IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴェスタス ウィンド システムズ エー/エスの特許一覧

特許7514923風力タービンナセルを組み立てるためのユニットのセット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】風力タービンナセルを組み立てるためのユニットのセット
(51)【国際特許分類】
   F03D 13/10 20160101AFI20240704BHJP
   F03D 80/80 20160101ALI20240704BHJP
   F03D 9/19 20160101ALI20240704BHJP
【FI】
F03D13/10
F03D80/80
F03D9/19
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2022529698
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-30
(86)【国際出願番号】 DK2020050319
(87)【国際公開番号】W WO2021098930
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2023-11-17
(31)【優先権主張番号】PA201970716
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】514130633
【氏名又は名称】ヴェスタス ウィンド システムズ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】バウン,トーベン ラデガード
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02063119(EP,A2)
【文献】欧州特許出願公開第03276169(EP,A1)
【文献】独国実用新案第202018105845(DE,U1)
【文献】国際公開第2018/206063(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02412970(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 1/00-80/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービン用のナセル(2)を形成するための組み立て用のユニットのセットであって、前記ナセルは、ロータ支持アセンブリと、電力変換アセンブリとを含み、前記ユニットのセットは、
風力タービンタワーに接続されるように構成され、前記ロータ支持アセンブリを収容する主ユニット(20、71)と、
各々が前記電力変換アセンブリの一部を構成する作動構成要素を収容する少なくとも二つの異なる補助ユニット(21、22、61、62、72、73)とを有し
前記少なくとも二つの異なる補助ユニットは、前記主ユニットに対する同一のインターフェースを有し、それによって、前記少なくとも二つの異なる補助ユニットの一つが、前記少なくとも二つの異なる補助ユニットから選択されて前記主ユニットと組み立てられて、ナセルを形成し、
前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの一方は、変圧器、変換器、バッテリ、電解セル、及びスイッチギアからなる群から選択されるタイプの作動構成要素を収容し、前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの他方は、変圧器、変換器、バッテリ、電解セル、及びスイッチギアからなる群から選択されるタイプの異なる作動構成要素を収容することを特徴とする風力タービン用のナセルを形成するための組み立て用のユニットのセット。
【請求項2】
前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの少なくとも一つは、前記ナセルの一部を構成しないことを特徴とする請求項1に記載のユニットのセット。
【請求項3】
前記風力タービンの発電機は、前記ナセルの一部を形成しない前記少なくとも二つの異なる補助ユニットを使用することなく、変換された形態で前記発電機から電力を供給するために、前記少なくとも二つの異なる補助ユニットそれぞれの前記作動構成要素とともに動作可能であることを特徴とする請求項2に記載のユニットのセット。
【請求項4】
前記主ユニットは、前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの一つを選択的に接続することを可能にする第1のインターフェースを画定し、前記少なくとも二つの異なる補助ユニットの各々を前記主ユニット上の同じ位置に取り付けることができる、請求項1から3までのいずれか一項に記載のユニットのセット。
【請求項5】
前記主ユニットは、前記主ユニットの反対側に第2のインターフェースを画定し、前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの一方又は他方を選択的に接続することを可能にすることを特徴とする請求項4に記載のユニットのセット。
【請求項6】
前記少なくとも二つの異なる補助ユニットの前記同一のインターフェースは、前記第1のインターフェース及び前記第2のインターフェースと共に組み立てることができることを特徴とする請求項5に記載のユニットのセット。
【請求項7】
前記第1のインターフェース用に構成された少なくとも二つの異なる補助ユニット及び/又は前記第2のインターフェース用に構成された少なくとも二つの異なる補助ユニットを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載のユニットのセット。
【請求項8】
前記少なくとも二つの異なる補助ユニットの両方が、同じタイプの作動構成要素を収容することを特徴とする請求項1から7までのいずれか一項に記載のユニットのセット。
【請求項9】
同じタイプの両方の作動構成要素は異なる電力定格を有することを特徴とする請求項8に記載のユニットのセット。
【請求項10】
前記少なくとも二つの異なる補助ユニットは、異なるタイプの作動構成要素を収容することを特徴とする請求項1から7までのいずれか一項に記載のユニットのセット。
【請求項11】
1のタイプで互いに異なる容量を有する一つの作動構成要素を各々が収容する第1のラインの補助ユニットを含み、
2のタイプの作動構成要素を収容する第2のラインの補助ユニットを含み、
前記第2のタイプの作動構成要素は、前記風力タービン用のナセルの動作中に前記第1のタイプの前記作動構成要素と相互作用し、前記第1のタイプの前記作動構成要素の一つの容量と一致する容量を有する前記第2のタイプの作動構成要素それぞれは、前記第1のラインの補助ユニットのうちの一つに収容されることを特徴とする請求項10に記載のユニットのセット。
【請求項12】
前記少なくとも二つの異なる補助ユニットは、前記主ユニットに対する同一のインターフェースを有し、前記主ユニット上の少なくとも二つの異なる位置への取り付けを容易にすることを特徴とする請求項1から11までのいずれか一項に記載のユニットのセット。
【請求項13】
前記主ユニット上の前記少なくとも二つの異なる位置は、前記ロータ支持アセンブリの両側の右側位置及び左側位置であることを特徴とする請求項12に記載のユニットのセット。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか一項に記載のユニットのセットで構成されたナセルを含む風力タービン。
【請求項15】
請求項1から13までのいずれか一項に記載のユニットのセットを用いてナセルを組み立てる方法であって、
一つの主ユニット及び前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの一つを選択すること、
選択した前記補助ユニットを前記主ユニットに接続して前記ナセルを組み立てること、
を含む方法。
【請求項16】
前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの少なくともつを、前記ナセルの一部を形成しない補助ユニットとして残すステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記主ユニットと風力タービンタワーとを組み立てることにより、前記ナセルを前記風力タービンタワーに取り付けるステップを含むことを特徴とする請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記風力タービンタワーに前記主ユニットを取り付けた後に、前記補助ユニット及び前記主ユニットを組み立てる次のステップを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
補助ユニットそれぞれについて、当該補助ユニットと相互作用するように構成された他の補助ユニットを定義する制約条件、又は、当該補助ユニットと相互作用できない他の補助ユニットを定義する制約条件、を定義するステップとを含むことを特徴とする請求項15から18までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
所望のナセル構成を定義すること、
少なくとも一つの主ユニットと異なる補助ユニットとの間の複数の組み合わせ決定すること、
結果として得られるナセル構成を組み合わせごとに定義すること、及び
結果としての前記ナセル構成と前記所望のナセル構成の比較に基づいて組み合わせを選択すること、
を含むことを特徴とする請求項15から19までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記画定された所望のナセル構成及び前記定義された結果としてのナセル構成は、所望の電力網周波数、出力定格電力、及び特定の所望の気候条件のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
主ユニット及び補助ユニットの間の組合せを、前記主ユニットに対して定義された発電機電力及び平均風速、及び補助ユニットに対して定義された変換アセンブリの合計定格電力に基づいて選択することを含むことを特徴とする請求項15から21までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記主ユニット及び前記補助ユニットは、前記発電機電力に基づいて化学物質を生成するナセルを提供するように選択されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記主ユニット及び前記補助ユニットは、前記発電機電力に基づいて生成される前記化学物質に加えて、電力網の電力を生成するナセルを提供するように選択されることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記主ユニット及び前記補助ユニットは、空中ユニットに基づいて電力を生成するナセルを提供するように選択されることを特徴とする請求項15から24までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
主ユニットの左側に異なる補助ユニットを有する前記主ユニットの複数の組み合わせを定義することを含むことを特徴とする請求項15から25までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
主ユニットの右側に異なる補助ユニットを有する前記主ユニットの複数の組み合わせを定義することを含むことを特徴とする請求項15から26までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
異なる主ユニットと前記主ユニットの右側の一つ以上の補助ユニットとの複数の組み合わせを定義することを含むことを特徴とする請求項15から27までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
異なる主ユニットと、前記主ユニットの左側の一つ以上の補助ユニットとの複数の組合せを定義することを含むことを特徴とする請求項15から28までのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
導入
本開示は、風力タービン用ナセルを組み立てるためのユニットのセットに関する。ナセルは、ロータ支持アセンブリと、電力変換アセンブリとを含む。ユニットのセットは、風力タービンタワーに接続されるように構成され、ロータ支持アセンブリを収容する主ユニットを含む。ユニットのセットは、電力変換アセンブリの一部を形成する作動構成要素をそれぞれ収容する少なくとも二つの異なる補助ユニットをさらに含む。
【0002】
本開示はさらに、一組のユニットを用いてナセルを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
過去数年にわたり、風力タービンは、公称出力だけでなく、風力タービンの個々の部分の物理的寸法に関しても、大型化する傾向にある。さらに、電力定格、所望の出力、又は他の変数に関連する特定の要件への風力タービンの適応は、設計及び製造を複雑にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施形態の目的は、さらなるモジュール性、設計及び製造の容易さを容易にし、風力タービンの改良されたメンテナンスを可能にすることである。本開示の実施形態のさらなる目的は、通常の輸送手段を用いて輸送可能なナセルを提供し、ナセルの可能なサイズを制限することなく、輸送及び取扱コストを低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これら及び他の目的のために、本開示は、風力タービンナセルを形成するための組立用の一組のユニットを提供する。ユニットのセットは、各々が電力変換アセンブリの一部を形成する作動構成要素を収容する少なくとも二つの異なる補助ユニットを含み、補助ユニットの一つは、少なくとも二つの補助ユニットから選択され、主ユニットと組み立てられてナセルを形成することができる。
【0006】
少なくとも二つの異なる補助ユニットは、それぞれ、前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの一つを前記主ユニット上の同じ位置に選択的に接続することを可能にするために、前記主ユニットの同じ相補的インターフェースに接続するように構成された同一のインターフェースを有する。これは、例えば、同一のインターフェースを有する二つの補助ユニットによって、又は異なる補助ユニットのいくつかの異なるインターフェースに接続することができる主ユニット上の一つの単一インターフェースによって得ることができる。
【0007】
したがって、風力タービンは、特定の要件への迅速な適応を可能にする少なくとも二つの補助ユニットのうちの一つ又は別のものを選択することによって、異なるように構成することができる。別々のユニットを使用することによる構成のために、輸送及び組立手順が最適化され、再構成がオプションとなり得る。
【0008】
少なくとも二つの補助ユニットのうちの少なくとも一つは、ナセルの一部を形成せず、それによって、一つの補助ユニットを別の補助ユニットと交換することによってナセルの再構成に使用することができる補助ユニットとして機能してもよい。
【0009】
風力タービンは、個々の補助ユニットの作動構成部品と一緒に作動する発電機を含むことができ、これは、風力タービンが交換用として取り付けられた異なる補助ユニットを使用することなく、変換された形で発電機から電力を供給できることを意味する。
【0010】
これにより、ユニットのセットは、モジュール性を容易にし、異なる特定のニーズに対する一般的な風力タービン構造の容易な適応を容易にする。設計フェーズでは、設計者はさまざまな補助ユニットから選択し、特定の要件に基づいて風力タービンを作成できます。
【0011】
一例として、少なくとも二つの補助ユニットのうちの第1のものは、例えば、発電又は蓄電に関して、例えば、風力タービン機能に関して特定の性能を提供することができ、少なくとも二つのユニットのうちの第2のものは、その風力タービン機能に関して異なる性能を提供することができる。
【0012】
したがって、少なくとも二つの補助ユニットのうちの一つは、変圧器、変換器、バッテリ、電解セル、及びスイッチギアからなる群から選択されるタイプの作動構成要素を収容することができ、少なくとも二つの補助ユニットのうちの別のものは、変圧器、変換器、バッテリ、電解セル、及びスイッチギアからなる群から選択される異なる作動構成要素を収容することができる。
【0013】
両方の補助ユニットは、例えば、接続された電力網等に適合するように、例えば、異なる電力定格又は異なる構成を有する、同じタイプの作動構成要素を収容することができる。
【0014】
代替的に、補助ユニットは、例えば、変圧器を一つの補助ユニット内に、電解セルを別の補助ユニット内に、異なるタイプの作動構成要素を収容することができる。
【0015】
補助ユニット及び主ユニットの各々は、輸送貨物コンテナのサイズ及び/又は形状を有することができる。これにより、各ユニットは、取り扱い、輸送、保管に関する貨物コンテナの利点を継承します。例えば、輸送用の貨物コンテナは、大量輸送に比べて低コストで、船、列車、トラックなどで世界中どこでも扱うことができます。コスト削減は、ユニットを構成する貨物コンテナを輸送することによってさらに顕著になる。貨物輸送コンテナは、インターモーダルコンテナ、標準貨物コンテナ、ボックスコンテナ、海上貨物コンテナ、又はISOコンテナとも呼ばれ、一般的には、大陸間交通のための世界的なコンテナ化インターモーダル貨物搬送システムで材料及び製品を保管及び移動するために使用されるコンテナを指します。貨物輸送コンテナは、シリーズ1の貨物コンテナについてはISO 668:2013のISO規格の寸法及び構造仕様に従うことができる。
【0016】
一実施形態では、ユニットのセットは、シリーズ1の貨物コンテナについてISO 668:2013のISO規格における寸法及び構造仕様に従った、一つの貨物コンテナの半分のサイズをそれぞれ有する二つの補助ユニットを含み、コンテナの二つの半分の部分が輸送中に一つのコンテナに組み立てられるように配置され、二つの補助ユニットに分割され、例えば主ユニットの反対側に配置される。コンテナは、特に、コンテナの長手方向に延びる界面で分割されてもよい。
【0017】
ナセルは、風力タービンタワーによって直接又は中間タワー構造を介して間接的に運搬されるように風力タービンタワーに取り付けるように構成してもよい。風力タービンが伝統的な水平軸型である場合、ナセルは、典型的には、ヨーイングアセンブリによって、タワー頂部とナセルとの間に直接運ばれる。しかしながら、本開示は、複数のナセルが横方向ビーム構造によって運ばれ、これが再び例えばヨーイングアセンブリを介してタワーによって運ばれるような種類の複数のローター風力タービンにも関連することができる。
【0018】
開示は、風上の風力タービン又は風下の風力タービンに関連し得る。
【0019】
ユニットのセットは、主ユニットを含む。主ユニットは、直接又は前記中間タワー構造体又は構造物を介して間接的にナセルをタワーに接続する部分であってもよい。主ユニットは、特にナセルの中央部分であると考えられ、少なくともローターシャフトの一部のような駆動系の一部を収容する。
【0020】
風力タービンは、典型的にはナセルの外側に配置された発電機を有する直接駆動型風力タービンであってもよく、又は風力タービンは、例えば主ユニット内に配置された発電機を有するものであってもよい。主ユニットはローター軸を介してローターを支持する。
【0021】
主ユニットは、風力タービンのタイプに応じて、ギアボックス、ベアリングシステム、及び潤滑、冷却、及び制御目的のための異なる種類の周辺機器などの別の部品を含むことができる。主ユニットは、特に、例えばヨーイングアセンブリを介して、駆動系とタワー又は中間タワー構造体とを接続する主フレームを含むことができる。主フレームは、特に鋳造部品であってもよい。
【0022】
主ユニット及び少なくとも二つの異なる補助ユニットは、両方の補助ユニットが主ユニット上の同じ位置に取り付けられるように構成されてもよい。主ユニットは、前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの一つを選択的に接続することを可能にする第1のインターフェースを規定することができる。
【0023】
主ユニットは、主ユニットの反対側に第2のインターフェースをさらに画定し、前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの一つを選択的に接続することを可能にしてもよい。これにより、補助ユニットを、主ユニットの両側、例えば、ロータ支持アセンブリを通る垂直面の両側に取り付けることができる。
【0024】
前記少なくとも二つの補助ユニットのうちの少なくとも一つは、第1のインターフェース用に構成されてもよく、前記少なくとも二つの補助ユニットのうちの少なくとも一つは、第2のインターフェース用に構成されてもよい。
【0025】
ユニットのセットは、第1のインターフェース用に構成された少なくとも二つの異なる補助ユニット、及び/又は第2のインターフェース用に構成された少なくとも二つの補助ユニットを含むことができる。この実施形態では、主ユニット上の同じインターフェースのために構成された各補助ユニットは、主ユニットのそのインターフェースに前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの一つを選択的に接続することを可能にする同一のインターフェースを有することができる。
【0026】
電力変換アセンブリは、発電機からの電力を所望のエネルギー形態に変換する。電力変換アセンブリは、例えばAC又はDCで電力を供給するように構成することができる。補助ユニットのうちの第1のものは、電力変換アセンブリの一部を形成する第1の作動構成要素を収容することができ、補助ユニットのうちの第2のものは、電力変換アセンブリの一部を形成する第2の作動構成要素を収容することができる。
【0027】
一実施形態では、第1及び第2の作動構成要素は、同様に作動構成要素を有し、これは、それらが本質的に機能を有するが、異なる内部構成、異なる定格を有することを意味し、又はそれらは異なる製造業者によって製造されてもよい。これにより、二つのコンポーネント間で電力変換を共有することができ、一方のコンポーネントに障害が発生した場合でも、風力タービンを縮小した容量で継続して動作させることができます。
【0028】
電気的なエネルギーの場合、電力変換アセンブリは、発電機を例えば外部電力網に接続するように構成することができる。その場合、電力変換アセンブリは、例えば、変換器、変圧器、及び/又はスイッチギアによって構成されてもよい。このような構成要素は、電力変換アセンブリに含まれてもよい。
【0029】
したがって、作動構成要素は、変換器及び/又は変圧器などによって構成されてもよい。
【0030】
一例として、第1及び第2の作動構成要素は、両方とも変圧器であってもよいが、サイズ及び容量が異なる。別の例では、第1及び第2の作動構成要素は両方とも変換器であるが、サイズ及び容量が異なる。
【0031】
一実施形態では、ナセルは、主ユニットと、主ユニットの片側にある補助ユニットとを含む。主ユニットの他方側では、少なくとも二つの異なるユニットのうちの一つが選択され、最終ナセルが主ユニットと少なくとも二つの補助ユニットとを含み、そのうちの一つが二つの異なる補助ユニットの間で選択される。このようにしてナセルの一部を形成する二つの補助ユニットは、同一の部品又は異なる部品を収容することができる。一例では、得られたナセルは、発電機を有する主ユニットと、各々が同一の作動構成要素を収容するか又は異なる作動構成要素を収容する二つの補助ユニットとを含む。
【0032】
発電機は、一例として、非同期又は同期発電機、例えば、非同期又は同期発電機であってもよく、変換器電圧は、発電機電圧と同じ範囲であってもよく、ステータ電圧と呼ばれることもある。
【0033】
別の例では、発電機は二重給電誘導発電機(DFIG)であってもよい。この場合、変換器の電圧は、発電機ステーター電圧とは異なるものとすることができる。変換器は、発電機ローターに接続されており、通常、ステーター電圧と同じ電圧又は低い電圧である。
【0034】
低電圧は、例えば、1000Vまでの電圧とみなすことができる。中程度の電圧は、1kV~約60kVの電圧と考えることができる。発電機電圧は、低電圧でも中電圧でもかまわない。
【0035】
代替実施形態では、第1及び第2の作動構成要素は、電力変換アセンブリにおいて異なる機能を有する。第1のユニットは、例えば、発電機からの電力を受信側電力網に一致する特性を有する電力に変換するように構成することができ、第2のユニットは、発電機からの電力を化学物質、例えば、水素、メタノール、又はアンモニアに変換するように構成することができる。
【0036】
少なくとも二つの補助ユニットの各々は、主ユニット内の発電機を補助ユニット内の作動構成要素に汎用的に接続することを可能にする、主ユニットへの汎用インターフェースを含むことができる。汎用インターフェースは、主ユニット上の同じインターフェースと一つのインターフェースの両方に一致する二つの異なる補助ユニット上のインターフェースと見なされるため、主ユニットと結合する一つの補助ユニットを簡単かつ迅速に選択できます。このようなインターフェースは、例えば、標準的な電気コネクタのインターフェース、及び/又は潤滑流体、冷却、及び補助ユニット内の主ユニットと作動構成要素との間の他の必要な相互作用のための標準的なインターフェースを含むことができる。
【0037】
少なくとも二つの補助ユニットの各々は、主ユニット上で互いに一致するように構成された二つの補助ユニットの対として定義されてもよい。特に、一対の補助ユニットの補助ユニットを、主ユニットの両側に配置するように構成してもよい。これは、一対の補助ユニットの補助ユニットが重量に関して互いに一致して、主ユニット全体に許容可能なバランスを提供し、一対の補助ユニットの補助ユニット内の作動構成要素間の相互作用に関して互いにさらに一致してもよいことを意味する。そのような相互作用の例は、一つの補助ユニットが、他の補助ユニット内の電解セルに一致する電力変換能力を含み、二つの補助ユニットが、許容可能なバランスを提供するために所定の制限内にある重量を有することであり得る。
【0038】
補助ユニットは、補助ユニット、特に補助ユニット内の作動構成要素の特定の特性に関して特に格付けされ得る。分類は、例えば、以下の変数の少なくとも一つを定義することができる。
発電電力に対する入力容量;
補助ユニットに対して定義されたエネルギーのタイプに対する出力容量。
【0039】
一実施形態では、ユニットのセットは、各々が二つの主ユニットのうちの一つを選択し、それを選択した補助ユニットと組み合わせることによって風力タービンナセルを製造することができるように構成された少なくとも二つの主ユニットを含む。具体的には、各主ユニットは、風力タービンタワーに接続され、ロータ支持アセンブリと発電機とを収容するように構成されてもよい。
【0040】
主ユニットと補助ユニットは、回転軸から離れる方向に並んで配置されていてもよい。これは、補助ユニットが主ユニットに対して回転軸から横方向にずれていることを意味する。補助ユニットは、例えば、風力タービンローターの回転軸に対して垂直な方向であってもよい。これにより、主軸受システムと駆動系システムの両方を主ユニットに組み付け、他の部品を補助ユニットに組み込むなど、風力タービンの主要部品を有利に分散させたナセルの有利なモジュール性が提供される。したがって、主ユニットと補助ユニットとのインターフェースは、特に回転軸方向に延在していてもよい。
【0041】
一実施形態では、電力変換アセンブリは、発電機からの電力を化学的に貯蔵された形態のエネルギー、例えば水素、アンモニア又はメタノールに変換するように構成される。したがって、作動構成要素は、電解セルスタック、又はバッテリなどで構成することができる。このような部品は、補助ユニットに適切に収容することができ、比較的重い部品であるため、有利には、主ユニットによって直接搬送される。
【0042】
主ユニットに対する同一のインターフェースを有する二つの異なる補助装置は、主ユニット上の少なくとも二つの異なる位置、例えば主ユニットの右側及び左側の位置、すなわちロータ支持アセンブリの両側の位置への取り付けを容易にすることができる。一実施形態では、補助ユニットは、側面が主ユニットの右側外面に対して右側に取り付けられ、180度回転されて、同じ側面が主ユニットの左側外面に対して取り付けられてもよい。
【0043】
第2の態様において、本開示は、上述のようなナセルを含む風力タービンを提供する。
【0044】
第3の態様において、本開示は、本明細書に記載されるようなユニットのセットを使用してナセルを組み立てる方法を提供する。
【0045】
この方法は、主ユニット及び選択された補助ユニットを組み立てる工程と、ナセルを風力タービンタワーに取り付けることによって風力タービンを完成させる工程とを含むことができる。
【0046】
本方法は、少なくとも二つの補助ユニットのうちの少なくとも一つを残して、補助ユニットを異なる補助ユニットと交換し、それによってナセルの再構成を可能にすることを含むことができる。
【0047】
各補助ユニットに対して、どの補助ユニットが相互作用可能であるかを事前に特定するために、及び/又は、相互作用不可能な補助ユニットを特定するために、制約条件を定義することができる。
【0048】
本方法は、所望のナセル構成を定義するステップを含む。ナセル構成は、例えば、所望の電力網周波数又は出力定格電力、又はナセルが構成されるべき特定の所望の気候条件、例えば、平均風速又は乱流条件、空気密度、又は温度等であり得る。
【0049】
続いて、主ユニットと補助ユニットとの異なる組合せを定義し、これらの組合せ毎に設計構成を決定する。設計構成は、組合せが満たすと見なされる条件を指定する。
【0050】
所望の構成及び異なる組み合わせによって達成可能な構成に基づいて、特定の組み合わせが選択され、ナセルは、選択されたユニットから製造される。
【0051】
この方法は、以下を定義するステップも含むことができる。
-風力タービンからの所望の出力
-少なくとも一つの主ユニットと異なる補助ユニットとの間の複数の組み合わせの決定
-各組み合わせについて、当該組み合わせから生じるナセルの予測能力を定義すること、及び
-所望の出力と予測能力の比較に基づいて組合せを選択する。
【0052】
番号を付した実施形態のリスト
1.風力タービンナセルを形成するためのアセンブリ用ユニットのセットであって、ナセルは、ロータ支持アセンブリ及び発電機、電力変換アセンブリを含み、ユニットのセットは、
風力タービンタワーに接続されるように配置され、ロータ支持アセンブリと発電機とを収容する主ユニットと、
各々が、電力変換アセンブリの一部を形成する作動構成要素を収容する少なくとも二つの異なる補助ユニットであって、補助ユニットの一つは、少なくとも二つの補助ユニットから選択され、主ユニットと組み立てられてナセルを形成することができる、少なくとも二つの異なる補助ユニット、を含む。
【0053】
2.主ユニットは、前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの一つの選択的接続を可能にする第1のインターフェースを画定する、実施形態1に記載のユニットのセット。
【0054】
3.主ユニットは、主ユニットの反対側に第2のインターフェースを画定し、少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの一つの選択的接続を可能にする、実施形態2に記載のユニットのセット。
【0055】
4.前記少なくとも二つの補助ユニットのうちの少なくとも一つが前記第1のインターフェース用に構成され、前記少なくとも二つの補助ユニットのうちの少なくとも一つが前記第2のインターフェース用に構成される、実施形態3に記載のユニットのセット。
【0056】
5.第1のインターフェース用に構成された少なくとも二つの異なる補助ユニット及び/又は第2のインターフェース用に構成された少なくとも二つの補助ユニットを含む、実施形態4に記載のユニットのセット。
【0057】
6.第1のインターフェース用に構成された少なくとも二つの異なる補助ユニットは、前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの一つを第1のインターフェースに選択的に接続することを可能にする同一のインターフェースを有する、実施形態5に記載のユニットのセット。
【0058】
7.第2のインターフェース用に構成された少なくとも二つの異なる補助ユニットは、前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの一つを第2のインターフェースに選択的に接続することを可能にする同一のインターフェースを有する、実施形態5又は6に記載のユニットのセット。
【0059】
8.前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの二つは、同様に動作する作動構成要素を有する、前記実施形態のいずれかに記載のユニットのセット。
【0060】
9.前記第1のインターフェース用に構成された前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの二つは、同様に動作する構成要素を有する、前記実施形態5から8までのいずれかに記載のユニットのセット。
【0061】
10.前記第2のインターフェース用に構成された前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの二つは、同様に動作する構成要素を有する、前記実施形態5から9までのいずれかに記載のユニットのセット。
【0062】
11.前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの二つは、異なるように動作する作動構成要素を有する、前記実施形態のいずれかに記載のユニットのセット。
【0063】
12.第1のインターフェース用に構成された前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの二つは、異なるように動作する作動構成要素を有する、前記実施形態5から11までのいずれかに記載のユニットのセット。
【0064】
13.第2のインターフェース用に構成された前記少なくとも二つの異なる補助ユニットのうちの二つは、異なるように動作する作動構成要素を有する、前記実施形態5から12までのいずれかに記載のユニットのセット。
【0065】
14.第1の作動構成要素は、変圧器、変換器、バッテリ、電解セル、及びスイッチギアからなる群から選択され、第2の作動構成要素は、第1の作動構成要素とは異なり、変圧器、変換器、バッテリ、電解セル、及びスイッチギアからなる群から選択される、実施形態6に記載のユニットのセット。
【0066】
15.上記実施形態のいずれかに記載のセット又はユニットを用いてナセルを組み立てる方法であって、
一つの主ユニットと少なくとも二つの異なる補助ユニットの少なくとも一つを選択し、
選択した補助ユニットを主ユニットに接続することを含むナセルを組み立てる方法。
【0067】
16.主ユニットと風力タービンタワーとを組み立てることによってナセルを風力タービンタワーに取り付けるステップを含む、実施形態15に記載の方法。
【0068】
17.主ユニットが風力タービンタワーに取り付けられた後に、補助ユニットと主ユニットとを組み立てる次のステップを含む
実施形態16に記載の方法。
【0069】
18.各補助ユニットに対して、当該補助ユニットと相互作用するように構成された他の補助ユニットを定義する制約条件、又は、当該補助ユニットと相互作用できない他の補助ユニットを定義する制約条件、を定義することを含む実施形態15から17までのいずれかに記載の方法。
【0070】
19.
-所望のナセル構成を定義すること、
-少なくとも一つの主ユニット及び異なる補助ユニットとの間の複数の組み合わせを決定すること、
-結果として得られるナセル構成を組み合わせごとに定義すること、及び
-結果のナセル構成と所望のナセル構成の比較に基づいて組み合わせを選択すること、
を含む実施形態16から18までのいずれかに記載の方法。
【0071】
20.定義された所望のナセル構成及び定義された結果のナセル構成が、所望の電力網周波数、出力定格電力、及び特定の所望の気候条件のうちの少なくとも一つを含む、実施形態19に記載の方法。
【0072】
21.主ユニットと補助ユニットとの間の組合せを、主ユニットに対して定義された発電機電力及び平均風速、ならびに補助ユニットに対して定義された変換アセンブリの合計定格電力に基づいて選択することを含む実施形態15から20までのいずれかに記載の方法。
【0073】
22.前記主ユニット及び補助ユニットは、発電機からの電力に基づいて化学物質を生成するナセルを提供するように選択される、実施形態15から21までのいずれかに記載の方法。
【0074】
23.実施形態22に記載の方法であって、主ユニット及び補助ユニットは、発電機からの電力に基づいて生成される化学物質に加えて、電力網のための電力を生成するナセルを提供するように選択される、実施形態22に記載の方法。
【0075】
24.主ユニット及び補助ユニットは、空中ユニットに基づいて電力を生成するナセルを提供するように選択される、実施形態15から23までのいずれかに記載の方法。
【0076】
25.主ユニットの左側に異なる補助ユニットを有する主ユニットの複数の組み合わせを定義することを含む、実施形態15から24までのいずれかに記載の方法。
【0077】
26.主ユニットの右側に異なる補助ユニットを有する主ユニットの複数の組み合わせを定義することを含む、実施形態15から26までのいずれかに記載の方法。
【0078】
27.主ユニットの右側に一つ以上の補助ユニットを備えた様々な主ユニットの複数の組み合わせを定義することを含む、実施形態15から26までのいずれかに記載の方法。
【0079】
28.主ユニットの左側に一つ以上の補助ユニットを備える様々な主ユニットの複数の組合せを定義することを含む、実施形態15から28までのいずれかに記載の方法。以下に、本開示の実施形態を、図面を参照してさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0080】
図1a図1a及び1bは風力タービンを示す;
図1b図1a及び1bは風力タービンを示す;
図2図2は風力タービンのナセルを示す。
図3図3図2のナセル2の斜視図である。
図4図4図3の上から見たナセルを示す図である。
図5図5は左側及び右側の補助ユニットが同一の構成要素を含む実施形態を示す図である。
図6図6は二つの補助ユニット61、62が、一方の上に他方配置された実施形態を示す。
図7a図7a及び7bは少なくとも二つのユニットのうちの一つを選択することによって風力タービンナセルを形成するための組立用ユニットのセットを形成するいくつかのユニットを示す。
図7b図7a及び7bは少なくとも二つのユニットのうちの一つを選択することによって風力タービンナセルを形成するための組立用ユニットのセットを形成するいくつかのユニットを示す。
図8図8及び9は第1の固定構造がボルト形状の固定ピンによって構成される実施形態を示す。
図9図8及び9は第1の固定構造がボルト形状の固定ピンによって構成される実施形態を示す。
図10図10及び11は第1及び第2固定構造の別の実施形態をさらに詳細に示す。
図11図10及び11は第1及び第2固定構造の別の実施形態をさらに詳細に示す。
図12図12乃至15は主ユニットと補助ユニットとの間のインターフェースの4つの異なる実施形態を示す。
図13図12乃至15は主ユニットと補助ユニットとの間のインターフェースの4つの異なる実施形態を示す。
図14図12乃至15は主ユニットと補助ユニットとの間のインターフェースの4つの異なる実施形態を示す。
図15図12乃至15は主ユニットと補助ユニットとの間のインターフェースの4つの異なる実施形態を示す。
図16図16乃至18は主ユニット及び補助ユニットがヒンジ構造によって組み立てられる実施形態を示す。
図17図16乃至18は主ユニット及び補助ユニットがヒンジ構造によって組み立てられる実施形態を示す。
図18図16乃至18は主ユニット及び補助ユニットがヒンジ構造によって組み立てられる実施形態を示す。
図19図19及び20は補助ユニットを主ユニットに取り付けるためのフックの更なる詳細を示す。
図20図19及び20は補助ユニットを主ユニットに取り付けるためのフックの更なる詳細を示す。
図21図21は補助ユニットが地面に自由に降下できる開放位置にあるフックを示す。
図22図22は補助ユニットを主ユニットに取り付けるための二つのボルト穴を有する断面を示す。
図23図23乃至25はフックが滑るように懸架されている実施形態を示す。
図24図23乃至25はフックが滑るように懸架されている実施形態を示す。
図25図23乃至25はフックが滑るように懸架されている実施形態を示す。
図26図26乃至28は補助ユニットを吊り上げるための主ユニット上のクレーンの実施形態を示す。
図27図26乃至28は補助ユニットを吊り上げるための主ユニット上のクレーンの実施形態を示す。
図28図26乃至28は補助ユニットを吊り上げるための主ユニット上のクレーンの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0081】
詳細な説明及び具体例は、実施形態を示しているが、本開示の精神及び範囲内の様々な変更及び修正は、この詳細な説明から当業者に明らかになるため、例示のためにのみ与えられる。
【0082】
図1a及び1bは、タワー3に取り付けられたナセル2を有する風力タービン1を示す。3枚のローターブレード5を搭載したハブ4はローターを形成し、ナセル2内のロータ支持アセンブリによって支持される。典型的には、ロータ支持アセンブリは、歯車装置と発電機をハブに接続するローターシャフトを含む。しかし、発電機はシャフトによって直接駆動することができるため、ギアは必ずしも必要ではない。図1bは、発電機6がナセルの外側に配置されたダイレクトドライブ風力タービンを示す。
【0083】
図2は、ナセルが、主ユニット20と二つの補助ユニット21、22とを含むことを示す。冷却領域23は、ナセルの上部に配置される。冷却領域は、主ユニットの一部を形成することができる熱交換器、及び/又は任意の補助ユニットによって形成される。主ユニット20は、ヨーイング機構(図示せず)を介してタワー3に取り付けられ、ローターを風に向けるためにナセル2が回転することを可能にする。
【0084】
図3は、図2のナセル2の斜視図である。図3において、ナセル2の外壁は(説明のために)透明であり、それによって、ナセル2の内部及びその中に収容された風力タービン構成要素が明らかにされている。主ユニット20は、ハブ4の回転軸線方向に沿ってハブ4の後方に順に配置された主軸受ユニット31、歯車装置32、発電機33を収容する。主ユニットの部品は主に駆動系の一部を構成する。
【0085】
補助ユニット22は、ここでは補助ユニットに収容される二つの異なる作動構成要素を構成する、変圧器ユニット34と変換器ユニット35とを収容する。代替的な実施形態では、作動構成要素は、電解セルスタック又はバッテリであり得る。
【0086】
各補助ユニット21、22は、主ユニット20の側面に沿ってインターフェースを介して取り付けられている。本実施形態では、ハブ4の回転軸に沿ってハブ4から主ユニット20の後壁に向かって見たときに、一方の補助ユニット21が主ユニット20の右側に沿って取り付けられ、他方の補助ユニット22が主ユニット20の左側に沿って取り付けられている。
【0087】
図5は、左側及び右側の補助ユニットが、重量バランス及び二重機能を確立する少なくとも一つの同一の構成要素を含む実施形態を示す。二重機能とは、風力タービンが二つの同一に機能する構成要素を含み、一つが各補助ユニットに含まれることを意味する。故障の場合、風力タービンは、補助ユニットの一つの作動構成部品を交換している間、出力を減らして運転を継続してもよい。
【0088】
図4及び図5は、レール42を備えた搬送システムを示しており、レール42は、主ユニットから補助ユニット内に延びており、予備部品等を容易に取り扱うことができる。
【0089】
図2から図5において、補助ユニットは、規格化された貨物コンテナの一般的な形状及びサイズを有する要素、例えば、規格化された貨物コンテナについては、ISO規格、ISO 668:2013に規定された寸法及び構造仕様を有する40フィートの船積貨物コンテナから構成される。補助ユニットは、ISOコーナー昇降構造によって主ユニットに取り付けられ、典型的には鋼で成形され、コンテナへの特に強固なインターフェースを構成する。この実施形態では、主ユニットの一方の側は、二つの異なる補助ユニットの間で選択された補助ユニットを有し、結果として生じるナセルは、発電機を有する主ユニットと、各々が同一の作動構成要素を収容する二つの補助ユニットとを備える。二つの補助ユニットは、同一の作動構成要素を含むだけでなく、完全に同一であってもよく、すなわち、主ユニットへのインターフェースに関して、及び作動構成要素以外の他の部分に関しても同様であってもよい。
【0090】
図6は、二つの補助ユニット61、62が、一方が他方の上に配置される実施形態を示す。本実施形態では、上部補助ユニット61は40フィートの船積貨物コンテナの大きさと形状を有するユニットで構成され、下部補助ユニット62は20フィートの船積貨物コンテナの大きさと形状を有するユニットで構成される。両方のコンテナは、ISO規格、ISO 668:2013に規定されている寸法及び構造仕様を有し、補助ユニットは、主に20フィートコンテナのコーナー昇降装置によって、また一部は40フィートコンテナのコーナー昇降装置によって、互いに取り付けられている。
【0091】
図7aは、風力タービンナセルを形成するための組立用ユニットのセットを形成するいくつかのユニットを示す図である。この図では、セットが、個別に選択可能な複数の異なる補助ユニットを含むことが分かる。このセットには、ナセルの組み立てに必要以上のユニットが含まれているため、ユニットのセットでは、ナセルのユニットの選択に基づいてさまざまな構成を行うことができます。附番71のユニットは主ユニットである。72は主ユニットの左側に取り付けるための左側補助ユニット、73は主ユニットの右側に取り付けるための右側補助ユニットである。
【0092】
ユニットのセットは、例えば、主軸受、駆動シャフト、又はギアボックス等に対して、例えば、所望のナセル構成を提供するために、例えば、特定の気候条件等のために、例えば、特定の風条件に一致するために、異なるように構成された多数の駆動系74をさらに含む。
【0093】
ユニットのセットは、例えば、異なる電力要件又は気候条件に適合するように、異なるサイズのロータに適合するいくつかのハブ75をさらに含む。このセットは、冷却のための異なるニーズ及び/又は異なる気候条件に適合させるための異なる熱交換器76をさらに含む。
【0094】
例として、以下のユニット及びユニットの組み合わせを定義することができる。
【0095】
RX=右側装着補助ユニット番号X、例:R1は、主ユニットの右側に装着するための補助ユニットであり、ユニットのセットの中で識別番号1を有する。
【0096】
LX=左側装着補助ユニット番号X、例:L3は、主ユニットの左側に装着するための補助ユニットであり、ユニットのセットの中で識別番号3を有する。
【0097】
非同期又は同期発電機及びフルコンバータAC/DC-DC/ACを有する主ユニット/補助構成例
【表1】
【0098】
二重給電誘導発電機(DFIG)ジェネレータと一部のパワー変換器AC/DC DC/ACを有する主ユニット/補助ユニットの設定例:
【表2】
【0099】
AD/DC()変換器(発電機側)と水素を有する主ユニット/補助ユニット構成例
【表3】
【0100】
AD/DC()変換器(発電機側)とストレージを有する主ユニット/補助ユニット構成例
【表4】
【0101】
非同期又は同期発電機とフル変換器AC/DC-DC/AC及び凧ユニットを有する主ユニット/補助構成例
【表5】
【0102】
モジュールL9は、エネルギー回収システムである空中ユニットを収容する補助モジュールであり、空中ユニット、例えば凧又はフォイルは、空中ユニット、例えばケーブルによって補助ユニットに接続されている間にエネルギーを回収することができる。
【0103】
図7bは、補助ユニット73が主ユニットの右側に取り付けられた主ユニット20を示す。この補助ユニットは変圧器と変換器を含む。反対側の左側では、ナセルは、主ユニットに対して同一のインターフェースを有する補助ユニット72’、72’’のいずれかで作られる。したがって、風力タービンは、二つの補助ユニット72’、72’’の一方又は他方を選択することによって、異なるように構成することができる。
【0104】
二つの補助ユニット72’の少なくとも一方は、ナセルの一部を形成しないが、異なる補助ユニットとの交換が可能な補助ユニットである。
【0105】
二つの補助ユニット72’、72’’はそれぞれ、主ユニットを動作可能にし、したがって二つの代替構成を提供する。上部補助ユニット72’は、補助ユニット73に含まれるのと本質的に同じ構成要素を含み、したがって、電力定格を変更するために使用することができる。下部補助ユニット72’’は、異なる電力変換モジュール、例えば、発電機からの電力を水素等の他の形態のエネルギーに変換するための燃料電池を含む。図8から図11は、異なる実施形態において、どのようにして作動構成要素を主ユニット及び補助ユニットの一方又は両方に取り付けることができるかを示す。
【0106】
図8において、ボルト形状の固定ピン78は、強化機構79に係合する。ボルト形状の固定ピンは、作動構成要素を直接主ユニットに搬送し、作動構成要素からタワーへの荷重経路を作成します。
【0107】
図9は、実施形態を示しており、ここで、作動構成要素は、作動構成要素の底部と補助ユニットの底部との間の支持脚91によって支持されている。
【0108】
図10は、補助ユニット102の底部に載置された支持フレーム105によって作動構成要素104が支持され、それが主ユニット101内の主フレーム106に直接懸架されている別の実施形態をさらに詳細に示している。これにより、主フレームは、タワーへの作動構成要素のための荷重経路の一部を形成する。
【0109】
これにより、変圧器104の重量の少なくとも50%が主ユニット101に担持され、残りの重量が補助ユニット102に担持され、補助ユニットは再び主ユニット101に担持される。これにより、重量の残りの部分は、主ユニット101によって直接担持されない。
【0110】
図11は、図10の実施形態に相当する実施形態を示すが、支持フレーム111は、主ユニット101内の主フレーム106上に配置されたブラケット1102を介して吊り下げられている。これにより、主フレームは、タワーへの作動構成要素のための荷重経路を形成する。
【0111】
図12-15は、主ユニットと補助ユニットとの間の界面を形成するユニット固定構造の4つの異なる実施形態を示す。これらの四つの図のそれぞれにおいて、主ユニット121と補助ユニット122は、ユニット固定構造を形成する協働構造によって接続され、以下にさらに詳細に説明される。
【0112】
図12において、協働構造は、主ユニット及び補助ユニットがボルトによって結合されるブラケット123によって構成される。
【0113】
図13において、協働構造は、図12において使用されるものと同様の下部ブラケット123によって構成される。上端では、ヒンジ点132で主ユニットに枢着されたフック131によって主ユニットと補助ユニットとが組み付けられる。フックは、矢印133によって示されるように回転することができ、図示の位置にあるとき、補助ユニットのエッジブラケット134と係合する。下部ブラケット123を取り外し、フック131を主ユニット内に回転させると、補助ユニットを地上に降ろすことができる。
【0114】
図14の実施形態は、図13の実施形態に相当するが、下部ブラケットが上部ブラケット141に置き換えられ、フックが下縁に配置されている。
【0115】
図15では、補助ユニットを主ユニットにボルト止めするために下ブラケットと上ブラケットが使用され、ボルトが取り付けられた状態で、スライド可能な支持体151が補助ユニットの下面を支持する。例えば、作動構成要素を別の作動構成要素と交換するために、補助ユニットを地面に降ろすことが望まれる場合には、例えば、主ユニットに組み込まれたクレーンを使用することによって、スライド可能な支持体を左側にスライドさせ、補助ユニットを降ろすことができる。
【0116】
図12から図15に示される実施形態のいずれにおいても、ブラケット又はフックは、荷重を補助ユニットから主ユニットの剛性部分へ、例えば、荷重を担時する円柱、例えば、主ユニットのコーナー円柱ヘ導く。様々な構造的特徴は、補助ユニットを担時するブラケット又はフックを、直接、主ユニットの主フレームに接続し、それによって、タワーへの荷重経路を確立することができる。
【0117】
図12から図15に示すフックとブラケットのインターフェースに加えて、第1の固定構造(図示せず)は、作動構成要素(図示せず)を主ユニット内の主フレームに直接接続する。
【0118】
図16から図18は、主ユニット及び補助ユニットが、ヒンジ要素163、164、165を貫通して延在するヒンジピン166を受けるための孔を有するヒンジ要素163、164、165を備えるヒンジ構造によって組み立てられる実施形態を示す。図16はさらに、境界面が隙間167を形成し、空気が例えばナセルの下からナセルの上まで隙間を通って通過することを示す。隙間は、ユニット間を空気が通過することを可能にする多数のピン又は開放構造体から構成され得る間隔要素168によって、底部で開放状態に保持される。
【0119】
このような隙間は、熱対流を増大させ、したがって、主ユニット及び補助ユニット内の空間を冷却することができる。
【0120】
隙間は、ヒンジ構造を有する実施形態に限定されるものではなく、他の任意の組立方法と組み合わせることができる。
【0121】
図17及び図18は、ヒンジ要素163、164、165及びヒンジピン166を示す。図17において、ヒンジ要素は、ヒンジピンがヒンジ要素内に摺動することができるように、互いに正確に位置決めされる。図18において、ヒンジピンは、ヒンジ要素の穴を通して挿入される。
【0122】
図19は、補助ユニット191を主ユニット192に取り付けるためのフックのさらなる詳細を示す。フック193は、主ユニット内のヒンジ194に回転自在に懸架されている。フックは、補助ユニットの開口部195を通って回転し、補助ユニットの凹部又は縁部196を受けることができる。フックはまた、補助ユニット内に取り付けられ、主ユニット内で凹部又はエッジを受けることもでき、その場合、フックは、逆に、すなわち、図20に示されるように取り付けられてもよい。
【0123】
図21は、補助ユニットが地面に自由に降下できる開放位置にあるフックを示す。
【0124】
図22は、二つのボルト穴221が見られる断面を示す。ボルト穴は、補助ユニットの主ユニットへの取り付けをボルトを用いて確実に固定することにより容易にする。本実施形態では、フックは主に補助ユニットを主ユニットに対して正しい高さに位置決めするためのものであり、ボルトはユニットを接合するためのものである。
【0125】
図19図21及び図22において、フックは、好ましくは、主ユニットの主フレームによって、例えば、主ユニットの内面に沿って配置された円柱又は支柱を介して支持される。図19において、円柱197は、主ユニットの内面に沿って延び、主ユニットの底部において主フレーム上のフックを支持する。
【0126】
図20において、フックが補助ユニットの一部を形成する場合、フックが係合する主ユニット内のエッジは、主ユニット内の主フレームによって支持されることが好ましい。繰り返しになるが、これは、主ユニットの内面に沿って配置された支柱又は円柱を介してもよい。
【0127】
フックは、例えば油圧駆動アクチュエータを含む動力駆動手段によって、開位置(図21)と閉位置(図19図20図22)との間で移動させることができる。
【0128】
図23図24図25は、フックが回転懸架されておらず、摺動懸架されている実施形態を示している。この機能は、図19から図22の実施形態と同様である。図23及び図24の断面図は、補助ユニットを主ユニットにボルト固定するために使用することができるボルト穴231を示す。図23のフックは主ユニットに取り付けられ、図24のフックは補助ユニットに取り付けられる。
【0129】
図25aでは、フック251を左にスライドさせることにより、補助ユニットの縁を外し、補助ユニットを地面に降ろすことができる。図25bでは、フック251を右にスライドさせることにより、補助ユニットの縁部を係合して両ユニットを固定保持する。フックは、動力駆動手段、例えば油圧アクチュエータによって摺動されてもよい。
【0130】
上記の説明において、図19-25では補助ユニットを主ユニットに固定するユニット固定構造の一部として説明した。同様の構造は、第1の固定構造を構成することができ、これにより、作動構成要素が主ユニットに取り外し可能に固定される。同様の構造は、作動構成要素が補助ユニットに取り外し可能に固定される第2の固定構造を構成してもよく、同様の構造は、二つの補助ユニットが互いに固定される第3の固定構造を構成してもよい。
【0131】
図26は、再構成のための交換中の補助ユニットの昇降を示す。補助ユニットは、主ユニットの一部を構成するクレーン261を用いて吊り上げられる。移動は、本質的に矢印263で示された垂直面内でのみ行われ、主ユニットへの補助ユニットの取り付けは、ヒンジ式又はスライド式フックなどの可動固定機構を含む、前述のようなユニット固定構造によって容易にすることができる。
【0132】
図27は、内部クレーン261の拡大図を示す。クレーンは、主ユニットの屋根部に取り付けられ、その位置によって、前記ユニット固定構造が主ユニットと補助ユニットとの間の係合を形成することができる位置に垂直方向に補助ユニットを吊り上げることができる。この手順は、垂直方向以外の方向への移動を必要としないことがあり、したがって、外部クレーン支援の必要性を低減した簡単な組立手順を容易にする。水平面内で調整するために、クレーン261は、例えば矢印262によって示されるように、水平に移動するオプションを有することができる。
【0133】
図28は、主ユニット282の屋根上に二重片持ち梁281を有する別のクレーン構造を概略的に示す。片持ち梁281は、テレスコピック部分283内で横方向に延びることができる。片持ち梁は、補助ユニット284の持ち上げ及び主ユニット282への接続を容易にする。回動可能又はスライド可能なフックを含む本明細書に開示されたユニット固定構造は、一般に、垂直方向にのみ巻き上げることによって補助ユニットの取り付けを容易にするが、伸縮移動は、主ユニットと補助ユニットとの間の水平距離の微調整を容易にする。
【0134】
定義
ここで、用語「ナセル」とは、風力タービンのための機械ハウスを記述する一般的に受け入れられている用語、すなわち、ロータ及び駆動系を担持し、風力タービンタワーによって担持される部分を意味する。
【0135】
本明細書において、「主ユニット」及び「補助ユニット」という用語は、別個に輸送することができ、一つ以上の他のユニットと組み立ててナセルを形成することができるユニットを指す。
【0136】
ここで、「ロータ支持アセンブリ」とは、ロータを担持するナセルの部品、典型的には駆動系、主ベアリング及び主フレームを指す。駆動系は、風力タービンのタイプに応じて異なる構成要素、例えば、ローターシャフト、発電機、及び場合により、ローターシャフトと発電機との間のギアボックスを含むことができる。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28