキャンサイクル毎にアクションをトリガするためのアクション要求入力を受け取る。スキャンサイクルにおける次のステップは、S1604で機械に実時間データ信号を送り、その後で方法は、何らかのアクションデータ信号がアクティブであるかどうか照合する。アクションデータ信号のための4つの分岐が存在しており、そのうちの1つが
図3A、
図3B、
図3Cに示されており、すなわちS1606におけるTO MACHINE ACKアクション分岐である。この分岐を起動することができるアクションの3つの異なるグループが存在しており、そのアクションに関連するサブルーチンが呼ばれることになる。チャネルのための分岐全体は、そのアクションが終了するまでそのアクティブアクションにロックされる。S1608でデータ信号がPLCに送られると、S1610で「TO PLC ACK ACTION」がトリガされることになる。S1612でデータ信号がNCに送られると、S1614で「TO NC ACK ACTION」がトリガされることになる。S1616でデータ信号が割込みでNCに送られると、S1618で「TO NC+INT ACT ACTION」がトリガされることになる。
【0051】
TO MACHINE NOT ACKの第2のアクション分岐はS1620で示されている。この分岐を起動することができるアクションの同じく3つの異なるグループが存在しており、そのアクションに関連するサブルーチンが呼ばれることになる。チャネルのための分岐全体は、そのアクションが終了するまでそのアクティブアクションにロックされる。S1622でデータ信号がPLCに送られると、S1624で「TO PLC NOT ACK ACTION」がトリガされることになる。S1626でデータ信号がNCに送られると、S1628で「TO NC NOT ACK ACTION」がトリガされることになる。S1630でデータ信号が割込みでNCに送られると、S1632で「TO NC+INT NOT ACT ACTION」がトリガされることになる。
【0052】
FROM MACHINE ACKの第3のアクション分岐はS1634で示されている。この分岐を起動することができるアクションの2つの異なるグループが存在しており、そのアクションに関連するサブルーチンが呼ばれることになる。チャネルのための分岐全体は、そのアクションが終了するまでそのアクティブアクションにロックされる。S1636でデータ信号がPLCから送られると、S1638で「FROM PLC ACK ACTION」がトリガされることになる。S1640でデータ信号がNCから送られると、S1642で「FROM NC ACK ACTION」がトリガされることになる。
【0053】
FROM MACHINE NOT ACKの第4のアクション分岐はS1644で示されている。この分岐を起動することができるアクションの2つの異なるグループが存在しており、そのアクションに関連するサブルーチンが呼ばれることになる。チャネルのための分岐全体は、そのアクションが終了するまでそのアクティブアクションにロックされる。S1646でデータ信号がPLCから送られると、S1648で「FROM PLC NOT ACK ACTION」がトリガされることになる。S1650でデータ信号がNCから送られると、S1652で「FROM NC NOT ACK ACTION」がトリガされることになる。
【0054】
アクションデータ信号がアクティブではない場合、NCからの実時間データ信号は、S1654で、PLC内のACKまたはNOT ACK信号に関する何らかのアクティビティに無関係にスキャンサイクル毎に送られ、また、S1658で次のスキャンサイクルが開始する前に、S1656で出力が更新される。ステップS1658でPLCがパワーオンされていない場合、方法はステップS1660へ進行して、PLCがパワーオフされる。
【0055】
次に
図4を参照する。工作機械システムにおける通信のための方法が、
図4および
図5に関連して説明される。制御ノード100およびNC104は互いにデータ信号を交換するように構成されており、また、PLC102は、制御ノード100とNC104の間でデータ信号を中継するように構成されたインタフェースを備えている。方法は、ステップS100で、肯定応答指示を含むアクション要求200を含むデータ信号を制御ノード100からNC104に送信するステップと、ステップS110で、受け取ったアクション要求に基づいて、工作機械システム内で実施されるべきアクションをNC104内でトリガするステップと、ステップS120で、肯定応答指示によって要求されると、NC104から制御ノード100に肯定応答ACK300データ信号を送るステップとを含む。
図5および
図6は、解決法の非制限実施形態を詳細なフローチャートによって示したものである。S400で、「TO NC ACK ACTION」のタイプを有するデータ信号が制御ノード100からPLC102に送られると、S402で、アクション要求200が転送されたかどうかを決定するステップがPLCで実施される。転送されていない場合、S404でアクション要求200がNC104に転送され、メインプロセスへ進行する。転送されている場合、方法は直接メインプロセスへ進行する。S406でPLC102は、アクション要求の肯定応答がNC104から受け取られたかどうかを決定することになる。肯定応答ACK300データ信号は、アクションがアクティブであることを示すデータを含む。受け取られている場合、PLC102は、S408で、アクション要求の肯定応答ACK300をNC104から制御ノード100に転送することになる。受け取られていない場合、方法は直接メインプロセスへ進行する。制御ノード100は、肯定応答ACKデータ信号を受け取った後、アクション要求をリセットすることになる。S410でPLC102は、制御ノード100からのリセットアクション要求400が受け取られたかどうかを決定することになり、受け取られている場合、PLC102は、S412でそのリセットアクション要求400をNC104に中継し、メインプロセスに戻ることになり、受け取られていない場合、方法は直接メインプロセスへ進行する。S414でPLC102は、リセットアクション要求500の肯定応答がNC104から受け取られたかどうかを照合し、受け取られている場合、PLC102は、S416でそのリセットアクション要求500の肯定応答を制御ノード100に中継し、メインプロセスに戻ることになり、受け取られていない場合、方法は直接メインプロセスへ進行する。
【0056】
図7は、アクション要求およびアクション肯定応答の例示的構造を示したものである。アクション要求は、走っているNC-プログラム内のPLC102またはNC104のいずれかによって、あるいは走っているNC-プログラムの割込みの後に実行されるべき別のNC-プログラム内のNCによって実行されるべきアクションを要求しているデータ信号のサブセットを含むことができる。アクション要求200は、
図7に示されているように、2つの異なるデータ信号、すなわち1つはアクションタイプ201データ信号、1つはアクション値203データ信号のサブセットを含むことができる。アクションタイプ201は、処理するアクションおよびアクションを実行する方法に関する情報を担っているアクション値203を識別する。アクションタイプ201は、アクション値と共にアクションタイプを含むアクション全体を実行することになるCNCシステムの部分に関する情報をさらに含む。データ信号のサブセットの構造のため、CNCシステムは、従来のシステムよりもはるかに速くデータ信号を処理することができ、また、システムの効率が著しく改善されている。サブセットのアクションデータ信号のすべての4つのバイトは、アクションタイプまたはアクション値を表すために使用されている。PLCからNCへのアクションの転送は、データ信号のサブセットをNCプログラムが使用することができるNC変数にコピーすることによって実施される。NCからPLCへのデータ信号のサブセットの転送は、NCプログラムによって使用されるNC変数からデータ信号のサブセットをコピーすることによって実施される。
図6に示されている肯定応答ACKデータ信号は、対応するアクションのアクションタイプを含む。4つのバイトは、アクションタイプを表すために使用されている。
【0057】
以上の説明から、アクションは、機械への方向および機械からの方向の両方に送ることができることが例示されている。アクションタイプおよび値は、実施形態では、誤ったタイプおよび値が一緒に処理されるのを防止するために、アクション要求として一緒に送られ、また、一緒に受け取られることが要求され得る。実施形態では、アクション値は、不適切なアクション値を有するアクションを実行する危険を除去するために、アクションタイプに先立って設定される。
【0058】
図8および
図9は、肯定応答ACKを要求するデータ信号をPLC102に送る非制限の例示的線図およびサブルーチンを示したものである。S1200で、「TO PLC ACK ACTION」のタイプを有するデータ信号が制御ノード100からPLC102に送られると、S1202で、アクションがアクティブであるかどうかを決定するステップがPLC102で実施される。アクティブではない場合、PLC102は、S1204で、アクションACK300を設定し、また、設定したアクションACK300を制御ノード100に送り返し、次に、PLC102は、S1206でアクションを開始してメインプロセスに戻り、肯定応答ACK300データ信号は、アクションがアクティブであることを示すデータを含む。アクティブである場合、方法は直接メインプロセスに戻る。S1208でPLC102はアクションが終了したかどうかを決定することになり、終了している場合、PLC102は、S1210で、リセットアクション要求400を意味するゼロを受け取ったかどうかを決定することになり、受け取っていない場合、方法は直接メインプロセスに戻る。PLC102がリセットアクション要求400を受け取っている場合、PLC102はS1212でアクションACK500をリセットし、次にメインプロセスに戻り、受け取っていない場合、方法は直接メインプロセスに戻る。
【0059】
図10および
図11は、解決法の他の例示的実施形態を、肯定応答ACKを要求するデータ信号をPLC102から制御ノード100に送る線図およびサブルーチンによって示したものである。S1000で、「FROM PLC ACK ACTION」のタイプを有するデータ信号がPLC102から制御ノード100に送られると、S1002で、アクションがアクティブであるかどうかを決定するステップがPLC102で実施される。アクティブではない場合、PLC102は、S1004でアクション要求200を制御ノード100に送ってメインプロセスに戻り、アクティブである場合、方法は直接メインプロセスへ進行する。S1006でPLC102はアクションACK300が受け取られたかどうかを決定し、受け取られている場合、PLCは、S1008で、リセットアクション要求400を制御ノード100に送ってメインプロセスに戻ることになり、受け取られていない場合、方法は直接メインプロセスへ進行する。制御ノード100は、リセットアクション要求400を受け取ると、リセットアクションACK500をPLC102に送り返す。
【0060】
図12および
図13は、肯定応答ACKを要求するデータ信号をNC104から送る線図およびサブルーチンを示したものである。S1100で、「FROM NC ACK ACTION」のタイプを有するデータ信号がNC104からPLC102に送られると、S1102で、アクション要求200が転送されたかどうかを決定するステップがPLC102で実施される。転送されていない場合、S1104でアクション要求200が制御ノード100に転送され、メインプロセスへ進行する。転送されている場合、方法は直接メインプロセスへ進行する。S1106でPLC102は、アクション要求の肯定応答が制御ノード100から受け取られたかどうかを決定することになる。肯定応答ACK300データ信号は、アクションがアクティブであることを示すデータを含む。受け取られている場合、PLC102は、S1108で、アクション要求の肯定応答ACK300を制御ノード100からNC104に転送することになる。受け取られていない場合、方法は直接メインプロセスへ進行する。NC100は、肯定応答ACKデータ信号を受け取るとアクション要求をリセットすることになる。S1110でPLC102は、NC104からのリセットアクション要求400が受け取られたかどうかを決定することになり、受け取られている場合、PLC102は、S1112でそのリセットアクション要求400を制御ノード100に中継してメインプロセスに戻ることになる。S1114でPLC102は、リセットアクション要求500の肯定応答が制御ノード100から受け取られたかどうかを照合し、受け取られている場合、PLC102は、S1116で、リセットアクション要求500の肯定応答をNC104に中継してメインプロセスに戻ることになり、受け取られていない場合、方法は直接メインプロセスに戻る。
【0061】
図14および
図15は、肯定応答を要求しないデータ信号をNC104に送る線図およびサブルーチンを示したものである。S800でアクション要求200が制御ノード100からNC104に送られると、PLC102は、S802でそのアクション要求200をNC104に転送することになり、肯定応答は送り返されない。制御ノード100は、所定の期間の後にアクション要求をリセットする。この所定の期間は、ユーザのニーズに応じて決定することができる。この実施形態では、例として250msが示されている。リセットアクション要求400は制御ノード100からPLC102に送られ、次に方法は、S804でメインプロセスに戻る。何らかのさらなるアクション要求を送ることができる前に、ある期間の間、先行するアクション要求をゼロにリセットしなければならない。この期間は、ユーザのニーズに応じて決定することができ、例えば200msにすることができる。しかしながら信号の送りと信号の送りのリセットの間は同じ時間を使用することが推奨される。
【0062】
アクション要求200がアクティブである場合、解決法の実施形態では、そのアクション要求200は、リセットされるまで、同じグループおよびチャネルのすべての新しいアクション要求を阻止する。このリセットは、通常、肯定応答ACKデータ信号の場合は、要求されたアクションが終了した後に生じ、あるいはNot ACKデータ信号の場合は、規定された期間の後に生じる。この規定された期間は、ユーザのニーズに応じて決定することができる。本開示では、250msの例示的期間が
図16~
図21に示されている。何らかのさらなるアクション要求を送ることができる前に、ある期間の間、先行するアクション要求をゼロにリセットしなければならない。この期間は、ユーザのニーズに応じて決定することができ、例えば200msにすることができる。しかしながら信号の送りと信号の送りのリセットの間は同じ時間を使用することが推奨される。ワークフローについては、以下で詳細に説明される。
【0063】
図16および
図17は、肯定応答を要求しないデータ信号を制御ノード100に送る線図およびサブルーチンを示したものである。「FROM PLC NOT ACK ACTION」のタイプを有するデータ信号がPLC102から送られると、S502で、アクション要求200が送られたかどうかを決定するステップが実施され、送られていない場合、PLC102は、オフ-遅延期間を使用してS504でそのアクション要求200を制御ノード100に送り、S508でメインプロセスに戻り、送られている場合、方法は直接メインプロセスに戻る。この期間は、ユーザのニーズに応じて決定することができる。本開示では、250msの例示的期間が
図16および
図17に示されている。この期間の後、PLC102はリセットアクション要求400を制御ノード100に送ることになる。
【0064】
図18および
図19は、肯定応答を要求しないデータ信号をNC104から制御ノード100に送る線図およびサブルーチンを示したものである。S600で、「FROM NC NOT ACK ACTION」のタイプを有するデータ信号がNC104から送られると、S602で、アクション要求200がPLC102から制御ノード100に転送され、また、S604でメインプロセスに戻る。PLC102は、規定された期間の後にリセットアクション要求400を制御ノード100に送ることになる。この期間は、ユーザのニーズに応じて決定することができる。本開示では、250msの例示的期間が
図18および
図19に示されている。
【0065】
図20および
図21は、肯定応答を要求しないデータ信号をPLC102に送る線図およびサブルーチンを示したものである。S700で、「TO PLC NOT ACK ACTION」のタイプを有するアクション要求200が制御ノード100からPLC102に送られると、S702で、アクションがアクティブであるかどうかを決定するステップがPLC102で実施され、アクティブではない場合、PLCはS704でアクションを開始し、また、S706でメインプロセスに戻り、アクティブである場合、方法は直接メインプロセスに戻る。制御ノード100は、規定された期間の後にリセットアクション要求400をPLC102に送ることになる。この期間は、ユーザのニーズに応じて決定することができる。本開示では、250msの例示的期間が
図20および
図21に示されている。
【0066】
図22および
図23は、肯定応答を要求しないデータ信号を割込みでNC104に送る線図およびサブルーチンの非制限の例を示したものである。S900で、「NC+INT NOT ACK ACTION」のタイプを有するアクション要求200が送られ、また、S902で、割込みNCプログラムアクティブが存在していないことをPLC102が決定すると、PLC102は、S904で割込みNCプログラム600をNC104に送り、また、S906でアクション要求200をNC104に転送する。PLC102は、ステップS908で新しい割込みNCプログラムがアクティブであるかどうかを照合することになり、アクティブである場合、方法はメインプロセスに戻る。メインプロセスが開始しなかった場合、誤りが指示されることになる。S910で、割込みNCプログラムはアクティブ700であるが、実施されなかった場合、PLC102は、S912で新しいアクション要求がNC104に転送されたかどうかを決定することになり、転送されていない場合、PLC102はS914でアクション要求をNC104に転送する。これが実施されると、方法はメインプロセスフローに戻る。S916でPLC102はリセットアクション要求400を受け取ることになる。新しいNCプログラムが実施されると、NC104は、実施された新しいNCプログラム800をPLC102に送ることになる。
【0067】
図24、
図25Aおよび25Bは、肯定応答を要求するデータ信号を割込みでNC104に送る線図およびサブルーチンの非制限の例を示したものである。S1500でNC+INT ACKアクション要求200がPLC102で受け取られ、また、S1502で、割込みNCプログラム600アクティブが存在しているかどうかをPLC102が決定し、存在していない場合、PLCは、S1504で割込みをNCプログラムに送り、また、S1506でアクション要求200をNC104に転送し、存在している場合、方法はメインプロセスへ進行する。PLC102は、S1508で、新しい割込みNCプログラムが開始しているかどうかを直ちに照合することになる。開始していない場合は誤りを指示する。開始している場合は継続する。割込みNCプログラム600が実施される場合、方法はメインプロセスに戻る。S1510で割込みNCプログラム600はアクティブであるが実施されない場合、PLC102は、S1512で、新しいアクション要求がNC104に転送されたかどうかの決定に進行することになり、転送されていない場合、PLC102はS1514でアクション要求をNC104に転送し、転送されている場合、方法はメインプロセスへ進行する。PLC102は、S1516で、NC104からの肯定応答アクションACK300が受け取られているかどうかを照合し、受け取られている場合、PLC102はS1518で肯定応答アクションACK300を制御ノード100に転送し、受け取られていない場合はメインプロセスフローに戻る。PLC102は、S1520で、リセットアクション要求400が受け取られたかどうかを照合することになり、受け取られている場合、PLC102はS1522でそのリセットアクション要求400をNC104に転送する。次にPLC102は、S1524で、リセットアクション500の肯定応答が受け取られているかどうかを照合し、受け取られている場合、PLC102はS1526でそのリセットアクション500の肯定応答を制御ノードに転送し、受け取られていない場合、方法はメインプロセスに戻る。新しいNCプログラムが実施されると、NC104は、実施された新しいNCプログラム800をPLC102に送ることになる。
【0068】
上で説明し、例示したように、データ信号は実時間データ信号を同じく含むことができる。実時間データ信号は、工作機械の状態パラメータまたは変化パラメータを要求するために使用される。いくつかの実施形態では、実時間データ信号は、工作機械システムに接続された切削工具の動作状態の変化パラメータ、または工作機械の動作状態のために使用される。より詳細には、実時間データ信号は、工具チップ送り速度およびスピンドルの速度のための変化乗数のために使用される。それにより制御ノード100は、機械に対する設定点値を遠隔で変更することができる。いくつかの実施形態では、これらの実時間データ信号は、すべてのスキャンサイクルの開始時に、PLC102I/Oイメージテーブルからスキャンされ、また、それらはPLC102を介してNC104に中継される。いくつかの他の実施形態では、これらの実時間データ信号は、制御ノード100とNC104の間で直接転送される。
【0069】
機械からの実時間データ信号を使用して、軸負荷または工具チップ送り速度のような実際の値をNC104からITシステムすなわちホスト、サーバ、制御ノード、等々に送ることができる。本開示では、制御ノードは例として使用されている。いくつかの実施形態では、実時間出力信号は、すべてのスキャンの終了時にPLC102I/Oイメージテーブルに対して更新され、また、それらは、PLC102を介してNC104から中継される。いくつかの他の実施形態では、これらの実時間データ信号は、制御ノード100とNC104の間で直接転送される。いくつかの他の実施形態では、機械からの2つの状態実時間データ信号が同じく存在しており、機械ID情報はPLC102から制御ノード100に直接送られる。
【0070】
前後に連続的に送られている実時間データ信号の線図は
図26に例示されている。制御ノード100は、PLC102を介して実時間入力データ信号901をNC104に送ることができ、また、NC104は、PLC102を介して送られる実時間出力データ信号902で応答することができる。
【0071】
図27は、制御ノード100で実施される例示的プロセスフローを示したものである。制御ノード100は、S2000で、PLC102を介して、肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示を含む第1のアクション要求をNC104に送信する。肯定応答が要求されている場合、制御ノード100はS2004でNC104から肯定応答を受け取り、次にS2006で第2のアクション要求を送信する。肯定応答が要求されていない場合、制御ノード100は、S2006で、所定の期間の直後に第2のアクション要求を送る。上で説明したように、データ信号は逆方向にも送ることが可能であり、これは、制御ノード100がPLC102またはNC104からデータ信号を受け取るように同じく構成されていることを意味している。詳細なプロセスは、ここでは詳細に説明されない。
【0072】
図28は、NC104で実施される例示的プロセスフローを示したものである。NC104は、S3000で、PLC102を介して、肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示を含む第1のアクション要求を制御ノード100から受け取る。肯定応答が要求されている場合、NC104はS3004で肯定応答を制御ノード100に送り、次にS3006で第2のアクション要求を受け取る。肯定応答が要求されていない場合、NC104はS3006で第2のアクション要求を受け取ることになる。上で説明したように、データ信号は逆方向にも送ることが可能であり、これは、NC104がPLC102または制御ノード100にデータ信号を送るように同じく構成されていることを意味している。詳細なプロセスは、ここでは詳細に説明されない。
【0073】
図29は、PLC102で実施される例示的プロセスフローを示したものである。PLC102は、S4000で、肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示を含む第1のアクション要求を制御ノード100から受け取られたかどうかを照合する。要求されている場合、PLC102はS4002で第1のデータ信号をNC104に中継し、要求されていない場合はメインプロセスに戻る。次にPLCはS4004で肯定応答がNC104から受け取られたかどうかを照合し、受け取られている場合、PLC102はS4006で肯定応答を制御ノード100に中継し、受け取られていない場合はメインプロセスに戻り、次にPLC102はS4008で第2のアクション要求が受け取られたかどうかを照合し、受け取られている場合、PLCはS4010で第2のデータ信号をNC104に中継し、受け取られていない場合はメインプロセスに戻る。上で説明したように、データ信号は逆方向にも送ることが可能であり、これは、PLC102を介して送られるデータ信号および肯定応答の方向を逆方向にすることができることを意味している。詳細なプロセスは、ここでは詳細に説明されない。
【0074】
したがって工作機械システムを制御するための制御ノードが開示され、工作機械システムはPLC、NCおよび制御ノードを備え、PLCは、制御ノードとNCの間でデータ信号を中継するように構成されたインタフェースを備え、制御ノードは、PLCインタフェースを介してNCとデータ信号を交換し、また、機能性をトリガするように構成され、データ信号は、肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示を含む。
【0075】
したがって工作機械システムにおけるNCが開示され、工作機械システムはPLC、NCおよび制御ノードを備え、PLCは、制御ノードとNCの間でデータ信号を中継するように構成されたインタフェースを備え、NCは、PLCインタフェースを介して制御ノードとデータ信号を交換し、また、機能性をトリガするように構成され、データ信号は、肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示を含む。
【0076】
したがって工作機械システムにおけるPLCが開示され、工作機械システムはPLC、NCおよび制御ノードを備え、PLCは、制御ノードとNCの間でデータ信号を中継するように構成されたインタフェースを備え、NCは、PLCインタフェースを介して制御ノードとデータ信号を交換し、また、機能性をトリガするように構成され、データ信号は、肯定応答ACKデータ信号が要求されているか否かの指示を含む。
【0077】
図30を参照すると、制御ノード100は、CNC制御工作機械システムにおけるPLCおよび/またはNCなどのネットワークにおける他のデバイスから、および/または他のデバイスへの通信のための従来の手段を備えていると見なすことができる通信インタフェース370をさらに備えることができる。従来の通信手段は、少なくとも1つの送信機および少なくとも1つの受信機を含むことができる。通信インタフェースは、他の機能性に対する制限はないが、工作機械の動作パラメータの設定、内部通信バス、内部冷却、データベースエンジン、オペレーティングシステムなどの、工作機械システムに対するコントローラとしてのその目的を制御ノード100に果させるために有用な1つまたは複数のリポジトリ375および他の機能性380をさらに備えることができる。
【0078】
プロセッサによる実行が可能な命令は、少なくとも1つのメモリ360に記憶されたコンピュータプログラム365として配置することができる。少なくとも1つのプロセッサ350および少なくとも1つのメモリ360は、構造355で配置することができる。構造355は、マイクロプロセッサおよび適切なソフトウェアならびにそのための記憶装置、プログラマブル論理デバイス(PLD)、または上で言及したアクションまたは方法を実施するように構成された他の電子構成要素/処理回路であってもよい。
【0079】
コンピュータプログラム365は、システム10内で走ると、制御ノード100が
図3A~
図29に関連して説明した何らかの方法で説明したステップを実施することになるコンピュータ可読コードを含むことができる。コンピュータプログラムは、少なくとも1つのプロセッサに接続することができるコンピュータ可読記憶媒体によって運ぶことができる。コンピュータ可読記憶媒体は少なくとも1つのメモリ360であってもよい。少なくとも1つのメモリ360は、例えばRAM(ランダム-アクセスメモリ)、ROM(リード-オンリメモリ)またはEEPROM(電気的消去可能プログラマブルROM)として実現することができる。さらに、コンピュータプログラムは、CD、DVDまたはフラッシュメモリなどの個別のコンピュータ可読媒体によって運ぶことも可能であり、これらの個別のコンピュータ可読媒体からプログラムを少なくとも1つのメモリ360にダウンロードすることができる。
【0080】
上で開示した実施形態で説明した命令は、少なくとも1つのプロセッサ350によって実行されるコンピュータプログラム365として実現されているが、命令のうちの少なくとも1つは、代替実施形態では、少なくとも部分的にハードウェア回路として実現することも可能である。別法としては、コンピュータプログラムは、サーバ上に、または制御ノード100がその通信インタフェース370を介したアクセスを有する通信ネットワークに接続された任意の他の実体上に記憶することができる。電子信号、光信号または無線信号によって運ばれたコンピュータプログラムは、次に、サーバから少なくとも1つのメモリ360にダウンロードすることができる。
【0081】
当業者には追加利点および修正が容易に思い浮かぶであろうことは認識されよう。したがって本明細書において提示された本開示、およびそのより広義の態様は、本明細書において示され、また、説明された特定の詳細および代表的な実施形態に限定されない。したがって添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物によって定義されている一般的な発明概念の精神または範囲を逸脱することなく、多くの修正、等価物および改良を含むことができる。