(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】便器装置及び便座装置
(51)【国際特許分類】
A47K 13/00 20060101AFI20240705BHJP
E03D 5/10 20060101ALI20240705BHJP
E03D 11/13 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A47K13/00
E03D5/10
E03D11/13
(21)【出願番号】P 2020148786
(22)【出願日】2020-09-04
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 靖史
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-282165(JP,A)
【文献】特開2003-265357(JP,A)
【文献】特開2017-104363(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0333017(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1790331(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 13/00 - 17/00
E03D 1/00 - 7/00
E03D 11/00 - 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方側に向けて開口するボウル部と、該ボウル部内を照射する照明部と、前記ボウル部の開口を開閉する便蓋と、を備えており、
前記便蓋には、当該便蓋が閉鎖状態かつ前記照明部が点灯状態において、
汚物が流れたか否かの確認が可能なように前記ボウル部内を視認可能とする半透明部が設けられ
、該半透明部は、前記便蓋が閉鎖状態かつ前記照明部が消灯状態では、前記ボウル部内が視認し難い構成とされていることを特徴とする便器装置。
【請求項2】
請求項
1において、
前記照明部は、便座を回転自在に保持する便座本体部、前記便座及び前記ボウル部を区画する便器本体部のうちのいずれかに設けられていることを特徴とする便器装置。
【請求項3】
請求項1
または2において、
前記照明部を制御する制御部を備え、該制御部は、前記便蓋が閉鎖されれば前記照明部を点灯させることを特徴とする便器装置。
【請求項4】
請求項1
または2において、
前記照明部を制御する制御部を備え、該制御部は、前記ボウル部に洗浄水を供給する洗浄モードが開始されれば前記照明部を点灯させることを特徴とする便器装置。
【請求項5】
請求項1乃至
4のいずれか1項において、
前記照明部を制御する制御部を備え、該制御部は、前記ボウル部に洗浄水を供給する洗浄モードが終了して所定時間が経過すれば前記照明部を消灯することを特徴とする便器装置。
【請求項6】
上方側に向けて開口するボウル部の上側に配される便座と、該便座の上方側から前記ボウル部の開口を開閉する便蓋と、を備えた便座装置であって、
前記ボウル部内を照射する照明部を備え、前記便蓋には、当該便蓋が閉鎖状態かつ前記照明部が点灯状態において、
汚物が流れたか否かの確認が可能なように前記ボウル部内を視認可能とする半透明部が設けられ
、該半透明部は、前記便蓋が閉鎖状態かつ前記照明部が消灯状態では、前記ボウル部内が視認し難い構成とされていることを特徴とする便座装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器装置及び便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ボウル部の開口を開閉する便蓋が設けられた腰掛式の便器装置が知られている。このような便器装置においては、洗浄時における洗浄水や汚水等の飛散を防止する観点から便蓋を閉鎖した状態で洗浄することが望まれる場合がある。このように便蓋を閉鎖した状態で洗浄すれば、汚物が流れたか否かの確認が困難となる懸念があった。
例えば、下記特許文献1には、液晶層を透明電極で挟んだ液晶装置を透明樹脂板に積層した構造を有する調光体を便蓋に設けた便器設備が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された便器設備では、便蓋に調光体を設けた構成としているので、便蓋の構造が複雑化する懸念があった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、便蓋の構造を複雑化させることなく便蓋が閉鎖された状態でボウル部内を視認し得る便器装置及び便座装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る便器装置は、上方側に向けて開口するボウル部と、該ボウル部内を照射する照明部と、前記ボウル部の開口を開閉する便蓋と、を備えており、前記便蓋には、当該便蓋が閉鎖状態かつ前記照明部が点灯状態において、汚物が流れたか否かの確認が可能なように前記ボウル部内を視認可能とする半透明部が設けられ、該半透明部は、前記便蓋が閉鎖状態かつ前記照明部が消灯状態では、前記ボウル部内が視認し難い構成とされていることを特徴とする。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る便座装置は、上方側に向けて開口するボウル部の上側に配される便座と、該便座の上方側から前記ボウル部の開口を開閉する便蓋と、を備えた便座装置であって、前記ボウル部内を照射する照明部を備え、前記便蓋には、当該便蓋が閉鎖状態かつ前記照明部が点灯状態において、汚物が流れたか否かの確認が可能なように前記ボウル部内を視認可能とする半透明部が設けられ、該半透明部は、前記便蓋が閉鎖状態かつ前記照明部が消灯状態では、前記ボウル部内が視認し難い構成とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る便器装置及び便座装置は、上述のような構成としたことで、便蓋の構造を複雑化させることなく便蓋が閉鎖された状態でボウル部内を視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る便器装置の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図2】同便器装置の一部を省略した概略縦断面図である。
【
図3】(a)、(b)は、同便器装置の概略平面図である。
【
図4】(a)は、同便器装置の概略ブロック図、(b)は、同便器装置において実行される基本動作の一例を模式的に示す概略フローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態に係る便座装置の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、以下の各実施形態では、便器装置の一例及び便座装置の一例を設置した状態を基準として、上下方向を説明する。また、設置された便器装置及び便座装置に対して立位使用状態で対面した状態を基準として、手前側を前方、その逆側を後方(奥方)とし、また、便器奥行方向及び上下方向に直交する方向を便器幅方向として説明する。
図1~
図4は、本実施形態に係る便器装置の一例及び同便器装置において実行される基本動作の一例を模式的に示す図である。
【0011】
本実施形態に係る便器装置1は、
図1及び
図2に示すように、上方側に向けて開口するボウル部8と、このボウル部8の開口を開閉する便蓋17と、を備えている。この便器装置1は、腰掛式(いわゆる洋式)とされ、トイレ空間内の床や壁等の設置部に設置される。また、便器装置1は、すり鉢状とされたボウル部(便鉢)8を区画する便器本体部7を備えている。便器本体部7には、ボウル部8の周囲を囲むようにスカート部が設けられている。また、この便器本体部7の便器奥行方向奥側部位には、便座15及び便蓋17を回転自在に保持する便座本体部10が設けられている。これら便座15及び便蓋17は、便座本体部10に対して便器幅方向に軸方向を沿わせた軸回りに起倒自在(回転自在)とされている。
【0012】
また、この便器装置1には、便蓋17を開閉する便蓋駆動部19(
図4(a)参照)が設けられている。また、この便器装置1に、便座15を開閉する便座駆動部や、ボウル部8内を脱臭する脱臭装置、便座15を温める加熱装置、局部を洗浄する局部洗浄装置等の各種機能装置や機構部材が設けられていてもよい。また、便器装置1に、人体検知センサーや着座センサー等の各種センサーを設けた構成としてもよく、上記した各種機能装置を操作する操作部としてのリモコン装置や、リモコン装置の各種信号の送受信を可能とする送受信装置等を設けた構成としてもよい。
【0013】
また、便器装置1には、水道管等の給水管2に接続される給水機構や、床側または壁側の排水管3に接続される排水機構等が設けられている。
排水機構は、本実施形態では、ボウル部8の底部に設けられた排水口12に接続された筒状トラップ13をトラップ駆動部14(
図4(a)参照)によって回動させて排水及び封水する構成とされたいわゆる機械式排出機構とされている。なお、排水機構としては、このような構成とされたものに限られず、サイホン式やサイホンゼット式、サイホンボルテックス式、ネオボルテックス式、洗い落とし式等の他の排水機構を採用するようにしてもよい。
【0014】
給水機構は、給水管2に接続された洗浄水供給管4を介してボウル部8に洗浄水を供給する構成とされている。この給水機構としては、ボウル部8の上端周縁部に周方向に沿って延びるように、かつ下方側に溝部が形成されるように径方向内側に向けて突出するように設けられたリム部9の溝部に沿わせるように洗浄水を給水し、ボウル部8を洗浄する構成とされたものでもよい。洗浄水供給管4には、当該洗浄水供給管4を開閉し、洗浄水を供給または遮断する給水弁5(
図4(a)参照)が設けられている。また、図例では、この洗浄水供給管4を通過する洗浄水に洗剤を供給する洗剤供給部6を設けた例を示している。この洗剤供給部6は、洗浄水供給管4に接続された洗剤供給管6aと、この洗剤供給管6aを開閉する供給弁6bと、洗剤タンク6cと、を備えている。なお、このような洗剤供給部6を設けていない構成としてもよく、また、洗剤供給部6に代えて、オゾン水や次亜塩素酸水等の除菌水を供給する除菌水供給部を設けた構成等としてもよい。また、図例では、便器装置1を、水洗タンク(ロータンク)を備えていない、いわゆるタンクレスタイプとした例を示しているが、水洗タンクを備えた構成としてもよい。
【0015】
また、便器装置1には、上記した給水機構を作動させて洗浄水をボウル部8に供給する洗浄モードを開始させる洗浄操作部が設けられている。このような洗浄操作部としては、上記した各種機能装置を操作する操作部としてのリモコン装置に設けられた操作ボタンやレバー等であってもよい。または、便器装置1の適所に設けられた人体検知センサーや着座センサー等の各種センサーを洗浄操作部として把握、つまり、検知有無を操作と把握するような態様としてもよい。例えば、着座センサーによる離座の検出を洗浄操作としてもよい。この給水機構の洗浄操作がなされれば、リム部9の溝部に沿うように洗浄水が供給され、ボウル部8内面の洗浄がなされる。
【0016】
また、便器装置1は、
図2に示すように、ボウル部8内を照射する照明部11を備えている。また、便蓋17に、当該便蓋17が閉鎖(倒伏)状態かつ照明部11が点灯状態において、ボウル部8内を視認可能とする半透明部18を設けた構成としている。このような構成とすれば、便蓋に調光体を設けたものと比べて便蓋17の構造の簡略化を図ることができる。また、便蓋17が閉鎖された状態で、照明部11が点灯されれば、便蓋17の半透明部18を介してボウル部8内を視認することができる。これにより、便蓋17が閉鎖された状態で洗浄した場合にも、便蓋17を開放させることなく汚物が流れたか否かの確認を半透明部18を介して行うことができる。また、このように視認可能とする窓部が半透明部18であるので、照明部11を点灯させていない状態では、ボウル部8内を目立ち難くすることができる。
【0017】
照明部11は、便座本体部10、便座15及び便器本体部7のうちのいずれかに設けられている。このような構成とすれば、照明部11を便蓋17に設けたものと比べて、便蓋17の構造をより簡略化することができる。本実施形態では、照明部11を、便器本体部7に設けている。このような構成とすれば、便蓋17や便座15を開放(起立)させた状態においても照明部11を点灯させてボウル部8を照射するようなことも可能となる。
また、この照明部11を、ボウル部8の上端周縁部に沿って設けられたリム部9の奥側リム部9a内において下方側の排水口12に向けて照射するように設けた構成としている。奥側リム部9aは、後方側に向けて開口し、照明部11の収容スペースとなる凹所を区画するように形成されている。この奥側リム部9aの下側壁部(溝部側壁部)には、照明部11からの照射光を透過させる透過部9bが設けられている。
【0018】
この照明部11としては、発光素子としてのLED(発光ダイオード)を光源としたものでもよい。また、一つの照明部11を設けた構成に限られず、複数の照明部11を設けた構成としてもよい。また、照明部11は、半透明部18を介してボウル部8の排水口12やその周囲が視認可能なようにボウル部8内を照射するように設けられていればよく、奥側リム部9aに設けた態様に限られない。例えば、照明部11を奥側リム部9aに設けた構成に代えて、または加えて、ボウル部8の周壁部や、便座本体部10、便座15、便蓋17等の種々の箇所に設けた構成としてもよい。
【0019】
便蓋17の半透明部18は、便蓋17が閉鎖状態かつ照明部11が消灯状態では、ボウル部8内が視認し難い構成とされている。このような構成とすれば、便蓋17が閉鎖された状態で、照明部11が消灯された状態では、ボウル部8内をより目立ち難くすることができる。この半透明部18は、便蓋17の概ね全体に亘って設けられていてもよいが、本実施形態では、便蓋17の一部に設けられている。この半透明部18は、便蓋17が閉鎖された状態で、平面視して排水口12に重なり合うように設けられている(
図3(b)参照)。この半透明部18は、ボウル部8の開口に対応させて便座15に設けられた貫通孔16と平面視して概ね一致するような大きさとされていてもよく、また、平面視して貫通孔16内に位置するように設けられていてもよい。図例では、この半透明部18を、貫通孔16よりも小さくした例を示している。この半透明部18の大きさは、便蓋17が閉鎖状態かつ照明部11が点灯状態で、排水口12及びその周囲の視認が可能なように適宜の大きさとしてもよい。
【0020】
また、半透明部18は、不透明な便蓋17の中央部に設けられた貫通孔に嵌め込まれるように設けられていてもよい。この半透明部18としては、アクリルやポリカーボネート等の透光性を有した合成樹脂系材料や、ガラス等に着色等を施して半透明とされたものであってもよい。この半透明部18は、例えば、可視光線透過率が10%~40%程度とされたものであってもよく、好ましくは、20%以下とされたものであってもよく、より特定的には、15%程度とされたものであってもよい。また、この半透明部18は、便蓋17のその他の部位と同色系(例えば、グレー系)とされたものであってもよい。なお、
図1、
図3(a)及び
図5では、厚さ方向一方側から見て厚さ方向他方側が視認し難い状態の半透明部18をクロスハッチングとして示し、
図3(b)では、厚さ方向一方側から見て厚さ方向他方側が視認可能な状態の半透明部18を透明として示している。
【0021】
また、便器装置1は、
図4(a)に示すように、照明部11を制御する制御部20を備えている。この制御部20には、CPU(Central Processing Unit)等の制御回路や、ROMやRAM等の各種のメモリー等によって構成され、制御プログラム等を格納する記憶部、電源部等が設けられている。また、この制御部20には、上記した給水弁5や照明部11、トラップ駆動部14、便蓋駆動部19等が信号線等を介してそれぞれ接続されている。この制御部20によって当該便器装置1の各部が制御され、後記する基本動作の一例が実行される。なお、この制御部20は、当該便器装置1専用のものに限られず、また、当該便器装置1から離間した位置に設置されるものでもよい。
【0022】
本実施形態では、制御部20は、
図4(b)に示すように、便蓋17が閉鎖されれば照明部11を点灯させる構成とされている。このような構成とすれば、便蓋17が閉鎖されれば照明部11が点灯されるので、例えば、操作部を操作して照明部11を点灯させる必要があるものと比べて、使い勝手を向上させることができる。なお、制御部20は、ボウル部8に洗浄水を供給する洗浄モードが開始されれば照明部11を点灯させる構成とされていてもよい。このような構成とすれば、洗浄モードが開始されれば照明部11が点灯されるので、上記同様、使い勝手を向上させることができる。
【0023】
また、本実施形態では、制御部20は、ボウル部8に洗浄水を供給する洗浄モードが終了して所定時間が経過すれば照明部11を消灯する構成とされている。このような構成とすれば、洗浄モードが終了して所定時間が経過すれば照明部11が消灯されるので、例えば、操作部を操作して照明部11を消灯する必要があるものと比べて、使い勝手を向上させることができる。
また、本実施形態では、制御部20は、便蓋17が閉鎖状態において洗浄水を供給する構成としている。このような構成とすれば、洗浄時における洗浄水や汚水等のボウル部8外への飛散を抑制することができる。
【0024】
具体的には、
図4(b)に示すように、上記した給水機構の洗浄操作がなされて洗浄モードが開始され(ステップ100)、便蓋17が開放されていれば(ステップ101)、便蓋17を閉鎖させ(ステップ102)、照明部11を点灯させる(ステップ103)。ステップ101において、便蓋17が閉鎖されていれば、照明部11を点灯させる(ステップ103)。このように照明部11を点灯させれば、上記したように閉鎖状態とされた便蓋17の半透明部18を介してボウル部8内の視認が可能となる。なお、開放状態とされた便蓋17の閉鎖は、便蓋駆動部19によってなされるものでもよく、使用者によってなされるものであってもよい。また、この便蓋17の開閉状態の検出は、リミットスイッチやロータリーエンコーダ等の開閉状態検出部によってなされるものであってもよい。
【0025】
また、照明部11の点灯は、便蓋17の閉鎖状態の検出と同時的になされるものでもよく、適宜の遅延時間が経過した後になされるものであってもよい。また、洗浄操作がなされて洗浄モードが開始されれば(ステップ100)、便蓋17の開閉を検出することなく照明部11を点灯させるようにしてもよい。また、洗浄操作は、使用者による洗浄操作部の操作に限られず、着座センサーや人体検知センサーによる離座の検出によってなされるものであってもよい。
また、給水弁5を開放させて洗浄水を供給する(ステップ104)。なお、照明部11を点灯させた後に、給水弁5を開放させる態様に代えて、照明部11の点灯と同時的に給水弁5を開放させる態様や、給水弁5を開放させて所定の遅延時間が経過した後に照明部11を点灯させる態様としてもよい。
【0026】
また、トラップ駆動部14を駆動制御し、筒状トラップ13を排水姿勢として排水し(ステップ105)、次いで、筒状トラップ13を封水姿勢として封水する(ステップ106)。そして、給水弁5を閉鎖させて洗浄水の供給を停止、つまり、洗浄モードを終了させる(ステップ107)。給水弁5が閉鎖されてから所定時間が経過すれば(ステップ108)、照明部11を消灯させる(ステップ109)。この所定時間は、汚物が流れたか否かの確認が可能なように適宜の時間としてもよく、例えば、1~10秒程度であってもよい。なお、上記のように制御部20によって照明部11の点灯及び消灯が制御される態様に代えて、照明部11の点灯及び消灯の両方または一方が手動操作によってなされるものであってもよい。さらには、例えば、人体検知センサー等によって便器装置1の周囲に人体を検知している間は、照明部11を点灯させるような態様等としてもよく、その他、種々の変形が可能である。
【0027】
次に、実施形態に係る便座装置の一例について
図5を参照して説明する。
なお、以下の例では、上記した例と同様に奏する作用効果については、説明を省略する。
本実施形態に係る便座装置1Aは、上方側に向けて開口するボウル部の上側に配される便座15Aと、この便座15Aの上方側からボウル部の開口を開閉する便蓋17Aと、を備えている。この便座装置1Aは、図示省略のボウル部を区画する便器本体部に対して着脱可能に設けられた既設の便座及び便蓋を取り外し、これらの代わりに取り付けられるものであってもよい。つまり、この便座装置1Aの便座本体部10Aは、上記した便器装置1の便座本体部10のように便器本体部7に対して言わば一体的に設けられたものではなく、便器本体部に対して言わば後付的に設置可能とされている。
【0028】
また、この便座装置1Aは、ボウル部内を照射する照明部11Aを備えている。この照明部11Aは、便座15A及び便蓋17Aを回転自在に保持する便座本体部10Aに設けられている。図例では、便器本体部のボウル部後端部に載置される載置部10aに、ボウル部内に臨むように照明部11Aを設けた例を示している。
また、便蓋17Aには、上記同様、当該便蓋17Aが閉鎖状態かつ照明部11Aが点灯状態において、ボウル部内を視認可能とする半透明部18Aが設けられている。この半透明部18Aは、上記同様、便蓋17Aが閉鎖状態で、平面視して便座15Aの貫通孔16A内に位置するように設けられている。
【0029】
この便座装置1Aにおいても、上記と概ね同様、適所に設けられた制御部によって照明部11Aの制御がなされるものであってもよい。例えば、洗浄操作がなされてから、または便蓋17Aが閉鎖されてから、所定時間が経過するまで照明部11Aを点灯させるようにしてもよい。そして、所定時間が経過すれば、照明部11Aを消灯させるようにしてもよい。この所定時間は、洗浄が終了したボウル部内の確認が可能な時間であればよく、例えば、20秒~60秒程度であってもよい。なお、照明部11Aの点灯及び消灯は、制御部によってなされる態様に限られず、両方または一方が手動操作によってなされるものであってもよく、その他、種々の変形が可能である。また、各実施形態に係る便器装置1及び便座装置1Aの各部材及び各部の構成は、一例に過ぎず、その他、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 便器装置
1A 便座装置
7 便器本体部
8 ボウル部
10,10A 便座本体部
11,11A 照明部
15,15A 便座
17,17A 便蓋
18,18A 半透明部
20 制御部