(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】発光制御装置、発光システム、端末装置、発光制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/155 20200101AFI20240705BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240705BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20240705BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240705BHJP
H05B 47/175 20200101ALI20240705BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240705BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20240705BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240705BHJP
【FI】
H05B47/155
F21S2/00 311
F21S8/04 100
F21V23/00 140
H05B47/175
H04Q9/00 331A
F21Y113:13
F21Y115:10 500
(21)【出願番号】P 2020135890
(22)【出願日】2020-08-11
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 健太
(72)【発明者】
【氏名】石田 善彦
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/085242(WO,A1)
【文献】特開平04-167185(JP,A)
【文献】特開2001-306144(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0268700(US,A1)
【文献】国際公開第2020/145052(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 23/00-99/00
H04Q 9/00
F21Y 113/13
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源により全方位を照射可能な発光装置による発光を制御する発光制御装置であって、
表示画面上で二次元的な操作入力を入力情報として受け付ける入力部と、
二次元的な前記入力情報に基づいて前記発光装置の発光面を示す三次元的な空間位置座標を生成し、生成した前記空間位置座標に対応した位置に配置されている前記複数の光源のうちの所定の光源の発光を制御するための制御情報を生成する処理部と、
生成した前記制御情報を前記発光装置に送信する通信部とを備え
、
前記入力情報は、前記表示画面においてxy座標で示される座標情報であり、
前記空間位置座標は、前記発光装置の前記発光面における極座標であり、
前記処理部は、
前記座標情報における基準位置に対する相対座標としてのx座標上の任意の位置を、前記空間位置座標としての前記極座標の方位角に応じた経度方向の変化量に変換し、
前記座標情報における基準位置に対する相対座標としてのy座標上の任意の位置を、前記空間位置座標としての前記極座標の極角に応じた緯度方向の絶対座標に変換する
発光制御装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記座標情報における基準位置に対する相対座標としてのx座標上の任意の位置を、前記変化量として、前記発光装置の前記発光面から照射される光が前記発光面の前記経度方向に沿って移動する速度に変換する
請求項
1に記載の発光制御装置。
【請求項3】
前記発光面は、球状であり、
前記処理部は、前記座標情報におけるx座標上の操作入力において、前記経度方向に沿って所定の速度で、前記発光面から照射される光を周回させ続ける
請求項
2に記載の発光制御装置。
【請求項4】
前記発光面は、球状であり、
前記処理部は、前記座標情報におけるy座標上の操作入力において、前記発光面の極値に近付けるように前記発光面から照射される光を移動させ、当該光が前記極値まで移動した後に光の移動を停止させる
請求項
1~3のいずれか1項に記載の発光制御装置。
【請求項5】
前記制御情報は、制御対象となる前記複数の光源のうちの前記所定の光源が発する光の輝度情報及び色情報を含む
請求項1~
4のいずれか1項に記載の発光制御装置。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれか1項に記載の発光制御装置と、
前記複数の光源により全方位を照射可能な複数の発光装置とを備える
発光システム。
【請求項7】
請求項1~
5のいずれか1項に記載の発光制御装置と、
表示画面とを備える
端末装置。
【請求項8】
複数の光源により全方位を照射可能な発光装置による発光を制御する発光制御方法であって、
表示画面上で二次元的な操作入力を入力情報として受け付け、
二次元的な前記入力情報に基づいて前記発光装置の発光面を示す三次元的な空間位置座標を生成し、生成した前記空間位置座標に対応した位置に配置されている前記複数の光源のうちの所定の光源の発光を制御するための制御情報を生成し、
生成した前記制御情報を前記発光装置に送信することを含
み、
前記入力情報は、前記表示画面においてxy座標で示される座標情報であり、
前記空間位置座標は、前記発光装置の前記発光面における極座標であり、
さらに、
前記座標情報における基準位置に対する相対座標としてのx座標上の任意の位置を、前記空間位置座標としての前記極座標の方位角に応じた経度方向の変化量に変換し、
前記座標情報における基準位置に対する相対座標としてのy座標上の任意の位置を、前記空間位置座標としての前記極座標の極角に応じた緯度方向の絶対座標に変換することを含む
発光制御方法。
【請求項9】
請求項
8に記載の発光制御方法をコンピュータに実行させるための
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光制御装置、発光システム、端末装置、発光制御方法及び発光制御方法を用いたプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、広視野画像の表示領域に対する位置を入力する入力手段と、入力手段に移動操作が入力された場合、広視野画像を回転させることにより、表示手段に表示される広視野画像の表示範囲を変更する制御を行う制御手段と、広視野画像の画像データを取得する通信I/Fとを備える表示制御装置が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の表示制御装置を発光制御装置として用いた場合では、入力手段として入力部を操作することで、発光装置の発光態様を制御することができる。しかし、従来の発光制御装置を用いて全方位を照射可能な発光装置の発光態様を制御する場合、例えば入力部を操作することで発光装置の発光面における発光位置を変化させることができたとしても、入力部の操作に応じて発光装置の発光面における発光位置が入力部の連続操作に応じて発光位置が連続的に変化しないことがある。このため、ユーザの意図通りに操作することができず、ユーザが発光態様に違和感を覚えることがある。
【0005】
そこで、本開示は、入力操作に応じて発光装置の発光面から照射される光の位置を滑らかに変化させることができる発光制御装置、発光システム、端末装置、発光制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る発光制御装置は、複数の光源により全方位を照射可能な発光装置による発光を制御する発光制御装置であって、表示画面上で二次元的な操作入力を入力情報として受け付ける入力部と、二次元的な前記入力情報に基づいて前記発光装置の発光面を示す三次元的な空間位置座標を生成し、生成した前記空間位置座標に対応した位置に配置されている前記複数の光源のうちの所定の光源の発光を制御するための制御情報を生成する処理部と、生成した前記制御情報を前記発光装置に送信する通信部とを備え、前記入力情報は、前記表示画面においてxy座標で示される座標情報であり、前記空間位置座標は、前記発光装置の前記発光面における極座標であり、前記処理部は、前記座標情報における基準位置に対する相対座標としてのx座標上の任意の位置を、前記空間位置座標としての前記極座標の方位角に応じた経度方向の変化量に変換し、前記座標情報における基準位置に対する相対座標としてのy座標上の任意の位置を、前記空間位置座標としての前記極座標の極角に応じた緯度方向の絶対座標に変換する。
【0007】
また、本開示の一態様に係る発光システムは、発光制御装置と、前記複数の光源により全方位を照射可能な複数の発光装置とを備える。
【0008】
また、本開示の一態様に係る端末装置は、発光制御装置と、表示画面とを備える。
【0009】
また、本開示の一態様に係る発光制御方法は、複数の光源により全方位を照射可能な発光装置による発光を制御する発光制御方法であって、表示画面上で二次元的な操作入力を入力情報として受け付け、二次元的な前記入力情報に基づいて前記発光装置の発光面を示す三次元的な空間位置座標を生成し、生成した前記空間位置座標に対応した位置に配置されている前記複数の光源のうちの所定の光源の発光を制御するための制御情報を生成し、生成した前記制御情報を前記発光装置に送信することを含み、前記入力情報は、前記表示画面においてxy座標で示される座標情報であり、前記空間位置座標は、前記発光装置の前記発光面における極座標であり、さらに、前記座標情報における基準位置に対する相対座標としてのx座標上の任意の位置を、前記空間位置座標としての前記極座標の方位角に応じた経度方向の変化量に変換し、前記座標情報における基準位置に対する相対座標としてのy座標上の任意の位置を、前記空間位置座標としての前記極座標の極角に応じた緯度方向の絶対座標に変換することを含む。
【0010】
また、本開示の一態様に係るプログラムは、発光制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本開示に係る発光制御装置等は、入力操作に応じて発光装置の発光面から照射される光の位置を滑らかに変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る照明システムを示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る照明システムの照明装置及び端末装置を示す図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る照明システムの端末装置の操作入力及び操作入力に応じた照明装置の発光態様を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る照明システムの動作を示すフローチャートである。
【
図5A】
図5Aは、実施の形態に係る照明システムの端末装置にx座標軸に沿った操作入力をした場合の照明装置の発光態様を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、実施の形態に係る照明システムの端末装置にy座標軸に沿った操作入力をした場合の照明装置の発光態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ、ステップの順序等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0014】
各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されてはいない。したがって、例えば、各図において縮尺等は必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0015】
また、以下の実施の形態において、略球状等の表現を用いている。例えば、略球状は、真球であることを意味するだけでなく、実質的に球状である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略球状は、本開示による効果を奏し得る範囲において球形という意味である。他の「略」を用いた表現についても同様である。
【0016】
以下の実施の形態に係る照明制御装置、照明システム、端末装置、発光制御方法及びプログラムについて説明する。
【0017】
(実施の形態)
<構成:照明システム1>
まず、本実施の形態に係る照明制御装置20a、照明システム1及び端末装置20の構成について説明する。
【0018】
図1は、実施の形態に係る照明システム1を示す図である。
【0019】
図1に示すように、照明システム1は、端末装置20を用いて、端末装置20の表示部24の表示画面24aを操作することで、照明装置2の照明態様を設定して照明装置2の照明態様を決定し、決定した制御情報に基づいて照明装置2を制御する。つまり、照明システム1では、制御情報に応じて、点消灯、照明(照射)方向、輝度(明るさ)又は光色等といった照明装置2の複数の光源11の点灯態様を制御することで照明装置2の照明態様を制御することができる。照明システム1は、発光システムの一例であるが、発光システムの一例として、点灯システムを用いてもよい。
【0020】
なお、この照明システム1は、照明装置2の照明態様が設定された制御情報を、ネットワークを介して外部機器から取得することもでき、取得した制御情報に基づいて照明装置2を制御したり、制御情報に含まれる設定を変更することで、変更した制御情報に基づいて照明装置2を制御したりすることができる。外部機器は、照明システム1以外のシステム及び端末装置20である。
【0021】
照明システム1は、照明装置2と、端末装置20とを備える。本実施の形態では、照明装置2が例示されているが、複数の照明装置2を用いてもよく、1つの照明装置2には限定されない。
【0022】
[照明装置2]
照明装置2は、例えば建物の室内の天井、床及び壁等に配置される。照明装置2の外形は、例えば、略球状、又は、略多面体状である。照明装置2は、複数の光源11を有する。複数の光源11は、照明装置2の全体にわたって配置される。このため、照明装置2は、複数の光源11により全方位を照射可能である。具体的には、照明装置2は、対応する方向を照明する複数の光源11により360°の全方位に光を照射(照明)する照明器具である。360°の全方位とは、照明装置2の中心から発光面2aの任意の点に向かう全ての方位のことであり、照明装置2の発光面2aを球面として極座標に見立てた場合、方位角(偏角)、及び、極角(天頂角)によって規定される任意の全ての方位である。これにより、照明装置2は、方位角(偏角)、及び、極角(天頂角)で規定した任意の方位に光をスポット的に照射することができる。本実施の形態では、照明装置2の発光面2aの一部からスポット的に光が照射される場合を主に例示して説明する。
【0023】
なお、本実施の形態では、照明装置2として、全方位に光を照射する照明器具を例示したが、これには限定されず、シーリングライト、ダウンライト等の照明器具であってもよい。照明装置2は、発光装置の一例であるが、発光装置の一例として、光を発する装置として、点灯装置、モニタ、ディスプレイ等の表示装置等を用いてもよい。
【0024】
照明装置2は、複数の光源11を選択的に発光させることで、照明装置2を中心として任意の方向に光を照射する。つまり、照明装置2から出射する光の照明方向は、任意である。例えば、照明装置2は、全ての光源11を同時に発光させることで360°の全方位に光を照射したり、複数の光源11のうちの一部の光源11を発光させることで一部の方向のみに光を照射したりする。つまり、照明装置2は、360°全方位ライトとして機能させるだけではなく、スポットライトとしても機能する。
【0025】
照明装置2は、スポットライトとして機能しており、照射される光が移動するように複数の光源11を選択的に発光させる。この場合、この照明装置2では、壁面での照射領域の形状が略円形となるように複数の光源11を選択的に発光させるが、これに限らない。例えば、照明装置2の照射領域の形状は、矩形状又は略楕円形等であってもよい。
【0026】
また、照明装置2は、調光制御機能及び調色制御機能を有する。具体的には、照明装置2は、照明装置2が出射する光について、輝度(明るさ)及び光色(色温度又はカラー)を変更する。本実施の形態において、照明装置2は、複数の光源11ごとに、光の輝度(明るさ)及び光色を変更する。
【0027】
また、本実施の形態における照明装置2は、壁面等の対象物に、ムラなくフルカラーで光を照射する。このため、各々の光源11としては、後述するように、RGBの3色光源を用いる。また、複数の光源11は、高い密度でムラなく均等に分散して配置される。これにより、照明装置2が照射する光を制御することによって、照明装置2が配置された空間の演出を行う。
【0028】
また、本実施の形態における照明装置2は、画像を表示するディスプレイとは異なり、壁面等を照らす必要があるため、光源11としては高い光出力が必要となる。このため、光源11の1個当たりの輝度は、液晶ディスプレイのバックライトで用いられるLED(Light Emitting Diode)光源11、又は、LEDディスプレイに用いられるLED光源に比べて高くなる。
【0029】
図2に示すように、照明装置2は、複数の光源11と、照明制御部12と、電源部13と、記憶部と、通信部14とを有する。
図2は、実施の形態に係る照明システム1の照明装置2及び端末装置20を示す図である。
【0030】
複数の光源11の各々は、少なくとも1つの発光素子を有する発光モジュールである。本実施の形態において、各々の光源11は、複数の発光素子を有する。各々の光源11は、制御情報に基づく照明制御部12からの指示にしたがって発光する。
【0031】
複数の光源11は、照明装置2の全体にわたって配置される。つまり、複数の光源11は、照明装置2から全方位に光を照射可能に点在する。各々の光源11は、それぞれが対応する方向を照明する。各々の光源11が出射する光の方向は、それぞれ異なっていてもよい。複数の光源11の各々は、照明装置2の外方に向けて光を出射する。具体的には、各々の光源11の光軸は、複数の光源11を覆う球状の外装カバーの外面(発光面2a)の接線と直交する方向である。光軸は、各々の光源11が出射する主たる光に沿う直線である。
【0032】
また、各々の光源11は、2色以上の光を出射する。具体的には、各々の光源11は、RGBの3色光源であり、赤色光、青色光及び緑色光の3色の単色光を出射するとともに、これらの3色の単色光を調光することで得られるカラー光又は白色光を出射する。
【0033】
具体的には、各々の光源11は、LEDがパッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型のLED素子を有し、具体的には、容器(パッケージ)と、容器内に実装された複数のLEDチップと、複数のLEDチップを封止する封止部材とを有する。本実施の形態では、複数のLEDチップとして、赤色光を発する赤色LEDチップと、青色光を発する青色LEDチップと、緑色光を発する緑色LEDチップとが実装される。封止部材は、シリコーン樹脂等の透光性の絶縁性樹脂材料である。なお、封止部材には、シリカ等の光拡散材及びフィラー等が分散されていてもよい。
【0034】
照明制御部12は、照明装置2の各部の制御を行う制御回路である。照明制御部12は、例えば、プロセッサが記憶部に保持されたプログラムを実行することで、各種制御を行う。プロセッサは、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)、又は、SOC(System on a Chip)等によって構成される。
【0035】
照明制御部12は、複数の光源11を制御する。具体的には、照明制御部12は、照明制御装置20aから制御情報を取得(受信)し、取得した制御情報に応じた発光態様で点灯させるように、各々の光源11に含まれる所定の光源11が発する光の発光態様を制御する。つまり、照明制御部12は、照明装置2に含まれる全ての光源11が発する光の発光態様を個別に発光制御する。例えば、照明制御部12は、全ての光源11が出射する光について、点消灯(点灯、消灯)を制御したり、明るさを変えたり、光色を変えたりするように制御する。
【0036】
また、照明制御部12は、照明制御装置20aから受信した制御情報に応じて各々の光源11の発光態様を個別に制御する。照明制御装置20aは、発光制御装置の一例である。
【0037】
ここで、制御情報は、制御対象となる複数の光源11のうちの所定の光源11が発する光の輝度を示す輝度情報、及び、光源11が発光する光色を示す色情報を含む。また、制御情報には、発光させるべき光源11の識別子、光源11が発光する色、光源11が発光する期間等が含まれる。つまり、制御情報には、各々の光源11を所定の発光態様(光源11が発光する色、光源11が発光する期間等)で点灯させるための情報が含まれる。また、制御情報には、各々の光源11を所定の発光態様で点灯させる複数の発光ステップが含まれる。
【0038】
電源部13は、照明装置2の各部に電力を供給する機能を有する。電源部13は、例えば、プリント基板に複数の電子部品が実装された電源回路である。電源部13は、例えば、複数の光源11の各々を発光させるための駆動電力を生成する。具体的には、電源部13は、光源11を発光させるための駆動電力を生成し、この駆動電力を各々の光源11に供給する。つまり、電源部13は、商用の交流電力を直流電力に変換し、この直流電力によって光源11を発光させるための駆動電力として各々の光源11に供給して、光源11を発光させる。
【0039】
通信部14は、端末装置20との通信を行う機能を有する。具体的には、通信部14は、照明装置2の光の照明態様を制御するための制御情報を端末装置20から受信する。通信部14で受信した制御情報は、照明制御部12に出力される。通信部14による通信方式は、例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、電力線通信、赤外線通信、近距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標)通信)、又は、携帯電話用のモバイル通信等の通信方式である。
【0040】
記憶部には、照明制御部12が取得した制御情報等が定期的に保存される。記憶部は、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等の一次記憶装置を含む。また、記憶部は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の二次記憶装置、光ディスク及びSDカード等の三次記憶装置を含んでいてもよい。
【0041】
[端末装置20]
端末装置20は、ユーザの操作入力を受け付けることで、複数の光源11の各々について、点消灯、輝度、光色、発光期間、点滅等の発光パターン等の発光態様を制御するための制御情報を生成する。具体的には、端末装置20は、表示部24の表示画面24aに照明装置2の照明態様を設定するための設定画面を表示することで、ユーザからの操作入力を受け付け、受け付けた操作入力に基づく照明装置2の照明態様が設定された制御情報を生成する。これにより、端末装置20は、照明装置2に制御情報を送信することで、照明装置2の照明態様を変化させる。
【0042】
例えば、照明装置2から出射する光の照明方向を制御する場合、ユーザは、端末装置20を操作して、照明装置2の光の照明方向を指定する。これにより、端末装置20が指定された照明方向を含む制御情報を照明装置2に送信するため、照明装置2は、全ての光源11の中から、指定された照明方向に照明可能な光源11を1つ以上選択し、これらの光源11を発光させる。つまり、ユーザが端末装置20の入力部22にタッチ(操作入力)すると、端末装置20は、タッチした位置に対応する指定された光源11を発光及び消灯させたり、タッチした位置からスライドすると、スライドした位置に対応する指定された複数の光源11を順番に発光及び消灯させたりする。
【0043】
端末装置20は、照明装置2の照明を制御する照明制御装置20aと、電源部とを備える。照明制御装置20aは、入力部22と、処理部23と、表示部24と、記憶部25と、通信部26とを備える。
【0044】
入力部22は、ユーザから端末装置20への操作に応じた入力を受け付ける操作部である。入力部22は、例えば、キーボード等の文字情報入力デバイス、マウス及びタッチパネル等のポインティングデバイス、ボタン、タッチセンサ、タッチパッド等であるが、本実施の形態ではタッチパッドである。入力部22は、操作によって入力された指示を処理部23に出力する。具体的には、入力部22は、複数の照明装置2の照明態様を変更するための指示が操作入力されると、操作入力された指示を処理部23に出力する。つまり、ユーザは、入力部22を介して操作入力することで、操作入力に対応して照明装置2の照明態様を動的に変化させる。ユーザによる入力部22への操作入力と同期して、照明装置2の照明態様が動的に変化する。
【0045】
入力部22は、表示画面24a上で二次元的な操作入力の指示を入力情報として受け付ける。入力部22の大きさは表示画面24aの大きさに対応しており、入力情報は、表示画面24aにおいてxy座標で示される座標情報を含む。具体的には、表示画面24aは、xy座標で示され、x座標が表示画面24aの横方向に対応し、y座標が表示画面24aの縦方向に対応している。ここで、表示画面24a上での二次元的な操作入力とは、ユーザが表示画面24aに沿って指をスライド操作したり、タップ操作したりするタッチ操作である。
【0046】
入力部22は、表示画面24a上で二次元的な操作入力がされると、表示画面24aにおけるxy座標を示す座標情報を含んだ入力情報として処理部23に出力する。
【0047】
処理部23は、入力部22から二次元的な入力情報を取得すると、取得した入力情報に基づいて照明装置2の球状の発光面2aを示す三次元的な空間位置座標を生成する。空間位置座標は、照明装置2の球状の発光面2aにおける極座標であり、例えば発光面2aを球面として極座標に見立てた場合、発光面2aにおける経度及び緯度で示される。なお、極座標は、経度及び緯度以外の三次元的座標を含んでいてもよい。
【0048】
具体的には、
図3に示すように、処理部23は、入力情報に示される二次元のxy座標に基づいて照明装置2の球状の発光面2aを三次元的な空間位置座標を生成する。
図3は、実施の形態に係る照明システム1の端末装置20の操作入力及び操作入力に応じた照明装置2の照明態様を示す図である。例えば、表示画面24aの基準位置(中心)を、
図3の二点鎖線で示す照明装置2の球状の発光面2aにおける赤道上の任意の点に設定し、基準位置(x=0)に対する表示画面24aの横幅を(-1≦x≦1)で示し、基準位置(y=0)に対する縦幅を(-1≦|y|≦1)で示すことで、処理部23は、二次元のxy座標を示す情報に基づいて三次元的な空間位置座標を生成する。つまり、表示画面24aへの操作入力を、球状の発光面2aから照射される光によって表現するため、処理部23は、表示画面24aへの二次元的な操作入力を、球状の発光面2a上での三次元的な光の移動で表現する。ここで発光面2aにおける赤道とは、発光面2aにおける緯度が0°となる最大外径の部分を意味する。例えば、処理部23は、xy座標と球状の発光面2aとの位置を予め設定したテーブルを用いてもよく、このテーブルを用いて二次元のxy座標を三次元的な空間位置座標に変換してもよい。基準位置は、任意に設定可能な位置であるが、本実施の形態では、表示画面24aの中心であり、xy座標上の原点(0,0)である。
【0049】
処理部23は、座標情報における基準位置に対する相対座標としてのx座標上の任意の位置を、空間位置座標としての極座標の方位角に応じた経度方向への、照明装置2の発光面2aから照射される光の位置の変化量(光が移動する速度)に変換する。具体的には、表示画面24aにおける任意の位置への操作入力は、x座標上では基準位置に対する相対座標として入力される。この場合、処理部23は、入力された相対座標を空間位置座標としての極座標上の方位角、つまり、空間位置座標に対応する発光面2aから照射される光が発光面2aの経度方向に沿って移動する速度に変換する。x座標上の任意の位置は、操作入力されたx座標上の位置である。ユーザが入力部22に対して操作入力した場合、基準位置に対する操作入力したx座標上の任意の位置の距離(x座標上の相対値)が、照明装置2の球状の発光面2aから照射される光が経度方向に沿って移動する速度に比例する。また、処理部23は、座標情報における基準位置に対する相対座標としてのy座標上の任意の位置を、空間位置座標としての極座標の極角に応じた緯度方向の絶対座標に変換する。具体的には、表示画面24aにおける任意の位置への操作入力は、y座標上では基準位置に対する相対座標として入力される。この場合、処理部23は、入力された相対座標を空間位置座標としての極座標上の極角、つまり、空間位置座標に対応する発光面2aから照射される光の緯度方向の絶対座標に変換する。ユーザが入力部22に対して操作入力した場合、発光面2aから照射される光の緯度方向に沿って移動する速度は、表示画面24aへの操作の速さ(スライド操作の速さ)に依存する。
【0050】
処理部23は、変換した空間位置座標に対応した位置に配置されている複数の光源11のうちの所定の光源11の発光を制御するための制御情報を生成する。つまり、処理部23は、入力部22が受け付けた二次元的な操作入力(xy座標)に基づいて三次元的な操作入力(空間位置座標)として生成され、生成された三次元的な空間位置座標に対応する光源11を発光させるための制御情報を生成する。処理部23は、生成した制御情報を、通信部26を介して照明装置2に送信する。
【0051】
図2に示すように、表示部24は、照明装置2を操作するための表示画面24aを有する。表示部24は、表示画面24a及び入力部22としての機能を有するタッチパネルで構成される。タッチパネルには、ユーザによるタッチ操作に適したGUI(Graphical User Interface)画面が表示される。なお、ユーザインタフェースは、タッチパネルに限らず、表示画面24a及び入力部22を個々に有したものであってもよい。表示画面24aは、液晶表示デバイス又は有機ELデバイス等の表示デバイスである。なお、表示部24は、照明制御装置20aの構成に含まれていなくてもよい。
【0052】
なお、表示部24には、照明装置2の照明態様を設定するための設定画面等が表示されてもよく、表示態様は特に限定されない。
【0053】
記憶部25は、処理部23によって生成された照明シーン等の制御情報等が定期的に保存される。記憶部25は、入力部に入力される操作に応じて、照明シーン等の制御情報を出力したりする。記憶部25は、例えば、RAM及びROM等の一次記憶装置を含む。また、記憶部25は、HDD及びSSD等の二次記憶装置、光ディスク及びSDカード等の三次記憶装置を含んでいてもよい。
【0054】
通信部26は、照明装置2との通信を行う機能を有し、生成された制御情報を照明装置2に送信する。具体的には、通信部26は、処理部23から照明装置2の照明態様を制御するための制御情報を取得すると、取得した制御情報を照明装置2に送信する。通信部26による通信方式は、例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、電力線通信、赤外線通信、近距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標)通信)、又は、携帯電話用のモバイル通信等の通信方式である。
【0055】
電源部は、端末装置20の各部に電力を供給する機能を有する。電源部は、各部を駆動させるための駆動電力を生成する電源回路と、各動作に必要な電力を供給する電池とを有する。
【0056】
<動作>
次に、照明制御装置20a、照明システム1、端末装置20、発光制御方法及びプログラムの動作について説明する。本動作では、空間位置座標は、照明装置2の球状の発光面2aにおける経度及び緯度(極座標の一例)で示される座標として説明する。
【0057】
図4は、実施の形態に係る照明システム1の動作を示すフローチャートである。
【0058】
図3及び
図4に示されるように、ユーザが端末装置20を操作することで、入力部22は、表示画面24a上で二次元的な操作入力の指示を入力情報として受け付ける(S11)。
図3に示すように、ユーザは、例えば、表示画面24a上において、二点鎖線で示す指をポイント(x1,y1)から実線で示す指をポイント(x2,y2)までの所定量だけスライド操作する。入力部22は、ポイント(x1,y1)からポイント(x2,y2)までの二点鎖線で示す矢印のスライド操作を、座標情報を含んだ二次元的な入力情報として処理部23に出力する。つまり、入力部22は、この所定量をxy座標化した入力情報として処理部23に出力する。
【0059】
処理部23は、入力部22から二次元的な入力情報を取得すると、取得した入力情報に基づいて照明装置2の球状の発光面2aを示す三次元的な空間位置座標を生成する(S12)。具体的には、処理部23は、入力情報に示される基準位置(0,0)に対するポイント(x1,y1)から基準位置(0,0)に対するポイント(x2,y2)までの二点鎖線の矢印(表示画面24a上)で示す相対座標の変位を、照明装置2の球状の発光面2aから照射される光のポイント(X1,Y1,Z1)からポイント(X2,Y2,Z2)までの空間位置座標に変換する。より具体的には、処理部23は、二点鎖線の矢印(表示画面24a上)で示す相対座標の変位を、球状の発光面2aから照射される光のポイント(X1,Y1,Z1)からポイント(X2,Y2,Z2)までの空間位置座標に対応する照明装置2の複数の光源11を点消灯させるための制御情報を生成する。入力情報に基づいて変換された空間位置座標は、球状の発光面2aとしての極座標で示されるため、例えば、ポイント(x1,y1)に基づいたポイント(X1,Y1,Z1)が示され、ポイント(x2,y2)に基づいたポイント(X2,Y2,Z2)が示される。なお、例えば、X1=r×sinθ×cosθ、Y1=r×sinθ×sinθ、Z1=r×cosθで示される。rは動径であり、θは極角であり、φは方位角である。本実施の形態では、発光面2aは固定されているため、動径は一定値となる。
【0060】
入力情報に応じた発光面2aから照射される光の移動速度について、処理部23は、表示画面24aの基準位置に対する相対座標として操作入力された任意の位置(x座標上の距離(相対値))に応じて、発光面2aにおける空間位置座標の経度方向に移動する速度に変換する。例えば、距離が大きくなれば、発光面2aから照射される経度方向への光の移動速度が大きくなる。また、処理部23は、表示画面24aの基準位置に対する相対座標としてのy座標上の任意の位置(y座標上の距離(相対値))に応じて、発光面2aにおける空間位置座標の緯度方向に移動する絶対座標としての絶対位置に変換する。y座標における表示画面24aへの基準位置に対する相対座標として操作入力された任意の位置に応じて、発光面2aから照射される緯度方向に光が移動するため、緯度方向への速度は、表示画面24aへの操作の速さに依存する。
【0061】
処理部23は、このように生成した空間位置座標に対応した位置に配置されている複数の光源11のうちの所定の光源11の発光を制御するための制御情報を生成する(S13)。処理部23は、照明装置2の球状の発光面2aにおけるポイント(X1,Y1,Z1)からポイント(X2,Y2,Z2)までの二点鎖線の矢印に沿って、発光面2aから照射される光が移動するように光源11を発光させるための制御情報を生成する。
【0062】
処理部23は、生成した制御情報を、通信部26を介して照明装置2に送信する(S14)。
【0063】
照明装置2は、端末装置20から送信された制御情報を受信する。照明装置2は、制御情報を受信すると、通信部26を介して照明制御部が取得した制御情報に応じた発光態様で点灯するように、各々の光源11に含まれる光源11が発する光の発光態様を制御する。照明装置2は、制御情報に基づく照明態様で照明する(S15)。本実施の形態では、照明装置2は、発光面2aの二点鎖線の矢印に沿って、発光面2aから照射される光が移動するという照明態様で周囲を照明(演出)する。そして、照明システム1では、処理を終了する。
【0064】
なお、
図3のようにユーザがxy座標に対して斜めに操作した場合、二点鎖線の「周回する方向」で示すように、経度方向に沿って時計回り(鉛直上方から照明装置2を見た場合の右回り)でポイント(X2,Y2,Z2)を通過するように、光が周回し続ける。
【0065】
ここで、表示画面24aのx座標に沿って入力部22を操作入力した場合について
図5Aを用いて説明する。
図5Aは、実施の形態に係る照明システム1の端末装置20にx座標軸に沿った操作入力をした場合の照明装置2の照明態様を示す図である。
【0066】
ユーザは、例えば、表示画面24a上において、二点鎖線で示す指をポイント(x3,y3)から実線で示す指をポイント(x4,y3)までの所定量だけ、x座標軸に沿ってスライド操作する。この場合では、y3=0としている。処理部23は、
図5Aの二点鎖線で示す照明装置2の発光面2aの赤道上に沿って、ポイント(X3,Y3,Z3)からポイント(X4,Y3,Z4)まで発光面2aから照射される光が移動する空間位置座標を生成する。また、処理部23は、表示画面24aの基準位置に対する相対座標として操作入力されたx座標上の任意の位置に応じて、発光面2aにおける空間位置座標の経度方向に移動する速度に変換する。
【0067】
処理部23は、このように生成した空間位置座標に対応した位置に配置されている複数の光源11のうちの所定の光源11の発光を制御するための制御情報を生成する。
図5Aでは表示画面24aのy座標は変化していないため、発光面2aから照射される光の緯度も変化しない。制御情報には、発光面2aの赤道に沿って発光面2aから照射される光が所定の速度で移動する照明態様が含まれる。
図5Aの場合では、照明装置2は、この制御情報を取得すると、基準位置に対するポイント(x3,y3)の距離x3に応じた速度で発光面2aの赤道に沿って発光面2aから照射される光が時計回りに周回を始める。指がポイント(x4,y3)に近づくにつれて、発光面2aの赤道に沿って発光面2aから照射される光が時計回りに周回する速度が変化する(ここでは速度が低下する)。指がポイント(x4,y3)に到達すると、基準位置に対するポイント(x4,y3)の距離x4に応じた速度で、発光面2aの赤道に沿って時計回りに周回し続ける。このように、処理部23は、座標情報におけるx座標上の操作入力において、経度方向に沿って所定の速度で、発光面2aから照射される光を周回させる。
【0068】
本実施の形態の
図5Aでは、表示画面24aにおいて基準位置よりも左側(-1≦x)の操作を例示しているので、発光面2aから照射される光は発光面2aの赤道に沿って時計回りに周回するが、これに限らない。
【0069】
例えば、表示画面24aにおいて基準位置よりも右側(x≦1)を操作する場合では、発光面2aから照射される光は、発光面2aの赤道に沿って反時計回りに周回することになる。
【0070】
また、ユーザが基準位置を跨いで(x座標上の基準位置よりも左側又は右側からx座標上の基準位置よりも右側又は左側に跨って)表示画面24a上で指を移動させる入力操作をする場合、発光面2aから照射される光は、まず、発光面2aの赤道に沿って時計回り又は反時計回りに移動し、ユーザの指がx座標上の基準位置に近づくにつれて移動する速度が低下し、ユーザの指がx座標上の基準位置に到達した時に移動が停止する。そして、ユーザの指がx座標上の基準位置を超えると、発光面2aから照射される光は、ユーザの指がx座標上の基準位置から離れるにつれて移動する速度が上昇し、発光面2aの赤道に沿って反時計周り又は時計回りに移動する。
【0071】
なお、本実施の形態では、ユーザの指が表示画面24aに接触している間(操作し続けている間)、発光面2aから照射される光が周回し続け、ユーザの指が表示画面24aから離れると、操作を中止した時点で発光面2aから照射される光の移動は停止する。この場合、表示画面24aにおいて、ユーザの指が接触していた位置と異なる位置に接触させると、発光面2aから照射される光の位置は、経度方向においては元の位置から移動を開始し、緯度方向においては元の位置から絶対座標に従った位置に切替わる。このように、本実施の形態では、経度方向においては、発光面2aから照射される光の急激な座標シフトを抑制することで、ユーザが発光態様に違和感を覚え難いようにする。
【0072】
なお、処理部23は、発光面2aの緯度、つまり、表示画面24a上のy座標の位置に応じて速度を異ならせてもよい。つまり、発光面2aの赤道上では、最も経度方向における円周が大きく、緯度が大きく又は小さくなるにしたがって円周が小さくなる。このため、表示画面24a上の位置によっては、発光面2aから照射される光の移動速度を異ならせてもよい。
【0073】
また、表示画面24aのy座標に沿って入力部22を操作入力した場合について
図5Bを用いて説明する。
図5Bは、実施の形態に係る照明システム1の端末装置20にy座標軸に沿った操作入力をした場合の照明装置2の照明態様を示す図である。
【0074】
ユーザは、例えば、表示画面24a上において、二点鎖線で示す指をポイント(x5,y5)から実線で示す指をポイント(x5,y6)までの所定量だけ、y座標軸に沿ってスライド操作する。この場合では、x5=0としている。処理部23は、照明装置2の発光面2aに沿って、ポイント(X5,Y5,Z5)からポイント(X5,Y6,Z6)まで発光面2aから照射される光が移動する空間位置座標を生成する。また、処理部23は、表示画面24aの基準位置に対する相対座標として操作入力されたx座標上の任意の位置に応じて、発光面2aにおける空間位置座標の緯度方向に移動する絶対座標としての絶対位置に変換する。
【0075】
処理部23は、このように生成した空間位置座標に対応した位置に配置されている複数の光源11のうちの所定の光源11の発光を制御するための制御情報を生成する。
図5Bでは表示画面24aのx座標は変化していないため、発光面2aから照射される光の経度方向も変化しない。このため、制御情報には、発光面2aの経度方向に沿って発光面2aから照射される光が、ポイント(X5,Y5,Z5)からポイント(X5,Y6,Z6)まで移動する照明態様が含まれる。つまり、照明装置2は、この制御情報を取得すると、発光面2aにおけるポイント(X5,Y5,Z5)からポイント(X5,Y6,Z6)までの二点鎖線の矢印(緯度方向)に沿って移動しながら、光を照射する。また、表示画面24aのy座標での変位は、緯度方向に移動する絶対座標に変換されるため、表示画面24aにおけるy座標に沿ったスライド操作の速さが、発光面2aにおける空間位置座標の緯度方向に移動する速度となる。つまり、ユーザの指がポイント(x5,y5)からポイント(x5,y6)までのスライド操作に追従するように、発光面2aから照射される光が、ポイント(X5,Y5,Z5)からポイント(X5,Y6,Z6)まで移動する。このように、処理部23は、座標情報におけるy座標上の操作入力において、発光面2aの極値に近付けるように発光面2aから照射される光を移動させる。また、ユーザの指がポイント(x5,y6)からさらにy座標軸に沿ってスライド操作して、指が表示画面24aの端縁に到達すると、発光面2aから照射される光は、極値(この例では、上端)まで移動した後、極値で停止して極値に対応する発光面2aから照射される。
【0076】
<作用効果>
次に、本実施の形態に係る照明制御装置20a、照明システム1、端末装置20、発光制御方法及びプログラムの作用効果について説明する。
【0077】
上述したように、本実施の形態に係る照明制御装置20aは、複数の光源11により全方位を照射可能な照明装置2による発光を制御する照明制御装置20aであって、表示画面24a上で二次元的な操作入力を入力情報として受け付ける入力部22と、二次元的な入力情報に基づいて照明装置2の発光面2aを示す三次元的な空間位置座標を生成し、生成した空間位置座標に対応した位置に配置されている複数の光源11のうちの所定の光源11の発光を制御するための制御情報を生成する処理部23と、生成した制御情報を照明装置2に送信する通信部14とを備える。
【0078】
これによれば、入力部22に操作入力した二次元的な入力情報に基づいて三次元的な空間位置座標を生成することができるため、二次元的に入力した入力情報に基づいて発光面2aに沿った三次元的な空間位置座標による照明態様で表現することができる。
【0079】
したがって、この照明制御装置20aでは、入力操作に応じて照明装置2の発光面2aから照射される光の位置を滑らかに変化させることができる。
【0080】
また、本実施の形態に係る照明システム1は、照明制御装置20aと、複数の光源11により全方位を照射可能な複数の照明装置2とを備える。
【0081】
この照明システム1においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0082】
また、本実施の形態に係る発光制御方法は、複数の光源11により全方位を照射可能な照明装置2による発光を制御する発光制御方法であって、表示画面24a上で二次元的な操作入力を入力情報として受け付け、二次元的な入力情報に基づいて照明装置2の発光面2aを示す三次元的な空間位置座標を生成し、生成した空間位置座標に対応した位置に配置されている複数の光源11のうちの所定の光源11の発光を制御するための制御情報を生成し、生成した制御情報を照明装置2に送信することを含む。
【0083】
この発光制御方法においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0084】
また、本実施の形態に係る端末装置20は、照明制御装置20aと、表示画面24aとを備える。
【0085】
この端末装置20においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0086】
また、本実施の形態に係るプログラムは、発光制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0087】
このプログラムにおいても上述と同様の作用効果を奏する。
【0088】
また、本実施の形態に係る照明制御装置20aにおいて、入力情報は、表示画面24aにおいてxy座標で示される座標情報である。そして、空間位置座標は、照明装置2の発光面2aにおける経度及び緯度で示される座標である。
【0089】
これによれば、表示画面24aにおいてx座標及びy座標に沿って操作入力すれば、照明装置2の経度方向及び/又は緯度方向に沿って、照射される光を移動させることができる。
【0090】
また、本実施の形態に係る照明制御装置20aにおいて、処理部23は、座標情報における基準位置に対する相対座標としてのx座標上の任意の位置を、空間位置座標としての極座標の方位角に応じた経度方向の変化量として変換する。そして、処理部23は、座標情報における基準位置に対する相対座標としてのy座標上の任意の位置を、空間位置座標としての極座標の極角に応じた緯度方向の絶対座標に変換する。
【0091】
例えば、球状の照明装置を見た場合、通常、左右方向の概念はユーザが照明装置を見る方向によって、照明装置の左右方向は変化するが、上下方向の概念はユーザがどの方向から照明装置を見ても不変である。このため、上下方向に対応するy座標に沿って操作画面に操作入力した場合、発光面から照射される光は緯度方向に沿って回転する。このため、ユーザは、照明装置の照明態様に違和感を覚えることがある。
【0092】
しかし、本実施の形態の照明制御装置20aでは、この点に着目し、例えばx座標に沿って操作入力することで経度方向に沿って照射される光を移動させ、y座標に沿って操作入力することで緯度方向に沿って発光面2aから照射される光を移動させる。x座標は相対座標として入力されるため、発光面2aから照射される光は経度方向に沿って滑らかに移動することができる。また、y座標は絶対座標に変換されるため、y座標に沿って操作入力した場合、操作入力に追従するように緯度方向に沿って発光面2aから光を照射することができる。このため、ユーザは、照明装置2の照明態様に違和感を覚え難くなる。
【0093】
また、本実施の形態に係る照明制御装置20aにおいて、発光面2aは、球状である。そして、処理部23は、座標情報におけるx座標上の操作入力において、経度方向に沿って所定の速度で、発光面2aから照射される光を周回させ続ける。
【0094】
これによれば、例えば発光面2aが全方位を照射可能であれば、発光面2aの一部から照射された光は、発光面2aの経度方向に沿って所定の速度で周回し続けるように周囲を照らすことができる。このため、この照明制御装置20aでは、照明装置2の照明態様の自由度を向上させることができる。
【0095】
また、本実施の形態に係る照明制御装置20aにおいて、発光面2aは、球状である。そして、処理部23は、座標情報におけるy座標上の操作入力において、発光面2aの極値に近付けるように発光面2aから照射される光を移動させ、当該光が極値まで移動した後に光の移動を停止させる。
【0096】
これによれば、例えば発光面2aが全方位を照射可能であれば、発光面2aの一部から照射される光は、極値まで移動した後、極値で停止して極値に対応する発光面2aから照射することができる。このため、例えばy座標のプラス又はマイナス側に沿って幾度も操作入力をしても、緯度方向に移動した光は、発光面2aの北極又は南極(発光面2aを地球に見立てた場合であり、本実施の形態では発光面2aの上端又は下端)に対応する極値で停止して、北極又は南極の極値から光が照射される。一方で、x座標のプラス側に沿って操作入力すれば、操作入力に応じて発光面2aから照射される光が経度方向に回転する。このため、ユーザは、照明装置2の照明態様に違和感を覚え難くなる。
【0097】
また、本実施の形態に係る照明制御装置20aにおいて、処理部23は、座標情報における基準位置に対する相対座標としてのx座標上の任意の位置を、変化量として、照明装置2の発光面2aから照射される光が発光面2aの経度方向に沿って移動する速度に変換する。
【0098】
これによれば、x座標に沿った操作入力の量を速度の変化量とするため、操作入力の量に応じて径方向に移動する発光面2aから照射される光の速度を変化させることができる。
【0099】
また、本実施の形態に係る照明制御装置20aにおいて、制御情報は、制御対象となる複数の光源11のうちの所定の光源11が発する光の輝度情報及び色情報を含む。
【0100】
これによれば、複数の照明装置2のそれぞれの調光及び調色を設定することができるため、ユーザは、設定した制御情報に基づいて、複数の照明装置2を用いた演出照明を行うことができる。
【0101】
(その他の変形例)
以上、本開示に係る照明制御装置、照明システム、端末装置、発光制御方法及びプログラムについて、上記各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態に施したものも、本開示の範囲に含まれてもよい。
【0102】
例えば、上記実施の形態に係る照明制御装置、照明システム、端末装置、発光制御方法及びプログラムに含まれる各部は典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0103】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0104】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記憶媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0105】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態は例示された数字に制限されない。
【0106】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0107】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0108】
なお、上記の各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0109】
1 照明システム(発光システム)
2 照明装置(発光装置)
11 光源
20 端末装置
20a 照明制御装置(発光制御装置)
22 入力部
23 処理部
24a 表示画面