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特許7514953エンドキャップアセンブリ、電池単体、電池および電池使用装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】エンドキャップアセンブリ、電池単体、電池および電池使用装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/653 20140101AFI20240704BHJP
   H01M 10/6561 20140101ALI20240704BHJP
   H01M 10/6567 20140101ALI20240704BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20240704BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20240704BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20240704BHJP
   H01M 50/155 20210101ALI20240704BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240704BHJP
【FI】
H01M10/653
H01M10/6561
H01M10/6567
H01M10/6554
H01M10/6556
H01M50/15
H01M50/155
H01M10/613
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022567036
(86)(22)【出願日】2021-12-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-01
(86)【国際出願番号】 CN2021143499
(87)【国際公開番号】W WO2023000623
(87)【国際公開日】2023-01-26
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】202121655242.6
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】周文林
(72)【発明者】
【氏名】▲蔔▼祥▲艷▼
(72)【発明者】
【氏名】李全坤
【審査官】鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111403853(CN,A)
【文献】特開2014-003019(JP,A)
【文献】特表2021-500708(JP,A)
【文献】中国実用新案第210467900(CN,U)
【文献】特開2021-064506(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106450049(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/52-10/667
50/00-50/198
50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング、電極アセンブリ、およびエンドキャップアセンブリを含む電池単体、および
熱管理部材を含み、
前記ケーシングは、端部に開口を有し、
前記電極アセンブリは、前記ケーシング内に収容され、
前記エンドキャップアセンブリは、
前記開口を閉鎖するエンドキャップ、および
前記エンドキャップに装着されたエンドキャップパッチ、を含み、
前記エンドキャップパッチに少なくとも1つの貫通穴が設けられ、前記貫通穴に熱伝導部材が充填され、前記エンドキャップは前記熱伝導部材を介して外部と熱交換して、前記電池単体の内部温度を調節し、
前記エンドキャップに電極端子が設けられ、前記電極端子は前記電池単体の内部から離れる端面を有し、
前記熱管理部材は前記電池単体の内部から離れる外面を有し、
前記エンドキャップパッチの厚さ方向に沿って、前記外面が前記端面よりも前記電池単体の内部に近く、
前記エンドキャップは熱伝導部材を介して前記熱管理部材と熱交換して、前記電池単体の内部温度を調節する、電池。
【請求項2】
前記熱管理部材は、前記エンドキャップパッチの第1部分に装着され、前記熱管理部材は前記電池単体の内部温度を調節するように構成される、請求項に記載の電池。
【請求項3】
前記熱伝導部材は第1接続部を有し、前記第1接続部は前記エンドキャップと前記エンドキャップパッチ間に設けられる、請求項またはに記載の電池。
【請求項4】
前記熱伝導部材は第2接続部を有し、前記第2接続部は前記エンドキャップパッチと前記熱管理部材間に設けられる、請求項のいずれか1項に記載の電池。
【請求項5】
請求項のいずれか1項に記載の電池を含み、前記電池は電気エネルギーを供給するために使用される、電池使用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2021年07月20日に出願された発明名称「エンドキャップアセンブリ、電池単体、電池および電池使用装置」の中国特許出願202121655242.6の優先権を主張し、この出願のすべての内容が参照により本出願に取り込まれる。
【0002】
本出願は、電池の技術分野に関し、特にエンドキャップアセンブリ、電池単体、電池および電池使用装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電池は、携帯電話、ノートパソコン、電池カー、電気車両、電機飛行機、電気ボート、電気玩具車、電気玩具船、電気玩具飛行機、電動工具などの電子機器に広く使用されている。
【0004】
電池は、充放電の過程および使用過程で多くの熱を発生し、この熱を即時に放出しないと、電池耐用年数に影響を与えるだけでなく、安全上のリスクも生じる。したがって、どのように電池の放熱を解決し、電池の耐用年数と安全性を向上させるのは、大きな意義と価値がある。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施例は、電池の耐用年数と安全性を向上させることができるエンドキャップアセンブリ、電池単体、電池および電池使用装置を提供する。
【0006】
第1側面によれば、本出願の実施例は、電池単体に用いられるエンドキャップアセンブリを提供し、エンドキャップアセンブリは、エンドキャップ、および前記エンドキャップに装着されたエンドキャップパッチ、を含み、前記エンドキャップパッチに少なくとも1つの貫通穴が設けられ、前記貫通穴に熱伝導部材が充填され、前記エンドキャップは前記熱伝導部材を介して外部と熱交換して、前記電池単体の内部温度を調節する。
【0007】
本出願の実施例の技術的解決手段として、エンドキャップパッチに貫通穴が設けられ、貫通穴に熱伝導部材が充填され、熱伝導部材を介する熱伝達によって、電池単体はエンドキャップと熱伝導部材を利用して外部と熱交換して電池単体の内部温度を調節し、電池の耐用年数と安全性を向上させる。
【0008】
いくつかの実施例では、熱伝導部材は熱伝導ゲルである。
【0009】
上記技術的解決手段では、熱伝導ゲルは良好な熱伝導および電気絶縁性能を有し、貫通穴に容易に充填することができる。
【0010】
いくつかの実施例では、エンドキャップは、第1本体と第1突出部を含み、前記第1突出部は前記電池単体の内部から離れる方向に突出し、前記第1本体の前記第1突出部に対応する位置に、前記電池単体の内部から離れる方向に窪む第1凹部が形成され、前記第1凹部は、前記電池単体の電極アセンブリの少なくとも一部を収容するように構成される。
【0011】
上記技術的解決手段では、エンドキャップの第1本体の第1突出部に対応する位置に電池単体の内部から離れる方向に窪む第1凹部が形成され、第1凹部は電極アセンブリの少なくとも一部を収容して、電極アセンブリのより多くの空間を解放し、電池単体のエネルギー密度の向上に寄与する。第1突出部の設置により第1凹部ができるだけ電池単体の内部から離れる方向に沿って窪み、電極アセンブリの少なくとも一部が第1凹部内に収容されるのに寄与する。
【0012】
いくつかの実施例では、貫通穴は前記エンドキャップパッチの前記第1本体に装着された部分に設けられる。
【0013】
上記技術的解決手段では、貫通穴は前記エンドキャップパッチの前記第1本体に装着された部分に設けられ、第1本体の部分が第1突出部よりも電池単体の内部に近く、電池単体の内部温度の調節に寄与する。
【0014】
いくつかの実施例では、エンドキャップパッチは、前記第1本体に装着された第1部分と第2部分を有し、
前記エンドキャップパッチの長さ方向に沿って、前記第1部分は前記第1突出部の両側に位置し、前記エンドキャップパッチの幅方向に沿って、前記第2部分は前記第1突出部の両側に位置し、前記第2部分は2つの前記第1部分間に位置し、前記貫通穴は前記第1部分に設けられる。
【0015】
上記技術的解決手段では、貫通穴が第1部分に設けられ、第2部分が第1突出部のエンドキャップパッチの幅方向に沿った両側に位置し、第2部分の幅が一般に比較的小さく、第1部分がエンドキャップパッチの長さ方向に沿った両側に設けられ、第1部分の幅が第2部分の幅よりも遥かに大きく、貫通穴の開設に寄与する。
【0016】
いくつかの実施例では、貫通穴の開口径が10mm未満である。
【0017】
上記技術的解決手段では、貫通穴の開口径が大きすぎると、エンドキャップパッチの絶縁性に悪影響を与え、貫通穴の開口径が10mm未満である場合、エンドキャップパッチの絶縁性能が確保される。
【0018】
いくつかの実施例では、少なくとも1つの貫通穴の総面積は第1部分の面積の10%~50%である。
【0019】
上記技術的解決手段では、貫通穴の総面積が大きいほど、絶縁性能が悪くなり、貫通穴の総面積が小さいほど、熱伝導性能が悪くなるため、貫通穴の総面積を第1部分の面積の10%~50%に設定することで、エンドキャップパッチの絶縁性能を確保するだけでなく、貫通穴中の熱伝導部材の面積を確保し、熱伝導性能に影響を与えない。
【0020】
いくつかの実施例では、貫通穴に前記電池単体の内部温度を収集するための温度センサーが設けられる。
【0021】
上記技術的解決手段では、貫通穴に温度センサーが設けられ、熱伝導部材により温度センサーを固定し、温度センサーの固定に有利であり、かつ熱伝導部材の熱伝達により電池単体の内部温度を容易に収集することができ、温度の収集に寄与する。
【0022】
第2側面によれば、本出願の実施例は、ケーシング、電極アセンブリおよび本出願の第1側面のいずれか1つの実施例のエンドキャップアセンブリを含む電池単体を提供する。ケーシングの端部は開口を有し、電極アセンブリはケーシング内に収容され、エンドキャップは開口を閉鎖する。
【0023】
第3側面によれば、本出願の実施例は、本出願の第2側面のいずれか1つの実施例の電池単体、および熱管理部材を含み、エンドキャップは熱伝導部材を介して熱管理部材と熱交換して、電池単体の内部温度を調節する、電池を提供する。
【0024】
上記技術的解決手段では、エンドキャップは熱伝導部材を介して熱管理部材と熱伝達して、電池単体と熱管理部材の熱伝達効率を向上させ、熱管理部材による電池単体の温度調節に寄与する。
【0025】
いくつかの実施例では、熱管理部材はエンドキャップパッチの第1部分に装着され、熱管理部材は電池単体の内部温度を調節するように構成される。
【0026】
上記技術的解決手段では、熱管理部材と第1部分の装着により、電池単体と熱管理部材間の熱伝達を実現し、熱管理部材による電池単体の温度調節に寄与する。
【0027】
いくつかの実施例では、熱伝導部材は、エンドキャップとエンドキャップパッチ間に設けられた第1接続部を有する。
【0028】
上記技術的解決手段では、エンドキャップとエンドキャップパッチ間の隙間は、熱伝導部材の第1接続部を介して充填され、同時に第1接続部はエンドキャップとエンドキャップパッチ間に設けられることにより、エンドキャップと熱管理部材間の伝熱効果をさらに向上させることができる。
【0029】
いくつかの実施例では、熱伝導部材は、エンドキャップパッチと熱管理部材間に設けられた第2接続部を有する。
【0030】
上記技術的解決手段では、熱伝導部材と熱管理部材間の隙間は熱伝導部材の第2接続部を介して充填され、熱管理部材とエンドキャップパッチの接続安定性および強固性を高め、同時に第2接続部がエンドキャップパッチと熱管理部材間に設けられることにより、エンドキャップと熱管理部材間の伝熱効果をさらに向上させることができる。
【0031】
いくつかの実施例では、エンドキャップに電極端子が設けられ、電極端子は電池単体の内部から離れる端面を有し、熱管理部材は電池単体の内部から離れるの外面を有し、エンドキャップパッチの厚さ方向に沿って、外面が端面よりも電池単体の内部に近い。
【0032】
上記技術的解決手段では、熱管理部材の外面が電極端子の端面よりも電池単体の内部に近いため、電池の全体高さを増加することなく、熱管理部材を電池単体に設置することができる。
【0033】
第4側面によれば、本出願の実施例は、本出願の第3側面のいずれか1つの実施例の電池を含み、電池が電気エネルギーを供給するように用いられる、電池使用装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本出願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、本出願の実施例で使用される必要がある図面を簡単に説明するが、以下説明される図面は本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働をすることなくこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができるのは言うまでもない。添付図面において、図面は必ずしも実際の縮尺で描かれているわけではない。
図1】本出願のいくつかの実施例の車両の構造概略図である。
図2】本出願の一実施例の電池の構造概略図である。
図3図2に示す電池モジュールの構造概略図である。
図4】本出願のいくつかの実施例の電池単体の分解図である。
図5図4に示す電池単体の組立後の断面図である。
図6図5のAの部分拡大図である。
図7図4に示すエンドキャップパッチの上面図である。
図8】本出願の別のいくつかの実施例の電池単体の部分断面図である。
図9図4に示す電池単体と熱管理部材の接続を示す概略図である。
図10図9に示す電池単体と熱管理部材の接続を示す部分断面図である。
図11】本出願の別のいくつかの実施例の電池単体と熱管理部材の接続を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0035】
10 箱体
11 第1部分
12 第2部分
13 収容空間
20 電池単体
21 ケーシング
22 電極アセンブリ
221 本体部
222 ラグ
222a 正極ラグ
222b 負極ラグ
23 エンドキャップアセンブリ
231 エンドキャップ
2311 第1本体
2312 第1突出部
2313 第1凹部
232 電極端子
2321 端面
232a 正極電極端子
232b 負極電極端子
233 圧力解放機構
234 集電部材
235 エンドキャップパッチ
2351 貫通穴
2352 第1部分
2353 第2部分
2354 部材穴
2355 部材穴
236 絶縁部材
2361 第2本体
2362 第2突出部
2363 第2凹部
24 熱伝導部材
241 第1接続部
242 第2接続部
30 電池モジュール
40 バス部材
50 熱管理部材
501 外面
60 温度センサー
100 電池
200 コントローラー
300 モータ
1000 車両
【発明を実施するための形態】
【0036】
本出願の実施例の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、以下本出願の実施例の図面を参照して、本出願の実施例の技術的解決手段を明らかに説明するが、説明される実施例は本出願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本出願の実施例に基づいて、当業者は創造的な労働をすることなく得られた他の実施例は、すべて本出願の保護範囲に含まれるべきである。
【0037】
特に定義しない限り、本出願で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本出願の技術分野に属する技術者が一般的に理解するのと同じ意味を有し、本出願の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明する目的のみのものであり、本出願を制限するものではなく、本出願の明細書および特許請求の範囲並びに上記の図面の説明での用語「含む」、「有する」およびそれらの任意変形は、非排他的な包含を意図している。本出願の明細書と特許請求の範囲または上記図面での「第1」、「第2」などの用語は異なる対象を区別するために使用され、特定の順序または優先関係を説明することを意図しない。
【0038】
本出願で言及される「実施例」とは、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本出願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な場所でのこのフレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例に言及しているわけではなく、他の実施例と相互に排他的である別個のまたは代替の実施例に言及しているわけでもない。
【0039】
本出願の説明において、明示的に規定され限定されない限り、「取付」、「接続」、「連結」、「付属」という用語は広義に理解されるべきであることに留意すべきであり、例えば、固定接続であってもよい、着脱接続であってもよい、一体接続でもよい、直接接続でも中間媒体を介して間接接続でもよい、二つの構成要素の内部通信であってもよい、などが挙げられる。当業者にとって、本出願における上記用語の具体的な意味は、特定の状況に応じて理解することができる。
【0040】
本出願の「および/または」の用語は、単に関連対象の関連関係を説明するものであり、例えば、Aおよび/またはBは、A単独、AおよびBの両方、B単独という3つの意味を有する。また、本出願の「/」の文字は、一般に、前後の関連対象が「または」の関係を有することを意味する。
【0041】
本出願の実施例において、同じ参照数字は同じ構成要素を示し、簡潔さのために、異なる実施例において同じ構成要素の詳細な説明は省略される。添付図面に示された本出願の実施例における各種構成要素の厚さ、長さ、幅などの寸法や、一体型装置の全体の厚さ、長さ、幅などは、例示的な説明に過ぎず、本出願を限定するものではないことを理解されたい。
【0042】
本出願で使用する「複数」という用語は、2つ以上(2つを含む)を意味する。
【0043】
本出願の実施例で言及した電池は、より高い電圧及び容量を提供するために、1つ以上の電池単体を含む単一の物理的なモジュールを意味する。例えば、本出願で言及される電池は、電池モジュールまたは電池パックなどを含んでもよい。電池は、典型的には、1つ以上の電池単体を封入するための箱を含む。箱は、液体や他の異物が電池単体の充電または放電に影響を与えることを防止することができる。
【0044】
電池単体は、電極アセンブリと電解液とを含み、電極アセンブリは、正極片、負極片およびセパレータによって構成されている。電池単体は、主に正極片と負極片の間の金属イオンの移動に依存して動作する。正極片は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層のない正極集電体は正極活物質層が塗布された正極集電体から突出し、正極活物質層が塗布されていない正極集電体が正極ラグとして使用される。リチウムイオン電池を例にとると、正極集電体の材料はアルミニウムであり、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウム、マンガン酸リチウムであることが可能である。負極片は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に被覆され、負極活物質層のない負極集電体は、負極活物質層が被覆された負極集電体から突出し、負極活物質層で被覆されていない負極集電体が負極ラグとして使用される。負極集電体の材質は銅、負極活物質の材質は炭素またはシリコンとすることができる。また、溶断することなく大電流を流すために、正極ラグの数は複数で積層し、負極ラグの数は複数で積層している。さらに、電極アセンブリは、巻回構造であってもよく、積層構造であってもよく、本出願の実施例はこれに限定されるものではない。
【0045】
現在、電池単体は、一般に、ケーシングと、電極アセンブリと、エンドキャップアセンブリとを含み、エンドキャップアセンブリは、ケーシングの開口を覆って、電極アセンブリと電解液とのための閉空間を提供する。
【0046】
本発明者は、電池は充放電過程及び使用過程で多くの熱を発生し、エンドキャップアセンブリのエンドキャップ表面は保護及び絶縁のためにエンドキャップパッチで覆われ、エンドキャップの放熱に影響することを見出した。ケーシングとエンドキャップアセンブリとで形成される閉鎖空間の熱が放熱されないと、電池の寿命に影響を与えるだけでなく、安全上の問題も生じる。
【0047】
これに鑑み、本出願の実施例は以下の技術的解決手段を提供し、エンドキャップアセンブリは電池単体に用いられ、エンドキャップアセンブリはエンドキャップおよびエンドキャップパッチを含み、エンドキャップパッチがエンドキャップに装着され、その中で、エンドキャップパッチに少なくとも1つの貫通穴が設けられ、貫通穴に熱伝導部材が充填され、エンドキャップは熱伝導部材を介して外部と熱交換して、電池単体の内部温度を調節し、電池の耐用年数と安全性を向上させる。
【0048】
本出願の実施例で説明される技術的解決手段は電池および電池使用装置に適している。
【0049】
電池使用装置は車両、携帯電話、便携式機器、ノートパソコン、船舶、航行器、電気玩具および電動工具などであり得る。車両は、燃料車両、ガス車両、新エネルギー車両であり得、新エネルギー車両は純電気車両、ハイブリッド車両、長距離車両などであり得、航行器は、飛行機、ロケット、スペースシャトル、宇宙船などであり得、電気玩具はゲーム機、電気車両玩具、電気船玩具、電気飛行機玩具など、固定型または移動型の電動玩具であり得、電動工具は金属切削用電動工具、研削用電動工具、組立用電動工具、鉄道用電動工具などであり得、例えば、電気ドリル、電気グラインダー、電気レンチ、電気ドライバー、電気ハンマー、電気インパクトドリル、コンクリートバイブレーター、電気カンナなどがある。本出願の実施例では、上記電池使用装置に対して特に限定されない。
【0050】
以下の実施例では、説明の便宜上、本出願発明の実施例に係る電力使用装置の一例として、車両1000を用いて説明する。
【0051】
図1を参照すると、図1は本出願のいくつかの実施例の車両1000の構造概略図であり、車両1000の内部に電池100が配置され、電池100は車両1000の底部、前部または後部に配置され得る。電池100は車両1000に電力を供給し、例えば、電池100は車両1000の動作電源として使用され得る。
【0052】
車両1000はコントローラー200とモータ300をさらに含み得、コントローラー200は電池100を制御してモータ300に電力を供給し、例えば、車両1000の起動、ナビゲーションおよび走行時の作業電力要件を満たす。
【0053】
いくつかの実施例では、電池100は、車両1000の動作電源として使用できるだけでなく、車両1000に駆動力を供給するために、燃料又は天然ガスの代わりに又は部分的に、車両1000の駆動電源として使用することも可能である。
【0054】
いくつかの実施例では、図2を参照すると、図2は本出願のいくつかの実施例の電池100の構造概略図であり、電池100は箱体10と電池単体20を含み、電池単体20は箱体10内に収容される。
【0055】
箱体10は、円柱体、長方体など、様々な形状を有し得る。もちろん、箱体10は様々な構造を有し得る。
【0056】
いくつかの実施例では、箱体10は、第1部分11と第2部分12を含み、第1部分11と第2部分12が互いに覆いあって、電池単体20を収容するための収容空間13を画定する。もちろん、第1部分11と第2部分12の接続部は、封止部材によって封止され、封止部材は封止リング、封止剤などであり得る。
【0057】
第1部分11と第2部分12は、長方体、円柱体など、様々な形状であり得る。第1部分11は一面が開放された中空構造であってもよく、第2部分12も一面が開放された中空構造であってもよく、第2部分12の開口側を第1部分11の開口側に被せることで収容空間13を有する箱体10を形成することができる。もちろん、第1部分11を一側が開放された中空構造とし、第2部分12を板状構造とし、第2部分12を第1部分11の開口側に被せることで収容空間13を有する箱体10を形成してもよい。
【0058】
電池100において、電池単体20は1つであってもよいし、複数であってもよい。電池単体20が複数の場合、複数の電池単体20間が直列、並列または混在して接続されてもよく、混在とは複数の電池単体20が直列および並列接続の両方があることを意味する。
【0059】
いくつかの実施例では、図2を引き続き参照すると、電池100は熱管理部材50をさらに含み、熱管理部材50は電池単体20の温度を調節するように構成される。
【0060】
熱管理部材50は、電池単体20の温度を調節するための部材であり、ここでの温度調節とは、電池単体20を加熱または冷却することであり、つまり、熱管理部材50は電池単体20を加熱するための加熱部材であってもよいし、電池単体20を冷却するための冷却部材であってもよい。
【0061】
例示的に、熱管理部材50は、複数の電池単体20の温度を調整するための流体を含有するために用いられ、ここでの流体は、水、水とグリコールとの混合物、または空気などの液体または気体であってよい。
【0062】
熱管理部材50は、箱体10の内部に設置されてもよく、熱管理部材50は、箱体10の第1部分11に設置されてもよく、また、箱体10の第2部分12に設置されてもよい。
【0063】
熱管理部材50の形状もここでは限定されず、電池単体20に熱を伝導したり、電池単体20の熱を奪うことができれば、全体として平板であってもよいし、複数の帯状構造を連結して形成してもよい。
【0064】
いくつかの実施例では、図3を参照すると、図3図2に示す電池モジュール30の構造概略図であり、複数の電池単体20は、直列又は並列に接続され、又は混在されて、電池モジュール30を形成することができ、複数の電池モジュール30は直列、並列または混在して全体を形成し、箱体10(図2に示される)に収容される。別のいくつかの実施例では、複数の電池単体20を直接に直列、並列または混在して接続し、複数の電池単体20によって形成された全体を箱体10内に収容してもよい。
【0065】
いくつかの実施例では、電池100はバス部材40をさらに含み、複数の電池単体20はバス部材40を介して電気接続を実現し、複数の電池単体20を直列、並列または混在して接続する。
【0066】
バス部材40は、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼またはアルミニウム合金などの金属導体であり得る。
【0067】
図4を参照すると、図4は本出願のいくつかの実施例の電池単体20の分解図であり、電池単体20はケーシング21、電極アセンブリ22およびエンドキャップアセンブリ23を含み得る。ケーシング21は開口を有し、電極アセンブリ22がケーシング21内に収容され、エンドキャップアセンブリ23は開口を閉鎖するために使用される。
【0068】
ケーシング21は、円柱体、長方体など、様々ン形状であり得る。ケーシング21の形状は電極アセンブリ22の具体的な形状に応じて決定される。例えば、電極アセンブリ22が円柱体構造であると、ケーシング21を円柱体構造とし、電極アセンブリ22が長方体構造であると、ケーシング21を長方体構造とする。
【0069】
例示的に、図4では、ケーシング21は一端が開口した中空長方体構造である。
【0070】
ケーシング21の材質は、プラスチック、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼またはアルミニウム合金など、様々な材料であり得、本出願の実施例ではこれに限定されない。
【0071】
なお、ケーシング21内の電極アセンブリ22は1つまたは複数であり得る。例示的に、図4では、ケーシング21内の電極アセンブリ22は2つであり、2つの電極アセンブリ22がケーシング21内に積層して配置される。
【0072】
いくつかの実施例では、電極アセンブリ22は本体部221とラグ222を含み、ラグ222は本体部221から延伸する。本体部221は正極片、負極片およびセパレータを含み得る。本体部221は正極片、セパレータおよび負極片を巻き取って形成された巻取式構造であってもよい。本体部221は正極片、セパレータおよび負極片を積層して配置されて形成された積層式構造であってもよい。
【0073】
正極ラグ222aと負極ラグ222bは本体部221の同一側に配置されてもよいし、本体部221の対向する両側にそれぞれ配置されてもよい。図4では、正極ラグ222aと負極ラグ222bが本体部221の同一側に配置される場合を例示的に示している。
【0074】
いくつかの実施例では、図4を引き続き参照すると、エンドキャップアセンブリ23はエンドキャップ231および電極端子232を含み得る。エンドキャップ231はケーシング21の開口を閉鎖するために使用される。電極端子232はエンドキャップ231に取り付けられ、電極端子232はラグ222に電気的接続され、電極端子232は電池単体20の電気エネルギーを出力するために使用される。
【0075】
その中で、エンドキャップ231はケーシング21の開口を閉鎖し、電極アセンブリ22と電解質を収容するための密閉空間を形成し、電解質は電解液であり得る。
【0076】
エンドキャップアセンブリ23中の電極端子232は1つまたは複数であり得る。エンドキャップアセンブリ23は2つの電極端子232を含む場合を例にすると、2つの電極端子232はそれぞれ正極電極端子232aと負極電極端子232bであり、正極電極端子232aは正極ラグ222aに電気的接続され、負極電極端子232bは負極ラグ222bに電気的接続される。
【0077】
いくつかの実施例では、エンドキャップアセンブリ23は圧力解放機構233をさらに含み、圧力解放機構233は、電池単体20の内部圧力または温度が閾値に達したとき電池単体20の内部圧力を解放するために使用され、圧力解放機構233はエンドキャップ231に取り付けられる。
【0078】
圧力解放機構233は、防爆弁、バーストディスク、ガスバルブまたは圧力解放弁などの部材であり得る。
【0079】
いくつかの実施例では、電池単体20は、集電部材234をさらに含み得、電極端子232はラグ222と集電部材234を介して電気的に接続される。
【0080】
図4では、エンドキャップアセンブリ23は2つの電極端子232を含む場合を例にすると、2つの電極端子232はそれぞれ正極電極端子232aと負極電極端子232bであり、正極電極端子232aは電極アセンブリ22の正極ラグ222aと1つの集電部材234を介して電気的に接続され、負極電極端子232bは電極アセンブリ22の負極ラグ222bともう1つの集電部材234を介して電気的に接続される。
【0081】
集電部材234は、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼またはアルミニウム合金などの金属導体であり得る。
【0082】
いくつかの実施例では、電池単体20は、エンドキャップパッチ235をさらに含み得、エンドキャップパッチ235はエンドキャップ231に装着され、エンドキャップパッチ235は絶縁材料で形成され、エンドキャップ231の損傷を防止しながら絶縁作用を果たし、エンドキャップ231が他の線路と接触して短絡が発生することを回避する。
【0083】
本出願の実施例では、図5図6を参照すると、図5図4に示す電池単体の組立後の断面図であり、図6図5のAの部分拡大図であり、エンドキャップアセンブリ23はエンドキャップ231とエンドキャップパッチ235を含み、エンドキャップパッチ235はエンドキャップ231に装着される。エンドキャップパッチ235に少なくとも1つの貫通穴2351が設けられ、貫通穴2351に熱伝導部材24が充填され、エンドキャップ231は熱伝導部材24を介して外部と熱交換して、電池単体20の内部温度を調節する。エンドキャップパッチ235をエンドキャップ231に装着する場合、エンドキャップパッチ235をエンドキャップ231に貼り付けてもよい。エンドキャップ231は熱伝導部材24を介して外部と熱交換することは、電池単体20が配置されている環境の空気と熱交換してもよいし、他の熱交換機器と熱交換してもよく、例えば電池100の熱管理部材50(図2に示される)と熱交換を行う。
【0084】
本出願の実施例のエンドキャップアセンブリ23では、貫通穴2351に熱伝導部材24が充填され、熱伝導部材24で熱伝達を行い、電池単体20はエンドキャップ231と熱伝導部材24を介して外部と熱交換して電池単体20の内部温度を調節し、電池の耐用年数と安全性を向上させることができる。
【0085】
いくつかの実施例では、熱伝導部材24は熱伝導ゲルである。熱伝導ゲルは良好な熱伝導および電気絶縁性能を有し、貫通穴2351に容易に充填することができる。
【0086】
いくつかの実施例では、図6を引き続き参照すると、エンドキャップ231は第1本体2311と第1突出部2312を含み、第1突出部2312は電池単体20の内部から離れる方向に突出し、第1本体2311の第1突出部2312に対応する位置に電池単体20の内部から離れる方向に窪む第1凹部2313が形成され、第1凹部2313は電池単体20の電極アセンブリ22の少なくとも一部を収容するように構成され、本出願の実施例では、電極アセンブリ22の少なくとも一部はラグ222の少なくとも一部であり得る。
【0087】
第1凹部2313は電極アセンブリ22の少なくとも一部を収容することができるため、電極アセンブリ22のより多くの空間を解放し、電池単体20のエネルギー密度の向上に寄与する。第1突出部2312の設置により第1凹部2313ができるだけ電池単体20の内部から離れる方向に沿って窪み、電極アセンブリ22の少なくとも一部を第1凹部2313内に収容するのに寄与する。
【0088】
なお、第1凹部2313に収容された電極アセンブリ22の少なくとも一部がラグ222である場合、第1凹部2313は正極ラグ222aの少なくとも一部のみを収容してもよく、負極ラグ222bの少なくとも一部のみを収容してもよく、もちろん、正極ラグ222aの少なくとも一部も、負極ラグ222bの少なくとも一部も収容してもよい。
【0089】
いくつかの実施例では、図6を引き続き参照すると、電極端子232は第1突出部2312に取り付けられ、電極端子232とラグ222が集電部材234を介して電気的に接続される場合、集電部材234は第1凹部2313内に収容され得る。
【0090】
いくつかの実施例では、図6を引き続き参照すると、エンドキャップアセンブリ23は絶縁部材236をさらに含み、絶縁部材236はエンドキャップ231の電池単体20の内部に面する側に配置され、絶縁部材236はエンドキャップ231と電極アセンブリ22を隔離する作用を果たし、エンドキャップ231と電極アセンブリ22が接触して電池単体20の短絡を引き起こすリスクを低減することができる。
【0091】
本出願の実施例では、絶縁部材236は絶縁材質であり、絶縁部材236はゴム、プラスチックなどの材質であり得る。エンドキャップ231は、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金などの金属材質であり得る。
【0092】
なお、本出願の実施例では、エンドキャップアセンブリ23に絶縁部材236が設けられていない場合、エンドキャップ231は絶縁材質である。
【0093】
いくつかの実施例では、図6を引き続き参照すると、絶縁部材236は第2本体2361と第2突出部2362を含み、第2突出部2362は電池単体20の内部から離れる方向に突出し、第2本体2361の第2突出部2362に対応する位置に電池単体20の内部から離れる方向に窪む第2凹部2363が形成される。第1凹部2313は第2突出部2362を収容するように構成され、第2凹部2363は電極アセンブリ22の少なくとも一部を収容するように構成される。
【0094】
本出願のいくつかの実施例では、図6を引き続き参照すると、貫通穴2351はエンドキャップパッチ235の第1本体2311に装着された部分に設けられる。貫通穴2351はエンドキャップパッチ235の第1本体2311に装着された部分に設けられ、第1本体2311の部分は第1突出部2312よりも電池単体20の内部に近く、電池単体20の内部温度調節に寄与する。
【0095】
なお、第1突出部2312に貫通穴2351が設けられてもよく、本出願の実施例では、第1突出部2312に貫通穴2351が設けられていなくてもよい。
【0096】
本出願のいくつかの実施例では、図6および図7を参照すると、図7図4に示すエンドキャップパッチ235の上面図であり、エンドキャップパッチ235は第1本体2311に装着された第1部分2352と第2部分2353を含み、エンドキャップパッチ235の長さ方向Xに沿って、第1部分2352が第1突出部2312の両側に位置し、エンドキャップパッチ235の幅方向Yに沿って、第2部分2353が第1突出部2312の両側に位置し、第2部分2353は2つの第1部分2352間に位置し、貫通穴2351は第1部分2352に設けられる。第2部分2353は第1突出部2312のエンドキャップパッチ235の幅方向Yに沿った両側に位置し、第2部分2353の幅が一般に比較的小さく、開穴に不便であり、第1部分2352がエンドキャップパッチ235の長さ方向の両側に設けられ、第1部分2352の幅が第2部分2353の幅よりも遥かに大きく、貫通穴2351の開設に有利する。
【0097】
なお、エンドキャップパッチ235は、第1突出部2312に貼り付けてもよいし、貼り付けなくてもよいが、第1突出部2312にエンドキャップパッチ235を貼り付ける場合、第1突出部2312の電極端子232と圧力解放機構233に対応する位置にそれぞれ部材穴2354、2355が開設され、他の機能部材がある場合、これらの機能部材との干渉を回避するために、対応の部材穴も設けることが好ましい。
【0098】
本出願のいくつかの実施例では、図7を引き続き参照すると、貫通穴の開口径が10mm未満であり、エンドキャップパッチ235の絶縁性能が確保される。貫通穴2351の開口径が大きすぎると、エンドキャップパッチ235の絶縁性に影響を与える。
【0099】
本出願のいくつかの実施例では、図7を引き続き参照すると、すべての貫通穴2351の総面積が第1部分2352の面積の10%~50%である。貫通穴2351の総面積が大きいほど、絶縁性能が悪くなり、貫通穴2351の総面積が小さいほど、熱伝導性能が悪くなり、貫通穴2351の総面積を第1部分2352の面積の10%~50%に設定することにより、エンドキャップパッチ235の絶縁性能を確保しながら、貫通穴2351の熱伝導部材24の面積を確保し、熱伝導性能に影響を与えない。
【0100】
本出願のいくつかの実施例では、図8を参照すると、図8は本出願の別のいくつかの実施例の電池単体の部分断面図であり、貫通穴2351に、電池単体20の内部温度を収集するための温度センサー60が設けられる。貫通穴2351に温度センサー60を設けることで、熱伝導部材24により温度センサー60を固定し、温度センサー60の固定に有利であり、熱伝導部材24の熱伝達により電池単体20の内部温度を容易に収集でき、温度の収集に寄与する。
【0101】
本出願の実施例は電池単体20をさらに提供し、電池単体20はケーシング21、電極アセンブリ22、上記の各実施例中のエンドキャップアセンブリ23を含む。ケーシング21の端部は開口(図4に示される)を有し、電極アセンブリ22はケーシング21内に収容され、エンドキャップアセンブリ23は開口を閉鎖するために使用される。
【0102】
本出願の実施例は、電池100をさらに提供し、図9および図10を参照すると、図9図4に示す電池単体20と熱管理部材50の接続を示す概略図であり、図10図9に示す電池単体20と熱管理部材50の接続を示す部分断面図である。電池100は上記の実施例の電池単体20、および熱管理部材50を含み、エンドキャップ231は熱伝導部材24を介して熱管理部材50と熱交換して、電池単体20の内部温度を調節する。エンドキャップ231は熱伝導部材24を介して熱管理部材50と熱伝達して、電池単体20と熱管理部材50の熱伝達効率を向上させ、熱管理部材50により電池単体20の温度を調節することができる。
【0103】
本出願のいくつかの実施例では、図10を引き続き参照すると、熱管理部材50は第1部分2352に装着され、熱管理部材50は前記電池単体20の内部温度を調節するために使用される。熱管理部材50は第1部分2352の貫通穴2351中の熱伝導部材24を介してエンドキャップ231と熱伝達し、電池単体20と熱管理部材50間の熱伝達を実現し、熱管理部材50により電池単体20の温度を調節することができる。熱管理部材50と第1部分2352の装着について、両者が接触しているだけで接続されなくてもよく、両者が接続されてもよい。
【0104】
本出願のいくつかの実施例では、図10を引き続き参照すると、熱伝導部材24は第1接続部241を有し、第1接続部241はエンドキャップ231とエンドキャップパッチ235間に設けられる。エンドキャップ231とエンドキャップパッチ235間の隙間が熱伝導部材24の第1接続部241を介して充填され、同時に第1接続部241がエンドキャップ231とエンドキャップパッチ235間に設けられ、エンドキャップ231と熱管理部材50間の伝熱効果をさらに向上させることができる。
【0105】
本出願のいくつかの実施例では、図11を参照すると、図11は本出願の別のいくつかの実施例の電池単体20と熱管理部材50の接続を示す部分断面図であり、熱伝導部材24は第2接続部242を有し、第2接続部242はエンドキャップパッチ235と熱管理部材50間に設けられる。熱伝導部材と熱管理部材間の隙間が熱伝導部材の第2接続部を介して充填され、熱管理部材50とエンドキャップパッチ235の接続安定性および強固性を高める同時に、第2接続部242がエンドキャップパッチ235と熱管理部材50間に設けられ、エンドキャップ231と熱管理部材50間の伝熱効果をさらに向上させることができる。
【0106】
本出願のいくつかの実施例では、図11を引き続き参照すると、エンドキャップ231に電極端子232が設けられ、電極端子232は電池単体20の内部から離れる端面2321を有し、熱管理部材50は電池単体20の内部から離れる外面501を有し、エンドキャップパッチ235の厚さ方向Zに沿って、外面501が端面2321よりも電池単体20の内部に近い。熱管理部材50の外面501が電極端子232の端面2321よりも電池単体20の内部に近いので、電池100の全体高さを増加することなく、熱管理部材50を電池単体20に設けることができる。
【0107】
本出願の実施例は電池使用装置をさらに提供し、この電池使用装置は上記の各実施例中の電池100を含み、電池100は電気エネルギーを供給するために使用される。
【0108】
好ましい実施例を参照して本出願を説明したが、本出願の範囲から逸脱することなく、様々な変化を行うことができ、その一部を等価物で代用することも可能である。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例で述べた各技術的特徴は、どのように組み合わせてもよい。本出願は、ここに開示された特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に該当する全ての技術的解決手段を含むものである。
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