(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】毛髪洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/49 20060101AFI20240705BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20240705BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20240705BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20240705BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240705BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A61K8/49
A61K8/44
A61K8/73
A61K8/81
A61K8/86
A61Q5/02
(21)【出願番号】P 2018157089
(22)【出願日】2018-08-24
【審査請求日】2021-06-01
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】502439647
【氏名又は名称】株式会社ダリヤ
(72)【発明者】
【氏名】菊田 穣
【合議体】
【審判長】瀬良 聡機
【審判官】冨永 保
【審判官】小石 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-275198(JP,A)
【文献】特開2005-179303(JP,A)
【文献】特開2016-44132(JP,A)
【文献】特開2007-204432(JP,A)
【文献】特開2013-14539(JP,A)
【文献】FRAGRANCE JOURNAL、2003、Vol.31、No.11、pp.81-86
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00-8/99
A61Q1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミコナゾール硝酸塩を含有する毛髪洗浄剤組成物であって、
(A)硫酸塩型アニオン性界面活性剤およびN-アシルメチルアラニン型アニオン性界面
活性剤から選ばれる少なくとも1種以上、
(B)
アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤、
(C)
塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]グァーガム、
(D)塩化ジメチルジアリルアンモニウム含有共重合体、
(E)2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体
を含有
し、前記(B)成分の含有量が6~10質量%であり、前記(C)成分の含有量が0.2~0.8質量%であり、前記(D)成分の含有量が0.03~0.5質量%であり、前記(E)成分の含有量が0.003~0.05質量%であることを特徴とする毛髪洗浄剤組成物。
【請求項2】
前記(A)成分および前記(B)成分の質量比(A)/(B)が0.6~2.9であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミコナゾール硝酸塩を含有した、毛髪洗浄剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フケ症の原因の一つとして脂漏性皮膚炎が挙げられる。脂漏性皮膚炎の主要な原因は頭皮の常在菌の一つのマラチア属という真菌の異常増殖と考えられている。マラチア属が異常増殖すると皮脂中のトリグリセリドが必要以上に分解され、脂肪酸が必要以上に生産される。必要以上の脂肪酸は皮膚に刺激を与えることがあり、これが脂漏性皮膚炎の原因とされている。
【0003】
脂漏性皮膚炎を防止するために、マラセチア属に対する効果の観点から特許文献1に開示されるようなアゾール系抗真菌剤、とくにミコナゾール硝酸塩を配合した洗浄剤組成物が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、洗浄剤組成物に配合されたミコナゾール硝酸塩は、洗い流しても頭皮や毛髪に付着し、残留することによって効果を発揮するが、洗い流し時にきしみ感を生じたり、乾燥後の髪の指通りが損なわれたりする問題があった。また、洗浄により頭皮が乾燥することもフケの原因の一つになるため、頭皮の潤いに関しても検討する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記問題を解決するため鋭意検討した結果、ミコナゾール硝酸塩を含有する毛髪洗浄剤組成物であって、(A)硫酸塩型アニオン性界面活性剤およびN-アシルメチルアラニン型アニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種以上、(B)両性界面活性剤、(C)カチオン化多糖類、(D)塩化ジメチルジアリルアンモニウム含有共重合体、(E)2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン含有共重合体を含有することを特徴とする毛髪洗浄剤組成物が、上記問題を解決することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、洗い流し時のきしみ感を低減し、乾燥後の髪の指通りを良好にし、かつ頭皮に潤い感を与える毛髪洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、含有量を示す単位は、特に明記しない限り全て質量%である。
【0009】
本発明は、ミコナゾール硝酸塩を含有する毛髪洗浄剤組成物であって、(A)硫酸塩型アニオン性界面活性剤およびN-アシルメチルアラニン型アニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種以上、(B)両性界面活性剤、(C)カチオン化多糖類、(D)塩化ジメチルジアリルアンモニウム含有共重合体、(E)2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン含有共重合体を含有することを特徴とする毛髪洗浄剤組成物である。
【0010】
本発明の毛髪洗浄剤組成物には、抗真菌剤の有効成分としてミコナゾール硝酸塩を含有する。ミコナゾール硝酸塩は、化学名1-[(2RS)-2-(2,4-ジクロロベンジルオキシ)-2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル]-1H-イミダゾールとよばれ、これらは市販品として「硝酸ミコナゾール(日本精化株式会社)」が入手可能である。
【0011】
本発明のミコナゾール硝酸塩の含有量は、フケ防止の観点から0.1~2%が好ましく、0.1~1%がより好ましい。ミコナゾール硝酸塩の含有量が0.1%未満の場合、抗真菌剤の効果が得られない恐れがあり、2%を超える場合、ミコナゾール硝酸塩の結晶が析出する恐れがある。
【0012】
本発明は、洗浄性の観点から(A)硫酸塩型アニオン性界面活性剤およびN-アシルメチルアラニン型アニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種以上を含有する。
【0013】
本発明の前記(A)成分である硫酸塩型アニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等が挙げられ、1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて含有することができる。上記の中でも、頭皮への刺激性が低い観点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩を含有することが好ましい。
【0014】
本発明の前記(A)成分であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンミリスチル硫酸、ポリオキシエチレンセチルエーテル硫酸、およびこれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩等)等が挙げられ、1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて含有することができる。上記の中でも、起泡力の観点から、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムを含有することが好ましい。
【0015】
本発明の前記(A)成分であるN-アシルメチルアラニン型アニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、N-ラウロイルメチルアラニン、N-ヤシ油脂肪酸メチルアラニン、N-ミリストイルメチルアラニン、N-ステアロイルメチルアラニン、N-パルミトイルメチルアラニン、およびこれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩等)等が挙げられ、1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて含有することができる。上記の中でも、泡立ちおよび泡質を良好にする観点から、N-ラウロイルメチルアラニンナトリウムを含有することが好ましい。
【0016】
本発明の前記(A)成分の含有量は、洗浄性の観点から5~20%が好ましい。前記(A)成分の含有量が5%未満の場合、洗浄性が得られない恐れがあり、20%を超える場合、洗い流し時のきしみ感が大きくなる恐れがある。
【0017】
本発明の前記(A)成分は洗い流し時のきしみ感を低減、乾燥後の髪の指通りを良好にする観点から、硫酸塩型アニオン性界面活性剤およびN-アシルメチルアラニン型アニオン性界面活性剤を併用して含有することが好ましい。
【0018】
本発明の前記(A)硫酸塩型アニオン性界面活性剤およびN-アシルメチルアラニン型界面活性剤を併用して含有する場合、硫酸塩型アニオン性界面活性剤の含有量は1~10%が好ましく、1~8%がより好ましい。また、N-アシルメチルアラニン型アニオン性界面活性剤の含有量は1~15%が好ましく、1~7%がより好ましい。
【0019】
本発明は、泡質の観点から(B)両性界面活性剤を含有する。
【0020】
本発明の前記(B)成分としては、アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤またはイミダゾリン型両性界面活性剤が挙げられ、1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて含有することができる。
【0021】
本発明の前記(B)成分であるアルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤としては、特に限定されないが、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、イソステアリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルベタイン等が挙げられ、上記の中でも、泡立ちおよび泡質を良好にする観点から、ラウリン酸アミドプロピルベタインを含有することが好ましい。
【0022】
本発明の前記(B)成分であるイミダゾリン型両性界面活性剤としては、特に限定されないが、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシエチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシル-N-ヒドロキシエチル-N-カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられ、上記の中でも、泡立ちおよび泡質を良好にする観点からN-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムを含有することが好ましい。
【0023】
本発明の前記(B)成分の含有量は、泡質の観点から5~15%が好ましく、6~10%がより好ましい。前記(B)成分の含有量が5%未満の場合、良好な泡質が得られない恐れがあり、15%を超える場合、乾燥後の髪の指通りが低下する恐れがある。
【0024】
本発明の前記(A)成分および前記(B)成分は、洗い流し時のきしみ感を低減および乾燥後の髪の指通りを向上させる観点から、前記(A)成分と前記(B)成分の質量比(A)/(B)が0.6~2.9が好ましく、0.7~1.7がより好ましい。(A)/(B)が0.6未満の場合、乾燥後の髪の指通りが低下する恐れがあり、1.7を超える場合は洗い流し時のきしみ感が大きくなる恐れがある。
【0025】
本発明は、泡持ちの観点から(C)カチオン化多糖類を含有する。
【0026】
本発明の前記(C)成分としては、特に限定されないが、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]グァーガム、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、カエサルピニアスピノサヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ローカストビーンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、コロハヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプン等が挙げられ、泡もちの観点から塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]グァーガムを含有することが好ましい。前記(C)成分としては例えば、ラボールガムCG-M8M(DSP五協フード&ケミカル株式会社製)、ラボールガムCX(DSP五協フード&ケミカル株式会社製)、カチナールHC-200(東邦化学株式会社製)、カチナールCTR-100(東邦化学株式会社製)、カチナールCLB-100(東邦化学株式会社製)、カチナールCF-100(東邦化学株式会社製)等が挙げられる。
【0027】
本発明の前記(C)成分の含有量は、泡持ちの観点から0.1~1%が好ましく、0.2~0.8%がより好ましい。
【0028】
本発明は、洗い流し時のきしみ感を低減する観点から(D)塩化ジメチルジアリルアンモニウム含有共重合体を含有する。
【0029】
前記(D)成分としては、特に限定されないが、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、ポリ塩化ジメチルジアリルアンモニウム等が挙げられ、洗い流し時のきしみ感を低減する観点から塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体を含有することが好ましい。前記(D)成分としては例えば、MERQUAT (TM) 550POLYMER(Lubrizol社製)、MERQUAT(TM)PLUS 3330 POLYMER(Lubrizol社製)、MERQUAT (TM) 280POLYMER(Lubrizol社製)、MERQUAT (TM) 100POLYMER(Lubrizol社製)等が挙げられる。
【0030】
本発明の前記(D)成分の含有量は、洗い流し時のきしみ感を低減する観点から0.01~0.5%が好ましく、0.03~0.5%がより好ましい。
【0031】
本発明の前記(C)成分および前記(D)成分は、洗い流し時のきしみ感を低減や乾燥後の髪の指通りを向上させる観点から、併用して含有する。
【0032】
本発明は、頭皮への潤い感の観点から(E)2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン含有共重合体を含有する。
【0033】
前記(E)成分としては、特に限定されないが、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド共重合体、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ステアリル共重合体等が挙げられ、頭皮への潤い感の観点から2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体を含有することが好ましい。前記(E)成分としては例えば、Lipidure-PMB(Ph10)(日油株式会社製)、Lipidure-C(日油株式会社製)、Lipidure-HM(日油株式会社製)、Lipidure-S(日油株式会社製)等が挙げられる。
【0034】
本発明の前記(E)成分の含有量は、頭皮への潤い感の観点から0.001~0.05%が好ましく、0.005~0.05%がより好ましい。前記(E)成分の含有量が0.001%未満の場合、頭皮への潤い感が得られない恐れがあり、0.05%を超える場合、それ以上の頭皮への潤い感を与える効果を期待できない。
【0035】
本発明の20℃における粘度は、使用性の観点から、1000mPa・s~10000mPa・sが好ましく、2000mPa・s~8000mPa・sがより好ましい。
【0036】
本発明における粘度は、常法により調製した毛髪洗浄剤組成物をサンプル瓶(食品140:第一硝子株式会社製)に120g充填し、20℃で24時間静置した後に、ヘリカルスタンド付B型粘度計(モデル:デジタル粘度計TVB-10M、東機産業株式会社製)により、M4号ローターを用いて20℃、30rpmで1分間回転させた後に測定したものである。
【0037】
本発明の20℃におけるpHは、4.5~8が好ましく、5.5~7がより好ましい。
【0038】
本発明の毛髪洗浄剤組成物は、頭皮のフケを防止する効果を有するため、フケ防止用の毛髪洗浄剤組成物として用いられる。さらに、本発明の毛髪化粧料組成物は、(A)硫酸塩型アニオン性界面活性剤およびN-アシルメチルアラニン型アニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種以上、(B)両性界面活性剤、(C)カチオン化多糖類、(D)塩化ジメチルジアリルアンモニウム含有共重合体、(E)2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン含有共重合体を所定の範囲内にすることで、フケ防止効果を有し、洗い流し時のきしみを低減し、乾燥後の髪の指通りを良好にし、かつ頭皮に潤い感を与える毛髪洗浄剤組成物として好ましく用いられる。
【0039】
本発明の毛髪洗浄剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記成分の他に通常化粧品に用いられる成分として、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、高級アルコール、シリコーン油、炭化水素油、エステル油、植物油、金属封鎖剤、紫外線吸収剤、香料、酸化防止剤、保湿剤、清涼剤、ビタミン類、植物抽出物、pH調整剤、着色剤等を含有することができ、これらは1種以上含有してもよい。
【実施例】
【0040】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0041】
本明細書に示す評価試験において、毛髪洗浄剤組成物に含まれる成分および、その含有量を種々変更しながら実施した各種の実験結果を以下に示す。なお、毛髪洗浄剤組成物の各成分の含有量を示す単位は全て質量%であり、比率は質量比を示し、これを常法にて調製した。
【0042】
本明細書に示す評価試験において、「洗い流し時のきしみ感」、「乾燥後の髪の指通り」および「頭皮への潤い感」について評価した。
【0043】
[洗い流し時のきしみ感]
得られた毛髪洗浄剤組成物10gを、毛髪試験用ドール(株式会社ビューラックス社製「カットマネキンNO.775N」)の毛髪に塗布し泡立て、40℃の水で洗い流した時の毛髪のきしみ感を確認した。
【0044】
[乾燥後の髪の指通り]
得られた毛髪洗浄剤組成物10gを、毛髪試験用ドール(株式会社ビューラックス社製「カットマネキンNO.775N」)の毛髪に塗布し泡立て、40℃の水で洗い流す。その後、毛髪をドライヤーで乾燥し、熱気がなくなってから乾燥後の髪の指通りを確認した。
【0045】
[頭皮への潤い感]
得られた毛髪洗浄剤組成物6gを、パネラーの毛髪に塗布し泡立て、40℃の水で洗い流す。その後、毛髪をドライヤーで乾燥し、熱気がなくなってから頭皮への潤い感を確認した。
【0046】
(評価方法)
パネラー10名が毛髪洗浄剤組成物を使用し、各項目に関して官能評価を行った。各人が項目毎に5点(非常に良好)、4点(より良好)、3点(良好)、2点(不良)、1点(非常に不良)の5段階で評価して全員の平均点を算出した後、下記判定基準に従って判定した。
【0047】
(平均点の判定基準)
4.0点以上 : 5
3.5点以上4.0点未満 : 4
3.0点以上3.5点未満 : 3
2.0点以上3.0点未満 : 2
2.0点未満 : 1
【0048】
(第1評価試験)
第1評価試験では、前記成分(A)の種類および含有量を様々に代えた毛髪洗浄剤組成物に関して評価した。表1に毛髪洗浄剤組成物の成分とその含有量および評価結果を示す。
【0049】
【0050】
表1に示す実施例1~9より、洗い流し時のきしみ感、乾燥後の髪の指通り、頭皮への潤いに関して良好な結果を得た。
【0051】
(第2評価試験)
第2評価試験では、前記成分(B)の種類および含有量を様々に代えた毛髪洗浄剤組成物に関して評価した。表2に毛髪洗浄剤組成物の成分とその含有量および評価結果を示す。
【0052】
【0053】
表2に示す実施例10~14より、洗い流し時のきしみ感、乾燥後の髪の指通り、頭皮への潤いに関して良好な結果を得た。
【0054】
(第3評価試験)
第3評価試験では、前記(C)成分、前記(D)成分および前記(E)の種類および含有量を様々に代えた毛髪洗浄剤組成物に関して評価した。表3に毛髪洗浄剤組成物の成分とその含有量および評価結果を示す。
【0055】
【0056】
表3に示す実施例15~25より、洗い流し時のきしみ感、乾燥後の髪の指通り、頭皮への潤いに関して良好な結果を得た。
【0057】
以下に毛髪洗浄剤組成物の実施例26を記載する。
【0058】
以下の実施例により得られた毛髪洗浄剤組成物は、洗い流し時のきしみ感、乾燥後の髪の指通り、頭皮への潤いに関して良好な結果を得た。
【0059】
実施例26
成 分 含有量(%)
ミコナゾール硝酸塩 0.7500
ポリオキシエチレンアルキル(12,13)エーテル
硫酸ナトリウム(3.E.O) 4.7600
ラウロイルメチルーβーアラニンナトリウム 3.7500
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 7.1300
塩化O-[2-ヒドロキシー3-(トリメチルアンモニオ)
プロピル]グァーガム 0.4000
塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体 0.0425
2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・
メタクリル酸ブチル共重合体 0.0050
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(25E.O.) 0.3000
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1000
エデト酸二ナトリウム 0.3000
安息香酸ナトリウム 0.3000
香料 0.4000
フェノキシエタノール 0.0010
クエン酸 0.3000
精製水 81.4615
合計 100.0000
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、洗い流し時のきしみを低減し、乾燥後の髪の指通りを良好にし、かつ頭皮に潤い感を与える毛髪洗浄剤組成物を提供できる。