(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】ボトル回転装置
(51)【国際特許分類】
A63H 33/00 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
A63H33/00 Z
(21)【出願番号】P 2022019288
(22)【出願日】2022-02-10
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内藤 香織
(72)【発明者】
【氏名】中根 章
(72)【発明者】
【氏名】柏崎 和彦
(72)【発明者】
【氏名】岡 透修
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-217865(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0192544(US,A1)
【文献】米国特許第05344234(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0220184(US,A1)
【文献】特開平09-318772(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のボトルに投入口から内容物を入れ、前記投入口の蓋を閉めた状態で前記ボトルを回転させるボトル回転装置であって、
突起が予め設けられた前記ボトルと、
基台と、
前記基台の上に立設され、
間に前記ボトルを取付け可能となるように所定の間隔で並設された一対の支持部を有し、
前記一対の支持部には、前記突起の嵌合によって前記ボトルを前記一対の支持部に取り付ける嵌合部が設けられ、前記一対の支持部に取り付けられた前記ボトルと交差し且つ前記一対の支持部の並設方向に延在する第1の軸を中心に回動可能となるように前記ボトルを前記一対の支持部で軸支する支持部材と、
前記支持部材に設けられ、前記嵌合部に嵌合した状態の前記ボトルに前記投入口から前記内容物を注入可能な漏斗と、
を備え、
前記漏斗は、前記嵌合部に嵌合した前記ボトルの前記投入口に前記漏斗の足が挿入される第1位置と、前記投入口から前記足が抜かれて前記嵌合部及び前記ボトルの回動を妨げない第2位置と、を取り得るように構成されている、
ことを特徴とするボトル回転装置。
【請求項2】
前記一対の支持部には、前記嵌合部として、
前記第1の軸と致心し前記ボトルと一体的に回動可能な筒軸が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のボトル回転装置。
【請求項3】
前記支持部材はU字状の支持フレームであり、
前記支持フレームは、前記第1の軸に平行な第2の軸を中心とする回動によって前記基台に対して起倒可能に構成され、
前記基台には、前記支持部の外側に立設された壁を備え、
前記壁には、前記支持フレームの起倒の際の前記第1の軸の移動路に沿って、前記第2の軸を中心とする弧状の内歯が形成され、
前記内歯が形成された前記壁に対向する前記支持部には、前記嵌合部と一体的で、且つ、前記内歯に噛合
し前記第1の軸を中心に回動可能な平歯車が設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のボトル回転装置。
【請求項4】
前記漏斗は、一方の前記支持部にアームを介して軸支され、
前記アームは、前記支持部に対して内方に屈曲する内側屈曲位置と、前記支持部に対して外方に屈曲する外側屈曲位置との間で回動可能となっており、
前記漏斗及びアームは、前記アームが前記外側屈曲位置にあるとき、前記一対の支持部を起倒させるハンドルとして使用可能に構成されている、ことを特徴とする請求項3に記載のボトル回転装置。
【請求項5】
内容物として前記ボトルに装飾素材を注入し、前記投入口に蓋をした状態の前記ボトルを回転させた後に前記ボトルにボトルフレームを
嵌合させるアクセサリの作成に使用され、
前記嵌合部には、前記支持部材が倒れる方向から前記ボトルが嵌合可能となっており、
前記基台には、前記ボトルに嵌合する側を上にして前記ボトルフレームを設置する設置部が設けられ、
前記支持フレームを倒したときに、前記投入口に蓋をした状態の前記ボトルと前記ボトルフレームとが嵌合可能となっている、
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のボトル回転装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトル回転装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、手作りでキラキラドームを作ることが行われている(例えば、非特許文献1参照)。
この方法では、ペットボトルにビーズやスパンコールなどの装飾素材を入れ、その後、水と水のりを入れ、ペットボトルの口を塞ぐことで、キラキラドームを作成している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】https://woman.excite.co.jp/article/lifestyle/rid_E1500511978222/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、装飾素材は小さく取扱いが難しく、ペットボトルに入れる場合にも漏斗を使用することが好ましい。実際、上記従来技術でも紙を丸めた手作り漏斗の使用を推奨している。
しかしながら、ボトルが小さい場合には手作り漏斗を作るのが難しい。また、手作りの漏斗の場合、エコではないし、漏斗の形が崩れやすいので、漏斗を片手で押さえつつ装飾素材を入れなければならず、煩雑である。また、市販の単体の漏斗を使用する場合、漏斗が小さいと、漏斗を紛失する可能性もある。
また、このようなアクセサリの作成にあたっては、ボトルに入れた複数種の装飾素材を撹拌してその仕上がり具合を確認することが行われている。
なお、アクセサリの作成以外でも、ボトルに内容物を入れ、それをかき混ぜなければならない場面が多々ある。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、内容物が簡単に入れられ、且つ、ボトル内に入れられた内容物をかき混ぜ等することが容易なボトル回転装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段は、
所定のボトルに投入口から内容物を入れ、前記投入口の蓋を閉めた状態で前記ボトルを回転させるボトル回転装置であって、
突起が予め設けられた前記ボトルと、
基台と、
前記基台の上に立設され、間に前記ボトルを取付け可能となるように所定の間隔で並設された一対の支持部を有し、前記一対の支持部には、前記突起の嵌合によって前記ボトルを前記一対の支持部に取り付ける嵌合部が設けられ、前記一対の支持部に取り付けられた前記ボトルと交差し且つ前記一対の支持部の並設方向に延在する第1の軸を中心に回動可能となるように前記ボトルを前記一対の支持部で軸支する支持部材と、
前記支持部材に設けられ、前記嵌合部に嵌合した状態の前記ボトルに前記投入口から前記内容物を注入可能な漏斗と、
を備え、
前記漏斗は、前記嵌合部に嵌合した前記ボトルの前記投入口に前記漏斗の足が挿入される第1位置と、前記投入口から前記足が抜かれて前記嵌合部及び前記ボトルの回動を妨げない第2位置と、を取り得るように構成されている、
ことを特徴とする。
【0006】
第2の手段は、第1の手段であって、
前記一対の支持部には、前記嵌合部として、前記第1の軸と致心し前記ボトルと一体的に回動可能な筒軸が設けられている、ことを特徴とする。
【0007】
第3の手段は、第1又は第2の手段であって、
前記支持部材はU字状の支持フレームであり、
前記支持フレームは、前記第1の軸に平行な第2の軸を中心とする回動によって前記基台に対して起倒可能に構成され、
前記基台には、前記支持部の外側に立設された壁を備え、
前記壁には、前記支持フレームの起倒の際の前記第1の軸の移動路に沿って、前記第2の軸を中心とする弧状の内歯が形成され、
前記内歯が形成された前記壁に対向する前記支持部には、前記嵌合部と一体的で、且つ、前記内歯に噛合し前記第1の軸を中心に回動可能な平歯車が設けられている、
ことを特徴とする。
【0008】
第4の手段は、第3の手段であって、
前記漏斗は、一方の前記支持部にアームを介して軸支され、
前記アームは、前記支持部に対して内方に屈曲する内側屈曲位置と、前記支持部に対して外方に屈曲する外側屈曲位置との間で回動可能となっており、
前記漏斗及びアームは、前記アームが前記外側屈曲位置にあるとき、前記一対の支持部を起倒させるハンドルとして使用可能に構成されている、ことを特徴とする。
【0009】
第5の手段は、第3又は第4の手段であって、
内容物として前記ボトルに装飾素材を注入し、前記投入口に蓋をした状態の前記ボトルを回転させた後に前記ボトルにボトルフレームを嵌合させるアクセサリの作成に使用され、
前記嵌合部には、前記支持部材が倒れる方向から前記ボトルが嵌合可能となっており、
前記基台には、前記ボトルに嵌合する側を上にして前記ボトルフレームを設置する設置部が設けられ、
前記支持フレームを倒したときに、前記投入口に蓋をした状態の前記ボトルと前記ボトルフレームとが嵌合可能となっている、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1の手段によれば、アームを動作させることにより、漏斗の足が、支持部に支持されたボトルの投入口に挿入されるので、装飾素材を簡単にボトルに入れることができる。また、ボトルを回動させることができるので、ボトルに入れられた内容物が動く様子を見て楽しむことができる。また、内容物の混合具合などを確認することができる。例えば、内容物が
ラメグリッタ等の装飾素材である場合、ラメグリッタが固まらず動くかどうかなどの確認をすることができる。
【0011】
第2の手段によれば、ボトルとして、嵌合部と嵌合する突起が予め設けられたものを用い、一対の支持部には、嵌合部として、第1の軸と致心する筒軸が設けられているので、ボトルの突起と投入口との位置関係や形を揃えておけば、色々な形のボトルに対応することができる。
【0012】
第3の手段によれば、支持部材を起倒させるだけで、ボトルを回転させることができるので、意外性があり、また、ボトルの内容物の攪拌が簡単に行えることになる。
【0013】
第4の手段によれば、漏斗及びアームをハンドルとしても使用できるので、支持部材を起倒しやすくなるとともに、支持部材を起倒させる際に、漏斗及びアームが邪魔になることもない。
【0014】
第5の手段によれば、支持フレームを倒したときにボトルとボトルフレームが合わさるので、ボトルとボトルフレームの嵌合が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態に係るボトル回転装置の斜視図である。
【
図4】出来上がったアクセサリの外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、ボトル回転装置10の斜視図、
図2は、使用状態のボトル回転装置10の斜視図、
図3は、アクセサリ50の構成部品を示す正面図、
図4は、出来上がったアクセサリ50の外観を示す斜視図である。
このボトル回転装置10では、アクセサリ50の主体を構成するボトル51を、蓋52を取った状態で投入口53を上にして、起立状態の支持フレーム11に取り付ける。一方、アクセサリ50を構成するボトルフレーム54を、裏面側を上にして、基台12の凹部13内に設置する。
【0017】
この状態で、ボトル回転装置10のアーム14を一方向に回転させて内側に水平となる位置まで倒し、アーム14に付設されている漏斗15の足15aを、ボトル51の投入口53に挿入し、次に、スプーン(図示せず)等を用いて、好きなラメグリッタ、ビーズ、ホログラム又はデコパーツ等の装飾素材を好きな量だけ漏斗15の受け口15bに入れて、ボトル51に投入する。
その後、アーム14を他方向に回転させて外側に水平な位置まで倒し、漏斗15をボトル51から退避させる。
この状態で、スポイト(図示せず)等を用いて、ボトル51の投入口53に水を適量入れる。
【0018】
水を入れ終わったら、ボトル51の投入口53に蓋52を取り付ける。
そして、アーム14及び漏斗15をハンドルとして使用し、支持フレーム11を回転させて手前側に倒していく。
このとき、ボトル51は支持フレーム11に追従して移動するが、同時に、支持フレーム11に対して前方に回転する。例えば、支持フレーム11が倒れるまでに2回転半回転する。
こうして、支持フレーム11が倒れると、支持フレーム11に取り付けられているボトル51が、基台12の凹部13内に設置されたボトルフレーム54に押し付けられる。
その後、支持フレーム11に取り付けられているボトル51を手で押し、ボトルフレーム54にしっかり嵌め込む。この嵌め込みによって、ボトル51が支持フレーム11から外れる。
【0019】
次に、ハンドル(アーム14及び漏斗15)を握り、支持フレーム11を反対方向に回転させて起立させる。すると、基台12の凹部13内に突起16が突出して、ボトルフレーム54が付いたボトル51(中間組立体50Aとする。)が持ち上がる。
この中間組立体50Aを取り出して、ボトルフレーム54に蝶飾り55やボールチェーン56を着けると、アクセサリ50が完成する。なお、中間組立体50Aのままでアクセサリとしてもよい。
【0020】
【0021】
(基台12)
ボトル回転装置10は厚手の基台12を備える。
基台12の上面中央には、ボトルフレーム54を設置するための矩形の第1の凹部13が形成されている。この凹部13には、例えば、ボトルフレーム54の上側が奥となり、ボトルフレーム54の前面が下となるように、ボトルフレーム54が設置される。凹部13でボトルフレーム54が設置される位置は、支持フレーム11が倒れたときに、ボトルフレーム54とボトル51とが合わさる位置である。必ずしも、ボトルフレーム54とボトル51とが、完全に嵌合することまでは必要なく、嵌合の位置合わせが行われれば足りる。このように位置合わせがされれば、簡単に、手でボトルフレーム54とボトル51とを簡単に嵌合させることができる。
また、基台12の上面手前側には、第1の凹部13に繋がり基台12の左右の縁まで延びる左右の第2の凹部18が形成されている。この第1の凹部13に繋がった第2の凹部18は、出来上がったアクセサリ50を飾りとして立て掛けておくために利用できる。
また、第1の凹部13の内側には、奥壁及び側壁に、第1の凹部13内に設置したボトルフレーム54の外縁に当接して位置決め固定するための被嵌合部19が形成されている。
なお、第1の凹部13の中央部にある突起16については後述する。
さらに、基台12の上面には、第1の凹部左右に、奥行き方向に向けて延在する帯状の差込み溝20L,20Rが形成されている。この左右の差込み溝20L,20Rには、各溝に対応して、左右の壁21L,21Rが立設されている。
【0022】
(壁21L,21R)
左右の壁21L,21Rは、厚手で略四半円状の扇形に形成され、孤状面が手前側に位置するように基台12に立設されている。
すなわち、左右の壁21L,21Rの平らな下面には、2つの円柱突起21aが奥行き方向に間隔を隔てて設けられ、これら突起21aは、左右の溝20L,20Rの底面に形成された対応の孔(図示せず)に挿入され、基台12に螺着されている。
【0023】
左右の壁21L,21Rの各々の内面には軸孔21bが1つずつ形成されている。この左右の壁21L,21Rの軸孔21bによって、支持フレーム11が軸支されている。
【0024】
図6は、右の壁21Rの分解斜視図である。
右の壁21Rは、軸孔21bが形成された内面パネル22と、内面パネル22の外側に螺着され内面パネル22との間に所定の空間を形成する外面パネル23と、を備えている。そして、内面パネル22には、軸孔21bと同心的な孤状のスリット24が形成されている。また、内面パネル22の裏面には、孤状のスリット24の上側の縁に沿って内歯25が所定範囲に形成されている。この内歯25には、支持フレーム11の後述の平歯車30が噛合する。ここで、内歯25は、前端側で途切れているが、これは、ボトル51のボトルフレーム54への押付け時に、ボトル51の回転を止めるためである。
なお、左の壁21Lは、孤状スリット24及び内歯25が形成されていない点を除いては右の壁21Rと同じ構造となっているので、その説明は省略する。また、内歯25は内面パネル22の表面に設けられていてもよい。この場合には、スリット24は不要である。
【0025】
(支持フレーム11)
支持フレーム11は、左右に位置する縦枠部26L,26Rと、左右の縦枠部26L,26Rの基端部同士を連結する横枠部27と、を備え、全体としてU字状に形成されている。縦枠部26L,26R及び横枠部27によって区画される領域にはボトル51が設置される。
支持フレーム11の基端部左右には、上記左右の軸孔21bによって軸支される軸28が1つずつ付設されている。これにより、支持フレーム11が起倒可能となり、ボトル51に入れられた装飾素材が動く様子を見て楽しむことができる。また、装飾素材の動き方の確認をすることができ、装飾素材の量が少ない場合にはやり直すことができる。
【0026】
図7は、支持フレーム11の分解斜視図である。
左右の縦枠部(支持部)26L,26Rの対向面には、軸28から離れた位置に、嵌合部である筒軸29が1つずつ付設されている。左右の筒軸29には、ボトル51の左右の縁に1つずつ形成された突起51aが嵌合する。嵌合した筒軸29は突起51aと一体的に回転する。
【0027】
右の縦枠部26Lには、筒軸29に致心して歯車軸30aが固定して取り付けられ、この歯車軸30aには、上記内歯25に噛合する平歯車30が取り付けられている。
また、右の縦枠部26Lの内部には、筒軸29及び平歯車30の縦枠部26Lからの抜けを防止するためのスリーブ31が設置されている。
なお、左の筒軸29も同様な構造で縦枠部26Rからの抜け止め防止が図られている。
【0028】
また、右の縦枠部26Rの先端部には、アーム14の基端部が軸支されている。
アーム14は板状に構成され、その基端部では基辺部14aに対して45度の角度をなす傾斜部14bが形成されている。そして、アーム14は、基辺部14aと傾斜部14bとが会合する付近で軸33によって支持されている。一方、右の縦枠部26Rの先端部には、当該縦枠部26aの長手方向に直交する第1の回転規制部34と、第1の規制部34に対して45度の角度をなす第2の回転規制部35が形成されている。この第1の回転規制部34は、アーム14が一方向に回転したときにアーム14の基辺部14aに当接し、第2の回転規制部35は、アーム14が他方向に回転したときにアーム14の傾斜部14bに当接する。
このような構造によって、漏斗15は、足15aがボトル51の投入口53に挿入される位置と、ハンドルとして使用可能な位置と、を取ることができる。このように、漏斗15の足15aが、ボトル51の投入口53に挿入されるので、装飾素材を簡単にボトル51に入れることができる。また、漏斗15及びアーム14をハンドルとして使用できるので、支持フレーム11を簡単に起倒させることができる。
【0029】
さらに、アーム14には漏斗15が固定して設けられている。
漏斗15は扁平楕円状の受け口15bと、受け口15bに連通する足15aとを備える。足15aは、ボトル51の投入口53に挿入可能な形状となっている。なお、漏斗15は、必ずしも、アーム14に取り付けられているものであれば、固定されていなくてもよい。少し漏斗15をアーム14に対して動かして足15aを投入口53に挿入するものであってもよい。
【0030】
また、支持フレーム11には、棚板36が付属として設けられている。
棚板36は、支持フレーム11に着脱可能となっており、ボトル51の位置決めのために使用される。このため棚板36は、支持フレーム11にボトル51を取り付ける際に支持フレーム11に装着され、ボトル51を支持フレーム11に取り付けた後には取り外される。
この棚板36は、支持フレーム11の左右に形成された2段の差込み口37a,37b(
図5参照)に差し込まれて使用される。ちなみに、上記ボトル51の場合には、棚板36は下段の差込み口37bに差し込まれる。
この棚板36は、
図5に示すように、ボトル51の下縁に当接する第1の片36aと、ボトル51の裏面に当接する第2の片36bと、手での摘み部となる第3の片36cと、を備える。
この棚板36を使用することにより、ボトル51を位置決めし、安定的に保持した状態で突起51aと筒軸29とを簡単に嵌合させることができる。
【0031】
(押出し部材40)
図8は、押出し部材40を説明するための斜視図である。
押出し部材40は、前後方向に延在し、出来上がった組立体50Aを持ち上げる。
押出し部材40はシーソ部材として構成されている。つまり、押出し部材40の中間部は軸41によって支持され、軸41を中心にシーソ動作する。
この押出し部材40の一端側には、凹部13の中央の孔13aから出没可能な突起16が立設され、一方、押出し部材40の他端側には、基台12の奥部上面の孔12aから出没可能な突起42が立設されている。
この押出し部材40は、支持フレーム11が起立した状態にあるときには、突起42が支持フレーム11の横枠部27によって下方に押され、突起16が凹部13の中央の孔13aから突出した状態となる。そして、支持フレーム11が傾動し始め、突起42と支持フレーム11の横枠部27との当接が解除されると、突起16側の重みによって、突起16が凹部13の中央の孔13aから没する。
したがって、組立体50Aが出来上がった後に、支持フレーム11を起立させれば、組立体50Aを持ち上げることができる。
なお、組立体50Aを作る際、支持フレーム11に取り付けられているボトル51を、基台12の凹部13内に設置されたボトルフレーム54に嵌め込む際には、突起16が凹部13の中央の孔13aから没しているので支障はない。
【0032】
(アクセサリ50の形)
アクセサリ50の構成部品は、上記の形の物に限定されない。
図9(A)、
図9(B)、
図9(C)は中間組立体50B、50C,50Dの構成部品を示す正面図である。同図において、上記実施形態の部品に対応する構成部品には当該部品と同じ符号が付されている。
これらの図で示すボトル51の外形は全て扁平のピーチ状となっている。これらボトル51には、ボトル51の投入口(符号省略)からの距離が上記実施形態のボトル51と同じとなる箇所に突起51aが付設されている。左右の突起51a,51aの間の距離も、上記実施形態のボトル51と同じとなっている。これらのボトル51を支持フレーム11に取り付ける場合には、棚板36を上の段の差込み口37aに差し込む。
また、ボトル51の投入口(符号省略)及び蓋52の形は上記実施形態の投入口53及び蓋52と同じとなっている。したがって、上記実施形態の漏斗15を使って装飾素材を投入することができる。
また、
図9(A)のボトルフレーム54はハート形、
図9(B)のボトルフレーム54は円と星とを複合した形、
図9(C)のボトルフレーム54は猫の形となっている。これらボトルフレーム54は凹部13に設置されるが、必要ならば、被嵌合部19の他に着脱可能な被嵌合部品を用いることができる。
【0033】
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態には限定されない。
【0034】
例えば、上記実施形態では、漏斗15を回動させるようにしたが、上下方向と水平方向とに2段階で動作させるようにしてもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、支持フレーム11を倒す間にボトル51を2回転半回転させるようにしたが、回転数はこれに限定されない。例えば、ボトルフレーム54が基台12に設置されるものの場合、支持フレーム11を倒したときにボトル51がボトルフレーム54に合わさる回転量であればよい。
【0036】
また、上記実施形態では、スポイト等を用いて、ボトル51の投入口53に水をいれることとしたが、漏斗15を通じて水や、ある程度粘性のある液体を入れてもよい。この場合には、次回のために乾燥や洗浄が必要とされる。
【0037】
また、上記実施形態では、ボトルフレーム54を使用するアクセサリを作成するためのボトル回転装置10を説明したが、本発明のボトル回転装置は、2つの味の飲み物をボトル51に入れ回転させて撹拌したり、いろいろな形と色のトッピングシュガーを入れ回転させて混ぜ合わせたりする場合等に用いることができる。この場合には、基台12に、ボトルフレーム54を設置するための凹部13を設けない構造とすることもできる。
【0038】
また、上記実施形態では、漏斗15及びアーム14をハンドルとして使用したが、別途、支持フレーム11の起倒のためのハンドルを付設した構造とすることもできる。
【0039】
さらに、上記実施形態では、支持フレーム11を起倒することにより、支持フレーム11に対してボトル51を回転させるようにしたが、支持フレーム11が起倒しない構造で、手で直接又はハンドル(ボトル51を回転させるハンドル)によりボトル51を回転させる構造とすることができる。前者の場合には、筒軸29とボトル51とを一体回転させることを要しない。
【0040】
また、上記実施形態では、嵌合部として筒軸29を設けたが、ボトル51が嵌り込む嵌合枠を設け、嵌合枠を左右の縦枠部26L,26Rで軸支することとしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 ボトル回転装置
11 支持フレーム
12 基台
14 アーム
15 漏斗
24 孤状スリット
25 内歯
29 筒軸
30 平歯車
50 アクセサリ
51 ボトル
52 蓋
53 投入口
54 ボトルフレーム