IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴィジテック アーエスの特許一覧

特許7514910リソグラフィシステム内でのリアルタイムの位置合わせ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】リソグラフィシステム内でのリアルタイムの位置合わせ
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/00 20060101AFI20240704BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20240704BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
G03F9/00 A
G01B11/00 H
H05K3/00 H
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022500889
(86)(22)【出願日】2020-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 EP2020068286
(87)【国際公開番号】W WO2021004826
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】20190876
(32)【優先日】2019-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】517219029
【氏名又は名称】ヴィジテック アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】タフュール, エイヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ヨルゲンセン, トロンド
(72)【発明者】
【氏名】カークホーン, エンドレ
(72)【発明者】
【氏名】アルメダル, ロイ
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-363590(JP,A)
【文献】特開2006-178056(JP,A)
【文献】特開2008-089868(JP,A)
【文献】特開2016-197241(JP,A)
【文献】特表2016-535300(JP,A)
【文献】特開2017-067992(JP,A)
【文献】特表2017-538139(JP,A)
【文献】特表2018-500605(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0139815(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 9/00
G01B 11/00
H05K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフ印刷の間にリアルタイムで基準点を測定するためのデバイスであって、
露光ビームを提供する光源と、
-露光パターンに従って前記露光ビームを変調させる光変調器と、
カメラを備える測定システムであって、前記測定システムは、少なくとも1つの着目カメラ面積を定義し、高速カメラデータ転送を最適化することと、基板上に以前に配列されたいくつかの整合マークの位置を測定することとを行うように構成される測定システムと、
-制御ユニットを備える露光光学システムであって、前記露光光学システムは、前記光変調器によって提供される画像として、前記変調された露光ビームを前記基板上に送達する、露光光学システムと
を備え、
露光システム制御ユニットは、
-前記変調された露光ビームを送達することと同時に、前記整合マークの位置に基づいて、前記基板の配向を計算することと、
-前記基板の前記計算された配向に対して、前記変調された露光ビームの送達を制御し、前記基板上の後続の露光される画像の位置付けを制御することと
を行うように構成される、デバイス。
【請求項2】
整合マーク毎のXY位置および回転行列が、前記露光と同時に計算され、前記計算された位置/回転は、前記露光システム内で使用され、前記後続の露光される画像の位置付けを制御する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記露光パターンは、縞で提供され、各縞が露光されるにつれて、同一の縞内および/または印刷されるべき次の縞内の前記整合マークの位置が、測定される、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
ダイ上の電気接続パッドが、整合マークとして使用される、請求項1~のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
ダイの本体または前記本体の一部が、整合マークとして使用される、請求項1~のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記測定システムおよび前記露光光学システムは、少なくとも部分的に並行の光学経路を有する、請求項1~のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記カメラの着目画像面積は、前記露光光学システムに近接して位置付けられ、前記露光光学システムに機械的に接続される請求項4~のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記測定システムは、ラインセンサと同様に、自動集束レーザ光反射検出のための特別な着目カメラ面積を定義し、自動集束計算および自動集束調整のための高速カメラデータ転送のために、前記定義された特別な着目カメラ面積を利用する請求項4~のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記光源は、少なくとも1つの波長を伴う複数の光源を含む、請求項1~のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記露光光学システムは、投影レンズを備え、前記光源は、位置付けられ、前記投影レンズを通して光学的に結合される、請求項に記載のデバイス。
【請求項11】
リソグラフ印刷の間にリアルタイムで基準点を測定する方法であって、
-露光パターンに従って露光ビームを変調させるステップと、
-カメラの少なくとも1つの着目カメラ面積を定義し、高速カメラデータ転送を最適化するステップと、
前記カメラを使用して、基板上に以前に配列されたいくつかの整合マークの位置を測定するステップと、
-前記光変調器によって提供される画像として、前記変調された露光ビームを前記基板上に送達するステップと、
-前記露光と同時に、前記整合マークの位置に基づいて、前記基板の配向を計算するステップと、
-前記基板の前記計算された配向に対して、前記変調された露光ビームの送達を制御し、前記基板上の後続の露光される画像の位置付けを制御するステップと
を含む、方法。
【請求項12】
整合マーク毎のXY位置および回転行列を前記露光と同時に計算することと、前記計算された位置/回転を前記露光システム内で使用し、前記後続の露光される画像の位置付けを制御することとを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記露光パターンを縞で提供し、各縞が露光されるにつれて、同一の縞内および/または印刷されるべき次の縞内の前記整合マークの位置を測定することを含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定されるべき多数の基準点に関する要件を伴う細線直接描画リソグラフィのための感光性材料を露光するためのプロセスおよびデバイスに関し、カメラ捕捉、描画分析、計算、およびリアルタイムデータ転送および印刷が、全てリアルタイムで行われる。
【背景技術】
【0002】
レーザ直接描画(LDI)および直接描画(DI)リソグラフィ機械が、市場において良好に証明されており、PCBおよびウエハリソグラフィのような種々のリソグラフィ用途において使用されている。
【0003】
Orbotechs製NovougoおよびSchmoll製MDI TTは、そのような機械の典型的実施例である。
【0004】
LDI機械およびDI機械は、位置、回転、およびパターンワーピングの利点を利用するために基点および基準点の位置合わせ/測定を要求するため、従来の接触露光学機械およびステッパと比較して、ある限界を有する。位置合わせは、時間がかかり、直接描画リソグラフィは、多くの場合、従来の接触露光学機械およびステッパよりも遅い。しかしながら、より正確な層間印刷をもたらす位置、回転、およびワーピングの計算が後に続く位置合わせを用いて達成することができる正確度の利点は、ますます細い線/小さい空間がリソグラフィパターン内で使用されるとき、非常に有利である。
【0005】
(レーザ)直接描画リソグラフィシステム(LDI、DI)では、露光されるべき媒体(PCB、ウエハ、RDL、ディスプレイ、フィルム等)内の基準点/基点の測定は、プロセスの極めて重要な部分である。パターンを用いて露光されるべきである感光性材料を含有する媒体は、リソグラフィ機械の中に設置されると、位置誤差と、回転誤差とを有する。さらに、そのような媒体は、すでに、片側または両側に暴露される印刷されたパターンを有している場合がある。印刷されるべきパターンは、媒体の位置および回転、既存のパターン、既存の基準点、ならびに、その媒体に適用されるべきである既存のパターンと新しいパターンとの間の相互接続点に適合する必要がある。したがって、基準点/位置合わせ点は、測定されるべきそのようなパターンに定義され、次いで、印刷されるべきパターンは、媒体の実際の位置、回転、およびワーピングと既存のパターンまたは露光されるべきパターンとに適合するように改変されなければならない。
【0006】
そのような基準点の測定された位置/座標が、捕捉カメラおよび分析システムからリソグラフィシステムの印刷部分に転送される。位置合わせシステムおよび印刷システムを伴うリソグラフィ機械は、典型的には、レーザ走査装置(例えば、Orbotech製造Nouvogo)または変調光プロジェクタ(DLP/LCOS等)(例えば、Schmoll-maschinen製MDI TT等)を損なわせており、これらの座標が、印刷されるべきパターンの位置、回転、およびワーピングを計算するために使用される。
【0007】
典型的には、そのような位置合わせ座標が、リソグラフィコンピューティング/印刷システムに転送され、新しいパターンファイルが、計算され、その後、これらの計算に基づいて印刷される。これは、多かれ少なかれリアルタイムで行われ、あるシステムは、ソフトウェアを使用し、コンピュータ/CPUに、またはそれからデータを転送する一方、他のシステムは、FPGA/ビデオプロセッサもしくは類似物を使用して、リアルタイムでパターンを変更する。
【0008】
そのような測定は、典型的には、いくつかから数百の基準点に関して行われる。これらの基準点の位置合わせは、時間がかかり、そのようなリソグラフィシステムのスループットを減速させる。これは、実際の印刷のシャドウ時間が測定を行うために使用されるように、第2の媒体が印刷される間に第1の媒体上に測定ステーションを有するリソグラフィ機械を用いて補償される。しかしながら、そのようなリソグラフィシステムの印刷時間は、多くの場合、数秒から数分であり、したがって、多くの機械が利用される場合、システムまたはプロセスのスループットを低下させ始める前に行うことができる測定の数が、限定される。
【0009】
基準点/基点の数が多すぎるとき、測定は、非常に時間がかかる。携帯電話、スマートウォッチ、および、測定のより高度な正確度を要求する埋設ダイのための高度なパッケージング等(図1a参照)によって駆動される、パターン化におけるより小さい特徴サイズと組み合わせると、時間消費は、さらに多くなる。典型的DI PCBリソグラフィ機械は、5~15μmのパネル側間の正確度を伴う調整された位置合わせ/測定を実施することが可能である。新しい細線用途は、最低1μmおよびそれを下回ったナノメートル面積までの位置合わせ正確度を要求する。
【0010】
そのような正確な測定は、達成するには困難であり、(Rudolph製Jetstep 2300システム等のステッパのような)既存の高正確度および細線(10μm~数百nm線/空間)リソグラフィシステム上では、Rudolph製Fireflyシリーズ等の特別な測定機器が、使用される。測定機械が使用されるとき、測定されたデータは、新しいパターン計算のために、または、外部処理(位置、ワーピング回転等)からのすでに計算および改変されたパターンとともに、リソグラフィシステムに戻るように転送される必要がある。このプロセスは、多くの場合、遅く、工場プロセスSWを通して行われ、リアルタイムでは行われない。さらに、測定およびリソグラフィ機器は、同一の光学機械システムを共有していないため、測定は、リソグラフィシステムの外側で行われ、そのため、要求される正確度は、達成することが厄介であり得る。光学機械システムを共有することは、カメラシステムおよびリソグラフィシステムの光学機械熱効果に関する利点である。これは、より正確かつ高性能の較正を要求し、収率および工場全体に影響を及ぼし得る不確実性をもたらす。これらの2つの光学機械システムが組み合わせられると、位置合わせ測定のより高い正確度が、達成することが可能になり、カメラおよびプロジェクタが同一の光学経路、これによって、同一の光学機械的構造を共有するように位置合わせカメラが位置付けられるVisitech製リソグラフィシステムLLSフォトヘッドLLS 10およびLLS 04を参照されたい。Visitechの欧州特許出願第14200630.3号を参照されたい。このシステムは、図1に図示される。
【0011】
したがって、LDI機械およびDI機械/直接描画リソグラフィシステムは、基準点の数が多すぎる場合、かつ/または、位置合わせ正確度要件が非常に高い場合、スループットおよびコストの限界要因を有する。
【0012】
高度なパッケージング、埋設ダイ、FOWLP、FOPLP、2、5、および3D電子機器の新しい方法、ならびに、パターン線/空間に関するより高い正確度要件は、線/空間が小さい(例えば、10μmからナノメートル面積まで下回る)ことを要求する。これらの細線/空間要件はまた、位置合わせおよび位置/ワーピング正確度がより高いことも要求する。
【0013】
当業者が把握するように、ダイは、集積回路の文脈において、半導性材料の小型ブロックであり、その上に所与の機能回路が加工される。埋設ダイパッケージングでは、コンポーネントが、多重ステップ製造プロセスを使用して、基板の内側において埋設される。ダイ、複数のダイ、MEMS、または受動部材が、有機積層基板のコア内に横並びの方式において埋設されることができる。本発明の目的は、先行技術の問題を縮小する、リソグラフ印刷の間にリアルタイムで基準点を測定するための方法およびデバイスを提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、本特許の請求項の特徴を用いて達成される。
【0015】
一実施形態では、リソグラフ印刷の間にリアルタイムで基準点を測定するためのデバイスは、露光ビームを提供する光源と、露光パターンに従って露光ビームを変調させる光変調器と、基板上に以前に配列されたいくつかの整合マークの位置を測定するように構成される測定システムと、制御ユニットを備える露光光学システムとを備える。
【0016】
露光ビーム光源は、例えば、UV光源であってもよい。測定システムは、例えば、可視光または任意の他の便宜的な波長の光のビームを使用してもよい。
【0017】
一実施形態では、光源は、少なくとも1つの波長を伴う複数の光源(例えば、いくつかのLEDユニット)を含む。
【0018】
露光光学システムは、光変調器によって提供される画像として、変調された露光ビームを基板上に送達する。変調された露光ビームは、リソグラフ印刷のための材料上に露光されるべき画像を表す。
【0019】
一実施形態では、露光光学システムは、投影レンズを備え、光源/複数の光源は、投影レンズを通して光学的に結合されるように位置付けられる。光源は、他の実施形態では、露光光学システムの底部に位置付けられ、投影レンズを囲繞してもよい。
【0020】
整合マークは、基板上に印刷される、または物理的に設置される、または任意の他の方法において配列される専用のマークであってもよい。整合マークは、そのための場所が既知であり、したがって、基板の配向を計算するために使用され得る、すでに基板上にある、任意の適したマークであってもよい。一実施形態では、ダイ上の電気接続パッドが、整合マークとして使用される。代替実施形態では、ダイの本体または本体の一部が、整合マークとして使用されることができる。
【0021】
測定システムは、整合マークの位置を測定するためのシステムである。露光光学システム制御ユニットは、整合マークの位置に基づいて基板の配向を計算し、基板の計算された配向に対して、変調された露光ビームの送達を制御するように構成される。
【0022】
一実施形態では、測定システムは、カメラまたはカメラシステムを備える。カメラまたはカメラシステムは、高速分析および露光光学システム制御ユニットの内側におけるパターン計算モジュールへのデータ転送のために、カメラチップから直接FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはプロセッサ内への直接的な高データ率転送を使用するように配列されてもよい。
【0023】
現代のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)は、複雑なデジタル算出を実装するために、論理ゲートおよびRAMブロックの大きいリソースを有し、したがって、高データ率算出に適している。
【0024】
測定システムおよび露光光学システムは、少なくとも部分的に並行の光学経路を有する。例えば、測定システムの一部としてのカメラが、露光光学システムの光学経路内にそのピクチャ経路とともに設置されることができる。カメラは、露光光学システムと同一の光学系(例えば、ダイクロイックビーム分割器プリズムおよび投影レンズ等)を共有することができる。カメラは、光源変調器を伴う光学機械構造(光学部品搭載ユニット)を共有することができる。光源変調器は、例えば、DMD技術または類似物に基づく電子光プロジェクタである。露光内部(光学部品搭載ユニット等の光学機械的構造)および外部(露光光学システムフレームワークおよびシャーシ機械的構造)の両方によって引き起こされる、露光光学システムによって提供される露光された画像のための位置の任意の変形例もまた、同一の機械的構造として位置合わせカメラの位置に適用され、光学経路は、露光光学システムおよび位置合わせカメラの両方のために共有される。したがって、露光光学システムおよび位置合わせカメラの相対位置オフセットの頻繁な較正に関する要件は、要求されない。
【0025】
一実施形態では、カメラの着目画像面積は、露光光学システムに近接して位置付けられ、露光光学システムに機械的に接続される。
【0026】
カメラの着目画像面積は、センサラインの一部を規定することを可能にする特徴である。動作の間、ラインの規定された部分からのピクセル情報のみが、カメラから外に伝送される。カメラの着目画像面積はまた、フレームの幅も規定することができる。CCDセンサと対照的に、CMOSセンサは、ピクセルを並行して読み取るため、多くのCMOSセンサはまた、画像の一部のみを読み取る可能性をもたらし、したがって、画像処理に関連する情報を含有する画像面積に集中することが可能である。
【0027】
一実施形態では、測定システムは、着目カメラ面積(単数または複数)を定義し、高速カメラデータ転送を最適化する。例えば、測定システムは、ラインセンサと同様に、自動集束レーザ光反射検出のための特別な着目カメラ面積を定義し、自動集束計算および自動集束調整のための高速カメラデータ転送のために、定義された特別な着目カメラ面積を利用することができる。
【0028】
リソグラフ印刷の間にリアルタイムで基準点を測定する方法もまた、提供され得る。本方法は、一実施形態では、
-露光パターンに従って露光ビームを変調させるステップと、
-基板上に以前にパターン化されたいくつかの整合マークの位置を測定するステップと、
-光変調器によって提供される画像として、変調された露光ビームを基板上に送達するステップと、
-整合マークの位置に基づいて、基板の配向を計算するステップと、
-基板の計算された配向に対して、変調された露光ビームの送達を制御するステップと
を含む。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
リソグラフ印刷の間にリアルタイムで基準点を測定するためのデバイスであって、
露光ビームを提供する光源と、
-露光パターンに従って前記露光ビームを変調させる光変調器と、
-基板上に以前に配列されたいくつかの整合マークの位置を測定するように構成される測定システムと、
-制御ユニットを備える露光光学システムであって、前記露光光学システムは、前記光変調器によって提供される画像として、前記変調された露光ビームを前記基板上に送達する、露光光学システムと
を備え、
露光システム制御ユニットは、
-前記整合マークの位置に基づいて、前記基板の配向を計算することと、
-前記基板の前記計算された配向に対して、前記変調された露光ビームの送達を制御することと
を行うように構成される、デバイス。
(項目2)
整合マーク毎のXY位置および回転行列が、前記露光と同時に計算され、前記計算された位置/回転は、前記露光システム内で使用され、後続の露光される画像の位置付けを制御する、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
前記露光パターンは、縞で提供され、各縞が露光されるにつれて、同一の縞内および/または印刷されるべき次の縞内の前記整合マークの位置が、測定される、項目2に記載のデバイス。
(項目4)
前記測定システムは、カメラを備える、項目1に記載のデバイス。
(項目5)
カメラシステムは、高速分析および露光光学システム制御ユニット内のパターン計算モジュールへのデータ転送のために、カメラチップから直接FPGAまたはプロセッサ内への直接的な高データ率転送を使用するように配列される、項目4に記載のデバイス。
(項目6)
ダイ上の電気接続パッドが、整合マークとして使用される、項目1~5のいずれか1項に記載のデバイス。
(項目7)
ダイの本体または前記本体の一部が、整合マークとして使用される、項目1~6のいずれか1項に記載のデバイス。
(項目8)
前記測定システムおよび前記露光光学システムは、少なくとも部分的に並行の光学経路を有する、項目1~7のいずれか1項に記載のデバイス。
(項目9)
前記カメラの着目画像面積は、前記露光光学システムに近接して位置付けられ、前記露光光学システムに機械的に接続される、項目4~8のいずれか1項に記載のデバイス。
(項目10)
前記測定システムは、着目カメラ面積を定義し、高速カメラデータ転送を最適化する、項目4~9のいずれか1項に記載のデバイス。
(項目11)
前記測定システムは、ラインセンサと同様に、自動集束レーザ光反射検出のための特別な着目カメラ面積を定義し、自動集束計算および自動集束調整のための高速カメラデータ転送のために、前記定義された特別な着目カメラ面積を利用する、項目4~10のいずれか1項に記載のデバイス。
(項目12)
前記光源は、少なくとも1つの波長を伴う複数の光源を含む、項目1~11のいずれか1項に記載のデバイス。
(項目13)
前記露光光学システムは、投影レンズを備え、前記光源は、位置付けられ、前記投影レンズを通して光学的に結合される、項目12に記載のデバイス。
(項目14)
前記露光光学システムは、投影レンズを備え、前記光源は、前記露光光学システムの底部に位置付けられ、前記投影レンズを囲繞する、項目12に記載のデバイス。
(項目15)
リソグラフ印刷の間にリアルタイムで基準点を測定する方法であって、
-露光パターンに従って露光ビームを変調させるステップと、
-基板上に以前に配列されたいくつかの整合マークの位置を測定するステップと、
-前記光変調器によって提供される画像として、前記変調された露光ビームを前記基板上に送達するステップと、
-前記整合マークの位置に基づいて、前記基板の配向を計算するステップと、
-前記基板の前記計算された配向に対して、前記変調された露光ビームの送達を制御するステップと
を含む、方法。
(項目16)
整合マーク毎のXY位置および回転行列を前記露光と同時に計算することと、前記計算された位置/回転を前記露光システム内で使用し、後続の露光される画像の位置付けを制御することとを含む、項目15に記載のデバイス。
(項目17)
前記露光パターンを縞で提供し、各縞が露光されるにつれて、前記同一の縞内および/または印刷されるべき次の縞内の前記整合マークの位置を測定することを含む、項目2に記載のデバイス。
(項目18)
高速分析およびデータ転送のために、測定から直接計算FPGAまたはプロセッサへの直接的な高データ率転送を使用する、項目15に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明は、ここで、付随の図を参照することによって、より詳細に説明される。
【0030】
図1図1は、直接描画リソグラフィのための露光システムの実施例を示す。
図1a図1aは、直接描画リソグラフィの適用の種々の実施例を図式的に図示する。
図1b図1b~1cは、パターン正確度に関する高い要件を伴うコンポーネントの実施例を図示する。
図1c図1b~1cは、パターン正確度に関する高い要件を伴うコンポーネントの実施例を図示する。
図2a図2a~2bは、埋設ダイの実施例を図示する。
図2b図2a~2bは、埋設ダイの実施例を図示する。
図3図3~5は、埋設ダイを伴う高度なパッケージングの典型的プロセスを図示する。
図4図3~5は、埋設ダイを伴う高度なパッケージングの典型的プロセスを図示する。
図5図3~5は、埋設ダイを伴う高度なパッケージングの典型的プロセスを図示する。
図6図6a~6bは、埋設ダイを備えるウエハおよびパネルの実施例を示す。
図7図7~13は、直接描画リソグラフィのためのデバイスの露光およびカメラ捕捉のための光学要素の構成の実施例を示す。
図8図7~13は、直接描画リソグラフィのためのデバイスの露光およびカメラ捕捉のための光学要素の構成の実施例を示す。
図9図7~13は、直接描画リソグラフィのためのデバイスの露光およびカメラ捕捉のための光学要素の構成の実施例を示す。
図10図7~13は、直接描画リソグラフィのためのデバイスの露光およびカメラ捕捉のための光学要素の構成の実施例を示す。
図11図7~13は、直接描画リソグラフィのためのデバイスの露光およびカメラ捕捉のための光学要素の構成の実施例を示す。
図12図7~13は、直接描画リソグラフィのためのデバイスの露光およびカメラ捕捉のための光学要素の構成の実施例を示す。
図13図7~13は、直接描画リソグラフィのためのデバイスの露光およびカメラ捕捉のための光学要素の構成の実施例を示す。
図14a図14a~14dは、直接描画リソグラフィのためのデバイスの露光およびカメラ捕捉のための光学要素の異なる実施形態の詳細を示す。
図14b図14a~14dは、直接描画リソグラフィのためのデバイスの露光およびカメラ捕捉のための光学要素の異なる実施形態の詳細を示す。
図14c図14a~14dは、直接描画リソグラフィのためのデバイスの露光およびカメラ捕捉のための光学要素の異なる実施形態の詳細を示す。
図14d図14a~14dは、直接描画リソグラフィのためのデバイスの露光およびカメラ捕捉のための光学要素の異なる実施形態の詳細を示す。
図15a図15aおよび15bは、直接描画リソグラフィのためのデバイスの露光およびカメラ捕捉のための光学要素の異なる実施形態の詳細を示す。
図15b図15aおよび15bは、直接描画リソグラフィのためのデバイスの露光およびカメラ捕捉のための光学要素の異なる実施形態の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、露光システムのある実施例を示し、露光システムは、露光ビーム306を提供する光源302と、露光パターンに従って露光ビーム306を変調させる光変調器301、302と、光変調器によって提供される画像311として、変調された露光ビームを基板307上に送達する露光光学システム303、304、308とを備える。測定システム303、304、305、308、309が、露光装置内に組み込まれ、基板上に以前にパターン化された整合(基点)マークの位置を測定するように構成される。露光光学システムおよび測定システムは、この実施形態では、少なくとも部分的に並行の光学経路を有する。
【0032】
以下の説明では、用語「フォトヘッド」が、時として、露光システムの光学要素を含む総称として使用される。
【0033】
露光システムは、整合マークの位置に基づいて、基板の配向を計算し、基板の計算された配向に対して、変調された露光ビームの送達を制御するように構成される制御ユニット(図示せず)をさらに備えてもよい。これを下記により詳細に図示する。
【0034】
図1aは、より小型のデバイスに関する絶えず増大する需要に起因してパターン化におけるより小さい特徴サイズの必要性が存在する種々の適用を図示する。これに起因して、プロセスの時間消費をいかなる実質的な程度にも増大させることを伴わない、整合マークの測定におけるより高い正確度の必要性が、存在する。
【0035】
図1b~1cは、パターン正確度に関するそのような高い要件を伴うコンポーネントの実施例を図示する。典型的には、接続パッドを伴う埋設ダイは、25~100マイクロメートルまたはそれ未満のサイズ範囲内の小型パッド/電気接続点を有する。
【0036】
細線パターン化のために利用可能な空間を最適化するために、各ダイ上のパッド間の使用可能な空間を最適化することが、望ましい。利用可能な空間の「チャネル」最適化は、基板上へのダイおよびパッドの適用の高い位置正確度を要求する。さらに、コストの理由のために、再分配層(RDL)の数は、「チャネル」が最適化される場合、低減されることができる。
【0037】
典型的な適用は、ファンアウトパネルレベルパッケージングプロセスFOPLPまたはファンアウトウエハレベルパッケージングプロセスFOWLPである。
【0038】
そのような適用プロセスの実施例が、図2a~5に見られることができる。
【0039】
図2bおよび3には、第1のステップが、図示される。ウエハ等の確立された一時的な基部層20が、その上に接着テープ21または層を具備する。ダイ22が、接着テープに向かって、接続パッドを用いて、接着層/テープ21上に位置付けられ、配列される。各ダイは、例えば、「ピックおよび設置」機械を用いて位置付けられることができ、このプロセスは、高い速度およびスループットが要求される場合、そのようなピックおよび設置機器の正確度限界に起因して、ある位置および回転誤差を与える。
【0040】
そのようなダイは、典型的には、1~10mmの正方形であり、300mmの丸みを帯びたウエハまたは600mm×600mmパネル上には、数百個から数千個のそのようなダイを搭載することが可能である。図6は、それらの上に搭載されるダイを伴うウエハの2つの実施例を示す。図6aは、ファンアウトウエハレベルパッケージング(FOWLP)のある実施例を示す一方で、図6bは、ファンアウトパネルレベルパッケージング(FOPLP)のある実施例を示す。
【0041】
ダイは、ここで、化合物23とともにオーバーモールドされ、そのような成型プロセスでは、ダイは、わずかに移動または回転する場合がある。次いで、基部層および接着テープ/材料20、21が、特別なプロセスにおいて除去される。結果は、片側から可視のダイおよびダイパッド/電気接続点を伴う複合層24となる。
【0042】
ダイを用いて複合層上に印刷されるべきパターンを最適化することが可能であるために、ダイの位置および回転の位置合わせ/測定が、要求される。そのような最適化は、典型的には、ファンアウトプロセスにおいて要求され、ファンアウトプロセスでは、より大型かつより広く分配された接続パッドを伴うはんだ付け可能なシステムにパッド/電気接続点を接続することが可能であるように、パッド/電気接続点がより広い面積に再分配される。他の場合は、ダイ接続点が同一の基板上の他の電気コンポーネントにルーティングおよび接続されるように、接続点を(基板、PCB、またはRDL等の)より大きい相互接続システムに扇状に広げることを含むことができる。このように、そのようなダイ、すなわち、埋設ダイのパッケージングプロセスが、回避される。
【0043】
例えば、1μmまたはより優れている位置合わせ/測定正確度が、要求される。そのようなシステムでは、各ダイ上の1つ以上の点が、位置誤差および回転を測定および計算することが可能であるように測定され、故に、必要とされる測定の数は、1,000~100,000個の数の範囲までになり得る。高い正確度を伴うそのような量の測定は、現在使用される機器(例えば、DI機械および/または測定機械内の位置合わせシステム)を用いると非常に時間がかかるため、全体を通して厄介となる。
【0044】
光変調器(例えば、DLP、LCOS等)を伴うシステムに基づくDI機械は、典型的には、パターンを縞で印刷し、各プロジェクタ/フォトヘッドは、1つまたはいくつかの縞を印刷する。機械の容量/スループットを増大させるために、複数のフォトヘッドもまた、配置されてもよい。図7~13は、異なる位置構成を伴う複数のフォトヘッドおよび複数の位置合わせカメラの使用を図示する。
【0045】
Visitech製LLS 2500フォトヘッドを使用するSchmol製MDI TT UltraのようなDI機械、または、2μm線/空間を印刷することを可能にする仕様を伴う他の機械は、典型的には、構成に応じて、フォトヘッドあたり10~30個の縞を印刷する。故に、フォトヘッド機械システムは、印刷されるべき面積にわたって数回走査する。
【0046】
位置合わせカメラをプロジェクタ機械システムに適用し、整合マーク/基準マークをリアルタイムで捕捉/位置合わせすることによって、これは、位置/回転計算およびデータフィードに加えて、フォトヘッド内のリアルタイムパターンワーピングシステムに適用されることができる。フォトヘッドは、次いで、計算された結果として生じたパターンをその場で印刷することができる。図14aは、このプロセスを図示する。
【0047】
図14a、14dの実施例では、撮像光学系およびカメラの光学系が、組み込まれる、または相互に近接して配列される。カメラは、ここで、ラインセンサとして使用される。
【0048】
各縞が露光されるにつれて、本システムは、同一の縞内および/または印刷されるべき次の縞内の整合マークの位置を測定する。同時に、すなわち、リアルタイムで、整合マーク毎のXY位置および回転行列が、計算される。計算された位置/回転が、次いで、露光システムによって、後続の露光される画像の位置付けを制御するために使用される。
【0049】
本システムによって既知である基板の相対距離およびスクロール速度が、画像捕捉、位置計算、データ転送、および画像ワーピング時間窓を判定するために使用されることができる。
【0050】
さらに、所与のパターンおよび基点データを分析することよって、着目カメラ面積が、カメラ画像の1つ以上の面積を用いて判定されることができる。これは、カメラデータ転送および続く計算が計算モジュールへのデータ転送の速度に関して最適化されることができるように、転送および分析されるべき、カメラ画像全体と比較して、捕捉するためのカメラピクセルの数を低減させる。
【0051】
典型的には、カメラは、図14a~14dに図示されるような投影パターンの正面の、または図15aおよび15bの実施例に図示されるような印刷されるべき次の縞(N+1、N+2等)の上の整合マークを測定する。実施形態の選定は、捕捉、計算、および座標データ転送、ならびに、印刷している間の位置付けおよびワーピングを行うために必要とされる時間に依存し得る。
【0052】
本明細書に説明されるようなシステムを適用することによって、細線リソグラフィ適用における大量の高正確度測定の高時間消費の問題が、大幅に低減されることができる。
図1
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14a
図14b
図14c
図14d
図15a
図15b