(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】自動車投光器
(51)【国際特許分類】
F21S 41/675 20180101AFI20240704BHJP
F21S 45/48 20180101ALI20240704BHJP
F21S 41/151 20180101ALI20240704BHJP
F21S 41/39 20180101ALI20240704BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20240704BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240704BHJP
【FI】
F21S41/675
F21S45/48
F21S41/151
F21S41/39
F21W102:13
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2023507499
(86)(22)【出願日】2021-08-09
(86)【国際出願番号】 EP2021072145
(87)【国際公開番号】W WO2022043039
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-02-02
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】トマゼーティック、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ヤックル、クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】アイヒンガー、ベルント
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102007040728(DE,A1)
【文献】特開2009-163921(JP,A)
【文献】特開2016-007911(JP,A)
【文献】特開2014-154521(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0204499(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/675
F21S 45/48
F21S 41/151
F21S 41/39
F21W 102/13
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調節可能なロービームを有する自動車投光器であって、
- ロービーム配光を共同で放射するための少なくとも2つのロービームモジュール(2)を含み、但し各ロービームモジュール(2)は、それぞれ、予設定可能な光強度を有するロービーム配光の関与部分を放射するように構成されており、それによりロービーム配光関与部分の重ね合わせにより共同のロービーム配光が生成され、
- 所定数の光源(4)を有する少なくとも1つの光源支持体(3)を含み、但し各ロービームモジュール(2)には、少なくとも1つの光源(4)が割り当てられており、各ロービームモジュール(2)は、少なくとも1つの焦点(P)又は焦線を有するロービームモジュールリフレクタ(2a)を含み、少なくとも1つの光源(4)は、ロービームモジュールリフレクタ(2a)の焦点又は焦線に配設されており、更に各ロービームモジュールリフレクタ(2a)は、各ロービームモジュール(2)により放射される配光と、またそれぞれのロービーム配光の明暗境界も、ロービームモジュールリフレクタ(2a)の取り付け位置と関連して最終的に固定されているように構成されており、ロービームモジュールリフレクタ(2a)は、ロービーム配光のそれぞれの関与部分の明暗境界の延在形状を固定するために、この明暗境界を結像する少なくとも1つのエッジ(K)をロービームモジュールリフレクタ表面に有し、更に、
- 少なくとも1つの冷却体(5)を含み、冷却体(5)上には、光源支持体(3)とロービームモジュール(2)が固定されている構成であり、
ロービームモジュールリフレクタ(2a)のうちの少なくとも1つのロービームモジュールリフレクタ(2a2)は、位置調節可能に、それぞれリフレクタホルダ(2b)を介して冷却体(5)と固定的に結合可能であり、各リフレクタホルダ(2b)は、少なくとも1つの案内部分(2b’)を有し、各位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ(2a2)は、案内部分(2b’)に係合するための対応の係合部分(2a’)を有し、リフレクタホルダ(2b)の案内部分(2b’)は、リフレクタホルダ(2b)と係合状態にあるロービームモジュールリフレクタ(2a2)が円軌道(B)の一部分に沿って連続的に回転され且つそれにより固定された回転範囲内でリフレクタホルダ(2b)に関して任意の回転位置に調節され且つ位置固定されることができるように構成されており、案内部分(2b’)は、円軌道(B)の中心点が位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ(2a2)の焦点(P)と一致するか又は位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ(2a2)の焦線上に位置するように構成されていること、
及び、
該自動車投光器(1)は、正に2つのロービームモジュール(2)を有し、両方のロービームモジュール(2)のうちの1つのロービームモジュール(2)のロービームモジュールリフレクタ(2a1)は、位置調節不能に位置固定されており、残りのロービームモジュール(2)のロービームモジュールリフレクタ(2a2)は、リフレクタホルダ(2b)を介し、位置調節可能に冷却体(5)に位置固定されていること、又は、
該自動車投光器(1)は、3つ以上のロービームモジュール(2)を有し、基準として用いられる唯一のロービームモジュールリフレクタ(2a1)を除き、少なくとも全てのロービームモジュールリフレクタ(2a2)は、位置調節可能にそれぞれリフレクタホルダ(2b)を介して冷却体(5)に位置固定されていること、
を特徴とする自動車投光器。
【請求項2】
光源支持体(3)は、冷却体(5)とロービームモジュールリフレクタ(2a、2a1、2a2)との間に配設されていること、
を特徴とする、請求項1に記載の自動車投光器。
【請求項3】
各リフレクタホルダ(2b)の案内部分(2b’)は、シェル形状又はシリンダマントルセグメント形状の表面を有し、各位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ(2a2)の係合部分(2a’)は、それに対応して形成されており、それにより案内部分(2b’)に沿った係合部分(2a’)の形状合致式の滑動が可能とされていること、
を特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車投光器。
【請求項4】
各位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ(2a2)の係合部分(2a’)には、ねじのねじ部を受容するためのねじ穴部(7a)が形成されており、各リフレクタホルダ(2b)の案内部分(2b’)には、固定ねじを受容するための対応の長穴部(7b)が配設されており、長穴部(7b)は、固定ねじが、全回転範囲に沿った位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ(2a2)の任意の位置において、長穴部(7b)を通り、位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ(2a)のねじ穴部(7a)内に挿入可能であり、従ってそれぞれのリフレクタホルダ(2b)に関する位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ(2a)の位置固定を可能とするように構成されていること、
を特徴とする、請求項3に記載の自動車投光器。
【請求項5】
案内部分(2b’)と係合部分(2a’)には、穿孔部が形成されており、この穿孔部は、位置固定ピンを形状合致式で受容するように構成されており、この位置固定ピンは、受容された状態で案内部分(2b’)と係合部分(2a’)を互いに連結させ、従って回転範囲内の基準位置(L1)を固定すること、
を特徴とする、請求項4に記載の自動車投光器。
【請求項6】
光源(4)は、LED光源であること、
を特徴とする、請求項1~
5のいずれか一項に記載の自動車投光器。
【請求項7】
光源(4)は、それぞれのロービームモジュールリフレクタ(2a、2a1、2a2)の焦点(P)又は焦線に配設されていること、
を特徴とする、請求項1~
6のいずれか一項に記載の自動車投光器。
【請求項8】
光源(4)の配設は、位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ(2a2)の回転範囲の円軌道(B)の中心点が光源(4)の光放出面の重心と一致するように行われること、
を特徴とする、請求項
7に記載の自動車投光器。
【請求項9】
光源(4)の配設は、位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ(2a2)の回転範囲の円軌道(B)の中心点が光源(4)の光放出面を画定するエッジと一致するように行われること、
を特徴とする、請求項
7に記載の自動車投光器。
【請求項10】
少なくとも2つのロービームモジュールリフレクタ(2a)のうちの1つのロービームモジュールリフレクタ(2a)は、位置調節不能に冷却体(5)と固定的に結合されていること、
を特徴とする、請求項1~
9のいずれか一項に記載の自動車投光器。
【請求項11】
ロービームモジュールリフレクタ(2a、2a1、2a2)の光形成反射面は、同様に構成されていること、
を特徴とする、請求項1~
10のいずれか一項に記載の自動車投光器。
【請求項12】
該自動車投光器(1)は、ロービーム配光を生成するための追加ロービームモジュール(6)を追加的に有すること、
を特徴とする、請求項1~
11のいずれか一項に記載の自動車投光器。
【請求項13】
追加ロービームモジュール(6)は、冷却体(5)と固定的に結合されていること、
を特徴とする、請求項
12に記載の自動車投光器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調節可能なロービームを有する自動車投光器に関し、
- ロービーム配光を共同で放射するための少なくとも2つのロービームモジュールを含み、但し各ロービームモジュールは、それぞれ、予設定可能な光強度を有するロービーム配光の関与部分を放射するように構成されており、それによりロービーム配光関与部分の重ね合わせにより共同のロービーム配光が生成され、
- 所定数の光源を有する少なくとも1つの光源支持体を含み、但し各ロービームモジュールには、少なくとも1つの光源が割り当てられており、この際、各ロービームモジュールは、少なくとも1つの焦点又は焦線を有するリフレクタを含み、少なくとも1つの光源は、リフレクタの焦点又は焦線に配設されており、更に各ロービームモジュールリフレクタは、各ロービームモジュールにより放射される配光と、またそれぞれのロービーム配光の明暗境界も、ロービームモジュールリフレクタの取り付け位置と関連して最終的に固定されているように構成されており、この際、ロービームモジュールリフレクタは、ロービーム配光のそれぞれの関与部分の明暗境界の延在形状を固定するために、この境界を結像する少なくとも1つのエッジをリフレクタ表面に有し、更に、
- 少なくとも1つの冷却体を含み、冷却体上には、光源支持体とロービームモジュールが固定されている。
【背景技術】
【0002】
このような自動車投光器は、先行技術から知られるようになった。これらの自動車投光器の製造と取り付け時には、基本的に同じ放射特性を有することのできる個々のロービームモジュールが互いに関して正しく取り付けられていることを顧慮する必要があり、それによりそれぞれ投射される配光のかたちで可視となるそれぞれのモジュールの明暗境界が互いに一致することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国特許出願公開第102007040728号
【文献】国際公開第2014/009185号
【文献】国際公開第2014/008523号
【文献】特開2016-007911号
【文献】米国特許出願公開第2014/334145号
【文献】独国特許出願公開第102017124094号
【文献】独国特許出願公開第102015119524号
【文献】米国特許出願公開第2009/251916号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
明暗境界(カットオフライン)の位置は重要であり、典型的には法的な規定を満たさなくてはならないため、多くの自動車投光器システムでは、これまで、唯一の結像システムから構成されるロービームライトモジュールが使用されており、それにより同様の配光を互いに重ね合わせ且つこれらを互いに精密に配向させる必要はなかった。しかし複数の同様のロービームモジュールが使用された場合には、これらのロービームモジュールは、それぞれの明暗境界の正確な一致を確実にするために、特に精密に製造され且つ取り付けられなくてはならなかった。それによりこのような場合には、製造方法と使用材料の双方が特に高い要求を満たさなければならず、それらの高い要求は、少なくともロービームモジュールを含んだ自動車投光器の生産を困難にし、ないしその際に多大なコストの原因となっていた。
【0005】
本発明の課題は、低コストで製造可能である冒頭に記載した形式の自動車投光器を創作することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、冒頭に記載した形式の自動車投光器において以下の構成により解決される。即ち本発明によりロービームモジュールリフレクタのうちの少なくとも1つのロービームモジュールリフレクタが、位置調節可能に、それぞれリフレクタホルダを介して冷却体と固定的に結合可能であり、この際、各リフレクタホルダは、少なくとも1つの案内部分を有し、各位置調節可能なロービームモジュールリフレクタは、案内部分に係合するための対応の係合部分を有し、この際、リフレクタホルダの案内部分は、リフレクタホルダと係合状態にあるロービームモジュールリフレクタが円軌道の一部分に沿って連続的に回転され且つそれにより固定された回転範囲内でリフレクタホルダに関して任意の回転位置に調節され且つ位置固定(フィックス)されることができるように構成されており、この際、案内部分は、円軌道の中心点が位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの焦点と一致するか又は位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの焦線上に位置するように構成されている。
即ち本発明の一視点により、
調節可能なロービームを有する自動車投光器であって、
- ロービーム配光を共同で放射するための少なくとも2つのロービームモジュールを含み、但し各ロービームモジュールは、それぞれ、予設定可能な光強度を有するロービーム配光の関与部分を放射するように構成されており、それによりロービーム配光関与部分の重ね合わせにより共同のロービーム配光が生成され、
- 所定数の光源を有する少なくとも1つの光源支持体を含み、但し各ロービームモジュールには、少なくとも1つの光源が割り当てられており、各ロービームモジュールは、少なくとも1つの焦点又は焦線を有するロービームモジュールリフレクタを含み、少なくとも1つの光源は、ロービームモジュールリフレクタの焦点又は焦線に配設されており、更に各ロービームモジュールリフレクタは、各ロービームモジュールにより放射される配光と、またそれぞれのロービーム配光の明暗境界も、ロービームモジュールリフレクタの取り付け位置と関連して最終的に固定されているように構成されており、ロービームモジュールリフレクタは、ロービーム配光のそれぞれの関与部分の明暗境界の延在形状を固定するために、この明暗境界を結像する少なくとも1つのエッジをロービームモジュールリフレクタ表面に有し、更に、
- 少なくとも1つの冷却体を含み、冷却体上には、光源支持体とロービームモジュールが固定されている構成であり、
ロービームモジュールリフレクタのうちの少なくとも1つのロービームモジュールリフレクタは、位置調節可能に、それぞれリフレクタホルダを介して冷却体と固定的に結合可能であり、各リフレクタホルダは、少なくとも1つの案内部分を有し、各位置調節可能なロービームモジュールリフレクタは、案内部分に係合するための対応の係合部分を有し、リフレクタホルダの案内部分は、リフレクタホルダと係合状態にあるロービームモジュールリフレクタが円軌道の一部分に沿って連続的に回転され且つそれにより固定された回転範囲内でリフレクタホルダに関して任意の回転位置に調節され且つ位置固定されることができるように構成されており、案内部分は、円軌道の中心点が位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの焦点と一致するか又は位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの焦線上に位置するように構成されていること、
を特徴とする自動車投光器が提供される。
より詳しくは、前記一視点において、
調節可能なロービームを有する自動車投光器であって、
- ロービーム配光を共同で放射するための少なくとも2つのロービームモジュールを含み、但し各ロービームモジュールは、それぞれ、予設定可能な光強度を有するロービーム配光の関与部分を放射するように構成されており、それによりロービーム配光関与部分の重ね合わせにより共同のロービーム配光が生成され、
- 所定数の光源を有する少なくとも1つの光源支持体を含み、但し各ロービームモジュールには、少なくとも1つの光源が割り当てられており、各ロービームモジュールは、少なくとも1つの焦点又は焦線を有するロービームモジュールリフレクタを含み、少なくとも1つの光源は、ロービームモジュールリフレクタの焦点又は焦線に配設されており、更に各ロービームモジュールリフレクタは、各ロービームモジュールにより放射される配光と、またそれぞれのロービーム配光の明暗境界も、ロービームモジュールリフレクタの取り付け位置と関連して最終的に固定されているように構成されており、ロービームモジュールリフレクタは、ロービーム配光のそれぞれの関与部分の明暗境界の延在形状を固定するために、この明暗境界を結像する少なくとも1つのエッジをロービームモジュールリフレクタ表面に有し、更に、
- 少なくとも1つの冷却体を含み、冷却体上には、光源支持体とロービームモジュールが固定されている構成であり、
ロービームモジュールリフレクタのうちの少なくとも1つのロービームモジュールリフレクタは、位置調節可能に、それぞれリフレクタホルダを介して冷却体と固定的に結合可能であり、各リフレクタホルダは、少なくとも1つの案内部分を有し、各位置調節可能なロービームモジュールリフレクタは、案内部分に係合するための対応の係合部分を有し、リフレクタホルダの案内部分は、リフレクタホルダと係合状態にあるロービームモジュールリフレクタが円軌道の一部分に沿って連続的に回転され且つそれにより固定された回転範囲内でリフレクタホルダに関して任意の回転位置に調節され且つ位置固定されることができるように構成されており、案内部分は、円軌道の中心点が位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの焦点と一致するか又は位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの焦線上に位置するように構成されていること、及び、
該自動車投光器は、正に2つのロービームモジュールを有し、両方のロービームモジュールのうちの1つのロービームモジュールのロービームモジュールリフレクタは、位置調節不能に位置固定されており、残りのロービームモジュールのロービームモジュールリフレクタは、リフレクタホルダを介し、位置調節可能に冷却体に位置固定されていること、又は、
該自動車投光器は、3つ以上のロービームモジュールを有し、基準として用いられる唯一のロービームモジュールリフレクタを除き、少なくとも全てのロービームモジュールリフレクタは、位置調節可能にそれぞれリフレクタホルダを介して冷却体に位置固定されていること、
を特徴とする。
尚、本願の特許請求の範囲に付記された図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)
調節可能なロービームを有する自動車投光器であって、
- ロービーム配光を共同で放射するための少なくとも2つのロービームモジュールを含み、但し各ロービームモジューは、それぞれ、予設定可能な光強度を有するロービーム配光の関与部分を放射するように構成されており、それによりロービーム配光関与部分の重ね合わせにより共同のロービーム配光が生成され、
- 所定数の光源を有する少なくとも1つの光源支持体を含み、但し各ロービームモジュールには、少なくとも1つの光源が割り当てられており、各ロービームモジュールは、少なくとも1つの焦点又は焦線を有するリフレクタを含み、少なくとも1つの光源は、リフレクタの焦点又は焦線に配設されており、更に各ロービームモジュールリフレクタは、各ロービームモジュールにより放射される配光と、またそれぞれのロービーム配光の明暗境界も、ロービームモジュールリフレクタの取り付け位置と関連して最終的に固定されているように構成されており、ロービームモジュールリフレクタは、ロービーム配光のそれぞれの関与部分の明暗境界の延在形状を固定するために、この境界を結像する少なくとも1つのエッジをリフレクタ表面に有し、更に、
- 少なくとも1つの冷却体を含み、冷却体上には、光源支持体とロービームモジュールが固定されている構成であり、
ロービームモジュールリフレクタのうちの少なくとも1つのロービームモジュールリフレクタは、位置調節可能に、それぞれリフレクタホルダを介して冷却体と固定的に結合可能であり、各リフレクタホルダは、少なくとも1つの案内部分を有し、各位置調節可能なロービームモジュールリフレクタは、案内部分に係合するための対応の係合部分を有し、リフレクタホルダの案内部分は、リフレクタホルダと係合状態にあるロービームモジュールリフレクタが円軌道の一部分に沿って連続的に回転され且つそれにより固定された回転範囲内でリフレクタホルダに関して任意の回転位置に調節され且つ位置固定されることができるように構成されており、案内部分は、円軌道の中心点が位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの焦点と一致するか又は位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの焦線上に位置するように構成されていること。
(形態2)
光源支持体は、冷却体とロービームモジュールリフレクタとの間に配設されていること、が好ましい。
(形態3)
各リフレクタホルダの案内部分は、シェル形状又はシリンダマントルセグメント形状の表面を有し、各位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの係合部分は、それに対応して形成されており、それにより案内部分に沿った係合部分の形状合致式の滑動が可能とされていること、が好ましい。
(形態4)
各位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの係合部分には、ねじのねじ部を受容するためのねじ穴部が形成されており、各リフレクタホルダの案内部分には、固定ねじを受容するための対応の長穴部が配設されており、長穴部は、固定ねじが、全回転範囲に沿った位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの任意の位置において、長穴部を通り、位置調節可能なロービームモジュールリフレクタのねじ穴部内に挿入可能であり、従ってそれぞれのリフレクタホルダに関する位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの位置固定を可能とするように構成されていること、が好ましい。
(形態5)
案内部分と係合部分には、穿孔部が形成されており、この穿孔部は、位置固定ピンを形状合致式で受容するように構成されており、この位置固定ピンは、受容された状態で案内部分と係合部分を互いに連結させ、従って回転範囲内の基準位置を固定すること、が好ましい。
(形態6)
該自動車投光器は、正に2つのロービームモジュールを有し、両方のロービームモジュールのうちの1つのロービームモジュールのロービームモジュールリフレクタは、位置調節不能に位置固定されており、残りのロービームモジュールのロービームモジュールリフレクタは、リフレクタホルダを介し、位置調節可能に冷却体に位置固定されていること、が好ましい。
(形態7)
該自動車投光器は、3つ以上のロービームモジュールを有し、基準として用いられる唯一のロービームモジュールリフレクタを除き、少なくとも全てのロービームモジュールリフレクタは、位置調節可能にそれぞれリフレクタホルダを介して冷却体に位置固定されていること、が好ましい。
(形態8)
光源は、LED光源であること、が好ましい。
(形態9)
光源は、それぞれのロービームモジュールリフレクタの焦点又は焦線に配設されていること、が好ましい。
(形態10)
光源の配設は、位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの回転範囲の円軌道の中心点が光源の光放出面の重心と一致するように行われること、が好ましい。
(形態11)
光源の配設は、位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの回転範囲の円軌道の中心点が光源の光放出面を画定するエッジと一致するように行われること、が好ましい。
(形態12)
少なくとも2つのロービームモジュールリフレクタのうちの1つのロービームモジュールリフレクタは、位置調節不能に冷却体と固定的に結合されていること、が好ましい。
(形態13)
ロービームモジュールリフレクタの光形成反射面は、同様に構成されていること、が好ましい。
(形態14)
該自動車投光器は、ロービーム配光を生成するためのロービームモジュールを追加的に有すること、が好ましい。
(形態15)
ロービームモジュールは、冷却体と固定的に結合されていること、が好ましい。
【0008】
本発明の上記構成により、ロービームモジュールリフレクタの配光、ないしこれらのロービームモジュールリフレクタを含んだロービームモジュールの配光を、それらの製造後に簡単な方式で精密に一致させることが可能であり、それにより製造時と取り付け時の双方で、より有利な製造を可能とするより大きな製造許容誤差を甘受することができる。投光器の仕上げ時にそれらのモジュールを互いに配向させることができ、それにより投光器は、一方ではその配光に関して最終的に検査され且つ同時に最適化される。換言すると、焦点の周りのリフレクタの回転により、光源(例えばLED)の極めて近くにリフレクタを機械的に設置することが可能である。このことは、リフレクタに対する光源の許容誤差連鎖(許容誤差のつらなり)が短いという利点を有し、それによりコストも節約することができる。この調節コンセプトにより焦点はずれを回避することができ、このことは、特に小型のリフレクタにおいて特に利点であり、その理由は、焦点はずれは、光像を著しく歪めてしまい、その場合には事情により法的な規定を満たす上で問題が生じてしまうためである。小型のリフレクタは、LEDに対する位置変化について、許容誤差に関して極めて敏感であり、それ故、例えばリフレクタの部分的な変形(例えば目標を定めたリフレクタの「圧し潰し」)を予め考慮する通常の調節運動学は、目的に適うものではない。本発明において説明される調節運動学は、焦点の周りの回転時に配光はそれ自体変化しないままであるという特有の利点を提供する。
【0009】
光源の数は、基本的に自由に選択でき、具体的な数に限定されることはない。つまりロービームモジュールごとに、正に1つの光源、又は2つ以上の光源が設けられていることも可能であろう。位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの回転は、水平軸線の周りに行われ、それにより明暗境界の高さを調節することができる。この際「水平」との表現は、水平面上にある自動車内、即ち水平に配向されている自動車内の最終的な組み込み位置に関するものである。また「各ロービームモジュールにより放射される配光と、またそれぞれのロービーム配光の明暗境界も、ロービームモジュールリフレクタの取り付け位置と関連して最終的に固定されている」との表現は、投射レンズや他の光形成部材がそれぞれのロービームモジュールリフレクタの後に設けられてなく、ロービームモジュールリフレクタがロービームモジュールの光形成光学連鎖(光形成の光学的なつらなり)において最後の要素であり、従ってロービームモジュールリフレクタは、そのポジションと配向に依存し、その投射において明暗境界の最終的な位置を固定することとして理解され、この際、勿論、個々のロービームモジュールの投射は、既述したように互いに重ね合わされる。
【0010】
コンパクトで安定した構造を達成するために、光源支持体は、冷却体とロービームモジュールリフレクタの間に配設されていることができる。
【0011】
更に、各リフレクタホルダの案内部分は、シェル形状ないしシリンダマントルセグメント形状の表面を有し、各位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの係合部分は、それに対応して形成されていることができ、それにより案内部分に沿った係合部分の形状合致式の滑動が可能とされている。このようにして頑丈な調節機構が創作される。
【0012】
特に、各位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの係合部分には、ねじのねじ部を受容するためのねじ穴部が形成されており、各リフレクタホルダの案内部分には、固定ねじを受容するための対応の長穴部が配設されており、この際、長穴部は、固定ねじが、全回転範囲に沿った位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの任意の位置において、長穴部を通り、位置調節可能なロービームモジュールリフレクタのねじ穴部内に挿入可能であり、従ってそれぞれのリフレクタホルダに関する位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの位置固定を可能とするように構成されている。それにより連続的な位置調節と、任意の位置調節位置での位置固定が可能である。
【0013】
更に、案内部分と係合部分には、穿孔部(ボア部)が形成されており、この穿孔部は、位置固定ピンを形状合致式で受容するように構成されており、この位置固定ピンは、受容された状態で案内部分と係合部分を互いに連結させ、従って回転範囲内の基準位置を固定する。それにより例えば出発ポジションとして使用することのできる基準位置を予設定することができる。この際、この基準位置は、予想される最適の調節位置に対応し、従って検査のために最善の出発点を提供するように選択されることが可能である。従って幾つかの場合には、即ち予想される最適の調節位置が、検査されて確定された最適の調節位置に対応する場合には、更なる位置調節を省略することができる。確定された最適の調節位置からずれがある場合には、迅速に最適の再調節を実行することができる。
【0014】
特に、自動車投光器は、正に2つのロービームモジュールを有することができ、この際、両方のロービームモジュールのうちの1つのロービームモジュールのロービームモジュールリフレクタは、位置調節不能に位置固定されており、残りのロービームモジュールのロービームモジュールリフレクタは、リフレクタホルダを介し、位置調節可能に冷却体に位置固定されている。
【0015】
更に、自動車投光器は、3つ以上のロービームモジュールを有することができ、基準として用いられる唯一のロービームモジュールリフレクタを除き、少なくとも全てのロービームモジュールリフレクタは、位置調節可能にそれぞれリフレクタホルダを介して冷却体に位置固定されている。従ってロービームモジュールリフレクタは、位置調節のために所定の位置調節機構を必要とすることなく位置固定で取り付け可能であることにより、構造的に特に簡単に構成されていることが可能である。残りのリフレクタは、まだ調節されることが可能であり、それにより全体として明暗境界の精密な重ね合わせが可能である。
【0016】
特に、光源は、LED光源であることができる。
【0017】
更に、光源は、それぞれのロービームモジュールリフレクタの焦点又は焦線に配設されていることができる。それによりロービームモジュールリフレクタを回転させる場合には、配光の位置だけが、光像(即ち位置に依存しない通常投射としての配光の合成)自体を操作(マニピュレート)することなく、変更される。
【0018】
特に、この際、光源の配設は、位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの回転範囲の円軌道の中心点が光源の光放出面の重心と一致するように行われることができる。光源は、典型的にはある程度まで平坦な放射特性を有するので、ロービームモジュールリフレクタを回転させる場合の光像の変化を最小限に抑えることができる。
【0019】
更に、この際、光源の配設は、位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの回転範囲の円軌道の中心点が光源の光放出面を画定するエッジ(縁部)と一致するように行われることができる。LEDの放出光面は、通常は長方形又は正方形である。LEDの焦点は、発光面の幾何平均(geometrisches Mittel)にある。リフレクタは、通常は焦点の中心の周りに回転され、その理由は、ここにほとんどの光もあるためである。しかしロービーム設計の場合には、より良く画定する(道路上の)明暗ラインのためにリフレクタを(発光面の)外側エッジの周りに回転させることができる。
【0020】
特に、少なくとも2つのロービームモジュールリフレクタのうちの1つのロービームモジュールリフレクタは、位置調節不能に冷却体と固定的に結合されている。ここで位置調節不能とは、案内装置を有するリフレクタホルダが必要ではなく、ないし設けられてなく、ロービームモジュールリフレクタが不動で直接的に冷却体とねじ固定され得ることを意味する。
【0021】
更に、ロービームモジュールリフレクタの光形成反射面は、同様に(同じ形式で)構成されていることができる。このことは、リフレクタが、内側で、即ち光源の方に向かう光学的にアクティブな領域において、同じであることを意味する。それによりロービーム配光における個々の部分を完全に同様に構成することができる。好ましくはリフレクタに割り当てられた光源も同じものとしてよい。またロービームモジュールがその全体において完全に同様に構成されていることも可能である。
【0022】
特に、自動車投光器は、ロービーム配光を生成するためのロービームモジュールを追加的に有することができる。
【0023】
それらのロービームモジュールは、冷却体と固定的に結合されていることができる。
【0024】
以下、図面に図示されており例示であるが限定ではない実施形態に基づき、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明による一自動車投光器の概略図を示す図である。
【
図2】
図1の自動車投光器の複数のロービームモジュールの背面部の詳細図を示す図である。
【
図3】第1位置L1において
図1と
図2の本発明による自動車投光器の位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの断面図を示す図である。
【
図4】第2位置L2において
図3の位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの断面図を示す図である。
【
図5】
図3と
図4の位置調節可能なロービームモジュールリフレクタの背面部を示す図である。
【実施例】
【0026】
添付の図面では、特に明記しない限り、同じ参照記号は、同じ構成要素を示している。
【0027】
図1は、調節可能なロービームを有する本発明に従う一自動車投光器1の概略図を示している。この自動車投光器1は、ロービーム配光を共同で放射するための少なくとも2つのロービームモジュール2を含み、この際、各ロービームモジュール2は、それぞれ、予設定可能な光強度を有するロービーム配光の関与部分を放射するように構成されており、それによりロービーム配光関与部分の重ね合わせにより共同のロービーム配光が生成される。
【0028】
更に自動車投光器1は、所定数の光源4を有する少なくとも1つの光源支持体3を含み、この際、各ロービームモジュール2には、少なくとも1つの光源4が割り当てられている。各ロービームモジュール2は、少なくとも1つの焦点P(
図3を参照)又は焦線を有するリフレクタ2a(以下、ロービームモジュールリフレクタ2aとも称する)を含んでいる。少なくとも1つの光源4は、それぞれリフレクタ2aの焦点P又は焦線に配設されている。
【0029】
各ロービームモジュールリフレクタ2aは、各ロービームモジュール2により放射される配光と、またそれぞれのロービーム配光の明暗境界も、ロービームモジュールリフレクタ2aの取り付け位置と関連して最終的に固定されているように構成されており、この際、ロービームモジュールリフレクタ2aは、ロービーム配光のそれぞれの関与部分の明暗境界の延在形状を固定するために、この境界を結像する少なくとも1つのエッジK(
図3を参照)をリフレクタ表面に有する。自動車投光器1は、更に少なくとも1つの冷却体5を含み、冷却体5上には、光源支持体3とロービームモジュール2が固定されている。光源支持体3は、冷却体5とロービームモジュールリフレクタ2aないし2a1及び2a2との間に配設されている。自動車投光器1は、追加的に、ロービーム配光を生成するためのロービームモジュール6を含んでいる。これらのロービームモジュール6は、冷却体5と固定的に結合されている。ロービームモジュールとしてライトモジュール2、6は、ハウジング10内に収容されており、例えば冷却体5と一体的に構成されていることも可能である。
【0030】
図2と
図3を見ると、図示の本実施形態では、2つのロービームモジュールリフレクタ2aが設けられていることが分かり、この際、これらのロービームモジュールリフレクタ2aのうちの1つ、即ち参照符号2a1で参照されるロービームモジュールリフレクタは、位置固定で取り付けられている(
図2と
図3を参照)。それに対し、ロービームモジュールリフレクタ2a2は、当該ロービームモジュールリフレクタ2a2がリフレクタホルダ2bを介して冷却体5と摺動可能に且つ固定的に結合可能であることにより、位置調節可能である。そのためにリフレクタホルダ2bは、少なくとも1つの案内部分2b’(
図3及び
図4を参照)を有し、位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ2a2は、案内部分2b’に係合するための対応の係合部分2a’を有する。この際、リフレクタホルダ2bの案内部分2b’は、リフレクタホルダ2bと係合状態にあるロービームモジュールリフレクタ2a2が円軌道Bの一部分に沿って連続的に回転され且つそれにより固定された回転範囲内でリフレクタホルダ2bに関して任意の回転位置に調節され且つ位置固定(フィックス)されることができるように構成されている。
【0031】
図2では、係合部分2a’内に案内溝部9を見ることができ、案内溝部9内には、リフレクタホルダ2bの非図示の突出部が係合する。案内溝部9は、円軌道Bの中心点の周りに円軌道形状の一セグメントのように延在し、それにより位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ2a2は、案内溝部9に沿って円軌道Bの中心点の周りに回転されることが可能である。
【0032】
図3は、第1位置L1においてロービームモジュールリフレクタ2a2を示している。案内部分2b’は、円軌道Bの中心点が位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ2a2の焦点Pと一致するように構成されている。また焦点の代わりに焦線を設けることもできるであろう。
【0033】
各リフレクタホルダ2bの案内部分2b’は、シェル形状又はシリンダマントル(外殻)セグメント形状の表面を有し、この際、各位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ2a2の係合部分2a’は、それに対応して形成されており、それにより案内部分2b’に沿った係合部分2a’の形状合致式の滑動が可能とされている。また各位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ2a2の係合部分2a’には、ねじ(図面では非図示)のねじ部を受容するためのねじ穴部7aが形成されており、各リフレクタホルダ2bの案内部分2b’には、固定ねじを受容するための対応の長穴部7bが配設されている。長穴部7bは、固定ねじが、全回転範囲に沿った位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ2a2の任意の位置において、長穴部7bを通り、位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ2a2のねじ穴部7a内に挿入可能であり、従ってそれぞれのリフレクタホルダ2bに関する位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ2a2の位置固定を可能とするように構成されている。
【0034】
案内部分2b’と係合部分2a’には、穿孔部(ボア部)8が形成されており、この穿孔部8は、位置固定ピン(図面では非図示)を形状合致式で受容するように構成されている。穿孔部8に位置固定ピンを挿入することにより、案内部分2b’を係合部分2a’と連結させることができ、それによりロービームモジュールリフレクタ2a2の位置、ここでは基準位置L1が位置固定されている。この位置は、調節可能な回転範囲内に位置し、有利には回転範囲の中央位置を表すことができる。全般的にロービームモジュールリフレクタ2aないし2a1及び2a2の光形成反射面は、同様に(同じ形式で)構成されていることが可能である。
【0035】
光源4は、例えばLED光源とすることができる。光源4は、それぞれのロービームモジュールリフレクタ2a、2a1ないし2a2の焦点P又は焦線に配設されていることが可能である。この際、光源の配設は、位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ2a2の回転範囲の円軌道Bの中心点が光源4の光放出面の重心と一致するように行われることができる。その代わりに光源4の配設は、位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ2a2の回転範囲の円軌道Bの中心点が光源4の光放出面を画定するエッジ(縁部)と一致するように行われることができる。
【0036】
図4は、第2位置L2において
図3の位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ2a2の概略断面図を示している。この際、位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ2a2は(位置調節のために)時計方向に角度αだけ回転されている。この際、回転軸線は、組み込まれた状態で水平方向に配向されている。それにより明暗境界は、本例では第2位置において角度αだけ低くされている。勿論、反対方向への回転も考えられる。長穴部7bは、両方の回転方向で十分な調節可能性が可能なように、従って十分な回転範囲が得られるように構成されている。
【0037】
図5は、
図3と
図4の位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ2a2の背面部の図を示している。
図5では、リフレクタホルダ2bを見ることができ、リフレクタホルダ2bは、ねじ開口部(複数)11を介し(ねじ固定により)光源支持体3及び冷却体5と固定的に結合されることが可能である。
【0038】
既述したように、図示の実施形態では、自動車投光器1が正に2つのロービームモジュール2を有し、両方のロービームモジュール2のうちの1つのロービームモジュール2のロービームモジュールリフレクタ2a1は、位置調節不能に位置固定され、残りのロービームモジュール2のロービームモジュールリフレクタ2a2は、リフレクタホルダ2bを介し、位置調節可能に冷却体5に位置固定されている。勿論、位置調節可能なロービームモジュールリフレクタ2a2の数を図示の実施形態とは異なるようにすることもできる。また全てのロービームモジュールリフレクタ2aを位置調節可能としてもよく、そのうちの少なくとも1つのロービームモジュールリフレクタは、位置固定ピンを用いて基準位置L1に位置固定されていることができるであろう。この場合には、全てのロービームモジュールは、同様に構成されていることができるであろう。
【0039】
本発明は、図示された実施形態に限定されるものではなく、請求項の保護範囲全体により規定されている。また本発明ないし実施形態の個々の構成要件を取り上げて互いに組み合わせることもできる。請求項に記載された参照符号は、例示であり、請求項を限定することなく、単に請求項をより容易に分かりやすくするためのものである。
【符号の説明】
【0040】
1 自動車投光器
2 ロービームモジュール
2a ロービームモジュールリフレクタ
2a1 ロービームモジュールリフレクタ
2a2 ロービームモジュールリフレクタ
2a’ 係合部分
2b リフレクタホルダ
2b’ 案内部分
3 光源支持体
4 光源
5 冷却体
6 ロービームモジュール
7a ねじ穴部
7b 長穴部
8 穿孔部
9 案内溝部
10 ハウジング
11 ねじ開口部
P 焦点
K エッジ
B 円軌道
L1 第1位置
L2 第2位置
α 回転角度