(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】サポートテープ
(51)【国際特許分類】
A61F 13/10 20060101AFI20240704BHJP
A61F 13/02 20240101ALI20240704BHJP
【FI】
A61F13/10 H
A61F13/02 310T
A61F13/02 380
A61F13/02 310M
(21)【出願番号】P 2022184476
(22)【出願日】2022-11-17
【審査請求日】2023-04-10
(31)【優先権主張番号】P 2021188476
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516139908
【氏名又は名称】大沢 豊久
(74)【代理人】
【識別番号】100128406
【氏名又は名称】早津 貴久
(74)【代理人】
【識別番号】100173819
【氏名又は名称】松本 龍太郎
(72)【発明者】
【氏名】大沢 豊久
【審査官】原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03464408(US,A)
【文献】登録実用新案第3167969(JP,U)
【文献】実開昭53-064176(JP,U)
【文献】特開2002-045430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/10
A61F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
片面に粘着剤層が被着された基材と、前記粘着剤層を覆うように積層された剥離可能な剥離材を備えた、爪の変形を予防するサポートテープであって、
前記基材は、水平部と該水平部に直行する直行部から形成されたT字形状であり、該水平部の略中央には
開口部が形成され、かつ伸縮性を有し、
前記開口部の形状は、楕円形、飴玉条楕円形、半円形または方形の何れかの形状であり、
前記基材のT字形状において水平部と直行部とが交差した角部には、該角部から斜め内側に向かって楔状の切込みが形成されていることを特徴とするサポートテープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、爪が剥がれたとき又は深爪をしたとき等により発生する陥入爪や変形爪等の爪の変形を予防するサポートテープに関する。
【背景技術】
【0002】
ランニングや登山等の運動をし、またはサイズの合わない靴を履くこと等により爪先に衝撃を受けると、爪下の爪床等に内出血が生じ、その為所謂爪が死んだ状態となり、新たに生えてきた爪により死んだ爪がポロッと剥がれ、爪床の一部分が露出してしまう場合がある。また、伸びた爪を切るときに誤って深爪をしてしまう場合がある。
【0003】
このように爪床の一部分が露出してしまう場合、通常爪床は爪甲で覆われている部分であるので爪床は柔らかく、放置しておくと
図10に示すように爪甲で覆われていない露出した爪床93が、指の腹部95から爪床方向に向かって矢印方向Xの圧力を受けたとき、指の腹部95側と反対方向に隆起部94が形成される。その為、形成された隆起部94は爪92が伸びてくるときの障壁となり、陥入爪や変形爪等の爪の変形の発生要因となる。また、深爪をした場合、そのまま放置しておくと爪の周囲である側爪郭や爪先の皮膚が隆起して爪を埋没させ、爪が伸びるのを阻害し陥入爪や変形爪等の爪の変形の発生要因となる。
【0004】
陥入爪や変形爪等の爪の変形が発生すると痛みを伴い歩行が困難となることがある。下記特許文献1では、爪の変形が発生した場合、変形した爪と皮膚の間に絆創膏を挿入し、それ以上の悪化を防ぐことが提案されている。しかしながら、爪床の一部分が露出すること等により発生する陥入爪や変形爪等の爪の変形を未然に防止することについては、何ら言及されていない。
【0005】
また、下記特許文献2では、爪の甲に装着し、爪を変形させる方向に加わる外圧を抑制し、爪の変形を防止する治具について提案されている。しかしながら、治具を装着するので、装着したままであると日常生活に支障が生じ長い時間装着しておくことが困難である。また、爪床の一部分が露出すること等により発生する陥入爪や変形爪等の爪の変形を未然に防止することについては、何ら言及されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2013-81723号公報
【文献】特開2017-124145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述のかかる問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、ランニングや登山等の運動をし、またはサイズの合わない靴を履くこと等により爪先に衝撃を受け、爪甲と爪床との間に内出血が生じ、その為所謂爪が死んだ状態となり、新たに生えてきた爪により死んだ爪がポロッと剥がれ爪床の一部分が露出しまったとき、または伸びた爪を切るときに誤って深爪をしたとき、そのまま放置すると発生する虞がある陥入爪や変形爪等の爪の変形を未然に防止し、且つ簡易に、継続して使用することができるサポートテープを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係るサポートテープは、片面に粘着剤層が被着された基材と、前記粘着剤層を覆うように積層された剥離可能な剥離材を備えた、爪の変形を予防するサポートテープであって、前記基材は、水平部と該水平部に直行する直行部から形成されたT字形状であり、該水平部の略中央には開口部又は切掛けが形成され、かつ伸縮性を有し、前記開口部の形状は、楕円形、飴玉条楕円形、半円形または方形の何れかの形状であり、前記基材のT字形状において水平部と直行部とが交差した角部には、該角部から斜め内側に向かって楔状の切込みが形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0012】
即ち、上記構成を備えた本発明のサポートテープは、開口部又は切掛けが形成されているので、爪が生えている部分に開口部又は切掛けを合わせ、爪が剥がれたときに露出した爪床部に、または深爪をしたときに爪の周囲である側爪郭や爪先に、サポートテープを張着することができる。
従って、サポートテープを張着しても爪を大気に触れさせることができ爪の成長を促すことができる。更に、露出した爪床部が指の腹部側から爪床方向に向かって圧力を受けたときに爪の腹部側と反対方向に隆起部が形成されるのを未然に防止することができ、隆起部が形成されることで爪が伸びるときの障壁となるのを未然に防止し、または深爪をしたときにそのまま放置することで爪の周囲である側爪郭や爪先に隆起部が形成されて爪が埋没するのを未然に防止し、変形爪や陥入爪等の爪の変形の発生を未然に防止することができる。
【0013】
更に、上記構成を備えた本発明のサポートテープは、伸縮性を有するので、露出した爪床部に張着することができ、上記露出した爪床部の皮膚を牽引して露出した爪床部を指の腹部側方向に向かって圧迫することができ、または深爪をしたときに爪の周囲である側爪郭や爪先に張着することができ、上記爪の周囲である側爪郭や爪先の皮膚を牽引することができる。
従って、露出した爪床部が指の腹部側から爪床方向に向かって圧力を受けたときに爪の腹部側と反対方向に隆起部が形成されるのを未然に防止することができ、隆起部が形成されることで爪が伸びるときの障壁となるのを未然に防止し、または深爪をしたときにそのまま放置することで爪の周囲である側爪郭や爪先に隆起部が形成されて爪が埋没するのを未然に防止し、変形爪や陥入爪等の爪の変形の発生を未然に防止することができる。
【0014】
更に、上記構成を備えた本発明のサポートテープは、基材に粘着剤層が被着されているので露出した爪床や爪の周囲である側爪郭や爪先の皮膚に貼着させることができ、サポートテープが剥がれるのを防止し、継続して変形爪や陥入爪等の爪の変形の発生を未然防止する効果を維持することができる。
【0015】
更に、上記構成を備えた本発明のサポートテープは、T字形状をしているので、水平部と直行する直行部を露出した爪床部や爪の周囲である側爪郭や爪先の皮膚に張着してから指の先端部を周って指の腹部まで張着し、その後水平部を指の側部から腹部に亘って張着するので、張着した直行部が剥れるのを防止することができる。従って、継続的に露出した爪床部を指の腹部側の方に圧迫することができる。または爪の周囲である側爪郭や爪先の皮膚を継続的に牽引することができる。
【0016】
更に、基材に形成されている開口部の形状が飴玉状楕円形であると、爪が生えている部分全体に開口部を合わせて張着し易くなり、爪全体を無理なく露出させることができる。更に、露出した爪床部や後爪郭・側爪郭・爪先等へのサポートテープの密着をより向上させることができる。
従って、爪の生えている部分がサポートテープで覆われることで生じる爪の軟化を防止して爪の成長をより促すことができる。更に、露出した爪床部の皮膚の牽引をより向上させ、継続的に指の腹部側方向に向かって露出した爪床部への圧迫が向上し、隆起部が形成されるのを未然に防止する効果をより一層増すことができる。または爪の周囲である側爪郭や爪先の皮膚への継続的牽引をより向上させるので、爪の周囲である側爪郭や爪先に隆起部が形成されて爪が埋没するのを未然に防止する効果をより一層増すことができる。
【0017】
更に、前記基材の形状であるT字形状において、水平部と直行部とが交差した角部に切込みが形成されていると、サポートテープを貼着するときにたるむのをなくすることができる。
従って、露出した爪床部への張着を容易にし、サポートテープの剥れ難さを増強することができ、露出した爪床部の皮膚の牽引をより向上させるので、継続的に指の腹部側方向に向かって露出した爪床部への圧迫が向上し、隆起部が形成されるのを未然に防止する効果をより一層増すことができる。または爪の周囲である側爪郭や爪先の皮膚への張着を容易にし、サポートテープの剥れ難さを増強することができ、爪の周囲である側爪郭や爪先の皮膚への継続的牽引をより向上させるので、爪の周囲である側爪郭や爪先に隆起部が形成されて爪が埋没するのを未然に防止する効果をより一層増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係るサポートテープの正面図である。
【
図3】
図2と開口部が異なる別のサポートテープの部分拡大平面図である。
【
図4】
図2と開口部が異なる別のサポートテープの部分拡大平面図である。
【
図5】
図2と開口部が異なる別のサポートテープの部分拡大平面図である。
【
図6】
図2と開口部が異なる別のサポートテープの部分拡大平面図である。
【
図7】
図2と開口部が異なる別のサポートテープの平面図である。
【
図8】
図7と外形形状が異なる別のサポートテープの平面図である。
【
図9】
図7に示すサポートテープを指に装着する状態を示す説明図である。
【
図10】爪床部分に隆起部が形成される状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に図面を参照して、この発明の実施形態を例示して説明する。ただし、この発明の範囲は、特に限定的記載がない限り、この実施の形態に記載されている内容に限定する趣旨のものではない。
【0020】
図1は、本発明に係るサポートテープの正面図であり、
図2は、
図1のサポートテープの平面図であり、
図3は、
図2と開口部が異なる別のサポートテープの開口部を中心とした部分拡大平面図であり、
図4は、
図2と開口部が異なる別のサポートテープの開口部を中心とした部分拡大平面図であり、
図5は、
図2と開口部が異なる別のサポートテープの開口部を中心とした部分拡大平面図であり、
図6は、
図2と開口部が異なる別のサポートテープの開口部を中心とした部分拡大平面図であり、
図7は、
図2と開口部が異なる別のサポートテープの平面図であり、
図8は、
図7と開口部は同一で外形形状が異なる別のサポートテープの平面図であり、
図9は、
図7に示すサポートテープを指に装着する状態を示す説明図であり、
図10は、露出した爪床部分に隆起部が形成される状態を示す説明図である。
【0021】
実施形態1
図1に示す通り、本発明のサポートテープ1は、基材10と、基材10の片方の面に被着されている粘着剤層50と、粘着剤層50を覆うように積層されている剥離材60とを備えている。
【0022】
基材10は、露出した爪床部等を覆って張着することができるように、折り曲げ等の変形が容易な薄さで柔軟性を有し、平面方向の引張り力に対し伸縮性を有することが望ましい。材質としては、例えば、ハイドロコロイドが好適であるが、エスパンシオーネが用いられることもあり、上述の材質に限定されるものではない。
伸縮性を有することで、露出した爪床部を指の腹部側に圧迫し、指の周囲の皮膚を牽引することが可能となっている。
特にハイドロコロイドを用いると、粘着力が強く剥がれ難く、吸水性に優れるのでかぶれ難く、半透明で目立ち難く外観が優れる等の効果も併せて得ることが可能となっている。
【0023】
粘着剤層50は、基材10の片面に全面に亘り付着している。サポートテープ1を使用するとき、基材10が皮膚から剥れ難い程度の粘着力を有し、皮膚に対して使用可能なものであれば良く、一般に使用されている医療用のシリコン系粘着剤が好適であるが、これに限定されるものではない。粘着剤で貼着できるのでサポートテープ1の剥れを防止し、露出した爪床部を指の腹部側に継続的に圧迫し、指の周囲の皮膚を継続的に牽引することが可能となっている。
【0024】
剥離材60は、サポートテープ1の保管時等において粘着剤層50を保護すると共に、使用時に容易に剥離できるものであればよく、表面処理されているプラスチックフィルム等が好適であるが、これに限定されるものではない。
【0025】
図2に示す通り、サポートテープ1の形状は、水平部11と、水平部11に直行する直行部21から形成されたT字形状であり、水平部11には開口部31が形成されている。
【0026】
サポートテープ1は、大サイズと小サイズの2サイズとするのが好適であるが、使用状況によっては更に細分化しても良い。大きさとしては、大サイズは、水平部11の幅W1は55mm~65mm、長さL1は15mm~25mm、直行部21の幅W2は15mm~25mm、長さL2は15mm~25mm、小サイズは、水平部11の幅W1は42mm~48mm、長さL1は12mm~18mm、直行部21の幅W2は12mm~18mm、長さL2は12mm~18mmの範囲内で設定されるのが好適であるが、これに限定されるものではない。
【0027】
開口部31の位置は、基材10の水平部11の右辺12と左辺13の略中間の位置であって、上辺14と下辺15の略中間の位置にあるのが好適であるが、左右及び上下のいずれかに偏っていても良い。但し、大サイズは水平部の上辺14から5mm以上内側(中央寄り)に、小サイズは水平部の上辺14から3mm以上内側に入った位置から形成されていることが望ましい。大サイズ、小サイズ共に上記未満であると、サポートテープ1を露出した爪床部に張着しようとして指の先端部の方向に直行部を引張るとき既に爪の位置に合わせている開口部31の位置がずれてしまうためである。
【0028】
開口部31の形状は、爪の形状に合わせやすい形状が良く、
図2に示す半円形31A、若しくは方形である
図3に示す台形31B、
図4に示す長方形31Cが好適である。
尚、半円形31Aの形状とは、真円形を半分に分割したもの、楕円形を半分に分割したものいずれであっても良い。
図2では楕円形を分割した形状を示し、開口部31Aの弦32が水平部11の上辺14と平行になるように開口するのが良い。
また、方形では、
図3の台形31Bは長辺33Bが、
図4の長方形31Cは長辺33Cが、水平部11の上辺14と平行になるように開口するのが良い。
尚、方形の形状の場合、
図5に示す台形31Bでは長辺33Bの対向辺34Bが、
図6に示す長方形31Cでは長辺33Cの対向辺34Cが、いずれも直線でなく弧状の曲線になっている場合であっても良い。
更に、方形の形状として、四辺形の他に三角形、5角形以上の多角形等であっても良い。
【0029】
開口部31の大きさは、大サイズの場合、半円形31Aでは弦32の長さL3が11mm~17mm、方形では
図3、
図4に示す長辺(33B,33C)の長さL4が11mm~17mm、小サイズの場合、半円形31Aでは弦32の長さL3が5mm~9mm、方形(31B,31C)では長辺(33B,33C)の長さL4が5mm~9mmの範囲内で設定されるのが好適である。
【0030】
上記では、開口部31が形成されている場合について説明したが、開口部31ではなく、直線状の貫通した切掛けが形成されている場合であっても良い。この場合の切掛けの位置は、上記半円形の開口部31Aの弦32の位置であり、切掛けの長さは、上記半円形の開口部31Aの弦32の長さL3と同一の長さとするのが好適である。
【0031】
実施形態2
実施形態2は、基材10の形状・開口部31の形状・基材10に形成されている切込みの他は実施形態1と同じであるので、実施形態1と異なる点を主に以下説明する。
【0032】
サポートテープ1の大きさは、実施形態1と同様に大サイズと小サイズの2サイズとするのが好適であるが、使用状況によっては更に細分化しても良い。大きさとしては、
図7 示す実施形態1と同様の外形形状では実施形態1と同様の大きさとし、
図8に示す浮き防止形状では、次の大きさにするのが好適である。
即ち、浮き防止形状では、大サイズは、水平部11の幅W1は55mm~65mm、長さL1は20mm~30mm、直行部21の幅W2は20mm~30mm、長さL2は15mm~25mm、小サイズは、水平部11の幅W1は42mm~48mm、長さL1は15.5mm~22mm、直行部21の幅W2は15.5mm~22mm、長さL2は12mm~18mmの範囲内で設定されるのが好適であるが、これに限定されるものではない。
【0033】
開口部31の形状は、爪の形状に合わせやすい形状で、後爪郭や側爪郭等へサポートテープがより密着し易い形状が良く、飴玉状楕円形31Dが好適である。飴玉状楕円形31Dとは、
図7,
図8に示す通り、楕円形の短円弧側の部分が両側共に弧ではなく弦32になっている形状を言う。
尚、開口部31の形状は、上述では飴玉状楕円形31Dについて説明したが、短円弧側が弦でなく弧である通常の楕円形状であっても良い。
【0034】
開口部31Dの開口されている位置は、
図7に示す実施形態1と同様の外形形状及び
図8に示す浮き防止形状共に、実施形態1と同様に水平部11に形成され、開口部31Dの右側弦32Rが水平部11の右辺12と、左側弦32Lが水平部11の左辺13と、其々平行となる位置に開口されているのが好適である。
更に、開口部31Dの開口されている位置は、水平部11の右辺12と左辺13の略中間の位置にあるのが好適であるが、左右いずれかに偏っていても良い。更に、水平部11の上辺14と下辺15の略中間の位置にあるのが好適であるが、上下いずれかに偏っていても良い。但し、上辺14側に偏っている場合、大サイズは水平部の上辺14から5mm以上内側(中央寄り)に、小サイズは水平部の上辺14から3mm以上内側(中央寄り)に、入った位置から形成されていることが好適である。大サイズ、小サイズともに、上記未満であると、後述する方法でサポートテープ1を露出した爪床部等に張着する場合、指の先端部の方向に直行部21を引っ張るとき既に爪の位置に合わせている開口部31Dの位置がずれてしまうためである。
【0035】
開口部31の大きさは、飴玉状楕円形31Dの場合、大サイズでは長径(右側弦32Rから左側弦32Lまでの距離)の長さR1が7mm~13mm、短径(上側長円弧42Hから下側長円弧42Lまでの径)の長さR2が4mm~8mm、小サイズでは長径の長さR1が4mm~6mm、短径の長さR2が2.5mm~3.5mmの範囲内で設定されるのが好適であるが、これに限定されるものではない。
【0036】
T字形状の基材の水平部11と直行部21とが結合した角部22には、
図7に示す直線状切込み23又は
図8に示す楔状切込み24が形成されている。切込みの長さは、2mm~5mm程度であり、
図7、
図8に示す通り、角部22から斜め内側に向かって形成される。
尚、切込みの形状は直線状又は楔状に限定されるものではなく、切込みの長さ等についても使用条件等に合わせて適宜変更される。
直線状切込み23又は楔状切込み24を形成することにより、サポートテープ1のたるみをなくし、サポートテープ1を皮膚により密着させることが可能となる。
尚、実施形態2では、切込み(23,24)が形成されている場合について説明したが、切込みが形成されていない場合であっても良いことは言うまでもない。
【0037】
次に、上記の通り構成されたサポートテープ1を貼る方法について説明する。
【0038】
サポートテープ1は、剥離材60を剥した後、
図9に示す通り、T字形状の直行部21を指70の先端部71方向に向け、粘着剤層50は指面側に向けて指70の上に載せる。
【0039】
次いで、開口部31を新たに生えてきた爪80の大きさに合わせて基材10を四方に伸張し、爪80が基材10で覆われないようにし、基材10の基部15を指の後爪郭72に粘着剤層50を介して張着する。
【0040】
次いで、基材10の直交部21を伸張しながら露出した爪床部81に粘着剤層50を介して張着する。または深爪をした場合は爪の周囲である側爪郭73や爪先74の皮膚に張着する。
尚、基材10は、露出した爪床部81の皮膚または後爪郭72・側爪郭73・爪先74等の皮膚を牽引して爪床部81を指の腹部側方向に向かって圧迫することができるように、または爪の周囲の皮膚を伸張できるように、張着させるのが良い。
【0041】
次いで、直行部21を伸張しながら指70の先端部71を周って指の腹部側に亘って粘着剤層50を介して基材10を指70に張着する。
【0042】
次いで、水平部11のいずれか片方を伸張し、露出した爪床部81または後爪郭72・側爪郭73等の皮膚を牽引ながら指70の側部を周って指の腹部側に亘って粘着剤層50を介して基材10を指70に張着する。
【0043】
次いで、水平部11の他の片方を上記と同様に伸張し、露出した爪床部81または後爪郭72・側爪郭73等の皮膚を牽引ながら指70の側部を周って指の腹部側に亘って粘着剤層50を介して基材10を指70に張着する。
【0044】
なお、上記では、直行部21を指70の先端部71方向に向けたが、後爪郭72が痛い場合等では、向きを逆さまに貼っても良い。
【0045】
次に、本発明の作用について説明する。
【0046】
以上の通り、本発明のサポートテープ1は、開口部31又は直線状の切掛けが形成され、爪80が生えている部分に開口部31又は直線状の切掛けを合わせることで、爪80を基材10で覆うことなく露出させることが可能となり、爪80が大気に触れることで爪80の成長を促すことが可能となる。
【0047】
更に、本発明のサポートテープ1は、伸縮性を有するので、露出した爪床部81に張着することができ、基材10が露出した爪床部81の皮膚を牽引して露出した爪床部81を指の腹部側方向に向かって圧迫することが可能となる。または深爪をしたときに爪の周囲である側爪郭73や爪先74に張着することができ、爪の周囲である側爪郭73や爪先74等の皮膚を牽引することが可能となる。
従って、露出した爪床部81が指の腹部側から爪床方向に向かって圧力を受けたときに爪の腹部側と反対方向に隆起部が形成されるのを未然に防止することができ、隆起部が形成されることで爪が伸びるときの障壁となるのを未然に防止し、変形爪や陥入爪等の爪の変形の発生を未然に防止することが可能となる。または深爪をしたときにそのまま放置することで爪80の周囲である側爪郭73や爪先74に隆起部が形成されて爪80が埋没するのを未然に防止し、変形爪や陥入爪等の爪の変形の発生を未然に防止することが可能となる。
【0048】
また、本発明のサポートテープ1は、基材10に粘着剤層50が被着されているので、基材10を露出した爪床81や爪の周囲である側爪郭73や爪先74等の皮膚に粘着剤層50を介して貼着させることが可能となり、基材10が剥がれるのを防止し、継続して変形爪や陥入爪等の爪の変形の発生を未然に防止する効果を維持することが可能となる。
【0049】
更に、本発明のサポートテープ1は、T字形状をしているので、基材10の水平部11と直行する直行部21を露出した爪床部81や爪の周囲である側爪郭73や爪先74の皮膚に張着してから指の先端部71を周って指の腹部まで張着し、その後水平部11を指の側部から腹部に亘って張着するので、張着した直行部21が剥れるのを防止することが可能となる。従って、継続的に露出した爪床部81を指の腹部側の方に圧迫すると共に爪80の周囲である側爪郭73や爪先74の皮膚を継続的に牽引することが可能となる。
【0050】
更に、基材10に形成されている開口部31の形状が飴玉状楕円形31Dであると、爪80が生えている部分全体に開口部31を合わせて張着し易くなり、爪80全体を無理なく露出させることが可能となる。更に、露出した爪床部81や後爪郭72・側爪郭73・爪先74等への基材10の密着をより向上させることが可能となる。
従って、爪80の生えている部分が基材10で覆われることで生じる爪の軟化を防止して爪80の成長をより促すことが可能となる。更に、基材10の密着がより向上するので、露出した爪床部81の皮膚の牽引をより向上させ、継続的に指の腹部側方向に向かって露出した爪床部81への圧迫が向上し、隆起部が形成されるのを未然に防止する効果をより一層増すことが可能となる。または基材10の密着がより向上するので、爪80の周囲である側爪郭73や爪先74の皮膚への継続的牽引がより向上し、爪80の周囲である側爪郭73や爪先74に隆起部が形成されて爪が埋没するのを未然に防止する効果をより一層増すことが可能となる。
【0051】
更に、基材10の形状であるT字形状において、水平部11と直行部21とが交差した角部22に切込みが形成されているので、基材10を貼着するときにたるむのをなくすることが可能となる。
従って、露出した爪床部81への張着を容易にし、基材10の剥れ難さを増強することができ、露出した爪床部81の皮膚の牽引をより向上させるので、継続的に指の腹部側方向に向かって露出した爪床部81への圧迫が向上し、隆起部が形成されるのを未然に防止する効果をより一層増すことが可能となる。または爪80の周囲である側爪郭73や爪先74の皮膚への張着を容易にし、基材10の剥れ難さを増強することができ、爪80の周囲である側爪郭73や爪先74の皮膚への継続的牽引をより向上させるので、爪80の周囲である側爪郭73や爪先74に隆起部が形成されて爪が埋没するのを未然に防止する効果をより一層増すことが可能となる。
【符号の説明】
【0052】
1 サポートテープ
10 基材
11 水平部
12 右辺
13 左辺
14 上辺
15 下辺
21 直交部
22 角部
23 直線状切込み
24 楔状切込み
31,31A,31B,31C,31D 開口部
32,32L,32R 弦
33,33B,33C 長辺
42,42H,42L 長円弧
50 粘着剤層
60 剥離材
70 指
71 先端部
72 後爪郭
73 側爪郭
74 爪先
80 爪
81 爪床部
92 爪
93 爪床
94 隆起部
95 腹部