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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】表示装置及び表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240704BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240704BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20240704BHJP
   H10K 50/115 20230101ALI20240704BHJP
   H10K 50/842 20230101ALI20240704BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20240704BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20240704BHJP
   H10K 59/35 20230101ALI20240704BHJP
   H10K 59/80 20230101ALI20240704BHJP
   H10K 71/16 20230101ALI20240704BHJP
   H10K 71/70 20230101ALI20240704BHJP
【FI】
G09F9/30 320
G09F9/00 338
G09F9/30 349Z
G09F9/30 365
H05B33/14 Z
H10K50/115
H10K50/842
H10K50/844
H10K59/122
H10K59/35
H10K59/80
H10K71/16
H10K71/70
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023515969
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(86)【国際出願番号】 JP2021016280
(87)【国際公開番号】W WO2022224398
(87)【国際公開日】2022-10-27
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】室伏 教雄
(72)【発明者】
【氏名】園田 通
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-80224(JP,A)
【文献】国際公開第2020/100441(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0076278(KR,A)
【文献】特開2016-18734(JP,A)
【文献】特開2014-220256(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0027729(US,A1)
【文献】特開2013-89475(JP,A)
【文献】特開2012-138382(JP,A)
【文献】特開2011-154797(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0291720(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
G09F 9/00
H05B 33/14
H10K 50/115
H10K 50/842
H10K 50/844
H10K 59/122
H10K 59/35
H10K 59/80
H10K 71/16
H10K 71/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた薄膜トランジスタ層と、
前記薄膜トランジスタ層上に、第1電極と、発光層を含む機能層と、第2電極とを、前記薄膜トランジスタ層側からこの順に備えた発光素子を含むサブ画素が複数個設けられた表示領域と、
前記表示領域において前記発光素子が設けられている領域以外に、一定方向に沿って一定の第1のピッチで設けられ、同一の高さを有する複数の第1スペーサと、
前記一定方向において隣接する2つの前記第1スペーサの間の前記発光素子が設けられている領域以外に設けられ、前記第1スペーサの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサと、を含み、
前記第1スペーサ及び前記第2スペーサを含む全てのスペーサの前記一定方向におけるピッチは、前記第1のピッチをn等分した一定の第2のピッチであ
前記第2スペーサの高さ/前記第1スペーサの高さの値は、0.2以上、0.75以下である、表示装置。
【請求項2】
前記第1スペーサ及び前記第2スペーサは、同一材料で形成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1電極のエッジを覆うエッジカバー層をさらに備え、
前記第1スペーサ及び前記第2スペーサは、前記エッジカバー層上に設けられている、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記エッジカバー層、前記第1スペーサ及び前記第2スペーサは、同一材料で形成されている、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2のピッチは、175μm以下である、請求項1から4の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1スペーサ及び前記第2スペーサを含む全てのスペーサのうちの前記一定方向において隣接する2つのスペーサ間には、1つの前記サブ画素が配置されている、請求項1から5の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記複数個のサブ画素は、第1サブ画素と、第2サブ画素と、第3サブ画素とを含み、
前記第1サブ画素は、前記発光素子として、第1発光素子を含み、
前記第2サブ画素は、前記発光素子として、第2発光素子を含み、
前記第3サブ画素は、前記発光素子として、第3発光素子を含み、
前記第1発光素子は、前記発光層として、第1発光層を備え、
前記第2発光素子は、前記発光層として、前記第1発光層とは発光ピーク波長が異なる第2発光層を備え、
前記第3発光素子は、前記発光層として、前記第1発光層及び前記第2発光層とは発光ピーク波長が異なる第3発光層を備え、
前記第1発光層、前記第2発光層及び前記第3発光層の少なくとも一つは、有機材料からなる、請求項1から6の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示領域上には、有機膜を含む封止層が設けられている、請求項1から7の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
基板上に薄膜トランジスタ層を形成する工程と、
前記薄膜トランジスタ層上に、第1電極を形成する工程と、
前記第1電極が設けられている領域以外を含む前記第1電極の端部より外側に、一定方向に沿って一定の第1のピッチで、同一の高さを有する複数の第1スペーサを形成するとともに、前記一定方向において隣接する2つの前記第1スペーサの間の前記第1電極が設けられている領域以外を含む前記第1電極の端部より外側に、前記第1スペーサの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサを形成し、前記第1スペーサ及び前記第2スペーサを含む全てのスペーサの前記一定方向におけるピッチを、前記第1のピッチをn等分した一定の第2のピッチとする、スペーサを形成する工程と、
前記第1スペーサと接するように、蒸着マスクを配置し、前記蒸着マスクを介して、所定形状に発光層を蒸着する、前記発光層を含む機能層を形成する工程と、
前記発光層を含む機能層上に第2電極を形成する工程と、を含
前記スペーサを形成する工程と、前記発光層を含む機能層を形成する工程との間に、光学式検査を行う工程がさらに含まれ、
前記光学式検査を行う工程においては、検査ピッチは前記第2のピッチである、表示装置の製造方法。
【請求項10】
基板上に薄膜トランジスタ層を形成する工程と、
前記薄膜トランジスタ層上に、第1電極を形成する工程と、
前記第1電極が設けられている領域以外を含む前記第1電極の端部より外側に、一定方向に沿って一定の第1のピッチで、同一の高さを有する複数の第1スペーサを形成するとともに、前記一定方向において隣接する2つの前記第1スペーサの間の前記第1電極が設けられている領域以外を含む前記第1電極の端部より外側に、前記第1スペーサの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサを形成し、前記第1スペーサ及び前記第2スペーサを含む全てのスペーサの前記一定方向におけるピッチを、前記第1のピッチをn等分した一定の第2のピッチとする、スペーサを形成する工程と、
前記第1スペーサと接するように、蒸着マスクを配置し、前記蒸着マスクを介して、所定形状に発光層を蒸着する、前記発光層を含む機能層を形成する工程と、
前記発光層を含む機能層上に第2電極を形成する工程と、を含み、
前記スペーサを形成する工程においては、前記第2スペーサの高さ/前記第1スペーサの高さの値が、0.2以上、0.75以下を満たすように、前記第1スペーサ及び前記第2スペーサを形成する、表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記第1スペーサ及び前記第2スペーサは、同一材料で形成され、
前記スペーサを形成する工程においては、前記第1スペーサと前記第2スペーサとは、同一工程で形成される、請求項または10に記載の表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記スペーサを形成する工程の前に、前記第1電極のエッジを覆うエッジカバー層を形成する工程をさらに含み、
前記スペーサを形成する工程においては、前記第1スペーサ及び前記第2スペーサは、前記エッジカバー層上に設けられる、請求項から11の何れか1項に記載の表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記スペーサを形成する工程には、前記第1電極のエッジを覆うエッジカバー層を形成する工程がさらに含まれ、
前記エッジカバー層、前記第1スペーサ及び前記第2スペーサは、同一材料であり、
前記スペーサを形成する工程においては、前記エッジカバー層と、前記第1スペーサと、前記第2スペーサとは、同一工程で形成される、請求項から11の何れか1項に記載の表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記第2電極を形成する工程の後に、有機膜を含む封止層を形成する工程がさらに含まれ、
前記有機膜は、インクジェット法によって形成される、請求項から13の何れか1項に記載の表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記スペーサを形成する工程においては、前記第2スペーサの高さ/前記第1スペーサの高さの値が、0.2以上、0.75以下を満たすように、前記第1スペーサ及び前記第2スペーサを形成する、請求項に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置及び表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光素子を備えた様々な表示装置が開発されており、特に、OLED(Organic Light Emitting Diode:有機発光ダイオード)または、QLED(Quantum dot Light Emitting Diode:量子ドット発光ダイオード)を備えた表示装置は、低消費電力化、薄型化及び高画質化などを実現できる点から、高い注目を浴びている。
【0003】
OLEDまたは、QLEDを備えた表示装置の製造工程においては、各色のサブ画素毎に異なる蒸着膜を形成する際に使用するファインメタルマスク(Fine Metal Mask)や表示領域全体に同一蒸着膜を形成する際に使用するコモンメタルマスク(Common Metal Mask)などの蒸着マスクが一般的に使用されている。
【0004】
OLEDを備えた表示装置の製造工程の場合、例えば、赤色のサブ画素に赤色発光層を、緑色のサブ画素に緑色発光層を、青色のサブ画素に青色発光層を、異なる3つのファインメタルマスクを用いた蒸着法で形成する場合が多い。また、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層などの機能層の形成には、必要に応じて、ファインメタルマスク及びコモンメタルマスクの少なくとも一方が用いられ、透明金属酸化物からなる透明共通電極の形成には、コモンメタルマスクが用いられる場合が多い。
【0005】
上述したOLEDを備えた表示装置の製造工程と同様に、QLEDを備えた表示装置の製造工程の場合も、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層などの機能層の形成には、必要に応じて、ファインメタルマスク及びコモンメタルマスクの少なくとも一方が用いられ、透明金属酸化物からなる透明共通電極の形成には、コモンメタルマスクが用いられる場合が多い。
【0006】
したがって、ファインメタルマスクやコモンメタルマスクなどの蒸着マスクを、OLEDまたは、QLEDが設けられる基板から所定の高さに配置するためのスペーサが前記基板に設けられた構成が提案されている。
【0007】
しかし、上述した蒸着マスクとスペーサとが当接し、蒸着マスクとの接触によりスペーサが破損してしまい、スペーサから発生する異物により、表示装置の歩留まりが低下してしまうという問題があった。
【0008】
特許文献1においては、表示領域に、一定の第1の高さを有する複数の第1フォトスペーサを設け、前記表示領域の周辺の額縁領域に、前記複数の第1フォトスペーサより高さが高い一定の第2の高さを有する複数の第2フォトスペーサを設けた構成が開示されている。この構成によれば、前記蒸着マスクがファインメタルマスクである場合、ファインメタルマスクは、額縁領域に設けられた高さのより高い複数の第2フォトスペーサに先に当接した後、表示領域に設けられた高さのより低い複数の第1フォトスペーサと当接することになるので、ファインメタルマスクとの接触により表示領域に設けられた複数の第1フォトスペーサが破損するのを抑制でき、表示装置の歩留まりを向上できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】国際公開公報WO2020/039555 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
OLEDまたは、QLEDを備えた表示装置の製造工程においては、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層などの機能層や発光層を形成する材料が比較的高価であることから、上述したスペーサまでが形成された基板の段階で、欠陥などを検出する検査を行うのが一般的である。
【0011】
そして、このような欠陥などを検出する検査方法としては、より精密に行われる必要があることから、自動光学式検査(AOI(Automated Optical Inspection))を採用する必要性が高まっている。
【0012】
しかしながら、上述した特許文献1の構成の場合、表示領域に設けられた複数の第1フォトスペーサの高さは、前記表示領域の周辺の額縁領域に設けられた複数の第2フォトスペーサの高さよりは低いものの、表示領域においては、複数の第1フォトスペーサと蒸着マスクとが直接接するとともに、複数の第1フォトスペーサの高さによって、OLEDまたは、QLEDが設けられる基板と蒸着マスクとの間の距離が維持されるので、比較的高い必要がある。したがって、特許文献1の構成に自動光学式検査(AOI)を適用した場合、比較的高さが高い第1フォトスペーサが設けられた箇所の検査では正常と検出されるが、比較的高さが高い第1フォトスペーサが設けられていない箇所の検査では欠陥があると検出される。このように欠陥があると検出された箇所は、表示装置の設計上、第1フォトスペーサを形成しなかった箇所である可能性と、工程上の問題で第1フォトスペーサが形成されなかった箇所である可能性とがあるので、欠陥があると検出されたことが誤検出かどうかの判断ができないという問題がある。
【0013】
このような問題を解消するため、表示装置の設計上、第1フォトスペーサを設けたピッチ(間隔)と同一ピッチで自動光学式検査を行うことが考えられるが、表示装置の設計上、第1フォトスペーサを設けたピッチが比較的大きい場合、第1フォトスペーサのピッチより短いピッチで自動光学式検査をより精密に行うことができないという問題がある。
【0014】
より短いピッチで自動光学式検査をより精密に行うため、上述した第1フォトスペーサをより短いピッチで形成することも考えられるが、上述したように、全ての複数の第1フォトスペーサは蒸着マスクと直接接するので、蒸着マスクとの接触により異物の転写(蒸着材の転写)が発生する可能性が増加し、表示装置の歩留まりを低下させてしまう虞があるという問題がある。
【0015】
本開示の一態様は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、表示装置の歩留まりを低下させることなく、欠陥などを検出する自動光学式検査(AOI(Automated Optical Inspection))をより精密に行うことができる表示装置と、表示装置の製造方法とを提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本開示の表示装置は、前記の課題を解決するために、
基板と、
前記基板上に設けられた薄膜トランジスタ層と、
前記薄膜トランジスタ層上に、第1電極と、発光層を含む機能層と、第2電極とを、前記薄膜トランジスタ層側からこの順に備えた発光素子を含むサブ画素が複数個設けられた表示領域と、
前記表示領域において前記発光素子が設けられている領域以外に、一定方向に沿って一定の第1のピッチで設けられ、同一の高さを有する複数の第1スペーサと、
前記一定方向において隣接する2つの前記第1スペーサの間の前記発光素子が設けられている領域以外に設けられ、前記第1スペーサの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサと、を含み、
前記第1スペーサ及び前記第2スペーサを含む全てのスペーサの前記一定方向におけるピッチは、前記第1のピッチをn等分した一定の第2のピッチである。
【0017】
本開示の表示装置の製造方法は、前記の課題を解決するために、
基板上に薄膜トランジスタ層を形成する工程と、
前記薄膜トランジスタ層上に、第1電極を形成する工程と、
前記第1電極が設けられている領域以外を含む前記第1電極の端部より外側に、一定方向に沿って一定の第1のピッチで、同一の高さを有する複数の第1スペーサを形成するとともに、前記一定方向において隣接する2つの前記第1スペーサの間の前記第1電極が設けられている領域以外を含む前記第1電極の端部より外側に、前記第1スペーサの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサを形成し、前記第1スペーサ及び前記第2スペーサを含む全てのスペーサの前記一定方向におけるピッチを、前記第1のピッチをn等分した一定の第2のピッチとする、スペーサを形成する工程と、
前記第1スペーサと接するように、蒸着マスクを配置し、前記蒸着マスクを介して、所定形状に発光層を蒸着する、前記発光層を含む機能層を形成する工程と、
前記発光層を含む機能層上に第2電極を形成する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本開示の一態様は、表示装置の歩留まりを低下させることなく、欠陥などを検出する自動光学式検査(AOI(Automated Optical Inspection))をより精密に行うことができる表示装置と、表示装置の製造方法とを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態1の表示装置の概略的な構成を示す平面図である。
図2図1に示す実施形態1の表示装置の表示領域のA部分の概略的な構成を示す図である。
図3】実施形態1の表示装置に備えられた第1スペーサ及び第2スペーサを示す図である。
図4図2に示す実施形態1の表示装置の表示領域のB-B’線の断面図である。
図5】実施形態1の表示装置の製造工程を説明するための図である。
図6図5に示す実施形態1の表示装置の製造工程におけるエッジカバー層、第1スペーサ及び第2スペーサを形成する工程の一例を示す図である。
図7図5に示す実施形態1の表示装置の製造工程におけるエッジカバー層、第1スペーサ及び第2スペーサを形成する工程の他の一例を示す図である。
図8】第1スペーサのみを備えた比較例である表示装置の表示領域の概略的な構成を示す図である。
図9】第1スペーサのみを備えた他の比較例である表示装置の表示領域の概略的な構成を示す図である。
図10】実施形態1の表示装置において、第2スペーサの高さ/第1スペーサの高さの値と、相対異物転写量との関係を示す図である。
図11】第1スペーサのみを備えた比較例である図8に示す表示装置と、第1スペーサのみを備えた他の比較例である図9に示す表示装置と、第2スペーサの高さ/第1スペーサの高さの値が0.2、0.45及び0.75である実施形態1の表示装置とにおける相対異物転写量、高感度検査時の誤検出の有無及びインクジェット塗布性に関する特性を示す図である。
図12】実施形態2の表示装置の表示領域の概略的な構成を示す図である。
図13】実施形態3の表示装置の表示領域の概略的な構成を示す図である。
図14】実施形態4の表示装置の表示領域の概略的な構成を示す図である。
図15】実施形態5の表示装置の表示領域の概略的な構成を示す図である。
図16】実施形態6の表示装置の表示領域の概略的な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について、図1から図16に基づいて説明すれば、次の通りである。以下、説明の便宜上、特定の実施形態にて説明した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付記し、その説明を省略する場合がある。
【0021】
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1の表示装置1の概略的な構成を示す平面図である。
【0022】
図1に示すように、表示装置1は、表示領域DAと、表示領域DAの周囲に設けられた額縁領域NDAとを備えている。
【0023】
図2は、図1に示す実施形態1の表示装置1の表示領域DAのA部分の概略的な構成を示す図である。
【0024】
図2に示すように、表示装置1の表示領域DAには、複数の画素PIXが備えられており、各画素PIXは、それぞれ、赤色サブ画素RSPと、緑色サブ画素GSPと、青色サブ画素BSPとを含む。本実施形態においては、1画素PIXが、1つの赤色サブ画素RSPと、2つの緑色サブ画素GSPと、1つの青色サブ画素BSPとで構成される場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。例えば、1画素PIXは、一つの赤色サブ画素RSP、一つの緑色サブ画素GSPと、一つの青色サブ画素BSPとで構成されていてもよく、1画素PIXは、赤色サブ画素RSP、緑色サブ画素GSP及び青色サブ画素BSPの他に、さらに他の色のサブ画素を含んでいてもよい。なお、本実施形態においては、互いに隣接する、1つの赤色サブ画素RSPと、2つの緑色サブ画素GSPと、1つの青色サブ画素BSPとが、ダイアモンド形状の1画素PIXを構成する、すなわち、ダイアモンドペンタイル(Diamond Pentile)画素配列を有する場合を一例に挙げて説明するが、後述する実施形態3~6のように、画素配列はこれに限定されることはない。
【0025】
図3は、実施形態1の表示装置1に備えられた第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを示す図である。
【0026】
図4は、図2に示す実施形態1の表示装置1の表示領域DAのB-B’線の断面図である。
【0027】
図4に示すように、表示装置1の表示領域DAにおいては、基板12上に、バリア層3と、トランジスタTRを含む薄膜トランジスタ層4と、赤色発光素子5R、緑色発光素子5G、青色発光素子5B、エッジカバー層23、図3に示す後述する第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lと、封止層6と、機能フィルム39とが、基板12側からこの順に備えられている。
【0028】
表示装置1の表示領域DAに備えられた赤色サブ画素RSPは赤色発光素子5R(第1発光素子)を含み、表示装置1の表示領域DAに備えられた緑色サブ画素GSPは緑色発光素子5G(第2発光素子)を含み、表示装置1の表示領域DAに備えられた青色サブ画素BSPは青色発光素子5B(第3発光素子)を含む。赤色サブ画素RSPに含まれる赤色発光素子5Rは、第1電極22(アノード)と、赤色発光層を含む機能層24Rと、第2電極25(カソード)とを含み、緑色サブ画素GSPに含まれる緑色発光素子5Gは、第1電極22(アノード)と、緑色発光層を含む機能層24Gと、第2電極25(カソード)とを含み、青色サブ画素BSPに含まれる青色発光素子5Bは、第1電極22(アノード)と、青色発光層を含む機能層24Bと、第2電極25(カソード)とを含む。
【0029】
図4に示す基板12は、例えば、ポリイミドなどの樹脂材料からなる樹脂基板であってもよく、ガラス基板であってもよい。本実施形態においては、表示装置1を可撓性表示装置とするため、基板12として、ポリイミドなどの樹脂材料からなる樹脂基板を用いた場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。表示装置1を非可撓性表示装置とする場合には、基板12として、ガラス基板を用いることができる。
【0030】
図4に示すバリア層3は、水、酸素などの異物がトランジスタTR、赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bに侵入することを防ぐ層であり、例えば、CVD法により形成される、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、あるいは酸窒化シリコン膜、またはこれらの積層膜で構成することができる。
【0031】
図4に示すトランジスタTRを含む薄膜トランジスタ層4のトランジスタTR部分は、半導体膜SEM及びドープされた半導体膜SEM’・SEM’’と、無機絶縁膜16と、ゲート電極Gと、無機絶縁膜18と、無機絶縁膜20と、ソース電極S及びドレイン電極Dと、平坦化膜21とを含み、トランジスタTRを含む薄膜トランジスタ層4のトランジスタTR部分以外の部分は、無機絶縁膜16と、無機絶縁膜18と、無機絶縁膜20と、平坦化膜21とを含む。
【0032】
半導体膜SEM・SEM’・SEM’’は、例えば、低温ポリシリコン(LTPS)あるいは酸化物半導体(例えば、In-Ga-Zn-O系の半導体)で構成してもよい。本実施形態においては、トランジスタTRがトップゲート構造である場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、トランジスタTRは、ボトムゲート構造であってもよい。
【0033】
ゲート電極Gと、ソース電極S及びドレイン電極Dとは、例えば、アルミニウム、タングステン、モリブデン、タンタル、クロム、チタン、銅の少なくとも1つを含む金属の単層膜あるいは積層膜によって構成できる。
【0034】
無機絶縁膜16、無機絶縁膜18及び無機絶縁膜20は、例えば、CVD法によって形成された、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜または、これらの積層膜によって構成することができる。
【0035】
平坦化膜21は、例えば、ポリイミド、アクリルなどの塗布可能な有機材料によって構成することができる。
【0036】
赤色発光素子5Rは、平坦化膜21よりも上層の第1電極22(アノード)と、赤色発光層を含む機能層24Rと、第2電極25(カソード)とを含み、緑色発光素子5Gは、平坦化膜21よりも上層の第1電極22(アノード)と、緑色発光層を含む機能層24Gと、第2電極25(カソード)とを含み、青色発光素子5Bは、平坦化膜21よりも上層の第1電極22(アノード)と、青色発光層を含む機能層24Bと、第2電極25(カソード)とを含む。なお、第1電極22(アノード)のエッジを覆う絶縁性のエッジカバー層23は、例えば、ポリイミドまたはアクリルなどの有機材料を塗布した後にフォトリソグラフィー法によってパターニングすることで形成できる。
【0037】
赤色発光層を含む機能層24Rは、例えば、第1電極22(アノード)側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、赤色発光層、電子輸送層及び電子注入層を積層することで構成することができる。赤色発光層を含む機能層24Rのうち、赤色発光層以外の1層以上を適宜省いてもよい。
【0038】
緑色発光層を含む機能層24Gは、例えば、第1電極22(アノード)側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、緑色発光層、電子輸送層及び電子注入層を積層することで構成することができる。緑色発光層を含む機能層24Gのうち、緑色発光層以外の1層以上を適宜省いてもよい。
【0039】
青色発光層を含む機能層24Bは、例えば、第1電極22(アノード)側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、青色発光層、電子輸送層及び電子注入層を積層することで構成することができる。青色発光層を含む機能層24Bのうち、青色発光層以外の1層以上を適宜省いてもよい。
【0040】
また、本実施形態においては、赤色発光層を含む機能層24R、緑色発光層を含む機能層24G及び青色発光層を含む機能層24Bのそれぞれが、同一材料を用いて同一工程で形成された正孔注入層と、同一材料を用いて同一工程で形成された正孔輸送層と、同一材料を用いて同一工程で形成された電子輸送層と、同一材料を用いて同一工程で形成された電子注入層とを備えている場合を一例に挙げて説明するがこれに限定されることはない。例えば、各機能層24R・24G・24Bに含まれるそれぞれの正孔注入層を、互いに異なる材料で形成してもよく、例えば、機能層24R・24G・24Bのうちの2つの機能層のそれぞれに含まれる正孔注入層は同一材料を用いて同一工程で形成し、残りの1つの機能層に含まれる正孔注入層のみを異なる材料を用いて別工程で形成してもよい。また、例えば、各機能層24R・24G・24Bに含まれるそれぞれの正孔輸送層を、互いに異なる材料で形成してもよく、例えば、機能層24R・24G・24Bのうちの2つの機能層のそれぞれに含まれる正孔輸送層は同一材料を用いて同一工程で形成し、残りの1つの機能層に含まれる正孔輸送層のみを異なる材料を用いて別工程で形成してもよい。また、例えば、各機能層24R・24G・24Bに含まれるそれぞれの電子輸送層を、互いに異なる材料で形成してもよく、例えば、機能層24R・24G・24Bのうちの2つの機能層のそれぞれに含まれる電子輸送層は同一材料を用いて同一工程で形成し、残りの1つの機能層に含まれる電子輸送層のみを異なる材料を用いて別工程で形成してもよい。さらに、例えば、各機能層24R・24G・24Bに含まれるそれぞれの電子注入層を、互いに異なる材料で形成してもよく、例えば、機能層24R・24G・24Bのうちの2つの機能層のそれぞれに含まれる電子注入層は同一材料を用いて同一工程で形成し、残りの1つの機能層に含まれる電子注入層のみを異なる材料を用いて別工程で形成してもよい。
【0041】
本実施形態においては、赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bは、OLED(有機発光ダイオード)である場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bは、QLED(量子ドット発光ダイオード)であってもよく、さらには、赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bの一部がOLEDで、赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bの残りの一部がQLEDであってもよい。なお、赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bが、OLEDである場合には、各色の発光素子が備えている発光層は、例えば、蒸着法によって形成された有機発光層であり、赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bが、QLEDである場合には、各色の発光素子が備えている発光層は、例えば、塗布法またはインクジェット法で形成された量子ドットを含む発光層である。
【0042】
赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bのそれぞれを制御するトランジスタTRを含む制御回路が、赤色サブ画素RSP、緑色サブ画素GSP及び青色サブ画素BSPごとにトランジスタTRを含む薄膜トランジスタ層4に設けられている。なお、赤色サブ画素RSP、緑色サブ画素GSP及び青色サブ画素BSPごとに設けられているトランジスタTRを含む制御回路と発光素子とを合わせてサブ画素回路ともいう。
【0043】
図4に示す赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bは、トップエミッション型であっても、ボトムエミッション型であってもよい。赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bは、基板12側から、第1電極22(アノード)と、機能層24R・24G・24Bと、第2電極25(カソード)とが、この順に形成された順積構造を有するので、第1電極22(アノード)より第2電極25(カソード)が上層として配置されるので、トップエミッション型にするためには、第1電極22(アノード)は可視光を反射する電極材料で形成し、第2電極25(カソード)は可視光を透過する電極材料で形成すればよく、ボトムエミッション型にするためには、第1電極22(アノード)は可視光を透過する電極材料で形成し、第2電極25(カソード)は可視光を反射する電極材料で形成すればよい。一方、赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bが、基板12側から、第1電極22(カソード)と、機能層24R・24G・24Bと、第2電極25(アノード)とが、この順に形成された逆積構造を有する場合には、第1電極22(カソード)より第2電極25(アノード)が上層として配置されるので、トップエミッション型にするためには、第1電極22(カソード)は可視光を反射する電極材料で形成し、第2電極25(アノード)は可視光を透過する電極材料で形成すればよく、ボトムエミッション型にするためには、第2電極25(アノード)は可視光を反射する電極材料で形成し、第1電極22(カソード)は可視光を透過する電極材料で形成すればよい。
【0044】
可視光を反射する電極材料としては、可視光を反射でき、導電性を有するのであれば、特に限定されないが、例えば、Al、Mg、Li、Agなどの金属材料または、前記金属材料の合金または、前記金属材料と透明金属酸化物(例えば、indium tin oxide、indium zinc oxide、indium gallium zinc oxideなど)との積層体または、前記合金と前記透明金属酸化物との積層体などを挙げることができる。
【0045】
一方、可視光を透過する電極材料としては、可視光を透過でき、導電性を有するのであれば、特に限定されないが、例えば、透明金属酸化物(例えば、indium tin oxide、indium zinc oxide、indium gallium zinc oxideなど)または、Al、Mg、Li、Agなどの金属材料からなる薄膜などを挙げることができる。
【0046】
第1電極22及び第2電極25の成膜方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、EB蒸着法、イオンプレーティング法などの物理的蒸着(PVD)法、あるいは、化学的蒸着(CVD)法などを挙げることができる。また、第1電極22及び第2電極25のパターニング方法としては、所望のパターンに精度よく形成することができる方法であれば特に限定されるものではないが、具体的にはフォトリソグラフィー法やインクジェット法などを挙げることができる。
【0047】
図4に示す封止層6は透光性膜であり、例えば、第2電極25を覆う無機封止膜26と、無機封止膜26よりも上層の有機膜27と、有機膜27よりも上層の無機封止膜28とで構成することができる。封止層6は、水、酸素などの異物の赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bへの浸透を防いでいる。
【0048】
無機封止膜26及び無機封止膜28はそれぞれ無機膜であり、例えば、CVD法により形成される、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、あるいは酸窒化シリコン膜、またはこれらの積層膜で構成することができる。有機膜27は、平坦化効果のある透光性有機膜であり、例えば、アクリルなどの塗布可能な有機材料によって構成することができる。有機膜27は、例えばインクジェット法によって形成してもよい。本実施形態においては、封止層6を、2層の無機膜と2層の無機膜の間に設けられた1層の有機膜とで形成した場合を一例に挙げて説明したが、2層の無機膜と1層の有機膜の積層順はこれに限定されることはない。さらに、封止層6は、無機膜のみで構成されてもよく、有機膜のみで構成されてもよく、1層の無機膜と2層の有機膜とで構成されてもよく、2層以上の無機膜と2層以上の有機膜とで構成されてもよい。
【0049】
図4に示す機能フィルム39は、例えば、光学補償機能、タッチセンサ機能、保護機能の少なくとも1つを有するフィルムである。
【0050】
以下、図2図3及び図4に基づき、表示装置1の表示領域DAに設けられた第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lについて説明する。
【0051】
図2図3及び図4に示すように、表示装置1の表示領域DAにおいて、赤色発光素子5R(第1電極22と機能層24Rと第2電極25とが重畳する部分)、緑色発光素子5G(第1電極22と機能層24Gと第2電極25とが重畳する部分)及び青色発光素子5B(第1電極22と機能層24Bと第2電極25とが重畳する部分)が設けられている領域以外に、図2の左右方向である第1方向D1に沿って一定の第1のピッチP1で、同一の高さを有する複数の第1スペーサ30Hが設けられている。
【0052】
また、図2の左右方向である第1方向D1において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間の赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bが設けられている領域以外に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサ30Lが設けられている。本実施形態においては、前記nが4であり、図2の左右方向である第1方向D1において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有する3個の第2スペーサ30Lが設けられている場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。例えば、図2の左右方向である第1方向D1において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有する1個の第2スペーサ30Lが設けられていてもよい。
【0053】
図2に示すように、表示装置1の表示領域DAにおいて、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを含む全てのスペーサの図中の左右方向である第1方向D1におけるピッチは、第1のピッチP1をn等分した一定の第2のピッチP2となる。
【0054】
表示装置1の表示領域DAにおいては、より短いピッチで自動光学式検査(AOI)をより精密に行うため、図2の左右方向である第1方向D1において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサ30Lを設けている。したがって、図2の左右方向である第1方向D1において第1のピッチP1の1/nであるより短い第2のピッチP2で自動光学式検査(AOI)を行っても、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lが設けられている箇所では、欠陥があると検出されない。これは、第1スペーサ30Hが設けられた箇所及び第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有する第2スペーサ30Lが設けられた箇所の何れにおいても、自動光学式検査(AOI)の結果は、正常と検出されるからである。
【0055】
また、図4に示すように、表示装置1の表示領域DAにおいては、エッジカバー層23上に設けられた第2スペーサ30Lの高さLLは、エッジカバー層23上に設けられた第1スペーサ30Hの高さHHよりも低いので、蒸着マスクと直接接するのは第1スペーサ30Hのみであり、第2スペーサ30Lは蒸着マスクと直接接することはない。したがって、表示装置1の場合、図2の左右方向である第1方向D1において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第2スペーサ30Lを設け、より短いピッチで自動光学式検査(AOI)をより精密に行うことができるにも関わらず、蒸着マスクとの接触により異物の転写(蒸着材の転写)が発生する可能性が増加しない。
【0056】
すなわち、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層は、ファインメタルマスクである蒸着マスクを用いて蒸着法で形成できる。表示装置1は、スペーサとして、同一の高さを有する複数の第1スペーサ30Hと、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有する第2スペーサ30Lとを含む。したがって、前記蒸着マスクは、高さがより高い第1スペーサ30Hとは接触するが、高さがより低い第2スペーサ30Lとは接触しない。よって、前記蒸着マスクがスペーサと接触する面積を減らすことができ、第2スペーサ30Lに形成された異物、例えば、蒸着材料などが前記蒸着マスクに転写されるのを抑制できる。
【0057】
以上のように、表示装置1によれば、蒸着マスクとの接触により異物の転写(蒸着材の転写)の発生による表示装置1の歩留まりを低下させることなく、欠陥などを検出する自動光学式検査(AOI)をより精密に行うことができる。
【0058】
なお、本実施形態においては、第2のピッチP2が175μm以下となるようにし、自動光学式検査(AOI)の検査ピッチを、175μm以下で設定することができるようにしたが、これに限定されることはない。
【0059】
また、図2に示すように、表示装置1の表示領域DAにおいては、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを含む全てのスペーサのうちの図2の左右方向である第1方向D1において隣接する2つのスペーサ間には、1つの緑色サブ画素GSPが配置されている。したがって、自動光学式検査(AOI)の検査ピッチを、1サブ画素レベルで設定することができるので、精密な自動光学式検査(AOI)を行うことができる。
【0060】
本実施形態においては、図4に示すように、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lが、赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bが設けられている領域以外であるエッジカバー層23上に設けられている場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはない。エッジカバー層23を備えていない表示装置などの場合には、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lは、赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bが設けられている領域以外であれば、例えば、隣接する第1電極間に設けられていてもよい。
【0061】
なお、第1スペーサ30Hと第2スペーサ30Lとは、異なる材料を用いて異なる工程で形成してもよいが、同一材料を用いて同一工程または異なる工程で形成してもよい。本実施形態においては、第1スペーサ30Hと第2スペーサ30Lとを同一材料で形成している場合について説明するが、これに限定されることはない。第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを形成する材料としては、例えば、エッジカバー層23を形成する材料を用いてもよく、例えば、ポリイミドまたはアクリルなどの有機材料を塗布した後にフォトリソグラフィー法によってパターニングすることで形成できる。本実施形態においては、エッジカバー層23を感光性ポリイミド材料で形成し、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを感光性アクリル材料で形成したが、これに限定されることはない。
【0062】
本実施形態のように、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを同一材料で形成する場合、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを同一工程で形成することができるとともに、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lの膜厚毎の透過率特性も同じであるので、第1スペーサ30Hの膜厚及び第2スペーサ30Lの膜厚の設計が容易になる。
【0063】
また、例えば、第1スペーサ30H、第2スペーサ30L及びエッジカバー層23を同一材料で形成してもよい。この場合、第1スペーサ30H、第2スペーサ30L及びエッジカバー層23を、感光性ポリイミド材料または、感光性アクリル材料で形成することができる。第1スペーサ30H、第2スペーサ30L及びエッジカバー層23を同一材料で形成する場合、第1スペーサ30H、第2スペーサ30L及びエッジカバー層23を同一工程で形成することができるとともに、第1スペーサ30H、第2スペーサ30L及びエッジカバー層23の膜厚毎の透過率特性も同じであるので、第1スペーサ30H、第2スペーサ30L及びエッジカバー層23の膜厚の設計が容易になる。
【0064】
なお、第1スペーサ30Hと第2スペーサ30Lは、図1に示す表示領域DAの周囲に設けられた額縁領域NDAにも、図2に示す表示領域DAと同様に設けられていることが好ましい。すなわち、表示装置1の額縁領域NDAにおいても、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを含む全てのスペーサの図2の左右方向である第1方向D1におけるピッチは、第1方向D1における隣接する第1スペーサ30H間の第1のピッチP1をn等分した一定の第2のピッチP2となるにすることが好ましい。このような構成とすることで、ファインメタルマスクのみでなく、コモンメタルマスクも基板から所定の高さに配置することができる。また、額縁領域NDAについても表示領域DAと同様に、蒸着マスクとの接触により異物の転写(蒸着材の転写)の発生による表示装置1の歩留まりを低下させることなく、欠陥などを検出する自動光学式検査(AOI)をより精密に行うことができる。本実施形態においては、図示してないが、第1スペーサ30Hと第2スペーサ30Lは、図1に示す表示領域DAの周囲に設けられた額縁領域NDAにも、図2に示す表示領域DAと同様に設けられている。
【0065】
図4に示すように、表示装置1の表示領域DA上には、有機膜27を含む封止層6が設けられている。
【0066】
封止層6に含まれる有機膜27は、例えば、インクジェット法を用いて、塗布して形成することができるが、表示装置1の表示領域DAには、第1スペーサ30Hと、第1スペーサ30Hより高さが低い第2スペーサ30Lとが設けられているので、インクジェット法を用いて有機膜27を塗布する際に、高さが低い第2スペーサ30Lを介して、有機膜27が拡がりやすいので、有機膜27の塗布性を向上できる。
【0067】
図5は、実施形態1の表示装置1の製造工程を説明するための図である。
【0068】
図5に示すように、実施形態1の表示装置1の製造工程は、基板(12)上にバリア層3及び薄膜トランジスタ層4を形成する工程(S1工程)と、薄膜トランジスタ層4上に、第1電極22を形成する工程(S2工程)と、第1電極22のエッジを覆う絶縁性のエッジカバー層23、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを形成する工程(S3工程)と、光学式検査を行う工程(S4工程)と、赤色発光層を含む機能層24R、緑色発光層を含む機能層24G及び青色発光層を含む機能層24Bを形成する工程(S5工程)と、第2電極25を形成する工程(S6工程)と、封止層6を形成する工程(S7工程)と、機能フィルム39を形成する工程(S8工程)とを含む。
【0069】
エッジカバー層23、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを形成する工程(S3工程)においては、図2図3及び図4に基づいて、上述したように、第1電極22が設けられている領域以外を含む第1電極22の端部より外側に、図2の左右方向である第1方向D1に沿って一定の第1のピッチP1で、同一の高さを有する複数の第1スペーサ30Hを形成するとともに、第1方向D1において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間の第1電極22が設けられている領域以外を含む第1電極22の端部より外側に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサ30Lを形成し、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを含む全てのスペーサ30H・30Lの第1方向D1におけるピッチを、第1のピッチP1をn等分した一定の第2のピッチP2とするスペーサ30H・30Lを形成した。さらに、第1電極22のエッジを覆う絶縁性のエッジカバー層23を、スペーサ30H・30Lを形成する前または、スペーサ30H・30Lを形成する際に形成することができる。本実施形態においては、エッジカバー層23をスペーサ30H・30Lを形成する前に形成し、エッジカバー層23上に、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを形成した。
【0070】
光学式検査を行う工程(S4工程)においては、検査ピッチを第2のピッチP2で行うことができる。なお、光学式検査を行う工程(S4工程)は、エッジカバー層23、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを形成する工程(S3工程)と、赤色発光層を含む機能層24R、緑色発光層を含む機能層24G及び青色発光層を含む機能層24Bを形成する工程(S5工程)との間に行われる。
【0071】
赤色発光層を含む機能層24R、緑色発光層を含む機能層24G及び青色発光層を含む機能層24Bを形成する工程(S5工程)においては、少なくとも、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層を形成する工程では、3つの異なるファインメタルマスクである蒸着マスクを使用することとなる。
【0072】
赤色発光層を形成する工程においては、第1スペーサ30Hと接するように、ファインメタルマスクである赤色発光層形成用の蒸着マスクを配置し、前記赤色発光層形成用の蒸着マスクを介して、赤色サブ画素RSPに該当する箇所に赤色発光層を蒸着する。
【0073】
緑色発光層を形成する工程においては、第1スペーサ30Hと接するように、ファインメタルマスクである緑色発光層形成用の蒸着マスクを配置し、前記緑色発光層形成用の蒸着マスクを介して、緑色サブ画素GSPに該当する箇所に緑色発光層を蒸着する。
【0074】
青色発光層を形成する工程においては、第1スペーサ30Hと接するように、ファインメタルマスクである青色発光層形成用の蒸着マスクを配置し、前記青色発光層形成用の蒸着マスクを介して、青色サブ画素BSPに該当する箇所に青色発光層を蒸着する。
【0075】
なお、赤色発光層を含む機能層24R、緑色発光層を含む機能層24G及び青色発光層を含む機能層24Bを形成する工程(S5工程)においては、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層を形成する工程以外の正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層を形成する工程では、必要に応じて、ファインメタルマスク及びコモンメタルマスクの少なくとも一方が用いられる。
【0076】
また、第2電極25を形成する工程(S6工程)においては、コモンメタルマスクである第2電極形成用の蒸着マスクが用いられる。
【0077】
上述したS5工程において、ファインメタルマスクが用いられる場合には、前記ファインメタルマスクは、第1スペーサ30Hと接するように配置される。
【0078】
一方、上述したS5工程及びS6工程において、コモンメタルマスクが用いられる場合には、表示装置1においては、表示領域DAの周囲に設けられた額縁領域NDAにも、第1スペーサ30Hと第2スペーサ30Lが、表示領域DAと同様に設けられているので、前記コモンメタルマスクは、額縁領域NDAの第1スペーサ30Hと接するように配置される。
【0079】
封止層6を形成する工程(S7工程)においては、表示装置1の表示領域DA上に、有機膜27を含む封止層6を設ける。封止層6に含まれる有機膜27は、例えば、インクジェット法によって形成することができる。表示装置1の場合、表示領域DAには、第1スペーサ30Hと、第1スペーサ30Hより高さが低い第2スペーサ30Lとが設けられているので、インクジェット法を用いて有機膜27を塗布する際に、高さが低い第2スペーサ30Lを介して、有機膜27が拡がりやすいので、有機膜27の塗布性を向上できる。
【0080】
図6は、図5に示す実施形態1の表示装置1の製造工程におけるエッジカバー層23、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを形成する工程の一例を示す図である。
【0081】
図6に示すように、エッジカバー層23を形成する第1感光性樹脂を塗布する工程(S11工程)においては、例えば、第1感光性樹脂として、感光性ポリイミド材料を用いることができる。その後、塗布された第1感光性樹脂をパターニングしてエッジカバー層23を形成する工程(S12工程)では、前記塗布された感光性ポリイミド材料を露光及び現像することで、所定形状にパターニングすることができる。そして、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを形成する第2感光性樹脂を塗布する工程(S13工程)においては、例えば、第2感光性樹脂として、感光性アクリル材料を用いることができる。それから、塗布された第2感光性樹脂をグレイトーンマスク(ハーフトーンマスク)を用いて露光する工程(S14工程)と、現像により、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを形成する工程(S15工程)と、熱処理する工程(S16工程)とにより、エッジカバー層23とは異なる材料で形成された第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを、所定の位置、本実施形態においては、エッジカバー層23上に、所定の高さで形成することができる。
【0082】
図6においては、エッジカバー層23と、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lとが、異なる工程で、異なる材料によって形成される場合について説明したが、以下の図7では、エッジカバー層23と、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lとが、同一工程で、同一材料によって形成される場合について説明する。
【0083】
図7は、図5に示す実施形態1の表示装置1の製造工程におけるエッジカバー層23、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを形成する工程の他の一例を示す図である。
【0084】
図7に示すように、エッジカバー層23、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを形成する第3感光性樹脂を塗布する工程(S21工程)においては、例えば、第3感光性樹脂として、感光性ポリイミド材料または感光性アクリル材料を用いることができる。その後、塗布された第3感光性樹脂をグレイトーンマスク(ハーフトーンマスク)を用いて露光する工程(S22工程)と、現像により、エッジカバー層23、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを形成する工程(S23工程)と、熱処理する工程(S24工程)とにより、エッジカバー層23と同一材料で形成された第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを、所定の位置、本実施形態においては、エッジカバー層23上に、所定の高さで形成することができる。なお、エッジカバー層23と第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lとは、同一工程により同時に形成される。
【0085】
以下、図8図9図10及び図11に基づき、(第2スペーサ30Lの高さ/第1スペーサ30Hの高さ)の好ましい値について説明する。
【0086】
図8は、第1スペーサ30Hのみを備えた比較例である表示装置100の表示領域DAの概略的な構成を示す図である。
【0087】
図8に示すように、比較例である表示装置100においては、図8の左右方向である第1方向D1に沿って一定の第1のピッチP1で、同一の高さを有する複数の第1スペーサ30Hが設けられている。したがって、自動光学式検査(AOI)を第1方向D1に沿って第1のピッチP1より短いピッチで行った場合、第1スペーサ30Hが設けられていない箇所の検査では欠陥があると検出されるので、自動光学式検査(AOI)を第1方向D1に沿って第1のピッチP1より短いピッチで行うことができない。
【0088】
また、図8に示すように、比較例である表示装置100においては、図8の上下方向である第2方向D2に沿って一定の第3のピッチP3で、同一の高さを有する複数の第1スペーサ30Hが設けられている。したがって、自動光学式検査(AOI)を第2方向D2に沿って第3のピッチP3より短いピッチで行った場合、第1スペーサ30Hが設けられていない箇所の検査では欠陥があると検出されるので、自動光学式検査(AOI)を第2方向D2に沿って第3のピッチP3より短いピッチで行うことができない。
【0089】
図9は、第1スペーサ30Hのみを備えた他の比較例である表示装置200の表示領域DAの概略的な構成を示す図である。
【0090】
図9に示すように、比較例である表示装置200においては、図9の左右方向である第1方向D1に沿って一定の第1のピッチP1で、同一の高さを有する複数の第1スペーサ30Hが設けられている。したがって、自動光学式検査(AOI)を第1方向D1に沿って比較的短い第1のピッチP1で行うことができる。同様に、比較例である表示装置200においては、図9の上下方向である第2方向D2に沿って一定の第3のピッチP3で、同一の高さを有する複数の第1スペーサ30Hが設けられている。したがって、自動光学式検査(AOI)を第2方向D2に沿って比較的短い第3のピッチP3で行うことができる。しかしながら、図9に示す表示装置200の場合、同一の高さを有する複数の第1スペーサ30H全てが蒸着マスクと接触するので、異物の転写(蒸着材の転写)の発生により表示装置200の歩留まりを低下させてしまう。
【0091】
図10は、実施形態1の表示装置1・1’・1’’において、(第2スペーサ30Lの高さLL/第1スペーサ30Hの高さHH)の値と、相対異物転写量との関係を示す図である。
【0092】
図10に示すように、(第2スペーサ30Lの高さLL/第1スペーサ30Hの高さHH)の値が0以上、0.75以下の場合、すなわち、第2スペーサ30Lの高さLLが第1スペーサ30Hの高さHHの75%以下である場合には、相対異物転写量が36%以下と良好である。しかし、(第2スペーサ30Lの高さLL/第1スペーサ30Hの高さHH)の値が0.76以上の場合、すなわち、第2スペーサ30Lの高さLLが第1スペーサ30Hの高さHHの76%以上である場合には、相対異物転写量が著しく増加することが確認できる。
【0093】
図11は、第1スペーサ30Hのみを備えた比較例である図8に示す表示装置100と、第1スペーサ30Hのみを備えた他の比較例である図9に示す表示装置200と、第2スペーサの高さ/第1スペーサの高さの値が0.2、0.45及び0.75である実施形態1の表示装置1・1’・1’’とにおける相対異物転写量、高感度検査時の誤検出の有無及びインクジェット塗布性に関する特性を示す図である。
【0094】
なお、図11における◎は、IJ塗布性(インクジェット塗布性)が大変良好であることを示し、図11における○は、IJ塗布性(インクジェット塗布性)が良好であることを示し、図11における×は、IJ塗布性(インクジェット塗布性)が悪いことを示している。
【0095】
図11に示すように、第1スペーサ30Hのみを備えた比較例である図8に示す表示装置100の場合、第1のピッチP1が比較的大きいことから、IJ塗布性は大変良好であるが、第1のピッチP1より短いピッチで自動光学式検査(AOI)を行った場合、第1スペーサ30Hが設けられていない箇所の検査では欠陥があると検出(誤検出)される。第1スペーサ30Hのみを備えた他の比較例である図9に示す表示装置200の場合、第1のピッチP1が比較的小さいことから、比較的小さいピッチである第1のピッチP1で自動光学式検査(AOI)を行った場合、誤検出は生じないが、高さの高い第1スペーサ30Hのみが比較的小さいピッチである第1のピッチP1で形成されているのでIJ塗布性が悪い。
【0096】
一方、(第2スペーサ30Lの高さLL/第1スペーサ30Hの高さHH)の値が0.2である表示装置1、(第2スペーサ30Lの高さLL/第1スペーサ30Hの高さHH)の値が0.45である表示装置1’及び(第2スペーサ30Lの高さLL/第1スペーサ30Hの高さHH)の値が0.75である表示装置1’’の何れにおいても、第1のピッチP1より短い第2のピッチP2で自動光学式検査(AOI)を行っても誤検出は生じず、IJ塗布性は良好であった。なお、IJ塗布性に関しては、(第2スペーサ30Lの高さLL/第1スペーサ30Hの高さHH)の値が0.2である表示装置1が最も良好であり、(第2スペーサ30Lの高さLL/第1スペーサ30Hの高さHH)の値が0.45である表示装置1’が(第2スペーサ30Lの高さLL/第1スペーサ30Hの高さHH)の値が0.75である表示装置1’’より良好である。
【0097】
以上から、(第2スペーサ30Lの高さLL/第1スペーサ30Hの高さHH)の値は、0.2以上、0.75以下であることが好ましい。
【0098】
上記構成によれば、第2スペーサ30Lの高さLLを第1スペーサ30Hの高さHHの20%以上とすることで、自動光学式検査(AOI)において第2スペーサ30Lが誤検出されるのを抑制できる。さらに、スペーサとして、同一の高さを有する複数の第1スペーサ30Hと、第1スペーサ30Hの高さHHの20%以上、75%以下の高さを有する第2スペーサ30Lとを含むことで、封止層6に含まれる有機膜27をインクジェット法を用いて形成する場合、有機膜27の塗布性を向上させることができる。
【0099】
〔実施形態2〕
次に、図12に基づき、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態の表示装置50においては、第2方向D2において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサ30Lを設けている点において、上述した実施形態1とは異なる。その他については実施形態1において説明したとおりである。説明の便宜上、実施形態1の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0100】
図12は、実施形態2の表示装置50の表示領域DAの概略的な構成を示す図である。
【0101】
図12に示すように、表示装置50の表示領域DAにおいて、赤色発光素子5R(第1電極22と機能層24Rと第2電極25とが重畳する部分)、緑色発光素子5G(第1電極22と機能層24Gと第2電極25とが重畳する部分)及び青色発光素子5B(第1電極22と機能層24Bと第2電極25とが重畳する部分)が設けられている領域以外に、図12の上下方向である第2方向D2に沿って一定の第1のピッチP3で、同一の高さを有する複数の第1スペーサ30Hが設けられている。
【0102】
また、図12の上下方向である第2方向D2において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間の赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bが設けられている領域以外に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサ30Lが設けられている。本実施形態においては、前記nが2であり、図12の上下方向である第2方向D2において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有する1個の第2スペーサ30Lが設けられている場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。
【0103】
図12に示すように、表示装置50の表示領域DAにおいて、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを含む全てのスペーサの図中の上下方向である第2方向D2におけるピッチは、第1のピッチP3をn等分した一定の第2のピッチP4となる。
【0104】
表示装置50の表示領域DAにおいては、より短いピッチで自動光学式検査(AOI)をより精密に行うため、図12の上下方向である第2方向D2において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサ30Lを設けている。したがって、図12の上下方向である第2方向D2において第1のピッチP3の1/nであるより短い第2のピッチP4で自動光学式検査(AOI)を行っても、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lが設けられている箇所では、欠陥があると検出されない。
【0105】
表示装置50の場合、図12の上下方向である第2方向D2において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第2スペーサ30Lを設け、より短いピッチで自動光学式検査(AOI)をより精密に行うことができるにも関わらず、蒸着マスクとの接触により異物の転写(蒸着材の転写)が発生する可能性が増加しない。
【0106】
以上のように、表示装置50によれば、蒸着マスクとの接触により異物の転写(蒸着材の転写)の発生による表示装置50の歩留まりを低下させることなく、欠陥などを検出する自動光学式検査(AOI)をより精密に行うことができる。
【0107】
〔実施形態3〕
次に、図13に基づき、本発明の実施形態3について説明する。本実施形態の表示装置51においては、1画素PIXが、長方形である一つの赤色サブ画素RSPと、長方形である一つの緑色サブ画素GSPと、長方形である一つの青色サブ画素BSPとで構成されている点において、上述した実施形態1及び2とは異なる。その他については実施形態1及び2において説明したとおりである。説明の便宜上、実施形態1及び2の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0108】
図13は、実施形態3の表示装置51の表示領域DAの概略的な構成を示す図である。
【0109】
図13に示すように、表示装置51の表示領域DAにおいて、赤色発光素子5R(第1電極22と機能層24Rと第2電極25とが重畳する部分)、緑色発光素子5G(第1電極22と機能層24Gと第2電極25とが重畳する部分)及び青色発光素子5B(第1電極22と機能層24Bと第2電極25とが重畳する部分)が設けられている領域以外に、図13の左右方向である第1方向D1に沿って一定の第1のピッチP1で、同一の高さを有する複数の第1スペーサ30Hが設けられている。
【0110】
また、図13の左右方向である第1方向D1において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間の赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bが設けられている領域以外に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサ30Lが設けられている。本実施形態においては、前記nが3であり、図13の左右方向である第1方向D1において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有する2個の第2スペーサ30Lが設けられている場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。
【0111】
図13に示すように、表示装置51の表示領域DAにおいて、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを含む全てのスペーサの図中の左右方向である第1方向D1におけるピッチは、第1のピッチP1をn等分した一定の第2のピッチP2となる。
【0112】
表示装置51の表示領域DAにおいては、より短いピッチで自動光学式検査(AOI)をより精密に行うため、図13の左右方向である第1方向D1において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサ30Lを設けている。したがって、図13の左右方向である第1方向D1において第1のピッチP1の1/nであるより短い第2のピッチP2で自動光学式検査(AOI)を行っても、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lが設けられている箇所では、欠陥があると検出されない。
【0113】
表示装置51の場合、図13の左右方向である第1方向D1において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第2スペーサ30Lを設け、より短いピッチで自動光学式検査(AOI)をより精密に行うことができるにも関わらず、蒸着マスクとの接触により異物の転写(蒸着材の転写)が発生する可能性が増加しない。
【0114】
以上のように、表示装置51によれば、蒸着マスクとの接触により異物の転写(蒸着材の転写)の発生による表示装置51の歩留まりを低下させることなく、欠陥などを検出する自動光学式検査(AOI)をより精密に行うことができる。
【0115】
〔実施形態4〕
次に、図14に基づき、本発明の実施形態4について説明する。本実施形態の表示装置52においては、第2方向D2において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサ30Lを設けている点において、上述した実施形態3とは異なる。その他については実施形態3において説明したとおりである。説明の便宜上、実施形態3の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0116】
図14は、実施形態4の表示装置52の表示領域DAの概略的な構成を示す図である。
【0117】
図14に示すように、表示装置52の表示領域DAにおいて、赤色発光素子5R(第1電極22と機能層24Rと第2電極25とが重畳する部分)、緑色発光素子5G(第1電極22と機能層24Gと第2電極25とが重畳する部分)及び青色発光素子5B(第1電極22と機能層24Bと第2電極25とが重畳する部分)が設けられている領域以外に、図14の上下方向である第2方向D2に沿って一定の第1のピッチP3で、同一の高さを有する複数の第1スペーサ30Hが設けられている。
【0118】
また、図14の上下方向である第2方向D2において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間の赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bが設けられている領域以外に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサ30Lが設けられている。本実施形態においては、前記nが2であり、図14の上下方向である第2方向D2において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有する1個の第2スペーサ30Lが設けられている場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。
【0119】
図14に示すように、表示装置52の表示領域DAにおいて、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを含む全てのスペーサの図中の上下方向である第2方向D2におけるピッチは、第1のピッチP3をn等分した一定の第2のピッチP4となる。
【0120】
表示装置52の表示領域DAにおいては、より短いピッチで自動光学式検査(AOI)をより精密に行うため、図14の上下方向である第2方向D2において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサ30Lを設けている。したがって、図14の上下方向である第2方向D2において第1のピッチP3の1/nであるより短い第2のピッチP4で自動光学式検査(AOI)を行っても、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lが設けられている箇所では、欠陥があると検出されない。
【0121】
表示装置52の場合、図14の上下方向である第2方向D2において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第2スペーサ30Lを設け、より短いピッチで自動光学式検査(AOI)をより精密に行うことができるにも関わらず、蒸着マスクとの接触により異物の転写(蒸着材の転写)が発生する可能性が増加しない。
【0122】
以上のように、表示装置52によれば、蒸着マスクとの接触により異物の転写(蒸着材の転写)の発生による表示装置52の歩留まりを低下させることなく、欠陥などを検出する自動光学式検査(AOI)をより精密に行うことができる。
【0123】
〔実施形態5〕
次に、図15に基づき、本発明の実施形態5について説明する。本実施形態の表示装置53においては、1画素PIXが、一つの赤色サブ画素RSPと、一つの緑色サブ画素GSPと、一つの青色サブ画素BSPとで構成されているとともに、互いに隣接する2つの画素PIXのそれぞれにおいて青色サブ画素BSPの配置位置が異なる点において、上述した実施形態1から4とは異なる。その他については実施形態1から4において説明したとおりである。説明の便宜上、実施形態1から4の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0124】
図15は、実施形態5の表示装置53の表示領域DAの概略的な構成を示す図である。
【0125】
図15に示すように、表示装置53の表示領域DAにおいて、赤色発光素子5R(第1電極22と機能層24Rと第2電極25とが重畳する部分)、緑色発光素子5G(第1電極22と機能層24Gと第2電極25とが重畳する部分)及び青色発光素子5B(第1電極22と機能層24Bと第2電極25とが重畳する部分)が設けられている領域以外に、図15の左右方向である第1方向D1に沿って一定の第1のピッチP1で、同一の高さを有する複数の第1スペーサ30Hが設けられている。
【0126】
また、図15の左右方向である第1方向D1において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間の赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bが設けられている領域以外に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサ30Lが設けられている。本実施形態においては、前記nが4であり、図15の左右方向である第1方向D1において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有する3個の第2スペーサ30Lが設けられている場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。
【0127】
図15に示すように、表示装置53の表示領域DAにおいて、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを含む全てのスペーサの図中の左右方向である第1方向D1におけるピッチは、第1のピッチP1をn等分した一定の第2のピッチP2となる。
【0128】
表示装置53の表示領域DAにおいては、より短いピッチで自動光学式検査(AOI)をより精密に行うため、図15の左右方向である第1方向D1において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサ30Lを設けている。したがって、図15の左右方向である第1方向D1において第1のピッチP1の1/nであるより短い第2のピッチP2で自動光学式検査(AOI)を行っても、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lが設けられている箇所では、欠陥があると検出されない。
【0129】
表示装置53の場合、図15の左右方向である第1方向D1において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第2スペーサ30Lを設け、より短いピッチで自動光学式検査(AOI)をより精密に行うことができるにも関わらず、蒸着マスクとの接触により異物の転写(蒸着材の転写)が発生する可能性が増加しない。
【0130】
以上のように、表示装置53によれば、蒸着マスクとの接触により異物の転写(蒸着材の転写)の発生による表示装置53の歩留まりを低下させることなく、欠陥などを検出する自動光学式検査(AOI)をより精密に行うことができる。
【0131】
〔実施形態6〕
次に、図16に基づき、本発明の実施形態6について説明する。本実施形態の表示装置54においては、第2方向D2において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサ30Lを設けている点において、上述した実施形態5とは異なる。その他については実施形態5において説明したとおりである。説明の便宜上、実施形態5の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0132】
図16は、実施形態6の表示装置54の表示領域DAの概略的な構成を示す図である。
【0133】
図16に示すように、表示装置54の表示領域DAにおいて、赤色発光素子5R(第1電極22と機能層24Rと第2電極25とが重畳する部分)、緑色発光素子5G(第1電極22と機能層24Gと第2電極25とが重畳する部分)及び青色発光素子5B(第1電極22と機能層24Bと第2電極25とが重畳する部分)が設けられている領域以外に、図16の上下方向である第2方向D2に沿って一定の第1のピッチP3で、同一の高さを有する複数の第1スペーサ30Hが設けられている。
【0134】
また、図16の上下方向である第2方向D2において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間の赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bが設けられている領域以外に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサ30Lが設けられている。本実施形態においては、前記nが2であり、図16の上下方向である第2方向D2において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有する1個の第2スペーサ30Lが設けられている場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。
【0135】
図16に示すように、表示装置54の表示領域DAにおいて、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lを含む全てのスペーサの図中の上下方向である第2方向D2におけるピッチは、第1のピッチP3をn等分した一定の第2のピッチP4となる。
【0136】
表示装置54の表示領域DAにおいては、より短いピッチで自動光学式検査(AOI)をより精密に行うため、図16の上下方向である第2方向D2において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第1スペーサ30Hの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサ30Lを設けている。したがって、図16の上下方向である第2方向D2において第1のピッチP3の1/nであるより短い第2のピッチP4で自動光学式検査(AOI)を行っても、第1スペーサ30H及び第2スペーサ30Lが設けられている箇所では、欠陥があると検出されない。
【0137】
表示装置54の場合、図16の上下方向である第2方向D2において隣接する2つの第1スペーサ30Hの間に、第2スペーサ30Lを設け、より短いピッチで自動光学式検査(AOI)をより精密に行うことができるにも関わらず、蒸着マスクとの接触により異物の転写(蒸着材の転写)が発生する可能性が増加しない。
【0138】
以上のように、表示装置54によれば、蒸着マスクとの接触により異物の転写(蒸着材の転写)の発生による表示装置54の歩留まりを低下させることなく、欠陥などを検出する自動光学式検査(AOI)をより精密に行うことができる。
【0139】
〔まとめ〕
〔態様1〕
基板と、
前記基板上に設けられた薄膜トランジスタ層と、
前記薄膜トランジスタ層上に、第1電極と、発光層を含む機能層と、第2電極とを、前記薄膜トランジスタ層側からこの順に備えた発光素子を含むサブ画素が複数個設けられた表示領域と、
前記表示領域において前記発光素子が設けられている領域以外に、一定方向に沿って一定の第1のピッチで設けられ、同一の高さを有する複数の第1スペーサと、
前記一定方向において隣接する2つの前記第1スペーサの間の前記発光素子が設けられている領域以外に設けられ、前記第1スペーサの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサと、を含み、
前記第1スペーサ及び前記第2スペーサを含む全てのスペーサの前記一定方向におけるピッチは、前記第1のピッチをn等分した一定の第2のピッチである、表示装置。
【0140】
〔態様2〕
前記第1スペーサ及び前記第2スペーサは、同一材料で形成されている、態様1に記載の表示装置。
【0141】
〔態様3〕
前記第1電極のエッジを覆うエッジカバー層をさらに備え、
前記第1スペーサ及び前記第2スペーサは、前記エッジカバー層上に設けられている、態様1または2に記載の表示装置。
【0142】
〔態様4〕
前記エッジカバー層、前記第1スペーサ及び前記第2スペーサは、同一材料で形成されている、態様3に記載の表示装置。
【0143】
〔態様5〕
前記第2のピッチは、175μm以下である、態様1から4の何れかに記載の表示装置。
【0144】
〔態様6〕
前記第1スペーサ及び前記第2スペーサを含む全てのスペーサのうちの前記一定方向において隣接する2つのスペーサ間には、1つの前記サブ画素が配置されている、態様1から5の何れかに記載の表示装置。
【0145】
〔態様7〕
前記複数個のサブ画素は、第1サブ画素と、第2サブ画素と、第3サブ画素とを含み、
前記第1サブ画素は、前記発光素子として、第1発光素子を含み、
前記第2サブ画素は、前記発光素子として、第2発光素子を含み、
前記第3サブ画素は、前記発光素子として、第3発光素子を含み、
前記第1発光素子は、前記発光層として、第1発光層を備え、
前記第2発光素子は、前記発光層として、前記第1発光層とは発光ピーク波長が異なる第2発光層を備え、
前記第3発光素子は、前記発光層として、前記第1発光層及び前記第2発光層とは発光ピーク波長が異なる第3発光層を備え、
前記第1発光層、前記第2発光層及び前記第3発光層の少なくとも一つは、有機材料からなる、態様1から6の何れかに記載の表示装置。
【0146】
〔態様8〕
前記表示領域上には、有機膜を含む封止層が設けられている、態様1から7の何れかに記載の表示装置。
【0147】
〔態様9〕
前記第2スペーサの高さ/前記第1スペーサの高さの値は、0.2以上、0.75以下である、態様1から8の何れかに記載の表示装置。
【0148】
〔態様10〕
基板上に薄膜トランジスタ層を形成する工程と、
前記薄膜トランジスタ層上に、第1電極を形成する工程と、
前記第1電極が設けられている領域以外を含む前記第1電極の端部より外側に、一定方向に沿って一定の第1のピッチで、同一の高さを有する複数の第1スペーサを形成するとともに、前記一定方向において隣接する2つの前記第1スペーサの間の前記第1電極が設けられている領域以外を含む前記第1電極の端部より外側に、前記第1スペーサの高さよりも低い高さを有するn-1(nは2以上の自然数)個の第2スペーサを形成し、前記第1スペーサ及び前記第2スペーサを含む全てのスペーサの前記一定方向におけるピッチを、前記第1のピッチをn等分した一定の第2のピッチとする、スペーサを形成する工程と、
前記第1スペーサと接するように、蒸着マスクを配置し、前記蒸着マスクを介して、所定形状に発光層を蒸着する、前記発光層を含む機能層を形成する工程と、
前記発光層を含む機能層上に第2電極を形成する工程と、を含む、表示装置の製造方法。
【0149】
〔態様11〕
前記スペーサを形成する工程と、前記発光層を含む機能層を形成する工程との間に、光学式検査を行う工程がさらに含まれ、
前記光学式検査を行う工程においては、検査ピッチは前記第2のピッチである、態様10に記載の表示装置の製造方法。
【0150】
〔態様12〕
前記第1スペーサ及び前記第2スペーサは、同一材料で形成され、
前記スペーサを形成する工程においては、前記第1スペーサと前記第2スペーサとは、同一工程で形成される、態様10または11に記載の表示装置の製造方法。
【0151】
〔態様13〕
前記スペーサを形成する工程の前に、前記第1電極のエッジを覆うエッジカバー層を形成する工程をさらに含み、
前記スペーサを形成する工程においては、前記第1スペーサ及び前記第2スペーサは、前記エッジカバー層上に設けられる、態様10から12の何れかに記載の表示装置の製造方法。
【0152】
〔態様14〕
前記スペーサを形成する工程には、前記第1電極のエッジを覆うエッジカバー層を形成する工程がさらに含まれ、
前記エッジカバー層、前記第1スペーサ及び前記第2スペーサは、同一材料であり、
前記スペーサを形成する工程においては、前記エッジカバー層と、前記第1スペーサと、前記第2スペーサとは、同一工程で形成される、態様10から12の何れかに記載の表示装置の製造方法。
【0153】
〔態様15〕
前記第2電極を形成する工程の後に、有機膜を含む封止層を形成する工程がさらに含まれ、
前記有機膜は、インクジェット法によって形成される、態様10から14の何れかに記載の表示装置の製造方法。
【0154】
〔態様16〕
前記スペーサを形成する工程においては、前記第2スペーサの高さ/前記第1スペーサの高さの値が、0.2以上、0.75以下を満たすように、前記第1スペーサ及び前記第2スペーサを形成する、態様10から15の何れかに記載の表示装置の製造方法。
【0155】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本発明は、表示装置及び表示装置の製造方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0157】
1 表示装置
3 バリア層
4 薄膜トランジスタ層
5R 赤色発光素子(第1発光素子)
5G 緑色発光素子(第2発光素子)
5B 青色発光素子(第3発光素子)
6 封止層
12 基板
16、18、20 無機絶縁膜
21 平坦化膜
22 第1電極
23 エッジカバー層
24R 赤色発光層(第1発光層)を含む機能層
24G 緑色発光層(第2発光層)を含む機能層
24B 青色発光層(第3発光層)を含む機能層
25 第2電極
26、28 無機封止膜
27 有機膜
30H 第1スペーサ
30L 第2スペーサ
39 機能フィルム
PIX 画素
RSP 赤色サブ画素(第1サブ画素)
GSP 緑色サブ画素(第2サブ画素)
BSP 青色サブ画素(第3サブ画素)
TR トランジスタ
SEM、SEM’、SEM’’ 半導体膜
G ゲート電極
D ドレイン電極
S ソース電極
DA 表示領域
NDA 額縁領域
D1 第1方向(一定方向)
D2 第2方向(一定方向)
P1、P3 第1のピッチ
P2、P4 第2のピッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図16