(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】検査方法及び機器
(51)【国際特許分類】
H04L 43/0888 20220101AFI20240704BHJP
【FI】
H04L43/0888
(21)【出願番号】P 2023506553
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 CN2021109851
(87)【国際公開番号】W WO2022022717
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-01-31
(31)【優先権主張番号】202010757937.9
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518389015
【氏名又は名称】中国移動通信有限公司研究院
【氏名又は名称原語表記】China Mobile Communication Co., Ltd Research Institute
【住所又は居所原語表記】32 Xuanwumen West Street, Xicheng District, Beijing 100053, China
(73)【特許権者】
【識別番号】518301095
【氏名又は名称】中国移動通信集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【氏名又は名称】小野寺 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】宋 丹
(72)【発明者】
【氏名】コン ルーティン
(72)【発明者】
【氏名】李 男
(72)【発明者】
【氏名】陸 松鶴
(72)【発明者】
【氏名】宋 驍雄
(72)【発明者】
【氏名】劉 軍
【審査官】安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-212616(JP,A)
【文献】米国特許第10496532(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0091079(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0174709(US,A1)
【文献】米国特許第11392486(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 43/0888
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査方法であって、
検査対象に対して検査パラメータの配置を行い、検査対象の異なる性能指標を検査するために用いられる検査フローを少なくとも2つ実行し、検査フローごとの性能指標の検査値を取得することと、
検査フローごとに取得された性能指標の検査値
と性能指標閾値に基づいて、
検査フローごとに検査に合格したか否かを判断し、前記検査対象
が検査に合格したか否かの検査結果を生成することとを含
み、
前記検査対象に対して検査パラメータの配置を行い、検査フローを少なくとも2つ実行し、検査フローごとの性能指標の検査値を取得することは、
少なくとも1ラウンドの検査を実行することを含み、
ここで、各ラウンドの検査において、検査対象に対して検査パラメータの配置を行うとともに性能指標閾値を設定し、
各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを順次実行し、又は、各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行し、
各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを順次実行する場合、
所定の検査フローの検査順に従って各検査フローを順次実行し、ここで、現在の検査フローを実行する過程において、
検査対象に対して第1の検査パラメータの配置を行うとともに第1の性能指標閾値を設定し、本ラウンドの検査における現在の検査フローの前のすべての検査フローの性能指標の集合である第2の性能指標が第2の性能指標閾値を満たす場合、現在の検査フローを実行し、現在の検査フローの第1の性能指標の検査値を取得することと、
前記第1の性能指標の検査値と前記第1の性能指標閾値に基づいて、現在の検査フローが検査に合格したか否かを判断することとを含み、
又は、
各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行する場合、
検査対象に対して、値が初期値又は直前ラウンドの検査終了後の調整値である第2の検査パラメータの配置を行うとともに各検査フローに対応する性能指標閾値を設定し、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行し、検査フローごとの性能指標の検査値を取得し、
検査フローごとに測定された性能指標の検査値と性能指標閾値に基づいて、検査フローごとに検査に合格したか否かを判断する、検査方法。
【請求項2】
各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを順次実行する場合、
現在の検査フローが本ラウンドの検査における最初の検査フローである場合、前記第1の検査パラメータの値は、初期値又は直前ラウンドの検査結果に基づく調整値であり、
現在の検査フローが本ラウンドの検査における最初の検査フローではない場合、前記第1の検査パラメータの値は、直前の検査フローの検査終了後に前記第2の性能指標が第2の性能指標閾値を満たすようにする必要があ
る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを順次実行する場合、
現在の検査フローが検査に合格しなかった場合、現在のラウンドの検査を終了することと、
現在の検査フローが検査に合格し、かつ現在の検査フローが本ラウンドの検査における最後の検査フローである場合、現在のラウンドの検査を終了することと、
現在の検査フローが検査に合格し、かつ現在の検査フローが本ラウンドの検査における最後の検査フローではない場合、現在の検査フローの次の検査フローの検査を実行することとを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記現在の検査フローが検査に合格しなかった場合、現在のラウンドの検査を終了した後、現在のラウンドの検査結果に基づいて第1の検査パラメータの値を調整し、再び次のラウンドの検査フローを実行し、
または、
前記現在の検査フローが検査に合格し、現在のラウンドの検査を終了した後、次のラウンドの検査を継続するか否かを判断し、次のラウンドの検査における検査パラメータを配置又は更新し、次のラウンドの検査を継続する場合、次のラウンドの検査に進み、以上のフローを繰り返すことを特徴とする請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成することは、
現在のラウンドの検査終了時に、すべての検査フローが検査に合格した場合、そのラウンドの検査が合格したと判断することと、
現在のラウンドの検査終了時に、検査に不合格となる検査フローがある場合、そのラウンドの検査が不合格と判断することとを含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項6】
前記検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成することは、
現在のラウンドの検査終了時に、すべての検査フローが検査に合格した場合、前記検査対象が検査に合格した検査結果を出力することと、
現在のラウンドの検査終了時に、検査に合格しなかった検査フローがある場合、前記検査対象が現在のラウンドの検査に合格しなかった検査結果を出力することとを更に含み、
または、
現在のラウンドの検査終了時に、現在のラウンドで測定された各性能指標の検査値を出力することを更に含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行する場合、
前記検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成することは、
現在のラウンドのいずれかの検査フローが検査に合格しなかった場合、現在のラウンドの検査を終了することと、
現在のラウンドのすべての検査フローが検査に合格した場合、現在のラウンドの検査を終了することとを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項8】
前記検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成することは、
現在のラウンドの検査終了時に、すべての検査フローが検査に合格した場合、そのラウンドの検査が合格したと判断することと、
現在のラウンドの検査終了時に、検査に不合格となる検査フローがある場合、そのラウンドの検査が不合格と判断することとを含み、
または、
前記検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成することは、
現在のラウンドの検査終了時に、現在のラウンドで測定された各性能指標の検査値を出力することを更に含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
トランシーバとプロセッサを含む検査装置であって、
前記トランシーバは、検査対象に対して検査パラメータの配置を行うように構成され、
前記プロセッサは、検査対象の異なる性能指標を検査するために用いられる検査フローを少なくとも2つ実行し、検査フローごとの性能指標の検査値を取得し、検査フローごとに取得された性能指標の検査値
と性能指標閾値に基づいて、
検査フローごとに検査に合格したか否かを判断し、前記検査対象
が検査に合格したか否かの検査結果を生成するように構成され
、
前記プロセッサは、更に、
少なくとも1ラウンドの検査を実行するように構成され、
ここで、各ラウンドの検査において、検査対象に対して検査パラメータの配置を行うとともに性能指標閾値を設定し、
前記プロセッサは、更に、
各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを順次実行し、又は、各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行するように構成され、
前記プロセッサは、更に、
各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを順次実行する場合、
所定の検査フローの検査順に従って各検査フローを順次実行するように構成され、ここで、現在の検査フローを実行する過程において、
検査対象に対して第1の検査パラメータの配置を行うとともに第1の性能指標閾値を設定し、本ラウンドの検査における現在の検査フローの前のすべての検査フローの性能指標の集合である第2の性能指標が第2の性能指標閾値を満たす場合、現在の検査フローを実行し、現在の検査フローの第1の性能指標の検査値を取得することと、
前記第1の性能指標の検査値と前記第1の性能指標閾値に基づいて、現在の検査フローが検査に合格したか否かを判断することとを含み、
又は、
前記プロセッサは、更に、
各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行する場合、
検査対象に対して、値が初期値又は直前ラウンドの検査終了後の調整値である第2の検査パラメータの配置を行うとともに各検査フローに対応する性能指標閾値を設定し、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行し、検査フローごとの性能指標の検査値を取得し、
検査フローごとに測定された性能指標の検査値と性能指標閾値に基づいて、検査フローごとに検査に合格したか否かを判断するように構成される、検査装置。
【請求項10】
プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶されて前記プロセッサで実行可能なプログラムを含む検査装置であって、
前記プログラムが前記プロセッサによって実行されると、請求項1~8のいずれか一項に記載の検査方法を実現させる、検査装置。
【請求項11】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~8のいずれか一項に記載の検査方法を実現させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、出願番号が202010757937.9で、出願日が2020年07月31日である中国特許出願に基づき、その中国特許出願の優先権を主張するが、その中国特許出願の全ての内容が参考として本願に取り込まれる。
本願は、機器検査の技術分野に係り、特に検査方法及び機器に係る。
【背景技術】
【0002】
従来技術の検査方法の多くは、「単入力-単出力」の検査方式である。
図1は、従来技術の1つの「単入力-単出力」検査システムを示し、1つの「検査入力量1」を入力し、1つの「検査出力量1」から、この検査(test)が合格したか否かを判断することができる。一般的に、このような「単入力-単出力」の判断根拠は、1つの固定閾値であり、検査結果が閾値より小さく/大きくなると、「合格(PASS)」又は「不合格(FAIL)」と判定される。例えば、電圧検査、抵抗検査などが挙げられる。
【0003】
図2は、従来技術の1つの「多入力-単出力」の検査システムを示し、「検査入力量1」、「検査入力量2」、…、「検査入力量M」などの複数の入力量を入力し、1つの「検査出力量1」を出力し、つまり多入力-単出力である。一般的に、このような「多入力-単出力」の検査方法の判断根拠は、固定閾値であり、検査結果が閾値より小さく/大きくなると、「合格(PASS)」又は「不合格(FAIL)」と判定される。例えば、消費電力検査の場合、電圧、DRX配置、温度などの複数の「検査入力量」を入力し、検査結果の「検査出力量」が1つの所定の固定値であり、この値より高くなると、この検査が「不合格(FAIL)」と判定され、この値より低くなると、この検査が「合格(PASS)」と判定される。
【0004】
図3は、従来技術の検査フローの一例を示し、Tが送信を表し、Rが受信を表す。メーター検査フローでは、複数回にわたって検査対象端末にデータを送信し、検査対象端末の関連データを測定して受信する(
図3では、送信は、T1とT2の計2回であり、受信は、R1とR2の計2回である)ことによって、最終的に検査結果を得る。
【0005】
次に、垂直業界応用検査において、検査結果を単一次元で記述するのは、一般的に十分ではない。典型的な垂直業界シーンにおいて、総合的に記述して評価するには、複数の次元の変数が必要になることが多いので、多次元の評価方法を導入する必要がある。従来技術では、多次元の検査システムや方法が提供されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする技術課題】
【0006】
本願の少なくとも1つの実施例は、多次元の検査を可能にする検査方法及び機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の一態様によれば、少なくとも1つの実施例は、検査方法を提供する。
検査方法であって、
検査対象に対して検査パラメータの配置を行い、検査対象の異なる性能指標を検査するために用いられる検査フローを少なくとも2つ実行し、検査フローごとの性能指標の検査値を取得することと、
検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成することとを含む。
【0008】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記検査対象に対して検査パラメータの配置を行い、検査フローを少なくとも2つ実行し、検査フローごとの性能指標の検査値を取得することは、
少なくとも1ラウンドの検査を実行することを含み、
ここで、各ラウンドの検査において、検査対象に対して検査パラメータの配置を行うとともに性能指標閾値を設定する。
【0009】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを順次実行し、又は、各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行する。
【0010】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを順次実行する場合、所定の検査フローの検査順に従って各検査フローを順次実行し、
ここで、現在の検査フローを実行する過程において、
検査対象に対して第1の検査パラメータの配置を行うとともに第1の性能指標閾値を設定し、第2の性能指標が第2の性能指標閾値を満たす場合、現在の検査フローを実行し、現在の検査フローの第1の性能指標の検査値を取得することと、
前記第1の性能指標の検査値と前記第1の性能指標閾値に基づいて、現在の検査フローが検査に合格したか否かを判断することとを含む。
【0011】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、現在の検査フローが本ラウンドの検査における最初の検査フローである場合、前記第1の検査パラメータの値は、初期値又は直前ラウンドの検査結果に基づく調整値であり、
現在の検査フローが本ラウンドの検査における最初の検査フローではない場合、前記第1の検査パラメータの値は、直前の検査フローの検査終了後に前記第2の性能指標が第2の性能指標閾値を満たすようにする必要があり、前記第2の性能指標は、本ラウンドの検査における現在の検査フローの前のすべての検査フローの性能指標の集合である。
【0012】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、現在の検査フローが検査に合格しなかった場合、現在のラウンドの検査を終了することと、
現在の検査フローが検査に合格し、かつ現在の検査フローが本ラウンドの検査における最後の検査フローである場合、現在のラウンドの検査を終了することと、
現在の検査フローが検査に合格し、かつ現在の検査フローが本ラウンドの検査における最後の検査フローではない場合、現在の検査フローの次の検査フローの検査を実行することとを更に含む。
【0013】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成することは、
現在のラウンドの検査終了時に、すべての検査フローが検査に合格した場合、そのラウンドの検査が合格したと判断することと、
現在のラウンドの検査終了時に、検査に不合格となる検査フローがある場合、そのラウンドの検査が不合格と判断することとを含む。
【0014】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成することは、
現在のラウンドの検査終了時に、すべての検査フローが検査に合格した場合、前記検査対象が検査に合格した検査結果を出力することと、
現在のラウンドの検査終了時に、検査に合格しなかった検査フローがある場合、前記検査対象が現在のラウンドの検査に合格しなかった検査結果を出力することとを更に含む。
【0015】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成することは、
現在のラウンドの検査終了時に、現在のラウンドで測定された各性能指標の検査値を出力することを更に含む。
【0016】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行する場合、
検査対象に対して、値が初期値又は直前ラウンドの検査終了後の調整値である第2の検査パラメータの配置を行うとともに各検査フローに対応する性能指標閾値を設定し、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行し、検査フローごとの性能指標の検査値を取得し、
検査フローごとに測定された性能指標の検査値と性能指標閾値に基づいて、検査フローごとに検査に合格したか否かを判断する。
【0017】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成することは、
現在のラウンドのいずれかの検査フローが検査に合格しなかった場合、現在のラウンドの検査を終了することと、
現在のラウンドのすべての検査フローが検査に合格した場合、現在のラウンドの検査を終了することとを含む。
【0018】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成することは、
現在のラウンドの検査終了時に、すべての検査フローが検査に合格した場合、そのラウンドの検査が合格したと判断することと、
現在のラウンドの検査終了時に、検査に不合格となる検査フローがある場合、そのラウンドの検査が不合格と判断することとを含む。
【0019】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成することは、
現在のラウンドの検査終了時に、現在のラウンドで測定された各性能指標の検査値を出力することを更に含む。
【0020】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記少なくとも2つの検査フローは、第1の検査フローと第2の検査フローとを含み、
前記第1の検査フローで測定される性能指標は、第2の検査フローで測定される性能指標と相関し、
ここで、前記相関は、正の相関、負の相関、及び、第1の検査フローで測定される性能指標と第2の検査フローで測定される性能指標は互いに結果であることのうちの少なくとも1つを含む。
【0021】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、検査対象の応用シーンと性能指標の間の第1のマッピング関係に基づいて、目標応用シーンにおける目標性能指標を決定することと、
検査対象の性能指標と検査パラメータの間の第2のマッピング関係に基づいて、目標性能指標に対応する目標検査パラメータを決定することと、
前記目標検査パラメータに基づいて目標性能指標の測定を行う前記少なくとも2つの検査フローを生成することとを更に含む。
【0022】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成することは、
検査フローごとに検査される性能指標を多角形の頂点として、多角形を構築することと、
前記多角形の中心点と頂点とを結ぶ線を目盛線とし、前記目盛線上に対応する性能指標の数値をマークすることと、
各性能指標の性能指標閾値に基づいて、前記目盛線上に対応する閾値点を決定し、隣接目盛線上の閾値点を順次接続し、性能指標閾値に対応する閾値領域を生成することと、
検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記目盛線上に対応する検査値点を決定し、隣接目盛線上の検査値点を順次接続し、性能指標の検査値に対応する検査値領域を生成することと、
前記閾値領域が前記検査値領域に含まれているか否かに基づいて、前記検査対象が検査に合格したか否かの検査結果を取得することとを含む。
【0023】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記閾値領域が前記検査値領域に含まれているか否かに基づいて、前記検査対象が検査に合格したか否かの検査結果を取得することは、
前記閾値領域が全て前記検査値領域に含まれる場合、前記検査対象が検査に合格した検査結果を取得し、そうでなければ、前記検査対象が検査に合格しなかった検査結果を取得することを含む。
【0024】
本願の別の態様によれば、少なくとも1つの実施例は、検査装置を提供する。
トランシーバとプロセッサを含む検査装置であって、
前記トランシーバは、検査対象に対して検査パラメータの配置を行うように構成され、
前記プロセッサは、検査対象の異なる性能指標を検査するために用いられる検査フローを少なくとも2つ実行し、検査フローごとの性能指標の検査値を取得し、検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成するように構成される。
【0025】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記プロセッサは、更に、
少なくとも1ラウンドの検査を実行するように構成され、
ここで、各ラウンドの検査において、検査対象に対して検査パラメータの配置を行うとともに性能指標閾値を設定する。
【0026】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記プロセッサは、更に、
各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを順次実行し、又は、各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行するように構成される。
【0027】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記プロセッサは、更に、
各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを順次実行する場合、所定の検査フローの検査順に従って各検査フローを順次実行するように構成され、
ここで、現在の検査フローを実行する過程において、
検査対象に対して第1の検査パラメータの配置を行うとともに第1の性能指標閾値を設定し、第2の性能指標が第2の性能指標閾値を満たす場合、現在の検査フローを実行し、現在の検査フローの第1の性能指標の検査値を取得することと、
前記第1の性能指標の検査値と前記第1の性能指標閾値に基づいて、現在の検査フローが検査に合格したか否かを判断することとを含む。
【0028】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、現在の検査フローが本ラウンドの検査における最初の検査フローである場合、前記第1の検査パラメータの値は、初期値又は直前ラウンドの検査結果に基づく調整値であり、
現在の検査フローが本ラウンドの検査における最初の検査フローではない場合、前記第1の検査パラメータの値は、直前の検査フローの検査終了後に前記第2の性能指標が第2の性能指標閾値を満たすようにする必要があり、前記第2の性能指標は、本ラウンドの検査における現在の検査フローの前のすべての検査フローの性能指標の集合である。
【0029】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記プロセッサは、更に、
各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行する場合、
検査対象に対して、値が初期値又は直前ラウンドの検査終了後の調整値である第2の検査パラメータの配置を行うとともに各検査フローに対応する性能指標閾値を設定し、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行し、検査フローごとの性能指標の検査値を取得し、
検査フローごとに測定された性能指標の検査値と性能指標閾値に基づいて、検査フローごとに検査に合格したか否かを判断するように構成される。
【0030】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記少なくとも2つの検査フローは、第1の検査フローと第2の検査フローとを含み、
前記第1の検査フローで測定される性能指標は、第2の検査フローで測定される性能指標と相関し、
ここで、前記相関は、正の相関、負の相関、及び、第1の検査フローで測定される性能指標と第2の検査フローで測定される性能指標は互いに結果であることのうちの少なくとも1つを含む。
【0031】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記プロセッサは、更に、
検査対象の応用シーンと性能指標の間の第1のマッピング関係に基づいて、目標応用シーンにおける目標性能指標を決定し、
検査対象の性能指標と検査パラメータの間の第2のマッピング関係に基づいて、目標性能指標に対応する目標検査パラメータを決定し、
前記目標検査パラメータに基づいて目標性能指標の測定を行う前記少なくとも2つの検査フローを生成するように構成される。
【0032】
また、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記プロセッサは、更に、
検査フローごとに検査される性能指標を多角形の頂点として、多角形を構築し、
前記多角形の中心点と頂点とを結ぶ線を目盛線とし、前記目盛線上に対応する性能指標の数値をマークし、
各性能指標の性能指標閾値に基づいて、前記目盛線上に対応する閾値点を決定し、隣接目盛線上の閾値点を順次接続し、性能指標閾値に対応する閾値領域を生成し、
検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記目盛線上に対応する検査値点を決定し、隣接目盛線上の検査値点を順次接続し、性能指標の検査値に対応する検査値領域を生成し、
前記閾値領域が前記検査値領域に含まれているか否かに基づいて、前記検査対象が検査に合格したか否かの検査結果を取得するように構成される。
【0033】
本願の別の態様によれば、少なくとも1つの実施例は、検査装置を提供する。
プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶されて前記プロセッサで実行可能なプログラムを含む検査装置であって、
前記プログラムが前記プロセッサによって実行されると、以上記載した検査方法を実現させる。
【0034】
本願の別の態様によれば、少なくとも1つの実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、以上記載した検査方法を実現させる。
発明の効果
【0035】
従来技術と比較して、本願の実施例による検査方法及び機器は、多次元の検査を実現でき、異なる応用シーンの性能指標に対する検査ニーズを満たし、検査効率を高め、検査結果が端末の真の性能を反映する信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読むことにより、様々な他の利点及びメリットが当業者に明らかになる。図面は、好適な実施形態を示すためにのみ使用され、本願に対する制限とは考えられない。また、図面全体において、同じ部品を同じ参照符号で示している。
【0037】
【
図1】従来技術の1つの検査システムの概略図である。
【
図2】従来技術の別の検査システムの概略図である。
【
図3】従来技術の1つの検査方法のフローチャートである。
【
図4】本願の実施例による多次元の業界応用シーンの概略図である。
【
図5】本願の実施例による別の多次元の業界応用シーンの概略図である。
【
図6】本願の実施例による多次元の検査システムの概略図である。
【
図7】本願の実施例による別の多次元の検査システムの概略図である。
【
図8】本願の実施例による検査方法のフローチャートである。
【
図9】本願の実施例による検査方法において順次検査を実行する場合の例を示す図である。
【
図10】本願の実施例による検査方法において並行検査を実行する場合の例を示す図である。
【
図11】本願の実施例による基準多角形の例を示す図である。
【
図12】本願の実施例による検査装置の1つの構成の概略図である。
【
図13】本願の実施例による検査装置の別の構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付図面を参照して、本願の例示的な実施例についてより詳細に説明する。図面には本願の例示的な実施例が示されているが、ここに記載された実施例に限定されることなく、様々な形で本願を実現することができることを理解すべきである。逆に、これらの実施例を提供することは、本願をより完全に理解し、かつ、本願の範囲を当業者に完全に伝えることができるようにするためである。
【0039】
本願の明細書及び特許請求の範囲における「第1」、「第2」などの用語は、特定の順序又は前後順を記述するために使用されるのではなく、類似の対象を区別するために使用される。そのように使用されるデータは、本明細書に記載される本願の実施例が、例えば、本明細書に図示又は記載されるもの以外の順序でも実施できるように、適切に交換されることが理解されるべきである。更に、「含む」及び「有する」という用語ならびにそれらの任意の変形は、非排他的を意図しており、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、必ずしも明確に列挙されたそれらのステップ又はユニットに限定されるものではなく、明確に列挙されていないもの又はそれらのプロセス、方法、製品又は機器に固有の他のステップ又はユニットを含んでもよい。本明細書及び特許請求の範囲において、「及び/又は」は、連結された対象の少なくとも1つを意味する。
【0040】
以下の説明は、特許請求の範囲に記載された範囲、適用可能性、又は構成を限定するのではなく、例を提供する。本願の精神及び範囲から逸脱することなく、議論された要素の機能及び配置を変更することができる。様々な例は、様々な規程又はコンポーネントを適切に省略、代替、又は追加することができる。例えば、説明された方法は、説明された順序とは異なる順序で実行することができ、様々なステップを追加、省略、又は組み合わせてもよい。更に、いくつかの例を参照して説明した特徴は、他の例で組み合わされてもよい。
【0041】
背景技術に記載されているように、従来技術の検査方法では多次元の検査を実現することが困難であり、垂直業界応用の検査シーンでは、単一の次元で検査結果を記述するのは一般的には不十分であり、典型的な垂直業界シーンでは、総合的に記述して評価するには、複数の次元の変数が必要になることが多い。以上の問題のうちの少なくとも1つを解決するために、本願の実施例は、多次元の検査評価を実現することができる検査方法を提供する。
【0042】
図4、
図5は、それぞれ異なる応用シーンにおける多次元検査のニーズを示している。ここで、
図4に示されているインテリジェントポートの応用シーンにおいて、端末の伝送レート、エアインタフェース遅延、ブロックエラー比率などを含む複数の性能指標(すなわち複数の次元)を検査する必要がある。
図5に示されているインテリジェントモニタリングの応用シーンにおいて、端末の伝送レート、エアインタフェース遅延、ブロックエラー比率などを含む複数の性能指標(すなわち、複数の次元)を検査する必要がある。
【0043】
本願の実施例は、検査対象(例えば端末)の応用シーンと性能指標との第1のマッピング関係に基づいて、目標応用シーンにおける目標性能指標を予め決定し、次に、検査対象(例えば端末)の性能指標と検査パラメータとの第2のマッピング関係に基づいて、目標性能指標に対応する目標検査パラメータを決定し、次に、前記目標検査パラメータに基づいて目標性能指標の測定を行う少なくとも2つの検査フローを生成する。後続の本願の実施例は、上記の少なくとも2つの検査フローに基づいて多次元の検査を行う。
【0044】
表1は、上記第1のマッピング関係の一例を提供し、業界次元を分割することにより、分割された応用シーンに基づいて、重要な性能要件をフィルタリングし、応用シーン-重要な性能のマッピングテーブルを形成する。
【0045】
【0046】
表2は、上記第2のマッピング関係の一例を提供する。重要な性能指標を細分化することにより、重要な検査パラメータの配置及び要件をフィルタリングし、重要な性能指標-重要な検査パラメータのマッピングテーブルを形成する。
【0047】
【0048】
上記2つの表に基づいて、最終的に応用シーン-重要な検査パラメータのマッピングテーブルを形成することができ、更に、測定が必要な目標応用シーンにおいて、測定が必要な目標性能指標及び各性能指標に対応する目標検査パラメータを決定し、その後、前記目標検査パラメータに基づいて目標性能指標の測定を行う少なくとも2つの検査フローを生成し、前記検査フローを用いて、1つ又は複数の目標性能指標を測定する。
【0049】
図6及び
図7は、本願の実施例の多次元の検査システムの構成概略図を示す。ここで、
図6において、検査対象に対して1つの検査入力量1を配置することにより、検査対象の複数の検査出力量1~Nを検査する。
図7において、検査対象に対して複数の検査入力量1~Mを配置することにより、検査対象の複数の検査出力量1~Nを検査する。ここで、N、Mは、等しくても異なっていてもよい。
【0050】
従来技術の「単入力-単出力」又は「多入力-単出力」検査方法と比較して、本願の実施例による多次元の検査方法は、複数の検査フローを導入し、複数の検査フローの間で相互影響、複数回反復を行う方式により、多次元間の相互影響を模擬し、そのうちの1つの検査フローの出力を別の検査フローの入力とし、いくつかの反復、トラバース検査を経て、最終的に総合的検査結論を出力する。
【0051】
図8を参照して、本願の実施例による検査方法は、以下のステップを含む。
【0052】
ステップ81において、検査対象に対して検査パラメータの配置を行い、検査対象の異なる性能指標を検査するために用いられる検査フローを少なくとも2つ実行し、検査フローごとの性能指標の検査値を取得する。
【0053】
ここで、前記検査対象は、具体的には、端末、基地局、又は何らかのシステムである。各検査フローは、検査対象の異なる性能指標を検査するために用いられる。処理を容易にするために、検査フローごとに一種の性能指標を検査する。具体的には、前記少なくとも2つの検査フローは、第1の検査フローと第2の検査フローとを含む。ここで、前記第1の検査フローで測定される性能指標は、第2の検査フローで測定される性能指標と相関する。
【0054】
ここで、前記相関は、正の相関、負の相関、及び、第1の検査フローで測定される性能指標と第2の検査フローで測定される性能指標は互いに結果であることのうちの少なくとも1つを含む。ここで、正の相関とは、第1の検査フローで測定される性能指標が第2の検査フローで測定される性能指標の増加に伴って増加するか、又は、第2の検査フローで測定される性能指標の減少に伴って減少することを意味する。負の相関とは、第1の検査フローで測定される性能指標が第2の検査フローで測定される性能指標の増加に伴って減少するか、又は、第2の検査フローで測定される性能指標の減少に伴って増加することを意味する。互いに結果であることとは、第1の検査フローの検査結果(例えば、測定された性能指標)が第2の検査フローの検査パラメータ配置又は検査条件として使用でき、第2の検査フローの検査結果も第1の検査フローの検査パラメータ配置又は検査条件として使用できることを意味する。
【0055】
ステップ82において、検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成する。
【0056】
以上のステップにより、本願の実施例は、検査結果に基づいて複数の次元から検査対象を総合的に記述し、評価することができる多次元の検査方法を実現する。
【0057】
上記ステップ81において、本願の実施例は、少なくとも1ラウンドの検査を実行する。ここで、各ラウンドの検査において、検査対象に対して検査パラメータの配置を行うとともに性能指標閾値を設定する。
【0058】
具体的には、本願の実施例は、各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを順次実行し、又は、各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行する。以下、前記少なくとも2つの検査フローを順次実行することと、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行することについてそれぞれ説明する。
【0059】
各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを順次実行する場合、所定の検査フローの検査順に従って各検査フローを順次実行する。ここで、現在の検査フローを実行する過程において、以下を含む。
【0060】
A)検査対象に対して第1の検査パラメータの配置を行うとともに第1の性能指標閾値を設定し、第2の性能指標が第2の性能指標閾値を満たす場合、現在の検査フローを実行し、現在の検査フローの第1の性能指標の検査値を取得する。
ここで、現在の検査フローが本ラウンドの検査における最初の検査フローである場合、前記第1の検査パラメータの値は、初期値又は直前ラウンドの検査結果に基づく調整値である。現在の検査フローが本ラウンドの検査における最初の検査フローではない場合、前記第1の検査パラメータの値は、直前の検査フローの検査終了後に前記第2の性能指標が第2の性能指標閾値を満たすようにする必要があり、前記第2の性能指標は、本ラウンドの検査における現在の検査フローの前のすべての検査フローの性能指標の集合である。ここで、直前ラウンドの検査結果に基づく調整値は、具体的な検査パラメータ及び応用シーンに基づいて決定され、調整前のパラメータ値よりも調整後のパラメータ値の場合に前記第1の性能指標が前記第1の性能指標閾値の要件を満たしやすい調整方向である。
また、前記第1の検査パラメータは、具体的には、各ラウンドの検査のすべての検査フローについて配置する必要のある検査パラメータの集合である。
【0061】
B)前記第1の性能指標の検査値と前記第1の性能指標閾値に基づいて、現在の検査フローが検査に合格したか否かを判断する。
ここで、現在の検査フローが検査に合格しなかった場合、現在のラウンドの検査を終了する。現在の検査フローが検査に合格し、かつ現在の検査フローが本ラウンドの検査における最後の検査フローである場合、現在のラウンドの検査を終了する。また、次のラウンドの検査を継続する必要があるか否かは、予め定められた検査計画に基づいて決定される。
ここで、現在の検査フローが検査に合格し、かつ現在の検査フローが本ラウンドの検査における最後の検査フローではない場合、現在の検査フローの次の検査フローの検査を実行する。上記ステップを順次実行することにより、本ラウンドの検査におけるすべての検査フローを完成し、又は本ラウンドの検査フローを早期に終了する。
【0062】
上記ステップ82において、現在のラウンド(本明細書では本ラウンドと呼ぶこともある)の検査終了時に、すべての検査フローが検査に合格した場合、そのラウンドの検査が合格したと判断し、現在のラウンドの検査終了時に、検査に不合格となる検査フローがある場合、そのラウンドの検査が不合格と判断する。
【0063】
選択可能に、現在のラウンドの検査終了時に、すべての検査フローが検査に合格した場合、前記検査対象が検査に合格した検査結果を出力し、現在のラウンドの検査終了時に、検査に合格しなかった検査フローがある場合、前記検査対象が現在のラウンドの検査に合格しなかった検査結果を出力する。
【0064】
選択可能に、現在のラウンドの検査終了時に、現在のラウンドで測定された各性能指標の検査値を出力する。
【0065】
以上の検査方式では、複数の検査フローを順番に交互に行い、第1の検査フローの検査出力を第2の検査フローの検査入力とし、第2の検査フローの検査出力も第1の検査フローで再度反復検査を行う際の検査入力とする。
【0066】
図9は、2つの検査フロー、すなわちメーター検査フロー1~2により端末を検査することを例に、少なくとも2つの検査フローを順次実行する例を示している。ここで、T、Rは、それぞれ送信及び受信を表す。ここで、「メーター検査フロー1」、「メーター検査フロー2」は、それぞれ「検査出力量1」、「検査出力量2」の出力に対応しており、全体的な「結論」を出すには、「検査出力量1」及び「検査出力量2」の検査結果を総合的に考慮する必要がある。本文では、検査出力量とは、検査フローで検査される性能指標を指す。「メーター検査フロー1」と「メーター検査フロー2」は、2つの互いに制約し、互いに関連する検査フローであり、「『メーター検査フロー1』の検査出力が『メーター検査フロー2』の検査入力であり、『メーター検査フロー2』の検査出力も『メーター検査フロー1』の検査入力であり、この2つの検査フローは密接に関連し、互いに影響し、互いに制約する」という有意義な検査結論を得るには、関連検査を行う必要がある。
【0067】
「スループット-消費電力」検査を例とし、「メーター検査フロー1」が「スループット」の検査フローを表し、「メーター検査フロー2」が「消費電力」の検査フローを表していると仮定する。端末がスループットを向上させるためには、端末の消費電力が大きくなる可能性がある。すなわち、端末のスループット性能の向上は、端末の消費電力性能の低下をもたらす可能性があり、逆に、端末の消費電力性能の向上は、端末のスループット性能の低下をもたらす可能性もある。したがって、この2つの互いに制約され、互いに関連する検査対象量は、有意義な検査結論を得るには、並行関連検査を行う必要がある。
【0068】
各ラウンドの検査において、メーター検査フロー1を実行してからメーター検査フロー2を実行する。ここで、S01において、メーターを通じて端末に検査パラメータ1を送信し、端末のために検査パラメータ1を配置し、メーター検査フロー1を実行する。S02において、端末の性能指標1を受信又は測定し、メーター検査フロー1が合格したか否かを判断する。不合格の場合、後続のS03を継続し、調整後の検査パラメータ1を、メーターを通じて端末に送信し、再びメーター検査フロー1を実行する。S04において、端末の性能指標1を受信又は測定し、メーター検査フロー1が合格したか否かを判断する。合格すれば、性能指標1をメーター検査フロー2に代入し、メーター検査フロー2を実行する。メーター検査フロー2を実行する場合、S06において、メーターを通じて検査パラメータ2と性能指標1を端末に送信し、端末のために検査パラメータを配置し、メーター検査フロー2を実行する。S07において、端末の性能指標2を受信又は測定し、メーター検査フロー2が合格したか否かを判断する。不合格の場合、後続のS08を継続し、調整後の検査パラメータ2を、メーターを通じて端末に送信し、再びメーター検査フロー2を実行する。S09において、端末の性能指標2を受信又は測定し、メーター検査フロー2が合格したか否かを判断する。合格すれば、S10において、次のラウンドの検査を継続するか否かを反復コントローラにより判断し、次のラウンドの検査における検査パラメータを配置又は更新する。次のラウンドの検査を継続すれば、S11に進み、以上のようなフローを繰り返す。
【0069】
次に、検査を順次に行う2つのより具体的な例を示す。
例1:
【0070】
あるビジネスニーズシーンの「スループット-消費電力」に対するニーズは、上り静的チャネルTCPスループットが500Mbps以上であると同時に、消費電力が200mA以下であると仮定する。
【0071】
ステップ1において、「検査フロー1」(T11-S01- S02->R11、T12- S03- S04->R12)を行い、ある検査条件、つまりUL 256QAM、UL 2*2 MIMO、SAの下で100MHz全リソース割り当て、SCS=30KHz、DL/UL切り替え周期5msという条件の下で、Pmax_out=26dBmの場合、上り静的チャネルTCPスループットが750Mbpsであることが得られ、「上り静的チャネルTCPスループットが500Mbps以上」の検査要件を満たす。
上記検査条件及び「上り静的チャネルTCPスループットが750Mbps」(-5->)を前提として、「検査フロー2」(T21-S06- S07->R21、T22- S08- S09->R22)を行い、この時の消費電力が250mAであることが得られ、「消費電力が200mA以下」の検査要件を満たさない。
【0072】
ステップ2において、反復コントローラ(- S10-S11->)により、Pmax_outを25dBmに引き下げ、再び「検査フロー1」(T11- S01- S02->R11、T12- S03- S04->R12)を行い、再び上り静止チャネルTCPスループットが650Mbpsであることが得られ、「上り静止チャネルTCPスループットが500Mbps以上」の検査要件を満たす。
上記検査条件及び「上り静的チャネルTCPスループットが650Mbps」(- S05->)を前提として、再び「検査フロー2」(T21-6-7->R21、T22-8-9->R22)を行い、この時の消費電力が220mAであることが得られ、依然として「消費電力が200mA以下」の検査要件を満たさない。
【0073】
ステップ3において、反復コントローラ(-S10-S11->)により、Pmax_outを24dBmに引き下げ、再び「検査フロー1」(T11- S01- S02->R11、T12- S03- S04->R12)を行い、再び上り静止チャネルTCPスループットが550Mbpsであることが得られ、「上り静止チャネルTCPスループットが500Mbps以上」の検査要件を満たす。
上記検査条件及び「上り静的チャネルTCPスループットが550Mbps」(-5->)を前提として、再び「検査フロー2」(T21- S06- S07->R21、T22- S08- S09->R22)を行い、この時の消費電力が190mAであることが得られ、「消費電力が200mA以下」の検査要件を満たす。
【0074】
これで、検査が完了し、かつ、検査結果は、「検査合格(PASS)」となる。
例2:
【0075】
あるビジネスニーズシーンの「スループット-消費電力」に対するニーズは、上り静的チャネルTCPスループットが500Mbps以上であると同時に、消費電力が200 mA以下であると仮定する。
【0076】
ステップ1において、「検査フロー1」(T11- S01- S02->R11、T12- S03- S04->R12)を行い、ある検査条件、つまりUL 256QAM、UL 2*2 MIMO、SAの下で100MHz全リソース割り当て、SCS=30KHz、DL/UL切り替え周期5msという条件の下で、Pmax_out=26dBmの場合、上り静的チャネルTCPスループットが750Mbpsであることが得られ、「上り静的チャネルTCPスループットが500Mbps以上」の検査要件を満たす。
上記検査条件及び「上り静的チャネルTCPスループットが750Mbps」(-5->)を前提として、「検査フロー2」(T21- S06- S07->R21、T22- S08- S09->R22)を行い、この時の消費電力が250mAであることが得られ、「消費電力が200mA以下」の検査要件を満たさない。
【0077】
ステップ2において、反復コントローラ(-S10-S11->)により、Pmax_outを25dBmに引き下げ、再び「検査フロー1」(T11- S01- S02->R11、T12- S03- S04->R12)を行い、再び上り静止チャネルTCPスループットが550Mbpsであることが得られ、「上り静止チャネルTCPスループットが500 Mbps以上」の検査要件を満たす。
上記検査条件及び「上り静的チャネルTCPスループットが550Mbps」(- S05->)を前提として、再び「検査フロー2」(T21- S06- S07->R21、T22- S08- S09->R22)を行い、この時の消費電力が220mAであることが得られ、依然として「消費電力が200mA以下」の検査要件を満たさない。
【0078】
ステップ3において、反復コントローラ(-S10-S11->)により、Pmax_outを24dBmに引き下げ、再び「検査フロー1」(T11- S01- S02->R11、T12- S03- S04->R12)を行い、再び上り静止チャネルTCPスループットが450Mbpsであることが得られ、「上り静止チャネルTCPスループットが500Mbps以上」の検査要件を満たさない。
上記検査条件及び「上り静的チャネルTCPスループットが450Mbps」(-5->)を前提として、再び「検査フロー2」(T21- S06- S07->R21、T22- S08- S09->R22)を行い、この時の消費電力が190mAであることが得られ、「消費電力が200mA以下」の検査要件を満たす。
【0079】
これで、検査が完了し、かつ、検査結果は、「検査不合格(FAIL)」となる。
【0080】
以下、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行するための具体的な実現について説明する。
【0081】
各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行する場合、
A)検査対象に対して第2の検査パラメータの配置を行うとともに各検査フローに対応する性能指標閾値を設定し、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行し、検査フローごとの性能指標の検査値を取得する。
ここで、前記第2の検査パラメータの値は、初期値又は直前ラウンドの検査終了後の調整値である。ここで、前記第2の検査パラメータは、具体的には、各ラウンドの検査のすべての検査フローについて配置する必要のある検査パラメータの集合である。
B)検査フローごとに測定された性能指標の検査値と性能指標閾値に基づいて、検査フローごとに検査に合格したか否かを判断する。
【0082】
ここで、現在のラウンドのいずれかの検査フローが検査に合格しなかった場合、現在のラウンドの検査を終了し、現在のラウンドのすべての検査フローが検査に合格した場合、現在のラウンドの検査を終了する。
【0083】
更に、現在のラウンドの検査終了時に、すべての検査フローが検査に合格した場合、そのラウンドの検査が合格したと判断し、現在のラウンドの検査終了時に、検査に不合格となる検査フローがある場合、そのラウンドの検査が不合格と判断する。
【0084】
更に、現在のラウンドの検査終了時に、現在のラウンドで測定された各性能指標の検査値を出力する。
【0085】
例えば、同じ検査初期配置に基づいて、複数の検査フローが同時に行われる。複数の検査フローの検査出力がすべて検査指標の要件を満たす場合にのみ、検査は、「検査合格(PASS)」と判定される。複数回の反復検査を経て、常に、複数の検査フローの検査出力がすべて検査指標の要件を満たすことを実現できない場合、検査は、「検査失敗(FAIL)」と判定される。
【0086】
同様の1つのグループの検査ニーズに対して、多次元の順次に行う検査方式に比べて、並行して検査を行うために必要な検査時間は短いが、検査システムの並行処理能力に対する要求は高い。
【0087】
図10は、2つの検査フロー、すなわちメーター検査フロー1~2により端末を検査することを例に、少なくとも2つの検査フローを並行して実行する例を示している。ここで、T及びRは、それぞれ送信及び受信を表す。このうち、「メーター検査フロー1」、「メーター検査フロー2」は、それぞれ「検査出力量1」、「検査出力量2」の出力に対応しており、全体的な「結論」を出すには、「検査出力量1」及び「検査出力量2」の検査結果を総合的に考慮する必要がある。
【0088】
各ラウンドの検査において、メーター検査フロー1とメーター検査フロー2を並行して実行する。ここで、S21~S22において、メーターを通じて端末に検査パラメータを送信し、端末のために検査パラメータ1を配置する。S23~S24において、メーター検査フロー1、2を並行して実行し、メーター検査フロー1、2が合格したか否かを判断する。2つの検査フローが合格すれば、S25において、反復コントローラにより次のラウンドの検査を継続するか否かを判断し、次のラウンドの検査における検査パラメータを配置又は更新する。次のラウンドの検査を継続すれば、S21に進み、以上のようなフローを繰り返す。不合格の場合、予め設定された検査ラウンド数に達したか否かを判断し、そうであれば検査を終了し、そうでなければ、次のラウンドの検査における検査パラメータを調整し、次のラウンドの検査を継続する。
【0089】
次に、検査を並行して行う2つのより具体的な例を示す。
例3:
【0090】
あるビジネスニーズシーンの「スループット-消費電力」に対するニーズは、上り静的チャネルTCPスループットが500Mbps以上であると同時に、消費電力が200mA以下であると仮定する。
【0091】
ステップ1において、ある検査条件の下で検査システム全体を配置し(T11-S21- S22->R21)、つまりUL 256QAM、UL 2*2 MIMO、SAの下で100MHz全リソース割り当て、SCS=30KHz、DL/UL切り替え周期5msという条件の下で、Pmax_out=26dBmの場合、検査して(T21- S23- S24->R11)が得られる。
消費電力が250mAであり、「消費電力が200mA以下」の検査要件を満たさない。
上り静的チャネルTCPスループットが750Mbpsであり、「上り静的チャネルTCPスループットが500Mbps以上」の検査要件を満たす。
【0092】
ステップ2において、反復コントローラ(- S25->)により、Pmax_outを25dBmに引き下げ、
再び検査システム全体を配置し(T11- S21- S22->R21)、つまりUL 256QAM、UL 2*2 MIMO、SAの下で100MHz全リソース割り当て、SCS=30KHz、DL/UL切り替え周期5msという条件で、Pmax_out=25dBmの場合、検査して(T21- S23- S24->R11)が得られる。
消費電力が220mAであり、「消費電力が200mA以下」の検査要件を満たさない。
上り静的チャネルTCPスループットが650Mbpsであり、「上り静的チャネルTCPスループットが500Mbps以上」の検査要件を満たす。
【0093】
ステップ3において、反復コントローラ(- S25->)により、Pmax_outを24dBmに引き下げ、
再び検査システム全体を配置し(T11- S21- S22->R21)、つまりUL 256QAM、UL 2*2 MIMO、SAの下で100MHz全リソース割り当て、SCS=30KHz、DL/UL切り替え周期5msという条件で、Pmax_out=24dBmの場合、検査して(T21- S23- S24->R11)が得られる。
消費電力が190mAであり、「消費電力が200mA以下」の検査要件を満たす。
上り静的チャネルTCPスループットが550Mbpsであり、「上り静的チャネルTCPスループットが500 Mbps以上」の検査要件を満たす。
【0094】
これで、検査が完了し、かつ、検査結果は、「検査合格(PASS)」となる。
例4:
【0095】
あるビジネスニーズシーンの「スループット-消費電力」に対するニーズは、上り静的チャネルTCPスループットが500Mbps以上であると同時に、消費電力が200mA以下であると仮定する。
【0096】
ステップ1において、ある検査条件の下で検査システム全体を配置し(T11- S21- S22->R21)、つまりUL 256QAM、UL 2*2 MIMO、SAの下で100MHz全リソース割り当て、SCS=30KHz、DL/UL切り替え周期5msという条件の下で、Pmax_out=26dBmの場合、検査して(T21- S23- S24->R11)が得られる。
消費電力が250mAであり、「消費電力が200mA以下」の検査要件を満たさない。
上り静的チャネルTCPスループットが750Mbpsであり、「上り静的チャネルTCPスループットが500Mbps以上」の検査要件を満たす。
【0097】
ステップ2において、反復コントローラ(- S25->)により、Pmax_outを25dBmに引き下げ、再び検査システム全体を配置し(T11- S21- S22->R21)、つまりUL 256QAM、UL 2*2 MIMO、SAの下で100MHz全リソース割り当て、SCS=30KHz、DL/UL切り替え周期5msという条件の下で、Pmax_out=25dBmの場合、検査して(T21- S23- S24->R11)が得られる。
消費電力が220mAであり、「消費電力が200mA以下」の検査要件を満たさない。
上り静的チャネルTCPスループットが550Mbpsであり、「上り静的チャネルTCPスループットが500Mbps以上」の検査要件を満たす。
【0098】
ステップ3において、反復コントローラ(- S25->)により、Pmax_outを24dBmに引き下げ、再び検査システム全体を配置し(T11- S21- S22->R21)、つまりUL 256QAM、UL 2*2 MIMO、SAの下で100MHz全リソース割り当て、SCS=30KHz、DL/UL切り替え周期5msという条件の下で、Pmax_out=24dBmの場合、検査して(T21- S23- S24->R11)が得られる。
消費電力が190mAであり、「消費電力が200mA以下」の検査要件を満たす。
上り静的チャネルTCPスループットが450Mbpsであり、「上り静的チャネルTCPスループットが500Mbps以上」の検査要件を満たさない。
【0099】
これで、検査が完了し、かつ、検査結果は、「検査失敗(FAIL)」となる。
【0100】
また、本願に記載の検査方法を採用することにより、既存の端末一貫性検査用例の検査フローに対して最適化を実現し、検査効率及び検査結果が端末の真の性能を反映する信頼性を向上させることもできる。
【0101】
既存の端末一貫性検査用例ACLR(隣接チャネル漏洩比)及びSEM(周波数放射テンプレート)などは、検査中にMPR(最大電力低減)の検査点を確認する必要があり、MPR(最大電力低減)検査点が要件を満たす前提でACLR及びSEMなどの検査例の検査を行う必要があり、ACLR及びSEMなどの検査例とMPR検査例との間に密接な相関性がある。
【0102】
ACLR、SEMとMPRは、それぞれ独立した検査例であるため、検査中に上記の相関性(同じ端末でACLR/MPR検査例及びSEM/MPR検査例が完成したことを保証する)を体現するために、既存のACLR及びSEM検査例は、検査中にMPRの検査点を繰り返し検査する必要がある。
【0103】
上記の多次元検査方法における順次検査を行う方式を採用すれば、同じ検査条件の下で、MPRの各検査点に対して、MPRの検査及び該当するMPR検査点におけるACLR又はSEMの検査を順次完成することができ、既存の検査中のMPRの検査点がMPR及びACLR/SEMによって繰り返し検査される必要がある現象を回避する。
【0104】
上記の多次元検査方法における並行して検査を行う方式を採用すれば、同じ検査条件の下で、MPRの各検査点に対して、MPRの検査及び該当するMPR検査点におけるACLR又はSEMの検査を同時に完成することができ、既存の検査におけるMPRの検査点がMPR及びACLR/SEMによって繰り返し検査される必要がある現象を回避することができるだけでなく、検査時間を大幅に短縮することができる。しかし、検査システムにおいてMPR及びACLR/SEMを同時に処理する必要があるため、検査システムの並行処理能力に対する要求が高い。
【0105】
また、現在の端末検査検証の実際の状況に鑑みる。すなわち、検査効率を高め、検査時間を短縮し、より良い検査結果を得るために、多くの端末メーカーは、検査時に複数の端末を提供して並行検査を行い、複数の関連指標が実際に異なる端末を使用してそれぞれ検査に合格した可能性があり、その端末の真の性能を反映することができない。
【0106】
例えば、第1の端末を用いて第1の指標の検査を行い、第2の端末を用いて第2の指標の検査を行い、第3の端末を用いて第3の指標の検査を行う。これら3つの指標は、それぞれ検査検証に合格したが、同じ端末が上記3つの指標のすべての検査に合格できることを検証することはできない。「検査ホール」が出現する可能性があり、すなわち、端末の複数の検査指標の間に緊密な相関性が存在するため、端末は、第2の指標を最適化するため、第1の指標の悪化を招く。上記の「多次元検査方法1」又は「多次元検査方法2」を使用すると、複数の関連指標がすべて同一の端末を使用して同一の検査条件の下で検査に合格したことを保証することができ、異なる端末を使用したり、異なる検査条件で個別の検査例に合格してもすべての検査例に合格できない「検査ホール」の出現を回避することができる。
【0107】
また、本願の実施例の前記検査フローは、少なくとも1つの検査サブフローを含む。これにより、2つより多い検査フローを行う際に、検査フローがネストされた方法を採用し、前記2つより多い検査フローをすべて検査サブフローとして、2つより多い検査サブフローを得る。その後、これらの検査サブフローを2つの検査フローに分けて、各検査フローにはそれぞれ少なくとも1つの検査サブフローを含む。その後、得られた2つの検査フローを上記の方法で並行して検査し又は順次検査する。具体的な検査方式は、上記の説明を参照することができ、ここでは説明しない。
例6:
【0108】
上記の例1~4において、それぞれPmax_out=26dBm、25dBm、24dBmで検査を行う場合、「検査フロー1」又は「検査フロー2」には、「Configured Transmitted Power」の検査サブフローも含めることができる。つまり、検査メーターの1つのネットワークパラメータPcmaxを設定することにより、端末の出力電力を制御してそれぞれPmax_out=26dBm、25dBm、24dBmを実現する。
【0109】
この「Configured Transmitted Power」の検査サブフローは、「消費電力」検査サブフローとともに上記「検査フロー1」を構成し、この「Configured Transmitted Power」の検査サブフローは、「上り静的チャネルTCPスループット」検査サブフローとともに上記「検査フロー2」を構成する。
【0110】
次に、上記ステップ82に適用できる検査結果の分析方式を提供する。具体的には、上記ステップ82において、検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成する場合、検査フローごとに検査される性能指標を多角形の頂点として、多角形を構築する。前記多角形の中心点と頂点とを結ぶ線を目盛線とし、前記目盛線上に対応する性能指標の数値をマークする。各性能指標の性能指標閾値に基づいて、前記目盛線上に対応する閾値点を決定し、隣接目盛線上の閾値点を順次接続し、性能指標閾値に対応する閾値領域を生成する。検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記目盛線上に対応する検査値点を決定し、隣接目盛線上の検査値点を順次接続し、性能指標の検査値に対応する検査値領域を生成する。前記閾値領域が前記検査値領域に含まれているか否かに基づいて、前記検査対象が検査に合格したか否かの検査結果を取得する。
【0111】
例えば、前記閾値領域が全て前記検査値領域に含まれる場合、前記検査対象が検査に合格した検査結果を取得し、そうでなければ、前記検査対象が検査に合格しなかった検査結果を取得する。
【0112】
つまり、多次元判断根拠に基づいて、「基準多角形」が形成される。検査出力量が「基準多角形」領域内に入る場合、「合格(PASS)」と判定される。検査出力量が「基準多角形」領域外になる場合、「不合格(FAIL)」と判定される。
【0113】
図11は、上記の「基準多角形」の一例を示し、レート、遅延、信頼性の3つの性能指標が含まれている。この例は、体積、放射などの他の指標には関心がない。
図11の「eMBB要件」が対応する領域1100を例にとると、
図11の検査結果から、以下のことが分かる。
「機器1の能力」に対応する領域1101は、
図11の「eMBB要件」の領域1100を完全にカバーすることができないため、「機器1」は、「不合格(FAIL)」と判定される。
「機器2の能力」に対応する領域1102は、
図11の「eMBB要件」の領域1100を完全にカバーすることができるため、「機器2」は、「合格(PASS)」と判定される。
【0114】
以上から分かるように、本願の実施例による検査方法は、異なる応用シーンに対する多次元検査方法を実現することができる。また、本願の実施例の方法は、既存の端末一貫性検査用例の検査フローに対して最適化を実現し、検査効率及び検査結果が端末の真の性能を反映する信頼性を向上させることもできる。
【0115】
以上、本願の実施例の様々な方法を紹介したが、以下、更に、上記方法を実施する装置を提供する。
【0116】
図12を参照する。本願の実施例は、トランシーバ122とプロセッサ121を含む検査装置120を提供する。
ここで、前記トランシーバ122は、検査対象に対して検査パラメータの配置を行うように構成される。
前記プロセッサ121は、検査対象の異なる性能指標を検査するために用いられる検査フローを少なくとも2つ実行し、検査フローごとの性能指標の検査値を取得し、検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成するように構成される。
【0117】
選択可能に、前記プロセッサ121は、更に、少なくとも1ラウンドの検査を実行するように構成され、ここで、各ラウンドの検査において、検査対象に対して検査パラメータの配置を行うとともに性能指標閾値を設定する。
【0118】
選択可能に、前記プロセッサ121は、更に、各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを順次実行する場合、所定の検査フローの検査順に従って各検査フローを順次実行するように構成される。
ここで、現在の検査フローを実行する過程において、
検査対象に対して第1の検査パラメータの配置を行うとともに第1の性能指標閾値を設定し、第2の性能指標が第2の性能指標閾値を満たす場合、現在の検査フローを実行し、現在の検査フローの第1の性能指標の検査値を取得することと、
前記第1の性能指標の検査値と前記第1の性能指標閾値に基づいて、現在の検査フローが検査に合格したか否かを判断することとを含む。
【0119】
選択可能に、現在の検査フローが本ラウンドの検査における最初の検査フローである場合、前記第1の検査パラメータの値は、初期値又は直前ラウンドの検査結果に基づく調整値であり、現在の検査フローが本ラウンドの検査における最初の検査フローではない場合、前記第1の検査パラメータの値は、直前の検査フローの検査終了後に前記第2の性能指標が第2の性能指標閾値を満たすようにする必要があり、前記第2の性能指標は、本ラウンドの検査における現在の検査フローの前のすべての検査フローの性能指標の集合である。
【0120】
選択可能に、前記プロセッサ121は、更に、現在の検査フローが検査に合格しなかった場合、現在のラウンドの検査を終了し、現在の検査フローが検査に合格し、かつ現在の検査フローが本ラウンドの検査における最後の検査フローである場合、現在のラウンドの検査を終了し、現在の検査フローが検査に合格し、かつ現在の検査フローが本ラウンドの検査における最後の検査フローではない場合、現在の検査フローの次の検査フローの検査を実行するように構成される。
【0121】
選択可能に、前記プロセッサ121は、更に、現在のラウンドの検査終了時に、すべての検査フローが検査に合格した場合、そのラウンドの検査が合格したと判断し、現在のラウンドの検査終了時に、検査に不合格となる検査フローがある場合、そのラウンドの検査が不合格と判断するように構成される。
【0122】
選択可能に、前記プロセッサ121は、更に、現在のラウンドの検査終了時に、すべての検査フローが検査に合格した場合、前記検査対象が検査に合格した検査結果を出力し、現在のラウンドの検査終了時に、検査に合格しなかった検査フローがある場合、前記検査対象が現在のラウンドの検査に合格しなかった検査結果を出力するように構成される。
【0123】
選択可能に、前記プロセッサ121は、更に、現在のラウンドの検査終了時に、現在のラウンドで測定された各性能指標の検査値を出力するように構成される。
【0124】
選択可能に、前記プロセッサ121は、更に、各ラウンドの検査において、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行する場合、検査対象に対して、初期値又は直前ラウンドの検査終了後の調整値である第2の検査パラメータの配置を行うとともに各検査フローに対応する性能指標閾値を設定し、前記少なくとも2つの検査フローを並行して実行し、検査フローごとの性能指標の検査値を取得し、検査フローごとに測定された性能指標の検査値と性能指標閾値に基づいて、検査フローごとに検査に合格したか否かを判断するように構成される。
【0125】
選択可能に、前記プロセッサ121は、更に、現在のラウンドのいずれかの検査フローが検査に合格しなかった場合、現在のラウンドの検査を終了し、現在のラウンドのすべての検査フローが検査に合格した場合、現在のラウンドの検査を終了するように構成される。
【0126】
選択可能に、前記プロセッサ121は、更に、現在のラウンドの検査終了時に、すべての検査フローが検査に合格した場合、そのラウンドの検査が合格したと判断し、現在のラウンドの検査終了時に、検査に不合格となる検査フローがある場合、そのラウンドの検査が不合格と判断するように構成される。
【0127】
選択可能に、前記プロセッサ121は、更に、現在のラウンドの検査終了時に、現在のラウンドで測定された各性能指標の検査値を出力するように構成される。
【0128】
選択可能に、前記少なくとも2つの検査フローは、第1の検査フローと第2の検査フローとを含み、前記第1の検査フローで測定される性能指標は、第2の検査フローで測定される性能指標と相関する。
ここで、前記相関は、正の相関、負の相関、及び、第1の検査フローで測定される性能指標と第2の検査フローで測定される性能指標は互いに結果であることのうちの少なくとも1つを含む。
【0129】
選択可能に、前記プロセッサ121は、更に、検査対象の応用シーンと性能指標の間の第1のマッピング関係に基づいて、目標応用シーンにおける目標性能指標を決定し、検査対象の性能指標と検査パラメータの間の第2のマッピング関係に基づいて、目標性能指標に対応する目標検査パラメータを決定し、前記目標検査パラメータに基づいて目標性能指標の測定を行う前記少なくとも2つの検査フローを生成するように構成される。
【0130】
選択可能に、前記プロセッサ121は、更に、検査フローごとに検査される性能指標を多角形の頂点として、多角形を構築し、前記多角形の中心点と頂点とを結ぶ線を目盛線とし、前記目盛線上に対応する性能指標の数値をマークし、各性能指標の性能指標閾値に基づいて、前記目盛線上に対応する閾値点を決定し、隣接目盛線上の閾値点を順次接続し、性能指標閾値に対応する閾値領域を生成し、検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記目盛線上に対応する検査値点を決定し、隣接目盛線上の検査値点を順次接続し、性能指標の検査値に対応する検査値領域を生成し、前記閾値領域が前記検査値領域に含まれているか否かに基づいて、前記検査対象が検査に合格したか否かの検査結果を取得するように構成される。
【0131】
なお、この実施例における装置は、上記の
図8に示す方法に対応する装置であり、上記の各実施例における実現方式は、いずれもこの装置の実施例に適用し、同じ技術効果を達成することもできる。本願の実施例による上記装置は、上記方法の実施例により実現されるすべての方法のステップを実現することができ、同じ技術効果を達成することもできる。ここでは、本実施例の方法実施例と同じである部分及び有益な効果を具体的に記載しない。
【0132】
本願の実施例による検査装置1300の構成概略図である
図13を参照する。検査装置1300は、プロセッサ1301と、トランシーバ1302と、メモリ1303と、バスインタフェースを含む。
ここで、本願の実施例において、検査装置1300は、更に、メモリ1303に記憶されてプロセッサ1301で実行可能なプログラムを含む。
前記プログラムがプロセッサ1301によって実行されると、検査対象に対して検査パラメータの配置を行い、検査対象の異なる性能指標を検査するために用いられる検査フローを少なくとも2つ実行し、検査フローごとの性能指標の検査値を取得するステップと、検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成するステップとを実現する。
【0133】
本願の実施例において、前記コンピュータプログラムがプロセッサ1301によって実行されると、上記の
図8に示す検査方法の実施例の各プロセスを実現することができ、同じ技術効果を達成することもでき、重複を避けるために、ここでは繰り返して記載しない。
【0134】
図13において、バスアーキテクチャは、任意数の相互接続するバスとブリッジを含み、具体的に、プロセッサ1301をはじめとする1つ又は複数のプロセッサとメモリ1303をはじめとするメモリの各種類の回路が接続したものである。バスアーキテクチャは、周辺イクイップメント、レギュレーター、電力管理回路などの各種類のほかの回路を接続したものであってもよい。これらは、いずれも本分野の公知事項であり、本文においてさらなる記載をしない。バスインタフェースにより、インタフェースが提供される。トランシーバ1302は、複数の部品であってもよく、即ち送信機と受信機を含み、伝送媒体でほかの各種類の装置と通信するユニットとして提供される。
【0135】
プロセッサ1301は、バスアーキテクチャと通常の処理を管理する。メモリ1303は、プロセッサ1301による作業時に使用されるデータを記憶できる。
【0136】
なお、この実施例における端末は、上記の
図8に示す方法に対応する端末であり、上記の各実施例における実現方式は、いずれもこの端末の実施例に適用し、同じ技術効果を達成することもできる。この端末において、トランシーバ1302とメモリ1303、及び、トランシーバ1302とプロセッサ1301は、いずれもバスインタフェースを介して通信可能に接続される。プロセッサ1301の機能は、トランシーバ1302によって実現されることもでき、トランシーバ1302の機能は、プロセッサ1301によって実現されることもできる。ここで、本願の実施例による上記端末は、上記方法の実施例により実現されるすべての方法のステップを実現することができ、同じ技術効果を達成することもできる。ここでは、本実施例の方法実施例と同じである部分及び有益な効果を具体的に記載しない。
【0137】
本願の一部の実施例において、プログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。
このプログラムがプロセッサによって実行されると、検査対象に対して検査パラメータの配置を行い、検査対象の異なる性能指標を検査するために用いられる検査フローを少なくとも2つ実行し、検査フローごとの性能指標の検査値を取得するステップと、検査フローごとに取得された性能指標の検査値に基づいて、前記検査対象の検査結果を生成するステップとを実現する。
【0138】
このプログラムがプロセッサによって実行されると、上記検査方法におけるすべての実現方式を実現することができ、同じ技術効果を達成することもできる。重複を避けるために、ここでは繰り返して記載しない。
【0139】
本明細書に開示された実施例に記載の各例のユニット及びアルゴリズムのステップが、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組み合わせによって実現可能であることは、当業者が理解できる。これらの機能がいったいハードウェアによって実行されるか、それともソフトウェアによって実行されるかは、技術手段の特定な応用や設計の制限条件によって決められる。当業者は、各特定な応用に対し、異なる方法によって記載の機能を実現することができるが、これらの実現は、本願の範囲を超えたものとされるべきではない。
【0140】
記載の便利や簡潔化のために、以上記載したシステム、装置及びユニットの具体的な動作プロセスは、前記方法実施例における対応プロセスを参照されたく、ここでは繰り返して記載しない。これは、当業者にとって自明である。
【0141】
本願で提供されるいくつかの実施例において、開示された装置及び方法は、他の方式で実施されることを理解されたい。以上記載した装置実施例は、単に例示的なものである。例えば、記載したユニットの区分は、単に論理機能の区分であり、実際に実現する際に別の区分方式がある。例えば、複数のユニット又はコンポーネントは、組み合わせてもよく、別のシステムに一体化されてもよく、又は、一部の特徴は、無視されてもよく、又は実行されなくてもよい。また、示されており又は議論されている各構成部分の相互間の結合や直接結合や通信接続は、インタフェース、装置又はユニットを介した間接結合や通信接続であってもよく、電気的、機械的、又は他の形式であってもよい。
【0142】
以上個別部品として説明したユニットは、物理的に離間したものであってもよく、そうでなくてもよい。ユニットとして示した部品は、物理ユニットであってもよく、そうでなくてもよい。すなわち、一箇所に位置してもよく、複数のネットワークユニットに位置してもよい。実際の必要に応じてそのうちの一部又はすべてのユニットを選択して本願の実施例の目的を実現する。
【0143】
また、本願の各実施例における各機能的ユニットは、1つの処理ユニットに一体化されていてもよいし、物理的に別々に設けられていてもよいし、2つ以上が一体化されてもよい。
【0144】
前記機能は、ソフトウェア機能ユニットの形式で実現され独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよい。このような理解に基づき、本願の技術手段の実質的又は従来技術に貢献した部分、又は当該技術手段の部分は、ソフトウェアプロダクトの形式で体現される。当該コンピュータソフトウェアプロダクトは、記憶媒体に記憶され、本願の各実施例に記載の方法のすべて又は一部のステップをコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク装置であってもよい)に実行させるいくつかの指令を含む。前記記憶媒体は、Uディスク、モバイルハードディスク、ROM、RAM、磁気ディスク又は光ディスクなど、プログラムコードを格納することができる様々な媒体を含む。
【0145】
以上の記載は、本願の具体的な実施形態であるが、本願の保護範囲は、これらに限定されない。当業者が本願によって開示されている技術範囲内で容易に想到できる変化や置換は、すべて本願の保護範囲内に含まれる。よって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲を基準とするべきである。