(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】電動スクリュードライバ
(51)【国際特許分類】
B25F 5/00 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
B25F5/00 B
B25F5/00 G
(21)【出願番号】P 2022197480
(22)【出願日】2022-12-09
(62)【分割の表示】P 2018017134の分割
【原出願日】2018-02-02
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】手島 治樹
(72)【発明者】
【氏名】近藤 友幸
(72)【発明者】
【氏名】山中 功二
(72)【発明者】
【氏名】木下 和典
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-193478(JP,A)
【文献】特開2011-115919(JP,A)
【文献】特開2017-217731(JP,A)
【文献】特開2014-073537(JP,A)
【文献】特開平11-320224(JP,A)
【文献】特開2001-138266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00 - 5/02
B25B 21/00 - 23/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延びる回転軸を中心に回転するモータを含む本体部と、
前記本体部よりも後方に配置され、上下方向に延びるハンドル部と、
バッテリが装着される装着面及び操作パネルを含む操作面を有し、前記ハンドル部の下端部が接続されるバッテリ装着部と、
前記本体部の後部と前記ハンドル部の上端部とを接続する第1接続部と、
前記本体部の下部と前記バッテリ装着部とを接続する第2接続部と、
前記ハンドル部の前部に配置され、モータを起動するトリガ操作部材と、
前記バッテリ装着部の上面であって、前記ハンドル部の前方側かつ前記第2接続部の後方側に配置される表示装置と、
前記ハンドル部の上部に配置され、前記モータの回転方向を変更する正逆切換スイッチと、
前記ハンドル部
の上部に配置され、前記モータの回転速度を変更する
プッシュボタン式のモード操作部材と、
を備える、
電動
スクリュードライバ。
【請求項2】
前記モード操作部材は、前記ハンドル部の上面に配置される、
請求項1に記載の電動
スクリュードライバ。
【請求項3】
前記モード操作部材は、前記ハンドル部の後面に配置される、
請求項1に記載の電動
スクリュードライバ。
【請求項4】
前記モード操作部材は、前記ハンドル部の前部に設けられる、
請求項1に記載の電動
スクリュードライバ。
【請求項5】
前記モード操作部材は、前記トリガ操作部材よりも下方に配置される、
請求項
4に記載の電動
スクリュードライバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
電動工具は、先端工具を駆動するための動力を発生するモータと、モータの起動及び停止を切り換えるメインスイッチとを備える。メインスイッチは、電動工具の使用者に操作されるトリガ操作部材を含む。トリガ操作部材が操作されることにより、モータが起動する。トリガ操作部材は、電動工具のハンドル部に設けられる場合が多い。電動工具の使用者は、ハンドル部を保持した状態でトリガ操作部材を操作して、モータを起動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、電動工具は、モータの回転速度を変更するモード変更スイッチを備える。モード変更スイッチは、電動工具の使用者に操作されるモード操作部材を含む。モード操作部材が操作されることにより、モータの回転速度が変更される。電動工具の操作性の低下の抑制のために、電動工具の使用者がハンドル部を保持した状態でモード操作部材を操作できることが要望される。
【0005】
本発明の態様は、電動工具の操作性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、モータを含む本体部と、前記本体部に接続されるハンドル部と、前記ハンドル部に配置され、前記モータを起動するトリガ操作部材と、前記ハンドル部に配置され、前記モータの回転速度を変更するモード操作部材と、を備える電動工具が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様によれば、電動工具の操作性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る電動工具を右方から見た側面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る電動工具を前方から見た正面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る電動工具の側断面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る電動工具の一部を示す断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る電動工具を示す機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る電動工具を後方から見た斜視図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る電動工具を前方から見た斜視図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る電動工具を後方から見た斜視図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る電動工具を右方から見た側面図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る電動工具を後方から見た斜視図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態に係る電動工具を前方から見た斜視図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態に係る電動工具を前方から見た斜視図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態に係る電動工具を後方から見た斜視図である。
【
図14】
図14は、第3実施形態に係る電動工具を後方から見た斜視図である。
【
図15】
図15は、第3実施形態に係る電動工具を前方から見た斜視図である。
【
図16】
図16は、第4実施形態に係る電動工具を後方から見た斜視図である。
【
図17】
図17は、第4実施形態に係る電動工具を前方から見た斜視図である。
【
図18】
図18は、第5実施形態に係る電動工具を後方から見た斜視図である。
【
図19】
図19は、第5実施形態に係る電動工具を前方から見た斜視図である。
【
図20】
図20は、第6実施形態に係る電動工具を後方から見た斜視図である。
【
図21】
図21は、第6実施形態に係る電動工具を前方から見た斜視図である。
【
図22】
図22は、第7実施形態に係る電動工具を後方から見た斜視図である。
【
図23】
図23は、第7実施形態に係るモード操作部材を示す図である。
【
図24】
図24は、第7実施形態に係るモード操作部材を示す図である。
【
図25】
図25は、第7実施形態に係るモード操作部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面内のX軸(第1軸)と平行な方向をX軸方向(第1軸方向)、X軸と直交する所定面内のY軸(第2軸)と平行な方向をY軸方向(第2軸方向)、X軸及びY軸と直交するZ軸(第3軸)と平行な方向をZ軸方向(第3軸方向)とする。また、X軸を中心とする回転又は傾斜方向をθX方向、Y軸を中心とする回転又は傾斜方向をθY方向、Z軸を中心とする回転又は傾斜方向をθZ方向とする。
【0011】
また、以下の説明においては、便宜上、X軸方向を前後方向とし、Y軸方向を上下方向とし、Z軸方向を左右方向とする。+X方向は前方向であり、-X方向は後方向であり、+Y方向は上方向であり、-Y方向は下方向であり、+Z方向は右方向であり、-Z方向は左方向である。
【0012】
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る電動工具1Aを右方から見た側面図である。
図2は、本実施形態に係る電動工具1Aを前方から見た正面図である。
図3は、本実施形態に係る電動工具1Aの側断面図である。
【0013】
本実施形態において、電動工具1Aは、インパクトドライバである。電動工具1Aは、モータ11を含む本体部4と、本体部4に接続されるハンドル部6と、バッテリ31が装着されるバッテリ装着部29と、モータ11の回転方向を変更するために操作される正逆切換スイッチ28と、モータ11を起動するメインスイッチ7と、モータ11の回転速度を変更するモード変更スイッチ140と、制御装置33とを備える。
【0014】
また、電動工具1Aは、本体部4、ハンドル部6、及びバッテリ装着部29のそれぞれの表面の少なくとも一部を規定するハウジング2を備える。電動工具1Aの表面は、ハウジング2の表面を含む。
【0015】
ハウジング2は、モータ11を収容するモータハウジング2Aと、モータハウジング2Aの下部と結ばれるハンドルハウジング2Bと、ハンドルハウジング2Bの下部と結ばれるバッテリ装着ハウジング2Cとを含む。本体部4の表面は、モータハウジング2Aの表面を含む。ハンドル部6の表面は、ハンドルハウジング2Bの表面を含む。バッテリ装着部29の表面は、バッテリ装着ハウジング2Cの表面を含む。
【0016】
モータ11の回転軸AXは、X軸と平行である。本体部4は、X軸方向に延在する。ハンドル部6は、本体部4の下部に接続される。ハンドル部6は、モータ11の回転軸AXと直交する-Y方向に延在する。バッテリ装着部29は、ハンドル部6の下部に接続される。Y軸方向において、ハンドル部6は、本体部4とバッテリ装着部29との間に配置される。
【0017】
Y軸と直交するXZ平面内において、本体部4の外形は、ハンドル部6の外形よりも大きい。
図1及び
図2に示すように、X軸方向において、本体部4の寸法L4は、ハンドル部6の寸法L6よりも大きい。Z軸方向において、本体部4の寸法W4は、ハンドル部6の寸法W6よりも大きい。
【0018】
Y軸と直交するXZ平面内において、バッテリ装着部29の外形は、ハンドル部6の外形よりも大きい。
図1及び
図2に示すように、X軸方向において、バッテリ装着部29の寸法L29は、ハンドル部6の寸法L6よりも大きい。Z軸方向において、バッテリ装着部29の寸法W29は、ハンドル部6の寸法W6よりも大きい。
【0019】
本体部4の寸法L4は、バッテリ装着部29の寸法L29よりも大きい。本体部4の寸法W4は、バッテリ装着部29の寸法W29よりも小さい。
【0020】
図1に示すように、XY平面内において、本体部4の表面とハンドル部6の表面とは、変曲点Caを介して結ばれる。ハンドル部6の表面とバッテリ装着部29の表面とは、変曲点Cbを介して結ばれる。
【0021】
図2に示すように、YZ平面内において、本体部4の表面とハンドル部6の表面とは、変曲点Ccを介して結ばれる。ハンドル部6の表面とバッテリ装着部29の表面とは、変曲点Cdを介して結ばれる。
【0022】
ハンドル部6の上端部は、変曲点Ca及び変曲点Ccを含む。ハンドル部6の下端部は、変曲点Cb及び変曲点Cdを含む。本体部4は、変曲点Ca,Ccよりも上の部分である。ハンドル部6は、変曲点Ca,Ccと変曲点Cb,Cdとの間の部分である。バッテリ装着部29は、変曲点Cb,Cdよりも下の部分である。
【0023】
<本体部>
本体部4は、先端工具を保持して駆動する。先端工具は、例えばドライバビットである。
図1、
図2、及び
図3に示すように、本体部4は、ファン10と、モータ11と、減速機構12と、スピンドル13と、スプリング14と、ハンマ16と、アンビル17と、モータハウジング2Aと、リアハウジング20と、フロントハウジング26と、ハンマケース21と、バンパ27と、前照灯160とを有する。
【0024】
本体部4のハウジング2は、モータハウジング2Aと、リアハウジング20と、フロントハウジング26とを含む。
【0025】
モータハウジング2Aは、筒状の部材である。モータハウジング2Aは、モータ11の周囲に配置される。モータハウジング2Aの中心軸は、X軸と実質的に平行である。モータハウジング2Aの前端部及び後端部のそれぞれに開口が設けられる。リアハウジング20は、モータハウジング2Aの後端部の開口を塞ぐように配置される。フロントハウジング26は、筒状の部材であり、モータハウジング2Aの前端部に接続される。ハンマケース21は、ハンマ16の周囲に配置される。ハンマケース21は、モータハウジング2A及びフロントハウジング26の内側に配置される。モータハウジング2A及びフロントハウジング26は、ハンマケース21の周囲に配置される。バンパ27は、弾性体で形成された筒状の部材であり、ハンマケース21の前端部に接続される。
【0026】
モータ11は、先端工具を駆動するための動力を発生する。モータ11は、バッテリ31から供給される電力により作動する電動モータである。モータ11は、モータハウジング2Aの内部に収容される。
【0027】
モータ11は、ブラシレスモータである。モータ11は、円筒状のステータ51と、ステータ51の内側に配置されるロータ52とを含む。モータ11の回転軸AXは、X軸と平行である。ロータ52は、回転軸AXを中心に回転する。
【0028】
ステータ51は、複数の内歯を有する固定子鉄心54と、固定子鉄心54の前方に配置される前絶縁部材56と、固定子鉄心54の後方に配置される後絶縁部材58と、前絶縁部材56及び後絶縁部材58を介して固定子鉄心54の内歯に巻かれる複数のコイル60とを有する。
【0029】
また、ステータ51は、前絶縁部材56に固定されたセンサ基板62と、前絶縁部材56の周縁部に配置されコイル60とセンサ基板62とを接続するコイル接続部とを有する。センサ基板62の前面に複数の磁気センサが固定される。コイル接続部は、端子部64を介して制御装置33に接続される。
【0030】
ロータ52は、モータ軸66と、モータ軸66の周囲に配置された回転子鉄心68と、回転子鉄心68の周囲に配置された永久磁石70と、回転子鉄心68よりも前方においてモータ軸66の周囲に配置されるスリーブ72とを有する。
【0031】
モータ軸66は、モータ前軸受74及びモータ後軸受77に回転可能に支持される。モータ前軸受74は、ベアリングリテーナ75の開口部に配置され、ベアリングリテーナ75に支持される。モータ後軸受77は、リアハウジング20に保持される。モータ軸66の前端部にピニオンギヤ76が固定される。
【0032】
ファン10は、モータ11よりも後方に配置される。ファン10は、複数の羽根を有する遠心ファンであり、ファンスリーブ78を介してモータ軸66に固定される。モータ11の作動により、ファン10は、回転軸AXを中心に回転する。モータハウジング2Aに複数の吸気口25が設けられる。リアハウジング20に複数の排気口24が設けられる。吸気口25は、ファン10よりも前方に設けられる。排気口24は、ファン10の周囲に設けられる。ファン10の回転により、モータハウジング2Aの外部の空気が吸気口25を介してモータハウジング2Aの内部に流入する。モータハウジング2Aの内部に流入した空気は、モータ11を冷却する。モータ11から熱を奪った空気は、排気口24を介してリアハウジング20の外部に排出される。
【0033】
減速機構12は、ロータ52の回転力をスピンドル13に伝達する。減速機構12は、単位時間当たりのスピンドル13の回転数がロータ52の回転数よりも低くなるように、スピンドル13を回転させる。減速機構12は、遊星歯車機構を含み、リング状の内歯ギヤ80と、内歯ギヤ80に噛み合う複数の遊星歯車82と、複数の遊星歯車82のそれぞれを回転可能に支持する複数のピン84とを有する。
【0034】
内歯ギヤ80は、ハンマケース21の内側に配置され、ハンマケース21の後端部の内面に固定される。複数の遊星歯車82は、内歯ギヤ80の内側に配置される。
【0035】
スピンドル13は、モータ11よりも前方に配置される。スピンドル13は、減速機構12を介してロータ52のモータ軸66に接続される。モータ11で発生した動力は、減速機構12を介してスピンドル13に伝達される。モータ11の作動により、スピンドル13は、回転軸AXを中心に回転する。
【0036】
スピンドル13は、円板部90と、円板部90から前方に突出する前ロッド部と、円板部90から後方に突出する後ロッド部とを有する。回転軸AXと直交するYZ平面内において、円板部90の外形は、前ロッド部の外形及び後ロッド部の外形よりも大きい。
【0037】
ベアリングリテーナ75は、スピンドル13の後ロッド部の周囲に配置される。ベアリングリテーナ75は、モータハウジング2Aの内部に形成されたハウジングリブ96に支持される。ベアリングリテーナ75とスピンドル13の後ロッド部との間にスピンドル軸受94が配置される。スピンドル13は、スピンドル軸受94に回転可能に支持される。
【0038】
ベアリングリテーナ75は、回転軸AXの放射方向において外側に突出するリテーナリブ98を有する。リテーナリブ98は、ハンマケース21の後端部とハウジングリブ96の前面との間に配置される。
【0039】
ベアリングリテーナ75の前部は、ハンマケース21の内面の後端部と内歯ギヤ80の外面との間に配置される。
【0040】
スピンドル軸受94の内径は、ベアリングリテーナ75に支持されているモータ前軸受74の内径よりも大きい。前後方向において、スピンドル軸受94の位置とモータ前軸受74の位置とは異なる。スピンドル軸受94は、モータ前軸受74よりも前方に配置される。これにより、スピンドル13からスピンドル軸受94に伝達される力がモータ前軸受74に伝達されることが抑制される。
【0041】
スピンドル13は、内部に内孔100を有する。内孔100の後部は、円板部90の中空部に接続される。モータ軸66の前端部及びピニオンギヤ76は、内孔100の後部に配置される。減速機構12の遊星歯車82は、円板部90の中空部に配置される。ピニオンギヤ76と遊星歯車82とが噛み合う。これにより、ロータ52の回転力が、減速機構12を介してスピンドル13に伝達される。
【0042】
ハンマ16は、スピンドル13よりも前方に配置される。ハンマ16は、回転打撃機構を含み、スピンドル13の回転力を回転打撃力に変換する。ハンマ16の回転打撃力は、アンビル17に伝達される。
【0043】
ハンマ16は、後面に凹部101を有する。スプリング14の前部は、凹部101に配置される。スプリング14の前端部は、複数のスプリングボール102及びハンマワッシャ104を介して、凹部101の内面に支持される。ハンマボール106がハンマ16とスピンドル13の前部との間に配置される。ハンマボール106は、ハンマ16の打撃時にハンマ16を前後方向にガイドする。
【0044】
スプリング14は、コイル状の弾性部材である。スプリング14は、スピンドル13の円板部90とハンマ16との間に配置される。スプリング14は、ハンマ16からアンビル17に伝達される回転打撃力を緩和する。
【0045】
アンビル17は、ハンマ16から伝達された回転打撃力に基づいて、回転軸AXを中心に先端工具を保持して回転する。先端工具としてドライバビットがアンビル17に保持されることにより、電動工具1Aは、ねじ締めを実施することができる。
【0046】
アンビル17は、先端工具の少なくとも一部が配置されるアンビル孔120と、アンビル孔120に配置された先端工具を固定するチャック112と、回転軸AXの放射方向において外側に突出するフランジ部114と、スピンドル13の前端部118が挿入される後孔とを有する。
【0047】
アンビル17は、アンビル軸受116に回転可能に支持される。アンビル軸受116は、フランジ部114よりも前方に配置される。アンビル軸受116は、ハンマケース21の内面の前部に支持される。
【0048】
チャック112は、チャックスリーブ122と、チャックスプリング124と、チャックワッシャ126と、チャックスプリング固定部材127と、複数のチャックボール128とを有する。
【0049】
チャックスリーブ122は、円筒状の部材である。チャックスリーブ122は、アンビル17の周囲に配置されるチャック前孔部130と、チャック前孔部130の内面から内側に突出するチャックボール固定部132とを有する。
【0050】
チャックスプリング124は、チャック前孔部130に配置される。チャックワッシャ126は、チャックスプリング124の前方に配置される。チャックスプリング固定部材127は、チャックワッシャ126の前方において、アンビル17の外面に固定される。チャックスプリング124は、アンビル17の外面とチャックワッシャ126とチャック前孔部130の内面とによって規定される空間に配置される。チャックボール128は、アンビル孔120の内側に露出する。チャックボール128は、チャックボール固定部132に接触可能である。
【0051】
電動工具1Aの使用者は、チャックスリーブ122を操作することができる。チャックスリーブ122が前方に移動されると、チャックスリーブ122は、チャックスプリング124の弾性力を受けながら前方に移動する。チャックスリーブ122が前方に移動すると、チャックボール固定部132がチャックボール128から離れる。これにより、チャックボール128は、回転軸AXの放射方向において外側に移動可能になる。チャックボール128が移動可能な状態で、先端工具がアンビル孔120に挿入されると、チャックボール128は、アンビル孔120から退くように、回転軸AXの放射方向において外側に移動する。これにより、先端工具はアンビル孔120に挿入される。先端工具がアンビル孔120に配置された状態で、チャックスリーブ122がチャックスプリング124の弾性力により後方に移動すると、チャックボール固定部132がチャックボール128に接触して、チャックボール128が回転軸AXの放射方向において内側に移動する。これにより、先端工具はチャックボール128で保持され、アンビル17に固定される。
【0052】
減速機構12、スピンドル13、及びハンマ16は、モータ11で発生した動力をアンビル17に伝達する動力伝達機構として機能する。アンビル17は、モータ11で発生した動力に基づいて回転する出力軸として機能する。
【0053】
前照灯160は、本体部4の下部の前部に配置される。前照灯160は、電動工具1Aの作業対象及びアンビル17に保持される先端工具の少なくとも一方を照明する。
【0054】
<ハンドル部>
ハンドル部6は、電動工具1Aの使用者に保持される。ハンドル部6は、電動工具1Aの使用者の手で握られる部分である。ハンドル部6は、本体部4の下部に接続される。ハンドル部6は、モータハウジング2Aの下部に接続されるハンドルハウジング2Bを含む。
【0055】
<バッテリ装着部>
バッテリ装着部29は、バッテリ31が装着される装着面32と、操作パネル44を含む操作面40とを有する。バッテリ装着部29は、ハンドル部6の下部に接続される。バッテリ装着部29は、ハンドルハウジング2Bの下部に接続されるバッテリ装着ハウジング2Cを含む。
【0056】
バッテリ31は、バッテリ端子を有する。バッテリ端子は、バッテリ31の上面に配置される。バッテリ31は、バッテリ31の前部において上方に隆起する隆起部34を有する。
【0057】
装着面32は、下方を向くバッテリ装着部29の下面を含む。バッテリ装着部29は、装着端子を有する。装着端子は、バッテリ装着部29の装着面32に配置される。
【0058】
バッテリ31は、バッテリ装着部29に着脱可能に保持される。バッテリ31をバッテリ装着部29に装着するとき、バッテリ31の上面と装着面32とが対向するように、バッテリ31をバッテリ装着部29の前方から後方へスライドさせる。バッテリ31をスライドさせることによって、隆起部34の後部がバッテリ装着部29の前部に当たる。また、バッテリ爪36がバッテリ31の上面に設けられる。バッテリ爪36は、バッテリ31の上面から突出する。バッテリ爪36は、弾性部材の弾性力により上方に移動可能である。バッテリ爪36は、バッテリ装着部29の前部に設けられたバッテリ装着凹部37に挿入される。これにより、バッテリ31とバッテリ装着部29とが位置決めされ、バッテリ31がバッテリ装着部29に装着される。
【0059】
バッテリ31がバッテリ装着部29に装着された状態において、バッテリ31の上面と装着面32とが対向する。また、バッテリ31がバッテリ装着部29に装着された状態において、バッテリ端子と装着端子とが接続される。これにより、バッテリ31とバッテリ装着部29に設けられているターミナル35とが接続される。ターミナル35は、制御装置33に接続される。
【0060】
バッテリ装着部29からバッテリ31を外すとき、バッテリボタン30が操作される。バッテリボタン30は、バッテリ爪36を上方に移動可能な弾性部材に接続される。バッテリボタン30が操作されることにより、バッテリ爪36がバッテリ装着凹部37から外れ、バッテリ装着部29からバッテリ31が解放される。バッテリ装着部29からバッテリ31が解放された後、バッテリ31を前方にスライドさせることによって、バッテリ装着部29からバッテリ31が外される。
【0061】
操作面40は、バッテリ装着部29の上面の前部に規定される。操作面40は、バッテリ装着ハウジング2Cの上面であってハンドル部6よりも前方の領域に規定される。操作パネル44は、操作面40に設けられる。
【0062】
フック38が装着されるフック用溝39が、バッテリ装着ハウジング2Cの左部及び右部のそれぞれに設けられる。ストラップ42がバッテリ装着ハウジング2Cの後部に装着される。
【0063】
<正逆切換スイッチ>
正逆切換スイッチ28は、本体部4の下端部に配置される。正逆切換スイッチ28は、X軸方向において本体部4の中間部に配置される。正逆切換スイッチ28は、Y軸方向においてモータハウジング2Aを貫通するように配置される。正逆切換スイッチ28は、電動工具1Aの使用者に操作される操作部材である。正逆切換スイッチ28が操作されることにより、モータ11の回転方向が切り換えられる。
【0064】
<メインスイッチ>
メインスイッチ7は、モータ11の起動と停止とを切り換える。メインスイッチ7は、ハンドル部6の上部に配置される。メインスイッチ7は、ハンドル部6に配置され、モータ11を起動するために操作されるトリガ操作部材8と、トリガ操作部材8の操作によりトリガ信号を出力するトリガ信号出力装置9とを有する。
【0065】
トリガ操作部材8は、ハンドル部6の上部に配置される。トリガ操作部材8は、+X側のハンドル部6の前部に配置される。ハンドルハウジング2Bは、トリガ操作部材8が配置される開口3を有する。トリガ操作部材8の少なくとも一部は、開口3に配置される。トリガ操作部材8は、ハンドルハウジング2Bの前面よりも前方に突出する。
【0066】
トリガ操作部材8は、ブロック状の部材である。トリガ操作部材8は、前方を向く前端面8Fを有する。
図2に示すように、Z軸方向において、トリガ操作部材8の寸法W8は、ハンドル部6の寸法W6よりも小さい。Z軸方向において、トリガ操作部材8は、ハンドル部6の中央部に配置される。Z軸方向において、トリガ操作部材8の中心とハンドル部6の中心とは一致する。
【0067】
トリガ信号出力装置9は、トリガ操作部材8の操作によりトリガ信号を出力可能な電子回路を含む。トリガ信号とは、モータ11を起動させる指令信号をいう。トリガ信号出力装置9は、ハンドルハウジング2Bの内部に配置される。
【0068】
トリガ操作部材8は、電動工具1Aの使用者に操作される。トリガ操作部材8が操作されると、ハンドルハウジング2Bの内部に収容されているトリガ信号出力装置9がトリガ信号を出力する。トリガ信号出力装置9からトリガ信号が出力されると、モータ11が起動する。モータ11で発生した動力は、スピンドル13を介してハンマ16に伝達される。ハンマ16は、先端工具を保持するアンビル17を回転させる。
【0069】
電動工具1Aの使用者は、ハンドル部6を手で握った状態で、指でトリガ操作部材8を操作することができる。トリガ操作部材8が後方に移動するように操作されることにより、トリガ信号出力装置9からトリガ信号が出力される。
図3に示すように、トリガ操作部材8とトリガ信号出力装置9との間に弾性部材5が配置される。トリガ操作部材8の操作が解除されると、弾性部材5の弾性力により、トリガ操作部材8は前方に移動する。トリガ操作部材8が前方に移動することにより、トリガ信号出力装置9からのトリガ信号の出力が停止する。これにより、モータ11が停止する。
【0070】
<モード変更スイッチ>
モード変更スイッチ140は、モータ11の回転速度を変更する。モード変更スイッチ140は、ハンドル部6の上部に配置される。
【0071】
図4は、本実施形態に係る電動工具1Aの一部を示す断面図である。
図1、
図2、及び
図4に示すように、モード変更スイッチ140は、ハンドル部6に配置され、モータ11の回転速度を変更するために操作されるモード操作部材142と、モード操作部材142の操作によりモード信号を出力するモード信号出力装置144とを有する。
【0072】
モード操作部材142は、ハンドル部6の上部に配置される。X軸方向において、モード操作部材142は、トリガ操作部材8とは異なる位置に配置される。モード操作部材142は、ハンドル部6の側部に配置される。モード操作部材142は、+Z側のハンドル部6の右部及び-Z側のハンドル部6の左部の少なくとも一方に配置される。本実施形態において、モード操作部材142は、ハンドル部6の右部に配置される。
【0073】
ハンドルハウジング2Bは、モード操作部材142が配置される開口146を有する。モード操作部材142の少なくとも一部は、開口146に配置される。モード操作部材142の少なくとも一部は、ハンドルハウジング2Bの右面よりも右方に突出する。
【0074】
モード操作部材142は、円板状の部材である。モード操作部材142は、電動工具1Aの使用者に押されるプッシュボタンを含む。モード操作部材142は、モード信号出力装置144の少なくとも一部に接触可能な本体部材1421と、本体部材1421の表面と対向する位置に配置され開口146の内面に支持されるカバー部材1422と、本体部材1421に接続され開口146の内面に支持される弾性部材1423とを含む。
【0075】
モード信号出力装置144は、モード操作部材142の操作によりモード信号を出力可能な電子回路を含む。モード信号とは、モータ11の回転速度を変更させる指令信号をいう。モード信号出力装置144は、ハンドルハウジング2Bの内部に配置される。モード信号出力装置144は、支持部材148を介してトリガ信号出力装置9の右面に支持される。
【0076】
図1に示すように、X軸方向において、モード操作部材142は、ハンドル部6の中間部に配置される。Y軸方向において、モード操作部材142の寸法H142は、トリガ操作部材8の寸法H8よりも小さい。
【0077】
Y軸方向において、本体部4に最も近いモード操作部材142の上端部142Aと回転軸AXとの距離Haは、本体部4に最も近いトリガ操作部材8の上端部8Aと回転軸AXとの距離Hbよりも長い。モード操作部材142の上端部142Aは、トリガ操作部材8の上端部8Aよりも下方に配置される。
【0078】
Y軸方向において、本体部4から最も遠いモード操作部材142の下端部142Bと回転軸AXとの距離Hcは、本体部4から最も遠いトリガ操作部材8の下端部8Bと回転軸AXとの距離Hdよりも短い。モード操作部材142の下端部142Bは、トリガ操作部材8の下端部8Bよりも上方に配置される。
【0079】
すなわち、Y軸方向において、モード操作部材142は、トリガ操作部材8の上端部8Aと下端部8Bとの間に配置される。
【0080】
モード操作部材142は、電動工具1Aの使用者に操作される。モード操作部材142が操作されると、ハンドルハウジング2Bの内部に収容されているモード信号出力装置144がモード信号を出力する。モード信号出力装置144からモード信号が出力されると、モータ11の回転速度の設定値が変更される。
【0081】
電動工具1Aの使用者は、ハンドル部6を手で握った状態で、指でモード操作部材142を操作することができる。モード操作部材142がハンドルハウジング2Bの内部に押し込まれるように操作されることにより、本体部材1421とモード信号出力装置144とが接触し、モード信号出力装置144からモード信号が出力される。モード操作部材142の操作が解除されると、弾性部材1423の弾性力により、本体部材1421は、モード信号出力装置144から離れるように移動する。本体部材1421がモード信号出力装置144から離れることにより、モード信号出力装置144からのモード信号の出力が停止する。
【0082】
<制御装置>
制御装置33は、電動工具1Aを制御する。
図3に示すように、制御装置33は、制御回路基板を含み、バッテリ装着部29の内部に配置される。
【0083】
図5は、本実施形態に係る電動工具1Aを示す機能ブロック図である。制御装置33は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサと、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリと、入出力回路を含むインターフェースとを有する。
【0084】
制御装置33に、ターミナル35と、トリガ信号出力装置9と、モード信号出力装置144と、操作パネル44と、モータ11とが接続される。バッテリ31は、ターミナル35を介して制御装置33に接続される。
【0085】
操作パネル44は、ハンマ16の打撃力を変更するために操作される打撃力切換ボタン44Aと、表示装置44Bとを有する。表示装置44Bは、モータ11の回転速度を表示するモード表示部、ハンマ16の打撃力を表示する打撃力表示部、及びバッテリ31の残量を表示するバッテリ残量表示部を含む。
【0086】
モード操作部材142が操作されると、制御装置33は、モード操作部材142が操作される毎に、モード信号出力装置144から出力されたモード信号に基づいて、モータ11の回転速度の設定値を、「最高」、「高」、「中」、「低」の4段階で順次切り換える。バッテリ31がバッテリ装着部29に装着された初期状態において、制御装置33は、モータ11の回転速度を「最高」に設定する。
【0087】
モータ11の回転速度が「最高」に設定されている状態で、モード操作部材142が1回操作されると、制御装置33は、モータ11の回転速度を「高」に変更する。
【0088】
モータ11の回転速度が「高」に設定されている状態で、モード操作部材142が1回操作されると、制御装置33は、モータ11の回転速度を「中」に変更する。
【0089】
モータ11の回転速度が「中」に設定されている状態で、モード操作部材142が1回操作されると、制御装置33は、モータ11の回転速度を「低」に変更する。
【0090】
モータ11の回転速度が「低」に設定されている状態で、モード操作部材142が1回操作されると、制御装置33は、モータ11の回転速度を「最高」に変更する。
【0091】
制御装置33は、設定されたモータ11の回転速度を表示装置44Bのモード表示部に表示させる。
【0092】
トリガ操作部材8が操作されると、制御装置33は、トリガ信号出力装置9から出力されたトリガ信号に基づいて、モード変更スイッチ140により設定された回転速度を上限として、モータ11を作動させる制御信号をモータ11に出力する。
【0093】
なお、制御装置33は、トリガ操作部材8の操作量に基づいて、モード変更スイッチ140により設定された回転速度を上限として、モータ11の回転速度を調整してもよい。例えば、トリガ操作部材8の操作量が小さい場合、モータ11を低速で回転させ、トリガ操作部材8の操作量が大きい場合、モータ11を高速で回転させてもよい。
【0094】
また、操作パネル44の打撃力切換ボタン44Aが操作されると、制御装置33は、打撃力切換ボタン44Aが操作される毎に、打撃力の設定値を「最強」、「強」、「中」、「弱」の4段階で順次切り換える。制御装置33は、設定された打撃力を表示装置44Bの打撃力表示部に表示させる。
【0095】
<使用例>
図6は、本実施形態に係る電動工具1Aを後方から見た斜視図である。
図6に示すように、使用者は、例えば右手でハンドル部6を保持することができる。使用者は、右手でハンドル部6を保持した状態で、右手の人差指でトリガ操作部材8を操作することができる。
【0096】
モード操作部材142がハンドル部6の上部の右部に配置されている。これにより、使用者は、右手でハンドル部6を保持した状態で、右手の親指でモード操作部材142を操作することができる。
【0097】
使用者は、親指でモード操作部材142を操作して、モータ11の回転速度を設定する。使用者は、表示装置44Bのモード表示部を見て、設定されるモータ11の回転速度を確認しながら、親指でモード操作部材142を操作して、モータ11の回転速度を変更することができる。
【0098】
モータ11の回転速度が設定された後、使用者は、人差指でトリガ操作部材8を操作する。これにより、モータ11が起動する。モータ11は、モード変更スイッチ140により設定された回転速度を上限として回転する。
【0099】
また、モータ11の回転により、ファン10が回転する。ファン10の回転により、モータハウジング2Aの外部の空気が吸気口25を介してモータハウジング2Aの内部に流入し、モータハウジング2Aの内部の空気が排気口24を介して排出される。これにより、モータ11が冷却される。
【0100】
モータ11で発生した回転力は、減速機構12により減速された後、減速機構12を介してスピンドル13に伝達され、スピンドル13が回転する。スピンドル13の回転力は、ハンマ16を介してアンビル17に伝達される。これにより、アンビル17に保持されている先端工具が回転し、使用者は、電動工具1Aで作業を実施することができる。
【0101】
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、モード操作部材142がハンドル部6に配置される。これにより、使用者は、手でハンドル部6を握った状態で、指でモード操作部材142を操作して、モータ11の回転速度を変更することができる。本実施形態において、使用者は、例えば右手でハンドル部6を握った状態で、左手を使うことなく、モード操作部材142及びトリガ操作部材8の両方を操作することができる。したがって、電動工具1Aの操作性の低下が抑制される。
【0102】
X軸方向において、モード操作部材142は、トリガ操作部材8とは異なる位置に配置される。これにより、使用者は、例えば右手でハンドル部6を握った状態で、右手の人差指でトリガ操作部材8を操作し、右手の親指でモード操作部材142を操作することができる。
【0103】
Y軸方向において、モード操作部材142の上端部142Aと回転軸AXとの距離Haは、トリガ操作部材8の上端部8Aと回転軸AXとの距離Hbよりも長い。これにより、使用者は、手でハンドル部6を握った状態で、親指でモード操作部材142を円滑に操作することができる。
【0104】
Y軸方向において、モード操作部材142は、トリガ操作部材8の上端部8Aと下端部8Bとの間に配置される。これにより、モード操作部材142の誤操作が抑制される。モード操作部材142がトリガ操作部材8よりも下方に配置されると、ハンドル部6を握る手の少なくとも一部がモード操作部材142に触れる可能性が高くなる。その結果、モード操作部材142が使用者の意に反して操作されてしまう可能性がある。本実施形態においては、Y軸方向において、モード操作部材142は、トリガ操作部材8の上端部8Aと下端部8Bとの間に配置される。そのため、ハンドル部6を握る手がモード操作部材142に触れてしまうことが抑制される。したがって、モード操作部材142の誤操作が抑制される。
【0105】
モード操作部材142は、ハンドル部6の右部に配置される。これにより、使用者は、右手でハンドル部6を握った状態で、右手の親指でモード操作部材142を操作することができる。
【0106】
<変形例>
図7は、本実施形態に係る電動工具1Aを前方から見た斜視図である。
図7に示すように、モード操作部材142は、ハンドル部6の左部に配置されてもよい。Y軸方向において、モード操作部材142は、トリガ操作部材8の上端部8Aと下端部8Bとの間に配置される。これにより、使用者は、左手でハンドル部6を握った状態で、右手を使うことなく、左手の親指でモード操作部材142を操作し、左手の人差指でトリガ操作部材8を操作することができる。
【0107】
図8は、本実施形態に係る電動工具1Aを後方から見た斜視図である。
図8に示すように、モード操作部材142は、-X側のハンドル部6の後部に配置されてもよい。Y軸方向において、モード操作部材142は、トリガ操作部材8の上端部8Aと下端部8Bとの間に配置される。使用者は、片手でハンドル部6を握った状態で、親指でモード操作部材142を操作し、人差指でトリガ操作部材8を操作することができる。
【0108】
図9は、本実施形態に係る電動工具1Aを右方から見た側面図である。
図9に示すように、Y軸方向において、バッテリ装着部29に最も近いモード操作部材142の下端部142Bとバッテリ装着部29の装着面32との距離Heは、バッテリ装着部29に最も近いトリガ操作部材8の下端部8Bとバッテリ装着部29の装着面32との距離Hfよりも短くてもよい。すなわち、モード操作部材142の下端部142Bは、トリガ操作部材8の下端部8Bよりも下方に配置されてもよい。つまり、Y軸方向において、モード操作部材142の少なくとも一部が、トリガ操作部材8の下端部8Bよりも下方に配置されてもよい。
【0109】
図9は、モード操作部材142の上端部142Aがトリガ操作部材8の下端部8Bよりも+Y側に配置されている例を示す。なお、モード操作部材142の上端部142Aがトリガ操作部材8の上端部8Aよりも+Y側に配置され、モード操作部材142の下端部142Bがトリガ操作部材8の下端部8Bよりも-Y側に配置されてもよい。すなわち、Y軸方向において、モード操作部材142の寸法H142は、トリガ操作部材8の寸法H8よりも大きくてもよい。
【0110】
図9は、モード操作部材142がハンドル部6の右部に設けられる例を示す。Y軸方向において少なくとも一部がトリガ操作部材8の下端部8Bよりも下方に配置されるモード操作部材142が、ハンドル部6の左部に設けられてもよいし、ハンドル部6の後部に設けられてもよい。
【0111】
図10は、本実施形態に係る電動工具1Aを後方から見た斜視図である。
図10は、Y軸方向において、モード操作部材142とトリガ操作部材8とが異なる位置に配置される例を示す。
【0112】
図10に示すように、モード操作部材142は、ハンドル部6の後部において、トリガ操作部材8よりも下方に配置されてもよい。すなわち、Y軸方向において、モード操作部材142の上端部142A及び下端部142Bの両方が、トリガ操作部材8の下端部8Bよりも下方に配置されてもよい。換言すれば、Y軸方向において、モード操作部材142と回転軸AXとの距離は、トリガ操作部材8と回転軸AXとの距離よりも長くてもよい。
【0113】
なお、
図10の点線で示すように、モード操作部材142の上端部142A及び下端部142Bの両方が、ハンドル部6の右部及び左部の少なくとも一方において、トリガ操作部材8の下端部8Bよりも下方に配置されてもよい。
【0114】
図11は、本実施形態に係る電動工具1Aを前方から見た斜視図である。
図10と同様、
図11も、Y軸方向において、モード操作部材142とトリガ操作部材8とが異なる位置に配置される例を示す。
【0115】
図11に示すように、モード操作部材142は、ハンドル部6の前部において、トリガ操作部材8よりも下方に配置されてもよい。また、Y軸方向において、モード操作部材142は、ハンドル部6の中心よりも下方に配置されてもよい。
図11は、モード操作部材142がハンドル部6の下端部に配置される例を示す。
【0116】
Y軸方向において、バッテリ装着部29に最も近いモード操作部材142の下端部142Bとバッテリ装着部29の装着面32との距離Heは、バッテリ装着部29に最も近いトリガ操作部材8の下端部8Bとバッテリ装着部29の装着面32との距離Hfよりも短い。
【0117】
Y軸方向において、本体部4に最も近いモード操作部材142の上端部142Aとバッテリ装着部29の装着面32との距離Hgは、ハンドル部6の中心とバッテリ装着部29装着面32との距離Hhよりも短い。
【0118】
モード操作部材142がハンドル部6の下端部に配置されるので、使用者は、右手でハンドル部6を握った状態で、右手の人差指でトリガ操作部材8を操作し、右手の子指でモード操作部材142を操作することができる。
【0119】
なお、
図11の点線で示すように、モード操作部材142は、ハンドル部6の左部の下端部に配置されてもよい。この場合においても、使用者は、右手でハンドル部6を握った状態で、右手の子指でモード操作部材142を操作することができる。
【0120】
なお、モード操作部材142は、ハンドル部6の右部の下端部に配置されてもよい。この場合、使用者は、左手でハンドル部6を握った状態で、左手の子指でモード操作部材142を操作することができる。
【0121】
なお、モード操作部材142は、ハンドル部6の後部の下端部に配置されてもよい。
【0122】
なお、上述の実施形態において、モード操作部材142の上端部142Aは、トリガ操作部材8の上端部8Aよりも+Y側に配置されてもよい。また、モード操作部材142の上端部142Aがトリガ操作部材8の上端部8Aよりも+Y側に配置されている状態において、モード操作部材142の下端部142Bがトリガ操作部材8の下端部8Bよりも+Y側に配置されてもよいし、トリガ操作部材8の下端部8Bよりも-Y側に配置されてもよい。
【0123】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0124】
上述の実施形態においては、モード操作部材142がハンドル部6に設けられる例について説明した。本実施形態においては、モード操作部材142がバッテリ装着部29に設けられる例について説明する。
【0125】
図12は、本実施形態に係る電動工具1Bを前方から見た斜視図である。
図12に示すように、電動工具1Bは、本体部4と、Y軸方向に延在するハンドル部6と、ハンドル部6の-Y側の端部に接続されるバッテリ装着部29とを備える。
【0126】
上述の実施形態と同様、トリガ操作部材8は、ハンドル部6の前部に配置される。
【0127】
バッテリ装着部29は、バッテリ31が装着される装着面32及び操作パネル44を含む操作面40を有する。装着面32は、-Y側を向くバッテリ装着部29の下面の少なくとも一部を含む。操作面40は、+Y側を向くバッテリ装着部29の上面の少なくとも一部を含む。本実施形態において、操作面40は、ハンドル部6よりも前方に規定されるバッテリ装着部29の上面の一部の領域を含む。すなわち、操作面40は、バッテリ装着部29の上面のうちトリガ操作部材8の下方の領域を含む。
【0128】
モード操作部材142は、バッテリ装着部29の表面のうち、装着面32及び操作面40とは異なる規定面41に配置される。装着面32及び操作面40とは異なるバッテリ装着部29の規定面41は、バッテリ装着部29の左部の表面41A及び右部の表面41Bを含む。
図12に示す例において、モード操作部材142は、バッテリ装着部29の表面41Aに配置される。
【0129】
モード操作部材142がバッテリ装着部29の表面41Aに配置されるので、使用者は、右手でハンドル部6を握った状態で、右手の人差指でトリガ操作部材8を操作し、右手の子指でモード操作部材142を操作することができる。
【0130】
図13は、本実施形態に係る電動工具1Bを後方から見た斜視図である。
図13に示すように、モード操作部材142は、バッテリ装着部29の右部の表面41Bに配置されてもよい。これにより、使用者は、左手でハンドル部6を握った状態で、左手の人差指でトリガ操作部材8を操作し、左手の子指でモード操作部材142を操作することができる。
【0131】
なお、モード操作部材142が配置される規定面41は、ハンドル部6よりも後方のバッテリ装着部29の後部の表面41Cでもよい。
図13の点線で示すように、モード操作部材142は、表面41Cに配置されてもよい。
【0132】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0133】
本実施形態においては、モード操作部材142が本体部4に設けられる例について説明する。
【0134】
図14は、本実施形態に係る電動工具1Cを後方から見た斜視図である。モード操作部材142は、回転軸AXの周囲に配置される本体部4の側面に配置される。モード操作部材142は、本体部4の側面において、X軸方向の中心よりも+X側及び-X側の少なくとも一方に配置される。
図14は、モード操作部材142が本体部4の側面の前部及び後部のそれぞれに配置されている例を示す。以下の説明においては、側面の前部に配置されているモード操作部材142を適宜、モード操作部材142F、と称し、側面の後部に配置されているモード操作部材142を適宜、モード操作部材142R、と称する。
【0135】
Y軸方向において、モード操作部材142(142F,142R)は、回転軸AXよりも-Y側に配置される。すなわち、モード操作部材142は、本体部4の下部に設けられる。
【0136】
モード操作部材142Fは、例えばハンマケース21の周囲に配置される。モード操作部材142Fの少なくとも一部は、トリガ操作部材8の最も+X側の前端面8Fよりも+X側に配置される。
【0137】
モード操作部材142Rは、X軸方向において吸気口25と排気口24との間に配置される。モード操作部材142Rは、例えばモータ11の周囲に配置される。
【0138】
使用者は、右手でハンドル部6を握った状態で、例えば右手の中指でトリガ操作部材8を操作し、右手の人差指でモード操作部材142Fを操作し、右手の親指でモード操作部材142Rを操作することができる。モード操作部材142(142F,142R)は、回転軸AXよりも下方に配置されるので、使用者は、片手でハンドルを握った状態で、指をモード操作部材142(142F,142R)に届かせることができる。
【0139】
モード操作部材142F及びモード操作部材142Rの2つのモード操作部材142が配置される場合、制御装置33は、使用者の人差指及び親指によってモード操作部材142F及びモード操作部材142Rの両方が同時に操作されたときに、モータ11の回転速度を変更してもよい。
【0140】
なお、
図14に示す例において、モード操作部材142(142F,142R)が本体部4の右側の側面に設けられることとした。モード操作部材142(142F,142R)は、本体部4の左側の側面に設けられてもよい。
【0141】
なお、モード操作部材142Fは、トリガ操作部材8の前端面8Fよりも+X側に配置されなくてもよい。
【0142】
なお、モード操作部材142F及びモード操作部材142Rのいずれか一方が本体部4の側面に配置されてもよい。
【0143】
図15は、本実施形態に係る電動工具1Cを前方から見た斜視図である。モード操作部材142は、Y軸方向において回転軸AXよりもハンドル部6から離れた本体部4の上端面に配置される。また、モード操作部材142は、本体部4の上端面において、X軸方向の中心よりも+X側に配置される。Z軸方向において、モード操作部材142の少なくとも一部と回転軸AXとは一致する。なお、Z軸方向において、モード操作部材142と回転軸AXとは一致しなくてもよい。
【0144】
モード操作部材142は、ハンマケース21の周囲に配置される。モード操作部材142の少なくとも一部は、トリガ操作部材8の最も+X側の前端面8Fよりも+X側に配置される。
【0145】
使用者は、片手でハンドル部6を握った状態で、例えば中指でトリガ操作部材8を操作し、人差指でモード操作部材142を操作することができる。
【0146】
なお、モード操作部材142は、トリガ操作部材8の前端面8Fよりも+X側に配置されなくてもよい。
【0147】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0148】
本実施形態において、電動工具1Dは、ドライバドリルである。
【0149】
図16は、本実施形態に係る電動工具1Dを後方から見た斜視図である。電動工具1Dは、モータ11を含む本体部4と、本体部4の下部に接続され-Y方向に延在するハンドル部6と、ハンドル部6の下端部に接続されバッテリ31が装着されるバッテリ装着部29とを有する。
【0150】
ハンドル部6の前部にトリガ操作部材8が配置される。本体部4の下端部に正逆切換スイッチ28が配置される。バッテリ装着部29の上面の一部に操作パネル44を含む操作面40が規定される。本体部4は、前端部に配置されたドリルチャック18と、締め付け力切換リング19とを含む。ドリルチャック18は、先端工具を保持して回転軸AXを中心に回転可能である。回転軸AXは、X軸と平行である。
【0151】
電動工具1Dの表面の少なくとも一部にモード操作部材142が配置される。モード操作部材142は、ハンドル部6に配置される。X軸方向において、モード操作部材142は、トリガ操作部材8とは異なる位置に配置される。
図16に示すように、モード操作部材142は、ハンドル部6の右部に配置されてもよい。Y軸方向において、モード操作部材142は、トリガ操作部材8の上端部8Aと下端部8Bとの間に配置されてもよい。モード操作部材142は、ハンドル部6の左部に配置されてもよい。
【0152】
図16の点線で示すように、モード操作部材142は、ハンドル部6の後部に配置されてもよい。Y軸方向において、モード操作部材142の少なくとも一部がトリガ操作部材8よりも下方に配置されてもよい。
【0153】
モード操作部材142は、ハンドル部6の右部、左部、及び後部の少なくとも一つの下端部に配置されてもよい。
【0154】
図17は、本実施形態に係る電動工具1Dを前方から見た斜視図である。
図17に示すように、モード操作部材142は、ハンドル部6の前部に配置されてもよい。モード操作部材142は、ハンドル部6の前部においてハンドル部6の下端部に配置されてもよい。
図17の点線で示すように、モード操作部材142は、装着面32及び操作面40とは異なるバッテリ装着部29の規定面41に配置されてもよい。
【0155】
また、図示は省略するが、上述の実施形態と同様、モード操作部材142は、本体部4の表面の少なくとも一部に配置されてもよい。
【0156】
[第5実施形態]
第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0157】
本実施形態において、電動工具1Eは、スクリュードライバである。
【0158】
図18は、本実施形態に係る電動工具1Eを後方から見た斜視図である。電動工具1Eは、モータを含む本体部4と、モータの回転軸AXと平行なX軸方向において少なくとも一部が本体部4とは異なる位置に配置され、本体部4に接続されるハンドル部6と、本体部4及びハンドル部6のそれぞれに接続され、バッテリ31が装着される装着面32及び操作パネル44を含む操作面40を有するバッテリ装着部29と、ハンドル部6に配置され、モータを起動するトリガ操作部材8とを備える。
【0159】
本体部4は、X軸方向に延在する。ハンドル部6は、Y軸方向に延在する。本体部4は、ハンドル部6よりも前方に配置される。本体部4の後部は、第1接続部45を介してハンドル部6の上端部に接続される。本体部4の下部は、第2接続部46を介してバッテリ装着部29に接続される。ハンドル部6の下端部は、バッテリ装着部29に接続される。本体部4の少なくとも一部、第1接続部45、ハンドル部6、バッテリ装着部29の少なくとも一部、及び第2接続部46により、ループが形成される。
【0160】
本体部4は、ロックリング47と、ドリルチャック18とを有する。ドリルチャック18は、先端工具を保持して回転軸AXを中心に回転可能である。
【0161】
ハンドル部6は、トリガ操作部材8と、正逆切換スイッチ28とを有する。トリガ操作部材8は、ハンドル部6の前部の上部に配置される。
【0162】
モード操作部材142は、本体部4、ハンドル部6、バッテリ装着部29の規定面41の少なくとも一部に配置される。規定面41は、装着面32及び操作面40とは異なるバッテリ装着部29の表面である。
【0163】
図18に示す例では、モード操作部材142は、ハンドル部6の上面に配置される。これにより、使用者は、片手でハンドル部6を握った状態で、人差指でトリガ操作部材8を操作し、親指でモード操作部材142を操作することができる。
【0164】
なお、
図18に点線で示すように、モード操作部材142は、ハンドル部6の後面の上部に配置されてもよい。この場合においても、使用者は、片手でハンドル部6を握った状態で、人差指でトリガ操作部材8を操作し、親指でモード操作部材142を操作することができる。
【0165】
なお、
図18に点線で示すように、モード操作部材142は、ハンドル部6よりも右側の規定面41に配置されてもよい。これにより、使用者は、右手でハンドル部6を握った状態で、右手の人差指でトリガ操作部材8を操作し、右手の子指でモード操作部材142を操作することができる。なお、モード操作部材142は、ハンドル部6よりも左側の規定面41に配置されてもよい。これにより、使用者は、左手でハンドル部6を握った状態で、左手の子指でモード操作部材142を操作することができる。
【0166】
図19は、本実施形態に係る電動工具1Eを前方から見た斜視図である。
図19に示すように、モード操作部材142は、ハンドル部6の前部に設けられてもよい。モード操作部材142は、トリガ操作部材8よりも下方に配置される。これにより、使用者は、片手でハンドル部6を保持した状態で、人差指でトリガ操作部材8を操作し、中指でモード操作部材142を操作することができる。
【0167】
なお、モード操作部材142は、本体部4の少なくとも一部に配置されてもよい。
【0168】
[第6実施形態]
第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0169】
本実施形態において、電動工具1Fは、アングルインパクトドライバである。
【0170】
図20は、本実施形態に係る電動工具1Fを後方から見た斜視図である。電動工具1Fは、モータ11及びアンビル17を有する本体部4と、本体部4に接続されるハンドル部6と、バッテリ31が装着されるバッテリ装着部29と、ハンドル部6に配置され、モータ11を起動するトリガ操作部材8とを備える。
【0171】
モータ11は、回転軸AXを中心に回転する。回転軸AXは、X軸と平行である。本体部4は、X軸方向に延在する。アンビル17は、モータ11の回転軸AXと交差する回転軸BXを中心に先端工具を保持して回転する。モータ11とアンビル17との間にべベルギヤを含む動力伝達機構が配置される。アンビル17の回転軸BXは、Y軸と平行である。
【0172】
ハンドル部6は、本体部4の後端部に接続される。ハンドル部6は、X軸方向に延在する。トリガ操作部材8は、ハンドル部6の下部に配置される。バッテリ装着部29は、ハンドル部6の後端部に接続される。
【0173】
モード操作部材142は、本体部4、ハンドル部6、及びバッテリ装着部29の少なくとも一部に配置される。
【0174】
図20に示すように、モード操作部材142は、ハンドル部6の上面に配置されてもよい。これにより、使用者は、片手でハンドル部6及びトリガ操作部材8を握った状態で、親指でモード操作部材142を操作することができる。
【0175】
図21は、本実施形態に係る電動工具1Fを前方から見た斜視図である。
図21に示すように、モード操作部材142は、ハンドル部6の左部に設けられてもよい。これにより、使用者は、右手でハンドル部6及びトリガ操作部材8を握った状態で、右手の親指でモード操作部材142を操作することができる。
【0176】
モード操作部材142は、ハンドル部6の右部に設けられてもよい。これにより、使用者は、左手でハンドル部6及びトリガ操作部材8を握った状態で、左手の親指でモード操作部材142を操作することができる。
【0177】
また、
図21の点線で示すように、モード操作部材142は、バッテリ装着部29に配置されてもよい。これにより、使用者は、片手でハンドル部6及びトリガ操作部材8を握った状態で、子指でモード操作部材142を操作することができる。
【0178】
なお、モード操作部材142は、本体部4の少なくとも一部に配置されてもよい。
【0179】
[第7実施形態]
第7実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0180】
上述の実施形態においては、モード操作部材142がプッシュボタンである例について説明した。モード操作部材の少なくとも一部がハウジング2の表面と平行な方向に移動することにより、モータ11の回転速度が変更されてもよい。
【0181】
図22は、本実施形態に係る電動工具1Gを後方から見た斜視図である。本実施形態において、電動工具1Gは、インパクトドライバである。
【0182】
図22に示すように、電動工具1Gは、モータ11を含む本体部4、本体部4に接続されるハンドル部6、及びバッテリ31が装着されるバッテリ装着部29のそれぞれの表面を規定するハウジング2と、ハンドル部6に配置され、モータ11を起動するトリガ操作部材8と、モータ11の回転速度を変更するモード操作部材150とを備える。
【0183】
ハウジング2は、モータハウジング2A、リアハウジング20、フロントハウジング26、ハンドルハウジング2B、及びバッテリ装着ハウジング2Cを含む。
【0184】
モード操作部材150は、本体部4、ハンドル部6、バッテリ装着部29の少なくとも一部に配置され、少なくとも一部がハウジング2の表面と平行な方向に移動して、モータ11の回転速度を変更する。
【0185】
図22に示す例において、モード操作部材150は、本体部4の後部の表面に配置されたスライド部材を含む。モード操作部材150は、リアハウジング20の表面と平行な方向にスライド可能である。
図22に示す例において、リアハウジング20の表面は、実質的にYZ平面と平行である。モード操作部材150は、Y軸方向に移動可能である。
【0186】
図23は、本実施形態に係るモード操作部材150を示す図である。
図22及び
図23に示すように、モード操作部材150をガイドするガイド溝150Gがリアハウジング20に形成される。ガイド溝150Gは、Y軸方向に延在する。
【0187】
モード操作部材150は、ガイド溝150GにガイドされながらY軸方向に移動する。モード操作部材150は、第1操作方向である+Y方向及び第1操作方向とは異なる第2操作方向である-Y方向のそれぞれに移動可能である。
【0188】
モード操作部材150は、Y軸方向に規定された複数の位置のそれぞれに移動可能である。モード操作部材150が移動することにより、モータ11の回転速度が変更される。
【0189】
モード操作部材150は、Y軸方向に規定された4つの位置のそれぞれに移動可能である。最も+Y側の第1位置にモード操作部材150が移動されることにより、モータ11の回転速度は「最高」に設定される。第1位置に次いで+Y側の第2位置にモード操作部材150が移動されることにより、モータ11の回転速度は「最高」よりも低い「高」に設定される。第2位置に次いで+Y側の第3位置にモード操作部材150が移動されることにより、モータ11の回転速度は「高」よりも低い「中」に設定される。4つの位置のうち最も-Y側の第4位置にモード操作部材150が移動されることにより、モータ11の回転速度は「中」よりも低い「低」に設定される。
【0190】
また、例えば第3位置に配置されているモード操作部材150が+Y方向に操作されることにより、モータ11の回転速度は「中」から「高」に変更され、第3位置に配置されているモード操作部材150が-Y方向に操作されることにより、モータ11の回転速度は「中」から「低」に変更される。同様に、例えば第2位置に配置されているモード操作部材150が+Y方向に操作されることにより、モータ11の回転速度は「高」から「最高」に変更され、第2位置に配置されているモード操作部材150が-Y方向に操作されることにより、モータ11の回転速度は「高」から「中」に変更される。
【0191】
使用者は、片手でハンドル部6を握った状態で、例えば親指を使ってモード操作部材150を操作することができる。モード操作部材150は、ハウジング2の表面と平行な方向にスライドするので、使用者は良好な操作性でモード操作部材150を操作することができる。
【0192】
また、モード操作部材150が第1操作方向に操作されることにより、モータ11の回転速度は高速になり、モード操作部材150が第2操作方向に操作されることにより、モータ11の回転速度は低速になる。これにより、プッシュボタン方式に比べて、少ない操作回数で、モータ11を任意の回転速度に設定することができる。
【0193】
なお、モード操作部材150は、電動工具1Gの任意の位置に配置することができる。使用者が片手でハンドル部6を握った状態において、指でモード操作部材150を操作可能であれば、モード操作部材150は、電動工具1Gの表面の任意の位置に配置することができる。
【0194】
モード操作部材150の移動方向は、モード操作部材150が配置される位置に基づいて任意に設定することができる。例えばX軸方向にスライドするモード操作部材150がハンドル部6の右部の上端部又は本体部4の右部に配置されることにより、使用者は、右手でハンドル部6を握った状態で、例えば右手の親指を使ってモード操作部材150をX軸方向に良好な操作性でスライドさせることができる。なお、X軸方向及びZ軸方向の少なくとも一方にスライド可能なモード操作部材150が本体部4の上面に配置されてもよい。
【0195】
X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の少なくとも一つの方向にスライド可能なモード操作部材150がハンドル部6の下端部に配置されてもよい。これにより、使用者は、片手でハンドル部6を握った状態で、例えば子指を使ってモード操作部材150をスライドさせることができる。
【0196】
また、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の少なくとも一つの方向にスライド可能なモード操作部材150がバッテリ装着部29に配置されてもよい。これにより、使用者は、片手でハンドル部6を握った状態で、例えば子指を使ってモード操作部材150をスライドさせることができる。
【0197】
なお、ハウジング2の表面と平行な方向に移動可能なモード操作部材は、スライド部材に限定されない。
【0198】
図24は、本実施形態に係るモード操作部材151を示す図である。
図24は、モード操作部材151が、ハウジング2の表面と平行な面内において回転するダイヤル部材である例を示す。モード操作部材151は、ハウジング2の表面と直交する回転軸CXを中心に回転可能にハウジング2に支持される。回転軸CXを中心に回転することにより、モード操作部材151の少なくとも一部は、ハウジング2の表面と平行な方向に移動する。
【0199】
モード操作部材151は、回転軸CXを中心とする第1操作方向である一方向及び第1操作方向とは異なる第2操作方向である逆方向のそれぞれに回転可能である。
【0200】
モード操作部材151は、回転軸CXの周囲に規定された複数の位置のそれぞれに回転可能である。モード操作部材151が回転することにより、モータ11の回転速度が変更される。
【0201】
モード操作部材151は、回転軸CXの周囲に規定された4つの位置のそれぞれに移動可能である。回転軸CXの周囲の第5位置にモード操作部材151が移動されることにより、モータ11の回転速度は「最高」に設定される。回転軸CXの周囲において第5位置の一方の隣の第6位置にモード操作部材151が移動されることにより、モータ11の回転速度は「高」に設定される。回転軸CXの周囲において第6位置の一方の隣の第7位置にモード操作部材151が移動されることにより、モータ11の回転速度は「中」に設定される。回転軸CXの周囲において第7位置の一方の隣の第8位置にモード操作部材151が移動されることにより、モータ11の回転速度は「低」に設定される。
【0202】
また、例えば第7位置に配置されているモード操作部材151が一方向に操作されることにより、モータ11の回転速度は「中」から「低」に変更され、第7位置に配置されているモード操作部材151が逆方向に操作されることにより、モータ11の回転速度は「中」から「高」に変更される。同様に、例えば第6位置に配置されているモード操作部材151が一方向に操作されることにより、モータ11の回転速度は「高」から「中」に変更され、第6位置に配置されているモード操作部材151が逆方向に操作されることにより、モータ11の回転速度は「高」から「最高」の回転速度に変更される。
【0203】
使用者は、片手でハンドル部6を握った状態で、指を使ってモード操作部材151を操作することができる。モード操作部材151は、ハウジング2の表面と平行な面内において回転するので、使用者は良好な操作性でモード操作部材151を操作することができる。
【0204】
モード操作部材151が第1操作方向に操作されることにより、モータ11の回転速度は低速になり、モード操作部材150が第2操作方向に操作されることにより、モータ11の回転速度は高速になる。これにより、少ない操作回数で、モータ11を任意の回転速度に設定することができる。
【0205】
モード操作部材151は、電動工具1Gの任意の位置に配置することができる。使用者が片手でハンドル部6を保持した状態において、指でモード操作部材151を操作可能であれば、モード操作部材151は、電動工具1Gの表面の任意の位置に配置することができる。モード操作部材151は、本体部4の表面の少なくとも一部に配置されてもよいし、ハンドル部6の表面の少なくとも一部に配置されてもよいし、バッテリ装着部29の表面の少なくとも一部に配置されてもよい。
【0206】
図25は、本実施形態に係るモード操作部材152を示す図である。
図25は、モード操作部材152が、ハウジング2の表面と平行な方向に移動する先端部を有するレバー部材である例を示す。モード操作部材152は、ハウジング2に支持される基端部を有し、基端部を中心に傾斜する。モード操作部材152が傾斜することにより、モード操作部材152の先端部は、ハウジング2の表面と平行な方向に移動する。
【0207】
モード操作部材152は、基端部を中心とする第1操作方向である一方向及び第1操作方向とは異なる第2操作方向である逆方向のそれぞれに傾斜可能である。
【0208】
モード操作部材152の先端部は、複数の位置のそれぞれに回転可能である。モード操作部材152が傾斜して、モード操作部材152の先端部が移動することにより、モータ11の回転速度が変更される。
【0209】
モード操作部材152は、4つの位置のそれぞれに移動可能である。第9位置にモード操作部材152が移動されることにより、モータ11の回転速度は「最高」に設定される。第9位置の一方の隣の第10位置にモード操作部材152が移動されることにより、モータ11の回転速度は「高」に設定される。第10位置の一方の隣の第11位置にモード操作部材152が移動されることにより、モータ11の回転速度は「中」に設定される。第11位置の一方の隣の第12位置にモード操作部材152が移動されることにより、モータ11の回転速度は「低」に設定される。
【0210】
例えば第11位置に配置されているモード操作部材152が一方向に操作されることにより、モータ11の回転速度は「中」から「低」に変更され、第11位置に配置されているモード操作部材152が逆方向に操作されることにより、モータ11の回転速度は「中」から「高」に変更される。同様に、例えば第10位置に配置されているモード操作部材152が一方向に操作されることにより、モータ11の回転速度は「高」から「中」に変更され、第10位置に配置されているモード操作部材152が逆方向に操作されることにより、モータ11の回転速度は「高」から「最高」に変更される。
【0211】
使用者は、片手でハンドル部6を保持した状態で、指を使ってモード操作部材152を操作することができる。モード操作部材152は、ハウジング2の表面と平行な方向に移動するので、使用者は良好な操作性でモード操作部材152を操作することができる。
【0212】
モード操作部材152が第1操作方向に操作されることにより、モータ11の回転速度は低速になり、モード操作部材152が第2操作方向に操作されることにより、モータ11の回転速度は高速になる。これにより、少ない操作回数で、モータ11を任意の回転速度に設定することができる。
【0213】
モード操作部材152は、電動工具1Gの任意の位置に配置することができる。使用者が片手でハンドル部6を握った状態において、指でモード操作部材152を操作可能であれば、モード操作部材152は、電動工具1Gの表面の任意の位置に配置することができる。モード操作部材152は、本体部4の表面の少なくとも一部に配置されてもよいし、ハンドル部6の表面の少なくとも一部に配置されてもよいし、バッテリ装着部29の表面の少なくとも一部に配置されてもよい。
【0214】
なお、本実施形態において、電動工具1Gは、インパクトドライバであることとした。電動工具1Gは、上述の実施形態で説明したような、ドライバドリル、スクリュードライバ、及びアングルインパクトドライバの少なくとも一つでもよい。
【0215】
また、電動工具1は、ねじ締めを実施する電動工具に限定されない。電動工具1は、マルノコ、レシプロソー、グラインダ、ハンマドリル、チェンソー、草刈機、及びヘッジトリマの少なくとも一つでもよい。なお、ハンマドリル及びレシプロソーにおいて、先端工具を着脱可能に保持して駆動する出力部は、先端工具を往復移動させることとなる。
【0216】
なお、上述の実施形態において、電動工具1の電源は、バッテリ31でなくてもよい。電動工具1は、AC(Alternating Current)コンセントから供給される電力に基づいて作動してもよい。
【符号の説明】
【0217】
1A,1B,1C…電動工具(インパクトドライバ)、1D…電動工具(ドライバドリル)、1E…電動工具(スクリュードライバ)、1F…電動工具(アングルインパクトドライバ)、1G…電動工具、2…ハウジング、2A…モータハウジング、2B…ハンドルハウジング、2C…バッテリ装着ハウジング、3…開口、4…本体部、5…弾性部材、6…ハンドル部、7…メインスイッチ、8…トリガ操作部材、8A…上端部(一端部)、8B…下端部(他端部)、8F…前端面、9…トリガ信号出力装置、10…ファン、11…モータ、12…減速機構、13…スピンドル、14…スプリング、16…ハンマ、17…アンビル、18…ドリルチャック、19…締め付け力切換リング、20…リアハウジング、21…ハンマケース、24…排気口、25…吸気口、26…フロントハウジング、27…バンパ、28…正逆切換スイッチ、29…バッテリ装着部、30…バッテリボタン、31…バッテリ、32…装着面、33…制御装置、34…隆起部、35…ターミナル、36…バッテリ爪、37…バッテリ装着凹部、38…フック、39…フック用溝、40…操作面、41…規定面、41A…表面、41B…表面、42…ストラップ、44…操作パネル、44A…打撃力切換ボタン、44B…表示装置、45…第1接続部、46…第2接続部、47…ロックリング、51…ステータ、52…ロータ、54…固定子鉄心、56…前絶縁部材、58…後絶縁部材、60…コイル、62…センサ基板、64…端子部、66…モータ軸、68…回転子鉄心、70…永久磁石、72…スリーブ、74…モータ前軸受、75…ベアリングリテーナ、76…ピニオンギヤ、77…モータ後軸受、78…ファンスリーブ、80…内歯ギヤ、82…遊星歯車、84…ピン、90…円板部、94…スピンドル軸受、96…ハウジングリブ、98…リテーナリブ、100…内孔、101…凹部、102…スプリングボール、104…ハンマワッシャ、106…ハンマボール、112…チャック、114…フランジ部、116…アンビル軸受、118…前端部、120…アンビル孔、122…チャックスリーブ、124…チャックスプリング、126…チャックワッシャ、127…チャックスプリング固定部材、128…チャックボール、130…チャック前孔部、132…チャックボール固定部、140…モード変更スイッチ、142…モード操作部材、142A…上端部(一端部)、142B…下端部(他端部)、142F…モード操作部材、142R…モード操作部材、144…モード信号出力装置、146…開口、148…支持部材、150…モード操作部材(スライド部材)、150G…ガイド溝、151…モード操作部材(ダイヤル部材)、152…モード操作部材(レバー部材)、160…前照灯、1421…本体部材、1422…カバー部材、1423…弾性部材、AX…回転軸、BX…回転軸、CX…回転軸、Ca…変曲点、Cb…変曲点、Cc…変曲点、Cd…変曲点、H8…寸法、H142…寸法、L4…寸法、L6…寸法、L29…寸法、W4…寸法、W8…寸法、W6…寸法、W29…寸法。