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特許7515015車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法、車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法及びこれに用いられる管理サーバ{METHOD USING VEHICLE WIPER MOTION INFORMATION, METHOD OF CALCULATING ESTIMATED TIME OF ARRIVAL USING TRAFFIC FLOW STATISTICS DATA GENERATED USING VEHICLE WIPER OPERATION INFORMATION AND MANAGEMENT SERVER USED THEREIN}
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  • 特許-車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法、車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法及びこれに用いられる管理サーバ{METHOD  USING  VEHICLE  WIPER  MOTION  INFORMATION,  METHOD  OF  CALCULATING  ESTIMATED  TIME  OF  ARRIVAL  USING  TRAFFIC  FLOW  STATISTICS  DATA  GENERATED  USING  VEHICLE  WIPER  OPERATION  INFORMATION  AND  MANAGEMENT  SERVER  USED  THEREIN} 図1
  • 特許-車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法、車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法及びこれに用いられる管理サーバ{METHOD  USING  VEHICLE  WIPER  MOTION  INFORMATION,  METHOD  OF  CALCULATING  ESTIMATED  TIME  OF  ARRIVAL  USING  TRAFFIC  FLOW  STATISTICS  DATA  GENERATED  USING  VEHICLE  WIPER  OPERATION  INFORMATION  AND  MANAGEMENT  SERVER  USED  THEREIN} 図2
  • 特許-車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法、車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法及びこれに用いられる管理サーバ{METHOD  USING  VEHICLE  WIPER  MOTION  INFORMATION,  METHOD  OF  CALCULATING  ESTIMATED  TIME  OF  ARRIVAL  USING  TRAFFIC  FLOW  STATISTICS  DATA  GENERATED  USING  VEHICLE  WIPER  OPERATION  INFORMATION  AND  MANAGEMENT  SERVER  USED  THEREIN} 図3
  • 特許-車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法、車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法及びこれに用いられる管理サーバ{METHOD  USING  VEHICLE  WIPER  MOTION  INFORMATION,  METHOD  OF  CALCULATING  ESTIMATED  TIME  OF  ARRIVAL  USING  TRAFFIC  FLOW  STATISTICS  DATA  GENERATED  USING  VEHICLE  WIPER  OPERATION  INFORMATION  AND  MANAGEMENT  SERVER  USED  THEREIN} 図4
  • 特許-車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法、車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法及びこれに用いられる管理サーバ{METHOD  USING  VEHICLE  WIPER  MOTION  INFORMATION,  METHOD  OF  CALCULATING  ESTIMATED  TIME  OF  ARRIVAL  USING  TRAFFIC  FLOW  STATISTICS  DATA  GENERATED  USING  VEHICLE  WIPER  OPERATION  INFORMATION  AND  MANAGEMENT  SERVER  USED  THEREIN} 図5
  • 特許-車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法、車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法及びこれに用いられる管理サーバ{METHOD  USING  VEHICLE  WIPER  MOTION  INFORMATION,  METHOD  OF  CALCULATING  ESTIMATED  TIME  OF  ARRIVAL  USING  TRAFFIC  FLOW  STATISTICS  DATA  GENERATED  USING  VEHICLE  WIPER  OPERATION  INFORMATION  AND  MANAGEMENT  SERVER  USED  THEREIN} 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法、車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法及びこれに用いられる管理サーバ{METHOD USING VEHICLE WIPER MOTION INFORMATION, METHOD OF CALCULATING ESTIMATED TIME OF ARRIVAL USING TRAFFIC FLOW STATISTICS DATA GENERATED USING VEHICLE WIPER OPERATION INFORMATION AND MANAGEMENT SERVER USED THEREIN}
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20240704BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240704BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240704BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20240704BHJP
【FI】
G08G1/01 A
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023517651
(86)(22)【出願日】2021-09-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(86)【国際出願番号】 KR2021012022
(87)【国際公開番号】W WO2022059983
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】10-2020-0118766
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522471858
【氏名又は名称】フォーティートゥドット インク
【氏名又は名称原語表記】42DOT INC.
【住所又は居所原語表記】9th Floor, 2621, Nambusunhwan-ro Gangnam-gu Seoul 06267 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ジ、スンヒョン
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-242301(JP,A)
【文献】特開2002-358599(JP,A)
【文献】特開2014-106675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/01
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)管理サーバが、道路を運行している車両の位置情報及びワイパー動作情報を含む車両運行情報を車両から受信するステップと、
(b)前記管理サーバが、前記ワイパー動作情報に基づいてワイパーが動作しているか否かを判断するステップと、
(c)前記管理サーバが、前記車両運行情報に基づいて前記車両が運行している道路の交通流統計データを生成するステップと、
を含み、
前記(c)ステップにおいて、
前記管理サーバが、前記ワイパーが動作していると判断した場合に特殊交通流統計データを生成し、前記ワイパーが動作していないと判断した場合に一般交通流統計データを生成し、
更に、
(d)前記管理サーバが、他の車両の前記一般交通流統計データに基づく車両の速度に対する前記他の車両の前記特殊交通流統計データに基づく車両の速度の減少率を、前記道路の属性別および前記ワイパー動作情報に含まれる前記ワイパーの動作速度レベル別に算出するステップを含み、
前記車両の前記一般交通流統計データによる速度に対する前記特殊交通流統計データによる速度の減少率は、前記道路の属性別及び前記ワイパーの動作速度レベル別に算出された減少率に基づいて決定される、車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法。
【請求項2】
前記交通流統計データは、前記車両の運行速度情報、前記車両の運行時間帯情報及び前記ワイパーの動作速度レベル情報を含む、請求項1に記載の車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法。
【請求項3】
前記特殊特殊交通流統計データは、雨または雪が降る特殊気象状況における交通流統計データであり、
前記一般交通流統計データは、雨または雪が降らない一般気象状況における交通流統計データである、請求項1に記載の車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法。
【請求項4】
道路を運行している車両の位置情報及びワイパー動作情報を含む車両運行情報を車両から受信する受信部と、
前記ワイパー動作情報に基づいてワイパーが動作しているか否かを判断する判断部と、
前記車両運行情報に基づいて前記車両が運行している道路の交通流統計データを生成する生成部と
を含み、
前記判断部が前記ワイパーが動作していると判断した場合に前記生成部により特殊交通流統計データを生成し、前記判断部が前記ワイパーが動作していないと判断した場合に前記生成部により一般交通流統計データを生成し、
前記判断部が他の車両の前記一般交通流統計データに基づく車両の速度に対する前記他の車両の前記特殊交通流統計データに基づく車両の速度の減少率を、前記道路の属性別および前記ワイパー動作情報に含まれる前記ワイパーの動作速度レベル別に算出し、
前記車両の前記一般交通流統計データによる速度に対する前記特殊交通流統計データによる速度の減少率は、前記道路の属性別及び前記ワイパーの動作速度レベル別に算出された減少率に基づいて決定される、管理サーバ。
【請求項5】
前記交通流統計データは、前記車両の運行速度情報、前記車両の運行時間帯情報及び前記ワイパーの動作速度レベル情報を含む、請求項4に記載の管理サーバ。
【請求項6】
前記特殊特殊交通流統計データは、雨または雪が降る特殊気象状況における交通流統計データであり、
前記一般交通流統計データは、雨または雪が降らない一般気象状況における交通流統計データである、請求項4に記載の管理サーバ。
【請求項7】
(a)管理サーバが、道路を運行している車両の位置情報及びワイパー動作情報を含む車両運行情報に基づいて生成された交通流統計データが記憶された記憶部を備えるステップと、
(b)管理サーバが、車両の出発地情報と到着地情報に基づいて決定される車両の移動経路に対する予想所要時間算出要請を車両から受信するステップと、
(c)前記管理サーバが、前記車両の移動経路に含まれる道路を先に運行した車両から受信されたワイパー動作情報を含む車両運行情報を検索するステップと、
(d)前記管理サーバが、検索された車両運行情報に含まれるワイパー動作情報と前記交通流統計データに基づいて前記移動経路に対する予想所要時間を算出するステップと
を含み、
前記ステップ(d)において、
前記管理サーバは、前記ワイパー動作情報に基づいて、一般交通流統計データまたは特殊交通流統計データのうちのいずれか1つの交通流統計データを選択し、
前記特殊交通統計データが選択されたが、前記記憶部に前記特殊交通流統計データが存在しない場合、前記道路の属性及び前記ワイパー動作情報に含まれる前記ワイパーの動作速度レベル情報に応じて、前記一般交通流統計データに基づいて前記特殊交通流統計データを推定することにより、前記予想所要時間を算出する、車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法。
【請求項8】
前記交通流統計データは、前記車両の運行速度情報、前記車両の運行時間帯情報及び前記ワイパーの動作速度レベル情報を含む、請求項7に記載の車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流量統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法。
【請求項9】
道路を運行している車両の位置情報及びワイパー動作情報を含む車両運行情報に基づいて生成された交通流統計データが記憶された記憶部と、
車両の出発地情報と到着地情報に基づいて決定される車両の移動経路に対する予想所要時間算出要請を車両から受信する受信部と、
前記車両の移動経路に含まれる道路を先に運行した車両から受信したワイパー動作情報を含む車両運行情報を検索し、検索された車両運行情報に含まれるワイパー動作情報と前記交通流統計データに基づいて前記移動経路に対する予想所要時間を算出する判断部と
を含み、
前記ワイパー動作情報に基づいて、一般交通流統計データまたは特殊交通流統計データのうちのいずれか1つの交通流統計データを選択し、
前記特殊交通統計データが選択されたが、前記記憶部に前記特殊交通流統計データが存在しない場合、前記道路の属性及び前記ワイパー動作情報に含まれる前記ワイパーの動作速度レベル情報に応じて、前記一般交通流統計データに基づいて前記特殊交通流統計データを推定することにより、前記予想所要時間を算出する管理サーバ。
【請求項10】
前記交通流統計データは、前記車両の運行速度情報、前記車両の運行時間帯情報及び前記ワイパーの動作速度レベル情報を含む、請求項9に記載の管理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法、車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法及びこれに用いられる管理サーバに関するものであり、より詳細には、道路を運行している車両のワイパー動作情報を含む車両運行情報を利用して交通流統計データを生成することにより、道路単位の天候情報を含む交通流統計データを確保できるようになり、道路単位の天候情報を含む交通流統計データに基づいて予想所要時間を算出できるようになるにつれ、道路の天候状態を考慮して非常に高い精度で算出された予想所要時間を運転者に提供できるようにする車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法、車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法及びこれに用いられる管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ナビゲーションシステムは、移動経路探索結果とともに出発地から到着地までの予想所要時間(ETA:Estimated Time of Arrival)を算出してユーザに提供している。
【0003】
*このようなナビゲーションシステムは、ETA算出の精度を高めるために、移動経路に含まれている各道路単位で収集されたリアルタイム交通流情報などを使用しているが、実際交通流に大きな影響を及ぼす要因である天候情報は活用しておらず、従来のナビゲーションシステムによって算出されたETAは信頼度に限界がある。
【0004】
一方、一般的に気象庁が提供する天候情報は道路単位の天候情報ではなく、行政洞単位の天候情報であるため、気象庁が提供する天候情報はナビゲーションシステムで活用されにくい問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、道路を運行している車両のワイパー動作情報を含む車両運行情報を利用して交通流統計データを生成することにより、道路単位の天候情報を含む交通流統計データを確保できるようにする車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法を提供することにある。
【0006】
また、本発明の目的は、道路単位の天候情報を含む交通流統計データに基づいて予想所要時間を算出できるようになるにつれ、道路の天候状態を考慮して非常に高い精度で算出された予想所要時間を運転者に提供できるようにする車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための本発明に係る車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法は、(a)管理サーバが、道路を運行している車両の位置情報及びワイパー動作情報を含む車両運行情報を車両から受信するステップと、(b)前記管理サーバが、前記車両運行情報に基づいて前記車両が運行している道路の交通流統計データを生成するステップとを含む。
【0008】
好ましくは、前記交通流統計データは、前記車両の運行速度情報、前記車両の運行時間帯情報及び前記ワイパー動作情報に含まれた前記ワイパーの動作速度レベル情報を含むことを特徴とする。
【0009】
また、前記(a)ステップ以降、前記(b)ステップ以前に、前記管理サーバが、前記ワイパー動作情報に基づいてワイパーが動作しているか否かを判断するステップをさらに含む。
【0010】
また、前記(b)ステップにおいて、前記管理サーバは、前記ワイパーが動作していると判断した場合に雨または雪が降る特殊気象状況における交通流統計データである特殊交通流統計データを生成し、前記ワイパーが動作していないと判断した場合に雨または雪が降らない一般気象状況における交通流統計データである一般交通流統計データを生成することを特徴とする。
【0011】
一方、本発明に係る管理サーバは、道路を運行している車両の位置情報及びワイパー動作情報とを含む車両運行情報を車両から受信する受信部と、前記車両運行情報に基づいて前記車両が運行している道路の交通流統計データを生成する生成部とを含む。
【0012】
好ましくは、前記交通流統計データは、前記車両の運行速度情報、前記車両の運行時間帯情報及び前記ワイパー動作情報に含まれた前記ワイパーの動作速度レベル情報を含むことを特徴とする。
【0013】
また、前記ワイパー動作情報に基づいてワイパーが動作しているか否かを判断す判断部をさらに含む。
【0014】
また、前記判断部が前記ワイパーが動作していると判断した場合に前記生成部は雨または雪が降る特殊気象状況における交通流統計データである特殊交通流統計データを生成し、前記判断部が前記ワイパーが動作していないと判断した場合に前記生成部は雨または雪が降らない一般気象状況における交通流統計データである一般交通流統計データを生成することを特徴とする。
【0015】
一方、本発明に係る車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法は、(a)管理サーバが、道路を運行している車両の位置情報及びワイパー動作情報を含む車両運行情報に基づいて生成された交通流統計データが記憶された記憶部を備えるステップと、(b)管理サーバが、車両の出発地情報と到着地情報に基づいて決定される車両の移動経路に対する予想所要時間算出要請を車両から受信するステップと、(c)前記管理サーバが、前記車両の移動経路に含まれる道路を先に運行した車両から受信されたワイパー動作情報を含む車両運行情報を検索するステップと、(d)前記管理サーバが、検索された車両運行情報に含まれるワイパー動作情報と前記交通流統計データに基づいて前記移動経路に対する予想所要時間を算出するステップとを含む。
【0016】
好ましくは、前記交通流統計データは、前記車両の運行速度情報、前記車両の運行時間帯情報及び前記ワイパー動作情報に含まれた前記ワイパーの動作速度レベル情報を含むことを特徴とする。
【0017】
一方、本発明に係る管理サーバは、道路を運行している車両の位置情報及びワイパー運転情報とを含む車両運行情報に基づいて生成された交通流統計データが記憶された記憶部と、車両の出発地情報と到着地情報に応じて決定される車両の移動経路に対する予想所要時間算出要請を車両から受信する受信部と、前記車両の移動経路に含まれる道路を先に運行した車両から受信したワイパー動作情報を含む車両運行情報を検索し、検索された車両運行情報に含まれるワイパー動作情報と前記交通流統計データに基づいて前記移動経路に対する予想所要時間を算出する判断部とを含む。
【0018】
好ましくは、前記交通流統計データは、前記車両の運行速度情報、前記車両の運行時間帯情報及び前記ワイパー動作情報に含まれた前記ワイパーの動作速度レベル情報を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、道路を運行している車両のワイパー動作情報を含む車両運行情報を利用して交通流統計データを生成することで、道路単位の天候情報を含む交通流統計データを確保できるようになる。
【0020】
また、本発明によれば、道路単位の天候情報を含む交通流統計データに基づいて予想所要時間を算出できるようになるにつれ、道路の天候状態を考慮して非常に高い精度で算出された予想所要時間を運転者に提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成システムの構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法と、本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法を実行する管理サーバの構造を示す機能ブロック図、
図3】本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法の実行過程を説明する手順フローチャート、
図4】本発明によって生成された特殊状況道路交通地図を示す図、
図5】本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出システムの構成図及び
図6】本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法の実行過程を説明する信号フローチャートである。
【発明を実施するための最善の形態】
【0022】
車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法、車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法及びこれに用いられる管理サーバが開示される。本発明は、管理サーバが、道路を運行している車両の位置情報及びワイパー動作情報を含む車両運行情報を車両から受信し、車両運行情報に基づいて車両が運行している道路の交通流統計データを生成する過程を通じて具現される。本発明によれば、道路を運行している車両のワイパー動作情報を含む車両運行情報を利用して交通流統計データを生成することで、道路単位の天候情報を含む交通流統計データを確保できるようになる。また、本発明によれば、道路単位の天候情報を含む交通流統計データに基づいて予想所要時間を算出できるようになるにつれ、道路の天候状態を考慮して非常に高い精度で算出された予想所要時間を運転者に提供できるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では図面を参照して本発明をより詳細に説明する。図面上、同じ構成要素はできる限りどこでも同じ符号で示していることに留意しなければならない。また、本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができる公示機能及び構成に対する詳細な説明は省略する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成システムの構成図である。図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成システムは、複数の第1車両100-1と管理サーバ200を含む。
【0025】
複数の第1車両100-1は、それぞれ走行中の道路の天候状態に応じてワイパー10を個別に動作させながら道路を走行し、車両の位置情報及びワイパー10の動作情報を含む車両運行情報を管理サーバ200にリアルタイムで送信する。
【0026】
そのために本発明を実施するにあたって、第1車両100-1には車両の位置情報を生成するGPSモジュール、車両前面ガラスに設けられたワイパー10の動作情報を生成するワイパー動作検知モジュール及び車両の位置情報とワイパー10の動作情報を管理サーバ200に送信する通信モジュールを設けることが望ましいだろう。
【0027】
また、本発明を実施するにあたって、第1車両100-1に設けられるナビゲーション装置またはスマートフォンなどの車両端末に設けられたナビゲーションプログラムが実行されることにより、車両端末に備えられたカメラモジュールが活性化され、車両端末がワイパー10の動作を検知し、このように検知されたワイパー動作情報を車両端末の位置情報とともに車両端末が管理サーバ200に送信することもできるだろう。
【0028】
また、本発明を実施するにあたって、第1車両100-1に設けられたCAN(Controller Area Network)通信を介して第1車両100-1から車両端末がワイパー動作情報を受信し、これを車両端末の位置情報とともに管理サーバ200に送信することもできるだろう。
【0029】
また、本発明を実施するにあたって、第1車両100-1にワイパー10の動作情報を生成するワイパー動作検知モジュールが設けられ、車両端末に設けられたナビゲーションプログラムが実行されることにより、車両端末は第1車両100-1に設けられたワイパー動作検知モジュールからブルートゥース(登録商標)等の近距離通信を介してワイパー動作情報を受信し、車両端末は受信したワイパー動作情報を車両端末の位置情報とともに管理サーバ200に送信することもできるだろう。
【0030】
一方、本発明を実施するにあたって、ワイパー動作情報には、ワイパー10の動作状態の有無を示す情報と、雨や雪の量に応じて一般的に増加されるワイパー10の動作速度レベル情報が含まれるようにすることが好ましいだろう。
【0031】
管理サーバ200は、車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用した車両運行に関する各種サービスを提供する事業者が設置及び運営するサーバであり、このような管理サーバ200は複数の第1車両100-1から受信した車両運行情報に基づいて、複数の第1車両100-1がそれぞれ運行している道路の交通流統計データを生成する。
【0032】
図2は、本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法と、本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法を実行する管理サーバ200の構造を示す機能ブロック図である。
【0033】
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る管理サーバ200は、受信部210、記憶部230、生成部250、判断部270及び送信部290を含む。
【0034】
本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法を実行するにあたって、管理サーバ200の受信部210は、第1車両100-1の位置情報及びワイパー動作情報を含む車両運行情報を第1車両100-1から受信し、管理サーバ200の判断部270は、第1車両100-1から受信したワイパー動作情報に基づいて第1車両100-1に設けられたワイパー10が作動しているか否かを判断する。
【0035】
管理サーバ200の生成部250は、第1車両100-1の車両運行情報に基づいて第1車両100-1が運行している道路の交通流統計データを生成する。
【0036】
具体的に、管理サーバ200の生成部250は、判断部270がワイパーが動作していると判断した場合には雨や雪が降る特殊気象状況における交通流統計データである特殊交通流統計データを生成し、判断部270がワイパーが動作していないと判断した場合には雨や雪が降らない一般気象状況における交通流統計データである一般交通流統計データを生成する。
【0037】
一方、管理サーバ200の記憶部230には、生成部250によって生成された各道路における交通流統計データが累積記憶され、受信部210における各種受信情報、判断部270における各種判断情報も記憶部230に記憶される。
【0038】
図3は、本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法の実行過程を説明する手順フローチャートである。以下では、図1図3を参照し、本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用した交通流統計データ生成方法の実行過程を説明する。
【0039】
まず、管理サーバ200の受信部210は、道路を運行している複数の第1車両100-1から第1車両100-1の位置情報と第1車両100-1に設けられたワイパー10の動作情報を含む車両運行情報をリアルタイムで受信するS310。
【0040】
これにより、管理サーバ200の判断部270は、第1車両100-1から受信したワイパー10の動作情報に基づいて、第1車両100-1に設けられたワイパーが現在動作しているか否かを判断するS330。
【0041】
ワイパー動作情報に基づいて管理サーバ200の判断部270が第1車両100-1のワイパーが現在動作している状態であると判断した場合に管理サーバ200の生成部250は、雨や雪が降る特殊気象状況における交通流統計データである特殊交通流統計データを生成するS350。
【0042】
一方、特殊交通流統計データを生成するにあたって、管理サーバ200の生成部250は、ワイパー動作情報に含まれるワイパー10の動作速度レベル情報(例えば、レベル1~レベル5)、第1車両100-1の位置情報から特定される第1車両100-1が運行している道路情報(例えば、道路名または道路番号)、第1車両100-1から車両運行情報が受信された時間帯である運行時間帯情報(例えば、月曜日13:00~13:05)、第1車両100-1の位置情報と第1車両100-1からの位置情報の受信時刻情報に基づいて判断部270によって算出される第1車両100-1が運行している道路区間における第1車両100-1の運行速度情報が含まれるように特殊交通流統計データを作成することが好ましいだろう。
【0043】
一方、管理サーバ200の判断部270がワイパー動作情報に基づいて第1車両100-1のワイパーが現在動作していない状態であると判断した場合に管理サーバ200の生成部250は、雨や雪が降らない一般気象状況における交通流統計データである一般交通流統計データを生成するS370。
【0044】
特殊交通流統計データを生成するにあたって、管理サーバ200の生成部250は、第1車両100-1の位置情報から特定される第1車両100-1が運行している道路情報(例えば、道路名または道路番号)、第1車両100-1から車両運行情報が受信された時間帯である運行時間帯情報(例えば、月曜日13:00~13:05)、第1車両100-1の位置情報と第1車両100-1からの位置情報の受信時刻情報に基づいて判断部270によって算出される第1車両100-1が運行している道路区間における第1車両100-1の運行速度情報が含まれるように一般交通流統計データを生成することが好ましいだろう。
【0045】
また、本発明を実施するにあたって、管理サーバ200の生成部250は、各道路に対して生成された一般交通流統計データが各道路情報と関連して記憶された道路交通地図である一般状況道路交通地図を生成して記憶部230に記憶させ、これとは別に、各道路に対して生成された特殊交通流統計データが各道路情報と関連して記憶された道路交通地図である特殊状況道路交通地図を図4のように生成して記憶部230に記憶させることが好ましいだろう。
【0046】
また、図4と同様に管理サーバ200の生成部250は、特殊状況道路交通地図を生成するにあたってワイパー10の動作速度レベル情報(例えば、レベル1~レベル5)に応じて該当道路の色を差分して表示することができるだろう。
【0047】
図5は、本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出システムの構成図である。図5を参照すると、本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出システムは、第2車両100-2、第3車両100-3及び管理サーバ200を含む。
【0048】
第2車両100-2は、車両運行を出発する前に管理サーバ200を介して到着地までの予想所要時間を確認しようとする運転者が運行する車両であり、第3車両100-3は、第2車両100-2の出発地から到着地までの移動経路に含まれている道路を最も直前に走行した車両である。
【0049】
管理サーバ200は、本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法を利用して関連サービスを提供する事業者が設置及び運営するサーバである。
【0050】
管理サーバ200は、第2車両100-2の移動経路に含まれる道路を先に走行した第3車両100-3から受信したワイパー動作情報と車両位置情報とを含む車両運行情報と、第2車両100-2から受信した出発地情報及び到着地情報に応じて決定される第2車両100-2の移動経路情報に基づいて当該移動経路に対する予想所要時間を算出する。
【0051】
一方、本発明を実施するにあたって、図1の管理サーバ200と図5の管理サーバ200は、それぞれ独立して設置及び運営されることができるが、図1の管理サーバ200の機能と図5の管理サーバ200の機能が統合具現された単一のサーバが設置及び運営されることが好ましいだろう。
【0052】
したがって、図2の管理サーバ200が、本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法を実行するにあたって、管理サーバ200の受信部210は、第2車両100-2から出発地情報と到着地情報を含む予想所要時間算出要請を受信する。
【0053】
一方、管理サーバ200の判断部270は、第2車両100-2の移動経路に含まれる道路を先に運行した第3車両100-3から受信及び記憶されたワイパー動作情報を含む車両運行情報を検索し、検索された車両運行情報に含まれるワイパー動作情報及び車両の位置情報と、予め生成されて記憶部230に記憶されている交通流統計データに基づいて当該移動経路に対する予想所要時間を算出し、管理サーバ200の送信部290は、算出された予想所要時間情報を第2車両100-2に送信する。
【0054】
図6は、本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法の実行過程を説明する信号フローチャートである。以下では、図2図5及び図6を参照して、本発明の一実施形態に係る車両のワイパー動作情報を利用して生成された交通流統計データを活用する車両運行予想所要時間算出方法の実行過程を説明する。
【0055】
まず、管理サーバ200の記憶部230に図3で上述した方法に従って管理サーバ200の生成部250が生成した一般交通流統計データ及び特殊交通流統計データがそれぞれ記憶されている状態で、管理サーバ200は、各道路を走行している複数の第3車両100-3からワイパー動作情報と車両位置情報とを含む車両運行情報をそれぞれ受信及び記憶するS410。
【0056】
一方、第2車両100-2の運転者が車両に設置されたナビゲーション装置に車両の出発地情報と到着地情報を入力することにより、管理サーバ200は第2車両100-2から出発地情報と到着地情報を含む予想所要時間算出要請を受信するS420。
【0057】
これにより、管理サーバ200の判断部270は、第2車両100-2から受信した出発地情報と到着地情報に基づいて第2車両100-2の道路上の移動経路情報を生成し、前述したS410ステップで第3車両100-3から受信及び記憶された車両運行情報のうち、第2車両100-2の移動経路に含まれる各道路に対応する車両位置情報を含む車両運行情報を検索するS430。
【0058】
その後、管理サーバ200の判断部270は、前記のように検索された車両運行情報に含まれるワイパー動作情報に基づいて、各道路に対応する交通流統計データを検索するS440。
【0059】
具体的に、例えば、第2車両100-2の移動経路を構成する連続する5つの道路(道路1~道路5)があると仮定すると、管理サーバ200の判断部270が道路1に対して検索された第3車両100-3の車両運行情報に含まれるワイパー動作情報に基づいて第3車両100-3のワイパーが動作していないと判断した場合に管理サーバ200の判断部270は、道路1を道路情報として含み、前述したS420ステップで第2車両100-2から予想所要時間算出要請を受信した時間帯を運行時間帯情報として含む一般交通流統計データを検索し、検索された一般交通流統計データに含まれる第1車両100-1の運行速度に基づいて第2車両100-2が道路1を走行するのに所要される予想所要時間T1を算出することができるだろうS450。
【0060】
一方、道路1に対して検索された第3車両100-3の車両運行情報に含まれるワイパー動作情報におけるワイパー10の動作速度レベル情報がレベル1の場合に管理サーバ200の判断部270は、道路1を道路情報として含み、前述したS420ステップで第2車両100-2から予想所要時間算出要請を受信した時間帯を運行時間帯情報として含む特殊交通流統計データを検索する。
【0061】
このように道路1に対して検索された特殊交通流統計データに含まれるワイパー10の動作速度レベル情報が、レベル1として道路1に対して検索された第3車両100-3の車両運行情報に含まれるワイパー10の動作速度レベル情報と一致する場合、管理サーバ200の判断部270は、検索された特殊交通流統計データに含まれる第1車両100-1の運行速度情報に基づいて第2車両100-2が道路1を走行するのに所要される予想所要時間T1を算出するS450。
【0062】
もし、道路1に対して検索された第3車両100-3の車両運行情報に含まれるワイパー動作情報におけるワイパー10の動作速度レベル情報がレベル1の場合に管理サーバ200の判断部270が道路1を道路情報として含む特殊交通流統計データを検索したが、道路1を道路情報として含む特殊交通流統計データが検索されない場合(すなわち、道路1に対する特殊交通流統計データが生成及び記憶されていない場合)に、管理サーバ200の判断部270は、道路1を道路情報として含み、前述したS420ステップで第2車両100-2から予想所要時間算出要請を受信した時間帯を運行時間帯情報として含む一般交通流統計データを検索し、検索された一般交通流統計データに含まれる第1車両100-1の運行速度情報と道路1の属性情報に基づいて道路1における第2車両100-2の運行速度を推定算出することができるだろう。
【0063】
一方、このために管理サーバ200の判断部270は、一般交通流統計データと特殊交通流統計データの両方が生成されている道路における一般交通流統計データに含まれる第1車両100-1の運行速度と当該道路における特殊交通流統計データに含まれる第1車両100-1の運行速度との比率を各道路の属性及び特殊交通流統計データに含まれるワイパー10の動作速度レベル別に算出することにより、下記表1に示すように、各道路の属性及びワイパー10の動作速度レベルに応じた車両の速度減少率を算出し、これを記憶部230に記憶させることが好ましいだろう。
【0064】
【表1】
これにより、道路1に対して検索された第3車両100-3の車両運行情報に含まれるワイパー動作情報におけるワイパー10の動作速度レベル情報がレベル1である場合に管理サーバ200の判断部270が道路1を道路情報として含む特殊交通流統計データを検索したが、道路1を道路情報として含む特殊交通流統計データが検索されない場合に管理サーバ200の判断部270は、道路1を道路情報として含む一般交通流統計データを検索し、検索された一般交通流統計データに含まれる第1車両100-1の運行速度に道路1の属性情報(例えば、高速国道)及び前述したS430ステップで検索された車両運行情報に含まれるワイパー10の動作速度レベル情報(レベル1)に応じて、前記表1によって決定される速度減少率(5%)を適用することで、第2車両100-2の運行速度を推定算出することができるだろう。一方、道路1を道路情報として含む特殊交通流統計データが検索されたが、検索された特殊交通流統計データに含まれるワイパー10の動作速度レベル情報がレベル2で、第3車両100-3のワイパー動作速度レベル情報であるレベル1と一致しない場合、管理サーバ200の判断部270は、道路1を道路情報として含む一般交通流統計データを検索し、検索された一般交通流統計データに含まれる第1車両100-1の運行速度とレベル2をワイパー10の動作速度レベル情報として含む前記特殊交通流統計データに含まれる第1車両100-1の運行速度の平均値を、レベル1に対する第2車両100-2の運行速度で推定算出することができるだろう。
【0065】
また、検索された第3車両100-3の車両運行情報に含まれるワイパー動作情報におけるワイパー10の動作速度レベル情報がレベル3である場合、管理サーバ200の判断部270が当該道路に対応する特殊交通流統計データを検索した結果、レベル3をワイパー10の動作速度情報として含む特殊交通流統計データは検索されず、レベル2をワイパー10の動作速度情報として含む特殊交通流統計データとレベル4をワイパー10の動作速度情報として含む特殊交通流統計データが検索された場合に管理サーバ200の判断部270は、レベル2を動作速度情報として含む特殊交通流統計データに含まれる第1車両100-1の運行速度とレベル4を動作速度レベル情報として含む特殊交通流統計データに含まれる第1車両100-1の運行速度の平均値をレベル3に対する第1車両100-1の運行速度として推定算出することができるだろう。
【0066】
一方、このように第2車両100-2が道路1を走行するのに所要する予想所要時間T1を算出した後、管理サーバ200の判断部270は、道路2を走行するのに所要する予想所要時間T2を同様の方法で算出する。
【0067】
ただし、管理サーバ200の判断部270が道路2を走行するのに所要する予想所要時間T2を算出するために特殊交通流統計データまたは一般交通流統計データを検索するにあたっては、道路2を道路情報として含み、前述したS420ステップで第2車両100-2から予想所要時間算出要請を受信した時刻から道路1を走行するのに所要する予想所要時間T1が経過した時間帯を運行時間帯情報として含む特殊交通流統計データまたは一般交通流統計データを検索することが好ましいだろう。
【0068】
その後、管理サーバ200の判断部270は、同様に、第2車両100-2が道路3を走行するのに所要する予想所要時間T3、第2車両100-2が道路4走行するのに所要する予想所要時間T4、第2車両100-2が道路5を走行するのに所要する予想所要時間T5を順次算出し、このように各道路別に区分算出された予想所要時間を合計することにより、第2車両100-2の移動経路に対する合計予想所要時間を算出するS460。
【0069】
これに、管理サーバ200の送信部290は、前記のように算出された第2車両100-2の移動経路に対する合計予想所要時間情報を第2車両100-2の移動経路情報とともに第2車両100-2に送信するS470。
【0070】
本発明で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに別段の意味を持たない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、本明細書に記載の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであり、1つまたは複数の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものの存在または追加の可能性を予め排除しないことと理解されるべきである。
【0071】
以上では、本発明の好ましい実施形態及び応用例について図示して説明したが、本発明は上述した特定の実施形態及び応用例に限らず、請求の範囲で請求する本発明の要旨を外れることなく、当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能なのはもちろん、このような変形実施は本発明の技術的思想や展望から個別に理解されてはならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6