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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20240704BHJP
   F24F 8/192 20210101ALI20240704BHJP
   F24F 1/0073 20190101ALI20240704BHJP
   F24F 1/0076 20190101ALI20240704BHJP
   F24F 11/56 20180101ALI20240704BHJP
【FI】
F24F1/0007 401E
F24F8/192
F24F1/0073
F24F1/0076
F24F11/56
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022189471
(22)【出願日】2022-11-28
(62)【分割の表示】P 2022115195の分割
【原出願日】2022-07-20
(65)【公開番号】P2024014667
(43)【公開日】2024-02-01
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】薄田 健太
(72)【発明者】
【氏名】大石 剛久
(72)【発明者】
【氏名】新開 優美
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第201149329(CN,Y)
【文献】特開平10-238799(JP,A)
【文献】中国実用新案第213777932(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00-13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前側熱交換器と、前記筐体の前後方向で前記前側熱交換器に対して後方側に位置した後側熱交換器と、を有し、前記筐体に収容された室内熱交換器と、
前記室内熱交換器に対して鉛直方向の下方側とは異なる位置に配置され、前記室内熱交換器に向けて紫外線を照射する紫外線照射ユニットと、
前記筐体内において前記前側熱交換器よりも前記前後方向の前方に位置し、空気中の塵埃を帯電させる帯電ユニットと、
を備え、
前記紫外線照射ユニットは、前記室内熱交換器の幅方向における中央を外した一側に固定され、
前記紫外線照射ユニットは、前記帯電ユニットよりも前記前後方向の後方に配置され、前記後側熱交換器に対して前記鉛直方向の上方側に配置された空気調和装置。
【請求項2】
前記帯電ユニットは、前記室内熱交換器の幅方向における他側に配置された、
請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記紫外線照射ユニットは、前記室内熱交換器の少なくとも一部に対して、鉛直方向の上方側に重畳して配置された、
請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項4】
フィルタを備え、
前記筐体には、空気を吸い込む吸込口と、前記空気を吹き出す吹出口と、前記吸込口と前記吹出口に亘る通風路と、が設けられ、
前記フィルタは、前記吸込口からの前記空気を濾過し、
前記室内熱交換器は、前記通風路に配置され、
前記紫外線照射ユニットは、前記フィルタに対して、前記通風路における前記空気の流れ方向の下流側に配置された、
請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項5】
操作端末からの信号に基づいて、前記紫外線の照射の有無を設定できる、
請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項6】
少なくとも前記帯電ユニットにより前記空気に含まれる前記塵埃を帯電させて捕集する空清工程において、前記紫外線照射ユニットによる前記室内熱交換器への前記紫外線の照射を行う運転モードを備えた、
請求項1に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和装置の室内機においてカビ等の菌類が繁殖するのを抑制するために、紫外線照射ユニットによって室内機の内部に紫外線を照射する空気調和装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/198398号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の空気調和装置では、室内熱交換器に水分が付着することがある。このような水分が紫外線照射ユニットに付着することは、望ましくない。
【0005】
本発明が解決する課題は、室内熱交換器に付着する水分が紫外線照射ユニットに付着することを抑制できる新規な構成の空気調和装置を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る空気調和装置は、筐体と、室内熱交換器と、紫外線照射ユニットと、帯電ユニットと、を備える。前記室内熱交換器は、前側熱交換器と、前記筐体の前後方向で前記前側熱交換器に対して後方側に位置した後側熱交換器と、を有し、前記筐体に収容されている。前記紫外線照射ユニットは、前記室内熱交換器に対して鉛直方向の下方側とは異なる位置に配置され、前記室内熱交換器に向けて紫外線を照射する。前記帯電ユニットは、前記筐体内において前記前側熱交換器よりも前記前後方向の前方に位置し、空気中の塵埃を帯電させる。前記紫外線照射ユニットは、前記室内熱交換器の幅方向における中央を外した一側に固定されている。前記紫外線照射ユニットは、前記帯電ユニットよりも前記前後方向の後方に配置されている。
【0007】
前記空気調和装置は、例えば、空気中の塵埃を帯電させる帯電ユニットを備える。前記帯電ユニットは、前記室内熱交換器の幅方向における他側に配置されている。
【0008】
前記空気調和装置では、例えば、前記紫外線照射ユニットは、前記室内熱交換器の少なくとも一部に対して、鉛直方向の上方側に重畳して配置されている。
【0009】
前記空気調和装置は、例えば、筐体と、フィルタと、を備える。前記筐体には、空気を吸い込む吸込口と、前記空気を吹き出す吹出口と、前記吸込口と前記吹出口に亘る通風路と、が設けられている。前記フィルタは、前記吸込口からの前記空気を濾過する。前記室内熱交換器は、前記通風路に配置されている。前記紫外線照射ユニットは、前記フィルタに対して、前記通風路における前記空気の流れ方向の下流側に配置されている。
【0010】
前記空気調和装置は、例えば、前記紫外線照射ユニットは、前記後側熱交換器に対して前記鉛直方向の上方側に配置されている。
【0012】
前記空気調和装置は、例えば、操作端末からの信号に基づいて、前記紫外線の照射の有無を設定できる。
前記空気調和装置は、例えば、少なくとも前記帯電ユニットにより前記空気に含まれる前記塵埃を帯電させて捕集する空清工程において、前記紫外線照射ユニットによる前記室内熱交換器への前記紫外線の照射を行う運転モードを備える。
【0013】
以上の空気調和装置によれば、室内熱交換器に付着する水分が紫外線照射ユニットに付着することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施形態に係る空気調和装置の概略構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
図2図2は、実施形態における空気調和装置の室内機の構成を示す図であり、上下風向板が閉状態の場合を示す例示的かつ模式的な断面図である。
図3図3は、実施形態における空気調和装置の室内機の構成を示す図であり、上下風向板が開状態の場合を示す例示的かつ模式的な断面図である。
図4図4は、実施形態における空気調和装置の室内機の構成を示す図であり、通風部材が開状態の場合を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
図5図5は、実施形態における空気調和装置の室内機の構成を示す例示的かつ模式的な平面図である。
図6図6は、実施形態の第1変形例における空気調和装置の室内機の構成を示す例示的かつ模式的な平面図である。
図7図7は、実施形態の第2変形例における空気調和装置の室内機の構成を示す例示的かつ模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る空気調和装置の実施形態について説明する。本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0016】
また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、本明細書では、序数は、部品や、部材、部位、位置、方向等を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0017】
図1は、室内機10及び室外機100で構成される実施形態に係る空気調和装置1の概略構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
【0018】
空気調和装置1は、操作端末94a、室内機10、及び室外機100を有する。室内機10は、室内に配され、室外機100は、室外に配される。操作端末94aは、室内に存在する生体CRから操作指示を受け付け、受け付けられた操作指示に応じて、室内機10に指令を送信する。生体CRは、例えば人間、ペット等である。操作端末94aは、例えばリモートコントローラである。なお、操作端末94aは、専用のアプリケーションで動作するスマートフォン等でもよい。
【0019】
本実施形態の空気調和装置1の室内機10は、レーダー2を備え、室内機10が設置された室内に存在する検知対象の検知を行う。本実施形態において、検知対象は、特に生体CRの他、その生体CRが利用可能な家具(椅子やソファ、ベッド等)や壁等も含むものとする。すなわち、レーダー2によって、室内機10が設置されている部屋の大きさ(室内)や容積等も検知可能である。生体CRは、人間、ペット等である。レーダー2は、生体センサの一例である。なお、生体センサは、レーダー2に限られない。
【0020】
本実施形態において、空気調和装置1(室内機10)は、レーダー2によって検知された検知対象のうち特に生体CRに関する情報を取得し、室内に存在する生体CRに適した風(空調空気)の提供するように制御態様を決定する。例えば、レーダー2の検知結果に基づき、室内機10の制御部(後述する室内機制御部80)は、検知対象が動く場合、その検知対象を「生体CR」と見なす(判定する)ことができる。室内機10(レーダー2)は、検知対象が部屋に進入してきた場合、その進入動作の検知により、生体CRであると認識し、室内機10の制御に反映させる。また、室内機10(レーダー2)は、検知対象が、室内(部屋)の中で移動しない場合(検知位置に変化がない場合)でも、その検知対象が動いた場合、例えば検知対象の移動動作や検知対象の一部の挙動を検知した場合、生体CRであると認識して室内機10の制御に反映させる。一方、室内機10(レーダー2)は、継続的に静止状態を保つもの(例えば家具や壁等)は、非生体であると見なし、室内機10の制御の反映対象から除く。なお、生体CRか否かの判定は、これには限られず、検知対象の形状や脈動等を検知してもよい。また、その他のセンサ、例えば、赤外線センサ等を備え、この検知結果と合わせて、生体CRか否かの判定を行ってもよい。
【0021】
室内機10は、レーダー2の他、室内機制御部80、上下風向板25、左右風向板29、室温センサ3を有する。室温センサ3は、例えば、室内機10の吸込口32近傍の空気の温度を検知する。室内機制御部80は、例えば、室温センサ3によって検知される温度が、設定温度となるように各部を制御する。室内機制御部80は、操作端末94aから受信された指令に応じて、空気調和処理を行うとともに、レーダー2を用いて検知された生体CRに応じた制御を行う。室内機10は、レーダー2による検知結果に基づく、実質的な自動制御である「レーダー制御モード」と、ユーザが操作端末94aを用いた操作において、レーダー2を利用せず、室内機10の制御(設定)行う「通常制御モード」とを備える。
【0022】
「レーダー制御モード」において、レーダー2は、室内機制御部80による制御の下、室内における検知対象(生体CR)の位置を連続的または断続的に検知する。室内機制御部80は、検知される生体CRの位置を追跡しながら、生体CRに向かう風や逆に生体CRを避ける位置に向かう風を送るように、上下風向板25や左右風向板29、通風部材26等の制御を行う。室内機制御部80は、室内機10から吹き出す風(空調空気)の向きの制御を上下風向板25や左右風向板29の動作制御によって行う。
【0023】
これにより、室内機10からの空調空気の吹き出し方を、検知領域内に存在する生体CRの移動に応じて動的に変更することができるので、室内に存在する生体CRの快適性を動的に向上することができる。
【0024】
具体的には、室内機10は、吸込口を介して室内から吸い込んだ空気に対して空気調和処理を行い、空気調和処理が施された空調空気を室内に向けて吹き出す。空気調和処理は、例えば、吸熱処理(冷房)、加熱処理(暖房)、除湿処理、加湿処理、送風処理、空気清浄処理等を含む。吸熱処理、加熱処理、除湿処理、加湿処理、送風処理、空気清浄処理は、それぞれ、空気調和装置1の運転モード(主運転モード)としての、冷房運転モード、暖房運転モード、除湿運転モード、加湿運転モード、送風運転モード、空気清浄運転モードに対応する。また、空気調和装置1(室内機10)は、他の運転モードとして、クリーニングモードを有する。
【0025】
なお、主運転モードは、制御モード(レーダー制御モード、通常制御モード)と適宜組み合わせ可能である。空気調和装置1(室内機10)は、レーダー制御モードにおいて、冷房運転モード、暖房運転モード、除湿運転モード、加湿運転モード、送風運転モード、空気清浄運転モードのいずれも取り得る。なお、レーダー制御モードにおいて、組み合わせられる運転モードは上記に限られず、他の運転モードも組み合わせられ得る。通常制御モードについても同様である。
【0026】
空気調和処理において、加湿処理は、省略されてもよい。このとき、空気調和装置1の運転モードとして、加湿運転モードは、省略されてもよい。
【0027】
室内機10は、補助運転モードとして、空調空気を吹き出す際に2種類の流速の風を混在させることで広範囲に拡散する乱流を発生させて、放出される風を全体的に緩やかな風流(いわゆる無風感(登録商標)の風)にする、無風感モードを有する。補助運転モードは、制御モード(レーダー制御モード、通常制御モード)と適宜組み合わせ可能であり、主運転モードと適宜組み合わせ可能である。
【0028】
室内機10は、運転モードとして、自動運転モードを有してもよい。室内機10は、室温センサ3で室内及び壁の温度を検知する。室内機10(室内機制御部80)は、自動運転モードにおいて、検知温度が設定温度より高ければ、暖房運転モードで動作し、検知温度が設定温度より低ければ、暖房運転モードで動作するようにしてもよい。
【0029】
空気清浄処理は、例えば、空気中にイオンを放出するイオン放出方式、紫外線を室内機10の内部に照射し、除菌を行う紫外線照射方式、室内の空気を室内機10内に吸い込んだ際に集塵を行う集塵方式等により実行される。なお、集塵方式には、例えば、フィルタ集塵方式や電気集塵方式等がある。フィルタ集塵方式では、HEPAフィルタなどの目の細かいフィルタに空気を通し、フィルタで埃等の汚れ物質をろ過することで、空気中から除去する。電気集塵方式では、吸い込んだ空気に含まれる埃等の汚れ物質を高圧放電で帯電させて、集塵部(例えば、反対極性に帯電(または接地)させた熱交換器22やフィルタ)に吸着させることで捕集する。なお、熱交換器22に吸着された汚れ物質は、例えば、熱交換器の表面に結露した結露水を排出する際に、一緒に屋外に自動的に排出することができる。
【0030】
図1に示されるように、空気調和装置1において、室内機10は、レーダー2、室内機制御部80、室温センサ3の他、空気清浄ユニット4、UVユニット5、熱交換器22、ファン23、フィルタ24、上下風向板25、左右風向板29、通風部材26、受信装置94等を含む。室内機制御部80は、室外機100の室外機制御部180とともに制御部200を構成している。なお、室内機制御部80と室外機制御部180とは、一体化されてもよい。また、室内機制御部80と室外機制御部180との両方が、室内機10又は室外機100に設けられてもよい。
【0031】
熱交換器22は、冷媒が流通する冷媒回路201に含まれる。また、室内機10は、室内機制御部80によって制御される、第1制御回路81、第2制御回路82、第3制御回路83、及びフォンモータ84、上下風向板モータ85、左右風向板モータ86、切替モータ87等を含む。なお、図1に示す構成の場合、空気清浄処理として、電気集塵方式を実行する空気清浄ユニット4が室内機制御部80によって制御される例が示されている。空気清浄ユニット4は、帯電ユニットの一例である。UVユニット5は、紫外線照射ユニットの一例である。熱交換器22は、室内熱交換器の一例である。空気清浄ユニット4は、空気清浄装置や帯電装置とも称され、UVユニット5は、紫外線照射装置とも称される。
【0032】
また、室外機100は、熱交換器122、ファン123、四方弁124、圧縮機125、室外機制御部180、第4駆動回路181、第5駆動回路182、第6駆動回路183、ファンモータ184、弁切替モータ185、圧縮機モータ186等を含む。
【0033】
室内機10において、ファン23は、熱交換器22付近に配される。ファン23は、室内機10の吸込口を介して室内から吸い込んだ空気を熱交換器22へ導くとともに、熱交換器22で熱交換された空調空気を室内機10の吹出口へ導く。室内機制御部80は、第1制御回路81でフォンモータ84を駆動し、ファン23を回転軸周りに回転させる。室内機制御部80は、ファン23の回転数を変更可能である。
【0034】
熱交換器22は、例えば冷媒配管に接続される流路と複数のフィンとを有する。熱交換器22は、室内から吸い込まれた空気に対して流路を通る冷媒との間で熱交換を行う。
【0035】
室外機100において、ファン123は、熱交換器122の付近に配される。ファン123は、室外機制御部180による制御に応じて、回転する。これにより、ファン123は、外気を吸い込み熱交換器122へ導くとともに、熱交換器122で熱交換された外気を室外機100外へ排出する。室外機制御部180は、第4駆動回路181でファンモータ184を駆動し、ファン123を回転軸周りに回転させる。室内機制御部80は、室外機制御部180を介して、ファン123の回転数を変更可能である。
【0036】
熱交換器122は、例えば冷媒配管に接続される流路と複数のフィンとを有する。熱交換器122は、外気に対して流路を通る冷媒との間で熱交換を行う。
【0037】
四方弁124は、冷媒回路201に含まれる。四方弁124は、室外機制御部180による制御に応じて、冷媒回路201における冷媒の流路を冷房側と暖房側とで切り替え可能である。室外機制御部180は、第5駆動回路182で弁切替モータ185を駆動し、四方弁124を冷房側と暖房側とで切り替え可能である。室内機制御部80は、室外機制御部180を介して、四方弁124を冷房側と暖房側とで切り替え可能である。
【0038】
圧縮機125は、冷媒回路201に含まれる。圧縮機125は、室内機制御部80による制御に応じて室外機制御部180により、冷媒を圧縮して送り出す。室外機制御部180は、第6駆動回路183で圧縮機モータ186を駆動し、圧縮機125に冷媒の圧縮のサイクル動作を行わせる。室内機制御部80は、室外機制御部180を介して、圧縮機125のサイクル数(単位時間当たりの圧縮サイクルの実行回数)を変更可能である。
【0039】
例えば、空気調和装置1は、制御部200(室内機制御部80及び室外機制御部180)により、冷房運転モードにおいて、四方弁124を冷房側に切り替える。そして、熱交換器22で吸熱処理を行い、室内の空気から冷媒に熱を吸収させ、吸熱された空調空気を室内へ吹き出す。そして、熱交換器122で放熱処理を行い、冷媒に吸収された熱を外気へ放出させる。
【0040】
あるいは、空気調和装置1は、制御部200(室内機制御部80及び室外機制御部180)により、暖房運転モードにおいて、四方弁124を暖房側に切り替える。そして、熱交換器122で吸熱処理を行い、外気から冷媒に熱を吸収させる。そして、熱交換器22で加熱処理を行い、冷媒に吸収された熱で室内の空気を加熱し、加熱された空調空気を室内へ吹き出す。
【0041】
上下風向板25、左右風向板29は、それぞれ、室内に吹き出される空調空気の風向を設定(調整)する。風向とは、風の向きを意味する。本明細書では、室内機制御部80は直接的に上下風向板25、左右風向板29が向く方向を制御するが、上下風向板25、左右風向板29が向く方向と、室内機10の吹出口から吹き出された直後の風の向き(風向)とは、おおむね一致するものとして扱う。すなわち、上下風向板25、左右風向板29は、その向きで風向を設定(調整)可能であり、室内機制御部80は、上下風向板25、左右風向板29の向きを制御することで、風向を制御可能である。なお、上下風向板25、左右風向板29は、それぞれ個別にその向きを制御することができる。これにより、室内機10の吹出口全体から風向が一方向に揃えられた風を吹き出すこともできるし、室内機10の吹出口のうち上下風向板25、左右風向板29等で区画される2以上の領域からそれぞれ風向が異なる2以上の風を吹き出すこともできる。
【0042】
上下風向板25は、閉位置と開位置とで切り替え可能である。上下風向板25は、閉位置に切り替えられた状態で、吹出口を閉塞する。上下風向板25は、開位置に切り替えられた状態で、吹出口を開口する。上下風向板25の動作により吹出口が開口された状態で、上下風向板25、左右風向板29は、室内に吹き出される空調空気の風向を設定(調整)する。上下風向板25は、空調空気の風向を上下方向に設定(調整)する。左右風向板29は、空調空気の風向を左右方向に設定(調整)する。
【0043】
図2から図5を用いて、室内機10のより具体的な構造を説明する。図2は、室内機10の構成を示す例示的かつ模式的な断面図である。
【0044】
室内機10は、筐体21の内部に、上述したように、熱交換器22と、ファン23と、フィルタ24と、複数の上下風向板25(25A,25B)と、複数の左右風向板29(図1図4参照)、通風部材26等を有する。上下風向板25、左右風向板29及び通風部材26は、ルーバーとも称され得る。
【0045】
図2以降の各図面に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、室内機10(筐体21)の幅方向に沿って設けられる。Y軸は、室内機10(筐体21)の前後方向(奥行方向)に沿って設けられる。Z軸は、室内機10(筐体21)の高さ方向(上下方向)に沿って設けられる。室内機10の高さ方向は、鉛直方向に沿う。すなわち、Z軸は鉛直方向に沿う。
【0046】
さらに、本明細書において、X方向、Y方向及びZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向と、X軸の矢印の反対方向である-X方向とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向とを含む。本実施形態において、+Z方向は鉛直方向の上方向であり、-Z方向は鉛直方向の下方向である。
【0047】
筐体21は、X方向に延びた略直方体状に形成される。なお、筐体21は、他の形状に形成されてもよい。筐体21は、例えば、建造物(室内)の壁等に架けられる。筐体21は、上面21aと、下面21bと、二つの側面21e,21fと、を有する。上面21aは、筐体21の上方向の端部またはその近傍に設けられ、略上方向に向く。下面21bは、筐体21の下方向の端部またはその近傍に設けられ、略下方向に向く。また、筐体21は、側面21e,21fを含む二つの側壁21hと、二つの側壁21hに亘った亘部21iと、を有する。亘部21iは、上面21a及び下面21bを含む。
【0048】
筐体21に、通風路31、吸込口32、及び吹出口33が設けられる。通風路31は、筐体21の内部に設けられる。吸込口32は、例えば、筐体21の上面21aに開口する。吸込口32は、空気を吸い込む。吹出口33は、例えば、筐体21の下面21bに開口する。吹出口33の幅方向は、X方向に沿う。また、吹出口33の幅方向は、吹出口33に流入する空気の流れ方向と交差(直交)する。吹出口33は、空気を吹き出す。吸込口32及び吹出口33は、筐体21の他の部分に開口してもよい。
【0049】
室内機10は、通風路31に風を通すことができる。風は、空気のような気体の流れである。吸込口32は、通風路31の一方の端に設けられ、通風路31を室内機10の外部に連通する。吹出口33は、通風路31の他方の端に設けられ、通風路31を室内機10の外部に連通する。言い換えると、通風路31は、筐体21の内部において、吸込口32と吹出口33とに亘って設けられる。
【0050】
図2に示すように、熱交換器22は、通風路31に設けられる。熱交換器22は、通風路31において周囲の気体と熱交換を行う。これにより、熱交換器22は、冷房運転時に通風路31を流れる風を冷却し、暖房運転時に通風路31を流れる風を加熱する。
【0051】
熱交換器22は、前側熱交換器22aと、後側熱交換器22bと、を有し、ファン23の少なくとも一部を覆っている。前側熱交換器22aは、ファン23の前方に配置され、少なくとも前端部がファン23よりも前方に位置する。後側熱交換器22bは、ファン23の後方に配置され、少なくとも後端部がファン23よりも後方に位置する。前側熱交換器22aと後側熱交換器22bとは、屈曲部22cを介して接続されている。屈曲部22cは、ファン23の上方側に位置する。前側熱交換器22aは、屈曲部22cからY方向すなわち前方向に延びている。換言すると、前側熱交換器22aは、ファン23の上方側からファン23の前方側へ延びて、ファン23を覆っている。前側熱交換器22aの一部は、屈曲部22cから前方向に向かうにつれて下方向に向かう。換言すると、後側熱交換器22bは、ファン23の上方側からファン23の後方側へ延びて、ファン23を覆っている。後側熱交換器22bは、筐体21の前後方向で前側熱交換器22aに対して後方側に位置している。なお、前側熱交換器22aと後側熱交換器22bとが接続されない構成を採用することもできる。
【0052】
ファン23は、通風路31に設けられる。ファン23は、X方向に延びる回転軸Axfまわりに回転することで、通風路31において吸込口32から吹出口33へ風を送る。これにより、室内機10は、吸込口32から室内の空気を通風路31へ吸い込み、吹出口33から通風路31の空気(風)を吹き出す。このため、本明細書では、通風路31において吸込口32に近い側を上流、吹出口33に近い側を下流と称する。
【0053】
ファン23は、熱交換器22の下流に位置する。このため、ファン23が風を生じさせると、吸込口32から吸い込まれた空気が熱交換器22のフィンを通過する。これにより、通風路31を流れる空気が熱交換器22と熱交換を行う。
【0054】
図2及び図5等に示すように、フィルタ24は、吸込口32、または通風路31における吸込口32の近傍に設けられる。フィルタ24は、熱交換器22の上流に位置する。フィルタ24は、筐体21の内部から吸込口32を覆う。フィルタ24は、例えば、吸込口32から吸い込まれた空気を濾過し、当該空気中の塵埃を捕捉する。フィルタ24は、例えば、網目状のフィルタ本体を支持部材が支持した構成であってよい。また、上述したように、フィルタ24をHEPAフィルタ等で構成することにより、より高品質の空気清浄処理を実現することができる。
【0055】
上下風向板25、左右風向板29は、図2図4に示すように構成され得る。図2は、上下風向板25が閉位置Pc1にある状態を示す。図3は、室内機10の構成及び動作を示す断面図であり、上下風向板25が開位置Po1にある状態を示す。図4は、室内機10の構成及び動作を示す斜視図であり、上下風向板25が開位置にあり、左右風向板29が見えている状態を示す。
【0056】
上下風向板25は、複数の上下風向板25A,25Bを含んでもよい。上下風向板25A,25Bは、それぞれ、空調空気の風向を上下方向に設定(調整)する部材であり、上下ルーバーとも呼ばれる。上下風向板25Aは、空調空気の第1の流路C1を形成し、上下風向板25Bは、空調空気の第2の流路C2を形成する。上下風向板25A,25Bは、それぞれ、軸部41と板部42とを有する。第1の流路C1及び第2の流路C2は、吹出口33に含まれる。すなわち、吹出口33は、複数の上下風向板25A,25Bによって第1の流路C1及び第2の流路C2に区画されている。換言すると、吹出口33は、当該吹出口33の幅方向(X方向)に直交する面(YZ面)内方向において、区画された複数の流路(第1の流路C1及び第2の流路C2)を有する。上下風向板25Aは、第1の風向板の一例であり、上下風向板25Bは、第2の風向板の一例である。第1の流路C1及び第2の流路C2は、分流路の一例である。
【0057】
軸部41は、X方向に延びる略円柱状に形成される。軸部41は、X方向に延びる回転軸Axlまわりに回転可能に筐体21に支持される。なお、上下風向板25A,25Bはそれぞれ、個別の回転軸Axlを有する。板部42は、軸部41から回転軸Axlと略直交する方向に突出する。板部42は、X方向に延びる略矩形の板状に形成される。
【0058】
上下風向板25Aは、回転軸Axlによって支持され、第2制御回路82によって上下風向板モータ85が制御され、図2に示される閉位置Pc1と、図3に示される開位置Po1との間で移動可能である。上下風向板25Bは、回転軸Axlによって支持され、第2制御回路82によって上下風向板モータ85が制御され、図2に示される閉位置Pc1と、図3に示される開位置Po1との間で移動可能である。
【0059】
図2に示すように、上下風向板25Aは、閉位置Pc1に切り替えられた状態で、第1の流路C1の出口となる吹出口33を閉塞する。上下風向板25Bは、閉位置Pc1に切り替えられた状態で、第2の流路C2の出口となる吹出口33を閉塞する。第1の流路C1及び第2の流路C2は、室内機10の吹出口33を形成する。
【0060】
図3及び図4に示すように、上下風向板25Aは、開位置Po1に切り替えられた状態で、第1の流路C1を開口する。上下風向板25Bは、開位置Po1に切り替えられた状態で、第2の流路C2を開口する。
【0061】
開位置Po1は、上下風向板25A,25Bが吹出口33の一部を開放する種々の位置を含む。例えば、開位置Po1は、図3のように上下風向板25A,25Bが略水平方向に向く位置と、上下風向板25A,25Bが下方に向く位置と、これら二つの位置の間の複数の位置とを含む。すなわち、上下風向板25A,25Bは、略水平方向に向く位置と、下方に向く位置との間で回動可能である。
【0062】
開位置Po1に位置する上下風向板25A,25Bは、当該上下風向板25A,25Bの向きにより、吹出口33から放出された風の上下方向(+Z方向、-Z方向)における向きを設定する。すなわち、図3のように上下風向板25A,25Bが略水平方向に向くことで、室内機10は略水平方向に風を放出する。一方、上下風向板25A,25Bが下方に向くことで、室内機10は下方向に風を放出する。上下風向板25A,25Bは、回転軸Ax1まわりに揺動することで風向を変更可能である。
【0063】
図4に示されるように、左右風向板29は、X方向に延設される回転軸Ax2(図示せず)によって支持され、第2制御回路82によって左右風向板モータ86が制御され、-X側端に向かう回動位置と+X側端に向かう回動位置との間で移動可能である。
【0064】
左右風向板29は、複数の左右風向板29-1~29-k,29-(k+1)~29-2kを含んでもよい。複数の左右風向板29-1~29-k,29-(k+1)~29-2kは、それぞれ、空調空気の風向を左右方向(-X方向、+X方向)に設定(調整)する部材であり、左右ルーバーとも呼ばれる。本実施形態では、-X側の左右風向板29-1~29-kと+X側の左右風向板29-(k+1)~29-2kとは、別々の左右風向板モータ86によって独立して駆動される。
【0065】
-X側の左右風向板29-1~29-kは、共通の回転軸Ax2(不図示)に連結され、第2制御回路82によって86が制御され、-X側端の開位置と+X側端の開位置との間で一括して移動可能であってもよい。+X側の左右風向板29-(k+1)~29-2kは、共通の回転軸Ax2(不図示)に連結され、第2制御回路82によって左右風向板モータ86が制御され、-X側端の開位置と+X側端の開位置との間で一括して移動可能であってもよい。
【0066】
図2に示す通風部材26は、閉位置(不図示)と開位置Po2とで切り替え可能である。具体的には、通風部材26は、閉位置と開位置Po2との間で、回転軸Axc回りに揺動可能である。閉位置は、通風部材26が、開位置Po1に位置する上下風向板25Aによって開放された吹出口33(第1の流路C1)の少なくとも一部を覆う(遮る)位置である。閉位置は、通風部材26が、開位置Po1に位置する上下風向板25Aによって開放された吹出口33(第1の流路C1)のYZ面における開口全体を覆う位置である。開位置Po2は、通風部材26が、開位置Po1に位置する上下風向板25Aによって開放された吹出口33(第1の流路C1)の上記一部を覆わない位置である。すなわち、開位置Po2は、通風部材26が、吹出口33(第1の流路C1)を開放する位置である。通風部材26は、閉位置において通風路31に向く内面と、閉位置において外部に向く外面と、を有し、内面及び外面に開口する少なくとも一つ(一例として複数)の通風口が設けられている。通風部材26は、閉位置において、ファン23により送られてくる風が通風口を通って外部に放出される第1の吹出流路(第1の流路C1)と、通風口を通らずに第1の吹出流路(第1の流路C1)に隣接して外部に放出される第2の吹出流路(第2の流路C2)を形成できる。つまり、通風部材26は、閉位置に切り替えられた状態で、室内に吹き出される空調空気の流路の一部に挿入され、流路の一部の開口率を変更する。
【0067】
通風部材26は、開位置Po2に切り替えられた状態で、流路の一部への挿入が解除され(例えば、流路の一部から退避され)、流路の一部の開口率がもとに戻される。
【0068】
空気調和装置1において、室内機制御部80は、補助運転モードとしての無風感モードになると、通風部材26を閉位置に切り替える。通風部材26は、閉位置に切り替えられた状態で、第1の流路C1に選択的に挿入され第1の流路C1の開口率を変更する。一方、通風部材26が存在しない上下風向板25Bで開閉される第2の流路C2の開口率は元のまま維持される。室内機制御部80は、補助運転モードとしての無風感モードが解除されると、通風部材26を開位置Po2に切り替える。通風部材26は、開位置Po2に切り替えられた状態で、第1の流路C1から退避され、第1の流路C1の開口率がもとに戻される。
【0069】
例えば、通風部材26は、開位置Po2から閉位置との間で開閉可能である。
【0070】
図3に示すように、通風部材26は、開位置Po2に切り替えられた状態で、吹出口33の近傍に設けられた筐体21の窪み21cに収容される。窪み21cは、通風路31の一部を形成する筐体21の内面21dから窪んでいる。開位置Po2に位置する通風部材26は、窪み21cに収容されることで、第1の流路C1を流れる風を妨げることを抑制される。
【0071】
通風部材26は、軸部51によって支持され、第3制御回路83によって切替モータ87が制御され、閉位置と開位置Po2との間で移動可能である。軸部51は、X方向に延びる回転軸Axcまわりに回転可能に筐体21に支持される。すなわち、通風部材26は、回転軸Axcまわりに回転可能である。
【0072】
図1に戻り、レーダー2は、室内における検知対象(例えば生体CR)の位置及び移動速度、角度、形状(床面からの高さ等)を検知可能である。レーダー2は、超音波レーダー、ミリ波レーダー、マイクロ波レーダー、ライダーなどのドップラーレーダである。レーダー2は、送信部2a、受信部2b、信号処理部2cを有する。レーダー2は、ミリ波・マイクロ波などの電波、音波、光を信号処理部2cで生成して送信部2aから室内に送信し、室内に存在し得る検知対象(生体CR)等によって反射した反射波を受信部2bで受信して信号処理部2cへ渡す。レーダー2は、室内機10の筐体21の前面のいずれかの位置に設けられるが、室内における検知対象(生体CR)の位置等を検知しやすい位置に設けられることが望ましい。レーダー2は、図2図4に点線で示すように、筐体21の+Y側の部分におけるX方向中央近傍の位置に埋め込まれていてもよい。
【0073】
空気清浄ユニット4は、放電することにより、吸込口32から吸い込んだ空気に含まれる塵埃を帯電させる高圧放電部等を備える。帯電した塵埃は、集塵部(例えば、熱交換器22や反対極性に帯電させたフィルタ)に吸着される捕集される。ここで、空気清浄制御部80fは、第1制御回路81を介してフォンモータ84を制御しファン23の能力を強弱調整することで、吸込口32から吸い込む空気の量を調整して空気清浄効率の調整を行うことができる。
【0074】
図2に示すように、空気清浄ユニット4は、筐体21内において、前側熱交換器22aの後端部(熱交換器22の屈曲部22c)よりも前後方向の前方に配置され、且つ前側熱交換器22aの前方斜め上方に配置されている。また、空気清浄ユニット4は、フィルタ24に対して、通風路31における空気の流れ方向の下流側に配置されている。すなわち、空気清浄ユニット4は、前側熱交換器22aとフィルタ24との間に配置されている。なお、空気清浄ユニット4の位置及び形状は、上記に限られない。
【0075】
図1に示すUVユニット5は、熱交換器22の少なくとも一部に向けて紫外線を照射する。図2に示すように、UVユニット5は、熱交換器22に対して鉛直方向の下方側とは異なる位置(別の位置)に配置されている。換言すると、UVユニット5は、熱交換器22に対して鉛直方向の下方側に配置されていない。すなわち、熱交換器22は、UVユニット5に対して鉛直方向の上方側に配置されていない。具体的には、UVユニット5は、熱交換器22の後側熱交換器22bに対して鉛直方向の上方側に配置されて、後側熱交換器22bと対向している。本実施形態では、UVユニット5は、鉛直方向に見て、後側熱交換器22bの一部(後方部分)と、重なるように配置されている。すなわち、UVユニット5は、後側熱交換器22bの少なくとも一部に対して、間隔を開けて、鉛直方向の上方側に重畳して配置されている。また、UVユニット5は、フィルタ24に対して、通風路31における空気の流れ方向の下流側に配置されている。すなわち、UVユニット5は、熱交換器22の後側熱交換器22bとフィルタ24との間に配置されている。UVユニット5は、熱交換器22に対して、通風路31における空気の流れ方向の上流側に配置されている。また、図5に示すように、UVユニット5は、熱交換器22の幅方向における熱交換器22の後側熱交換器22bの一端部22mに対向して配置されている。後側熱交換器22b一端部22mは、熱交換器22の一端部22mでもある。このように配置されたUVユニット5は、少なくとも熱交換器22の一端部22mを含む部分に紫外線を照射することができる。具体的には、紫外線は、UVユニット5から下方に向けて照射される。なお、紫外線の照射方向はこれに限定されない。例えば、紫外線は、UVユニット5から斜め下方に向けて照射されてもよいし、UVユニット5から離れるにつれて照射範囲が広がるように照射されてもよい。UVユニット5によって紫外線が照射された箇所は、カビ等の菌類が繁殖するのが抑制される。一端部22mは、端部の一例である。
【0076】
UVユニット5の紫外線の照射は、例えば、クリーニングモードにおいて実施される。本実施形態におけるクリーニングモードは、熱交換器22に結露水を発生させる結露水生成工程と、空気清浄ユニット4により空気に含まれる塵埃を帯電させて捕集する空清工程と、熱交換器22の温度を上昇させて乾燥させる乾燥工程と、を含み、この順番で実行される。UVユニット5による紫外線の照射は、このクリーニングモードにおける各工程で実施される。なお、フィルタ24に付着した塵埃等を清掃する清掃機構を備え、クリーニングモードにおいて、清掃機構によるフィルタ清掃工程を、結露水生成工程よりも前に実行させてもよい。また、UVユニット5による紫外線の照射は、クリーニングモードにおける少なくとも一つ以上の工程で実施されればよい。特に、空清工程でUVユニット5による紫外線の照射が実施されれば、塵埃等が付着した熱交換器22を除菌することができる。さらに、クリーニングモードは、上記の例に限られず、少なくともUVユニット5による紫外線の照射が行われる工程を含めばよい。なお、運転モード、暖房運転モード、及び空気清浄モード等の運転モードにおいても、UVユニット5によって紫外線の照射をすることができる。この場合の紫外線照射の有無の設定は、例えば、操作端末94aによって行うことができる。
【0077】
以上のように、本実施形態の空気調和装置1は、熱交換器22(室内熱交換器)と、UVユニット5(紫外線照射ユニット)と、を備える。UVユニット5は、熱交換器22に対して鉛直方向の下方側とは異なる位置に配置され、熱交換器22に向けて紫外線を照射する。
【0078】
このような構成によれば、UVユニット5が熱交換器22に対して鉛直方向の下方側とは異なる位置に配置されているので、熱交換器22に付着して水分が落下した場合でも、当該水分がUVユニット5に付着することを抑制できる。その結果、水分が付着することによるUVユニット5の不具合を抑制することができる。
【0079】
また、UVユニット5は、熱交換器22の少なくとも一部に対して、鉛直方向の上方側に重畳して配置されている。
【0080】
このような構成によれば、空気調和装置1内のスペースの有効活用ができる。すなわち、UVユニット5が熱交換器22の少なくとも一部と重なることで、空気調和装置1の前後方向の長さが長くなることを抑制できる。
【0081】
また、空気調和装置1は、筐体21と、フィルタ24と、を備える。筐体21には、空気を吸い込む吸込口32と、空気を吹き出す吹出口33と、吸込口32と吹出口33に亘る通風路31とが設けられている。フィルタ24は、吸込口32からの空気を濾過する。熱交換器22は、通風路31に配置されている。UVユニット5は、フィルタ24に対して、通風路31における空気の流れ方向の下流側に配置されている。
【0082】
このような構成によれば、UVユニット5がフィルタ24に対して通風路31における空気の流れ方向の下流側に配置されているので、UVユニット5に塵埃が付着するのを抑制することができる。
【0083】
また、空気調和装置1は、筐体21を備える。筐体21は、熱交換器22を収容している。熱交換器22は、前側熱交換器22aと、筐体21の前後方向で前側熱交換器22aに対して後方側に位置した後側熱交換器22bと、を有する。UVユニット5は、後側熱交換器22bに対して鉛直方向の上方側に配置されている。
【0084】
このような構成によれば、UVユニット5が後側熱交換器22bに対して鉛直方向の上方側に配置されているので、UVユニット5によって後側熱交換器22bに効率的に紫外線を照射することができる。
【0085】
また、空気調和装置1は、空気清浄ユニット4を備える。空気清浄ユニット4は、筐体21内において前側熱交換器22aよりも前後方向の前方に配置され、空気中の塵埃を帯電させる。
【0086】
このような構成によれば、空気清浄ユニット4とUVユニット5とが比較的離れて配置されるので、空気清浄ユニット4の電圧によるUVユニット5への悪影響を抑制することができる。
【0087】
また、UVユニット5は、熱交換器22の幅方向における熱交換器22の一端部22m(端部)に対向して配置されている。
【0088】
このような構成によれば、通過する空気の量が比較的多い熱交換器22の幅方向の中央部における空気の流れをUVユニット5が阻害するのを抑制することができる。
【0089】
ここで、熱交換器22の一端部22mは、筐体21内において、室内から吸い込まれる空気(気流)が比較的届きにくい。このため、一端部22mは、冷房運転時に、熱交換器22に暖かい風が当たりにくく、熱交換器22の他の箇所に比べて熱交換器22が結露しにくい。よって、一端部22mは、熱交換器22による結露水での洗浄がしにくいため、熱交換器22に付着した汚れが比較的落ちにくい。これに対して、本実施形態では、上記の通り、UVユニット5が熱交換器22の一端部22mに対向して配置されているので、UVユニット5によって熱交換器22の一端部22mに紫外線を照射することで、一端部22mを除菌することができる。すなわち、紫外線照射での熱交換器22の除菌がより効果的となる。
【0090】
次に、変形例を説明する。
【0091】
図6は、実施形態の第1変形例における空気調和装置の室内機の構成を示す例示的かつ模式的な平面図である。本変形例では、UVユニット5が、熱交換器22の幅方向(X方向)における熱交換器22の中央部22pに対向して配置されている。なお、UVユニット5が熱交換器22の後側熱交換器22bとフィルタ24との間に配置されている点は、図2の例と同様である。
【0092】
このような構成によれば、比較的菌類が付着しやすい熱交換器22の中央部22pをUVユニット5によって除菌することができる。
【0093】
図7は、実施形態の第2変形例における空気調和装置の室内機の構成を示す例示的かつ模式的な断面図である。本変形例では、UVユニット5は、熱交換器22の幅方向(X法方向)に移動可能である。具体的には、UVユニット5は、複数のガイドレール90によって、熱交換器22の幅方向に移動可能に支持されている。複数のガイドレール90によって、熱交換器22が支持されていることにより、UVユニット5の回転止めがなされる。ガイドレール90は、熱交換器22の幅方向に延びている。ガイドレール90の両端部は、筐体21に支持されている。また、UVユニット5は、モータを含む駆動機構によって熱交換器22の幅方向に移動されてもよい。
【0094】
このような構成によれば、熱交換器22の幅方向において熱交換器22の全域に亘って、UVユニット5による紫外線の照射を行うことができる。
【0095】
なお、上記実施形態では、例えば住宅用の空気調和装置1を想定して説明したが、各種の空気調和装置1についても同様に本実施形態の構成が適用可能である。例えば、業務用(店舗用等)の空気調和装置についても本実施形態の構成が適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0096】
また、上記実施形態では、UVユニット5が熱交換器22の幅方向における熱交換器22の後側熱交換器22bの一端部22mに対向して配置された例が示されたが、これに限定されない。UVユニット5は、熱交換器22の後側熱交換器22bの一端部22mとは反対側の他端部等の熱交換器22の他の場所と対向して配置されていてもよい。
【0097】
また、上記実施形態において、一つのUVユニット5が設けられた例が示されたが、これに限定されない。UVユニット5は、複数設けられていてもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、空気清浄ユニット4が筐体21内において前側熱交換器22aよりも前後方向の前方に配置された例が示されたが、これに限定されない。空気清浄ユニット4は、上記とは異なる他の場所に配置されていてもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、空気清浄ユニット4が設けられた例が示されたが、空気清浄ユニット4は設けられていなくてもよい。
【0100】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
1…空気調和装置、4…空気清浄ユニット(帯電ユニット)、5…UVユニット(紫外線照射ユニット)、21…筐体、22…熱交換器(室内熱交換器)、22a…前側熱交換器、22b…後側熱交換器、22m…一端部(端部)、22p…中央部、24…フィルタ、31…通風路、32…吸込口、33…吹出口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7