(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】提示方法、および提示システム
(51)【国際特許分類】
G06N 20/00 20190101AFI20240705BHJP
D06F 34/00 20200101ALI20240705BHJP
D06F 34/04 20200101ALI20240705BHJP
D06F 34/06 20200101ALI20240705BHJP
D06F 34/08 20200101ALI20240705BHJP
D06F 34/18 20200101ALI20240705BHJP
D06F 34/28 20200101ALI20240705BHJP
D06F 58/36 20200101ALI20240705BHJP
D06F 103/04 20200101ALN20240705BHJP
D06F 103/32 20200101ALN20240705BHJP
D06F 103/38 20200101ALN20240705BHJP
D06F 105/56 20200101ALN20240705BHJP
【FI】
G06N20/00
D06F34/00
D06F34/04
D06F34/06
D06F34/08
D06F34/18
D06F34/28
D06F58/36
D06F103:04
D06F103:32
D06F103:38
D06F105:56
(21)【出願番号】P 2023540540
(86)(22)【出願日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 JP2023003279
(87)【国際公開番号】W WO2023210086
(87)【国際公開日】2023-11-02
【審査請求日】2023-06-30
(31)【優先権主張番号】P 2022073322
(32)【優先日】2022-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】山田 竜郎
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 千絵子
(72)【発明者】
【氏名】農添 三資
【審査官】新井 則和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0087847(US,A1)
【文献】特開2021-189949(JP,A)
【文献】特開2021-117524(JP,A)
【文献】特開2021-094810(JP,A)
【文献】特開2021-154049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 20/00
D06F 58/36
D06F 34/00
D06F 34/04
D06F 34/06
D06F 34/08
D06F 34/18
D06F 34/28
D06F 103/04
D06F 103/32
D06F 103/38
D06F 105/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器が処理を終了するタイミングを提示する提示方法であって、
前記処理である第一処理に関する前記機器のパラメータ値を入力とし、前記機器が前記第一処理を終了するタイミングを出力とする機械学習モデルに、前記処理である第二処理に関する前記機器のパラメータ値を入力することで出力される、前記機器が前記第二処理を終了するタイミングの第一予測値を取得し、
前記機械学習モデルの学習の進捗を示す第一指標と、前記機器の経時変化の度合いを示す第二指標とを取得し、
取得した前記第一指標と前記第二指標とを用いて、前記第一予測値の信頼度を算出し、
取得した前記第一予測値と、算出した前記信頼度とを含む提示情報を提示する制御をする
提示方法。
【請求項2】
前記制御では、さらに、
算出した前記信頼度が閾値より低い場合には、前記信頼度が前記閾値より低い理由を示す理由情報を提示する制御をする
請求項1に記載の提示方法。
【請求項3】
前記理由情報は、
前記機械学習モデルの学習の進捗が所定より低いことを示す情報、および、前記機器の経時変化が所定より進んでいることを示す情報の少なくとも一方を含む
請求項2に記載の提示方法。
【請求項4】
前記提示方法では、さらに、
前記機器が前記第二処理を終了するタイミングを示す第二予測値であって、機械学習を用いない方法により算出される第二予測値を取得し、
前記制御では、さらに、
前記第一指標が所定より低い場合には、前記第二予測値を提示することを案内する案内情報を提示する制御をする
請求項1~3のいずれか1項に記載の提示方法。
【請求項5】
前記機器が前記第二処理を終了した場合、前記第二処理を実行したときの前記機器のパラメータ値を入力とし、前記機器が前記第二処理を終了したタイミングを出力として前記機械学習モデルの訓練を行い、
前記制御では、さらに、
前記訓練の後に、前記第一指標が所定より高くなった場合には、前記機械学習モデルによる予測が利用可能であることを通知する通知情報を提示する制御をする
請求項1~3のいずれか1項に記載の提示方法。
【請求項6】
前記提示方法では、さらに、
前記機器が前記第二処理を終了するタイミングを示す第二予測値であって、機械学習を用いない方法により算出される第二予測値を取得し、
前記制御では、さらに、
前記第二予測値を提示する制御をし、
前記第一指標が所定より高くなった場合には、前記第一予測値を提示することを案内する案内情報を提示する制御をする
請求項1~3のいずれか1項に記載の提示方法。
【請求項7】
前記第一予測値を提示する前記制御では、
取得した前記第一予測値を含む時間区間であって、前記信頼度が高いほど狭い時間区間を提示する制御をする
請求項1~3のいずれか1項に記載の提示方法。
【請求項8】
前記第一指標は、
(a)前記機械学習モデルの交差検証における、訓練誤差をバリデーション誤差で除した値、
(b)前記機械学習モデルの訓練に用いたデータ数、または、
(c)前記機器が行った複数回の処理における前記第一予測値の予測誤差の収束率、
を用いて算出される
請求項1~3のいずれか1項に記載の提示方法。
【請求項9】
前記第二指標は、
(d)前記機器が行った複数回の前記処理のうち、直近のN回の前記処理における前記第一予測値の予測誤差の平均値
(e)前記(d)を、前記機器と同種の複数の機器が行った前記処理における前記第一予測値の予測誤差の平均値で除した値、または、
(f)前記機器が行った複数回の前記処理のうち、直近のN回の前記処理における、前記機器が当該処理を終了したタイミングの標準偏差、
を用いて算出され、
前記Nは2以上の整数である
請求項1~3のいずれか1項に記載の提示方法。
【請求項10】
前記機器が行った前記処理においてエラーが発生した場合には、算出した前記第二指標を増加させる
請求項9に記載の提示方法。
【請求項11】
前記機器は、乾燥機であり、
前記処理は、前記乾燥機が洗濯物を乾燥させる処理である
請求項1~3のいずれか1項に記載の提示方法。
【請求項12】
機器が処理を終了するタイミングを提示する提示システムであって、
前記処理である第一処理に関する前記機器のパラメータ値を入力とし、前記機器が前記第一処理を終了するタイミングを出力とする機械学習モデルに、前記処理である第二処理に関する前記機器のパラメータ値を入力することで出力される、前記機器が前記第二処理を終了するタイミングの第一予測値を取得する予測部と、
前記機械学習モデルの学習の進捗を示す第一指標と、前記機器の経時変化の度合いを示す第二指標とを取得し、取得した前記第一指標と前記第二指標とを用いて、前記第一予測値の信頼度を算出する算出部と、
取得した前記第一予測値と、算出した前記信頼度とを含む提示情報を提示する制御をする提示制御部とを備える
提示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、提示方法、および提示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
乾燥機による洗濯物の乾燥に要する時間を予測する技術がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示する提示方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における提示方法は、機器が処理を終了するタイミングを提示する提示方法であって、前記処理である第一処理に関する前記機器のパラメータ値を入力とし、前記機器が前記第一処理を終了するタイミングを出力とする機械学習モデルに、前記処理である第二処理に関する前記機器のパラメータ値を入力することで出力される、前記機器が前記第二処理を終了するタイミングの第一予測値を取得し、前記機械学習モデルの学習の進捗を示す第一指標と、前記機器の経時変化の度合いを示す第二指標とを取得し、取得した前記第一指標と前記第二指標とを用いて、前記第一予測値の信頼度を算出し、取得した前記第一予測値と、算出した前記信頼度とを含む提示情報を提示する制御をする提示方法である。
【発明の効果】
【0006】
本開示における提示方法は、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態における提示システムの構成を示す模式図である。
【
図2】実施の形態における乾燥機の機能を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態における端末の機能を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態におけるサーバの機能を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態における学習度の推移を示す説明図である。
【
図6】実施の形態における訓練誤差とバリデーション誤差との推移を示す説明図である。
【
図7】実施の形態における経時変化度の推移を示す説明図である。
【
図8】実施の形態における信頼度の推移を示す説明図である。
【
図9】実施の形態における提示システムの処理を示す第一のフロー図である。
【
図10】実施の形態における提示システムの処理を示す第二のフロー図である。
【
図11】実施の形態における提示システムの処理を示す第三のフロー図である。
【
図12】実施の形態における提示システムが表示する画像の例を示す説明図である。
【
図13】実施の形態における提示システムが表示する画像の例を示す説明図である。
【
図14】実施の形態における提示システムが表示する画像の例を示す説明図である。
【
図15】実施の形態における提示システムが表示する画像の例を示す説明図である。
【
図16】実施の形態における提示システムが表示する画像の例を示す説明図である。
【
図17】実施の形態における提示システムが表示する画像の例を示す説明図である。
【
図18】実施の形態における提示システムが表示する画像の例を示す説明図である。
【
図19】実施の形態における提示システムが表示する画像の例を示す説明図である。
【
図20】実施の形態における提示システムが表示する画像の例を示す説明図である。
【
図21】実施の形態における提示システムが表示する画像の例を示す説明図である。
【
図22】実施の形態における提示システムが表示する画像の例を示す説明図である。
【
図23】実施の形態における提示システムが表示する画像の例を示す説明図である。
【
図24】実施の形態における提示システムが表示する画像の例を示す説明図である。
【
図25】実施の形態における提示システムが表示する画像の例を示す説明図である。
【
図26】実施の形態における提示システムが表示する画像の例を示す説明図である。
【
図27】実施の形態における提示システムが表示する画像の例を示す説明図である。
【
図28】実施の形態における提示システムが表示する画像の例を示す説明図である。
【
図29】実施の形態における提示システムが表示する画像の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した、提示方法に関し、以下の問題が生じることを見出した。
【0009】
乾燥機による洗濯物の乾燥に要する時間を予測する技術がある(例えば特許文献1参照)。上記時間の予測は、例えば、機械学習により生成された学習済みモデル(機械学習モデルともいう)に、乾燥前温度などの情報を入力することでなされる。
【0010】
一般に、機械学習を用いた予測では、原則的には、機器ごとの状況に適応した予測時間が提供され得る。
【0011】
しかしながら、機械学習を用いた予測では、機器の比較的長いライフサイクルに亘って、いつも十分な精度で予測がなされるとは限らない。低い精度で得られた予測時間は、機器が実際に乾燥に要する時間とは異なるものとなることがある。
【0012】
予測の精度の低下の要因には、例えば、学習の進捗、または、機器の経時変化などがある。
【0013】
例えば、教師データとして用いられる、当該機器に関する入力情報と出力情報とが、十分な学習に必要な量だけ得られていないときには、学習が不十分であるので、予測の精度が低下する。
【0014】
また、例えば、機器の経時変化(例えば、機器が処理に用いるハードウェアの動作の劣化、または、センサの感度の低下)が進んだときには、予測の精度が低下する。
【0015】
そこで、予測を提示する際に、その予測の精度の目安を提示することができれば、ユーザは、予測がどの程度妥当であるのか、または、予測をどの程度信頼できるのかを把握することができ、有用である。
【0016】
本開示は、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示する提示方法を提供する。
【0017】
本開示の一態様に係る提示方法は、機器が処理を終了するタイミングを提示する提示方法であって、前記処理である第一処理に関する前記機器のパラメータ値を入力とし、前記機器が前記第一処理を終了するタイミングを出力とする機械学習モデルに、前記処理である第二処理に関する前記機器のパラメータ値を入力することで出力される、前記機器が前記第二処理を終了するタイミングの第一予測値を取得し、前記機械学習モデルの学習の進捗を示す第一指標と、前記機器の経時変化の度合いを示す第二指標とを取得し、取得した前記第一指標と前記第二指標とを用いて、前記第一予測値の信頼度を算出し、取得した前記第一予測値と、算出した前記信頼度とを含む提示情報を提示する制御をする提示方法である。
【0018】
上記態様によれば、上記提示方法は、機械学習モデルを用いて機器のパラメータ値から、機器が処理を終了するタイミングの予測値を提示するときに、機械学習モデルの学習の進捗と、機器の経時変化の度合いとを考慮した信頼度を提示する。信頼度は、その予測値が妥当である度合い、言い換えれば、その予測値が信頼できる度合いを示している。ユーザは、提示された終了タイミングの予測値と信頼度とを視認することで、その予測値がどの程度妥当であるのか、または、その予測値がどの程度信頼できるのかを把握することができる。このように、上記提示方法は、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0019】
また、前記制御では、さらに、算出した前記信頼度が閾値より低い場合には、前記信頼度が前記閾値より低い理由を示す理由情報を提示する制御をしてもよい。
【0020】
上記態様によれば、上記提示方法は、信頼度を提示する際に、信頼度が低い理由情報をさらに提示する。ユーザは、提示された理由情報を視認することで、その信頼度が低い理由を把握することができ、信頼度を高くする行動がある場合には、その行動をすることができる。このように、上記提示方法は、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0021】
また、前記理由情報は、前記機械学習モデルの学習の進捗が所定より低いことを示す情報、および、前記機器の経時変化が所定より進んでいることを示す情報の少なくとも一方を含んでもよい。
【0022】
上記態様によれば、上記提示方法は、信頼度が低い理由が、機械学習モデルの学習の進捗が低いこと、または、機器の経時変化が進んでいることを理由情報として提示するので、ユーザは、信頼度が低い理由を具体的に知ることができ、信頼度を高くする行動がある場合には、より容易に、その行動をすることができる。このように、上記提示方法は、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0023】
また、前記提示方法では、さらに、前記機器が前記第二処理を終了するタイミングを示す第二予測値であって、機械学習を用いない方法により算出される第二予測値を取得し、前記制御では、さらに、前記第一指標が所定より低い場合には、前記第二予測値を提示することを案内する案内情報を提示する制御をしてもよい。
【0024】
上記態様によれば、上記提示方法は、機械学習モデルの学習の進捗が十分でない場合に、機械学習を用いない方法により予測された予測値を提示することを案内する。よって、ユーザは、容易に、機械学習モデルの学習の進捗が十分でない場合に、機械学習を用いない方法により予測された予測値を、機器が処理を終了するタイミングとして把握することができる。このように、上記提示方法は、機械学習モデルを用いない方法による予測をさらに用いて、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0025】
また、前記機器が前記第二処理を終了した場合、前記第二処理を実行したときの前記機器のパラメータ値を入力とし、前記機器が前記第二処理を終了したタイミングを出力として前記機械学習モデルの訓練を行い、前記制御では、さらに、前記訓練の後に、前記第一指標が所定より高くなった場合には、前記機械学習モデルによる予測が利用可能であることを通知する通知情報を提示する制御をしてもよい。
【0026】
上記態様によれば、上記提示方法は、機器が処理を終了したときに機械学習モデルの訓練をし、訓練によって機械学習モデルの学習の進捗が、機械学習モデルが予測に利用可能である程度に高くなった場合に、通知情報を提示する。ユーザは、上記情報を提示されることで、機械学習モデルが予測に利用可能になったことを認識することができる。このように、上記提示方法は、機械学習モデルが利用可能であることを通知しながら、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0027】
また、前記提示方法では、さらに、前記機器が前記第二処理を終了するタイミングを示す第二予測値であって、機械学習を用いない方法により算出される第二予測値を取得し、前記制御では、さらに、前記第二予測値を提示する制御をし、前記第一指標が所定より高くなった場合には、前記第一予測値を提示することを案内する案内情報を提示する制御をしてもよい。
【0028】
上記態様によれば、上記提示方法は、機器が処理を終了したときに機械学習モデルの訓練をし、訓練によって機械学習モデルの学習の進捗が、機械学習モデルが予測に利用可能である程度に高くなった場合に、機械学習モデルを用いた方法により予測された予測値を提示することを案内する。よって、ユーザは、容易に、機械学習モデルを用いた予測値に基づいて、機器が処理を終了するタイミングを把握することができる。このように、上記提示方法は、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0029】
また、前記第一予測値を提示する前記制御では、取得した前記第一予測値を含む時間区間であって、前記信頼度が高いほど狭い時間区間を提示する制御をしてもよい。
【0030】
上記態様によれば、上記提示方法は、機械学習モデルを用いて予測された予測値を、信頼度に応じた時間長を有する時間区間として提示する。ユーザは、提示された時間区間に機器が終了することを認識することができ、言い換えれば、信頼度を直接に提示される場合よりも直感的に、機器が処理を終了するタイミングを把握することができる。よって、上記提示方法は、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0031】
また、前記第一指標は、(a)前記機械学習モデルの交差検証における、訓練誤差をバリデーション誤差で除した値、(b)前記機械学習モデルの訓練に用いたデータ数、または、(c)前記機器が行った複数回の処理における前記第一予測値の予測誤差の収束率、を用いて算出されてもよい。
【0032】
上記態様によれば、上記提示方法は、第一指標をより容易に算出する。よって、上記提示方法は、機器が処理を終了するタイミングをより容易に、適切に提示することができる。
【0033】
また、前記第二指標は、(d)前記機器が行った複数回の前記処理のうち、直近のN回の前記処理における前記第一予測値の予測誤差の平均値、(e)前記(d)を、前記機器と同種の複数の機器が行った前記処理における前記第一予測値の予測誤差の平均値で除した値、または、(f)前記機器が行った複数回の前記処理のうち、直近のN回の前記処理における、前記機器が当該処理を終了したタイミングの標準偏差、を用いて算出され、前記Nは2以上の整数であってもよい。
【0034】
上記態様によれば、上記提示方法は、第二指標をより容易に算出する。よって、上記提示方法は、機器が処理を終了するタイミングをより容易に、適切に提示することができる。
【0035】
また、前記機器が行った前記処理においてエラーが発生した場合には、算出した前記第二指標を増加させてもよい。
【0036】
上記態様によれば、上記提示方法は、処理においてエラーが発生した場合に第二指標を増加させることで、第二指標をより容易に算出する。よって、上記提示方法は、機器が処理を終了するタイミングをより容易に、適切に提示することができる。
【0037】
また、前記機器は、乾燥機であり、前記処理は、前記乾燥機が洗濯物を乾燥させる処理であってもよい。
【0038】
上記態様によれば、上記提示方法は、乾燥機が洗濯物を乾燥させる処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0039】
本開示の一態様に係る提示システムは、機器が処理を終了するタイミングを提示する提示システムであって、前記処理である第一処理に関する前記機器のパラメータ値を入力とし、前記機器が前記第一処理を終了するタイミングを出力とする機械学習モデルに、前記処理である第二処理に関する前記機器のパラメータ値を入力することで出力される、前記機器が前記第二処理を終了するタイミングの第一予測値を取得する予測部と、前記機械学習モデルの学習の進捗を示す第一指標と、前記機器の経時変化の度合いを示す第二指標とを取得し、取得した前記第一指標と前記第二指標とを用いて、前記第一予測値の信頼度を算出する算出部と、取得した前記第一予測値と、算出した前記信頼度とを含む提示情報を提示する制御をする提示制御部とを備える提示システムである。
【0040】
上記態様によれば、上記提示方法と同様の効果を奏する。
【0041】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0042】
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0043】
(実施の形態)
本実施の形態において、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示する提示方法および提示システムについて説明する。
【0044】
図1は、本実施の形態における提示システム1の構成を示す模式図である。
【0045】
図1に示されるように、提示システム1は、サーバ10と、乾燥機20A、20Bおよび20C(乾燥機20A等ともいう)と、端末30A、30Bおよび30C(端末30A等ともいう)とを備える。提示システム1が備える装置は、ネットワークNを通じて通信可能に接続されている。
【0046】
サーバ10は、乾燥機20A等が処理を終了するタイミング(終了タイミングともいう)の予測値と、その予測値の信頼度とを算出する。サーバ10は、算出した予測値と信頼度とを端末30Aに提供する。
【0047】
ここで、サーバ10が乾燥機20A等の予測値と信頼度とを提供する宛先である端末は、端末30A等のうちの当該乾燥機20A等に対応付けられた端末であり得る。乾燥機20A等と端末30A等との対応付けはサーバ10によりなされる。
【0048】
乾燥機20Aは、処理を実行する機器である。乾燥機20Aは、例えば、選択された衣類などの洗濯物を乾燥させる乾燥機(乾燥機付きの洗濯機ともいえる)であり、この場合を例として説明するがこれに限られない。乾燥機20Aが行う処理は、洗濯物を乾燥させる処理(乾燥処理ともいう)である。乾燥機20Aは、上記のほか、冷凍庫またはエアコン等であってもよい(後述する変形例1または変形例2を参照)。
【0049】
乾燥機20Bおよび20Cは、それぞれ、乾燥機20Aと同様の機器であり、乾燥機20Aとは独立に動作する。
【0050】
端末30Aは、情報を提示する。端末30Aは、サーバ10が算出した終了タイミングの予測値と、その予測値の信頼度とを提示する。提示は、例えば、端末30Aが備える表示画面に情報を含む画像を表示することであるが、これに限られず、音声として出力することであってもよい。
【0051】
端末30Bおよび30Cは、それぞれ、端末30Aと同様の機器であり、端末30Aとは独立に動作する。
【0052】
なお、ここでは、乾燥機20A等および端末30A等がそれぞれ3台である場合を例として説明するが、これに限られない。乾燥機20A等または端末30A等は任意の台数であってよい。また、乾燥機20A等と端末30A等との台数が異なってもよい。
【0053】
ネットワークNは、どのような通信回線またはネットワークから構成されてもよく、例えば、インターネット、携帯電話のキャリアネットワーク、インターネットプロバイダのアクセスネットワーク、または公衆アクセスネットワークなどを含み得る。
【0054】
以降において、乾燥機20A等、端末30A等およびサーバ10の機能について詳細に説明する。ここでは、乾燥機20A等のうち乾燥機20Aに着目して説明するが、乾燥機20Bまたは20Cについても同様の説明が成立する。
【0055】
図2は、本実施の形態における乾燥機20Aの機能を示すブロック図である。なお、乾燥機20Bおよび20Cも同様の機能を有するので、乾燥機20Bおよび20Cについての説明は省略する。
【0056】
図2に示されるように、乾燥機20Aは、機能部として、通信部21と、処理部22と、表示部23とを備える。
【0057】
通信部21は、ネットワークNに接続可能である通信インタフェースである。通信部21は、乾燥機20Aが備える機能部がネットワークNを通じて他の装置と通信するときに、他の装置との間で通信パケットの送受信を行う。通信部21は、例えば、Wi-Fi(登録商標)の通信インタフェースである。
【0058】
処理部22は、乾燥機20Aが行う処理である乾燥処理を制御する。処理部22は、具体的には、処理の対象である洗濯物が投入される槽(一般に洗濯槽と兼用)と、槽内の空気を取り込んで温風を生成し槽内に送出するヒートポンプと、槽およびヒートポンプの動作を制御する制御部とを有する。また、処理部22は、乾燥処理に関する情報を検知する1以上のセンサを有する。1以上のセンサは、例えば、槽内の洗濯物の重量を検知する重量センサ、槽からヒートポンプに取り込まれる空気の温度(吸込温度ともいう)を検知する温度センサ、または、ヒートポンプから槽へ送出される空気の温度(吐出温度ともいう)を検知する温度センサなどを含む。処理部22は、乾燥処理の時間長である乾燥時間を決定する。上記乾燥時間の決定は、例えば、乾燥を開始する時点での洗濯物の重量ごとに定められた乾燥時間を参照し、乾燥しようとする洗濯物の重量であって、重量センサで検知した重量に適合する乾燥時間を選択することでなされる。処理部22は、乾燥処理を開始し、その開始から乾燥時間が経過した時点で、乾燥処理を終了する。なお、処理部22は、乾燥処理を開始する時点で決定した乾燥時間を、乾燥が進むにつれて、逐次、温度センサで検知した温度に基づいて調整してもよい。
【0059】
また、処理部22は、サーバ10による終了タイミングの予測値の算出のために、1以上のセンサが検知した情報をサーバ10に送信する。1以上のセンサが検知した情報は、例えば、重量センサにより検知された洗濯物の重量、温度センサにより検知された吸込温度または吐出温度などを含む。
【0060】
表示部23は、情報を表示する表示装置である。表示部23は、例えば、サーバ10から取得した、終了タイミングの予測値と、その信頼度とを含む情報を画像として表示する。なお、表示部23は、上記情報を音声として出力するスピーカであってもよい。また、表示部23は、上記表示装置および上記スピーカの少なくとも一方を有する提示部であってもよい。
【0061】
図3は、本実施の形態における端末30Aの機能を示すブロック図である。なお、端末30Bおよび30Cも同様の機能を有するので、端末30Bおよび30Cについての説明は省略する。
【0062】
図3に示されるように、端末30Aは、機能部として、通信部31と、制御部32と、表示部33とを備える。
【0063】
通信部31は、ネットワークNに接続可能である通信インタフェースである。通信部31は、端末30Aが備える機能部がネットワークNを通じて他の装置と通信するときに、他の装置との間で通信パケットの送受信を行う。通信部31は、例えば、Wi-Fiの通信インタフェース、または、携帯電話ネットワークの通信インタフェースである。
【0064】
制御部32は、端末30Aの動作を制御する。制御部32は、プロセッサおよびメモリ等を有し、プロセッサがメモリを用いて所定のプログラムを実行することで端末30Aの動作を制御する。
【0065】
表示部33は、情報を表示する表示装置である。表示部33は、例えば、サーバ10から取得した、終了タイミングの予測値と、その信頼度とを含む情報を画像として表示する。なお、表示部33は、上記情報を音声として出力するスピーカであってもよい。また、表示部33は、上記表示装置および上記スピーカの少なくとも一方を有する提示部であってもよい。
【0066】
図4は、本実施の形態におけるサーバ10の機能を示すブロック図である。
【0067】
図4に示されるように、サーバ10は、機能部として、通信部11と、訓練部12と、予測部13と、算出部14と、表示制御部15とを備える。サーバ10が備える機能部は、サーバ10が備えるプロセッサがメモリを用いて所定のプログラムを実行することで実現され得る。
【0068】
通信部11は、ネットワークNに接続可能である通信インタフェースである。通信部11は、サーバ10が備える機能部がネットワークNを通じて他の装置と通信するときに、他の装置との間で通信パケットの送受信を行う。通信部11は、例えば、Ethernet(登録商標)の通信インタフェースである。
【0069】
訓練部12は、終了タイミングを予測する機械学習モデルである予測モデルを保有しており、予測モデルの訓練を行う。予測モデルは、乾燥処理に関する乾燥機20Aのパラメータ値を入力とし、乾燥機20Aが乾燥処理を終了する終了タイミングを出力とするモデルである。予測モデルは、乾燥処理に関する乾燥機20Aのパラメータ値を入力とし、乾燥機20Aが乾燥処理を終了するタイミングを出力とする教師データを用いた機械学習による訓練によって構築される。教師データは、実際の乾燥処理に関する乾燥機20Aのパラメータ値を入力データとし、乾燥機20Aがその乾燥処理を終了するタイミングを出力データとする教師データであってもよいし、乾燥機20Aと同種の機器についての上記入力データおよび上記出力データとする教師データであってもよい。予測モデルは、例えば、ニューラルネットワークモデルである。
【0070】
予測部13は、予測モデルを用いて乾燥機20Aが実際に行っている乾燥処理の終了タイミングの予測値を取得する。予測部13は、具体的には、乾燥機20Aが有する1以上のセンサが検知した情報を取得し、取得した情報をパラメータ値として予測モデルに入力することで出力される、終了タイミングの予測値(第一予測値ともいう)を取得する。
【0071】
また、予測部13は、乾燥機20Aが乾燥処理を終了する終了タイミングを示す予測値であって、機械学習を用いない方法により算出される予測値(第二予測値ともいう)を取得してもよい。第二予測値は、例えば、乾燥処理を開始する時点での洗濯物の重量ごとに定められた乾燥時間である。
【0072】
算出部14は、予測部13が取得した第一予測値である終了タイミングの信頼度を算出する。信頼度は、その予測値が妥当である度合い、言い換えれば、その予測値が信頼できる度合いを示している。算出部14は、予測モデルの学習の進捗を示す指標である学習度(第一指標ともいう)と、乾燥機20Aの経時変化の度合いを示す指標である経時変化度(第二指標ともいう)とを取得し、取得した学習度および経時変化度を用いて信頼度を算出する。学習度および経時変化度については、後で詳しく説明する。
【0073】
表示制御部15は、予測部13が取得した第一予測値と、算出部14が算出した信頼度とを含む提示情報を表示する制御をする。なお、表示制御部15は、第一予測値と信頼度とを含む提示情報を提示する制御をする提示制御部に相当する。
【0074】
具体的には、表示制御部15は、提示情報を端末30Aに送信し、端末30Aが提示情報を表示部33に表示するよう制御する。なお、表示制御部15は、乾燥機と、当該乾燥機についての終了タイミングの予測値とその信頼度とを提示する端末とを対応付けた対応情報を保有しており、対応情報を参照して、提示情報を提示する端末を選定する。対応情報において、乾燥機20A、20Bおよび20Cは、それぞれ、端末30A、30Bおよび30Cに対応付けられているとする。例えば、乾燥機20Aに対応する端末は、乾燥機20Aを保有しているユーザが保有している端末であり得る。
【0075】
なお、表示制御部15は、提示情報を乾燥機20Aに送信し、乾燥機20Aが提示情報を表示部23に表示するよう制御してもよい。
【0076】
表示制御部15は、さらに、算出部14が算出した信頼度が閾値より低い場合には、信頼度が閾値より低い理由を示す理由情報を提示する制御をしてもよい。理由情報は、例えば、予測モデルの学習の進捗が所定より低いことを示す情報、および、乾燥機20Aの経時変化が所定より進んでいることを示す情報の少なくとも一方を含む。閾値は、例えば0.55であり、この場合を例として説明するが、これに限られない。
【0077】
なお、表示制御部15は、算出部14が算出した信頼度が閾値より高いか低いかに関わらず、予測モデルの学習の進捗を示す進捗情報を提示する制御をしてもよい。
【0078】
また、表示制御部15は、第一指標が所定より低い場合には、第二予測値を提示することを案内する案内情報を提示する制御をしてもよい。
【0079】
また、表示制御部15は、第二予測値を提示する制御をし、第一指標が所定より高くなった場合には、第一予測値を提示することを案内する案内情報を提示する制御をしてもよい。
【0080】
また、表示制御部15は、予測モデルの訓練を繰り返している過程において、一の訓練の後に、第一指標が所定より高くなった場合には、予測モデルによる予測が利用可能であることを通知する通知情報を提示する制御をしてもよい。
【0081】
また、表示制御部15は、第一予測値を提示する制御では、取得した第一予測値を含む時間区間であって、信頼度が高いほど狭い時間区間を提示する制御をしてもよい。
【0082】
次に、学習度について説明する。
【0083】
図5は、本実施の形態における学習度αの推移を示す説明図である。
【0084】
図5において、横軸が処理回数を示しており、縦軸が学習度αを示している。学習度αは、処理を反復的に行うことで予測モデルの学習が進むにつれて上昇する指標である。
図5に示される学習度αは、予測モデルの学習の進捗を0以上1以下の範囲で示す指標であり、これを例として説明するが、学習度αの範囲は上記に限られない。
【0085】
図5に示されるように、学習度αは、処理回数が比較的少ないときには比較的低い値を有し、処理回数が多いほど、高い値を有する。例えば、処理回数P2における学習度α2は、処理回数P1における学習度α1より高い。
【0086】
また、処理回数がある程度進むと、学習度αは、1または1の近傍の値をとり、それ以降は1または1の近傍の値をとり続ける。例えば、処理回数P3において学習度αがほぼ1であり、処理回数がP3以上のときにも学習度αがほぼ1である。
【0087】
学習度αは、例として、下記の情報のいずれかを少なくとも用いて算出部14により算出される。
【0088】
(a)予測モデルの交差検証における、訓練誤差をバリデーション誤差で除した値
(b)予測モデルの訓練に用いたデータ数
(c)機器が行った複数回の処理における第一予測値の予測誤差の収束率
【0089】
上記(a)について具体的に説明する。
【0090】
図6は、本実施の形態における訓練誤差とバリデーション誤差との推移を示す説明図である。
【0091】
図6において、横軸が処理回数を示しており、縦軸が訓練誤差とバリデーション誤差とを示している。訓練誤差は、予測モデルの訓練に用いられたデータ(訓練データともいう)に含まれる出力データと、訓練データに含まれる入力データを予測モデルに入力した場合に出力される出力データとの差異である。
【0092】
バリデーション誤差は、予測モデルの訓練に用いられていないデータであって、テスト用に用意されたデータ(テストデータともいう)に含まれる出力データと、テストデータに含まれる入力値を予測モデルに入力した場合に出力される出力データとの差異である。
【0093】
図6に示されるように、訓練誤差は、処理回数が比較的少ないときには比較的低い値を有し、処理回数が多いほど、高い値を有する。
【0094】
また、
図6に示されるように、バリデーション誤差は、処理回数が比較的少ないときには比較的高い値を有し、処理回数が多いほど、低い値を有する。
【0095】
そして、算出部14は、各処理回数における訓練誤差をバリデーション誤差で除することで、
図5に示される学習度αを得る(下記(式1)参照)。
【0096】
α=訓練誤差/バリデーション誤差 (式1)
【0097】
(式1)により算出される学習度αは、処理回数の進行とともに増加し、1または1近傍の値に収束する。
【0098】
なお、上記(b)の場合、例えば、1回も処理を行っていないときに学習度αを0とし、処理を1回行うごとの学習度αを0.01加算し、100件の処理を行った後に学習度αを1とする。
【0099】
また、上記(c)の場合、機器が行った複数回の処理における第一予測値の予測誤差の収束率は、t回目の処理より過去の直近の複数回の処理における第一予測値の予測誤差の移動平均
【0100】
【数1】
を、(t-m)回目の処理より過去の直近の複数回の処理における第一予測値の予測誤差の移動平均
【0101】
【数2】
で除した値として算出される。ここで、予測誤差は、終了タイミングの予測値と、実際に機器が処理を終了したタイミングとの差異である。
【0102】
算出部14は、上記値を学習度αとして算出する(下記(式2)参照)。
【0103】
【0104】
次に、経時変化度について説明する。
【0105】
図7は、本実施の形態における経時変化度の推移を示す説明図である。
【0106】
図7の(a)において、横軸が乾燥機20Aの製造時点からの経過時間を示し、縦軸が経時変化度βを示している。経時変化度βは、乾燥機20Aの製造時点からの経時変化の度合いを示す指標であり、製造時点において0であり、製造時点より後に、経過時間が長くなるにつれて上昇する指標である。
【0107】
図7の(a)に示されるように、経時変化度βは、経過時間が比較的短いときには比較的低い値を有し、経過時間が長いほど、高い値を有する。例えば、経過時間T3における経時変化度β3は、経過時間T2における経時変化度β2より高い。
【0108】
経時変化度βは、例として、下記の情報のいずれかを少なくとも用いて算出部14により算出される。ここで、Nは2以上の整数である。
【0109】
(d)乾燥機20Aが行った複数回の処理のうち、直近のN回の処理における第一予測値の予測誤差の平均値
(e)上記(d)を、乾燥機20Aと同種の複数の機器が行った処理における第一予測値の予測誤差の平均値で除した値
(f)乾燥機20Aが行った複数回の処理のうち、直近のN回の処理における、乾燥機20Aが当該処理を終了したタイミングの標準偏差
【0110】
なお、上記(d)の場合、算出部14は、下記(式3)により経時変化度βを算出する。ここで、算出部14は、(式3)の右辺の値が負の値をとるとき経時変化度βを0とする。
【0111】
【0112】
また、上記(e)の場合、算出部14は、下記(式4)により経時変化度βを算出する。ここで、算出部14は、(式4)の右辺の値が負の値をとるとき経時変化度βを0とする。(式4)の右辺は、乾燥機20Aが、同種の機器と同程度の予測精度を有している場合に0に近い値をとり、同種の機器との予測誤差の差異が大きいほど、大きな値をとる。
【0113】
【0114】
なお、算出部14は、乾燥機20Aが行った処理においてエラーが発生した場合には、算出した経時変化度βを増加させてもよい。
【0115】
なお、経時変化度βと相互に変換可能である維持度γを第二指標として用いることもできる。維持度γは、乾燥機20Aが経時変化をすることなく、製造時の状態を維持している度合いを表す指標であり、機器の経時変化の度合いを示す指標の別の態様であるともいえる。
【0116】
図7の(b)は、本実施の形態における維持度γの推移を示す説明図である。
図7の(b)において、横軸が乾燥機20Aの製造時点からの経過時間を示し、縦軸が維持度γを示している。維持度γは、乾燥機20Aの製造時の状態を維持している度合いを表す指標であり、製造時点において1であり、製造時点より後に、経過時間が長くなるにつれて0へ向かって低下する指標である。
【0117】
図7の(b)に示されるように、維持度γは、経過時間が比較的短いときには比較的高い値を有する。また、維持度γは、経過時間が長いほど、低い値を有し、言い換えれば、減衰する。例えば、経過時間T3における維持度γ3は、経過時間T2における維持度γ2より低い。
【0118】
例えば、維持度γは、経時変化度βを用いて下記(式5)により算出される。(式5)において、σは、減衰率を調整するための定数である。
【0119】
γ=exp(-β/σ) (式5)
【0120】
図8は、本実施の形態における信頼度の推移を示す説明図である。
【0121】
図8において、横軸が乾燥機20Aの製造時点からの経過時間を示し、縦軸が信頼度δを示している。信頼度δは、乾燥機20Aが処理を終了する終了タイミングの予測値が信頼できる度合いを示す指標であり、0以上1以下の範囲で推移する指標である。
【0122】
信頼度δは、学習度αと維持度γとを用いて算出され、より具体的には、学習度αが高いほど高く、または、維持度γが高いほど高い。
【0123】
信頼度δは、例えば、学習度αと維持度γの積として算出される(下記(式6)参照)。
【0124】
δ=α×γ (式6)
【0125】
また、信頼度δは、例えば、学習度αと維持度γとのうちの低いものを選択することで算出されることもできる(下記(式7)参照)。
【0126】
δ=min(α,γ) (式7)
【0127】
以上のように構成された提示システム1の処理を説明する。
【0128】
図9は、本実施の形態における提示システム1の処理を示す第一のフロー図である。
【0129】
図9に示される処理は、乾燥機20Aが1回の乾燥処理を実行するときに提示システム1が実行する処理を示している。
【0130】
ステップS101において、サーバ10は、乾燥機20Aが乾燥処理を終了する終了タイミングの予測値とその信頼度とを取得し、取得した予測値と信頼度とを表示する制御をする。
【0131】
ステップS102において、乾燥機20Aは、乾燥処理を実行する。
【0132】
ステップS103において、サーバ10は、予測モデルの訓練を行う。予測モデルの訓練では、サーバ10は、ステップS102で乾燥機20Aが実行した乾燥処理に関する乾燥機20Aのパラメータ値と、乾燥機20Aが上記乾燥処理を終了した終了タイミングとを取得し、上記パラメータ値と上記終了タイミングとを教師データとして予測モデルの訓練を行う。
【0133】
なお、ステップS101の処理は、乾燥機20Aによる乾燥運転の実行中(ステップS102)に所定時間(例えば、数分~数十分程度)おきに繰り返し実行されてもよい。
【0134】
図10は、本実施の形態における提示システム1の処理を示す第二のフロー図である。
図10に示される処理は、
図9のステップS101に含まれる処理であり、サーバ10が実行する処理である。
【0135】
ステップS201において、予測部13は、乾燥機20Aの乾燥処理に関するパラメータ値を取得する。
【0136】
ステップS202において、予測部13は、ステップS201で取得したパラメータ値を予測モデルに入力することで、乾燥機20Aが乾燥処理を終了する終了タイミングの予測値を取得する。
【0137】
ステップS203において、算出部14は、学習度αを取得する。取得される学習度αは、ステップS303(後述)で算出されるものである。
【0138】
ステップS204において、算出部14は、経時変化度βを取得する。取得される経時変化度βは、ステップS304(後述)で算出されるものである。
【0139】
ステップS205において、算出部14は、ステップS203で取得した学習度αと、ステップS204で取得した経時変化度βとを用いて、ステップS202で取得した予測値の信頼度を算出する。
【0140】
ステップS206において、表示制御部15は、ステップS205で算出した信頼度を表示する制御を行う。
【0141】
図11は、実施の形態における提示システム1の処理を示す第三のフロー図である。
図11に示される処理は、
図9のステップS103に含まれる処理である。
【0142】
ステップS301において、訓練部12は、乾燥機20Aによって実行された乾燥処理に関するパラメータ値と、乾燥機20Aが乾燥処理を終了した終了タイミングとを取得する。
【0143】
ステップS302において、訓練部12は、ステップS301で取得したパラメータ値と終了タイミングとを教師データとして用いて機械学習により予測モデルを訓練する。
【0144】
ステップS303において、算出部14は、学習度αを算出する。
【0145】
ステップS304において、算出部14は、経時変化度βを算出する。
【0146】
図9~
図11に示される処理により、提示システム1は、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0147】
以降において、提示システム1による表示について具体的に説明する。
【0148】
提示システム1による表示は、例えば、端末30Aが備える表示部33による表示であり、この場合を例として説明するが、乾燥機20Aの表示部23による表示でもよい。
【0149】
端末30Aは、原則として、サーバ10によって算出された第一予測値と信頼度とを含む提示情報をサーバ10から受信し、受信した提示情報を表示画面に画像として表示する。
【0150】
図12は、本実施の形態における提示システム1が表示する画像の例を示す説明図である。
【0151】
図12に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値と、その予測値の信頼度とを示す画像である。
【0152】
図12に示される画像は、画像51と、画像52とを含む。
【0153】
画像51は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値を、現時点からの残時間として表示する画像である。画像51は、具体的には、「残り1:40です。」という文字列を含み、乾燥処理の終了タイミングの予測値が、現時点から1時間40分後であることを示している。
【0154】
画像52は、画像51が示す予測値の信頼度を表示する画像である。画像52は、具体的には、「予測モデルの調子は90点です。」という文字列を含み、信頼度が0.9であることを示している。ここでは、信頼度を0点から100点までの範囲で表現することとしており、90点は、90%と同義である。
【0155】
図12に示される画像を提示されたユーザは、終了タイミングの予測値と信頼度とを把握することができる。
【0156】
図13は、本実施の形態における提示システム1が表示する画像の例を示す説明図である。なお、すでに説明した画像と同じ画像については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略することがある。
【0157】
図13に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値と、その予測値の信頼度とを示しており、さらに、理由情報を示している。
【0158】
図13に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値を示す画像51(
図12と同様)と、その予測値の信頼度を示す画像52Aと、理由情報を含む画像53とを含む。
【0159】
画像52Aは、画像51が示す予測値の信頼度を表示する画像である。画像52Aは、具体的には、「予測モデルの調子は40点です。」という文字列を含み、信頼度が0.4であることを示している。上記信頼度は、閾値である0.55より低い。
【0160】
画像53は、予測値の信頼度が閾値より低い理由を示している。画像53は、具体的には、「まだ十分に学習が進行していません。」という文字列を含み、予測モデルの機械学習の進捗がまだ十分でないことを示している。
【0161】
図13に示される画像を提示されたユーザは、終了タイミングの予測値と、信頼度と、その信頼度が低い理由とを把握することができる。
【0162】
図14は、本実施の形態における提示システム1が表示する画像の例を示す説明図である。
【0163】
図14に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値と、その予測値の信頼度とを示しており、さらに、理由情報を示している。
【0164】
図14に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値を示す画像51(
図12と同様)と、その予測値の信頼度を示す画像52Bと、理由情報を含む画像54とを含む。
【0165】
画像52Bは、画像51が示す予測値の信頼度を表示する画像である。画像52Bは、具体的には、「予測モデルの調子は50点です。」という文字列を含み、信頼度が0.5であることを示している。上記信頼度は、閾値である0.55より低い。
【0166】
画像54は、予測値の信頼度が閾値より低い理由を示している。画像54は、具体的には、「フィルタの目詰まりが発生しているかもしれません」という文字列を含み、乾燥機20Aが槽とヒートポンプとの間を流れる空気を通すフィルタの目詰まりの発生の可能性があることを示している。
【0167】
図14に示される画像を提示されたユーザは、終了タイミングの予測値と、信頼度と、その信頼度が低い理由とを把握することができる。
【0168】
図15は、本実施の形態における提示システム1が表示する画像の例を示す説明図である。
【0169】
図15に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値と、その予測値の信頼度とを示しており、さらに、理由情報を示している。
【0170】
図15の(a)に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値を示す画像51(
図12と同様)と、感嘆符の画像61とを含む。感嘆符の画像61は、ユーザに注意を向けさせる効果を有する。
【0171】
画像61に対してユーザの操作がなされると、提示システム1は、表示している画像を、
図15の(b)の画像に切り替える。
【0172】
図15の(b)に示される画像は、画像52Aと画像53とを含む。画像52Aと画像53とは、
図13に示されるものと同様である。
【0173】
図15の(a)および(b)に示される画像を提示されたユーザは、終了タイミングの予測値と、信頼度に関して注意を要することとを把握し、その後に、信頼度と、その信頼度が低い理由とを段階的に把握することができる。
【0174】
図16は、本実施の形態における提示システム1が表示する画像の例を示す説明図である。
【0175】
図16に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値と、その予測値の信頼度とを示しており、さらに、理由情報を示している。
【0176】
図16に示される画像は、画像51(
図12と同様)と、感嘆符の画像61(
図15の(a)と同様)と、画像52Aおよび画像53(
図15の(b)と同様)とを含む。
【0177】
図16に示される画像を提示されたユーザは、終了タイミングの予測値と信頼度とを把握することができ、さらに、信頼度に関して注意を要することと、信頼度が低い理由とを把握することができる。
【0178】
図17は、本実施の形態における提示システム1が表示する画像の例を示す説明図である。
【0179】
図17に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値と信頼度と進捗情報とを示しており、さらに、信頼度の履歴を示している。
【0180】
図17に示される画像は、画像51(
図12と同様)と、画像52Cと、画像53Aと、画像62とを含む。
【0181】
画像52Cは、画像51が示す予測値の信頼度を表示する画像である。画像52Cは、具体的には、「予測モデルの調子は60点です。」という文字列を含み、信頼度が0.6であることを示している。
【0182】
画像53Aは、予測モデルの機械学習の進捗を示している。画像53Aは、具体的には、「学習がある程度進んでいます。」という文字列を含み、予測モデルの機械学習の進捗がある程度進んでいることを示している。
【0183】
画像62は、画像51が示す予測値の信頼度を表示する画像であり、信頼度の履歴をグラフとして示す画像である。グラフの横軸は経過時間を示し、縦軸は信頼度を示している。また、グラフにおける右端が現在時刻を示している。グラフは、具体的には、時間が経過するにつれて信頼度が増加していることが示されており、現在時刻における信頼度が0.6であることが示されている。
【0184】
図17に示される画像を提示されたユーザは、終了タイミングの予測値と、信頼度と、機械学習の進捗と、信頼度の履歴とを把握することができる。
【0185】
図18は、本実施の形態における提示システム1が表示する画像の例を示す説明図である。
【0186】
図18に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値と信頼度と理由情報とを示しており、さらに、信頼度の履歴を示している。
【0187】
図18に示される画像は、画像51(
図12と同様)と、画像52Dと、画像54(
図14と同様)と、画像62Aとを含む。
【0188】
画像52Dは、画像51が示す予測値の信頼度を表示する画像である。画像52Dは、具体的には、「予測モデルの調子は50点です。」という文字列を含み、信頼度が0.5であることを示している。
【0189】
画像62Aは、画像51が示す予測値の信頼度を表示する画像であり、信頼度の履歴をグラフとして示す画像である。グラフの横軸は経過時間を示し、縦軸は信頼度を示している。また、グラフにおける右端が現在時刻を示している。グラフは、具体的には、時間が経過するにつれて信頼度が低下していることが示されており、現在時刻における信頼度が0.5であることが示されている。
【0190】
図18に示される画像を提示されたユーザは、終了タイミングの予測値と、信頼度と、信頼度が低い理由と、信頼度の履歴とを把握することができる。
【0191】
図19は、本実施の形態における提示システム1が表示する画像の例を示す説明図である。
【0192】
図19に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値と、通知情報とを示している。
【0193】
図19に示される画像は、画像51(
図12と同様)と、画像63とを含む。
【0194】
画像63は、予測モデルによる予測が利用可能であることを通知する通知情報を示している。画像63は、具体的には、「AI(Artificial Intelligence)の学習が完了しました。」という文字列を含み、予測モデルの機械学習が、予測に用いられ得る程度にまで進み、利用可能となったことを示している。
【0195】
図19に示される画像を提示されたユーザは、終了タイミングの予測値と、予測モデルの利用に関する通知とを把握することができる。
【0196】
図20は、本実施の形態における提示システム1が表示する画像の例を示す説明図である。
【0197】
図20に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値と、理由情報とを示している。
【0198】
図20に示される画像は、画像51(
図12と同様)と、画像64とを含む。
【0199】
画像64は、予測値の信頼度が閾値より低い理由を示している。画像54は、具体的には、「AIの調子が落ちているようです。」という文字列を含み、例えば経時変化の進行により、予測モデルの精度が落ちていることを示している。
【0200】
図20に示される画像を提示されたユーザは、終了タイミングの予測値と、予測値の信頼度が低い理由とを把握することができる。
【0201】
図21は、本実施の形態における提示システム1が表示する画像の例を示す説明図である。
【0202】
図21に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値と、通知情報とを示している。
【0203】
図21の(a)に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値を示す画像51(
図12と同様)と、ハートマークの画像65とを含む。ハートマークの画像65は、ユーザに注意を向けさせる効果を有する。
【0204】
画像65に対してユーザの操作がなされると、提示システム1は、表示している画像を切り替えて、
図21の(b)の画像を表示する。
【0205】
図21の(b)に示される画像は、画像63を含む。画像63は、
図19に示されるものと同様である。
【0206】
図21の(a)および(b)に示される画像を提示されたユーザは、終了タイミングの予測値と、予測モデルの利用に関する通知とを段階的に把握することができる。
【0207】
図22は、本実施の形態における提示システム1が表示する画像の例を示す説明図である。
【0208】
図22に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値を示す画像である。
【0209】
【0210】
画像51Aは、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値を時刻として表示する画像である。画像51Aは、具体的には、「終了時刻の目安は10:30です。」という文字列を含み、乾燥処理の終了タイミングの予測値が、10時30分であることを示している。
【0211】
図22に示される画像を提示されたユーザは、終了タイミングの予測値を把握することができる。
【0212】
図23は、本実施の形態における提示システム1が表示する画像の例を示す説明図である。
【0213】
図23に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値を、その予測値の信頼度を加味して示す画像である。
【0214】
図23に示される画像は、画像51Bと、画像52Dとを含む。
【0215】
画像51Bは、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値を時刻として表示する画像である。また、表示する時刻は、予測値を含む時間区間であって、信頼度が高いほど狭い時間区間として表示される。画像51Bは、具体的には、「終了時刻の目安は10:25~10:35です。」という文字列を含み、乾燥処理の終了タイミングの予測値が、10時25分~10時35分、つまり、10時30分を含む10分間の時間区間に含まれることを示している。
【0216】
画像52Dは、画像51Bが示す予測値の信頼度を表示する画像である。画像52Dは、具体的には、「予測モデルの調子は80点です。」という文字列を含み、信頼度が0.8であることを示している。
【0217】
図23に示される画像を提示されたユーザは、時間区間として表現された終了タイミングの予測値と、信頼度とを把握することができる。
【0218】
図24は、本実施の形態における提示システム1が表示する画像の例を示す説明図である。
【0219】
図24に示される画像は、
図23と同様に、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値を、その予測値の信頼度を加味して示す画像である。
【0220】
図24に示される画像は、画像51Cと、画像52Eとを含む。
【0221】
画像51Cは、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値を時刻として表示する画像である。また、表示する時刻は、予測値を含む時間区間であって、信頼度が高いほど狭い時間区間として表示される。画像51Cは、具体的には、「終了時刻の目安は10:15~10:45です。」という文字列を含み、乾燥処理の終了タイミングの予測値が、10時15分~10時45分、つまり、10時30分を含む30分間の時間区間に含まれることを示している。
【0222】
画像52Eは、画像51Cが示す予測値の信頼度を表示する画像である。画像52Eは、具体的には、「予測モデルの調子は60点です。」という文字列を含み、信頼度が0.6であることを示している。
【0223】
図24に示される画像を提示されたユーザは、時間区間として表現された終了タイミングの予測値と、信頼度とを把握することができる。
【0224】
図25は、本実施の形態における提示システム1が表示する画像の例を示す説明図である。
【0225】
図25に示される画像は、
図23と同様に、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値を、その予測値の信頼度を加味して示す画像である。
【0226】
図25に示される画像は、画像51Dと、画像52Fと、画像53とを含む。
【0227】
画像51Dは、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値を時刻として表示する画像である。また、表示する時刻は、予測値を含む時間区間であって、信頼度が高いほど狭い時間区間として表示される。画像51Dは、具体的には、「終了時刻の目安は10:00~11:00です。」という文字列を含み、乾燥処理の終了タイミングの予測値が、10時00分~11時00分、つまり、10時30分を含む1時間の時間区間に含まれることを示している。
【0228】
画像52Fは、画像51Dが示す予測値の信頼度を表示する画像である。画像52Fは、具体的には、「予測モデルの調子は30点です。」という文字列を含み、信頼度が0.3であることを示している。
【0229】
【0230】
図25に示される画像を提示されたユーザは、時間区間として表現された終了タイミングの予測値と、信頼度と、その信頼度が低い理由とを把握することができる。
【0231】
図26は、本実施の形態における提示システム1が表示する画像の例を示す説明図である。
【0232】
図26は、予測モデルを用いた予測から、予測モデルを用いない予測に切り替える際に用いられる画像を示している。
【0233】
図26の(a)に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値を示す画像51(
図12と同様)と、画像61(
図15の(a)と同様)と、画像52F(
図25と同様)と、画像64(
図20と同様)と、画像66とを含む。
【0234】
画像66は、現在表示している予測値が、機械学習に基づく予測モデルを用いた予測を用いるモード(AIモードともいう)で予測された予測値であることを示している。
【0235】
画像61に対してユーザの操作がなされると、提示システム1は、表示している画像を、
図26の(b)の画像に切り替える。
【0236】
図26の(b)の画像は、AIモードから、予測モデルを用いないで予測するモード(通常モードともいう)に切り替えることを案内する画像71である。
【0237】
画像71の「はい」に対してユーザの操作がなされると、提示システム1は、表示している画像を、
図26の(c)の画像に切り替える。
【0238】
図26の(c)に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値であって、通常モードにより予測された予測知を示す画像72と、画像67とを含む。
【0239】
画像72は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値を、現時点からの残時間として表示する画像である。画像72は、具体的には、「残り1:50です。」という文字列を含み、乾燥処理の終了タイミングの予測値が、現時点から1時間50分後であることを示している。
【0240】
画像67は、現在表示している予測値が、通常モードで予測された予測値であることを示している。
【0241】
図26の(a)~(c)に示される画像を提示されたユーザは、終了タイミングの予測値と、信頼度と、その信頼度が低い理由とを把握し、その後、通常モードへの切り替えの案内に従って、通常モードでの予測値を把握することができる。
【0242】
図27は、本実施の形態における提示システム1が表示する画像の例を示す説明図である。
【0243】
図27は、予測モデルを用いない予測から、予測モデルを用いる予測に切り替える際に用いられる画像を示している。
【0244】
図27の(a)に示される画像は、画像72と、画像65(
図21の(a)と同様)と、画像67(
図26の(c)と同様)とを含む。
【0245】
画像65に対してユーザの操作がなされると、提示システム1は、表示している画像を、
図27の(b)の画像に切り替える。
【0246】
図27の(b)の画像は、通常モードからAIモードに切り替えることを案内する画像74である。
【0247】
画像74の「はい」に対してユーザの操作がなされると、提示システム1は、表示している画像を、
図27の(c)の画像に切り替える。
【0248】
図27の(c)に示される画像は、乾燥機20Aが実行する乾燥処理の終了タイミングの予測値であって、AIモードにより予測された予測知を示す画像51(
図26の(a)と同様)と、画像52(
図12と同様)と、画像66(
図26の(a)と同様)とを含む。
【0249】
図27の(a)~(c)に示される画像を提示されたユーザは、通常モードでの予測値を視認している状態において、AIモードへの切り替えの案内に従って、AIモードでの予測値を把握することができる。
【0250】
以上のように、本変形例の提示方法および提示システムは、機器が処理を終了するタイミング、具体例として乾燥機が乾燥処理終了するタイミングを、適切に提示することができる。
【0251】
なお、サーバ10が備える機能の一部または全部が、乾燥機20A等または端末30A等に備えられていてもよい。サーバ10が備える機能の全部が、乾燥機20A等または端末30A等に備えられている場合、提示システム1は、サーバ10を備えなくてよい。また、サーバ10が備える機能の全部が、乾燥機20A等または端末30A等に備えられている場合、乾燥機20A等と端末30A等とはネットワークNに接続されている必要はなく、少なくとも、乾燥機20A等と端末30A等とのうち、互いに対応付けられている乾燥機と端末とが通信可能に接続されていればよい。
【0252】
(実施の形態の変形例1)
本変形例において、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示する提示方法および提示システムについて、他の機器に適用される例を説明する。
【0253】
本変形例では、機器が冷凍庫であり、処理が製氷処理である場合を説明する。提示システム1の構成および処理は、上記実施の形態におけるものと同様である。
【0254】
図28は、本変形例における提示システム1が表示する画像の例を示す説明図である。
【0255】
図28に示される画像は、機器である冷凍庫が実行する製氷処理の終了タイミングの予測値と、その予測値の信頼度とを示す画像である。
【0256】
図28に示される画像は、画像81と、画像62とを含む。
【0257】
画像81は、冷凍庫が実行する製氷処理の終了タイミングの予測値を、現時点からの残時間として表示する画像である。画像81は、具体的には、「製氷完了まで残り50分です。」という文字列を含み、製氷処理の終了タイミングの予測値が、現時点から50分後であることを示している。
【0258】
【0259】
以上のように、本変形例の提示方法および提示システムは、冷凍庫が製氷処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0260】
(実施の形態の変形例2)
本変形例において、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示する提示方法および提示システムについて、他の機器に適用される例を説明する。
【0261】
本変形例では、機器がエアコンであり、処理が暖房処理である場合を説明する。提示システム1の構成および処理は、上記実施の形態におけるものと同様である。
【0262】
図29は、本変形例における提示システム1が表示する画像の例を示す説明図である。
【0263】
図29に示される画像は、機器であるエアコンが実行する暖房処理であって、寝室の温度を25℃に上昇させる暖房処理の終了タイミングの予測値と、その予測値の信頼度とを示す画像である。
【0264】
図29に示される画像は、画像82と、画像52Aと、画像53とを含む。
【0265】
画像82は、エアコンが実行する暖房処理の終了タイミングの予測値を、現時点からの残時間として表示する画像である。画像82は、具体的には、「寝室が25℃になるまで10~15分ほどかかります。」という文字列を含み、暖房処理の終了タイミングの予測値が、現時点から10~15分後であること、言い換えれば、12.5分を含む5分間の時間区間に属することを示している。
【0266】
画像52Aと画像53とは、
図13におけるものと同様である。
【0267】
以上のように、本変形例の提示方法および提示システムは、エアコンが暖房処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0268】
以上のように、上記実施の形態または上記変形例の提示方法は、機械学習モデルを用いて機器のパラメータ値から、機器が処理を終了するタイミングの予測値を提示するときに、機械学習モデルの学習の進捗と、機器の経時変化の度合いとを考慮した信頼度を提示する。信頼度は、その予測値が妥当である度合い、言い換えれば、その予測値が信頼できる度合いを示している。ユーザは、提示された終了タイミングの予測値と信頼度とを視認することで、その予測値がどの程度妥当であるのか、または、その予測値がどの程度信頼できるのかを把握することができる。このように、上記提示方法は、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0269】
また、上記提示方法は、信頼度を提示する際に、信頼度が低い理由情報をさらに提示する。ユーザは、提示された理由情報を視認することで、その信頼度が低い理由を把握することができ、信頼度を高くする行動がある場合には、その行動をすることができる。このように、上記提示方法は、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0270】
また、上記提示方法は、信頼度が低い理由が、機械学習モデルの学習の進捗が低いこと、または、機器の経時変化が進んでいることを理由情報として提示するので、ユーザは、信頼度が低い理由を具体的に知ることができ、信頼度を高くする行動がある場合には、より容易に、その行動をすることができる。このように、上記提示方法は、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0271】
また、上記提示方法は、機械学習モデルの学習の進捗が十分でない場合に、機械学習を用いない方法により予測された予測値を提示することを案内する。よって、ユーザは、容易に、機械学習モデルの学習の進捗が十分でない場合に、機械学習を用いない方法により予測された予測値を、機器が処理を終了するタイミングとして把握することができる。このように、上記提示方法は、機械学習モデルを用いない方法による予測をさらに用いて、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0272】
また、上記提示方法は、機器が処理を終了したときに機械学習モデルの訓練をし、訓練によって機械学習モデルの学習の進捗が、機械学習モデルが予測に利用可能である程度に高くなった場合に、通知情報を提示する。ユーザは、上記情報を提示されることで、機械学習モデルが予測に利用可能になったことを認識することができる。このように、上記提示方法は、機械学習モデルが利用可能であることを通知しながら、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0273】
また、上記提示方法は、機器が処理を終了したときに機械学習モデルの訓練をし、訓練によって機械学習モデルの学習の進捗が、機械学習モデルが予測に利用可能である程度に高くなった場合に、機械学習モデルを用いた方法により予測された予測値を提示することを案内する。よって、ユーザは、容易に、機械学習モデルを用いた予測値に基づいて、機器が処理を終了するタイミングを把握することができる。このように、上記提示方法は、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0274】
また、上記提示方法は、機械学習モデルを用いて予測された予測値を、信頼度に応じた時間長を有する時間区間として提示する。ユーザは、提示された時間区間に機器が終了することを認識することができ、言い換えれば、信頼度を直接に提示される場合よりも直感的に、機器が処理を終了するタイミングを把握することができる。よって、上記提示方法は、機器が処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0275】
また、上記提示方法は、第一指標をより容易に算出する。よって、上記提示方法は、機器が処理を終了するタイミングをより容易に、適切に提示することができる。
【0276】
また、上記提示方法は、第二指標をより容易に算出する。よって、上記提示方法は、機器が処理を終了するタイミングをより容易に、適切に提示することができる。
【0277】
また、上記提示方法は、処理においてエラーが発生した場合に第二指標を増加させることで、第二指標をより容易に算出する。よって、上記提示方法は、機器が処理を終了するタイミングをより容易に、適切に提示することができる。
【0278】
また、上記提示方法は、乾燥機が洗濯物を乾燥させる処理を終了するタイミングを適切に提示することができる。
【0279】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0280】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記実装を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0281】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0282】
本開示は、機器の処理の終了タイミングを予測するシステムに適用可能である。
【符号の説明】
【0283】
1 提示システム
10 サーバ
11、21、31 通信部
12 訓練部
13 予測部
14 算出部
15 表示制御部
20A、20B、20C 乾燥機
22 処理部
23、33 表示部
30A、30B、30C 端末
32 制御部
51、51A、51B、51C、51D、52、52A、52B、52C、52D、52E、52F、53、53A、54、61、62、62A、63、64、65、66、67、71、72、74、81、82 画像
N ネットワーク