(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】レーザ加工装置
(51)【国際特許分類】
B23K 26/042 20140101AFI20240705BHJP
B23K 26/064 20140101ALI20240705BHJP
B23K 26/082 20140101ALI20240705BHJP
B23K 26/00 20140101ALI20240705BHJP
【FI】
B23K26/042
B23K26/064 K
B23K26/082
B23K26/00 B
(21)【出願番号】P 2021018931
(22)【出願日】2021-02-09
【審査請求日】2023-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】松本 明久
(72)【発明者】
【氏名】島▲崎▼ 大地
【審査官】齋藤 健児
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-13905(JP,A)
【文献】特開2012-24794(JP,A)
【文献】特開平5-245675(JP,A)
【文献】国際公開第2017/139630(WO,A1)
【文献】特開2009-58792(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/042
B23K 26/064
B23K 26/082
B23K 26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を発生するレーザ発振部を有するレーザ出射ユニットと、
前記レーザ光を加工対象物に照射するガルバノスキャナを有するレーザヘッドと、
前記レーザ出射ユニットから前記レーザヘッドにむけて前記レーザ光を伝達する光ファイバケーブルと、
前記光ファイバケーブルの先端に設けられ、前記レーザヘッドに対して着脱可能に構成され、前記光ファイバケーブルによって伝達される前記レーザ光を調整した出射光を出射するヘッドコネクタと、
を備えたレーザ加工装置であって、
前記ヘッドコネクタは、
前記レーザヘッドの開口に挿入される挿入部と、
前記光ファイバケーブルの先端を保持するファイバホルダと、
前記光ファイバケーブルの先端から出射される前記レーザ光の光軸を調整する光軸調整部と、
前記出射光の広がり角を調整する広がり角調整部と、
を備え、
前記光軸調整部は、前記ヘッドコネクタの側面側から操作可能に構成された第1操作部と、前記第1操作部の操作に応じて前記出射光の光軸と直交する平面内で前記ファイバホルダを移動させる第1移動部と、を備え、
前記広がり角調整部は、前記出射光の光軸上に配置された少なくとも1枚のレンズと、前記挿入部に設けられ、回転操作される第2操作部と、前記第2操作部の操作に応じて前記レンズを前記出射光を出射する前記光軸に沿って移動させる第2移動部と、を備えた、
レーザ加工装置。
【請求項2】
前記ヘッドコネクタは、前記第1操作部を覆うカバー部材と、前記カバー部材を固定する複数の特殊ねじとを備えた、請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記光軸調整部は、前記ファイバホルダの位置を固定する第1位置固定部を備えた、請求項2に記載のレーザ加工装置。
【請求項4】
前記カバー部材は、前記第1位置固定部を覆う、請求項3に記載のレーザ加工装置。
【請求項5】
前記広がり角調整部は、前記レンズの位置を固定する第2位置固定部を備えた、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
【請求項6】
前記カバー部材は、前記第2位置固定部を覆う、請求項5に記載のレーザ加工装置。
【請求項7】
複数の前記特殊ねじで囲まれた領域内、かつ前記第1操作部を囲むように配置されたシール部材を備えた、請求項6に記載のレーザ加工装置。
【請求項8】
前記シール部材は、さらに前記第2位置固定部を囲むように配置されている、請求項7に記載のレーザ加工装置。
【請求項9】
前記光軸調整部は、前記光軸に直交するとともに互いに直交するX軸およびY軸にて前記ファイバホルダを移動させるものであり、
前記第1操作部は、X軸方向の位置を調整するために操作されるX軸操作部と、Y軸方向の位置を調整するために操作されるY軸操作部とを有する、
請求項
1に記載のレーザ加工装置。
【請求項10】
前記光軸調整部は、X軸方向の位置を固定するX軸固定部と、Y軸方向の位置を固定するY軸固定部とを有する、請求項9に記載のレーザ加工装置。
【請求項11】
前記第2操作部を覆うカバー部材を備えた、請求項
1に記載のレーザ加工装置。
【請求項12】
前記ヘッドコネクタは、前記挿入部を挟むように配置された一対の位置決めピンを備え、
前記レーザヘッドは、一対の前記位置決めピンを嵌合可能とした位置決め孔を備える、
請求項
1に記載のレーザ加工装置。
【請求項13】
一対の前記位置決めピンは、前記レンズの中心軸に対して対称となる位置に配置され、
前記位置決め孔は、前記挿入部が挿入される開口の中心に対して対称となる位置に設けられている、
請求項12に記載のレーザ加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ加工装置は、レーザ光を発振するレーザ発振器を収容したレーザ出射ユニットと、レーザ光を加工対象物に照射するレーザヘッドと、レーザ出射ユニットとレーザヘッドとを接続する光ファイバケーブルとを備える(例えば、特許文献1参照)。光ファイバケーブルは、レーザ出射ユニットから出力されるレーザ光をレーザヘッドに供給する。このように構成されたレーザ加工装置は、レーザヘッドから光ファイバケーブルを取り外すことで、レーザヘッド、またはレーザ出射ユニットの交換を容易とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、光ファイバケーブルには、個体差がある。その個体差により、レーザヘッドまたはレーザ出射ユニットを交換した場合、レーザ光の光軸等を調整する必要がある。このため、交換作業が繁雑になるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によるレーザ加工装置は、レーザ光を発生するレーザ発振部を有するレーザ出射ユニットと、前記レーザ光を伝達する光ファイバケーブルと、前記光ファイバケーブルの先端に設けられ、前記レーザヘッドに対して着脱可能に構成され、前記光ファイバケーブルによって伝達される前記レーザ光を調整した出射光を出射するヘッドコネクタと、前記出射光を加工対象物に照射するガルバノスキャナを有するレーザヘッドと、を備えたレーザ加工装置であって、前記ヘッドコネクタは、前記レーザヘッドの開口に挿入される挿入部と、前記光ファイバケーブルの先端を保持するファイバホルダと、前記光ファイバケーブルの先端から出射される前記レーザ光の光軸を調整する光軸調整部と、前記出射光の広がり角を調整する広がり角調整部と、を備え、前記光軸調整部は、前記ヘッドコネクタの側面側から操作可能に構成された第1操作部と、前記第1操作部の操作に応じて前記出射光の光軸と直交する平面内で前記ファイバホルダを移動させる第1移動部と、を備え、前記広がり角調整部は、前記出射光の光軸上に配置された少なくとも1枚のレンズと、前記挿入部に設けられ、回転操作される第2操作部と、前記第2操作部の操作に応じて前記レンズを前記光軸に沿って移動させる第2移動部と、を備えた。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様によれば、交換作業を容易に行うことができるレーザ加工装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態のレーザ加工装置の概略構成を示すブロック図。
【
図2】レーザヘッドおよびヘッドコネクタを示す斜視図。
【
図5】カバー部材を除いたヘッドコネクタを示す斜視図。
【
図6】
図5の6-6線断面図であり、ヘッドコネクタの概略断面図。
【
図7】
図5の7-7線断面図であり、広がり角調整部を示す断面図。
【
図8】
図6の8-8線断面図であり、光軸調整部を示す断面図。
【
図11】ヘッドコネクタの一部拡大断面図であり、シール部を示す断面図。
【
図12】広がり角調整部、光軸調整部、およびファイバホルダを示す斜視図。
【
図13】変更例のレーザ加工装置の概略構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態を説明する。
なお、添付図面は、理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。構成要素の寸法比率は実際のものと、または別の図面中のものと異なる場合がある。また、断面図では、理解を容易にするために、一部の構成要素のハッチングを省略している場合がある。
【0009】
図1に示すレーザ加工装置10は、加工対象物Wにレーザ光LWを照射し、加工対象物Wを加工する。このレーザ加工装置10は、たとえば、加工対象物Wにマーキングを施すレーザマーキング装置である。
【0010】
レーザ加工装置10は、レーザ出射ユニット11、光ファイバケーブル12、ヘッドコネクタ13、レーザヘッド14を備えている。
レーザ出射ユニット11は、制御部21、レーザ発振部22を備える。制御部21は、レーザ加工装置10の全体の稼動を制御する。制御部21は、レーザ発振部22と電気的に接続され、レーザ発振部22の駆動を制御する。レーザ発振部22は、レーザ光を発生する。
【0011】
レーザ出射ユニット11は、光ファイバケーブル12を介してヘッドコネクタ13に接続されている。ヘッドコネクタ13は、レーザヘッド14に接続されている。ヘッドコネクタ13は、レーザヘッド14に対して着脱可能に構成されている。
図2に示すように、ヘッドコネクタ13は、固定ねじ15によってレーザヘッド14に固定されている。
【0012】
ヘッドコネクタ13は、ファイバホルダ31、支持ユニット32を備えている。ファイバホルダ31は、光ファイバケーブル12の先端12aを保持する。支持ユニット32は、ファイバホルダ31の一部を収容するように構成されている。支持ユニット32は、レーザヘッド14に取着される。支持ユニット32は、レーザヘッド14に対して着脱可能に構成されている。
【0013】
支持ユニット32は、レーザヘッド14の開口14aからレーザヘッド14の内部に挿入される挿入部33を有している。支持ユニット32は、挿入部33がレーザヘッド14の内部に挿入された状態で、レーザヘッド14に固定される。
【0014】
支持ユニット32は、レンズ34と、広がり角調整部35とを備えている。
図1に示す光ファイバケーブル12の先端12aから出射されたレーザ光L1は、レンズ34を透過し、出射光L2としてレーザヘッド14に出射される。広がり角調整部35は、レンズ34を透過したレーザ光LW(出射光L2)の広がり角を調整する。
【0015】
広がり角調整部35は、操作部36と、移動部37とを備えている。操作部36は、ヘッドコネクタ13の挿入部33に設けられている。操作部36は、挿入部33において、ヘッドコネクタ13から出射されるレーザ光LW(出射光L2)の光軸の周りに沿って回動可能に支持されている。移動部37は、操作部36の操作に応じて、レンズ34を光軸に沿って移動する。
【0016】
支持ユニット32は、光軸調整部40を備えている。光軸調整部40は、
図1に示す光ファイバケーブル12の先端12aから出射されたレーザ光L1の光軸を調整する。光軸調整部40は、操作部41と、移動部42とを備えている。操作部41は、ヘッドコネクタ13の側方外部から操作可能に構成されている。移動部42は、操作部41の操作に応じてファイバホルダ31を移動させる。
【0017】
光軸調整部40は、ファイバホルダ31を、支持ユニット32の基準軸RAと垂直な平面内で移動させる。支持ユニット32の基準軸RAは、後述する支持ユニット32のベース部61の接続面61aに対して垂直に設定されている。本実施形態において、基準軸RAは、支持ユニット32が保持するレンズ34の光軸と平行、さらには、レンズ34の光軸と略一致している。このため、上記の広がり角調整部35は、レンズ34を基準軸RAに沿って移動させるように構成されているといえる。
【0018】
光軸調整部40は、互いに直交する2つの軸に沿ってファイバホルダ31を移動させる。2つの軸をX軸とY軸とする。光軸調整部40は、X軸調整部40XとY軸調整部40Yとを備える。X軸調整部40Xは、操作部41Xと移動部42Xとを有している。Y軸調整部40Yは、操作部41Yと移動部42Yとを有している。
【0019】
レーザヘッド14は、焦点距離調整部51とガルバノスキャナ52とを備えている。
ガルバノスキャナ52は、ガルバノミラー52aと駆動部52bとを備える。ガルバノミラー52aは、レーザヘッド14の外部に向けて出射光L2を反射する。駆動部52bは、ガルバノミラー52aを回動する。駆動部52bは、たとえばモータであり、制御部21により制御される。ガルバノミラー52aの駆動により、加工対象物Wに照射するレーザ光LWを2次元方向に走査する。レーザヘッド14は、出射光L2が通過する開口14bを有し、その開口14bは、保護ガラス53により閉塞されている。
【0020】
焦点距離調整部51は、機構部51aと駆動部51bとを備える。機構部51aは、複数のレンズと、レンズを移動可能に支持する支持部とを備える。駆動部51bは、レンズを移動させる。駆動部51bは、たとえばモータであり、制御部21によって制御される。焦点距離調整部51は、レンズによって、加工対象物Wに向けて出射するレーザ光LW(出射光L2)の焦点距離を調整する。
【0021】
レーザヘッド14は、検出部54を備えている。検出部54は、ヘッドコネクタ13の接続を検出するために設けられている。検出部54は、たとえば、レーザヘッド14に挿入されるヘッドコネクタ13の挿入部33によって操作されるスイッチである。制御部21は、検出部54によって、レーザヘッド14に対するヘッドコネクタ13の接続状態を検出する。そして、制御部21は、検出部54によってヘッドコネクタ13がレーザヘッド14に接続されているとき、レーザ発振部22を駆動する。一方、制御部21は、ヘッドコネクタ13がレーザヘッド14に接続されていないとき、レーザ発振部22を駆動しない。これにより、レーザヘッド14に接続されていないヘッドコネクタ13からレーザ光が出射されることを防止する。
【0022】
図2は、ヘッドコネクタ13をレーザヘッド14に接続した状態を示す。
図3は、レーザヘッド14からヘッドコネクタ13を取り外した状態を示す。
図4は、ヘッドコネクタ13を示す。
【0023】
図4に示すように、ヘッドコネクタ13の支持ユニット32は、ベース部61を有している。ベース部61は、四角形板状に形成されている。ベース部61の四隅部分には、挿通孔61bが形成され、その挿通孔61bには、ヘッドコネクタ13をレーザヘッド14に固定する固定ねじ15(
図2参照)が挿通される。
【0024】
ヘッドコネクタ13は、ベース部61の中央に挿入部33を有している。挿入部33は、ベース部61と一体に形成された突出部62と、突出部62の先端の操作部36とから構成されている。
【0025】
ベース部61には、位置決めピン63が設けられている。位置決めピン63は、挿入部33を挟むように配置されている。つまり、ヘッドコネクタ13は、一対の位置決めピン63を有している。より具体的には、本実施形態では、一対の位置決めピン63は、レンズ34の中心軸を通る対角線上に配置されている。また、一対の位置決めピン63は、レンズ34の中心軸から等距離に配置されている。つまり、一対の位置決めピン63は、レンズ34の中心軸に対して対称となる位置に配置されている。
【0026】
図3に示すように、レーザヘッド14は、エンドプレート55を有し、そのエンドプレート55は
図2、
図4に示すレーザヘッド14に取着される。エンドプレート55は、開口55bを有している。レーザヘッド14は、エンドプレート55の開口55bからレーザヘッド14の内側にむけて、ヘッドコネクタ13の挿入部33(
図4参照)を収容可能とした収容部56を有している。
【0027】
エンドプレート55は、ヘッドコネクタ13が接続される接続面55aを有している。接続面55aには、開口55bを囲むように環状の溝部55cが形成され、その溝部55cにOリング98が挿入されている。Oリング98は、エンドプレート55と、エンドプレート55に接続されるヘッドコネクタ13との間をシールする。
【0028】
図3に示すように、エンドプレート55の接続面55aには、ヘッドコネクタ13を固定する固定ねじ15を螺合可能としたねじ孔58と、ヘッドコネクタ13の位置決めピン63を嵌合可能とした位置決め孔59が形成されている。位置決め孔59は、ヘッドコネクタ13の挿入部33が挿入される開口55bの中心に対して対称な位置に設けられている。位置決めピン63と位置決め孔59は、ヘッドコネクタ13とレーザヘッド14とを位置決めする位置決め部を構成する。
【0029】
レーザヘッド14に接続されたヘッドコネクタ13は、ベース部61の中央に挿入部33を有し、その挿入部33は、レーザヘッド14の収容部56に収容される。したがって、挿入部33に設けられた操作部36は、レーザヘッド14により覆われる。つまり、レーザヘッド14は、操作部36を覆うカバー部材として機能するといえる。
【0030】
ヘッドコネクタ13について詳述する。
図4は、ヘッドコネクタ13の外観を示す。
図5は、カバー部材91,93を取り外した状態のヘッドコネクタ13を示す。
図6は、
図5の6-6線断面図であり、ヘッドコネクタ13の概略断面を示す。
図7は、
図5の7-7線断面図であり、広がり角調整部35を示す。
図8は、
図6の8-8線断面図であり、光軸調整部40を示す。
図9は、光軸調整部40のX軸調整部40Xを示す。
図10は、光軸調整部40のY軸調整部40Yを示す。
図11は、ヘッドコネクタ13の一部拡大断面図であり、シール部を示す。
図12は、ヘッドコネクタ13に備えられる広がり角調整部35、光軸調整部40、およびファイバホルダ31を示す。
【0031】
図4に示すように、ヘッドコネクタ13は、支持ユニット32とファイバホルダ31とを備えている。
支持ユニット32は、ベース部61と、ベース部61から突出する突出部62(挿入部33)と、ベース部61に対して突出部62と反対側にある保持調整部64とを備えている。
【0032】
図12に示すように、ヘッドコネクタ13は、ファイバホルダ31、光軸調整部40、広がり角調整部35を備えている。
ファイバホルダ31は、円筒状の第1円筒部31aと、第1円筒部31aよりも径がやや細く形成されて第1円筒部31aから延びる第2円筒部31bを有する。第2円筒部31bは、軸中心に円形状の開口31cを有する。
図1に示す光ファイバケーブル12により伝達されたレーザ光L1は、第2円筒部31bの開口31cから出射される。
【0033】
図12に示すように、光軸調整部40は、ベース71を有している。
図12、
図8に示すように、ベース71は、四角柱状に形成されている。ベース71は、保持孔72と、保持孔72から保持孔72の径方向外側に向かって延びるスリット73とを有している。保持孔72は、円形状に形成されている。保持孔72の径は、ファイバホルダ31の第2円筒部31bの外径と略一致している。ベース71は、図示しないねじによって、保持孔72の径を小さく(縮径)するように形成されている。このベース71は、ファイバホルダ31の第2円筒部31bに固定される。光軸調整部40は、ベース71を移動させることにより、そのベース71が固定されたファイバホルダ31を移動させる。ベース71は、第1移動部および第2移動部に含まれる。
【0034】
光軸調整部40は、X軸調整部40Xを構成する操作ねじ74a,74bおよび固定ねじ75a,75bと、Y軸調整部40Yを構成する操作ねじ76a,76bおよび固定ねじ77a,77bを有している。各ねじは、保持調整部64のねじ孔に螺入されている。
【0035】
図8に示すように、保持調整部64は、第1側壁64a、第2側壁64b、第3側壁64c、蓋部材64dと、を備える。本実施形態において、第1側壁64aと第2側壁64bと第3側壁64cは、一体的に形成されている。第1側壁64aと第2側壁64bと第3側壁64cとにより収容凹部64eが形成され、その収容凹部64eにベース71が収容されている。収容凹部64eは、蓋部材64dにより閉塞される。蓋部材64dにより閉塞される収容凹部64eの開口部は、シール部材としてのOリング97によりシールされる。
【0036】
図4に示すように、第1側壁64aの外側面にはカバー部材91が特殊ねじ92によって取着されている。第2側壁64bの外側面には、カバー部材93が特殊ねじ94によって取着されている。特殊ねじ92,94は、通常工具と異なる特殊工具によってのみ緩めることができるねじである。通常工具とは、入手が容易な工具を示し、たとえばプラスドライバ、マイナスドライバを示す。
【0037】
図8、
図9に示すように、第1側壁64aには、光軸調整部40のX軸調整部40Xを構成する操作ねじ74a,74bが螺入されるねじ孔65a,65bと、固定ねじ75a,75bが挿通される挿通孔66a,66bが形成されている。
図9に示すように、操作ねじ74a,74bおよび固定ねじ75a,75bは、第1側壁64aに固定されたカバー部材91によって隠蔽されている。
【0038】
図5、
図6、
図8に示すように、カバー部材91と第1側壁64aとの間には、シール部材としてのOリング95が介在されている。Oリング95は、複数の特殊ねじ92で囲まれた領域内を囲むように配置されている。Oリング95は、操作ねじ74a,74bおよび固定ねじ75a,75bを囲むように配置されている。Oリング95は、カバー部材91と第1側壁64aとの間、つまりカバー部材91と保持調整部64との間をシールする。
【0039】
図8、
図10に示すように、第2側壁64bには、光軸調整部40のY軸調整部40Yを構成する操作ねじ76a,76bが螺入されるねじ孔67a,67bと、固定ねじ77a,77bが挿通される挿通孔68a,68bが形成されている。
図10に示すように、操作ねじ76a,76bおよび固定ねじ77a,77bは、第2側壁64bに固定されたカバー部材93によって隠蔽されている。
【0040】
図5、
図10に示すように、カバー部材93と第2側壁64bとの間には、シール部材としてのOリング96が介在されている。Oリング96は、複数の特殊ねじ94で囲まれた領域内を囲むように配置されている。Oリング96は、操作ねじ76a,76bおよび固定ねじ77a,77bを囲むように配置されている。Oリング96は、カバー部材93と第2側壁64bとの間、つまりカバー部材93と保持調整部64との間をシールする。
【0041】
図6、
図8、
図9に示すように、第1側壁64aに螺入された操作ねじ74a,74bの先端は、ベース71の側面71aに当接されている。固定ねじ75a,75bは、ベース71の側面71aに形成されたねじ孔71a1,71a2に螺入されている。
図8に示すように、2つの固定ねじ75a,75bは、Y軸方向において、ベース71の中心軸Oを挟むように配置されている。中心軸Oは、ベース71に形成された保持孔72の中心である。
図9に示すように、2つの操作ねじ74a,74bは、ベース71の中心軸Oに沿って、固定ねじ75a,75bを挟むように配置されている。固定ねじ75a,75bの頭部と第1側壁64aとの間にはばねワッシャ75a1,75b1が介在されている。
【0042】
図6、
図8、
図10に示すように、第2側壁64bに螺入された操作ねじ76a,76bの先端は、ベース71の側面71bに当接されている。固定ねじ77a,77bは、ベース71の側面71bに形成されたねじ孔71b1,71b2に螺入されている。
図8に示すように、2つの固定ねじ77a,77bは、
X軸方向において、ベース71の中心軸Oを挟むように配置されている。
図10に示すように、2つの操作ねじ76a,76bは、ベース71の中心軸Oに沿って、固定ねじ77a,77bを挟むように配置されている。固定ねじ77a,77bの頭部と第
2側壁64
bとの間にはばねワッシャ77a1,77b1が介在されている。
【0043】
X軸調整部40Xによる光軸調整を説明する。
図8において、固定ねじ75a,75bを緩めると、挿通孔66a,66bに挿通された固定ねじ75a,75bは、ばねワッシャ75a1,75b1の弾性力によって
図8に示すX軸方向にベース71を付勢する。その状態において、
図8に示す操作ねじ74a,74bを回転させて反X軸方向(
図8の左方向)に移動させると、操作ねじ74a,74bによってベース71が反X軸方向に移動する。逆に、操作ねじ74a,74bを回転させてX軸方向(
図8の右方向)に移動させると、ばねワッシャ75a1,75b1と固定ねじ75a,75bとによってベース71がX軸方向に移動する。このように操作ねじ74a,74bを回転操作することにより、ベース71と第1側壁64aとの間の距離が調整される。そして、ベース71を移動させることにより、
図1に示す光ファイバケーブル12の先端12aから出射されたレーザ光L1の光軸をX軸方向、反X軸方向に移動させることができる。
【0044】
図9に示すように、操作ねじ74a,74bの一方、たとえば操作ねじ74aを回転させて反X軸方向(
図9の上方)に移動させると、ベース71の出射側が反X軸方向に移動する。なお、操作ねじ74a,74bの一方を反X軸方向に移動させ、他方をX軸方向に移動させても同様にベース71が移動する。逆に、操作ねじ74aを回転させてX軸方向(
図9の下方)に移動させると、ベース71の出射側がX軸方向に移動する。このように、操作ねじ74a,74bの少なくとも一方を回転操作することにより、ベース71の角度、つまり
図1に示す光ファイバケーブル12の先端12aから出射されたレーザ光L1の光軸の角度を調整することができる。
【0045】
固定ねじ75a,75bを締め込むと、ベース71は、操作ねじ74a,74bによって移動が規制され、固定ねじ75a,75bが固定される。したがって、ベース71は、操作ねじ74a,74bと固定ねじ75a,75bとによって、移動不能となる、つまりベース71の位置が固定される。そして、X軸方向におけるレーザ光LWの光軸位置およびX軸方向の角度が固定される。
【0046】
Y軸調整部40Yによる光軸調整を説明する。
図8において、固定ねじ77a,77bを緩めると、挿通孔68a,68bに挿通された固定ねじ77a,77bは、ばねワッシャ77a1,77b1の弾性力によって
図8に示すY軸方向にベース71を付勢する。その状態において、
図8に示す操作ねじ76a,76bを回転させて反Y軸方向(
図8の左方向)に移動させると、操作ねじ76a,76bによってベース71が反Y軸方向に移動する。逆に、操作ねじ76a,76bを回転させてY軸方向(
図8の右方向)に移動させると、ばねワッシャ77a1,77b1と固定ねじ77a,77bとによってベース71がY軸方向に移動する。このように操作ねじ76a,76bを回転操作することにより、ベース71と第2側壁64bとの間の距離が調整される。そして、ベース71を移動させることにより、
図1に示す光ファイバケーブル12の先端12aから出射されたレーザ光L1の光軸をY軸方向、反Y軸方向に移動させることができる。
【0047】
図10に示すように、操作ねじ76a,76bの一方、たとえば操作ねじ76aを回転させて反Y軸方向(
図9の上方)に移動させると、ベース71の出射側が反Y軸方向に移動する。なお、操作ねじ76a,76bの一方を反Y軸方向に移動させ、他方をY軸方向に移動させても同様にベース71が移動する。逆に、操作ねじ76aを回転させてY軸方向(
図9の下方)に移動させると、ベース71の出射側がY軸方向に移動する。このように、操作ねじ76a,76bの少なくとも一方を回転操作することにより、ベース71の角度、つまり
図1に示す光ファイバケーブル12の先端12aから出射されたレーザ光L1の光軸の角度を調整することができる。
【0048】
固定ねじ77a,77bを締め込むと、ベース71は、操作ねじ76a,76bによって移動が規制され、固定ねじ77a,77bが固定される。したがって、ベース71は、操作ねじ76a,76bと固定ねじ77a,77bとによって、移動不能となる、つまりベース71の位置が固定される。そして、Y軸方向におけるレーザ光LWの光軸位置およびY軸方向の角度が固定される。
【0049】
図12に示すように、広がり角調整部35は、操作部36、レンズホルダ81、固定ねじ82を有している。
図7、
図12に示すように、操作部36は、円筒状に形成されている。操作部36の内周面には、雌ねじ36aが形成されている。操作部36は、支持ユニット32の突出部62と、突出部62に固定された保持リング83とによって、回転可能かつ軸方向に移動不能に支持されている。
【0050】
突出部62の内側には、第2移動部を構成するレンズホルダ81が配置されている。レンズホルダ81は、レンズ34を保持する。レンズホルダ81は、円筒状に形成され、内部のレーザ光が通過する。
【0051】
支持ユニット32には、レンズホルダ81が挿入されるホルダ挿通孔33Hが形成されている。ホルダ挿通孔33Hは、レンズホルダ81が軸方向(
図7の左右方向)に摺動可能に形成されている。
【0052】
レンズホルダ81の先端外周には、雄ねじ81aが形成されている。この雄ねじ81aには、操作部36の雌ねじ36aが螺合される。レンズホルダ81の側面には、ねじ孔81bが形成されている。このねじ孔81bには、固定ねじ82が螺合されている。
【0053】
固定ねじ82は、支持ユニット32の第1側壁64aに形成された挿通孔69に挿通されている。挿通孔69は、基準軸RAに沿って固定ねじ82が移動するように形成されるとともに、基準軸RAの周りに対して移動を規制するように形成されている。この固定ねじ82により、レンズホルダ81は、光軸方向に移動可能、かつホルダ挿通孔33Hの内面に沿った回転が不能となっている。
【0054】
操作部36を回転操作すると、操作部36の雌ねじ36aと螺合された雄ねじ81aを有するレンズホルダ81が基準軸RAに沿って移動する。このレンズホルダ81にはレンズ34が固定されている。従って、操作部36の回転操作により、レンズ34が基準軸RAに沿って移動する。レンズホルダ81、固定ねじ82、保持リング83は、操作部36の操作に応じてレンズ34を移動させる移動部37を構成する。これにより、レンズ34と、
図1に示す光ファイバケーブル12の先端12aとの間の距離が調整される。そして、レンズ34を透過したレーザ光LW(出射光L2)の広がり角が調整される。
【0055】
固定ねじ82を締め込むと、レンズホルダ81は、支持ユニット32に固定される。これにより、レンズ34の位置、つまりレンズ34を透過したレーザ光LWの広がり角が固定される。
図6に示すように、固定ねじ82は、第1側壁64aに固定されたカバー部材91によって隠蔽される。
図5、
図6に示すように、本実施形態のOリング95は、操作ねじ74a,74bおよび固定ねじ75a,75bとともに、固定ねじ82を囲むように配置されている。
【0056】
図6に示すように、支持ユニット32とファイバホルダ31との間は、シール部100によってシールされている。シール部100は、支持ユニット32に固定されたベース101と、ベース101に取着される押えリング102と、ベース101と押えリング102との間に配置されたOリング103とから構成される。ベース101と支持ユニット32との間はOリング104によってシールされる。
【0057】
図11に示すように、ベース101は、支持ユニット32に固定される固定部111と、固定部111から突出する支持リング112とから構成されている。支持リング112は、円筒状に形成され、その外周面に雄ねじ112aが形成されている。支持リング112の先端
には、固定部111に向かって徐々に縮径されるように傾斜した支持面124が形成されている。押えリング102の内周面には雌ねじ102aが形成され、押えリング102は支持リング112に螺着される。Oリング103は、支持リング112に押えリング102が螺着されると、支持リング112の傾斜した支持面124によってファイバホルダ31の外周面に向けて押し付けられる。このOリング103によって、シール部100とファイバホルダ31との間、つまり支持ユニット32とファイバホルダ31との間がシールされる。
【0058】
(作用)
レーザヘッド14に取着されるヘッドコネクタ13は、レーザヘッド14の開口14aに挿入される挿入部33と、レーザ光を伝達する光ファイバケーブル12の先端12aを保持するファイバホルダ31を有している。また、ヘッドコネクタ13は、光ファイバケーブル12の先端12aから出射されるレーザ光の光軸L1を調整する光軸調整部40と、出射光L2の広がり角を調整する広がり角調整部35とを備える。
【0059】
光軸調整部40は、ヘッドコネクタ13の側面側から操作可能に構成された操作部41と、操作部41の操作に応じて出射光L2の光軸と直交する平面内でファイバホルダ31を移動させる移動部42とを備える。広がり角調整部35は、レーザヘッド14に挿入される挿入部33に設けられた操作部36と、その操作部36の操作に応じてレンズ34を移動させる移動部37とを備える。このように出射光L2を調整したヘッドコネクタ13とすることにより、ヘッドコネクタ13をレーザヘッド14に接続する際に光軸の調整が不要であり、容易に交換を行うことができる。
【0060】
支持ユニット32、つまりヘッドコネクタ13に設定された基準軸RAに対して、光ファイバケーブル12から出射されるレーザ光L1の光軸を調整する。上記したように、基準軸RAは、ヘッドコネクタ13をレーザヘッド14に接続する接続面61aに対して垂直である。ヘッドコネクタ13の接続面61aは、レーザヘッド14の接続面55aに接続される。したがって、ヘッドコネクタ13をレーザヘッド14に接続することにより、レーザ光LWが接続面55aと垂直にレーザヘッド14に入射する。レーザヘッド14を交換した場合、交換後のレーザヘッド14の接続面55aに対してレーザ光LWが垂直に入射する。このため、レーザヘッド14の交換に際して光軸調整が不要となり、レーザヘッド14の交換が容易となる。また、ヘッドコネクタ13を交換した場合でも、同様となり、ヘッドコネクタ13、レーザ出射ユニット11の交換が容易となる。
【0061】
カバー部材91は、光軸調整部40のX軸調整部40Xを構成する操作ねじ74a,74bおよび固定ねじ75a,75bを隠蔽する。カバー部材93は、光軸調整部40のY軸調整部40Yを構成する操作ねじ76a,76bおよび固定ねじ77a,77bを隠蔽する。このため、使用者が不用意に各ねじに触れることを抑制でき、レーザ光の光軸が変更されることを抑制できる。
【0062】
操作ねじ74a,74bおよび固定ねじ75a,75bは、第1側壁64aに配置されている。したがって、ヘッドコネクタ13の一方の側面からX軸調整のための操作と固定とを行うことができ、調整を容易とすることができる。
【0063】
操作ねじ76a,76bおよび固定ねじ77a,77bは、第2側壁64bに配置されている。したがって、ヘッドコネクタ13の一方の側面からY軸調整のための操作と固定とを行うことができ、調整を容易とすることができる。
【0064】
カバー部材91は、広がり角調整部35の固定ねじ82を隠蔽する。このため、使用者が不用意に固定ねじ82に触れる事を抑制でき、出射光L2の広がり角が変更されることを抑制できる。
【0065】
カバー部材91は、特殊ねじ92によってヘッドコネクタ13(保持調整部64)に固定されている。カバー部材93は、特殊ねじ94によってヘッドコネクタ13(保持調整部64)に固定されている。したがって、カバー部材91,93を不用意に取り外すことを防止でき、各ねじに対して外部から触れることをさらに抑制できる。
【0066】
広がり角調整部35の操作部36は、レーザヘッド14に挿入される挿入部33に設けられている。したがって、ヘッドコネクタ13をレーザヘッド14に接続した後、操作部36に対して外部から操作することを防止できる。このため、出射光L2の広がり角が変更されることを抑制できる。
【0067】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)レーザヘッド14に取着されるヘッドコネクタ13は、レーザヘッド14の開口14aに挿入される挿入部33と、レーザ光を伝達する光ファイバケーブル12の先端12aを保持するファイバホルダ31を有している。また、ヘッドコネクタ13は、光ファイバケーブル12の先端12aから出射されるレーザ光L1の光軸を調整する光軸調整部40と、出射光L2の広がり角を調整する広がり角調整部35とを備える。
【0068】
光軸調整部40は、ヘッドコネクタ13の側面側から操作可能に構成された操作部41と、操作部41の操作に応じて出射光L2の光軸と直交する平面内でファイバホルダ31を移動させる移動部42とを備える。広がり角調整部35は、レーザヘッド14に挿入される挿入部33に設けられた操作部36と、その操作部36の操作に応じてレンズ34を移動させる移動部37とを備える。このように出射光L2を調整したヘッドコネクタ13とすることにより、ヘッドコネクタ13をレーザヘッド14に接続する際に光軸の調整が不要であり、容易に交換を行うことができる。
【0069】
(2)支持ユニット32、つまりヘッドコネクタ13に設定された基準軸RAに対して、光ファイバケーブル12から出射されるレーザ光L1の光軸を調整する。上記したように、基準軸RAは、ヘッドコネクタ13をレーザヘッド14に接続する接続面61aに対して垂直である。ヘッドコネクタ13の接続面61aは、レーザヘッド14の接続面55aに接続される。したがって、ヘッドコネクタ13をレーザヘッド14に接続することにより、レーザ光LWが接続面55aと垂直にレーザヘッド14に入射する。レーザヘッド14を交換した場合、交換後のレーザヘッド14の接続面55aに対してレーザ光LWが垂直に入射する。このため、レーザヘッド14の交換に際して光軸調整が不要となり、レーザヘッド14の交換が容易となる。また、ヘッドコネクタ13を交換した場合でも、同様となり、ヘッドコネクタ13、レーザ出射ユニット11の交換が容易となる。
【0070】
(3)カバー部材91は、光軸調整部40のX軸調整部40Xを構成する操作ねじ74a,74bおよび固定ねじ75a,75bを隠蔽する。カバー部材93は、光軸調整部40のY軸調整部40Yを構成する操作ねじ76a,76bおよび固定ねじ77a,77bを隠蔽する。このため、使用者が不用意に各ねじに触れることを抑制でき、レーザ光の光軸が変更されることを抑制できる。
【0071】
(4)操作ねじ74a,74bおよび固定ねじ75a,75bは、第1側壁64aに配置されている。したがって、ヘッドコネクタ13の一方の側面からX軸調整のための操作と固定とを行うことができ、調整を容易とすることができる。
【0072】
(5)操作ねじ76a,76bおよび固定ねじ77a,77bは、第2側壁64bに配置されている。したがって、ヘッドコネクタ13の一方の側面からY軸調整のための操作と固定とを行うことができ、調整を容易とすることができる。
【0073】
(6)カバー部材91は、広がり角調整部35の固定ねじ82を隠蔽する。このため、使用者が不用意に固定ねじ82に触れる事を抑制でき、出射光L2の広がり角が変更されることを抑制できる。
【0074】
(7)カバー部材91は、特殊ねじ92によってヘッドコネクタ13(保持調整部64)に固定されている。カバー部材93は、特殊ねじ94によってヘッドコネクタ13(保持調整部64)に固定されている。したがって、カバー部材91,93を不用意に取り外すことを防止でき、各ねじに対して外部から触れることをさらに抑制できる。
【0075】
(8)広がり角調整部35の操作部36は、レーザヘッド14に挿入される挿入部33に設けられている。したがって、ヘッドコネクタ13をレーザヘッド14に接続した後、操作部36に対して外部から操作することを防止できる。このため、出射光L2の広がり角が変更されることを抑制できる。
【0076】
[変更例]
実施の形態に関する説明は、本開示に関するレーザ加工装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示は実施の形態以外に例えば以下に示される実施の形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。
【0077】
・広がり角調整部35を構成する固定ねじ82を覆うカバー部材と、光軸調整部40のX軸調整部40Xを構成する操作ねじ74a,74bおよび固定ねじ75a,75bを覆うカバー部材とを別々の構成としてもよい。
【0078】
・操作ねじ74a,74bおよび固定ねじ75a,75bを第1側壁64aに配置することで、ヘッドコネクタ13の一方の側面からX軸調整のための操作と固定とを行うようにしたが、操作と固定とを異なる側面にて行うようにしてもよい。
【0079】
・操作ねじ76a,76bおよび固定ねじ77a,77bを第2側壁64bに配置することで、ヘッドコネクタ13の一方の側面からY軸調整のための操作と固定とを行うようにしたが、操作と固定とを異なる側面にて行うようにしてもよい。
【0080】
・広がり角調整部35を構成する固定ねじ82を第1側壁64aに配置したが、他の側壁に配置するようにしてもよい。
・
図5、
図6に示すOリング95に代えて、操作ねじ74a,74bおよび固定ねじ75a,75bを囲むように配置されるOリングと、固定ねじ82を囲むように配置されるOリングとを備える構成としてもよい。
【0081】
・
図13は、変更例にかかるレーザ加工装置210の構成を示す。このレーザ加工装置210は、レーザヘッド214に収容凹部64eを有している。収容凹部64eの奥部とレーザヘッド14の内部とは円板状の保護ガラス216によって仕切られている。なお、
図13に示すように、焦点距離調整部51(
図1参照)が省略されてもよい。
【0082】
・
図13に示すように、レーザヘッド214にfθレンズなどのレンズ217を備える構成としてもよい。
・
図13に示すように、ヘッドコネクタ13にレンズ221が含まれていてもよい。レンズ221は、たとえば、凹レンズである。このレンズ221は、レンズ34とともにヘッドコネクタ13から出射するレーザ光LWの広がり角、ビーム径、等を調整する。
【0083】
・
図13に示すように、挿入部33に保護ガラス222を備える構成としてもよい。
・レーザマーキング装置以外の、レーザ光を加工対象物に照射して加工(例えば、切断加工など)を施すレーザ加工装置に具体化してもよい。
(付記1)
レーザ光を発生するレーザ発振部を有するレーザ出射ユニットと、
前記レーザ光を加工対象物に照射するガルバノスキャナを有するレーザヘッドと、
前記レーザ出射ユニットから前記レーザヘッドにむけて前記レーザ光を伝達する光ファイバケーブルと、
前記光ファイバケーブルの先端に設けられ、前記レーザヘッドに対して着脱可能に構成され、前記光ファイバケーブルによって伝達される前記レーザ光を調整した出射光を出射するヘッドコネクタと、
を備えたレーザ加工装置であって、
前記ヘッドコネクタは、
前記レーザヘッドの開口に挿入される挿入部と、
前記光ファイバケーブルの先端を保持するファイバホルダと、
前記光ファイバケーブルの先端から出射される前記レーザ光の光軸を調整する光軸調整部と、
前記出射光の広がり角を調整する広がり角調整部と、
を備え、
前記光軸調整部は、前記ヘッドコネクタの側面側から操作可能に構成された第1操作部と、前記第1操作部の操作に応じて前記出射光の光軸と直交する平面内で前記ファイバホルダを移動させる第1移動部と、を備え、
前記広がり角調整部は、前記出射光の光軸上に配置された少なくとも1枚のレンズと、前記挿入部に設けられ、回転操作される第2操作部と、前記第2操作部の操作に応じて前記レンズを前記出射光を出射する前記光軸に沿って移動させる第2移動部と、を備えた、
レーザ加工装置。
(付記2)
前記ヘッドコネクタは、前記第1操作部を覆うカバー部材と、前記カバー部材を固定する複数の特殊ねじとを備えた、付記1に記載のレーザ加工装置。
(付記3)
前記光軸調整部は、前記ファイバホルダの位置を固定する第1位置固定部を備えた、付記2に記載のレーザ加工装置。
(付記4)
前記カバー部材は、前記第1位置固定部を覆う、付記3に記載のレーザ加工装置。
(付記5)
前記広がり角調整部は、前記レンズの位置を固定する第2位置固定部を備えた、付記2から付記4のいずれか1つに記載のレーザ加工装置。
(付記6)
前記カバー部材は、前記第2位置固定部を覆う、付記5に記載のレーザ加工装置。
(付記7)
複数の前記特殊ねじで囲まれた領域内、かつ前記第1操作部を囲むように配置されたシール部材を備えた、付記6に記載のレーザ加工装置。
(付記8)
前記シール部材は、さらに前記第2位置固定部を囲むように配置されている、付記7に記載のレーザ加工装置。
(付記9)
前記光軸調整部は、前記光軸に直交するとともに互いに直交するX軸およびY軸にて前記ファイバホルダを移動させるものであり、
前記第1操作部は、X軸方向の位置を調整するために操作されるX軸操作部と、Y軸方向の位置を調整するために操作されるY軸操作部とを有する、
付記1から付記8のいずれか1つに記載のレーザ加工装置。
(付記10)
前記光軸調整部は、X軸方向の位置を固定するX軸固定部と、Y軸方向の位置を固定するY軸固定部とを有する、付記9に記載のレーザ加工装置。
(付記11)
前記第2操作部を覆うカバー部材を備えた、付記1から付記10のいずれか1つに記載のレーザ加工装置。
(付記12)
前記ヘッドコネクタは、前記挿入部を挟むように配置された一対の位置決めピンを備え、
前記レーザヘッドは、一対の前記位置決めピンを嵌合可能とした位置決め孔を備える、
付記1から付記11のいずれか1つに記載のレーザ加工装置。
(付記13)
一対の前記位置決めピンは、前記レンズの中心軸に対して対称となる位置に配置され、
前記位置決め孔は、前記挿入部が挿入される開口の中心に対して対称となる位置に設けられている、
付記12に記載のレーザ加工装置。
【符号の説明】
【0084】
10 レーザ加工装置
11 レーザ出射ユニット
12 光ファイバケーブル
13 ヘッドコネクタ
14 レーザヘッド
14a,14b 開口
21 制御部
22 レーザ発振部
31 ファイバホルダ
31a 第1円筒部
31b 第2円筒部
31c 開口
32 支持ユニット
33 挿入部
33H ホルダ挿通孔
34 レンズ
35 広がり角調整部
36 操作部(第2操作部)
37 移動部(第2移動部)
40 光軸調整部
40X X軸調整部
40Y Y軸調整部
41 第1操作部
41X X軸操作部
41Y Y軸操作部
42 第1移動部
42X X軸移動部
42Y Y軸移動部
51 焦点距離調整部
51a 機構部
51b 駆動部
52 ガルバノスキャナ
55b 開口
52a ガルバノミラー
52b 駆動部
53 保護ガラス
54 検出部
55 エンドプレート
55a 接続面
55b 開口
55c 溝部
56 収容部
58 ねじ孔
59 位置決め孔
61 ベース部
61a 接続面
61b 挿通孔
62 突出部
63 位置決めピン
64 保持調整部
64a 第1側壁
64b 第2側壁
64c 第3側壁
64d 蓋部材
64e 収容凹部
65a,65b ねじ孔
66a,66b 挿通孔
67a,67b ねじ孔
68a,68b 挿通孔
69 挿通孔
71 ベース
71a,71b 側面
71a1,71a2 ねじ孔
71b1,71b2 ねじ孔
72 保持孔
73 スリット
74a,74b 操作ねじ(第1操作部、X軸操作部)
75a,75b 固定ねじ(第1操作部、第1位置固定部、X軸操作部、X軸固定部)
75a1,75b1 ばねワッシャ
76a,76b 操作ねじ(第1操作部、Y軸操作部)
77a,77b 固定ねじ(第1操作部、第1位置固定部、Y軸操作部、Y軸固定部)
77a1,77b1 ばねワッシャ
81 レンズホルダ
81a 雄ねじ
81b ねじ孔
82 固定ねじ(第2位置固定部)
83 保持リング
91,93 カバー部材
92,94 特殊ねじ
95~98 Oリング
100 シール部
101 ベース
102 押えリング
102a 雌ねじ
103 Oリング
104 Oリング
111 固定部
112 支持リング
112a 雄ねじ
124 支持面
L1 レーザ光
L2 出射光
LW レーザ光
W 加工対象物