(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】保持装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240704BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
H01L21/302 101R
(21)【出願番号】P 2023146788
(22)【出願日】2023-09-11
【審査請求日】2024-02-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲吉 礼佳
(72)【発明者】
【氏名】横山 優貴
(72)【発明者】
【氏名】関 翔太
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2024/004147(WO,A1)
【文献】特開2022-176701(JP,A)
【文献】国際公開第2023/068099(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を保持する第1表面と、前記第1表面に交わる第1方向において前記第1表面の反対側に位置する第2表面と、前記第1表面と前記第2表面とに通じ気体が流通するガス流路と、を有する板状部材と、
前記ガス流路に配される第1多孔部及び第2多孔部と、を備え、
前記ガス流路は、前記第1表面に開口し、前記第1方向に延びる第1縦ガス流路及び第2縦ガス流路を備え、
前記第1多孔部は、前記第1縦ガス流路に配され、
前記第2多孔部は、前記第2縦ガス流路に配され、前記第1多孔部よりも前記第1方向における長さが長
く、
前記ガス流路は、前記第1表面に沿った第2方向に延び、前記第1縦ガス流路及び前記第2縦ガス流路のそれぞれの前記第2表面側に接続した横ガス流路を備え、
前記第1多孔部の前記第2表面側の端部は、前記横ガス流路を構成する内壁のうち前記第1表面側に位置する第1内壁と面一となる位置又は前記第1内壁よりも前記第1表面側に配され、
前記第2多孔部の前記第2表面側の端部は、前記第1内壁よりも前記第2表面側に配されている、保持装置。
【請求項2】
対象物を保持する第1表面と、前記第1表面に交わる第1方向において前記第1表面の反対側に位置する第2表面と、前記第1表面と前記第2表面とに通じ気体が流通するガス流路と、を有する板状部材と、
前記ガス流路に配される第1多孔部及び第2多孔部と、を備え、
前記ガス流路は、前記第1表面に開口し、前記第1方向に延びる第1縦ガス流路及び第2縦ガス流路を備え、
前記第1多孔部は、前記第1縦ガス流路に配され、
前記第2多孔部は、前記第2縦ガス流路に配され、前記第1多孔部よりも前記第1方向における長さが長く、
前記ガス流路は、前記第1表面に沿った第2方向に延び、前記第1縦ガス流路及び前記第2縦ガス流路のそれぞれの前記第2表面側に接続した横ガス流路を備え、
前記第2多孔部は、
前記第2縦ガス流路に配される縦多孔部と、
前記縦多孔部に連なり前記横ガス流路において前記第2方向に延びた横多孔部と、を備える、保持装置。
【請求項3】
前記第2多孔部は、前記第1多孔部の気孔率よりも低い気孔率を有する、請求項1または請求項2に記載の保持装置。
【請求項4】
前記第1多孔部及び前記第2多孔部は、前記板状部材に接している、請求項1または請求項2に記載の保持装置。
【請求項5】
前記板状部材は、
前記第1表面と前記第2表面とを貫通する貫通孔と、
前記第1表面において、前記貫通孔の周りに設けられた突部と、を備え、
前記第1縦ガス流路は、前記突部の近傍に配されている、請求項1または請求項2に記載の保持装置。
【請求項6】
前記ガス流路は、前記第2表面に開口し、気体が流入する流入口を備え、
前記第2縦ガス流路は、前記第1縦ガス流路よりも、前記流入口に近い位置に配されている、請求項1または請求項2に記載の保持装置。
【請求項7】
前記ガス流路は、
前記第2表面に開口し、気体が流入する流入口と、
前記流入口に連なり、平面視において前記板状部材の中心側に配され、自身の先端にて複数の流路に分岐する中央流路と、
前記複数の流路のうち、前記中央流路の先端から前記流入口に近づく方向に延びる近接流路と、
前記複数の流路のうち、前記中央流路の先端から前記流入口から遠ざかる方向に延びる離間流路と、を備え、
前記第1縦ガス流路は、前記近接流路に接続し、
前記第2縦ガス流路は、前記離間流路に接続している、請求項1または請求項2に記載の保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、保持装置として、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1に記載の保持装置(プラズマ処理装置)は、ウェハを吸着保持するための静電チャックを備え、静電チャックは、その上面に形成された複数の流出孔と、流出孔に通ずるガス流路と、を備える。Heガスを、ガス流路に接続した伝熱ガス導入管に流すと、このHeガスはガス流路を通じて、複数の流出孔から吹き出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、流出口(流出孔)の位置、流出口近傍の構造、ガス流路の経路等によって、吹き出される気体の流速が各流出口同士で異なったり、静電チャックの上面において気体の広がり方にムラが生じたりする虞がある。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成された技術であって、流出口から流出する気体の流速を均一にすることができる保持装置を提供することを目的の一つとする。また、流出口から流出する気体を均一に広げることができ、ウェハの温度を均一化することが可能である保持装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の保持装置は、対象物を保持する第1表面と、前記第1表面に交わる第1方向において前記第1表面の反対側に位置する第2表面と、前記第1表面と前記第2表面とに通じ気体が流通するガス流路と、を有する板状部材と、前記ガス流路に配される第1多孔部及び第2多孔部と、を備え、前記ガス流路は、前記第1表面に開口し、前記第1方向に延びる第1縦ガス流路及び第2縦ガス流路を備え、前記第1多孔部は、前記第1縦ガス流路に配され、前記第2多孔部は、前記第2縦ガス流路に配され、前記第1多孔部よりも前記第1方向における長さが長い。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、流出口から流出する気体の流速を均一にすることができる保持装置の提供が可能となる。また、流出口から流出する気体を均一に広げることができ、ウェハの温度を均一化することが可能である保持装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態1に係る保持装置の概略構成を模式的に表した説明図
【
図5】実施形態3に係る保持装置の平面図(ガス流路を模式的に示す)
【
図6】実施形態4に係る保持装置の平面図(ガス流路を模式的に示す)
【
図7】実施形態5に係る保持装置の平面図(ガス流路を模式的に示す)
【発明を実施するための形態】
【0009】
最初に本開示の実施形態を列挙して説明する。
(1)本開示の保持装置は、対象物を保持する第1表面と、前記第1表面に交わる第1方向において前記第1表面の反対側に位置する第2表面と、前記第1表面と前記第2表面とに通じ気体が流通するガス流路と、を有する板状部材と、前記ガス流路に配される第1多孔部及び第2多孔部と、を備え、前記ガス流路は、前記第1表面に開口し、前記第1方向に延びる第1縦ガス流路及び第2縦ガス流路を備え、前記第1多孔部は、前記第1縦ガス流路に配され、前記第2多孔部は、前記第2縦ガス流路に配され、前記第1多孔部よりも前記第1方向における長さが長い。
【0010】
(2)(1)に記載の保持装置において、前記ガス流路は、前記第1表面に沿った第2方向に延び、前記第1縦ガス流路及び前記第2縦ガス流路のそれぞれの前記第2表面側に接続した横ガス流路を備え、前記第1多孔部の前記第2表面側の端部は、前記横ガス流路を構成する内壁のうち前記第1表面側に位置する第1内壁と面一となる位置又は前記第1内壁よりも前記第1表面側に配され、前記第2多孔部の前記第2表面側の端部は、前記第1内壁よりも前記第2表面側に配されていてもよい。
【0011】
(3)(1)または(2)に記載の保持装置において、前記ガス流路は、前記第1表面に沿った第2方向に延び、前記第1縦ガス流路及び前記第2縦ガス流路のそれぞれの前記第2表面側に接続した横ガス流路を備え、前記第2多孔部は、前記第2縦ガス流路に配される縦多孔部と、前記縦多孔部に連なり前記横ガス流路において前記第2方向に延びた横多孔部と、を備えていてもよい。
【0012】
(4)(1)から(3)のいずれかに記載の保持装置において、前記第2多孔部は、前記第1多孔部の気孔率よりも低い気孔率を有していてもよい。
【0013】
(5)(1)から(4)のいずれかに記載の保持装置において、前記第1多孔部及び前記第2多孔部は、前記板状部材に接していてもよい。
【0014】
(6)(1)から(5)のいずれかに記載の保持装置において、前記板状部材は、前記第1表面と前記第2表面とを貫通する貫通孔と、前記第1表面において、前記貫通孔の周りに設けられた突部と、を備え、前記第1縦ガス流路は、前記突部の近傍に配されていてもよい。
【0015】
(7)(1)から(6)のいずれかに記載の保持装置において、前記ガス流路は、前記第2表面に開口し、気体が流入する流入口を備え、前記第2縦ガス流路は、前記第1縦ガス流路よりも、前記流入口に近い位置に配されていてもよい。
【0016】
(8)(1)から(7)のいずれかに記載の保持装置において、前記ガス流路は、前記第2表面に開口し、気体が流入する流入口と、前記流入口に連なり、平面視において前記板状部材の中心側に配され、自身の先端にて複数の流路に分岐する中央流路と、前記複数の流路のうち、前記中央流路の先端から前記流入口に近づく方向に延びる近接流路と、前記複数の流路のうち、前記中央流路の先端から前記流入口から遠ざかる方向に延びる離間流路と、を備え、前記第1縦ガス流路は、前記近接流路に接続し、前記第2縦ガス流路は、前記離間流路に接続していてもよい。
【0017】
<実施形態1>
本開示の実施形態1を
図1から
図3によって説明する。本開示は以下の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。尚、各図において、Z軸方向を、保持装置の上下方向(第1方向)とし、X軸方向及びY軸方向を、保持装置の水平方向(第1方向に直交する第2方向)とする。
【0018】
図1及び
図2に示すように、保持装置100は、対象物(例えば、半導体ウェハW)を所定の処理温度(例えば、50℃~400℃)に加熱しながら、静電引力によって吸着し保持する静電チャックである。静電チャックは、例えば減圧されたチャンバー内でプラズマを用いてエッチングを行うプロセスにおいて、ウェハWを載置するテーブルとして使用される。
【0019】
保持装置100は、円板状のセラミック基板(板状部材)10と、セラミック基板10の下側に配され、円板状のベース部材20と、を備える。ベース部材20の径は、セラミック基板10よりも大きく、例えばセラミック基板10が直径300mm×厚み3mmの円板状をなす場合、ベース部材20は直径340mm×厚み20mmの円板状とすることができる。セラミック基板10とベース部材20は、接合材30によって接合されている。
【0020】
セラミック基板10は、保持装置100の上面の一部を構成した略円形状をなし、ウェハWを吸着し保持する吸着面である第1表面S1と、上下方向(第1表面S1に交わる第1方向)において第1表面S1の反対側に位置する面であって、ベース部材20に対向する略円形状の第2表面S2と、を備える。ベース部材20は、第2表面S2に対向する略円形状の第3表面S3と、上下方向において第3表面S3の反対側に位置する略円形状の第4表面S4と、を備える。接合材30は、セラミック基板10の第2表面S2とベース部材20の第3表面S3との間で挟まれつつ、層状に広がった状態となっている。
【0021】
セラミック基板10は、絶縁性の基板とされ、その材料として、例えば、アルミナ(Al2O3)を主成分とするセラミックスにより形成されている。尚、主成分とは、材料全体のうち含有割合(重量割合)の最も多い成分とする。
【0022】
また、セラミック基板10は、第1表面S1と第2表面S2とに通じる貫通孔とされ、気体としての不活性ガス(例えば、熱伝導流体であるHeガス)が流通する複数の基板側ガス流路(ガス流路)12を備える。基板側ガス流路12は、気体を流すための流路60の一部を構成する。基板側ガス流路12は、セラミック基板10の内部に形成される。
【0023】
基板側ガス流路12は、上下方向に延びる複数の縦ガス流路13,14,15,16と、水平方向(第1表面S1に沿った第2方向)に延び、複数の縦ガス流路13,14,15,16に接続した横ガス流路19と、を備える。複数の縦ガス流路13,14,15,16は、横ガス流路19よりも上側(第1表面S1側)に配され、第1表面S1に開口した第1縦ガス流路13、第2縦ガス流路14、及び第3縦ガス流路15と、横ガス流路19よりも下側(第2表面S2側)に配され、第2表面S2に開口した第4縦ガス流路16と、を含む。尚、第2縦ガス流路は、第3縦ガス流路15の位置に配されているものでもよく、第3縦ガス流路は、第2縦ガス流路14の位置に配されているものでもよい。
【0024】
第1縦ガス流路13は、複数の縦ガス流路13,14,15のうち、最も内側(水平方向における内側であって、後述する突部10Cに最も近い位置)に配されている。第2縦ガス流路14は、第1縦ガス流路13よりも外側(水平方向における外側)に配されている。第3縦ガス流路15は、第2縦ガス流路14よりも外側に配されている。第4縦ガス流路16は、第1縦ガス流路13の直下に配されている。
図3に示すように、横ガス流路19は、当該横ガス流路19を構成する内壁のうち、上側に位置する上壁(第1内壁)19Aと、下側に位置する下壁(第2内壁)19Bと、を備える。複数の縦ガス流路13,14,15は、それぞれ、横ガス流路19の上壁19Aに開口した入口13A,14A,15Aと、第1表面S1に開口した出口(流出口)13B,14B,15Bと、を備える。第4縦ガス流路16は、第2表面S2に開口した入口16Aと、横ガス流路19の下壁19Bに開口した出口16Bと、を備える。横ガス流路19は、第1縦ガス流路13、第2縦ガス流路14、及び第3縦ガス流路15のそれぞれの下側(入口13A,14A,15A)と、第4縦ガス流路16の上側(出口16B)と、に接続している。
【0025】
出口13B,14B,15Bは、流路60全体の出口をなしており、不活性ガスの流出口とされる。入口16Aに不活性ガスが供給されると、この不活性ガスは、第4縦ガス流路16を経て横ガス流路19を通り、横ガス流路19から複数の縦ガス流路13,14,15に分流され、出口13B,14B,15Bから外部に排出される。
【0026】
図1から
図3に示すように、セラミック基板10において第1表面S1の外周縁部10Bは、それよりも内側の部分10Aと比べて僅かに上方に突出しつつ、円環状に形成されている。そのため、第1表面S1にウェハWが吸着保持されると、
図2に示されるように、ウェハWと第1表面S1の内側の部分10Aとの間に隙間(ギャップ)Gが形成される。基板側ガス流路12の出口13B,14B,15Bは、第1表面S1(内側の部分10A)において同心円状に複数設けられている。
【0027】
また、セラミック基板10は、チャック電極40、ヒータ電極(不図示)を備える。チャック電極40は、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により層状(平面状)に形成される。チャック電極40に電源(不図示)から直流高電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWが、セラミック基板10の第1表面S1に吸着固定される。
【0028】
さらに、セラミック基板10は、
図2に示すように、第1表面S1と第2表面S2とを貫通し、上下方向に延びた貫通孔11と、第1表面S1において、貫通孔11の周りに設けられた突部10Cと、を備える。貫通孔11は、接合材30及びベース部材20に設けられた貫通孔(点線で示す)と接続している。貫通孔11は、上下方向に変位してウェハWに当接可能なリフトピン(不図示)が通る部分とされる。突部10Cは、外周縁部10Bの内側の部分10Aから立ち上がり、外周縁部10Bと同じ高さの円管状をなしている。
図1に示すように、突部10Cは、第1縦ガス流路13の出口13Bよりも内側の位置において、複数配されている。尚、他の実施形態として、セラミック基板10が、貫通孔11を備え、突部10Cを備えていない構成であってもよい。また、貫通孔11及び突部10Cが、第1縦ガス流路13の出口13Bよりも外側(さらには、第2縦ガス流路14の出口14Bや第3縦ガス流路15の出口15Bよりも外側)の位置に配されていてもよい。これらの構成であっても、本実施形態における効果を奏することが可能である。
【0029】
ベース部材20は、例えば、金属(アルミニウム、アルミニウム合金等)、金属とセラミックスの複合体(Al-SiC)、又はセラミックス(SiC)を主成分として構成される。
【0030】
図2に示すように、ベース部材20の内部には、冷媒流路21が設けられている。冷媒流路21に冷媒(例えば、フッ素系不活性液体、水等)が流されることで、プラズマ熱の冷却が行われる。また、冷媒流路21に冷媒が流されると、ベース部材20が冷却され、接合材30を介したベース部材20とセラミック基板10との間の伝熱(熱引き)により、セラミック基板10が冷却される。その結果、セラミック基板10の第1表面S1で保持されたウェハWが冷却される。冷媒流路21における冷媒の流量を適宜、調整することにより、第1表面S1で保持されたウェハWの温度を制御することができる。
【0031】
ベース部材20の内部には、第3表面S3と第4表面S4とに通じる形で上下方向に延びた貫通孔とされ、気体が流通する複数のベース側ガス流路22が設けられている。ベース側ガス流路22は、流路60の一部を構成している。ベース側ガス流路22は、ベース部材20の第4表面S4に開口した入口22Aと、第3表面S3に開口した出口22Bとを備える。入口22Aは、保持装置100に設けられた流路60全体の入口をなす。
【0032】
接合材30は、例えば、シリコーン系の有機接合剤、無機接合剤、又はAl系の金属接着剤を含むボンディングシート等により構成される。接合材30としては、セラミック基板10及びベース部材20の双方に対して高い接着力を備えつつ、高い耐熱性及び熱伝導性を備えるものが好ましい。接合材30にも、流路60の一部を構成する接合側ガス流路31が形成されている。接合側ガス流路31は、層状の接合材30を厚み方向に貫通する孔からなる。
【0033】
流路60は、保持装置100の第1表面S1側に、不活性ガスを供給する。流路60は、上述したように、ベース側ガス流路22と、接合側ガス流路31と、基板側ガス流路12と、を備える。流路60の各入口22Aから不活性ガスが供給されると、その不活性ガスは、ベース側ガス流路22、接合側ガス流路31及び基板側ガス流路12を順次通過し、最終的に、第1表面S1に設けられた複数の出口13B,14B,15Bから排出される。ベース側ガス流路22の出口22Bは、接合側ガス流路31の下側(ベース部材20側)の開口部と接続する。また、接合側ガス流路31の上側(セラミック基板10側)の開口部は、基板側ガス流路12の入口16Aと接続する。
【0034】
図3に示されるように、保持装置100は、基板側ガス流路12により構成される内部空間に部分的に配される複数の多孔部71,72,73を備える。多孔部71,72,73は、絶縁性のセラミックスを主成分とする多孔質の部材であり、ガス透過性を有する部材である。本実施形態では、多孔部71,72,73は、アルミナ(Al
2O
3)を主成分とする。本実施形態では、多孔部71,72,73のセラミックスと、セラミック基板10のセラミックスとが、互いに同じ種類のセラミックスからなる。
【0035】
多孔部71,72,73は、内部に複数の空隙を有することで、不活性ガスを通過させる通気経路が網目状に形成されてなるものとされる。多孔部71,72,73の空隙の形状・寸法・配置は、特に限定されるものではなく、様々な大きさで不定形状の空隙がランダムに配置されていてもよい。多孔部71,72,73において空隙が占める割合を、気孔率と呼ぶ。この気孔率は、例えば多孔部71,72,73の断面の電子顕微鏡画像を解析し、単位面積あたりに占める空隙の面積に基づいて算出可能とされる。
【0036】
複数の多孔部71,72,73は、第1縦ガス流路13に配された内側多孔部71と、一部が第2縦ガス流路14に配された中間多孔部72と、一部が第3縦ガス流路15に配された外側多孔部73と、を含む。内側多孔部71は、本開示の第1多孔部に対応し、中間多孔部72は、本開示の第2多孔部に対応する。外側多孔部73は、第3多孔部としてもよい(これに限らず、第3縦ガス流路15が本開示の第2縦ガス流路に対応し、外側多孔部73が本開示の第2多孔部に対応してもよい)。外側多孔部73は、内側多孔部71の気孔率よりも低い気孔率を有する。内側多孔部71の気孔率は、65%以上90%以下としてもよく、70%以上85%以下としてもよい。外側多孔部73の気孔率は、60%以上80%以下としてもよく、65%以上75%以下としてもよく、68%以上73%以下としてもよい。外側多孔部73の気孔率は、内側多孔部71の気孔率に対し、0.67倍以上0.92倍以下でもよく、0.76倍以上0.87倍以下でもよい。中間多孔部72の気孔率は、内側多孔部71の気孔率と同じでもよい。
【0037】
各多孔部71,72,73は、セラミック基板10に接している。ここで、「接している」とは、各多孔部71,72,73がセラミック基板10に直接に接触した構成でもよく、接着剤(例えば、シリコーン系接着剤)を介して接着した構成でもよい。本実施形態では、各多孔部71,72,73は、各縦ガス流路13,14,15(基板側ガス流路12)に直接に接触しており、互いに固相接合により一体化されている。
【0038】
内側多孔部71は、上面(第1表面S1側の端部)71Aが第1表面S1と面一となる位置に配され、下面(第2表面S2側の端部)71Bが横ガス流路19の上壁19Aと面一となる位置に配されている。中間多孔部72は、第2縦ガス流路14に配された本体部72Cと、本体部72Cの下側に連なり、横ガス流路19に配された延在部72Dと、を備える。中間多孔部72は、本体部72Cの上面(第1表面S1側の端部)72Aが第1表面S1と面一となる位置に配され、延在部72Dの下面(第2表面S2側の端部)72Bが横ガス流路19の下壁19Bと接する位置に配されている。外側多孔部73は、第3縦ガス流路15に配された本体部(縦多孔部)73Cと、本体部73Cの下側に連なり、横ガス流路19において水平方向に延びた延在部(横多孔部)73Dと、を備える。外側多孔部73は、本体部73Cの上面(第1表面S1側の端部)73Aが第1表面S1と面一となる位置に配され、延在部73Dの下面(第2表面S2側の端部)73Bが横ガス流路19の下壁19Bと接する位置に配されている。下面72B,73Bは、下面71Bよりも下側(第2表面S2側)であって、上壁19Aよりも下側に配されている。
【0039】
各縦ガス流路13,14,15の上下方向における長さ(各出口13B,14B,15Bから各入口13A,14A,15Aまでの距離)をL1とすると、内側多孔部71の上下方向における長さは、このL1に等しい。また、横ガス流路19の上下方向における長さ(上壁19Aから下壁19Bまでの距離)をL2とすると、中間多孔部72及び外側多孔部73の上下方向における長さは、内側多孔部71の上下方向における長さ(L1)よりも長く、L1とL2の長さの和に等しい。尚、L2における途中位置をPとした場合、中間多孔部72及び外側多孔部73の各下面72B,73Bは、途中位置Pに等しい位置に配されていてもよく、途中位置Pよりも下側となる位置に配されていてもよい。この途中位置Pとしては、上壁19Aから当該途中位置Pまでの距離L3が、L2の5%となる位置でもよく、10%となる位置でもよく、20%となる位置でもよく、30%となる位置でもよい。
【0040】
次に、本実施形態の効果について説明する。本開示の保持装置100は、対象物Wを保持する第1表面S1と、第1表面S1に交わる第1方向において第1表面S1の反対側に位置する第2表面S2と、第1表面S1と第2表面S2とに通じ気体が流通するガス流路12と、を有する板状部材10と、ガス流路12に配される第1多孔部71及び第2多孔部72と、を備え、ガス流路12は、第1表面S1に開口し、第1方向に延びる第1縦ガス流路13及び第2縦ガス流路14を備え、第1多孔部71は、第1縦ガス流路13に配され、第2多孔部72は、第2縦ガス流路14に配され、第1多孔部71よりも第1方向における長さが長い。
【0041】
このような保持装置100によると、第2多孔部72を通過する気体の流速を、第1多孔部71を通過する気体の流速に比して低くすることができる。仮に、第2縦ガス流路14の流出口(出口14B)から流出する気体の流速が、第1縦ガス流路13の流出口(出口13B)から流出する気体の流速よりも高い場合、上記のような構成にすれば、各流出口13B,14Bから流出する気体の流速が均一になるように調整できる。そして、各流出口13B,14Bから流出する気体が第1表面S1に沿って均一に広がり易くなり、ウェハの温度を均一化することが可能となる。
【0042】
ガス流路12は、第1表面S1に沿った第2方向に延び、第1縦ガス流路13及び第2縦ガス流路14のそれぞれの第2表面S2側に接続した横ガス流路19を備え、第1多孔部71の第2表面S2側の端部71Bは、横ガス流路19を構成する内壁のうち第1表面S1側に位置する第1内壁19Aと面一となる位置に配され、第2多孔部72の第2表面S2側の端部72Bは、第1内壁19Aよりも第2表面S2側に配されている。
【0043】
このような保持装置100によると、第2多孔部72を通過する気体の流速を、第1多孔部71を通過する気体の流速に比してより低くすることができる。
【0044】
ガス流路12は、第1表面S1に沿った第2方向に延び、第1縦ガス流路13、第2縦ガス流路14、及び第3縦ガス流路15のそれぞれの第2表面S2側に接続した横ガス流路19を備え、第2多孔部(本実施形態では第3多孔部73)は、第2縦ガス流路(本実施形態では第3縦ガス流路15)に配される縦多孔部73Cと、縦多孔部73Cに連なり横ガス流路19において第2方向に延びた横多孔部73Dと、を備えている。
【0045】
このような保持装置100によると、第3多孔部73を通過する気体の流速を、第1多孔部71を通過する気体の流速に比してより低くすることができる。
【0046】
第2多孔部(本実施形態では第3多孔部73)は、第1多孔部71の気孔率よりも低い気孔率を有している。
【0047】
このような保持装置100によると、第3多孔部73を通過する気体の流速を、第1多孔部71を通過する気体の流速に比して一層低くすることができる。
【0048】
第1多孔部71及び第2多孔部72は、板状部材10に接している。
【0049】
このような保持装置100によると、各多孔部71,72と板状部材10との接合強度を向上させることができる。
【0050】
<実施形態2>
次に、本開示の実施形態2を
図4によって説明する。本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0051】
保持装置200において、セラミック基板210には、3つの突部10Cと、複数の第1縦ガス流路213と、複数の第2縦ガス流路214と、が同心円状に配されている。3つの突部10Cは、各縦ガス流路213,214よりも水平方向における内側(一点鎖線で描いた3つの同心円のうち、最も内側の円上)に配されている。第1縦ガス流路213は、突部10Cの近傍に配されている。第1縦ガス流路213は、第2縦ガス流路214よりも、水平方向における距離が突部10Cに近い位置に配されている。第1縦ガス流路213には、第1多孔部271が配されている(第1多孔部271を斜線で示す)。第2縦ガス流路214には、第1多孔部271よりも上下方向における長さが長い第2多孔部272が配されている(第2多孔部272を黒丸で示す)。尚、第2多孔部272の気孔率は、第1多孔部271の気孔率よりも低い気孔率を有していてもよい。
【0052】
第1表面S1においてガス流路の流出口近傍に突部10Cが配されている場合、この流出口から流出する気体は、その流動が突部に阻まれることで、第1表面S1に沿って広がり難い。しかしながら、上記のような保持装置200によると、突部10Cの近傍に配された第1縦ガス流路213の出口から流出する気体の流速を、第2縦ガス流路214の出口から流出する気体の流速よりも高くすることができる。これにより、突部10Cによる気体の流動が阻まれる箇所において気体を素早く広げ、全体として気体を均一に広げることができ、対象物の温度を均一化することが可能となる。
【0053】
<実施形態3>
次に、本開示の実施形態3を
図5によって説明する。本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0054】
保持装置300のセラミック基板310において、基板側ガス流路312は、上下方向に延びる複数の縦ガス流路313,314,316と、水平方向に延び、複数の縦ガス流路313,314,316に接続した横ガス流路319と、を備える。横ガス流路319は、セラミック基板310の内部において、平面視円形となる形で延びている(横ガス流路319を、複数の縦ガス流路313,314,316を繋ぐ黒色の線で示す)。複数の縦ガス流路313,314,316は、横ガス流路319の上側(紙面手前側)に配され、第1表面S1に開口し、気体が流出する流出口としての複数の第1縦ガス流路313及び複数の第2縦ガス流路314と、横ガス流路319の下側(紙面奥側)に配され、第2表面S2(
図3参照)に開口し、気体が流入する流入口としての第4縦ガス流路316と、を含む。第1縦ガス流路313には、第1多孔部371が配されている。第2縦ガス流路314には、第1多孔部371よりも上下方向における長さが長い第2多孔部372が配されている。尚、第2多孔部372の気孔率は、第1多孔部371の気孔率よりも低い気孔率を有していてもよい。
【0055】
第2縦ガス流路314は、第1縦ガス流路313よりも流入口(第4縦ガス流路316)に近い位置に配されている。第2縦ガス流路314と第4縦ガス流路316との距離は、第1縦ガス流路313と第4縦ガス流路316との距離よりも短い。尚、前述した「距離」とは、水平方向における距離、又は横ガス流路319を経由した距離を意味する。
【0056】
一般的に、流入口(第4縦ガス流路316)に近い位置に配された流出口(第2縦ガス流路314)から流出する気体の流速は、相対的に流入口から遠ざかる位置に配された流出口(第1縦ガス流路313)から流出する気体の流速よりも高くなる。上記のような構成にすれば、第2多孔部372を通過する気体の流速を、第1多孔部371を通過する気体の流速に比して低くすることができるので、各流出口313,314について流入口316からの距離が異なる場合であっても、各流出口313,314から流出する気体の流速を均一にし、第1表面S1に沿って均一に気体を広げることができ、対象物の温度を均一化することが可能となる。
【0057】
<実施形態4>
次に、本開示の実施形態4を
図6によって説明する。本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0058】
保持装置400のセラミック基板410において、基板側ガス流路412のうち横ガス流路419は、水平方向において直線状(セラミック基板410の外形を平面視円形とした場合に、セラミック基板410の径方向)に延びた第1横ガス流路419Aと、第1横ガス流路419Aの内側端部に接続し、セラミック基板410と同心円状をなす平面視円形となる形で、セラミック基板410の周方向に延びた第2横ガス流路419Bと、を備える。気体が流入する流入口としての第4縦ガス流路416は、第1横ガス流路419Aの外側端部に接続している。気体が流出する流出口としての複数の第1縦ガス流路313及び複数の第2縦ガス流路314は、第2横ガス流路419Bに接続している。これにより、上記実施形態3と同様の効果を発揮できる。
【0059】
<実施形態5>
次に、本開示の実施形態5を
図7によって説明する。本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0060】
保持装置500のセラミック基板510において、基板側ガス流路512は、上下方向に延びる複数の縦ガス流路513,514,516と、水平方向に延び、複数の縦ガス流路513,514,516に接続した横ガス流路519と、を備える。複数の縦ガス流路513,514,516は、横ガス流路519の上側(紙面手前側)に配され、第1表面S1に開口し、気体が流出する流出口としての複数の第1縦ガス流路513及び複数の第2縦ガス流路514と、横ガス流路519の下側(紙面奥側)に配され、第2表面S2(
図3参照)に開口し、気体が流入する流入口としての第4縦ガス流路516と、を含む。
【0061】
横ガス流路519は、水平方向において直線状(セラミック基板510の外形を平面視円形とした場合に、セラミック基板510の径方向)に延びた第1横ガス流路519Aと、第1横ガス流路519Aの内側端部に接続し、セラミック基板510と同心円状をなす平面視円形となる形で、セラミック基板510の周方向に延びた第2横ガス流路519Bと、第2横ガス流路519Bから放射状に延びた複数の第3横ガス流路519Cと、第3横ガス流路519Cから分岐した第4横ガス流路519D及び第5横ガス流路519Eと、を備える。第2横ガス流路519B(及び第3横ガス流路519C)は、平面視においてセラミック基板510の中心側に配された中央流路とされ、第1横ガス流路519Aを介して第4縦ガス流路516が連なった流路とされる。第2横ガス流路519Bは、自身の先端(第3横ガス流路519C)にて複数の流路である第4横ガス流路519D及び第5横ガス流路519Eに分岐している。第4横ガス流路519Dは、第3横ガス流路519Cから水平方向における距離が流入口(第4縦ガス流路516)に近づく方向に延びる近接流路とされる。第5横ガス流路519Eは、第3横ガス流路519Cから水平方向における距離が流入口516から遠ざかる方向に延びる離間流路とされる。
【0062】
第1縦ガス流路513は、近接流路としての第4横ガス流路519Dに接続し、第2縦ガス流路514は、離間流路としての第5横ガス流路519Eに接続している。第1縦ガス流路513には、第1多孔部571が配されている。第2縦ガス流路514には、第1多孔部571よりも上下方向における長さが長い第2多孔部572が配されている。尚、第2多孔部572の気孔率は、第1多孔部571の気孔率よりも低い気孔率を有していてもよい。
【0063】
流入口516から中央流路519B,519C、離間流路519Eを経て流出口514から流出する気体の流速は、流入口516から中央流路519B,519C、近接流路519Dを経て流出口513から流出する気体の流速よりも高くなる可能性がある。上記のような構成にすれば、第2多孔部572を通過する気体の流速を、第1多孔部571を通過する気体の流速に比して低くすることができるので、各流出口513,514について流入口516からの経路が異なる場合であっても、各流出口513,514から流出する気体の流速を均一にし、第1表面S1に沿って均一に気体を広げることができ、対象物の温度を均一化することが可能となる。
【0064】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されず、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0065】
(1)上記実施形態以外にも、ガス流路の構成は適宜変更可能である。例えば、ガス流路は、第1縦ガス流路や第2縦ガス流路が第2表面に至るまで上下方向に延びた形をなしており、横ガス流路を備えていなくてもよい。また、縦ガス流路や横ガス流路の数や形は適宜変更可能である。
【0066】
(2)上記実施形態以外にも、多孔部の構成は適宜変更可能である。第1多孔部の下面及び第2多孔部の下面は、第1内壁よりも下方に配されていてもよい。全ての多孔部の下面が、第1内壁よりも下方に配されていてもよい。第1多孔部の上面や第2多孔部の上面は、第1表面よりも下方に配されていてもよい。また、上記実施形態1において、第2多孔部72の延在部72Dが、横ガス流路19において第2方向に延びており、横多孔部を構成していてもよい。
【0067】
(3)上記実施形態以外にも、保持装置の各部材を形成する材料は適宜変更可能である。
【0068】
(4)本開示は、上記実施形態で例示した静電チャックに限定されず、セラミック基板の表面上に対象物を保持する他の保持装置(例えば、加熱装置等)にも同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0069】
10,210,310,410,510…セラミック基板(板状部材)、10C…突部、11…貫通孔、12,312,412,512…基板側ガス流路(ガス流路)、13,213,313,514…第1縦ガス流路、14,214,314,514…第2縦ガス流路、19,319,419,519…横ガス流路、19A…第1内壁、71,271,371,571…第1多孔部、72,73,272,372,572…第2多孔部、73C…縦多孔部、73D…横多孔部、100,200,300,400,500…保持装置、S1…第1表面、S2…第2表面、W…ウェハ(対象物)
【要約】
【課題】流出口から流出する気体の流速を均一にすることができる保持装置を提供する。
【解決手段】保持装置100は、対象物Wを保持する第1表面S1と、第1表面S1に交わる第1方向において第1表面S1の反対側に位置する第2表面S2と、第1表面S1と第2表面S2とに通じ気体が流通するガス流路12と、を有する板状部材10と、ガス流路12に配される第1多孔部71及び第2多孔部72と、を備え、ガス流路12は、第1表面S1に開口し、第1方向に延びる第1縦ガス流路13及び第2縦ガス流路14を備え、第1多孔部71は、第1縦ガス流路13に配され、第2多孔部72は、第2縦ガス流路14に配され、第1多孔部71よりも第1方向における長さが長い。
【選択図】
図3