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特許7514962データ処理装置、プログラム、及びデータ処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】データ処理装置、プログラム、及びデータ処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 13/20 20110101AFI20240704BHJP
【FI】
G06T13/20 500
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2022577897
(86)(22)【出願日】2021-01-27
(86)【国際出願番号】 JP2021002926
(87)【国際公開番号】W WO2022162808
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石若 裕子
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-103729(JP,A)
【文献】特開平09-091465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 13/00-13/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトが動くアニメーションデータを取得するアニメーションデータ取得部と、
前記アニメーションデータとともに再生される音楽の音楽データを取得する音楽データ取得部と、
前記音楽データに含まれる第1の音高及び第2の音高のそれぞれに対して、前記オブジェクトの第1の形状及び第2の形状を登録する登録部と、
前記音楽データに基づいて、前記アニメーションデータにおける前記オブジェクトの動きを更新するデータ更新部であって、前記第1の音高及び前記第1の形状と、前記第2の音高及び前記第2の形状とに基づいて、前記オブジェクトの動きを更新する、データ更新部
を備えるデータ処理装置。
【請求項2】
前記登録部は、前記第1の音高と前記第2の音高の間の音高のそれぞれに対応する前記オブジェクトの形状を、前記第1の形状及び前記第2の形状を用いて補完することによって生成する、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記第2の音高は、前記第1の音高よりも高く、
前記登録部は、前記第1の音高よりも低い音高と、前記第2の音高よりも高い音高のそれぞれに対応する前記オブジェクトの形状を、前記第1の形状及び前記第2の形状を用いて補完することによって生成する、請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記データ更新部は、前記アニメーションデータにおける前記オブジェクトが動く部分に対応する音楽の音高に対応付けて登録されている前記オブジェクトの形状に基づいて、前記オブジェクトの動きを更新する、請求項1から3のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
オブジェクトが動くアニメーションデータを取得するアニメーションデータ取得部と、
前記アニメーションデータとともに再生される音楽の音楽データを取得する音楽データ取得部と、
前記音楽データに基づいて、前記アニメーションデータにおける前記オブジェクトの動きを更新するデータ更新部と
を備え、
前記オブジェクトは、人物又はキャラクタの動きに合わせて前記人物又は前記キャラクタが身に着ける物が動くアニメーションデータにおける前記物である、データ処理装置。
【請求項6】
前記オブジェクトは、衣服を装着した装着体の動きに合わせて前記衣服が動くアニメーションデータにおける前記衣服である、請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
オブジェクトが動くアニメーションデータを取得するアニメーションデータ取得部と、
前記アニメーションデータとともに再生される音楽の音楽データを取得する音楽データ取得部と、
前記音楽データに基づいて、前記アニメーションデータにおける前記オブジェクトの動きを更新するデータ更新部と
を備え、
前記オブジェクトは、人物又はキャラクタの動きに合わせて前記人物又は前記キャラクタの一部が動くアニメーションデータにおける前記一部である、データ処理装置。
【請求項8】
前記オブジェクトは、人物の動きに合わせて毛髪が動くアニメーションデータにおける前記毛髪である、請求項7に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記音楽データ取得部は、前記音楽データとして前記アニメーションデータのBGMデータを取得する、請求項1から8のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記データ更新部は、前記オブジェクトの物理法則に従った動きに対して、前記音楽データに基づく動きの大きさを反映することによって、前記オブジェクトの動きを更新する、請求項1から9のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項11】
前記データ更新部は、前記物理法則に対する前記音楽データの反映割合に従って、前記オブジェクトの物理法則に従った動きに対して、前記音楽データに基づく動きの大きさを反映することによって、前記オブジェクトの動きを更新する、請求項10に記載のデータ処理装置。
【請求項12】
前記データ更新部は、前記アニメーションデータにおける前記オブジェクトが動く部分に対応する音楽の音高が高いほど前記オブジェクトの動きを大きくする、請求項1から11のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項13】
前記データ更新部は、前記アニメーションデータにおける前記オブジェクトが動く部分に対応する音楽の音高が高いほど前記オブジェクトの動きを小さくする、請求項1から11のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項14】
前記音楽は複数のパートによって構成され、
前記データ更新部は、前記複数のパートのうちの第1のパートに基づいて、前記オブジェクトの第1の部分の動きを更新し、前記複数のパートのうちの第2のパートに基づいて、前記オブジェクトの第2の部分の動きを更新する、請求項1から13のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項15】
前記音楽は複数のパートによって構成され、
前記アニメーションデータは複数の前記オブジェクトを含み、
前記データ更新部は、前記複数のパートのうちの第1のパートに基づいて、前記複数のオブジェクトのうちの第1のオブジェクトの動きを更新し、前記複数のパートのうちの第2のパートに基づいて、前記複数のオブジェクトのうちの第2のオブジェクトの動きを更新する、請求項1から13のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項16】
前記データ更新部は、前記音楽データに基づいて、前記アニメーションデータにおける前記オブジェクトのマテリアルの要素、エフェクトの要素、及び前記オブジェクトが位置する空間の環境の要素の少なくともいずれかをさらに更新する、請求項1から15のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項17】
前記アニメーションデータ取得部が取得した前記アニメーションデータにおける前記オブジェクトの動きに基づいて、前記アニメーションデータとともに再生する音楽の音楽データを生成する音楽データ生成部と、
前記アニメーションデータとともに前記音楽データを再生するよう制御する再生制御部と
を備える、請求項1から16のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項18】
コンピュータを、請求項1から17のいずれか一項に記載のデータ処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項19】
コンピュータによって実行されるデータ処理方法であって、
オブジェクトが動くアニメーションデータを取得するアニメーションデータ取得段階と、
前記アニメーションデータとともに再生される音楽の音楽データを取得する音楽データ取得段階と、
前記音楽データに含まれる第1の音高及び第2の音高のそれぞれに対して、前記オブジェクトの第1の形状及び第2の形状を登録する登録段階と、
前記音楽データに基づいて、前記アニメーションデータにおける前記オブジェクトの動きを更新するデータ更新段階であって、前記第1の音高及び前記第1の形状と、前記第2の音高及び前記第2の形状とに基づいて、前記オブジェクトの動きを更新する、データ更新段階
を備えるデータ処理方法。
【請求項20】
コンピュータによって実行されるデータ処理方法であって、
オブジェクトが動くアニメーションデータを取得するアニメーションデータ取得段階と、
前記アニメーションデータとともに再生される音楽の音楽データを取得する音楽データ取得段階と、
前記音楽データに基づいて、前記アニメーションデータにおける前記オブジェクトの動きを更新するデータ更新段階と
を備え、
前記オブジェクトは、人物又はキャラクタの動きに合わせて前記人物又は前記キャラクタが身に着ける物が動くアニメーションデータにおける前記物である、データ処理方法。
【請求項21】
コンピュータによって実行されるデータ処理方法であって、
オブジェクトが動くアニメーションデータを取得するアニメーションデータ取得段階と、
前記アニメーションデータとともに再生される音楽の音楽データを取得する音楽データ取得段階と、
前記音楽データに基づいて、前記アニメーションデータにおける前記オブジェクトの動きを更新するデータ更新段階と
を備え、
前記オブジェクトは、人物又はキャラクタの動きに合わせて前記人物又は前記キャラクタの一部が動くアニメーションデータにおける前記一部である、データ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置、プログラム、及びデータ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、試着者の姿勢をリアルタイムに推定し、推定した時系列の姿勢に合わせて衣服の動きをシミュレートする技術が記載されている。非特許文献1及び非特許文献2には、衣服モデルを生成するためのツール等が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2006-249618号公報
[非特許文献]
[非特許文献1]UMETANI N., KAUFMAN D. M., IGARASHI T., GRINSPUN E.: Sensitive couture for interactive garment editing and modeling. ACM Transactions on Graphics (SIGGRAPH 2011) 30, 4 (2011).
[非特許文献2]BERTHOUZOZ F., GARG A., KAUFMAN D. M., GRINSPUN E., AGRAWALA M.: Parsing sewing patterns into 3d garments. ACM Trans. Graph. 32, 4 (July 2013), 85:1-85:12.
【一般的開示】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、データ処理装置が提供される。データ処理装置は、オブジェクトが動くアニメーションデータを取得するアニメーションデータ取得部を備えてよい。データ処理装置は、アニメーションデータとともに再生される音楽の音楽データを取得する音楽データ取得部を備えてよい。データ処理装置は、音楽データに基づいて、アニメーションデータにおけるオブジェクトの動きを更新するデータ更新部を備えてよい。
【0004】
上記音楽データ取得部は、上記音楽データとして上記アニメーションデータのBGMデータを取得してよい。上記データ更新部は、上記オブジェクトの物理法則に従った動きに対して、上記音楽データに基づく動きの大きさを反映することによって、上記オブジェクトの動きを更新してよい。上記データ更新部は、上記物理法則に対する上記音楽データの反映割合に従って、上記オブジェクトの物理法則に従った動きに対して、上記音楽データに基づく動きの大きさを反映することによって、上記オブジェクトの動きを更新してよい。上記反映割合は、任意に設定可能あってよく、変更可能であってよい。上記データ更新部は、上記アニメーションデータにおける上記オブジェクトが動く部分に対応する音楽の音高が高いほど上記オブジェクトの動きを大きくしてよい。上記データ更新部は、上記アニメーションデータにおける上記オブジェクトが動く部分に対応する音楽の音高が高いほど上記オブジェクトの動きを小さくしてよい。
【0005】
上記データ処理装置は、上記音楽データに含まれる第1の音高及び第2の音高のそれぞれに対して、上記オブジェクトの第1の形状及び第2の形状を登録する登録部を備えてよく、上記データ更新部は、上記第1の音高及び上記第1の形状と、上記第2の音高及び上記第2の音高とに基づいて、上記オブジェクトの動きを更新してよい。上記第2の形状は、上記第1の形状よりも動きの大きな形状であってよい。上記第2の形状は、上記第1の毛状よりも動きの小さな形状であってよい。上記登録部は、上記第1の音高と上記第2の音高の間の音高のそれぞれに対応する上記オブジェクトの形状を、上記第1の形状及び上記第2の形状を用いて補完することによって生成してよい。する、請求項7に記載のデータ処理装置。上記第2の音高は、上記第1の音高よりも高くてよく、上記登録部は、上記第1の音高よりも低い音高と、上記第2の音高よりも高い音高のそれぞれに対応する上記オブジェクトの形状を、上記第1の形状及び上記第2の形状を用いて補完することによって生成してよい。上記データ更新部は、上記アニメーションデータにおける上記オブジェクトが動く部分に対応する音楽の音高に対応付けて登録されている上記オブジェクトの形状に基づいて、上記オブジェクトの動きを更新してよい。上記データ更新部は、あるタイミングにおける物理法則に従って生成されたオブジェクトの形状である基準形状と、当該タイミングにおける音楽の音高に対応するオブジェクトの形状である対応形状との差分に従って、上記オブジェクトの形状を更新してよい。上記データ更新部は、上記基準形状よりも上記対応形状の動きが大きい場合には、設定されている反映割合に従って、上記基準形状の動きを大きくしてよい。上記データ更新部は、上記基準形状よりも上記対応形状の動きが小さい場合には、設定されている反映割合に従って、上記基準形状の動きを小さくしてよい。
【0006】
上記音楽は複数のパートによって構成されてよく、上記データ更新部は、上記複数のパートのうちの第1のパートに基づいて、上記オブジェクトの第1の部分の動きを更新し、上記複数のパートのうちの第2のパートに基づいて、上記オブジェクトの第2の部分の動きを更新してよい。上記音楽は複数のパートによって構成されてよく、上記アニメーションデータは複数の上記オブジェクトを含んでよく、上記データ更新部は、上記複数のパートのうちの第1のパートに基づいて、上記複数のオブジェクトのうちの第1のオブジェクトの動きを更新し、上記複数のパートのうちの第2のパートに基づいて、上記複数のオブジェクトのうちの第2のオブジェクトの動きを更新してよい。
【0007】
上記データ更新部は、上記音楽データに基づいて、上記アニメーションデータにおける上記オブジェクトのマテリアルの要素、エフェクトの要素、及び上記オブジェクトが位置する空間の環境の要素の少なくともいずれかをさらに更新してよい。上記データ更新部は、上記音楽データに基づいて、上記アニメーションデータにおけるライティングの表現を更新してよい。上記データ更新部は、より高い音高に対して、ライティングの度合をより弱め、より低い音高に対して、ライティングの度合をより強めてよい。上記データ更新部は、上記音楽データに基づいて、上記オブジェクトの材質を変化させてよい。上記データ更新部は、音高がより高い場合、上記オブジェクトの材質をより軽い材質に変化させ、音高がより低い場合、上記オブジェクトの材質をより重い材質に変化させてよい。上記データ更新部は、音高がより高い場合、上記オブジェクトの素材をより反射性の高い素材に変化させ、音高がより低い場合、上記オブジェクトの素材をより反射性の低い素材に変化させてよい。上記データ更新部は、上記音楽データに基づいて、上記オブジェクトに重畳する重畳オブジェクトの度合を変化させてよい。上記データ更新部は、音高がより低い場合に、雨だれのような暗いイメージの重畳オブジェクトの度合を強めてよい。
【0008】
上記データ処理装置は、上記アニメーションデータ取得部が取得した上記アニメーションデータにおける上記オブジェクトの動きに基づいて、上記アニメーションデータとともに再生する音楽の音楽データを生成する音楽データ生成部と、上記アニメーションデータとともに上記音楽データを再生するよう制御する再生制御部とを備えてよい。上記データ処理装置は、上記オブジェクトの形状と音高とを対応付けて登録する登録部を備えてよい。上記登録部は、上記オブジェクトの第1の形状と、上記第1の形状よりも動きの大きな第2の形状のそれぞれに対して、第1の音高及び第2の音高のそれぞれを登録してよい。上記登録部は、上記第1の形状及び上記第2の形状以外の形状に対応する音高を、上記第1の形状及び上記第1の音高と、上記第2の形状及び上記第2の音高とに基づいて登録してよい。上記登録部は、上記第1の形状と上記第2の形状の間の形状のそれぞれに対して、上記第1の音高と上記第2の音高との間の音高を割り当ててよい。上記登録部は、上記第2の音高が上記第1の音高よりも高い場合において、上記第1の形状よりも動きの小さな形状に対して、上記第1の音高よりも低い音高を割り当て、上記第2の形状よりも動きの大きな形状に対して、上記第2の音高よりも高い音高を割り当ててよい。上記登録部は、上記第2の音高が上記第1の音高よりも低い場合においては、上記第1の形状よりも動きの小さな形状に対して、上記第1の音高よりも高い音高を割り当て、上記第2の形状よりも動きの大きな形状に対して、上記第2の音高よりも低い音高を割り当ててよい。
【0009】
上記オブジェクトは、衣服を装着した装着体の動きに合わせて上記衣服が動くアニメーションデータにおける上記衣服であってよい。上記オブジェクトは、人物の動きに合わせて毛髪が動くアニメーションデータにおける上記毛髪であってよい。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、データ処理装置が提供される。データ処理装置は、オブジェクトが動くアニメーションデータを取得するアニメーションデータ取得部を備えてよい。データ処理装置は、アニメーションデータにおけるオブジェクトの動きに基づいて、アニメーションデータとともに再生する音楽の音楽データを生成する音楽データ生成部を備えてよい。データ処理装置は、アニメーションデータとともに音楽データを再生する再生部を備えてよい。
【0011】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、上記データ処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0012】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行されるデータ処理方法が提供される。データ処理方法は、オブジェクトが動くアニメーションデータを取得するアニメーションデータ取得段階を備えてよい。データ処理方法は、アニメーションデータとともに再生される音楽の音楽データを取得する音楽データ取得段階を備えてよい。データ処理方法音楽データに基づいて、アニメーションデータにおけるオブジェクトの動きを更新するデータ更新段階を備えてよい。
【0013】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行されるデータ処理方法が提供される。データ処理方法は、オブジェクトが動くアニメーションデータを取得するアニメーションデータ取得段階を備えてよい。データ処理方法は、アニメーションデータにおけるオブジェクトの動きに基づいて、アニメーションデータとともに再生する音楽の音楽データを生成する音楽データ生成段階を備えてよい。データ処理方法アニメーションデータとともに音楽データを再生する再生段階を備えてよい。
【0014】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】データ処理装置100の一例を概略的に示す。
図2】データ処理装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
図3】音楽データについて説明するための説明図である。
図4】音楽データについて説明するための説明図である。
図5】登録部132による登録データ152の一例を概略的に示す。
図6】音高とオブジェクトの形状の対応関係の一例を概略的に示す。
図7】音高とオブジェクトの形状の対応関係の一例を概略的に示す。
図8】登録部132による登録データ154の一例を概略的に示す。
図9】衣服300の部分の一例を概略的に示す。
図10】データ処理装置100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
アニメーションを制作する時には、BGM(Back Ground Music)に合わせて身体の動きを作るだけはなく、動きによって変化する服の動きも音楽に合わせることが望ましい。また、表現を見ている人に伝えるために、物理現象をそのまま表現するのでは不十分であるため、大げさに動きを作ることが望ましかった。これまでは、これらが、アーティストのセンスと手間暇とによってなされていた。本実施形態に係るデータ処理装置100は、例えば、オブジェクトが動くアニメーションデータと、当該アニメーションデータとともに再生される音楽の音楽データを取得して、音楽データに基づいてアニメーションデータにおけるオブジェクトの動きを更新することによって、オブジェクトが音楽に合わせて動くようなアニメーションデータを自動的に生成し、アニメーション制作の工程を削減することに貢献するとともに、予想していない動きの生成をも可能とし得る。
【0017】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
図1は、データ処理装置100の一例を概略的に示す。データ処理装置100は、オブジェクトが動くアニメーションデータにおけるオブジェクトの動きを、アニメーションデータとともに再生される音楽の音楽データに基づいて更新する処理を実行する。
【0019】
オブジェクトは、どのようなものであってもよい。例えば、オブジェクトは、衣服を装着した装着体の動きに合わせて衣服が動くアニメーションデータにおける衣服である。例えば、オブジェクトは、人物の動きに合わせて毛髪が動くアニメーションデータにおける毛髪である。オブジェクトの例として、人物、キャラクタ、人物やキャラクタが身に着ける物(衣服及び装飾品等)、人物やキャラクタの一部(身体の一部及び毛髪等)、及び草木等が挙げられるが、これらに限られない。本実施形態では、オブジェクトが衣服である場合を主に例に挙げて説明する。
【0020】
データ処理装置100は、例えば、オブジェクトが動くアニメーションデータ(基準データと記載する場合がある。)を取得し、当該アニメーションデータとともに再生される音楽データに基づいて、オブジェクトの動きを更新することによって、例えば、音楽の盛り上がりに合わせてオブジェクトの動きが大きくなるようなアニメーションデータ(更新データと記載する場合がある。)を生成する。
【0021】
具体例として、データ処理装置100は、物理法則に従って装着体の動きに合わせて衣服が動く基準データを取得し、当該アニメーションデータのBGMデータに基づいて、衣服の動きを更新することによって、BGMの盛り上がりに合わせて衣服の動きが大きくなるような更新データを生成する。データ処理装置100は、例えば、装着体データと、衣服データとを含む基準データを取得する。装着体データは、装着体が動くアニメーションのデータであってよい。衣服データは、物理法則に従って装着体の動きに合わせて動く衣服のアニメーションのデータであってよい。データ処理装置100は、BGMデータに基づいて、衣服の動きを変更した衣服データを生成することにより、更新データを生成してよい。
【0022】
データ処理装置100は、例えば、外部から受信したり、記憶媒体から読み出したりすることによって、基準データを取得する。データ処理装置100は、基準データを生成してもよい。
【0023】
データ処理装置100は、実際の人物等の動きに合わせて基準データを生成してよい。例えば、データ処理装置100は、カメラ150によって撮像した人物の3次元形状をポリゴンメッシュによって表す装着体データと、当該人物が装着する衣服の3次元形状をポリゴンメッシュによって表す衣服データとを生成する。また、データ処理装置100は、実際の人物の動きとは無関係に、CGキャラクタのような基準データを生成してもよい。
【0024】
データ処理装置100は、例えば、生成した更新データを、データ処理装置100が備えるディスプレイ及びスピーカに出力させる。また、データ処理装置100は、例えば、生成した更新データを、ネットワーク20を介して通信端末400に送信することによって、通信端末400に出力させてもよい。
【0025】
通信端末400は、PC(Personal Computer)、タブレット端末、及びスマートフォン等であってよい。データ処理装置100と通信端末400とは、ネットワーク20を介して通信してよい。ネットワーク20は、インターネットを含んでよい。ネットワーク20は、LAN(Local Area Network)を含んでよい。ネットワーク20は、移動体通信ネットワークを含んでよい。移動体通信ネットワークは、3G(3rd Generation)通信方式、LTE(Long Term Evolution)通信方式、5G(5th Generation)通信方式、及び6G(6th Generation)通信方式以降の通信方式のいずれに準拠していてもよい。
【0026】
データ処理装置100は、通信端末400から基準データを受信してもよい。通信端末400は、例えば、カメラ450によって撮像した人物の装着体データと、当該人物が装着する衣服の衣服データと含む基準データを生成して、データ処理装置100に送信する。カメラ450は、通信端末400に内蔵されていてよく、また、通信端末400に対して外付けであってもよい。
【0027】
図2は、データ処理装置100の機能構成の一例を概略的に示す。データ処理装置100は、データ受信部102、アニメーションデータ取得部110、音楽データ取得部120、登録部132、データ更新部134、再生制御部136、登録部142、及び音楽データ生成部144を備える。なお、データ処理装置100がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。
【0028】
データ受信部102は、各種データを受信する。データ受信部102は、ネットワーク20を介して各種データを受信してよい。データ受信部102は、例えば、通信端末400から各種データを受信する。
【0029】
データ受信部102は、例えば、基準データを受信する。データ受信部102は、例えば、装着体データを受信する。データ受信部102は、例えば、人物等を撮像した撮像データを受信する。
【0030】
データ受信部102は、例えば、基準データとともに再生される音楽の音楽データを受信する。データ受信部102は、基準データとともに、音楽データを受信してよい。データ受信部102は、音楽データとして、基準データのBGMデータを受信してよい。
【0031】
アニメーションデータ取得部110は、基準データを取得する。アニメーションデータ取得部110は、データ受信部102が受信した基準データを取得してよい。アニメーションデータ取得部110は、データ処理装置100を用いてデータ処理装置100の利用者等によって生成された基準データ取得してもよい。アニメーションデータ取得部110は、可搬型のコンピュータ可読記憶媒体から基準データを取得してもよい。
【0032】
アニメーションデータ取得部110は、基準データを生成することによって、基準データを取得してもよい。アニメーションデータ取得部110は、アニメーションデータ生成部112を有する。
【0033】
アニメーションデータ生成部112は、例えば、データ受信部102が受信した撮像データを解析することによって、物理法則に従ってオブジェクトが動く基準データを生成する。例えば、アニメーションデータ生成部112は、撮像データを解析することによって、物理法則に従って、衣服を装着した装着体の動きに合わせて衣服が動く基準データを生成する。
【0034】
また、アニメーションデータ生成部112は、データ受信部102が受信した装着体データを解析することによって、当該装着体データに含まれる装着体に装着され、物理法則に従って装着体の動きに合わせて動く衣服データを生成することによって、基準データを生成してもよい。アニメーションデータ生成部112は、公知の任意の技術を用いることによって、基準データを生成してよい。
【0035】
音楽データ取得部120は、アニメーションデータ取得部110が取得した基準データとともに再生される音楽の音楽データを取得する。音楽データ取得部120は、データ受信部102が受信した音楽データを取得してよい。音楽データ取得部120は、音楽データとして、基準データのBGMデータを取得してよい。音楽データ取得部120は、データ受信部102が受信したBGMデータを取得してよい。音楽データは、効果音を含んでもよい。
【0036】
登録部132は、アニメーションデータ取得部110が取得した基準データにおけるオブジェクトの動きを更新するために用いるデータを登録する。登録部132は、データ処理装置100の利用者及び通信端末400の利用者等による指示に従って、データを登録してよい。
【0037】
登録部132は、例えば、オブジェクトの複数の形状を登録する。登録部132は、音高とオブジェクトの形状とを対応付けて登録してよい。例えば、登録部132は、第1の音高と、第1の音高よりも高い第2の音高のそれぞれに対して、オブジェクトの第1の形状及び第2の形状を登録する。第2の形状は、第1の形状よりも動きの大きな形状であってよい。第2の形状は、第1の形状よりも動きの小さな形状であってもよい。登録部132は、第1の音高及び第2の音高以外の音高に対応するオブジェクトの形状を、第1の形状及び第2の形状に基づいて生成してもよい。
【0038】
登録部132は、例えば、第1の音高と第2の音高の間の音高のそれぞれに対応するオブジェクトの形状を、第1の形状及び第2の形状を用いて補完することによって生成する。登録部132は、第1の音高よりも低い音高と、第2の音高よりも高い音高のそれぞれに対応するオブジェクトの形状を、第1の形状及び第2の形状を用いて補完することによって生成してよい。
【0039】
データ更新部134は、音楽データ取得部120が取得した音楽データに基づいて、アニメーションデータ取得部110が取得した基準データにおけるオブジェクトの動きを更新する。データ更新部134は、例えば、オブジェクトの物理法則に従った動きに対して、音楽データに基づく動きの大きさを反映することによって、オブジェクトの動きを更新する。
【0040】
具体例として、データ更新部134は、基準データにおけるオブジェクトが動く部分に対応する音楽の音高が高いほど、オブジェクトの動きを大きくする。これにより、基準データとともに再生される音楽の音高が高いときに、オブジェクトの動きが大きくなるような更新データを生成することができる。
【0041】
データ更新部134は、物理法則に対する音楽データの反映割合に従って、オブジェクトの物理法則に従った動きに対して、音楽データに基づく動きの大きさを反映することによって、オブジェクトの動きを更新してもよい。反映割合は、任意に設定可能であってよく、変更可能であってよい。データ更新部134は、例えば、データ処理装置100の利用者及び通信端末400の利用者等の指示に従って、反映割合を設定する。これらにより、物理法則に対する音楽データの反映割合を低くすることによって、オブジェクトの自然な動きを保ちつつ、音楽に合わせたオブジェクトの動きの反映を行うことができ、反映割合を高くすることによって、音楽の盛り上がりを重視した、異質な動きを実現することができる。
【0042】
データ更新部134は、基準データにおけるオブジェクトが動く部分に対応する音楽の音高が高いほど、オブジェクトの動きを小さくしてもよい。これにより、基準データとともに再生される音楽の音高が高いときに、オブジェクトの動きが小さくなるような更新データを生成することができる。
【0043】
データ更新部134は、登録部132に登録されているデータを用いて、オブジェクトの動きを更新してよい。例えば、データ更新部134は、第1の音高及び第2の音高のそれぞれに対して登録されたオブジェクトの第1の形状及び第2の形状に基づいて、オブジェクトの動きを更新する。
【0044】
データ更新部134は、基準データにおけるオブジェクトが動く部分に対応する音楽の音高に対応付けて登録されているオブジェクトの形状に基づいて、オブジェクトの動きを更新してよい。データ更新部134は、例えば、あるタイミングにおける物理法則に従って生成されたオブジェクトの形状(基準形状と記載する場合がある。)と、そのタイミングにおける音楽の音高に対応するオブジェクトの形状(対応形状と記載する場合がある。)との差分に従って、オブジェクトの形状を更新する。例えば、データ更新部134は、基準形状よりも対応形状の動きが大きい場合には、設定されている反映割合に従って、基準形状の動きを大きくする。また、例えば、データ更新部134は、基準形状よりも対応形状の動きが小さい場合には、設定されている反映割合に従って、基準形状の動きを小さくする。
【0045】
データ更新部134は、音楽データに基づいて、基準データにおけるオブジェクトのマテリアルの要素、エフェクトの要素、及びオブジェクトが位置する空間の環境の要素の少なくともいずれかをさらに更新してもよい。データ更新部134は、音楽データに基づいて、基準データにおけるオブジェクトの動きは更新せずに、オブジェクトのマテリアルの要素、エフェクトの要素、及びオブジェクトが位置する空間の環境の要素の少なくともいずれかを更新してもよい。
【0046】
装着体が位置する空間の環境の要素の例として、ライティングの要素が挙げられる。データ更新部134は、音楽データに基づいて、ライティングの表現を更新してよい。ライティングの表現は、例えば、ライティングの度合、ライティングの角度、及びライティングの色等を変化させることによって、変化し得る。なお、度合、角度、色は例示であり、ライティングの表現は、他の要素を変化させることによっても変化し得る。例えば、データ更新部134は、より高い音高に対して、ライティングの度合をより弱め、より低い音高に対して、ライティングの度合をより強める。これにより、音高がより低い場合に、ライティングの度合を強めて、影の要素を強めることによって、暗さの表現を加えることができ得る。
【0047】
オブジェクトのマテリアルの要素の例として、オブジェクトの材質の要素が挙げられる。データ更新部134は、音楽データに基づいて、オブジェクトの材質を変化させてよい。例えば、データ更新部134は、音高がより高い場合、オブジェクトの材質をより軽い材質に変化させ、音高がより低い場合、オブジェクトの材質をより重い材質に変化させる。これにより、音高が高い時はオブジェクトが軽やかに動き、音高が低い時はオブジェクトが重く動くようなアニメーションとすることができる。また、例えば、データ更新部134は、音高がより高い場合、オブジェクトの素材をより反射性の高い素材に変化させ、音高がより低い場合、オブジェクトの素材をより反射性の低い素材に変化させる。これにより、音高が高い場合に、反射性の高い素材に変化させることによって、オブジェクトの明るさを向上させ、明るさの表現を加えることができ得る。
【0048】
オブジェクトに対するエフェクトの要素の例として、オブジェクトに重畳する重畳オブジェクトの度合が挙げられる。データ更新部134は、音楽データに基づいて、重畳オブジェクトの度合を変化させてよい。例えば、データ更新部134は、音高がより低い場合に、雨だれのような暗いイメージの重畳オブジェクトの度合を強める。これにより、音高がより低い場合に、オブジェクトに対して、暗いイメージの重畳オブジェクトをより強い度合で加えることによって、暗さ表現を加えることができる。
【0049】
再生制御部136は、データ更新部134によって更新されたアニメーションデータ(すなわち、更新データ)を再生させるよう制御する。再生制御部136は、例えば、データ処理装置100が備えるディスプレイ及びスピーカに更新データを出力させる。再生制御部136は、更新データを通信端末400に送信することによって、通信端末400が備えるディスプレイ及びスピーカに更新データを出力させるよう制御してもよい。
【0050】
登録部142は、アニメーションデータ取得部110が取得した基準データにおけるオブジェクトの動きに基づいて、基準データとともに再生する音楽の音楽データを生成するためのデータを登録する。登録部142は、データ処理装置100の利用者及び通信端末400の利用者等による指示に従って、データを登録してよい。
【0051】
登録部142は、オブジェクトの形状と音高とを対応付けて登録する。例えば、登録部142は、オブジェクトの第1の形状と、第1の形状よりも動きの大きな第2の形状のそれぞれに対して、第1の音高及び第2の音高のそれぞれを登録する。登録部142は、第1の形状及び第2の形状以外の形状に対応する音高を、第1の形状及び第1の音高と、第2の形状及び第2の音高とに基づいて登録してもよい。
【0052】
登録部142は、例えば、第1の形状と第2の形状の間の形状のそれぞれに対して、第1の音高と第2の音高との間の音高を割り当てる。また、登録部142は、第2の音高が第1の音高よりも高い場合において、例えば、第1の形状よりも動きの小さな形状に対して、第1の音高よりも低い音高を割り当て、第2の形状よりも動きの大きな形状に対して、第2の音高よりも高い音高を割り当てる。登録部142は、第2の音高が第1の音高よりも低い場合においては、例えば、第1の形状よりも動きの小さな形状に対して、第1の音高よりも高い音高を割り当て、第2の形状よりも動きの大きな形状に対して、第2の音高よりも低い音高を割り当てる。
【0053】
音楽データ生成部144は、アニメーションデータ取得部110が取得した基準データにおけるオブジェクトの動きに基づいて、基準データとともに再生する音楽の音楽データを生成する。音楽データ生成部144は、登録部142によって登録されたデータを用いて、音楽データを生成してよい。音楽データ生成部144は、例えば、各タイミングにおけるオブジェクトの形状を特定し、オブジェクトの形状に対応する音高を特定することによって、音楽データを生成する。
【0054】
再生制御部136は、音楽データ生成部144によって生成された音楽データを再生するよう制御してよい。再生制御部136は、音楽データのみを再生するよう制御してよい。再生制御部136は、例えば、データ処理装置100が備えるスピーカに音楽データを出力させる。再生制御部136は、音楽データを通信端末400に送信することによって、通信端末400が備えるスピーカに音楽データを出力させるよう制御してもよい。再生制御部136は、アニメーションデータとともに音楽データを再生するよう制御してもよい。再生制御部136は、例えば、データ処理装置100が備えるディスプレイ及びスピーカに音楽データ及びアニメーションデータを出力させる。再生制御部136は、更新データを通信端末400に送信することによって、通信端末400が備えるディスプレイ及びスピーカに音楽データ及びアニメーションデータを出力させるよう制御してもよい。
【0055】
これらにより、例えば、アニメーションデータにおけるオブジェクトの動きを、聴覚的に確認することができる。例えば、音楽がスムーズに進んでいる中、急に音程が外れたような場合に、その部分に対応するオブジェクトの動きが異常な動きになっている可能性があるが、そのような状態を音楽データを聞くことによって確認することができ得る。
【0056】
図3は、音楽データについて説明するための説明図である。音楽データは、音そのもののデータであってよく、音をあらわす楽譜のデータであってもよい。
【0057】
図3に示す楽譜200において、平均速度202は、音楽の平均速度を示し、拍子204は、音楽の拍子を示し、音符によって、音高及び音長が示される。データ更新部134は、音符の間隔によって、オブジェクトの動きの速さを調整し、音高によって、オブジェクトの動きの大きさを調整し得る。
【0058】
例えば、データ更新部134が、16分音符の割合が多い音楽データに基づいてオブジェクトの動き更新した場合、オブジェクトの動きが速めになり、全音符の割合が多い音楽データに基づいてオブジェクトの動きを更新した場合、オブジェクトの動きは遅めになり得る。また、例えば、データ更新部134が、低い音高に基づいてオブジェクトの動きを更新した場合、オブジェクトの動きが小さめになり、高い音高に基づいてオブジェクトの動きを更新した場合、オブジェクトの動きが大きめになり得る。
【0059】
図4は、音楽データについて説明するための説明図である。音楽データは、MIDIデータ210であってもよい。MIDIデータ210は、全体のAverage Speed及びRhythm、メロディや各パートの音程(音高)や音長の情報を含む。
【0060】
図5は、登録部132による登録データ152の一例を概略的に示す。登録データ152は、あるオブジェクト(図3に示す例では、スカート)について、動きの大きさの異なる形状を含む。図3に示す例では、S1、S2、S3、S4の順で動きが大きくなっている。
【0061】
図6及び図7は、音高とオブジェクトの形状の対応関係の一例を概略的に示す。図6の対応付けデータ160では、「音高:44」に対して「形状:S1」が対応付けられ、「音高:49」に対して「形状:S2」が対応付けられている。図7の対応付けデータ170では、「音高:44」に対して「形状:S1」が対応付けられ、「音高:49」に対して「形状:S4」が対応付けられている。
【0062】
図6に示す例において、「音高:45、46、47、48」や、「音高:44」より低い音高や、「音高:49」より高い音高に対しては、「形状:S1」及び「形状:S2」から補完した形状が登録され得る。
【0063】
図7に示す例において、「音高:45、46、47、48」や、「音高:44」より低い音高や、「音高:49」より高い音高に対しては、「形状:S1」及び「形状:S4」から補完した形状が登録され得る。
【0064】
データ処理装置100の利用者及び通信端末400の利用者等は、オブジェクトの動きの大げさ度合を小にしたい場合、図6に例示するように、2つの音高に対して、動きの差の小さい形状を登録し得る。また、データ処理装置100の利用者及び通信端末400の利用者等は、オブジェクトの動きの大げさ度合を大にしたい場合、図7に例示するように、2つの音高に対して、動きの差の大きい形状を登録し得る。
【0065】
図8は、登録部132による登録データ154の一例を概略的に示す。登録データ154は、あるオブジェクト(図9に示す例では、コート)について、オリジナルの形状156(Original)と、変形された形状158(Deformed)とを含む。
【0066】
形状156は、例えば、動きの大きさが最小の形状であってよく、形状158は、動きの大きさが最大の形状であってよい。形状158は、形状156におけるメッシュの頂点間隔の移動の最大値を設定することによって生成され得る。
【0067】
例えば、形状156における頂点v1とv2の間の距離d=1の時、形状158のとり得る最大距離d=10とすると、コートが伸びたように見える。これにより、任意オン大げさな表現が可能となる。
【0068】
図9は、衣服300の各部に対して、音楽を構成する複数のパートのそれぞれを割り当てる割り当てについて説明するための説明図である。いわゆるバンドやオーケストラ等のように、音楽が複数のパートによって構成される場合、データ更新部134は、オブジェクトの各部の動きを、それぞれに対応するパートに基づいて更新してもよい。データ更新部134は、例えば、複数のパートのうちの第1のパートに基づいて、オブジェクトの第1の部分の動きを更新し、複数のパートのうちの第2のパートに基づいて、オブジェクトの第2の部分の動きを更新する。
【0069】
例えば、データ処理装置100の利用者及び通信端末400の利用者等は、あまり大きな動きはさせたくないが、音楽に合わせて少し動いてほしい部分302に対して、音高の変化が少ないパートを割り当て得る。また、例えば、データ処理装置100の利用者及び通信端末400の利用者等は、音楽に合わせて激しく動いてほしい部分304及び部分306に対して、音高の変化が多いパートを割り当て得る。このように、本実施形態に係るデータ処理装置100によれば、オブジェクトの各部の動きが、それぞれ別のパートに合わせて変化するアニメーションデータを生成することができる。
【0070】
データ更新部134は、音楽データの音楽が複数のパートによって構成され、アニメーションデータが複数のオブジェクトを含む場合に、複数のオブジェクトのそれぞれの動きを、それぞれに対応するパートに基づいて更新してもよい。データ更新部134は、例えば、複数のパートのうちの第1のパートに基づいて、複数のオブジェクトのうちの第1のオブジェクトの動きを更新し、複数のパートのうちの第2のパートに基づいて、複数のオブジェクトのうちの第2のオブジェクトの動きを更新する。これにより、アニメーションデータに含まれる複数のオブジェクトが、音楽データの音楽を構成する複数のパートのそれぞれに応じて動くようなアニメーションデータを生成することができる。
【0071】
図10は、データ処理装置100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0072】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、GPU1250を含む。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0073】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0074】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0075】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0076】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0077】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0078】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0079】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0080】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0081】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0082】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0083】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0084】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0085】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
【0086】
請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0087】
20 ネットワーク、100 データ処理装置、102 データ受信部、110 アニメーションデータ取得部、112 アニメーションデータ生成部、120 音楽データ取得部、132 登録部、134 データ更新部、136 再生制御部、142 登録部、144 音楽データ生成部、150 カメラ、152 登録データ、154 登録データ、160 対応付けデータ、170 対応付けデータ、200 楽譜、202 平均速度、204 拍子、210 MIDIデータ、300 衣服、302 部分、304 部分、306 部分、400 通信端末、450 カメラ、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ、1250 GPU
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10