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特許7515043電話応対管理システム及び電話応対管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】電話応対管理システム及び電話応対管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20240705BHJP
【FI】
G06Q10/0639
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023177762
(22)【出願日】2023-10-13
【審査請求日】2023-10-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510197173
【氏名又は名称】株式会社ナレッジフロー
(72)【発明者】
【氏名】林 良生
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-004137(JP,A)
【文献】特開2015-095758(JP,A)
【文献】国際公開第2012/120624(WO,A1)
【文献】特開2007-288469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話応対業務を行うオペレータの在状況を設定する在状況管理部と、
電話着信があった場合に、該電話着信が開始した時刻を記録する着信開始時刻記録部と、
該電話着信が終了した時刻を記録する着信終了時刻記録部と、
オペレータが電話着信の応対を行った場合に、応対を開始した時刻を記録する応対開始時刻記録部と、
該電話着信の応対を終了した時刻を記録する応対終了時刻記録部と、
一定期間内のオペレータの業務成績として、該オペレータが在席中であって応対中でないときに開始した電話着信であって、該電話着信が開始して応対が開始されずに終了するまでの時間、もしくは、該電話着信が開始して該オペレータもしくは該オペレータ以外のオペレータが応対を開始するまでの時間が一定以上だった回数とその割合を集計する業務成績集計部と、
該業務成績集計部が集計した集計結果を表示する業務成績表示部
を備えることを特徴とする電話応対管理システム。
【請求項2】
電話応対業務を行うオペレータの在状況を設定する在状況管理部と、
電話着信があった場合に、該電話着信が開始した時刻を記録する着信開始時刻記録部と、該電話着信が終了した時刻を記録する着信終了時刻記録部と、
オペレータが電話着信の応対を行った場合に、応対を開始した時刻を記録する応対開始時刻記録部と、
該電話着信の応対を終了した時刻を記録する応対終了時刻記録部と、
オペレータの電話端末が使用不可になったことを判定する電話端末状況判定部と、
前記電話端末状況判定部がオペレータの電話端末が使用不可になったと判定した時刻を記録する障害時刻記録部と、
一定期間内のオペレータの業務成績として、該オペレータが在席中であって応対中でなく該オペレータの電話端末が使用可能なときに開始した電話着信であって、
該電話着信が開始して応対が開始されずに終了するまでの時間、もしくは、該電話着信が開始して該オペレータもしくは該オペレータ以外のオペレータが応対を開始するまでの時間が一定以上だった回数とその割合を集計する業務成績集計部と、
該業務成績集計部が集計した集計結果を表示する業務成績表示部
を備えることを特徴とする電話応対管理システム。
【請求項3】
オペレータが在席中であって応対中でないときに開始した電話着信であって、該電話着信が開始して応対が開始されずに終了するまでの時間、もしくは、該電話着信が開始して該オペレータもしくは該オペレータ以外のオペレータが応対を開始するまでの時間が一定以上だった電話着信があった場合に、該オペレータに対し迅速な応対を行わなかった理由の報告を促す報告部と、
迅速な応対を行わなかった理由を前記報告部に報告したかどうかを記録する報告状況記録部と、
一定期間内のオペレータの業務成績として、一定時間以内に前記報告部に報告を行ったかどうかを表示する報告成績表示部
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電話応対管理システム。
【請求項4】
電話応対業務を行うオペレータの在状況を設定する在状況管理処理と、
電話着信があった場合に、該電話着信が開始した時刻を記録する着信開始時刻記録処理と、
該電話着信が終了した時刻を記録する着信終了時刻記録処理と、
オペレータが電話着信の応対を行った場合に、応対を開始した時刻を記録する応対開始時刻記録処理と、
該電話着信の応対を終了した時刻を記録する応対終了時刻記録処理と、
一定期間内のオペレータの業務成績として、該オペレータが在席中であって応対中でないときに開始した電話着信であって、該電話着信が開始して応対が開始されずに終了するまでの時間、もしくは、該電話着信が開始して該オペレータもしくは該オペレータ以外のオペレータが応対を開始するまでの時間が一定以上だった回数とその割合を集計する業務成績集計処理と、
該業務成績集計処理が集計した集計結果を表示する業務成績表示処理
をコンピュータに実行させることを特徴とする電話応対管理プログラム。
【請求項5】
電話応対業務を行うオペレータの在状況を設定する在状況管理処理と、
電話着信があった場合に、該電話着信が開始した時刻を記録する着信開始時刻記録処理と、
該電話着信が終了した時刻を記録する着信終了時刻記録処理と、
オペレータが電話着信の応対を行った場合に、応対を開始した時刻を記録する応対開始時刻記録処理と、
該電話着信の応対を終了した時刻を記録する応対終了時刻記録処理と、
オペレータの電話端末が使用不可になったことを判定する電話端末状況判定処理と、
前記電話端末状況判定処理がオペレータの電話端末が使用不可になったと判定した時刻を記録する障害時刻記録処理と、
一定期間内のオペレータの業務成績として、該オペレータが在席中であって応対中でなく該オペレータの電話端末が使用可能なときに開始した電話着信であって、該電話着信が開始して応対が開始されずに終了するまでの時間、もしくは、該電話着信が開始して該オペレータもしくは該オペレータ以外のオペレータが応対を開始するまでの時間が一定以上だった回数とその割合を集計する業務成績集計処理と、
該業務成績集計処理が集計した集計結果を表示する業務成績表示処理
をコンピュータに実行させることを特徴とする電話応対管理プログラム。
【請求項6】
オペレータが在席中であって応対中でないときに開始した電話着信であって、該電話着信が開始して応対が開始されずに終了するまでの時間、もしくは、該電話着信が開始して該オペレータもしくは該オペレータ以外のオペレータが応対を開始するまでの時間が一定以上だった電話着信があった場合に、該オペレータに対し迅速な応対を行わなかった理由の報告を促す報告処理と、
迅速な応対を行わなかった理由を報告したかどうかを記録する報告状況記録処理と、
一定期間内のオペレータの業務成績として、一定時間以内に報告をしたかどうかを表示する報告成績表示処理
をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項1に記載の電話応対管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話応対業務を行うオペレータの業務成績の指標として、電話の着信から応対開始までの時間を計測し、電話着信の着信音が鳴った時間が一定以上だった回数とその割合を自動的に記録する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、在宅勤務などリモートワークを導入する企業が増加している。その一つとして、コールセンターの業務をリモートワークによって行うことがある。
【0003】
こうした形態のコールセンターでは、オペレータの勤務状況を管理することが難しい。リモートワークを監視する仕組みもあるが、監視を強めるよりも結果で評価することで労働者のやる気を高め生産性が上がると言われている。
【0004】
リモートワークの勤怠管理に関するシステムについて、以下の技術が知られている。特許文献1には、労働者の端末に指定の時間に勤務状況を確認する画面を出し入力させるシステムが公開されている。特許文献2には、通話の開始時間、通話の長さなどとともに音声データを録音するシステムが公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-259646号公報
【文献】特開2014-086942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしこれらは、労働者の監視を強めるためのもので、結果で評価するものではなかった。また、通話時間の長さが必ずしも労働者の勤務評価と直結していないことが多かった。
【0007】
本発明は、電話応対業務におけるオペレータの勤務状況について、着信から応対開始までの時間を自動的に記録し、業務成績の指標としてこれを用いることで、オペレータの業務について客観的な評価を可能にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電話応対管理システムは、
電話応対業務を行うオペレータの在状況を設定する在状況管理部と、
電話着信があった場合に、該電話着信が開始した時刻を記録する着信開始時刻記録部と、
該電話着信が終了した時刻を記録する着信終了時刻記録部と、
オペレータが電話着信の応対を行った場合に、応対を開始した時刻を記録する応対開始時刻記録部と、
該電話着信の応対を終了した時刻を記録する応対終了時刻記録部と、
一定期間内のオペレータの業務成績として、該オペレータが在席中であって応対中でないときに開始した電話着信であって、該電話着信が開始して応対が開始されずに終了するまでの時間、もしくは、該電話着信が開始して該オペレータもしくは該オペレータ以外のオペレータが応対を開始するまでの時間が一定以上だった回数とその割合を表示する業務成績集計部と、
該業務成績集計部が集計した集計結果を表示する業務成績表示部
を備えることを特徴とする。
【0009】
この特徴によれば、電話応対業務において、オペレータが一定時間電話をとらなかったことを計測することができる。これにより、オペレータが積極的に業務に取り組んでいるか否かを客観的な数値で示すことができる。
【0010】
リモート勤務によるコールセンター業務における職務怠慢の例としては、PCで他の作業やゲームをしていたり動画を見ていたりということが考えられる。こういったことは通話をしていない時間に行われることが多いため、通話時間の長さでは勤務態度をはかることができない。
【0011】
また、着信をとるまでの平均時間で勤務態度を評価するということも適切ではない。なぜならば、着信をとるまでの平均時間で勤務態度を評価すると、オペレーターは一定時間内に着信をとれなかったときにはそのまま電話をとらずに他のオペレーターに電話をとらせた方が得という心理が働き、結果として業務の遂行が妨げられるためである。本発明のように、着信時に一定時間内に通話をとらなかった数を数えるというのが、公平で業務の遂行を妨げない勤務態度の評価指標となる。
【0012】
本発明の電話応対管理システムは、
電話応対業務を行うオペレータの在状況を設定する在状況管理部と、
電話着信があった場合に、該電話着信が開始した時刻を記録する着信開始時刻記録部と、該電話着信が終了した時刻を記録する着信終了時刻記録部と、
オペレータが電話着信の応対を行った場合に、応対を開始した時刻を記録する応対開始時刻記録部と、
該電話着信の応対を終了した時刻を記録する応対終了時刻記録部と、
オペレータの電話端末が使用不可になったことを判定する、電話端末状況判定部と、
前記電話端末状況判定部がオペレータの電話端末が使用不可になったと判定した時刻を記録する障害時刻記録部と、
一定期間内のオペレータの業務成績として、該オペレータが在席中であって応対中でなく該オペレータの電話端末が使用可能なときに開始した電話着信であって、
該電話着信が開始して応対が開始されずに終了するまでの時間、もしくは、該電話着信が開始して該オペレータもしくは該オペレータ以外のオペレータが応対を開始するまでの時間が一定以上だった回数とその割合を集計する業務成績集計部と、
該業務成績集計部が集計した集計結果を表示する業務成績表示部
を備えることを特徴とする。
【0013】
この特徴によれば、オペレータが一定時間電話をとらなかったことを計測することができる。またオペレータが電話に応じない場合であっても、それが電話端末の障害によるものかどうかを判別することができる。これにより、オペレータが積極的に業務に取り組んでいるか否かを客観的な数値で示すことができる。
【0014】
本発明の電話応対管理システムは、
オペレータが在席中であって応対中でないときに開始した電話着信であって、該電話着信が開始して応対が開始されずに終了するまでの時間、もしくは、該電話着信が開始して該オペレータもしくは該オペレータ以外のオペレータが応対を開始するまでの時間が一定以上だった電話着信があった場合に、該オペレータに対し迅速な応対を行わなかった理由の報告を促す報告部と、
迅速な応対を行わなかった理由を前記報告部に報告したかどうかを記録する報告状況記録部と、
一定期間内のオペレータの業務成績として、一定時間以内に前記報告部に報告を行ったかどうかを表示する報告成績表示部
を備えることを特徴とする。
【0015】
この特徴によれば、電話応対可能な状況にも関わらずオペレータが一定時間以上電話を取らなかった場合に理由の報告とその時刻を記録することができ、また、業務成績として一定時間以内に理由を報告したかを表示することができる。オペレータが電話を取らなかった理由を報告させることで勤務状況を把握しやすくなることに加え、報告までの時間を業務成績として表示することで、オペレータが積極的に業務に取り組んでいるか否かを客観的に評価することができる。
【0016】
本発明の電話応対管理プログラムは、
電話応対業務を行うオペレータの在状況を設定する在状況管理処理と、
電話着信があった場合に、該電話着信が開始した時刻を記録する着信開始時刻記録処理と、
該電話着信が終了した時刻を記録する着信終了時刻記録処理と、
オペレータが電話着信の応対を行った場合に、応対を開始した時刻を記録する応対開始時刻記録処理と、
該電話着信の応対を終了した時刻を記録する応対終了時刻記録処理と、
一定期間内のオペレータの業務成績として、該オペレータが在席中であって応対中でないときに開始した電話着信であって、該電話着信が開始して応対が開始されずに終了するまでの時間、もしくは、該電話着信が開始して該オペレータもしくは該オペレータ以外のオペレータが応対を開始するまでの時間が一定以上だった回数とその割合を集計する業務成績集計処理と、
該業務成績集計処理が集計した集計結果を表示する業務成績表示処理
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0017】
本発明の電話応対管理プログラムは
オペレータが在席中であって応対中でないときに開始した電話着信であって、該電話着信が開始して応対が開始されずに終了するまでの時間、もしくは、該電話着信が開始して該オペレータもしくは該オペレータ以外のオペレータが応対を開始するまでの時間が一定以上だった電話着信があった場合に、該オペレータに対し迅速な応対を行わなかった理由の報告を促す報告処理と、
迅速な応対を行わなかった理由を報告したかどうかを記録する報告状況記録処理と、
一定期間内のオペレータの業務成績として、一定時間以内に報告を行ったかどうかを表示する報告成績表示処理
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0018】
この特徴によれば、コンピュータを電話応対管理プログラムとして動作させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、本発明は、電話応対業務におけるオペレータの勤務状況について、着信から応対開始までの時間を自動的に記録し、業務成績の指標としてこれを用いることで、オペレータの業務について客観的な評価を可能にする電話応対管理システム及びコンピュータを本発明の電話応対管理システムとして機能させる電話応対管理プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、第1実施形態における電話応対管理システム1の構成を示す図である。
図2図2は、業務成績集計部18において集計されるオペレータの業務成績を示す図である。
図3図3は、業務成績集計部18においてオペレーターごと電話着信ごとに、その電話着信への対応が、「応対ないまま5秒以上経過」の条件を満たすかどうかを判定する流れを示すフローチャートである。
図4図4は、第2実施形態における電話応対管理システム1の構成を示す図である。
図5図5は、報告部110がオペレータ端末2にどのように報告を促すかを示す図である。
図6図6は、報告部110がオペレータ端末2に報告を促すまでの流れを示すフローチャートである。
図7図7は、報告成績表示部112において表示されるオペレータの業務成績を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の第1実施形態における実施例を説明する。
(実施例:第1実施形態)
【0022】
図1は、第1実施形態における電話応対管理システム1の構成を示す図である。
【0023】
電話応対管理システム1は、オペレータ電話端末2と通信ネットワークで繋がっている。
【0024】
通信ネットワークは、電話網、専用回線、LAN(Local Area Network)、インターネットなどであり、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0025】
電話応対管理システム1は、在席状況管理部11、着信開始時刻記録部12、着信終了時刻記録部13、応対開始時刻記録部14、応対終了時刻記録部15、電話端末状況判定部16、障害時刻記録部17、業務成績集計部18、業務成績表示部19を備える。
【0026】
電話応対管理システム1の各構成部(在席状況管理部11、着信開始時刻記録部12、着信終了時刻記録部13、応対開始時刻記録部14、応対終了時刻記録部15、電話端末状況判定部16、障害時刻記録部17)に対応する処理を実行する装置は、それぞれ物理的に離れた位置にあってもよい。
【0027】
また、各構成部の一部は、省略されてもよい。例えば、応対終了時刻を記録しない場合には、応対終了時刻記録部15は省略されてもよい。
【0028】
在席状況管理部11は、オペレータの在席状況を設定する。在席状況は、「在席中」「離席中」「応対中」から構成される。
【0029】
着信開始時刻記録部12は、電話着信があった場合に、その該電話着信が開始した時刻を記録する。
【0030】
着信終了時刻記録部13は、該電話着信が終了した時刻を記録する。
【0031】
応対開始時刻記録部14は、オペレータが電話着信の応対を行った場合に、応対を開始した時刻を記録する。
【0032】
応対終了時刻記録部15は、該電話着信の応対を終了した時刻を記録する。
【0033】
電話端末状況判定部16は、電話機の故障やネットワーク障害などにより、オペレータの電話端末が使用不可になったことを判定する。
【0034】
障害時刻記録部17は、電話端末状況判定部がオペレータの電話端末が使用不可になったと判定した時刻を記録する。
【0035】
業務成績集計部18は、一定期間内のオペレータの業務成績として、該オペレータが在席中であって応対中でなく該オペレータの電話端末が使用可能なときに開始した電話着信であって、該電話着信が開始して応対が開始されずに終了するまでの時間、もしくは、該電話着信が開始して該オペレータもしくは該オペレータ以外のオペレータが応対を開始するまでの時間が一定以上だった回数とその割合を集計する。
【0036】
業務成績表示部19は、業務成績集計部18が集計した集計結果を表示する。
【0037】
本実施例において、オペレータの業務成績は1日の業務ごとに業務成績表示部19で表示されるとする。なお、本実施例を変更して、オペレータの業務成績は1日ごとではなく1ヶ月ごとに表示されるとしてもよい。
(第1実施形態:電話応対の業務記録)
【0038】
以下、電話応対管理システム1による電話応対の業務記録の処理の一例を示す。
【0039】
業務成績表示部19は、オペレータが在席中で、電話着信があった場合かつ応対中でないときの、オペレータの電話端末の着信音が「5秒」以上鳴った場合に、その回数と割合が業務成績集計部18で集計され、業務成績表示部19に表示されるという設定を、管理者端末3から受け付ける。
【0040】
在席状況管理部11は、オペレータの在席状況として「在席」の入力を、オペレータ端末2から受け付ける。
【0041】
在席状況管理部11は、オペレータの在席状況「在席」を保持する。
【0042】
電話端末状況判定部16は、オペレータ端末2の使用状況が、電話機の故障やネットワーク障害などにより使用不可になっているか否かを判定する。
【0043】
電話端末状況判定部16が「2022/01/01 12:00:00」のオペレータ端末2の使用状況が「使用不可」であることを判定する。
【0044】
電話端末状況判定部16はオペレータ端末2が「使用不可」であること及びオペレータ端末が使用不可になった時刻「2022/01/01 12:00:00」を、保持する。
【0045】
障害時刻記録部17は、電話端末状況判定部を参照して、オペレータ端末2が「使用不可」であること及びオペレータ端末が使用不可になった時刻「2022/01/01 12:00:00」を記録する。
【0046】
電話端末状況判定部16が「2022/01/01 15:00:00」のオペレータ端末2の使用状況が「使用可」であることを判定する。
【0047】
電話端末状況判定部16は、「2022/01/01 15:00:00」のオペレータ端末2の使用状況が「使用可」であることを保持する。
【0048】
オペレータ端末2が「2022/01/01 12:00:00」に外部電話システムから発信された電話着信を受け付ける。
【0049】
着信開始時刻記録部12は、電話着信があった場合、電話着信を受け付けた時刻「2022/01/01 12:00:00」を記録する。
【0050】
着信終了時刻記録部13は、「2022/01/01 12:00:00」に着信した電話に対して電話着信が終了した時刻「2022/01/01 12:05:00」を、記録する。
【0051】
応対開始時刻記録部14は、「2022/01/01 12:00:00」に着信した電話に対してオペレータが通話を開始した時刻「2022/01/01 12:00:10」を記録する。
【0052】
応対終了時刻記録部15は、「2022/01/01 12:00:00」に着信した電話に対してオペレータが通話を終了した時刻「2022/01/01 12:05:00」を、記録する。
【0053】
図2は、業務成績集計部18において表示されるオペレータの業務成績を示す図である。
【0054】
図3は、業務成績集計部18における判定の流れを示すフローチャートである。
業務成績集計部18は、在席状況管理部11および電話端末状況判定部を参照してオペレータの在席状況「在席」であり、電話の使用状況が「使用可」であった場合に、着信開始時刻記録部12、着信終了時刻記録部13、応対開始時刻記録部14、応対終了時刻記録部15を参照して、オペレータ端末2が電話着信を受け付けた時刻「2022/01/01 12:00:00」及び通話を開始した時刻「2022/01/01 12:00:10」から、当該電話着信に対してオペレータが電話着信に応対ないまま5秒以上経過したことを、「2022/01/01」のオペレータの業務成績として集計する。
【0055】
業務成績表示部19は、「2022/01/01」のオペレータの業務成績として、オペレータが電話着信に応対していないまま5秒以上経過した回数「1回」及びその割合を、管理者端末3に表示する。
【0056】
本実施例を変更し、勤務開始と勤務終了の時刻を記録し、勤務時間内の離席の時間や回数を表示し、オペレータが1日の勤務時間内に適切に休憩を取っているかどうかを業務成績表示部18に表示することで把握できるとしてもよい。
【0057】
また、本実施例を変更し、勤務時間外や、在席状況管理部11が受け付けたオペレータの在席状況が「離席」となっている場合には着信音が鳴らないとしてもよい。これにより、個人の電話端末を使用して業務を行うことが多いリモートワークにおいて、業務時間外にまで電話応対業務が干渉することを防ぐことができる。
【0058】
また、本実施例を変更し、業務成績表示部19で表示する業務成績を、他の指標と合わせて表示してもよい。例えば、成約獲得件数や通話時間と合わせて表示するとしてもよい。
【0059】
また、本実施例を変更し、オペレータが応対を開始するまでの時間の平均値を表示してもよいし、着信音が鳴った時間の平均値を表示してもよい。
【0060】
以下、本発明の第2実施形態における実施例を説明する。
(実施例:第2実施形態)
【0061】
図4は、第2実施形態における電話応対管理システム1の構成を示す図である。
【0062】
通信ネットワークは、電話網、専用回線、LAN(Local Area Network)、インターネットなどであり、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0063】
電話応対管理システム1は、在席状況管理部11、着信開始時刻記録部12、報告部110、報告状況記録部111、報告成績表示部112を備える。
【0064】
電話応対管理システム1の各構成部(在席状況管理部11、着信開始時刻記録部12、報告部110、報告状況記録部111、報告成績表示部112)に対応する処理を実行する装置は、それぞれ物理的に離れた位置にあってもよい。
【0065】
また、各構成部の一部は、省略されてもよい。例えば、応対終了時刻を記録しない場合には、応対終了時刻記録部15は省略されてもよい。
【0066】
報告部110は、オペレータが座席中に電話着信があり、かつ応対中でない場合に、一定時間以上電話を取らなかったときに、オペレータに電話を取らなかった理由の報告を促し、オペレータから報告を受け付ける。
【0067】
報告状況記録部111は、一定時間以内に電話を取らなかった理由を報告部110に報告したかどうかを記録する。
【0068】
報告成績表示部112は、一定期間内のオペレータの業務成績として、一定時間以内に報告部110に報告を行ったかどうかを表示する。
(第2実施形態:オペレータの不対応と報告記録)
【0069】
図5は、第2実施形態におけるオペレータの不対応と報告記録の流れを示すフローチャートである。以下、電話応対管理システム1によるオペレータの不対応と報告記録の処理の一例を示す。
【0070】
報告部110は、オペレータが在席中で、電話着信があった場合かつ応対中でないときの、オペレータの電話端末の着信音が「10秒」以上鳴った場合に、オペレータに理由の報告を促す表示をするという設定を、管理者端末3から受け付ける。
【0071】
報告成績表示部112は、オペレータの業務成績として、オペレータが「5分」以内に報告部110に報告を行ったかどうかを表示する。
【0072】
在席状況管理部11は、オペレータの在席状況として「在席」の入力を、オペレータ端末2から受け付ける。
【0073】
在席状況管理部11は、オペレータの在席状況「在席」を保持する。
【0074】
オペレータ端末2が「2022/01/01 12:00:00」に外部電話システムから発信された電話着信を受け付ける。
【0075】
着信開始時刻記録部12は、電話着信があった場合、電話着信を受け付けた時刻「2022/01/01 12:00:00」を記録する。
【0076】
図5は、報告部110がオペレータ端末2にどのように報告を促すかを示す図である。
【0077】
図6は、報告部110がオペレータ端末2に報告を促すまでの流れを示すフローチャートである。
【0078】
報告部110は、応対開始時刻記録部を参照して、着信開始時刻記録部12に記録された電話着信があった時刻「2022/01/01 12:00:00」から10秒以上が経過しても応対開始時刻が記録されないとき、在席状況管理部11および障害時刻記録部17を参照し、オペレータの在席状況「在席」であり、電話の使用状況が「使用可」であったオペレータ端末2にオペレータが電話を取らなかった理由の報告を促す表示をし、オペレータ端末2から理由の報告を受け付ける。
【0079】
オペレータは、「2022/01/01 12:10:00」に、「2022/01/01 12:00:00」にあった着信を取らなかった理由として「別件対応中のため応対できませんでした。」をオペレータ端末2から報告部110に入力する。
【0080】
報告部110は、「2022/01/01 12:10:00」にオペレータ端末2から受け付けた報告「別件対応中のため応対できませんでした。」を保持する。
【0081】
報告状況記録部111は、報告部110を参照して、「2022/01/01 12:10:00」の着信に対する報告として、「2022/01/01 12:10:00」にオペレータ端末2から受け付けた「別件対応中のため応対できませんでした。」を記録し、また、オペレータが報告部110に報告を行うまで「5分」以上かかったこととその時刻を記録する。
【0082】
報告状況記録部111は、報告成績表示部112に、オペレータが報告部110に報告を行うまで「5分」以上かかったこととその時刻を送る。
【0083】
図7は、報告成績表示部112において表示されるオペレータの業務成績を示す図である。報告成績表示部112は、オペレータの業務成績として、5分以内に報告部に報告を行わなかったことを、管理者端末3に表示する。
【0084】
本実施例を変更し、一定時間以上電話応対を行わなかった理由を報告した時刻が自動的に記録されるとしてもよい。
【0085】
また、本実施例を変更し、一定時間以上電話応対を行わなかった理由を報告した時刻を、報告機能と管理者の両方から記録できるとしてもよい。なお、オペレーターの実行環境でネットワーク障害などが起こり、報告機能が使えなくなった場合には電話やSMSなどで連絡する必要があるが、その場合は管理者が時刻を記録する。
【産業上の利用可能性】
【0086】
電話応対業務におけるオペレータの勤務状況について、着信から応対開始までの時間を自動的に記録し、業務成績の指標としてこれを用いることで、オペレータの業務について客観的な評価を可能にする電話応対管理システム及びプログラムである。コールセンターの業務をリモートワークによって行う企業による利用が考えられる。
【符号の説明】
【0087】
1 電話応対管理システム
11 在席状況管理部
12 着信開始時刻記録部
13 着信終了時刻記録部
14 応対開始時刻記録部
15 応対終了時刻記録部
16 電話端末状況判定部
17 障害時刻記録部
18 業績成績集計部
19 業務成績表示部
110 報告部
111 報告状況記録部
112 報告成績表示部
2 オペレータ端末
3 管理者端末
【要約】
【課題】電話応対業務におけるオペレータの勤務状況について、着信から応対開始までの時間を自動的に記録し、業務成績の指標としてこれを用いることで、オペレータの業務について客観的な評価を可能にすること。
【解決手段】電話応対業務を行うオペレータの在状況を設定する在状況管理部と、
オペレータが在席中で、電話着信があった場合に、その時刻を記録する着信時刻記録部と、オペレータが電話着信の応対を開始した時刻を記録する応対開始時刻記録部と、オペレータが対応した電話着信の通話終了時刻を記録する応対終了時刻記録部と、一定期間内のオペレータの業務成績として、オペレータが在席中で、電話着信があった場合かつ応対中でないときの、電話着信の着信音が鳴った時間が一定以上だった回数とその割合を表示する業務成績表示部を備えることを特徴とする電話応対管理システムを提供する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7