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特許7514979外科用ステープラのための取替式シャフト組立体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】外科用ステープラのための取替式シャフト組立体
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
A61B17/072
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023080252
(22)【出願日】2023-05-15
(62)【分割の表示】P 2021143670の分割
【原出願日】2017-04-12
(65)【公開番号】P2023109870
(43)【公開日】2023-08-08
【審査請求日】2023-06-07
(31)【優先権主張番号】62/321,618
(32)【優先日】2016-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503000978
【氏名又は名称】アプライド メディカル リソーシーズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ジャセミアン ババク ディー
(72)【発明者】
【氏名】デッカー スティーヴン イー
(72)【発明者】
【氏名】パテル アタール シー
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン エリック
(72)【発明者】
【氏名】マッカーシー アンドリュー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ツィマーマン スコット
(72)【発明者】
【氏名】ホプキンス ティモシー エム
(72)【発明者】
【氏名】ショーバー ジョシュア エム
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイス エリック ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ベセーラ マシュー エム
(72)【発明者】
【氏名】リード クリスティーナ エヌ
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-082704(JP,A)
【文献】特表2014-515641(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0084826(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068 A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープル留めシステムのための取替部組立体であって、前記取替部組立体は、
近位端及び遠位端を備えるとともに前記近位端と前記遠位端との間に延びる長手方向軸線を定めた細長いシャフトを含み、
前記細長いシャフトの前記遠位端のところに位置決めされたジョー組立体を含み、
前記ジョー組立体は、
ステープル取替部を受け入れるよう構成された取替部支持体を有する第1のジョーと、
前記第1のジョーに回動可能に結合された第2のジョーとを含み、前記第2のジョーは、アンビル表面を有し、
前記取替部組立体は、
前記ジョー組立体を駆動するように前記細長いシャフト内で長手方向に摺動可能な作動ビームを含み、前記作動ビームは、近位端及び遠位端を有し、前記作動ビームの前記遠位端は前記ジョー組立体に結合され、
前記細長いシャフトの前記近位端にあるシャフトカップラを含み、前記シャフトカップラは、当該シャフトカップラ内に位置決めされたロック部材を有し、前記ロック部材は前記作動ビームの前記近位端の遠位側への作動によって半径方向外方に前進可能であり、前記ロック部材は、前記細長いシャフトを前記外科用ステープル留めシステムのハンドルに固定するようになっている、取替部組立体。
【請求項2】
前記シャフトカップラは、前記ロック部材が半径方向内方の位置にある状態のロック解除形態を有し、前記シャフトは、前記ロック解除形態ではハンドル組立体のカップラ内に取り外し可能に位置決めできる、請求項1記載の取替部組立体。
【請求項3】
前記シャフトカップラは、前記ロック部材が半径方向外方に送り進められた状態のロック形態を有する、請求項1記載の取替部組立体。
【請求項4】
前記ロック部材は、前記細長いシャフトに回動可能に結合されるとともにロック解除位置からロック位置に回動可能である、請求項1記載の取替部組立体。
【請求項5】
前記ロック部材は、近位端を備えたレバーを有し、前記ロック部材は、前記近位端にあり前記作動ビームの遠位側への作動によって半径方向外方に前進可能なテーパ付きロック表面を有する、請求項2記載の取替部組立体。
【請求項6】
前記シャフトカップラは、前記シャフトカップラ内に位置決めされたロックアウト機構体を有し、
前記ロックアウト機構体は、前記長手方向軸線回りに回転可能なロックリングと、前記ロックリングの回転によって半径方向外方に前進可能なロックアウト部材とを含む、請求項1に記載の取替部組立体。
【請求項7】
前記ロックアウト部材は、前記シャフトカップラに設けられたポートを通って前記シャフトカップラの半径方向外方のロック位置まで伸長可能である、請求項6記載の取替部組立体。
【請求項8】
前記ロックアウト部材が前記ロック位置にある状態で、前記ロックアウト機構体は、ハンドルカップラへの前記シャフトカップラの結合を妨害する、請求項7記載の取替部組立体。
【請求項9】
前記ロックアウト部材が半径方向外向きに付勢され、初期位置では、前記ロックアウト部材が前記ロックリングによって半径方向内向きの位置に保持される、請求項6に記載の取替部組立体。
【請求項10】
前記シャフトカップラが、前記細長いシャフトの近位端に配置されたカップリングカラーを備える、請求項1に記載の取替部組立体。
【請求項11】
前記ジョー組立体が、ステープル取替部が前記ジョー組立体内に配置されていない場合、または空のステープル取替部が前記ジョー組立体内に配置されている場合に、前記作動ビームの遠位長手方向への前進を阻止するように構成された再充填ロックアウト機構をさらに備える、請求項1に記載の取替部組立体。
【請求項12】
前記ジョー組立体が、関節運動継手において前記細長いシャフトに結合されている、請求項1に記載の取替部組立体。
【請求項13】
前記関節運動継手が、前記細長いシャフト内に配置された関節運動ラッチ留め機構体をさらに備える、請求項12に記載の取替部組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般に、外科用閉塞器具、特に外科用ステープラに関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、現時点において係属中の2016年4月12日に出願された米国特許仮出願第62/321,618号(発明の名称:RELOAD SHAFT ASSEMBLY FOR SURGICAL STAPLER)の権益主張出願である。この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
外科用ステープラは、組織に近づき又はクランプし、そしてクランプした組織を互いにステープル留めするために用いられる。したがって、外科用ステープラは、組織が適正に位置決めされて捕捉されるようにし、そしてステープルを組織中に駆動する機構体を有する。その結果、これは、クランプした組織の適正なステープル留めを可能にするよう例えば、複雑な機構体と関連して多数のトリガ及びハンドルを生じさせる。これら複雑な機構体により、外科用ステープラについて製造上の負担が増大するとともに装置の故障及びユーザにとっての混乱の潜在的な源が生じる場合がある。かくして、複雑な機構体なしでクランプした組織の信頼性のあるステープル留めが要望されている。
【発明の概要】
【0004】
ある特定の実施形態では、外科用ステープラが提供される。外科用ステープラは、細長いシャフト、ジョー組立体、及びハンドル組立体を有する。細長いシャフトは、近位端及び遠位端を有する。細長いシャフトは、近位端と遠位端との間に長手方向軸線を定める。ジョー組立体は、細長いシャフトの遠位端のところに位置決めされている。ジョー組立体は、第1のジョー、第2のジョー、及び複数のステープルを含む。ジョー組立体は、閉じ形態、開き形態、及び発射形態のうちの1つに選択的に位置決め可能である。ハンドル組立体は、細長いシャフトの近位端のところに位置決めされる。
【0005】
ある特定の実施形態では、細長いシャフトは、その遠位端のところに位置していて関節運動継手のところで結合されたジョー組立体を有する。関節運動継手は、関節運動範囲でジョー組立体の関節運動を可能にすることができる。細長いシャフトを貫通した関節運動部材の並進により、ジョー組立体が関節運動する。細長いシャフトは、細長いシャフトを貫通した駆動部材を更に有する。駆動部材は、関節運動継手を貫通した可撓性セグメントを有する。発射部材が駆動部材の遠位端に結合されている。
【0006】
ある特定の実施形態では、ジョー組立体は、細長いシャフトの遠位端のところに取替部支持体及び取替部支持体に回動可能に結合されたアンビルを有する。Iビーム形態を有する発射部材がジョー組立体内に位置決めされている。ジョー組立体は、非発射取替部がジョー組立体内に位置決めされていなければ、発射部材が送り進められるのを阻止するロックアウト機構体を更に含むのが良い。
【0007】
種々の実施形態では、シャフトカップラがシャフトの近位端のところに位置決めされるのが良い。シャフトカップラは、差込み形連結部内でハンドル組立体に設けられているカップラに係合するよう構成されているのが良い。差込み形連結部は、関節運動部材と駆動部材と細長いシャフトを同時に結合する。シャフトカップラは、シャフト識別機構体を更に有するのが良い。カップラは、シャフト組立体をハンドル組立体との連結状態に保持するロックイン(lock-in )機構体を更に有するのが良い。
【0008】
種々の実施形態では、外科用ステープル留めシステムのための取替部組立体が提供される。取替部組立体は、細長いシャフト、ジョー組立体、発射部材、作動ビーム、及び取替部ロックアウト機構体を含む。細長いシャフトは、近位端及び遠位端を備える。細長いシャフトは、近位端と遠位端との間に延びる長手方向軸線を定めている。ジョー組立体は、細長いシャフトの遠位端のところに位置決めされている。ジョー組立体は、第1のジョー及び第2のジョーを含む。第1のジョーは、ステープル取替部を受け入れるよう構成された取替部支持体を有する。第2のジョーは、第1のジョーに回動可能に結合されている。第2のジョーは、アンビル表面を有する。発射部材は、ジョー組立体内で長手方向に摺動可能である。作動ビームは、細長いシャフト内で長手方向に摺動可能である。作動ビームは、近位端及び遠位端を有する。作動ビームの遠位端は、発射部材に結合されている。取替部ロックアウト機構体は、取替部支持体に回動可能に結合されるとともに細長いシャフトに対する作動ビームの遠位側への運動を阻止するロック位置と、細長いシャフトに対する作動ビームの遠位側への運動を可能にするロック解除位置との間で回動可能なロックアウトレバーを含む。
【0009】
種々の実施形態では、外科用ステープル留めシステムのための取替部組立体が提供される。取替部組立体は、細長いシャフト、ジョー組立体、作動ビーム、及びシャフトカップラを含む。細長いシャフトは、近位端及び遠位端を備えるとともに近位端と遠位端との間に延びる長手方向軸線を定めている。ジョー組立体は、細長いシャフトの遠位端のところに位置決めされている。ジョー組立体は、第1のジョー及び第2のジョーを含む。第1のジョーは、ステープル取替部を受け入れるよう構成された取替部支持体を有する。第2のジョーは、第1のジョーに回動可能に結合されている。第2のジョーは、アンビル表面を有する。作動ビームは、細長いシャフト内で長手方向に摺動可能である。作動ビームは、近位端及び遠位端を有する。作動ビームの遠位端は、ジョー組立体に結合されている。シャフトカップラは、細長いシャフトの近位端のところに位置決めされている。シャフトカップラは、シャフトカップラ内に位置決めされたロック部材を有する。ロック部材は、作動ビームの近位端の遠位側への作動によって半径方向外方に前進可能である。
【0010】
種々の実施形態では、外科用ステープル留めシステムのための取替部組立体が提供される。取替部組立体は、細長いシャフト、ジョー組立体、作動ビーム、及びシャフトカップラを含む。細長いシャフトは、近位端及び遠位端を備えるとともに近位端と遠位端との間に延びる長手方向軸線を定めている。ジョー組立体は、細長いシャフトの遠位端のところに位置決めされている。ジョー組立体は、第1のジョー及び第2のジョーを含む。第1のジョーは、ステープル取替部を受け入れるよう構成された取替部支持体を有する。第2のジョーは、第1のジョーに回動可能に結合されている。第2のジョーは、アンビル表面を有する。作動ビームは、細長いシャフト内で長手方向に摺動可能である。作動ビームは、近位端及び遠位端を有する。作動ビームの遠位端は、ジョー組立体に結合されている。シャフトカップラは、細長いシャフトの近位端のところに位置決めされている。シャフトカップラは、ハンドル組立体に取り外し可能に結合するよう構成されている。シャフトカップラは、シャフトカップラ内に位置決めされたロックアウト機構体を有する。ロックアウト機構体は、ロックリング及びロックアウト部材を含む。ロックリングは、長手方向軸線回りに回転可能である。ロックアウト部材は、ロックリングの回転によって半径方向外方に前進可能である。
【0011】
種々の実施形態では、外科用ステープル留めシステムのための取替部組立体が提供される。取替部組立体は、細長いシャフト、ジョー組立体、作動ビーム、関節運動リンク、支持リンク、及び関節運動ラッチ留め機構体を含む。細長いシャフトは、近位端及び遠位端を備えるとともに近位端と遠位端との間に延びる長手方向軸線を定めている。ジョー組立体は、細長いシャフトの遠位端のところで細長いシャフトに関節運動可能に結合されている。ジョー組立体は、第1のジョー及び第2のジョーを含む。第1のジョーは、ステープル取替部を受け入れるよう構成された取替部支持体を有する。第2のジョーは、第1のジョーに回動可能に結合されている。第2のジョーは、アンビル表面を有する。作動ビームは、ジョー組立体を作動させるよう細長いシャフト内で長手方向に摺動可能である。作動ビームは、近位端及び遠位端を有する。関節運動リンクは、ジョー組立体を細長いシャフトに対して関節運動させるよう細長いシャフト内で長手方向に摺動可能である。関節運動リンクは、細長いシャフトの近位端に隣接して位置決めされる近位端及びジョー組立体に回動可能に結合された遠位端を有する。支持リンクは、細長いシャフト内で長手方向に摺動可能である。支持リンクは、ジョー組立体に回動可能に結合された遠位端まで長手方向に延びる近位端を有する。関節運動ラッチ留め機構体は、細長いシャフト内に近位端と遠位端との間に位置決めされている。関節運動ラッチ留め機構体は、関節運動リンク及び支持リンクが細長いシャフト内で摺動可能なラッチ解除形態及び作動ラッチ留め機構体が関節運動リンク及び支持リンクの長手方向摺動を阻止するよう関節運動リンク及び支持リンクに係合するラッチ留め形態を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ジョーが開き形態にある状態の外科用ステープル留めシステムの一実施形態の斜視図である。
図2A図1の外科用ステープル留めシステムのためのシャフト組立体の幾つかの実施形態の斜視図である。
図2B図1の外科用ステープル留めシステムのためのジョー組立体の幾つかの実施形態の斜視図である。
図3図1の外科用ステープル留めシステムのためのシャフト組立体の遠位端のところに位置するジョー組立体の斜視図である。
図4】ステープル取替部付きの図3のジョー組立体の斜視図である。
図5図3のジョー組立体の斜視図であり、ステープル取替部が挿入された状態を示す図である。
図6A図3のジョー組立体のアンビルの平面図である。
図6B図3のジョー組立体のためのアンビルプレートの平面図である。
図7図3のジョー組立体のアンビルの分解組立て斜視図である。
図8】初期状態にかつ成形状態にある図3のジョー組立体の上側ジョーの斜視図である。
図9図3のジョー組立体のアンビル表面の斜視図である。
図10図9のアンビル表面に設けられたステープル凹部の略図である。
図11A図3のジョー組立体のアンビルの斜視図である。
図11B図3のジョー組立体のアンビルの平面図である。
図12図3のジョー組立体の取替部支持体の斜視図であり、取替部が部分的に挿入された状態を示す図である。
図13図3のジョー組立体の取替部支持体の斜視図であり、取替部が挿入された状態を示す図である。
図14図3のジョー組立体の閉鎖ビームの側面図である。
図15図14の閉鎖ビームの部分切除正面図であり、そのフランジが図3のジョー組立体のアンビルに設けられたチャネル内に位置決めされた状態を示す図である。
図16図1のステープルシステムに用いられる取替部の分解組立て斜視図である。
図17図1のステープルシステムに用いられる取替部の上から見た斜視図である。
図18図1のステープルシステムに用いられる取替部の下から見た斜視図である。
図19図1のステープルシステムに用いられる取替部の下から見た分解組立て斜視図である。
図20図1のステープルシステムに用いられる取替部の斜視図である。
図21図1のステープルシステムに用いられる取替部の詳細平面図である。
図22図16の取替部のためのステープルプッシャの斜視図である。
図23図16の取替部のステープルプッシャの斜視図である。
図24図1のステープルシステムに用いられる取替部の斜視図である。
図25】閉じ形態にある図3のジョー組立体の部分切除図である。
図26図16の取替部の斜視図である。
図27】閉じ形態にある図3のジョー組立体の斜視図であり、取替部が挿入された状態を示す図である。
図28図3のジョー組立体の謝意図であり、取替部が挿入可能に位置決めされた状態を示す図である。
図29図3のジョー組立体の斜視図であり、取替部が挿入された状態を示す図である。
図30図16の取替部の平面図である。
図31図3のジョー組立体の側面図であり、取替部が挿入された状態を示す図である。
図32A】シャフト組立体の取替部ロックアウト機構体の斜視図である。
図32B】シャフト組立体の取替部ロックアウト機構体の側面図である。
図33】ロック形態にあるシャフト組立体の取替部ロックアウト機構体の側面図である。
図34】ロック解除形態にあるシャフト組立体の取替部ロックアウト機構体の側面図である。
図35図3のジョー組立体との関節運動継手連結部のところの細長いシャフトの遠位端の斜視図である。
図36】細長いシャフトの遠位端のところの関節運動継手の一実施形態の部分切除斜視図である。
図37】細長いシャフトの遠位端のところの関節運動継手の一実施形態の部分切除斜視図である。
図38A】関節運動後の位置にある図36の関節運動継手の部分切除平面図である。
図38B】別の関節運動後の位置にある図36の関節運動継手の部分切除平面図である。
図39】細長いシャフトの遠位端のところの関節運動継手の別の実施形態の部分切除斜視図である。
図40】細長いシャフトの遠位端のところの図39の関節運動継手の実施形態の部分切除斜視図である。
図41】関節運動後の位置にある図39の関節運動継手の部分切除平面図である。
図42】別の関節運動後の位置にある図39の関節運動継手の部分切除平面図である。
図43】ラッチ留め位置にある図39の関節運動継手の部分切除平面図である。
図44図1のステープラシステムのためのハンドル組立体に隣接して位置決めされたシャフト組立体の近位端の側面図である。
図45A図1のステープラシステム内のハンドル組立体へのシャフト組立体の近位端の結合部又はカップリングの斜視図である。
図45B図1のステープラシステム内のハンドル組立体へのシャフト組立体の近位端の結合部又はカップリングの斜視図である。
図45C図1のステープラシステム内のハンドル組立体へのシャフト組立体の近位端の結合部又はカップリングの斜視図である。
図45D図1のステープラシステム内のハンドル組立体へのシャフト組立体の近位端の結合部又はカップリングの斜視図である。
図46図1のステープラシステムのシャフト組立体の近位端の分解組立て斜視図である。
図47図1のステープラシステムのためのハンドル組立体に隣接して位置決めされたシャフト組立体の近位端の切除側面図である。
図48A図1のステープラシステム内のハンドル組立体へのシャフト組立体の近位端の結合部の斜視図である。
図48B図1のステープラシステム内のハンドル組立体へのシャフト組立体の近位端の結合部の斜視図である。
図49A図1のステープラシステム内のハンドル組立体へのシャフト組立体の近位端の結合部の部分切除斜視図である。
図49B図1のステープラシステム内のハンドル組立体へのシャフト組立体の近位端の結合部の部分切除斜視図である。
図50図1のステープラシステム内のシャフト組立体の近位端の部分切除斜視図である。
図51図1のステープラシステム内のシャフト組立体の近位端の部分切除斜視図である。
図52図1のステープラシステム内のシャフト組立体の近位端の分解組立て斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照すると、外科用ステープル留めシステムの一実施形態が示されている。図示の実施形態としての外科用ステープラ10は、細長いシャフト20、ジョー組立体30、及びハンドル組立体40を有する。図1は、ジョー組立体30が開き形態にある状態で外科用ステープラ10を示している。ステープル取替部50がジョー組立体内に位置決めされるのが良い。図示の外科用ステープル留めシステムは、電動ハンドルを備えた状態で示されているが、細長いシャフト20及びジョー組立体30を、機械式ステープラハンドルを含むステープル留めシステムに交換可能に使用できることが想定される。例えば、本明細書において説明する細長いシャフト組立体20及びジョー組立体30の種々の実施形態を2017年4月12日に出願され、現時点において係属中の米国特許出願第15/486,008号(発明の名称:SURGICAL STAPLER HAVING A POWERED HANDLE)に記載された電動ハンドル組立体か、2017年4月12日に出願され、現時点において係属中の米国特許出願第15/485,620号(発明の名称:SURGICAL STAPLER HAVING ARTICULATION MECHANISM)に記載された機械的手動式ハンドル組立体かのいずれかと交換可能に使用できることが想定される。これら特許出願を参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0014】
引き続き図1を参照すると、図示の実施形態としての外科用ステープラ10は、腹腔鏡外科的処置で使用できるよう寸法決めされるとともに形作られているのが良い。例えば、細長いシャフト20及びジョー組立体30は、アクセスポート又はトロカールカニューレを通って手術野中に導入されるよう寸法決めされるとともに形作られているのが良い。幾つかの実施形態では、細長いシャフト20及びジョー組立体30は、比較的小さな、例えば8mm未満の作業チャネル直径を備えたトロカールカニューレを通って挿入されるよう寸法決めされるとともに形作られているのが良い。他の実施形態では、細長いシャフト20及びジョー組立体30は、大きな、例えば10mm、11mm、12mm、又は15mmの作業チャネル直径を備えたトロカールカニューレを通って挿入されるよう寸法決めされるとともに形作られているのが良い。他の実施形態では、本明細書において説明する外科用ステープラのある特定の観点を開放外科的処置で使用可能な外科用ステープル留め器具中に組み込むことができることが想定される。
【0015】
引き続き図1を参照すると、図示のように、細長いシャフト20は、全体として管状の部材を有する。細長いシャフト20は、近位端から遠位端まで延びている。細長いシャフト20は、近位端と遠位端との間に延びる外科用ステープラ10の長手方向中心軸線Lを定めている。
【0016】
図2Aを参照すると、ステープル留めシステムは、所望の長さを備えた細長いシャフトを含むことが想定される。本明細書において説明するジョー組立体とハンドル結合部の特徴は、これらシャフト組立体の各々について実質的に同様であるのが良いが、シャフト本体は、スケール変更可能であるのが良い。例えば、ステープル留めシステムは、比較的短い細長いシャフト20′、中くらいの長さの細長いシャフト20、又は比較的長い細長いシャフト20″を含むことができる。これらシャフト長さの各々は、患者又は手技のサブセットについて特定の利用可能性を有することができる。例えば、短い細長いシャフト20′は、小児科手技で有用な場合があり、長い細長いシャフト20″は、肥満学的手技で有用な場合がある。
【0017】
図2Bを参照すると、ステープル留めシステムは、所望の長さを備えたジョー組立体を含むことができるということが想定される。本明細書において説明するジョー組立体とハンドル結合部の特徴は、これらシャフト組立体の各々について実質的に同様であるのが良いが、シャフト本体は、スケール変更可能であるのが良い。例えば、ステープル留めシステムは、比較的短い細長いシャフト30′、中くらいの長さの細長いシャフト30、又は比較的長い細長いシャフト30″を含むことができる。これらシャフト長さの各々は、患者又は手技のサブセットについて特定の利用可能性を有することができる。ある特定の実施形態では、ジョー組立体は、約45mmの長さを有することが想定される。他の実施形態では、ジョー組立体は、約60mmの長さを有することが想定される。
【0018】
引き続き図1を参照すると、例示の実施形態では、ジョー組立体30は、細長いシャフト20の遠位端24のところで細長いシャフト20に結合されている。ジョー組立体は、第1のジョー32及び第1のジョー32に回動可能に結合された第2のジョー34を含む。図示の実施形態では、ジョー組立体30は、細長いシャフト20に対して関節運動可能である。
【0019】
引き続き図1を参照すると、図示の実施形態では、ジョー組立体30を細長いシャフト内で長手方向に摺動可能な作動部材又はビームによって開き形態(図1)から閉じ形態に、すなわちステープル留め形態に作動させることができる。初期の位置では、ビームは、細長いシャフト20の遠位端24のところに位置決めされるのが良い。ビームが初期位置にある状態で、第2のジョー34を回動させて第1のジョー32から遠ざけてジョー組立体30が開き形態にあるようにする。作動ビームは、長手方向軸線Lに沿って遠位側への作動部材又はビームの並進時、第2のジョー34に係合する。作動ビームを初期位置から遠位側に第1の距離にわたって並進させると、ジョー組立体を開き形態から閉じ形態に作動させることができる。ジョー組立体30が閉じ形態にある状態で、作動ビームを近位側に第1の距離にわたって戻すと、ジョー組立体30を開き形態に戻すことができる。作動ビームの遠位端は、ステープルを第1のジョー32から展開するよう構成されたステープルスライダを前進させることができ、その結果、第1の距離を超えて作動ビームを遠位側に更に並進させると、複数のステープルが第1のジョー32内の取替部から展開されるようになる。
【0020】
引き続き図1を参照すると、図示の実施形態では、ハンドル組立体は、細長いシャフト20の近位端のところで細長いシャフト20に結合されている。図示のように、ハンドル組立体40は、静止ハンドル42及び静止ハンドル42に回動可能に結合された可動ハンドル44又はトリガを備えたハウジングを備えた拳銃握り形態を有する。他の実施形態では、本明細書において説明する観点を含む外科用ステープラ器具が他の形態、例えばはさみ握り形態又はインライン形態を備えたハンドル組立体を有しても良いことが想定される。以下に更に詳細に説明するように、ハンドル組立体40は、作動シャフトを可動ハンドル44の運動に応動して選択的に前進させるよう構成された作動機構体を収容している。
【0021】
図3を参照すると、シャフト組立体20の遠位端のところに位置するジョー組立体の一実施形態が示されている。図示の実施形態では、ジョー組立体は、関節運動継手230のところでシャフト組立体20の遠位端に関節運動可能に結合された取替部支持体210を含む。アンビル220が取替部支持体210に回動可能に結合されており、このアンビルは、ジョー組立体30の上側ジョーを構成している。発射部材240がジョー組立体内で摺動して当初アンビル220を取替部支持体210に対して閉じ、次にステープルを取替部から発射することができる。幾つかの実施形態では、発射部材240は、垂直ビーム242が2つの水平に突き出たフランジ244,246相互間にまたいだ状態のIビーム形態を有する。有利には、Iビーム形態により、一方の水平フランジ244は、アンビル220に設けられたチャネルに嵌まり込むことができ、他方のフランジ246は、取替部又は取替部支持体に設けられたチャネルに嵌まり込むことができ、それによりジョー組立体を閉じ、次に発射部材が遠位側に送り進められたときにジョー組立体の所望の閉じ間隔を維持することができる。幾つかの実施形態では、発射部材240は、Iビーム形態の垂直ビーム上に形成され又はこれに取り付けられた切れ刃248を有するのが良い。この切れ刃は、ステープルが発射されているときに組織を分離することができ、それにより分離された組織の両面上にステープルラインを形成することができる。
【0022】
図4及び図5を参照すると、取替部支持体210は、使い捨て取替部50を受け入れてこれを保持するよう寸法決めされているのが良い。取替部50を下降させるとともに取替部支持体210中に近位側に動かすことができ、ついには、取替部に設けられている嵌め合わせ特徴部が取替部支持体210に設けられている対応の特徴部に係合するようになる。
【0023】
図6A図6B図7、及び図8を参照すると、ジョー組立体30のアンビル220の種々の観点が示されている。ある特定の実施形態では、アンビル220は、頂面224に結合されたアンビルプレート222を有する。アンビルプレートは、このアンビルプレートに形成されていて発射部材の水平フランジが嵌まり込む長手方向チャネル225及び長手方向チャネル225を貫通して形成されていて発射部材の垂直ビームが嵌まり込む長手方向スロット227を有するのが良い。頂面224は、後でアンビルプレートの上に位置するよう成形される材料のシートで作られるのが良い。(図8は、扁平なシート2224′及び成形された頂面224を示している)。有利には、アンビルプレート222への頂面224の追加により、ジョー組立体のアンビルの強度が増す。
【0024】
図9及び図10を参照すると、ジョー組立体30のアンビルプレート222の種々の観点が示されている。アンビルプレート上には複数のステープル成形ポケット223が設けられている。図示の実施形態では、ステープル成形ポケット223は、3つの列から成る2つのアレイの状態で位置決めされ、これらアレイは、発射部材のためのスロットの各側に位置決めされている。かくして、ステープラは、2つの組をなすステープルの3つの直線状列を形成することができ、これら組は、分割された組織で互いに隔てられている。他の実施形態では、アンビルは、ステープルの他の個数及び形態を成形するよう構成されたステープル成形ポケットを有しても良いことが想定される。ステープル成形ポケットは、テーパ付き形態を有し、比較的大きなステープル導入側が比較的小さなステープル成形側まで細まっている。有利には、このテーパ付き形態は、ステープルを案内して成形を完了させるとともに成形度の貧弱なステープルの発生率を減少させることができる。隣り合うステープル列は、互いに長手方向にオフセットしているのが良く、その結果、列の全ての比較的広い導入側は、ステープル列の組の全幅を減少させるよう互いにオフセットしている。
【0025】
図11A及び図11Bを参照すると、アンビル220のある特定の実施形態では、頂面224は、溶接線226に沿う溶接作業によってアンビルプレート222に結合されるのが良い。有利には、溶接作業によって形成されたこの閉じ状態のアンビルは、発射部材のためのチャネルを覆う。
【0026】
図12及び図13を参照すると、取替部支持体210中への取替部50の挿入の仕方が示されている。取替部支持体は、取替部支持体210の側壁からその近位端に隣接して半径方向内方に突き出た近位ジョータブ212を有するのが良い。取替部は、近位ジョータブの下に位置決めされるとともにこれらによって保持されるよう寸法決めされた比較的短いテーパ付き近位デッキ510を有するのが良い。さらに、取替部50は、その遠位端に隣接して側方外方に突き出た保持タブ512を有するのが良い。取替部支持体210は、これに対応した対をなす保持凹部214を有するのが良く、これら保持凹部は、取替部が取替部支持体内に位置決めされると、保持タブを受け入れるよう寸法決めされるとともに形作られている。
【0027】
図14及び図15を参照すると、Iビーム形態を有する発射部材240の一実施形態が示されている。図示の実施形態では、発射部材は、前縁のところに切れ刃が形成された垂直ビーム242を有する。切れ刃は、湾曲した切れ刃248から成る。発射部材240の後縁は、発射部材を細長いシャフトを貫通した駆動部材にしっかりと結合することができるようにする駆動部材インターフェース245、例えば切欠き又は突出部を有する。発射部材240の後縁は、発射部材が近位側の位置にあるとき、取替部ロックアウトをロック解除形態で位置決めすることができるロックアウトインターフェース247、例えば近位側に延びる「テール」を更に有するのが良い。発射部材は、アンビルのチャネル225内に嵌まり込むよう構成された上側水平フランジ244及び取替部又は取替部支持体に係合するよう構成された下側水平フランジ246を更に有する。図15に示されているように、発射部材は、全体としてIビーム形態を有するが、幾つかの実施形態では、水平フランジは、アンビルのチャネル225の形状に合うよう湾曲していてもよく又はテーパ付けされていても良い。幾つかの実施形態では、発射部材240は、更に例えば表面仕上げ作業、フィルム潤滑剤の添加、又は発射部材、チャネル、又はこれら両方上への低摩擦面の被着によって発射シーケンス中に摩擦を減少させるよう構成されているのが良い。
【0028】
図16図19を参照すると、ステープル留めシステムに用いられる取替部50の一実施形態が示されている。取替部50は、複数のステープル520を有し、これらステープル520は、カートリッジ530に形成された対応の複数のステープルポケット532内に位置決めされている。ステープルポケット532は、それぞれ3つの列の2つの組の状態に配列され、各組は、カートリッジ530を貫通して形成されたスロットだけ隔てられている。ステープル520は、ステープルポケット532の下に位置する複数のステープルプッシャ540内に嵌まっている。ステープルプッシャ540の各列に対応したランプ又は傾斜路552及びロックアウトレール554を備えたスライダ550が取替部の近位端のところに位置決めされている。スライダ550は、発射部材の運動に応動して取替部内で長手方向に摺動可能である。ジャケット560がカートリッジの下に位置し、このジャケットは、ステープル及びステープルプッシャをステープルポケット内に維持する。ジャケットは、カートリッジに係合する突き出しフック562を有するのが良い。
【0029】
図20を参照すると、幾つかの実施形態では、取替部50は、カートリッジの上面を覆う輸送用カバー570を有するのが良い。有利には、輸送用カバー570は、取替部が用いられる前にステープルのうちの1つ又は2つ以上がステープルポケットから脱落状態になり又は位置合わせ不良状態になるのを阻止することができる。輸送用カバー570は、取替部50が取替部支持体内に位置決めされる前に取り外される。
【0030】
図21図23を参照すると、幾つかの実施形態では、取替部50は、ある特定のステープル位置合わせ部及び保持特徴部を有するのが良い。例えば、カートリッジ530に形成されたステープルポケット532は、その端部のところに設けられていてカートリッジ内に位置決めされたステープル520のレッグを受け入れるステープル案内534を有するのが良い。ステープルプッシャ540は、ステープル案内534の中に乗るよう寸法決めされるとともに形作られたナブ542を更に有するのが良い。図示のように、ある特定の実施形態では、ステープルプッシャ540は、3つの群をなして成形されるのが良く、その結果、1つのステープルプッシャ540は、3つの隣り合うステープル列の各々に属する単一のステープルを押すことができるようになっている。さらに、ステープルプッシャ540の各々の上面544は、ステープルを比較的確実に受け入れるステープルサドル形態を有するのが良い。ステープル520をステープルプッシャ540内にしっかりと位置決めするとともにステープルレッグ及びステープルプッシャのナブ542をステープル案内と係合させることにより、有利には、位置合わせ不良又は成形不良のステープルの発生率を減少させることができる。
【0031】
図24図31を参照すると、種々の実施形態では、取替部50とジョー組立体は、取替部50のステープルポケットをアンビルのステープルの成形ポケットと位置合わせしてステープル発射中、ジョー組立体内における取替部50の位置を維持するよう互いにしっかりと結合されるよう構成されているのが良い。取替部50は、その近位端のところに設けられた情報に突き出ているボス538を有するのが良く(図24)、これら上方に突き出たボス538は、ジョー組立体が閉じ形態にある状態で、アンビル220と取替部50のカートリッジ530の上面との間に組織隙間を作る(図25)。さらに、取替部の遠位端に隣接して形成された保持タブ512(図26)は、取替部支持体210の凹部214内に位置決めされて取替部が発射作業中に遠位側にずれるのを阻止する。かくして、取替部50を迅速かつ確実に取替部支持体210に結合することができる(図28及び図29)。加うるに、カートリッジ530の近位端部は、取替部支持体上への配置を一段と容易にするよう減少高さまでテーパしているのが良い(図30)。さらに、カートリッジは、低くなっていく遠位端部514が取替部支持体の下に突き出た輪郭形状を有する状態で較正されるのが良い(図31)。この低プロフィールは、取替部と取替部支持体との確実な係合を保証する。
【0032】
図32A図32B、並びに図33及び図34を参照すると、ある特定の実施形態では、ジョー組立体は、取替部ロックアウト機構体580を含むのが良い。取替部ロックアウト機構体580は、ジョー組立体内に位置決めされている取替部がない場合又は空の取替部がジョー組立体内に位置決めされている場合、発射部材の前進を阻止することができる。取替部ロックアウト機構体580は、取替部支持体に回動可能に結合されたロックアウトレバー582を含む。このピボットにより定められた軸線は、細長いシャフトの長手方向軸線に対して全体として横方向に延びる。発射部材240が完全に引っ込められてジョー組立体が開き形態にある状態で、発射部材240から近位側に突き出ているテール247がロックアウトレバー582をロック解除位置にピボット動作された状態に維持する。図示の実施形態では、ピボットの近位側に位置するロックアウトレバー582の近位の部分は、発射部材240を受け入れるようフォーク状又は二股状であり、その結果、テール247は、ピボットの遠位側に位置するロックアウトレバー582の表面に作用することができるようになっている。挿入されている取替部がない場合、発射部材240を前進させようとすると、ロックアウトレバーは、発射部材のテール247がロックアウトレバーに沿って遠位側に送り進められているときにロック解除位置からロック位置にピボット箇所584回りに回動することができる(図33)。ロックアウトレバー582がロック位置にある状態で、ロックアウトレバーの近位側のロック端部586は、駆動部材26に設けられているロック凹部に当たり、それにより駆動部材のそれ以上の遠位側への運動を阻止する。
【0033】
図32A図32B、並びに図33及び図34を引き続き参照すると、未発射状態の取替部が取替部支持体中に挿入された場合(図34)、スライダ550から近位側に延びているテール554がロックアウトレバー582の遠位端に係合する。図示のように、テール554は、ピボット箇所の遠位側に位置するロックアウトレバー582の遠位部分の下面に作用する。スライダテール554とロックアウトレバー582の遠位端部とのこの係合により、発射部材240のテール247がいったんもはやロックアウトレバー582の近位部分に作用していない場合であってもロックアウトレバー582の遠位端部が回動して駆動部材26から遠ざかる。したがって、駆動部材26及び発射部材240を遠位側に前進させてステープルを取替部から発射することができる。発射ストロークの完了時、スライダ550は、取替部の遠位端部のところに留まる。かくして、ジョー組立体を開き形態に戻して発射部材を引っ込めた場合、発射後の取替部は、取り外されるべきであり、そして新たな未発射状態の取替部が取替部ロックアウトをロック解除するよう挿入されるべきである。
【0034】
図35図37を参照すると、ジョー組立体30を細長いシャフト20の遠位端に結合するための関節運動継手300の一実施形態が示されている。図示の実施形態では、関節運動継手300は、シャフト組立体の長手方向中心軸線から側方にオフセットした状態でジョー組立体に回動可能に結合された関節運動ロッド310を有する。ピボット箇所が長手方向中心軸線に沿って位置決めされている。関節運動継手300は、シャフトの長手方向中心軸線から側方にオフセットするとともに関節運動ロッドと反対側でジョー組立体に回動可能に結合された支持リンク320を更に有する。駆動ビーム26は、関節運動ロッド310と支持リンク320との間で長手方向中心軸線に沿って長手方向に延びている。少なくとも、関節運動継手300を貫通した駆動ビーム26のセグメントは、可撓性である。幾つかの実施形態では、駆動ビーム26は、シム材料のスタックから成る可撓性セグメントに結合されるのが良く、この可撓性セグメントは、ステープル発射作業のための所望の力伝達能力を維持しながら可撓性である。関節運動継手は、駆動ビーム26の側方外方に位置決めされた1つ又は2つ以上の駆動部材支承体330を更に有するのが良い。幾つかの実施形態では、駆動支承体330は、軟質プラスチック材料から成るのが良い(図36)。他の実施形態では、駆動支承体330′は、金属シム材料で構成されるのが良い(図37)。有利には、金属シム駆動支承体330′は、駆動部材の可撓性セグメントに対して支持作用を提供するようシャフト中にキー止めされるのが良い。さらに、金属シム支承体は、比較的低プロフィールの形態を有することができる。金属シム支承体は、発射中における摩擦を減少させるために低摩擦被膜、例えばTEFLON(登録商標)被膜を有するのが良い。
【0035】
図38A及び図38Bを参照すると、ジョー組立体を第1の関節運動位置及び第2の関節運動位置に位置決めするための関節運動継手の関節連結の仕方が示されている。関節運動ロッド310をシャフトに対して近位側に(図38A)又は遠位側に(図38B)に並進させることができる。関節運動ロッド310の側方オフセット位置決めにより、ジョー組立体は、関節運動ロッドの並進に応動してシャフトに対して関節運動する。関節運動ロッド310と反対側の支持リンク320は、受動的であるが、ジョー組立体の関節運動を案内することができ、しかも有利には、駆動ビーム26の可撓性部分を関節運動継手のところでシャフトの中心寄りに維持するのを助けることができ、それにより駆動ビーム26の可撓性部分が関節運動継手のところの関節運動曲げ部のところで座屈するのを阻止する。他の実施形態では、関節運動継手は、関節運動ロッド及び支持リンクに代えて、2つの関節運動ロッドを有することができる。2つの関節運動ロッドを備えた実施形態では、関節運動ラッチ機構体がシャフト内に位置決めされるのが良く、それによりステープル発射作業がいったん開始すると、望ましくない関節運動を阻止することができる。例えば、ラッチ又はブレーキ機構体は、駆動ビーム26が遠位側にいったん並進されると、関節運動ロッドがそれ以上の運動を行わないよう保持することができる。
【0036】
図39及び図40を参照すると、ジョー組立体30を細長いシャフト20の遠位端に結合する関節運動継手300′の別の実施形態が示されている。関節運動継手300′は、細長いシャフト内に位置決めされた関節運動ラッチ機構体340を有する。図示の実施形態では、関節運動継手300′は、関節運動継手300′は、シャフト組立体の長手方向中心軸線から側方にオフセットした状態でジョー組立体に回動可能に結合された関節運動ロッド310′を有する。ピボット箇所が長手方向中心軸線に沿って位置決めされている。関節運動継手300′は、シャフトの長手方向中心軸線から側方にオフセットした状態でかつ関節運動ロッドと反対側でジョー組立体に回動可能に結合された支持リンク320′を更に有する。駆動ビーム26′は、関節運動ロッド310′と支持リンク320′との間で長手方向中心軸線に沿って長手方向に延びている。少なくとも、関節運動継手300′を貫通した駆動ビーム26′のセグメントは、可撓性である。幾つかの実施形態では、駆動ビーム26′は、シム材料のスタックから成る可撓性セグメントに結合されるのが良く、この可撓性セグメントは、ステープル発射作業のための所望の力伝達能力を維持しながら可撓性である。関節運動継手は、駆動ビーム26′の側方外方に位置決めされた1つ又は2つ以上の駆動部材支承体330を更に有するのが良い。幾つかの実施形態では、駆動支承体330は、軟質プラスチック材料から成るのが良い(図36)。他の実施形態では、駆動支承体330′は、金属シム材料で構成されるのが良い(図37)。有利には、金属シム駆動支承体330′は、駆動部材の可撓性セグメントに対して支持作用を提供するようシャフト中にキー止めされるのが良い。さらに、金属シム支承体は、比較的低プロフィールの形態を有することができる。金属シム支承体は、発射中における摩擦を減少させるために低摩擦被膜、例えばTEFLON(登録商標)被膜を有するのが良い。
【0037】
図41及び図42を参照すると、ジョー組立体を第1の関節運動位置及び第2の関節運動位置に位置決めするための関節運動継手の関節連結の仕方が示されている。関節運動ロッド310′をシャフトに対して近位側に(図41)又は遠位側に(図42)に並進させることができる。関節運動ロッド310′の側方オフセット位置決めにより、ジョー組立体は、関節運動ロッドの並進に応動してシャフトに対して関節運動する。関節運動ロッド310′と反対側の支持リンク320′は、受動的であるが、ジョー組立体の関節運動を案内することができ、しかも有利には、駆動ビーム26′の可撓性部分を関節運動継手のところでシャフトの中心寄りに維持するのを助けることができ、それにより駆動ビーム26′の可撓性部分が関節運動継手のところの関節運動曲げ部のところで座屈するのを阻止する。他の実施形態では、関節運動継手は、関節運動ロッド及び支持リンクに代えて、2つの関節運動ロッドを有することができる。
【0038】
図39図43を参照すると、関節運動継手300′の関節運動ラッチ機構体340又はブレーキ機構体は、駆動ビーム26′が遠位側にいったん並進されると、関節運動ロッド及び支持リンクがそれ以上の運動を行わないよう保持することができる。図示の実施形態では、ラッチ機構体340は、細長いシャフトの近位端と遠位端との間で細長いシャフト内に位置決めされている。関節運動ラッチ留め機構体340は、関節運動ロッド及び支持リンクが細長いシャフト内で摺動可能なラッチ解除形態を有する。かくして、関節運動ラッチ留め機構体がラッチ解除形態にある状態では、ユーザは、ハンドル組立体に設けられている関節運動制御部の操作によってジョー組立体を細長いシャフトに対して関節運動させることができる。関節運動ラッチ留め機構体340は、関節運動ラッチ留め機構体が関節運動ロッド及び支持リンクに係合して細長いシャフトに対する関節運動リンク及び支持リンクの長手方向摺動を阻止するラッチ留め形態(図43)を更に有する。かくして、ラッチ留め形態では、ジョー組立体は、関節運動後の位置に保持され、ユーザは、ジョー組立体を細長いシャフトに対して関節運動させることができないようになる。
【0039】
引き続き図39図43を参照すると、図示の実施形態では、関節運動ラッチ留め機構体340は、関節運動ロッド310′上に形成された第1のラッチ表面、例えば第1の複数の歯342を含む。図示のように、第1の複数の歯342は、関節運動ロッド310′の近位端と遠位端との間で細長いシャフト内に位置決めされている。間接運ドルラッチ留め機構体340は、支持リンク320′上に形成された第2のラッチ表面、例えば第2の複数の歯344を更に有するのが良い。図示のように、ラッチ留め関節運動機構体を含む細長いシャフト組立体の実施形態では、支持リンク320′は、関節運動ラッチ留め機構体340を貫通してシャフト内で近位側に延びるのが良い。図示の実施形態では、第2の複数の歯344は、支持リンク320′の近位端に隣接して支持リンクの近位端と支持リンクの遠位端との間に位置決めされている。
【0040】
図示の実施形態では、関節運動ラッチ留め機構体340は、第1のシュー346を更に含み、この第1のシュー上には嵌合面、例えば第1の爪表面348が形成されている。第1の爪表面348は、第1の複数の歯342と係合可能であるように寸法決めされるとともに形作られている。第1のシュー346は、嵌合面と反対側に展開面を有するのが良く、展開面は、駆動ビーム26′と摺動係合関係をなしている。関節運動ラッチ留め機構体340は、第2のシュー350を更に含み、この第1のシュー上には嵌合面、例えば第2の爪表面352が形成されている。第2の爪表面352は、第2の複数の歯344と係合可能であるように寸法決めされるとともに形作られている。第2のシュー350は、嵌合面と反対側に展開面を有するのが良く、展開面は、駆動ビーム26′と摺動係合関係をなしている。関節運動ラッチ留め機構体340は、駆動ビーム26′の近位端と遠位端との間で駆動ビーム26′上に形成されるとともに細長いシャフト内に位置決めされたラッチ留め輪郭形状を更に含むのが良い。図示の実施形態では、駆動ビーム26′は、これに形成された凹部セグメント360、凹部セグメントの近位側に位置するテーパ付き又は傾斜セグメント362、及び傾斜セグメントの近位側に位置したラッチ留めセグメント364を有する。凹部セグメント360は、細長いシャフトの長手方向軸線に全体として垂直な方向に第1の幅を有し、ラッチ留めセグメント364は、第1の幅よりも大きな第2の幅を有する。関節運動ラッチ留め機構体は、第1及び第2のシューに結合されるとともにシュー346,350を付勢してこれらを第1及び第2の複数の歯342,344から離脱させる付勢部材、例えばばねクリップ370を更に含むのが良い。ばねクリップはまた、シュー346,350の展開面と駆動ビーム26′のラッチ留め輪郭形状の係合状態を維持することができる。
【0041】
引き続き図39図43を参照すると、作用において、関節運動ラッチ留め機構体340を当初、ラッチ解除形態(図39図42)に位置決めするのが良く、その結果ジョー組立体を細長いシャフトに対して所望の配向状態に関節運動させることができる。この初期位置決めの際、駆動ビーム26′は、ジョー組立体の開き又は部分閉じ形態に対応した細長いシャフトに対する近位側の位置にある。ラッチ解除形態では、第1及び第2のシュー346,350は、半径方向内方の位置で駆動ビーム26′の凹部セグメント360に隣接して位置決めされる。ジョー組立体の所望の関節運動後の位置がいったん選択されると、ユーザは、引き続きジョー組立体を閉じてジョー組立体を発火することができ、その結果、細長いシャフトに対する駆動ビーム26′の遠位側への作動が生じる。駆動ビーム26′のこの遠位側への運動により、傾斜及びラッチ留めセグメント362,364が第1及び第2のシュー346,350の展開面上を前進してこれらシューを半径方向外方に前進させる(図43)。第1及び第2のシュー346,350が半径方向外方の形態にある状態で、第1の爪表面348は、第1の複数の歯342に係合し、第2の爪表面352は、第2の複数の歯344に係合し、それにより関節運動ラッチ機構体をラッチ留め形態に構成する。発射シーケンス後にジョー組立体を開くことにより、この順序が逆になって関節運動ラッチがラッチ解除形態に戻る。かくして、望ましくは、駆動部材26′を作動させてジョー組立体を閉じてこれを発火させることにより、ジョー組立体の関節運動後の位置が自動的にラッチ留めされる。有利には、このラッチ留めは、駆動ビームを関節運動曲げ部周りに前進させたりこれを通って引っ込めたりしているときにジョーが細長いシャフトに対して「振る」傾向を減少させ又は阻止することができる。関節運動ラッチ留め機構体の図示の実施形態は、周囲に設けられた歯の噛み合いアレイ並びに複数の別々のラッチ留め位置を定める関節運動ロッド及び支持リンクを含むが、他の実施形態では、シュー、関節運動ロッド、及び支持リンクは、ラッチ留め関節運動位置の連続アレイを定めるよう互いに摩擦的に係合するよう構成されても良いことが想定される。さらに、図示の実施形態は、各々が対応の複数の歯と係合可能な2つのシューを含むが、他の実施形態では、単一のシューが関節運動ロッド又は支持リンクに設けられた単一種類の複数の歯に係合するよう前進可能であっても良い。
【0042】
図44及び図45A図45Dを参照すると、ハンドル組立体40の遠位端のところに設けられたカップラ46がシャフト組立体20の近位端に結合されるのが良い。カップラ46は、ロックインを備えた差込み形連結部を有するのが良い。図示の実施形態では、取替式シャフト20とハンドル40の連結部は、差込み形連結部から成り、この差込み形連結部では、ユーザが取替式シャフト20をハンドル40中に軸方向に整列させて挿入し、そして取替式シャフト20を約90°回転させて連結する。この差込み形連結部は、差込み形シャフト20の2つの機械的機能をハンドル40の対応のアクチュエータに作動的に結合する。差込み形連結部を完全に結合すると、シャフト20内の関節運動部材がハンドルの関節運動アダプタに結合され、シャフト20内の駆動部材が作動アダプタに結合される。さらに、ハンドル40及びシャフト20は、作動アダプタ及び駆動部材がいったん作動されると、ユーザがシャフト20を取り外すのを阻止するためにカップラ46のところに設けられたラッチ機構体を備えた状態で構成されるのが良い。さらに、カップラ46のところの接続部は、ハンドルの制御システムが取替式シャフトを連結したかどうか及びそこで取替部の取り付け状態のジョー長さがどれほどのものかを検出することができるよう取替部識別機構体を有するのが良い。種々の長さのジョー機構体を含む取替式シャフト20とともにハンドルを用いることができるということが想定される。幾つかの実施形態では、同一のハンドル40を45mm長さか60mm長さかのいずれかのジョー組立体にともに使用できる。
【0043】
図45Aでは、シャフト20は、ハンドルに設けられたカップラ46と並列状態に位置決めされ、カップラ46の解除ノブがカップラ46の回転挿入時にカップラ46の差込み形チャネル152を露出させるよう引っ込められる。シャフト20は、差込み形チャネル152内に位置決め可能な保持ポスト22又はボスを有するのが良い。図示の実施形態では、シャフトは、その外面上に180°間隔で位置決めされた2つのボスを有し、カップラ46は、これらに対応した2つの差込み形チャネル152を有する。他の実施形態では、ボス及び差込み形チャネルの他の数及び形態を用いて所望の連結強度及び整列しやすくすることができることが想定される。
【0044】
図45Bを参照すると、シャフトの保持ポスト22は、差込み形チャネル152内に位置決めされている。図45Cを参照すると、取替式シャフト20は、ハンドルに対して90°回されており、その結果、シャフトの保持シャフト22は、差込み形チャネル152の連結端部に達している。図45Dを参照すると、カップラの解除ノブは、解除ノブに設けられている保持凹部154が取替式シャフト20の保持ポスト22を保持することができるよう解除されている。
【0045】
図46及び図47を参照すると、シャフト組立体は、管状シャフトを含むのが良く、駆動部材又は駆動ビーム26及び関節運動部材206は、この管状シャフトを貫通して近位端から遠位端まで延びている。駆動部材は、シャフト組立体の全体として中央を貫通するのが良く、これに対し、関節運動部材は、側方にオフセットしている。管状シャフトの近位端は、ハンドルの遠位端のところでカップラ46に結合可能な結合カラー410を有するのが良い。図示の実施形態では、シャフト組立体は、近位シャフト「ロックアウト」機構体を含むのが良い。ロックアウト機構体は、細長いシャフトの近位端のところに設けられたシャフトカップラ内に位置決めされたロックリング及び結合カラー410を貫通して半径方向外方に前進できる少なくとも1つのロックアウト部材を含む。ロックアウト部材は、半径方向外方に付勢可能であるが、初期位置ではロックリングによって半径方向内方の位置に保持される。シャフトの近位端が差込み形連結部に対応した回転シーケンスでハンドル組立体に結合されると、ロックリングは、ハンドル組立体に設けられた嵌合面に係合して細長いシャフトに対して回転する。ロックリングのこの回転により、ロックアウト部材が解除される。ハンドル組立体からのシャフトの取り外し時、ロックアウト部材は、半径方向に拡張する。この拡張位置では、ロックアウト部材は、ハンドル組立体への細長い部材の再結合を妨害する。かくして、このロックアウト機構体は、細長いシャフト組立体の不用意な再使用を制限するのに役立ちうる。
【0046】
図48A及び図48Bを参照すると、シャフト組立体とハンドルとの間の差込み形連結部の係合状態が示されている。ハンドルのカップラは、結合カラー410に結合可能な回転スリーブを有するのが良く、作動アダプタ124、関節運動アダプタ204、及び識別スリーブ208がこの回転スリーブ内に位置決めされている。差込み結合中、シャフト26の駆動部材は、作動アダプタ124に係合し、シャフトの関節運動部材206は、関節運動アダプタ204に係合し、シャフト識別体が識別スリーブ208に係合する。図49A及び図49Bは、結合形態でのシャフトとのそれぞれの結合状態を示している。
【0047】
図50及び図51を参照すると、図46及び図47を参照して説明したロックアウト機構体に代えて又はこれに加えて、細長いシャフトのある特定の実施形態は、作動アダプタ124の初期の遠位側への前進時に作動するロックイン又は保持機構体を含むのが良い。図示のように、ロック部材24がシャフト20の近位端部に回動可能に結合されている。ロック部材24は、その近位縁部のところに傾斜し又はテーパしたロック面を有するのが良い。図50に示されているように、シャフト20は、カップラ46に対して結合されているが非ロック形態をしている。結合非ロック形態では、シャフト20を図45A図45Dの動作の順序を逆にすることにより差込み連結部を介してカップラ46から取り外すことができる。作動アダプタ124がステープラを作動させるよういったん前進すると、作動アダプタ124は、ロック部材24の傾斜面と相互作用してロック部材を半径方向外方に前進させてロック位置に至らせる。ロック位置(図51)では、ロック部材24は、シャフト内にロックインするようカップラ46に設けられているロック棚状突起に係合する。シャフト20がハンドル40に対してロックインされた状態では、作動アダプタ124が完全に近位側に引っ込められた位置(代表的には、ジョー組立体の完全閉鎖及びステープル留めサイクルに続くジョー開き形態への戻りに対応している)に戻るまでシャフト20をハンドル40から取り外すことができない。
【0048】
かくして、「ロックイン」特徴は、駆動部材26をいったん前方に駆動すると、ユーザがシャフトをハンドルから取り外すのを阻止する。ロック部材24をカップラ46の回転インサートのスロット又は棚状突起内にいったん位置させると、カップラ46の解除ノブを引き戻すことができない。カップラに対するこのロック作用は、ユーザがシャフト20を回転させてこれをカップラ46の差込み連結部から出すのを阻止する。
【0049】
図52を参照すると、シャフト組立体の近位端は、管状シャフトの近位端に設けられたシャフトカップラ又は結合カラー410を有する。かくして、本明細書において説明したステープル留めシステムは、種々の直径を有するシャフト組立体に使用できるよう容易に改造可能である。幾つかの実施形態では、シャフトカップラの内径は、種々の直径のシャフト組立体に対応するために互いに異なるハンドル組立体を必要としないで、種々の管状シャフトに対応するよう容易にサイズ変更可能である。
【0050】
本願は、ある特定の好ましい実施形態及び実施例を開示しているが、当業者であれば理解されるように、本発明は、具体的に開示した実施形態を超えて他の変形実施形態及び/又は本発明の使用並びに明白な改造及びその均等範囲に及ぶ。さらに、これら発明の種々の特徴を単独で又は明示的に上述した特徴以外のこれら発明の他の特徴と組み合わせて使用できる。かくして、本明細書において開示した本発明の範囲は、上述の特定の開示した実施形態によって限定されるべきではなく、特許請求の範囲の公平な解釈によってのみ定められるべきであることが意図されている。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図24
図25
図26
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図28
図29
図30
図31
図32A
図32B
図33
図34
図35
図36
図37
図38A
図38B
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45A
図45B
図45C
図45D
図46
図47
図48A
図48B
図49A
図49B
図50
図51
図52