(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】LED照明装置の駆動用装置、LED照明装置、及びLED照明装置の駆動用装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05B 47/18 20200101AFI20240704BHJP
H05B 47/155 20200101ALI20240704BHJP
H05B 47/11 20200101ALI20240704BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20240704BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20240704BHJP
H05B 45/34 20200101ALI20240704BHJP
【FI】
H05B47/18
H05B47/155
H05B47/11
H05B45/20
H05B45/10
H05B45/34
(21)【出願番号】P 2023516477
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(86)【国際出願番号】 EP2021075229
(87)【国際公開番号】W WO2022053714
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】102020123818.5
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399018644
【氏名又は名称】エルモス セミコンダクター エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【氏名又は名称】池田 義典
(72)【発明者】
【氏名】ブルヒャルト,ベルント
(72)【発明者】
【氏名】シュミッツ,クリスチャン
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-071712(JP,A)
【文献】米国特許第09936552(US,B1)
【文献】米国特許第10437279(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED照明装置の駆動用装置であって、
通信データバスへの接続用のデータインターフェースとして設計された入力と、
LED、LEDの直列回路、色の異なるLED群、又はそれぞれ色の異なるLED群の直列回路を有する、少なくとも1つのLEDランプ用の少なくとも1つの端子を有する出力と、
マイクロコントローラと、
LED駆動回路がLEDランプ用の上記出力の各端子に関連付けられる1又は複数のLED駆動回路と
を備え、
上記データインターフェース、上記マイクロコントローラ、及び上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路が、電子及び/又は電気回路素子を有し、
半導体技術によって規定された最小限の構造サイズの集積回路を製造する半導体技術を用いて上記データインターフェース、上記マイクロコントローラ、及び上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路の上記回路素子が集積された半導体基板をさらに備え、
上記データインターフェース、及び上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路の上記回路素子がそれらの機能を確保するために許容できる最小構造サイズによって用いる上記半導体技術が確定され、
上記データインターフェース及び/又は少なくとも1つの上記LED駆動回路は、その構造サイズが上記半導体技術によって決定される最小限の構造サイズに等しい回路素子を含み、
上記マイクロコントローラが回路素子を含み、この回路素子の最小の構造サイズを有するものの構造サイズが、上記半導体技術によって決定される最小限の構造サイズを有する上記データインターフェース及び/又は少なくとも1つの上記LED駆動回路の上記回路素子の構造サイズに等しい装置。
【請求項2】
上記半導体基板に集積された回路素子を有する電圧レギュレータを特徴とし、上記データインターフェース、上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路、及び上記電圧レギュレータの回路素子がそれらの機能を確保するために許容できる最小構造サイズによって用いる上記半導体技術が確定され、最小限の構造サイズを有する、上記データインターフェース及び/又は少なくとも1つの上記LED駆動回路及び/又は上記電圧レギュレータの回路素子が、最小の構造サイズを有する上記マイクロコントローラの回路素子と同一の構造サイズを有する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上記データインターフェース、及び/又は上記マイクロコントローラ、及び/又はLED駆動回路又は複数のLED駆動回路、及び/又
は上記
半導体基板に集積された回路素子を有する電圧レギュレータの機能をテストするための、上記半導体基板に集積された電子及び/又は電気回路素子を有するテストインターフェースを特徴とし、上記データインターフェース、上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路、上記電圧レギュレータ及び上記テストインターフェースの上記回路素子がそれらの機能を確保するために許容できる最小構造サイズによって用いる上記半導体技術が確定され、最小限の構造サイズを有する、上記データインターフェース及び/又は上記テストインターフェース及び/又は少なくとも1つの上記LED駆動回路及び/又は上記電圧レギュレータの回路素子が、最小の構造サイズを有する上記マイクロコントローラの回路素子と同一の構造サイズを有する請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
輝度センサ及び/又はライトカラーセンサ及び/又は太陽センサといった少なくとも1つのセンサとの接続のための、上記半導体基板に集積された電気素子及び/又は電気回路素子を有するセンサシステムインターフェースを特徴とし、上記センサが上記センサシステムインターフェースに接続するように適合した通信データバスに接続しているか又は接続可能であり、上記データインターフェース、上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路、上記
半導体基板に集積された回路素子を有する電圧レギュレータ、上記
電圧レギュレータの機能をテストするための、上記半導体基板に集積された電子及び/又は電気回路素子を有するテストインターフェース及び上記センサシステムインターフェースの上記回路素子がそれらの機能を確保するために許容できる最小構造サイズによって用いる上記半導体技術が確定され、最小限の構造サイズを有する、上記データインターフェース及び/又は上記テストインターフェース及び/又は上記センサシステムインターフェース及び/又は少なくとも1つの上記LED駆動回路及び/又は上記電圧レギュレータの回路素子が、最小の構造サイズを有する上記マイクロコントローラの回路素子と同一の構造サイズを有する請求項
1に記載の装置。
【請求項5】
上記マイクロコントローラが、上記データインターフェースから受信した信
号に従って上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路を駆動するために必要な機
能のみを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
上記マイクロコントローラが、上記データインターフェースから受信した信号に従って上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路を駆動するために必要な機能、及び上記テストインターフェースから受信した信号を処理するために必要な機能のみを有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の装置。
【請求項7】
上記マイクロコントローラが、上記データインターフェースから受信した信号及び/又は上記センサシステムインターフェースから受信した信号に従って上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路を駆動するために必要な機能のみを有することを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項8】
上記マイクロコントローラが、上記データインターフェースから受信した信号及び/又は上記センサシステムインターフェースから受信した信号に従って上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路を駆動するために必要な機能、及び上記テストインターフェースから受信した信号を処理するために必要な機能のみを有することを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項9】
上記回路素子が、用いる上記半導体技術によって製造される際にその機能が確保されるべきであり、トランジスタ及び/又はコンダクタトラックであることを特徴とする請求項1から請求項
8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
LED、LEDの直列回路、色の異なるLED群、又はそれぞれ色の異なるLED群の直列回路を有するLEDランプを備え、
上記LEDランプが請求項1から請求項
9のいずれか1項に記載の装置の上記出力に電気的に接続されるLED照明装置。
【請求項11】
LED照明装置の駆動用装置の製造方法であって、
上記装置が、
通信データバスへの接続用のデータインターフェースとして設計された入力と、
LED、LEDの直列回路、色の異なるLED群、又はそれぞれ色の異なるLED群の直列回路を有する、少なくとも1つのLEDランプ用の少なくとも1つの端子を有する出力と、
マイクロコントローラと、
1つのLED駆動回路がLEDランプ用の上記出力の各端子に関連付けされる1又は複数のLED駆動回路と
を備え、
上記データインターフェース、上記マイクロコントローラ、及び上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路が、電子及び/又は電気回路素子を有し、
半導体基板をさらに備え、
上記データインターフェース、上記マイクロコントローラ、及び上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路の上記回路素子が、半導体技術によって規定された最小限の構造サイズの集積回路を製造する半導体技術を用いて上記半導体基板に集積され、
上記データインターフェース及び/又は上記LED駆動回路及び/又は複数の上記LED駆動回路の上記回路素子がそれらの機能を確保するために許容できる最小構造サイズによって用いる上記半導体技術が確定され、
上記データインターフェース及び/又は少なくとも1つの上記LED駆動回路は、その構造サイズが上記半導体技術によって決定される最小限の構造サイズに等しい回路素子を含み、
上記マイクロコントローラが最小の構造サイズを有する回路素子を含み、この最小の構造サイズが、上記半導体技術によって決定される最小限の構造サイズを有する上記データインターフェース及び/又は少なくとも1つの上記LED駆動回路の回路素子の構造サイズに等しい装置の製造方法。
【請求項12】
上記装置が上記半導体基板に集積された回路素子を有する電圧レギュレータを備えることを特徴とし、
上記データインターフェース、上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路、及び上記電圧レギュレータの回路素子がそれらの機能を確保するために許容できる最小構造サイズによって用いる上記半導体技術が確定される請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
上記装置が、上記データインターフェース、及び/又は上記マイクロコントローラ、及び/又はLED駆動回路又は複数のLED駆動回路、及び/又
は上記
半導体基板に集積された回路素子を有する電圧レギュレータの機能をテストするための、上記半導体基板に集積された電子及び/又は電気回路素子を有するテストインターフェースを有することを特徴とし、上記データインターフェース、上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路、上記電圧レギュレータ、及び上記テストインターフェースの上記回路素子がそれらの機能を確保するために許容できる最小構造サイズによって用いる上記半導体技術が確定される請求項
11に記載の方法。
【請求項14】
上記装置が、輝度センサ及び/又はライトカラーセンサ及び/又は太陽センサといった少なくとも1つのセンサとの接続のための、上記半導体基板に集積された電気素子及び/又は電気回路素子を有するセンサシステムインターフェースを有することを特徴とし、上記センサが上記センサシステムインターフェースに接続するように適合した通信データバスに接続している又は接続可能であり、上記データインターフェース、上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路、上記
半導体基板に集積された回路素子を有する電圧レギュレータ、上記
電圧レギュレータの機能をテストするための、上記半導体基板に集積された電子及び/又は電気回路素子を有するテストインターフェース及び上記センサシステムインターフェース(PSI5,PSI3)の上記回路素子がそれらの機能を確保するために許容できる最小構造サイズによって用いる上記半導体技術が確定される請求項8から請求項
11に記載の方法。
【請求項15】
上記マイクロコントローラが、上記データインターフェースから受信した信
号に従って上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路を駆動するために必要な機
能のみを有することを特徴とする請求項
11から請求項
14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
上記マイクロコントローラが、上記データインターフェースから受信した信号に従って上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路を駆動するために必要な機能、及び上記テストインターフェースから受信した信号を処理するために必要な機能のみを有することを特徴とする請求項13または請求項14に記載の方法。
【請求項17】
上記マイクロコントローラが、上記データインターフェースから受信した信号及び/又は上記センサシステムインターフェースから受信した信号に従って上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路を駆動するために必要な機能のみを有することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
上記マイクロコントローラが、上記データインターフェースから受信した信号及び/又は上記センサシステムインターフェースから受信した信号に従って上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路を駆動するために必要な機能、及び上記テストインターフェースから受信した信号を処理するために必要な機能のみを有することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
上記回路素子が、用いる上記半導体技術によって製造される際にその機能が確保されるべきであり、トランジスタ及び/又はコンダクタトラックであることを特徴とする請求項
11から請求項
18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
用いる上記半導体技術が、85nmよりも大きく、90nmよりも大きく、100nmよりも大きく、110nmよりも大きく、120nmよりも大きく、130nmよりも大きく、140nmよりも大きく、150nmよりも大きく、160nmよりも大きく、170nmよりも大きく、180nmよりも大きく、又は190nmよりも大きい最小限の構造サイズを有する半導体技術である請求項
11から請求項
19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
用いる上記半導体技術が、200nmよりも小さく、190nmよりも小さく、180nmよりも小さく、170nmよりも小さく、160nmよりも小さく、150nmよりも小さく、140nmよりも小さく、130nmよりも小さく、120nmよりも小さく、110nmよりも小さく、100nmよりも小さく、90nmよりも小さく、又は85nmよりも小さい最小限の構造サイズを有する半導体技術である請求項
11から請求項
19のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本PCT出願は、2020年9月14日の独国特許出願公開第102020123818.5号明細書の優先権を主張するものであり、その内容は参照によって本出願の対象物に取り入れられる。
【0002】
本発明は、LED照明装置の駆動用装置、このような駆動用装置を有するLED照明装置、及びこのような駆動用装置の製造方法に関する。
【0003】
このため、例えば本発明は、データバスインターフェース(例えば、CAN通信データバスインターフェース)、コンピュータコア(マイクロコントローラ)及び1又は複数のLEDランプ用の駆動回路を備える照明装置用の制御装置に関する。
【背景技術】
【0004】
通常、例えば自動車の運転ユーザー用のサテライトシステム/バスシステムにおけるアクチュエータ及びマイクロコントローラのバスドライバモジュールは、バスサブスクライバーの分離モジュールとして設計され、典型的には共通の回路板上に配置される。この理由は、最小限の構造サイズの半導体技術ノードにおいて実現される非常に強力なコンピュータが好ましくは必要とされることにある。これに対し、データバスへの実際のインターフェースを表す、いわゆるバストランシーバは、物理的な理由により、つまり要求される通電容量により構造サイズを任意に縮小できないパワートランジスタを備える。その結果、典型的に、2つの半導体技術において2つの異なるコンポーネント(ICチップ)、つまり強力なコンピュータ(デジタル部品)から分離されたバストランシーバ及びドライバ/LED(アナログ部品)が製造され、プリント回路板上に搭載される。
【0005】
例えば独国実用新案公報第202004006292号から、DALI(登録商標)インターフェースを備える制御装置を有する照明装置が既知である。既知の制御装置は、いくつかのモジュールを備え、個々のモジュールがどのコンポーネントを備えるかは確定していないままである。
【0006】
独国特許出願公開第102009004117号明細書から、投射モジュールが既知である。
【0007】
共通のチップに集積された、インターフェース、マイクロコントローラ及びLED駆動回路の回路素子を備えるLEDランプ制御装置が欧州特許3478031号から既知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、上述した先行技術の不都合を無くし、さらなる利点を有する、自動車システムにおけるLEDドライバ用の最適なソリューションを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、LED照明装置の駆動用装置を提示する発明によって達成され、この駆動用装置は、
通信データバスへの接続用のデータインターフェースとして設計された入力と、
LED、LEDの直列回路、色の異なるLED群、又はそれぞれ色の異なるLED群の直列回路を有する、少なくとも1つのLEDランプ用の少なくとも1つの端子を有する出力と、
マイクロコントローラと、
LED駆動回路がLEDランプ用の上記出力の各端子に関連付けられる1又は複数のLED駆動回路と
を備え、
上記データインターフェース、上記マイクロコントローラ、上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路、及び上記出力の少なくとも1つの上記端子が相互に電気的に接続され、
上記データインターフェース、上記マイクロコントローラ、及び上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路が、電子及び/又は電気回路素子(回路コンポーネントとも呼ばれる)を有し、
半導体技術によって規定された最小限の構造サイズの集積回路を製造する半導体技術を用いて上記データインターフェース、上記マイクロコントローラ、及び上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路の上記回路素子が集積された半導体基板をさらに備え、
上記データインターフェース、及び上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路の上記回路素子がそれらの機能を確保するためになお許容できる最小構造サイズによって、用いる上記半導体技術が確定され、
最小限の構造サイズを有する、上記データインターフェースの回路素子及び/又は少なくとも1つの上記LED駆動回路の回路素子が、最小限の構造サイズを有する上記マイクロコントローラの回路素子と同一の構造サイズを有する。
【0010】
したがって、本発明は複数の電気回路が共通の半導体基板に集積されているLED照明装置のための駆動用装置を提示する。これらは、上記データインターフェース、上記マイクロコントローラ及び少なくとも1つの上記LEDドライバ用の回路である。本発明にとって、用いる半導体技術(及びすなわち回路コンポーネントの最小限の構造サイズ)が、上記データインターフェース及び少なくとも1つの上記LEDドライバの回路コンポーネントがそれらの機能を確保するためになお許容できる最小の構造サイズによって確定されることが極めて重要である。
【0011】
ここで、半導体技術を用いて集積回路を製造する際に実現され得る最小の「構造サイズ」とは、当業者の間で既知であるように、回路コンポーネントにおけるコンポーネントの最小辺長(すなわちコンポーネントの構造サイズ)を意味し、典型的には、電界効果トランジスタの最小限のゲート長さを意味する。したがって、本発明において、上記データインターフェース及び/又はLED駆動回路の回路コンポーネントの最小辺長は、上記マイクロコントローラの回路コンポーネントの部分の最小辺長と、つまり、上記マイクロコントローラの電界効果トランジスタの最小ゲート長さと等しい。
【0012】
このように、先行技術から一般的であり且つ既知の事項に対して、本発明では、用いる上記半導体技術が、上記マイクロコントローラの回路コンポーネントの最小の許容可能な構造サイズを確定し得るものではない。周知の通り、トランジスタ及びマイクロコントローラのゲートといった回路コンポーネントは、例えばデータインターフェース及びLEDドライバと同様の通電容量を有する必要はない。このため、上記マイクロコントローラの回路コンポーネントは、半導体基板に集積された全回路のアナログ部分の場合よりも小さいフォーマットで設計されるだろう。そうすると、典型的には、上記マイクロコントローラに適した半導体技術が、その半導体技術を用いて上記データインターフェース及び少なくとも1つの上記LEDドライバ用のより大型の回路コンポーネントを作製するために使用され得る。しかしながら、回路コンポーネントの高密度化を許容する半導体技術は実装がより複雑化するため、これは全体としてよりコスト高となる。
【0013】
本発明はこのように、従来既知のICチップ設計の概念を離れ、以下にさらに記載されるように、大きな技術的及び経済的利点を伴う。
【0014】
適した半導体技術は、最小限の構造サイズが特に85nmよりも大きく、特に200nmよりも小さい。用いる上記半導体技術の最小限の構造サイズに関する上述した範囲内のすべての数値は、これにより本願に含まれる。
【0015】
本発明の有利な構成において、上記装置は、上記半導体基板に集積された回路素子を有する電圧レギュレータを備えてもよく、用いる上記半導体技術が、上記データインターフェース、上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路、及び上記電圧レギュレータの回路素子がそれらの機能を確保するために許容できる最小構造サイズによって確定される。したがって、上記電圧レギュレータを備えることで、上記半導体は、さらにアナログ回路として設計され、それゆえ例えばパワートランジスタ及びより大きいコンダクタトラックをも含むさらなるコンポーネントを有する。
【0016】
本発明のさらに有利な構成において、上記データインターフェース、及び/又は上記マイクロコントローラ、及び/又は上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路、及び/又は存在する場合、上記電圧レギュレータの機能をテストするための、上記半導体基板に集積された電子及び/又は電気回路素子を有するテストインターフェースを備える装置が提供されてもよく、上記データインターフェース、上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路、上記電圧レギュレータ及び上記テストインターフェースの上記回路素子がそれらの機能を確保するためになお許容できる最小構造サイズによって用いる上記半導体技術が確定される。このテストは、例えば、バウンダリスキャンテスト又は特に半導体ICの特定のコンポーネントを特にアドレス指定し且つ検証するテストであり得る。
【0017】
本発明のさらに有利な構成において、輝度センサ及び/又はライトカラーセンサ及び/又は太陽センサといった少なくとも1つのセンサとの接続のための、上記半導体基板に集積された電気素子及び/又は電気回路素子を有するセンサシステムインターフェースを上記装置が備えると有利となり得、上記センサが上記センサシステムインターフェースに接続するように適合した通信データバスに接続しているか又は接続可能であり、上記データインターフェース、上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路、上記電圧レギュレータ、上記テストインターフェース及び上記センサシステムインターフェースの上記回路素子がそれらの機能を確保するためになお許容できる最小構造サイズによって用いる上記半導体技術が確定される。例えば、このようなセンサシステムインターフェースは、PSI5又はPSI3プロトコルに準拠したものであってもよい。
【0018】
本発明のさらに有利な構成において、上記マイクロコントローラが、上記データインターフェースから受信した信号及び/又は存在する場合、上記センサシステムインターフェースから受信した信号に従って上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路を駆動するために必要な機能、及び存在する場合、上記テストインターフェースから受信した信号を処理するために必要な機能のみを有していてもよい。上記マイクロコントローラの性能を低減することによって、そのゲート、トランジスタ、並びに他の回路素子及びコンダクタトラックに必要な空間が低減される。上記マイクロコントローラ用に用いる上記半導体技術がデジタル部品になお許容可能な最小限の構造サイズを提供するものではないという事実を踏まえると、このことは特に有利である。
【0019】
上記回路素子は、用いる上記半導体技術によって製造される際にその機能が確保されるべきであり、トランジスタ及び/又はコンダクタトラックであってもよい。
【0020】
ここで本発明によって、
LED、LEDの直列回路、色の異なるLED群、又はそれぞれ色の異なるLED群の直列回路を有するLEDランプを備え、
上記LEDランプが前出のいずれかの請求項に記載の装置の出力に電気的に接続されるLED照明装置を実現することも可能である。
【0021】
本発明によれば、上述した目的は、LED照明装置の駆動用装置の製造方法をさらに提示することによって達成され、
上記駆動用装置は、
通信データバスへの接続用のデータインターフェースとして設計された入力と、
LED、LEDの直列回路、色の異なるLED群、又はそれぞれ色の異なるLED群の直列回路を有する、少なくとも1つのLEDランプ用の少なくとも1つの端子を有する出力と、
マイクロコントローラと、
1つのLED駆動回路がLEDランプ用の上記出力の各端子に関連付けされる1又は複数のLED駆動回路と
を備え、
上記データインターフェース、上記マイクロコントローラ、及び上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路、及び上記出力の少なくとも1つの上記端子が相互に電気的に接続され、
上記データインターフェース、上記マイクロコントローラ、及び上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路が、電子及び/又は電気回路素子を有し、
半導体基板をさらに備え、
上記データインターフェース、上記マイクロコントローラ、及び上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路の上記回路素子が、半導体技術によって規定された最小限の構造サイズの集積回路を製造する半導体技術を用いて上記半導体基板に集積され、
上記データインターフェース、及び上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路の上記回路素子がそれらの機能を確保するためになお許容できる最小構造サイズによって用いる上記半導体技術が確定される。
【0022】
本発明に係る上記方法において、上記装置が、上記半導体基板に集積された回路素子を有する電圧レギュレータを有し、上記データインターフェース、上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路、及び上記電圧レギュレータの回路素子がそれらの機能を確保するためになお許容できる最小構造サイズによって用いる上記半導体技術が確定されると有利となり得る。
【0023】
本発明に係る上記方法のさらに有利な構成は、上記装置が、上記データインターフェース、及び/又は上記マイクロコントローラ、及び/又はLED駆動回路又は複数のLED駆動回路、及び/又は存在する場合、上記電圧レギュレータの機能をテストするための、上記半導体基板に集積された電子及び/又は電気回路素子を有するテストインターフェースを有し、上記データインターフェース、上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路、上記電圧レギュレータ、及び上記テストインターフェースの上記回路素子がそれらの機能を確保するためになお許容できる最小構造サイズによって用いる上記半導体技術が確定されるように構成されてもよい。
【0024】
上記方法のさらに有利な構成は、上記装置が、輝度センサ及び/又はライトカラーセンサ及び/又は太陽センサといった少なくとも1つのセンサとの接続のための、上記半導体基板に集積された電気素子及び/又は電気回路素子を有するセンサシステムインターフェースを有し、上記センサが上記センサシステムインターフェースに接続するように適合した通信データバスに接続しているか又は接続可能であり、上記データインターフェース、上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路、上記電圧レギュレータ、上記テストインターフェース及び上記センサシステムインターフェース(PSI5,PSI3)の上記回路素子がそれらの機能を確保するために許容できる最小構造サイズによって用いる上記半導体技術が確定されることを含んでいてもよい。
【0025】
上記マイクロコントローラが、上記データインターフェースから受信した信号及び/又は存在する場合、上記センサシステムインターフェースから受信した信号に従って上記LED駆動回路又は複数の上記LED駆動回路を駆動するために必要な機能、及び存在する場合、上記テストインターフェースから受信した信号を処理するために必要な機能のみを有すると有利である。
【0026】
用いる上記半導体技術は、85nmよりも大きく、90nmよりも大きく、100nmよりも大きく、110nmよりも大きく、120nmよりも大きく、130nmよりも大きく、140nmよりも大きく、150nmよりも大きく、160nmよりも大きく、170nmよりも大きく、180nmよりも大きく、又は190nmよりも大きい最小限の構造サイズを有する半導体技術であると有利である。
【0027】
用いる上記半導体技術は、200nmよりも小さく、190nmよりも小さく、180nmよりも小さく、170nmよりも小さく、160nmよりも小さく、150nmよりも小さく、140nmよりも小さく、130nmよりも小さく、120nmよりも小さく、110nmよりも小さく、100nmよりも小さく、90nmよりも小さく、又は85nmよりも小さい最小限の構造サイズを有する半導体技術であると有利である。
【0028】
本発明は、技術的に典型的に確立された手法及び今日に至る技術開発から差別化され、つまりその適用に要求される演算能力の損失なく半導体基板上のLEDドライバ、トランシーバ及びマイクロコントローラの統合集積回路を作動させることによって差別化されるものである。
【0029】
本発明に係る提示は、第一にチップ領域を低減し、第二に駆動用装置の実装に要する組み立ての労力を低減することによって駆動用装置の有用性を向上する。当業者において、本発明に則した構成に合わせて上記マイクロコントローラの演算能力が低下することはないであろう。これは、新規のシステムに良好な演算パフォーマンスを付与したい当業者による努力に反して、そのような低下が駆動用装置のソフトウェアデザインの可能性を低下させ得るためである。
【0030】
本発明に係る上記装置の適用は、主に輸送機器したがって「大量生産商品」である。特に、大量生産商品又は大量生産物の場合、小さな進歩も大規模なインパクト又は発明の認知向上をもたらし得る。本発明は、生産、製造及び技術的使用を実質的に単純化し、それゆえにこれらの技術的利点の結果として、本件において発明として構築することに関する大きな経済的利点を提供する。
【0031】
本発明に則して可能な上記マイクロコントローラの演算能力の低減によって、これらすべての積み重ねによる単純化の技術的利点を享受でき、結果として経済効率性が向上する。したがって、上記マイクロコントローラの演算パフォーマンスの低下は、上述した統合集積回路として技術的に改善されたソリューションにつながる。このことは、ムーアの法則によって、コンポーネントのコストが最小になる集積回路の複雑さは一定間隔で倍化する、つまり複雑さは集積回路上の回路コンポーネントの数であるとのゴードン・ムーアの理解が周知である専門領域の努力と矛盾する。これは、集積密度、すなわち単位領域ごとのトランジスタ数の倍化とも言われる。周知のことながら、この技術的進歩は「デジタル革命」にとって必要不可欠な基礎を形成する。したがって、当業者がこの常に倍化する集積密度を利用すべく努力する場合、本発明のアイデア、つまり上記データインターフェース(トランシーバ)、LEDドライバ及び場合によっては回路のさらなるアナログ部品の最小限の構造サイズを基礎とし、単純にデジタル部品(マイクロコントローラ)にとっての最小限の構造サイズを基礎とせずに半導体技術を選択するアイデアは、明らかにこの努力と矛盾する。
【0032】
基本的に、デジタル部品及びアナログ部品によって半導体ICを設計する際、その目的はデジタル部品のニーズ、要件及び状態に適合する構造サイズが最小限の半導体ICを製造するために半導体技術を用いることにある。半導体ICのデジタル部品のトランジスタ及びゲートは、アナログ部品のトランジスタよりもずっと小型であり、アナログ部品のトランジスタは通常適切な通電容量を備えるパワートランジスタとして設計される必要がある。半導体技術に関して、デジタル部品にとって最小限の構造サイズを提供し得るという事実に基づいてこの技術を選択する場合、その人は常に安全な立場にある。これは、アナログ部品の面積の大きい回路素子も、この半導体技術を用いて製造できることを意味する。
【0033】
用いる半導体技術の最小限の構造サイズが小さいほど、その適用がより複雑化しコスト高となる。このため、本発明は異なるアプローチを採る。用いる半導体技術を選択するための出発点は、もはや回路のデジタル部品にとっての最小限の許容可能な構造サイズではなく、アナログ部品の機能を確保する最小構造サイズである。これはデジタル部品のゲート及びトランジスタがここでより大きいチップ領域を占めることを意味する。この大きいチップ領域は、少なくとも部分的に上記適用に必要とされるコンピュータパフォーマンスを低減することによって補償される。したがって、デジタル部品に必要なチップ領域は、高い集積密度を備える半導体技術の使用に比べて大きくなり得る。しかし、このことは、アナログ部品用に設計されているために集積密度が低い、より単純で複雑でない半導体技術を用いていることから、経済効率性において有利な結果をもたらす。
【0034】
したがって、前記した理由により、最小限の構造サイズがデジタル部品の実装用の半導体技術の場合よりも確実に大きくなり、それでもこのように比較的「粗雑な」半導体技術を用いる際にコストを低減できることに起因する利点につながるデジタル半導体技術において、全回路素子を集積化する利点があるため、上記マイクロコントローラのコンピュータパフォーマンスの低下は容認できる。
【0035】
したがって、本発明によれば、上述した一般的な集積方針とは対照的に、ドライバトランジスタを任意に小さくできないランプドライバと組み合わせると、マイクロコントローラ用のチップ領域を増大させるにも関わらず、大きな構造サイズを備える技術ノードにおいて完全な集積化を行う点で大きいコストメリットがあるのは驚くべきことである。これらの技術的特徴の組み合わせの結果、技術的労力の驚くべき削減、ひいては驚くべき実質的な経済的利点をもたらす。
【0036】
当業者の間では、ランプドライバ、コンピュータシステム(マイクロコントローラ)及びデータバスインターフェースの集積化は必要なチップ領域の相当な増大につながり、ひいて相当に大きなコストにつながるという偏見があった。これは、コンピュータシステムが半導体技術によってそのように製造されると、マイクロコントローラの電子回路及びゲートの回路コンポーネントの最小実現構造サイズのために、コンピュータのチップ領域の要求の増大にもつながるためである。ここで提示する解決策、すなわち周知であるデータバスインターフェースと周知であるコンピュータシステム及びいくつかの周知であるLEDドライバとを組み合わせることは、当業者にとっても驚くべきことに、共通の半導体基板での集積に要する全チップ領域が、コンピュータシステムのチップ領域におけるこの増大が一定数のLEDドライバ由来のボンドワイヤ、ボンドパッド領域及びハウジングの節約により相殺されない程度までは増大しないという効果につながった。このシナジー効果は、集積回路素子の製造用の1つの半導体技術を用いることからシステムアーキテクチャが単純化されるため、当業者にとって予想できず、コンピュータシステムのチップ領域における予想された蓄積効果の増大をはるかに上回るものである。当業者はコンピュータシステムのチップ領域の増大を避けるため、市場に流通する製品、特許文献、又は科学若しくは技術文献に記載された製品において、本発明に係るソリューションに言及するものはない。本発明に則して提案されるように、コンピュータシステムが最小限の構造サイズを備える半導体技術において実現されない場合、それは当業者にとってパラダイムシフトを意味する。
【0037】
本発明の他の利点は、ランプ、特に発光ダイオードの駆動が限られたコンピュータシステムの演算能力しか要せず、これによりここではコンピュータシステムの特有の性能が無しで済むことにある。本発明の範囲において、結果として、コンピュータシステムのALU(及び/又はCPU)のビット幅において、及びコンピュータシステムの演算能力において妥協も為され得ることが認められた。これは、データバスインターフェース及びランプドライバ用の技術におけるそのようなコンピュータシステムの実現によって、コンピュータシステムに要するチップ領域が増大し、且つコンピュータシステム内のコンダクタトラック(及びコンピュータシステムが利用可能な同様のチップ領域)の減少に起因してコンピュータシステムの実現可能な演算能力が減少するという点で認められた。しかしながら、その一方で、同数のゲートを備えるコンピュータシステムにおいて他の点では増大するチップ領域に関わる演算能力はランプを駆動するため及びデータバスインターフェースを作動させるために全く必要とせず、これは当業者にとって驚くべきことである。
【0038】
システムのための労力は、先行技術によれば以下のように推測され得る。
Kgd=KTDB×(KDBDB+KDB+KGDBRS)+KTRS×(KGRSDB+KRS+KGRSLEDD)+nLED×KTLEDD×(KGLEDDRS+KLEDD+KGLEDDLED)
【0039】
上記パラメータ表示の意味は以下の通りである。
KDBDB 例えばボンドパッド、ハウジング接続等を含むデータバスインターフェースにおける、データバスへのインターフェースの技術的ハードウェア労力
KDB 集積形態とは独立した、インターフェースの技術的ハードウェア労力
KGDBRS 例えばデータバスインターフェースのボンドパッド、ハウジング接続等を含むデータバスインターフェースの側部上の、データバスインターフェースとコンピュータシステムとの間のインターフェースの技術的ハードウェア労力
KTDB データバスインターフェースのハードウェア労力を実現するための半導体技術に特有の金融コスト因子
KGRSDB 例えばコンピュータシステムのボンドパッド、ハウジング接続等を含むコンピュータシステムの側部上の、データバスインターフェースとコンピュータシステムとの間のインターフェースの技術的ハードウェア労力
KRS 集積形態とは独立した、コンピュータシステムの技術的ハードウェア労力
KGRSLEDD 例えばコンピュータシステムのボンドパッド、ハウジング接続等を含むコンピュータシステムの側部上の、コンピュータシステムとnLEDランプドライバとの間のインターフェースの技術的ハードウェア労力
KTRS コンピュータシステムのハードウェア労力を実現するための半導体技術に特有の金融コスト因子
KGLEDDRS 例えばランプ用ドライバのボンドパッド、ハウジング接続等を含むランプ用ドライバの側部上の、コンピュータシステムとランプ用ドライバとの間のインターフェースの技術的ハードウェア労力
KLEDD 集積形態とは独立した、ランプ用ドライバの技術的ハードウェア労力
KGLEDDLED 例えばランプ用ドライバのボンドパッド、ハウジング接続等を含むランプ用ドライバの側部上の、ランプ用ドライバとそれぞれのランプ用ドライバが電力を供給するランプとの間のインターフェースの技術的ハードウェア労力
KTDS ランプ用ドライバのハードウェア労力を実現するための半導体技術に特有の金融コスト因子
nLED ランプ又はランプ群の数であり、つまり全システムにおけるランプ用ドライバの数
Kgd 個々のコンポーネントを備える全システムの経済的労力
【0040】
例えば、チップ領域がパワードライバーに占められる全システム部品は、データバス及び/又はテストインターフェース及び/又はセンサインターフェース及び/又はランプドライバ及び存在する場合は電圧レギュレータに相当するが、第1の構造サイズを備える第1の半導体技術における第1の半導体基板(ICチップ)上の第1の技術において製造され得る。一方、主に小さなデジタルトランジスタを有するコンピュータシステムは、第1の構造サイズよりも小さい第2の構造サイズを備える第2の半導体技術における第2の半導体基板(ICチップ)上に製造され得る。
【0041】
したがって、以下の通り定義することができる。
KgLEDDDS データバスインターフェース及びランプ用ドライバから分離してコンピュータシステムのみを実現したシステムの経済的労力
【0042】
そして、経済的労力は以下の通り算出される。
KgLEDDDS=KTDB×(KDBDB+KDB+KGDBRS+nLED×(KGLEDDRS+KLEDD+KGLEDDLED))+KTRS×(KGRSDB+KRS+KGRSLEDD)
【0043】
ここで、以下が探索される。
Kgd>KgLEDDDS
【0044】
これは以下に対応する。
KTDB×(KDBDB+KDB+KGDBRS)+KTRS×(KGRSDB+KRS+KGRSLEDD)+nLED×KTLEDD×(KGLEDDRS+KLEDD+KGLEDDLED)
<KTDB×(KDBDB+KDB+KGDBRS+nLED×(KGLEDDRS+KLEDD+KGLEDDLED))+KTRS×(KGRSDB+KRS+KGRSLEDD)
【0045】
これは以下と同値である。
KTDB×(KDBDB+KDB+KGDBRS)+nLED×KTLEDD×(KGLEDDRS+KLEDD+KGLEDDLED)
<KTDB×(KDBDB+KDB+KGDBRS+nLED×(KGLEDDRS+KLEDD+KGLEDDLED))
【0046】
KTLEDD=KTDBについては、大きな差異はない。このことは市場でも確認でき、先行文献に存在しない本発明に係る提示されたソリューションの根拠でもある。
【0047】
しかしながら、本発明で提示された集積は、共通の半導体基板(ICチップ)に共通の半導体技術で組み立てられた全システムコンポーネントに関するものであり、この半導体技術はランプドライバを実現するように用いられる半導体技術によって確定される。
【0048】
したがって、以下のように定義できる。
KgY コンピュータシステム、データバスインターフェース及びランプ用ドライバのみが共通の半導体結晶上に実装されるシステムの経済的労力
【0049】
これは次いで、全システム内部のインターフェースのコストとしてKGDBRS、KGLEDDRS、KGRSDB及びKGLEDDLEDを省略した場合に、以下のように算出される。
KgV=KTDB*(KDBDB+KDB+KRS+nLED*KLEDD+nLED*KGLEDDLED)
【0050】
ここで、以下が探索される。
KgV<KgLEDDDS
【0051】
これは以下に対応する。
KTDB×(KDBDB+KDB+KRS+nLED×KLEDD+nLED×KGLEDDLED)<KTDB×(KDBDB+KDB+KGDBRS+nLED×(KGLEDDRS+KLEDD+KGLEDDLED))+KTRS×(KGRSDB+KRS+KGRSLEDD)
【0052】
この計算は以下のように単純化される。
KRS<KGDBRS+nLED×(KGLEDDRS)+(KTRS/KTDB)×(KGRSDB+KRS+KGRSLEDD)
【0053】
nLEDを求めると以下の結果になる。
((KRS-KGRSDB)×(1-(KTRS/KTDB))-(KTRS/KTDB)×KGRSLEDD)/(KGLEDDRS)<nLED
【0054】
したがって、本発明に則して、当業者が一般的に容認している意見に反して、ランプ用ドライバが一定数以上となると、ドライバすなわちデータバスインターフェース、コンピュータシステム及びランプドライバからなる全システムを半導体結晶上に搭載することがより好ましいことが認められた。
【0055】
このため、特に、CANプロトコルを処理し且つアクチュエータドライバ(例えばランプドライバ)とともにアクチュエータを制御するためのコンピュータシステムとしてのマイクロコントローラとともに、典型的なデータバスインターフェースとして、例えばCANトランシーバを集積することが提示される。
【0056】
このように、例えばCANデータバスインターフェース、コンピュータシステム、及び1又は複数のLEDランプ用のドライバとしてのドライバ回路を備える照明装置用の制御装置がここで提示され、この照明装置は典型的には1又は複数の発光ダイオードを備え得る。
【0057】
これにより、CANバストランシーバ、コンピュータシステム及び1又は複数のランプ用のドライバ回路が、pドープシリコン基板といった共通の半導体結晶又は基板に搭載される。
【0058】
LED照明装置を駆動するために使用する代わりに、本発明に係る装置は、他のランプを備える照明装置を駆動する装置、又は光学及び/又は音響装置及び/又は触覚信号装置を駆動する装置にも、測定手段、特に光学的、電気的、誘導性又は静電性の測定手段を駆動する装置にも使用され得る。したがって、少なくとも1つの駆動回路は信号伝送手段(ランプ、スピーカー、ブザー、振動素子)又は測定手段(測定トランスデューサ)のためのドライバである。
【0059】
本発明のさらなる構成は以下の特徴を有する。
1)輸送機器における照明装置、光学信号装置又は光学測定手段用の制御装置であって、
CANバスデータのバスインターフェースとなり得るデータバスインターフェース、
コンピュータコア、及び
いくつかのnLED個の駆動回路を備え、
nLEDは1よりも大きい正の整数であり、
各駆動回路は、少なくとも1つのランプ群に電力を供給可能に設計され
これにより、nLED個の駆動回路は、少なくともnLED個のランプ群に電力を供給可能に設計され、
各ランプ群は、1又は複数の光放射ダイオードを有し得る1又は複数のランプを備え、
上記データバスインターフェース、上記コンピュータコア及びnLED個の上記駆動回路が共通の半導体結晶に搭載されている制御装置。
2)輸送機器における照明装置、光学信号装置又は光学測定手段用の制御装置であって、
CANバストランシーバの形態のデータバスインターフェース、
コンピュータコア、及び
いくつかのnLED個の駆動回路を備え、
nLEDは1よりも大きい正の整数であり、
各駆動回路は、少なくとも1つのランプ群に電力を供給可能に設計され
これにより、nLED個の駆動回路は、少なくともnLED個のランプ群に電力を供給可能に設計され、
各ランプ群は、1又は複数の光放射ダイオードを有し得る1又は複数のランプを備え、
データバスインターフェース、コンピュータシステム及びランプのドライバからなるシステム全体が半導体結晶に搭載され、
これにより、上記データバスインターフェース、上記コンピュータコア及び上記ランプのnLED個の上記駆動回路が共通の半導体結晶に搭載されている制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下の特徴は、個別に又は組み合わせとして本発明の典型的な実施形態の対象となり得る。
1.上記データバスインターフェース(トランシーバ)、上記マイクロコントローラ、少なくとも1つの上記LED駆動回路、及び場合によっては上記電圧レギュレータの上記回路素子も集積される半導体基板であって、典型的にはpタイプの半導体性の基板である半導体基板。
2.上述した3つ又は4つのコンポーネント、及び回路素子を有し得る他のあらゆるコンポーネントにも共通するメタライゼーションスタック。
3.上記メタライゼーションスタックは、上述した3つ又は4つのコンポーネント、及び回路素子を有し得る他のいかなるコンポーネントにも共通する絶縁層を有する。
4.上記メタライゼーションスタックは、上述した3つ又は4つのコンポーネント、及び回路素子を有し得る他のいかなるコンポーネントにも共通する金属層を有する。
5.上記メタライゼーションスタックの上記金属層は、微細構造技術によって作られた電気線を有する。これらの線の少なくとも1つが、上述したコンポーネントの2つ、又はさらなる回路素子を有する半導体基板のコンポーネントを接続する。
6.本発明に係る照明装置は以下の特徴の一覧のうち1又は複数の特徴: 1.グランド線,
2.供給電圧線,
3.データバス,
4.それぞれ1又は複数のLEDを有する1又は複数のLED群,及び
5.制御ICを有し、
6.上記制御ICは以下のコンポーネント:
6.1.LEDドライバ,
6.2.LEDの駆動のPWM変調のためのPWMユニット,
6.3.参照電圧源又は参照電流源,
6.4.演算ユニット(マイクロコントローラ),
6.5.(CAN等の)データバスインターフェース,
6.6.産出能力試験及び/又はバウンダリスキャンテストを実施するためのテストインターフェースであって、上記制御ICの接続で多重化され得るテストインターフェース,
6.7.クロックジェネレータ,
6.8.いくつかのADC入力を有するADC,
6.9.電圧レギュレータ(任意)を備えることができ、
7.上記演算ユニットは、RAM及び/又はROM、フラッシュメモリ、OTP(One Time Programmable)メモリ、又は他の不揮発性メモリの形態でのメモリを備え、及び/又は
8.上記演算ユニットはCPU又はALUを備え、及び/又は
9.上記演算ユニットは割り込みロジックを備え、及び/又は
10.上記演算ユニットは、制御レジスタ、又はPWMユニットを制御するための制御信号を生成する制御信号ジェネレータを備え、
11.上記演算ユニットの上記CPUは、上記制御レジスタ又は上記制御信号ジェネレータに作用し得、及び/又は
12.上記演算ユニットはデータバスを介してCANデータバスインターフェースに接続され、及び/又は
13.上記LEDドライバは、上記PWMユニットのPWM信号の機能として、上記参照電圧源及び/又は上記参照電流源の信号の機能として、及び上記クロックジェネレータの信号の機能として、PWM変調されたかあるいは他のパルスで変調された電流によって上記LEDに印加し、及び/又は
14.上記PWMユニットは上記制御信号の状態に応じて上記PWM信号を生成し、及び/又は
15.上記装置は自動アドレス指定処理を実行し、及び/又は
16.上記演算ユニットはデータバスを介して上記ADCに接続され、及び/又は
17.上記電圧レギュレータは、上記供給電圧線及び上記グランドラインからの電力を上記制御ICのコンポーネントに供給する。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係る装置は、例えばインテリア照明としての輸送機器用途又は輸送機器における環境光用途の照明装置をより小型に設計し、且つより費用効率高く製造することを可能にする。