(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】動画を配信するためのシステム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240704BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2024007910
(22)【出願日】2024-01-23
(62)【分割の表示】P 2023144245の分割
【原出願日】2019-07-17
【審査請求日】2024-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100125195
【氏名又は名称】尾畑 雄一
(72)【発明者】
【氏名】野口 拓人
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特許第6511217(JP,B1)
【文献】特開2015-143919(JP,A)
【文献】特開2018-005320(JP,A)
【文献】特開2018-157273(JP,A)
【文献】特開2016-189804(JP,A)
【文献】特許第6467093(JP,B1)
【文献】特開2003-216531(JP,A)
【文献】特許第6430059(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の端末に動画を配信する手段と、
前記動画の配信者に対応するグループの管理ユーザによって承認されたユーザを、前記配信者の第1特定ユーザとして管理する手段と、
前記動画の視聴行動に関する所定の条件を充足したユーザを、前記配信者の第2特定ユーザとして管理する手段と、を備え、
前記所定の条件は、前記動画の視聴時間に関する条件を含
み、
前記配信する手段は、前記1又は複数の端末の各々に視聴画面を表示させ、
前記視聴画面は、前記所定の条件を充足する前記第2特定ユーザに関する情報を表示するように構成されている、
装置。
【請求項2】
1又は複数の端末に動画を配信する手段と、
前記動画の配信者に対応するグループの管理ユーザによって承認されたユーザを、前記配信者の第1特定ユーザとして管理する手段と、
前記動画の視聴行動に関する所定の条件を充足したユーザを、前記配信者の第2特定ユーザとして管理する手段と、を備え、
前記所定の条件は、前記動画の視聴日数に関する条件を含
み、
前記配信する手段は、前記1又は複数の端末の各々に視聴画面を表示させ、
前記視聴画面は、前記所定の条件を充足する前記第2特定ユーザに関する情報を表示するように構成されている、
装置。
【請求項3】
1又は複数の端末に動画を配信する手段と、
前記動画の配信者に対応するグループの管理ユーザによって承認されたユーザを、前記配信者の第1特定ユーザとして管理する手段と、
前記動画の視聴行動に関する所定の条件を充足したユーザを、前記配信者の第2特定ユーザとして管理する手段と、を備え、
前記所定の条件は、前記動画へのコメントの入力に関する条件を含
み、
前記配信する手段は、前記1又は複数の端末の各々に視聴画面を表示させ、
前記視聴画面は、前記所定の条件を充足する前記第2特定ユーザに関する情報を表示するように構成されている、
装置。
【請求項4】
1又は複数の端末に動画を配信する手段と、
前記動画の配信者に対応するグループの管理ユーザによって承認されたユーザを、前記配信者の第1特定ユーザとして管理する手段と、
前記動画の視聴行動に関する所定の条件を充足したユーザを、前記配信者の第2特定ユーザとして管理する手段と、を備え、
前記所定の条件は、前記動画へのアイテムの入力に関する条件を含
み、
前記配信する手段は、前記1又は複数の端末の各々に視聴画面を表示させ、
前記視聴画面は、前記所定の条件を充足する前記第2特定ユーザに関する情報を表示するように構成されている、
装置。
【請求項5】
前記所定の条件を充足したユーザを前記第2特定ユーザとして管理する手段は、所定の期間中に前記所定の条件を充足したユーザを前記第2特定ユーザとして管理する、
請求項1ないし4何れかの装置。
【請求項6】
ユーザの前記視聴行動に関するパラメータの値を管理する手段をさらに備える、
請求項1ないし4何れかの装置。
【請求項7】
前記パラメータの値を管理する手段は、前記所定の条件を充足するために必要な前記パラメータの値と、実際の前記パラメータの値と、の間の差異に関する情報を管理する、
請求項6の装置。
【請求項8】
複数の第1特定ユーザの一覧情報であって、前記複数の第1特定ユーザの各々の前記所定の条件の充足状況を含む前記一覧情報を端末に送信する手段をさらに備える、
請求項1ないし4何れかの装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画を配信するためのシステム、方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、配信者が提供する動画を複数の視聴者に対して配信するための様々なサービスが提供されている(例えば、下記特許文献1を参照)。また、こうしたサービスにおいては、動画配信の促進等を目的として、配信者のランキング等の評価が行われている。こうした評価は、典型的には、配信日数、配信時間等の配信者による配信行動に基づいて行われる。また、こうした評価は、さらに、視聴者によって入力されるコメント/アイテムの数等の視聴者による視聴行動に基づいて行われることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の動画配信サービスにおいては、例えば、少数の熱心なファンを有する配信者の評価は、こうしたファンの非常に活発な視聴行動(例えば、非常に多くのアイテムの入力等)のみによって高くなる場合があった。この結果、配信者が、少数の熱心なファンを持つことに注力してしまうと、サービス全体における視聴者数の増加が抑制され、サービスの活性化が阻害されてしまう。
【0005】
本発明の実施形態は、動画の配信者に対する適切な評価を支援することを目的の一つとする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るシステムは、1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、動画を配信するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、複数の配信者の各々が提供する動画を複数の視聴者に対して配信する処理と、前記複数の配信者の各々について、前記複数の配信者の各々が提供する動画の視聴行動に関する所定の条件を充足する視聴者を判定する処理と、前記複数の配信者の各々の前記所定の条件を充足する視聴者の数に少なくとも基づいて、前記複数の配信者の各々を評価するための所定の処理を実行する処理と、を実行する。
【0007】
本発明の一実施形態に係る方法は、1又は複数のコンピュータによって実行され、動画を配信するための方法であって、複数の配信者の各々が提供する動画を複数の視聴者に対して配信する工程と、前記複数の配信者の各々について、前記複数の配信者の各々が提供する動画の視聴行動に関する所定の条件を充足する視聴者を判定する工程と、前記複数の配信者の各々の前記所定の条件を充足する視聴者の数に少なくとも基づいて、前記複数の配信者の各々を評価するための所定の処理を実行する工程と、を備える。
【0008】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、動画を配信するためのプログラムであって、1又は複数のコンピュータ上での実行に応じて、前記1又は複数のコンピュータに、複数の配信者の各々が提供する動画を複数の視聴者に対して配信する処理と、前記複数の配信者の各々について、前記複数の配信者の各々が提供する動画の視聴行動に関する所定の条件を充足する視聴者を判定する処理と、前記複数の配信者の各々の前記所定の条件を充足する視聴者の数に少なくとも基づいて、前記複数の配信者の各々を評価するための所定の処理を実行する処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の様々な実施形態は、動画の配信者に対する適切な評価を支援する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る動画配信サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図。
【
図2】動画配信サーバ10の機能を概略的に示すブロック図。
【
図3】ユーザ情報テーブル411において管理される情報を例示する図。
【
図5】配信管理テーブル412において管理される情報を例示する図。
【
図6】条件充足状況管理テーブル413において管理される情報を例示する図。
【
図11】ランクを更新する際にサーバ10が実行する処理を例示するフロー図。
【
図12】ランクメータ値の更新ルールを説明するための図。
【
図13】ランクの更新内容と必要なランクメータ値との対応関係を説明するための図。
【
図14】ダイヤを付与する際にサーバ10が実行する処理を例示するフロー図。
【
図15】イベントの期間中における配信画面70を例示する図。
【
図16】応援隊の人数及びレベル、並びに、イベントポイント算出用の係数の対応関係を例示する図。
【
図18】イベントの期間中における視聴画面80を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る動画配信サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図である。動画配信サーバ10は、図示するように、インターネット等の通信ネットワーク20を介してユーザ端末30と通信可能に接続されている。
図1においては、1つのユーザ端末30のみが図示されているが、サーバ10は、複数のユーザ端末30と通信可能に接続されている。動画配信サーバ10は、動画を配信及び視聴するための動画配信サービスを、ユーザ端末30を介してユーザに提供する。本実施形態において、ユーザ端末30を操作するユーザは、配信者として動画を配信することができ、また、視聴者として他のユーザによって提供される動画を視聴することもできる。動画配信サーバ10は、本発明のシステムの一部又は全部を実装する装置の一例である。
【0013】
動画配信サーバ10は、一般的なコンピュータとして構成されており、
図1に示すように、コンピュータプロセッサ11と、メインメモリ12と、入出力I/F13と、通信I/F14と、ストレージ(記憶装置)15とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0014】
コンピュータプロセッサ11は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ15等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ12に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ12は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0015】
入出力I/F13は、ユーザ等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F13は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F13は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0016】
通信I/F14は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0017】
ストレージ15は、例えば磁気ディスク、フラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ15は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム、及び各種データ等を記憶する。
【0018】
本実施形態において、動画配信サーバ10は、それぞれが上述したハードウェア構成を有する複数のコンピュータを用いて構成され得る。例えば、動画配信サーバ10は、1又は複数のサーバ装置によって構成され得る。
【0019】
このように構成された動画配信サーバ10は、ウェブサーバ及びアプリケーションサーバとしての機能を有するように構成することができ、この場合、ユーザ端末30にインストールされているウェブブラウザ及びその他のアプリケーション(例えば、動画配信サービス用のアプリケーション)からの要求に応答して各種の処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ(例えば、HTMLデータ)及び制御データ等をユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30では、受信したデータに基づくウェブページ又はその他の画面が表示され得る。
【0020】
ユーザ端末30は、一般的なコンピュータとして構成されており、
図1に示すように、コンピュータプロセッサ31と、メインメモリ32と、入出力I/F33と、通信I/F34と、ストレージ(記憶装置)35とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0021】
コンピュータプロセッサ31は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ35等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ32に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ32は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0022】
入出力I/F33は、ユーザ等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F33は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F33は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0023】
通信I/F34は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0024】
ストレージ35は、例えば磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ35は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。ストレージ35が記憶するプログラムは、アプリケーションマーケット等からダウンロードされてインストールされ得る。
【0025】
本実施形態において、ユーザ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、及び、ウェアラブルデバイス等として構成され得る。
【0026】
このように構成されたユーザ端末30を操作するユーザは、ストレージ35等にインストールされているウェブブラウザ又はその他のアプリケーションを介した動画配信サーバ10との通信を実行することによって、動画配信サーバ10が提供する動画配信サービスを利用することができる。
【0027】
次に、本実施形態の動画配信サーバ10が有する機能について説明する。
図2は、動画配信サーバ10が有する機能を概略的に示すブロック図である。サーバ10は、図示するように、様々な情報を記憶及び管理する情報記憶管理部41と、動画配信サービスの基本機能を制御する基本機能制御部43と、動画の配信を制御する動画配信制御部45と、ユーザの評価に関する処理を実行するユーザ評価部47とを有する。これらの機能は、コンピュータプロセッサ11及びメインメモリ12等のハードウェア、並びに、ストレージ15等に記憶されている各種プログラムやデータ等が協働して動作することによって実現され、例えば、メインメモリ12に読み込まれたプログラムに含まれる命令をコンピュータプロセッサ11が実行することによって実現される。また、
図2に示すサーバ10の機能の一部又は全部は、サーバ10とユーザ端末30とが協働することによって実現され、又は、ユーザ端末30によって実現され得る。
【0028】
動画配信サーバ10の情報記憶管理部41は、ストレージ15等において様々な情報を記憶及び管理する。情報記憶管理部41は、例えば、
図2に示すように、動画配信サービスのユーザに関する情報を管理するユーザ情報テーブル411と、個別の動画の配信に関する情報を管理する配信管理テーブル412と、視聴行動に関する所定の条件の視聴者による充足状況を管理する条件充足状況管理テーブル413とを有するように構成されている。
【0029】
動画配信サーバ10の基本機能制御部43は、動画配信サービスの基本機能の制御に関する様々な処理を実行する。例えば、基本機能制御部43は、基本機能に関する様々な画面の画面データ又は制御データをユーザ端末30に送信し、ユーザ端末30で表示される当該画面を介したユーザによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ又は制御データをユーザ端末30に送信する。基本機能制御部43によって制御される基本機能は、例えば、ログイン処理(ユーザ認証)、課金制御、及び、ユーザ管理(例えば、ユーザ情報テーブル411の更新等)等を含む。
【0030】
動画配信サーバ10の動画配信制御部45は、動画の配信の制御に関する様々な処理を実行する。例えば、動画配信制御部45は、複数の配信者の各々が提供する動画を複数の視聴者に対して配信するように構成されている。例えば、動画配信制御部45は、配信者のユーザ端末30(以下、「配信者端末30」と言うことがある。)から送信されるライブ動画を受信して、当該ライブ動画を複数の視聴者の各々のユーザ端末30(以下、「視聴者端末30」と言うことがある。)に送信するように構成される。ライブ動画は、例えば、配信者端末30のカメラを介して入力される画像、及び、マイクを介して入力される音声によって構成される。こうしたライブ動画の配信は、例えば、HTTP Live Streaming(HLS)等のプロトコルを用いたストリーミング方式で行われ得る。また、例えば、動画配信制御部45は、配信者が提供する動画を配信者端末30から予め受信してストレージ15等に記憶しておき、視聴者からの視聴者端末30を介した要求に応答して当該動画を視聴者端末30に対して送信するように構成される。
【0031】
動画配信サーバ10のユーザ評価部47は、ユーザの評価に関する様々な処理を実行する。本実施形態において、ユーザ評価部47は、各配信者について、各配信者が提供する動画の視聴行動に関する所定の条件を充足する視聴者を判定し、当該視聴者の数に少なくとも基づいて、各配信者を評価するための所定の処理を実行するように構成されている。各視聴者の所定の条件の充足状況に関する情報は、例えば、条件充足状況管理テーブル413において管理される。所定の条件を充足するような視聴行動を伴う視聴者は、例えば、対応する配信者の「ファン」として定義され得る。
【0032】
このように、本実施形態における動画配信サーバ10は、複数の配信者の各々について、各配信者が提供する動画の視聴行動に関する所定の条件を充足する視聴者(例えば、ファン)を判定し、こうした視聴者の数に少なくとも基づいて、各配信者を評価するための所定の処理を実行するから、一定の視聴行動を伴う視聴者の数に基づく配信者の適切な評価が可能となる。このように、サーバ10は、動画の配信者に対する適切な評価を支援する。
【0033】
本実施形態において、所定の処理は、配信者を評価するための様々な処理が含まれ得る。例えば、当該所定の処理は、配信者のランキングを設定するための所定のポイントを算出する処理を含む。この場合、ユーザ評価部47は、所定の条件を充足する視聴者の数に基づいて所定のポイントを算出するように構成され、例えば、当該所定のポイントは、当該視聴者の数が多いほど大きくなる(評価が高くなる)ように構成される。こうした構成は、一定の視聴行動を伴う視聴者の数に基づく配信者の適切なランキングを支援する。
【0034】
また、本実施形態において、配信者のランキングは、所定の期間を有する特定のイベントにおけるランキングとして構成され得る。こうしたイベントは、典型的には、ランキングの上位に位置する配信者に対して所定の報酬(動画配信サービスにおいて利用可能な電子的及び仮想的な報酬、又は、現実の報酬等)が付与される。例えば、ユーザ評価部47は、当該特定のイベントに対応する所定の期間において所定の条件を充足する視聴者を判定する(例えば、当該所定の期間における実際の視聴行動に基づいて所定の条件の充足の有無を判定する)と共に、当該視聴者の数に基づいて所定のポイントを算出し、当該所定のポイントに基づいて配信者のランキングを設定するように構成され得る。こうした構成は、期間限定のイベントにおける配信者の適切なランキングを支援する。
【0035】
本実施形態において、所定の条件は、視聴者による動画の視聴行動に関する様々な条件を含み得る。例えば、所定の条件は、視聴行動に関する1又は複数のパラメータの値がそれぞれ所定の範囲内である(例えば、所定の値以上である等)という条件を含む。
【0036】
例えば、所定の条件は、動画の視聴量(例えば、視聴時間、視聴回数、及び視聴日数等)に関する条件を含み、例えば、動画の視聴量に関するパラメータの値が所定の範囲内にある(例えば、視聴時間が所定の値以上である等)という条件を含む。こうした構成は、一定の動画の視聴量を伴う視聴者の数に基づく配信者の適切な評価を可能とする。
【0037】
また、例えば、所定の条件は、動画の視聴中における入力情報(例えば、コメント及びアイテム等)の入力量(例えば、入力数等)に関する条件を含み、例えば、当該入力情報の入力量に関するパラメータの値が所定の範囲内にある(例えば、コメント数が所定の値以上である等)という条件を含む。例えば、有償のアイテムの入力量に関する条件は、入力されたアイテムの対価の量(例えば、コイン数等)に関する条件を含む。こうした構成は、一定の入力情報の入力量を伴う視聴者の数に基づく配信者の適切な評価を可能とする。
【0038】
本実施形態において、配信者端末30/視聴者端末30において動画の配信中に表示される配信画面/視聴画面は、対応する配信者(配信中の動画を提供する配信者)の所定の条件を充足する視聴者に関する情報(例えば、当該視聴者の数/一覧等)を表示するように構成され得る。こうした構成は、動画の配信中において、配信者/視聴者が、所定の条件を充足する視聴者に関する情報を知ることを可能とし、この結果、視聴者による所定の条件の充足に向けた視聴行動が促進され得る。
【0039】
また、本実施形態において、配信画面/視聴画面は、視聴者による所定の条件の充足に応じて所定のメッセージを表示するように構成され得る。当該メッセージは、所定の条件を充足した視聴者を特定可能な情報(例えば、当該視聴者のアカウント名等)が含まれ得る。こうした構成は、動画の配信中において、配信者/視聴者が、任意の視聴者による所定の条件の充足を知ることを可能とし、この結果、視聴者による所定の条件の充足に向けた視聴行動が促進され得る。
【0040】
また、ユーザ評価部47は、視聴者に対して当該視聴者の所定の条件の充足状況に関する情報を提示するように構成され得る。例えば、ユーザ評価部47は、視聴者からの視聴者端末30を介した要求に応答して、当該視聴者自身の所定の条件の充足状況を含む画面の画面データ等を当該視聴者端末30に対して送信するように構成され得る。所定の条件の充足状況は、当該条件を充足するために必要な視聴行動に関するパラメータの値と、実際のパラメータの値との間の差異に関する情報を含む。また、例えば、視聴者自身の所定の条件の充足状況は、動画の配信中において視聴者端末30において表示される視聴画面を介して当該視聴者に対して提示され得る。こうした構成は、視聴者が、当該視聴者自身の所定の条件の充足状況を知ることを可能とし、この結果、視聴者による所定の条件の充足に向けた視聴行動が促進され得る。
【0041】
次に、このような機能を有する本実施形態の動画配信サーバ10の具体例について説明する。この例における動画配信サービスは、配信者によって提供されるライブ動画が視聴者に対してリアルタイムで配信されるライブ動画配信サービスとして構成されている。
【0042】
図3は、この例において、ユーザ情報テーブル411において管理される情報を例示する。ユーザ情報テーブル411は、ライブ動画配信サービスのユーザに関する情報を管理し、図示するように、個別のユーザを識別する「ユーザアカウント」に対応付けて、アカウント名、年齢、性別等を含む「基本情報」、ライブ動画の配信履歴に関する情報である「配信履歴情報」、他のユーザが配信するライブ動画の視聴履歴に関する情報である「視聴履歴情報」、このユーザがフォローしている他のユーザに関する情報である「フォローユーザ情報」、このユーザをフォローしている他のユーザ(フォロワー)に関する情報である「フォロワー情報」、このユーザがファミリーメンバーとして加入しているファミリーに関する情報である「ファミリー情報」、配信者としてのユーザのランクを示す「ランク」、ランクアップ/ダウンを判定するためのパラメータ値である「ランクメータ値」、ライブ動画配信サービスにおける仮想的なコインの保有数を示す「コイン保有数」、同じく仮想的なダイヤの保有数を示す「ダイヤ保有数」、このユーザが期間限定のイベントにおいて配信者として獲得したポイントである「イベントポイント」(所定のポイント)等の情報を管理する。
【0043】
ファミリーは、特定の配信者を応援するためのコミュニティ(グループ)であり、当該ファミリーの管理者等による承認を介して加入する(ファミリーメンバーとなる。)ことができる。ファミリー情報は、このユーザが加入している1又は複数のファミリーの各々を特定可能な情報を含む。
【0044】
図4は、この例における配信者の「ランク」を説明するための図である。図示するように、この例では、「S」、「A」、「B」、「C」、「D」及び「E」の6つのランク帯が存在し、「S」、「A」、「B」、「C」、「D」の5つのランク帯の各々は、3つのランク(例えば、「S+」、「S」、「S-」のように、ランク帯を示すアルファベットに「+」を付加したランク、当該アルファベットのみのランク、及び、当該アルファベットに「-」を付加したランク)によって構成されている。また、「E」のランク帯は、1つのランク「E」によって構成されている。つまり、この例では、16段階(3×5+1=16)のランクが存在している。
【0045】
また、ランク帯は、「S」側が最上位であって「E」側が最下位である。また、同一のランク帯内のランクは、「+」側が最上位であって「-」側が最下位である。この例では、ユーザのランクは、初期値として「D-」が設定される。
【0046】
図5は、この例において、配信管理テーブル412において管理される情報を例示する。配信管理テーブル412は、個別のライブ動画の配信に関する情報を管理し、図示するように、個別の配信(ライブ動画)を識別する「配信ID」に対応付けて、この配信の配信者を識別する「配信者ユーザアカウント」、「配信日時」、配信の継続時間を示す「配信時間」、「視聴者数(現在値及び最大値)」、視聴者によって入力されたコメントの数である「コメント数」、視聴者によって入力された「いいね」の数である「いいね数」、視聴者によるアイテムの入力に応じて増加する「アイテムポイント」、この配信に対して付与されるポイントである「配信ポイント」等の情報を管理する。
【0047】
図6は、この例において、条件充足状況管理テーブル413において管理される情報を例示する。条件充足状況管理テーブル413は、視聴行動に関する所定の条件の視聴者による充足状況に関する情報を管理し、図示するように、個別のイベントを識別する「イベントID」、個別の配信者を識別する「配信者ユーザアカウント」、及び、個別の視聴者を識別する「視聴者ユーザアカウント」の組合せに対応付けて、アイテムの入力に伴って消費されるコインの消費数である「アイテム用コイン消費数」、「コメント入力数」、「視聴時間」、「視聴日数」、視聴者が所定の条件を充足した日時である「条件充足日時」等の情報を管理する。
【0048】
この例では、詳しくは後述するが、期間限定のイベントにおいて、配信者が提供するライブ動画の視聴行動に関する所定の条件を充足する視聴者を、当該配信者の応援隊として管理する。条件充足状況管理テーブル413は、対応するイベントの期間中における、対応する配信者のライブ動画に対する、対応する視聴者の視聴行動に関するパラメータ(アイテム用コイン消費数、コメント入力数、視聴時間、視聴日数)の値を管理している。
【0049】
図7は、ユーザ端末30において表示されるライブ動画配信サービスのトップ画面60を例示する。当該画面60は、ライブ動画配信サービスを利用するユーザの起点となる画面であり、図示するように、「フォロー」、「人気」及び「すべて」と表示された選択領域62と、当該領域62の下側に位置する一覧表示領域64と、画面右上隅に位置する円形の配信開始ボタン66とを有する。
【0050】
選択領域62は、一覧表示領域64における表示内容を選択するための領域である。具体的には、選択領域62において「フォロー」が選択されると、一覧表示領域64において、ユーザがフォローしている他のユーザの配信中のライブ動画が一覧表示される。同様に、選択領域62において「人気」が選択されると、一覧表示領域64において、人気を有する動画を抽出するための所定の抽出条件に従って抽出されたライブ動画(例えば、視聴者数(現在値)が閾値以上であるライブ動画等)が一覧表示される。また、選択領域62において「すべて」が選択されると、一覧表示領域64において、配信中の全てのライブ動画が一覧表示される。
【0051】
一覧表示領域64には、
図7に示すように、各々が個別のライブ動画に関する情報を表示する複数の個別表示領域641が2列で配置される。個別表示領域641は、ライブ動画の配信者によって予め設定されている静止画像、配信者のアカウント名、及び、視聴者数(現在値)等を表示し、ユーザによる選択に応じて、対応するライブ動画の視聴を開始できるように構成されている。一覧表示領域64は、上下方向へのフリック操作/スライド操作等によって、表示される個別表示領域641が切り替わるように構成されている。
【0052】
配信開始ボタン66は、ユーザが、配信者としてライブ動画の配信を開始するためのオブジェクトである。当該配信開始ボタン66がユーザによって選択されると、ライブ動画の配信が開始され、具体的には、ユーザ端末30のカメラを介して入力される画像、及び、同じくユーザ端末30のマイクを介して入力される音声によって構成される動画のサーバ10への送信が開始される。また、ライブ動画の配信の開始に応じて、配信管理テーブル412において新たなレコードが作成される。
【0053】
図8は、配信開始ボタン66の選択(つまり、ライブ動画の配信の開始)に応じて配信者端末30において表示される配信画面70を例示する。当該画面70は、図示するように、画面全体に対応する動画表示領域71と、画面左上隅に位置する基本情報表示領域72と、画面左下隅に位置するコメント表示領域73と、画面下端部中央に位置する円形の配信停止ボタン76とを有する。
【0054】
動画表示領域71は、配信されるライブ動画、つまり、配信者端末30のカメラを介して入力される画像が表示される。配信者は、通常は、配信者端末30のインカメラを介して配信者自身を撮影するので、配信されるライブ動画には配信者自身が含まれる。
【0055】
基本情報表示領域72は、この配信の基本情報を表示し、具体的には、配信者情報(プロフィール画像等)、この配信の視聴者数(現在値)、及び、この配信に対して視聴者によって入力された「いいね」の数等を表示する。
【0056】
コメント表示領域73は、視聴者によって入力されたユーザコメント又はサーバ10によって自動的に入力されたシステムコメント(例えば、視聴者による視聴の開始(配信への入室)を通知するシステムコメント等)を表示し、具体的には、当該領域73には、各々が個別のコメントに対応する複数のコメントオブジェクト731が上下方向に並べて配置される。コメント表示領域73は、新たなコメントが入力されると、対応するコメントオブジェクト731が下側に追加され、既存のコメントオブジェクト731が順に上方向に移動するように構成されている。コメント表示領域73は、上下方向へのフリック操作/スライド操作等によって、表示されるコメントオブジェクト731が切り替わるように構成されている。
【0057】
配信停止ボタン76は、配信者がライブ動画の配信を停止するためのオブジェクトである。当該配信停止ボタン76が配信者によって選択されると、ライブ動画の配信(配信者端末30からサーバ10へのライブ動画の送信)が停止される。
【0058】
図9は、視聴者端末30において表示される視聴画面80を例示する。例えば、トップ画面60の一覧表示領域64等を介して任意のライブ動画が視聴者によって選択されると、選択されたライブ動画を視聴するための視聴画面80が視聴者端末30において表示される。当該画面80は、図示するように、上述した配信画面70と同様に、動画表示領域81と、基本情報表示領域82と、コメント表示領域83とを有する。また、視聴画面80は、画面下端部において、コメント入力領域86と、ハートマークが表示された「いいね」ボタン87と、プレゼントの図柄が表示されたアイテム入力ボタン88とを有する。
【0059】
コメント入力領域86は、視聴者がコメントを入力するための領域である。また、当該領域86の右端部には送信オブジェクト861が配置されており、当該オブジェクト861が選択されると、コメント入力領域86に入力されている文字列がユーザコメントとして送信される。ユーザコメントが送信されると、当該コメントに対応するコメントオブジェクト731、831が、配信者端末30の配信画面70及び各視聴者端末30の視聴画面80それぞれのコメント表示領域73、83に追加される。ユーザコメントに対応するコメントオブジェクト731、831には、当該コメントを入力した視聴者のアカウント名と共に、コメント自体(文字列)が表示される。また、コメントが入力されると、配信管理テーブル412のコメント数が更新(1加算)される。
【0060】
いいねボタン87は、視聴者が配信者に対して「いいね」を入力するためのオブジェクトである。当該ボタン87が視聴者によって選択されると、「いいね」の入力が行われると共に「いいね」の入力に関するシステムコメントが入力され、対応するコメントオブジェクト731、831がコメント表示領域73、83に追加される。「いいね」の入力に関するシステムコメントに対応するコメントオブジェクト731、831には、「いいね」を入力した視聴者のアカウント名と共に、「いいね」が行われたことを示すテキストが表示される。また、「いいね」が入力されると、所定の視覚効果(例えば、ハート型のオブジェクトが画面下側から上側に向かって流れるように表示されるアニメーション効果等)が動画表示領域71、81に付加される。また、「いいね」が入力されると、配信管理テーブル412の「いいね数」が更新(1加算)される。
【0061】
アイテム入力ボタン88は、視聴者がアイテムを入力するためのオブジェクトである。当該ボタン88が視聴者によって選択されると、
図10に例示するアイテム選択画面100が視聴画面80に重ねて表示される。当該画面100は、図示するように、各々がアイテムに関する情報を表示する複数の個別表示領域102を一覧表示する。個別表示領域102は、アイテムに対応する画像、及び、当該アイテムの入力に必要なコイン数を表示する。
【0062】
この例では、視聴者によって入力可能な複数のアイテムが予め定められており、各アイテムには、その価格(価値、対価)としてのコイン数が予め設定されている。アイテム選択画面100は、当該入力可能な複数のアイテムを一覧表示する。視聴者によってアイテム選択画面100を介して何れかのアイテムが選択されると、選択されたアイテムの入力が行われる。
【0063】
アイテムの入力が行われると、アイテムの入力に関するシステムコメントが入力され、対応するコメントオブジェクト731、831がコメント表示領域73、83に追加される。アイテムの入力に関するシステムコメントに対応するコメントオブジェクト731、831には、アイテムを入力した視聴者のアカウント名と共に、入力されたアイテムの名称が表示される。また、アイテムが入力されると、入力されたアイテムに対応する視覚効果が動画表示領域71、81に付加される。また、アイテムが入力されると、入力されたアイテムのコイン数に応じたアイテムポイント(例えば、コイン数が多くなるほどポイントも多くなる。)がこの配信に対して付与され、配信管理テーブル412において、対応する配信のアイテムポイントに加算される。また、アイテムが入力されると、入力されたアイテムのコイン数が、ユーザ情報テーブル411において、対応するユーザ(アイテムを入力した視聴者)のコイン保有数から減じられる。
【0064】
配信者が、配信画面70の配信停止ボタン76を選択すると、ライブ動画の配信が終了する。ライブ動画の配信が終了すると、サーバ10は、当該配信に対する配信ポイントを設定する。この例では、視聴者数(最大値)、いいね数、コメント数、及び、アイテムポイントに基づいて配信ポイントが算出される。配信ポイントは、視聴者数(最大値)、いいね数、コメント数、及び、アイテムポイントが多いほど、多くなるように構成されている。算出された配信ポイントは、配信管理テーブル412において登録される。
【0065】
また、この例では、ユーザが前日に獲得した配信ポイントに基づいて当日のランクが決定(更新)される。
図11は、各ユーザのランクを更新する際にサーバ10が実行する処理を例示するフロー図である。これらの処理は、毎日深夜(例えば、毎日午前3時)に実行される。
【0066】
サーバ10は、まず、
図11に示すように、各ユーザのランクメータ値を更新する(ステップS200)。
図12は、ランクメータ値の更新ルールを説明するための図である。図示するように、この例では、ユーザが前日に獲得した配信ポイントの当該ユーザが属するランク帯内での順位に基づいてランクメータ値が変動する。特定のユーザが前日に獲得した配信ポイントは、配信管理テーブル412の配信者ユーザアカウント、配信日時、及び、配信ポイントを参照することによって算出される。なお、ユーザが1日に複数の配信を行っている場合、複数の配信でそれぞれ獲得した配信ポイントが合算される。
【0067】
ランクメータ値の更新ルールは、具体的には、
図12に示すように、まず、ランク帯内の配信ポイントの順位が上位10%に含まれる場合には、ランクメータ値の変動は「+2」(2ポイント増加)である。同様に、当該順位が上位11~30%(上位30%から上位10%を除いた残りの20%)に含まれる場合の変動は「+1」であり、当該順位が中位30%(上位31~60%)に含まれる場合の変動は「±0」(増減なし)であり、当該順位が下位40%に含まれる場合の変動は「-1」(1ポイント減少)である。なお、前日の配信が行われなかった場合には、ランク帯内の順位にかかわらず、ランクメータ値の変動は「-1」となる。
【0068】
ステップS200では、
図12に例示される更新ルールに従って、各ユーザのランクメータ値が更新される。なお、ランクメータ値がマイナスであるユーザであって、今回のランクメータ値の変動が増加(具体的には、+2、又は、+1)である場合、ランクメータ値を0にクリアした上で増加させるようにしても良い。つまり、例えば、ランクメータ値の現在値が「-1」であるユーザの今回の変動が「+2」である場合、ランクメータ値を0にクリアした後に2増加させ、変動後のランクメータ値は(「+1」ではなく)「+2」となる。こうすれば、ランクメータ値がマイナスであるユーザ(例えば、配信頻度が低いユーザ等)であっても当該ランクメータ値を一気に増加させることができるから、ライブ動画の配信が促進される。
【0069】
図11のフロー図に戻り、各ユーザのランクメータ値を更新すると、次に、サーバ10は、更新後のランクメータ値に基づいてランクを更新する(ステップS210)。
図13は、ランクの更新内容と必要なランクメータ値との対応関係を説明するための図である。図示するように、まず、ランク帯をまたいでランクアップする場合(言い換えると、各ランク帯内の最上位のランクからランクアップする場合)に必要なランクメータ値は+4である。つまり、各ランク帯内の最上位のランク(例えば、A+)に属するユーザは、ランクメータ値が+4になると、直上のランク帯内の最下位のランク(例えば、S-)にランクアップする。また、同一のランク帯内でランクアップする場合(言い換えると、各ランク帯内の中位又は最下位のランクからランクアップする場合)に必要なランクメータ値は+2である。つまり、各ランク帯内の中位又は最下位のランク(例えば、B又はB-)に属するユーザは、ランクメータ値が+2になると、同一のランク帯内の直上のランク(例えば、B+又はB)にランクアップする。
【0070】
同様に、
図13に例示するように、同一のランク帯内でランクダウンする場合(言い換えると、各ランク帯内の最上位又は中位のランクからランクダウンする場合)に必要なランクメータ値は-2である。つまり、各ランク帯内の最上位又は中位のランク(例えば、B+又はB)に属するユーザは、ランクメータ値が-2になると、同一のランク帯内の直下のランク(例えば、B又はB-)にランクダウンする。また、ランク帯をまたいでランクダウンする場合に必要なランクメータ値は-6である。つまり、各ランク帯内の最下位のランク(例えば、A-)に属するユーザは、ランクメータ値が-6になると、直下のランク帯の最上位のランク(例えば、B+)にランクダウンする。このように、この例では、ランク帯をまたいだランクアップ/ダウンは、同一のランク帯内でのランクアップ/ダウンと比較して、必要なランクメータ値の絶対値が大きくなっている。この結果、短期間での急激なランクアップ/ダウンが抑制される。
【0071】
図11のフロー図に戻り、ステップS210においては、
図13に例示した対応関係に従って、ランクメータ値に基づくランクの更新が行われる。なお、ランクの更新が行われたユーザ(ランクアップ/ダウンが発生したユーザ)のランクメータ値は0にクリアされる。
【0072】
また、この例では、前日の配信時間とランク(前日におけるランク)とに基づいて配信者としてのユーザに対する報酬であるダイヤが付与される。
図14は、各配信者にダイヤを付与する際にサーバ10が実行する処理を例示するフロー図である。これらの処理は、毎日深夜に実行され、例えば、
図11に例示した各ユーザのランクを更新する際に実行される処理よりも前の時刻(例えば、毎日午前0時)に実行される。
【0073】
サーバ10は、まず、図示するように、各ユーザの前日の配信時間を算出する(ステップS300)。特定のユーザの前日の配信時間は、具体的には、配信管理テーブル412の配信者ユーザアカウント、配信日時、及び、配信時間を参照することによって特定される。ユーザが1日に複数の配信を行っている場合、複数の配信の各々の配信時間が合算される。
【0074】
続いて、サーバ10は、算出した配信時間及び基準ダイヤ数に基づく数のダイヤを各ユーザに付与する(ステップS310)。具体的には、算出した配信時間に基準ダイヤ数を乗じた数のダイヤが各ユーザに付与される。基準ダイヤ数は、ランクが上位であるほど多くなるように、ランク毎に予め設定されており、各ユーザの前日のランクに対応する基準ダイヤ数が適用される。ユーザに対してダイヤが付与されると、ユーザ情報テーブル411のダイヤ保有数が更新される。この例では、ダイヤは、コイン又は現実の通貨に交換することができる。
【0075】
ここで、この例におけるイベントについて説明する。この例のライブ動画配信サービスでは、所定の期間(例えば、2週間)の期間限定のイベントが開催されることがあり、当該イベントにおいて配信者のランキングが設定される。当該ランキングは、詳しくは後述するが、イベントの期間中において配信者が獲得したイベントポイントに基づいて設定され、当該イベントポイントは、イベントの期間中において配信者が獲得した配信ポイントに対して、配信者の応援隊の人数に応じた係数を乗じることによって得られる。
【0076】
この例では、イベントの期間中において、ライブ動画の視聴行動に関する以下の4つの条件の全てを充足した視聴者が、対応する配信者の応援隊に加入することができる。
(1)アイテムの入力に伴うコインの消費数が150以上
(2)コメントの入力数が80以上
(3)視聴時間が5時間以上
(4)視聴日数が3日以上
これらの条件(応援隊への加入条件)は、例えば、ユーザ端末30において表示される、イベントの内容を説明するための画面等を介してユーザに提示される。イベントの期間中において、各視聴者のこれらの4つのパラメータの値は、条件充足状況管理テーブル413において管理され、リアルタイムに(ライブ動画の配信中において)更新される。例えば、アイテムの入力に応じて「アイテム用コイン消費数」が更新され、コメントの入力に応じて「コメント入力数」が更新され、視聴の継続に応じて「視聴時間」が更新され、当日の初めての視聴の開始に応じて「視聴日数」が更新される。
【0077】
この例において、任意の視聴者が上述した4つの条件の全てを充足すると、当該視聴者が、対応する配信者の応援隊に加入する。当該視聴者が応援隊に加入すると、応援隊への加入に関するシステムコメントが入力され、対応するコメントオブジェクト731、831がコメント表示領域73、83に追加される。応援隊への加入に関するシステムコメントに対応するコメントオブジェクト731、831には、応援隊に加入した視聴者のアカウント名と共に、応援隊への加入を示すテキストが表示される。また、応援隊への加入に応じて、所定の視覚効果が動画表示領域71、81に付加される。また、応援隊への加入に応じて、条件充足状況管理テーブル413において、対応する視聴者の条件充足日時が設定される。
【0078】
また、この例において、配信者の応援隊の現在の状況に関する情報が、配信画面70及び視聴画面80において表示される。
図15は、イベントの期間中における配信画面70を例示する。図示するように、イベントの期間中における配信画面70には、画面右上隅において、対応する配信者の応援隊の現在の状況を表示する応援隊情報表示オブジェクト721が配置される。当該オブジェクト721は、現在の応援隊の人数、及び、レベルを表示する。
【0079】
この例では、応援隊の人数に応じて、応援隊のレベル、及び、イベントポイントを算出する際に用いられる係数(イベントポイントを算出する際の配信ポイントに対する倍率)の値が変化する。
図16は、応援隊の人数、応援隊のレベル、及び、イベントポイント算出用の係数の対応関係を例示する。図示するように、この例では、応援隊の人数が30人以下である場合、レベルは1であって係数(倍率)は1.0(変化なし)である。また、応援隊の人数が31人以上50人以下である場合、レベルは2であって係数(倍率)は1.5である。また、応援隊の人数が51人以上100人以下である場合、レベルは3であって係数(倍率)は2.0である。また、応援隊の人数が101人以上である場合、レベルは4であって係数(倍率)は3.0である。
【0080】
応援隊情報表示オブジェクト721において表示される応援隊の人数は、条件充足状況管理テーブル413を参照することによって特定され、応援隊のレベルは、応援隊の人数と
図16に例示した対応関係とに従って特定される。
【0081】
応援隊情報表示オブジェクト721が選択されると、
図17に例示する応援隊詳細画面200が配信画面70に重ねて表示される。当該画面200は、図示するように、応援隊の現在の人数、レベル、及び、係数(倍率)を表示し、また、応援隊に加入している視聴者を一覧表示する一覧表示領域202を有する。当該領域202は、応援隊に加入している視聴者のプロフィール画像が左右方向に並べて配置されており、左右方向へのフリック操作/スライド操作等によって、表示される視聴者が切り替わるように構成されている。この例では、一覧表示領域202における複数の視聴者は、左端が先頭となるように条件充足日時(応援隊への加入日時)の昇順で並ぶ。
【0082】
図18は、イベントの期間中における視聴画面80を例示する。図示するように、イベントの期間中においては、視聴画面80もまた、配信画面70と同様に、画面右上隅において、応援隊情報表示オブジェクト821が配置される。
【0083】
図19は、視聴画面80の応援隊情報表示オブジェクト821の選択に応じて視聴画面80に重ねて表示される応援隊詳細画面200Aを例示する。当該画面200Aは、応援隊詳細画面200と同様に、応援隊の人数、レベル、及び、係数(倍率)を表示すると共に、応援隊に加入している視聴者を一覧表示する一覧表示領域202を有する。また、応援隊詳細画面200Aは、さらに、視聴者自身(視聴画面80が表示されている視聴者端末30のユーザ)の応援隊への加入条件の充足状況を表示する状況表示領域204Aを有する。当該領域204Aは、図示するように、アイテム貢献度(アイテム用コイン消費数)、コメント数(コメント入力数)、視聴時間、及び、視聴日数の各パラメータについて、加入条件を充足するために必要な値と、現在の実際の値とを分数の形式で表示する。例えば、
図19において、コメント数に関する充足状況は「25/80コメント」と表示されているので、応援隊への加入条件を充足するために必要なコメント数は「80」であり、現在の実際のコメント数は「25」であることが分かる。なお、状況表示領域204Aにおいて、加入条件を充足したパラメータの位置には「クリア」等の表示が付加される。
【0084】
イベントの期間中においては、ライブ動画の配信が終了すると、サーバ10は、当該配信に対する配信ポイントの設定に加えて、対応する配信者のその時点のイベントポイント(ユーザ情報テーブル411において管理されている。)の更新を行う。イベントポイントは、イベントの期間中において配信者が獲得している配信ポイントに対して、応援隊の人数に応じた係数(倍率)を乗じることによって算出される。イベントの期間中における配信ポイントは、配信管理テーブル412において管理されている当該期間中における各配信の配信ポイントを合算することによって算出される。また、対応する配信者の応援隊の人数は、条件充足状況管理テーブル413を参照することによって算出される。
【0085】
イベントの期間中においては、その時点のイベントポイントに基づく配信者のランキング(途中経過)が、イベントの内容を説明するための画面等において表示される。そして、イベントの期間が終了すると、最終的な配信ポイント及び応援隊の人数に基づくイベントポイントによって配信者のランキングが確定し、例えば、ランキングの上位の配信者に対して所定の報酬が付与される。
【0086】
上述した例では、応援隊詳細画面200Aの状況表示領域204Aにおいて、視聴者自身の応援隊への加入条件の充足状況を表示するように構成したが、本実施形態の他の例では、配信者/視聴者が、配信画面70/視聴画面80を介して、他の視聴者の応援隊への加入条件の充足状況を閲覧できるように構成され得る。また、例えば、特定の配信者のファミリーメンバーが、同じ配信者の他のファミリーメンバーの充足状況を閲覧できるようにしても良く、例えば、ファミリーに関する情報を含む画面において、当該ファミリーに加入している複数のファミリーメンバーの各々の、対応する配信者の応援隊への加入条件の充足状況を一覧表示するようにしても良い。
【0087】
上述した例では、応援隊の人数を、期間限定のイベントにおけるイベントポイントの算出に利用するようにしたが、本実施形態の他の例では、こうしたイベント以外の配信者の様々な評価において、応援隊の人数が利用され得る。例えば、応援隊の人数に基づいて、上述した例における配信ポイントが算出されるようにしても良い。
【0088】
以上説明した本実施形態の動画配信サーバ10は、複数の配信者の各々について、各配信者が提供する動画の視聴行動に関する所定の条件(例えば、アイテム用コイン消費数、コメント入力数、視聴時間、及び、視聴日数に関する条件等)を充足する視聴者を判定し、こうした視聴者の数(例えば、応援隊の人数)に少なくとも基づいて、各配信者を評価するための所定の処理(例えば、イベントポイントを算出する処理)を実行するから、一定の視聴行動を伴う視聴者の数に基づく配信者の適切な評価が可能となる。このように、サーバ10は、動画の配信者に対する適切な評価を支援する。
【0089】
本明細書で説明された処理及び手順は、明示的に説明されたもの以外にも、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの任意の組み合わせによって実現される。例えば、本明細書で説明される処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク等の媒体に、当該処理及び手順に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明された処理及び手順は、当該処理・手順に相当するコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0090】
本明細書中で説明された処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理または手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書において説明されたソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【0091】
本明細書において、発明の構成要素が単数もしくは複数のいずれか一方として説明された場合、又は、単数もしくは複数のいずれとも限定せずに説明された場合であっても、文脈上別に解すべき場合を除き、当該構成要素は単数又は複数のいずれであってもよい。
【符号の説明】
【0092】
10 動画配信サーバ
11 コンピュータプロセッサ
15 ストレージ(記憶装置)
20 通信ネットワーク
30 ユーザ端末
41 情報記憶管理部
43 基本機能制御部
45 動画配信制御部
47 ユーザ評価部
60 トップ画面
70 配信画面
80 視聴画面
100 アイテム選択画面
200、200A 応援隊詳細画面