(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】剛性変更構造を有する無線通信装置
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20240704BHJP
H01Q 7/00 20060101ALI20240704BHJP
H01Q 1/38 20060101ALI20240704BHJP
G06K 19/02 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
G06K19/077 296
H01Q7/00
H01Q1/38
G06K19/02 070
G06K19/077 280
G06K19/077 144
(21)【出願番号】P 2022540470
(86)(22)【出願日】2020-12-28
(86)【国際出願番号】 US2020067215
(87)【国際公開番号】W WO2021134076
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-08-26
(32)【優先日】2019-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518000176
【氏名又は名称】エイヴェリー デニソン リテール インフォメーション サービシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】AVERY DENNISON RETAIL INFORMATION SERVICES LLC
【住所又は居所原語表記】8080 Norton Parkway, Mentor, Ohio 44060 Uni-ted States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【氏名又は名称】山下 亮司
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202142
【氏名又は名称】北 倫子
(72)【発明者】
【氏名】フォースター,イアン ジェイ.
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/135331(WO,A1)
【文献】特開2013-089022(JP,A)
【文献】特開2011-015395(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0100575(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0157953(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/077
H01Q 7/00
H01Q 1/38
G06K 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の開口を規定する領域を囲む導体と、該導体に接続された無線周波数識別(RFID)チップとを含
む反応性ストラップと、
前記導体に取り付けられ、第2の開口を規定する
内周部を有する可撓性基材と、
可撓性物品と、
前記反応性ストラップと反応的に結合するように構成されたワイヤを含むアンテナと、
を含むRFID装置であって、
前記第1の開口および
前記第2の開口は、
前記導体と
前記可撓性
基材の両方を通る通路を共に規定
し、
前記反応性ストラップは、前記可撓性基材の外周部の外側の位置から、前記導体を超えて前記可撓性基材の前記第2の開口内の位置まで、前記可撓性基材を貫通することなく延びる前記ワイヤによって形成される少なくとも1つのステッチによって前記可撓性物品に固定される、
RFID装置。
【請求項2】
前記導体は、リング状、正方形状、矩形状、半円形状のうち少なくとも1つを含む形状を有する、請求項
1に記載のRFID装置。
【請求項3】
前記可撓性基材は、ファブリック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、または他の可撓性プラスチック材料のうち少なくとも1つを含む、請求項1
または2に記載のRFID装置。
【請求項4】
前記導体は、銅ワイヤ、エッチングされた銅、印刷された導電インク、または他の可撓性導電材料をさらに含む、請求項1~
3のいずれか1項に記載のRFID装置。
【請求項5】
前記反応性ストラップは、外部環境から前記反応性ストラップを密封するために、可撓性材料を使用して前記可撓性基材に積層される、請求項1~
4のいずれか1項に記載のRFID装置。
【請求項6】
前記アンテナは、前記導体と交差する1つ以上の交差
部を含む、請求項1~
5のいずれか1項に記載のRFID装置。
【請求項7】
前記反応性ストラップと前記アンテナ
との反応的結合
の60%超が、前記1つ以上の交差
部ではなく、前記導体と前記アンテナ
との近接性に基づく、請求項
6に記載のRFID装置。
【請求項8】
前記反応性ストラップと前記アンテナ
との反応的結合
の60%超が、前記導体と前記アンテナ
との非交差
部の近接性ではなく、前記アンテナの部分
の交差に基づく、請求項
6に記載のRFID装置。
【請求項9】
前記1つ以上の交差
部は、前記アンテナ
の前記反応性ストラップ
への結
合に影響を
及ぼすように前記導体の周りを包み込む、請求項
6~
8のいずれか1項に記載のRFID装置。
【請求項10】
前記1つ以上の交差
部は、前記導体の同じ
側にわたって、
前記交差
部の10を超える交差点を含む、請求項
6~
9のいずれか1項に記載のRFID装置。
【請求項11】
前記アンテナの前記ワイヤは、前記導体にわたって
前記ワイヤの
複数の交差をそれぞれ有する選択された位置において、前記導体にわたって延びる
部分を含む、請求項
6~
10のいずれか1項に記載のRFID装置。
【請求項12】
前記アンテナは、前記導体によ
って囲まれた領域の重心から測定された少なくとも20度離れている複数の位置で前記導体と交差する、請求項
6~
11のいずれか1項に記載のRFID装置。
【請求項13】
前記可撓性基材は、
略環状であり、前記導体と実質的に同芯である、請求項1~
12のいずれか1項に記載のRFID装置。
【請求項14】
反応性ストラップと、可撓性基材と、可撓性物品と、前記反応性ストラップと反応的に結合するように構成されたワイヤを含むアンテナとを備えるRFID装置を形成する方法であって、
前記反応性ストラップを
前記可撓性基材に取り付けるステップ
であって、前記反応性ストラップは、
第1の開口を規定する領域を囲む導体と、該導体に接続された無線周波数識別(RFID)チップとを含み
、前記可撓性基材は、前記導体に取り付けられ、第2の開口を規定
する内周部を有し、前記第1の開口および
前記第2の開口は、前記導体と
前記可撓性
基材の両方を通る通路を共に規定する
、ステップと、
前記反応性ストラップを、前記可撓性基材の外周部の外側の位置から、前記導体を超えて前記可撓性基材の前記第2の開口内の位置まで、前記可撓性基材を貫通することなく延びる前記ワイヤによって形成される少なくとも1つのステッチによって前記可撓性物品に固定するステップと、
を含む方法。
【請求項15】
前記反応性ストラップにアンテナを直接結合するか、または1つ以上の他の物体を介して結合するステップをさらに含む、請求項
14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年12月28日に出願された米国仮特許出願番号62/954,480の利益を主張し、これはその全体が参照として本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
RFID技術を含む無線通信アプローチを組み込む装置は、追跡およびセキュリティを目的とする商品ラベルまたはタグへの組み込みを含む様々な用途で広く用いられている。かかるシステムは、在庫管理および盗難やその他紛失からのセキュリティのために、衣類などのアイテムと関連付けることを含めて、小売業でよく知られている。
【0003】
商品ラベルまたはタグに組み込まれたRFID装置は、多様な統合された構成要素を有し得る。その中でRFIDチップは、製品のタイプに対する識別コード、および固有の識別コードに係る正確な物品に対する識別コードなどのデータを含む。他の構成要素は、RFIDチップに電気的に接続されたアンテナを含み得る。これは、他のRFID装置、例えば、RFIDリーダシステムへ信号を伝送する、および/または他のRFID装置から信号を受信する役割を果たす。
【0004】
衣類ラベルまたはタグは、取り付けられた衣料品と共に移動する。かかるラベルまたはタグは、利便性に影響を与え得る。また、関連付けられた衣料品を洗濯したり折り畳んだり、または他の方法で扱われる場合のように、しばしばストレスにさらされ得る。衣料品に係る無線通信RFID装置を組み込むラベルまたはタグは、剛性を有し得るため、ラベルが撓んだ際に不快感を引き起こしたり、または通信装置に損傷を与える可能性がある。また、物品に縫い付けられたり、他の方法で取り付けなければならない個別のラベルまたはタグを構成する必要がある場合、さらに費用が発生する。
【0005】
従って、利便性および/または耐久性に関して、既存の無線通信装置に比べて改善が行われ得る。
【発明の概要】
【0006】
本明細書に記載および請求される無線通信装置およびシステムにおいて、個別にまたは共に具体化され得る本主題の様々な態様が存在する。これらの態様は、単独でまたは本明細書に記載の主題の他の態様と組み合わせて使用され得る。これらの態様を共に説明することは、これらの態様を個別に使用したり、かかる態様を本明細書に添付の請求範囲に明示され得るように、個別にまたは異なる組み合わせで請求することを排除するよう意図するものではない。
【0007】
一部の実施形態において、RFID装置は、反応性ストラップと、可撓性基材とを含み得る。反応性ストラップは、ある領域を囲む導体と、該導体に接続された無線周波数識別(RFID)チップとを含み得る。導体は、当該領域を囲み、第1の開口を規定する。可撓性基材は、当該導体に取り付けられ、第2の開口を規定する。第1の開口および第2の開口は、導体と可撓性バッキング材料の両方を通る通路を共に規定し得る。
【0008】
一部の実施形態において、RFID装置は、反応性ストラップと反応的に結合するように構成されたアンテナを含み得る。導体は、リング状、正方形状、矩形状、半円形状のうち少なくとも1つを含み得る形状を有し得る。可撓性基材は、ファブリック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、または他の可撓性プラスチック材料のうち少なくとも1つを含み得る。導体は、銅ワイヤ、エッチングされた銅、印刷された導電インク、または他の可撓性導電材料をさらに含み得る。反応性ストラップは、外部環境から反応性ストラップを密封するために可撓性材料を使用して可撓性基材に積層され得る。RFID装置は、可撓性物品を含み得る。反応性ストラップは、可撓性基材の外側の位置から可撓性基材の開口内の位置まで延びる少なくとも1つのステッチによって可撓性物品に固定され得る。
【0009】
一部の実施形態において、ステッチは、可撓性基材に直接取り付けられなくてもよい。アンテナは、導体と交差する1つ以上の交差部を含み得る。アンテナの1つ以上の交差部は、導体を超えて延びることにより、反応性ストラップを可撓性物品に固定し得る。反応性ストラップとアンテナとの間の反応的結合の60%超は、1つ以上の交差部ではなく、導体とアンテナの近接性に基づいてもよい。反応性ストラップとアンテナとの反応的結合の60%超は、導体とアンテナの非交差部の近接性ではなく、アンテナの部分交差に基づいてもよい。1つ以上の交差部は、アンテナの反応性ストラップへの結合に影響を及ぼすように導体の周りを包み込み得る。
【0010】
一部の実施形態において、1つ以上の交差部は、導体の同じ側にわたって、交差部の10を超える交差を含み得る。パターンは、導体にわたってワイヤの複数の交差をそれぞれ有する選択された位置において、導体にわたって延びるアンテナのワイヤを含み得る。アンテナは、導体により囲まれた領域の重心から測定された少なくとも20度離れている複数の位置で導体と交差する。可撓性基材は、略環状であってもよく、導体と実質的に同芯であってもよい。ステッチは、アンテナの一部分を使用して形成され得る。
【0011】
一部の実施形態において、RFID装置を形成する方法は、反応性ストラップを可撓性基材に取り付けるステップを含み得る。反応性ストラップは、領域を囲む導体と、該導体に接続された無線周波数識別(RFID)チップとを含み得る。導体は、領域を囲み、第1の開口を規定する。可撓性基材は、導体に取り付けられ、第2の開口を規定する。第1の開口および第2の開口は、導体と可撓性バッキング材料の両方を通る通路を共に規定し得る。前記方法は、アンテナを反応性ストラップに直接結合するか、または1つ以上の他の物体を介して結合するステップを含み得る。前記方法は、可撓性基材の外側の位置から可撓性基材の開口内の位置まで延びる少なくとも1つのステッチを使用して、反応性ストラップを可撓性物品に固定するステップを含み得る。ステッチは、アンテナの一部分を使用して形成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一部の実施形態によるRFIDチップおよび導体を有する反応性ストラップを含む無線通信装置の概略図である。
【
図2】一部の実施形態によるステッチにより固定された無線通信装置の概略図である。
【
図3】一部の実施形態による無線通信装置の概略図である。
【
図4】一部の実施形態による無線通信装置の概略図である。
【
図5】一部の実施形態による無線通信装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態が本明細書に開示されているが、開示される実施形態は、単に本発明の例示に過ぎず、多様な形態で具体化され得ることを理解すべきである。従って、本明細書に開示される特定の詳細は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に請求の範囲の根拠として、且つ、実質的に任意の適切な方法で本発明を多様に使用することを当業者に教示するための代表的な根拠として解釈されるべきである。
【0014】
図1のような多様な実施形態において、可撓性物品(例えば、ファブリック物品またはファブリック物品と関連するラベル)に取り付けるのに好適であり得る例示的な無線通信装置10は、向上した可撓性を提供しつつ、多様な構成要素を含み得る。
図1に示す構成要素に加えて、無線通信装置10は、
図1に示していない銅ワイヤアンテナのようなアンテナをさらに含み得る。
【0015】
多様な実施形態において、無線通信装置10は、反応性ストラップ14の一部分を形成するRFIDチップ12を含み得る。反応性ストラップ14は、RFIDチップ12に接続されたリング状の導体16をさらに含む。多様な実施形態において、導体16は、ループ、螺旋形、半円形、正方形、矩形、三角形、六角形、八角形、十二角形、星型などの領域を囲む多様な形状を有し得る。
【0016】
多様な実施形態において、反応性ストラップ14は、可撓性バッキング材料すなわち基材18上に配置され得る。基材18は、基材18を通って延びる通路の一部を規定する第2の開口22のような1つ以上の開口を規定し得る。
【0017】
多様な実施形態において、導体16は、可撓性材料を使用して形成され得、導体を含まない中心部を有し得る。多様な実施形態において、中心部は、導体16により規定された開口であってもよく、または他の材料から形成されていてもよい。多様な実施形態において、導体16は、ある領域を囲み、1つ以上の第1の開口20を規定する。第1の開口20は、基板18および導体16を通って延びる通路の他の部分を規定し得る。
【0018】
多様な実施形態において、基材18は、多様なタイプのファブリック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ゴム、紙、炭素繊維、または可撓性プラスチック材料を含む多様な材料から構成され得る。また、導体16は、銅ワイヤ、エッチングされた銅、アルミニウム、印刷された導電インク、または他の可撓性および/若しくは非可撓性の導電材料を含む多様な導電材料から構成され得る。
【0019】
多様な実施形態において、無線通信装置10は、使用目的および無線通信装置10
がさらされる露出に応じて多様な手段で構成され得る。多くの場合、無線通信装置10が取り付けられる可撓性物品は、使用者の肌に着用されることを目的とし得るので、可撓性の向上が求められる。基材18の可撓性を高めるために、導体16における中
心の領域において、基材18の一部を取り除くか、または省略し得る(例えば、第
2の開口
22)。従って、
図1に示すように、導体16は、中空形状を規定し
ていてもよく(例えば、1つ以上の第1の開口20を有し得る)、フレキシブルな反応性ストラップ14の基材18に規定された孔または第2の開口22と一致するか、または少なくとも実質的に同芯であ
ってもよい。
【0020】
無線通信装置10が取り付けられる可撓性物品
が洗濯、湿気、および/または撓み
にさらされ得ることを考慮すると(特に可撓性物品が衣料品または衣料品のラベルである場合)、反応性ストラップ14は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)または他の可撓性材料を使用して基材18に積層され得る。外部
の積層層は、反応性ストラップ14をフレキシブル且つ環境的に密封可能にし得る。積層により反応性ストラップ14を保護するために使用される可撓性材料は、基材18に使用されるものと同一または異なる材料であり得、無線通信装置10の他の構成要素をより見やすくするために
図1では省略する。一部の実施形態において、導体16により囲まれた領域の直径は、0~0.2cm、0.2~0.4cm、0.4~0.6cm、0.6~0.8cm、0.8~1.0cm、1.0~1.3cm、および1.3~1.6cmであり得る。一部の実施形態において、導体の幅は、5~15ミクロン、15~30ミクロン、30~60ミクロン、60~200ミクロン、200~500ミクロン、500~800ミクロン、800~1200ミクロン、1.2~1.5mm、またはそれ以上であり得る。
【0021】
図2のような一部の実施形態において、無線通信装置110は
、反応性ストラップ114のRFIDチップ112を含み、
反応性ストラップ114は導体116(例えば、リング状の導体)をさらに含む。図1の例と同様、反応性ストラップ114は、可撓性基材118(例えば、
可撓性のバッキング材料)上に配置される。導体116は、
略環状であり、第1の開口120(例えば、開放された中心
部)を有
し得
る。これにより、ステッチ124が半径方向外側の位置か
ら第1の開口12
0内の位置まで導体116を通過できるように
なっている。
図2のような一部の実施形態において、
可撓性基材118は、第2の開口
22のような開口
を有していなくてもよく、第1の開口120(例えば、中心開口)の
一方の側の一部または全部を覆う被覆部分を有し
ていてもよい。
かかる第
2の例の可撓性基材118が
(図1に示すように)開口を含む場合、ステッチ124は、可撓性基材118の開口を通過し得る。
可撓性基材118は物品126の第1の面に取り付けられてもよく、または一部の実施形態において、
可撓性基材118は物品126であってもよい。多様な実施形態において、物品126は、シャツ、ジャケット、パンツ、ショーツ、下着、靴、スリッパ、サンダル、リストバンド、ベルト、ショルダーストラップ、スカーフ、または帽子などの衣料品であり得る。
【0022】
多様な実施形態において、ステッチ124は、糸、ワイヤ、ストリング、ストラップ、またはファブリック、金属、プラスチック、ゴム、若しくは他の材料からなる他の構造のうち1つ以上を含み得る。ステッチ124は、一端部若しくは両端部が物品126、可撓性基材118、または導体116のうちの1つにボンディングされ得る。ボンディングは、接着剤を用いて行われてもよく、ステッチ124の一部分を溶融および冷却することによって行われてもよく、ステープルまたはクランプなどの留め金具を用いてもよく、接続された材料にステッチ124を通すことによって行われてもよく、および/または接続された材料を介してステッチ124が引っ張られることを防ぐために結び目を結んだり、他の障害となる物を用いたりしてもよい。
【0023】
1つ以上のステッチ124が、物品126の第1の側における導体116の外径の外側の位置から延び、導体116を超えて延び、下方に向かって第1の開口120を通過することで、ステッチ124の第2の端部が、第1の開口120を通じて露出し得る物品126の第1の側に取り付けられ得る。多様な実施形態において、1つ以上のステッチ124の第1の端部および/または第2の端部は、物品126の第1の側または第2の側に取り付けられ得る。多様な実施形態において、1つ以上のステッチ124は、導体116を定位置または限定された範囲の位置で移動可能に保持するために、ループ、アーチ、または他の構成として形成され得る。
【0024】
多様な実施形態において、ステッチ124は、可撓性基材118を貫通することなく、可撓性基材118の半径方向外側の位置から導体116
を超えて可撓性基材118に規定された開口内の位置まで
横切っていてもよい。これは、外部環境から反応性ストラップ114の密封を保護するために、反応性ストラップ114が可撓性基材118に積層される場合に特に有利であり得る。
図2に示すように、
略環状の比較的狭い可撓性基材118は、無線通信装置110を可撓性物品126に固定するためのこうしたアプローチに
好適であり得るが、本開示の範囲から逸脱することなく、他の構成がまた使用され得る。
いずれの場合も、1つ以上のステッチ124が可撓性基材118への貫通有無にかかわらず、無線通信装置110は可撓性物品126に直接縫い付けられ得る。
【0025】
図3のような多様な実施形態において、無線通信装置210は、基材の有無にかかわらず可撓性物品226に縫い付けられるか、または他の方法で取り付けられ得る。例えば、基材は、導電材料で製造および/またはコーティングされ
てもよく、着用、衣類の一部としての使用、および/または洗濯に耐え得る十分な耐久性を有し得る。
【0026】
多様な実施形態において、無線通信装置210は
、導体に接続されたRFIDチップを備える反応性ストラップ214を含み得る。
導体は、図1および図2に示すように基材228上に配置される場合もあれば、基材228上に配置されない場合もある。基材228(例えば、可撓性バッキング材料)および/または導体は、無線通信装置210を可撓性物品226に固定するために、
図3に示すように、1つ以上のステッチ224を収容し得
る開口222を規定し得る。
【0027】
一部の実施形態において、
図3に示すように、無線通信装置210のアンテナ230は、ワイヤ232を含み得
る。アンテナ230のワイヤ232は、反応性ストラップ214
を超えて延びるステッチ224の一部または全部に使用される。
ステッチ224は、上述のように基材228
の開口222を通過し得る。従って、アンテナ230のワイヤ232は、基材228への貫通有無にかかわらず、物品226に対して所定の位置に無線通信装置210、導体、および/または基材228を固定および/または保持するために、1つ以上の選択された交差位置234で導体
を超えて(相対的に言えば)外側から内側に延び得る。例えば、ワイヤ232の一部分は、導体および/または基材228の外周の外側の位置で物品226の第1の面に取り付けられ、導体および/または基材228
を超えて延び、導体および/または基材228の内周の内側の位置で物品226の第1の面に取り付けられ、導体および/または基材228
を超えて後方に延び、導体および/または基材228に隣接して延びる。多様な実施形態において、無線通信装置210は、1、2、3、4、5個、または5~10、10~15、または20~40個の接続部を含み得る。一部の実施形態において、ワイヤの幅は、5~15ミクロン、15~30ミクロン、30~60ミクロン、60~200ミクロン、200~500ミクロン、500~800ミクロン、800~1200ミクロン、1.2~1.5mm、またはそれ以上であり得る。
【0028】
多様な実施形態において、ワイヤ232は、アンテナ230と反応性ストラップ214との間の結合を最小化する方式で、最小限の交差位置234で導体を横切って延びていてもよい。これは、例えば、反応性ストラップ214とアンテナ230との結合が、主に反応性ストラップ214とアンテナ230との近接性に基づくように、導体と交差し直ちに後ろに折り返して交差する単一のステッチ224を含むことにより、達成し得る。従って、最小限の交差位置234は、反応性ストラップ214とアンテナ230との結合に限定された影響を及ぼし得る。
【0029】
多様な実施形態において、ワイヤ232は、
図3における導体の一部分の外周に対して隣接しておよび/または平行に延び得る。前記部分は、導体の0~10%、10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、70~80%、または90~100%であり得る。ワイヤ232は、アンテナと導体を反応的に結合するように配置され得る。
【0030】
図4のような多様な実施形態において、無線通信装置310は、さらなる構成を有し得る。反応性ストラップは、RFIDチップ312と、導体および/または基材316とを含む。本明細書に記載の他の実施形態のように、導体および/または基材316は開口320を規定し得る。
【0031】
一部の実施形態において、アンテナ330は、
図3の実施形態と同様に、無線通信装置310、その導体および/または基材316を可撓性物品326に固定するのに使用されるワイヤ332を含む。
図3の実施形態では、反応性ストラップ214とアンテナ230との間の結合に与えるワイヤ232の影響を最小化するために、アンテナ230のワイヤ232が導体および/または基材228と交差する
が、これとは対照的に、
図4のワイヤ332
のステッチ334が導体および/または基材316と交差する1つ以上の位置は、1つ以上の交差位置334での導体および/または基材316にわたるワイヤ332の
複数の交差を用いる。これは、フレキシブルなリング状の導体316にわたって縫い付けられたアンテナ330のワイヤ332が、反応性ストラップとアンテナ330の結合により大きな影響を与える例を提供するものである。多様な実施形態において、アンテナ330と導体316との間の結合効果の0~10%、10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、または90~100%は、ワイヤの
交差により生じ、残りの効果は、ワイヤ332の非交差部分により生じる。多様な実施形態において、アンテナの長さの0~2%、2~4%、5~6%、6~8%、8~10%、10~12%、12~14%、14~16%、16~18%、18~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、または90~100%
の部分は、一対の交差位置334の間で延びる。多様な実施形態において、1つ以上の
交差が生じる1つ以上の交差位置334は、0~1、1~2、2~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~15、15~20、20~25、25~35、35~65、65~115、115~175、160~200度の角度で離れ得
る。前記角度は、導体により囲まれた領域の中心または重心から始まって第1の交差位置334の重心で終わる第1のラインと、導体により囲まれた領域の中心または重心から始まって第2の交差位置334の重心で終わる第2のラインとによって規定される。
【0032】
多様な実施形態において、各々の選択された交差位置334での複数の交差は、反応性ストラップとアンテナ330の結合の基礎となり得、これを向上させ得る。従って、ワイヤ332は、反応性ストラップおよび基材316を可撓性物品326に取り付け、アンテナ330のワイヤ332が反応性ストラップの導体と交差する交差位置334で反応性ストラップをアンテナ330に直接結合するパターンで縫い付けられ得る。例えば、各々の交差位置334でのワイヤ332は、2~4、4~6、6~8、8~10、10~20、20~40、40~80回、またはそれ以上の回数で導体および/または基材316と交差し得る。ワイヤ332は、導体および/または基材316の同じ側にわたって、前方および/または後方に交差してもよく、または、交差を達成するために導体および/または基材316の周りを包み込んでもよい。様々な実施形態において、ワイヤ332は、金属と金属(または他の導電材料)とが互いに接触する1つ以上の交差位置で導体および/または基材316と直接接触していてもよい。一部の実施形態において、ワイヤ332は、ワイヤ332と導体および/または基材316との間に非導電材料を介在して、1つ以上の交差位置で導体および/または基材316と交差していてもよい。
【0033】
図5のような一部の実施形態において、無線通信装置410は、RFIDチップ412と導体414とを含み得る。基材は、導体414と共に使用されても使用されなくてもよく、導体414は開口420を規定し得る。
【0034】
一部の実施形態において、アンテナ430は、導体414にわたって所定の位置に縫い付けられるか、他の方法で固定され得るアンテナ430のワイヤ432を含む。例えば、ワイヤ432は、導体にわたって、交差位置434における緻密な一連のステッチ424を使用して可撓性物品426に縫い付けられ得る。これにより、無線通信装置410を可撓性物品426に固定でき、無線通信装置410のチューニングを変更する方法で反応性ストラップをアンテナ430に結合できる。結果として、アンテナ430のワイヤ432は、結合と、必要に応じて無線通信装置410の通信を適合化するために反応性ストラップの共振周波数を変更するのに使用され得る。
【0035】
多様な実施形態において、無線通信装置を可撓性物品に取り付ける方法は、(反応性ストラップを開口を規定する可撓性バッキング材料上に配置して、)本明細書に記載のタイプの無線通信装置を形成するステップを含み得る。前記方法はまた、
図2に示すように、糸またはワイヤを使用して導体116の第1の開口120を通過し、導体116
を超えるようにステッチ124
で縫合することにより、反応性ストラップ114および可撓性基材118を可撓性物品126に直接縫い付けるステップを含み得る。
【0036】
また、前記方法は、銅ワイヤ、エッチングされた銅、印刷された導電インク、または他の可撓性導電材料を使用して導体116を形成するステップを含み得る。縫い付けるステップは、任意に可撓性基材118を貫通することなく、導体116にわたって(相対的に言えば)外側から内側に縫い付けることをさらに含み得る。
【0037】
かかる方法はまた、
図3~5に示すようなものを含み得
る。ここで、無線通信装置を固定するステップは、無線通信装置を可撓性物品に固定するために、導体にわたって縫い付ける際、アンテナのワイヤを使用することをさらに含む。例えば、
図4および5の上記の説明と
整合するように、無線通信装置を可撓性物品に取り付ける方法は、反応性ストラップとアンテナの結合により大きな影響を与える手段で(例えば、
図4のように選択された位置
324での
複数の交差、または
図5のように緻密なパターンのステッチ
434を介して)、導体にわたって縫い付けるのにアンテナのワイヤを使用することを含み得る。
【0038】
上述の実施形態は、本主題の一部の原理の一部の用途を示す。本明細書に個別に開示または請求される特徴の組み合わせを含めて、請求される主題の概念および範囲から逸脱することなく、当業者により多数の修正が行われ得る。かかる理由により、本明細書の範囲は上記の説明に限定されず、以下の請求範囲に説明されている通りであり、請求範囲は、本明細書に個別に開示または請求される特徴の組み合わせを含めて、本明細書の特徴を対象とし得ることが理解される。