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特許7515093制御システム、基板製造システム、制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】制御システム、基板製造システム、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/34 20060101AFI20240705BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
H05K3/34 505B
H05K13/04 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018038062
(22)【出願日】2018-03-02
(65)【公開番号】P2019153701
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2021-01-12
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 健二
(72)【発明者】
【氏名】鉄 婉玉
【合議体】
【審判長】河本 充雄
【審判官】中野 浩昌
【審判官】三浦 みちる
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-229477(JP,A)
【文献】特開2007-184450(JP,A)
【文献】特開2002-84097(JP,A)
【文献】特開2014-103192(JP,A)
【文献】特開2009-4453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K3/34
H05K13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に設けられた基板側電極にヘッドを対向させて前記ヘッドから導電性の接合材を塗布する塗布部を制御する制御システムであって、
前記基板側電極の第1座標系での位置を表す基板側位置情報と、前記基板側電極に実装される部品の有する部品側電極の第2座標系での位置を表す部品側位置情報と、を取得し、前記部品側位置情報に基づく前記第1座標系での前記部品側電極の位置に基づいて、前記接合材の塗布位置を決定する決定処理を実行し、
前記部品側電極の前記第2座標系での位置は、部品側基準点を基準に設定されており、前記塗布位置は、前記基板側位置情報における基板側基準点の位置と、前記部品側基準点の位置と、を合わせるように決定され、
前記決定処理において、前記基板側電極のうち前記部品側電極が重なる部位を前記塗布位置として決定する、
制御システム。
【請求項2】
前記部品側位置情報は、前記部品を前記基板に実装する実装部で用いる情報を記憶する記憶部に記憶されており、
前記記憶部に記憶された前記部品側位置情報を用いて、前記塗布位置を決定する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記部品側位置情報を前記記憶部から取得する、
請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記基板側電極の前記第1座標系での位置から求まる基板側基準点を前記基板側位置情報として用いる、
請求項1~3のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項5】
前記第1座標系において、前記基板の基準線と、前記基板側電極と他の基板側電極とを結ぶ直線とがなす角度に基づいて、前記塗布位置を調整する調整機能を更に有する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項6】
前記部品を前記基板に実装する実装部に対して、前記基板側位置情報に基づく制御を行うための情報を出力する実装制御機能を更に有する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項7】
前記実装制御機能は、前記塗布位置の決定に用いた前記基板側位置情報を前記実装部へ出力することで実現される、
請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の制御システムと、
前記制御システムで決定された前記塗布位置に前記ヘッドを対向させて前記ヘッドから前記接合材を塗布する前記塗布部と、を備える、
基板製造システム。
【請求項9】
前記基板側電極の前記第1座標系での位置を検査する検査部を更に備え、
前記制御システムは、前記検査部での検査結果を前記基板側位置情報として取得する、
請求項8に記載の基板製造システム。
【請求項10】
前記部品を前記基板に実装する実装部を更に備える、
請求項8又は9に記載の基板製造システム。
【請求項11】
基板に設けられた基板側電極にヘッドを対向させて前記ヘッドから導電性の接合材を塗布する塗布部を制御する制御方法であって、
前記基板側電極の第1座標系での位置を表す基板側位置情報と、前記基板側電極に実装される部品の有する部品側電極の第2座標系での位置を表す部品側位置情報と、を取得し、前記部品側位置情報に基づく前記第1座標系での前記部品側電極の位置に基づいて、前記接合材の塗布位置を決定する決定処理を実行し、
前記部品側電極の前記第2座標系での位置は、部品側基準点を基準に設定されており、前記塗布位置は、前記基板側位置情報における基板側基準点の位置と、前記部品側基準点の位置と、を合わせるように決定され、
前記決定処理において、前記基板側電極のうち前記部品側電極が重なる部位を前記塗布位置として決定する、
制御方法。
【請求項12】
基板に設けられた基板側電極にヘッドを対向させて前記ヘッドから導電性の接合材を塗布する塗布部を制御するためのプログラムであって、
コンピュータシステムに、
前記基板側電極の第1座標系での位置を表す基板側位置情報と、前記基板側電極に実装される部品の有する部品側電極の第2座標系での位置を表す部品側位置情報と、を取得し、前記部品側位置情報に基づく前記第1座標系での前記部品側電極の位置に基づいて、前記接合材の塗布位置を決定する決定処理を実行させ、
前記部品側電極の前記第2座標系での位置は、部品側基準点を基準に設定されており、前記塗布位置は、前記基板側位置情報における基板側基準点の位置と、前記部品側基準点の位置と、を合わせるように決定され、
前記決定処理において、前記基板側電極のうち前記部品側電極が重なる部位を前記塗布位置として決定する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に制御システム、基板製造システム、制御方法、及びプログラムに関する。より詳細には、本開示は、基板に導電性の接合材を塗布する塗布部を制御する制御システム、それを用いた基板製造システム、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子部品を基板に装着する電子部品装着システムが開示されている。この電子部品装着システムは、ディスペンサからはんだを吐出するはんだ塗布装置を備えている。はんだ塗布装置は、基板の各電極に印刷されたはんだの印刷状態を検査する機能を有しており、はんだの印刷量が所定の基準量を満たしていない電極に対してはんだを追加して塗布する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-103192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の電子部品装着システム(基板製造システム)では、はんだ塗布装置(塗布部)は、はんだ量が不十分であるとの判定を受けたはんだ部に対応する電極(基板側電極)の中心位置に、はんだ(接合材)を塗布している。このため、この電子部品装着システムでは、はんだの塗布後に、電子部品装着装置(実装部)が部品を実装する位置を補正したとしても、依然として部品をはんだからずれた位置に実装してしまう可能性があった。
【0005】
本開示は、上記の点に鑑みてなされており、部品を接合材からずれた位置に実装する可能性を低減することのできる制御システム、基板製造システム、制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る制御システムは、塗布部を制御する制御システムである。前記塗布部は、基板に設けられた基板側電極にヘッドを対向させて前記ヘッドから導電性の接合材を塗布する。前記制御システムは、基板側位置情報と、部品側位置情報と、を取得し、前記部品側位置情報に基づく前記第1座標系での前記部品側電極の位置に基づいて、前記接合材の塗布位置を決定する決定処理を実行する。前記基板側位置情報は、前記基板における前記基板側電極の第1座標系での位置を表す情報である。前記部品側位置情報は、前記基板側電極に実装される部品の有する部品側電極の第2座標系での位置を表す情報である。前記部品側電極の前記第2座標系での位置は、部品側基準点を基準に設定されている。前記塗布位置は、前記基板側位置情報における基板側基準点の位置と、前記部品側基準点の位置と、を合わせるように決定される。前記決定処理において、前記基板側電極のうち前記部品側電極が重なる部位を前記塗布位置として決定する。
【0007】
本開示の一態様に係る基板製造システムは、上記の制御システムと、前記塗布部と、を備える。前記塗布部は、前記制御システムで決定された前記塗布位置に前記ヘッドを対向させて前記ヘッドから前記接合材を塗布する。
【0008】
本開示の一態様に係る制御方法は、塗布部を制御する制御方法である。前記塗布部は、基板に設けられた基板側電極にヘッドを対向させて前記ヘッドから導電性の接合材を塗布する。前記制御方法は、基板側位置情報と、部品側位置情報と、を取得し、前記部品側位置情報に基づく前記第1座標系での前記部品側電極の位置に基づいて、前記接合材の塗布位置を決定する決定処理を実行する。前記基板側位置情報は、前記基板における前記基板側電極の第1座標系での位置を表す情報である。前記部品側位置情報は、前記基板側電極に実装される部品の有する部品側電極の第2座標系での位置を表す情報である。前記部品側電極の前記第2座標系での位置は、部品側基準点を基準に設定されている。前記塗布位置は、前記基板側位置情報における基板側基準点の位置と、前記部品側基準点の位置と、を合わせるように決定される。前記決定処理において、前記基板側電極のうち前記部品側電極が重なる部位を前記塗布位置として決定する。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、塗布部を制御するためのプログラムである。前記塗布部は、基板に設けられた基板側電極にヘッドを対向させて前記ヘッドから導電性の接合材を塗布する。前記プログラムは、コンピュータシステムに決定処理を実行させるためのプログラムである。前記決定処理は、基板側位置情報と、部品側位置情報と、を取得し、前記部品側位置情報に基づく前記第1座標系での前記部品側電極の位置に基づいて、前記接合材の塗布位置を決定する処理である。前記基板側位置情報は、前記基板における前記基板側電極の第1座標系での位置を表す情報である。前記部品側位置情報は、前記基板側電極に実装される部品の有する部品側電極の第2座標系での位置を表す情報である。前記部品側電極の前記第2座標系での位置は、部品側基準点を基準に設定されている。前記塗布位置は、前記基板側位置情報における基板側基準点の位置と、前記部品側基準点の位置と、を合わせるように決定される。前記決定処理において、前記基板側電極のうち前記部品側電極が重なる部位を前記塗布位置として決定する。
【発明の効果】
【0010】
本開示は、部品を接合材からずれた位置に実装する可能性を低減することができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る制御システムによる接合材の塗布位置の決定処理の説明図である。
図2図2は、同上の制御システムを用いた基板製造システムの概略構成を示すブロック図である。
図3図3は、同上の基板製造システムにおける塗布部の外観斜視図である。
図4図4は、同上の基板製造システムの動作を説明するフローチャートである。
図5図5は、同上の制御システムの動作を説明するフローチャートである。
図6図6A及び図6Bは、それぞれ比較例の制御システムにより接合材の塗布位置を決定したときの部品の実装例を示す概念図である。
図7図7A及び図7Bは、それぞれ本開示の一実施形態に係る制御システムにより接合材の塗布位置を決定したときの部品の実装例を示す概念図である。
図8図8は、本開示の一実施形態の変形例の制御システムにより接合材の塗布位置を決定したときの接合材の塗布位置を示す概念図である。
図9図9A及び図9Bは、それぞれ本開示の一実施形態の変形例の基板製造システムの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1)概要
本実施形態に係る制御システム1は、図2に示すように、基板製造システム100に用いられる。基板製造システム100は、基板6を製造する製造ラインに用いられる。本実施形態では、基板6は、例えば矩形状の1枚のプリント配線板である。本開示でいう「基板の製造」とは、図1に示すように、基板6に設けられた複数の基板側電極61に対して、対応する部品7の部品側電極71を接合材A1により接合して実装することで、部品7が実装された基板6を製造することをいう。また、本開示でいう「部品」とは、例えばコンデンサ、抵抗器、インダクタ、トランス、IC(Integrated Circuit)、コネクタ、又はスイッチ等の表面実装型の電子部品である。なお、部品7は、上記の電子部品に限らず、部品側電極71を有しており、基板6の基板側電極61に実装可能であれば他の部品であってもよい。
【0013】
制御システム1は、塗布部3を制御する制御システムである。塗布部3は、図3に示すように、基板6に設けられた基板側電極61にヘッド31を対向させて、ヘッド31から導電性の接合材A1を塗布する。接合材A1は、例えばクリームはんだ等のはんだ、及び導電性ペースト等である。本開示でいう「塗布部を制御する」とは、塗布部3を直接的に制御することだけではなく、塗布部3に制御用のデータを出力することにより、塗布部3を間接的に制御することも含む。
【0014】
つまり、塗布部3は、基板6に設けられた複数の基板側電極61に対して一括して接合材A1を印刷する構成とは異なり、複数の基板側電極61の各々に接合材A1を順次塗布する構成である。
【0015】
制御システム1は、基板側位置情報と、部品側位置情報と、に基づいて、接合材A1の塗布位置を決定する決定処理を実行する。本実施形態では、決定処理は、基板6に設けられた複数の基板側電極61の各々について実行される。つまり、接合材A1の塗布位置は、複数の基板側電極61ごとに決定される。本実施形態では、決定処理は、塗布部3の上流側に位置する検査部2(後述する)の検査結果を用いて実行されるフィードフォワード処理である。
【0016】
基板側位置情報は、基板側電極61の第1座標系C1での位置を表す情報である。本開示でいう「第1座標系」は、図1に示すように、基板6の長手方向をX方向、基板6の短手方向をY方向、基板6の厚さ方向をZ方向とする直交座標系である。つまり、本実施形態では、第1座標系C1は、基板6の一面(ここでは、基板側電極61が設けられる一面)をXY平面とする直交座標系である。なお、第1座標系C1の原点は、例えば基板6の上記一面における任意の一点(例えば、基板6の上記一面のいずれかの頂点)に設定されてよい。
【0017】
部品側位置情報は、基板側電極61に実装される部品7の有する部品側電極71の第2座標系C2での位置を表す情報である。本開示でいう「第2座標系」は、部品7の長手方向をx方向、部品7の短手方向をy方向、部品7の厚さ方向をz方向とする直交座標系である。つまり、第2座標系C2は、部品7の一面(ここでは、部品側電極71が設けられる一面)をxy平面とする直交座標系である。なお、第2座標系C2の原点は、例えば部品7の上記一面における任意の一点(例えば、部品7の上記一面のいずれかの頂点)に設定されてよい。そして、第1座標系C1と第2座標系C2とは、異なる座標系である。
【0018】
なお、図1、及びその他の図面において第1座標系C1を表す矢印等は、説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。同様に、図1において第2座標系C2を表す矢印等は、説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。また、図1、及び後述する図6A図8の各々において、「61」は、基板6が伸縮した後の基板側電極61、つまり位置ずれが生じた場合の基板側電極を示している。また、図1、及び後述する図6A図8の各々において、「63」は、基板6が伸縮しない場合の、つまり位置ずれが生じていない場合の仮想的な基板側電極を示している。基板6の伸縮については、後述する「(3.3)比較」にて詳細に説明する。
【0019】
上述のように、本実施形態の制御システム1は、基板側位置情報と、部品側位置情報と、に基づいて、接合材A1の塗布位置を決定する。つまり、制御システム1は、部品7における部品側電極71の位置を参照することにより、部品7を基板6に実装する際に基板側電極61のうち部品側電極71と重なり合う箇所を、接合材A1の塗布位置として決定しやすくすることが可能になる。したがって、本実施形態の制御システム1では、部品7を実装する際に、部品側電極71を基板側電極61に塗布された接合材A1に載せやすく、部品7を接合材A1からずれた位置に実装する可能性を低減することができる、という利点がある。
【0020】
(2)基本構成
以下、本実施形態に係る制御システム1及び基板製造システム100の基本構成について説明する。基板製造システム100は、図2に示すように、制御システム1と、検査部2と、塗布部3と、実装部4と、リフロー部5と、を備えている。本実施形態では、これらは各々固有の装置で構成されている。本実施形態では、基板製造システム100は、上流側から順に検査部2、塗布部3、実装部4、及びリフロー部5が直列に連結して構成されている。そして、一面に複数の基板側電極61が設けられた基板6が、例えばベルトコンベア等の搬送機構により検査部2に供給される。基板6は、搬送機構により、検査部2、塗布部3、実装部4、及びリフロー部5の順に搬送される。
【0021】
検査部2、塗布部3、実装部4、及びリフロー部5は、通信ネットワークN1を介して制御システム1に接続されている。制御システム1は、通信ネットワークN1を介して、基板製造システム100を構成する他の機能部(ここでは、検査部2、塗布部3、実装部4、及びリフロー部5)との間で信号の授受を行う。通信ネットワークN1は、有線通信方式のネットワークであってもよいし、無線通信方式のネットワークであってもよい。更には、通信ネットワークN1は、有線通信方式のネットワークと、無線通信方式のネットワークとを組み合わせたネットワークであってもよい。
【0022】
制御システム1は、例えば1台のコンピュータにより構成されており、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を備えている。
【0023】
制御部11は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、制御部11の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0024】
記憶部12は、例えば制御部11での制御に参照される情報を記憶している。本実施形態では、記憶部12は、部品データを記憶している。部品データは、基板6への実装対象となる部品7に関する情報であり、塗布部3及び実装部4にて直接的に又は間接的に参照される。また、部品データには、部品7ごとのデータが含まれている。例えば、同じ種類の部品7であっても製造者によって部品7の寸法等が異なる場合、部品データには、製造者ごとの部品7のデータが含まれることになる。
【0025】
部品データには、部品7の外形、サイズ、部品側電極71の数、部品側電極71の位置、及び部品側電極71の寸法等の部品側位置情報が含まれている。本実施形態では、部品側位置情報は、第2座標系C2における部品7の部品側基準点72(図1参照)を中心とする座標、及び部品側基準点72からの距離等で規定されている。つまり、本実施形態では、部品側電極71の第2座標系C2での位置は、部品側基準点72を基準に設定されている。また、部品データには、実装部4による部品7の実装動作の条件を規定した実装動作情報が含まれている。実装動作情報には、例えば、部品7の種類に対応して用いられる吸着ノズルの種類、吸着ノズルの吸着速度、及び吸着ノズルの装着速度などが含まれている。吸着速度は、吸着ノズルにより、部品供給部(例えば、テープフィーダ)から部品7を吸着して取り出す速度である。装着速度は、吸着ノズルにより、吸着した部品7を基板6に載せる速度である。その他、部品データには、製造対象の基板6における部品7の実装位置を表す情報等が含まれている。部品7の実装位置は、例えば第1座標系C1での座標で表される。
【0026】
通信部13は、通信ネットワークN1を介して検査部2、塗布部3、実装部4、及びリフロー部5との間で、有線通信方式で通信を行う通信インタフェースである。
【0027】
本実施形態では、制御システム1は、検査部2、塗布部3、実装部4、及びリフロー部5の各々との間で信号を授受することにより、これらの機能部を管理する管理コンピュータとして機能する。例えば、制御システム1は、検査部2での検査結果を取得する。そして、制御システム1は、取得した検査結果、又は取得した検査結果に基づいて演算したデータを、塗布部3、実装部4、又はリフロー部5へ出力する。これにより、塗布部3、実装部4、又はリフロー部5は、制御システム1から取得したデータに基づいた制御を実行する。つまり、制御システム1は、上流側の装置から取得したデータに基づいて、下流側の装置を直接的に又は間接的にフィードフォワード制御する。また、制御システム1は、下流側の装置から取得したデータに基づいて、上流側の装置を直接的に又は間接的にフィードバック制御する。以下では、主として、制御システム1が塗布部3を制御する機能について説明する。
【0028】
また、本実施形態では、制御システム1は、決定処理により決定した接合材A1の塗布位置を表すデータを、通信ネットワークN1を介して塗布部3へ出力することにより、塗布部3を制御する。決定処理については、後述する「(3.2)制御システムの動作」にて詳細に説明する。
【0029】
検査部2は、基板6に設けられた基板側電極61の位置を検出し、基板6における基板側電極61の位置を表す検査結果を、通信ネットワークN1を介して制御システム1へ出力する。言い換えれば、検査部2は、基板側電極61の第1座標系C1での位置を検査する。検査部2は、搬送機構により搬送された基板6を所定位置に位置決めする位置決め部と、位置決め部に位置決めされた基板6を撮像するカメラと、を有している。検査部2は、カメラの撮像結果を画像処理することにより、基板6における基板側電極61の位置を検出する。本実施形態では、基板6に予め付された認識マークに基づいて、基板6における基板側電極61の位置を検出する。認識マークは、例えば基板6の実装面における角に設けられる。その他、認識マークは、例えば複数の基板側電極61のうち実装精度が要求される部品が実装される基板側電極61の近傍に設けられる。この場合、例えば基板側電極61を挟むようにして一対の認識マークが設けられる。検査部2は、検査結果を基板側位置情報として制御システム1に出力する。
【0030】
塗布部3は、図3に示すように、ヘッド31と、駆動機構32と、を備えている。ヘッド31は、基板6を撮像するカメラと、例えばジェットディスペンサ等の接合材A1(ここでは、はんだ)を吐出する吐出機構と、を有している。駆動機構32は、備え付けのモータにより、ヘッド31をX方向、Y方向、及びZ方向の各々の方向にスライド移動させるように構成されている。塗布部3は、制御システム1で決定された塗布位置にヘッド31を対向させて、ヘッド31から接合材A1を塗布する。本実施形態では、塗布部3は、制御システム1で決定された基板6の第1座標系C1での座標(X座標、Y座標)に、接合材A1を塗布する。
【0031】
塗布部3は、塗布対象の基板6が位置決め部に位置決めされた状態で、カメラにて基板6を撮像することにより、基板6の位置を認識する。そして、ヘッド31は、駆動機構32により、塗布対象の基板側電極61に対向する位置まで移動する。このとき、ヘッド31は、第1座標系C1におけるX方向及びY方向に、つまりXY平面(仮想平面)上を移動する。また、このとき、ヘッド31は、塗布対象の基板側電極61であって、制御システム1で決定された塗布位置の上方まで移動する。そして、ヘッド31は、駆動機構32により、基板側電極61に向かって下降し、下降した状態で接合材A1を吐出することにより、塗布対象の基板側電極61の塗布位置に接合材A1を塗布する。このとき、ヘッド31は、第1座標系C1におけるZ方向に移動する。その後、ヘッド31は、駆動機構32により、基板側電極61から離れる向きに上昇する。以下、ヘッド31は、塗布対象の全ての基板側電極61に接合材A1を塗布するまで、上記の動作を繰り返す。
【0032】
実装部4は、搬送機構により搬送された基板6を位置決めする位置決め部と、ヘッドと、駆動機構と、を有している。ヘッドは、基板6を撮像するカメラと、部品7を吸着する吸着ノズルと、を有している。駆動機構は、備え付けのモータにより、ヘッドをX方向、Y方向、及びZ方向の各々の方向にスライド移動させるように構成されている。実装部4は、部品7の有する部品側電極71が、対応する基板側電極61に重なり合うように、部品7を基板6に実装する。
【0033】
実装部4は、実装対象の基板6が位置決め部に位置決めされた状態で、カメラにて基板6を撮像することにより、基板6の位置を認識する。そして、ヘッドは、駆動機構により、部品供給部まで移動し、吸着ノズルにより実装対象の部品7を吸着する。その後、ヘッドは、実装対象の基板側電極61に対向する位置まで移動する。そして、ヘッドは、駆動機構により、基板側電極61に向かって下降し、下降した状態で部品7を基板側電極61(基板側電極61に塗布された接合材A1)に載せる。その後、ヘッドは、駆動機構により、基板側電極61から離れる向きに上昇する。以下、ヘッドは、実装対象の全ての基板側電極61に部品7を実装するまで、上記の動作を繰り返す。
【0034】
本実施形態では、実装部4は、部品7を基板6に実装する前に、検査部2での検査結果、つまり基板側位置情報を制御システム1から取得している。言い換えれば、制御システム1は、部品7を基板6に実装する実装部4に対して、基板側位置情報に基づく制御を行うための情報を出力する実装制御機能を更に有している。また、本実施形態では、実装制御機能は、制御システム1が塗布位置の決定に用いた基板側位置情報を、実装部4へ出力することで実現されている。つまり、本実施形態では、「基板側位置情報に基づく制御を行うための情報」は、基板側位置情報自体である。
【0035】
このため、実装部4は、基板側位置情報を参照することで、部品7の実装対象である基板6における基板側電極61の位置を把握している。したがって、実装部4は、基板側電極61に対応する部品7の部品側電極71が重なり合うように、部品7を基板6に実装することが可能である。例えば、実装部4は、基板側位置情報を参照して部品7の実装位置を補正し、補正した実装位置にて部品7を実装する。実装位置の補正は、例えば2つの基板側電極61に対応する部品7を実装する場合、2つの基板側電極61間の中心の位置ずれを、基板側位置情報を参照して求めることにより行われる。
【0036】
リフロー部5は、実装部4にて部品7が実装された基板6を加熱することにより、部品7を基板6に接合する。具体的には、リフロー部5は、それぞれ所定の温度条件で加熱された1以上の加熱ゾーンを有する加熱室に、搬送機構により搬送される基板6を通過させることで、接合材A1を加熱して溶融させる。溶融した接合材A1は、基板側電極61と部品側電極71とを濡らし、その後、冷えて固化する。これにより、接合材A1を介して基板側電極61に部品側電極71が接合される。なお、リフロー部5は、加熱室にて接合材A1を加熱する処理の後に、クーラーにて接合材A1を冷却する処理を実行してもよい。
【0037】
(3)動作
以下、本実施形態の制御システム1及び基板製造システム100の動作について説明する。
【0038】
(3.1)基板製造システムの動作
まず、基板製造システム100の基本動作について図4を用いて説明する。第1に、検査部2は、搬送機構により搬送された基板6の検査を実行する(S1)。これにより、基板6における基板側電極61の位置が検出される。検査部2での検査結果は、基板側位置情報として制御システム1へ出力される(S2)。そして、検査部2で検査された基板6は、搬送機構により塗布部3へ搬送される。
【0039】
制御システム1は、塗布部3に搬送された基板6に実装する部品7の情報(部品側位置情報)を、記憶部12から取得する。そして、制御システム1は、この部品側位置情報と、検査部2から取得した基板側位置情報と、に基づいて、基板6の全ての基板側電極61の各々について、後述する決定処理を実行する。決定処理により決定された塗布位置に関する塗布位置情報は、制御システム1から塗布部3へ出力される。
【0040】
塗布部3は、搬送機構により搬送された基板6の全ての基板側電極61の各々について、制御システム1から取得した塗布位置情報に基づく塗布位置に接合材A1を塗布する(S3)。塗布部3で接合材A1が塗布された基板6は、搬送機構により実装部4へ搬送される。
【0041】
実装部4は、搬送機構により搬送された基板6の全ての基板側電極61の各々について、対応する部品7の部品側電極71が重なり合うように部品7を実装する(S4)。実装部4で部品7が実装された基板6は、搬送機構によりリフロー部5へ搬送される。
【0042】
そして、リフロー部5は、搬送機構により搬送された基板6を加熱することで、リフロー処理を実行する(S5)。これにより、全ての基板側電極61の各々に塗布された接合材A1が溶融し、溶融した接合材A1により基板側電極61に部品側電極71が接合される。これにより、基板6への部品7の実装が完了する。
【0043】
(3.2)制御システムの動作
次に、制御システム1の動作について図5を用いて説明する。制御システム1は、搬送機構により基板6が塗布部3に搬送されるまでに、以下の決定処理を実行する。決定処理は、基板6の全ての基板側電極61の各々について実行される。決定処理を実行するにあたり、制御システム1は、決定処理にて用いる基板側位置情報を取得する(S11)。本実施形態では、制御システム1は、通信ネットワークN1を介して検査部2での検査結果を基板側位置情報として取得する。また、本実施形態では、図1に示す基板側基準点62が基板側位置情報として用いられる。基板側基準点62は、部品7が実装される複数の基板側電極61の第1座標系C1での位置から求まる。具体的には、部品7の部品側電極71が2つである場合、部品7が実装される基板側電極61も2つである。そして、2つの基板側電極61の各々の中心点を結ぶ線分の中点が基板側基準点62となる。
【0044】
次に、制御システム1は、部品側位置情報を取得する(S12)。本実施形態では、制御システム1は、記憶部12から部品側位置情報を読み出すことにより、実装対象の部品7の部品側位置情報を取得する。なお、上記のステップS11とステップS12とは、前後が逆であってもよい。本実施形態では、図1に示す部品側基準点72が部品側位置情報として用いられる。部品側基準点72は、部品7の有する複数の部品側電極71の第2座標系C2での位置から求まる。具体的には、部品7の有する部品側電極71が2つである場合、2つの部品側電極71の各々の中心点を結ぶ線分の中点が部品側基準点72となる。
【0045】
そして、制御システム1は、基板側位置情報と、部品側位置情報と、に基づいて、接合材A1の塗布位置を決定する(S13)。本実施形態では、塗布位置は、基板側位置情報における基板側基準点62の位置と、部品側基準点72の位置と、を合わせるように決定される。つまり、本実施形態では、制御システム1は、演算により、部品側基準点72の第2座標系C2での位置を、第1座標系C1での位置に変換する。そして、制御システム1は、基板側基準点62の第1座標系C1での位置と、部品側基準点72の第1座標系C1での位置とが一致する場合に、基板側電極61において対応する部品側電極71が重なり合う位置を接合材A1の塗布位置として決定する。その後、制御システム1は、決定した塗布位置を含む塗布位置情報を、通信ネットワークN1を介して塗布部3へ出力することにより、塗布部3を間接的に制御する(S14)。
【0046】
(3.3)比較
以下、比較例の制御システムとの比較を交えて、本実施形態の制御システム1の利点について図6A図7Bを用いて説明する。比較例の制御システムは部品側位置情報を用いずに接合材A1の塗布位置を決定する点で、本実施形態の制御システム1と相違する。比較例の制御システムは、基板6における基板側電極61の位置ずれが生じた場合に、部品7の実装不良を起こす可能性がある。基板側電極61の位置ずれは、温度変化、又は基板6の反り等によって基板6が伸縮することにより生じ得る。また、部品7の微小化により、基板6として、フィルム状の基板といったフレキシブル基板が要求される場合がある。基板6がフレキシブル基板のように変形しやすい基板であれば、基板6が伸縮しやすく、結果として基板側電極61の位置ずれは、より生じやすくなる。
【0047】
比較例の制御システムでは、決定処理において、基板側位置情報のみを用いて接合材A1の塗布位置を決定する。つまり、比較例の制御システムでは、基板側位置情報(つまり、基板6における基板側電極61の位置)に基づいて、例えば基板側電極61の中心を塗布位置として決定する。このとき、比較例の制御システムでは、部品7に関する情報を参照していない。したがって、比較例の制御システムは、例えば基板6の伸縮によって基板側電極61の位置ずれが生じたとしても、単に基板側電極61の予め定められた特定位置(ここでは、基板側電極61の中心)を塗布位置として決定することになる。
【0048】
ここで、本実施形態の制御システム1の代わりに比較例の制御システムを備えた基板製造システムにおいて、例えば基板6の任意の2つの基板側電極61に対して、2つの部品側電極71を有する部品7を実装すると仮定する。また、基板6がX方向に延びることにより、2つの基板側電極61の間の距離が、正常時の距離よりも長くなっていると仮定する。ここでいう「正常時の距離」とは、基板6が伸縮しない場合における、2つの仮想的な基板側電極63の間の距離をいう。この場合、比較例の制御システムは、決定処理において、基板側位置情報のみを参照することにより、2つの基板側電極61の各々の中心を接合材A1の塗布位置として決定する。そして、塗布部3は、図6Aに示すように、2つの基板側電極61の各々について、比較例の制御システムで決定された塗布位置(つまり、基板側電極61の中心)に接合材A1を塗布する。ここで、2つの接合材A1の中心間の距離は、2つの部品側電極71の中心間の距離よりも長くなっている。したがって、図6Bに示すように、実装部4が2つの部品側電極71のうち一方の部品側電極71を、2つの接合材A1のうちの一方の接合材A1に載せたとしても、他方の部品側電極71を他方の接合材A1に載せることができない。また、仮に他方の部品側電極71を他方の接合材A1に載せることができたとしても、部品7を不安定な状態で接合材A1に載せることになる。このような状態でリフロー部5にて基板6を加熱しても、基板側電極61と部品側電極71との電気的な接続が十分になされないまま部品7の実装が完了してしまい、部品7の実装不良を招く可能性がある。
【0049】
次に、上記と同様の条件で、本実施形態の制御システム1を備えた基板製造システム100において、2つの基板側電極61に対して、2つの部品側電極71を有する部品7を実装すると仮定する。この場合、制御システム1は、決定処理において、基板側位置情報のみならず、部品側位置情報も参照する。これにより、制御システム1は、図7Aに示すように、基板側基準点62と部品側基準点72とが一致する場合に、2つの基板側電極61の各々において、対応する部品側電極71と重なり合う部位を接合材A1の塗布位置として決定する。ここでは、制御システム1は、2つの基板側電極61の各々において、中心よりも他方の基板側電極61に寄った位置を塗布位置として決定する。このように塗布位置が決定されているため、2つの接合材A1の中心間の距離は、2つの部品側電極71の中心間の距離と略一致する。したがって、図7Bに示すように、実装部4は、2つの基板側電極61の各々における接合材A1の塗布位置に、対応する部品側電極71を安定した状態で載せることが可能である。この状態でリフロー部5にて基板6を加熱すれば、基板側電極61と部品側電極71との電気的な接続が十分になされた状態で部品7の実装を完了することができ、部品7の実装不良を招きにくくなる。
【0050】
上述のように、本実施形態の制御システム1では、部品7を実装する際に、部品側電極71を基板側電極61に塗布された接合材A1に載せやすく、部品7を接合材A1からずれた位置に実装する可能性を低減することができる、という利点がある。
【0051】
(4)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、制御システム1と同様の機能は、制御方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0052】
一態様に係る制御方法は、塗布部3を制御する制御方法である。塗布部3は、基板6に設けられた基板側電極61にヘッド31を対向させてヘッド31から導電性の接合材A1を塗布する。制御方法は、基板側位置情報と、部品側位置情報と、に基づいて、接合材A1の塗布位置を決定する。基板側位置情報は、基板6における前記基板側電極61の第1座標系C1での位置を表す情報である。部品側位置情報は、基板側電極61に実装される部品7の有する部品側電極71の第2座標系C2での位置を表す情報である。
【0053】
一態様に係るプログラムは、塗布部3を制御するためのプログラムである。塗布部3は、基板6に設けられた基板側電極61にヘッド31を対向させてヘッド31から導電性の接合材A1を塗布する。プログラムは、コンピュータシステムに決定処理を実行させるためのプログラムである。決定処理は、基板側位置情報と、部品側位置情報と、に基づいて、接合材A1の塗布位置を決定する処理である。基板側位置情報は、基板6における前記基板側電極61の第1座標系C1での位置を表す情報である。部品側位置情報は、基板側電極61に実装される部品7の有する部品側電極71の第2座標系C2での位置を表す情報である。
【0054】
以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0055】
本開示における基板製造システム100は、例えば、制御システム1等にコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
【0056】
また、制御システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは制御システム1に必須の構成ではなく、制御システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。更に、制御システム1の少なくとも一部の機能は、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0057】
また、上述の実施形態において、複数の装置に分散されている基板製造システム100の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、上述の実施形態では、検査部2、塗布部3、実装部4、及びリフロー部5はそれぞれ固有の装置で実現されているが、これらの全ての機能が1つの装置に集約されていてもよいし、2以上の装置に分散されていてもよい。
【0058】
また、上述の実施形態において、制御システム1は、1台のコンピュータにより実現されているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、制御システム1は、検査部2、塗布部3、実装部4、及びリフロー部5をそれぞれ構成する複数の装置のうちのいずれか1つの装置が備えるコンピュータシステムにより実現されてもよい。
【0059】
上述の実施形態では、基板製造システム100の製造対象の基板6は1枚の基板であるが、これに限定する趣旨ではない。例えば、基板製造システム100の製造対象の基板6は、複数枚の基板であってもよい。この場合、複数枚の基板は、例えばテーブルに両面テープで貼り付けられた状態で、搬送機構により検査部2、塗布部3、実装部4、及びリフロー部5へ順次搬送される。この場合、複数枚の基板は、基板6として扱われる。つまり、複数枚の基板の各々について、基板製造システム100による工程が実行されることで、複数枚の基板の各々に部品7が実装される。また、基板6は、矩形状に限らず、円形状等の他の形状であってもよい。更に、基板6は、例えばスマートフォン等の電子機器に用いられる、種々の形状を組み合わせた異形基板であってもよい。
【0060】
上述の実施形態では、基板側基準点62は、複数(ここでは、2つ)の基板側電極61の各々の中心点を結ぶ線分の中点であるが、これに限定する趣旨ではない。つまり、基板側基準点62は、基板6における基板側電極61の位置を規定するために基準となる点であればよい。
【0061】
上述の実施形態では、部品側基準点72は、複数(ここでは、2つ)の部品側電極71の中心を結ぶ線分の中心であるが、これに限定する趣旨ではない。例えば、部品側基準点72は、部品7の外形の中心であってもよいし、部品7に仮想的に設定された中心であってもよい。つまり、部品側基準点72は、部品7における部品側電極71の位置を規定するために基準となる点であればよい。
【0062】
上述の実施形態では、制御システム1は、基板側電極61の第1座標系C1での位置から求まる基板側基準点62を、基板側位置情報として用いているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、制御システム1は、基板6に設けられた認識マークを基板側位置情報として用いてもよい。例えば、基板6がX方向又はY方向に一様に伸縮する基板であれば、制御システム1は、基板側位置情報として認識マークを用いることで、認識マークの位置ずれから基板側電極61の位置ずれを推定することが可能である。一方、基板6が例えば上述の異形基板であれば、基板6の位置によって伸縮度合が異なるので、制御システム1は、基板側電極61の第1座標系C1での位置から基板側基準点62を求め、求めた基板側基準点62を基板側位置情報として用いるのが好ましい。その他、制御システム1は、認識マークと基板側基準点62との組み合わせを、基板側位置情報として用いてもよい。
【0063】
上述の実施形態では、制御システム1は、基板側基準点62と、部品側基準点72とを合わせるようにして、接合材A1の塗布位置を決定しているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、制御システム1は、基板側電極61の位置から求まる基板側基準領域と、部品側電極71の位置から求まる部品側基準領域とを合わせるようにして、接合材A1の塗布位置を決定してもよい。基板側基準領域は、例えば基板側基準点62を含む円形状の領域である。部品側基準領域は、例えば部品側基準点72を含む円形状の領域である。もちろん、基板側基準領域及び部品側基準領域は、いずれも円形状以外の形状の領域であってもよい。
【0064】
上述の実施形態において、制御システム1は、調整機能を更に有していてもよい。調整機能は、第1座標系C1において、基板6の基準線L1と、基板側電極61と他の基板側電極61とを結ぶ直線L2とがなす角度θに基づいて、塗布位置を調整する機能である(図8参照)。例えば、基板6が不均等に伸縮した場合、基板側電極61には、X方向及びY方向のいずれか一方向に沿った位置ずれが生じるだけでなく、X方向及びY方向の両方向に沿った位置ずれが生じることも有り得る。この場合、基板側電極61のX方向及びY方向のいずれか一方向についての位置ずれのみを想定して塗布位置を調整するだけでは、接合材A1を基板側電極61に塗布することができない可能性がある。そこで、制御システム1が、調整機能により塗布位置の調整を行うことで、上記の問題を解消し得る。
【0065】
以下、調整機能による塗布位置の調整の一例を、図8を用いて説明する。図8では、基板6が不均等に伸縮することにより、2つの基板側電極61のうちの一方(同図の左側)の基板側電極61の位置がX方向及びY方向の両方向にずれていると仮定する。この場合、制御システム1は、基準線L1と直線L2とがなす角度θに基づいて、一方の基板側電極61における接合材A1の塗布位置を調整する。ここで、基準線L1は、基板6が伸縮しない場合の一方の基板側電極61(つまり、図8の「63」で示す仮想的な基板側電極)の中心と、他方の基板側電極61の中心とを結ぶ直線である。この構成では、接合材A1を基板側電極61からずれた位置に実装する可能性を低減することができる、という利点がある。
【0066】
上述の実施形態において、基板製造システム100は、図9Aに示すように印刷部8を更に備えていてもよい。印刷部8は、例えば検査部2の上流側に配置される。印刷部8は、マスクプレートを用いてスクリーン印刷を実行することにより、基板6の複数の基板側電極61のうち印刷対象の2以上の基板側電極61に接合材A1(例えば、クリームはんだ)を一括して印刷する。この場合、塗布部3は、複数の基板側電極61のうち、印刷部8の印刷対象となった基板側電極61を除いた基板側電極61に対して、接合材A1を塗布すればよい。
【0067】
例えば、基板6に実装する部品7に、サイズの異なる部品7が混在している場合、例えばサイズが比較的小さい部品7に用いる接合材A1を塗布部3にて塗布し、残りの部品7に用いる接合材A1を印刷部8にて印刷してもよい。この場合、塗布部3で接合材A1を塗布する工程と、印刷部8で接合材A1を印刷する工程とは、前後が逆であってもよい。つまり、図9Aにおいて、印刷部8は、塗布部3よりも下流側に配置されていてもよい。
【0068】
また、印刷部8は、基板6の全ての基板側電極61に対して接合材A1を一括して印刷してもよい。この場合、塗布部3は、例えば複数の基板側電極61のうち、印刷部8での印刷結果に不具合のある(例えば、接合材A1が塗布されていない、又は接合材A1の塗布量が不足している)基板側電極61に対して、接合材A1を塗布すればよい。また、この場合、印刷部8での印刷結果に不具合のある基板側電極61を特定できるように、印刷部8と塗布部3との間に、後述する塗布検査部9を設けるのが好ましい。
【0069】
上述の実施形態において、基板製造システム100は、図9Bに示すように塗布検査部9を更に備えていてもよい。塗布検査部9は、塗布部3により接合材A1が塗布された基板6の検査を行う処理、いわゆるSPI(Solder Paste Inspection)処理を実行する装置であり、例えば接合材A1が塗布された状態の基板6を撮像するカメラを有している。塗布検査部9は、塗布部3の下流側に配置される。そして、塗布検査部9は、塗布部3から搬送された基板6を、例えば複数の方向からカメラで撮像することにより、接合材A1の位置、面積、高さが許容範囲内に収まっているか否かを検査する。そして、塗布検査部9は、検査結果を、通信ネットワークN1を介して実装部4へ出力する。実装部4は、塗布検査部9の検査結果に基づいて、基板側電極61のうちの接合材A1が塗布された箇所に部品側電極71が載るように、部品7を基板6に実装する。この構成では、基板側電極61の位置ではなく、接合材A1の塗布位置に基づいて部品7を実装することが可能となるので、部品7の基板6への実装精度を向上することができる、という利点がある。
【0070】
上述の実施形態では、制御システム1の実装制御機能における「基板側位置情報に基づく制御を行うための情報」は、基板側位置情報自体であったが、これに限定する趣旨ではない。例えば、「基板側位置情報に基づく制御を行うための情報」は、基板側位置情報に基づいて生成された情報であってもよい。例えば、制御システム1は、基板側位置情報に基づいて、伸縮しない場合の基板側電極61の位置と、現在の基板側電極61の位置との差分を表す補正データを生成し、生成した補正データを、通信ネットワークN1を介して実装部4へ出力してもよい。この場合、補正データを取得した実装部4は、補正データを用いて部品7の実装位置を補正した上で、部品7の基板6への実装を行う。
【0071】
その他、制御システム1は、決定処理で決定した塗布位置に関するデータを、通信ネットワークN1を介して実装部4へ出力してもよい。この場合、このデータを取得した実装部4は、このデータを用いて部品7の実装位置を補正することで、接合材A1の塗布位置に基づいて部品7を実装することが可能になる。
【0072】
上述の実施形態では、制御システム1は、基板側位置情報として第1座標系C1の2次元の情報(XY座標)、部品側位置情報として第2座標系C2の2次元の情報(xy座標)を用いているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、制御システム1は、基板側位置情報として第1座標系C1の3次元の情報(XYZ座標)、部品側位置情報として第2座標系C2の3次元の情報(xyz座標)を用いてもよい。
【0073】
上述の実施形態では、制御システム1は、記憶部12に格納された部品データに含まれる部品側位置情報を参照して、決定処理を実行している。言い換えれば、上述の実施形態では、部品側位置情報は、部品7を基板6に実装する実装部4で用いる情報を記憶する記憶部12に記憶されている。そして、上述の実施形態では、制御システム1は、記憶部12に記憶された部品側位置情報を用いて、塗布位置を決定している。つまり、上述の実施形態では、制御システム1は、部品データを実装部4と共用することで接合材A1の塗布位置を決定しているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、制御システム1は、実装部4で用いられる部品データとは別のデータとして部品側位置情報を有し、この部品側位置情報を用いて、接合材A1の塗布位置を決定してもよい。
【0074】
上述の実施形態では、部品データ(部品側位置情報)は、制御システム1の記憶部12に格納されているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、部品データは、制御システム1とは異なる装置であって、制御システム1に通信ネットワークN1を介して接続される記憶装置に格納されていてもよい。この場合、制御システム1は、決定処理において、通信ネットワークN1を介して記憶装置から部品側位置情報を読み出すことにより、部品側位置情報を参照する。
【0075】
上述の基板製造システム100は、制御システム1、検査部2、塗布部3、実装部4、及びリフロー部5を備えているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、基板製造システム100は、制御システム1と、塗布部3と、を備え、他の機能部を備えていなくてもよい。また、基板製造システム100は、制御システム1と、検査部2と、塗布部3と、を備え、他の機能部を備えていなくてもよい。また、基板製造システム100は、制御システム1と、塗布部3と、実装部4と、を備え、他の機能部を備えていなくてもよい。つまり、基板製造システム100は、少なくとも制御システム1と、塗布部3と、を備えていればよく、検査部2、実装部4、及びリフロー部5の各々を備えるか否かは任意である。
【0076】
(まとめ)
以上述べたように、第1の態様に係る制御システム(1)は、塗布部(3)を制御する制御システムである。塗布部(3)は、基板(6)に設けられた基板側電極(61)にヘッド(31)を対向させてヘッド(31)から導電性の接合材(A1)を塗布する。制御システム(1)は、基板側位置情報と、部品側位置情報と、に基づいて、接合材(A1)の塗布位置を決定する。基板側位置情報は、基板側電極(61)の第1座標系(C1)での位置を表す情報である。部品側位置情報は、基板側電極(61)に実装される部品(7)の有する部品側電極(71)の第2座標系(C2)での位置を表す情報である。
【0077】
この態様によれば、部品(7)を接合材(A1)からずれた位置に実装する可能性を低減することができる、という利点がある。
【0078】
第2の態様に係る制御システム(1)では、第1の態様において、部品側電極(71)の第2座標系(C2)での位置は、部品側基準点(72)を基準に設定されている。塗布位置は、基板側位置情報における基板側基準点(62)の位置と、部品側基準点(72)の位置と、を合わせるように決定される。
【0079】
この態様によれば、基板側電極(61)における部品側電極(71)と重なり合う位置を塗布位置に決定することができ、部品(7)の接合材(A1)に対する実装の精度を向上しやすい、という利点がある。
【0080】
第3の態様に係る制御システム(1)では、第2の態様において、部品側位置情報は、部品(7)を基板(6)に実装する実装部(4)で用いる情報を記憶する記憶部(12)に記憶されている。制御システム(1)は、記憶部(12)に記憶された部品側位置情報を用いて、塗布位置を決定する。
【0081】
この態様によれば、実装部(4)で用いる情報を共有することができるので、部品側位置情報を別途用意する必要がない、という利点がある。
【0082】
第4の態様に係る制御システム(1)は、第1~第3のいずれかの態様において、基板側電極(61)の第1座標系(C1)での位置から求まる基板側基準点(62)を基板側位置情報として用いる。
【0083】
この態様によれば、基板(6)における基板側電極(61)の位置をより正確に把握しやすく、結果として部品(7)の接合材(A1)に対する実装の精度を向上しやすい、という利点がある。
【0084】
第5の態様に係る制御システム(1)は、第1~第4のいずれかの態様において、調整機能を更に有する。調整機能は、第1座標系(C1)において、基板(6)の基準線(L1)と、基板側電極(61)と他の基板側電極(61)とを結ぶ直線(L2)とがなす角度(θ)に基づいて、塗布位置を調整する機能である。
【0085】
この態様によれば、基板(6)の歪み等により、基板側電極(61)の位置が第1座標系(C1)のX方向及びY方向の両方向でずれた場合に、接合材(A1)を基板側電極(61)からずれた位置に実装する可能性を低減することができる、という利点がある。
【0086】
第6の態様に係る制御システム(1)は、第1~第5のいずれかの態様において、実装制御機能を更に有する。実装制御機能は、部品(7)を基板(6)に実装する実装部(4)に対して、基板側位置情報に基づく制御を行うための情報を出力する機能である。
【0087】
この態様によれば、実装部(4)が基板側位置情報に基づいて部品(7)の接合材(A1)に対する実装位置を補正しやすい、という利点がある。
【0088】
第7の態様に係る制御システム(1)では、第6の態様において、実装制御機能は、塗布位置の決定に用いた基板側位置情報を実装部(4)へ出力することで実現される。
【0089】
この態様によれば、実装部(4)にて基板側位置情報を共有することができるので、実装部(4)が基板側位置情報を新たに取得する必要がない、という利点がある。
【0090】
第8の態様に係る基板製造システム(100)は、第1~第7のいずれかの態様の制御システム(1)と、塗布部(3)と、を備える。塗布部(3)は、制御システム(1)で決定された塗布位置にヘッド(31)を対向させてヘッド(31)から接合材(A1)を塗布する。
【0091】
この態様によれば、部品(7)を接合材(A1)からずれた位置に実装する可能性を低減することができる、という利点がある。
【0092】
第9の態様に係る基板製造システム(100)は、第8の態様において、検査部(2)を更に備える。検査部(2)は、基板側電極(61)の第1座標系(C1)での位置を検査する。制御システム(1)は、検査部(2)での検査結果を基板側位置情報として取得する。
【0093】
この態様によれば、部品(7)を接合材(A1)からずれた位置に実装する可能性を低減することができる、という利点がある。
【0094】
第10の態様に係る基板製造システム(100)は、第8又は第9の態様において、実装部(4)を更に備える。実装部(4)は、部品(7)を基板(6)に実装する。
【0095】
この態様によれば、部品(7)を接合材(A1)からずれた位置に実装する可能性を低減することができる、という利点がある。
【0096】
第11の態様に係る制御方法は、塗布部(3)を制御する制御方法である。塗布部(3)は、基板(6)に設けられた基板側電極(61)にヘッド(31)を対向させてヘッド(31)から導電性の接合材(A1)を塗布する。制御方法は、基板側位置情報と、部品側位置情報と、に基づいて、接合材(A1)の塗布位置を決定する。基板側位置情報は、基板側電極(61)の第1座標系(C1)での位置を表す情報である。部品側位置情報は、基板側電極(61)に実装される部品(7)の有する部品側電極(71)の第2座標系(C2)での位置を表す情報である。
【0097】
この態様によれば、部品(7)を接合材(A1)からずれた位置に実装する可能性を低減することができる、という利点がある。
【0098】
第12の態様に係るプログラムは、塗布部(3)を制御するためのプログラムである。塗布部(3)は、基板(6)に設けられた基板側電極(61)にヘッド(31)を対向させてヘッド(31)から導電性の接合材(A1)を塗布する。プログラムは、コンピュータシステムに決定処理を実行させるためのプログラムである。決定処理は、基板側位置情報と、部品側位置情報と、に基づいて、接合材(A1)の塗布位置を決定する処理である。基板側位置情報は、基板側電極(61)の第1座標系(C1)での位置を表す情報である。部品側位置情報は、基板側電極(61)に実装される部品(7)の有する部品側電極(71)の第2座標系(C2)での位置を表す情報である。
【0099】
この態様によれば、部品(7)を接合材(A1)からずれた位置に実装する可能性を低減することができる、という利点がある。
【0100】
第2~第7の態様に係る構成については、制御システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。また、第9又は第10の態様に係る構成については、基板製造システム(100)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 制御システム
12 記憶部
2 検査部
3 塗布部
31 ヘッド
4 実装部
6 基板
61 基板側電極
62 基板側基準点
7 部品
71 部品側電極
72 部品側基準点
8 印刷部
100 基板製造システム
A1 接合材
C1 第1座標系
C2 第2座標系
L1 基準線
L2 直線
θ 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9